JP2022036684A - リンポルフィリン化合物及びその製造方法、並びに生体分子損傷剤 - Google Patents

リンポルフィリン化合物及びその製造方法、並びに生体分子損傷剤 Download PDF

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Abstract

【課題】光線力学的療法において使用することができる、リンポルフィリン化合物を含む新規な生体分子損傷剤、及び該リンポルフィリン化合物の製造方法の提供。【解決手段】例えば、5,10,15,20-テトラキス(4-メトキシフェニル)ポルフィリンをピリジン中、塩化ホスホリルを反応させて、中間体のジクロロリン(V)テトラキス(4-メトキシフェニル)ポルフィリンを合成し、さらに6-キノリノールを2分子反応させて得られるビス(6-キノリノキシ)リン(V)テトラキス(4-メトキシフェニル)ポルフィリンを含む、生体分子損傷剤。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日 令和2年3月5日 ウェブサイトのアドレス https://nenkai.csj.jp/Proceeding/detail/year/2020/lecture_no/2PC-071 〔刊行物等〕 発行日 令和2年3月5日 刊行物 日本化学会第100春季年会(2020)予稿集DVD-ROM公益社団法人日本化学会 〔刊行物等〕 ウェブサイトの掲載日 令和2年3月6日 ウェブサイトのアドレス https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S000926142030230X?via%3Dihub https://www.sciencedirect.com/journal/chemical-physics-letters/vol/746/suppl/C 〔刊行物等〕 発行日 令和2年3月6日 刊行物 ケミカルフィジクスレターズ746巻2020年5月号 エルゼビアベーフェー
本発明は、リンポルフィリン化合物及びその製造方法、並びに生体分子損傷剤に関する。
近年、がんを低侵襲的に治療できる療法として光線力学的療法が注目されている。非特許文献1には、光線力学的療法において用いられることを想定した光増感剤として、ジメトキシリン(V)テトラフェニルポルフィリンクロライド(MeOP(V)TPP)及びテトラキス(1-メチル-4-ピリジニオ)ポルフィリン(HTMPyP)といったポルフィリン化合物が開示されている。
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2013, 23, 2704-2707
本発明の主な目的は、光線力学的療法において使用することができる新規な生体分子損傷剤を提供することにある。
本発明者らは、がん細胞周辺における酸性度が正常細胞周辺よりも高い傾向がある点に着目し、生体分子損傷剤の生体分子損傷活性をpHにより制御可能とすることで、がんに対する攻撃特異性を向上させることを検討した。その結果、リンポルフィリン化合物に含まれるカチオン中のリン原子に酸素原子等を介して含窒素芳香族複素環又は置換若しくは未置換のアミノ基を結合させることで、pHによる活性(生体分子損傷活性)の制御が可能となることを見出し、本発明を完成させた。
一つの側面において、本発明は、下記式(1)で表されるカチオンを有するリンポルフィリン化合物に関する。
Figure 2022036684000001

[式(1)中、Qは、-L-Z(Lは、単結合又は炭素数1~4の二価の炭化水素基を示し、Zは、下記式(I)で表される含窒素芳香族複素環基を示す。)で表される基、又は、水素原子を示し、Qは、-OR(Rは、フルオロ基で置換されていてもよい炭素数1~8の一価の炭化水素基を示す。)で表される基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基又はヨード基を示す。式(1)中、2つのQは同一であっても異なっていてもよく、複数のQは同一であっても異なっていてもよい。ただし、2つのQのうちの少なくとも1つは、-L-Zで表される基である。]
Figure 2022036684000002

[式(I)中、R21~R26は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基又はエトキシ基を示し、*は、Lへの結合手を示す。]
上記リンポルフィリン化合物は、pH選択的な光増感活性を有する。そのため、上記リンポルフィリン化合物によれば、光線力学的療法において使用することができ、酸性条件下で特異的に高い活性を示す生体分子損傷剤を提供することができる。
