JP2022034215A - エレベーターの感染症対策運転方法及びエレベーターの感染症対策運転制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感染症に感染している乗客が乗車しているエレベーターに同乗した場合であっても、他の乗客への感染を抑制する。【解決手段】本発明は、感染症対策運転を備えている。感染症対策運転時には、乗りかご停止時に現在の階床を取得し、取得した前記乗りかごの現在の階床から行先階までの移動階数に応じた行先階毎の積載可能荷重を算出する。前記乗りかご内の行先階釦が押下された場合に、前記乗りかごの積載荷重を取得するようにし、取得した前記乗りかごの積載荷重が前記行先階釦で入力された行先階における積載可能荷重を超過しているか否かを判定する。そして、前記乗りかごの積載荷重が前記行先階釦で入力された行先階における積載可能荷重を超過している場合にはビープ音及び表示部で報知するようにした。【選択図】 図2
Description
本発明は、エレベーターの感染症対策運転方法及びエレベーターの感染症対策運転制御装置に関するものである。
近年、感染症に対する対策が重要視されている。エレベーターの乗りかごは、閉じられた空間内に不特定多数の人が乗車するため、ある特定の乗客がインフルエンザ等の感染症に感染していると、乗りかごに同乗した他の乗客がインフルエンザ等に感染する恐れがある。
この対策の一例として、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、乗客を撮影した画像の画像解析から乗客の体温を把握すると共に、乗りかご内の音声解析から乗客が咳もしくはくしゃみをしているかを把握し、画像解析及び音声解析の結果から乗客が感染症に感染しているかを把握することが開示されている。そして、特許文献1では、感染症に感染した乗客が乗車していると判断された場合には、ホール呼びに優先してかご呼びの登録階へ乗りかごを直行運転させるようにして、感染症に感染していない乗客との接触を最小限に抑えるようにしている。
特許文献1に記載の技術においては、感染症に感染した乗客と、ホール呼びがあった階から乗車予定の乗客との接触は避けることができるが、感染症に感染している乗客が乗車しているエレベーターに同乗した他の乗客への感染対策は考慮されていなかった。
本発明の目的は、感染症に感染している乗客が乗車しているエレベーターに同乗した場合であっても、感染拡大を抑制するエレベーターの感染症対策運転方法及びエレベーターの感染症対策運転制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、感染症対策運転を備えたエレベーターの感染症対策運転方法であって、前記感染症対策運転時に、乗りかご停止時に現在の階床を取得し、取得した前記乗りかごの現在の階床から行先階までの移動階数に応じた行先階毎の積載可能荷重を算出し、前記乗りかご内の行先階釦が押下された場合に、前記乗りかごの積載荷重を取得し、取得した前記乗りかごの積載荷重が前記行先階釦で入力された行先階における積載可能荷重を超過しているか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明は、感染症対策運転を備えたエレベーターの感染症対策運転制御装置であって、前記感染症対策運転時に、乗りかご停止時に現在の階床を取得する移動位置取得部と、前記移動位置取得部で取得した前記乗りかごの現在の階床から行先階までの移動階数に応じた行先階毎の積載可能荷重を算出する制御部と、前記乗りかご内の行先階釦が押下された後、前記乗りかごの積載荷重を取得する積載荷重取得部と、を備え、前記制御部は前記積載荷重取得部が取得した前記乗りかごの積載荷重が前記行先階釦で入力された行先階における積載可能荷重を超過しているか否かを判定することを特徴とする。
本発明によれば、感染症に感染している乗客が乗車しているエレベーターに同乗した場合であっても、感染拡大を抑制するエレベーターの感染症対策運転方法及びエレベーターの感染症対策運転制御装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、同様の説明は繰り返さない。
本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。
図1は本発明の実施例に係るエレベーターシステムのシステム構成図である。
図1において、エレベーターシステムは、エレベーター装置1と、このエレベーター装置1を通信回線4を介して遠隔で監視する監視センター2と、この監視センター2に接続された通信回線4とは別の通信方式で接続される管理者の携帯端末3とを含んで構成されている。
