JP2022034242A - 包装体の製造方法、包装材用フィルム並びにこれを備える積層フィルム及び包装材 - Google Patents

包装体の製造方法、包装材用フィルム並びにこれを備える積層フィルム及び包装材 Download PDF

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Abstract

【課題】水中油分散型の内容物の滑落性に優れる包装体の製造方法を提供する。【解決手段】(A)ポリオレフィン樹脂と、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種と、を含む樹脂組成物であって、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種の含有量が、前記樹脂組成物全量を基準として0.5~30質量%含む前記樹脂組成物を含有する最内層を備える包装材を準備する工程と、(B)前記包装材と、前記包装材によって密閉状態で収容されている水中油分散型の内容物とを有する包装体を作製する工程と、(C)前記包装体を加熱処理することによって前記内容物に含まれる油を前記最内層に吸収させる工程と、を含む包装体の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、包装体の製造方法、包装材用フィルム並びにこれを備える積層フィルム及び包装材に関する。
従来、食品、飲料、医薬品、化学品等の多くの商品に対して、それぞれの内容物に応じた包装材が開発されている。特に、液体、半固体又はゲル状物質等の内容物の包装材としては、耐水性、耐油性、ガスバリア性、軽量性、フレキシブル性、意匠性等に優れるプラスチック材料が用いられている。
液体、半固体又はゲル状物質等の内容物の包装材として、より高機能を提供する目的で、複数の種類のプラスチック基材を積層したプラスチック積層体、紙、金属箔、無機材料等とプラスチック基材との複合積層体、更にはプラスチック基材に機能性組成物による処理を施した複合体が提案されている。
上述の高機能の一つとして、例えば、内容物の包装材内面への付着、つまり内容物の残存を抑制する機能が求められている。より具体的には、ヨーグルト、ゼリー、シロップ等の容器の蓋材、お粥、スープ、カレー、パスタソース等のレトルト食品包装材、化学品や医薬品等の液体、半固体、ゲル状物質等の保存容器用フィルム材料などには、その内面に内容物が付着し、内容物を全て使い切ることができずに無駄が生じることや、内容物の付着により汚れが生じること、内容物の排出作業に手間がかかることを抑制するために、その内面に内容物が付着しにくく滑落しやすい優れた撥液性を有することが求められている。
これらの要求に対し、例えば特許文献1には、樹脂製内面を有しており且つ該内面上に所定の条件を満たす高粘度油性液体からなる油膜が形成されている調理食品収容用包装容器が提案されている。また、特許文献2には、平均粒径D50が10~50μmであり且つ融点が100~180℃のポリオレフィン系粒子を含み、表面粗さRaが1.00~7.00μmのヒートシール層を備える包装シートが提案されている。
特開2019-18878号公報 国際公開第2018/003978号
ところで、カレーやパスタソースなどを包装材により収容している包装体は、例えば、120℃程度の温度条件でレトルト処理が施される。特許文献1に記載の発明において、高粘度油性液体をスプレー噴霧することによって油膜を形成することが想定されている(引用文献1段落[0032]参照)。この油膜は、レトルト処理等の加熱処理に対する耐久性が不十分である。また、使用する高粘度油性液体の種類を内容物に応じて選定する必要があり、処方の作り分けが必要と考えられる。他方、特許文献2に記載の包装シートは、水中油分散型の内容物(例えば、カレー)の滑落性が不十分である。これは、ヒートシール層の表面が比較的粗い(表面粗さRa:1.00~7.00μm)ことに起因すると推定される。
本発明は、水中油分散型の内容物の滑落性に優れる包装体の製造方法を提供する。また本発明は、包装材用フィルム並びにこれを備える積層フィルム及び包装材を提供する。
本発明に係る包装体の製造方法は、以下の工程を備える。(A)ポリオレフィン樹脂と、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種と、を含む樹脂組成物であって、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種の含有量が、樹脂組成物全量を基準として0.5~30質量%含む樹脂組成物から形成される最内層を備える包装材を準備する工程と、(B)包装材と、包装材によって密閉状態で収容されている水中油分散型の内容物とを有する包装体を作製する工程と、(C)包装体を加熱処理することによって内容物に含まれる油を最内層に吸収させる工程と、を含む包装体の製造方法を提供する。
