図1aを参照すると、符号10は、ユーザに患者看護プロトコルを教授するためのインタラクティブ教育システムを全般的に示している。システム10は、医療器具をシミュレートするのに用いる仮想器具一式12と、ユーザから患者看護活動を受ける少なくとも一人の患者をシミュレートするのに用いるシミュレータ14とを有する。仮想器具12は有形の物体で、シミュレータ14に関連して実物の医療装置のように見え、感じられ、且つ作動する。シミュレータ14は、完全に関節接合されている成人サイズのマネキンや、胎児、新生児、小児、青年、あるいは腕、胴体部、頭部、または骨盤部などマネキンの一部を含め、様々な形態のものを含有するものと理解されたい。
シミュレータ14がユーザから受ける患者看護活動は後述の方式で検知され、その活動に反応してシステム10がユーザにフィードバックを提供する。フィードバックは聴覚的、視覚的、または触覚的反応を含むものと理解されたい。プログラム15aを有するコンピュータ15は、後述の理由により、システム10に選択的に接続されている。
図1bを参照すると、システム10'はコンピュータ15とプログラム15aとを有し、ここでソフトウェアにより生成される一式の仮想器具12'およびソフトウェアにより生成されるシミュレータ14'が提供される。従って、ユーザが行う患者看護活動は、ソフトウェアにより生成されるシミュレータ14'に患者看護を提供するために、ソフトウェアにより生成される選択された仮想器具12'に関連するアイコンを操作する工程を含む。本実施形態において、プログラム15は後述のように、マウスのクリックや音声動作ソフトウェアなどの先行技術による手段を用いてユーザの活動を監視し、これに反応してフィードバックを提供する。
図1aに戻ると、システム10はさらに通信インターフェース・モジュール(communications interface module:「CIM」)16を有し、CIMは先行技術による電源18から運転用の電力を受け、マイクロコントローラ(「PIC」)20を含む。マイクロコントローラはMicrochip Technology,Inc.(米国アリゾナ州Chandler)など様々なベンダから入手でき、これをカスタマイズする。後述のように、PIC20はユーザの活動から入力信号を受け、ユーザにフィードバックを提供するように特定の反応をするようプログラムされている。例えば、聴覚フィードバックを提供するために、CIM16はさらに、PIC20に反応してスピーカー24に働きかけ、例えば心臓、肺、血圧(コロトコフ法)、腸、胎児などの迫真性のある患者音声を発生させる音声チップ22を有する。CIM16には、スピーカー24の音量を調節するためのコントローラ26が含まれている。
あるいは、望ましいフィードバックの複雑性に応じて、CIM16をコンピュータ15およびプログラム15aに接続しても良い。フィードバックの一例において、プログラム15aを用いて、例えば超音波断面図や胎児仮死モニタのトレースの多大なライブラリを提供することができる。フィードバックは、プログラム15aで発生してコンピュータのスピーカーから奏する体音とすることもできる。
CIM16は、ユーザの患者看護活動による、仮想器具12とシミュレータ14上のセンサ30との間の相互作用により発生した入力信号を受ける複数のポート(これらをまとめて28と称する)を有する。このように生成された入力信号を制御するためにPIC20が一つ以上、また、CIM16が一つ以上あっても良いことを理解されたい。
仮想器具12は患者看護装置、例えば図2に示したような少なくとも1本の点滴(intravenous drip:IV)針、気管内(endotracheal:ET)チューブ、心電図(electrocardiogram:ECGまたはEKG)モニタ、血圧(blood pressure:BP)測定用加圧帯、パルス酸素濃度計帯、一時的外部ペーサ、自動体外式除細動器(automatic external defibrillator:AED)、手動除細動器、超音波ライトペン、仮想聴診器、体温計、および胎児仮死モニタ(以上、各々12a〜l)を有する。このような仮想器具は、本物の医療装置のように見え、且つ作動する。勿論、従来の聴診器、吸引分娩器(vacuum extractor)、カテーテル、トレイ、点滴(intravenous drip:IV)スタンドなど、比較的廉価な医療装置の使用や、他の仮想器具も予期される。
図2を参照すると、点滴針12aは特定の薬および薬の調合の選択可能なグループを有し、一実施形態においては、プログラム15aで制御された投与効果のある薬をシミュレータ14に分与するための標識されたシリンジ一式を有する薬のトレイの一部となっている。ETチューブ12bは、シミュレートされた患者の気道管理に用い、シミュレータ14の気管内に置かれている。EKGモニタ12cは、リアルタイムのトレース・モニタおよびR波音波マーカーを有する3、5、または12誘導システムと、シミュレータ14の胴体部に接続するための色彩コード化された複数のパッチとを有する。血圧(blood pressure:BP)測定用加圧帯12dはシミュレータ14に、例えば、腕の周りに取付けられる。パルス濃度計用指先帯12eはシミュレータ14に、例えば、指の周りに取付けられる。一時的外部ペーサ12fは、シミュレータ14の胴体部に取付けるための複数の前部および後部のペーサ・パッドを有する。ペーサ12fは、ペーサ速度および電流のためのコントローラを有し、リズム整調、キャップ時間、およびキャップ時間の喪失を表示し、これらの全てはプログラム15aで制御される。自動体外式除細動器(automatic external defibrillator:AED)12gは、シミュレータ14の胴体部に取付けるための、心臓などの尖部や胸骨用の複数のAEDパッドを有する。プログラム15aによって制御されるソフトウェアにより生成されるショック・ボタンを選択すると、システム10は、プログラム15aにより制御される結果として得られる条件により、除細動ショックをシミュレートする。手動除細動器12hは、シミュレータ14の胴体部に接触させるための、心臓の尖部や胸骨用の複数の除細動器用の棒(パドル)を有する。ソフトウェアにより生成されるショック・ボタンを選択すると、あるいは手動除細動器12hと結合したデュアル・ショック・ボタンを用いることにより、システム10は、プログラム15aにより制御される結果として得られる条件により、除細動ショックをシミュレートする。
引き続き図2を参照すると、超音波ライトペン(超音波ワンド)12iはシミュレータ14と相互作用し、ワンド30iがシミュレータの所定の解剖学的構造領域の所定近傍内にもたらされると、CIM16はこの相互作用を検出し、プログラム15aは超音波画像および/または音波のライブラリから取り出された超音波断面図を提供する。プログラム15aは、ユーザに断面図を解釈させ、それに応じて対応させるように、正常断面図と異常断面図の中から選択することができる。仮想聴診器12jはシミュレータ14と相互作用し、聴診器12jがシミュレータの所定の解剖学的構造領域の所定近傍内にもたらされると、図3a〜bで後述するように、CIM16はこの相互作用を検出し、フィードバックがユーザに提供される。体温計12kはシミュレータ14と相互作用し、体温計12kがシミュレータの所定の解剖学的構造領域の所定近傍内にもたらされると、CIM16はこの相互作用を検出し、プログラム15aが温度の読み値を提供する。胎児仮死モニタ12l(陣痛計)は、シミュレータ14の一部に取付けられ、取付けによって、プログラム15aはシミュレートされた胎児の心拍数を提供する。
各器具は、全体としてライン36で示すように、対応するセンサ30a〜lを有する。特記しない限り、ライン36は概略的なものであり、仮想器具12とセンサ30とが機能的に相互に接続されて、ユーザの患者看護活動によって生み出された相互作用を提供し、前記相互作用は、CIM16への入力信号として報告されるということを例示しているにすぎない。このような物理的ラインを器具12やセンサ30の間で共通化することも企図されることを理解されたい。
仮想器具12とセンサ30との間の相互作用は、電気的、光学的、圧力差、触覚、温度制御、またはワイヤレスである。一般的に言えば、電気的相互作用(これは前記入力信号も提供する)は、1個の節点および別の節点をもつセンサ30を有する仮想器具12を介して生み出すことができ、その両者は物理的にCIM16と接続している。または、伝導物質から形成された2個の節点およびセンサまたはそれらと逆のもの、を有する仮想器具と接続し、それらのうちのただ1つのみが物理的に前記CIM16と接続している。例えば、点滴針12aは、腕の前ひじ領域のような薬物を受け入れることができるシミュレータ14の一部に対応し、この領域は、適当な厚さと点滴針12aが小さい鋭角(例えば、20°)で布を貫通することができるような織密度を有する伝導物質から成る2つの層の間に挟まれた絶縁体を有するセンサ30aを有していても良い。センサ30aの伝導層はライン36a'を介してCIM16と電気的に接続し、点滴針12aが、シミュレータ14の血管への挿管をシミュレートする前記2つの伝導層を正しく通過する場合には、回路が前記層の間に完成し、CIM16によって検知される。
相互作用を検知する方法の別の例として、ETチューブ12bが、シミュレートされた患者の気道管理に使用され、シミュレータ14は、頭、目、鼻、口、および通常の気道付属物を受入れることができる現実に近い気道を有し、気道の配置は調節可能であり、大きな舌、塞がれた咽頭、または閉じた声帯を表示して患者の看護活動の困難さを増加させる。シミュレータ14の気管における正しい配置を確実にするために、光学センサ30bが前記シミュレータ14の気管の壁部に設けられ、ライン36b'を通してCIM16と接続されている。気管における前記ETチューブ12bの正しい配置は、ETチューブの先端が光学センサ30bの光線を遮った場合に、確認される。センサ30bは、また、流体が通過したか否かを決定するために使用することができる。
仮想聴診器12jは、相互作用を感知するワイヤレス法の例を提供する。少なくとも1のセンサ30jが、前記シミュレータ14の解剖学的部位に設けられ、そこでは、特定の心音、肺(気道を含有する)音、コロトコフ(Korotkoff)音、胎児音、または他の音が通常聞こえている。センサ30jは、聴診器12jによって識別される少なくとも1の信号を供給し、それによって、ユーザに対して、シミュレータ14上のセンサの解剖学的位置に適した音を奏するように、集積音響回路に指示する。音響回路は選択されたセンサ30jの位置に相当する体音を貯蔵するライブラリを有し、センサ30jは同様のセンサの任意の個数を例示している点を理解されたい。
図3aを参照すると、ある態様では、聴診器12jの外観は通常の聴診器に似ており、音を聞くためのイヤピース50a〜bを有し、二またに分かれる耳管52と接続した延長部51a〜bに接続している。同様に、聴診器は、さらにベル管54およびベル56を有し、好ましくは、非鉄物質から成る。しかし、従来の聴診器とは異なり、電子制御ボックス58が耳管52とベル管54との間に配置される。制御ボックス58は適切に創られたCIM16であると理解すべきであり、物理的に仮想聴診器12jに組込まれて、システム10を簡略化する。外部のスピーカー(図示せず)への出力のためにジャック64が制御ボックス58に設けられて、イヤピース50a〜bで聞こえる音を他のユーザが聞くことができる。これは、患者看護活動から益を受けるユーザの数を増加させるのみならず、指導者がユーザの能力をテストし、必要であればユーザの技術を修正することを可能にする。制御ボックス58は、所定の音を奏するために、小型スピーカー72、例えば、ADDAX Sound Company(米国イリノイ州Northbrook)から入手可能なものなどを導くために、小型電源66、例えば、バッテリ、捕捉回路68、および音響回路70(回路図については、同時係属中の米国特許出願第09/640,700号、2000年8月17日出願、を参照のこと)を保持する。スピーカー72は、イヤピース50a内に配置され、ワイヤ72aを介して制御ボックス58に接続され、ユーザが、音響回路70によって生み出される音を聞くことができる。第二の、実質上同一のスピーカーを反対側のイヤピース50bに設け、また、制御ボックス58に接続しても良いことが理解されよう。代替の実施形態において、スピーカー72を制御ボックス58内に配置し、音が従来の耳管を介してイヤピースに伝達されるようにしても良い。音響回路70は、また、上述の理由から、外部のスピーカーと接続可能となるようにジャック64に接続する。
多数の設定状態を有するスイッチ74が、音の集合、例えば、成人、新生児、胎児において聞こえる典型的な正常および異常の音の集合の間の切替えのために配置されている。無線周波数(radio frequency:RF)信号捕捉コイル76、例えば、M.C.Davis Co.(アリゾナ州Arizona City)から入手可能なものが、後述のように、RF信号を送信し且つ捕捉するために、ベル56の内部に配置されている。捕捉コイル76は、銅線コイルと、電子制御機器58に取付けられた関連ワイヤ76aを有する回路要素とを有している。樹脂製ディスク78が、ベル56からのノイズを低減するために、捕捉コイル76とベルと56の間に配置されている。
別の実施形態において、本物の、または仮想聴診器を用いなくても音が聞こえるようにマネキン内に配置されたスピーカー(図示せず)により、音が再生される。さらに別の実施形態において、本物の聴診器を用いると音が聞こえるようにマネキン内に配置されたスピーカー(図示せず)により、音が再生される。
図3bを参照すると、センサ30jが、ユーザによる視覚的露見を避けるように、シミュレータ14の皮膚14bの下に置かれている。また、解剖学的部位、例えば、肋間間隔は、場所を確認するために触診するべきであるので、センサ30jは、最小の厚さをもたせることによって、意図的なまたは偶然の露見を避けることが都合が良い。代替の実施形態では、センサ30jは、実質上皮膚14bに類似する蓋い(図示せず)に取り付けるのが良く、この蓋いを患者の他のシミュレータやモデルの上に置くことができ、これらの装置が聴診器12jと併用できるように変更する。
センサ30jは無線周波数IDタグ80を有し、これは例えば、Microchip Technology,Inc.(米国アリゾナ州Chandler)(部品番号MCRF200−I/3C00A)から入手可能であるが、特定のセンサ30jを識別するために役に立つ特有の信号を発生させるために、これは同じくMicrochip Technology,Inc.が販売する"Developer's Tools"を使用してプログラムしても良い。コイル82、例えば、M.C.Davis Co.(アリゾナ州Arizona City)から入手可能なものが、動作可能にタグ80に接続されている。タグ80およびコイル82は、例えば、M.C.Davis Co.(アリゾナ州Arizona City)から入手可能なもののような室温加硫硬化性(room temperature vulcanizing:RTV)埋込み物質84すなわちシリコンゴムの中に埋め込まれ、損傷を防止する。一旦埋め込まれると、タグ80およびコイル82は、応答指令信号が出されると、特有の周波数列をもつ信号を出力するCOBモジュール86を集合的に形成する。
操作において、COBモジュール86は、周波数を積極的に発信することができるが、好ましくは、COBモジュールは受動的、すなわち、聴診器ベル56中に捕捉コイル76によって応答指令信号が出された場合にのみ動作させるべきである。発明を実施するための最良な本実施形態において、捕捉コイル76は、キャリヤ信号、例えば125kHzの励起周波数のようなキャリヤ信号を伝達し、それは、ベル56がCOBモジュール86の所定近傍内、すなわち捕捉距離内にもたらされた場合にCOBモジュール86によって受信される。ベル56、従って、捕捉コイル76の前記COBモジュール86に対する捕捉距離は、キャリヤ信号の信号対雑音(signal strength to noise:S/N)比によって決定される。だから、キャリヤ信号のS/N比の調節は、センサ30jの解剖学的位置に関して聴診器ベル56、従ってCOBモジュール86をユーザが置かなければならない精密さでもって制御するための手段を提供する。ユーザによるシミュレータ14上におけるベル56の精密な位置が、適当な体音の形で、フィードバックによって報いられる。通常、S/N比は、センサ30jのCOBモジュール86の約1.5〜2cm以内にベル56がもたらされることを要求するように設定される。
十分に強いキャリヤ信号を受けることに応答して、他のキーイング法も使用できるけれども、COBモジュール86は、周波数偏移変調(frequency shift keying:FSK)として従来から知られている過程での使用のために、一連の2つの標識用周波数を発信する。聴診器ベル56内の捕捉コイル76は、発信された周波数を受信し、捕捉回路68にまで信号を中継し、捕捉回路68はセンサ30jの身元を調べる。各センサ30jの解剖学的位置は、プログラマーに知られているので、各センサに結合した適当な体音の選択がされ、音響回路70にアクセス可能である。だから、センサ30jを確認することによって、捕捉回路68は、音響回路70に指示して、COBモジュール86の解剖学的位置のための適当な体音を奏せしめ、これは、イヤピース50a内に配置されたスピーカー72を通して前記ユーザに聞こえる。ユーザにより広い選択範囲の音を聞かせるために、より多数のセンサ30jをシミュレータ14に追加したり、または、各センサが1以上の音に対応するようにすることが認められる。前述したように、スイッチ74は、5個の異なる設定状態を有し、5種類の音のグループの間で音響回路70を切り替えるための手段を有している。だから、スイッチの設定状態の個数は、単一のセンサによって生み出すことができる音の個数に相当し、すなわち、13のセンサと5個のスイッチの設定状態をもてば、ユーザは正常及び異常音の例を含む65までの位置に特有の音を聴くことができることが理解されよう。
上述した捕捉コイルおよびCOBモジュールは、ECGモニタ12cの誘導、パドル、またはプローブ(「コネクタ」)、一時的外部ペーサ12f、自動体外式細動除去装置(AED)12g、手動除細動器12h、超音波ワンド12i、および胎児仮死モニタ12lで使用されるように改良できることが認められる。望ましい場合、コネクタは、患者シミュレータ上の場所にそれらを一時的に保持するために接着して設けられても良い。器具のコネクタとセンサ30との間の相互作用は、CIM16によって検知されて、正しい配置を確認する。患者シミュレータの皮膚の下にセンサ30が隠されているという配置はさらに、実際の患者に一層似ているとともに、ユーザの患者の看護技術を試すことになる。
シミュレータ14は、患者を表し且つ治療を受けるように設計されており、従って、シミュレータ14は種々の形状をとり、その形状は、シミュレートされた患者の一部、例えば、胴体部および骨盤内の領域とともに、完全に関節接合されている成人サイズの産科用シミュレータ、丸まった胎児、関節接合された胎児、多胎児、または新生児を含有することを理解されたい。
図4および図5aを参照すると、例示的な実施形態において、シミュレータ14は、子供を生む母体シミュレータ300および取外し可能な連結した胎児シミュレータ302とを有する。母体シミュレータ300は、毛髪306、目308a〜b、鼻310、および口312を有する頭部304を有している。頭部アセンブリは、従来の気道付属物を受け入れることができる、現実に近い気道(図示せず)を有している。全体として30で表されているセンサ(図1a)は、母体シミュレータの皮膚の上に(斑点入りで表されている)および/または皮膚の下に(模型内として表されている)配置されていても良い。母体シミュレータの一実施形態(図示せず)において、センサがシミュレータと連結していない点を理解すべきである。電気的、空気作用的、または流体的接続を提供するため、また、必要に応じてセンサ30をCIM16に接続するために、ライン36が胴体部316から突出する。
別の実施形態において、母体シミュレータ300はテザーレスである。すなわち、この母体シミュレータは、シミュレータ以外の装置に配線やチューブで接続する必要なく機能し、従って、胴体部316から延出するライン36、325a、および326bがない。むしろ、母体シミュレータは独立式である。このように、母体シミュレータ300は、充電池などの内蔵電源を含むことができ、全ての空気作用的および流体的接続は、対応する母体シミュレータ300内のコンプレッサまたは他の装置に接続される。母体シミュレータは独立式であるため、可搬性があるのみでなく、異なる場所間での移送中にも使用することができる。さらに、このような実施形態において、母体シミュレータ300は、ワイヤレス通信によりCIM16など他の装置と通信するようにしても良い。従って、シミュレータシステム14全体は、ワイヤレス通信の限界まで機能することができる。さらに、いくつかの実施形態において、母体シミュレータ300はコンピュータまたはネットワークシステムにワイヤレスで接続し、次いでこのコンピュータまたはネットワークシステムは有線またはワイヤレスのネットワークを介してCIM16に接続し、母体シミュレータの機能距離を実質上無限にする。ここでは母体シミュレータのみを説明してきたが、以下でより詳しく説明する胎児および新生児シミュレータも、いくつかの実施形態においてテザーレスである。いくつかの実施形態では、シミュレータは、テザーレスとテザーありの両方の状態で使用するように構成される。いくつかの実施形態では、シミュレータは、テザーレスで用いても完全に機能する(すなわち、シミュレータは、テザーありとテザーレスのどちらの状態でも同じ機能性がある)。
一対の腕318a〜bが胴体部316と接続している。少なくとも1本の腕は、薬剤を受け入れることができる点滴レセプタクル(図示せず)を有し、センサ30aは、点滴が開始されたか否かを確かめるためにレセプタクル内に置かれていても良い。同様に、その腕は、血圧の測定のための手段とともに、コロトコフ音の聴診のためのセンサ30dを有していても良い。胴体部316の骨盤領域320は一対の脚322a〜bを受け止める。
図5aを参照すると、フックや環状のファスナーのような解除可能な結合手段を使用することもできるけれども、カバー324は複数のスナップ324aを介して胴体部316に取付けることができる。超音波ワンド12i、胎児仮死モニタ12l、および聴診器12jまたは代わりに少なくとも1個の小型スピーカーと協動するために、カバー324は、センサ30を保持し、聴診器12jまたは従来の聴診器によって各々検知される胎児の心音のシミュレーションを可能とする。一実施形態において、カバー324が、真空発生手段と接続した連続気泡発泡体(図示せず)を囲んでいる。真空の発生が気泡を縮小し、それをより硬く感じさせ、それが母体シミュレータ300による子宮の収縮をシミュレートする。代わりに、カバー324は、カバーを加圧するための空気嚢体(air bladder)および接続ライン(図示せず)を保持しても良く、これによって、それをより硬く感じさせる。さらに別の実施形態において、カバーは、胴体を横切るように延在する複数の可撓チューブ(図示せず)を有する。チューブ内の空気圧によって硬さが決定される。空気圧を調節すると硬さが変更される。種々のレベルの硬さが生み出されて、種々のレベルの収縮の強さ、例えば、軽度、中程度、および強い収縮をシミュレートできることを理解されたい。もし、CIM16とプログラム15aと接続されれば、収縮は、規則的に間隔が開けられ、母体の子宮内の圧力は、図14を用いて説明されるように、プログラムによって表示することができる。
図4に戻ると、胎児シミュレータ302は、臍帯302aおよび胎盤302bを有し、母体シミュレータの内部に配置された取外し可能なステージ325上に位置を占めるように描かれている。取外し可能なステージ325は、嚢体(図示せず)、ライン325a、および球325bを有している。空気を嚢体に汲み上げるために球325bを使用すると、ステージ325、従って胎児シミュレータ302はやや上方に上がる。カバー324(図5a)で覆われた場合には、ステージ325が上昇すると、ユーザは、胎児シミュレータ302をカバーを通して触診して位置を評価するとともに、レオポールト(Leopold)操作を実行できるようになる。別の実施形態において、球325bは、例えば電動の空気作動式ポンプなど、代替のポンプで置換えてある。電動ポンプは、コンピュータまたはその他の装置により遠隔制御しても良い。
出産器具326は、後述のように、胴体部316の内側に配置されている。カバー324は、前記シミュレータの胎児シミュレータ302および出産器具326を視界から隠している。そのため、子供の出産プロセスをより正確にシミュレートし、ユーザの治療能力を試す。ステージ325が取外されると、出産器具326は、手動クランク(図示せず)により、またはモータのオン・オフを行うとともに操作速度を決定するための制御手段とライン326bを介して接続する小型モータ326aによって操作することができる。
第一の実施形態において、プログラム15aのソフトウェアは、図14に関して後述するように出産器具326を制御する。別の実施形態では、制御手段は、制御ボックス328および制御ボックス328をCIM16に接続するライン330である。図5bを参照すると、前記制御ボックス328は各々シミュレータ14をオン・オフし、子供の出産を停止・再開し、分娩速度を決定し、胎児の心拍数を設定するためのコントローラ328a〜dを有している。
図6および図7を参照すると、母体シミュレータ300の胴体部316は、胎児シミュレータ302を露見させるために、カバー324を取外した状態で図示してある。胎児シミュレータ302は、母体シミュレータ300の体腔333内に設けられ、頭部334、取付けられた胴体部336を、前記胴体部に取付けられた腕338a〜bおよび脚340a〜bとともに有している。頭部334は柔らかいので吸引分娩が可能であり、ユーザが吸引することができる口および鼻を有している。
前述に関連して、いくつかの実施形態において、胎児シミュレータ302は、分娩中に胎児シミュレータ302に加えられた力の量を監視するために首、肩、および股関節部に配置された力センサ(図示せず)を有する。頭部334を引っ張ると、首のセンサからの信号が生成される。力の量は、ユーザ・インターフェースにより、ユーザおよび/または指導者に中継される。ユーザ・インターフェースは、図形表示や可聴信号を含む。例えば、ユーザ・インターフェースは、かかっている力の量を表示する棒グラフを生成するものであっても良いし、また、ユーザ・インターフェースは、力が所定の閾値を超えた時にピーッと言う音またはその他のアラーム音を発生して、かかっている力を低減するように、あるいは異なる分娩法を用いるようにユーザに促すものであっても良い。一実施形態において、最大の力の閾値は約40力ポンドである。一実施形態において、望ましい力の範囲は約17〜20力ポンドである。肩娩出異常は、致死の可能性もある状態であり、胎児の肩が母体の恥骨の後ろに引っかかるものである。過度の力は、胎児に脳神経叢を、また、エルブ麻痺(Erb's palsy)さえをも起こし得る。致死の可能性もあるこの状態をシミュレートするために、胎児シミュレータ302の左右の肩に肩センサを含めることにより、肩に加えられた力を監視する。最後に、骨盤位経膣分娩などの様々な状況のため、脚340a〜bをつかんで膣から取出すことになり得る。股関節部センサは、このような状態で胎児シミュレータ302に加えられた力を監視する役割を果たす。いくつかの実施形態において、センサ30は、特定のセンサが監視するようになっている測定値を示す出力信号を供給するために動作可能な出力装置と通信する。出力装置は、電気信号、ワイヤレス信号、または他の適切な出力信号を出力することができる。
臍帯および胎盤302a〜b(図4)は、図を簡略化するために除去されているが、胎盤302b(図4)は、任意の個数の共通の方向、例えば、正常な底の位置、低い位置、または前置胎盤に設けられ、従来の解除可能なファスナーによって体腔333に取り付けることができると理解されるべきである。同様に、臍帯302a(図4)は、種々の複雑な状況を模倣するように提示されることができ、胎児シミュレータ302への接続ラインを収容して、臍帯パルスがユーザによって感じられるようにし、または、必要であれば胎児シミュレータ302へ電流を伝達することができる。
受け部342が胎児シミュレータ302内に設けられて、出産器具326が胎児シミュレータを保持できるようにしている。前記受け部342と同様に、他の受け部が、胎児シミュレータ302の種々の部分に、骨盤位出産のシミュレーション用などに企図され、胎児シミュレータ302は、関節接合されているので、種々の骨盤位分娩、例えば、完全なもの、明白なもの、および逆子のような骨盤位分娩をシミュレートすることができる。
出産器具326は、胎児シミュレータ302の受け部342と協動して胎児シミュレータ302を保持するピストン部346の突起344を有している。いくつかの実施形態において、受け部342および突起344により、胎児シミュレータ302は選択的に母体シミュレータ300と係合し、且つ母体シミュレータ300から解放されるという選択的な係合ができるようになっている。描写された実施形態において、ピストン部346は、駆動システムによって駆動され、この駆動システムは、小型電動モータ、歯車、リセット可能な電気論理回路、ピストン部の位置を決定する手段、および前進・逆転機能を有している。ピストン部346は、一組の軌道347a〜bに沿って下方に進み、それによって、胎児シミュレータ302を母体シミュレータ300の外へ移動させる。
ピストン部346の突起344は回転可能であり、出産器具326は、それによって胎児シミュレータ302の回転および並進運動の双方を発生させて、現実に近い子供の出産シナリオをシミュレートする。その際、胎児は回転して、鼻が下になる正常な排臨(crowning)位置に来る。排臨後、胎児はさらに回転して、胎児の肩が産道をうまく通過することができる。いくつかの実施形態では、受け部342は、胎児シミュレータの別の部分、例えば、頭部、首、肩、腕、股関節部、および/または脚内に配置される。受け部342および突起344の別の実施形態は、図24〜27に関して後述する。
一実施形態において、ピストン部346のレバー346a〜bは、操作可能なように突起344と接続され、各々、カム348a〜bと係合し、回転を生み出す。ピストン部346が軌道347a〜bを降下すると、ピストン部のレバー346a〜bは固定されたカム348a〜bと順番に係合し、各レバーを動かす。レバーの動きは、突起344を回転させる。ついには、各レバーは、レバーが各カムを離れるポイントまで動かされる。カム348a〜bは、産道をシミュレートした軌道347a〜bに沿った回転を望む場所に置かれていることが認められる。このように、胎児の内部の回転は、カム348aと係合するレバー346aによって生じ、胎児の外部の回転は、カム348bと係合するレバー346bによって生じる。図28に関して後述するように、いくつかの実施形態において、カム348a〜bは胎児シミュレータを回転させる位置と胎児シミュレータを回転させない位置との間で動くことができる。さらに、いくつかの実施形態において、カム348a〜bは、胎児シミュレータにいくらかの回転を与えるための中間位置を含む。あるいは、プログラム15aが、図14に関連して後述するように、0度から180度まで突起344の回転の調節を可能にする。どちらの実施形態においても、胎児302は、後述するように、拡張可能な子宮頸部350を介して通過する。
