JP2022033525A - 医療用シミュレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】治療時の痛みや不適切な治療に対する患者の反応だけでなく、現実の医療行為を行う際に発生が予想される患者の拒否動作や容態の急変等の様々な反応及び動作を選択的に再現することにより、使用者が、治療技術の向上に加え、不測の事態や突発的な事象等にも速やかに対処可能な能力を身に付けることができる汎用性及び実用性に優れた医療用シミュレータを提供する。【解決手段】医療行為の実習に用いられる医療用シミュレータ10であって、患者である人間の全身を模して形成されたロボット本体11を有し、ロボット本体11に対して実習者が模擬的な医療行為を行う際に、現実の医療行為の開始前、途中及び終了後に発生が予測される患者の反応及び動作をロボット本体11で選択的に再現する。【選択図】図1
Description
本発明は、主に歯科治療及び救急治療(一次救命)等を含む小児治療等の医療行為の実習(演習)に用いられる医療用シミュレータに関する。
従来、医学部の学生、救急救命士(消防士)及び研修医等の医療従事者は、様々な医療用シミュレータを用いて一次救命を含む医療行為の実習を行っている。例えば、特許文献1には、心臓、循環、呼吸等の生体反応又は機能を模擬するように構成された患者ロボット(生体モデル)を備えた生体シミュレータが開示されている。また、特許文献2には、模擬治療時に、生体の動作に擬似してロボット本体を動作させる医療用シミュレータが開示され、特許文献3には、患者模型が緊急状態を示す動作を行うように患者模型駆動部を駆動させる駆動制御部を備えた医療用実習装置が開示されている。
しかし、特許文献1の生体シミュレータは、救急蘇生術の訓練を目的としたものであり、心臓、循環、呼吸等の生体反応又は機能を模擬することに限定されている。従って、様々な医療行為に対する患者の全身の反応及び動作を再現することは想定されておらず、用途が限定され、汎用性に欠けるという課題を有している。特許文献2の医療用シミュレータでは、ロボット本体が、生体の所定部位を模して形成された治療部を有するものに限定されており、治療部以外の部位における反応及び動作を再現することは想定されていない。また、具体的な治療部としては、人工歯が設けられた口腔部しか記載されておらず、歯科治療の実習又は検定以外の用途も、歯科治療以外の医療行為に対する動作も不明であり、用途が限定され、汎用性に欠けるという課題を有している。特許文献3の医療用実習装置では、患者模型に、緊急状態を示す動作を行わせることが記載されているが、この緊急状態は生体情報の異常を伴うことを前提としている。従って、患者が治療を嫌がったり、拒んだりするような感情的(本能的)な反応や動作を再現することは想定されておらず、再現の対象となる動作が限られ、汎用性及び実用性に欠けるという課題を有している。また、特許文献2、3ではロボット本体(患者模型)の眼球を動作させることが記載されているが、モータやエアシリンダ等の駆動部を用いて機械的に動作させているため、機構が複雑で製造に手間がかかり、耐久性及びメンテナンス性に欠けるという課題も有している。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、治療時の痛みや不適切な治療に対する患者の反応だけでなく、現実の医療行為を行う際に発生が予想される患者の拒否動作や容態の急変等の様々な反応及び動作を選択的に再現することにより、使用者が、治療技術の向上に加え、不測の事態や突発的な事象等にも速やかに対処可能な能力を身に付けることができる汎用性及び実用性に優れた医療用シミュレータを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る医療用シミュレータは、医療行為の実習に用いられる医療用シミュレータであって、
患者である人間の全身を模して形成されたロボット本体を有し、該ロボット本体に対して実習者が模擬的な医療行為を行う際に、現実の医療行為の開始前、途中及び終了後に発生が予測される患者の反応及び動作を前記ロボット本体で選択的に再現する。
患者である人間の全身を模して形成されたロボット本体を有し、該ロボット本体に対して実習者が模擬的な医療行為を行う際に、現実の医療行為の開始前、途中及び終了後に発生が予測される患者の反応及び動作を前記ロボット本体で選択的に再現する。