本発明はまた、ポリオレフィン樹脂と、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種と、を含む樹脂組成物から形成される第1の樹脂層を備え、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種の含有量が、樹脂組成物全量を基準として0.5~30質量%含む、包装材用フィルムを提供する。
上記包装材用フィルムにおいて、上記ポリオレフィン樹脂は、ポリプロピレン樹脂であってよい。またポリプロピレン樹脂は、ランダムポリプロピレン及びブロックポリプロピレンを含んでいてよく、ランダムポリプロピレンの含有割合をa、ブロックポリプロピレンの含有割合をbとした場合、a/bが20/80~80/20であってよい。
包装材用フィルムは、上記第1の樹脂層のどちらか片方の面上に設けられた第2の樹脂層を備えていてもよい。
また本発明は、基材と、該基材上に設けられた上記本発明に係る包装材用フィルムと、を備え、第1の樹脂層が最表面に配置されている積層フィルムを提供する。
また本発明は、上記本発明に係る積層フィルムからなる包装材を提供する。上記包装材は、水中油分散型の内容物が密閉状態で収容され、且つ熱処理が施される包装体に用いられるものであってよい。
本発明によれば、水中油分散型の内容物の滑落性に優れる包装体の製造方法を提供することができる。また本発明は、包装材用フィルム並びにこれを備える積層フィルム及び包装材を提供することができる。
本発明に係る包装材の一実施形態を模式的に示す図である。 (a)及び(b)は、第1の樹脂層が水中油分散型の内容物に対する滑落性を発現するメカニズムを説明する模式図である。 本発明に係る包装材の他の実施形態を模式的に示す図である。 (a)~(e)は包装材内面の滑落性の評価方法を説明する模式図である。
以下、場合により図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<包装材>
図1は、本実施形態に係る包装材の一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示す包装材10は、ポリオレフィン樹脂をベース材料として含む第1の樹脂層1と、第2の樹脂層2と、接着剤層3と、基材4とを備える。第1の樹脂層1は、包装材10の最表面に配置されており、包装材10を用いて包装体(例えば、レトルトパウチ)を作製したとき、第1の樹脂層1の表面F1(第1の表面)が包装体の最内面となる。なお、本実施形態においては、第1の樹脂層1と第2の樹脂層2によって包装材用フィルムが構成されている。第2の樹脂層2は、第1の樹脂層1の表面F1の反対側の表面F2(第2の表面)上に設けられている。
包装材10は、水中油分散型の内容物の収容に用いられるものである。水中油分散型の内容物とは、水の含有量が油の含有量よりも多い(水リッチの)組成物と、これに分散している油とを含むものであり、その具体例として、カレー、ハヤシ、パスタソース(例えば、ミートソース)及びペットフードが挙げられる。
図2(a)~図2(b)を参照しながら、第1の樹脂層1が水中油分散型の内容物に対する滑落性を発現する推定されるメカニズムについて説明する。第1の樹脂層1の主成分であるポリオレフィン樹脂は、レトルト処理やボイル処理の温度条件下において、油を吸収して膨潤する性質を有する。このため、水中油分散型の内容物Cが第1の樹脂層1の表面F1に接した状態で加熱処理が施されると、図2(a)に模式的に矢印で示したとおり、内容物Cに含まれる油分Cの一部が第1の樹脂層1に吸収される。これにより、表面F1の親油性が向上し、表面F1と内容物Cとの間に、油膜Fが安定的に形成されるものと推察される。
一方、第1の樹脂層1に含まれるエチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種は、耐油性及び親水性(吸湿性)を有するため、水分を吸着しやすく、油分を遠ざける挙動を示すと考えられる。そうすると、第1の樹脂層1において、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種が存在する部分においては、膨潤が起こりにくく、その分の油分が上記油膜Fの形成を助けると考えられる。
表面F1と内容物Cとの間に油膜Fが介在することで、内容物Cが表面F1に直接的に接することが抑制されるとともに、油膜Fを界面として内容物Cがすべりやすくなる。このため、図2の(b)に示すように、表面F1を傾けただけで表面F1から内容物Cが滑落すると考えられる。
以下、包装材10を構成する第1の樹脂層1、第2の樹脂層2、基材4及び接着剤層3について説明する。
(第1の樹脂層)
