JP2022034873A - ひび割れ抑制構造、梁、及び建築物 - Google Patents

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Figure 2022034873000001
【課題】長期荷重によるコンクリートのクリープ変形を抑制することによって、梁に発生するひび割れを防止する。
【解決手段】プリテンションが掛けられていない状態で鉄筋コンクリート製梁1の長手方向の全体に延在するようにひび割れ抑制用鉄筋10が埋設された鉄筋コンクリート製梁のひび割れ抑制構造に関する。ひび割れ抑制用鉄筋は、梁の長手方向両端部近傍において梁内の上部に埋設される上部配筋部11,11と、梁の長手方向中間部において梁内の下部に埋設される下部配筋部13と、梁の長手方向中央寄りに位置する各上部配筋部の端部と、下部配筋部の長手方向両端部とを夫々接続する接続配筋部15と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリート製梁のひび割れ抑制構造、該ひび割れ抑制構造を有する鉄筋コンクリート製の梁、及び該梁を備えた建築物に関する。
大スパンの架構面を有するコンクリート構造の建築物においては、コンクリートに圧縮力を与えることによって、大荷重及び大スパンに耐え得るようにすると共にひび割れの発生を防止したプレストレスコンクリート構造が知られている。現場でコンクリートを打設してプレストレスを与えるプレストレスコンクリート構造としてはポストテンション方式が存在するが、施工が大掛かりとなり、高コストである。
プレストレスを与えずに鉄筋コンクリート製梁のひび割れを防止する方法として、特許文献1には、梁内部に発生する膨張応力を均等化させる応力分散構造が記載されている。特許文献1においては、応力分散鍔をコンクリート補強用棒状鋼材に間隔を空けて複数設けることによって、コンクリート内部の応力を分散させて、コンクリートに発生する局所的なひび割れを小さくする。
国際公開第2010/098401号公報
特許文献1においては、長期に渡って継続して作用する長期荷重によるコンクリートのクリープ変形について考慮されていない。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、長期荷重によるコンクリートのクリープ変形を抑制することによって、梁に発生するひび割れを防止することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、プリテンションが掛けられていない状態で鉄筋コンクリート製梁の長手方向の全体に延在するようにひび割れ抑制用鉄筋が埋設された前記鉄筋コンクリート製梁のひび割れ抑制構造であって、前記ひび割れ抑制用鉄筋は、前記梁の長手方向両端部近傍において前記梁内の上部に埋設される上部配筋部と、前記梁の長手方向中間部において前記梁内の下部に埋設される下部配筋部と、前記梁の長手方向中央寄りに位置する前記各上部配筋部の端部と、前記下部配筋部の長手方向両端部とを夫々接続する接続配筋部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、長期荷重によるコンクリートのクリープ変形を抑制して、梁に発生するひび割れを防止することが可能となる。
本発明の第一の実施形態に係る鉄筋コンクリート製梁の内部構造を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は納まり図である。 本発明の第二の実施形態に係る鉄筋コンクリート製梁の内部構造を示す正面図である。 (a)~(e)は、瘤形状の一例を示す模式図である。 本発明の第三の実施形態に係るひび割れ抑制用鉄筋の概略構成を示す正面図である。 (a)(b)は、本発明の第四の実施形態に係るひび割れ抑制用鉄筋の概略構成を示す正面図である。 (a)(b)は、本発明の第四の実施形態の変形例に係るひび割れ抑制用鉄筋の概略構成を示す正面図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
