JP2022037287A - 電気化学デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、アノードに供給される水素含有ガスにアンモニアが含まれていても、水素精製運転で、アンモニウムイオンが電解質膜-電極接合体に蓄積されにくく、水素純化効率が低下するのを抑制できる電気化学デバイスを提供する。【解決手段】本開示における電気化学デバイスは、プロトン伝導性を有する電解質膜とアノードとカソードにより電解質膜-電極接合体を構成し、アノードに水素含有ガスが供給されアノードとカソードとの間に所定方向の電流が流れることにより、純度が高い水素をカソードから得ることができる。アノードは、プロトン伝導性を有し触媒担持粒子を覆う第1の電解質樹脂と、第1の電解質樹脂より塩基性が強く第1の電解質樹脂の外表面を覆う第2の電解質樹脂と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、電気化学デバイスに関する。
特許文献1は、アノードとカソードとで電解質膜を挟み、アノードに水素含有ガスを供給してアノードから電解質膜を介してカソードに直流電流を流すことにより、精製水素をカソードから得ることができる電気化学デバイスを開示する。
特開2015-117139号公報
本開示は、アノードに供給される水素含有ガスにアンモニアが含まれていても、水素精製運転をした時に、アンモニウムイオンが電解質膜-電極接合体に蓄積されにくく、水素純化効率が低下するのを抑制できる電気化学デバイスを提供する。
本開示における電気化学デバイスは、プロトン伝導性を有する電解質膜、電解質膜の一方の主面に配置されるアノードおよび電解質膜の他方の主面に配置されるカソードにより電解質膜-電極接合体を構成し、アノードに水素含有ガスが供給されアノードとカソードとの間に所定方向の電流が流れることにより、アノードに供給される水素含有ガスよりも水素の純度が高い精製水素が、カソードから排出されるように構成される。
アノードは、導電性担体に触媒粒子を担持した触媒担持粒子と、プロトン伝導性を有し触媒担持粒子を覆う第1の電解質樹脂と、第1の電解質樹脂の外表面を覆う第2の電解質樹脂と、を備える。第2の電解質樹脂は、第1の電解質樹脂より塩基性が強い。
本開示における電気化学デバイスのアノードは、触媒担持粒子がプロトン伝導性を有する第1の電解質樹脂によって覆われ、第1の電解質樹脂の外表面が第1の電解質樹脂より塩基性が強い第2の電解質樹脂によって覆われているので、アノードに供給される水素含有ガスにアンモニアが含まれていても、第2の電解質樹脂によって、従来(第2の電解質樹脂が無い場合)よりも、アンモニアがアンモニウムイオンに変化しにくくすることができる。
そのため、本開示の電気化学デバイスを用いて、アンモニアを含む水素含有ガスに含まれる水素を精製する場合に、アンモニウムイオンが電解質膜-電極接合体に蓄積しにくくなり、電気化学デバイスの抵抗が高くなるのを抑制し、電気化学デバイスの水素純化効率が低下するのを抑制することができる。
実施の形態1における電気化学デバイスの概略を示す構成図 実施の形態1におけるアノード触媒層の概略を示す構成図 実施の形態1における触媒インクの概略を示す構成図 実施の形態1におけるプレアノード触媒層の概略を示す構成図 実施の形態1における電解質樹脂インクの概略を示す構成図
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、都市ガスなどの炭化水素系の燃料を、改質器によって水素純度の低い水素含有ガスに改質させ、この水素含有ガスから水素純度の高い高圧の水素を精製する技術があった。
この水素純度が高い高圧の水素を精製する技術は、電解質膜を挟んで配置されるアノードとカソードとの間に、電流を流すことにより、アノード側に供給される水素含有ガスから、カソード側に精製昇圧して水素を得るものであった。
しかしながら、窒素ガスを含む燃料を使用すると、改質器において窒素と水素とが反応し、副生成物としてアンモニアが生成され、アンモニアを含む水素含有ガスがアノードに供給される。
そうした状況において、発明者らは、アンモニアを含む水素含有ガスをアノードに供給しながら、長時間に渡って、水素を精製すると、電気化学デバイスの抵抗が上昇し、水素純化効率が低下する現象に着目した。
ここで、水素純化効率とは、電気化学デバイスに投入する電気エネルギーに対する、精製する水素のエネルギーの割合である。
アノードに供給されたアンモニアは、アノードに含まれる水に溶けて、アンモニウムイオンとして電解質膜-電極接合体に蓄積されることで、電気化学デバイスの抵抗を上昇させ、水素精製に必要な電気エネルギーが増えることで水素純化効率が低下する。
そうした状況下において発明者らは、アンモニアがアンモニウムイオンに変化しにくくすることで、アンモニウムイオンが電解質膜-電極接合体に蓄積することを抑制し、水素純化効率の低下を抑制するという着想を得た。そして、その着想を実現するために、塩基性の強い電解質樹脂を用いることでアンモニアがアンモニウムイオンに変化することを抑制できる。
