JP2022035359A - 階段及びその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】階段Sにおける最下段の蹴込み板18を側板1の蹴込み板挿入溝8に対し上下両側のいずれからでも挿入可能として、それらの施工手順を施工現場の必要に応じて選択できるようにする。【解決手段】最下段蹴込み板挿入溝8Aは、その内部で最下段の蹴込み板18Aが鉛直面に対して傾斜した傾斜姿勢を形成し得る程度の溝幅を有する広幅溝とし、最下段の蹴込み板18Aが最下段蹴込み板挿入溝8A内に対し、最下段踏板挿入溝4Aの後側開放端部5から該最下段踏板挿入溝4Aを経て、上端部が最下段踏板挿入溝4Aに連通する最下段蹴込み板挿入溝8A内に至る上側挿入経路R1と、最下段蹴込み板挿入溝8Aの下側開放端部10から該最下段蹴込み板挿入溝8A内に至る下側挿入経路R2との両方により傾斜姿勢となりながら挿入可能とする。【選択図】図5

Description

本発明は、階段及びその施工方法に関するものである。
一般に、下端面が床面に当接した状態で互いに左右に間隔をあけて後ろ上がりに斜めに配置される左右の側板(側桁)を備え、側板の対向面に、前後水平方向に沿って延びる踏板挿入溝と、その踏板挿入溝の前部に連続し、上下方向に延びる蹴込み板挿入溝とがそれぞれ多段に形成され、左右の側板の踏板挿入溝に踏板を、また蹴込み板挿入溝に蹴込み板をそれぞれ左右端部で挿入するようにしたプレカット階段は広く知られている。
側板における踏板挿入溝及び蹴込み板挿入溝は側板の後端面(下端面)に開放されており、階段の施工時、左右の側板が床面上に固定された後に、その側板の各踏板挿入溝にその後端部から踏板を水平状態にして挿入し、蹴込み板挿入溝にその下端部から蹴込み板を起立状態にして挿入し、その蹴込み板の上端部を踏板下面の係合溝に係合して連結するようになっている。
しかし、最下段の踏板の下側に配置される最下段の蹴込み板にあっては、最下段の踏板と床面との間隔が狭いので、床面との干渉により起立状態にして蹴込み板挿入溝に挿入することが困難となる。
そこで、従来、この最下段の蹴込み板を側板に取り付けるために、特許文献1~3に示されるように種々の提案がなされている。例えば、特許文献1に示される構造では、一方の側板に蹴込み板を逃がすためにその断面形状と同様の開口部を形成しておき、蹴込み板を長さ方向にスライドさせてその一端部を開口部に入れ、その状態で他端部を他方の側板に干渉しないように回動させ、その後に蹴込み板を逆方向にスライドさせて他方の側板の挿入溝に挿入するようにしている。
特許文献2の構造では、蹴込み板挿入溝の後側に、蹴込み板挿入溝よりも深くかつ後部溝側面が下側に向かって後側に傾斜する作業溝を形成し、蹴込み板を水平にして作業溝に下側から入れた後に、その蹴込み板を前上がりに傾斜させながら蹴込み板挿入溝内で起立させて挿入するようになっている。
特許文献3の構造では、蹴込み板挿入溝の後側に、それと同じ深さでかつ踏板挿入溝よりも浅く上側に開いたV字形状の作業溝を形成し、蹴込み板を踏板挿入溝を通して上側から挿入するようになっている。また、その図10に示される実施形態では、踏板挿入溝下側の側板後端面に作業溝と連通する差し込み溝を別途に設け、その差し込み溝から蹴込み板を作業溝に差し込んだ後に前回りに起立させて蹴込み板挿入溝に挿入することも提案されている。
特開2019-82002号公報 特開2006-299630号公報 特開2019-148149号公報
ところで、上記特許文献1のものでは、側板に蹴込み板を逃がすための開口部を形成する必要があり、構造が複雑となって加工も面倒になる。
これに対し、特許文献2及び3の構造では、特許文献1の構造のように開口部を形成することが不要であるので、簡単で加工の容易な構造になる。しかし、特許文献2の構造では、傾斜した後部溝側面を持った下拡がりの作業溝を利用するので、最下段の蹴込み板は作業溝に対して下側からしか挿入することができず、施工方法の作業手順が限定されることになる。
一方、特許文献3の構造では、上側に開いたV字形状の作業溝に最下段の蹴込み板を挿通させるので、蹴込み板は作業溝に対して上側からしか挿入することができず、やはり作業手順が限定される。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的は、階段における側板下部の構造を改良することにより、最下段の蹴込み板を蹴込み板挿入溝に対し上下両側のいずれからでも挿入可能として、それらの施工手順を施工現場の必要に応じて選択できるようにし、施工方法に幅を持たせて施工の容易化を図ることにある。