〔第一の実施形態〕
図1は、本発明の第一の実施形態に係る鉄筋コンクリート製梁の内部構造を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は納まり図である。なお、図1(a)においては、ひび割れ抑制用鉄筋10以外の鉄筋の記載を省略している。
本実施形態における鉄筋コンクリート製梁(以下、単に「梁」という)1は、その長手方向の全体に延在するように埋設されたひび割れ抑制用鉄筋10を備える点に特徴がある。
梁1は、その長手方向の両端に配置された柱5、5と共にラーメン構造の架構面を形成する。図示する柱5、5及び梁1は、層毎に形成される床スラブと共に、鉄筋コンクリート造建築物を構成する。
ひび割れ抑制用鉄筋10は、プリテンションが掛けられていない状態で梁1の長手方向の全体に延在するように埋設される。
ひび割れ抑制用鉄筋10は、梁1の長手方向両端部近傍において梁1内の上部に埋設される上部配筋部11、11と、梁1の長手方向中間部において梁1内の下部に埋設される下部配筋部13と、梁1の長手方向中央寄りに位置する各上部配筋部11、11の端部と下部配筋部13の長手方向両端部とを夫々接続する接続配筋部15、15と、を備える。
上部配筋部11、11は、梁1の長手方向の各端部近傍において上に凸となる向きに作用する曲げモーメントに抵抗して、梁1の長期荷重に起因するクリープ変形を抑制する。上部配筋部11、11は、梁1の上側に形成されるひび割れを防止又は抑制する。
下部配筋部13は、梁1の長手方向の中間部において下に凸となる向きに作用する曲げモーメントに抵抗して、梁1の長期荷重に起因するクリープ変形を抑制する。下部配筋部13は、梁1の下側(下面)に形成されるひび割れを防止又は抑制する。
上部配筋部11、11及び下部配筋部13は、曲げモーメントに抵抗しやすくなる方向、即ち、上部配筋部11、11は下に凸となるように、下部配筋部13は上に凸となるように、予め湾曲形成されていてもよい。しかし、ひび割れ抑制用鉄筋10の作製及び施工を容易且つ安価とするためには、上部配筋部11、11及び下部配筋部13を直線的形状とするのが好適である。
ひび割れ抑制用鉄筋10の長手方向各端には、柱5、5との定着性を向上させる定着盤17、17が配置されてもよい。
接続配筋部15は、梁1の応力負担(梁1に作用する曲げモーメント)が最小となる梁1の長手方向部位(反曲点)を通過する位置に配置される。ここで、梁1の応力負担が最小となる位置とは、建築物が想定される用途にて使用された場合、特に本例では集合住宅の各住戸に居住者が入居した場合に梁1の応力負担が最小になると想定される部位であり、建築業界では一般的に梁1の長手方向の各端から1/4スパンとなる位置とされる。従って、接続配筋部15は、梁1の全長Lに対して梁1の長手方向の各端から1/4となる位置を通過する位置に配置される。
接続配筋部15は、梁1の長手方向に対して交差する方向に延在する。接続配筋部15は、梁1の長手方向に対して直交していてもよい。接続配筋部15は、梁1の長手方向及び該方向と直交する方向の双方に対して傾斜していることが望ましい。
接続配筋部15と上部配筋部11又は下部配筋部13との屈曲角度(又は湾曲角度)θは鋭角としてもよいが、鈍角とすることが望ましい。接続配筋部15と上部配筋部11又は下部配筋部13との屈曲角度(又は湾曲角度)は、特に135度とするのが好適である。
また、接続配筋部15は、上部配筋部11、11と下部配筋部13とを滑らかに接続する湾曲形状としてもよい。しかし、ひび割れ抑制用鉄筋10の作製及び施工を容易且つ安価とするためには、接続配筋部15、15を直線的形状とするのが好適である。