第1の樹脂層1は、水中油分散型の内容物と接した状態で加熱処理(例えば、レトルト処理及びボイル処理)が施されることにより、水中油分散型の内容物の滑落性が発現する層である。第1の樹脂層1は、ポリオレフィン樹脂と、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種と、を含む樹脂組成物から形成されるものである。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、変性ポリプロピレン等のポリピロピレン樹脂が挙げられる。ポリプロピレン樹脂として、ランダムポリプロピレン及びブロックポリプロピレンを組み合わせて用いる場合、ランダムポリプロピレンの含有割合をa、前記ブロックポリプロピレンの含有割合をbとした場合、a/bが20/80~80/20であることが好ましく、40/60~60/40であることがより好ましい。
変性ポリプロピレンは、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、不飽和カルボン酸のエステル等から導かれる不飽和カルボン酸誘導体成分で、ポリプロピレンをグラフト変性することで得られる。また、ポリプロピレン樹脂として、水酸基変性ポリプロピレンやアクリル変性ポリプロピレン等の変性ポリプロピレンを使用することもできる。プロピレン系共重合体を得るために用いられるαオレフィン成分としては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテンなどを例示することができる。
エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレンと不飽和カルボン酸とが共重合した二元共重合体、若しくは三元以上の多元共重合体であってもよい。また、二種類以上のエチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体を組み合わせて使用してもよい。エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体が二元共重合体である場合、エチレンと組み合わせる不飽和カルボン酸としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体が三元以上の多元共重合体である場合、エチレン及び不飽和カルボン酸と組み合わせる第三の共重合成分としては、例えば、不飽和カルボン酸エステル、不飽和炭化水素、ビニルエステル等が挙げられる。また、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーとしては、上記で例示した共重合体のカリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、リチウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーの含有量は、樹脂組成物全量を基準として、0.5質量%以上であることが好ましい。0.5質量%以上であると、滑落性を十分に発揮することができる。また、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーの含有量は、樹脂組成物全量を基準として、30質量%以下であることが好ましい。30質量%以下であると、親水性部位の増加に伴う油膜形成の阻害が抑えられる。
第1の樹脂層1の厚さは、例えば、2~100μmであり、好ましくは4~70μmであり、より好ましくは6~50μmであり、更に好ましくは8~30μmである。第1の樹脂層1の厚さが上記範囲であることで内容物の滑落性とヒートシール性の両方を高水準で達成できる。第1の樹脂層1は、熱融着性を有するポリオレフィン樹脂を含んでおり、シーラントフィルムの役割も果たすことができる。ヒートシール性とは、一例として、100~200℃、0.1~0.3MPa、1~3秒間の条件にてヒートシールが可能である性質をいう。
(第2の樹脂層)
第2の樹脂層2は、第1の樹脂層1と基材4との間に設けられる層である。包装材10が第2の樹脂層2を更に備えることで、包装材10の機能(ヒートシール性、耐熱性及び耐衝撃性、酸素・水蒸気バリア性等)を向上させることができる。例えば、ヒートシール性の向上の観点から、第2の樹脂層2は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂の具体例として、ポリオレフィン樹脂、エチレン-α,β不飽和カルボン酸共重合体若しくはそのエステル化物又はイオン架橋物、エチレン-酢酸ビニル共重合体又はそのケン化物、ポリ酢酸ビニル又はそのケン化物、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ乳酸樹脂、フラン樹脂、及びシリコーン樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、一種を単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
第2の樹脂層2の厚さは、包装材10の用途に応じて適宜設定できる。第2の樹脂層2の厚さは、例えば、1~300μmであり、好ましくは2~200μmであり、より好ましくは5~150μmであり、更に好ましくは10~100μmである。
