JP2022032260A - 気化器 - Google Patents

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Abstract

【課題】気化原料を安定的に生成すること。【解決手段】各ヒータ40は、各ヒータ素子Rの発熱によって各隙間54を通過するキャリアガスを加熱する。そして、各隙間54を通過したキャリアガスが、上流側スペーサ82の各孔82hに導入され、各孔82hに導入されたキャリアガスによって原料81が気化する。原料81が気化されることにより生成される気化原料は、排出ポート37から被処理基板の表面に向けて排出される。このように、各隙間54を通過するキャリアガスを各ヒータ素子Rからの熱によって直接加熱することができるため、気化原料が安定的に生成される。【選択図】図6

Description

本発明は、気化器に関する。
例えば、液体原料を気化して気化原料を生成する気化器を用いて、被処理基板の表面に薄膜を成形する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1では、ヒータにより加熱された気化器の内部にキャリアガスを噴出させる。このとき、液体原料供給器から気化器の内部に供給される液体原料が、キャリアガスにおける気化器の内部への流れによって微粒化され、気化器の内部で瞬時に気化する。そして、気化器の内部で液体原料が気化したことにより生成された気化原料が、被処理基板が収容された反応室に導入されることにより、被処理基板の表面に薄膜が成形されるようになっている。
特開平8-186103号公報
ところで、特許文献1では、気化器を形成する壁材の内部にヒータが埋設されている。したがって、気化器の内部に供給された液体原料の気化は、ヒータからの熱と液体原料との壁材を介した熱交換が行われることにより生じるため、ヒータの熱と液体原料との熱交換が行われ難く、気化器の内部に供給された液体原料が十分に気化しない虞がある。その結果、気化器によって気化原料を安定的に生成することができない虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、気化原料を安定的に生成することができる気化器を提供することにある。
上記課題を解決する気化器は、本体部と、前記本体部に形成されるとともにキャリアガスが供給される供給ポートと、前記供給ポートからのキャリアガスが通過するガス通過空間を形成するヒータ素子を有し、前記ヒータ素子の発熱によって前記ガス通過空間を通過するキャリアガスを加熱するヒータと、前記ガス通過空間を通過したキャリアガスが導入されるガス導入空間を形成するとともに原料を保持する原料保持部材と、前記本体部に形成されるとともに前記ガス導入空間に導入されたキャリアガスによって前記原料が気化されることにより生成される気化原料を被処理基板の表面に向けて排出する排出ポートと、を備えた。
上記気化器において、前記ガス通過空間と前記ガス導入空間とは一直線上に位置しているとよい。
上記気化器において、前記ヒータは、前記ヒータ素子を複数有し、前記複数のヒータ素子は、列方向及び行方向にそれぞれ複数配列されてマトリクス状に配置されているとよい。
上記気化器において、前記ヒータは、前記列方向に複数配列されるとともに前記行方向に延び、各列で前記行方向に複数配列される前記ヒータ素子の一端にそれぞれ電気的に接続される複数の第1配線と、前記行方向に複数配列されるとともに前記列方向に延び、各行で前記列方向に複数配列された前記ヒータ素子の他端にそれぞれ電気的に接続される複数の第2配線と、前記複数の第1配線にそれぞれ電気的に接続される複数の第1スイッチング素子と、前記複数の第2配線にそれぞれ電気的に接続される複数の第2スイッチング素子と、前記各第1配線と前記各ヒータ素子の一端との間、及び前記各第2配線と前記各ヒータ素子の他端との間のどちらか一方に設けられたダイオードと、を備えているとよい。
上記気化器において、前記各ヒータ素子は、正極電極、負極電極、及び前記正極電極と前記負極電極とを接続する発熱部を有し、前記正極電極及び前記負極電極は、同一平面上において前記発熱部の周囲にL字配置されているとよい。
上記気化器において、前記複数の第1スイッチング素子及び前記複数の第2スイッチング素子のオンオフ制御を行うとともに、前記複数の第1スイッチング素子のうちの少なくとも一つ及び前記複数の第2スイッチング素子のうちの少なくとも一つをオン状態とすることにより選択されたヒータ素子に対する通電をPWM制御にて行うマイコンを備えているとよい。
上記気化器において、前記ヒータが複数層配置されているとよい。
上記気化器において、前記ヒータ素子は、金属繊維であるとよい。
上記気化器において、前記原料保持部材は、種類の異なる原料を保持可能に構成されているとよい。
上記気化器において、前記本体部には、前記供給ポートが複数形成されているとよい。
この発明によれば、気化原料を安定的に生成することができる。
実施形態における気化器を備えた成膜装置を示す断面図。 気化器を模式的に示す断面図。 ヒータ素子の平面図。 複数のヒータ素子及び回路基板を示す平面図。 ヒータの回路図。 気化器の一部分を拡大して示す断面図。 別の実施形態における気化器を模式的に示す断面図。 別の実施形態における気化器を模式的に示す断面図。
以下、気化器を具体化した一実施形態を図1~図6にしたがって説明する。本実施形態の気化器は、被処理基板の表面に薄膜を成形する成膜装置を構成している。
図1に示すように、成膜装置10は、装置本体11、基板支持台20、及び気化器30を備えている。装置本体11は、有底筒状のハウジング13と、ハウジング13の開口を閉塞する板状の閉塞部材14と、を有している。ハウジング13は、筒状の胴体部13aと、胴体部13aの軸方向の一端部に連続する半球状のドーム部13bと、を有している。閉塞部材14は、胴体部13aの軸方向の他端部に位置する開口を閉塞した状態で、胴体部13aに接合されている。そして、装置本体11は、ハウジング13と閉塞部材14とによって区画される収容室15を有している。
閉塞部材14には、外部供給ポート14aが形成されている。外部供給ポート14aは、閉塞部材14の中央部に形成されている。外部供給ポート14aの一端は、キャリアガスを供給するガス供給源16に接続されている。具体的には、外部供給ポート14aの一端は、外部配管17を介してガス供給源16に接続されている。外部供給ポート14aの他端は、収容室15に連通している。
基板支持台20は、収容室15に収容されている。基板支持台20は、被処理基板18を支持する。基板支持台20は、柱状である複数の支持部21と、板状の載置台22と、を有している。各支持部21の一端部は、閉塞部材14における収容室15側の端面である内端面141に接合されている。具体的には、各支持部21の一端部は、閉塞部材14の内端面141における外部供給ポート14aの周囲に接合されている。載置台22は、各支持部21の他端部に接合されている。載置台22の厚み方向は、各支持部21の軸方向に一致している。