しかしながら、塩基性の強い電解質樹脂はプロトン伝導性が低く、却って水素純化効率が低下するという課題があることを発見した。そして、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、プロトン伝導性を阻害することなくアンモニアが電解質樹脂でアンモニウムイオンに変化しにくくし、水素精製運転をした時に、アンモニウムイオンが電解質膜-電極接合体に蓄積しにくくすることで、水素純化効率が低下するのを抑制できる電気化学デバイスを提供する。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面及び以下の説明は、当事者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより、特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1~図5を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.電気化学デバイスの構成]
図1に示すように、電気化学デバイス100は、電解質膜-電極接合体104を、アノード側セパレータ105と、カソード側セパレータ106とによって挟持した構成となっている。
電解質膜-電極接合体104は、プロトン伝導性を有する電解質膜101と、電解質膜101の一方の主面に配置されるアノード102と、電解質膜101の他方の主面に配置されるカソード103とで構成される。
電気化学デバイス100は、外部からアノード102に水素含有ガスを供給して、電源141によってアノード102とカソード103との間にアノード102から電解質膜101を通ってカソード103に向かう電流を流すと、アノード102に供給される水素含有ガスよりも水素の純度が高い精製水素が、カソード103から排出されるように構成される。
電解質膜101は、プロトンをアノード102からカソード103に輸送する機能を果たす。電解質膜101は、プロトン伝導性を有する高分子材料から構成される。電解質膜101は、具体的には、イオン交換基としてスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸の高分子材料で構成されている。
アノード102は、電解質膜101の主面に積層されるアノード触媒層121と、アノード触媒層121の外側の面に積層されるアノードガス拡散層122と、から構成されている。
アノード触媒層121は、アノード側セパレータ105におけるアノード102と当接する面に溝状に形成されたアノード側ガス流路109からアノード102に供給される水素含有ガスに含まれる水素をプロトンと電子とに解離する電気化学反応を促進する機能を果たす。
アノード触媒層121の主な構成部材は、触媒担持粒子と、プロトン伝導性を有し触媒担持粒子を覆う電解質樹脂である。
アノードガス拡散層122は、アノード触媒層121への水素含有ガスの供給と、アノード触媒層121との間で電子の授受を行う機能を果たす。具体的には、アノードガス拡散層122は、ガス透過性と電子伝導性を併せ持つ導電性カーボンペーパーから構成されている。
カソード103は、電解質膜101の主面に積層されるカソード触媒層126と、カソード触媒層126の外側の面に積層されるカソードガス拡散層127と、から構成されている。
カソード触媒層126は、アノード102から電解質膜101を通ってカソード103に移動するプロトンと、アノード102から電源141を経由してカソード103に移動する電子とを結合させて水素を発生させる電気化学反応を促進する機能を果たす。
カソード触媒層126は、触媒担持粒子と、プロトン伝導性を有し触媒担持粒子を覆う
電解質樹脂とから構成されている。具体的には、触媒担持粒子は、カーボンブラックに白金を担持させたものである。プロトン伝導性を有する電解質樹脂は、イオン交換基としてスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸の高分子材料から構成されている。
カソードガス拡散層127は、カソード触媒層126において発生する水素の排出と、カソード触媒層126との間で電子の授受を行う機能を果たす。カソードガス拡散層127は、ガス透過性と電子伝導性を併せ持つ導電性カーボンペーパーによって構成されている。
アノード側セパレータ105とカソード側セパレータ106とは、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
アノード側セパレータ105には、アノード入口107及びアノード出口108が、互いに離れた位置で、アノード側セパレータ105における外側の面からアノード102側の面に亘ってアノード側セパレータ105を貫通するように設けられる。