図8および図9を参照すると、拡張可能な子宮頸部350は、体腔333に子宮頸部の位置を保持するために取付けたフラップ353a〜bを有するリング352を有する。従って、フラップ353a〜bは、取付けられたスナップ、フック、および環状のファスナー、または他の解除可能な結合手段を有しても良い。壁部354は、前記リング352と接続し、好ましくはLycra(登録商標)のような弾性部材または熱可塑性エラストマーで形成されるのが良い。壁部材から成るギャザー356は孔358を画定する。ギャザー356は、取付けられたエラストマー要素を内部に設けて孔358の弾性を高めるようにしても良い。あるいは、壁部354自体が十分な弾性を持つようにしても良い。
胎児シミュレータ302が孔を介して押されると、孔358は直径で約2〜10センチメートルに拡張し、胎児のミュレータの頭部334の形状および壁部354の弾性のために、拡張は、自動的に胎児の降下と一致するようにシミュレートされる。ユーザは、それから子宮頸部拡張の測定を実行し、且つ、分娩記録(パートグラフ、partograph)として、分娩の進展を図に描く。壁部354の弾性は、例えば、より厚いまたはより薄い壁部材を使用することにより調節可能であり、こうして通常よりもより速くまたはよりゆっくりとした拡張をする子宮頸部を作り出す。子宮頸部350は、カバー用の複数のスナップ324aとともに、恥骨360を有する骨盤領域320に同軸的に設けられている。
胎児シミュレータ302は、子宮頸部350を通じて、体腔333から、外陰部362を通って出される。外陰部362は、柔軟な素材で形成され、ユーザが外陰部を操作し、または頭部334を娩出するために会陰切開を実行することができる。外陰部362は、尿管や直腸のような特徴を有する挿入物の一部(図示せず)を有しても良く、この挿入物は、種々の患者の状態を示すために、他の性器の挿入物と置換えることができる点を理解すべきである。出産の後、前記ユーザは、分娩後の実習、例えば、子宮挿入物(図示せず)を所望の大きさに戻すようなマッサージ、保持された胎盤部分(図示せず)の除去、または子宮頸部350または外陰部362の修復の実行をしてもよい。
一実施形態において、胴体部316は、シミュレートされた心臓、肺、および肋骨を有する。心臓(図示せず)は、患者の状態に応じておよび治療上の介入に応答して、プログラム15aにより制御される拍動性の流れの作用によって脈打つ。触診できる脈は、頸動脈、上腕、橈側、大腿部、および、足、背の位置で見出すことができる。特定の脈の位置は、収縮期血圧が落ちると触診できず、脈が存在するかしないかは、シミュレートされた血圧に依存する。心音は、聴診器12jを通して適当な位置で聞こえる。心拍動は、プログラム15aによって決定される仮想心電図(electrocardiograms:EKGs)に同調する。聴診器12jを血圧測定用加圧帯12d(図2)よりも下のポイントに当てると、妥当なコロトコフ音が聞こえる。
母体シミュレータ300は、換気手段の組合せを表示し、肺および気道の音が、聴診器12jを用いて適当な位置で聞こえる。シミュレータ300は、肺におけるガス交換および薬品の投与のような介入への反応を含むような与えられた状況での目標とした動脈血のガスを実現するように自発的に呼吸し、一回換気量および生理的状態に関連する胸郭の上昇の量を表示する。通常のガス交換の肺の力学は、仮想的なものであり、一回換気量(tidal volume:TV)、機能的残気量(functional residual capacity:FRC)および吐出された二酸化炭素(CO2)を決定することができるプログラム15aによって制御される。気道の抵抗、肺、および胸の壁部のコンプライアンスもまた、プログラム15aによって制御される。
心臓および肺は、気道の換気および心臓の圧迫(圧縮)を確立する圧力変換機と接続されている。例えば、空気ラインが、気管の壁部またはシミュレータ300の肺に取付けられ、CIM16に接続したセンサ回路と接続され、心肺蘇生術(cardiopulmonary resuscitation:CPR)による換気がシミュレータで実行された場合に、CIM16は換気処置の圧力および体積のタイミングおよび大きさを、空気ラインおよびセンサを介して監視する。同様に、圧縮嚢体(compression bladder)が、シミュレータ300の心臓または胸腔内に埋め込まれて、CIM16に取り付けられた圧縮センサ回路に空気ラインが接続した場合に、CPR胸圧迫手順の正しいタイミングおよび大きさを検知し且つ確認する。圧迫および換気データは、ライン36を介してCIM16によって、検知された圧力波から得られることが認められよう。血圧、心拍数、および酸素飽和は、血圧(blood pressure:BP)測定用加圧帯30d(図2)およびパルス酸素濃度計帯で仮想的に測定されるが、表示されるデータはプログラム15aが発生する。
図10を参照すると、新生児シミュレータ302'は、胎児シミュレータ302(図8)と置換えるために使用されて、プログラム15aによって、新生児の蘇生の実行を可能にする。別の実施形態において、胎児シミュレータ302自体を出産後のシミュレーションに用いる。前述に関連して、胎児シミュレータ302は、本明細書で説明した新生児シミュレータ302'の機能および特徴の全てを有することができる。新生児シミュレータ302'は、髪372、目374a〜b、鼻376、および口378を有する頭部370を有している。頭部アセンブリは、従来の気道の付属物を受入れることができる現実に近い気道(図示せず)と、従来の気道の付属物が置かれているか否か、または流体が通過したか否かを調べるためのセンサとを有している。頭部370は、首380を介して胴体部382と接続されている。
全体として30(図1a)で表されているセンサは、新生児シミュレータの皮膚の上(斑点入りで表されている)および/または皮膚の下(模型内として表されている)に配置されていても良い。ライン36"は、センサ(図示せず)をCIM16に接続するため、また、電気的、空気作用的、または流体的接続を行うために、胴体部382から前記まで突出している。胴体部382は、カテーテル法のための臍の位置384と、CPRを実行するためのシミュレートされた心臓、肺、および肋骨を有する。心臓および肺は、母体のシミュレータ300について上述したように、気道換気および心臓の圧迫を確認するために圧力変換機と接続されている。新生児シミュレータ302'は、心拍数、脈拍、酸素供給、および聴診器12j(図2)または従来の聴診器を使用して検知可能な種々の体音を含む母体シミュレータ300(図6)と同様の特徴の多数を表す。一対の腕386a〜bおよび一対の脚388a〜bも胴体部3382と接続している。
一実施形態において、手および足は、顔および上部胴体部とともに、適当な血液への酸素の送り込みまたは酸素不足により色彩を変化させる。血液への酸素の送り込みが減少すると、まず両手両足が色彩を変化させ(末梢性のチアノーゼ)、続いて顔および上部胴体部が色彩を変化させる(中枢性のチアノーゼ)。そのような変化は、血液中の酸素の送り込みが進むにつれて可逆性がある。
最良の実施形態において、着色は、(例えば、イリノイ州ChicagoのKeystoneから入手できるReversatherm Blue Type Fのような)青の感熱着色染料約3グラムを透明なビニル樹脂のペイントシンナー10グラムに溶かし、透明なビニル樹脂ペイント300グラム中に分散させたものを用いて実現する。その混合物は、手、足、胸および顔に塗られる。室温で、前記新生児は青である。抵抗ヒータ(ミネソタ州MinneapolisのMinco Productsから入手可能なものなど)を並列に接続して皮膚の下に置き、5〜15ワット/平方インチまたは、皮膚の表面温度を約115℃に上昇させるのに十分な熱エネルギーを加えて、青い色彩を消去させる。ヒータの電力は、CIM16を介して供給される。末梢および中枢用のヒータは別々に制御されて、中枢性のチアノーゼを起こさない末梢性のチアノーゼの発症を可能にする。ヒートシンクをヒータとともに設け、より迅速な冷却、従って、より迅速な色彩の変化を可能にすることもできる。
一実施形態において、感熱着色システムは、論理的にプログラム15aと接続され、例えば、指導者が、新生児の条件を明確に定める。その後、着色は、ユーザによって実行されるCPRの質に対応し、向上、悪化、現状維持のいずれかとなる。プログラム15aは、また、色彩の変化を望まないならば、オーバーライドを提供する。あるいは、着色は、従来の光互変性物質をシミュレータに塗ることによってシミュレートして、関係する調節可能な紫外線に晒すと、シミュレータが青色に変わるように見えるようにする。別の代替として、着色は着色された光によってシミュレートしても良い。例えば、一態様によれば、青い発光ダイオード(light emitting diode:LED)を用いることができる。
母体シミュレータに関して上述したように、いくつかの実施形態では、新生児シミュレータはライン36"を有さない。むしろ、そのような新生児シミュレータはテザーレスであり、外部装置への配線、チューブ、またはその他の物理的接続を必要とすることなく、独立して機能する。
図11を参照すると、出産システム500は、先の実施形態の使用を図示する。シミュレータ14は、例えば、母体シミュレータ300および胎児シミュレータ302がテーブル502上に置かれている。学生W、X、Y、およびZは、テーブルの周囲の位置を占め、例えば、Wが薬物治療を監督し、Yが仮想器具12を監督し、Xは麻酔を監督し、Zは産科学を監督する。出産器具326は、上述したように、手動クランクを介して、または、制御ボックス328と接続された小型モータ326aによって駆動され、または、コンピュータ15のプログラム15aは、選択的に出産器具326を制御することができる(模型で示されている)。どちらの制御手段が使用されても、拡張性の子宮頸部は正確に胎児シミュレータの産道の降下の進行を反映する。ついには、上述したように、胎児シミュレータは娩出される。
胎児シミュレータが一旦出産されると、チームW'、X'、およびY'(これらは、W、X、Yと同一の学生、または、クラスの規模に応じた他の者)は、テーブル502'上で新生児の看護を実行するために経路1に沿って移動する。Zが欠如した少なくとも1のチームは、モニタリングおよび安定化させる可能性のために母体シミュレータとともに後に残る。胎児シミュレータは、新生児シミュレータ14'、例えば、新生児シミュレータ302'に切り換えられる(図10)。もしコンピュータと接続されると、プログラム15aは新生児蘇生に必要なものをシミュレートするために用いることができ、CPRおよび他の緊急性の看護のプロトコルが実行されても良い。プログラム15aは、シミュレータが受ける看護をCIM16および仮想器具12を介して監視し、認められた標準とこの看護を比較する。
一方、コンピュータ15のプログラム15aは、母体蘇生に必要なものをシミュレートするために用いても良い。もしそうする場合、1チームは、経路2に沿って移動して、テーブル502"において母体の看護を実行する。学生W"、X"、Y"およびZは、母体シミュレータ14"、例えば、胎児シミュレータが取外された母体シミュレータ300について作業することができる。CPRおよび他の緊急看護が与えられても良く、プログラム15aは、CIM16および仮想器具12を介してシミュレータが受ける看護を監視する。
図12を参照すると、プログラム15aの導入部の画面ディスプレイ400が、コンピュータ15上に示され、ユーザに対して患者の看護プロトコルを教授する。ディスプレイ400は、いくつかの装飾用特徴を有している。すなわち、標題のボックス402、胎児心拍数ボックス404、母体の子宮内圧ボックス405、生命徴候ボックス406、および超音波ビデオボックス407である。ディスプレイ400は、また、教授ボックス408、テストボックス410、および仮想器具教本ボックス412を有する。後述するように、いくつかモジュールにおいて、プログラム15aは、ユーザの活動に関する情報と予め定めた標準とを比較する。
画面ディスプレイ400は、プログラム15aによって提供される選択可能な患者看護モジュール414a〜pの集合を表示し、前記モジュールは、医療の主題および関連する概念についての情報を提供する。各モジュールは、単一の主題を有し、ユーザのためのインタラクティブ患者看護訓練セッションを表示する。モジュール414a〜gは、教授ボックス408に設けられ、関連の生理学、妊娠、合併症、陣痛・分娩、および出産、分娩後、および母体および新生児の蘇生プロトコルの全体像を与える。モジュール414h〜jはテストボックス410の中に置かれ、指導者が定めたプロトコル(コードメーカ:Codemaker)とともに、母体および新生児蘇生プロトコルについてユーザをテストする機会を与える。プログラム15aを終了させる終了(Exit)ボタン415もテストボックス410内に配置されている。モジュール414k〜pは、仮想器具教本ボックス412内に配置され、ユーザに自動出産、胎児超音波、胎児仮死モニタ、生命徴候、分娩記録、および心肺音を含むシステムの使用についての指導を与える。
図13を参照すると、もし、モジュールの1つ(図12)が、例えば音声認識またはコンピュータ15のマウスによる選択によるなどして、ユーザにより選ばれると、プログラム15aはディスプレイ画面416を表示する。ディスプレイ画面416は情報ボックス418を有し、情報ボックス418は主題別の情報を含有する。ディスプレイ画面416は、また、選択されたモジュールの主題に固有の情報カテゴリーを挙げる情報項目(便宜上、A〜Dで示す)を含有するメニューバー420を有している。1つの項目を、メニューバー420を介して画面416から選択することができ、各モジュール414a〜pは、特定の情報項目A〜Dについてのそれ自体のメニューとともに、それ自体のディスプレイ画面を有しており、各項目は、多数の項目を含有するように拡張され、または、例えば、項目の下の選択可能なサブ項目を配置することにより圧縮されることができることを理解すべきである。
収容項目とは異なるメニューから項目を選択すると、選択されたメニュー項目に関するテキストおよび/または図が、情報ボックス418内に表示される。実習中、プログラムは新規ディスプレイ画面(図示せず)を生成することができる。従って、情報画面416は、任意の数の画面の例として使用され、さらに、そのような画面は、各項目について、一連の順序で、または一組で表示できることを理解されたい。ディスプレイ画面416のような一組の画面は、選択されたメニュー項目に対する患者治療プロトコルに関する指導を構成する。こうして、前記ユーザは、適当なモジュールおよび項目を選択しそれから一組の画面を介してナビゲートすることによって、主題のライブラリからの情報を検討することができる。一組の画面でのナビゲーションは、ユーザが、3つのボックス422、424および426、各々「戻る(Back)」、「次へ(Next)」、および「終了(Exit)」」であって、一組の中での逆方向または前方向への進行のような画面上の対応する機能を有する前記ボックスの間で選択することによって達成される。もし、「戻る」または「次へ」の機能が不可能であるならば、各々、一組の第1および最後の画面の場合であるので、前記ボックス422または424は、選択不能である。
例えば、モジュール414fおよび414gは、各々、一組を発生させて、ユーザに母体および新生児の蘇生について、各々教授する。ユーザは、また、上記の母体シミュレータ300または新生児シミュレータ302'のようなシミュレータ14(図1a)上においてCPRを実行することができ、プログラム15aはCIM16(図1a)およびセンサ30(図1a)を介して、ユーザの圧迫および換気を検知する。シミュレータ14の心肺は、気道の換気および心臓の圧迫を確立する圧力変換機と接続され、例えば、空気ラインは、シミュレータ14の気管壁部内に設けられ、CIM16と接続したセンサ30と接続され、CPRによる換気がシミュレータで実行される場合に、CIM16は換気活動の圧力のタイミングおよび大きさおよび体積を、空気ラインおよびセンサを介して監視する。同様に、圧縮嚢体が、前記シミュレータ14の胸の空洞内に埋め込まれて、空気ラインによってCIM16に取り付けられた圧縮センサ30に接続した場合に、CPRの胸の圧迫手順の正しいタイミングおよび強さを検知し且つ確認する。プログラム15aは、ユーザの活動に関する情報を予め定めた標準と比較し、インタラクティブな訓練のセッションを提供する。
予め定めた標準は選択可能であり、米国心臓学会(American Heart Association)などによって定められた一次救命処置(basic life support:BLS)および二次救命処置(advanced cardiac life support:ACLS)のガイドラインを含有する世界中で使用されている医療プロトコルを反映する。心肺蘇生術(CPR)の少なくとも7つの主要なプロトコルが格納され、ユーザによって選択可能である。さらに、ユーザは、プロトコルを更新しまたは入力し、そして、心臓の圧迫および気道換気の深さ、持続時間、および振動数に関する局所的なプロトコルを反映する「新プロトコル」を格納することができる。プログラムは、一組の許容限界を用いて、CPRをテストするための新しいCPR波形を生み出す。
図12に戻ると、テストボックス410からテストモジュール414h〜jを選択すると、プログラム15aの実行が指示され、母体蘇生および新生児蘇生、および緊急事態のシナリオに対する他の対応のような患者看護プロトコルにおけるユーザのテストに役に立つテストシーケンスを提供する。プログラム15aは、患者の苦痛のシナリオの手順を通じてゆっくりと進み、ユーザに予め定めた時間を与えて対応させ、または要求される作業を完了させ、これによって、ユーザが緊急事態における困難を経験することを可能にする。例えば、プログラム15aは、患者を治療するためにユーザが選択しなければならない選択肢を提供することによって、ユーザをテストすることができ、そこでは、ユーザは、シーケンスが次の事象に進む前に正しい選択を実行しなければならない。プログラム15aは、ユーザが、CIM16へ入力を供給するため仮想器具12およびセンサ30の接続を有効化、無効化、またはチェックできるようになっている。
仮想器具12(図2)が使用可能である場合は、仮想器具12を使用して、ユーザがシミュレータ14上で患者の看護活動を実行することができるが、対応の結果およびその質はプログラム15aによって監視される。あるいは、ユーザはプログラム15aで生成された、ソフトウェアでシミュレートされた器具12'(図1b)を使用しても良い。プログラム15aは、患者が蘇生(回復)するまで前記シナリオに沿って進み、ユーザの応答の現状の批評を、正しくない各選択および各動作の説明とともに提供する。テストモジュール414h〜jの特徴は、ユーザが、シナリオによって予め定められた動作シーケンスがシミュレータ14に圧迫/換気のサイクルの予め定めた個数を有するように指定でき、またはユーザがシミュレータ14に実行した圧迫および換気行為の時間および強さを記録でき、または現実に近い音を聞くために選択肢の集合の間で選択できることである。
テストは、上述したように、プログラム15aによりまたはユーザにより定められることができる。例えば、コードメーカのテストモジュール414j(図12)を選択すると、第1のユーザ、例えば、指導者が、シナリオを発生させて、第2のユーザ、例えば、学生をテストすることが可能である。前記第1のユーザは、性別、体重、年齢、患者の適応症、生命徴候および心臓のリズムのような情報であって、現実的に生命徴候ボックス406(図12)に反映される情報に関する一組の予備的な患者パラメータを入力することによって、テストのシナリオをもった患者シミュレータを定めることができる。指導者が定めたテストシステムは、指導者が地域的、国内的、または国際的な患者看護プロトコルにより学生をテストできるようにする。多数のアルゴリズムが、ファイルを開くことにより選択可能であり、そこには、BLS、ACLS、小児科,および産科(Obsteric:OB)の緊急事態を有している。他のアルゴリズも生成して格納することができ、アルゴリズムは、相互にリンクしても良い。このモジュールの利点としては、指導に関する柔軟性および主題の把握を検知する力などがある。指導者が定めるアルゴリズムは、おそらくは周知の構造を持つアルゴリズムとは異なるであろうが、そうすることにより、学生による応答の丸暗記の問題を避けることができる。
動作は、例えば、学生が仮想器具の中から選択して患者の看護活動を行うために使用する、という学生による条件に応答してなされる。学生は、それから、仮想的に患者看護活動を実行し、または有形のシミュレータを使用することができる。
仮想器具教本ボックス412のモジュール414k〜pは、出産シナリオで一般的に使用される器具についての情報を提供する。いくつかの例では、患者看護プロトコルによって仮想器具12のいくつかをシミュレータ14で使用する機会が提供される。
図14および図15に進む。出産プロセスの全体は、プログラム15aを介して、ユーザが単に初期条件、例えば、分娩時間430、分娩の概観432および圧迫の強さ434を定めるだけで、自動化することができる。ワープ機能は、16時間から5分への完全な分娩の短縮を可能とする。出産は、胎児シミュレータ302を突起344に置くこと、および、カバー324を母体シミュレータ300に置くことから成る。プログラム15aは、また、ピストン部346の進行速度の変更を可能にする。すなわち、最初の2〜3センチメートルは、最後の2〜3センチメートルよりもよりゆっくりと進行し、出産をより良くシミュレートする。
図16を参照すると、もし、モジュール414m(図12)が選択されるならば、胎児仮死モニタに関する一組の画面が、指導上の情報とともに示される。例示した胎児仮死モニタ・ボックス436が、モニタをオンするための選択可能なオン(ON)ボタン436aとともに描かれている。胎児仮死モニタ12lは、シミュレータ14と協働して、胎児心臓モニタが母体シミュレータ300(図5a)のカバー324上に置かれ、少なくとも1のセンサ30と相互作用するが、圧迫モニタは、カバー上に設けられた別のセンサ30と相互作用する。
図17を参照すると、新生児シミュレータ600は、胎児シミュレータ302と置換えるために使用されて、プログラム15aによって、新生児の蘇生の実行を可能にする。一実施形態において、新生児シミュレータ600は実質的に、在胎期間28週の平均的なサイズの新生児のサイズである。別の実施形態において、新生児シミュレータ600は実質的に、在胎期間40週の平均的なサイズの新生児のサイズである。新生児シミュレータ600は、心拍数、脈拍、酸素供給、および聴診器12jまたは従来の聴診器を使用して検知可能な種々の体音を含む母体シミュレータ300と同様の特徴の多くを表す。さらに、後述するように、新生児シミュレータ600は、種々の機能を正しく作動させるためにかさばる外部コンプレッサや電源など外部装置への配線またはチューブによる接続を必要としない、という点で、独立式である。新生児シミュレータ600は可搬式である。いくつかの実施形態では、新生児シミュレータはテザーレスであり、他の外部装置への配線、チューブ、またはその他の物理的接続を必要とすることなく、機能する。
新生児シミュレータ600は、毛髪604、目606および608、鼻610、および口612を有する頭部602を有している。頭部602は、首614を介して胴体部616と接続されている。胴体部616は、カテーテル法のための臍の位置618を有する。胴体部616は、また、男性器および女性器の両方のピース(図示せず)を受けることができるようになった互換性のある性器の位置620を有する。2本の腕622および624が、胴体部616の上方に接続され、そこから延出する。2本の脚626および628が、胴体部616の下方に接続され、そこから延出する。
全体として30で表されているセンサは、前述のように、種々の特徴をシミュレートするために、新生児シミュレータの皮膚の上(斑点入りで表されている)および/または皮膚の下(模型内として表されている)に配置されていても良い。胴体部616は、CPRを実行するためのシミュレートされた心臓、肺、および肋骨を有する。一態様において、心臓および肺は、母体のシミュレータ300について上述したように、気道換気および心臓の圧迫を確認するために圧力変換機と接続されている。胴体部616は、また、電源およびワイヤレス通信装置など、他の部品を含む。一実施形態において、電源は、リチウムイオン電池5セルの充電可能なパックである。一態様において、電源は、通常は肝臓用に取ってある領域に配置する。
新生児シミュレータ600の機能の全てを在胎期間28週または40週の新生児のサイズのマネキンに納めるため、多数ある電子部品は適切なサイズにし、必要とされる位置でマネキン内に正確に配置しなければならない。一実施形態において、新生児シミュレータ600の電子部品は、一般的なマザーボード上に配置するのではなく、機能に応じて、より小さいモジュールにまとめられている、例えば、図18は、新生児シミュレータ600で用いるものとして可能な一組のモジュール630を示す。この一組のモジュール630は、新生児シミュレータ600をコンピュータに連結するマスター・モジュール632と、ECG信号を発生するモジュール634と、心音、肺音、声、およびコロトコフ音などの音声を発生するモジュール636と、胸の圧迫、気道の換気、血圧、およびコンプレッサなどの圧力を検知するモジュール638と、挿管を監視するモジュール640と、バルブおよびLEDを駆動するモジュール642と、ワイヤレス・インターフェースおよびUSB?RFなどの接続を提供するモジュール644と、声用の音を作成するモジュール646と、声以外の音を作成するモジュール648とを有する。これらのモジュール632〜648の1若しくはそれ以上を組合わせて、新生児シミュレータ600の特徴をいくつでもシミュレートすることができる。
図19を参照すると、新生児シミュレータ600は、口612および鼻610経由でアクセス可能な、現実に近い気道650を有する。気道650は、従来の気道の付属物を受入れることができ、例えばモジュール640などのようなセンサが、従来の気道の付属物が置かれているか否か、または流体が気道を通過したか否かを調べるために配置されている。一実施形態では、モジュール640は、例えば気管内チューブのような気道の付属物の位置を監視し、この付属物の位置が高過ぎる、低過ぎる、またはちょうど良いことを調べる光学センサである。新生児シミュレータ600は、また、シミュレートされた胃に向かって胴体部616へ延出した、シミュレートされた食道652を有する。
図20を参照すると、新生児シミュレータ600は、また、呼吸、脈拍、および関連した新生児の生理的状態をシミュレートするための空気供給システム654を有する。空気供給システム654は、消音器(muffler)656、コンプレッサ658(ニュージャージー州のT?Squared Pumpsから入手可能なT2?03?E型のようなシングル・ダイアフラム・コンプレッサであっても良い)、チェックバルブ660(適切なバルブはフロリダ州のGulf Controlsから入手することができる)、コンプレッサ・コントローラ662、一次アキュムレータ664、および二次アキュムレータ666を含む。あるいは、コンプレッサはロータリー・コンプレッサまたはその他の適切なコンプレッサであっても良い。
操作において、空気供給システム654は、以下のように加圧空気を新生児シミュレータ600に供給する。大気668またはタンクからの空気が、入力消音器656を通ってコンプレッサに入る。コンプレッサ・コントローラ662は、一次アキュムレータ664内の圧力を維持するために用いる。チェックバルブ660は、空気フローが確実に正しい向きとなるようにする。二次アキュムレータ内で予め定められた圧力を維持するために、圧力調整器(図示せず)を用いることもできる。一次アキュムレータおよび二次アキュムレータは、新生児シミュレータ600のアクチュエータに接続され、空気の供給を制御する。一実施形態において、一次アキュムレータはアクチュエータに接続されて、気道650への空気供給を制御する。一実施形態において、二次アキュムレータはアクチュエータに接続されて、肺への空気供給を制御する。コンプレッサ・コントローラ662は、選択的に電力をコンプレッサ658に供給し、一次アキュムレータ内で望ましい圧力を維持する。一実施形態において、望ましい一次アキュムレータの圧力の概略値は4.5〜5.5psiであり、望ましい二次アキュムレータの圧力の概略値は1.5psiである。いくつかの実施形態において、空気供給システム654は、さらに、シミュレートされた循環系に接続されて、シミュレートされた脈拍を提供するなど、シミュレートされた循環系を促通する。
空気供給システム654の部品は、システムが発生するノイズを最低限に抑えるように配置、絶縁、および弱音化されている。ユーザは聴診器を用いて新生児シミュレータ600の心臓や呼吸を評価するのであるから、空気供給システム654からの過度のノイズはユーザにとって邪魔になり、気が散る原因となる。そのために、空気供給システム654の一部を新生児シミュレータ600の頭部602および両手両足(腕622、624および脚626、628)内に収納しても良い。
例えば、一実施形態によると、コンプレッサ658、チェックバルブ660、およびコンプレッサ・コントローラ662は頭部602内に配置され、消音器およびアキュムレータ脚626、628内に配置されている。頭部の部品により発生するノイズは、図20に概略を示した音緩衝エンクロージャ672により遮断される。一実施形態によると、音緩衝エンクロージャ672は、遮音体として機能する第一の層と、マスバリヤとして機能する第二の層とを有する2層システムである。一態様において、遮音体およびマスバリヤは、EAR Specialty Compositesからの雑音防止物質で形成されている。さらに、コンプレッサ658が発生する排気は、新生児シミュレータ600の脚626、628の中へ送られる。各脚626、628は、消音システムおよび空気タンクを含む。消音システムは「うるさい」排気を緩衝し、新生児シミュレータ600で呼吸および脈拍のシミュレーションに用いる「静かな」空気をタンクに供給する。一態様において、脚626、628自体が、空気タンクとして機能し、漏れを防止するために密閉されている。
図21は、消音システム674の一実施例を示す。消音システム674は、うるさい空気の音を緩衝する3つの離れた部分676、678、および680を有する。各部分676、678、および680は各々、遮音体として機能する第一の層682、684、および686と、マスバリヤとして機能する第二の層688、690、および692とを有する。一態様において、遮音体およびマスバリヤは、音緩衝エンクロージャ672として上述したEAR Specialty Compositesからの雑音防止物質と同様なもので形成されている。うるさい空気はチューブ694を介して消音システム内へ送られる。次いで、静かな、すなわち緩衝された空気が、チューブ696を介して消音システムから出る。一実施形態において、各脚626、628は、消音システムの他、雑音防止物質を裏張りしてあり、ノイズをさらに弱め、緩衝する。
一実施形態において、手および足は、顔および上部胴体部とともに、適当な血液への酸素の送り込みまたは酸素不足により色彩を変化させる。血液への酸素の送り込みが減少すると、まず両手両足が色彩を変化させ(末梢性のチアノーゼ)、続いて顔および上部胴体部が色彩を変化させる(中枢性のチアノーゼ)。そのような変化は、血液中の酸素の送り込みが進むにつれて可逆性がある。一実施形態においては、新生児の酸素がなくなった時間の長さによって色彩変化およびこれに対応する生命徴候の変化が開始する場所が決まり、新生児をうまく健康な状態に戻すために必要な作業が決まる。いくつかの実施形態において、シミュレータは、中枢部および末梢部の色彩を別々に変化させる機構を有する。この機構は、いくつかの実施形態では、青いLEDまたは他のライトを用いてチアノーゼをシミュレートする。
