JP2022031843A - 光学部品を有するレーザモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡単にかつ安価に製造できるレーザモジュールを提供する。【解決手段】レーザモジュール(100)はキャビティ(111)と窓開口部(112)とを有するハウジング(110)と、キャビティに配置された、光放射をレーザ光(123)として出射するための側面発光型半導体レーザダイオード(120)と、側面発光型半導体レーザダイオードから出射されたレーザ光を、窓開口部(の方向へ偏向するための光偏向構造(130)と、窓開口部の領域に配置された、レーザ光(125)を規定の方向に向けておよび/または規定の発光プロファイルを有するように取り出すための光取出し構造(140)と、を有し、光偏向構造と光取出し構造は、共有の光学部品(150)としてひとつにデザインされている。【選択図】図3

Description

本発明は、ハウジングとその中に配置される側面発光型半導体レーザダイオードを有するレーザモジュール、レーザ光を偏向させるための偏向構造、および、レーザ光を形成するための回折光学素子として、または、ブリュースターウィンドウとして例えば構成されてもよい光取出し構造に関する。本明細書において、光偏向構造および光取出し構造は、光学部品としてひとつに構成されている。
半導体レーザチップを有するレーザ素子は様々な技術的用途に使用されている。このようなレーザ素子において、レーザチップはそのレーザ面が早期に劣化しないように、密閉して封入された状態でハウジングに配置されている。また、ハウジングは廃熱をレーザチップから放散させる。タイムオブフライト法(time-of-flight:TOF)の用途に使われるパルスレーザを有するモジュール等、特定のレーザモジュールは、組み立て平面内に出射する端面発光から、規定の発光プロファイルを有する、組み立て平面に対して垂直に出射する頂面発光を製造するために、光線偏向および回折光学素子(diffractive optical element:DOE)を必要とする。レーザ光を偏向させるために、一般的なモジュールではハウジング内に規定された方法で配置する必要のあるガラス製の45°プリズムを使用する。ここで、モジュールハウジングからのレーザ光を出射する開口部領域に配置される樹脂製またはガラス製の、さらに別の素子が回折光学素子となる。すなわち、このようなレーザモジュールを製造するには二つの光学部品を組み立てて正確に調整する必要があり、一定の支出が必要とされる。加えてガラス製のプリズムの製造にも比較的費用がかかる。
赤外線レーザ放射は距離を測るための別の方法にも使用される。タイムオブフライト法(TOF)の用途に加えて、特に、周囲のものを検出するために自動車において使用される光検出と測距(light detection and ranging :LIDAR)や三次元の物体をスキャンしたりカメラ用途において焦点を合わせるために使用される構造光(structured light:S-L)などが挙げられる。これらの測定方法はスマートフォンやバーチャルリアリティ(VR)用のヘッドセットなど、モバイルの用途に使用されることも増えてきた。ここで原則として、特に高い効率を有するがゆえに区別されるレーザダイオードは、レーザ光源として使用される。組み立て時の取り扱いを簡単にするために、このようなレーザダイオードは原則として特別なハウジング(パッケージ)に設置される。それぞれの用途にもよるが、処理の間パッケージには特別な要求が課される。従って、レーザダイオードのパッケージは標準的なSMTプロセスの際、原則としてその他の電子部品と一緒に処理されなければならない。さらに、レーザ技術の特別な知識や、無菌室などの特別な予防措置を必要とせずに、当該部品を処理することが可能になるべきである。また、レーザ光は組み立て平面の面法線の方向に出射されなければならない。加えて、パッケージはその設置高さができるだけ低く、特に、プリント回路基板上にレーザダイオードと一緒に配置されるその他のSMT電子部品の設置高さを超えない高さでなければならない。これは、いかなる場合にも設置空間がほとんど取れないモバイル用途にあってはなおさらである。構造光のような特定の用途において、出射面におけるビーム径が大きいことが必要、あるいは、少なくとも望ましいことから、パッケージはレーザ光が容易に内部で十分に広がることができなければならない。原則として電力の取り込みが少ないことがモバイル用途では望ましいことから、パッケージは電気光学効率ができるだけ高い方がよい。最後に、パッケージはできるだけ安価に、かつできるだけ少ない数の処理工程で製造できなければならない。
本発明の目的は、以上述べた要求を満たし、さらに比較的簡単にかつ安価に製造できるレーザモジュールを提供することである。本目的は、請求項1に記載のレーザモジュール、および請求項19に記載の光学部品によって達成される。様々な発展形態が従属請求項において特定される。