載置台22には、気化原料導入ポート23が形成されている。気化原料導入ポート23は、載置台22を厚み方向に貫通している。気化原料導入ポート23は、載置台22の中央部に形成されている。気化原料導入ポート23は、外部供給ポート14aに対して、胴体部13aの軸方向で重なる位置に配置されている。載置台22における各支持部21が接合されている面とは反対側の面は、被処理基板18が載置される載置面22aになっている。被処理基板18は、載置面22aに対して、気化原料導入ポート23を閉塞するように載置されている。
気化器30は、収容室15に収容されている。気化器30は、本体部31を備えている。本体部31は、閉塞部材14の内端面141と載置台22との間に配置されている。本体部31は、閉塞部材14の内端面141に載置された状態で、閉塞部材14に取り付けられている。本体部31は、気化原料導入ポート23及び外部供給ポート14aに対して、胴体部13aの軸方向で重なる位置に配置されている。本体部31は、胴体部13aの軸方向で、外部供給ポート14aと気化原料導入ポート23との間に位置している。
また、閉塞部材14には、排気ポート14bが形成されている。排気ポート14bは、閉塞部材14の外周部寄りに位置する部位に形成されている。排気ポート14bは、複数の支持部21に対して、閉塞部材14の外周部寄りに位置している。排気ポート14bは、図示しない真空発生器に接続されている。そして、真空発生器の駆動によって、収容室15内の空気が、排気ポート14bから排気されることにより、収容室15内は真空引きされている。
図2に示すように、本体部31は、板状の基部33と、筒状の胴体部34と、板状の蓋部35と、を有している。基部33は、胴体部34の一端側の開口を閉塞した状態で胴体部34の一端部に接合されている。基部33には、供給ポート36が形成されている。したがって、気化器30は、供給ポート36を備え、供給ポート36は、本体部31に形成されている。供給ポート36は、基部33の中央部に形成されている。供給ポート36は、外部供給ポート14aに連通している。
蓋部35は、胴体部34の他端側の開口を閉塞した状態で胴体部34の他端部に接合されている。蓋部35には、排出ポート37が形成されている。したがって、気化器30は、排出ポート37を備え、排出ポート37は、本体部31に形成されている。排出ポート37は、蓋部35の中央部に形成されている。供給ポート36及び排出ポート37は、胴体部34の軸方向で重なる位置にそれぞれ配置されている。
気化器30は、ヒータ40を2つ備えている。各ヒータ40は、ヒータ素子Rを複数有している。各ヒータ40は、複数のヒータ素子Rが同一平面上に配置された面状ヒータである。各ヒータ40は、胴体部34の内側に配置されている。各ヒータ40は、胴体部34の軸方向に離間した状態で層状に配置されている。したがって、本実施形態の気化器30は、ヒータ40が複数層配置されている。ヒータ40の積層方向は、胴体部34の軸方向に一致している。
2つのヒータ40の間には、板状の第1スペーサ41が介在されている。第1スペーサ41の一端面は、2つのヒータ40の一方に接触している。第1スペーサ41の他端面は、2つのヒータ40の他方に接触している。したがって、2つのヒータ40は、第1スペーサ41の厚み分だけ、胴体部34の軸方向に離間している。2つのヒータ40の一方は、基部33における胴体部34側の面に接触している。第1スペーサ41には、第1スペーサ孔41hが形成されている。第1スペーサ孔41hは、第1スペーサ41の中央部に形成されている。第1スペーサ孔41hは、胴体部34の軸方向で供給ポート36及び排出ポート37それぞれに重なる位置に配置されている。
図3に示すように、各ヒータ素子Rは、板状の金属部材がパターニングされることにより形成されている。各ヒータ素子Rは、全て同一形状である。各ヒータ素子Rは、金属繊維である。各ヒータ素子Rは、正極電極51、負極電極52、及び発熱部53を有している。発熱部53は、正極電極51と負極電極52とを接続する。発熱部53は、正極電極51から発熱部53を通過して負極電極52へ電流が流れることにより発熱する。
正極電極51は、平面視すると、長四角形状である。負極電極52は、平面視すると、長四角形状である。正極電極51の長手方向の長さと負極電極52の長手方向の長さとは同じである。正極電極51の短手方向の長さと負極電極52の短手方向の長さとは同じである。
発熱部53は、平面視すると、クランク形状(つづら折り形状)に折り曲げられた帯状である。発熱部53の一端部は、正極電極51の両長側縁部の一方であって、且つ正極電極51の両短側縁部の一方寄りの端部に接続されている。発熱部53の他端部は、負極電極52の両長側縁部の一方であって、且つ負極電極52の両短側縁部の一方寄りの端部に接続されている。
詳細には、発熱部53は、正極電極51の両長側縁部の一方であって、且つ正極電極51の両短側縁部の一方寄りの端部から正極電極51の短手方向に延びた後、正極電極51の両短側縁部の他方側へ折り曲げられて、正極電極51の両長側縁部の一方に沿って延びている。さらに、発熱部53は、正極電極51の両長側縁部の一方に沿って延びて、正極電極51の両短側縁部の他方と正極電極51の短手方向で重なる位置まで延びた後、正極電極51の短手方向において正極電極51に対して離間する方向に折り曲げられて、正極電極51の短手方向に延びている。続けて、発熱部53は、正極電極51の短手方向に延びた後、正極電極51の両短側縁部の一方側へ折り曲げられて、正極電極51の両長側縁部の一方に沿って延びている。さらに、発熱部53は、正極電極51の両長側縁部の一方に沿って延びて、正極電極51の両短側縁部の一方と正極電極51の短手方向で重なる位置まで延びた後、正極電極51の短手方向において正極電極51に対して離間する方向に折り曲げられて、正極電極51の短手方向に延びている。このように、発熱部53は、クランク形状に繰り返し折り曲げられた後、さらに、正極電極51の両短側縁部の他方側へ折り曲げられて、正極電極51の両長側縁部の一方に沿って延び、発熱部53の他端部が、負極電極52の両長側縁部の一方であって、且つ正極電極51の両短側縁部の一方寄りの端部に接続されている。
発熱部53は、正極電極51の長手方向に延びる延在部53aを複数有している。複数の延在部53aは、それぞれ平行に延びている。複数の延在部53aは、正極電極51の短手方向に等間隔置きに配置されている。正極電極51の短手方向で隣り合う延在部53a同士の間には隙間54が形成されている。したがって、ヒータ素子Rは、複数の隙間54を形成している。