(基材)
基材4は、支持体となるものであり且つ加熱処理に対する耐久性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、樹脂フィルム及び金属箔等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、ポリオレフィン(例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、酸変性ポリオレフィン、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、セルロースアセテート、セロファン樹脂の少なくとも一種を含むフィルムが挙げられる。このフィルムは延伸フィルムでも良いし、非延伸フィルムでもよい。金属箔としては、例えばアルミ箔、ニッケル箔等が挙げられる。基材4は、材質の異なる複数の基材を積層したものであってもよく、コート層や金属蒸着層を含むものであってもよい。
基材4の厚さは、包装材10の用途に応じて適宜設定できる。基材4の厚さは、例えば、1~500μmであり、10~100μmであってもよい。
(接着剤層)
接着剤層3は、包装材用フィルム(第1の樹脂層1と第2の樹脂層2の積層体)と基材4とを接着している。接着剤としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カーボネートポリオールなどの主剤に対し、二官能以上のイソシアネート化合物を作用させたポリウレタン樹脂等が挙げられる。
接着剤層3は、接着促進を目的として、上述のポリウレタン樹脂に、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、リン化合物、シランカップリング剤などを配合してもよい。接着剤層3に求められる性能に応じて、上述のポリウレタン樹脂に、その他の各種添加剤や安定剤を配合してもよい。
接着剤層3の厚さは、所望の接着強度、追随性、及び加工性等を得る観点から、例えば、1~10μmであり、3~7μmであってもよい。各種ポリオールは、一種を単独で又は二種以上を併用して用いてもよい。基材4と包装材用フィルムを貼り合わせる方法として、例えば、接着剤によるラミネート、及び、熱処理によるラミネートが挙げられる。
(接着剤によるラミネート方法)
接着剤によるラミネート方法としては、ドライラミネート、ウェットラミネート、ノンソルベントラミネートなどの各種公知のラミネート方法を用いることができる。これらのラミネート方法に用いられる接着剤としては以下のものが挙げられる。
(熱処理によるラミネート方法)
熱処理によるラミネート方法としては、大別して以下の方法が挙げられる。
(1)接着性樹脂を、あらかじめ製膜した撥液性フィルムと基材4との間に押し出し、ラミネートする方法。
(2)撥液性フィルムを構成する樹脂と接着性樹脂とを共押出氏、基材4とラミネートする方法。
(3)上記(1)若しくは(2)の方法で得られたラミネート基材を、更に熱ロールで加熱・加圧することにより接着させる方法。
(4)上記(1)若しくは(2)の方法で得られたラミネート基材を、更に高温雰囲気下で保管する、或いは高温雰囲気下の乾燥・焼付け炉を通過させる方法。
熱処理によるラミネート方法で用いられる接着性樹脂としては、酸変性ポリオレフィンなどが挙げられる。また、上記の方法では押出ラミネートにより基材4と撥液性フィルムとを積層しているが、押出ラミネートを行わずに、酸変性ポリオレフィン系コーティング剤(溶解型、分散型)をあらかじめ基材4上に塗工形成した後、撥液性フィルムを熱処理により積層させることも可能である。
基材4は、接着性プライマー(アンカーコート)を設けることも可能であり、その材料として、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアリルアミン系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩素-酢酸ビニル系等を用いることが可能である。接着性プライマーには、必要に応じて、接着剤として使用可能な各種硬化剤や添加剤を配合してもよい。
<包装体の製造方法>
本実施形態に係る包装体の製造方法は以下の工程を含む。
(A)包装材10を準備する工程
(B)包装材10と、包装材10によって密閉状態で収容されている水中油分散型の内容物Cとを有する包装体Pを作成する工程
(C)包装体Pを加熱処理(例えば、レトルト処理又はボイル処理)することによって内容物Cに含まれる油を第1の樹脂層1に吸収させる工程