本発明に係る医療用シミュレータにおいて、前記ロボット本体で再現する反応及び動作には、前記ロボット本体の手足をばたつかせる拒否動作、前記ロボット本体を痙攣させる異常反応並びに前記ロボット本体の左右の目の眼球運動及び瞳孔異常が含まれることが好ましい。
本発明に係る医療用シミュレータにおいて、前記左右の目には、該各目の眼球の画像を表示する液晶表示素子が取付けられ、該各液晶表示素子は、前記目の幅方向中央部が前方に向かって凸となるように円弧状に湾曲していることが好ましい。
本発明に係る医療用シミュレータにおいて、前記ロボット本体は、該ロボット本体の少なくとも頭部、手及び足をそれぞれ駆動する駆動手段を備え、該駆動手段にエアシリンダが用いられることが好ましい。
本発明に係る医療用シミュレータにおいて、前記ロボット本体で再現する反応及び動作を該ロボット本体の外部から指示する指示手段を備えることができる。
本発明に係る医療用シミュレータにおいて、前記ロボット本体は、5~6才の幼児の体型を模したものとすることができる。
本発明に係る医療用シミュレータは、医学部の学生、救急救命士(消防士)及び研修医等の実習者が、患者である人間の全身を模して形成されたロボット本体に対して模擬的な医療行為を行う際に、現実の医療行為の開始前、途中及び終了後に発生が予測される患者の反応及び動作をロボット本体で選択的に再現することができるので、治療技術の向上だけでなく、患者の急変を含む不測の事態や突発的な事象等にも速やかに対処可能な能力を身に付けることができる。
本発明に係る医療用シミュレータにおいて、ロボット本体で再現する反応及び動作に、ロボット本体の手足をばたつかせる拒否動作、ロボット本体を痙攣させる異常反応並びにロボット本体の左右の目の眼球運動及び瞳孔異常が含まれる場合、現実の医療行為の開始前、途中及び終了後に発生する患者の様々な反応及び動作を細かく再現することができ、機能性に優れる。
本発明に係る医療用シミュレータにおいて、左右の目に、各目の眼球の画像を表示する液晶表示素子が取付けられ、各液晶表示素子が、目の幅方向中央部が前方に向かって凸となるように円弧状に湾曲している場合、機械的な機構を用いることなく、眼球運動及び瞳孔異常を忠実に再現することができ、可動部が少なく、動作の安定性及び耐久性にも優れる。
本発明に係る医療用シミュレータにおいて、ロボット本体が、ロボット本体の少なくとも頭部、手及び足をそれぞれ駆動する駆動手段を備え、駆動手段にエアシリンダが用いられる場合、ロボット本体の全身を現実の患者(人間)のように動作させることができ、様々な動作の再現性を高めることができると共に、頭部、手及び足を押さえつけても、駆動手段に負荷がかからないので、力を加減する必要がなく、違和感を持たずに現実の対処方法を習得することができる。
本発明に係る医療用シミュレータにおいて、ロボット本体で再現する反応及び動作をロボット本体の外部から指示する指示手段を備える場合、使用者の行う模擬的な医療行為の内容(正確性や妥当性等)とは関係なく、指導者等が指示手段を操作して、ロボット本体に様々な反応及び動作を実行させることにより、使用者は、患者の突発的な動作や容態の急変等のアクシデントも体験することができ、実用性に優れる。
本発明に係る医療用シミュレータにおいて、ロボット本体が、5~6才の幼児の体型を模したものである場合、使用者(医師等)の指示に従わず、頭部を上下左右に動かしたり、手足や体全体を動かしたりする、幼児に特有の拒否動作等を体験することができ、対応能力を身に付けることができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1~図5に示す本発明の一実施の形態に係る医療用シミュレータ10は、主に歯科治療及び救急治療(一次救命)等を含む小児治療等の医療行為の実習に用いられるものである。この医療用シミュレータ10は、図3、図4に示すように、患者である人間の全身(例えば5~6才の幼児の体型)を模して形成されたロボット本体11を有している。そして、ロボット本体11に対して、医学部の学生、救急救命士(消防士)及び研修医等の実習者(ユーザ)が、模擬的な医療行為を行う際に、現実の医療行為の開始前、途中及び終了後に発生が予測される患者の反応及び動作をロボット本体11で選択的に再現するものである。
