JP2022036578A - 大気圧プラズマ装置 - Google Patents

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Eiji Uchiyama
仁美 久蔵
Hitomi Hisakura
一博 東
Kazuhiro Azuma
直登 澤田
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Abstract

【課題】異常放電が生じにくい大気圧プラズマ装置を提供する。【解決手段】第1の電極2と、第1の電極を囲むように設けられた第1の筒状誘電体3と、第1の筒状誘電体3を囲み、第1の筒状誘電体3との間にガス流路8を形成するように設けられた第2の筒状誘電体4と、第2の筒状誘電体の外側に設けられた第2の電極5と、を備え、ガス流路8にはプラズマ原料ガスが供給され、第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4のうちの少なくとも一方を、ガス流路8の下流側に向かって第1の電極2及び第2の電極5のうち少なくとも一方よりも進出させる。【選択図】図1

Description

本発明は、大気圧プラズマ装置に関する。
従来より、電極間に電位差を印加し、電極間に反応性ガスを流入させることにより、反応性ガスをプラズマ化させるプラズマ処理装置が知られている。近年、大型の真空装置が必要ない大気圧プラズマ装置が広く用いられている。
このようなプラズマ装置の一種として、トーチ型のプラズマ処理装置が知られている。例えば、特許文献1の発明は、二重管状体の誘電体を有し、内側の誘電体の内側と、外側の誘電体の外側に電極がそれぞれ配置され、内側の誘電体と外側の誘電体の間に形成される空隙にプラズマ原料ガスを供給すると共に、電極へ電圧を印加することで低温プラズマを発生させる装置が開示されている。
特開2005-322416号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような二重管状体の誘電体を有するようなトーチ型のプラズマ装置では、内側の誘電体の内側に配置された電極から外側の誘電体の外部、プラズマ装置を構成している金属部材、及び/またはワークに向かう放電、即ち異常放電が生じる。特に、プラズマの発生量を増やすために、両電極間に高電圧を印加した場合には、高電界が生成され、内側の誘電体の内側に配置された電極から外側の誘電体の外側に配置された電極に向かう電子が増加し、内側の誘電体の内側に配置させた電極とプラズマ装置を構成している金属部材間の異常放電、所謂火花放電が生じやすくなる。同様に、内側の誘電体の内側に配置させた電極と外側の誘電体の外側に配置された電極間の異常放電、所謂沿面放電も生じやすい。また、プラズマの活性種の寿命が短いという欠点を補うためにプラズマとワーク間の距離を短くした場合には、内側の誘電体の内側に配置された電極からワーク及び、ワークの外部に向かう異常放電が生じやすくなる。
本発明は、上記の問題に鑑み成されたものであり、異常放電が生じにくい大気圧プラズマ装置を提供することを目的とする。
本発明の大気圧プラズマ装置は、第1の電極と、第1の電極を囲むように設けられた第1の筒状誘電体と、第1の筒状誘電体を囲み、第1の筒状誘電体との間にガス流路を形成するように設けられた第2の筒状誘電体と、第2の筒状誘電体の外部に設けられた第2の電極と、を備え、ガス流路にはプラズマ原料ガスが供給され、第1の筒状誘電体及び第2の筒状誘電体のうちの少なくとも一方は、ガス流路の下流側に向かって第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方よりも進出している、ことを特徴とする。
プラズマを高密度で発生させるには、高電圧を印加してプラズマの発生量を増やすことが望ましいが、高電圧を印加すると、上記の異常放電が生じやすい。これに対して、上記構成の発明によれば、第1の筒状誘電体及び第2の筒状誘電体のうちの少なくとも一方が、ガス流路の下流側に向かって第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方よりも進出している。このため、進出している方の誘電体が遮蔽壁の役割を果たし、発生したプラズマの散在を防ぐことで火花放電を生じにくくすることができる。また、上記の沿面放電は、第1または第2の筒状誘電体の外側表面に沿い、且つ各々の筒状誘電体の下流側端部を接続するような経路で放電する。このため、少なくとも一方の筒状誘電体を進出させることで、上記の沿面放電の筒状誘電体の外側表面に沿った放電経路が延長され、筒状誘電体の下流側端部まで電流が流れにくくなる。よって、沿面放電も抑制することができる。