一実施形態において、感熱着色システムは、論理的にプログラム15aと接続され、例えば、指導者が、新生児の条件を明確に定める。その後、着色は、ユーザによって実行されるCPRの質に対応し、向上、悪化、現状維持のいずれかとなる。比較すると、成人は酸素がなくても5〜10分耐えられる。母体または母体シミュレータ300は、正常な成人よりも速く酸素を使うため、より早く影響を受ける。他方、新生児は、酸素がなくても15分ほど耐えられるが、約30分で死亡する。従って、低酸素事象が5〜7分である場合、新生児シミュレータ600はかなり簡単に「ピンク色に戻る」。低酸素事象が12〜15分である場合、回復はより遅く、ユーザ側の作業がより多く必要となる。さらに、低酸素事象が20分を超える場合、エピネフリンを使ったとしても、ユーザが新生児シミュレータ600を「ピンク色に戻す」ことは非常に難しく、新生児シミュレータ600は死亡したり、脳性麻痺のような一生涯続く疾患を負うことになり得る。
一実施形態において、指導者は、図22の画面ディスプレイ700で示したように、新生児シミュレータ600のチアノーゼの程度を選択することができる。画面ディスプレイ700には示されていないが、指導者は、また、新生児シミュレータ600の腕622、624および脚626、628の筋緊張度(例えば、ふにゃふにゃ、適度に柔軟、動きなど)や「発語」(例えば泣き、うめき、喘鳴など)など、新生児シミュレータ600のその他の属性を選択または定義することができる。新生児シミュレータ600の生命徴候および回復は、図23に示したように、ディスプレイ702を用いて監視することができる。プログラムは、また、色彩の変化を望まないならば、オーバーライドを提供する。
図24〜27において係合システム740が示されており、このシステムは、胎児または新生児シミュレータ302、600を母体シミュレータ300と選択的に係合させる受け部342および突起344のシステムの代替実施形態である、。係合システム740は、機構744と係合する機構742を有する。いくつかの実施形態においては、機構742は胎児または新生児シミュレータ302、600内に配置され、機構744は母体シミュレータ300内に配置される。一実施形態において、機構742は受け部342を代替し、また機構744は突起344を代替するようになっている。別の実施形態では、機構742は母体シミュレータ300内に配置され、機構744は胎児または新生児シミュレータ302、600内に配置される。
特に図25を参照すると、機構742は、開口部746が貫通するように延びたハウジング745を有する。本実施形態において、開口部746は中心に配置され、実質的に円筒形である。別の実施形態において、開口部746は、その他の種々の断面形状を有することができ、これには多角形、不規則な形状、その他の形状などが含まれる。機構742は、また、ロック部748を有する。ロック部748およびハウジング745は、永久的に一緒に固定(例えば接着)されていても良いし、一時的に一緒に固定(例えばネジで嵌合)されていても良い。さらに、ロック部748および/またはハウジング745は、この2つのピース間の嵌合を行い易くするために、図示されていない追加的特徴を有しても良い。別の実施形態においては、ハウジング745およびロック部748は一体型のピースである。
図26で示したように、ロック部748は本体749を有する。本体749は、機構742の開口部746と接合するようになっている。従って、本実施形態において、本体749は実質的に円筒形であるが、別の実施形態では、開口部746と合うような、その他の断面形状を有することができる。ロック部748は、さらに、ロックピン752を、図26に示した延出位置から、縮退位置へ動かすアクチュエータ750を有する。一実施形態において、ロックピン752の縮退位置は実質的に、ロック部の本体749内である。後述のように、ロックピン752を選択的に延出および縮退することにより、機構742が選択的に機構744と嵌合される。このようにして、胎児および新生児シミュレータ302は選択的に母体シミュレータ300と係合する。いくつかの実施形態において、アクチュエータ750は、ソレノイドによって選択的に作動する。いくつかの実施形態において、ソレノイドは、アクチュエータ150に近接した胎児または新生児シミュレータ、または母体シミュレータ300内に配置される。いくつかの実施形態において、ソレノイドは、機構742内に配置される。いくつかの実施形態において、ソレノイドは、ワイヤレス装置またはコンピュータシステムで作動され、指導者が選択的に胎児または新生児シミュレータを解放することができる。
特に図27を参照すると、機構744は本体754を有する。本実施形態では、本体753は実質的に円筒形であるが、別の実施形態では、その他の断面形状を有する。機構744は、また、係合部754を有する。係合部754は、実質的に正方形の断面形状を有するが、別の実施形態では、その他の断面形状を有する。係合部754は、さらに、これを通って延びた開口部755を有する。開口部755は、機構742のロック部748を受けるようになっている。係合部754は、また、ロック穴756を有する。ロック部748のロックピン752は、延出時に、ロック穴756と嵌合される。縮退時には、ロックピン752は、ロック穴756から縮退して、ロック機構748を係合部754から解放する。
図28を参照すると、胎児または新生児シミュレータ302、600を選択的に回転させるシステムが示されている。前記システムは、カム348aを、胎児シミュレータを回転させる第一の位置と胎児シミュレータを回転させない第二の位置との間で動かすようになっている。このように、前記システムは、出産のシミュレーション中に胎児シミュレータを選択的に回転させる、または回転させないために用いることができる。いくつかの実施形態において、カム348aを軌道347a〜bに近接する位置に縮退させると、胎児シミュレータの回転が防止される。いくつかの実施形態において、カム348aは、第一の位置よりも回転量が少ない、いくらかの回転を胎児シミュレータに与えるための中間位置までさらに動くことができる。いくつかの実施形態において、カム348aは、複数の中間位置の間で動くことができ、各位置で、異なる回転運動量が可能になる。いくつかの実施形態において、前記複数の中間位置および前記回転運動量は連続的である。いくつかの実施形態において、前記複数の中間位置および前記回転運動量は離散的である。
前記システムは、カム348aを選択的に縮退させるようになっているソレノイド760を有する。ソレノイド760は、延長部761および固定部材762を介してカム348aと接続されている。一実施形態において、固定部材762はボルト、スクリュ、その他のネジ部材、またはその他のカム348aを延長部761に接続する機構である。カム348aは、固定部材764および766を介して軌道347aに接続される。固定部材764および766は、いくつかの実施形態においては、ボルトおよびナットである。固定部材764および766は、また、カム348aが軌道347aに関して望ましくない並進および回転運動をすることを防止する働きもする。別の実施形態において、カム348aおよびソレノイド760は、軌道347aに沿って並進するようになっていても良い。さらに、いくつかの実施形態においては、カム348aは軌道347aに関して回転運動をするようになっていても良い。いくつかの実施形態において、カム348aの位置は、指導者またはコンピュータプログラムにより遠隔制御され、また、いくつかの実施形態においては、ワイヤレスで遠隔制御される。前記システムを軌道347aおよびカム348aに関して説明したが、同システムは軌道347bおよび348bにも当てはまる。
図29は、本開示の一実施形態による患者シミュレータシステム1100の概略図である。患者シミュレータシステム1100は、患者シミュレータ1102および制御システム1104を含む。患者シミュレータ1102は、シミュレータの様々な機能を実行するための複数のモジュールを含む。いくつかの実施形態では、モジュールの各々が、シミュレータ1102の特定の機能または一群の機能を制御する。前述に関連して、モジュールは、シミュレータ1102の様々な部分内に位置決めするために適切にサイズが設定される。いくつかの実施形態では、モジュールは、モジュールの特定の機能またはシミュレータの関連本体部分に関連したシミュレータ1102の領域または区域に隣接して、シミュレータ中にわたって位置決めされる。従って、モジュールは、単一のマザーボードに集められるのではなく、シミュレータ中にわたって分布される。いくつかの実施形態では、モジュールの各々は、マスターモジュール1106と通信する。下記に図32に関連してさらに詳細に述べられるように、いくつかの実施形態では、マスターモジュール1106は、モジュールに送出される電力を提供し制御し、且つ、モジュールとのおよびモジュールの中での通信を容易にするように構成される。
本実施形態において、患者シミュレータ1102は、制御システム1104とワイヤレス通信する。前述に関連して、患者シミュレータ1102は、ワイヤレス通信モジュール1108およびアンテナ1110を含む。ワイヤレス通信モジュール1108およびアンテナ1110は、制御システム1104のアンテナ1112およびワイヤレス通信モジュール1114と通信する。本実施形態において、ワイヤレス通信モジュール1114は、コンピュータシステム1116に接続されるかまたはコンピュータシステム1116と通信する。前述に関連して、コンピュータシステム1116は、いくつかの例では、ラップトップまたはタブレット型パソコンである。一般に、コンピュータシステム1116は、または制御システム1104は全体として、患者シミュレータ1102の様々な要因および/または機能を制御するかまたは定義することができるハードウェアおよびソフトウェアの任意の組み合わせである。
前述に関連して、コンピュータシステム1116または制御システム1104は、1若しくはそれ以上のマイクロプロセッサと、入力装置と、記憶装置と、 ビデオコントローラと、システム記憶装置と、ディスプレイと、コミュニケーションデバイスとを有し、すべてが、1若しくはそれ以上のバスによって相互接続されている。記憶装置は、フロッピー(登録商標)ドライブ、ハードドライブ、CD−ROM、光学式ドライブ、または、記憶装置の他の任意の形態でありうる。加えて、記憶装置は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、または、コンピュータ実行可能命令を含んでもよいコンピュータ可読媒体の他の任意の形態を受容することができてもよい。さらなる通信装置は、モデム、ネットワークカード、または、シミュレータ1102を含む他の装置とシステムを通信させることができる他の任意の装置であってもよい。任意のシステムは、複数の相互接続された(イントラネットによるかインターネットによるか)コンピュータシステムを表すことができ、これらに限定されるものではないが、パーソナルコンピュータ、メインフレーム、PDA、および、携帯電話を含むことが理解される。
コンピュータシステムは、典型的に、少なくとも、機械可読命令を実行することができるハードウェア、および、所望の結果を生成するアクト(典型的に機械可読命令)を実行するためのソフトウェアを含む。加えて、コンピュータシステムは、ハードウェアおよびソフトウェア、さらにコンピュータサブシステムのハイブリッドを含んでもよい。ハードウェアは、一般に、少なくともプロセッサ対応プラットフォーム、たとえばクライアントマシン(パーソナルコンピュータまたはサーバとしても知られている)、および、ハンドヘルド処理装置(たとえば、スマートフォン、携帯情報端末(PDAs)、または、個人用計算装置(PCDs)等)を含む。さらに、ハードウェアは、機械可読命令を記憶することができる任意の物理的装置、たとえば、メモリまたは他のデータ記憶装置を含んでもよい。ハードウェアの他の形態は、たとえば、モデム、モデムカード、ポートおよびポートカード等の切替装置を初めとするハードウェアサブシステムを含む。
ソフトウェアは、任意の記憶媒体、たとえばRAMまたはROMに記憶された任意の機械コード、および、他の装置(たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク、フラッシュメモリ、または、CD ROM等)に記憶された機械コードを含む。ソフトウェアは、たとえば、ソースコードまたはオブジェクトコードを含んでもよい。加えて、ソフトウェアは、クライアントマシンまたはサーバで実行することができる命令の任意のセットを包含する。ソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせは、本開示の一定の実施形態用に強化された機能および性能を提供するために使用することもできる。1つの例は、ソフトウェア機能をシリコンチップに直接加工することである。従って、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせもまたコンピュータシステムの定義内に含まれ、従って、可能な等価構造物および等価方法として本開示によって想定されることを理解すべきである。
コンピュータ可読媒体は、受動データストレージたとえばランダムアクセスメモリ(RAM)、および、半永久データストレージたとえばコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)を含む。加えて、本開示の実施形態は、標準コンピュータを新しい特定の計算機に変換するために、コンピュータのRAMに体現されてもよい。データ構造は、本開示の実施形態を可能にしてもよいデータの定義された組織である。たとえば、データ構造は、データの組織、または、実行コードの組織を提供してもよい。データ信号は、伝送媒体で伝えられ、様々なデータ構造を記憶し運ぶことができ、従って、本開示のいくつかの実施形態では、情報を運ぶために使用されてもよい。
システムは、任意の特定のアーキテクチャ上で動くように設計されてもよい。たとえば、システムは、単一のコンピュータ、ローカルエリアネットワーク、クライアントサーバネットワーク、ワイドエリアネットワーク、インターネット、ハンドヘルドおよび他の携帯およびワイヤレス装置およびネットワーク上で実行されてもよい。データベースは、任意の標準であってもよく、または、専用のデータベースソフトウェア、たとえば、オラクル、マイクロソフトアクセス、サイベース、または、ディーベースII等であってもよい。データベースは、フィールド、レコード、データ、および、データベース特定ソフトウェアを通して関連付けられてもよい他のデータベース要素を有してもよい。さらに、データは、マッピングされてもよい。マッピングは、1つのデータエントリーを別のデータエントリーに関連付けるプロセスである。たとえば、キャラクタファイルの場所に含まれるデータは、第2の表のフィールドにマッピングすることができる。データベースの物理的な場所は限定的ではなく、データベースは分配されてもよい。たとえば、データベースは、サーバから離れて存在してもよく、別個のプラットフォーム上で走ってもよい。さらに、データベースは、インターネットでアクセス可能であってもよい。2つ以上のデータベースが実装されてもよいことに留意されたい。
通信モジュール1108と1114との間のワイヤレス通信は、患者シミュレータ1102と制御システム1104との間でデータを移送することができる任意のワイヤレスプロトコルを使用して実行される。1つの特定の実施形態において、通信モジュール1108と1114との間のワイヤレスプロトコルは、802.15プロトコルを使用する。他の実施形態において、ワイヤレス通信は他の通信プロトコルを使用し、これらに限定されるものではないが、他のIEEE802プロトコルおよび電気通信網プロトコルを含む。
患者シミュレータ1102は、電力供給装置1118を含む。本実施形態において、電力供給装置1118は、充電式電池である。前述に関連して、電力供給装置1118は、充電器1120に接続される。充電器1120は、電力供給装置1118を再充電するように構成される。前述に関連して、充電器1120は、外部電力供給装置1122と連通するように構成される。本実施形態において、外部電力供給装置1122は、壁コンセントまたは標準ライン電力供給装置である。他の実施形態では、外部電力供給装置1122は、たとえば、誘導結合または他のワイヤレス充電手段によって、電力供給装置1118がワイヤレスで再充電されてもよいように、充電器1120または電力供給装置1118にワイヤレス通信するように構成される。いくつかの実施形態では、充電器1120は、バックアップ電力供給装置を有する。
上述のように、患者シミュレータ1102は、シミュレータの様々な特徴および機能を制御するための複数のモジュールを含む。前述に関連して、顧客またはユーザによって所望されるような特定の特徴を備えたシミュレータに作り出すために、様々なモジュールが組み合わされてもよい。このようにして、患者シミュレータ1102に含まれるモジュールは、シミュレータの意図された使用に基づいて選択されてもよい。機能特定モジュールのモジュール性質は、任意の組み合わせで顧客が当初所望するこれらの特徴をシミュレータ1102が含むことを可能にするが、また、顧客が、追加特徴を加えたり、含まれた特徴を後に無効にしたりすることを可能にする。シミュレータ1102に使用するために利用可能なモジュールの1つの特定の組み合わせが、次に、図29に関連して述べられる。しかし、それによって限定することは意図されない。前述に関連して、患者シミュレータ1102は、他の実施形態では、モジュールの追加の組み合わせ、より少ない組み合わせ、または、他の組み合わせを含んでもよいことが理解される。図29に図示されたモジュールの様々な組み合わせは、異なるタイプの患者シミュレータに使用されるのに特に適している。たとえば、いくつかの例では、モジュールの組み合わせが、胎児シミュレータの出産を含む出産シーケンスのシミュレート用に母体シミュレータに使用されるために選択される。他の実施形態では、モジュールの組み合わせが、新生児から完全に成長した成人までおよびその間の、様々なサイズおよび年齢の患者シミュレータに使用されるために選択される。従って、本開示による患者シミュレータシステムは、図29に図示されたモジュールのいくつかまたはすべてを含んでもよい。
患者シミュレータ1102は、ボイスモジュール1124を含む。ボイスモジュール1124はマスターモジュール1106と通信し、当該マスターモジュール1106は、制御システム1104と通信する。ボイスモジュール1124は、患者の声をシミュレートする音を発するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、ボイスモジュール1124によって発せられた特定の音は、いくつかの実施形態では、制御システム1104を通してユーザによって制御される。いくつかの実施形態では、制御システム1104は、ボイスモジュール1124から選択されてもよくそれによって再生されてもよい複数の記憶された音または予め録音された音を含む。
いくつかの実施形態において、音は、医療関係者が患者に尋ねるような質問に対する様々な答えおよび/または患者が発するであろう音の1若しくはそれ以上を含む。たとえば、答えは、様々な病状(たとえば、「足首を骨折した」、「腕を骨折した」、「トイレで出血」、「呼吸がととのわない」、「動けない」、「脚を動かせない」、「胸が痛い」、「喀血する」、「胸に圧迫感がある」、「目まいがする」、「吐き気がする」、「脱力感を覚える」、「心拍が速い」、「心臓がドキドキする」、「心臓が飛び跳ねそう」、「身体中が痛い」、「息をすると痛い」、「切られた(I've been cut)」、「顎が痛い」、「左の腕が痛い」、「脚が折れた」、「下血する」、「血が出る(peeing blood)」、「血が出る(pooping blood)」、「血を吐く」、「息が切れる」、「肩が痛い」、「誰かに撃たれた」、「胃が痛い」、「最悪の頭痛」、および/または、他の病状)、混乱した答え(たとえば、「あなたは医者ですか」、「覚えていません」、「何が起こったのですか」、「あなたは誰ですか」、および/または、他の混乱した答え)、場所の答え(たとえば、「腕に」、「胸に」、「脚に」、「肩に」、「左側」、「右側」、および/または、他の場所の答え)、記述的な答え(たとえば、「少し」、「たくさん」、「動かせません」、「鈍い」、「鋭い」、「痛くない...圧力をかける(not pain ... pressure)」、「胸の中心が痛い」、「鋭く引き裂くような痛み」、および/または、他の記述的な答え)、曖昧な答え(たとえば、「元気です」、「病院へ連れて行ってください」、および/または、他の曖昧な答え)、一般的な答え(たとえば、「はい」、「いいえ」、「多分」、および/または、他の一般的な答え)、病歴の答え(たとえば、「喘息」、「糖尿病」、「肺気腫」、「心臓発作があった」、「高血圧」、および/または、他の病歴の答え)、発生の答え(たとえば、「1回」、「2回」、「3回」、「4回」、「昨晩から」、「今朝から」、「午後から」、および/または、他の発生の答え)を含んでもよい。上記の答えおよび応答に加えて、音は、咳、吐き気、息詰まり、呻き、金切り声、および/または、患者が発する他の音を含む。前述に関連して、音の各々は、異なるレベルまたはタイプを有してもよい。たとえば、いくつかの例では、音は、異なる酷さの咳、吐き気、呻き、金切り声、および/または、他の音を含む。
いくつかの実施形態では、ユーザまたは教師が、制御システムに連結されたマイクロホンまたは他の音通信装置内に話をし、教師の言葉または音がボイスモジュール1124から発せられるように、制御システム1104がボイスモジュール1124と通信する。いくつかの実施形態では、ユーザまたは教師の入力が、音声増幅器またはサウンドボード(sound boards)を使用して状態調節されて、ボイスモジュール1124から発せられた声の音を変えてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、入力音を状態調節して、しわがれ声の患者、気道が閉鎖された患者、または、患者の他の精神的または物理的な病状をシミュレートする。前述に関連して、教師は、所望の効果に基づいて様々なタイプの音声状態調節を選択的に起動してもよい。ボイスモジュール1124および対応するボイスシミュレーションが、いくつかの実施形態では、全般的な医療シナリオシミュレーションの一部として使用される。
患者シミュレータ1102はまた、心音モジュール1126も含む。心音モジュール1126は、患者の心臓の自然の音をシミュレートするために音を発するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、心音モジュール1126の音は、患者の心拍数および心調律(たとえば、洞、心房性頻脈、多源性心房性頻拍、心房粗動、心房性細動、接合部、心室固有、心室性頻拍(単数)、心室性頻拍(複数)、上室性頻拍症、心室粗動、心室細動、死戦期、収縮不全、左脚ブロック、右脚ブロック、第1度AVB、第2度AVB(タイプI)、第2度AVB(タイプII)、第3度AVB、Q波心筋梗塞、ST上昇、ST低下、T波逆転、心房ペーシング、房室順次ペーシング、心室ペースメーカ(人工)、および/または、他の心調律)をシミュレートするために、1若しくはそれ以上の音を含む。さらに、心音は、正常であっても、遠位であっても、存在しなくてもよく、収縮期雑音、S3および/またはS4を含んでもよい。制御システム1104および/または制御システムを使用するユーザは、いくつかの実施形態では、どのような心音が生成されるか、且つ、どのような速度で音が生成されるかを決定する。心音モジュール1126によって生成される音は、いくつかの例では、聴診器の使用を経由して、検出可能である。いくつかの実施形態では、心音モジュール1126の少なくとも一部、たとえばスピーカ等が、本物の心臓があるであろうシミュレータ1102内に位置決めされる。
患者シミュレータ1102はまた、肺音モジュール1128、1130、1132、1134、1136、1138、1140、および1142も含む。特に、肺音モジュール1128を使用して、シミュレータ1102の前部へ向かう右上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1130を使用して、シミュレータの前部へ向かう左上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1132を使用して、シミュレータ1102の前部へ向かう右下肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1134を使用して、シミュレータ1102の前部へ向かう左下肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1136を使用して、シミュレータの背部へ向かう右上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1138を使用して、シミュレータの背部へ向かう左上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1140を使用して、シミュレータ1102の背部へ向かう右下肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1142を使用して、シミュレータ1102の前部へ向かう左下肺の音をシミュレートする。
肺音モジュール1128、1130、1132、1134、1136、1138、1140、および1142の各々は、患者の肺の自然の音をシミュレートするために音を生成するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、肺音モジュール1128、1130、1132、1134、1136、1138、1140、および1142は、いくつかの実施形態では、下記の肺音の1若しくはそれ以上を生成するように構成される:正常、なし、喘鳴、吸気キーキー音、パチパチ音、レール(rail)、および/または、他の肺音。さらに、肺音モジュール1128、1130、1132、1134、1136、1138、1140、および1142の組み合わせを使用して、呼吸パターンをシミュレートし、これらに限定されるものではないが、正常、クスマウル、チェーン・ストークス、ビオー、持続性吸息、および/または、他の呼吸パターンを含む。また、肺音モジュール1128、1130、1132、1134、1136、1138、1140、および1142の組み合わせを使用して、患者の呼吸速度をシミュレートする。前述に関連して、呼吸速度は、一定の速度に設定されてもよく、且つ/または、時間とともに変化するように設定されてもよい。
患者シミュレータ1102はまた、シミュレータの右腕用のK音モジュール1144およびシミュレータの左腕用のK音モジュール1146も含む。K音モジュール1144および1146の各々は、シミュレートされたK音(コロトコフ音)を生成するように構成される。前述に関連して、K音モジュール1144および1146を使用して、ユーザが患者シミュレータ1102の血圧を測ることを可能にする。従って、モジュール1144および1146によって生成されるK音は、シミュレートされた心拍数および血圧に基づいて決定される。いくつかの例では、患者シミュレータ1102の心拍数および血圧は、制御システム1104を経由して、ユーザまたは教師によって提供される。患者シミュレータ1102はまた、母体の子宮内の胎児の音をシミュレートするために子宮オーディオモジュール1148も含む。たとえば、いくつかの実施形態では、子宮オーディオモジュール1148は、子宮内の胎児の心拍をシミュレートするように構成される。
患者シミュレータ1102はまた、コンプレッサ1150も含む。コンプレッサ1150を使用して、シミュレータ1102の様々な空気圧装置へ圧縮空気供給を提供する。たとえば、いくつかの実施形態では、コンプレッサ1150を使用して、肺、脈、収縮、腹圧、発作、眼拡張、まばたき、および/または、患者シミュレータ1102の他の態様をシミュレートするためのモジュールに空気を提供する。いくつかの実施形態では、コンプレッサ1150は、1若しくはそれ以上の空気溜またはアキュムレータへ圧縮空気を提供し、それらは次いで、シミュレータ1102の様々な空気モジュールへ接続される。前述に関連して、空気溜は、異なる空気モジュールがその用途のために適切な空気圧で空気溜に接続されるように、異なる空気圧を維持してもよい。いくつかの例では、コンプレッサ1150を使用する患者シミュレータ1102の空気モジュールは、比較的低い空気圧で、たとえば、いくつかの実施形態では10psi未満で、他の実施形態では5psi未満で、走行するように構成される。いくつかの例では、シミュレータ1102は、2つのアキュムレータを含み、アキュムレータの一方はおよそ5psiの空気圧を維持し、他方のアキュムレータはおよそ1psiの空気圧を維持する。他の実施形態において、アキュムレータは他の空気圧を維持する。しかし、一般に、患者シミュレータ1102およびその関連構成要素は、低圧で作動するように構成され、これは、高圧システムが連結されたシミュレータ内に水が導入されるのを防止するのを助ける。高圧システムを使用することから生じることであるがシミュレータ内に水が導入されると、シミュレータへ損傷を与える可能性があり、メンテナンス費用を上げ、シミュレータ内の水を除去するか水の量を制限するために追加構成要素を必要とする。
さらに、コンプレッサ1150は、シミュレータ1102内に完全に嵌るようにサイズが設定される。前述に関連して、コンプレッサ1150は、シミュレータ1102の他のシミュレーション態様に干渉しないように、静かに作動する。従って、いくつかの例では、消音システムを使用して、コンプレッサ1150によって生成される雑音を最小限にする。消音システムは、いくつかの実施形態では、コンプレッサの入力側、出力側、および/または、両側に使用される。さらに、コンプレッサ1150は、いくつかの例では、自冷式である。1つのそのような実施形態において、コンプレッサ1150は、少なくともコンプレッサモータを取り囲む複数の金属パイプを含み、それを通って吸気が進む。金属パイプを通って進む吸気は、コンプレッサ1150によって生成される熱を消散する助けをする。従って、コンプレッサ1150は、シミュレータの他のシミュレーション態様を過熱したり乱したりすることなく、完全にシミュレータ1102内で作動することができる。これによって、シミュレータ1102は、騒々しい外部の高圧コンプレッサに取り付けられることなく、完全に機能することができる。
患者シミュレータ1102はまた、圧縮モジュール1152も含む。圧縮モジュール1152は、シミュレータ1102に加えられる胸部圧迫の力をモニタするように構成される。前述に関連して、圧縮モジュール1152は、加えられた圧力をモニタし、その圧力に基づいて、圧力が高すぎるか、低すぎるか、または、所望の範囲内であるかを決定するように構成される。圧縮モジュール1152はマスターモジュール1106と通信して、正しい圧力が加えられているか否かの決定を制御システム1104に中継する。いくつかの実施形態では、シミュレータ1102は、正しい圧力が加えられているか否かに基づいて、回復またはさらなる合併症に向かう。たとえば、胸部圧迫が圧力の所望の範囲内である場合には、患者シミュレータは、回復の兆候を示してもよい。他方、胸部圧迫が圧力の所望の範囲外である場合には、患者シミュレータは、さらなる問題または症状を発現することもあり、且つ/または、現在の症状からシミュレータが回復するのをさらに困難にすることもある。