図1~図5に示す本発明の一実施の形態に係る医療用シミュレータ10は、主に歯科治療及び救急治療(一次救命)等を含む小児治療等の医療行為の実習に用いられるものである。この医療用シミュレータ10は、図3、図4に示すように、患者である人間の全身(例えば5~6才の幼児の体型)を模して形成されたロボット本体11を有している。そして、ロボット本体11に対して、医学部の学生、救急救命士(消防士)及び研修医等の実習者(ユーザ)が、模擬的な医療行為を行う際に、現実の医療行為の開始前、途中及び終了後に発生が予測される患者の反応及び動作をロボット本体11で選択的に再現するものである。
医療用シミュレータ10は、図1に示すように、ロボット本体11の全体(各部の動作)を制御する制御部12と、ロボット本体11で再現する反応及び動作をロボット本体11の外部から制御部12を介して指示するための指示手段13を有している。従って、実習を行う際に、指導者等が指示手段13から指示することにより、ロボット本体11に様々な反応及び動作を行わせることができる。ロボット本体11で再現する反応及び動作には、ロボット本体11の左右の手16、17及び左右の足18、19をばたつかせる拒否動作、ロボット本体11の全身を痙攣させる異常反応並びにロボット本体11の左右の目20、21の眼球運動及び瞳孔異常が含まれる。また、拒否動作には、ロボット本体11の頭部23を左右に振る動作、泣き声を発する動作、口24を閉じる動作等も含まれ、異常反応には、ロボット本体11の全身を硬直させる(身体を反らせる)動作、身体を捻る動作等も含まれる。
医療用シミュレータ10では、指導者等が、実習者の模擬的な医療行為の様子を見ながら、実習者の行為等が不適切だと判断した時に、指示手段13からロボット本体11(制御部12)に対して動作を指示することができる。なお、指導者等は、実習者の行為等とは無関係(ランダム)にロボット本体11に対して動作を指示することもでき、それにより、実習者は、治療技術の向上だけでなく、患者の急変を含む不測の事態や突発的な事象(行動)等にも対処可能な能力を身に付けることができる。特に、小児患者の場合、医師等の指示に従わないことや突発的(予測不能)な行動を取ることがあるため、実践的な演習が可能となる。なお、ロボット本体の各部に、感圧(圧力)センサ、接触センサ、温度センサ等の各種の検出手段を取付け、検出手段により異常を検出した時に、指示手段からの指示とは関係なく(指示手段からの指示を受けなくても)、制御部の判断で、ロボット本体に上記の反応及び動作を行わせることもできる。
指示手段13としては、RAM、CPU、ROM等を備えた従来公知の演算器(即ち、コンピュータ)が用いられる。また、制御部12が、指示手段13と無線接続されることにより、遠隔操作が可能となり、実用性に優れるが、制御部と指示手段は有線で接続してもよい。
また、医療用シミュレータ10が、血圧、脈拍、体温、酸素飽和度等の模擬的な生体情報(数値)の変化を表示する表示部25を備えることにより、現実の患者の体調の変化を模擬的に表示することができる。そして、ロボット本体11で再現する反応及び動作と、表示部25に表示する模擬的な生体情報の変化を対応させる(ロボット本体11で再現する反応及び動作に連動させて模擬的な生体情報を変化させる)ことにより、再現性を高めることができる。本実施の形態では、表示部25が、指示手段13に接続されているが、これに限定されるものではない。なお、表示部は指示手段と一体化されていてもよく、例えば、指示手段としてノート型パソコン等を用いる場合、別途、表示部を接続する必要はない。
また、医療用シミュレータ10が、血圧、脈拍、体温、酸素飽和度等の模擬的な生体情報(数値)の変化を表示する表示部25を備えることにより、現実の患者の体調の変化を模擬的に表示することができる。そして、ロボット本体11で再現する反応及び動作と、表示部25に表示する模擬的な生体情報の変化を対応させる(ロボット本体11で再現する反応及び動作に連動させて模擬的な生体情報を変化させる)ことにより、再現性を高めることができる。本実施の形態では、表示部25が、指示手段13に接続されているが、これに限定されるものではない。なお、表示部は指示手段と一体化されていてもよく、例えば、指示手段としてノート型パソコン等を用いる場合、別途、表示部を接続する必要はない。
次に、ロボット本体11の詳細について説明する。