本発明において、好ましくは、第1の電極の下流側端部を絶縁体で被覆している。
上記構成の本発明によれば、第1の電極の下流側端部が絶縁体で被覆されることにより、第2の電極、プラズマ装置を構成している金属部材、ワークに向かって電流が流れにくくなるため、プラズマ装置内の金属部品との異常放電が生じにくい。
本発明において、好ましくは、下流側端部が湾曲形状である第1の電極を備える。
大気圧プラズマ装置では、先鋭な部分が存在すると、電界強度が増加し、異常放電が起こりやすくなるが、上記構成の本発明によれば、第1の電極が先鋭部分を有さないため、異常放電を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、ガス流路にプラズマ原料ガスを供給するためのガス供給装置と、ガス流路の上流側に配置され、ガス供給装置から供給されたプラズマ原料ガスを、複数の噴射口から均等にガス流路へ放出させる整流機構と、を備える。
上記構成の本発明によれば、プラズマ原料ガスをガス流路に均一に供給することができ、プラズマ装置により生成されたプラズマが均一にワークに照射される。
本発明によれば、異常放電が生じにくい大気圧プラズマ装置が提供される。
本発明の第1実施形態の大気圧プラズマ装置を示す概略図である。 図1に示す大気圧プラズマ装置の整流機構の拡大図である。 図1に示す大気圧プラズマ装置の整流機構の拡大図である。 本発明の第2実施形態の大気圧プラズマ装置を示す概略図である。 図4に示す大気圧プラズマ装置の整流機構の拡大図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態の大気圧プラズマ装置について図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の大気圧プラズマ装置を示す概略図である。図1に示すように、大気圧プラズマ装置1は、第1の電極2と、第1の電極2を囲むように設けられた第1の筒状誘電体3と、第1の筒状誘電体3を囲み、第1の筒状誘電体3との間にガス流路8を形成するように設けられた第2の筒状誘電体4と、第2の筒状誘電体4の外側に設けられた第2の電極5と、を備える。
第1の電極2は、導電性材料で形成されており、交流電源6に接続されている。第1の電極2は概ね円柱状であり、中心軸周りに回転対称な形状となっている。第1の電極2のガス流路8の下流側にあたる下方の端部(ワーク13側の端部)は、中心が下方に進出するような湾曲形状を呈している。第1の電極2を構成する導電性材料としては、具体的には、アルミニウム、タングステン、モリブデン、銅、炭素、ステンレス等である。加えて、第1の電極2は、ワーク13側の端部が絶縁体7によって被覆されている。絶縁体7の材料は、第1及び第2の筒状誘電体3、4と同一でもよいが、プラズマの発生過程で消耗しないものが望ましい。本実施形態では、第1の電極2に施したアルマイト処理が絶縁体として機能している。
第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4は、共に円筒状体であり、第2の筒状誘電体4の内径は第1の筒状誘電体3の外径よりも大きい。第1の筒状誘電体3は第1の電極2を、第2の筒状誘電体4は第1の筒状誘電体3を包囲するように、第1の電極2と同軸に配置されている。さらに、第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の双方は、ワーク13側に同じ長さで第2の電極5の端部よりも進出している。
異常放電を効率的に抑制するためには、第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の双方が、ワーク13側に第1の電極2の端部または第2の電極5の端部よりも進出していることが好ましい。本実施形態では、第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の双方は、第2の電極5の端部よりも進出し、第1の電極2の端部と同じ長さである。前述のとおり、第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の長さは、一方の電極、即ち本実施形態では第2の電極5の端部よりもワーク13側に進出していればよく、同じ長さである必要はない。
さらに、第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の双方は、ガス流路8の下流側に向かって第1の電極2及び第2の電極5のうち一方よりも進出し、第1の電極2及び第2の電極5の他方と同じ長さかそれより進出していることが好ましい。