上記側面において、複数のQのうちの少なくとも1つは、-OR(Rは、フルオロ基で置換されていてもよい炭素数1~8の一価の炭化水素基を示す。)で表される基であってよい。この場合、リンポルフィリン化合物の長波長(例えば630nm以上の波長)の光に対する感度が向上する。そのため、このようなリンポルフィリン化合物によれば、長波長の光を用いた場合にも生体分子からの電子移動機構によって生体分子を損傷させるための光増感剤として機能する、生体分子損傷剤を提供することができる。
上記側面において、リンポルフィリン化合物のpKは、2~9であってよい。
別の側面において、本発明は、上記側面のリンポルフィリン化合物を製造する方法に関する。一形態に係る方法は、下記式(2)で表されるカチオンを有する化合物と、Z-L-OHで表される化合物(Lは、単結合又は炭素数1~4の二価の炭化水素基を示し、Zは、上記式(I)で表される含窒素芳香族複素環基を示す。)とを反応させて、上記式(1)で表されるカチオンを有するリンポルフィリン化合物を生成させる工程を備える。
Figure 2022036684000003

[式(2)中、Xはブロモ基又はクロロ基を示し、Qは、-OR(Rは、フルオロ基で置換されていてもよい炭素数1~8の一価の炭化水素基を示す。)で表される基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基又はヨード基を示す。式(2)中、複数のQは同一でも異なっていてもよい。]
別の側面において、本発明は、上記側面のリンポルフィリン化合物を含む、生体分子損傷剤に関する。
上記生体分子損傷剤によれば、pHによる活性の制御が可能であり、光線力学的療法において、特定のがん細胞を選択的に攻撃することができる。すなわち、上記生体分子損傷剤は、がん細胞に対する攻撃特異性に優れる傾向がある。そのため、上記生体分子損傷剤を用いることで、光毒性による副作用を避けるための暗室での入院期間を低減することができる、当該副作用の発生を抑制しながら生体分子損傷剤の投与量及び光照射量を増加させることができる等の有利な効果が期待される。
上記側面の生体分子損傷剤は、550~670nmの光によって生体分子を損傷させるために用いられてよい。生体分子の損傷のためにこのような長波長の光を用いることは、人体への影響を抑えるとともに、生体内組織の深部に到達する点で有利である。
本発明によれば、光線力学的療法において使用することができる新規な生体分子損傷剤を提供することができる。
図1は、実験例2及び4のリンポルフィリン化合物の吸収スペクトルである。 図2は、実験例2のリンポルフィリン化合物の蛍光スペクトルである。 図3は、実験例2のリンポルフィリン化合物の近赤外発光スペクトルである。 図4は、実験例2のリンポルフィリン化合物に対する光照射時間とヒト血清アルブミン(HSA)の損傷量との関係を示すグラフである。 図5は、実験例4のリンポルフィリン化合物に対する光照射時間とヒト血清アルブミン(HSA)の損傷量との関係を示すグラフである。 図6は、実験例3のリンポルフィリン化合物に対する光照射時間とヒト血清アルブミン(HSA)の損傷量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
一実施形態の生体分子損傷剤は、下記式(1)で表されるカチオンを有するリンポルフィリン化合物を含む。
Figure 2022036684000004
式(1)中、Qは、-L-Z(Lは、単結合又は炭素数1~4の二価の炭化水素基を示し、Zは、下記式(I)で表される含窒素芳香族複素環基を示す。)で表される基、又は、水素原子を示し、Qは、-OR(Rは、フルオロ基で置換されていてもよい炭素数1~8の一価の炭化水素基を示す。)で表される基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基又はヨード基を示す。式(1)中、2つのQは同一であっても異なっていてもよく、複数のQは同一であっても異なっていてもよい。ただし、2つのQのうちの少なくとも1つは、-L-Zで表される基である。pHによる光増感活性の差がより顕著となる観点では、2つのQの両方が-L-Zで表される基であってもよい。
Figure 2022036684000005
式(I)中、R21~R26は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基又はエトキシ基を示し、*は、Lへの結合手を示す。
上記生体分子損傷剤によれば、低酸素下であっても、電子移動機構によって効率的に標的細胞のタンパク質分子等の生体分子を攻撃し、標的細胞を死滅させることができる。電子移動機構は、光の照射により励起された分子が、生体分子から直接電子を引き抜くことにより、生体分子を酸化損傷させる機構である。電子移動機構は、酸素を必要とする一重項酸素機構と比較して、低酸素下でも生体分子に対してより有効に作用することができる。腫瘍細胞(がん細胞)を含む腫瘍組織は一般に低酸素下にあるが、電子移動機構によれば、腫瘍細胞のような低酸素下の標的細胞を効率的に攻撃することができる。