エレベーター装置1は、図示しない乗りかごと、乗りかごを駆動するモータと、このモータを含むエレベーター全体の制御を行う制御装置100と、エレベーター装置1の運行状態を監視する監視端末110とから構成されている。本実施例の制御装置は、ホール呼びに応じて乗りかごを配車するように動作させる機能(通常運転)に加え、エレベーターの感染症対策運転を行う感染症対策運転制御装置として機能する。
制御装置100は、エレベーター全体の制御、乗りかごの移動量に対する積載可能荷重の算出、積載可能荷重に対応した最大積載人数の算出及び乗りかごの積載荷重が計算した積載可能荷重が下回っているかの判定を行う制御部101と、エレベーター装置1の運行状態を監視する監視端末110との間で通信を行う通信部102と、乗りかごの現在の階床を図示しないガバナエンコーダ等から取得する移動位置取得部103と、乗りかご内に設置される表示部104と、乗りかごの現在の積載荷重を取得する積載荷重取得部105とで構成されている。また、乗りかごには乗りかご内の換気を行うかご内ファンが備えられており、かご内ファンは制御部101で制御させる。
監視端末110は、制御装置100の通信部102及び監視センター2との間で通信を行う通信部111と、監視センター2から感染症対策運転の設定または解除の指令を受けた否かの判定をする判定部112とで構成されている。
また、監視センター2は、エレベーター装置1の運行状態を収集して管理する監視システム200と、管理者の携帯端末3から感染症対策運転の設定を受付けるWebサーバー210とから構成されている。
さらに、監視システム200は、通信部111及びWebサーバー210との間で通信を行う通信部201と、監視システム200全体の制御及びエレベーターを遠隔で制御を行う制御部202とで構成されている。
そして、Webサーバー210は、通信部201及び携帯端末3との間で通信を行う通信部211と、携帯端末3から設定あるいは解除された感染症対策運転の設定情報を制御する情報制御部212とから構成されている。管理者は、携帯端末3を用いて感染症対策運転の設定あるいは解除を行う。
次に、エレベーターの感染症対策運転方法について説明する。図2は本発明の実施例に係るエレベーターの感染症対策運転方法を示すフローチャートである。
図2において、管理者が携帯端末3を用いて感染症対策運転の設定を行った場合、監視システム200の制御部202は、通信部201を介してエレベーター装置1の監視端末110へ感染症対策運転の設定の指令を送信する(ステップS301)。
監視センター2からの信号を受け、判定部112は感染症対策運転設定の指令を受信したと判定すると、その判定結果を通信部111を介して制御装置100に送信する。制御装置100の制御部101は、判定部112の判定結果を通信部102を介して受信し、乗りかごのかご内ファンを起動させ、行先階(目的階)に到着するまで乗り場からのホール呼びに応じない感染症対策運転に切り替える制御を実行する(ステップS302)。感染症対策運転を実行する制御プログラムは、例えば制御部101の記憶手段に記憶され、記憶部から読み出された制御プログラムに従って制御部の処理手段が実行する。また、制御部101は、感染症対策運転時には乗りかごに備えられたかごファンを起動させ、乗りかご内の換気を行う。
乗りかごのドアが開いた時、移動位置取得部103はガバナエンコーダ等の情報から乗りかご停止時の現在の階床を取得する(ステップS303)。制御部101は取得した乗りかごの現在の階床から行先階までの移動階数に応じた行先階毎の最大積載人数及びこの最大積載人数に対応した積載可能荷重を算出する(ステップS304)。
最大積載人数・最大積載荷重は次のように算出する。乗りかごの現在の階床(乗車階)が1階で行先階が2階、或いは乗りかごの現在の階床が2階で行先階が3階である場合、移動階数は1であるので、乗りかごに乗車できる最大積載人数は5人と算出する。乗りかごの現在の階床が1階で行先階が3階、或いは乗りかごの現在の階床が2階で行先階が4階である場合、移動する階数は2であるので、乗りかごに乗車できる最大積載人数は4人と算出する。同様に、乗りかごの現在の階床が1階で行先階が4階、或いは乗りかごの現在の階床が2階で行先階が5階である場合、移動する階数は3であるので、乗りかごに乗車できる最大積載人数は3人と算出する。行先階毎の最大積載荷重は、最大積載人数と一人当たりの体重から算出する。例えば、最大積載人数が5人、一人当たりの体重を65kgとした場合、最大積載荷重は5人×65kg=325kgとなる。最大積載人数が4人の場合、最大積載荷重は4人×65kg=260kgとなり、最大積載人数が3人の場合、最大積載荷重は3人×65kg=195kgとなる。本実施例では移動する階数が増加する毎に最大積載人数が減少するようにすると共に、最大積載人数に対応した最大積載荷重を減少するようにしている。このように本実施例では、取得した乗りかごの現在の階床から行先階までの移動階数に応じた行先階毎の積載可能荷重を算出する。
