JP2022032627A - 熱伝導部材およびそれを備える電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で、電子機器の小型化または薄型化を阻害せず、電子機器の内部の発熱部材からの熱を放熱容易な熱伝導部材およびそれを備える電子機器を提供する。【解決手段】熱伝導部部材1bは、カーボンシート2と、カーボンシート2の片面若しくは両面の少なくとも一部分を被覆する被覆層3、3aと、を備える。被覆層3は、カーボンシート2より厚さが小さく、かつ、被覆層3の接するカーボンシート2の面の粗さよりも平滑で、カーボンシート2を経由して熱を伝える対象物に密着可能である。。【選択図】図3

Description

本発明は、熱伝導部材およびそれを備える電子機器に関する。
電子機器の小型化、薄型化または高機能化に伴い、電子機器の内部の温度は上昇の一途を辿っているのが現状である。例えば、スマートフォンに代表される携帯用電子機器は、機器の内部で発生する熱は、回路基板上の電子部品にダメージを与え、機器の故障の一因となり得る。また、機器の内部において部分的な発熱は、機器に接する操作者に不快感を与え得る。
上記のような熱を排除する方法として、従来から、放熱ファンを機器内に搭載して外部に放熱する方法(特許文献1を参照)、あるいは金属製(好適にはアルミニウムまたはアルミニウム合金)のヒートシンクを発熱源またはその近傍に備えて発熱源の熱を放散させて熱の集中を防止する方法(特許文献2を参照)などが考えられている。
特開2020-087963号公報 特開2020-043170号公報
しかし、上記公知の方法には、次のような欠点がある。放熱ファンは、電子機器の小型化や薄型化を妨げる。また、金属製のヒートシンクは、電子機器の軽量化を妨げる。かかる欠点を解消若しくは低減するために、本発明者は、本発明に先立ち、カーボンシートを熱伝導部材に用いて、電子部品やバッテリー等の発熱部材からカーボンシートを経由して放熱することを考えた。
カーボンシートの表面を平滑にすることは難しい。加えて、発熱部材の表面も必ずしも平滑ではない。このため、発熱部材とカーボンシートとの間、およびカーボンシートとヒートシンクのような放熱部材との間の熱抵抗が大きく、発熱部材からの放熱を高めることは容易ではない。発熱部材とカーボンシートとの間、およびカーボンシートとヒートシンクのような放熱部材との間に、接着剤や、グリースなどを介在させて熱抵抗を下げる方法も考えられる。しかし、カーボンシートの着脱が困難になり、あるいは機器の内部を開けて修理を行うような場合にグリースが修理等の作業の邪魔をするという問題がある。さらには、カーボンシートと発熱部材とを大きな力で締め付けて熱抵抗を下げる方法も考えられる。しかし、かかる方法は、カーボンシートや発熱部材の破損を招くので好ましくない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、軽量で、電子機器の小型化または薄型化を阻害せず、電子機器の内部の発熱部材からの熱を放熱容易な熱伝導部材、およびそれを備える電子機器を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための一実施形態に係る熱伝導部材は、カーボンシートと、前記カーボンシートの片面若しくは両面の少なくとも一部分を被覆する被覆層と、を備え、
前記被覆層は、前記カーボンシートより厚さが小さく、かつ前記被覆層の接する前記カーボンシートの面の粗さよりも平滑で、前記カーボンシートを経由して熱を伝える対象物に密着可能である。
(2)別の実施形態に係る熱伝導部材において、好ましくは、前記被覆層は、シリコーンゴムシートであっても良い。
(3)別の実施形態に係る熱伝導部材において、好ましくは、前記シリコーンゴムシートのショアA硬度はA10°以上A50°以下であっても良い。
(4)別の実施形態に係る熱伝導部材において、好ましくは、前記被覆層の厚さは0.1μm以上10μm以下であっても良い。
(5)別の実施形態に係る熱伝導部材において、好ましくは、前記被覆層は、前記被覆層より熱伝導性の高いフィラーを含んでも良い。
(6)一実施形態に係る電子機器は、上述のいずれかの熱伝導部材を備える電子機器であって、前記熱伝導部材は、前記電子機器の内部に存在する発熱部材に対して、前記被覆層を密着させて固定されている。