加えて、上記生体分子損傷剤によれば、pHによる活性の制御が可能であり、光線力学的療法において、特定のがん細胞を選択的に攻撃することができる。これは、上記式(1)で表されるカチオンを有するリンポルフィリン化合物が、酸性条件下において、生体分子からの電子移動機構によって生体分子を損傷させるための光増感活性(光増感剤としての活性)を発現することができる一方で、中性条件下では当該活性が失われるためである。リンポルフィリン化合物がこのようにpH選択的な光増感活性を有する理由は、以下のとおりと推察される。
すなわち、上記リンポルフィリン化合物は、上記式(1)で表されるカチオンが、リン原子に酸素原子等を介して結合する含窒素芳香族複素環又は置換若しくは未置換のアミノ基を有しているため、中性条件下では、これらの官能基中の窒素原子からポルフィリン環への分子内電子移動が起こり、光増感活性が失われる。一方、酸性条件下では、上記官能基中の窒素原子がプロトン(H)によりトラップされるため、分子内電子移動が妨げられ、光増感活性が失われることがない。このような理由から、上記リンポルフィリン化合物は、pH選択的な光増感活性を有すると推察される。
さらに、上記生体分子損傷剤によれば、人体への影響が少なく、生体内組織の深部に到達する550~670nm程度の長波長の光の照射によって、生体分子を効率的に損傷させることができる傾向がある。言い換えると、生体分子損傷剤を、550~670nmの波長の光を照射することを含む方法により、生体分子を損傷させるための光増感剤として用いることができる傾向がある。用いられる光の波長は、600~670nmであってもよい。特に、複数のQのうちの少なくとも1つを-ORで表される基とすると、リンポルフィリン化合物の吸収極大波長をより長波長側(例えば630nm以上)にシフトさせることができるため、長波長の光の作用により、低酸素下でも電子移動反応によって生体分子を効率的に損傷させることができる。上記効果は、複数のQの全てが-ORで表される基である場合に顕著となる傾向がある。
以上のことから、上記生体分子損傷剤は、例えば、光の照射により標的とする細胞の生体分子を損傷させるための光増感剤として用いることができる。例えば、生体分子損傷剤を患者に投与すること、及び生体内の標的細胞が有する生体分子を光の照射により選択的に損傷させることの両方を含む、光線力学的療法のための光増感剤として生体分子損傷剤を用いることができる。あるいは、生体分子損傷剤を、細菌感染した歯又は歯肉の光殺菌治療等のための光殺菌剤として用いることもできる。
式(1)中のQにおけるLは、単結合又は炭素数1~4の二価の炭化水素基である。炭素数1~4の二価の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。炭素数1~4の二価の炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。炭素数1~4の二価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、tert-ブチレン等が挙げられる。Lは、pHによる光増感活性の差がより顕著となる観点では、単結合又はメチレン基であってよい。
式(1)中のQにおけるRは、フルオロ基で置換されていてもよい炭素数1~8の一価の炭化水素基である。炭素数1~8の一価の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。炭素数1~8の一価の炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。フルオロ基で置換されていてもよい炭素数1~8の一価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基及びこれらの基の1個以上の水素原子をフッ素原子(フルオロ基)に置換して形成される基が挙げられる。フッ素原子を有するRの例としては、ジフルオロエチル基(-CHCHF)、トリフルオロエチル基(-CHCF)、トリフルオロプロピル基(-CHCHCF等の異性体を含む)、ヘキサフルオロプロピル基(-CH(CF等の異性体を含む)、トリフルオロブチル基(-CHCHCHCF等の異性体を含む)、ヘキサフルオロブチル基(-CHCFCHFCF等の異性体を含む)、ヘプタフルオロブチル基(-CHCFCFCF等の異性体を含む)、及びノナフルオロブチル基(-C(CF等の異性体を含む)が挙げられる。生体分子を特に効率的に損傷させる観点では、Rは、メチル基、エチル基又はトリフルオロエチル基であってよい。
リンポルフィリン化合物を構成するアニオンは、式(1)で表されるカチオンの対アニオンとして機能し得るものであれば制限はないが、生体分子損傷剤が生体に投与される場合、薬学的に許容される塩を形成するアニオンが選択される。アニオンの具体例としては、Cl、Br等のハロゲン化物イオンがある。