本実施形態に係る製造方法によれば、第1の樹脂層1と吸油による親油性の向上との相乗効果により、表面F1と内容物Cとの間に、油膜Fが安定的に形成される(図2(b)参照)。表面F1と内容物Cとの間に油膜が介在することで、内容物Cが表面F1に直接的に接することが抑制されるとともに、水分を含む内容物Cの優れた滑落性が得られる(図2(b)参照)。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、第1の樹脂層1及び第2の樹脂層2で構成される包装材用フィルムを例示したが、包装材用フィルムは第1の樹脂層1のみからなる単層であってもよい。図3に示す包装材20は、第1の樹脂層1(包装材用フィルム)と、接着剤層3と、基材4とを備える。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の材料を準備した。
<ポリプロピレン樹脂(A)>
・A1:ランダムPP樹脂(プロピレン-エチレンランダム共重合体、商品名「プライムポリプロ F744NP」、株式会社プライムポリマー製)
・A2:ブロックPP樹脂(プロピレン-エチレンブロック共重合体、商品名「プライムポリプロ BC5FA」、株式会社プライムポリマー製)
・A3:ブロックPP樹脂(プロピレン-エチレンブロック共重合体、商品名「プライムポリプロ BC3HF」、株式会社プライムポリマー製)
<添加剤(B)>
・B1:エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(エチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、イオン種:K、商品名「ENTIRA MK440」、三井・ダウ ポリケミカル株式会社製)
・B2:エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(エチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、イオン種:K、商品名「ENTIRA MK153」、三井・ダウ ポリケミカル株式会社製)
・B3:エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(エチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、イオン種:Na、商品名「ハイミラン1707」、三井・ダウ ポリケミカル株式会社製)
・B4:エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(エチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、イオン種:Na、商品名「ハイミラン1601」、三井・ダウ ポリケミカル株式会社製)
・B5:エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(エチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、イオン種:Zn、商品名「ハイミラン1706」、三井・ダウ ポリケミカル株式会社製)
・B6:エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー(エチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、イオン種:Zn、商品名「ハイミラン1652」、三井・ダウ ポリケミカル株式会社製)
・B7:エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体(エチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体、商品名「ニュクレルN1108C」、三井・ダウ ポリケミカル株式会社製)
<包装材の作製>
(実施例1~18、比較例1~3)
共押出機を用いて、表1~4に示す組成(単位:質量部)の第1の樹脂層と、A3(ブロックPP樹脂)からなる第2の樹脂層とを備える二層構成の包装材用フィルム(シーラントフィルム)を作製した。得られたフィルムと、基材である厚さ38μmのPETフィルム(商品名「エンブレット」、ユニチカ株式会社製)とを、ポリウレタン系接着剤(三井化学株式会社製)を用いてドライラミネートし、50℃で5日間エージングして、包装材を得た。なお、各実施例及び比較例において、第1の樹脂層の厚さは15μm、第1の樹脂層と第2の樹脂層の合計厚さは60μmとなるように製膜した。
<滑落性評価>
(レトルト処理後の残液評価)
実施例及び比較例で得られた包装材について、図4(a)~図4(e)に示した方法により、レトルト処理後の滑落性の評価を行った。まず、包装材を縦150mm×横138mmにカットした包装材30を二枚用意した。二枚の包装材30を、それぞれの第1の樹脂層が内側となるように重ねた状態とし、ヒートシーラーを使用して三辺をシールした。図4(a)に示すように、三辺にはシール部30aが形成され、一辺が開口しているパウチを作製した。なお、三辺のヒートシールは、190℃、0.03MPa、2秒の条件で実施し、シール部30aの幅は10mmとした。次に、パウチの開口部から180gの内容物Cとしてのカレー(商品名「ボンカレーゴールド 中辛」、市質量7.0g/180g、大塚食品株式会社製)を注液した(図4(b)参照)。その後、ヒートシーラーを使用して開口部(残りの一辺)をシールした。図4(c)に示すように、残りの一辺にはシール部30bが形成され、四辺がシールされ且つ内容物Cが収容された包装体Pを作製した。なお、開口部のヒートシールは、190℃、0.03MPa、2秒の条件で実施し、シール部30bの幅は10mmとした。