(7)別の実施形態に係る電子機器において、好ましくは、前記発熱部材は、バッテリーおよび回路基板上の電子部品の少なくとも1つであっても良い。
(8)別の実施形態に係る電子機器において、好ましくは、前記熱伝導部材は、前記発熱部材と、前記発熱部材より低温の前記対象物とを連結していても良い。
(9)別の実施形態に係る電子機器において、好ましくは、前記被覆層は、前記カーボンシートの片面若しくは両面の一部分を被覆しており、前記被覆層を備えていない前記カーボンシートの領域は、前記発熱部材および前記対象物と非接触の領域としても良い。
本発明によれば、軽量で、電子機器の小型化または薄型化を阻害せず、電子機器の内部の発熱部材からの熱を放熱容易な熱伝導部材、およびそれを備える電子機器を提供できる。
図1は、第1実施形態に係る熱伝導部材の斜視図(1A)および当該斜視図のA-A線断面図と当該断面図の一部拡大図(1B)を示す。 図2は、第2実施形態に係る熱伝導部材の斜視図(2A)および当該斜視図のB-B線断面図と当該断面図の一部拡大図(2B)を示す。 図3は、図1および図2の熱伝導部材の各種変形例(3A,3B,3C)の斜視図を示す。 図4は、実施形態に係る電子機器に熱伝導部材を配置する状況の断面図と熱伝導部材の一部を拡大した断面図とを示す。 図5は、図4の配置によって熱伝導部材を備えた電子機器の断面図を示す。 図6は、変形例に係る熱伝導部材の一種も含む電子機器の断面図を示す。
次に、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
1.熱伝導部材
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る熱伝導部材の斜視図(1A)および当該斜視図のA-A線断面図と当該断面図の一部拡大図(1B)を示す。
第1実施形態に係る熱伝導部材1は、カーボンシート2と、カーボンシート2の両面の全面を被覆する被覆層3と、を備える。カーボンシート2は、好ましくは、20μm以上3mm以下の厚さを有するシートである。本願では、カーボンシートは、カーボンのみからなるシート、およびカーボン50質量%以上100質量%未満と、結着材を含む他の材料とからなるシート(カーボンを主とするシート)を含むように広義に解釈される。また、カーボンは、非晶質炭素、グラファイト、グラファイトライクカーボン、ダイヤモンドなどの各種炭素の単体、混合体または複合体を意味する。この実施形態において、カーボンシート2は、好ましくは、厚さ方向に積層した構造を有するグラファイトシートであり、厚さ方向の熱伝導率に比べて平面に沿う方向の熱伝導率が高いシート状の部材である。本願では、グラファイトシートは、グラファイトのみからなるシート、およびグラファイト50質量%以上100質量%未満と、結着材を含む他の材料とからなるシート(グラファイトを主とするシート)を含むように広義に解釈される。
被覆層3は、カーボンシート2より厚さが小さく、かつ被覆層3の接するカーボンシート2の面の粗さよりも平滑で、カーボンシート2を経由して熱を伝える対象物に密着可能な層である。ここで、「粗さ」は、「表面粗さ」と称しても良く、算術平均粗さ(Ra)を意味する。被覆層3は、特にその材料に制約はなく、例えば、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂に代表される樹脂、ゴム、セラミックス、金属およびそれらの複合材から形成される層である。
被覆層3は、上記熱を伝える対象物に熱伝導材1を取り付ける際に、対象物との間の空気をできるだけ排して密着可能である。被覆層3のRaは、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.001μm以上1μm未満、さらにより好ましくは0.01μm以上0.5μm未満である。
被覆層3は、より好ましくは、シリコーンゴムシートである。シリコーンゴムシートのショアA硬度(JIS K 6253に基づく)は、好ましくはA10°以上A50°以下、より好ましくはA10°以上A40°以下である。また、シリコーンゴムシートのショアA硬度(JIS K 6301に基づく)は、好ましくはHs10以上Hs50以下、より好ましくはHs10以上Hs40以下であっても良い。