本明細書において、レーザモジュールはキャビティと窓開口部を備えるハウジングを有する。光放射をレーザ光として出射するために、側面発光型半導体レーザダイオードがキャビティに配置される。レーザモジュールは、半導体レーザダイオードから出射されたレーザ光を、窓開口部の方向へ偏向させるための光偏向構造、および、窓開口部の領域に配置され、レーザ光を規定の方向に向けて、および/または、規定の発光プロファイルを有するように取り出すための光取出し構造をさらに有する。本明細書において、光偏向構造および光取出し構造は、共通の光学部品としてひとつに構成されている。レーザモジュールの組み立ては、二つの別々の光学部品の代わりに1つの光学部品を使用することにより容易になる。さらに、1つの光学部品を使えば調整の行程も一回で済み、結果としてレーザモジュールの製造が容易になりうる。この場合、公差チェーン(tolerance chain)も減少し、特に、調整精度が上がるため有利である。加えて、ひとつの部品として構成された光学部品は、その後に発生する調整時の損失に対しても比較的左右されにくい。
一実施形態において、規定の発光プロファイルを有するレーザ光を生成するための、回折光学素子として構成される光取出し構造が提供される。このような回折光学素子により、簡単かつ安価にさまざまな光パターンを製造することが容易にできる。
さらなる実施形態において、ブリュースターウィンドウとして構成される光取出し構造が提供される。屈折窓を使えば、光インターフェースにおけるレーザ放射の反射をきわめて簡単に減少させることができる。その結果、まず光学部品の電気光学効率を上げることができると同時に、レーザ放射の偏光度を上げることができる。
一実施形態において、空洞のないプリズムとして構成される光学部品が提供される。このような空洞のないプリズムは、プロセスの中で比較的簡易に製造できる。特に、空洞のないプリズムを製造するために射出成形法を使用した場合、射出成形部品を製造する方法を難しくしかねない複雑な形状のアンダーカットを省くことができる。
さらなる実施形態において、半導体レーザダイオードに対向する入力面を有する光学部品が提供され、この入力面は反射防止膜を備えている。この入力面の特別な配置のおかげで、入力面においてプリズムへ移る際に起こりうるレーザ光の反射が、回折光学素子では起きない。この結果、入力面で反射されたレーザ光と、レーザモジュールから回折光学素子を介して通常通り出てくるレーザ放射との望ましくない相互作用を防ぐことができる。一方で、入力面が備える反射防止膜により、レーザモジュールの電力損失を減らすことができる。
さらなる実施形態において提供される光学部品は中が空洞であって、その光学部品の側壁を介して光偏向構造と回折光学素子が互いに接続するように構成される。このような光学部品はより少ない原料費用で製造することができ、原料コストを抑えることができる。同時に、空洞の構造物であるために、光学部品の重量も減らすことができる。さらに、光学部品を通り抜けるときに起きるレーザ光の出力損失および質の低下を、空洞がない構造であるように構成された光学部品に比べて減らすことができる。
さらなる実施形態において、入力側に反射防止膜を備える回折光学素子が提供される。この反射防止膜により、回折光学素子として機能する光学部品の一部におけるレーザ光の望ましくない反射を避けることができ、当該一部へのレーザ光の取込みが向上しやすくなる。すなわち、レーザモジュールからより高い出力を得ることができる。
さらなる実施形態において、半導体レーザダイオードから出射された光放射に対して反射性の面を有する光偏向構造が提供される。レーザ光の理想的な反射が達成でき、レーザモジュールからより高い出力が得られる。
さらなる実施形態において提供される光偏向構造の反射面は、金属または誘電材料からなる皮膜を有する。このような反射膜を使用することで、光学部品の材料自体が適切な反射をすることがなくとも、レーザ光の理想的な反射を達成できる。金属は高い反射率を有するために、反射層の製造にきわめて適した材料である。
さらなる実施形態において、光偏向構造の反射面が提供され、反射面は半導体レーザダイオードに対し、半導体レーザダイオードから出射されたレーザ光が実質的に全反射によって、窓開口部の方向へ偏向するような角度で配置される。レーザ光を偏向させるために全反射を活用すれば、反射性材料を使った別の皮膜は不要になりうる。そのため、より単純で安価な製品を得ることができる。
さらなる実施形態において提供されるレーザモジュールは、半導体レーザダイオードの出射方向において光偏向構造の下流側に配置されるフォトダイオードを有し、フォトダイオードはハウジング内における光学部品の正しい組み立て位置をモニターする。このようなフォトダイオードにより、モジュールハウジングにおける不正確な組み立て、および、その後に起こる光学部品のずれを検出することができる。すなわち、レーザモジュールの操作安全性、特に眼に対する安全性を大幅に増加させることができる。