上記の目的の達成のため、この発明では、最下段の蹴込み板を挿入するための蹴込み板挿入溝は、その挿入溝内で蹴込み板が後傾姿勢及び前傾姿勢を含む傾斜姿勢を取り得るように広幅溝とすることで、蹴込み板は蹴込み板挿入溝内に、上側の踏板挿入溝を経て上側から又は蹴込み板挿入溝の下側から挿入できるようにした。
具体的には、第1の発明は、下端面が床面に当接した状態で互いに左右に間隔をあけて後ろ上がりに斜めに配置される左右の側板を備え、それら左右の側板の対向面には、下面の前部に係合溝を有する踏板を左右端部で挿入するための前後水平方向に沿って延びる踏板挿入溝と、該踏板挿入溝の前部に連続し、蹴込み板を左右端部で挿入するための上下方向に沿って延びる蹴込み板挿入溝とがそれぞれ多段に形成され、上記踏板挿入溝に挿入された踏板の上記係合溝に、蹴込み板挿入溝に挿入された蹴込み板の上端部が係合されるようにした階段が前提である。
そして、最下段の踏板を挿入する最下段踏板挿入溝は、側板の後端面に開放された後側開放端部を有する一方、最下段の蹴込み板を挿入する最下段蹴込み板挿入溝は、上端部が上記最下段踏板挿入溝に連通するように該最下段踏板挿入溝から側板の下端面後端部ないし後端面下端部まで切り欠かれて、該側板の下端面後端部ないし後端面下端部に開放された下側開放端部を有する。
また、上記最下段蹴込み板挿入溝は、該最下段蹴込み板挿入溝内で上記最下段の蹴込み板が鉛直面に対して傾斜した傾斜姿勢を形成し得る程度の溝幅を有する広幅溝からなり、その最下段蹴込み板挿入溝の前側溝側面に、最下段の蹴込み板を固定する蹴込み板固定部が設けられている。
さらに、上記最下段の蹴込み板は上記最下段蹴込み板挿入溝内に対し、上記最下段踏板挿入溝の後側開放端部から該最下段踏板挿入溝を経て、上端部が最下段踏板挿入溝に連通する最下段蹴込み板挿入溝内に至る上側挿入経路と、上記最下段蹴込み板挿入溝の下側開放端部から該最下段蹴込み板挿入溝内に至る下側挿入経路との両方により上記傾斜姿勢となりながら挿入可能であることを特徴とする。
この第1の発明では、階段の左右側板の対向面に形成されている最下段蹴込み板挿入溝は広幅溝からなり、その最下段蹴込み板挿入溝内で最下段の蹴込み板が鉛直面に対して傾斜した傾斜姿勢、つまり上側部が下側部よりも前側に位置する前傾姿勢、又は上側部が下側部よりも後側に位置する後傾姿勢を形成し得る程度の溝幅を有する。そのため、溝幅が蹴込み板を上方にスライドさせて挿入できるだけの通常の蹴込み板挿入溝に比べ、その最下段蹴込み板挿入溝内で最下段の蹴込み板の取り得る姿勢の自由度が広がることになる。このように最下段蹴込み板挿入溝内で蹴込み板の姿勢変更が容易になることから、最下段の蹴込み板は最下段蹴込み板挿入溝内にその下側だけでなく、上側も加えて上下両側から挿入することができる。
最下段の蹴込み板を上側から挿入するときには、最下段の蹴込み板は上側挿入経路で挿入され、最下段踏板挿入溝の後側開放端部から最下段踏板挿入溝に入り、その最下段踏板挿入溝に上端部で連通している最下段蹴込み板挿入溝内に、蹴込み板の上側部が下側部よりも後側に位置する傾斜姿勢(後傾姿勢)になりながら入る。
一方、最下段の蹴込み板を下側から挿入するときには、最下段の蹴込み板は、その上側部が下側部よりも前側に位置する傾斜姿勢(前傾姿勢)になりながら、最下段蹴込み板挿入溝の下側開放端部から該最下段蹴込み板挿入溝内に入る。このように最下段の蹴込み板は傾斜姿勢で最下段蹴込み板挿入溝に挿入されるので、床面と干渉することなくスムーズに挿入される。
そして、こうして最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内に上下両側から挿入できるので、施工手順を施工現場の必要に応じて選択することができ、施工方法に幅が生じて施工の容易化を図ることができる。
また、最下段蹴込み板挿入溝は側板に広幅のものを形成するだけでよく、その構造が簡単で、加工も容易である。
第2の発明は、第1の発明の階段において、最下段蹴込み板挿入溝は、後側溝側面が前側溝側面と平行に上下方向に延びる広幅の直線溝であることを特徴とする。
この第2の発明では、最下段蹴込み板挿入溝として、前後の溝側面が平行に上下方向に延びる広幅の直線溝を形成すればよく、その構造が簡単で、加工も極めて容易になる。
第3の発明は、第1又は第2の発明の階段において、最下段蹴込み板挿入溝の溝深さは、最下段踏板挿入溝よりも浅いことを特徴とする。