第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の間の間隔(すなわち、ガス流路8の幅)は、ワーク13の大きさにより適宜変更してもよいが、10mm以下が望ましい。
第1の筒状誘電体3は、ボロンナイトライド(BN)、アルミナのセラミック材料、石英ガラス、シリコーン樹脂、PTFE、PFA、FEPのフッ素樹脂などで構成されるのが好ましい。第2の筒状誘電体4を構成する材料は、第1の筒状誘電体3と異なってもよいが、耐プラズマ性を有し、比誘電率が1.0~35.0程度である、誘電率が高くない材料が適している。
第2の電極5は、アースに接続された円筒状体であり、第2の筒状誘電体4の外面を隙間なく全周にわたって包囲するように配置されている。また、第1の電極2のワーク13側の端部は、第2の電極5のワーク13側の端部よりもワーク13側に進出して配置されている。第2の電極5の材料は、第1の電極2と同様に、導電性材料で形成されている。具体的には、アルミニウム、タングステン、モリブデン、銅、炭素、ステンレス等である。また、第2の電極5は、第1の電極と同様に、ワーク13側の端部が絶縁体で被覆されていてもよい。
大気圧プラズマ装置1のガス流路8は、第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の間に形成された水平断面円環状の空間である。ガス供給装置12から供給されたガスは、ガス流路8を通り、発生したプラズマと共に下端から下方に向かって放出される。
また、図1に示すように、大気圧プラズマ装置1は、さらに、ガス供給装置12と、整流機構9と、を備える。ガス供給装置12は、整流機構9に供給管11を介して接続されている。ガス供給装置12からプラズマ原料ガスが供給管11を通じて整流機構9に供給され、整流機構9により整流されたプラズマ原料ガスがガス流路8に下方に向かって放出される。整流機構9を構成する材料は、プラズマの発生に影響を与えないものが望ましい。
以下、プラズマ原料ガスの供給経路について、図1~図3を用いて詳細に説明する。 ガス供給装置12は、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素、またはそれらの混合ガスなどのプラズマ原料ガスをガス流路8に供給するための装置である。整流機構9は、ガス供給装置12から供給されたガスを均一にガス流路8へ放出するための装置である。図2及び図3は、図1に示す大気圧プラズマ装置1の整流機構9の鉛直断面の拡大図である。なお、図2はフランジ凹部に当たる箇所における断面を示し、図3はフランジ凸部に当たる箇所における断面を示す。
図2及び図3に示すように、第1の電極2の上部には径方向外方に向かって突出する円環状のフランジ部2Aが形成されている。第1の筒状誘電体3の上端部には、径方向外方に向かって延びる円板状のフランジ部3Aが形成されている。また、第2の筒状誘電体4の上端は、第1の筒状誘電体3の上端よりも下方に位置している。第2の筒状誘電体4の上端部には、径方向外方に向かって延びる円板状のフランジ部4Aが形成され、第1の筒状誘電体3のフランジ部3Aよりも径が大きい。さらに、第2の筒状誘電体4のフランジ部4A上に周方向に等角度間隔で設けられ、下方に向かって凹となる複数のフランジ凹部4Bと、フランジ凹部4Bに対して上方に凸となる複数のフランジ凸部4Dとが交互に形成されている。第1の筒状誘電体3のフランジ部3Aの下面は、第2の筒状誘電体4のフランジ部4Aのフランジ凸部4Dの上面と当接している。第1の筒状誘電体3のフランジ部3Aの下面と、周方向に等間隔で設けられた第2の筒状誘電体4のフランジ凹部4Bの凹面と、隣接するフランジ凸部4Dとで囲まれる部分に整流空間4Cが形成され、整流空間4Cとガス流路8は連通している。
また、図2及び図3に示すように、整流機構9は、円筒状のガス分配ブロック23と、ガス分配ブロック23の外周を包囲する略円筒状の絶縁ブロック20と、を備える。
ガス分配ブロック23は円筒状であり、第1の電極2のフランジ部2Aと、第1の筒状誘電体3のフランジ部3Aとの間の空間内に配置されている。ガス分配ブロック23の外周面には、全周にわたって径方向内側に凹となる外周凹部21が形成されている。また、ガス分配ブロック23の下面の径は、第1の筒状誘電体3のフランジ部3Aの外周が形成する径以下になるように形成され、ガス分配ブロック23の下面と、第1の筒状誘電体3のフランジ部3Aの上面とが当接している。
絶縁ブロック20は、絶縁体で形成されており、径方向外周面から径方向内周面まで延びる入口流路20Aが形成されている。入口流路20Aの外周側の端部には拡径された拡径部20Bが形成されており、ガス供給装置12から延びる供給管11の下流側端部がこの拡径部20Bに接続されている。