以上説明したリンポルフィリン化合物のpKは、例えば、2~9である。リンポルフィリン化合物のpKが2~9であることは、酸性条件下で、上記官能基中の窒素原子がプロトン(H)によりトラップされやすく、中性条件下で、上記官能基中の窒素原子からリン原子への分子内電子移動が起こりやすいことを意味する。そのため、リンポルフィリン化合物のpKが2~9であるとpHによる光増感活性の差がより顕著となる傾向がある。pHによる光増感活性の差は、pKが3~8であると更に顕著となる傾向があり、4~7であると特に顕著となる傾向がある。このような観点から、リンポルフィリン化合物のpKは、2以上又は3以上又は4以上であってよく、9以下又は8以下又は7以下であってよい。
生体分子損傷剤は、上記リンポルフィリン化合物のみを有効成分として含んでいてもよい。当業者には理解されるように、生体分子損傷剤は、水等の溶媒を含んでいてもよいし、他の任意の成分を更に含んでいてもよい。生体分子損傷剤におけるリンポルフィリン化合物の濃度は、生体分子損傷剤の質量を基準として、例えば0.01質量%以上又は90質量%以上であってもよいし、100質量%以下であってもよい。
上記生体分子損傷剤に含まれるリンポルフィリン化合物は、例えば、下記式(2)で表されるカチオンを有する化合物と、Z-L-OHで表される化合物(Lは、単結合又は炭素数1~4の二価の炭化水素基を示し、Zは、上記式(I)で表される含窒素芳香族複素環基を示す。)とを反応させて、式(1)で表されるカチオンを有するリンポルフィリン化合物を生成させる工程を備える方法によって製造することができる。
Figure 2022036684000006
式(2)中、Xはブロモ基又はクロロ基を示す。上記反応における反応性の観点では、式(2)中のXはクロロ基であってよい。Qは式(1)中のQと同義である。
式(2)で表される化合物は、例えば、下記式(3)で表される置換テトラフェニルポルフィリンと塩化ホスホリル又は臭化ホスホリルとの反応により得ることができる。下記式(3)で表される置換テトラフェニルポルフィリンは、当業者であれば、置換ベンズアルデヒド及びピロール、又は、ポルフィリン等を出発物質とする公知の合成経路により容易に製造することができる。
Figure 2022036684000007
式(3)中、Qは式(1)中のQと同義である。
-L-OHで表される化合物中のZ及びLの詳細は、上述した式(1)に含まれるZ及びLの詳細と同じである。
上記工程における、式(2)で表されるカチオンを有する化合物と、Z-L-OHで表される化合物との反応は、メタノール等の溶媒中で行ってもよく、そこに塩基を加えてもよい。用いられる塩基としては、特に限定されないが、例えば、ピリジンが挙げられる。塩基は、乾燥処理されたものであってもよい。
上記工程は、必要により加熱しながら行うことができる。加熱温度は出発原料、塩基、Z-L-OHで表される化合物、その他反応に用いる試薬等の種類によって異なるが、加熱還流しながら反応を行うことができる。反応時間は、通常、数時間~数日程度である。また、本工程は、乾燥条件下で行うことができる。
以下、実験例を挙げて本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実験例に限定されるものではない。
<実験例1>
ClP(V)TMPP(ジクロロリン(V)テトラキス(4-メトキシフェニル)ポルフィリンクロライド)の合成
Figure 2022036684000008
5,10,15,20-テトラキス(4-メトキシフェニル)ポルフィリン(東京化成工業株式会社製)200mgを12mLの乾燥ピリジンに溶かした。そこに、4.2gの塩化ホスホリルを加え、72時間加熱還流した。このとき、塩化カルシウム管を還流管上部に取り付け、空気中の水分の混入を避けた。その後、反応液の溶媒をロータリーエバポレーターを用いて留去した。展開溶媒をクロロホルム:メタノール=4:1としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて反応物を精製し、ClP(V)TMPPを230mg得た。
得られた化合物の構造は、H-NMR(JEOL、JNM-AL-300)、質量分析(FAB-MS、JEOL、The MStation JMS-700)、吸収スペクトル(島津製作所、UV-1650PC)で確認した。以下にそのデータを示す。
H-NMR(CDCl,TMS):δ4.03(s,12H,meso-phenyl-OCH),7.30(d,JH-H=7.5Hz,8H,meso-m-phenyl-H),7.90(d,JH-H=7.5Hz,8H,meso-o-phenyl-H),9.12(d,JH-H=3.0Hz,8H,βH).