この第3の発明では、最下段蹴込み板挿入溝の溝深さが、その上にある最下段踏板挿入溝よりも浅いことにより、最下段踏板挿入溝に挿入される最下段の踏板を最下段蹴込み板挿入溝の溝深さが浅くなった部分、すなわち溝深さの差による段差部分でも受けることができ、その最下段の踏板の支持強度を大に確保することができる。
第4の発明は、第1~第3の発明のいずれか1つの階段を施工する施工方法である。この階段の施工方法は、最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内に、上側挿入経路又は下側挿入経路の一方を経由して、該最下段の蹴込み板が最下段蹴込み板挿入溝内で傾斜姿勢になるように挿入する。次いで、最下段の踏板を最下段踏板挿入溝に後側開放端部から前側に挿入し、上記最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内で上記傾斜姿勢から起立させながら、該最下段の蹴込み板の上端部を上記最下段の踏板の係合溝に係合する。最後に、上記最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝の蹴込み板固定部に固定することを特徴とする。
この第4の発明では、左右の側板が床面上に固定された後、その側板に最下段の踏板及び最下段の蹴込み板を挿入する場合、最下段の蹴込み板は最下段蹴込み板挿入溝内に、上側挿入経路又は下側挿入経路の一方を経由して、最下段の蹴込み板が最下段蹴込み板挿入溝内で傾斜姿勢になるように挿入される。次いで、最下段の踏板が最下段踏板挿入溝に後側開放端部から前側に挿入される。上記最下段の蹴込み板は最下段蹴込み板挿入溝内で上記傾斜姿勢から起立されながら、その上端部が上記最下段の踏板の係合溝に係合される。最下段の踏板が挿入端まで挿入されると、最下段の蹴込み板が最下段蹴込み板挿入溝の蹴込み板固定部に固定される。このようにすることで、最下段の蹴込み板を最下段の踏板と共に容易に側板に取り付けることができる。
第5の発明も、第1~第3の発明のいずれか1つの階段を施工する施工方法である。この階段の施工方法は、最初に、最下段の踏板を最下段踏板挿入溝に後側開放端部から前側に挿入する。次いで、最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内に、下側挿入経路を経由して、該最下段の蹴込み板が最下段蹴込み板挿入溝内で傾斜姿勢になるように挿入する。この最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内で上記傾斜姿勢から起立させながら、該最下段の蹴込み板の上端部を上記最下段の踏板の係合溝に係合する。最後に、上記最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝の蹴込み板固定部に固定することを特徴とする。
この第5の発明では、左右の側板が床面上に固定された後、その側板に最下段の踏板及び最下段の蹴込み板を挿入する場合、先に、最下段の踏板が最下段踏板挿入溝に後側開放端部から前側に挿入される。次いで、最下段の蹴込み板が最下段蹴込み板挿入溝内に、下側挿入経路を経由して、最下段の蹴込み板が最下段蹴込み板挿入溝内で傾斜姿勢になるように挿入される。そして、この最下段の蹴込み板は最下段蹴込み板挿入溝内で上記傾斜姿勢から起立されながら、その上端部が上記最下段の踏板の係合溝に係合される。最下段の踏板が挿入端まで挿入されると、最下段の蹴込み板が最下段蹴込み板挿入溝の蹴込み板固定部に固定される。この施工方法でも、最下段の蹴込み板を最下段の踏板と共に容易に側板に取り付けることができる。
以上説明したように、本発明によると、階段における側板に形成される最下段蹴込み板挿入溝を、その内部で最下段の蹴込み板が鉛直面に対して傾斜した傾斜姿勢を形成し得る程度の幅の広幅溝とし、最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内に、最下段踏板挿入溝から最下段蹴込み板挿入溝内にその上端部を経て至る上側挿入経路と、最下段蹴込み板挿入溝内にその下側開放端部から至る下側挿入経路との両方により傾斜姿勢となりながら挿入可能としたことにより、最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内に上下両側から挿入でき、施工手順を施工現場の必要に応じて選択して、簡単な構造で施工方法の幅の増大及び施工の容易化を図ることができる。