ひび割れ抑制用鉄筋10は、コンクリートとの定着性を向上させた異形棒鋼から構成される。ひび割れ抑制用鉄筋10は、例えば一本の直線的な長尺の鉄筋の適所をベンダーで所定の角度(例えば135度)に湾曲(又は屈曲)させて各配筋部11~15を形成することにより作製される。
図1(b)に示すように、梁1の内部には、ひび割れ抑制用鉄筋10の他に、複数の主筋(上端筋)101~101、複数の主筋(下端筋)102~102、及び、主筋101~101、102~102を取り囲むあばら筋103が配置される。また、梁1の内部には必要に応じて腹筋104~104及び巾止め筋105、105等が配置される。
ひび割れ抑制用鉄筋10は、主筋101、102よりも小径の鉄筋から構成される。ひび割れ抑制用鉄筋10の幅方向位置は梁1の長手方向において一定である。ひび割れ抑制用鉄筋10は、梁1の幅方向長に応じて梁1内に複数本が埋設される。例えば、梁1の幅が800mmの場合には、300mmごとの等間隔で合計3本のひび割れ抑制用鉄筋10が梁1内に埋設される。
ひび割れ抑制用鉄筋10は、腹筋104~104に対して幅方向の内側に配置される。ひび割れ抑制用鉄筋10は、主筋101、102とは干渉しない位置に配置される。ひび割れ抑制用鉄筋10の幅方向位置は、主筋101、102の幅方向位置により、必要に応じて適宜調整される。
ひび割れ抑制用鉄筋10のうち、少なくとも下部配筋部13は、主筋102~102及びあばら筋103よりも外側(下方)に配置されることが望ましい。ひび割れ抑制用鉄筋10のうち、上部配筋部11、11は、主筋101~101及びあばら筋103よりも内側(下方)に配置されてもよいし、主筋101~101及びあばら筋103よりも外側(上方)に配置されてもよい。図1(b)には、上部配筋部11、11と下部配筋部13の双方をあばら筋103よりも上下方向の外側(直上、直下)に配置した例を示している。ひび割れ抑制用鉄筋10の少なくとも一部をあばら筋103に対して上下方向の外側に配置することによって、当該部位におけるコンクリートのひび割れ抑制効果を高めることができる。
なお、上部配筋部11と下部配筋部13は、夫々の配筋部の直下又は直上に位置するあばら筋103に対して結束線等を用いて結束される。結束の際には、上部配筋部11と下部配筋部13に対して、それぞれ主筋101又は主筋102も合わせて一体的に結束されてもよい。
<効果>
マンション等の集合住宅の場合、桁行方向における梁の長さ(柱間)は、各住戸の採光性や眺望に大きな影響を与える。マンションにおいて開放的な住戸を実現するには、柱間を大きく設定すればよい。鉄筋コンクリート構造の集合住宅においては、一般的に柱間が7m以上あれば「ワイドスパン」として認識されている。
しかし、梁には長期に渡って、コンクリートの自重に基づく荷重、及び各部屋に設置された設備・家具等に基づく荷重が継続的に作用する。この長期荷重は、コンクリートのクリープ変形、及びこれに基づくひび割れの原因となる。特に、クリープ変形とこれに基づくひび割れは、柱間を大きくするほど考慮すべき問題となる。
本実施形態においては、主筋とあばら筋に加えて、ひび割れ抑制用鉄筋10を梁1の内部に埋設した。
ひび割れ抑制用鉄筋10のうち上部配筋部11、11は、梁1の長手方向各端部近傍において上に凸となる向きに作用する曲げモーメントに抵抗してクリープ変形を防止又は抑制し、梁1の上側(上面)に形成されるひび割れを防止又は抑制する。
ひび割れ抑制用鉄筋10のうち下部配筋部13は、梁1の長手方向中間部において下に凸となる向きに作用する曲げモーメントに抵抗してクリープ変形を防止又は抑制し、梁1の下側(下面)に形成されるひび割れを防止又は抑制する。
本実施形態においては、柱間をワイドスパン、或いはそれ以上の大スパン(例えば12m~14m)とした場合であっても、長期荷重に起因するコンクリートのクリープ変形の発生を防止又は抑制できる。更に、クリープ変形に基づくひび割れの発生を防止又は抑制できる。従って、鉄筋コンクリート構造物の劣化やひび割れによる美観の喪失、といった問題の発生を防止できる。