アノード側セパレータ105におけるアノード102(アノードガス拡散層122)と当接する面には、アノード側ガス流路109が、流路の一端でアノード入口107と連通し、流路の他端でアノード出口108と連通するように溝状に形成されている。
アノード入口107には、ガス供給手段(図示せず)から供給される水素含有ガスが通流する水素含有ガス供給配管(図示せず)が接続される。
ガス供給手段からアノード102に供給される水素含有ガスは、アノード入口107からアノード側ガス流路109に流入する。アノード側ガス流路109に流入した水素含有ガスは、アノードガス拡散層122を通ってアノード触媒層121に供給される。
ガス供給手段として、都市ガスなどの炭化水素系の燃料から水蒸気改質反応を利用して水素含有ガスを生成する燃料改質器を用いる。
都市ガスなどの炭化水素系の燃料には窒素が含まれており、さらに、水蒸気改質反応で生成された水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を、CO選択酸化除去触媒を用いて二酸化炭素に変換するために空気を混合させると、水素含有ガスにおける窒素の含有比率が増加する。そして、水素含有ガスに含まれる水素と窒素が反応してアンモニアが生成される。
また、水蒸気改質反応では、炭化水素系の燃料と水蒸気を反応させるが、改質触媒上で炭素が析出したり、水素と二酸化炭素が反応して一酸化炭素と水が生成されたりするのを抑制するために、通常、燃料の供給量から算出された理論上の水の供給量に対し、1.5倍程度の水を燃料改質器に供給するので、燃料改質器から排出される水素含有ガスには水蒸気が含まれる。
ところで、電解質膜101は、電解質膜101が乾燥し過ぎると、プロトン伝導性が低下するので、電解質膜101の湿潤状態(含水量)を、電気化学デバイス100の電気化学反応に適した状態にする必要があるが、アノード102に供給される水素含有ガスに含まれる水蒸気が、電解質膜101の湿潤状態(含水量)を、電気化学デバイス100の電気化学反応に適した状態にするのに役立っている。
アノード入口107からアノード側ガス流路109を介してアノード102に供給された水素含有ガスのうちで、アノード102から電解質膜101を通ってカソード103に移動しなかった残りのガス(アノードオフガス)は、アノード側ガス流路109からアノ
ード出口108を通って外部に排出される。
アノード出口108には、アノードオフガス配管(図示せず)が接続される。アノード出口108(アノードオフガス配管の出口)から排出される水素純度が低下した水素含有ガスは、ガス供給手段の改質触媒を水蒸気改質反応に適した温度に加熱する燃焼器(図示せず)に供給したり、ガス供給手段に供給される炭化水素系の燃料に混合させたりして有効に活用することができる。
カソード側セパレータ106には、カソード出口111が、カソード側セパレータ106における外側の面からカソード103側の面に亘ってカソード側セパレータ106を貫通するように設けられる。
カソード側セパレータ106におけるカソード103(カソードガス拡散層127)と当接する面には、カソード側ガス流路112が、流路の一端でカソード出口111と連通するように溝状に形成されている。カソード出口111には、精製水素ガス配管(図示せず)が接続される。
カソード触媒層126で発生した水素は、カソードガス拡散層127を通ってカソード側ガス流路112に流入する。カソード側ガス流路112に流入した水素は、カソード出口111から精製水素ガス配管に流出する。
アノード102に水素含有ガスが供給される電気化学デバイス100において、電気化学反応が起こって水素が精製されるように、アノード102とカソード103は、電源141を介して、電気的に接続される。具体的には、電源141は定電流型の直流電源である。電源141のプラス側出力端子はアノード102と電気的に接続され、電源141のマイナス側出力端子はカソード103と電気的に接続される。
電源141は、アノード102の電位をカソード103の電位よりも高くして、アノード102において水素含有ガスに含まれる水素をプロトンと電子とに解離させ、プロトンをアノード102から電解質膜101を通ってカソード103に移動させ、電子をアノード102から電源141を経由してカソード103に移動させ、カソード103においてプロトンと電子とを結合させて水素を発生させる。
[1-1-2.アノード触媒層の構成]
次に、図2を用いて、本実施の形態に係る電気化学デバイス100の発明のポイントであるアノード触媒層121の構造をより詳しく説明する。
図2に示すように、アノード触媒層121は、触媒担持粒子153と、触媒担持粒子153を覆う第1の電解質樹脂154と、第1の電解質樹脂154の外表面を覆う第2の電解質樹脂155と、を備える。
触媒担持粒子153は、導電性担体151と、導電性担体151に担持された触媒粒子152とで構成される。触媒粒子152は、水素をプロトンと電子とに解離する電気化学反応を促進する機能を果たす。導電性担体151は、複数の導電性担体151が連なることによって電子の経路を形成する機能を果たす。具体的には、触媒粒子152は白金の粒子で構成され、導電性担体151はカーボンブラックで構成されている。