図1は、右側の側板における最下段踏板挿入溝及び最下段蹴込み板挿入溝を左上側(内側)から見て示す斜視図である。 図2は、最下段蹴込み板挿入溝に最下段の蹴込み板を下側挿入経路で挿入する状態を示す図1相当図である。 図3は、最下段蹴込み板挿入溝に最下段の蹴込み板を上側挿入経路で挿入する状態を示す図1相当図である。 図4は、最下段蹴込み板挿入溝に挿入された最下段の蹴込み板を、最下段踏板挿入溝に挿入された最下段の踏板に係合する状態を左下側から見て示す斜視図である。 図5は、最下段踏板挿入溝及び最下段蹴込み板挿入溝と、それらにそれぞれ挿入される最下段の踏板及び蹴込み板とを分解して示す斜視図である。 図6は、最下段蹴込み板挿入溝に挿入された最下段の蹴込み板を傾斜姿勢にして、その上端部を最下段踏板挿入溝に挿入された最下段の踏板の係合溝に係合する状態を示す側面図である。 図7は、最下段蹴込み板挿入溝に挿入された最下段の蹴込み板を傾斜姿勢にした状態を示す水平断面図である。 図8は、最下段の蹴込み板を左右の桟板により固定する状態を後側から見て模式的に示す正面図である。 図9は、最下段の蹴込み板を桟板により固定する状態を右側から見て模式的に示す側面図である。 図10は、側板の要部を示す側面図である。 図11は、本発明の実施形態に係る階段の下部を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図11は本発明の実施形態に係るプレカット階段Sを示す。この階段Sは直階段であり、以下の説明では、階段Sの上り方向に向かって手前側を「前」とし、奥側を「後」とし、さらに左側を「左」に、また右側を「右」として説明する。
階段Sは、例えば壁面Wに左右に対向するように起立状に配置されて固定された左右の側板1,1(左側のみを示す)を備えている。図11では左側の側板1を示しているが、右側の側板1も同様の構造である。これらの側板1,1は側桁とも呼ばれる細長い板状のものであり、後側に向かって上側に向かう後ろ上がりの傾斜で互いに平行に配置されて固定され、その前端部は上下垂直にカットされ、下端部は前後水平にカットされて床面Fに当接している。
上記左右の側板1,1間には複数段の踏板15,15,…が掛け渡され、上段の踏板15下面の前端部と下段の踏板15上面の後側部の間にそれぞれ蹴込板18,18,…が複数段に配置され、この各蹴込み板18も左右の側板1,1間に掛け渡されている。図11中、20は各踏板15の前端部に取り付けられた滑り止めのための段鼻部材である。
図10に示すように、上記左右の側板1,1の対向面には、各踏板15の長さ方向の左右端部を挿入するための水平前後方向に延びる多段の踏板挿入溝4,4,…と、各蹴込板18の長さ方向の左右端部を挿入するための上下方向に延びる多段の蹴込板挿入溝8,8,…とが交互に連続するように形成され、各踏板挿入溝4の前部に下段側の蹴込み板挿入溝8の上部が連続している。
各踏板挿入溝4の前端部は側板1の前側寄りに位置して閉塞されているが、後端部は側板1の後端面(下端面)に開放されており、踏板挿入溝4は後側開放端部5を有する。踏板挿入溝4の上側溝側面は前後水平に延びているが、下側溝側面4aは後ろ下がりに傾斜しており、踏板挿入溝4の溝幅(上下幅)は後側に向かうに連れて大きくなっている。
踏板15は左右方向に延びる所定厚さ(例えば30~36mm)の板材であり、その下面の前部に左右方向に延びる係合溝16が形成されている。そして、この踏板15を上記踏板挿入溝4に後側開放端部5から前端部まで前側にスライドさせながら挿入し、その踏板15の下面と踏板挿入溝4の下側溝側面4aとの間に楔部材(図示せず)を嵌合して抜け止め状態で固定するようにしている。
各蹴込み板挿入溝8は、下段側の踏板挿入溝4の後部寄り位置を連通するように横切り、その上端部は、上段側の踏板挿入溝4の前端部近くの位置に連続し、下端部は側板1の下端面(後端面)に開放されており、蹴込み板挿入溝8は下側開放端部10を有する。
蹴込み板18は、踏板15よりも薄くて(例えば5.5~12mm)左右方向に延びる板材であり、この蹴込み板18を蹴込み板挿入溝8に下側開放端部10から上端部まで上側にスライドさせながら挿入し、その上端部を上段側にある踏板15下面の上記係合溝16に係合する一方、下端部を下段側の踏板15の後端面に固定して取り付けるようにしている。
ここまで説明した階段Sの構造は、通常一般のプレカット階段と同じであるが、本発明の特徴は以下に説明するように、各側板1において、最下段(下から1段目)にある蹴込み板18を挿入するための蹴込み板挿入溝8の構造にある。