負極電極52は、負極電極52の長手方向が、正極電極51の短手方向に一致するように、正極電極51に対して配置されている。したがって、正極電極51の長手方向と負極電極52の長手方向とは互いに直交している。負極電極52は、負極電極52の両長側縁部の一方において、発熱部53の他端部との接続位置が正極電極51から最も遠い位置になるように、正極電極51に対して配置されている。正極電極51及び負極電極52は、同一平面上において発熱部53の周囲にL字配置されている。ヒータ素子Rは、正極電極51の短手方向における正極電極51及び発熱部53を含んだ長さL1と、負極電極52の短手方向における負極電極52及び発熱部53を含んだ長さL2とは、同じ長さになっている。
図4に示すように、各ヒータ40は、回路基板55を有している。回路基板55には、複数のヒータ素子Rが実装されている。本実施形態のヒータ40は、16個のヒータ素子Rを有している。なお、以下の説明において、16個のヒータ素子Rそれぞれを、「ヒータ素子R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,R16」と記載することもある。また、以下の説明において、「ヒータ素子R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,R16」を説明の便宜上、「ヒータ素子R1~R16」と記載することもある。複数のヒータ素子R1~R16は、熱線(抵抗体)である。
複数のヒータ素子R1~R16は、図4において矢印で示す列方向Y1及び行方向X1にそれぞれ複数配列されてマトリクス状に配置されている。本実施形態において、複数のヒータ素子R1~R16は、列方向Y1に4列、行方向X1に4行配列された状態で配置されている。
具体的には、複数のヒータ素子R1,R2,R3,R4は、1列目において行方向X1にヒータ素子R1、ヒータ素子R2、ヒータ素子R3、ヒータ素子R4の順に等間隔置きに配列されている。複数のヒータ素子R5,R6,R7,R8は、2列目において行方向X1にヒータ素子R5、ヒータ素子R6、ヒータ素子R7、ヒータ素子R8の順に等間隔置きに配列されている。複数のヒータ素子R9,R10,R11,R12は、3列目において行方向X1にヒータ素子R9、ヒータ素子R10、ヒータ素子R11、ヒータ素子R12の順に等間隔置きに配列されている。複数のヒータ素子R13,R14,R15,R16は、4列目において行方向X1にヒータ素子R13、ヒータ素子R14、ヒータ素子R15、ヒータ素子R16の順に等間隔置きに配列されている。
ヒータ素子R1、ヒータ素子R5、ヒータ素子R9、ヒータ素子R13は、1行目において列方向Y1にこの順で等間隔置きに配列されている。ヒータ素子R2、ヒータ素子R6、ヒータ素子R10、ヒータ素子R14は、2行目において列方向Y1にこの順で等間隔置きに配列されている。ヒータ素子R3、ヒータ素子R7、ヒータ素子R11、ヒータ素子R15は、3行目において列方向Y1にこの順で等間隔置きに配列されている。ヒータ素子R4、ヒータ素子R8、ヒータ素子R12、ヒータ素子R16は、4行目において列方向Y1にこの順で等間隔置きに配列されている。
複数のヒータ素子R1~R16は、正極電極51の長手方向が列方向Y1に一致するとともに、負極電極52の長手方向が行方向X1に一致するように回路基板55に実装されている。列方向Y1で隣り合うヒータ素子Rそれぞれの発熱部53同士の間には、列方向Y1で隣り合うヒータ素子Rの一方の負極電極52が配置されている。また、行方向X1で隣り合うヒータ素子Rそれぞれの発熱部53同士の間には、行方向X1で隣り合うヒータ素子Rの一方の正極電極51が配置されている。ここで、正極電極51の短手方向の長さと負極電極52の短手方向の長さとは同じであるため、列方向Y1で隣り合うヒータ素子Rそれぞれの発熱部53同士のピッチと、行方向X1で隣り合うヒータ素子Rそれぞれの発熱部53同士のピッチとは、同じである。
回路基板55には、図4において破線で示すように、ガス通過孔55hが複数形成されている。複数のガス通過孔55hは、列方向Y1及び行方向X1にそれぞれ複数配列されてマトリクス状に配置されている。本実施形態において、複数のガス通過孔55hは、列方向Y1に4列、行方向X1に4行配列された状態で配置されている。各ガス通過孔55hは、回路基板55を厚み方向に貫通している。各ガス通過孔55hは、各ヒータ素子Rの発熱部53それぞれに対応する位置に配置されている。
図5に示すように、ヒータ40は、複数の第1配線61,62,63,64を備えている。本実施形態のヒータ40は、4つの第1配線を有している。なお、以下の説明においては、「第1配線61,62,63,64」を説明の便宜上、「第1配線61~64」と記載することもある。
複数の第1配線61~64は、列方向Y1に複数配列されるとともに行方向X1に延び、各列で行方向X1に複数配列されるヒータ素子R1~R16の一端にそれぞれ電気的に接続されている。
具体的には、第1配線61は、1列目において行方向X1に延び、1列目で行方向X1に配列されるヒータ素子R1、ヒータ素子R2、ヒータ素子R3、ヒータ素子R4の一端にそれぞれ電気的に接続されている。よって、第1配線61は、ヒータ素子R1、ヒータ素子R2、ヒータ素子R3、ヒータ素子R4の一端に接続される接続点61a,61b,61c,61dを有している。
第1配線62は、2列目において行方向X1に延び、2列目で行方向X1に配列されるヒータ素子R5、ヒータ素子R6、ヒータ素子R7、ヒータ素子R8の一端にそれぞれ電気的に接続されている。よって、第1配線62は、ヒータ素子R5、ヒータ素子R6、ヒータ素子R7、ヒータ素子R8の一端に接続される接続点62a,62b,62c,62dを有している。
第1配線63は、3列目において行方向X1に延び、3列目で行方向X1に配列されるヒータ素子R9、ヒータ素子R10、ヒータ素子R11、ヒータ素子R12の一端にそれぞれ電気的に接続されている。よって、第1配線63は、ヒータ素子R9、ヒータ素子R10、ヒータ素子R11、ヒータ素子R12の一端に接続される接続点63a,63b,63c,63dを有している。
第1配線64は、4列目において行方向X1に延び、4列目で行方向X1に配列されるヒータ素子R13、ヒータ素子R14、ヒータ素子R15、ヒータ素子R16の一端にそれぞれ電気的に接続されている。よって、第1配線64は、ヒータ素子R13、ヒータ素子R14、ヒータ素子R15、ヒータ素子R16の一端に接続される接続点64a,64b,64c,64dを有している。
ヒータ40は、複数の第2配線71,72,73,74を備えている。本実施形態のヒータ40は、4つの第2配線を有している。なお、以下の説明においては、「第2配線71,72,73,74」を説明の便宜上、「第2配線71~74」と記載することもある。