第1の電解質樹脂154は、プロトンの経路を形成し、電解質膜101との間でプロトンの授受を行う機能を果たす。第1の電解質樹脂154は、プロトン伝導性を有する高分子材料で構成されている。具体的には、第1の電解質樹脂154は、イオン交換基として
スルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸の高分子材料で構成されている。
第1の電解質樹脂154の外表面を被覆する第2の電解質樹脂155は、第1の電解質樹脂154より塩基性の強い高分子材料で構成されている。具体的には、イオン交換基として第四級アンモニウム基を有するスチレン-ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体で構成されている。
次に、図2~図5を用いて、本実施の形態に係るアノード触媒層121の構成を実現する作製方法を説明する。
まず、沈殿法により、導電性担体151に触媒粒子152を50wt%担持させて、触媒担持粒子153を作製する。
次に、触媒担持粒子153と第1の電解質樹脂154と第1の溶媒161とを混合することにより、触媒インク162を作製する。
触媒インク162の作製に用いた第1の電解質樹脂154の重量は、触媒インク162の作製に用いた触媒担持粒子153の重量の半分の重量である。触媒インク162の作製に用いた第1の溶媒161の重量は、触媒インク162の作製に用いた触媒担持粒子153の重量の10倍である。第1の溶媒161はエタノールである。
次に、上記の触媒インク162を電解質膜101にスプレー塗布した後、その第1の触媒インクを塗布した電解質膜101を乾燥させて、電解質膜101に塗布された触媒インク162から第1の溶媒161を除去する。これにより、電解質膜101上に、第1の電解質樹脂154が触媒担持粒子153を覆ったプレアノード触媒層156が作製される。
次に、第2の電解質樹脂155と第2の溶媒163とを混合して、電解質樹脂インク164を作製する。第2の溶媒163の重量は、第2の電解質樹脂155の重量の100倍である。第2の溶媒163は水とエタノールを重量比で1対1に混合したものである。
次に、作製した電解質樹脂インク164を、電解質膜101上に作製されたプレアノード触媒層156にスプレー塗布し、電解質樹脂インク164をスプレー塗布した電解質膜101上のプレアノード触媒層156を乾燥させ、第2の溶媒163を除去する。これにより、電解質膜101上に、アノード触媒層121が作製される。
[1-2.動作]
以上のように構成された電気化学デバイス100について、図1、図2を用いて、以下その動作、作用を説明する。
まず、ガス供給手段から、アノード側セパレータ105のアノード入口107とアノード側ガス流路109を経由して、アノード102に水素含有ガスを供給する。
このとき、ガス供給手段からアノード102に供給される水素含有ガスの露点は65℃である。また、ガス供給手段からアノード102に供給される水素含有ガスの組成は、アンモニアが5ppm、二酸化炭素が20体積%、残りが水素である。なお、この水素含有ガスの組成比率を示す数値は、水素含有ガスに含まれる水蒸気を考慮していない乾燥状態の水素含有ガスの組成比率である。
このとき、電気化学デバイス100の温度は、電気化学デバイス100と熱交換可能に設けられた温度調節器(図示せず)によって、65℃に調節されている。
また、電源141により、電気化学デバイス100のアノード102とカソード103の間に、アノード102から電解質膜101を介してカソード103へ0.6A/cmの電流密度で電流を流す。
アノード入口107からアノード側ガス流路109に流入した水素含有ガスは、アノード側ガス流路109からアノードガス拡散層122を経由してアノード触媒層121に供給される。
このとき、第2の電解質樹脂155が、第1の電解質樹脂154と電解質膜101との間のプロトンの授受を行う機能を阻害することはなく、プロトン伝導性を阻害することはない。
また、アノード側ガス流路109からアノード102に供給されるアンモニアは、第1の電解質樹脂154に到達するより前に、第1の電解質樹脂154より塩基性の強い第2の電解質樹脂155に到達する。
このため、アノード102に供給されるアンモニアが最初に到達する第2の電解質樹脂155では、アンモニアがアンモニウムイオンに変化しにくくなる。
次に、電源141が、電気化学デバイス100のアノード102とカソード103との間に、アノード102から電解質膜101を介してカソード103へ0.6A/cmの電流密度で電流を流す。