制御部101は、表示部104にステップS304で計算した行先階毎の最大積載人数を表示させる(ステップS305)。最大積載人数は後述する図3のように表示する。
乗りかご内の行先階ボタンが押下された場合(ステップS306のYes)、積載荷重取得部105は現在の乗りかごの積載荷重を取得する(ステップS307)。行先階釦が押下されない場合(ステップS306のNo)、ステップS305に戻る。
制御部101は積載荷重取得部105で取得した現在の乗りかごの積載荷重がステップS304で算出した乗りかごの行先階毎の最大積載荷重を超過しているか否かを判定する(ステップS308)。例えば、乗りかごが1階に停車しており、乗りかごに4人が乗車し、行先階釦を押下して4階を選択したとする。積載荷重取得部105は5人分の体重260kg(65kg×4人)を積載荷重として取得する。1階から4階までの最大積載人数は3人であり、その時の最大積載荷重は195kg(65kg×3人)であるので、制御部101は最大積載荷重が超過したと判定する。
現在の乗りかごの積載荷重が乗りかごの行先階毎の最大積載荷重を超過したと判定した場合(ステップS308のNo)、ビープ音を鳴らし表示部104に満員の旨を表示する(ステップS309)。乗りかごには乗りかごの積載荷重が行先階釦で入力された行先階における積載可能荷重を超過している旨を音や表示部によって乗客に報知する報知手段を備えている。
ここで、感染の可能性が低い同一世帯の乗客が乗車することを想定し、本実施例では乗りかごの行先階毎の最大積載荷重を超過している場合であっても、ドア閉じ釦が所定時間以上押し続けられた場合(ステップS310のYes)、乗りかごの本来の最大積載荷重を超過してなければ、乗りかごの走行を開始する(ステップS312)。ドア閉じ釦が押下されなかった場合(ステップS310のNo)は、ステップS307に戻る。
ステップS308において、現在の乗りかごの積載荷重が乗りかごの行先階毎の最大積載荷重を超過していないと判定(ステップS308のYes)し、ドア閉じ釦が押下されたあるいは一定時間乗かご内のボタン操作が無かった場合(ステップS311)、かご走行を開始する(ステップS312)。
行先階(目的階)に到着した後に(ステップS313)、判定部112が感染症対策運転の解除の指令を受信していた場合(ステップS314のYes)、乗りかごのかご内ファンを停止し、感染症対策運転を終了する(ステップS315)。
感染症対策運転の解除の指令を受信していない場合(ステップS314のNo)は、ステップS303に戻り、感染症対策運転を継続する。
感染症対策運転中、乗りかごに乗客が乗車して運転している場合には、ある階からホール呼びがあってとしてもホール呼びがあった階には乗りかごは停車しない。しかしながら、乗りかごに複数の乗客が乗車して複数の行先階が設定され、一部の乗客の行先階とホール呼びがあった階とが一致し、ホール呼びがあった階に乗りかごが停車する場合がある。この場合、ホール呼びを行った乗客が停車した途中階から乗客が乗車する可能性がある。そこで本実施例では、停車した途中階から乗客が乗車した場合には、ステップS303に戻り、上記したステップを繰り返し、乗りかごの行先階毎の最大積載荷重を超過していないかを判定する。
次に、乗りかごに設置される表示部104の表示内容について説明する。図3は本発明の実施例に係る乗りかご走行前における表示部の表示内容を示す図である。図3において、表示部104には、感染症対策運転を実施している旨のメッセージ104aと、行先階毎の最大積載人数の情報104bとが表示される。表示部104には、ステップS304で算出された結果がステップS305として表示される。
図3では乗りかごが1階に停車している状態の一例を示している。図3に示すように、1階から2階までの最大積載人数は5人、1階から3階までの最大積載人数は4人、1階から4階までの最大積載人数は3人となっている。移動する階数が増えると乗車時間が長くなることから、感染症に感染している乗客が乗りかごに乗車していた場合、他の乗客との接触する時間が長くなり、他の乗客が感染症に感染する可能性が高くなる。そのため、本実施例では、移動する階数が増える毎に、接触時間を少なくし、最大積載人数が減少するようにしている。さらには、最大積載人数を制限することにより、乗りかご内における乗客同士の距離を確保することができ、感染症への感染を抑制することができる。
図3では乗りかごが1階に停車している状態の一例を示している。図3に示すように、1階から2階までの最大積載人数は5人、1階から3階までの最大積載人数は4人、1階から4階までの最大積載人数は3人となっている。移動する階数が増えると乗車時間が長くなることから、感染症に感染している乗客が乗りかごに乗車していた場合、他の乗客との接触する時間が長くなり、他の乗客が感染症に感染する可能性が高くなる。そのため、本実施例では、移動する階数が増える毎に、接触時間を少なくし、最大積載人数が減少するようにしている。さらには、最大積載人数を制限することにより、乗りかご内における乗客同士の距離を確保することができ、感染症への感染を抑制することができる。