患者シミュレータ1102はまた、右肺弁1154、左肺弁1156、および呼吸弁1158も含む。右肺弁1154、左肺弁1156、および呼吸弁1158は一緒に、患者シミュレータ1102の肺内に入る空気およびそれから出る空気の流れを制御する。前述に関連して、弁1154、1156、および1158の各々は、空気弁を有する。いくつかの実施形態では、呼吸弁1158を使用して、シミュレータ1102の呼吸速度を制御する。前述に関連して、呼吸弁1158は、肺が所望の速度で膨張し収縮するために、開閉する。右肺弁1154および左肺弁1156を使用して、それぞれ、右および/または左の肺を選択的に無効にする。従って、いくつかの実施形態では、右肺弁が開いているときには、空気が呼吸弁から右肺内に流れることができないように、3方向エアパイロット弁を閉じる。そのような例において、空気は、呼吸弁から左肺内のみに流れる。肺の無効化、呼吸速度、呼吸パターン、吸気速度、および/または、左または右の肺の無効化等の要因は、マスターモジュール1106を経由して制御システム1104から受け取った信号に基づいて、弁1154、1156、および1158によって制御される。
患者シミュレータ1102はまた、ECGモジュール1160も含む。ECGモジュールは、シミュレータ1102の心臓の電気活動をシミュレートする電気信号を発するように構成される。いくつかの実施形態では、ECGモジュールは、12リードECG信号がユーザに利用可能であるように、12リードの各々に関連した信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、ECGモジュール1160は、心臓の様々な部分における心筋梗塞の存在をシミュレートする信号を発するように構成される。いくつかの実施形態では、心筋梗塞の位置は、制御システム1104を経由して選択される。従って、ECGモジュールを使用して、ECGを経由して識別可能な心臓発作および/または関連症状の発現を識別するようにユーザを訓練する。ECGモジュールの電気信号は、標準ECG機器によって検出可能である。
患者シミュレータ1102はまた、送出モータモジュール1162も含む。送出モータモジュール1162を使用して、シミュレータが出産シミュレータである実施形態において、シミュレータ1102から胎児または新生児を送出するのを制御する。前述に関連して、送出モータモジュール1162を使用して、母体シミュレータ内の赤ん坊の位置を制御する。送出モータモジュール1162による起動時に、送出機構が母体の子宮から赤ん坊を促す。いくつかの実施形態では、送出機構は、少なくとも部分的に母体の子宮から赤ん坊を送出し、ユーザは赤ん坊の送出を完了する。いくつかの実施形態では、送出機構は、赤ん坊が産道を通るときに赤ん坊を回転する。
患者シミュレータ1102はまた、換気モジュール1164も含む。換気モジュール1164は、シミュレータ1102に加えられた換気装置の使用をモニタするように構成される。換気装置は、いくつかの例では、バッグバルブマスクである。他の例では、換気装置は、マウス・ツー・マウス蘇生等では、ユーザの口である。換気モジュール1164は、換気装置によって加えられた圧力をモニタし、その圧力に基づいて、圧力が高すぎるか、低すぎるか、または、所望の範囲内であるかを決定するように構成される。換気モジュール1164はマスターモジュール1106と通信して、正しい圧力が加えられているか否かの決定を制御システム1104に中継する。いくつかの実施形態では、シミュレータ1102は、正しい圧力が加えられているか否かに基づいて、回復またはさらなる合併症に向かう。たとえば、換気が圧力の所望の範囲内である場合には、患者シミュレータは、回復の兆候を示してもよい。他方、換気が圧力の所望の範囲外である場合には、患者シミュレータは、さらなる問題または症状を発現することもあり、且つ/または、現在の症状からシミュレータが回復するのをさらに困難にすることもある。
患者シミュレータ1102はまた、大腿動脈拍動モジュール1166も含む。大腿動脈拍動モジュール1166は、シミュレータ1102の大腿動脈拍動をシミュレートするための空気モジュールである。患者シミュレータ1102はまた、右足拍動モジュール1168および左足拍動モジュール1170も含む。左右の足拍動モジュール1168、1170は、シミュレータ1102の足拍動をシミュレートするように構成される。前述に関連して、いくつかの実施形態では、足拍動モジュール1168、1170は、足拍動をシミュレートするように構成された電気モジュールである。他の実施形態では、足拍動モジュール1168、1170は、足拍動をシミュレートするように構成された空気モジュールである。患者シミュレータ1102はまた、右橈骨動脈拍動モジュール1172および左橈骨動脈拍動モジュール1174も含む。左右の橈骨動脈拍動モジュール1172、1174は、シミュレータ1102の橈骨動脈拍動をシミュレートするための空気モジュールである。患者シミュレータ1102はまた、両側性拍動(bilateral pulse)モジュール1176も含む。患者シミュレータ1102はまた、臍帯拍動モジュール1178も含む。患者シミュレータ1102はまた、シミュレータの心音、k音、および/または、脈拍をシミュレートするように構成された多機能モジュール1180も含む。患者シミュレータ1102はまた、患者シミュレータ1102の肺弁および/または呼吸弁として使用される多機能モジュール1182も含む。
患者シミュレータ1102はまた、右血圧カフモジュール1184および左血圧カフモジュール1186も含む。左右の血圧カフモジュール1184および1186は、ユーザが、患者シミュレータ1102のシミュレートされた血圧を測ることを可能にするように構成された圧力モジュールである。血圧カフモジュール1184および1186は、いくつかの実施形態では、標準血圧モニタとともに使用されるように構成される。
患者シミュレータ1102はまた、複数の色変化モジュール1188、1190、および1192も含む。前述に関連して、色変化モジュール1188は、シミュレータ1102の唇のまわりの色変化を制御するように構成される。色変化モジュール1190は、シミュレータの指のまわりの色変化を制御するように構成される。色変化モジュール1192は、シミュレータのつま先のまわりの色変化を制御するように構成される。色変化モジュール1188、1190、および1192を使用して、いくつかの実施形態では、患者シミュレータのチアノーゼをシミュレートする。従って、色変化モジュール1188、1190、および1192は、患者シミュレータ1102の異なるレベルのチアノーゼをシミュレートするように構成される。前述に関連して、チアノーゼの程度は、いくつかの実施形態では、制御システム1104および/または制御システム1104のユーザによって、決定される。チアノーゼの程度は、与えられる治療の有効性を初めとする様々なパラメータに基づいて、増加し且つ/または減少する傾向があってもよい。いくつかの実施形態では、この傾向は、制御システム1104を経由して、手動で制御される。他の実施形態では、この傾向は、少なくとも部分的に、制御システム1104の生理的シミュレータソフトウェアアプリケーションによって制御される。
患者シミュレータ1102はまた、挿管モジュール1194も含む。挿管モジュール1194は、患者シミュレータ1102の挿管をモニタするように構成される。前述に関連して、患者シミュレータ1102用の適切な挿管の深さは、患者シミュレータのサイズおよび/または年齢に依存する。前述に関連して、挿管モジュール1194には、適切な挿管深さを決定するために、特定のサイズの患者シミュレータが連結される。いくつかの実施形態では、挿管モジュール1194は、光学センサを使用して、患者シミュレータ1102の気管内の挿管チューブの深さをモニタする。いくつかの実施形態では、挿管モジュール1194は、互いに間隔をおいて配置された一対の光学センサを使用して、挿管深さの受容可能な範囲を定義する。第1の光学センサを使用して、深さの受容可能な範囲の開始に到達したときに挿管チューブの存在を検出する。第2の光学センサを使用して、挿管チューブが深さの受容可能な範囲を越えて進んだときを検出する。いくつかの実施形態では、患者シミュレータ1102はまた、逆呼吸弁モジュール1196およびバイパス呼吸弁モジュール1198も含む。
患者シミュレータ1102はまた、右腕運動モジュール1200および左腕運動モジュール1202も含む。左右の腕運動モジュール1200および1202は、シミュレータ1102の左右の腕の運動を起動するように構成される。いくつかの実施形態では、左右の腕モジュール1200および1202は、新生児サイズのシミュレータに使用されるのに、特にふさわしい。いくつかの実施形態では、左右の腕運動モジュール1200および1202は、シミュレータの腕が連結された空気バッグを膨張し収縮するために使用される空気モジュールを有する。前述に関連して、いくつかの例では、空気バッグは、バッグが空気で満たされると、所定のプロファイルで外向きに膨張するように、アコーディオンバッグを有する。バッグをモジュールで膨張し収縮することによって、シミュレータの腕が動く。バッグには、いくつかの例では、シミュレータのひじに隣接して位置決めされたピボットアセンブリが連結される。1つの特定の実施形態において、バッグの膨張および収縮は、ピボットアセンブリを経由して、シミュレータの腕を曲げさせるか、または、真っ直ぐにさせる。腕の運動が、空気モジュールおよび空気バッグの膨張および収縮によって作動されるため、ユーザは、いくつかの機械的に作動されるシステムとは対照的に、シミュレータに物理的な損傷をもたらすことなく、腕の運動を抑制することができる。いくつかの実施形態では、腕運動モジュールは、シミュレータの腕を動かすための機械的システムまたはモータを起動するように構成される。いくつかの実施形態では、機械的システムは、意図された腕の運動がユーザによって抑制された場合およびそのようなときに、腕運動モジュールおよび関連構成要素への損傷を防止するために、安全装置を含む。
いくつかの実施形態において、患者シミュレータ1102は、腕運動モジュールに類似したやり方で作動する左右の脚運動モジュールを含む。前述に関連して、左右の脚運動モジュールは、シミュレータ1102の左右の脚の運動を起動するように構成される。いくつかの実施形態では、左右の脚運動モジュールは、新生児のサイズのシミュレータに使用されるのに、特にふさわしい。いくつかの実施形態では、左右の脚運動モジュールは、シミュレータの脚が連結された空気バッグを膨張し収縮するために使用される空気モジュールを有する。前述に関連して、いくつかの例では、空気バッグは、バッグが空気で満たされると、所定のプロファイルで外向きに膨張するように、アコーディオンバッグを有する。バッグをモジュールで膨張し収縮することによって、シミュレータの脚が動かされる。バッグには、いくつかの例では、シミュレータのひざに隣接して位置決めされたピボットアセンブリが連結される。1つの特定の実施形態において、バッグの膨張および収縮は、ピボットアセンブリを経由して、シミュレータの脚を曲げさせるか、または、真っ直ぐにさせる。脚の運動が、空気モジュールおよび空気バッグの膨張および収縮によって作動されるため、ユーザは、いくつかの機械的に作動されるシステムとは対照的に、シミュレータに物理的な損傷をもたらすことなく、脚の運動を抑制することができる。いくつかの実施形態では、脚運動モジュールは、シミュレータの脚を動かすための機械的システムまたはモータを起動するように構成される。いくつかの実施形態では、機械的システムは、意図された脚の運動がユーザによって抑制された場合およびそのようなときに、脚運動モジュールおよび関連構成要素への損傷を防止するために、安全装置を含む。
患者シミュレータ1102はまた、回転モジュール1204も含む。回転モジュール1204は、母体シミュレータ内の胎児または赤ん坊を回転するように構成される。特に、回転モジュール1204は、赤ん坊が母体シミュレータの産道内を通るときに赤ん坊の回転を制御するためのモータまたは他の装置を作動するように構成される。患者シミュレータ1102はまた、ロードセルモジュール1206も含む。いくつかの実施形態では、ロードセルモジュールは、母体シミュレータの送出機構に位置決めされ、出産中に赤ん坊にかけられている圧力の量をモニタするように構成される。前述に関連して、ロードセルモジュールは、いくつかの実施形態では、送出機構に対して赤ん坊を取り付ける点に隣接して位置決めされる。他の実施形態では、ロードセルモジュールは、赤ん坊内にまたは赤ん坊自体の上に位置決めされる。一般に、ロードセルによって生成された信号は、マスターモジュール1106を経由して、制御システム1104に通信される。ロードセル上の検知された圧力または力に基づいて、赤ん坊を産道から取り出す際に使用されている力の量が、所望の範囲内か否かに関する決定を行うことができる。
患者シミュレータ1102はまた、腹圧モジュール1208も含む。腹圧モジュール1208を使用して、母体シミュレータの腹部の固さを制御する。前述に関連して、腹圧モジュール1208は、母体の腹部内の圧力の量を検知するように構成される。所望の圧力に基づいて、腹圧モジュール1208は、腹部の圧力を増加すべきか、減少すべきか、または、そのまま維持するべきかを決定する。圧力を増加すべき場合には、腹圧モジュール1208は、空気弁を通って腹部への空気の流れを起動する。いくつかの実施形態では、腹圧モジュール1208は、腹部へ空気の流れを提供するために空気溜またはコンプレッサと連通している。圧力を減少すべき場合には、腹圧モジュール1208は、腹部からの空気の解放を起動する。いくつかの例では、制御システム1104によって所望の圧力が提供される。前述に関連して、ユーザまたは教師が、いくつかの実施形態では、制御システム1104を経由して、腹部圧力を定義することができる。
患者シミュレータ1102はまた、赤ん坊解放モジュール1210も含む。赤ん坊解放モジュール1210は、母体シミュレータ内の送出機構から赤ん坊を選択的に解放するように構成される。前述に関連して、赤ん坊解放モジュール1210は、いくつかの例では、制御システム1104を経由して、ユーザまたは教師によって遠隔式に起動される。他の例では、赤ん坊解放モジュール1210は、送出機構および/または産道内の赤ん坊の位置に基づいて、起動される。すなわち、ひとたび赤ん坊が産道に対する一定の位置および/または配向に到達すると、赤ん坊解放モジュールが起動して、送出機構と赤ん坊との間の係合を解放する。
患者シミュレータ1102はまた、舌部制御モジュール1212も含む。舌部制御モジュール1212は、シミュレータ1102の気道を部分的に妨害するように、舌部を選択的に膨張し且つ/または収縮するように構成された空気モジュールである。前述に関連して、舌部制御モジュール1212は、いくつかの例では、制御システム1104を経由して、制御される。従って、ユーザまたは教師が、所望のように、気道を部分的に妨害するか、または、障害物を取り除くことができる。患者シミュレータ1102はまた、喉頭制御モジュール1214および咽頭制御モジュール1216も含む。喉頭制御モジュール1214は、シミュレータの気道を部分的に妨害するように、喉頭を開閉するように構成される。同様に、咽頭制御モジュール1216は、シミュレータ1102の気道を部分的に妨害するように、咽頭の後壁を前方に促すように構成される。喉頭制御モジュール1214および咽頭制御モジュール1216もまた、いくつかの例では、制御システム1104を経由して、制御される。従って、ユーザまたは教師はまた、これらの特徴部でも所望のように、気道を部分的に妨害するか、または、障害物を取り除くことができる。
患者シミュレータ1102はまた、気胸モジュール1218および気胸解放モジュール1220も含む。気胸モジュール1218は、左肺または右肺における気胸(肺の虚脱)の存在をシミュレートするように構成される。気胸解放モジュール1220は、シミュレータ1102を、気胸のない正常な肺状態に戻すように構成される。気胸状態の開始および緩和は、制御システム1104を経由して、制御される。
患者シミュレータ1102はまた、眼モジュール1222も含む。眼モジュール1222は、まばたきおよび瞳孔拡張を含む患者のシミュレートされた眼を制御するように構成される。眼モジュール1222は、いくつかの実施形態では、これらの機能を制御するために複数のモジュールを含む。たとえば、図46から図49、および、1つのそのような実施形態に付随する記載を参照されたい。いくつかの実施形態では、シミュレータの眼の各々の瞳孔拡張は、少なくとも部分的に、眼内に位置決めされた光学センサによって受け取られた光の量に基づいて制御される。瞳孔の最大サイズおよび/または瞳孔の変化または拡張の速度は、いくつかの例では、制御システム1104によって制御される。同様に、まばたきの割合、パターンおよびスピードは、いくつかの例では、制御システム1104によって制御される。いくつかの例では、まばたきの割合は、1分当たり5回から1分当たり30回の範囲である。しかし、いくつかの実施形態では、これの外部の範囲が使用される。さらに、眼は、開位置または閉位置に維持されることができる。まばたきのスピードも同様に、制御することができる。いくつかの例では、開から閉へ開への各まばたきのスピードは、およそ200msである。しかし、まばたきのスピードは、いくつかの実施形態では、所望のように、増加または減少することができる。
患者シミュレータ1102はまた、右側発作モジュール1224および左側発作モジュール1226も含む。左右の発作モジュール1224および1226は、患者の身体の対応する側部における患者の発作をシミュレートするように構成される。従って、発作モジュール1224および1226は、いくつかの実施形態では、震えおよび/または痙攣を引き起こすように構成される。また、いくつかの例では、発作モジュール1224および1226を一緒に使用して、全身の発作をシミュレートする。いくつかの例では、発作モジュール1224および1226の起動は、制御システム1104を経由して、制御される。
患者シミュレータ1102はまた、回転モジュール1228および位置モジュール1230も含む。回転モジュール1228および位置モジュール1230は、母体シミュレータの産道内の赤ん坊に関する位置データを提供するように構成される。前述に関連して、回転モジュール1228および位置モジュール1230は、特に、産道内の赤ん坊の相対回転をモニタするように構成される。いくつかの実施形態では、回転モジュール1228は、母体シミュレータの送出機構に位置決めされ、位置モジュール1230は、赤ん坊の一部内に位置決めされる。いくつかの例では、位置モジュール1230は、赤ん坊の頭部内に位置決めされる。赤ん坊の回転は、回転モジュール1228に対する赤ん坊上の位置モジュール1230の相対回転を比較することによって、決定される。いくつかの例では、回転モジュール1230は、実質的に回転式に固定される。モジュール1228に比較したモジュール1230の相対回転に基づいて、赤ん坊の回転位置を決定することができる。モジュール1228および1230からの回転データが、いくつかの実施形態では、制御システム1104へ通信される。1つのそのような実施形態において、ユーザまたは教師は、位置情報および回転情報を使用して、母体シミュレータの送出機構から赤ん坊を解放するときを決定する。他の実施形態では、制御システム1104は、産道内の赤ん坊の正確な配向および位置に基づいて、送出機構から赤ん坊を自動的に解放する。患者シミュレータ1102はまた、空気モジュール1232も含む。空気モジュール1232は、シミュレータ1102の空気式に作動された部分を制御するように構成される。
様々なモジュールの各々は、電源線1234、アース線1236、および両方向通信ワイヤ1238を経由して、マスターモジュール1106に接続される。前述に関連して、マスターモジュール1106は、モジュールの各々の起動、起動停止、および電力消費を制御することができる。いくつかの実施形態では、マスターモジュール1106は、制御システム1104のソフトウェアプログラムを経由して、制御される。他の実施形態では、モジュールは、電力供給装置に直接接続される。いくつかの実施形態では、マスターモジュール1106は、1若しくはそれ以上のモジュールにワイヤレス通信される。いくつかの実施形態では、1若しくはそれ以上のモジュールへの通信は、一方向通信である。いくつかの実施形態では、モジュール自体が、通信ワイヤ1238または追加通信ワイヤを経由して、相互接続される。前述に関連して、いくつかの例では、モジュールのサブセット用のマスターモジュールとして作用するマスターモジュールはない。
次に図30を参照すると、上述の患者シミュレータシステム1100の態様を組み込み、本開示の一実施形態による患者シミュレータ1250の概略図が示されている。たとえば、患者シミュレータ1250は、制御システム1104および電源1122と通信する。
患者シミュレータ1250は、出産シーケンスをシミュレートするために特に適している。前述に関連して、患者シミュレータ1250は、いくつかの実施形態では、母体シミュレータを含む。いくつかの実施形態では、患者シミュレータ1250は、シミュレートされる出産を実行するために、それに連結された胎児シミュレータを有する。患者シミュレータ1250は、シミュレータの様々な機能を実行するために複数のモジュールを含む。いくつかの実施形態では、モジュールの各々は、シミュレータ1250の特定の機能または一群の機能を制御する。前述に関連して、モジュールは、シミュレータ1250の様々な部分内に位置決めするために適切にサイズが設定される。いくつかの実施形態では、モジュールは、モジュールの特定の機能またはシミュレータの関連本体部分に関連したシミュレータ1250の領域または区域に隣接して、シミュレータ中にわたって位置決めされる。従って、モジュールは、単一のマザーボードに集められるのではなく、シミュレータ中にわたって分布される。いくつかの実施形態では、モジュールの各々は、マスターモジュール1252と通信する。いくつかの実施形態では、マスターモジュール1252は、モジュールへ送出される電力を提供し制御し、且つ、モジュールとのおよびモジュールの中での通信を容易にするように、構成される。
本実施形態において、患者シミュレータ1250は、制御システム1104とワイヤレス通信して示されている。前述に関連して、患者シミュレータ1250は、図29に関連して上述されたものに類似したワイヤレス通信モジュール1254およびアンテナ1256を含む。患者シミュレータ1250はまた、電力供給装置1258も含む。本実施形態において、電力供給装置1258は、充電式電池である。前述に関連して、電力供給装置1258は、充電器1260に接続される。充電器1260は、電力供給装置1258を再充電するように構成される。前述に関連して、充電器1260は、外部電力供給装置1122に連通するように構成される。本実施形態において、外部電力供給装置1122は、壁コンセントまたは標準ライン電力供給装置である。他の実施形態では、外部電力供給装置1122は、たとえば、誘導結合または他のワイヤレス充電手段によって、電力供給装置がワイヤレスで再充電されてもよいように、充電器1260または電力供給装置1258にワイヤレス通信するように構成される。いくつかの実施形態では、充電器1260は、バックアップ電力供給装置を有する。
患者シミュレータ1250は、ボイスモジュール1262を含む。ボイスモジュール1262はマスターモジュール1252と通信し、当該マスターモジュール1252は制御システム1104と通信する。ボイスモジュール1262は、患者の声をシミュレートする音を発するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、ボイスモジュール1262によって発せられた特定の音は、いくつかの実施形態では、制御システム1104を通してユーザによって制御される。いくつかの実施形態では、制御システム1104は、図29に関連してより詳細に上記に検討されたように、ボイスモジュール1262から選択されてもよくそれによって再生されてもよい、複数の記憶された音または予め録音された音を含む。いくつかの実施形態では、ユーザまたは教師が、制御システムに連結されたマイクロホンまたは他の音通信装置内に話をし、教師の言葉または音がボイスモジュール1262から発せられるように、制御システム1104はボイスモジュール1262と通信する。いくつかの実施形態では、ユーザまたは教師の入力が、音声増幅器またはサウンドボードを使用して状態調節されて、ボイスモジュール1262から発せられた声の音を変えてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、入力音を状態調節して、しわがれ声の患者、気道が閉鎖された患者、または、患者の他の精神的または物理的な病状をシミュレートする。前述に関連して、教師は、所望の効果に基づいて様々なタイプの音声状態調節を選択的に起動してもよい。ボイスモジュール1262および対応するボイスシミュレーションが、いくつかの実施形態では、全般的な医療シナリオシミュレーションの一部として使用される。
患者シミュレータ1250はまた、心音モジュール1264も含む。心音モジュール1264は、患者の心臓の自然の音をシミュレートするために音を発するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、心音モジュール1264の音は、患者の心拍数および心調律(たとえば、洞、心房性頻脈、多源性心房性頻拍、心房粗動、心房性細動、接合部、心室固有、心室性頻拍(単数)、心室性頻拍(複数)、上室性頻拍症、心室粗動、心室細動、死戦期、収縮不全、左脚ブロック、右脚ブロック、第1度AVB、第2度AVB(タイプI)、第2度AVB(タイプII)、第3度AVB、Q波心筋梗塞、ST上昇、ST低下、T波逆転、心房ペーシング、房室順次ペーシング、心室ペースメーカ(人工)、および/または、他の心調律)をシミュレートするために、1若しくはそれ以上の音を含む。さらに、心音は、正常であっても、遠位であっても、存在しなくてもよく、収縮期雑音、S3および/またはS4を含んでもよい。制御システム1104および/または制御システムを使用するユーザは、いくつかの実施形態では、どのような心音が生成されるか、且つ、どのような速度で音が生成されるかを決定する。心音モジュール1264によって生成される音は、いくつかの例では、聴診器の使用を経由して、検出可能である。いくつかの実施形態では、心音モジュール1264の少なくとも一部、たとえばスピーカ等が、本物の心臓があるであろうシミュレータ1250内に位置決めされる。
患者シミュレータ1250はまた、肺音モジュール1266、1268、1270、1272、1274、1278、1280、および1282も含む。特に、肺音モジュール1266を使用して、シミュレータ1250の前部へ向かう右上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1268を使用して、シミュレータの前部へ向かう左上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1270を使用して、シミュレータの前部へ向かう右下肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1272を使用して、シミュレータの前部へ向かう左下肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1274を使用して、シミュレータの背部へ向かう右上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1278を使用して、シミュレータの背部へ向かう左上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1280を使用して、シミュレータの背部へ向かう右下肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1282を使用して、シミュレータの前部へ向かう左下肺の音をシミュレートする。
肺音モジュール1266、1268、1270、1272、1274、1278、1280、および1282の各々は、患者の肺の自然の音をシミュレートするために音を生成するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、肺音モジュール1266、1268、1270、1272、1274、1278、1280、および1282は、いくつかの実施形態では、下記の肺音の1若しくはそれ以上を生成するように構成される:正常、なし、喘鳴、吸気キーキー音、パチパチ音、レール、および/または、他の肺音。さらに、肺音モジュール1266、1268、1270、1272、1274、1278、1280、および1282の組み合わせを使用して、呼吸パターンをシミュレートし、これらに限定されるものではないが、正常、クスマウル、チェーン・ストークス、ビオー、持続性吸息、および/または、他の呼吸パターンを含む。また、肺音モジュール1266、1268、1270、1272、1274、1278、1280、および1282の組み合わせを使用して、患者の呼吸速度をシミュレートする。前述に関連して、呼吸速度は、一定の速度に設定されてもよく、且つ/または、時間とともに変化するように設定されてもよい。
患者シミュレータ1250はまた、バルブアレイモジュール1276も含む。バルブアレイモジュールは、複数の空気弁を含み、呼吸システムの態様を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、バルブアレイモジュール1276は、シミュレータ1250の左または右の肺における気胸状態のシミュレーションを制御するように構成される。
患者シミュレータ1250はまた、シミュレータの右腕用のK音モジュール1284およびシミュレータの左腕用のK音モジュール1286も含む。K音モジュール1284および1286の各々は、シミュレートされたK音(コロトコフ音)を生成するように構成される。前述に関連して、いくつかの実施形態では、K音モジュール1284および1286を使用して、ユーザが患者シミュレータ1250の血圧を測ることを可能にする。従って、モジュール1284および1286によって生成されるK音は、シミュレートされた心拍数および血圧に基づいて決定される。いくつかの例では、患者シミュレータ1250の心拍数および血圧は、制御システム1104を経由して、ユーザまたは教師によって提供される。
患者シミュレータ1250はまた、母体の子宮内の胎児の音をシミュレートするために子宮オーディオモジュール1288も含む。いくつかの実施形態では、子宮オーディオモジュール1148は、子宮内の胎児の心拍をシミュレートするように構成される。患者シミュレータはまた、瞳孔拡張モジュール1290も含む。瞳孔拡張モジュール1290は、シミュレータの眼の瞳孔の拡張を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、シミュレータの眼の各々の瞳孔の拡張は、少なくとも部分的に、眼内に位置決めされた光学センサによって受け取られた光の量に基づいて、制御される。さらに、瞳孔の最大サイズおよび/または瞳孔の変化または拡張の速度は、いくつかの例では、制御システム1104によって制御される。いくつかの例では、瞳孔拡張のパラメータは、特定の病状をシミュレートするように選択される。
患者シミュレータ1250はまた、圧縮モジュール1292も含む。圧縮モジュール1292は、シミュレータ1250に加えられる胸部圧迫の力をモニタするように構成される。前述に関連して、圧縮モジュール1292は、加えられた圧力をモニタし、その圧力に基づいて、圧力が高すぎるか、低すぎるか、または、所望の範囲内であるかを決定するように構成される。圧縮モジュール1292はマスターモジュール1252と通信して、正しい圧力が加えられているか否かの決定を制御システム1104に中継する。いくつかの実施形態では、シミュレータ1250は、正しい圧力が加えられているか否かに基づいて、回復またはさらなる合併症に向かう。たとえば、胸部圧迫が圧力の所望の範囲内である場合には、患者シミュレータは、回復の兆候を示してもよい。他方、胸部圧迫が圧力の所望の範囲外である場合には、患者シミュレータは、さらなる問題または症状を発現することもあり、且つ/または、現在の症状からシミュレータが回復するのをさらに困難にすることもある。