絶縁ブロック20の内面と、ガス分配ブロック23の外周凹部21との間には円環状の整流空間23Aが形成され、整流空間23Aは絶縁ブロック20の入口流路20Aと連通している。また、整流空間23Aの一部は、絶縁ブロック20の内面と第1の筒状誘電体3のフランジ部3Aの外周側面との間に形成されている円環状の整流空間23Bと連通している。さらに、整流空間23Bの第2の筒状誘電体4側の端部は、整流空間4Cを介してガス流路8と連通している。また、絶縁ブロック20の内面と、フランジ4Aの外周側面は当接している。
このような構成により、ガス供給装置12から供給管11を通じて入口流路20Aに供給されたプラズマ原料ガスは、外周凹部21内に流入し、さらに、絶縁ブロック20の内面とフランジ部3Aの外周側面との間の整流空間23Bに流入する。整流空間23Bに流入したプラズマ原料ガスは、フランジ部3Aの下面とフランジ凹部4Bの凹面との間に形成される整流空間4Cに流入し、第1の筒状誘電体3と第2の筒状誘電体4の間のガス流路8に入り込み、下方に向かって流れる。この際、プラズマ原料ガスは、周方向に等角度間隔で形成された第2の筒状誘電体4のフランジ凹部4Bの凹面を通ることにより、ガス流路8に水平断面全体にわたって均一に流れ込むことになる。
また、整流機構9は、ガス流路8に均等にガスを流入できればよく、整流機構9の配置や形状は限定されない。本実施形態では、整流機構9のガス分配ブロック23の中心に第1の電極2を配置しているが、第1の電極2及びそれを包囲する第1の筒状誘電体3をガス分配ブロック23の中心に配置し、第1と第2の筒状誘電体3、4は、ガス流路8を形成するようにガス分配ブロック23の下面と第2の筒状誘電体4のフランジ凸部4Dの上面を当接させ、ガス分配ブロック23の下面と第2の筒状誘電体4のフランジ凹部4Bの間に整流空間4Cを形成していてもよい。また、第1の電極2を整流機構9のガス分配ブロック23の中心ではなく、下方に備えてもよい。
本実施形態において、ワーク13は半楕円球状であり、プラズマ処理の凸側の面が上方に向くように、台14上に配置されている。なお、本実施形態では、ワーク13全体が凸形状である半楕円球状となっているが、ワーク13の形状はこれに限定されない。
また、本実施形態では、大気圧プラズマ装置1を上方に配置し、ワーク13を下方に配置しているが、大気圧プラズマ装置1のガス流路8の下流側端部とワーク13とが対向して配置されていればよく、大気圧プラズマ装置1とワーク13の配置はこれに限定されない。
次に、第1実施形態の大気圧プラズマ装置1の作動について説明する。図1に示すように、電源装置により第1の電極2と第2の電極5の間に電圧を印加し、大気圧プラズマ装置1を作動させる。また、これと同時にガス供給装置12から、供給管11を介して整流機構9にプラズマ原料ガスを流入する。供給されたガス流は、次いで、整流機構9内で均一な流れとなりガス流路8へ放出される。ガス流路8に放出されたプラズマ原料ガスは、下方に向かって流れる。そして、第1の電極2と第2の電極5の間の電圧の印加により、電場が形成される。そして、この電場によりガス流がプラズマ化し、ガス流路8のワーク13側端部からワーク13に向かってガス流と共にプラズマが放出される。
本実施形態によれば以下の効果が奏される。
プラズマの発生量を増大させるためには、高電圧を印加する必要があり、火花放電や沿面放電が生じやすくなる。これに対し、本実施形態のように、第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の双方を、第2の電極5よりもワーク13に向けて進出させることで、筒状誘電体が遮蔽壁の役割を果たし、発生したプラズマの散在を防ぐ。このため、電子の集中化を回避し、火花放電を生じにくくすることができる。さらに、第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の双方を、第2の電極5よりもワーク13に向けて進出させることで、沿面放電が発生する第1及び第2の筒状誘電体3、4の外側表面に沿った放電経路が延長され、各々のワーク側端部まで電流が流れにくくなる。よって、沿面放電も抑制することができる。加えて、第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の間に形成されるガス流路8を流れるガス流とともにプラズマが放出されるため、所望の箇所にプラズマを照射することが可能となる。
また、本実施形態のように、第1の電極2のワーク13側の端部を絶縁体7で被覆することで、第1の電極2から生じる異常放電は発生しにくい。
これにより、異常放電が生じにくい大気圧プラズマ装置の提供が実現できる。