被覆層3の厚さは、カーボンシート2の厚さに比べて薄い限り、特に制約はないが、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上7μm以下である。
被覆層3は、その母材(例えば、シリコーンゴム)より熱伝導率の高いフィラーを含んでいても良い。フィラーとしては、アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素に代表されるセラミックス系材料; ダイヤモンド、グラファイトに代表される炭素系材料; アルミニウム、アルミニウム合金、銀に代表される金属系材料を、例示できる。フィラーとしては、電気伝導性の低いものが好ましい。フィラーは、粒子状、針状、繊維状、板状などの如何なる形状を有していても良い。被覆層3中にフィラーを含めることにより、発熱部材からカーボンシート2への熱移動に対する熱抵抗を低下できる。
カーボンシート2の平面は、金属、樹脂あるいはゴムに比べて平滑にすることが難しく、研磨等により平滑にしようとしても、微細な凹凸2aを有する。被覆層3は、当該凹凸2aの凹部を埋めて、カーボンシート2の平面に、より平滑な面を形成する役割を有する。
被覆層3をカーボンシート2に固定する方法としては、各種印刷手法、ローラー等を用いた塗布法、薄いテープとして貼付する貼付法、被覆層3の構成成分を含む液体中にカーボンシート2の一部若しくは全部を浸漬する浸漬手法、カーボンシート2を金型内にセットして、所定領域に被覆層3の構成成分を金型内に射出する成形法などを例示できる。なお、被覆層3とカーボンシート2との間に、接着層が介在していても良い。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態に係る熱伝導部材の斜視図(2A)および当該斜視図のB-B線断面図と当該断面図の一部拡大図(2B)を示す。
第2実施形態に係る熱伝導部材1aは、カーボンシート2と、カーボンシート2の片面の全面を被覆する被覆層3と、を備える。被覆層3をカーボンシート2の片面のみに備える点で、熱伝導部材1aは、前述の熱伝導部材1と異なり、その他の構成を熱伝導部材1と共通する。このため、熱伝導部材1a,1間の共通点については、重複説明を省略する。
熱伝導部材1aの片面には被覆層3が備えられているが、当該片面と反対側の面には被覆層3が備えられていない。被覆層3を備えていない面は、カーボンシート2の面である。カーボンシート2の凹凸2aのある面は、熱を空気中に逃がすヒートシンクとしての役割を有する。したがって、発熱部材に被覆層3を介して熱伝導部材1aを固定すると、発熱部材からの熱は、被覆層3、カーボンシート2へと伝わり、凹凸2aの面から空気中に放散可能である。
(各種変形例)
図3は、図1および図2の熱伝導部材の各種変形例(3A,3B,3C)の斜視図を示す。
以下に述べる各種変形例では、被覆層は、カーボンシート2の片面若しくは両面の一部分を被覆している。被覆層を備えていないカーボンシート2の領域は、発熱部材および熱を伝える対象物と非接触の領域とすることができる。
(3A)に示されている変形例1に係る熱伝導部材1bは、カーボンシート2と、カーボンシート2の両面の少なくとも一部を被覆する被覆層3,3aと、を備える。具体的には、カーボンシート2の両面の内の片面(図中、下側の面)の全面は被覆層3にて覆われている。当該片面の反対側の面(図中、上側の面)の一部は被覆層3aに覆われているが、当該一部を除く領域はカーボンシート2の面である。被覆層3aは、バッテリー13または電子部品14,15に接触する領域である。被覆層3a以外のカーボンシート2の露出する面は、凹凸2aを有する面であって、空気中に放熱可能な面である。
(3B)に示されている変形例2に係る熱伝導部材1cは、カーボンシート2と、カーボンシート2の片面の一部を被覆する被覆層3aと、を備える。被覆層3aは、カーボンシート2の片面に浮かぶ島のように、カーボンシート2の片面に分散している。被覆層3aは、バッテリー13または電子部品14,15に接触する領域である。被覆層3a以外のカーボンシート2の露出する面(図中の上下両面に存在する)は、凹凸2aを有する面であって、空気中に放熱可能な面である。
(3C)に示されている変形例3に係る熱伝導部材1dは、長尺状のカーボンシート2と、カーボンシート2の片面の両端のみを被覆する被覆層3aと、を備える。被覆層3aは、バッテリー13または電子部品14,15に接触する領域である。被覆層3a以外のカーボンシート2の露出する面(図中の上下両面に存在する)は、凹凸2aを有する面であって、空気中に放熱可能な面である。