患者シミュレータ1250はまた、右肺弁1294、左肺弁1296、および呼吸弁1298も含む。右肺弁1294、左肺弁1296、および呼吸弁1298は一緒に、シミュレータ1250の肺内に入る空気およびそれから出る空気の流れを制御する。前述に関連して、弁1294、1296、および1298の各々は、空気弁を有する。いくつかの実施形態では、呼吸弁1298を使用して、シミュレータ1250の呼吸速度を制御する。前述に関連して、呼吸弁1298は、肺が所望の速度で膨張し収縮するために、開閉する。右肺弁1294および左肺弁1296を使用して、それぞれ、右および/または左の肺を選択的に無効にする。従って、いくつかの実施形態では、右肺弁1294が開いているときには、空気が呼吸弁から右肺内に流れることができないように、3方向エアパイロット弁を閉じる。そのような例において、空気は、呼吸弁から左肺内のみに流れる。左肺弁1296は、いくつかの実施形態では、同様のやり方で作動する。肺の無効化、呼吸速度、呼吸パターン、吸気速度、および/または、左または右の肺の無効化等の要因は、マスターモジュール1252を経由して制御システム1104から受け取った信号に基づいて、弁1294、1296、および1298によって制御される。
患者シミュレータ1250はまた、ECGモジュール1300またはリズムエミュレータも含む。ECGモジュールは、シミュレータ1250の心臓の電気活動をシミュレートする電気信号を発するように構成される。いくつかの実施形態では、ECGモジュールは、12リードECG信号がユーザに利用可能であるように、12リードの各々に関連した信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、ECGモジュール1300は、心臓の様々な部分における心筋梗塞の存在をシミュレートする信号を発するように構成される。いくつかの実施形態では、心筋梗塞の位置は、制御システム1104を経由して選択される。従って、ECGモジュールを使用して、ECGを経由して識別可能な心臓発作および/または関連症状の発現を識別するようにユーザを訓練する。ECGモジュールの電気信号は、標準ECG機器によって検出可能である。
患者シミュレータ1250はまた、送出モータモジュール1302も含む。送出モータモジュール1302を使用して、シミュレータ1250から胎児または赤ん坊を送出するのを制御する。前述に関連して、送出モータモジュール1302を使用して、母体シミュレータ内の赤ん坊の位置を制御する。送出モータモジュール1302による起動時に、送出機構が母体の子宮から赤ん坊を促す。いくつかの実施形態では、送出機構は、少なくとも部分的に母体の子宮から赤ん坊を送出し、ユーザは赤ん坊の送出を完了する。いくつかの実施形態では、送出機構は、赤ん坊が産道を通るときに赤ん坊を回転する。
患者シミュレータ1250はまた、換気モジュール1304も含む。換気モジュール1304は、シミュレータ1250に加えられた換気装置の使用をモニタするように構成される。換気装置は、いくつかの例では、バッグバルブマスクである。他の例では、換気装置は、マウス・ツー・マウス蘇生等では、ユーザの口である。換気モジュール1304は、換気装置によって加えられた圧力をモニタし、その圧力に基づいて、圧力が高すぎるか、低すぎるか、または、所望の範囲内であるかを決定するように構成される。換気モジュール1304はマスターモジュール1252と通信して、正しい圧力が加えられているか否かの決定を制御システム1104に中継する。いくつかの実施形態では、シミュレータ1250は、正しい圧力が加えられているか否かに基づいて、回復またはさらなる合併症に向かう。たとえば、換気が圧力の所望の範囲内である場合には、患者シミュレータは、回復の兆候を示してもよい。他方、換気が圧力の所望の範囲外である場合には、患者シミュレータは、さらなる問題または症状を発現することもあり、且つ/または、現在の症状からシミュレータが回復するのをさらに困難にすることもある。
患者シミュレータ1250はまた、大腿動脈拍動モジュール1306も含む。大腿動脈拍動モジュール1306は、シミュレータ1250の大腿動脈拍動をシミュレートするための空気モジュールである。患者シミュレータ1250はまた、右足拍動モジュール1308および左足拍動モジュール1310も含む。左右の足拍動モジュール1308、1310は、シミュレータ1250の足拍動をシミュレートするように構成される。前述に関連して、いくつかの実施形態では、足拍動モジュール1308、1310は、足拍動をシミュレートするように構成された電気モジュールである。他の実施形態では、足拍動モジュール1308、1310は、足拍動をシミュレートするように構成された空気モジュールである。患者シミュレータ1250はまた、右橈骨動脈拍動モジュール1312および左橈骨動脈拍動モジュール1314も含む。左右の橈骨動脈拍動モジュール1312、1314は、シミュレータ1250の橈骨動脈拍動をシミュレートするための空気モジュールである。患者シミュレータ1250はまた、触知可能拍動(palpable pulse)モジュール1316も含む。
患者シミュレータ1250はまた、まぶたモジュール1318も含む。まぶたモジュール1318は、患者のシミュレートされた眼のまばたきを制御するように構成される。まばたきの割合、パターンおよびスピードは、いくつかの例では、制御システム1104によって制御される。いくつかの例では、まばたきの割合は、1分当たり5回から1分当たり30回の範囲である。他の実施形態では、これの外部の範囲が使用される。さらに、眼は、開位置または閉位置に維持されることができる。まばたきのスピードも同様に、制御することができる。いくつかの例では、開から閉へ開への各まばたきの経過時間またはスピードは、およそ200msである。しかし、まばたきのスピードは、いくつかの実施形態では、所望のように、増加または減少することができる。
患者シミュレータ1250はまた、エンコーダモジュール1320およびエンコーダモジュール1336も含む。エンコーダモジュール1320および1336は、母体シミュレータの産道内の赤ん坊に関する位置データを提供するように構成される。前述に関連して、エンコーダモジュール1320および1336は、いくつかの例では、産道内の赤ん坊の相対回転をモニタするように構成される。いくつかの実施形態では、エンコーダモジュール1336は、母体シミュレータの送出機構に位置決めされ、エンコーダモジュール1320は、赤ん坊または胎児シミュレータの一部内に位置決めされる。いくつかの例では、エンコーダモジュール1320は、赤ん坊の頭部内に位置決めされる。赤ん坊の回転は、エンコーダモジュール1336に対する赤ん坊上のエンコーダモジュール1320の相対回転を比較することによって、決定される。いくつかの例では、モジュール1336は、実質的に回転式に固定される。モジュール1336に比較したモジュール1320の相対回転に基づいて、赤ん坊の回転位置を決定することができる。いくつかの実施形態では、モジュール1320および1336は、光学装置である。モジュール1320および1336からの回転データが、いくつかの実施形態では、制御システム1104へ通信される。1つのそのような実施形態において、ユーザまたは教師は、位置情報および回転情報を使用して、母体シミュレータの送出機構から赤ん坊を解放するときを決定する。他の実施形態では、制御システム1104は、産道内の赤ん坊の正確な配向および位置に基づいて、送出機構から赤ん坊を自動的に解放する。
患者シミュレータ1250はまた、左血圧カフモジュール1322および右血圧カフモジュール1324も含む。左右の血圧カフモジュール1322および1324は、ユーザが、患者シミュレータ1250のシミュレートされた血圧を測ることを可能にするように構成された圧力モジュールである。血圧カフモジュール1322および1324は、いくつかの実施形態では、標準血圧モニタとともに使用されるように構成される。
患者シミュレータ1250はまた、赤ん坊解放モジュール1326も含む。赤ん坊解放モジュール1326は、母体シミュレータ内の送出機構から赤ん坊を選択的に解放するように構成される。前述に関連して、赤ん坊解放モジュール1326は、いくつかの例では、制御システム1104を経由して、ユーザまたは教師によって遠隔式に起動される。他の例では、赤ん坊解放モジュール1326は、送出機構および/または産道内の赤ん坊の位置に基づいて、起動される。すなわち、ひとたび赤ん坊が産道に対する一定の位置および/または配向に到達すると、赤ん坊解放モジュールが起動して、送出機構と赤ん坊との間の係合を解放する。
患者シミュレータ1250はまた、複数の色変化モジュール1328、1330、および1332も含む。前述に関連して、色変化モジュール1328は、シミュレータ1250の唇のまわりの色変化を制御するように構成される。色変化モジュール1330は、シミュレータの指のまわりの色変化を制御するように構成される。色変化モジュール1332は、シミュレータのつま先のまわりの色変化を制御するように構成される。色変化モジュール1328、1330、および1332を使用して、いくつかの実施形態では、患者シミュレータのチアノーゼをシミュレートする。従って、色変化モジュール1328、1330、および1332は、患者シミュレータ1250の異なるレベルのチアノーゼをシミュレートするように構成される。前述に関連して、チアノーゼの程度は、いくつかの実施形態では、制御システム1104および/または制御システム1104のユーザによって、決定される。チアノーゼの程度は、与えられる治療の有効性を初めとする様々なパラメータに基づいて、増加し且つ/または減少する傾向があってもよい。いくつかの実施形態では、この傾向は、制御システム1104を経由して、手動で制御される。他の実施形態では、この傾向は、少なくとも部分的に、制御システム1104の生理的シミュレータソフトウェアアプリケーションによって制御される。
患者シミュレータ1250はまた、挿管モジュール1334も含む。挿管モジュール1334は、患者シミュレータ1250の挿管をモニタするように構成される。前述に関連して、患者シミュレータ1250用の適切な挿管の深さは、患者シミュレータのサイズおよび/または年齢に依存する。前述に関連して、挿管モジュール1334には、適切な挿管深さを決定するために、特定のサイズの患者シミュレータが連結される。いくつかの実施形態では、挿管モジュール1334は、光学センサを使用して、患者シミュレータ1250の気管内の挿管チューブの深さをモニタする。いくつかの実施形態では、挿管モジュール1334は、互いに間隔をおいて配置された一対の光学センサを使用して、挿管深さの受容可能な範囲を定義する。第1の光学センサを使用して、深さの受容可能な範囲の開始に到達したときに挿管チューブの存在を検出する。第2の光学センサを使用して、挿管チューブが深さの受容可能な範囲を越えて進んだときを検出する。いくつかの実施形態では、患者シミュレータ1250はまた、シミュレータの空気圧装置を制御するための空気モジュール1338も含む。
患者シミュレータ1250はまた、右腕運動モジュール1340および左腕運動モジュール1342も含む。左右の腕運動モジュール1340および1342は、シミュレータ1250の左右の腕の運動を起動するように構成される。いくつかの実施形態では、左右の腕モジュール1340および1342は、胎児シミュレータに使用される。他の実施形態では、左右の腕モジュール1340および1342は、母体シミュレータおよび胎児シミュレータの両方に使用される。いくつかの実施形態では、左右の腕運動モジュール1340および1342は、シミュレータの腕が連結された空気バッグを膨張し収縮するために使用される空気モジュールを有する。前述に関連して、いくつかの例では、空気バッグは、バッグが空気で満たされると、所定のプロファイルで外向きに膨張するように、アコーディオンバッグを有する。バッグをモジュールで膨張し収縮することによって、シミュレータの腕が動く。バッグには、いくつかの例では、シミュレータのひじに隣接して位置決めされたピボットアセンブリが連結される。1つの特定の実施形態において、バッグの膨張および収縮は、ピボットアセンブリを経由して、シミュレータの腕を曲げさせるか、または、真っ直ぐにさせる。腕の運動が、空気モジュールおよび空気バッグの膨張および収縮によって作動されるため、ユーザは、いくつかの機械的に作動されるシステムとは対照的に、シミュレータに物理的な損傷をもたらすことなく、腕の運動を抑制することができる。いくつかの実施形態では、腕運動モジュールは、シミュレータの腕を動かすための機械的システムまたはモータを起動するように構成される。いくつかの実施形態では、機械的システムは、意図された腕の運動がユーザによって抑制された場合およびそのようなときに、腕運動モジュールおよび関連構成要素への損傷を防止するために、安全装置を含む。
患者シミュレータ1250はまた、回転モジュール1344も含む。回転モジュール1344は、母体シミュレータ内の胎児または赤ん坊を回転するように構成される。特に、回転モジュール1344は、赤ん坊が母体シミュレータの産道内を通るときに赤ん坊の回転を制御するためのモータまたは他の装置を作動するように構成される。患者シミュレータ1250はまた、ロードセルモジュール1346も含む。いくつかの実施形態では、ロードセルモジュールは、母体シミュレータの送出機構に位置決めされ、出産中に赤ん坊にかけられている圧力の量をモニタするように構成される。前述に関連して、ロードセルモジュールは、いくつかの実施形態では、送出機構に対して赤ん坊を取り付ける点に隣接して位置決めされる。他の実施形態では、ロードセルモジュールは、赤ん坊内にまたは赤ん坊自体の上に位置決めされる。一般に、ロードセルによって生成された信号は、マスターモジュール1252を経由して、制御システム1104に通信される。ロードセル上の検知された圧力または力に基づいて、赤ん坊を産道から取り出す際に使用されている力の量が、所望の範囲内か否かに関する決定を行うことができる。
最後に、患者シミュレータ1250はまた、腹圧モジュール1348も含む。腹圧モジュール1348を使用して、母体シミュレータの腹部の固さを制御する。前述に関連して、腹圧モジュール1348は、母体の腹部内の圧力の量を検知するように構成される。所望の圧力に基づいて、腹圧モジュール1348は、腹部の圧力を増加すべきか、減少すべきか、または、そのまま維持するべきかを決定する。圧力を増加すべき場合には、腹圧モジュール1348は、空気弁を通って腹部への空気の流れを起動する。いくつかの実施形態では、腹圧モジュール1348は、腹部へ空気の流れを提供するために空気溜またはコンプレッサと連通している。圧力を減少すべき場合には、腹圧モジュール1348は、腹部からの空気の解放を起動する。いくつかの例では、制御システム1104によって所望の圧力が提供される。前述に関連して、ユーザまたは教師が、いくつかの実施形態では、制御システム1104を経由して、腹部圧力を定義することができる。
シミュレータ1250の様々なモジュールの各々は、電源線、アース線、および/または、両方向通信ワイヤを経由して、マスターモジュール1252に接続される。従って、マスターモジュール1252を使用して、いくつかの実施形態では、モジュールの起動、起動停止、および電力消費を制御する。いくつかの実施形態では、マスターモジュール1252は、制御システム1104のソフトウェアプログラムを経由して、制御されるか、または、方向付けられる。いくつかの実施形態では、マスターモジュール1252は、1若しくはそれ以上のモジュールにワイヤレス通信される。いくつかの実施形態では、モジュール自体が、通信ワイヤまたは追加通信ワイヤを経由して、相互接続される。前述に関連して、いくつかの例では、モジュールのサブセット用のマスターモジュールとして作用するマスターモジュールはない。
いくつかの実施形態において、患者シミュレータ1250はまた、コンプレッサも含む。コンプレッサを使用して、シミュレータ1250の様々な空気圧装置およびモジュールへ圧縮空気供給を提供する。たとえば、いくつかの実施形態では、コンプレッサを使用して、肺、脈、収縮、腹圧、発作、眼拡張、まばたき、および/または、患者シミュレータ1250の他の態様をシミュレートするためのモジュールに空気を提供する。いくつかの実施形態では、コンプレッサは、1若しくはそれ以上の空気溜またはアキュムレータへ圧縮空気を提供し、それらは次いで、シミュレータ1250の様々な空気モジュールへ接続される。前述に関連して、空気溜は、異なる空気モジュールがその用途のために適切な空気圧で空気溜に接続されるように、異なる空気圧を維持してもよい。いくつかの例では、コンプレッサを使用する患者シミュレータ1250の空気モジュールは、比較的低い空気圧で、たとえば、いくつかの実施形態では10psi未満で、他の実施形態では5psi未満で、走行するように構成される。いくつかの例では、シミュレータ1250は、2つのアキュムレータを含み、アキュムレータの一方はおよそ5psiの空気圧を維持し、他方のアキュムレータはおよそ1psiの空気圧を維持する。他の実施形態では、アキュムレータは他の空気圧を維持する。しかし、一般に、患者シミュレータ1250およびその関連構成要素は、低圧で作動するように構成され、これは、高圧システムが連結されたシミュレータ内に水が導入されるのを防止するのを助ける。高圧システムを使用することから生じることであるがシミュレータ内に水が導入されると、シミュレータへ損傷を与える可能性があり、メンテナンス費用を上げ、シミュレータ内の水を除去するか水の量を制限するために追加構成要素を必要とする。
さらに、コンプレッサは、いくつかの実施形態では、シミュレータ1250内に完全に嵌るようにサイズが設定される。前述に関連して、コンプレッサは、シミュレータ1250の他のシミュレーション態様に、特に、可聴式シミュレーション態様に、干渉しないように、静かに作動する。従って、いくつかの例では、消音システムを使用して、コンプレッサによって生成される雑音を最小限にする。消音システムは、いくつかの実施形態では、コンプレッサの入力側、出力側、および/または、両側に使用される。さらに、コンプレッサは、いくつかの例では、自冷式である。1つのそのような実施形態において、コンプレッサは、少なくともコンプレッサモータを取り囲む複数の金属パイプを含み、それを通って吸気が進む。金属パイプを通って進む吸気は、コンプレッサによって生成される熱を消散する助けをする。従って、コンプレッサは、シミュレータの他のシミュレーション態様を過熱したり乱したりすることなく、完全にシミュレータ1250内で作動することができる。これによって、シミュレータ1250は、騒々しい外部の高圧コンプレッサに取り付けられることなく、完全に機能することができる。
次に図31を参照すると、上述の患者シミュレータシステム1100の態様を組み込み、本開示の別の実施形態による患者シミュレータ1350の概略図が示されている。たとえば、患者シミュレータ1350は、制御システム1104および電源1122と連通している。患者シミュレータ1350は、いくつかの実施形態では、およそ5歳のサイズである。患者シミュレータ1350は、シミュレータの様々な機能を実行するために複数のモジュールを含む。いくつかの実施形態では、モジュールの各々は、シミュレータ1350の特定の機能または一群の機能を制御する。前述に関連して、モジュールは、シミュレータ1350の様々な部分内に位置決めするために適切にサイズが設定される。いくつかの実施形態では、モジュールは、モジュールの特定の機能またはシミュレータの関連本体部分に関連したシミュレータ1350の領域または区域に隣接して、シミュレータ中にわたって位置決めされる。従って、モジュールは、単一のマザーボードに集められるのではなく、シミュレータ中にわたって分布される。いくつかの実施形態では、モジュールの各々は、マスターモジュール1352と通信する。いくつかの実施形態では、マスターモジュール1352は、モジュールへ送出される電力を提供および制御し、且つ、モジュールとのおよびモジュールの中での通信を容易にするように構成される。
本実施形態において、患者シミュレータ1350は、制御システム1104にワイヤレス通信して示されている。前述に関連して、患者シミュレータ1350は、図29および30に関連して上述されたものに類似したワイヤレス通信モジュール1354およびアンテナ1356を含む。患者シミュレータ1350はまた、電力供給装置1358も含む。本実施形態において、電力供給装置1238は、充電式電池である。前述に関連して、電力供給装置1358は、充電器1360に接続される。充電器1360は、電力供給装置1358を再充電するように構成される。前述に関連して、充電器1360は、外部電力供給装置1122に通信するように構成される。本実施形態において、外部電力供給装置1122は、壁コンセントまたは標準ライン電力供給装置である。他の実施形態では、外部電力供給装置1122は、たとえば、誘導結合または他のワイヤレス充電手段によって、電力供給装置がワイヤレスで再充電されてもよいように、充電器1360または電力供給装置1358にワイヤレス通信するように構成される。いくつかの実施形態では、充電器1360は、バックアップ電力供給装置を有する。
患者シミュレータ1350は、ボイスモジュール1362を含む。ボイスモジュール1362はマスターモジュール1352と通信し、当該マスターモジュール1352は制御システム1104と通信する。ボイスモジュール1362は、患者の声をシミュレートする音を発するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、ボイスモジュール1362によって発せられた特定の音は、いくつかの実施形態では、制御システム1104を通してユーザによって制御される。いくつかの実施形態では、制御システム1104は、図29に関連してより詳細に上記に検討されたように、ボイスモジュール1362から選択されてもよくそれによって再生されてもよい複数の記憶された音または予め録音された音を含む。いくつかの実施形態では、ユーザまたは教師が、制御システムに連結されたマイクロホンまたは他の音通信装置内に話をし、教師の言葉または音がボイスモジュール1362から発せられるように、制御システム1104はボイスモジュール1362と通信する。いくつかの実施形態では、ユーザまたは教師の入力が、音声増幅器またはサウンドボードを使用して状態調節されて、ボイスモジュール1362から発せられた声の音を変えてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、入力音を状態調節して、しわがれ声の患者、気道が閉鎖された患者、または、患者の他の精神的または物理的な病状をシミュレートする。前述に関連して、教師は、所望の効果に基づいて様々なタイプの音声状態調節を選択的に起動してもよい。ボイスモジュール1362および対応するボイスシミュレーションが、いくつかの実施形態では、全般的な医療シナリオシミュレーションの一部として使用される。
患者シミュレータ1350はまた、心音モジュール1364も含む。心音モジュール1364は、患者の心臓の自然の音をシミュレートするために音を発するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、心音モジュール1364の音は、患者の心拍数および心調律(たとえば、洞、心房性頻脈、多源性心房性頻拍、心房粗動、心房性細動、接合部、心室固有、心室性頻拍(単数)、心室性頻拍(複数)、上室性頻拍症、心室粗動、心室細動、死戦期、収縮不全、左脚ブロック、右脚ブロック、第1度AVB、第2度AVB(タイプI)、第2度AVB(タイプII)、第3度AVB、Q波心筋梗塞、ST上昇、ST低下、T波逆転、心房ペーシング、房室順次ペーシング、心室ペースメーカ(人工)、および/または、他の心調律)をシミュレートするために、1若しくはそれ以上の音を含む。さらに、心音は、正常であっても、遠位であっても、存在しなくてもよく、収縮期雑音、S3および/またはS4を含んでもよい。制御システム1104および/または制御システムを使用するユーザは、いくつかの実施形態では、どのような心音が生成されるか、且つ、どのような速度で音が生成されるかを決定する。心音モジュール1364によって生成される音は、いくつかの例では、聴診器の使用を経由して、検出可能である。いくつかの実施形態では、心音モジュール1364の少なくとも一部たとえばスピーカ等が、本物の心臓があるであろうシミュレータ1350内に位置決めされる。
患者シミュレータ1350はまた、肺音モジュール1366、1368、1370、および1372も含む。特に、肺音モジュール1366を使用して、シミュレータ1350の前部へ向かう右上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1368を使用して、シミュレータの前部へ向かう左上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1370を使用して、シミュレータの背部へ向かう左上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1372を使用して、シミュレータの背部へ向かう右上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1366、1368、1370、および1372の各々は、患者の肺の自然の音をシミュレートするために音を生成するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、肺音モジュール1366、1368、1370、および1372は、いくつかの実施形態では、下記の肺音の1若しくはそれ以上を生成するように構成される:正常、なし、喘鳴、吸気キーキー音、パチパチ音、レール、および/または、他の肺音。さらに、肺音モジュール1366、1368、1370、および1372の組み合わせを使用して、呼吸パターンをシミュレートし、これらに限定されるものではないが、正常、クスマウル、チェーン・ストークス、ビオー、持続性吸息、および/または、他の呼吸パターンを含む。また、肺音モジュール1366、1368、1370、および1372の組み合わせを使用して、患者の呼吸速度をシミュレートする。前述に関連して、呼吸速度は、一定の速度に設定されてもよく、且つ/または、時間とともに変化するように設定されてもよい。
患者シミュレータ1350はまた、開放モジュール1374および閉鎖モジュール1376も含む。開放および閉鎖モジュール1374および1376は、患者のシミュレートされた眼のまばたきを制御するように構成される。特に、開放モジュール1374を使用して、シミュレータのまぶたを開け、閉鎖モジュール1376を使用して、まぶたを閉じる。従って、まぶたが開いていると、閉鎖モジュール1376が起動され、次いで、開放モジュール1374が起動されて、患者のまばたきをシミュレートする。まばたきの割合、パターンおよびスピードは、いくつかの例では、制御システム1104によって制御される。いくつかの例では、まばたきの割合は、1分当たり5回から1分当たり30回の範囲である。他の実施形態では、これの外部の範囲が使用される。さらに、眼は、開位置または閉位置に維持されることができる。まばたきのスピードも同様に、制御することができる。いくつかの例では、開から閉へ開への各まばたきの経過時間またはスピードは、およそ200msである(たとえば、閉じるのにおよそ100ms、再度開けるのにおよそ100ms)。しかし、まばたきのスピードは、いくつかの実施形態では、所望のように、増加または減少することができる。
患者シミュレータ1350はまた、右肺弁1378、左肺弁1380、および呼吸弁1382も含む。右肺弁1378、左肺弁1380、および呼吸弁1382は一緒に、シミュレータ1350の肺内に入る空気およびそれから出る空気の流れを制御する。前述に関連して、弁1378、1380、および1382の各々は、空気弁を有する。いくつかの実施形態では、呼吸弁1382を使用して、シミュレータ1350の呼吸速度を制御する。前述に関連して、呼吸弁1382は、肺が所望の速度で膨張し収縮するために、開閉する。右肺弁1378および左肺弁1380を使用して、それぞれ、右および/または左の肺を選択的に無効にする。従って、いくつかの実施形態では、右肺弁1378が開いているときには、空気が呼吸弁から右肺内に流れることができないように、3方向エアパイロット弁を閉じる。そのような例において、空気は、呼吸弁から左肺内のみに流れる。左肺弁1380は、いくつかの実施形態では、同様のやり方で作動する。肺の無効化、呼吸速度、呼吸パターン、吸気速度、および/または、左または右の肺の無効化等の要因は、マスターモジュール1352を経由して制御システム1104から受け取った信号に基づいて、弁1378、1380、および1382によって制御される。
患者シミュレータ1350はまた、ECGモジュール1384またはリズムエミュレータも含む。ECGモジュールは、シミュレータ1350の心臓の電気活動をシミュレートする電気信号を発するように構成される。いくつかの実施形態では、ECGモジュールは、12リードECG信号がユーザに利用可能であるように、12リードの各々に関連した信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、ECGモジュール1300は、心臓の様々な部分における心筋梗塞の存在をシミュレートする信号を発するように構成される。いくつかの実施形態では、心筋梗塞の位置は、制御システム1104を経由して選択される。従って、ECGモジュールを使用して、ECGを経由して識別可能な心臓発作および/または関連症状の発現を識別するようにユーザを訓練する。ECGモジュールの電気信号は、標準ECG機器によって検出可能である。
患者シミュレータ1350はまた、シミュレータの左腕用のK音モジュール1386およびシミュレータの右腕用のK音モジュール1388も含む。K音モジュール1386および1388の各々は、シミュレートされたK音(コロトコフ音)を生成するように構成される。前述に関連して、いくつかの実施形態では、K音モジュール1386および1388を使用して、ユーザが患者シミュレータ1350の血圧を測ることを可能にする。従って、モジュール1386および1388によって生成されるK音は、シミュレートされた心拍数および血圧に基づいて決定される。いくつかの例では、患者シミュレータ1350の心拍数および血圧は、制御システム1104を経由して、ユーザまたは教師によって提供される。
患者シミュレータはまた、瞳孔拡張モジュール1390も含む。瞳孔拡張モジュール1390は、シミュレータの眼の瞳孔の拡張を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、シミュレータの眼の各々の瞳孔の拡張は、少なくとも部分的に、眼内に位置決めされた光学センサによって受け取られた光の量に基づいて、制御される。さらに、瞳孔の最大サイズおよび/または瞳孔の変化または拡張の速度は、いくつかの例では、制御システム1104によって制御される。いくつかの例では、瞳孔拡張のパラメータは、特定の病状をシミュレートするように選択される。
患者シミュレータ1350はまた、圧縮モジュール1392も含む。圧縮モジュール1392は、シミュレータ1350に加えられる胸部圧迫の力をモニタするように構成される。前述に関連して、圧縮モジュール1392は、加えられた圧力をモニタし、その圧力に基づいて、圧力が高すぎるか、低すぎるか、または、所望の範囲内であるかを決定するように構成される。圧縮モジュール1392はマスターモジュール1352と通信して、正しい圧力が加えられているか否かの決定を制御システム1104に中継する。いくつかの実施形態では、シミュレータ1350は、正しい圧力が加えられているか否かに基づいて、回復またはさらなる合併症に向かう。たとえば、胸部圧迫が圧力の所望の範囲内である場合には、患者シミュレータは、回復の兆候を示してもよい。他方、胸部圧迫が圧力の所望の範囲外である場合には、患者シミュレータは、さらなる問題または症状を発現することもあり、且つ/または、現在の症状からシミュレータが回復するのをさらに困難にすることもある。