以下の説明では、最下段の蹴込み板18の符号を「18A」とし、最下段の蹴込み板挿入溝8を「最下段蹴込み板挿入溝8A」として区別する。また、最下段(1段目)の踏板15の符号を「15A」とし、その踏板15Aを挿入するための踏板挿入溝4を「最下段踏板挿入溝4A」として区別する。尚、最下段の踏板15Aは、最下段以外の他の踏板15,15,…と同じ寸法の板材であり、最下段の蹴込み板18Aについても、最下段以外の他の蹴込み板18,18,…と同じ寸法の板材である。
図1及び図5にも示すように、最下段の踏板15Aを挿入するための最下段踏板挿入溝4Aは、上記したように側板1の後端面に開放された後側開放端部5を有する。一方、最下段の蹴込み板18を挿入するための最下段蹴込み板挿入溝8Aは、同様に上端部が上記最下段踏板挿入溝4Aに連通するように該最下段踏板挿入溝4Aから側板1の下端面後端部ないし後端面下端部(下端面と後端面との交差角部)まで上下方向に切り欠かれて、該側板1の下端面後端部ないし後端面下端部に開放された下側開放端部10を有する。尚、図1は右側の側板1を示しているが、図5は左側の側板1を示している。この図5において、最下段の踏板15Aは右端部を示している。
そして、最下段蹴込み板挿入溝8Aは、他の蹴込み板挿入溝8の溝幅(前後方向の幅)が蹴込み板18の厚さよりも僅かに大きくて蹴込み板18を下側からスライド移動させるに足る程度に狭い溝幅(例えば6~25mm)であるのに対し、その他の蹴込み板挿入溝8よりも広い溝幅(前後方向の幅)の広幅溝からなり、その溝幅は、最下段蹴込み板挿入溝8Aにおいて最下段の蹴込み板18Aが鉛直面に対して傾斜した傾斜姿勢を形成し得る程度の溝幅(例えば40~150mm)となっている。「最下段の蹴込み板18Aが鉛直面に対して傾斜した傾斜姿勢を形成する」とは、最下段の蹴込み板18A(従って、他と同じ寸法の薄板の蹴込み板18)の上側部が下側部よりも後側にずれるように傾く「後傾姿勢」と、逆に同蹴込み板18Aの上側部が下側部よりも前側にずれるように傾く「前傾姿勢」とを含む姿勢になることいい、最下段の蹴込み板18Aは最下段蹴込み板挿入溝8A内に、後述する上側挿入経路R1を経て挿入されるときには該最下段蹴込み板挿入溝8A内で後傾姿勢となる一方、下側挿入経路R2を経て挿入されるときには前傾姿勢となる。
尚、このように最下段蹴込み板挿入溝8Aの溝幅が蹴込み板18Aの厚さよりも大きいので、その最下段蹴込み板挿入溝8A内では、蹴込み板18Aは前傾姿勢又は後傾姿勢の他に左右の一側部が他側部よりも前後方向にずれるように傾く姿勢(図7参照)もとり得ることとなる。
最下段蹴込み板挿入溝8Aは平坦な溝底面を有し、後側溝側面と前側溝側面とが互いに平行に上下方向に延びる広幅の直線溝である(図1~図3ではデフォルメして記載している)。また、図5及び図7に示すように、この最下段蹴込み板挿入溝8Aの溝深さd2は、上記最下段踏板挿入溝4Aの溝深さd1よりも浅くなっている(d2<d1)。このことで、最下段踏板挿入溝4Aにおいて、該最下段踏板挿入溝4Aに最下段の踏板15Aが挿入されたときに該踏板15Aの荷重を受ける下側溝側面4aは、最下段蹴込み板挿入溝8Aの部位でも欠けることなく他の前後部分と同様に部分的に残存している。
最下段蹴込み板挿入溝8Aの上記前側溝側面は上下方向に延びる平面であり、この部分に、最下段の蹴込み板18Aを固定する蹴込み板固定部9が設けられている。この蹴込み板固定部9(最下段蹴込み板挿入溝8Aの前側溝側面)は、最下段の蹴込み板18Aが前端部にて当接して固定される構造であり、その固定に際しては、例えば蹴込み板固定部9に当接した最下段の蹴込み板18Aを後側から釘の斜め打ちにより側板1に固定することで固定されるようになっている。
尚、蹴込み板固定部9に対する最下段の蹴込み板18Aの他の固定構造として、図8及び図9に示すように、最下段の蹴込み板18Aの左右端部の後側にそれぞれ上下方向に延びかつ蹴込み板18Aと同じ高さの左右の桟木22,22を配置し、その桟木22,22を通して釘を斜め打ちすることにより、蹴込み板18Aの左右端部を側板1に固定する構造、或いは桟木22を側板1に固定することで、桟木22により蹴込み板18Aの左右端部を蹴込み板固定部9(最下段蹴込み板挿入溝8Aの前側溝側面)に押し付けて固定する構造を採用することもできる。