これにより、アノード触媒層121では、(化1)に示す、水素含有ガスに含まれる水素がプロトン(H)と電子(e)とに解離する酸化反応が起こる。そして、プロトン(H)は、電解質膜101を透過して、アノード触媒層121からカソード触媒層126に移動し、電子(e)は、電源141を経由して、アノード触媒層121からカソード触媒層126に移動する。そして、カソード触媒層126では、(化2)に示す、プロトン(H)と電子(e)とが結びついて水素になる還元反応が起こる。
Figure 2022037287000002
Figure 2022037287000003
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、アノード触媒層121に供給された水素含有ガスから、水素の含有比率が99.1%で、二酸化炭素の含有比率が0.9%の高純度の水素が精製され、その精製水素は、カソード触媒層126からカソードガス拡散層127を通ってカソード側ガス流路112に排出され、カソード側ガス流路112に流入した精製水素は、カソード出口111を通って精製水素ガス配管に排出される。
アノード入口107からアノード側ガス流路109を介してアノード102に供給された水素含有ガスのうちで、アノード102から電解質膜101を通ってカソード103に移動しなかった残りのガス(アノードオフガス)は、アノード側ガス流路109からアノード出口108を通って外部に排出される。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、電気化学デバイス100は、プロトン伝導性を有する電解質膜101、電解質膜101の一方の主面に配置されるアノード102および電解質膜101の他方の主面に配置されるカソード103により電解質膜-電極接合体104を構成している。
電気化学デバイス100は、アノード102に水素含有ガスが供給されアノード102とカソード103との間に所定方向の電流が流れることにより、アノード102に供給される水素含有ガスよりも水素の純度が高い精製水素が、カソード103から排出されるように構成される。
アノード102は、導電性担体151に触媒粒子152を担持した触媒担持粒子153と、プロトン伝導性を有し触媒担持粒子153を覆う第1の電解質樹脂154と、第1の電解質樹脂154の外表面を覆う第2の電解質樹脂155と、を備える。第2の電解質樹脂155は、第1の電解質樹脂154より塩基性が強い。
本実施の形態の電気化学デバイス100では、アノード102において、プロトン伝導性を有し触媒担持粒子153を覆う第1の電解質樹脂154の外表面は、第1の電解質樹脂154より塩基性の強い第2の電解質樹脂155によって覆われているので、アノード102に供給される水素含有ガスにアンモニアが含まれていても、第2の電解質樹脂155によって、従来(第2の電解質樹脂155が無い場合)よりも、アンモニアがアンモニウムイオンに変化しにくくすることができる。
そのため、電気化学デバイス100を用いて、アンモニアを含む水素含有ガスに含まれる水素を精製する場合に、アンモニウムイオンが電解質膜-電極接合体104に蓄積しにくくなり、電気化学デバイス100の抵抗が高くなるのを抑制し、電気化学デバイス100の水素純化効率が低下するのを抑制することができる。
本実施の形態の電気化学デバイス100のように、第2の電解質樹脂155は、塩基性置換基を有してもよい。
これにより、第2の電解質樹脂155が塩基性置換基を有することで、第2の電解質樹脂155の塩基性をより強め、アンモニアがアンモニウムイオンに変化しにくくする効果を高めることができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1では、触媒粒子152として白金の粒子を用いたが、触媒粒子152は、白金の粒子に限定されず、水素をプロトンと電子とに解離する電気化学反応を促進するものであればよい。
ただし、触媒粒子152として白金の粒子を用いれば、電気化学反応を促進する効果が高く、電気化学デバイス100の効率を高めることができる。また、触媒粒子152として、白金、ルテニウム、パラジウム、鉄、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属や、これらの合金を用いてもよい。
実施の形態1では、導電性担体151としてカーボンブラックを用いたが、導電性担体151は、カーボンブラックに限定されず、連なることによって電子の経路を形成するものであればよい。
ただし、導電性担体151としてカーボンブラックを用いれば、電気伝導性が高く、電気化学デバイス100の効率を高めることができる。また、導電性担体151としてカーボンナノチューブなどの繊維状炭素、導電性酸化物、導電性窒化物、導電性炭化物等や、これらの混合物を用いてもよい。
実施の形態1では、第1の電解質樹脂154として、スルホン酸基をイオン交換基として有するパーフルオロスルホン酸の高分子材料を用いたが、第1の電解質樹脂154は、パーフルオロスルホン酸の高分子材料に限定されず、プロトンを伝導するものであればよい。