(3A)、(3B)および(3C)に示すように、カーボンシート2の一部のみに被覆層3aを備えて、被覆層3aを発熱部材に接触させ、発熱部材と接触しない部分をカーボンシート2の面とすることもできる。これによって、バッテリー13または電子部品14,15からの熱を他の場所に伝達させることに加え、かつカーボンシート2の露出面から空気中に熱を逃がすことも容易になる。
2.電子機器
次に、熱伝導部材を備える電子機器の実施形態について説明する。
図4は、実施形態に係る電子機器に熱伝導部材を配置する状況の断面図と熱伝導部材の一部を拡大した断面図とを示す。図5は、図4の配置によって熱伝導部材を備えた電子機器の断面図を示す。
この実施形態では、電子機器10として、携帯通信機器(スマートフォンなど)を例に説明する。図4および図5の各断面図は、電子機器10の厚さ方向に切った際の断面の概略図である。電子機器10は、その外側に筐体11(熱を伝える対象物の一例)を備える。各図の上面は、表示領域である。筐体11は、その表側(図中の上側)に、例えば、静電容量センサ付きの画面を構成する各種フィルムまたはシートを備える。電子機器10の内部には、当該各種フィルムの裏側(図中の下側)に、回路基板12が備えられている。回路基板12は、各種電子部品14,15を備える。また、バッテリー13は、回路基板12上若しくは回路基板12と電気コードなどによって電気的に接続されて、筐体11の内部に配置されている。ここで、電子部品14,15としては、IC、トランジスタ、ダイオード、オペアンプ、抵抗、コイル、コンデンサ、リレー、スイッチ、コネクタなどを例示できる。
この実施形態に係る電子機器10は、筐体11の内部に、3つの熱伝導部材1,1a,1aを備える。熱伝導部材1は、発熱部材の一例であるバッテリー13と筐体11の裏側の内面との間を連結するように備えられている。熱伝導部材1は、先に説明したように、その両面に被覆層3を備えている(図4のX部の拡大図を参照。)。このため、バッテリー13からの熱は、被覆層3、カーボンシート2、被覆層3、筐体11へと順に伝わる。これによって、バッテリー13の熱を筐体11へと放散可能である。
2つの熱伝導部材1a,1aの内の1つは、発熱部材の一例である電子部品14に固定されている。熱伝導部材1aは、先に説明したように、カーボンシート2の片面のみに被覆層3を備えている(図4のY部の拡大図を参照。)。このため、電子部品14からの熱は、被覆層3、カーボンシート2へと順に伝わる。カーボンシート2の被覆層3と反対側の面は、電子機器10の筐体11などには接触しておらず、筐体11の内部において露出している。カーボンシート2の上記反対側の面は、凹凸2aを有している面である。このため、電子部品14の熱は、カーボンシート2の凹凸2aを利用して、筐体11の内部の空気へと伝達される。これによって、電子部品14の放熱を実現可能である。
2つの熱伝導部材1a,1aの内の残る1つは、発熱部材の一例である電子部品15と、筐体11の内面から内側に突出する突出部16(熱を伝える対象物の一例)との間を連結するように備えられている。熱伝導部材1aは、先に説明したように、その片面に被覆層3を備えている(図4のZ部の拡大図を参照。)。このため、電子部品15からの熱は、被覆層3、カーボンシート2、同じ被覆層3、突出部16、筐体11へと順に伝わる。これによって、電子部品15の熱を筐体11へと放散可能である。なお、ここでは、熱伝導部材1aの片面に備える被覆層3のみを、電子部品15および突出部16の片面に接触させている。しかし、熱伝導部材1aに代えて熱伝導部材1を用いて、片面側の被覆層3を電子部品15に接触させ、別の面側の被覆層3を突出部16の片面に接触させても良い。
また、突出部16は、筐体11に固定されておらず、回路基板12または回路基板12上の部材(別の電子部品など)に固定されても良い。さらには、熱伝導部材1,1aは、電子部品15と、回路基板12あるいは回路基板12上の部材との間を連結するように固定されても良い。