そして、上記の構造により、最下段の蹴込み板18Aは最下段蹴込み板挿入溝8A内に対し、図3に示すように、最下段踏板挿入溝4Aの後側開放端部5から該最下段踏板挿入溝4Aを経て、上端部が最下段踏板挿入溝4Aに連通する最下段蹴込み板挿入溝8A内に至る上側挿入経路R1と、図2に示すように、最下段蹴込み板挿入溝8Aの下側開放端部10から該最下段蹴込み板挿入溝8A内に至る下側挿入経路R2との両方により上記傾斜姿勢となりながら挿入可能となっている。
次に、上記実施形態の階段Sの施工方法について説明する。最初に左右の側板1,1を間隔をあけて後上がりに傾斜した起立状態に固定して施工しておく。
最下段の踏板15Aを除く各踏板15を左右の側板1,1の同じ高さの踏板挿入溝4,4に後側開放端部5から前端部まで挿入し、その踏板挿入溝4の下側溝側面と踏板15の下面との間に楔部材を打ち込んで踏板15を上面が水平となるように固定する。
また、最下段の蹴込み板18Aを除く蹴込み板18は左右の側板1,1の同じ高さの蹴込み板挿入溝8,8に下側開放端部10から挿入し、その上端部を上段側の踏板15の下面の係合溝16に係合し、下端部は下段側の踏板15の後端面に固定する。
最下段の踏板15A及び蹴込み板18Aの施工方法は2つの方法がある。第1の方法は、最初に最下段の蹴込み板18Aを最下段蹴込み板挿入溝8Aに挿入し、次いで、最下段の踏板15Aを最下段踏板挿入溝4Aに挿入する順序であり、第2の方法は、逆に、最下段の踏板15Aを最下段踏板挿入溝4Aに挿入し、その後に最下段の蹴込み板18Aを最下段蹴込み板挿入溝8Aに挿入する順序である。
第1の方法については、最下段の蹴込み板18Aを最下段蹴込み板挿入溝8A内に、上側挿入経路R1又は下側挿入経路R2の一方を経由して、該最下段の蹴込み板18Aが最下段蹴込み板挿入溝8A内で傾斜姿勢になるように挿入する。上側挿入経路R1を経由させるときには、図3に示すように、未だ最下段の踏板15Aが挿入されていない最下段踏板挿入溝4Aを挿入経路の一部として利用し、その後側開放端部5から蹴込み板18Aを化粧面(階段Sの施工状態で前面となる面)が上側に向くように水平に配置して前側に向かって挿入し、その最下段踏板挿入溝4Aの途中で、蹴込み板18Aを左右軸線回りに回動させて上側部が下側部よりも後側にずれる後傾姿勢とし、上端部が最下段踏板挿入溝4Aに連通する最下段蹴込み板挿入溝8A内にその上端部から挿入する。
このようにして蹴込み板18Aの全体が最下段蹴込み板挿入溝8Aに挿入されると、図7に示すように蹴込み板18Aを最下段蹴込み板挿入溝8A内で前側に移動させる。その後、今度は最下段の踏板15Aを上記最下段踏板挿入溝4Aに後側開放端部5から前側に挿入する。そして、図4及び図6に示すように、最下段の蹴込み板18Aを最下段蹴込み板挿入溝8A内で上記後傾姿勢からさらに回動させて起立姿勢に起立させながら、その蹴込み板18Aの上端部を最下段踏板挿入溝4Aに挿入されてきた上記最下段の踏板15A下面の係合溝16に係合する。最下段の踏板15Aが最下段踏板挿入溝4Aの前端まで挿入されると、その踏板15Aと最下段の蹴込み板18Aとは互いに直交した状態となり、最下段の蹴込み板18Aは起立して最下段蹴込み板挿入溝8Aの蹴込み板固定部9(前側溝側面)に当接した状態となる。しかる後に、最下段踏板挿入溝4Aの下側溝側面4aと踏板15Aの下面との間に楔部材を打ち込んで踏板15Aを上面が水平となるように固定するとともに、最下段の蹴込み板18Aは最下段蹴込み板挿入溝8Aの蹴込み板固定部9に釘の斜め打ち等により固定する。以上により階段Sの基本的な施工が終了する。尚、段鼻部材20の取付け等の細部の施工は、通常の階段と同様であるので省略する。
一方、第2の方法については、最初に最下段の踏板15Aを最下段踏板挿入溝4Aに後側開放端部5から前側に挿入する。こうして最下段踏板挿入溝4Aに踏板15Aが挿入されていると、最下段の蹴込み板18Aを上側挿入経路R1を経由して挿入することはできないので、下側挿入経路R2を経由して最下段蹴込み板挿入溝8A内で傾斜姿勢になるように挿入する。この下側挿入経路R2を経由させるときには、図2に示すように、蹴込み板18Aを化粧面が前側(下側)に向くように配置して、その上側部が下側部よりも前側に位置する前傾姿勢とし、その前傾姿勢のままで最下段蹴込み板挿入溝8A内に下側開放端部10から上側に向かうように挿入する。