整流機構9を介してガスを供給することにより、プラズマ原料ガスをガス流路8に均一に供給することができ、プラズマ原料ガスを効率的に供給することが可能になる。
第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の双方が、第1の電極2及び第2の電極5の一方の長さよりも、ワーク13側に進出しており、第1の電極2及び第2の電極5の他方の長さ以上にワーク13側に進出していることで、異常放電は発生しにくくなる。本実施形態のように、第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4の双方を、第2の電極5よりも同じ長さでワーク13に向けて進出させ、第1の電極2と同じ長さでワーク13に向けて進出させることで異常放電が生じにくい大気圧プラズマ装置の提供が実現できる。
本実施形態では、第1の筒状誘電体3と第2の筒状誘電体4の双方が、第2の電極5よりも、同じ長さでワーク13側に進出し、遮蔽壁の役割を果たしているが、第1の筒状誘電体3と第2の筒状誘電体4の双方が、第1の電極2よりも同じ長さでワーク13側に進出していてもよい。加えて、第1及び第2の筒状誘電体3、4のどちらか一方が、第1の電極2及び第2の電極5の少なくとも一方の長さよりもワーク13側に進出していればよいため、第1及び第2の筒状誘電体3、4が同じ長さでなくてもよい。また、本実施形態では、第1の電極2の整流機構9より下方の全体を第1の筒状誘電体3及び第2の筒状誘電体4で包囲しているが、第1の筒状誘電体3は、第1の電極2の下方側を覆っていればよい。
また、本実施形態では、第1の電極2のワーク13側の端部が絶縁体7によって被覆されているが、第1の電極2の全体を絶縁体7で被覆してもよい。
本実施形態では、第1の電極2は、概ね円柱状であるが、第1の電極2の形状は先鋭部分を有さないことが好ましい。ただし、それに限定されず、プラズマ発生量を増やすために、下方の端部以外に電界が集中する箇所を任意に設けたねじ部のような形状を有してもよい。
本実施形態では、第2の電極5は、第2の筒状誘電体4の外面の近傍を全周にわたって包囲するように配置されているが、第2の筒状誘電体4の近傍に周方向に等間隔に配置することもできる。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態の大気圧プラズマ装置について図面を参照しながら、詳細に説明する。
図4は、本発明の第2実施形態の大気圧プラズマ装置を示す概略図である。図4に示すように、大気圧プラズマ装置31は、第1の電極2と、第1の電極2の下方を囲むように設けられた第1の筒状誘電体33と、第1の筒状誘電体33を囲み、第1の電極2及び第1の筒状誘電体33との間にガス流路38を形成するように設けられた第2の筒状誘電体34と、第2の筒状誘電体34の外側に設けられた第2の電極5と、を備える。
第1の電極2は、整流機構39より下方の全体をアルマイト処理によって被覆され、これが、絶縁体37として機能する。絶縁体37の材料は、第1及び第2の筒状誘電体33、34と同一でもよいが、プラズマの発生過程で消耗しないものが望ましい。
第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34は、共に円筒状体であり、第2の筒状誘電体34の内径は第1の筒状誘電体33の外径よりも大きい。また、第1の筒状誘電体33の長さは第2の筒状誘電体34の長さよりも短い。第1の筒状誘電体33は、第1の電極2の下方端部を包囲するように配置され、熱収縮により、第1の電極2に固定されている。第1の筒状誘電体33の上端は第2の筒状誘電体34の上端よりも下方に位置しており、第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34の双方の下端は同じ高さに位置している。また、第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34は、第1の電極2と同軸に配置されている。
このような構成により、第1の電極2の上方は、第2の筒状誘電体34のみで包囲され、第1の電極2の下方は、第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34で包囲されている。さらに、第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34の双方は、第1の電極2のワーク側の端部よりもワーク13に向けて、同じ長さで進出している。さらに、第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34の双方は、第2の電極5のワーク側の端部よりもワーク13に向かって同じ長さで進出している。なお、第1の筒状誘電体33と第1の電極2を被覆する絶縁体37とを一体部材として形成することも可能である。