梁1の内部に埋設されるひび割れ抑制用鉄筋10にはプレストレスを与えないため、本実施形態に係るひび割れ抑制用鉄筋10に基づくひび割れ抑制構造を備えた構造物の建築は容易である。また、プレストレスコンクリートを使用する場合にくらべて低コスト化を図れる。
〔第二の実施形態〕
図2は、本発明の第二の実施形態に係る鉄筋コンクリート製梁の内部構造を示す正面図である。
本実施形態における鉄筋コンクリート製の梁1に埋設されたひび割れ抑制用鉄筋20は、夫々の接続配筋部15、15に、各接続配筋部15、15の外径よりも大径の瘤(鍔部)21、21(21a、21b)を夫々備える点に特徴がある。以下、第一の実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
瘤21、21は、接続配筋部15、15の長手方向の各端部寄りの位置に夫々形成されている。瘤21は、コンクリートとの定着性を向上させると共に、長期に渡って梁1に継続して作用する長期荷重(曲げモーメント)に抵抗する。瘤21、21の形状、及び接続配筋部15、15の外周面からの突出量は、長期荷重に抵抗しうるように設定される。
上部配筋部11寄りに形成された瘤21aは、主として梁1の長手方向の各端部近傍部位、即ち上部配筋部11が配置された部位において上に凸となる向きに作用する曲げモーメントに抵抗する。下部配筋部13寄りに形成された瘤21bは、主として梁1の長手方向の中間部位、即ち下部配筋部13が配置された部位において下に凸となる向きに作用する曲げモーメントに抵抗する。
図3(a)~(e)は、瘤形状の一例を示す模式図である。本図には、梁1を正面から見た場合の瘤21(瘤21A~21D)の外形状を楕円形或いは長円形とした例を示しているが、瘤21の正面視形状は上記以外でもよい。また、本図には、接続配筋部15の軸線Ax方向の一方側から見て瘤21を円形状とした例を示しているが、瘤21は同方向から見て多角形状、星形状、その他の形状としてもよい。
(a)に示すように、瘤21Aは、接続配筋部15の軸線Axを中心として同心状に形成されてもよい。(b)に示すように、瘤21Bは、接続配筋部15に対して偏心してもよい。
(c)に示すように、瘤21Cは、接続配筋部15の軸線Axに対して傾斜していてもよい。本例において瘤21Cは接続配筋部15の軸線Axに対して偏心、且つ傾斜している。(d)に示すように、瘤21Dは、接続配筋部15の軸線Axに対して縦断面視概略V字状(楔状)としてもよい。(c)及び(d)のように瘤21C、21Dを傾斜させた場合、瘤21C、21D形成部分における接続配筋部15について、軸方向の一方側(図中右側)の外径を小さくし(縮径し)、軸方向の他方側(図中左側)を大きくする(拡径させる)ことができる。
瘤を傾斜させる場合、配筋時における瘤の傾斜方向は、(e)に示すように、長期に渡って梁に継続して作用する長期荷重(曲げモーメントM或いは引っ張り荷重)に対する抵抗力を発揮する方向に設定される。
例えば、瘤21a、bのように、梁1の下部配筋部13寄り(梁1の長手方向の中央寄り)の外径を大きくし、上部配筋部11寄り(梁1の長手方向の端部寄り)の外径を小さくすれば、梁1の長手方向中間部において下に凸となる向きに作用する長期的な曲げモーメントMに抵抗できる。
なお、上記抵抗力を効果的に発揮させるため、瘤21Cのような瘤を形成する場合は接続配筋部15に対して偏心且つ接円状とすることが好適である。即ち、接続配筋部15の軸線Axに対して瘤を傾斜させる場合は、曲げモーメントの向きに応じて、瘤を接続配筋部15の軸方向の一方側に向けて傾斜した形状とすることが好適である。
<効果>