複数の第2配線71~74は、行方向X1に複数配列されるとともに列方向Y1に延び、各行で列方向Y1に複数配列されるヒータ素子R1~R16の他端に各ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9,D10,D11,D12,D13,D14,D15,D16を介してそれぞれ電気的に接続されている。なお、以下の説明においては、「ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9,D10,D11,D12,D13,D14,D15,D16」を説明の便宜上、「ダイオードD1~D16」と記載することもある。本実施形態では、各第2配線71~74と各ヒータ素子R1~R16の他端との間に各ダイオードD1~D16が設けられている。各ダイオードD1~D16のアノードは各ヒータ素子R1~R16の他端に電気的に接続されるとともに、各ダイオードD1~D16のカソードは各第2配線71~74に電気的に接続されている。
具体的には、第2配線71は、1行目において列方向Y1に延び、1行目で列方向Y1に配列されるヒータ素子R1、ヒータ素子R5、ヒータ素子R9、ヒータ素子R13の他端に各ダイオードD1,D5,D9,D13を介してそれぞれ電気的に接続されている。第2配線71は、ヒータ素子R1、ヒータ素子R5、ヒータ素子R9、ヒータ素子R13の他端に接続された各ダイオードD1,D5,D9,D13のカソードと接続される接続点71a,71b,71c,71dを有している。
第2配線72は、2行目において列方向Y1に延び、2行目で列方向Y1に配列されるヒータ素子R2、ヒータ素子R6、ヒータ素子R10、ヒータ素子R14の他端に各ダイオードD2,D6,D10,D14を介してそれぞれ電気的に接続されている。第2配線72は、ヒータ素子R2、ヒータ素子R6、ヒータ素子R10、ヒータ素子R14の他端に接続された各ダイオードD2,D6,D10,D14のカソードと接続される接続点72a,72b,72c,72dを有している。
第2配線73は、3行目において列方向Y1に延び、3行目で列方向Y1に配列されるヒータ素子R3、ヒータ素子R7、ヒータ素子R11、ヒータ素子R15の他端に各ダイオードD3,D7,D11,D15を介してそれぞれ電気的に接続されている。第2配線73は、ヒータ素子R3、ヒータ素子R7、ヒータ素子R11、ヒータ素子R15の他端に接続された各ダイオードD3,D7,D11,D15のカソードと接続される接続点73a,73b,73c,73dを有している。
第2配線74は、4行目において列方向Y1に延び、4行目で列方向Y1に配列されるヒータ素子R4、ヒータ素子R8、ヒータ素子R12、ヒータ素子R16の他端に各ダイオードD4,D8,D12,D16を介してそれぞれ電気的に接続されている。第2配線74は、ヒータ素子R4、ヒータ素子R8、ヒータ素子R12、ヒータ素子R16の他端に接続された各ダイオードD4,D8,D12,D16のカソードと接続される接続点74a,74b,74c,74dを有している。
ヒータ40は、複数の第1配線61~64にそれぞれ電気的に接続される複数の第1スイッチング素子L11,L12,L13,L14を備えている。本実施形態のヒータ40は、4つの第1スイッチング素子を有している。なお、以下の説明においては、「第1スイッチング素子L11,L12,L13,L14」を説明の便宜上、「第1スイッチング素子L11~L14」と記載することもある。
各第1スイッチング素子L11~L14は、パワーMOSFET(MOS電界効果トランジスタ)である。各第1スイッチング素子L11~L14は、ゲート電極G、ドレイン電極D、及びソース電極Sをそれぞれ有している。各第1スイッチング素子L11~L14のドレイン電極Dは、正極母線Lpを介して回路電源Vcにそれぞれ電気的に接続されている。各第1スイッチング素子L11~L14のソース電極Sは、各第1配線61~64に電気的に接続されている。
ヒータ40は、複数の第2配線71~74にそれぞれ電気的に接続される複数の第2スイッチング素子L21,L22,L23,L24を備えている。本実施形態のヒータ40は、4つの第2スイッチング素子を有している。なお、以下の説明においては、「第2スイッチング素子L21,L22,L23,L24」を説明の便宜上、「第2スイッチング素子L21~L24」と記載することもある。
各第2スイッチング素子L21~L24は、パワーMOSFET(MOS電界効果トランジスタ)である。各第2スイッチング素子L21~L24は、ゲート電極G、ドレイン電極D、及びソース電極Sをそれぞれ有している。各第2スイッチング素子L21~L24のドレイン電極Dは、各第2配線71~74に電気的に接続されている。各第2スイッチング素子L21~L24のソース電極Sは、負極母線Lnを介してグランドに接続されている。
複数の第1スイッチング素子L11~L14のゲート電極G、及び複数の第2スイッチング素子L21~L24のゲート電極Gは、マイコン60に電気的に接続されている。マイコン60は、グランドに接続されている。マイコン60は、複数の第1スイッチング素子L11~L14及び複数の第2スイッチング素子L21~L24のオンオフ制御を行う。
例えば、ヒータ素子R1を発熱させたい場合、マイコン60は、第1スイッチング素子L11と第2スイッチング素子L21とが同時にオン状態となるように、第1スイッチング素子L11及び第2スイッチング素子L21のオンオフ制御を行う。すると、回路電源Vcからの電流が第1スイッチング素子L11→第1配線61→ヒータ素子R1→ダイオードD1→第2配線71→第2スイッチング素子L21の順に流れてグランドに至る。これにより、ヒータ素子R1に対する通電が行われて、ヒータ素子R1が発熱する。
また、例えば、ヒータ素子R1及びヒータ素子R2を発熱させたい場合、マイコン60は、第1スイッチング素子L11、第2スイッチング素子L21、及び第2スイッチング素子L22が同時にオン状態となるように、第1スイッチング素子L11、第2スイッチング素子L21、及び第2スイッチング素子L22のオンオフ制御を行う。すると、回路電源Vcからの電流が第1スイッチング素子L11→第1配線61→ヒータ素子R1→ダイオードD1→第2配線71→第2スイッチング素子L21の順に流れてグランドに至る。また、回路電源Vcからの電流が第1スイッチング素子L11→第1配線61→ヒータ素子R2→ダイオードD2→第2配線72→第2スイッチング素子L22の順に流れてグランドに至る。これにより、ヒータ素子R1及びヒータ素子R2に対する通電が行われて、ヒータ素子R1及びヒータ素子R2が発熱する。