第1の筒状誘電体33は、ボロンナイトライド(BN)、アルミナのセラミック材料、石英ガラス、シリコーン樹脂、PTFE、PFA、FEPのフッ素樹脂で構成される。第1の筒状誘電体33は、第1の電極2に熱収縮で固定させることが望ましく、特に、フッ素樹脂が好ましい。
第2の筒状誘電体34を構成する材料は、第1の筒状誘電体33と異なってもよいが、耐プラズマ性を有し、比誘電率が1.0~35.0程度の材料が適している。
大気圧プラズマ装置31のガス流路38は、水平断面円環状の空間である。ガス流路38の上方は、第1の電極2及び第2の筒状誘電体34の間に形成され、下方は、第1の筒状誘電体33と第2の筒状誘電体34の間に形成されている。したがって、ガス流路38の断面積は、下方より上方が大きい。第1の電極2及び第2の筒状誘電体34の間の間隔及び第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34の間の間隔(すなわち、ガス流路38の幅)はワーク13の大きさにより、適宜変更してもよいが、10mm以下が望ましい。
ガス供給装置12から供給されたガスは、ガス流路38を通り、発生したプラズマとともに下端から下方に向かって放出される。
以下、プラズマ原料ガスの供給経路について、図4及び図5を用いて詳細に説明する。
図5は、図4に示す大気圧プラズマ装置の整流機構39の拡大図である。図5に示すように、第1の電極2の上部には径方向外方に向かって突出する円環状のフランジ部2Aが形成されている。また、第2の筒状誘電体34の上端部には、径方向外方に向かって延びる円板状のフランジ部34Aが形成されている。
整流機構39は、円筒状のガス分配ブロック40と、ガス分配ブロック40の外周を包囲する略円筒状の絶縁ブロック20と、を備える。
ガス分配ブロック40は円筒状であり、第1の電極2のフランジ部2Aと、第2の筒状誘電体34のフランジ部34Aとの間の空間内に配置されている。ガス分配ブロック40の外周面には、全周にわたって径方向内側に凹となる外周凹部40Aが形成されている。また、ガス分配ブロック40の下面には、径方向内側の縁に沿うように上方に向かって凹となる円環状の円環凹部40Bが形成されている。さらに、ガス分配ブロック40の外周凹部40Aと円環凹部40Bとを結ぶように、複数の縦方向流路40Cが形成されている。複数の縦方向流路40Cは、周方向に等角度間隔で設けられており、一端は外周凹部40A内に開口し、他端は円環凹部40B内に開口している。
絶縁ブロック20の内面と、ガス分配ブロック40の外周凹部40Aとの間には円環状の空間が形成され、この空間は絶縁ブロック20の入口流路20Aと連通している。また、第2の筒状誘電体34のフランジ部34Aの上面とガス分配ブロック40の円環凹部40Bとの間には円環状の空間が形成される。この円環凹部40B内の空間は、縦方向流路40Cを介して外周凹部40A内の空間と連通するとともに、ガス流路38と連通している。
このような構成により、ガス供給装置12から供給管11を通じて入口流路20Aに供給されたプラズマ原料ガスは、外周凹部40A内の空間に流入し、さらに、縦方向流路40Cを通じて円環凹部40B内の空間に流入する。円環凹部40B内の空間に流入したプラズマ原料ガスは、第1の電極2と第2の筒状誘電体34との間のガス流路38に入り込み、下方に向かって流れる。この際、プラズマ原料ガスは、周方向に等角度間隔で形成された縦方向流路40Cを通ることにより、ガス流路38に水平断面全体にわたって均一に流れ込むことになる。
また、整流機構39は、ガス流路38に均等にガスを流入できればよく、整流機構39の配置や形状は限定されない。本実施形態では、整流機構39のガス分配ブロック40の中心に第1の電極2を配置しているが、第1の電極2と第2の筒状誘電体34がガス流路38を形成するように、第1の電極2及び第2の筒状誘電体34が、円環凹部40Bに当接してもよい。
なお、整流機構39を構成する材料は、プラズマの発生に影響を与えないものが望ましい。
次に、第2実施形態の大気圧プラズマ装置31の作動について説明する。図4に示すように、電源装置により第1の電極2と第2の電極5の間に電圧を印加し、大気圧プラズマ装置31を作動させる。また、これと同時にガス供給装置12から、供給管11を介して整流機構39にプラズマ原料ガスを流入する。供給されたガス流は、次いで、整流機構39内で均一な流れとなりガス流路38へ放出される。ガス流路38に放出されたプラズマ原料ガスは、下方に向かって流れる。そして、第1の電極2と第2の電極5の間の電圧の印加により、電場が形成される。そして、この電場によりガス流がプラズマ化し、ガス流路38のワーク13側端部からワーク13に向かってガス流と共にプラズマが放出される。