本実施形態によれば、接続配筋部15に、該接続配筋部15を構成する鉄筋よりも大径の瘤21を形成したので、長期に渡って梁1に継続して作用する長期荷重に抵抗することができる。従って、梁1のクリープ変形の発生を防止又は抑制できる。更に、梁1のクリープ変形に起因するひび割れの発生を防止又は抑制できる。
また、瘤21を接続配筋部15に形成することによって、コンクリートのかぶり厚さが必要以上に増大しない。
〔第三の実施形態〕
図4は、本発明の第三の実施形態に係るひび割れ抑制用鉄筋の概略構成を示す正面図である。以下、第一及び第二の実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
ひび割れ抑制用鉄筋30は、複数の鉄筋部材(上部鉄筋部材31、31、下部鉄筋部材35)をつなぎ合わせた構成を備えてもよい。ここで、主筋等において複数の鉄筋をつなぎ合わせる場合に形成される継手部は、梁1の応力負担(梁1に作用する曲げモーメント)が最小となる梁1の長手方向部位に形成される。上記理由と同様の理由から、ひび割れ抑制用鉄筋30に設けられる継手部39、39は、梁1の応力負担が最小となる梁1の長手方向部位に配置される接続配筋部15、15に形成される。
ひび割れ抑制用鉄筋30は、上部配筋部11及び該上部配筋部11の長手方向の一端(先端)に連接された第一接続配筋部33を有した2本の上部鉄筋部材31、31と、下部配筋部13及び該下部配筋部13の長手方向の両端に連接された第二接続配筋部37、37を有した下部鉄筋部材35と、を備える。
ひび割れ抑制用鉄筋30は、各上部鉄筋部材31、31の第一接続配筋部33、33と、下部鉄筋部材35の各第二接続配筋部37、37とがつなぎ合わせられた構成を有する。第一接続配筋部33、33と第二接続配筋部37、37とがつなぎあわせられることによって、接続配筋部15、15が形成される。接続配筋部15、15は、2本の鉄筋部材がつなぎ合わせられた継手部39、39である。
継手部39、39は、鉄筋の継手に一般的に用いられる方法にて形成される。図示する継手部39、39は、重ね継手の例であるが、継手部39、39は、ガス圧接継手、溶接継手、機械式継手等であってもよい。
<効果>
以上のように、本実施形態においては、複数の鉄筋部材(上部鉄筋部材31、31、下部鉄筋部材35)をつなぎ合わせて一のひび割れ抑制用鉄筋30を形成するので、梁1をワイドスパン、或いはそれ以上の大スパン(例えば12m~14m)とする場合であっても、長尺な鉄筋部材を準備する必要がない。従って、ひび割れ抑制用鉄筋30の運搬コスト、及び保管スペースの低減等を図れる。
また、ひび割れ抑制用鉄筋30に継手部39、39を設けたので、上部配筋部11、11及び/又は下部配筋部13をあばら筋103よりも外側に配置する場合(図1(b)参照)であっても各鉄筋の組み付けが容易となる。
〔第四の実施形態〕
図5は、本発明の第四の実施形態に係るひび割れ抑制用鉄筋の概略構成を示す正面図である。図6は、本発明の第四の実施形態の変形例に係るひび割れ抑制用鉄筋の概略構成を示す正面図である。
本実施形態に示すひび割れ抑制用鉄筋40(40A~40D)は、複数の鉄筋部材(上部鉄筋部材31、31、下部鉄筋部材35)をつなぎ合わせた構成を備え、且つ、夫々の接続配筋部15、15に瘤(鍔部)21(21a、21b)が形成されている点に特徴がある。以下、第一乃至第三の実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図5(a)、(b)は、第一及び第二接続配筋部33、37の夫々に、瘤21a、21bのいずれかを形成した例である。図5(a)は、第一接続配筋部33の上部配筋部11寄りに瘤21aが形成され、第二接続配筋部37の下部配筋部13寄りに瘤21bが形成された例を示す。図5(b)は、第一接続配筋部33の先端部寄りに瘤21bが形成され、第二接続配筋部37の先端部寄りに瘤21aが形成された例を示す。瘤21a、21bは、第一及び第二接続配筋部33、37をつなぎ合わせた場合に、互いに干渉しない長手方向位置に形成される。