FAB-MS:m/z833.2(M).
紫外可視吸収スペクトル(エタノール中):吸収極大波長λmax/nm 457,578,629.
<実験例2>
QuinP(V)TMPP(ビス(6-キノリノキシ)リン(V)テトラキス(4-メトキシフェニル)ポルフィリンクロライド)の合成
Figure 2022036684000009
101mgのClP(V)TMPPと2gの6-キノリノールを脱水ピリジンに溶解し、216時間加熱還流した。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターによって除去した。得られた固体生成物を、展開溶媒をクロロホルム:メタノール=85:15としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで3回精製した。これにより、青紫色の固体生成物として、QuinP(V)TMPPを110mg得た。生成量子収率は、85%であった。
得られた化合物の構造は、H-NMR(JEOL、300MHz)、質量分析(ESI-HR TOF-MS、Bruker、compactTM)、吸収スペクトル(島津製作所、UV-1650PC)で確認した。以下にそのデータを示す。
H-NMR(300MHz,CDCl,δ in ppm):9.036(d,JH-H=3.6Hz,8H,βH),8.431(d,JH-H=2.4Hz,2H,[1]),7.603(d,JH-H=8.4Hz,8H,o-phenyl-H),7.171(d,JH-H=8.7Hz,8H,m-phenyl-H),7.095(d,JH-H=6.6Hz,2H,[3]),7.048(d,JH-H=4.2Hz,2H,[6]),6.698(d,JH-H=9.0Hz,2H,[2]),2.881(d,JH-H=9.0Hz,2H,[5]),2.392(t,JH-H=2.7Hz,2H,[4]).
ESI-TOF-HRMS:m/z1051.3475(calculated for C6648 m/z1051.3373).
紫外可視吸収スペクトル(エタノール中):吸収極大波長λmax/nm 456,574,623.
<実験例3>
ClP(V)TClPP(ジクロロリン(V)テトラキス(4-クロロフェニル)ポルフィリンクロライド)の合成
Figure 2022036684000010
まず、3.8gのp-クロロベンズアルデヒドと1.9mlのピロールを100mLのプロピオン酸に溶解し、90分間加熱還流した。その後、反応液をろ過し、エタノール洗浄し、再結晶し、展開溶媒をクロロホルムとしたカラムクロマトグラフィーにより精製して、収率26%で、テトラキス(4-クロロフェニル)ポリフィリン(TClPP)を合成した。
次いで、200mgのTClPPを200mlの脱水ピリジンに溶解した後、3mLの塩化ホスホリルを加え、211時間加熱還流した。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、展開溶媒をCHCl:MeOH=6:1としたカラムクロマトグラフィーで4回精製した。これにより、ClP(V)TClPPを収率91%で得た。
得られた化合物の構造は、H-NMR(JEOL、300MHz)、質量分析(ESI-HR TOF-MS、Bruker、compactTM)、吸収スペクトル(島津製作所、UV-1650PC)で確認した。以下にそのデータを示す。
H-NMR(CDCl,300MHz):δ=9.186(d,JH-H=4.2Hz,8H,βH),7.972(d,JH-H=8.1Hz,8H,o-phenyl-H),7.786(d,JH-H=8.1Hz,8H,m-phenyl-H).
ESI-TOF-HRMS:m/z=848.9914(Calculated:m/z=848.9864).
紫外可視吸収スペクトル(エタノール中):吸収極大波長λmax/nm 439,567,612.