図5(A)~(C)に示すように、ロボット本体11の左右の目20、21には、各左右の目20、21の眼球27、28の画像を表示する液晶表示素子29が取付けられている。ここで、各液晶表示素子29は、図5(B)、(C)に示すように、左右の目20、21の幅方向中央部が前方に向かって凸となるように円弧状に湾曲している。そして、各液晶表示素子29に表示する眼球27、28の画像を適宜、切替えることにより、眼球27、28を上下左右に移動させ、眼球運動を再現することや、眼球27、28の瞳孔30、31の大きさ及び/又は位置を変化させ、瞳孔異常を再現することができる。瞳孔異常としては、縮瞳、散瞳、瞳孔不同、位置異常(共同偏視)等がある。実習者は、左右の目20、21の眼球運動や瞳孔異常を確認することにより、模擬的な体調の変化や健康状態を把握し、次の処置を決定することができる。従来のように、機械的に眼球自体を上下左右に移動させる必要がなく、液晶表示素子29に表示する画像の切替えのみで眼球運動を再現することができるので、構造を簡素化することができる。また、従来の機械的動作では再現が難しかった瞳孔異常も容易に再現することができ、実用性に優れる。なお、液晶表示素子29に表示される眼球27、28の画像は、制御部12に内蔵又は接続されたハードディスクやSDカード等の記憶手段(図示せず)に保存されており、その中から適宜、選択されて使用される。
図5(A)~(C)に示すように、ロボット本体11の左右の目20、21には、各左右の目20、21の眼球27、28の画像を表示する液晶表示素子29が取付けられている。ここで、各液晶表示素子29は、図5(B)、(C)に示すように、左右の目20、21の幅方向中央部が前方に向かって凸となるように円弧状に湾曲している。そして、各液晶表示素子29に表示する眼球27、28の画像を適宜、切替えることにより、眼球27、28を上下左右に移動させ、眼球運動を再現することや、眼球27、28の瞳孔30、31の大きさ及び/又は位置を変化させ、瞳孔異常を再現することができる。瞳孔異常としては、縮瞳、散瞳、瞳孔不同、位置異常(共同偏視)等がある。実習者は、左右の目20、21の眼球運動や瞳孔異常を確認することにより、模擬的な体調の変化や健康状態を把握し、次の処置を決定することができる。従来のように、機械的に眼球自体を上下左右に移動させる必要がなく、液晶表示素子29に表示する画像の切替えのみで眼球運動を再現することができるので、構造を簡素化することができる。また、従来の機械的動作では再現が難しかった瞳孔異常も容易に再現することができ、実用性に優れる。なお、液晶表示素子29に表示される眼球27、28の画像は、制御部12に内蔵又は接続されたハードディスクやSDカード等の記憶手段(図示せず)に保存されており、その中から適宜、選択されて使用される。
次に、ロボット本体11は、図2に示すように、ロボット本体11の頭部23、左右の手16、17及び足18、19をそれぞれ駆動するための駆動手段33を備えている。この駆動手段33は、頭部駆動部34、左手駆動部35、右手駆動部36、左足駆動部37及び右足駆動部38を有しており、各駆動部34~38は独立して頭部23、左右の手16、17及び足18、19をそれぞれ駆動することができる。頭部駆動部34は、頭部23を前後、左右に傾ける動作や、左右に振る動作(首を中心に頭部23を左右方向に回動させる動作)を行うことができる。また、左手駆動部35、右手駆動部36、左足駆動部37及び右足駆動部38は、それぞれ左右の手16、17及び足18、19の曲げ伸ばし動作を行うことができ、各部の動作のタイミングと組み合わせにより、先に説明した左右の手16、17及び左右の足18、19をばたつかせる拒否動作や、ロボット本体11(全身)を痙攣させる異常反応等を表現することができる。
駆動手段33(頭部駆動部34、左手駆動部35、右手駆動部36、左足駆動部37及び右足駆動部38)には、エアシリンダが好適に用いられ、各駆動部34~38に用いられるエアシリンダの数及び配置は、適宜、選択することができる。なお、駆動手段にエアシリンダを用いる場合、ロボット本体の外部に設置されるエアコンプレッサ(図示せず)から各エアシリンダにエアが供給される。
ロボット本体11の全身は、可撓性及び伸縮性を有するシリコン等の軟質性ゴム素材で形成された被覆材40で覆われている。これにより、被覆材40で駆動手段33を保護すると共に、駆動手段33で駆動される頭部23、左右の手16、17及び足18、19をスムーズに動作させることができる。また、左右の手16、17及び左右の足18、19をばたつかせる拒否動作や、ロボット本体11(全身)を痙攣させる異常反応が行われた際に、実習者は現実の場合と同様に、左右の手16、17及び左右の足18、19を押さえつけるが、駆動手段33にエアシリンダが用いられることにより、駆動手段33に負荷がかからない(エアシリンダ内部のエアの圧縮状態が変化する)ので、力を加減する必要がなく、違和感を持たずに現実の対処方法を習得することができる。