以上の通り、電子機器10は、熱伝導部材1,1a,1aを備えている。熱伝導部材1,1a,1aは、電子機器10の内部に存在する発熱部材に対して、被覆層3を密着させて固定されている。発熱部材は、好ましくは、バッテリー13および回路基板12上の電子部品14,15の少なくとも1つである。また、熱伝導部材1,1aは、発熱部材と、発熱部材より低温の対象物(筐体11、突出部16等)とを連結させて用いることができる。
図6は、変形例に係る熱伝導部材の一種も含む電子機器の断面図を示す。
図6に示す電子機器10aの筐体11の内部には、熱伝導部材1,1aに加え、熱伝導部材1dが備えられている。熱伝導部材1dは、図3(3C)に示す熱伝導部材1dをその長さ方向の略中央から湾曲させて略U字形状に賦形した部材である。被覆層3aは、略U字形状のカーボンシート2の外側の面に備えられており、電子部品14と筐体11の内面に密着している。バッテリー13と接する熱伝導部材1および電子部品15と接する熱伝導部材1aは、電子機器10内のそれらと共通している。
3.他の実施形態
上述のように、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されることなく、種々変形して実施可能である。
熱伝導部材1,1a,1b,1c,1dは、グラファイトのシートに代えて、炭素粒子を焼結した焼結体を薄いシート状に加工したものを用いたものでも良い。被覆層3,3aは、PC、ポリアミド、PET等のポリエステルなどの樹脂でも良い。
上述の実施形態における各構成要素は、組み合わせることが不可能な場合を除き、任意に組み合わせ可能である。例えば、熱伝導部材1b,1cの内の少なくとも1つを、熱伝導部材1,1aと共にまたは熱伝導部材1,1aに代えて、電子機器10内に備えても良い。また、電子機器10の内部に、熱伝導部材1,1a,1b,1c,1dの内の1種類のみを備えても良い。
本発明は、発熱部材からの放熱を促進する分野に利用可能である。
1,1a,1b,1c,1d・・・熱伝導部材、2・・・カーボンシート(グラファイトシートも含まれる)、3,3a・・・被覆層、10,10a・・・電子機器、11・・・筐体(熱を伝える対象物の一例)、12・・・回路基板、13・・・バッテリー(発熱部材の一例)、14,15・・・電子部品(発熱部材の一例)、16・・・突出部(熱を伝える対象物の一例)。

Claims (9)

  1. カーボンシートと、
    前記カーボンシートの片面若しくは両面の少なくとも一部分を被覆する被覆層と、
    を備え、
    前記被覆層は、前記カーボンシートより厚さが小さく、かつ前記被覆層の接する前記カーボンシートの面の粗さよりも平滑で、前記カーボンシートを経由して熱を伝える対象物に密着可能であることを特徴とする熱伝導部材。
  2. 前記被覆層は、シリコーンゴムシートであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導部材。
  3. 前記シリコーンゴムシートのショアA硬度はA10°以上A50°以下であることを特徴とする請求項2に記載の熱伝導部材。
  4. 前記被覆層の厚さは0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  5. 前記被覆層は、前記被覆層より熱伝導性の高いフィラーを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の熱伝導部材を備える電子機器であって、
    前記熱伝導部材は、前記電子機器の内部に存在する発熱部材に対して、前記被覆層を密着させて固定されていることを特徴とする電子機器。
  7. 前記発熱部材は、バッテリーおよび回路基板上の電子部品の少なくとも1つであることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
  8. 前記熱伝導部材は、前記発熱部材と、前記発熱部材より低温の前記対象物とを連結していることを特徴とする請求項6または7に記載の電子機器。
  9. 前記被覆層は、前記カーボンシートの片面若しくは両面の一部分を被覆しており、
    前記被覆層を備えていない前記カーボンシートの領域は、前記発熱部材および前記対象物と非接触の領域であることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の電子機器。

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