さらに、例えば、全てのヒータ素子R1~R16を発熱させたい場合、マイコン60は、各第1スイッチング素子L11~L14及び各第2スイッチング素子L21~L24がそれぞれ同時にオン状態となるように、各第1スイッチング素子L11~L14及び各第2スイッチング素子L21~L24のオンオフ制御を行う。すると、回路電源Vcからの電流が各第1スイッチング素子L11~L14→各第1配線61~64→各ヒータ素子R1~R16→各ダイオードD1~D16→各第2配線71~74→各第2スイッチング素子L21~L24の順にそれぞれ流れてグランドに至る。これにより、全てのヒータ素子R1~R16に対する通電が行われて、全てのヒータ素子R1~R16が発熱する。
また、マイコン60は、複数の第1スイッチング素子L11~L14のPWM制御を行う。マイコン60は、複数の第1スイッチング素子L11~L14をPWM制御して、複数のヒータ素子R1~R16に対して印加される電圧をパルス状とする。そして、例えば、マイコン60は、ヒータ素子R1~R16に対する通電によって生じるヒータ素子R1~R16の発熱量を大きくしたい場合には、複数の第1スイッチング素子L11~L14をPWM制御する際のデューティ比を大きくする。また、マイコン60は、ヒータ素子R1~R16に対する通電によって生じるヒータ素子R1~R16の発熱量を小さくしたい場合には、複数の第1スイッチング素子L11~L14をPWM制御する際のデューティ比を小さくする。
負極母線Lnには、シャント抵抗66が設けられている。そして、シャント抵抗66に電流が流れることにより、シャント抵抗66の両端に電位差が生じる。マイコン60は、シャント抵抗66の両端の間の電圧に基づいて、各ヒータ素子R1~R16の発熱量が目標の発熱量となるように各第1スイッチング素子L11~L14のデューティ比を算出し、各第1スイッチング素子L11~L14のPWM制御を行う。
このように、マイコン60は、複数の第1スイッチング素子L11~L14のうちの少なくとも一つ及び複数の第2スイッチング素子L21~L24のうちの少なくとも一つをオン状態とすることにより選択されたヒータ素子R1~R16に対する通電をPWM制御にて行う。マイコン60は、複数の第1スイッチング素子L11~L14の少なくとも一つをPWM制御するとともに、複数の第2スイッチング素子L21~L24の少なくとも一つをオン状態とし、オン状態とした第2スイッチング素子L21~L24においては、オン状態を保持する。
図2に示すように、気化器30は、原料保持部材80を備えている。原料保持部材80は、胴体部34の内側に配置されている。原料保持部材80は、2つのヒータ40よりも蓋部35側に配置されている。
2つのヒータ40のうち、第1スペーサ41よりも蓋部35側に位置するヒータ40と原料保持部材80との間には、板状の第2スペーサ42が介在されている。第2スペーサ42の一端面は、2つのヒータ40のうち、第1スペーサ41よりも蓋部35側に位置するヒータ40に接触している。第2スペーサ42の他端面は、原料保持部材80に接触している。第2スペーサ42には、第2スペーサ孔42hが形成されている。第2スペーサ孔42hは、第2スペーサ42の中央部に形成されている。第2スペーサ孔42hは、胴体部34の軸方向で供給ポート36、第1スペーサ孔41h、及び排出ポート37それぞれに重なる位置に配置されている。
原料保持部材80は、原料81を保持する。本実施形態において、原料81は、顆粒状の固体である。原料保持部材80は、板状である上流側スペーサ82と、板状である下流側スペーサ83と、板状である保持本体部材84と、を有している。保持本体部材84は、上流側スペーサ82と下流側スペーサ83とによって挟持されている。上流側スペーサ82、下流側スペーサ83、及び保持本体部材84それぞれの厚み方向は一致している。上流側スペーサ82、下流側スペーサ83、及び保持本体部材84の積層方向は、胴体部34の軸方向に一致している。上流側スペーサ82、下流側スペーサ83、及び保持本体部材84の積層方向は、ヒータ40の積層方向に一致している。上流側スペーサ82は、保持本体部材84よりも第2スペーサ42側に位置している。
上流側スペーサ82は、複数の孔82hが形成されたメッシュ状である。なお、上流側スペーサ82の孔82hの径は、原料81が孔82hを通過することができない径に予め設定されている。下流側スペーサ83は、複数の孔83hが形成されたメッシュ状である。なお、下流側スペーサ83の孔83hの径は、原料81が孔83hを通過することができない径に予め設定されている。
保持本体部材84には、原料収容孔84hが形成されている。原料収容孔84hは、保持本体部材84の中央部に形成されている。原料収容孔84hは、胴体部34の軸方向で供給ポート36、第1スペーサ孔41h、第2スペーサ孔42h、及び排出ポート37それぞれに重なる位置に配置されている。原料81は、原料収容孔84h、上流側スペーサ82、及び下流側スペーサ83によって区画される空間85に収容された状態で保持本体部材84に保持されている。
図6に示すように、各ヒータ素子Rが形成する各隙間54は、各ガス通過孔55hに重なっている。さらに、各ヒータ素子Rが形成する各隙間54は、胴体部34の軸方向で上流側スペーサ82の各孔82hに重なっている。各隙間54と上流側スペーサ82の各孔82hとは一直線上に位置している。また、各ヒータ素子Rが形成する各隙間54は、胴体部34の軸方向で供給ポート36、第1スペーサ孔41h、第2スペーサ孔42h、及び排出ポート37それぞれに重なる位置に配置されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
ガス供給源16からのキャリアガスが、外部配管17を介して外部供給ポート14aに供給されると、外部供給ポート14aに供給されたキャリアガスは、外部供給ポート14aから供給ポート36に供給される。したがって、供給ポート36には、キャリアガスが供給される。
供給ポート36に供給されたキャリアガスは、1層目のヒータ40の各ヒータ素子Rによって形成される各隙間54を通過して、第1スペーサ孔41hに供給されるとともに、第1スペーサ孔41hに供給されたキャリアガスは、2層目のヒータ40の各ヒータ素子Rによって形成される各隙間54を通過して、第2スペーサ孔42hに供給される。よって、各ヒータ素子Rが形成する各隙間54は、供給ポート36からのキャリアガスが通過するガス通過空間である。したがって、各ヒータ素子Rは、供給ポート36からのキャリアガスが通過するガス通過空間を形成する。