<実験例4>
QuinP(V)TClPP(ビス(6-キノリノキシ)P(V)テトラキス(4-クロロフェニル)ポルフィリンクロライド)の合成
Figure 2022036684000011
99mgのClP(V)TClPPと1.7gの6-キノリノールを11mLの脱水ピリジンに溶解し、22時間加熱還流した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、展開溶媒をCHCl:MeOH=6:1としたカラムクロマトグラフィーで2回精製した。これにより、QuinP(V)TClPPを収率57%で得た。
得られた化合物の構造は、H-NMR(JEOL、300MHz)、質量分析(ESI-HR TOF-MS、Bruker、compactTM)、吸収スペクトル(島津製作所、UV-1650PC)で確認した。以下にそのデータを示す。
H-NMR(CDCl,300MHz):δ=9.084(br,8H,[1]),8.447(d,JH-H=3.3Hz,2H,[2]),7.672(s,16H,[3][4]),7.188(d,JH-H=7.8Hz,2H,[5]),7.057(q,JH-H=4.1Hz,2H,[6]),6.685(d,JH-H=9.3Hz,2H,[7]),2.701(d,JH-H=9.3Hz,2H,[8]),2.550(t,JH-H=2.7Hz,2H,[9]).
ESI-TOFHRMS:m/z=1067.1375(Calculated:m/z=1067.1386).
紫外可視吸収スペクトル(エタノール中):吸収極大波長λmax/nm 437,563,606.
<QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPの物性値評価>
(吸収スペクトル)
pHの異なる10mMリン酸緩衝液(1%エタノールを含む)を用いて、酸性条件(pH3.2)及び中性条件(pH7.6)における、QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPの吸収スペクトルを測定した。測定には、分光光度計(島津製作所,UV-1650PC)を使用した。得られた吸収スペクトルより求めた吸収極大波長λ maxを表1に示す。
また、エタノール溶媒を用いて、濃度10μMで、QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPの吸収スペクトルを測定した。測定には、分光光度計(島津製作所,UV-1650PC)を使用した。得られた吸収スペクトルを図1に示す。
(蛍光分析)
pHの異なる溶媒(10mMリン酸緩衝液、1%エタノールを含む)を用いて、酸性条件(pH3.2)及び中性条件(pH7.6)における、QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPの蛍光スペクトルを測定した。測定には、分光蛍光光度計(株式会社日立ハイテクフィールディング製,F-4500)を使用した。得られた蛍光スペクトルのうち、QuinP(V)TMPPの蛍光スペクトルを図2に示す。また、蛍光スペクトルより求めた蛍光極大波長λ max及び相対蛍光量子収率Φを表1に示す。なお、相対蛍光量子収率とは、pH3.2での蛍光量子収率を1とした相対値である。
(蛍光寿命測定)
pHの異なる溶媒(10mMリン酸緩衝液、1%エタノールを含む)を用いて、酸性条件(pH3.2)及び中性条件(pH7.6)における、QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPの蛍光寿命τを測定した。測定には、蛍光寿命測定装置(株式会社堀場製作所製、TemPro)を使用した。
(一重項酸素生成量子収率)
QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPの一重項酸素生成量子収率ΦΔを、以下の方法により算出した。すなわち、近赤外発光分光測定装置(浜松ホトニクス株式会社製,NIR-PIIシステム)と励起光源(Nd:YAGレーザ、波長532nm)により、酸性条件及び中性条件での一重項酸素の発光強度を測定した。発光強度の測定は、pH3.2の10mMリン酸緩衝液(1%エタノールを含む)及びpH7.6の10mMリン酸緩衝液(1%エタノールを含む)を用いて行った。測定された発光強度の、メチレンブルーによる一重項酸素の発光強度(蒸留水中での一重項酸素生成量子収率0.52)に対する相対的な比率を一重項酸素生成量子収率とした。結果を表1に示す。また、得られた近赤外発光スペクトルのうち、QuinP(V)TMPPの近赤外発光スペクトルを図3に示す。なお、図3には、参考のため、エタノール中で測定したQuinP(V)TMPPの近赤外発光スペクトルも示している。
Figure 2022036684000012

※ND:Not Determined