患者シミュレータ1350はまた、左足拍動モジュール1394および右足拍動モジュール1396も含む。左右の足拍動モジュール1394、1396は、シミュレータ1350の足拍動をシミュレートするように構成される。前述に関連して、いくつかの実施形態では、足拍動モジュール1394、1396は、足拍動をシミュレートするように構成された電気モジュールである。他の実施形態では、足拍動モジュール1394、1396は、足拍動をシミュレートするように構成された空気モジュールである。患者シミュレータ1350はまた、右橈骨動脈拍動モジュール1398および左橈骨動脈拍動1400も含む。左右の橈骨動脈拍動モジュール1398、1400は、シミュレータ1350の橈骨動脈拍動をシミュレートするための空気モジュールである。
患者シミュレータ1350はまた、挿管モジュール1402も含む。挿管モジュール1402は、患者シミュレータ1350の挿管をモニタするように構成される。前述に関連して、患者シミュレータ1350用の適切な挿管の深さは、患者シミュレータのサイズおよび/または年齢に依存する。従って、シミュレータがおよそ5歳のサイズである本実施形態において、挿管モジュール1402は、5歳用の適切な挿管の深さを決定するように構成される。いくつかの実施形態では、挿管モジュール1334は、光学センサを使用して、患者シミュレータ1350の気管内の挿管チューブの深さをモニタする。いくつかの実施形態では、挿管モジュール1334は、互いに間隔をおいて配置された一対の光学センサを使用して、挿管深さの受容可能な範囲を定義する。第1の光学センサを使用して、深さの受容可能な範囲の開始に到達したときに挿管チューブの存在を検出する。第2の光学センサを使用して、挿管チューブが受容可能な範囲を越えて進んだときを検出する。
患者シミュレータ1350はまた、換気モジュール1404も含む。換気モジュール1404は、シミュレータ1350に加えられた換気装置の使用をモニタするように構成される。換気装置は、いくつかの例では、バッグバルブマスクである。他の例では、換気装置は、マウス・ツー・マウス蘇生等では、ユーザの口である。換気モジュール1404は、換気装置によって加えられた圧力をモニタし、その圧力に基づいて、圧力が高すぎるか、低すぎるか、または、所望の範囲内であるかを決定するように構成される。換気モジュール1404はマスターモジュール1352と通信して、正しい圧力が加えられているか否かの決定を制御システム1104に中継する。いくつかの実施形態では、シミュレータ1350は、正しい圧力が加えられているか否かに基づいて、回復またはさらなる合併症に向かう。たとえば、換気が圧力の所望の範囲内である場合には、患者シミュレータは、回復の兆候を示してもよい。他方、換気が圧力の所望の範囲外である場合には、患者シミュレータは、さらなる問題または症状を発現することもあり、且つ/または、現在の症状からシミュレータが回復するのをさらに困難にすることもある。
患者シミュレータ1350はまた、色変化モジュール1406も含む。色変化モジュール1406は、シミュレータ1350の唇のまわりの色変化を制御するように構成される。色変化モジュール1406を使用して、いくつかの実施形態では、患者シミュレータ1350のチアノーゼをシミュレートする。従って、色変化モジュール1406は、患者シミュレータ1350の異なるレベルのチアノーゼをシミュレートするように構成される。前述に関連して、チアノーゼの程度は、いくつかの実施形態では、制御システム1104および/または制御システム1104のユーザによって、決定される。チアノーゼの程度は、与えられる治療の有効性を初めとする様々なパラメータに基づいて、増加し且つ/または減少する傾向があってもよい。いくつかの実施形態では、この傾向は、制御システム1104を経由して、手動で制御される。他の実施形態では、この傾向は、少なくとも部分的に、制御システム1104の生理的シミュレータソフトウェアアプリケーションによって制御される。
患者シミュレータ1350はまた、右血圧カフモジュール1408および左血圧カフモジュール1410も含む。左右の血圧カフモジュール1408および1410は、ユーザが、患者シミュレータ1350のシミュレートされた血圧を測ること可能にするように構成された圧力モジュールである。血圧カフモジュール1408および1410は、いくつかの実施形態では、標準血圧モニタとともに使用されるように構成される。
いくつかの実施形態において、患者シミュレータ1350はまた、シミュレータ1350のコンプレッサを制御するためのコンプレッサモジュール1412も含む。一般に、コンプレッサを使用して、シミュレータ1350の様々な空気圧装置およびモジュールへ圧縮空気供給を提供する。たとえば、いくつかの実施形態では、コンプレッサを使用して、肺、脈、収縮、腹圧、発作、眼拡張、まばたき、および/または、患者シミュレータ1350の他の態様をシミュレートするためのモジュールに空気を提供する。いくつかの実施形態では、コンプレッサは、1若しくはそれ以上の空気溜またはアキュムレータへ圧縮空気を提供し、それらは次いで、シミュレータ1350の様々な空気モジュールへ接続される。前述に関連して、空気溜は、異なる空気モジュールがその用途のために適切な空気圧で空気溜に接続されるように、異なる空気圧を維持してもよい。いくつかの例では、コンプレッサを使用する患者シミュレータ1350の空気モジュールは、比較的低い空気圧で、たとえば、いくつかの実施形態では10psi未満で、他の実施形態では5psi未満で、走行するように構成される。いくつかの例では、シミュレータ1350は、2つのアキュムレータを含み、アキュムレータの一方はおよそ5psiの空気圧を維持し、他方のアキュムレータはおよそ1psiの空気圧を維持する。他の実施形態では、アキュムレータは他の空気圧を維持する。しかし、一般に、患者シミュレータ1350およびその関連構成要素は、低圧で作動するように構成され、これは、高圧システムが連結されたシミュレータ内に水が導入されるのを防止するのを助ける。高圧システムを使用することから生じることであるがシミュレータ内に水が導入されると、シミュレータへ損傷を与える可能性があり、メンテナンス費用を上げ、シミュレータ内の水を除去するか水の量を制限するために追加構成要素を必要とする。
さらに、コンプレッサは、いくつかの実施形態では、シミュレータ1350内に完全に嵌るようにサイズが設定される。前述に関連して、コンプレッサは、シミュレータ1350の他のシミュレーション態様に、特に、可聴式シミュレーション態様に、干渉しないように、静かに作動する。従って、いくつかの例では、消音システムを使用して、コンプレッサによって生成される雑音を最小限にする。消音システムは、いくつかの実施形態では、コンプレッサの入力側、出力側、および/または、両側に使用される。さらに、コンプレッサは、いくつかの例では、自冷式である。1つのそのような実施形態において、コンプレッサは、少なくともコンプレッサモータを取り囲む複数の金属パイプを含み、それを通って吸気が進む。金属パイプを通って進む吸気は、コンプレッサによって生成される熱を消散する助けをする。従って、コンプレッサは、シミュレータの他のシミュレーション態様を過熱したり乱したりすることなく、完全にシミュレータ1350内で作動することができる。これによって、シミュレータ1350は、騒々しい外部の高圧コンプレッサに取り付けられることなく完全に機能することができる。
シミュレータ1350の様々なモジュールの各々は、電源線、アース線、および/または、両方向通信ワイヤを経由して、マスターモジュール1252に接続される。従って、マスターモジュール1252を使用して、いくつかの実施形態では、モジュールの起動、起動停止、および電力消費を制御する。いくつかの実施形態では、マスターモジュール1252は、制御システム1104のソフトウェアプログラムを経由して、制御されるか、または、方向付けられる。いくつかの実施形態では、マスターモジュール1252は、1若しくはそれ以上のモジュールにワイヤレス通信される。いくつかの実施形態では、モジュール自体が、通信ワイヤまたは追加通信ワイヤを経由して、相互接続される。前述に関連して、いくつかの例では、モジュールのサブセット用のマスターモジュールとして作用するマスターモジュールはない。
上述のように、シミュレータ1102、1250、および1350の各々は、各々がシミュレータの様々な機能を実行するように適合された複数のモジュールを有する。いくつかの実施形態では、異なるモジュールが、異なる目的用にプログラムされた類似モジュールである。前述に関連して、いくつかの例では、複数のモジュールが、基部モジュールの共通セットから派生する。いくつかの例では、基部モジュールは、マスターモジュール、インターフェースモジュール、空気モジュール、オーディオモジュール、センサモジュール、およびドライバモジュールを含む。これらの様々な基部モジュールは、ここに述べられたように、シミュレータおよびモジュールの様々な特定の目的用に適合されるかまたはプログラムされる。前述に関連して、モジュールは、シミュレータの所望の機能または意図された機能用に作られており、ここに具体的に記載されていないモジュールを含んでもよいことに留意すべきである。これらの基部モジュールは、次により詳細に述べられる。
次に、図32を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータに使用されるためのマスターモジュール1420の概略図が示されている。いくつかの例では、マスターモジュール1420は、上述のシミュレータのマスターモジュール1106、1252、および/または、1352として使用される。前述に関連して、マスターモジュール1420は、シミュレータおよび制御システムの様々なモジュールと相互作用するように構成される。具体的には、マスターモジュール1420は、様々なモジュールを一緒に連結し、様々なモジュールの間に且つモジュールと制御システムとの間に、情報および信号を転送する。前述に関連して、マスターモジュール1420は、制御システムからコマンドを受け取り且つこれらのコマンドをモジュールへ中継するように構成される。いくつかの例では、マスターモジュール1420と制御システムとの間の通信は、制御システムのコマンドがほぼリアルタイムで且つオンデマンドで実行されるように、100ms以下で達成される。マスターモジュール1420は、モジュールからの情報を受け取り且つ/またはモジュールをモニタし、その情報を制御システムへ中継するように構成される。前述に関連して、マスターモジュール1420は、センサモジュールのいくつかを絶えずモニタし且つ/または読み取る。モニタリングおよび/または読取の頻度は、モニタされている特定の機能によって決定される。モジュールのいくつかは、1秒間に何回もモニタされ、一方、他のモジュールは、それほど頻繁にはモニタされない。モジュールをモニタすることは、モジュールからセンサデータ(たとえば、圧縮または換気の量)、および、モジュールに関する一般情報(たとえば、オン/オフ、接続された、または、接続されていない、等)を得ることを含む。シミュレータ内のモジュールの状態および/または存在を含む一般情報は、いくつかの実施形態では、制御システムを経由して、ユーザに利用可能である。前述に関連して、シミュレータのモジュールは、いくつかの例では、制御システムを経由して、起動され起動停止される。
図32に示されるように、マスターモジュール1420は、入力装置1422を含む。入力装置1422は、電力供給入力装置1424およびアース1426を含む。いくつかの実施形態では、電力供給入力装置1424は、シミュレータ内に位置する電池から電力を受け取るように構成される。従って、電力供給入力装置1424は、そのような実施形態では、直流電力を受け取るように構成される。他の実施形態では、電力供給入力装置1424は、たとえば壁コンセント等から、交流電力を受け取るように構成される。マスターモジュール1420はまた、電力供給入力装置1424から受け取られる電力を調整する低電圧レギュレータ1428も含む。マスターモジュール1420はまた、出力装置1430も含む。出力装置1430を使用して、マスターモジュール1420をシミュレータの他のモジュールに接続する。上記に検討されたように、マスターモジュール1420と他のモジュールとの間の接続は、電力供給装置、アース、および/または、両方向通信ケーブルを含む。従って、出力装置1430は、電力出力装置1432、アース1434、および通信出力装置1436を含む。マスターモジュール1420はまた、様々な情報リクエスト、データ転送、および、マスターモジュールによって実行される他の機能を処理するためのプロセッサ1438を含む。最後に、マスターモジュール1420は、通信装置1440を含む。本実施形態において、通信装置1440は、RFモジュールを有する。他の実施形態では、通信装置1440は、ワイヤレスおよびワイヤ両方の通信システムを含む制御システムとの通信を容易にする他の任意のタイプの通信モジュールであってもよい。
次に、図33を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータシステムに使用されるための通信モジュール1450の概略図が示されている。通信モジュール1450は、いくつかの実施形態では、マスターモジュール1420の通信装置1440と通信するように構成される。前述に関連して、通信装置1440は、制御システムの一部としてまたはそれに対するリンクとして使用されるように構成される。本実施形態では、通信装置1440は、マスターモジュール1420のRFモジュールに通信するためのRFモジュール1452を含む。通信装置1440はまた、プロセッサ1454および出力装置1456も含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ1454は、RFモジュール1452を経由して受け取られた信号を、出力装置1456からの送信用の出力フォームに変換する。本実施形態では、出力装置1456は、制御システムのコンピュータシステムに接続されるかまたは接続されてもよいUSBコネクタである。
次に、図34を参照すると、本開示の別の実施形態による患者シミュレータシステムに使用されるための通信モジュール1460の概略図が示されている。通信モジュール1460は、いくつかの実施形態では、シミュレータのマスターモジュール1462と通信するように構成される。前述に関連して、通信装置1460は、制御システムの一部としてまたはそれに対するリンクとして使用されるように構成される。本実施形態では、通信装置1460は、ライン1464、1466、および1468を経由してマスターモジュール1462に配線で接続される。本実施形態では、通信装置1460は、制御システムのコンピュータシステムに接続されるかまたは接続されてもよいUSB出力コネクタを提供する。
次に、図35を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータシステムに使用されるための空気モジュール1470の概略図が示されている。空気モジュール1470は、入力装置1472を含む。入力装置1472は、空気モジュール1470を、たとえばマスターモジュール1420等のマスターモジュールに接続するように構成される。前述に関連して、入力装置1472は、電力供給入力装置1474、アース1476、および通信入力装置1478を含む。従って、入力装置1472は、マスターモジュール1420の出力装置1430と通信する。通信入力装置1478はまたは、空気モジュール1470とマスターモジュール1420との間の両方向通信用の通信出力装置としても作用する。空気モジュール1470はまた、電圧レギュレータ1480およびプロセッサ1482も含む。プロセッサ1482は、空気モジュール1470の特定の機能に依存して異なってプログラムされる。たとえば、いくつかの例では、空気モジュール1470は、呼吸弁モジュール、肺弁モジュール、喉頭モジュール、咽頭モジュール、気胸モジュール、気胸解放モジュール、舌部モジュール、腕運動モジュール、赤ん坊解放モジュール、眼まばたきモジュール、眼閉鎖モジュール、動向拡張モジュール、発作モジュール、脈モジュール、色変化モジュール、腹弁モジュール、および/または、シミュレータに使用される他のモジュールとして作用するように構成される。プロセッサ1482のプログラミングおよびマスターモジュール1420から受け取った信号に依存して、空気モジュール1470の出力装置1484が、関連弁を開放させるか、または、閉鎖させる。
次に、図36を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータに使用されるためのオーディオモジュール1490の概略図が示されている。オーディオモジュール1490は、入力装置1492を含む。入力装置1492は、オーディオモジュール1490を、マスターモジュール1420等のマスターモジュールに接続するように構成される。前述に関連して、入力装置1492は、電力供給入力装置1494、アース1496、および通信入力装置1498を含む。従って、入力装置1492は、マスターモジュール1420の出力装置1430と通信する。通信入力装置1498は、いくつかの実施形態では、オーディオモジュール1490とマスターモジュール1420との間の両方向通信用の通信出力装置としても作用する。オーディオモジュール1490は、電圧レギュレータ1500および電圧レギュレータ1502を含む。電圧レギュレータ1502は、増幅器1504へ電力を供給するように構成され、それは、オーディオ出力装置またはスピーカ1506を駆動する。オーディオモジュール1490はまた、オーディオチップ1508およびプロセッサ1510も含む。オーディオチップ1508および/またはプロセッサ1510は、オーディオモジュール1490の特定の機能に依存して、異なってプログラムされる。たとえば、いくつかの例では、オーディオモジュール1490は、肺音モジュール、心音モジュール、K音モジュール、ボイスモジュール、子宮音モジュール、および/または、シミュレータに使用される他の音モジュールとして作用するように構成される。オーディオチップ1508および/またはプロセッサ1510は、オーディオモジュール1490の特定の機能用に構成される。いくつかの実施形態では、オーディオモジュール1490は、複数の予め録音された音を含むオーディオチップ1508またはプロセッサ1510が接続されたメモリを含む。オーディオモジュール1470は、そのような実施形態では、予め録音された音を選択的に再生する。いくつかの実施形態では、予め録音された音を再生することは、少なくとも一部には、マスターモジュール1420を経由して、制御システムから受け取った信号によって決定される。
次に、図37を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータに使用されるための検知モジュール1520の概略図が示されている。検知モジュール1520は、入力装置1522を含む。入力装置1522は、検知モジュール1520を、マスターモジュール1420等のマスターモジュールに接続するように構成される。前述に関連して、入力装置1522は、電力供給入力装置1524、アース1526、および通信入力装置1528を含む。従って、入力装置1522は、マスターモジュール1420の出力装置1430と通信する。通信入力装置1528はまた、いくつかの実施形態では、検知モジュール1520とマスターモジュール1420との間の両方向通信用の通信出力装置としても作用する。検知モジュール1520は、電圧レギュレータ1530およびプロセッサ1532を含む。いくつかの例では、電圧レギュレータ1530は、増幅器1534へ電力を供給するように構成される。増幅器1534を使用して、いくつかの実施形態では、センサ1536から受け取った信号を増幅する。他の実施形態では、増幅器1534を使用して、センサ1536を駆動する。センサ1536を使用して、シミュレータの様々な機能に関連したパラメータをモニタする。従って、いくつかの実施形態では、センサ1536は、力センサ、負荷センサ、位置センサ、光学センサ、温度センサ、pHセンサ、および/または、シミュレータに使用されるための他のセンサである。前述に関連して、増幅器1534および/またはプロセッサ1532は、検知モジュール1520の特定の機能に依存して異なってプログラムされる。たとえば、いくつかの例では、検知モジュール1520は、呼吸弁モジュール、血圧モジュール、コンプレッサモジュール、換気モジュール、圧縮モジュール、ロードセルモジュール、脈モジュール、他の検知モジュール、および/または、シミュレータに使用されるための部分として作用するように構成される。
次に、図38を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータに使用されるための検知ドライバモジュール1521の概略図が示されている。いくつかの態様において、検知ドライバモジュール1521は、図37に関連して上述された検知モジュール1520に類似する。しかし、検知モジュール1520の検知態様に加えて、検知ドライバモジュール1521は、ドライバ1538を含む。前述に関連して、検知ドライバモジュール1521は、モジュールの検知されたパラメータに基づいて、装置を駆動または起動するように構成される。たとえば、本実施形態において、ドライバ1538は、シミュレータのコンプレッサを駆動するように構成される。前述に関連して、検知ドライバモジュール1521を使用して、コンプレッサによって供給された溜内の所望の空気圧を維持してもよい。従って、センサ1536を使用して、溜内の圧力をモニタし、検知された圧力に基づいてドライバ1538を起動して溜内の圧力を、所望の圧力に調整することができる。前述に関連して、ドライバ1538は、圧力を上げるためにコンプレッサを起動するための第1の出力装置1540、および、圧力を下げるための第2の出力装置1542を含む。他の実施形態では、ドライバ1538は、コンプレッサ以外の装置を駆動し、機械的アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、電気アクチュエータ、および/または、シミュレータの他の構成要素を含む。前述に関連して、検知ドライバモジュール1520は、呼吸弁モジュール、血圧モジュール、コンプレッサモジュール、換気モジュール、圧縮モジュール、ロードセルモジュール、脈モジュール、他の検知ドライバモジュール、および/または、シミュレータに使用されるための部分として作用するように構成される。
次に、図39を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータに使用されるためのECGモジュール1550の概略図が示されている。ECGモジュール1550は、入力装置1552を含む。入力装置1552は、ECGモジュール1550を、マスターモジュール1420等のマスターモジュールに接続するように構成される。前述に関連して、入力装置1552は、電力供給入力装置1554、アース1556、および通信入力装置1558を含む。従って、入力装置1552は、マスターモジュール1420の出力装置1430と通信する。通信入力装置1558はまた、いくつかの実施形態では、ECGモジュール1550とマスターモジュール1420との間の両方向通信用の通信出力装置としても作用する。ECGモジュール1550は、電圧レギュレータ1560およびプロセッサ1562を含む。ECGモジュール1550は、シミュレータの心臓の電気活動をシミュレートする電気信号を発するように構成される。いくつかの実施形態では、ECGモジュールは、12リードECG信号がシミュレータによって提供されるように、12リードの各々に関連した信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、ECGモジュールは、心臓の様々な部分における心筋梗塞の存在をミュレートする信号を発するように構成される。いくつかの実施形態では、心筋梗塞の位置は、制御システムを経由して選択される。プロセッサ1562は、所望のECGシミュレーションの各々を実行するようにプログラムされる。ECGモジュールを使用して、ECGを経由して識別可能な心臓発作および/または関連症状の発現を識別するようにユーザを訓練する。ECGモジュールの電気信号は、標準ECG機器によって検出可能である。いくつかの実施形態では、ECGモジュールの電気信号は、アナログ信号である。ECGモジュール1550はまた、入力/出力コネクタ1564も含む。入力/出力コネクタ1564は、ECGモジュール1550を、下記図40に関連して記載されるペースメーカ/除細動(defib)モジュール1580等のペースメーカ/除細動モジュールに接続する。一般に、入力/出力コネクタ1564は、ペースメーカ/除細動モジュール1580からペースメーカ情報1566および除細動情報1568を受け取り且つECGデータまたは信号1570をペースメーカ/除細動モジュールへ出力するように構成される。
次に、図40を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータに使用されるためのペースメーカ/除細動モジュール1580の概略図が示されている。ペースメーカ/除細動モジュール1580は、同一場所から、外部ペーシングおよび除細動を可能にするように構成される。ペースメーカ/除細動モジュール1580は、入力/出力コネクタ1582を含む。入力/出力コネクタ1564は、ペースメーカ情報1566および除細動情報1568をECGモジュール1550へ送り且つECGモジュールからECGデータまたは信号1570を受け取るように構成される。ペースメーカ/除細動モジュール1580は、患者の自然な抵抗をシミュレートするように構成される。そのためには、ペースメーカ/除細動モジュール1580は、患者の抵抗をシミュレートするようにサイズが設定されたレジスタ1584を含む。前述に関連して、レジスタ1584の抵抗は、シミュレータのサイズ、年齢および/または他の特徴に依存して、変動してもよい。ペースメーカ/除細動モジュール1580はまた、ペースメーカ/除細動モジュール1580によって作られたアナログ信号を状態調整するための回路1586も含む。
次に、図41を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータシステムに使用されるためのモータドライバモジュール1590の概略図が示されている。モータドライバモジュール1590は、入力装置1592を含む。入力装置1592は、モータドライバモジュール1590を、マスターモジュール1420等のマスターモジュールに接続するように構成される。前述に関連して、入力装置1592は、電力供給入力装置1594、アース1596、および通信入力装置1598を含む。従って、入力装置1592は、マスターモジュール1420の出力装置1430と通信する。通信入力装置1598は、いくつかの実施形態では、モータドライバモジュール1590とマスターモジュール1420との間の両方向通信用の通信出力装置としても作用する。モータドライバモジュール1590は、電圧レギュレータ1600およびプロセッサ1602を含む。プロセッサ1602は、ドライバ1604および1606を制御するようにプログラムされる。ドライバ1604および1606は、モータを作動するように構成される。前述に関連して、ドライバ1604および1606は、平行移動、回転、および振動に使用されるためにモータを駆動するように構成される。従って、いくつかの実施形態では、モータドライバモジュール1590は、送出モジュール、回転モジュール、発作モジュール、振動モジュール、および/または、シミュレータのモータが連結された他のモジュールとして使用されるように構成される。
次に、図42を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータシステムに使用されるための挿管モジュール1610の概略図が示されている。挿管モジュール1610は、入力装置1612を含む。入力装置1612は、挿管モジュール1610を、マスターモジュール1420等のマスターモジュールに接続するように構成される。前述に関連して、入力装置1612は、電力供給入力装置1614、アース1616、および通信入力装置1618を含む。従って、入力装置1612は、マスターモジュール1420の出力装置1430と通信する。通信入力装置1618はまた、いくつかの実施形態では、挿管モジュール1610とマスターモジュール1420との間の両方向通信用の通信出力装置としても作用する。挿管モジュール1610は、電圧レギュレータ1620およびプロセッサ1622を含む。挿管モジュール1610は、患者シミュレータの挿管をモニタするように構成される。前述に関連して、患者シミュレータ用の適切な挿管の深さは、患者シミュレータのサイズおよび/または年齢に依存する。従って、本実施形態では、挿管モジュール1610は、赤ん坊における挿管をモニタするための第1の対の光学センサ1624および1626と、成人における挿管をモニタするための第2の対の光学センサ1628および1630と、を含む。他の実施形態では、他の年齢のシミュレータが説明される。一対の光学センサのみが起動される。起動される対は、挿管モジュール1610が使用されているシミュレータのサイズに基づいて、選択される。他の実施形態では、挿管モジュール1610は、患者シミュレータのサイズおよび/または年齢用に適切に間隔をおいた単一対の光学センサのみを含む。挿管モジュール1610は、光学センサを使用して、患者シミュレータの気管内の挿管チューブの深さをモニタする。前述に関連して、光学センサ1624および1628を使用して、深さの受容可能な範囲の開始または最小に到達したときに挿管チューブの存在を検出する。光学センサ1626および1630を使用して、挿管チューブが挿管深さの最大の受容可能な範囲を越えて進んだときを検出する。
次に、図43を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータに使用されるための膨張/収縮モジュール1640の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、膨張/収縮モジュール1640を使用して、妊娠した母体の腹部をシミュレートする。膨張/収縮モジュール1640は、入力装置1642を含む。入力装置1642は、膨張/収縮モジュール1640を、マスターモジュール1420等のマスターモジュールに接続するように構成される。前述に関連して、入力装置1642は、電力供給入力装置1644、アース1646、および通信入力装置1648を含む。従って、入力装置1642は、マスターモジュール1420の出力装置1430と通信する。通信入力装置1648はまた、いくつかの実施形態では、膨張/収縮モジュール1640とマスターモジュール1420との間の両方向通信用の通信出力装置としても作用する。膨張/収縮モジュール1640は、圧力検知モジュール1650、膨張モジュール1652、および収縮モジュール1654を含む。膨張および収縮モジュール1652および1654は、いくつかの実施形態では、空気弁を有する。膨張/収縮モジュール1640は、圧力検知モジュール1650を使用してシミュレータの溜内の圧力をモニタし、次いで、膨張および収縮モジュール1652および1654を使用して圧力を所望の圧力へ調整するように構成される。