本実施形態によれば以下の効果が奏される。
本実施形態では、第1の電極2の下方側を、第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34で包囲し、第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34の双方を、第1の電極2よりもワーク13に向けて進出させている。これにより、筒状誘電体が遮蔽壁の役割を果たし、発生したプラズマの散在を防ぐ。このため、電子の集中化を回避し、火花放電を生じにくくすることができる。さらに、第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34の双方を、第1の電極2よりもワーク13に向けて進出させることで、沿面放電が発生する第1及び第2の筒状誘電体33、34の外側表面に沿った放電経路が延長され、各々のワーク側端部まで電流が流れにくくなる。よって、沿面放電も抑制することができる。
また、本実施形態では、第1の電極2の整流機構39より下方を絶縁体37で被覆することで、第1の電極2から生じる異常放電事態を生じにくくしている。
これにより、異常放電が生じにくい大気圧プラズマ装置の提供が実現できる。
本実施形態では、第1の電極2の整流機構39より下方を絶縁体37で被覆しているが、第1の電極2の全体を絶縁体37で被覆してもよい。
第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34の双方が、第1の電極2及び第2の電極5の一方の下端よりも、ワーク13側に進出しており、第1の電極2及び第2の電極5の他方の下端よりもワーク13側に進出していることで、異常放電は発生しにくくなる。本実施形態のように、第1の筒状誘電体33及び第2の筒状誘電体34の双方を、第1の電極2の下端よりも同じ長さでワーク13に向けて進出させ、第2の電極5よりも同じ長さでワーク13に向けて進出させることで、異常放電が生じにくい大気圧プラズマ装置の提供が実現できる。
本実施形態では、第2の筒状誘電体34の上端部がフランジ部34Aを形成し、ガス分配ブロック40の円環凹部40Bと当接していたが、ガス流路38が密閉されていれば、フランジ部2Aがなくてもよい。
1 大気圧プラズマ装置
2 第1の電極
2A フランジ部
3 第1の筒状誘電体
3A フランジ部
4 第2の筒状誘電体
4A フランジ部
4B フランジ凹部
4C 整流空間
4D フランジ凸部
5 第2の電極
6 交流電源
7 絶縁体
8 ガス流路
9 整流機構
11 供給管
12 ガス供給装置
13 ワーク
14 台
20 絶縁ブロック
21 外周凹部
20A 入口流路
20B 拡径部
21 外周凹部
23 ガス分配ブロック
23A 整流空間
23B 整流空間
31 大気圧プラズマ装置
33 第1の筒状誘電体
34 第2の筒状誘電体
34A フランジ部
37 絶縁体
38 ガス流路
39 整流機構
40 ガス分配ブロック
40A 外周凹部
40B 円環凹部
40C 縦方向流路

Claims (4)

  1. 第1の電極と、
    前記第1の電極を囲むように設けられた第1の筒状誘電体と、
    前記第1の筒状誘電体を囲み、前記第1の筒状誘電体との間にガス流路を形成するように設けられた第2の筒状誘電体と、
    前記第2の筒状誘電体の外側に設けられた第2の電極と、を備え、
    前記ガス流路にはプラズマ原料ガスが供給され、
    前記第1の筒状誘電体及び前記第2の筒状誘電体のうちの少なくとも一方は、前記ガス流路の下流側に向かって前記第1の電極及び前記第2の電極のうち少なくとも一方よりも進出している、
    ことを特徴とする大気圧プラズマ装置。
  2. 前記第1の電極の下流側端部を絶縁体で被覆した、
    請求項1に記載の大気圧プラズマ装置。
  3. 前記第1の電極の下流側端部が湾曲形状である、
    請求項1または請求項2に記載の大気圧プラズマ装置。
  4. 前記ガス流路にプラズマ原料ガスを供給するためのガス供給装置と、
    前記ガス流路の上流側に配置され、前記ガス供給装置から供給されたプラズマ原料ガスを複数の噴射口から均等に前記ガス流路へ放出させる整流機構と、をさらに備える、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ装置。
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