ヒータ40では、マイコン60が、複数の第1スイッチング素子L11~L14のうちの少なくとも一つ及び複数の第2スイッチング素子L21~L24のうちの少なくとも一つをオン状態とすることにより、複数のヒータ素子R1~R16のうちの少なくとも一つが選択されて発熱する。そして、マイコン60は、選択されたヒータ素子R1~R16に対する通電をPWM制御にて行う。よって、一つのマイコン60によって、複数のヒータ素子R1~R16に対する通電をそれぞれ独立して制御することが可能となり、複数のヒータ素子R1~R16それぞれの発熱量が適宜調整される。したがって、複数のヒータ素子R1~R16の発熱による温度分布を均一にしたり、局所的に温度を高めたり低くしたりすることが可能である。
また、ヒータ40は、マイコン60によって、複数の第1スイッチング素子L11~L14及び複数の第2スイッチング素子L21~L24がオン状態となるタイミングをずらすことにより、複数のヒータ素子R1~R16それぞれを時間差で温めることも可能である。さらには、マイコン60は、複数のヒータ素子R1~R16の部品特性のばらつきに応じて、複数の第1スイッチング素子L11~L14のPWM制御を行うことで、複数のヒータ素子R1~R16の部品特性のばらつきに応じた発熱量の調整が可能である。
各ヒータ40の各ヒータ素子Rによって形成される各隙間54を通過するキャリアガスは、各ヒータ素子Rの発熱によって加熱される。したがって、各ヒータ40は、各ヒータ素子Rの発熱によって各隙間54を通過するキャリアガスを加熱する。1層目のヒータ40の各ヒータ素子Rによって形成される各隙間54を通過するキャリアガスは、1層目のヒータ40の各ヒータ素子Rの発熱によって加熱される。さらに、2層目のヒータ40の各ヒータ素子Rによって形成される各隙間54を通過するキャリアガスは、2層目のヒータ40の各ヒータ素子Rの発熱によってさらに加熱される。そして、2層目のヒータ40の各ヒータ素子Rによって形成される各隙間54を通過したキャリアガスは、第2スペーサ孔42hを介して上流側スペーサ82の各孔82hに導入される。したがって、上流側スペーサ82の各孔82hは、各隙間54を通過したキャリアガスが導入されるガス導入空間である。よって、上流側スペーサ82は、各隙間54を通過したキャリアガスが導入されるガス導入空間を形成する。ガス通過空間とガス導入空間とは一直線上に位置している。
上流側スペーサ82の各孔82hに導入されたキャリアガスは、各孔82hを通過して原料81に接触する。このキャリアガスにおける原料81に対する接触が行われることにより、原料81が昇華し、原料81は瞬時に気化する。そして、原料81が気化されることにより気化原料が生成される。気化原料は、下流側スペーサ83の各孔83hを通過して排出ポート37に排出される。そして、排出ポート37に排出された気化原料は、排出ポート37から気化原料導入ポート23に向けて収容室15を流れ、気化原料導入ポート23に導入されて被処理基板18の表面に至る。したがって、排出ポート37は、上流側スペーサ82の各孔82hに導入されたキャリアガスによって原料81が気化されることにより生成される気化原料を被処理基板18の表面に向けて排出する。そして、被処理基板18の表面に気化原料が接触することにより、被処理基板18の表面に薄膜が形成される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)各ヒータ40は、各ヒータ素子Rの発熱によって各隙間54を通過するキャリアガスを加熱する。そして、各隙間54を通過したキャリアガスが、上流側スペーサ82の各孔82hに導入され、各孔82hに導入されたキャリアガスによって原料81が気化する。原料81が気化されることにより生成される気化原料は、排出ポート37から被処理基板18の表面に向けて排出される。このように、各隙間54を通過するキャリアガスを各ヒータ素子Rからの熱によって直接加熱することができるため、気化原料を安定的に生成することができる。
(2)各隙間54と上流側スペーサ82の各孔82hとが一直線上に位置している。これによれば、各隙間54を通過する際に各ヒータ素子Rの発熱によって加熱されたキャリアガスが、上流側スペーサ82の各孔82hにスムーズに導入される。したがって、各孔82hに導入されるキャリアガスによって原料81がさらに気化し易くなるため、気化原料をさらに安定的に生成することができる。
(3)複数のヒータ素子Rは、列方向Y1及び行方向X1にそれぞれ複数配列されてマトリクス状に配置されている。これによれば、各ヒータ素子Rの配置スペースの省スペース化を図ることができるため、ヒータ40を小型化することができる。
(4)複数の第1配線61~64は、各列で行方向X1に複数配列されるヒータ素子R1~R16の一端にそれぞれ電気的に接続されており、複数の第2配線71~74は、各行で列方向Y1に複数配列されたヒータ素子R1~R16の他端にそれぞれ電気的に接続されている。よって、各列で行方向X1に複数配列されるヒータ素子R1~R16の一端に対して配線を1つずつ接続し、各行で列方向Y1に複数配列されたヒータ素子R1~R16の他端に対して配線を1つずつ接続する場合に比べて、配線の数を減らすことができる。
(5)正極電極51及び負極電極52は、同一平面上において発熱部53の周囲にL字配置されている。これによれば、列方向Y1で隣り合うヒータ素子Rそれぞれの発熱部53同士のピッチと、行方向X1で隣り合うヒータ素子Rそれぞれの発熱部53同士のピッチとを、同等にし易くすることができるため、各ヒータ素子Rの配置スペースの省スペース化を図ることができ、ヒータ40を小型化することができる。
(6)マイコン60は、選択されたヒータ素子R1~R16に対する通電をPWM制御にて行う。よって、一つのマイコン60によって、複数のヒータ素子R1~R16に対する通電をそれぞれ独立して制御することができる。したがって、回路構成が複雑化することを回避しつつも、複数のヒータ素子R1~R16に対する通電をそれぞれ独立して制御することができる。
(7)ヒータ40が複数層配置されている。これによれば、例えば、ヒータ40が1層のみである場合に比べると、供給ポート36から供給されたキャリアガスを効率良く加熱することができる。
(8)ヒータ素子Rは、金属繊維である。これによれば、繊維同士の隙間に対しても供給ポート36からのキャリアガスが通過するため、キャリアガスがヒータ40を効率良く通過しつつも、ヒータ素子Rの発熱によってキャリアガスを効率良く加熱することができる。
(9)本実施形態の成膜装置10では、基板支持台20が、気化器30と共に収容室15に収容されており、収容室15で生成された気化原料が基板支持台20に支持された被処理基板18の表面に至ることで、被処理基板18の表面に薄膜が形成される。これによれば、気化器30が収容されている収容室15とは別の室に被処理基板18が配置されており、収容室15で生成された気化原料を、例えば、配管を介して収容室15から被処理基板18が配置されている室に供給する場合に比べて、構成を簡素化することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・ 図7に示すように、原料保持部材80が、原料81を予め収容可能な収容ケース86と、収容ケース86を保持する保持スペーサ部材87と、を有する構成であってもよい。収容ケース86は、四角箱状である。収容ケース86は、複数の孔86hが形成されたメッシュ状である。なお、収容ケース86の孔86hの径は、原料81が孔86hを通過することができない径に予め設定されている。