図4は本発明の実施例に係る乗りかご走行中における表示部の表示内容を示す図である。図4に示すように、乗りかご走行中は、感染拡大防止に協力したことを感謝する旨と、乗りかご乗車中における注意喚起104cとが表示される。
本実施例では、乗りかご内の表示部104に感染症対策の注意喚起を行うことにより、乗りかごに乗車中の乗客同士の感染を抑制することができる。また、本実施例によれば、途中階から乗車した乗客に対し、エレベーターが感染症対策運転を実施していることを知らせることができる。
1…エレベーター装置、2…監視センター、3…携帯端末、4…通信回線、100…制御装置、101…制御部、102…通信部、103…移動位置取得部、104…表示部、105…積載荷重取得部、110…監視端末、111…通信部、112…判定部、200…監視システム、201…通信部、202…制御部、210…サーバー、211…通信部、212…情報制御部
Claims (6)
- 感染症対策運転を備えたエレベーターの感染症対策運転方法であって、
前記感染症対策運転時に、乗りかご停止時に現在の階床を取得し、取得した前記乗りかごの現在の階床から行先階までの移動階数に応じた行先階毎の積載可能荷重を算出し、前記乗りかご内の行先階釦が押下された場合に、前記乗りかごの積載荷重を取得し、取得した前記乗りかごの積載荷重が前記行先階釦で入力された行先階における積載可能荷重を超過しているか否かを判定することを特徴とするエレベーターの感染症対策運転方法。 - 請求項1において、
前記乗りかごの積載荷重が前記行先階釦で入力された行先階における積載可能荷重を超過している場合には報知することを特徴とするエレベーターの感染症対策運転方法。 - 請求項1又は2において、
前記感染症対策運転時には前記乗りかごに備えられたかごファンを起動させることを特徴とするエレベーターの感染症対策運転方法。 - 請求項1又は2において、
前記行先階毎の積載可能荷重に対応した最大積載人数を前記乗りかご内に表示することを特徴とするエレベーターの感染症対策運転方法。 - 請求項4において、
前記乗りかごのドア閉じ釦が所定時間以上押し続けられた場合には、前記乗りかごを走行させることを特徴とするエレベーターの感染症対策運転方法。 - 感染症対策運転を備えたエレベーターの感染症対策運転制御装置であって、
前記感染症対策運転時に、乗りかご停止時に現在の階床を取得する移動位置取得部と、前記移動位置取得部で取得した前記乗りかごの現在の階床から行先階までの移動階数に応じた行先階毎の積載可能荷重を算出する制御部と、前記乗りかご内の行先階釦が押下された後、前記乗りかごの積載荷重を取得する積載荷重取得部と、を備え、
前記制御部は前記積載荷重取得部が取得した前記乗りかごの積載荷重が前記行先階釦で入力された行先階における積載可能荷重を超過しているか否かを判定することを特徴とするエレベーターの感染症対策運転制御装置。
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JP2020137904A JP2022034215A (ja) | 2020-08-18 | 2020-08-18 | エレベーターの感染症対策運転方法及びエレベーターの感染症対策運転制御装置 |
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Cited By (1)
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WO2023181090A1 (ja) * | 2022-03-22 | 2023-09-28 | 日本電気株式会社 | エレベータ制御装置、システム及び方法、並びに、コンピュータ可読媒体 |
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2020
- 2020-08-18 JP JP2020137904A patent/JP2022034215A/ja active Pending
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WO2023181090A1 (ja) * | 2022-03-22 | 2023-09-28 | 日本電気株式会社 | エレベータ制御装置、システム及び方法、並びに、コンピュータ可読媒体 |
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