図6(a)(b)は、第一及び第二接続配筋部33、37のいずれかに、瘤21a、21bの双方を形成した例である。図6(a)は第一接続配筋部33に瘤21a、21bを形成した例であり、(b)は第二接続配筋部37に瘤21a、21bを形成した例である。
ここで、上部鉄筋部材31と下部鉄筋部材35とは一体化されるため、図5、図6の何れの構成であっても、瘤21a、21bは長期荷重に対する抵抗力を発揮する。しかし、鉄筋は、圧縮力よりも引っ張り力に強いため、瘤21a、21bから上部及び下部鉄筋部材31、35に伝達される長期荷重は引っ張り方向となるように設定するのが好適である。従って、図5(a)の構成とした方がより効果的である。
<効果>
本実施形態に示すように、ひび割れ抑制用鉄筋40が複数の鉄筋部材31、35から構成される場合であっても、接続配筋部15、15に瘤21を形成することが可能である。本実施形態は、第一乃至第三の実施形態と同様の効果を奏する。
〔本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ〕
<第一の実施態様>
本態様は、プリテンションが掛けられていない状態で鉄筋コンクリート製梁1の長手方向の全体に延在するようにひび割れ抑制用鉄筋10が埋設された鉄筋コンクリート製梁のひび割れ抑制構造に関する。ひび割れ抑制用鉄筋は、梁の長手方向両端部近傍において梁内の上部に埋設される上部配筋部11、11と、梁の長手方向中間部において梁内の下部に埋設される下部配筋部13と、梁の長手方向中央寄りに位置する各上部配筋部の端部と、下部配筋部の長手方向両端部とを夫々接続する接続配筋部15と、を備えることを特徴とする。
ひび割れ抑制用鉄筋のうち上部配筋部は、梁の長手方向各端部近傍において上に凸となる向きに作用する曲げモーメントに抵抗してクリープ変形を防止又は抑制し、梁の上側(上面)に形成されるひび割れを防止又は抑制する。
ひび割れ抑制用鉄筋のうち下部配筋部は、梁の長手方向中間部において下に凸となる向きに作用する曲げモーメントに抵抗してクリープ変形を防止又は抑制し、梁の下側(下面)に形成されるひび割れを防止又は抑制する。
本実施形態においては、柱間をワイドスパン、或いはそれ以上の大スパン(例えば12m~14m)とした場合であっても、長期荷重に起因するコンクリートのクリープ変形の発生を防止又は抑制できる。更に、クリープ変形に基づくひび割れの発生を防止又は抑制できる。従って、鉄筋コンクリート構造物の劣化やひび割れによる美観の喪失、といった問題の発生を防止できる。
<第二の実施態様>
本態様に係る鉄筋コンクリート製梁1のひび割れ抑制構造において、接続配筋部15は、梁の応力負担が最小となる梁の長手方向部位を通過するように配置されていることを特徴とする。
ひび割れ抑制用鉄筋10を梁の長手方向の全体に配置する場合であっても、上部配筋部11、11と下部配筋部13とを、曲げモーメントに抵抗するに最適な各位置に配置できる。長期荷重に起因するコンクリートのクリープ変形、及びこれに基づくひび割れの発生を防止又は抑制できる。
<第三の実施態様>
本態様に係る鉄筋コンクリート製梁1のひび割れ抑制構造において、下部配筋部13は、あばら筋103の下方に配置されていることを特徴とする。
即ち、ひび割れ抑制用鉄筋10の下部配筋部13は、主筋(下端筋)102よりも下方に位置する。配筋部を主筋よりも外側に配置することによって、当該部位におけるコンクリートのひび割れ抑制効果を高めることができる。
<第四の実施態様>
本態様に係る鉄筋コンクリート製梁1のひび割れ抑制構造は、接続配筋部15に、該接続配筋部の外径よりも大径の瘤21が形成されていることを特徴とする。
瘤を形成することにより、コンクリートとの定着性が向上する。瘤は、長期に渡って梁に継続して作用する長期荷重(曲げモーメント)に対する抵抗力を発揮する。従って、梁のクリープ変形及びクリープ変形に起因するひび割れの発生を防止又は抑制できる。