次に、図44を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータシステム1700の概略図が示されている。患者シミュレータシステム1700は、患者シミュレータ1702および制御システム1104を含む。制御システム1104は、図29に関連して上述された制御システムに実質的に類似してもよい。患者シミュレータ1702は、シミュレータの様々な機能を実行するために複数のモジュールを含む。いくつかの実施形態では、モジュールの各々は、シミュレータ1702の特定の機能または一群の機能を制御する。前述に関連して、モジュールは、シミュレータ1702の様々な部分内に位置決めするために、適切にサイズが設定される。いくつかの実施形態では、モジュールは、モジュールの特定の機能にまたはシミュレータの関連本体部分に関連したシミュレータ1702の領域または区域に隣接して、シミュレータ中にわたって位置決めされる。従って、モジュールは、単一のマザーボードに集められるのではなく、シミュレータ中にわたって分布される。いくつかの実施形態では、モジュールの各々は、マスターモジュール1706と通信する。いくつかの実施形態では、マスターモジュール1706は、モジュールへ送出される電力を提供し制御し、且つ、モジュールとのおよびモジュールの中での通信を容易にするように構成される。
本実施形態において、患者シミュレータ1702は、制御システム1104とワイヤレス通信して示されている。前述に関連して、患者シミュレータ1702は、ワイヤレス通信モジュール1708およびアンテナ1710を含む。ワイヤレス通信モジュール1708およびアンテナ1710は、制御システム1104のアンテナ1112およびワイヤレス通信モジュール1114と通信する。本実施形態において、ワイヤレス通信モジュール1114はコンピュータシステム1116に接続されるか、コンピュータシステム1116と通信する。前述に関連して、コンピュータシステム1116は、いくつかの例では、ラップトップまたはタブレット型パソコンである。一般に、コンピュータシステム1116または制御システム1104は、全体として、マスターモジュール1706を通して患者シミュレータ1702の様々な要因および/または機能を制御するかまたは定義することができるハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせである。
本開示に従って、様々なモジュールが組み合わされて、顧客またはユーザによって所望のように特定の特徴部を備えたシミュレータを作ってもよい。このようにして、患者シミュレータ1702に含まれるモジュールのいくつかまたはすべてが、シミュレータの意図された使用に基づいて、選択されてもよい。モジュールの性質によって、顧客が当初所望する組み合わせ特徴をシミュレータ1702が含むことを可能にするが、顧客が、追加特徴を加えたり、含まれた特徴を後に無効にしたりすることも可能にする。シミュレータ1702に使用するために利用可能なモジュールの1つの特定の組み合わせが、次に述べられる。しかし、それによって、限定することは意図されない。前述に関連して、本開示による患者シミュレータは、モジュールの追加の組み合わせ、より少ない組み合わせ、または、他の組み合わせを含んでもよいことが理解される。モジュールの様々な組み合わせは、異なるタイプの患者シミュレータに使用されるのに特に適している。従って、いくつかの実施形態では、完成したシミュレータの所望の特徴を有するモジュールを組み合わせることによって、患者シミュレータシステムが作られる。いくつかの例では、モジュールが所望のように加えられるかまたは取り除かれてもよいように、シミュレータ1702のマスターモジュール1706とのプラグ&プレイ用に構成される。同様に、いくつかの実施形態では、制御システム1104は、ユーザによって所望のようにシミュレータ1702内のモジュールを起動するかまたは起動停止するように構成される。いくつかの実施形態では、制御システム1104は、シミュレータに存在するモジュール、シミュレータとともに使用されるのに利用可能であるがシミュレータに存在しないモジュール、および/または、存在するモジュールの状態(起動しているか否か)に関するデータを提供するように構成される。
患者シミュレータ1702は、ボイスモジュール1724を含む。ボイスモジュール1724は、マスターモジュール1706と通信し、当該マスターモジュール1706は、制御システム1104と通信する。ボイスモジュール1724は、患者の声をシミュレートする音を発するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、ボイスモジュール1724によって発せられた特定の音は、いくつかの実施形態では、制御システム1104を通してユーザによって制御される。いくつかの実施形態では、制御システム1104は、ボイスモジュール1724から選択されてもよくそれによって再生されてもよい複数の記憶された音または予め録音された音を含む。
いくつかの実施形態において、音は、医療関係者が患者に尋ねるような質問に対する様々な答えおよび/または患者が発するであろう音の1若しくはそれ以上を含む。たとえば、答えは、様々な病状(たとえば、「足首を骨折した」、「腕を骨折した」、「トイレで出血」、「呼吸がととのわない」、「動けない」、「脚を動かせない」、「胸が痛い」、「喀血する」、「胸に圧迫感がある」、「目まいがする」、「吐き気がする」、「脱力感を覚える」、「心拍が速い」、「心臓がドキドキする」、「心臓が飛び跳ねそう」、「身体中が痛い」、「息をすると痛い」、「切られた」、「顎が痛い」、「左の腕が痛い」、「脚が折れた」、「下血する」、「血が出る」、「血が出る」、「血を吐く」、「息が切れる」、「肩が痛い」、「誰かに撃たれた」、「胃が痛い」、「最悪の頭痛」、および/または、他の病状)、混乱した答え(たとえば、「あなたは医者ですか」、「覚えていません」、「何が起こったのですか」、「あなたは誰ですか」、および/または、他の混乱した答え)、場所の答え(たとえば、「腕に」、「胸に」、「脚に」、「肩に」、「左側」、「右側」、および/または、他の場所の答え)、記述的な答え(たとえば、「少し」、「たくさん」、「動かせません」、「鈍い」、「鋭い」、「痛くない...圧力をかける」、「胸の中心が痛い」、「鋭く引き裂くような痛み」、および/または、他の記述的な答え)、曖昧な答え(たとえば、「元気です」、「病院へ連れて行ってください」、および/または、他の曖昧な答え)、一般的な答え(たとえば、「はい」、「いいえ」、「多分」、および/または、他の一般的な答え)、病歴の答え(たとえば、「喘息」、「糖尿病」、「肺気腫」、「心臓発作があった」、「高血圧」、および/または、他の病歴の答え)、発生の答え(たとえば、「1回」、「2回」、「3回」、「4回」、「昨晩から」、「今朝から」、「午後から」、および/または、他の発生の答え)を含んでもよい。上記の答えおよび応答に加えて、音は、咳、吐き気、息詰まり、呻き、金切り声、および/または、患者が発する他の音を含む。前述に関連して、音の各々は、異なるレベルまたはタイプを有してもよい。たとえば、いくつかの例では、音は、異なる酷さの咳、吐き気、呻き、金切り声、および/または、他の音を含む。
いくつかの実施形態では、ユーザまたは教師が、制御システムに連結されたマイクロホンまたは他の音通信装置内に話をし、教師の言葉または音がボイスモジュール1124から発せられるように、制御システム1104がボイスモジュール1724と通信する。いくつかの実施形態では、ユーザまたは教師の入力が、音声増幅器またはサウンドボードを使用して状態調節されて、ボイスモジュール1724から発せられた声の音を変えてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、入力音を状態調節して、しわがれ声の患者、気道が閉鎖された患者、または、患者の他の精神的または物理的な病状をシミュレートする。前述に関連して、教師は、所望の効果に基づいて様々なタイプの音声状態調節を選択的に起動してもよい。ボイスモジュール1724および対応するボイスシミュレーションが、いくつかの実施形態では、全般的な医療シナリオシミュレーションの一部として使用される。
患者シミュレータ1702はまた、送出モータモジュール1726も含む。送出モータモジュール1726を使用して、シミュレータが出産シミュレータである実施形態において、シミュレータ1702から胎児または赤ん坊を送出するのを制御する。前述に関連して、送出モータモジュール1726を使用して、母体シミュレータ内の赤ん坊の位置を制御する。送出モータモジュール1726による起動時に、送出機構が母体の子宮から赤ん坊を促す。いくつかの実施形態では、送出機構は、少なくとも部分的に母体の子宮から赤ん坊を送出し、ユーザは赤ん坊の送出を完了する。いくつかの実施形態では、送出機構は、赤ん坊が産道を通るときに赤ん坊を回転する。一般に、送出モータモジュール1726は、産道に沿って赤ん坊を平行移動するように構成される。前述に関連して、いくつかの例では、開始点に対するモータの回転の数を使用して、母体シミュレータ内の赤ん坊の正確な平行移動位置を決定する。
患者シミュレータ1702はまた、母体の子宮内の胎児の音をシミュレートするために子宮オーディオモジュール1728も含む。たとえば、いくつかの実施形態では、子宮オーディオモジュール1728は、子宮内の胎児の心拍をシミュレートするように構成される。前述に関連して、オーディオモジュールは、胎児の心拍を聞くために母体の腹部に置かれた普通の聴診器を使用して、聞かれるであろう胎児の心音を生成する。いくつかの実施形態では、胎児の心拍数およびその変化の速度は、シミュレーション中の母体の収縮に同期する。心拍数および収縮の変化の位相整合を使用して、子宮内の胎児の状態を査定する。そのような位相整合は、胎児の状態を査定するために評価されるパターンを生成する。位相整合パターンは、たとえば、周期的な加速度、遅発性減速度、および/または、可変減速度を含む。いくつかの実施形態では、子宮オーディオモジュール1728のスピーカは胎児内に位置し、母体シミュレータに位置するマスターモジュール1706を通してインストラクタからのコマンドに応答する。いくつかの実施形態では、モジュール1728用の電力およびロジックが、胎児と出産機構との間の接続に隣接して位置決めされる。
患者シミュレータ1702はまた、呼吸弁1730、右肺弁1732、および左肺弁1734も含む。呼吸弁1730、右肺弁1732、および左肺弁1734は一緒に、シミュレータ1702の肺内に入る空気およびそれから出る空気の流れを制御する。前述に関連して、弁1730、1732、および1734の各々は、空気弁を有する。いくつかの実施形態では、呼吸弁1730を使用して、シミュレータ1702の呼吸速度を制御する。前述に関連して、呼吸弁1730は、肺が所望の速度で膨張し収縮するために、開閉する。右肺弁1732および左肺弁1734を使用して、それぞれ、右および/または左の肺を選択的に無効にする。従って、いくつかの実施形態では、右肺弁1732が開いているときには、空気が呼吸弁から右肺内に流れることができないように、3方向エアパイロット弁を閉じる。そのような例において、空気は、呼吸弁から左肺内のみに流れる。肺の無効化、呼吸速度、呼吸パターン、吸気速度、および/または、左または右の肺の無効化等の要因は、マスターモジュール1706を経由して制御システム1104から受け取った信号に基づいて、弁1730、1732、および1734によって制御される。
患者シミュレータ1702はまた、ECGモジュール1736も含む。ECGモジュール1736は、シミュレータ1702の心臓の電気活動をシミュレートする電気信号を発するように構成される。いくつかの実施形態では、ECGモジュール1736は、12リードECG信号がユーザに利用可能であるように、12リードの各々に関連した信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、ECGモジュール1736は、心臓の様々な部分における心筋梗塞の存在をシミュレートする信号を発するように構成される。いくつかの実施形態では、心筋梗塞の位置は、制御システム1104を経由して選択される。従って、ECGモジュールを使用して、ECGを経由して識別可能な心臓発作および/または関連症状の発現を識別するようにユーザを訓練する。ECGモジュールの電気信号は、標準ECG機器によって検出可能である。さらに、いくつかの実施形態では、ECGモジュール1736は、上記図40に関連して述べられたようなペースメーカ/除細動モジュールと組み合わせて使用される。
患者シミュレータ1702はまた、換気モジュール1738も含む。換気モジュール1738は、シミュレータ1738に加えられた換気装置の使用をモニタするように構成される。換気装置は、いくつかの例では、バッグバルブマスクである。他の例では、換気装置は、マウス・ツー・マウス蘇生等では、ユーザの口である。換気モジュール1738は、換気装置によって加えられた圧力をモニタし、その圧力に基づいて、圧力が高すぎるか、低すぎるか、または、所望の範囲内であるかを決定するように構成される。換気モジュール1738はマスターモジュール1706と連通して、正しい圧力が加えられているか否かの決定を制御システム1104に中継する。いくつかの実施形態では、シミュレータ1702は、正しい圧力が加えられているか否かに基づいて、回復またはさらなる合併症に向かう。たとえば、換気が圧力の所望の範囲内である場合には、患者シミュレータは、回復の兆候を示してもよい。他方、換気が圧力の所望の範囲外である場合には、患者シミュレータは、さらなる問題または症状を発現することもあり、且つ/または、現在の症状からシミュレータが回復するのをさらに困難にすることもある。
患者シミュレータ1702はまた、心音モジュール1740も含む。心音モジュール1740は、患者の心臓の自然の音をシミュレートするために音を発するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、心音モジュール1740の音は、患者の心拍数および心調律(たとえば、洞、心房性頻脈、多源性心房性頻拍、心房粗動、心房性細動、接合部、心室固有、心室性頻拍(単数)、心室性頻拍(複数)、上室性頻拍症、心室粗動、心室細動、死戦期、収縮不全、左脚ブロック、右脚ブロック、第1度AVB、第2度AVB(タイプI)、第2度AVB(タイプII)、第3度AVB、Q波心筋梗塞、ST上昇、ST低下、T波逆転、心房ペーシング、房室順次ペーシング、心室ペースメーカ(人工)、および/または、他の心調律)をシミュレートするために、1若しくはそれ以上の音を含む。さらに、心音は、正常であっても、遠位であっても、存在しなくてもよく、収縮期雑音、S3および/またはS4を含んでもよい。制御システム1104および/または制御システムを使用するユーザは、いくつかの実施形態では、どのような心音が生成されるか、且つ、どのような速度で音が生成されるかを決定する。心音モジュール1740によって生成される音は、いくつかの例では、聴診器の使用を経由して、検出可能である。いくつかの実施形態では、心音モジュール1740の少なくとも一部、たとえばスピーカ等が、本物の心臓があるであろうシミュレータ1102内に位置決めされる。
患者シミュレータ1702はまた、大腿動脈拍動モジュール1742も含む。大腿動脈拍動モジュール1742は、シミュレータ1702の大腿動脈拍動をシミュレートするための空気モジュールである。患者シミュレータ1702はまた、右足拍動モジュール1744および左足拍動モジュール1746も含む。左右の足拍動モジュール1744、1746は、シミュレータ1702の足の足拍動をシミュレートするように構成される。前述に関連して、いくつかの実施形態では、足拍動モジュール1744、1746は、足拍動をシミュレートするように構成された電気モジュールである。他の実施形態では、足拍動モジュール1744、1746は、足拍動をシミュレートするように構成された空気モジュールである。患者シミュレータ1702はまた、右橈骨動脈拍動モジュール1748および左橈骨動脈拍動モジュール1750も含む。左右の橈骨動脈拍動モジュール1748、1750は、シミュレータ1702の橈骨動脈拍動をシミュレートするための空気モジュールである。患者シミュレータ1702はまた、シミュレータの両側性拍動をシミュレートするための両側性拍動モジュール1176も含む。患者シミュレータ1702はまた、母体シミュレータと関連胎児シミュレータとの間の臍帯拍動をシミュレートするための臍帯拍動モジュール1752も含む。
患者シミュレータ1702はまた、圧縮モジュール1756も含む。圧縮モジュール1756は、シミュレータ1702に加えられる胸部圧迫の力をモニタするように構成される。前述に関連して、圧縮モジュール1756は、加えられた圧力をモニタし、その圧力に基づいて、圧力が高すぎるか、低すぎるか、または、所望の範囲内であるかを決定するように構成される。圧縮モジュール1756はマスターモジュール1706と通信して、正しい圧力が加えられているか否かの決定を制御システム1704に中継する。いくつかの実施形態では、シミュレータ1702は、正しい圧力が加えられているか否かに基づいて、回復またはさらなる合併症に向かう。たとえば、胸部圧迫が圧力の所望の範囲内である場合には、患者シミュレータは、回復の兆候を示してもよい。他方、胸部圧迫が圧力の所望の範囲外である場合には、患者シミュレータは、さらなる問題または症状を発現することもあり、且つ/または、現在の症状からシミュレータが回復するのをさらに困難にすることもある。
患者シミュレータ1702はまた、右切断腕モジュール1758および左切断腕モジュール1830も含む。切断腕モジュール1758および1830は、戦争地帯または自動車事故で見られるように、切断された腕をシミュレートする、腕とともに働くように構成される。他の実施形態では、患者シミュレータ1702は、切断された脚とともに使用されるための類似切断モジュールを含む。切断モジュール1758および1830は、シミュレータ1702の選択された心拍数および血圧に応じてシミュレートされた血液を噴出させるように構成される。シミュレータ1702の腕は、シミュレートされた血液で満たされた嚢体を含む。切断モジュール1758および1830は、空気圧および電力用の接続を含む。電力は、シミュレータの心拍数に応じて、空気弁を選択的に起動して、出血を開始し/停止する。人工噴出の強さまたは量は、弁が開いている時間の長さを選択することによって且つ/または嚢体に接続されたラインの圧力を選択することによって、制御される。弁が開いているのが長ければ長いほど且つ圧力が大きければ大きいほど、より多くの血液が腕から噴出する。出血は、切断された腕へ従来の止血帯を加えることによって、止めることができる。いくつかの実施形態では、止血帯を置くべき区域でシミュレータの皮膚の下に可撓性のあるチューブが位置決めされる。ユーザが止血帯を適切に置くと、可撓性のあるチューブが閉じ、出血が止まる。しかし、止血帯が適切に置かれないと、または、適切に置かれてもチューブを閉じるのに十分な引張応力がない場合には、シミュレータ1702は出血し続ける。
患者シミュレータ1702はまた、肺音モジュール1760、1762、1764、1766、1768、1770、1772、および1774も含む。特に、肺音モジュール1760を使用して、シミュレータ1702の前部へ向かう右上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1762を使用して、シミュレータの前部へ向かう左上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1764を使用して、シミュレータの前部へ向かう右下肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1766を使用して、シミュレータの前部へ向かう左下肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1768を使用して、シミュレータの背部へ向かう右上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1770を使用して、シミュレータの背部へ向かう左上肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1772を使用して、シミュレータの背部へ向かう右下肺の音をシミュレートする。肺音モジュール1774を使用して、シミュレータ1702の前部へ向かう左下肺の音をシミュレートする。
肺音モジュール1760、1762、1764、1766、1768、1770、1772、および1774の各々は、患者の肺の自然の音をシミュレートするために音を生成するように構成されたオーディオモジュールである。前述に関連して、肺音モジュール1760、1762、1764、1766、1768、1770、1772、および1774は、いくつかの実施形態では、下記の肺音の1若しくはそれ以上を生成するように構成される:正常、なし、喘鳴、吸気キーキー音、パチパチ音、レール、および/または、他の肺音。さらに、肺音モジュール1760、1762、1764、1766、1768、1770、1772、および1774の組み合わせを使用して、呼吸パターンをシミュレートし、これらに限定されるものではないが、正常、クスマウル、チェーン・ストークス、ビオー、持続性吸息、および/または、他の呼吸パターンを含む。また、肺音モジュール1760、1762、1764、1766、1768、1770、1772、および1774の組み合わせを使用して、患者の呼吸速度をシミュレートする。前述に関連して、呼吸速度は、一定の速度に設定されてもよく、且つ/または、時間とともに変化するように設定されてもよい。
患者シミュレータ1702はまた、シミュレータの右腕用のK音モジュール1776およびシミュレータの左腕用のK音モジュール1778も含む。K音モジュール1776および1778の各々は、シミュレートされたK音(コロトコフ音)を生成するように構成される。前述に関連して、K音モジュール1776および1778を使用して、いくつかの実施形態では、ユーザが患者シミュレータ1702の血圧を測ることを可能にする。前述に関連して、K音モジュール1776および1778は、ユーザが患者シミュレータ1702の血圧を測っているときに、関連K音を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、どのK音を生成すべきかの決定は、少なくとも部分的に、シミュレータ1702の血圧カフモジュールの圧力測定によって決定される。さらに、モジュール1776および1778によって生成されるK音は、シミュレートされた心拍数および血圧に基づいて決定される。いくつかの例では、患者シミュレータ1702の心拍数および血圧は、制御システム1104を経由して、ユーザまたは教師によって提供される。
患者シミュレータ1702はまた、左血圧カフモジュール1780および右血圧カフモジュール1782も含む。左右の血圧カフモジュール1780および1782は、ユーザが、患者シミュレータ1702のシミュレートされた血圧を測ることを可能にするように構成された圧力モジュールである。血圧カフモジュール1780および1782は、いくつかの実施形態では、標準血圧モニタとともに使用されるように構成される。
患者シミュレータ1702はまた、コンプレッサモジュール1784も含む。コンプレッサモジュール1784は、シミュレータ1702のコンプレッサを制御するように構成される。コンプレッサを使用して、シミュレータ1702の様々な空気圧装置へ圧縮空気供給を提供する。たとえば、いくつかの実施形態では、コンプレッサを使用して、肺、脈、収縮、腹圧、発作、眼拡張、まばたき、および/または、患者シミュレータ1702の他の態様をシミュレートするためのモジュールに空気を提供する。いくつかの実施形態では、コンプレッサは、1若しくはそれ以上の空気溜またはアキュムレータへ圧縮空気を提供し、それらは次いで、シミュレータ1702の様々な空気モジュールへ接続される。前述に関連して、空気溜は、異なる空気モジュールがその用途のために適切な空気圧で空気溜に接続されるように、異なる空気圧を維持してもよい。いくつかの例では、コンプレッサを使用する患者シミュレータ1702の空気モジュールは、比較的低い空気圧で、たとえば、いくつかの実施形態では10psi未満で、他の実施形態では5psi未満で、走行するように構成される。いくつかの例では、シミュレータ1702は、2つのアキュムレータを含み、アキュムレータの一方はおよそ5psiの空気圧を維持し、他方のアキュムレータはおよそ1psiの空気圧を維持する。他の実施形態では、アキュムレータは他の空気圧を維持する。しかし、一般に、患者シミュレータ1702およびその関連構成要素は、低圧で作動するように構成され、これは、高圧システムが連結されたシミュレータ内に水が導入されるのを防止するのを助ける。高圧システムを使用することから生じることであるがシミュレータ内に水が導入されると、シミュレータへ損傷を与える可能性があり、メンテナンス費用を上げ、シミュレータ内の水を除去するか水の量を制限するために追加構成要素を必要とする。
さらに、コンプレッサは、シミュレータ1702内に完全に嵌るようにサイズが設定される。前述に関連して、コンプレッサは、シミュレータ1702の他のシミュレーション態様に干渉しないように、静かに作動する。従って、いくつかの例では、消音システムを使用して、コンプレッサによって生成される雑音を最小限にする。消音システムは、いくつかの実施形態では、コンプレッサの入力側、出力側、および/または、両側に使用される。さらに、コンプレッサは、いくつかの例では、自冷式である。1つのそのような実施形態において、コンプレッサは、少なくともコンプレッサモータを取り囲む複数の金属パイプを含み、それを通って吸気が進む。金属パイプを通って進む吸気は、コンプレッサによって生成される熱を消散する助けをする。従って、コンプレッサは、シミュレータの他のシミュレーション態様を過熱したり乱したりすることなく、完全にシミュレータ1702内で作動することができる。これによって、シミュレータ1702は、騒々しい外部の高圧コンプレッサに取り付けられることなく完全に機能することができる。
患者シミュレータ1702はまた、複数の色変化モジュール1786、1788、および1790も含む。前述に関連して、色変化モジュール1786は、シミュレータ1702の唇のまわりの色変化を制御するように構成される。色変化モジュール1788は、シミュレータの指のまわりの色変化を制御するように構成される。色変化モジュール1790は、シミュレータのつま先のまわりの色変化を制御するように構成される。色変化モジュール1786、1788、および1790を使用して、いくつかの実施形態では、患者シミュレータのチアノーゼをシミュレートする。従って、色変化モジュール1786、1788、および1790は、患者シミュレータ1702の異なるレベルのチアノーゼをシミュレートするように構成される。前述に関連して、チアノーゼの程度は、いくつかの実施形態では、制御システム1104および/または制御システム1104のユーザによって、決定される。チアノーゼの程度は、与えられる治療の有効性を初めとする様々なパラメータに基づいて、増加し且つ/または減少する傾向があってもよい。いくつかの実施形態では、この傾向は、制御システム1104を経由して、手動で制御される。他の実施形態では、この傾向は、少なくとも部分的に、制御システム1104の生理的シミュレータソフトウェアアプリケーションによって制御される。
患者シミュレータ1702はまた、挿管モジュール1792も含む。挿管モジュール1792は、患者シミュレータ1702の挿管をモニタするように構成される。前述に関連して、患者シミュレータ1702用の適切な挿管の深さは、患者シミュレータのサイズおよび/または年齢に依存する。前述に関連して、挿管モジュール1792には、適切な挿管深さを決定するために、特定のサイズの患者シミュレータが連結される。いくつかの実施形態では、挿管モジュール1792は、光学センサを使用して、患者シミュレータ1702の気管内の挿管チューブの深さをモニタする。いくつかの実施形態では、挿管モジュール1792は、互いに間隔をおいて配置された一対の光学センサを使用して、挿管深さの受容可能な範囲を定義する。第1の光学センサを使用して、深さの受容可能な範囲の開始に到達したときに挿管チューブの存在を検出する。第2の光学センサを使用して、挿管チューブが深さの受容可能な範囲を越えて進んだときを検出する。
患者シミュレータ1702はまた、右腕運動モジュール1794および左腕運動モジュール1796も含む。左右の腕運動モジュール1794および1796は、シミュレータ1702の左右の腕の運動を起動するように構成される。いくつかの実施形態では、左右の腕モジュール1794および1796は、新生児サイズのシミュレータに使用されるのに、特にふさわしい。いくつかの実施形態では、左右の腕運動モジュール1794および1796は、シミュレータの腕が連結された空気バッグを膨張し収縮するために使用される空気モジュールを有する。前述に関連して、いくつかの例では、空気バッグは、バッグが空気で満たされると、所定のプロファイルで外向きに膨張するように、アコーディオンバッグを有する。バッグをモジュールで膨張し収縮することによって、シミュレータの腕が動く。バッグには、いくつかの例では、シミュレータのひじに隣接して位置決めされたピボットアセンブリが連結される。1つの特定の実施形態において、バッグの膨張および収縮は、ピボットアセンブリを経由して、シミュレータの腕を曲げさせるか、または、真っ直ぐにさせる。腕の運動が、空気モジュールおよび空気バッグの膨張および収縮によって作動されるため、ユーザは、いくつかの機械的に作動されるシステムとは対照的に、シミュレータに物理的な損傷をもたらすことなく、腕の運動を抑制することができる。いくつかの実施形態では、腕運動モジュールは、シミュレータの腕を動かすための機械的システムまたはモータを起動するように構成される。いくつかの実施形態では、機械的システムは、意図された腕の運動がユーザによって抑制された場合およびそのようなときに、腕運動モジュールおよび関連構成要素への損傷を防止するために、安全装置を含む。
患者シミュレータ1702はまた、回転モジュール1798も含む。回転モジュール1798は、母体シミュレータ内の胎児または赤ん坊を回転するように構成される。特に、回転モジュール1798は、赤ん坊が母体シミュレータの産道内を通るときに赤ん坊の回転を制御するためのモータまたは他の装置を作動するように構成される。患者シミュレータ1702はまた、ロードセルモジュール180も含む。いくつかの実施形態では、ロードセルモジュール1800は、母体シミュレータの送出機構に位置決めされ、出産中に赤ん坊にかけられている圧力の量をモニタするように構成される。前述に関連して、ロードセルモジュール1800は、いくつかの実施形態では、送出機構に対して赤ん坊を取り付ける点に隣接して位置決めされる。他の実施形態では、ロードセルモジュール1800は、赤ん坊内にまたは赤ん坊自体の上に位置決めされる。一般に、ロードセルによって生成された信号は、マスターモジュール1706を経由して、制御システム1104に通信される。ロードセルによって測定されたように検知された圧力または力に基づいて、赤ん坊を出産する際に使用されている力の量が、所望の範囲内か否かに関する決定を行うことができる。
患者シミュレータ1702はまた、腹圧モジュール1802も含む。腹圧モジュール1802を使用して、母体シミュレータの腹部の固さを制御する。前述に関連して、腹圧モジュール1802は、母体の腹部内の圧力の量を検知するように構成される。所望の圧力に基づいて、腹圧モジュール1802は、腹部の圧力を増加すべきか、減少すべきか、または、そのまま維持するべきかを決定する。圧力を増加すべき場合には、腹圧モジュール1802は、空気弁を通って腹部への空気の流れを起動する。いくつかの実施形態では、腹圧モジュール1802は、腹部へ空気の流れを提供するために空気溜またはコンプレッサと連通する。圧力を減少すべき場合には、腹圧モジュール1802は、腹部からの空気の解放を起動する。いくつかの例では、制御システム1104によって所望の圧力が提供される。前述に関連して、ユーザまたは教師が、いくつかの実施形態では、制御システム1104を経由して、腹部圧力を定義することができる。