保持スペーサ部材87は板状である。保持スペーサ部材87には、保持収容孔87hが形成されている。保持収容孔87hは、保持スペーサ部材87の中央部に形成されている。保持収容孔87hは、胴体部34の軸方向で供給ポート36及び排出ポート37それぞれに重なる位置に配置されている。収容ケース86は、例えば、保持収容孔87hに嵌め込まれることにより保持スペーサ部材87に保持されている。収容ケース86の各孔86hは、各ヒータ素子Rによって形成される各隙間54を通過したキャリアガスが導入されるガス導入空間である。これによれば、原料81を予め収容ケース86に収容するとともに、原料81が収容された収容ケース86を保持スペーサ部材87に保持した状態で、気化器30の本体部31に保持スペーサ部材87を組み付けることができるため、組み付け性を向上させることができる。
・ 図8に示すように、本体部31に、供給ポート36が複数形成されていてもよい。この場合、原料保持部材80は、原料81を予め収容可能な収容ケース86を保持する保持スペーサ部材88を有し、保持スペーサ部材88に、収容ケース86が挿入される挿入孔88aが、各供給ポート36に対応して複数形成されている構成であってもよい。具体的には、原料保持部材80は、各挿入孔88aに挿入された各収容ケース86を支持する板状の支持部材89を有している。支持部材89は、複数の孔89hが形成されたメッシュ状である。
また、気化器30は、各供給ポート36に対応して、ヒータ40をそれぞれ有していてもよい。各ヒータ40は、板状のヒータ保持部材90によってそれぞれ保持されている。ヒータ保持部材90と支持部材89との間には、板状のスペーサ91が介在されている。スペーサ91には、各供給ポート36に対応して連通孔91hが複数形成されている。各供給ポート36に供給されたキャリアガスは、各ヒータ40によって加熱された後、各連通孔91h、支持部材89の各孔89h、及び各収容ケース86の各孔86hを通過して、各収容ケース86に収容された各原料81に接触する。これにより、各原料81がそれぞれ独立して瞬時に気化し、各原料81から各々の気化原料が生成される。
このように、本体部31に供給ポート36が複数形成されていることにより、各供給ポート36から供給されるキャリアガスを、各ヒータ40によって独立に加熱することができ、各供給ポート36から供給されるキャリアガスそれぞれの加熱度合を調整することができる。なお、各供給ポート36から供給されるキャリアガスを、各ヒータ40それぞれによって加熱する必要はなく、例えば、一つのヒータ40を用いて加熱してもよい。この場合、ヒータ40の各ヒータ素子R1~R16に対する通電をPWM制御にて行い、各ヒータ素子R1~R16の発熱量を適宜調整することで、各供給ポート36から供給されるキャリアガスを独立に加熱することが可能であるため、各供給ポート36から供給されるキャリアガスそれぞれの加熱度合を調整することができる。
また、各収容ケース86に収容されている原料81が、それぞれ種類の異なる原料81であってもよい。このように、原料保持部材80が、種類の異なる原料81を保持可能に構成されていてもよい。これによれば、一つの気化器30で種類の異なる気化原料を生成することができる。
・ 実施形態において、各第2配線71~74と各ヒータ素子R1~R16の他端との間に各ダイオードD1~D16が設けられておらず、各第1配線61~64と各ヒータ素子R1~R16の一端との間に各ダイオードD1~D16が設けられていてもよい。この場合、複数の第1配線61~64は、各列で行方向X1に複数配列されるヒータ素子R1~R16の一端に各ダイオードD1~D16を介してそれぞれ電気的に接続されている。各ダイオードD1~D16のアノードは各ヒータ素子R1~R16の一端に電気的に接続されるとともに、各ダイオードD1~D16のカソードは各第1配線61~64に電気的に接続されている。また、各第1スイッチング素子L11~L14のドレイン電極Dは、各第1配線61~64に電気的に接続され、各第1スイッチング素子L11~L14のソース電極Sは、グランドに接続されている。各第2スイッチング素子L21~L24のドレイン電極Dは、回路電源Vcに接続され、各第2スイッチング素子L21~L24のソース電極Sは各第2配線71~74に電気的に接続されている。そして、例えば、ヒータ素子R1を発熱させたい場合、マイコン60は、第1スイッチング素子L11と第2スイッチング素子L21とが同時にオン状態となるように、第1スイッチング素子L11及び第2スイッチング素子L21のオンオフ制御を行う。すると、回路電源Vcからの電流が第2スイッチング素子L21→第2配線71→ヒータ素子R1→ダイオードD1→第1配線61→第1スイッチング素子L11の順に流れてグランドに至る。これにより、ヒータ素子R1に対する通電が行われて、ヒータ素子R1が発熱する。要は、各ダイオードD1~D16は、各第1配線61~64と各ヒータ素子R1~R16の一端との間、及び各第2配線71~74と各ヒータ素子R1~R16の他端との間のどちらか一方に設けられていればよい。
・ 実施形態において、マイコン60は、複数の第1スイッチング素子L11~L14においてはPWM制御を行わずに、複数の第2スイッチング素子L21~L24のPWM制御を行うようにしてもよい。この場合、マイコン60は、複数の第1スイッチング素子L11~L14の少なくとも一つをオン状態とし、オン状態とした第1スイッチング素子L11~L14においては、オン状態を保持するとともに、複数の第2スイッチング素子L21~L24の少なくとも一つをPWM制御する。
・ 実施形態において、ヒータ素子Rの数は特に限定されるものではない。
・ 実施形態において、第1配線の数は特に限定されるものではなく、列方向Y1に配列されるヒータ素子Rの数によって適宜変更してもよい。
・ 実施形態において、第2配線の数は特に限定されるものではなく、行方向X1に配列されるヒータ素子Rの数によって適宜変更してもよい。
・ 実施形態において、第1スイッチング素子の数は特に限定されるものではなく、第1配線の数によって適宜変更してもよい。
・ 実施形態において、第2スイッチング素子の数は特に限定されるものではなく、第2配線の数によって適宜変更してもよい。