<第五の実施態様>
本態様に係る鉄筋コンクリート製梁1のひび割れ抑制構造において、瘤21は、接続配筋部15の長手方向の各端部寄りの位置に形成されていることを特徴とする。
瘤を接続配筋部に形成することによって、コンクリートのかぶり厚さを増大させることなく、第四の実施態様に示した各効果を享受できる。
<第六の実施態様>
本態様に係る鉄筋コンクリート製梁1のひび割れ抑制構造において、瘤21は、長期に渡って梁に継続して作用する長期荷重に抵抗する方向に傾斜していることを特徴とする。
瘤を鉄筋の軸線に対して傾斜させるので、第四の実施態様に示した各効果がより効果的に発揮される。
<第七の実施態様>
本態様に係る鉄筋コンクリート製梁1は、第一乃至第七の実施態様の何れかに記載のひび割れ抑制構造を有することを特徴とする。
本態様は、第一乃至第六の各実施態様に示した各効果を享受できる。
<第八の実施態様>
本態様に係る建築物は、第七の実施態様に係るコンクリート製梁1を有することを特徴とする。
本態様は、第一乃至第六の各実施態様に示した各効果を享受できる。
1…梁(鉄筋コンクリート製梁)、5…柱、10…ひび割れ抑制用鉄筋、11…上部配筋部、13…下部配筋部、15…接続配筋部、17…定着盤、20…ひび割れ抑制用鉄筋、21…瘤、30…ひび割れ抑制用鉄筋、31…上部鉄筋部材、33…第一接続配筋部、35…下部鉄筋部材、37…第二接続配筋部、39…継手部、40(40A~40D)…ひび割れ抑制用鉄筋、101…主筋(上端筋)、102…主筋(下端筋)、103…あばら筋、104…腹筋、105…巾止め筋

Claims (8)

  1. プリテンションが掛けられていない状態で鉄筋コンクリート製梁の長手方向の全体に延在するようにひび割れ抑制用鉄筋が埋設された前記鉄筋コンクリート製梁のひび割れ抑制構造であって、
    前記ひび割れ抑制用鉄筋は、前記梁の長手方向両端部近傍において前記梁内の上部に埋設される上部配筋部と、前記梁の長手方向中間部において前記梁内の下部に埋設される下部配筋部と、前記梁の長手方向中央寄りに位置する前記各上部配筋部の端部と、前記下部配筋部の長手方向両端部とを夫々接続する接続配筋部と、を備えることを特徴とする鉄筋コンクリート製梁のひび割れ抑制構造。
  2. 前記接続配筋部は、前記梁の応力負担が最小となる前記梁の長手方向部位を通過するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート製梁のひび割れ抑制構造。
  3. 前記下部配筋部は、あばら筋の下方に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリート製梁のひび割れ抑制構造。
  4. 前記接続配筋部に、該接続配筋部の外径よりも大径の瘤が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の鉄筋コンクリート製梁のひび割れ抑制構造。
  5. 前記瘤は、前記接続配筋部の長手方向の各端部寄りの位置に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の鉄筋コンクリート製梁のひび割れ抑制構造。
  6. 前記瘤は、長期に渡って前記梁に継続して作用する長期荷重に抵抗する方向に傾斜していることを特徴とする請求項4又は5に記載の鉄筋コンクリート製梁のひび割れ抑制構造。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載のひび割れ抑制構造を有することを特徴とする鉄筋コンクリート製の梁。
  8. 請求項7に記載の梁を備えたことを特徴とする建築物。
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