この蹴込み板18Aの全体が最下段蹴込み板挿入溝8Aに挿入されると、その後、図4に示すように、最下段の蹴込み板18Aを最下段蹴込み板挿入溝8A内で上記前傾姿勢から左右軸線回りに回動させて起立姿勢に起立させながら、その蹴込み板18Aの上端部を最下段の踏板15A下面の係合溝16に係合する。最下段の踏板15Aが最下段踏板挿入溝4Aの前端まで挿入されると、その踏板15Aと最下段の蹴込み板18Aとは互いに直交した状態となり、最下段の蹴込み板18Aは起立して最下段蹴込み板挿入溝8A前側の蹴込み板固定部9に当接する。しかる後に、第1の方法と同様にして、最下段踏板挿入溝4Aの下側溝側面4aと踏板15A下面との間に楔部材を打ち込んで踏板15Aを上面が水平となるように固定するとともに、最下段の蹴込み板18Aは最下段蹴込み板挿入溝8Aの蹴込み板固定部9に釘の斜め打ち等により固定する。以上により階段Sの基本的な施工が終了する。
以上のような施工方法により、最下段の蹴込み板18Aを最下段の踏板15Aと共に容易に側板1,1に取り付けることができる。
したがって、この実施形態においては、階段Sの左右側板1,1の対向面に形成されている最下段蹴込み板挿入溝8A,8Aは広幅溝からなり、その溝幅は、最下段蹴込み板挿入溝8A内で最下段の蹴込み板18Aが鉛直面に対して傾斜した傾斜姿勢(後傾姿勢又は前傾姿勢)を形成し得る程度の溝幅とされている。そのため、蹴込み板18を上方にスライドさせて挿入できるだけの溝幅を有する通常の蹴込み板挿入溝8に比べ、その最下段蹴込み板挿入溝8A内で最下段の蹴込み板18Aの取り得る姿勢の自由度が広がり、最下段の蹴込み板18Aを最下段蹴込み板挿入溝8A内にその下側開放端部10だけでなく、最下段踏板挿入溝4Aを経由した上側も加えて、上下両側から挿入することができる。
上記のように、最下段の蹴込み板18Aを上側から挿入するときには、最下段の蹴込み板18Aは上側挿入経路R1で挿入され、最下段踏板挿入溝4Aの後側開放端部5から最下段踏板挿入溝4Aに入り、後傾姿勢になりながら、その最下段踏板挿入溝4Aに連通している最下段蹴込み板挿入溝8Aに上端部を経て挿入される。一方、最下段の蹴込み板18Aを下側から挿入するときには、最下段の蹴込み板18Aは、前傾姿勢になりながら、最下段蹴込み板挿入溝8Aの下側開放端部10から該最下段蹴込み板挿入溝8A内に挿入される。よって、このように最下段の蹴込み板18Aは後傾姿勢又は前傾姿勢で最下段蹴込み板挿入溝8Aに挿入されるので、床面Fと干渉することなくスムーズに挿入される。
こうして最下段の蹴込み板18Aを最下段蹴込み板挿入溝8A内に上下両側から挿入できるので、施工手順を施工現場の必要に応じて選択することができ、施工方法に幅が生じて施工の容易化を図ることができる。
また、最下段蹴込み板挿入溝8Aは側板1に広幅のものを形成するだけでよく、その構造が簡単で、加工も容易となる。
特に、最下段蹴込み板挿入溝8Aは、後側溝側面が前側溝側面と平行に上下方向に延びる広幅の直線溝であることから、側板1に対し、前後の溝側面が平行に上下方向に延びる広幅の直線溝を形成すれば済み、その構造が簡単で、加工も極めて容易になる。
また、上記最下段蹴込み板挿入溝8Aの溝深さd2が最下段踏板挿入溝4Aの溝深さd1よりも浅いので、最下段踏板挿入溝4Aに挿入される最下段の踏板15Aを最下段蹴込み板挿入溝8Aの溝深さd2が浅くなった部分、すなわち溝深さd1,d2の差による段差部分でも受けることができ、その最下段の踏板15Aの支持強度を大に確保することができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、最下段蹴込み板挿入溝8Aは、後側溝側面が前側溝側面と平行に上下方向に延びる広幅の直線溝としているが、図5で仮想線にて示すように、後側溝側面を下側に向かって後側に傾斜する傾斜面としてもよい。要は、最下段蹴込み板挿入溝8Aは、その内部で最下段の蹴込み板18Aが鉛直面に対して傾斜した傾斜姿勢を形成し得る程度の溝幅を有する広幅溝であればよい。しかし、溝加工が容易となる点では、最下段蹴込み板挿入溝8Aは実施形態のように広幅の直線溝とする方が好ましい。
また、上記実施形態では、最下段蹴込み板挿入溝8Aの溝深さd2を最下段踏板挿入溝4Aの溝深さd1よりも浅くしているが、このように深さを特定することは必須ではない。しかし、最下段踏板挿入溝4Aでの最下段の踏板15Aの支持強度を大に確保できる点では、最下段蹴込み板挿入溝8Aの溝深さd2を最下段踏板挿入溝4Aの溝深さd1よりも浅くすることが好ましい。