なお、駆動手段は、口駆動部(図示せず)を有することにより、口の開閉動作を行うことができる。その場合、頭部に上顎骨格部と下顎骨格部を設けて被覆材で覆い、下顎骨格部に口駆動部を連結して、上顎骨格部に対して下顎骨格部を回動させて口を開閉させる機構が好適に用いられる。口駆動部には、他の駆動部と同様に、エアシリンダを用いてもよいし、モータ又はその他のアクチュエータを用いてもよい。
ロボット本体11の全身は、可撓性及び伸縮性を有するシリコン等の軟質性ゴム素材で形成された被覆材40で覆われている。これにより、被覆材40で駆動手段33を保護すると共に、駆動手段33で駆動される頭部23、左右の手16、17及び足18、19をスムーズに動作させることができる。また、左右の手16、17及び左右の足18、19をばたつかせる拒否動作や、ロボット本体11(全身)を痙攣させる異常反応が行われた際に、実習者は現実の場合と同様に、左右の手16、17及び左右の足18、19を押さえつけるが、駆動手段33にエアシリンダが用いられることにより、駆動手段33に負荷がかからない(エアシリンダ内部のエアの圧縮状態が変化する)ので、力を加減する必要がなく、違和感を持たずに現実の対処方法を習得することができる。
なお、駆動手段は、口駆動部(図示せず)を有することにより、口の開閉動作を行うことができる。その場合、頭部に上顎骨格部と下顎骨格部を設けて被覆材で覆い、下顎骨格部に口駆動部を連結して、上顎骨格部に対して下顎骨格部を回動させて口を開閉させる機構が好適に用いられる。口駆動部には、他の駆動部と同様に、エアシリンダを用いてもよいし、モータ又はその他のアクチュエータを用いてもよい。
図3、図4は、ロボット本体11のみを示しているが、必要に応じて、頭部23にカツラを取付けたり、衣服を着せたりして使用することができる。また、ロボット本体11は、胸部41に内蔵された胸部駆動手段(図示せず)により、胸部41を上下動させて心臓の鼓動又は呼吸状態を再現することができる。このとき、胸部41に内蔵されたスピーカー(図示せず)から心音や呼吸音を発することもできる。さらに、頭部23(顔の内側)に内蔵したLED等を用いた発光部(図示せず)を発光させることにより、顔色を変化させ、青ざめた表情、赤ら顔、チアノーゼ等を再現することもできる。
以上説明したロボット本体11の各部の動作により、模擬的に心肺停止状態を再現することができ、実習者は、この医療用シミュレータ10を用いて、一次救命の実習も行うことができる。そして、適切な処置が行われたと指導者が判断した場合に、指導者が指示手段13からロボット本体11(制御部12)に対して、心臓の鼓動及び呼吸の動作を再開させる指示を行い、それに合わせて心音及び呼吸音が発せられる。なお、適切な処置が行われたことを指導者が判断する代わりに、例えばロボット本体の圧力センサで、心臓マッサージが適正に行われたことを検出してもよい。
以上説明したロボット本体11の各部の動作により、模擬的に心肺停止状態を再現することができ、実習者は、この医療用シミュレータ10を用いて、一次救命の実習も行うことができる。そして、適切な処置が行われたと指導者が判断した場合に、指導者が指示手段13からロボット本体11(制御部12)に対して、心臓の鼓動及び呼吸の動作を再開させる指示を行い、それに合わせて心音及び呼吸音が発せられる。なお、適切な処置が行われたことを指導者が判断する代わりに、例えばロボット本体の圧力センサで、心臓マッサージが適正に行われたことを検出してもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、ロボット本体の口の中には、歯科治療演習用の歯列模型を装着することができる。このとき、前述の上顎骨格部及び下顎骨格部に対して、上下の歯列模型を着脱(交換)可能とすることにより、実習時に損耗した歯列模型を適宜、新しい歯列模型と交換することができる。
また、ロボット本体(例えば口の中)にスピーカーを取付け、実習者からの問い掛けに対して、応答の言葉を発するようにすることもできる。このとき、応答の言葉は、予め音声データとして制御部の記憶手段に保存され、指示手段からの指示で適宜、選択されて、再生されることが好ましい。さらに、ロボット本体に取付けた圧力センサや温度センサ等の検出手段で圧力異常や温度異常等の異常を検出した時に、制御部の判断で「痛い」、「熱い」、「冷たい」等の言葉を発するようにしてもよい。
現実の医療行為の開始前、途中及び終了後に発生が予測される患者の反応及び動作は様々であり、必要に応じて、指示手段及び/又は制御部で追加及び更新を行うことができる。