患者シミュレータ1702はまた、赤ん坊解放モジュール1804も含む。赤ん坊解放モジュール1804は、母体シミュレータ内の送出機構から赤ん坊を選択的に解放するように構成される。前述に関連して、赤ん坊解放モジュール1804は、いくつかの例では、制御システム1104を経由して、ユーザまたは教師によって遠隔式に起動される。他の例では、赤ん坊解放モジュール1804は、送出機構および/または産道内の赤ん坊の位置に基づいて、起動される。すなわち、ひとたび赤ん坊が産道に対する一定の位置および/または配向に到達すると、赤ん坊解放モジュールが起動して、送出機構と赤ん坊との間の係合を解放する。
患者シミュレータ1702はまた、舌部制御モジュール1806も含む。舌部制御モジュール1806は、シミュレータ1702の気道を部分的に妨害するように、舌部を選択的に膨張し且つ/または収縮するように構成された空気モジュールである。前述に関連して、舌部制御モジュール1806は、いくつかの例では、制御システム1104を経由して、制御される。従って、ユーザまたは教師が、所望のように、気道を部分的に妨害するか、または、障害物を取り除くことができる。患者シミュレータ1702はまた、喉頭制御モジュール1808および咽頭制御モジュール1810も含む。喉頭制御モジュール1214は、喉頭痙攣をシミュレートするために、シミュレータの気道を部分的に妨害するように、喉頭を開閉するように構成される。同様に、咽頭制御モジュール1216は、咽頭の腫れをシミュレートするために、シミュレータの気道を部分的に妨害するように、咽頭の後壁を前方に促すように構成される。喉頭制御モジュール1808および咽頭制御モジュール1810もまた、いくつかの例では、制御システム1104を経由して、制御される。従って、ユーザまたは教師はまた、これらの特徴部でも所望のように、気道を部分的に妨害するか、または、障害物を取り除くことができる。
患者シミュレータ1702はまた、気胸モジュール1812および気胸解放モジュール1814も含む。気胸モジュール1812は、左肺または右肺における気胸(肺の虚脱)の存在をシミュレートするように構成される。気胸解放モジュール1814は、シミュレータ1702を、気胸のない正常な肺状態に戻すように構成される。気胸状態の開始および緩和は、制御システム1104を経由して、制御される。
患者シミュレータ1702はまた、まぶたモジュール1816も含む。まぶたモジュール1816は、患者の眼のまばたきを制御するように構成される。いくつかの実施形態では、まぶたモジュール1816は、まばたきをシミュレートするためにまぶたの開閉を制御するためのモジュールを含む。同様に、まばたきの割合、パターンおよびスピードは、いくつかの例では、制御システム1104によって制御される。いくつかの例では、まばたきの割合は、1分当たり5回から1分当たり30回の範囲である。しかし、いくつか他の実施形態では、これの外部の範囲が使用される。さらに、眼は、開位置または閉位置に維持されることができる。まばたきのスピードも同様に、制御することができる。いくつかの例では、開から閉へ開への各まばたきのスピードは、およそ200msである。しかし、まばたきのスピードは、いくつかの実施形態では、所望のように、増加または減少することができる。
患者シミュレータ1702はまた、右側発作モジュール1818および左側発作モジュール1820も含む。左右の発作モジュール1818および1820は、患者の身体の対応する側部における患者の発作をシミュレートするように構成される。従って、発作モジュール1818および1820は、いくつかの実施形態では、震えおよび/または痙攣を引き起こすように構成される。また、いくつかの例では、発作モジュール1818および1820を一緒に使用して、全身の発作をシミュレートする。いくつかの例では、発作モジュール1818および1820の起動は、制御システム1104を経由して、制御される。
患者シミュレータ1702はまた、回転エンコーダモジュール1822およびヘッドエンコーダモジュール1824も含む。回転エンコーダモジュール1822およびヘッドエンコーダモジュール1824は、母体シミュレータの産道内の赤ん坊に関する回転位置データを提供するように構成される。前述に関連して、回転エンコーダモジュール1822およびヘッドエンコーダモジュール1824は、特に、産道内の赤ん坊の相対回転をモニタするように構成される。いくつかの実施形態では、回転エンコーダモジュール1822は、母体シミュレータの送出機構に位置決めされ、ヘッドエンコーダモジュール1824は、赤ん坊の一部内に位置決めされる。いくつかの例では、ヘッドエンコーダモジュール1824は、赤ん坊の頭部内に位置決めされる。赤ん坊の回転は、回転エンコーダモジュール1822に対する赤ん坊上のヘッドエンコーダモジュール1824の相対回転を比較することによって、決定される。いくつかの例では、回転エンコーダモジュール1822は、実質的に回転式に固定される。モジュール1824に比較したモジュール1824の相対回転に基づいて、赤ん坊の回転位置を決定することができる。いくつかの実施形態では、モジュール1822および1824は、光学モジュールである。モジュール1822および1824からの回転データが、いくつかの実施形態では、制御システム1104へ通信される。1つのそのような実施形態において、ユーザまたは教師は、位置情報および回転情報を使用して、母体シミュレータの送出機構から赤ん坊を解放するときを決定する。他の実施形態では、制御システム1104は、産道内の赤ん坊の正確な配向および位置に基づいて、送出機構から赤ん坊を自動的に解放する。
患者シミュレータ1702はまた、右瞳孔拡張モジュール1826および左瞳孔拡張モジュール1828も含む。いくつかの実施形態において、瞳孔拡張モジュール1826および1828は、少なくとも部分的に、眼内に位置決めされた光学センサによって受け取られた光の量に基づいて、シミュレータの眼の各々の拡張を制御する。瞳孔の最大サイズおよび/または瞳孔の変化または拡張の速度は、いくつかの例では、制御システム1104によって制御される。
患者シミュレータ1702はまた、大出血モジュール1832も含む。いくつかの実施形態において、大出血モジュール1832は、母体シミュレータに使用されるように構成される。前述に関連して、大量出血は、母体死亡の主な原因である。赤ん坊の出産中にまたは出産後に女性が500ccの血液を失うのは異常ではないが、1リットルを超える血液を失うことは、ショックを引き起こし、究極的に死を招く可能性がある。患者シミュレータには、シミュレートされた血液を含む溜が装備され、それから、シミュレートされた血液が噴出し、大出血をシミュレートすることができる。前述に関連して、大量出血モジュールは、上述の左右の腕切断モジュール1758および1830に実質的に類似したやり方で作用する。母体シミュレータアプリケーションにおいて、出血の量およびその流量は、溜と産道との間に位置決めされた可撓性のあるチューブを経由して、制御される。ユーザは、チューブを変形しシミュレートされた血液の流れを切るために適切な圧力を加えることによって、出血を止めることができる。
様々なモジュールの各々は、電源線1834、アース線1836、および両方向通信ワイヤ1838を経由して、マスターモジュール1706に接続される。前述に関連して、マスターモジュール1706は、モジュールの各々の起動、起動停止、および電力消費を制御することができる。いくつかの実施形態では、マスターモジュール1706は、制御システム1104のソフトウェアプログラムを経由して、制御される。他の実施形態では、モジュールは、電力供給装置に直接接続される。いくつかの実施形態では、マスターモジュール1706は、1若しくはそれ以上のモジュールにワイヤレス通信される。いくつかの実施形態では、1若しくはそれ以上のモジュールへの通信は、一方向通信である。いくつかの実施形態では、モジュール自体が、通信ワイヤ1838または追加通信ワイヤを経由して、相互接続される。前述に関連して、いくつかの例では、モジュールのサブセット用のマスターモジュールとして作用するマスターモジュールはない。
いくつかの実施形態において、本開示の患者シミュレータは、生理的シミュレータ用に構成される。前述に関連して、いくつかの実施形態では、外部制御システムまたは他のソフトウェア系インターフェースが、生理的シミュレーションプロトコルに基づいて患者シミュレータの様々な物理的パラメータを調整するように構成される。いくつかの実施形態では、外部制御システムは、複数のモデルを含み、これらに限定されるものではないが、循環モデル、呼吸モデル、心筋梗塞モデル、薬剤/薬物モデル、母体/胎児モデル、および/または、シミュレートされた物理的パラメータを制御するための生理的モデルを含む。生理的モデルは、様々な生理的状況および病状、たとえば、心臓発作、減少した酸素供給、および、関連患者シミュレータによってシミュレートされてもよい任意の他の所望の病状をシミュレートするように構成される。生理的シミュレーションおよび生理的シミュレーションモデルの数種類の特定の実施形態が、次に述べられる。
一実施形態において、生理的シミュレーションは、母体シミュレータおよび胎児シミュレータとともに使用される。たとえば、いくつかの実施形態では、胎児シミュレータ上の母体シミュレータの異常な身体状態の影響は、胎児シミュレータの物理的特徴を変えることによって、シミュレートされる。さらに、この影響は、胎児シミュレータのシミュレートされた出産後に新生児シミュレータに維持されるかまたは定められる。いくつかの例では、母体/胎児モデルは、母体シミュレータおよび胎児シミュレータの物理的特徴を定義する多数の生理的な出力を生成する。これらの生理的な出力は、シミュレータのマスターモジュールによって受け取られ、次いで、対応する物理的特徴がシミュレートされる。いくつかの例では、生理的な出力は、母体血液酸素供給を含む。母体血液酸素供給のレベルは、胎児心拍数に関連し、胎児心拍数がどのように変化するかは、母体シミュレータの収縮に対応する。高レベルの酸素供給は、正常な胎児心拍数および胎児心音の強いパターンに関連する。しかし、低レベルの酸素供給は、低心拍数および前兆パターン、たとえば、変動一過性徐脈に関連する。さらに、母体血液酸素供給はまた、胎児の酸素供給のレベルにも関連する。特に、低い母体血液酸素供給レベルは、胎児が胎盤を通して低量の酸素を受け取ることを示す。胎児の酸素供給のレベルは、新生児の快適さに関連する。送出プロセスの間中に酸素がよく送り込まれる胎児は、普通、新生児として、正しい姿勢、良好な筋緊張、1分に100回を超える心拍数、良好な色、および、良好な呼吸を呈する。これらの5つの要素、すなわち、姿勢、筋緊張、心拍数、色、および、呼吸を使用して、新生児のアプガースコア(APGAR score)を評価する。アプガースコアは、通常、誕生後1分、誕生後5分、および、必要であれば、その後5分間隔で、決定される。
従って、母体/胎児モデルは、母体シミュレータおよび胎児シミュレータの物理的パラメータを互いに対して相関させる生理的な出力を提供する。加えて、胎児シミュレータの特徴は、いくつかの例では、新生児シミュレータに継続される。新生児は、これらの物理的特徴を呈するように設計され、いくつかの実施形態では、0から10のアプガースコアを呈する新生児をシミュレートすることができる。このようにして、母体シミュレータの快適さは、胎児シミュレータへ移され、それが、次いで、新生児へ移される。前述に関連して、いくつかの実施形態では、胎児シミュレータと新生児シミュレータとは、同一のシミュレータである。他の例では、胎児シミュレータと新生児シミュレータとは、別々のシミュレータである。
母体シミュレータおよび胎児シミュレータの物理的パラメータを互いに対して相関させることに加えて、生理的なモデリングもまた、単一のシミュレータ内で物理的パラメータを相関させるように構成される。たとえば、いくつかの実施形態では、シミュレータの物理的パラメータは、ユーザによって、シミュレータに提供される治療に基づいて、調整される。適切な治療が提供される場合には、シミュレータの物理的パラメータは改善される。しかし、治療が適切ではなかった場合には、シミュレータの物理的パラメータは、そのままであるか、または悪くなる。治療とシミュレータの物理的パラメータとの間の特定の相互作用は、生理的モデルによって駆動される。前述に関連して、いくつかの例では、生理的モデルは、シミュレータ内のモジュールから受け取ったデータを使用して、治療が適切であるか否かを決定する。たとえば、いくつかの例では、胸部圧迫モジュールまたは換気モジュールによって検知された圧力の量を使用して、治療のレベルが治療が適切であるか否かを決定する。さらに、いくつかの実施形態では、シミュレータの物理的パラメータが、シミュレータの1つの区域から別の区域へ拡張される。たとえば、いくつかの例では、シミュレータの呼吸システムが、シミュレータは低酸素供給であることを示し、この問題が適切な治療を通して適切に対処されない場合には、呼吸問題が、シミュレートされる循環システムにおける問題に拡張される。前述に関連して、様々な生理的モデルが、いくつかの例では、互いに通信する。シミュレータの様々な部分の間の特定の相互作用は、いくつかの例では、身体内の自然な生理的相互作用に従って定義される。いくつかの例では、これらの相互作用は、少なくとも部分的には、そのような相互作用に関する医学的研究および/または公表論文に基づいて、定義される。
いくつかの実施形態において、生理的なモデリングは、循環モデルを含む。循環モデルは、患者シミュレータの循環システムのシミュレートされた物理的パラメータを制御するように構成される。前述に関連して、循環モデルは、血圧、心拍数、血液酸素供給、K音、および/または、循環システムの他のパラメータを制御する。いくつかの例では、循環モデルは、患者シミュレータの様々なコンパートメントまたは領域内の物理的パラメータを制御する。前述に関連して、いくつかの例では、循環システムは、複数の領域に分割され、これらに限定されるものではないが、心臓の4つの室房を含む。さらに、いくつかの実施形態では、生理的なモデリングは、心筋梗塞モデルを含む。いくつかの例では、心筋梗塞モデルは、循環モデルの一部である。心筋梗塞モデルは、心臓発作に関連した循環システムの態様を制御するように構成され、これに限定されるものではないが、心臓へ酸素を供給することを含む。いくつかの例では、心筋梗塞モデルは、心筋梗塞の特定の場所を制御する。さらに、いくつかの例では、心筋梗塞モデルは、心筋梗塞に対応する電気信号をECGモジュールが発するように、患者シミュレータのECGモジュールを制御し、これらに限定されるものではないが、問題の場所および/または重篤性を含む。
いくつかの実施形態において、生理的なモデリングは、呼吸モデルを含む。呼吸モデルは、患者シミュレータの呼吸システムのシミュレートされたパラメータを制御するように構成される。前述に関連して、呼吸モデルは、呼吸速度、吸気速度、肺音、O2/CO2混合物、および/または、呼吸システムの他のパラメータを制御する。いくつかの実施形態では、生理的なモデリングは、薬剤または薬物モデルを含むいくつかの例では、薬物モデルは、薬物を患者へ導入することに関連した影響に基づいて患者シミュレータのシミュレートされたパラメータを修正するために、他のモデルおよび/またはモジュールと一体化するように構成される。前述に関連して、いくつかの例では、薬物モデルは、特定の薬物に関連した物理的影響のデータベースを維持する。従って、薬物モデルは、薬物の影響に基づいて患者シミュレータのパラメータを示すかまたは調整する。パラメータの変化の速度は、いくつかの例では、薬物の影響に基づく。いくつかの例では、薬物モデルは、ユーザが薬物の影響を定義するのを可能にする。
いくつかの実施形態において、生理的なモデリングは、複数のシナリオを含む。前述に関連して、各シナリオは、パラメータの特定のグループ分けまたはセットによって定義される。いくつかの例では、シナリオは、医療問題に関連した特定の循環パラメータおよび呼吸パラメータを含む。従って、シナリオは、いくつかの例では、様々な生理的モデルの特徴を一体化する。いくつかの実施形態では、生理的なモデリングは、シナリオの間に向かうように構成される。前述に関連して、ユーザまたは教師が、所定の一連のシナリオを定める。ユーザは、いくつかの実施形態では、各シナリオの時間の長さ、および、シナリオの間の遷移時間の量を定義する。いくつかの実施形態では、一連のシナリオは、少なくとも部分的に、患者シミュレータに与えられる治療に基づいて修正される。前述に関連して、患者シミュレータのパラメータは、少なくとも一部は、与えられる治療に基づいて改良されるか下降する。いくつかの実施形態では、シナリオの少なくともいくつかが、予め定義されているか、または、生理的シミュレーションモデルによって提供される。いくつかの実施形態では、シナリオの少なくともいくつかは、ユーザ定義される。すなわち、ユーザが複数のパラメータを関連付けて、シナリオを定義することができる。さらに、ユーザは、複数のシナリオを、予め定義されたものであれ、ユーザ定義のものであれ、追加シナリオとして、関連付けることができる。
次に、図45を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータシステム1900の概略図が示されている。特に、システム1900は、特に出産シミュレーションにふさわしい複数のモジュールを含む患者シミュレータ1902を含む。前述に関連して、シミュレータ1902は、上記図44に関連して述べられた精選されたモジュールの組み合わせを含む。前述に関連して、患者シミュレータ1902は、マスターモジュール1706、通信モジュール1708、アンテナ1710、電池1718、および充電器1720を含む。これらの構成要素に加えて、シミュレータ1902は、ボイスモジュール1724、送出モジュール1726、FHR音モジュール1728、呼吸弁モジュール1728、心音モジュール1740、両側性拍動モジュール1752、ECGモジュール1736、換気モジュール1738、圧縮モジュール1756、K音モジュール1776および1778、肺音モジュール1760および1762、血圧カフモジュール1780および1782、コンプレッサ制御モジュール1784、挿管モジュール1798、回転モジュール1798、ロードセルモジュール1800、腹部モジュール1802、解放モジュール1804、喉頭モジュール1808、発作モジュール1819(いくつかの実施形態では、左右の発作モジュール1818および1820の組み合わせ)、回転エンコーダモジュール1822、およびヘッドエンコーダモジュール1822を含む。
次に、図46から図49を参照すると、本開示の一実施形態による眼アセンブリ2000の概略図が示されている。特に、図46は、眼アセンブリ2000の正面図である。図47は、眼アセンブリ2000の虹彩の概略正面図である。図48は、眼アセンブリ2000の底面図である。図49は、眼アセンブリ2000のまばたきアセンブリの概略図である。より具体的に図46を参照すると、眼アセンブリ2000は、左目2002および右目2003を含む。左右の目2002および2003は、本物の患者の眼をシミュレートするようにサイズが設定され、形状づけられ、色づけられる。前述に関連して、目2002、2003は、まぶた2004、および、本物の眼に類似して拡張するように構成されるシミュレートされた虹彩アセンブリ2006を含む。前述に関連して、いくつかの実施形態では、瞳孔の直径が1mmから8mmまで調整可能である。いくつかの例では、瞳孔の最大直径は、眼アセンブリ2000と通信する制御システムによって定められる。前述に関連して、ユーザまたは教師が、いくつかの実施形態では、制御システムを経由して、瞳孔のサイズを設定することができる。
眼アセンブリ2000は、ホイール2010と通信するかまたは直接接続されるサーボモータ2008を含む。ホイール2010は、今度は、マイクロフィラメントライン2012と通信するかまたは直接接続され、それは、虹彩アセンブリ2006と通信するかまたは直接接続される。特に、マイクロフィラメントライン2012は、虹彩アセンブリ2006のピン2014と通信するかまたは直接接続される。より詳細に図47を参照すると、ピン2014は、内側部分2018がピン2014の対応運動で半径方向に膨張し収縮するように、虹彩アセンブリ2006の外側部分2016に対して動くことができる。いくつかの実施形態では、ピン2014は、図47に示されるように、外側部分2016の外部のまわりで左または右へ動き、内側部分2018の可視部分のサイズを調整する。
いくつかの実施形態において、眼アセンブリ2000は、各眼2002および2003に連結される光学センサを含む。光学センサが受け取った光の量に基づいて、サーボモータ2008が起動されて、可視である虹彩アセンブリの内側部分2018の量を増減する。可視である内側部分2018の量が大きくなればなるほど、眼のシミュレートされた瞳孔は小さくなる。同様に、可視である内側部分2018の量が小さくなればなるほど、眼のシミュレートされた瞳孔は大きく見える。このようにして、瞳孔拡張は、眼アセンブリ2000によってシミュレートされる。いくつかの例では、虹彩アセンブリの変化または反応性の速度を遅くして、結果として遅い瞳孔拡張になる異常な病状をシミュレートすることができる。
より詳細に図48および49を参照すると、眼アセンブリ2000は、患者のまばたきをシミュレートするように構成される。特に、眼2002および2003のまぶた2004を開閉して、まばたきをシミュレートする。本実施形態では、眼アセンブリ2000は、空気圧システムを使用して、眼のまばたきをシミュレートする。特に、眼アセンブリ2000は、開放バッグ2020、中間プレート2022、および閉鎖バッグ2024を含む。中間プレート2022は、バッグ2020および2024の膨張および収縮のため中間プレートが平行移動するときに、まぶたが開閉するように、フォロア2026を経由してまぶた2004に接続される。いくつかの実施形態では、まぶた2004のより速い開閉を容易にするために、ばね2028もまた含まれる。開放バッグ2020が膨張するときには、中間プレート2022は眼から遠ざかり、まぶた2004は開いたままである。閉鎖バッグ2024が膨張するときには、中間プレート2022は眼へ向かい、眼のまぶた2004は閉じる。従って、バッグ2020および2024は、まばたきをシミュレートするために、順次、起動することができる。
より具体的に図49を参照すると、眼アセンブリ2000のまばたきアセンブリの概略図が示されている。前述に関連して、まばたきアセンブリは、バッグ2020および2024を膨張させるために空気溜またはコンプレッサ2030と連通する。前述に関連して、制御盤2032が、開放バッグ2020に連結された弁2034の開閉を制御する。同様に、制御盤2036が、閉鎖バッグ2024に連結された弁2038の開閉を制御する。いくつかの実施形態では、制御盤2032および2036は、シミュレータのマスターモジュールと通信するかまたは直接接続される。そのような実施形態において、マスターモジュールは、それぞれ、弁2034および2038を開閉するときを、制御盤2032および2036に命令する。いくつかの実施形態では、まばたきの割合、パターンおよび/またはスピードは、マスターモジュールと通信する制御システムによって制御される。いくつかの例では、まばたきの割合は、1分当たり5回から1分当たり30回の範囲である。しかし、いくつかの実施形態では、これの外部の範囲が使用される。さらに、まぶた2004は、所望により、開位置または閉位置に維持することができる。まばたきのスピードもまた、制御することができる。いくつかの例では、開から閉へそして開へ戻る各まばたきのスピードは、およそ200msである。しかし、まばたきのスピードは、いくつかの実施形態では、所望のように、増加または減少することができる。
次に、図50を参照すると、本開示の一実施形態による患者シミュレータシステムに使用されるための送出機構2100の概略斜視図が示されている。特に、送出機構2100は、胎児シミュレータが産道を通って進むときに、選択的に、胎児シミュレータを回転し、胎児シミュレータを解放し、且つ/または、胎児シミュレータにかけられる力をモニタするように構成される。いくつかの実施形態では、送出機構2100は、シミュレートされる出産中に、学生または医療関係者によって、胎児シミュレータにかけられる力をモニタするように構成される。送出機構2100は、装着プレート2102を含む。装着プレート2102は、母体シミュレータの一部に接続される。いくつかの実施形態では、装着プレートは、産道に沿って平行移動するように構成された送出機構へ、部分2104を経由して、接続される。そのような実施形態において、送出機構2100は、平行移動送出機構が胎児を産道に沿って平行移動させるときに、胎児へ回転運動を提供するように構成される。
送出機構2100は、モータ2106を含む。いくつかの実施形態では、モータ2106は、胎児シミュレータへ回転運動を提供するように構成される。他の実施形態では、モータ2106は、回転運動に加えて、または、回転運動の代わりに、胎児シミュレータへ平行移動運動を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、送出機構2100は、胎児シミュレータの回転運動をモニタするための電位差計2108を含む。電位差計は、歯車2112を経由して歯車2110に接続される。図示のように、歯車2110は、スイベル基部2114が回転するときに歯車2110も回転するように、スイベル基部2114を取り囲む。スイベル基部2114には、胎児シミュレータへ回転を与えるように構成されたスイベル2116およびスイベルキャップ2118が連結される。いくつかの実施形態では、モータ2106は、スイベルシステムを駆動して、スイベル2116、スイベルキャップ2118、およびスイベル基部2114を回転させる。従って、モータ2106がスイベル構成要素を回転するときには、歯車2110もまた回転して、歯車2112を回転させる。歯車2112の回転は、今度は、電位差計によってモニタされ、胎児シミュレータの回転の量を決定する。
送出機構2100はまた、出産シミュレーション中に胎児シミュレータにかけられる力をモニタするためのロードセル2120およびロードセルサポート2122も含む。前述に関連して、胎児シミュレータは、取付機構2124を経由して、送出機構にしっかり取り付けられる。いくつかの実施形態では、取付機構2124は、上記図24から図27に関連して述べたものに類似している。さらに、いくつかの実施形態では、胎児シミュレータを取付機構に係合し係合解除することは、送出機構2100内に位置する空気弁によって制御される。いくつかの実施形態では、空気弁は、制御システムを経由して制御される。従って、いくつかの実施形態では、ユーザまたは教師が、選択的に、胎児シミュレータを取付機構2124から解放することができる。胎児シミュレータと取付機構2124との間の確実な接続は、胎児シミュレータにかけられた力を、取付機構を通ってロードセル2120へ移送することを可能にする。いくつかの実施形態では、ロードセルサポート2122は、ロードセル2120の両側に位置決めされ、ロードセルの望ましくない運動を防止する。ロードセル2120によって測定された力、トルク、圧力、および/または、その派生物の量は、いくつかの実施形態では、制御システムへ通信される。これらの測定値は、次いで、受容された標準と比較され、出産シミュレーションに適切な量の力が使用されたか否かを評価する。
次に、図51を参照すると、本開示の別の実施形態による送出機構2200の概略図が示されている。特に、送出機構2200は、胎児シミュレータが産道を通って進むときに、選択的に、胎児シミュレータを回転し、胎児シミュレータを解放し、且つ/または、胎児シミュレータにかけられる力をモニタするように構成される。いくつかの実施形態では、送出機構2200は、シミュレートされる出産中に、学生または医療関係者によって、胎児シミュレータにかけられる力をモニタするように構成される。送出機構2200は、装着プレート2202を含む。装着プレート2202は、母体シミュレータの一部に接続される。いくつかの実施形態では、装着プレートは、産道に沿って送出機構2200および/または胎児シミュレータを平行移動するように構成された送出機構へ、部分2204を経由して、接続される。そのような実施形態において、送出機構2200は、平行移動送出機構が胎児を産道に沿って平行移動させるときに、胎児へ回転運動を提供するように構成される。
送出機構2200は、モータ2206を含む。いくつかの実施形態では、モータ2206は、胎児シミュレータへ回転運動を提供するように構成される。他の実施形態では、モータ2206は、回転運動に加えて、または、回転運動の代わりに、胎児シミュレータへ平行移動運動を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、送出機構2200は、胎児シミュレータの回転運動をモニタするためのセンサ2208を含む。いくつかの実施形態では、センサ2208は、上述の回転エンコーダ1228、1336、および/または、1822に類似している。センサ2208は、スイベル基部2214に隣接して位置決めされる。スイベル基部2214には、胎児シミュレータへ回転を与えるように構成されたスイベル2216およびスイベルキャップ2218が連結される。いくつかの実施形態では、モータ2206は、スイベルシステムを駆動して、スイベル2216、スイベルキャップ2218、およびスイベル基部2214を回転させる。
送出機構2200はまた、出産シミュレーション中に胎児シミュレータにかけられる力をモニタするためのロードセル2220およびロードセルサポート2222も含む。前述に関連して、胎児シミュレータは、取付機構2224を経由して、送出機構にしっかり取り付けられる。いくつかの実施形態では、取付機構2224は、上記図24から図27に関連して述べたものに類似している。本実施形態では、胎児シミュレータが取付機構に係合するときには電力および通信コネクタ2226が胎児シミュレータのコネクタに係合して電力およびデータ移送を胎児シミュレータへ提供するように、電力および通信コネクタ2226が、取付機構に隣接して位置決めされる。いくつかの実施形態では、通信コネクタ2226は、胎児シミュレータと両方向通信するように構成される。また、いくつかの実施形態では、取付機構2224の部分2228は、コネクタ2226用のアースとして作用する。いくつかの実施形態では、胎児シミュレータを取付機構に係合し係合解除することは、送出機構2200内に位置する空気弁によって制御される。いくつかの実施形態では、空気弁は、制御システムを経由して制御される。従って、いくつかの実施形態では、ユーザまたは教師が、選択的に、胎児シミュレータを取付機構2224から解放することができる。胎児シミュレータと取付機構2224との間の確実な接続が、胎児シミュレータにかけられた力を、取付機構を通ってロードセル2220へ移送することを可能にする。いくつかの実施形態では、ロードセルサポート2222は、ロードセル2220の両側に位置決めされ、ロードセルの望ましくない運動を防止する。ロードセル2220によって測定された力、トルク、圧力、および/または、その派生物の量は、いくつかの実施形態では、制御システムへ通信される。これらの測定値は、次いで、受容された標準と比較され、出産シミュレーションに適切な量の力が使用されたか否かを評価する。
例示的な実施の形態を示して説明してきたが、広範囲な修正、変更、および代替が前述した開示において意図され、いくつかの例では、本実施の形態のいくつかの特徴は、他の特徴を伴って使用せずに採用することができる。前述の記載において実施形態の範囲を逸脱せずにそのような変形態様を実施することができることを理解すべきである。従って、添付の特許請求の範囲は、広範囲に且つ本開示の範囲と整合するように解釈されることが適切である。