・ 実施形態において、複数の第1スイッチング素子L11~L14及び複数の第2スイッチング素子L21~L24は、パワーMOSFETに限らず、例えば、IGBTであってもよい。
・ 実施形態において、ヒータ40は、複数のヒータ素子R1~R16が同一平面上に配置された面状ヒータでなくてもよい。つまり、複数のヒータ素子R1~R16の配置位置は、同一平面上に限られず、ヒータ40の形状は特に限られるものではない。
・ 実施形態において、複数のヒータ素子Rが、マトリクス状に配置されていなくてもよく、複数のヒータ素子Rの配置は特に限定されるものではない。
・ 実施形態において、各列で行方向X1に複数配列されるヒータ素子R1~R16の一端に対して配線を1つずつ接続し、各行で列方向Y1に複数配列されたヒータ素子R1~R16の他端に対して配線を1つずつ接続するようにしてもよい。
・ 実施形態において、正極電極51及び負極電極52は、同一平面上において発熱部53の周囲にL字配置されていなくてもよく、例えば、各ヒータ素子Rは、平面視したときに、正極電極51、発熱部53、及び負極電極52が一直線上に配置されている構成であってもよい。
・ 実施形態において、各隙間54と上流側スペーサ82の各孔82hとが一直線上に位置していなくてもよく、各隙間54と上流側スペーサ82の各孔82hとが胴体部34の軸方向で重なっていなくてもよい。
・ 実施形態において、マイコン60は、選択されたヒータ素子R1~R16に対する通電をPWM制御にて行わなくてもよく、予め定められた一定の電流をヒータ素子R1~R16に通電するようにしてもよい。この場合、例えば、発熱部53の太さを調整することで、ヒータ素子Rの発熱量を調整してもよい。
・ 実施形態において、気化器30は、ヒータ40が複数層配置されていなくてもよく、ヒータ40が1層のみである構成であってもよい。
・ 実施形態において、ヒータ素子Rは、金属繊維でなくてもよく、例えば、金属板であってもよい。
・ 実施形態において、ヒータ素子Rは、例えば、ステンレス繊維シートであってもよい。
・ 実施形態において、ヒータ素子Rが、例えば、ニクロム等の導体であってもよい。
・ 実施形態において、ヒータ素子Rは、ヒータ素子R自体に、ガス通過空間としての貫通孔が形成されている構成であってもよい。
・ 実施形態において、成膜装置10は、例えば、気化器30が収容されている収容室15とは別の室に被処理基板18が配置されており、収容室15で生成された気化原料を、例えば、配管を介して収容室15から被処理基板18が配置されている室に供給する構成であってもよい。
18…被処理基板、30…気化器、31…本体部、36…供給ポート、37…排出ポート、40…ヒータ、51…正極電極、52…負極電極、53…発熱部、54…ガス通過空間である隙間、60…マイコン、61,62,63,64…第1配線、71,72,73,74…第2配線、80…原料保持部材、81…原料、82h…ガス導入空間である孔、D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9,D10,D11,D12,D13,D14,D15,D16…ダイオード、L11,L12,L13,L14…第1スイッチング素子、L21,L22,L23,L24…第2スイッチング素子、R,R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,R16…ヒータ素子。

Claims (10)

  1. 本体部と、
    前記本体部に形成されるとともにキャリアガスが供給される供給ポートと、
    前記供給ポートからのキャリアガスが通過するガス通過空間を形成するヒータ素子を有し、前記ヒータ素子の発熱によって前記ガス通過空間を通過するキャリアガスを加熱するヒータと、
    前記ガス通過空間を通過したキャリアガスが導入されるガス導入空間を形成するとともに原料を保持する原料保持部材と、
    前記本体部に形成されるとともに前記ガス導入空間に導入されたキャリアガスによって前記原料が気化されることにより生成される気化原料を被処理基板の表面に向けて排出する排出ポートと、を備えた気化器。
  2. 前記ガス通過空間と前記ガス導入空間とは一直線上に位置している請求項1に記載の気化器。
  3. 前記ヒータは、前記ヒータ素子を複数有し、
    前記複数のヒータ素子は、列方向及び行方向にそれぞれ複数配列されてマトリクス状に配置されている請求項1又は請求項2に記載の気化器。
  4. 前記ヒータは、
    前記列方向に複数配列されるとともに前記行方向に延び、各列で前記行方向に複数配列される前記ヒータ素子の一端にそれぞれ電気的に接続される複数の第1配線と、
    前記行方向に複数配列されるとともに前記列方向に延び、各行で前記列方向に複数配列された前記ヒータ素子の他端にそれぞれ電気的に接続される複数の第2配線と、
    前記複数の第1配線にそれぞれ電気的に接続される複数の第1スイッチング素子と、
    前記複数の第2配線にそれぞれ電気的に接続される複数の第2スイッチング素子と、
    前記各第1配線と前記各ヒータ素子の一端との間、及び前記各第2配線と前記各ヒータ素子の他端との間のどちらか一方に設けられたダイオードと、を備えている請求項3に記載の気化器。
  5. 前記各ヒータ素子は、正極電極、負極電極、及び前記正極電極と前記負極電極とを接続する発熱部を有し、
    前記正極電極及び前記負極電極は、同一平面上において前記発熱部の周囲にL字配置されている請求項4に記載の気化器。
  6. 前記複数の第1スイッチング素子及び前記複数の第2スイッチング素子のオンオフ制御を行うとともに、前記複数の第1スイッチング素子のうちの少なくとも一つ及び前記複数の第2スイッチング素子のうちの少なくとも一つをオン状態とすることにより選択されたヒータ素子に対する通電をPWM制御にて行うマイコンを備えている請求項4又は請求項5に記載の気化器。
  7. 前記ヒータが複数層配置されている請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の気化器。
  8. 前記ヒータ素子は、金属繊維である請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の気化器。
  9. 前記原料保持部材は、種類の異なる原料を保持可能に構成されている請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の気化器。
  10. 前記本体部には、前記供給ポートが複数形成されている請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の気化器。
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