本発明は、最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内に上下両側から挿入して、施工手順を施工現場の必要に応じて選択できるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
S 階段
F 床面
1 側板
4 踏板挿入溝
4A 最下段踏板挿入溝
5 後側開放端部
d1 溝深さ
8 蹴込み板挿入溝
8A 最下段蹴込み板挿入溝
9 蹴込み板固定部
10 下側開放端部
d2 溝深さ
15 踏板
15A 最下段の踏板
16 係合溝
18 蹴込み板
18A 最下段の蹴込み板
R1 上側挿入経路
R2 下側挿入経路
22 桟木

Claims (5)

  1. 下端面が床面に当接した状態で互いに左右に間隔をあけて後ろ上がりに斜めに配置される左右の側板を備え、
    上記左右の側板の対向面には、下面の前部に係合溝を有する踏板を左右端部で挿入するための前後水平方向に沿って延びる踏板挿入溝と、該踏板挿入溝の前部に連続し、蹴込み板を左右端部で挿入するための上下方向に沿って延びる蹴込み板挿入溝とがそれぞれ多段に形成され、
    上記踏板挿入溝に挿入された踏板の上記係合溝に、蹴込み板挿入溝に挿入された蹴込み板の上端部が係合されるようにした階段において、
    最下段の踏板を挿入する最下段踏板挿入溝は、側板の後端面に開放された後側開放端部を有する一方、
    最下段の蹴込み板を挿入する最下段蹴込み板挿入溝は、上端部が上記最下段踏板挿入溝に連通するように該最下段踏板挿入溝から側板の下端面後端部ないし後端面下端部まで切り欠かれて、該側板の下端面後端部ないし後端面下端部に開放された下側開放端部を有し、
    上記最下段蹴込み板挿入溝は、該最下段蹴込み板挿入溝内で上記最下段の蹴込み板が鉛直面に対して傾斜した傾斜姿勢を形成し得る程度の溝幅を有する広幅溝からなり、
    上記最下段蹴込み板挿入溝の前側溝側面に、最下段の蹴込み板を固定する蹴込み板固定部が設けられており、
    上記最下段の蹴込み板は上記最下段蹴込み板挿入溝内に対し、上記最下段踏板挿入溝の後側開放端部から該最下段踏板挿入溝を経て、上端部が最下段踏板挿入溝に連通する最下段蹴込み板挿入溝内に至る上側挿入経路と、上記最下段蹴込み板挿入溝の下側開放端部から該最下段蹴込み板挿入溝内に至る下側挿入経路との両方により上記傾斜姿勢となりながら挿入可能であることを特徴とする階段。
  2. 請求項1の階段において、
    最下段蹴込み板挿入溝は、後側溝側面が前側溝側面と平行に上下方向に延びる広幅の直線溝であることを特徴とする階段。
  3. 請求項1又は2の階段において、
    最下段蹴込み板挿入溝の溝深さは、最下段踏板挿入溝よりも浅いことを特徴とする階段。
  4. 請求項1~3のいずれか1つの階段を施工する方法であって、
    最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内に、上側挿入経路又は下側挿入経路の一方を経由して、該最下段の蹴込み板が最下段蹴込み板挿入溝内で傾斜姿勢になるように挿入し、
    次いで、最下段の踏板を最下段踏板挿入溝に後側開放端部から前側に挿入し、
    上記最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内で上記傾斜姿勢から起立させながら、該最下段の蹴込み板の上端部を上記最下段の踏板の係合溝に係合し、
    しかる後に上記最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝の蹴込み板固定部に固定することを特徴とする階段の施工方法。
  5. 請求項1~3のいずれか1つの階段を施工する方法であって、
    最下段の踏板を最下段踏板挿入溝に後側開放端部から前側に挿入し、
    次いで、最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内に、下側挿入経路を経由して、該最下段の蹴込み板が最下段蹴込み板挿入溝内で傾斜姿勢になるように挿入し、
    上記最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝内で上記傾斜姿勢から起立させながら、該最下段の蹴込み板の上端部を上記最下段の踏板の係合溝に係合し、
    しかる後に上記最下段の蹴込み板を最下段蹴込み板挿入溝の蹴込み板固定部に固定することを特徴とする階段の施工方法。
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