表1に示すように、QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPは、550~670nm付近に吸収極大波長を有していることが確認された。また、図1に示すように、QuinP(V)TMPPでは、吸収端が波長670nm程度まで確認され、QuinP(V)TClPPでは、吸収端が波長630nm程度まで確認された。これらのことから、QuinP(V)TMPPは、波長630nm以上で十分に励起可能であり、長波長応答性を有するといえる。また、QuinP(V)TClPPは、QuinP(V)TMPPには劣るもの、波長550nm以上で十分に励起可能であり、長波長応答性を有するといえる。
また、表1及び図2に示すように、中性条件(pH7.6)では、QuinP(V)TMPPの蛍光は痕跡程度しか観測されず、分子内電子移動により光増感活性が失われることが確認された。また、QuinP(V)TClPPの蛍光は、中性条件(pH7.6)で僅かに観察されたものの、蛍光量子収率は低く、分子内電子移動により光増感活性が弱くなることが確認された。一方、酸性条件(pH3.2)では、蛍光が回復し、QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPのいずれも高い蛍光量子収率を有し、蛍光寿命も十分長いことが確認された。すなわち、酸性条件(pH3.2)では、QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPの光増感活性が回復することが確認された。
また、一重項酸素生成量子収率の値から、いずれの化合物も、酸性条件(pH3.2)で赤色光を照射することにより一重項酸素を発生できることが確認された。また、一重項酸素生成量子収率の値から、一重項酸素の生成活性(生成量子収率)も、中性条件(pH7.6)では弱くなる又は失われるが、酸性条件(pH3.2)では回復することが確認された。このことは、図3のQuinP(V)TMPPの近赤外発光スペクトルからも確認できる。
(pK測定)
上記吸収スペクトルの測定と同様にして、異なるpH(pH=4.7、5.8、6.5)の溶媒(10mMリン酸緩衝液、1%エタノールを含む)中で、QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPの吸収スペクトルを測定し、吸収スペクトルのpH依存性から電子ドナーとなるキノリン部位のpKを算出した。QuinP(V)TMPPのpKは4.8、QuinP(V)TClPPのpKは4.0と見積もられた。
<タンパク質光損傷作用の評価>
QuinP(V)TMPP、QuinP(V)TClPP及びClP(V)TClPPのタンパク質光損傷作用を以下の方法により評価した。
5μMのリンポルフィリン化合物(QuinP(V)TMPP、QuinP(V)TClPP又はClP(V)TClPP)と10μMのヒト血清アルブミン(水溶性タンパク質、HSA)を10mMリン酸緩衝液に加え、評価用溶液1(QuinP(V)TMPPの評価用溶液1、QuinP(V)TClPPの評価用溶液1及びClP(V)TClPPの評価用溶液1)を調製した。
QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPのタンパク質光損傷作用の作用機構を確認するため、QuinP(V)TMPPの評価用溶液1(1.2mL)及びQuinP(V)TClPPの評価用溶液1(1.2mL)それぞれに一重項酸素の消去剤であるアジ化ナトリウム(0.78mg)を添加し、評価用溶液2(QuinP(V)TMPPの評価用溶液2及びQuinP(V)TClPPの評価用溶液2)を調製した。
上記で得られた評価用溶液1及び評価用溶液2に対し、赤色発光ダイオード光源(CCS株式会社製、ISL-150X150-RR、強度は2mW・cm-2)を用いて赤色光を照射し、そのときのHSA中のトリプトファン残基の自家蛍光を分光蛍光光度計(株式会社日立ハイテクフィールディング製、650-60)を用いて測定した。光源の極大波長は、QuinP(V)TMPPでは659nmとし、QuinP(V)TClPP及びClP(V)TClPPでは585nmとした。HSAの中に1残基存在するトリプトファンは、光増感反応で酸化損傷されると蛍光を発しなくなることから、上記自家蛍光強度は、評価用溶液に含まれる損傷されていないHSA量に比例する。赤色光の照射前の自家蛍光強度と比較した自家蛍光強度の減少量から、HSAの損傷量を求めた。QuinP(V)TMPPにおける光照射時間とHSAの損傷量との関係(HSA損傷活性の評価結果)を図4に示し、QuinP(V)TClPPにおける光照射時間とHSAの損傷量との関係(HSA損傷活性の評価結果)を図5に示し、ClP(V)TClPPにおける光照射時間とHSAの損傷量との関係(HSA損傷活性の評価結果)を図6に示す。なお、図4~6に表示されているエラーバーは3サンプル測定したデータの平均値から求めた標準偏差を示す。本評価の評価方法の詳細は、例えば、以下の文献(1)及び(2)で確認できる。
文献(1):Chemical Research in Toxicology, 2019, Vol.32, p.1638-1645