高温高圧調理滅菌装置(日立キャピタル株式会社製)に包装体Pを投入した後、高温の水蒸気でレトルト処理を行った。レトルト処理は以下の条件で実施した。
・圧力:0.2MPa
・温度:121℃
・処理時間:30分間
レトルト処理後、包装体Pを100℃で5分間にわたって湯煎処理した。これらの加熱処理後、包装体Pの上部を切断して注ぎ口を形成した(図4(d)参照)。次いで、パウチを逆さにし、注ぎ口を水平面から45°傾けた状態で10秒間保持し、容器50に内容物Cを排出させて、秤60により排出量を秤量した(図4(e)参照)。秤量した排出量から、下記式により残液量(%)を求めた。
残液量(%)={(180-排出量)/180}×100
測定は3回行い、3回の平均残液量から下記評価基準により残液評価を行った。表1~表4に残液量及び残液評価の結果を示す。残液評価はA~Cであれば滑落性が良好であるといえる。
A:平均残液量が6.5%未満。
B:平均残液量が6.5%以上8.0%未満。
C:平均残液量が8.0%以上10.0%未満。
D:平均残液量が10.0%以上。
(レトルト処理後の外観評価)
上記残液評価において、パウチ内からカレーを排出した際のカレーの排出挙動を目視にて観察し、下記評価基準により外観評価を行った。外観評価はA~Cであれば滑落性が良好であるといえる。結果を表1~表4に示す。
A:綺麗に滑落する様子が見られ、フィルムへの付着がほぼない。
B:滑落する様子が見られ、フィルムへの付着が少ない。
C:滑落する様子が見られるが、フィルムに付着している。
D:滑落する様子が見られない。
Figure 2022034242000002
Figure 2022034242000003
Figure 2022034242000004
Figure 2022034242000005
1…第1の樹脂層(最内層)、2…第2の樹脂層、3…接着剤層、4…基材、10,20…包装材(積層フィルム)、C…内容物、C…油分、F1…表面(第1の表面、最内面)、F2…表面(第2の表面)、F…油膜、P…包装体。

Claims (8)

  1. (A)ポリオレフィン樹脂と、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種と、を含む樹脂組成物であって、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種の含有量が、前記樹脂組成物全量を基準として0.5~30質量%含む前記樹脂組成物を含有する最内層を備える包装材を準備する工程と、
    (B)前記包装材と、前記包装材によって密閉状態で収容されている水中油分散型の内容物とを有する包装体を作製する工程と、
    (C)前記包装体を加熱処理することによって前記内容物に含まれる油を前記最内層に吸収させる工程と、
    を含む包装体の製造方法。
  2. ポリオレフィン樹脂と、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種と、を含む樹脂組成物から形成される第1の樹脂層を備え、エチレン-α,β-不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマーから選ばれる少なくとも1種の含有量が、前記樹脂組成物全量を基準として0.5~30質量%含む、包装材用フィルム。
  3. 前記ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン樹脂である、請求項2に記載の包装材用フィルム。
  4. 前記ポリプロピレン樹脂が、ランダムポリプロピレン及びブロックポリプロピレンを含み、前記ランダムポリプロピレンの含有割合をa、前記ブロックポリプロピレンの含有割合をbとした場合、a/bが20/80~80/20である、請求項3に記載の包装材用フィルム。
  5. 前記第1の樹脂層のどちらか片方の面上に設けられた第2の樹脂層を備える、請求項2~4のいずれか一項に記載の包装材用フィルム。
  6. 基材と、該基材上に設けられた請求項2~5のいずれか一項に記載の包装材用フィルムと、を備え、前記第1の樹脂層が最表面に配置されている積層フィルム。
  7. 請求項6に記載の積層フィルムからなる包装材。
  8. 水中油分散型の内容物が密閉状態で収容され、且つ熱処理が施される包装体に用いられる、請求項7に記載の包装材。
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