ロボット本体は、姿勢(体勢)を変化させることができ、実習の内容(医療行為の種類)に応じて、椅子に座らせた状態や診察台又はベッドに横たわらせた状態等で使用することができる。
上記実施の形態では、ロボット本体で5~6才の幼児の体型(全身)を模した場合について説明したが、これに限定されるものではない。また、上記実施の形態では、ロボット本体の外部に制御部を設置したが、ロボット本体に制御部を内蔵する構成とすることも可能である。
例えば、ロボット本体の口の中には、歯科治療演習用の歯列模型を装着することができる。このとき、前述の上顎骨格部及び下顎骨格部に対して、上下の歯列模型を着脱(交換)可能とすることにより、実習時に損耗した歯列模型を適宜、新しい歯列模型と交換することができる。
また、ロボット本体(例えば口の中)にスピーカーを取付け、実習者からの問い掛けに対して、応答の言葉を発するようにすることもできる。このとき、応答の言葉は、予め音声データとして制御部の記憶手段に保存され、指示手段からの指示で適宜、選択されて、再生されることが好ましい。さらに、ロボット本体に取付けた圧力センサや温度センサ等の検出手段で圧力異常や温度異常等の異常を検出した時に、制御部の判断で「痛い」、「熱い」、「冷たい」等の言葉を発するようにしてもよい。
現実の医療行為の開始前、途中及び終了後に発生が予測される患者の反応及び動作は様々であり、必要に応じて、指示手段及び/又は制御部で追加及び更新を行うことができる。
ロボット本体は、姿勢(体勢)を変化させることができ、実習の内容(医療行為の種類)に応じて、椅子に座らせた状態や診察台又はベッドに横たわらせた状態等で使用することができる。
上記実施の形態では、ロボット本体で5~6才の幼児の体型(全身)を模した場合について説明したが、これに限定されるものではない。また、上記実施の形態では、ロボット本体の外部に制御部を設置したが、ロボット本体に制御部を内蔵する構成とすることも可能である。
10:医療用シミュレータ、11:ロボット本体、12:制御部、13:指示手段、16、17:手、18、19:足、20、21:目、23:頭部、24:口、25:表示部、27、28:眼球、29:液晶表示素子、30、31:瞳孔、33:駆動手段、34:頭部駆動部、35:左手駆動部、36:右手駆動部、37:左足駆動部、38:右足駆動部、40:被覆材、41:胸部
Claims (6)
- 医療行為の実習に用いられる医療用シミュレータであって、
患者である人間の全身を模して形成されたロボット本体を有し、該ロボット本体に対して実習者が模擬的な医療行為を行う際に、現実の医療行為の開始前、途中及び終了後に発生が予測される患者の反応及び動作を前記ロボット本体で選択的に再現することを特徴とする医療用シミュレータ。 - 請求項1記載の医療用シミュレータにおいて、前記ロボット本体で再現する反応及び動作には、前記ロボット本体の手足をばたつかせる拒否動作、前記ロボット本体を痙攣させる異常反応並びに前記ロボット本体の左右の目の眼球運動及び瞳孔異常が含まれることを特徴とする医療用シミュレータ。
- 請求項2記載の医療用シミュレータにおいて、前記左右の目には、該各目の眼球の画像を表示する液晶表示素子が取付けられ、該各液晶表示素子は、前記目の幅方向中央部が前方に向かって凸となるように円弧状に湾曲していることを特徴とする医療用シミュレータ。
- 請求項1~3のいずれか1記載の医療用シミュレータにおいて、前記ロボット本体は、該ロボット本体の少なくとも頭部、手及び足をそれぞれ駆動する駆動手段を備え、該駆動手段にエアシリンダが用いられることを特徴とする医療用シミュレータ。
- 請求項1~4のいずれか1記載の医療用シミュレータにおいて、前記ロボット本体で再現する反応及び動作を該ロボット本体の外部から指示する指示手段を備えていることを特徴とする医療用シミュレータ。
- 請求項1~5のいずれか1記載の医療用シミュレータにおいて、前記ロボット本体は、5~6才の幼児の体型を模したものであることを特徴とする医療用シミュレータ。
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2020
- 2020-08-17 JP JP2020137473A patent/JP2022033525A/ja active Pending
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