文献(2):Chemical Research in Toxicology,2018, Vol.31, p.371-379
図4及び図5に示すように、QuinP(V)TMPP及びQuinP(V)TClPPへの赤色光照射によるタンパク質(HSA)の光損傷を確認した。一重項酸素の消去剤であるアジ化ナトリウムを添加した場合でもタンパク質(HSA)の光損傷は観測され、電子移動機構が確認された。また、酸素が存在する条件では、従来機構と同様に、一重項酸素もタンパク質(HSA)の損傷に関与できることを確認した。また、pH3.2の弱酸性条件でタンパク質光損傷作用(HSA損傷活性)が増強されること、すなわち、pHによるHSA損傷活性の制御が可能であることを確認した。一方、図6に示すように、ClP(V)TClPPでは、弱酸性条件でのタンパク質光損傷作用(HSA損傷活性)の増強は確認されなかった。
<電子移動機構の熱力学的及び速度論的検証>
QuinP(V)TMPPの励起エネルギー、還元電位及びギブズエネルギーを求めた。励起エネルギーは、最低励起一重項状態のエネルギーを蛍光極大波長から計算した。還元電位(一電子還元における酸化還元電位)は、飽和カロメル電極(SCE)を基準として、アセトニトリル中で測定した。ギブズエネルギーは、トリプトファン残基を電子移動で酸化する反応を想定し、トリプトファンの酸化電位(0.65 V)を用いて計算した。
Figure 2022036684000013
また、QuinP(V)TMPPの評価用溶液1を用いて、ヒト血清アルブミン(10μM)含有時のQuinP(V)TMPPの蛍光寿命(HSAに結合したQuinP(V)TMPPの蛍光寿命)を測定したところ、HSAへの結合部位によって、電子移動が起こらない長寿命成分(3.39ns、pH3.2)とトリプトファン残基からと考えられる電子移動で短寿命化した成分(0.22ns、pH3.2)が観測された。これらの値から、電子移動速度定数は、pH3.2で4.2×10-1以上であると計算された。
以上より、熱力学的及び速度論的観点から、電子移動機構によるタンパク質損傷が可能であることを確認した。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表されるカチオンを有するリンポルフィリン化合物。
    Figure 2022036684000014

    [式(1)中、Qは、-L-Z(Lは、単結合又は炭素数1~4の二価の炭化水素基を示し、Zは、下記式(I)で表される含窒素芳香族複素環基を示す。)で表される基、又は、水素原子を示し、Qは、-OR(Rは、フルオロ基で置換されていてもよい炭素数1~8の一価の炭化水素基を示す。)で表される基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基又はヨード基を示す。式(1)中、2つのQは同一であっても異なっていてもよく、複数のQは同一であっても異なっていてもよい。ただし、2つのQのうちの少なくとも1つは、-L-Zで表される基である。]
    Figure 2022036684000015

    [式(I)中、R21~R26は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基又はエトキシ基を示し、*は、Lへの結合手を示す。]
  2. 前記複数のQのうちの少なくとも1つが、-OR(Rは、フルオロ基で置換されていてもよい炭素数1~8の一価の炭化水素基を示す。)で表される基である、請求項1に記載のリンポルフィリン化合物。
  3. pKが2~9である、請求項1又は2に記載のリンポルフィリン化合物。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載のリンポルフィリン化合物を製造する方法であって、
    下記式(2)で表されるカチオンを有する化合物と、Z-L-OHで表される化合物(Lは、単結合又は炭素数1~4の二価の炭化水素基を示し、Zは、前記式(I)で表される含窒素芳香族複素環基を示す。)とを反応させて、前記式(1)で表されるカチオンを有するリンポルフィリン化合物を生成させる工程を備える、方法。
    Figure 2022036684000016

    [式(2)中、Xはブロモ基又はクロロ基を示し、Qは、-OR(Rは、フルオロ基で置換されていてもよい炭素数1~8の一価の炭化水素基を示す。)で表される基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基又はヨード基を示す。式(2)中、複数のQは同一でも異なっていてもよい。]
  5. 請求項1~3のいずれか一項に記載のリンポルフィリン化合物を含む、生体分子損傷剤。
  6. 550~670nmの光を照射することを含む方法によって生体分子を損傷させるために用いられる、請求項5に記載の生体分子損傷剤。

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