ただし、第1の電解質樹脂154として、パーフルオロスルホン酸の高分子材料を用いれば、第1の電解質樹脂154のプロトンを輸送する抵抗が低く、化学的安定性に優れ、電気化学デバイス100の効率と耐久性を高めることができる。
また、第1の電解質樹脂154として、プロトン交換基を有する炭化水素系の高分子材料を用いてもよい。また、第1の電解質樹脂154として、リン酸基やカルボキシル基等のイオン交換基を有する高分子材料を用いてもよい。
実施の形態1では、第2の電解質樹脂155として、第四級アンモニウム基をイオン交換基として有するスチレン-ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体を用いたが、第2の電解質樹脂155は、第四級アンモニウム基をイオン交換基として有する塩基性のスチレン-ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体に限定されず、第1の電解質樹脂154より塩基性の強いものであればよい。
ただし、第2の電解質樹脂155として、第四級アンモニウム基をイオン交換基として有するスチレン-ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体を用いれば、第2の電解質樹脂155の塩基性が強いので、アンモニアがアンモニウムイオンに変化しにくくなり、電気化学デバイス100の抵抗が高くなるのを抑制し、電気化学デバイス100の水素純化効率が低下するのを抑制する効果を高めることができる。
また、第2の電解質樹脂155として、リン酸基やカルボキシル基、等のイオン交換基を有する酸性の高分子材料や、第一級~第三級アミノ基、等のイオン交換基を有する塩基性の高分子材料を用いてもよい。
実施の形態1では、電解質膜101として、イオン交換基としてスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸の高分子材料を用いたが、電解質膜101は、パーフルオロスルホン酸の高分子材料に限定されず、プロトンを伝導するものであればよい。
ただし、電解質膜101としてパーフルオロスルホン酸の高分子材料を用いれば、電解質膜101のプロトンを輸送する抵抗が低く、化学的安定性に優れ、電気化学デバイス100の効率と耐久性を高めることができる。
また、電解質膜101として、プロトン交換基を有する炭化水素系の高分子材料を用いてもよい。また、電解質膜101として、リン酸基やカルボキシル基などのイオン交換基を有する高分子材料を用いてもよい。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示の電気化学デバイスは、電解質膜-電極接合体のアノードに供給される水素含有ガスにアンモニアが含まれていても、アンモニウムイオンが電解質膜-電極接合体に蓄積されることによる水素純化効率の低下を抑制できるので、水素含有ガスに含まれる水素を精製する電気化学デバイスに適用可能である。
具体的には、都市ガスなどの炭化水素系の燃料を改質して生成された水素含有ガスに含まれる水素を精製して、燃料電池車等の水素利用機器に水素を供給する水素供給システムなどに、本開示は適用可能である。
100 電気化学デバイス
101 電解質膜
102 アノード
103 カソード
104 電解質膜-電極接合体
105 アノード側セパレータ
106 カソード側セパレータ
107 アノード入口
108 アノード出口
109 アノード側ガス流路
111 カソード出口
112 カソード側ガス流路
121 アノード触媒層
122 アノードガス拡散層
126 カソード触媒層
127 カソードガス拡散層
141 電源
151 導電性担体
152 触媒粒子
153 触媒担持粒子
154 第1の電解質樹脂
155 第2の電解質樹脂
156 プレアノード触媒層
161 第1の溶媒
162 触媒インク
163 第2の溶媒
164 電解質樹脂インク

Claims (2)

  1. プロトン伝導性を有する電解質膜、前記電解質膜の一方の主面に配置されるアノードおよび前記電解質膜の他方の主面に配置されるカソードにより電解質膜-電極接合体を構成し、前記アノードに水素含有ガスが供給され前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流が流れることにより、前記アノードに供給される水素含有ガスよりも水素の純度が高い精製水素が、前記カソードから排出されるように構成された電気化学デバイスであって、
    前記アノードは、導電性担体に触媒粒子を担持した触媒担持粒子と、プロトン伝導性を有し前記触媒担持粒子を覆う第1の電解質樹脂と、前記第1の電解質樹脂の外表面を覆う第2の電解質樹脂と、を備え、
    前記第2の電解質樹脂は、前記第1の電解質樹脂より塩基性が強いことを特徴とする、電気化学デバイス。
  2. 前記第2の電解質樹脂は、塩基性置換基を有することを特徴とする、請求項1に記載の電気化学デバイス。
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