さらなる実施形態において提供されるレーザモジュールは、光学部品が正しい組み立て位置から外れたことをフォトダイオードが検知すると、すぐに半導体レーザダイオードを停止させる停止電子機器をさらに有する。すなわち、このような停止電子機器によりレーザモジュールの操作安全性を高めることが簡単に行える。モジュールハウジングにこのような停止電子機器を配置することで、きわめて早く、そして、きわめて効果的に半導体レーザダイオードを停止することができる。すなわち、きわめて高いレーザモジュールの操作安全性が簡単に実現できる。
さらなる実施形態において提供されるレーザモジュールは、さらに半導体レーザダイオードを操作するための駆動回路を有する。駆動回路をレーザモジュールと統合することで、きわめて小型のレーザモジュール構造にすることが容易になる。
さらなる実施形態において提供される駆動回路は、半導体レーザダイオードをパルスモードで操作するように構成される。このようなレーザモジュールは、異なるタイムオブフライト法の用途に特にふさわしい。
さらなる実施形態において提供される光学部品は樹脂材料から形成される。バーや個々の部品の加工が必要となるガラス材料に比べて、樹脂材料はきわめて簡単かつ安価に光学部品を製造することが容易にできる。
さらなる実施形態において提供される光学部品は射出成形部品として構成される。この製造方法で、きわめて簡単に、かつ、早く光学部品を製造することができる。射出成形を使うことで製造コストを大幅に減らすことができる。
さらなる実施形態において提供される光偏向構造は、レーザ光を偏向させるための反射面を少なくとも2つ有する。この構造によって、光偏向素子内におけるレーザ光を意図したように誘導することが可能になる。複数の反射面を使用すれば、それぞれの反射面における反射角度を小さくすることができ、結果として全反射を得ることが容易になる。特に、より低い光屈折率を有する材料を、プロセスの中で使用することができる。複数の内部反射を利用することにより、光偏向素子内におけるレーザ光を意図したように誘導することがさらに容易になり、結果として特定のビーム成形を向上させることができる。
さらなる実施形態において提供される少なくとも一部の反射面は、全反射によってレーザ光を偏向するように構成される。全反射によって反射面にさらなる皮膜がなくても光線を偏向することができる。そのため、製造支出と製造コストを抑えることができる。
さらなる実施形態において提供される反射面は、レーザダイオードから出射されたレーザ光に対して配置され、その配置は、最初は組み立て平面に対して実質的に垂直に伸びるレーザ光の第1広がり軸が、組み立て平面に対して実質的に平行になるように回転する配置である。側面発光型レーザダイオードの場合、原則としてレーザ光は鉛直方向において最も広がりが大きいため、広がり軸を鉛直方向から水平方向に回転させることにより、光偏向構造の設置高さを全体として低くすることができ、すなわちレーザモジュールの設置高さを全体として低くすることができる。さらに、このような配置により、レーザ光を拡大するために、光偏向構造内におけるレーザ光の誘導を長くすることが容易になる。
さらなる実施形態において提供される光偏向構造は、レーザ光取込みのための入射面と、レーザ光取出しのための出射面とを有し、これらの面のうち少なくともひとつは、そこにレーザ光が当たるブリュースターウィンドウとして構成される。ブリュースターウィンドウを使えば、光インターフェースにおけるレーザ放射の反射をきわめて簡単な方法で減少させることができる。その結果、まず光学部品の電気光学効率を上げることができると同時に、レーザ放射の偏光度を上げることもできる。
さらなる実施形態において提供される光偏向構造は、全反射によってレーザ光を光偏向構造内において誘導するように構成された光導波路構造を有する。光導波路構造を使用することで、レーザ光を光偏向構造内において意図した態様で誘導することができる。特に偏向構造内において、きわめて長いレーザ光路を実現するのに使用でき、レーザ光をきわめて大きく広げることができる。
全反射ミラーを使用すると、コーティングされた光学素子を使用しなくとも、組み立て平面の面法線への光線偏向が容易に行われる。一般的に、コーティングされた素子は別の処理工程において組み立てられなければならず、加えて、そのような素子は製造するのに高い費用を必要とする。一方で、本明細書中で説明される光学部品は、樹脂製の射出成形部品として比較的簡易かつ安価に製造することができる。
ブリュースターウィンドウは表面における反射を減らすことで、レーザモジュールの電気光学効率を全体として増加させる。さらに、起こりうる迷放射や吸収されたレーザ放射によるレーザモジュールへの熱流入を減らすことができる。ブリュースター効果は1つの偏光方向にのみ起こるため、さらにはレーザモジュールから出射されたレーザ光の偏光度を高めることにも使用できる。
レーザダイオードの好ましい組み立て時に、最大ビーム広がり軸は組み立て面に対して法線の方へ向くが、これは最大ビーム径と最小設置高さとの間に技術的な矛盾を引き起こす。この矛盾は述べてきたようにレーザ光線の最大広がり方向を傾けることによって解決することができる。こうしてレーザ光の大きなビーム径とレーザモジュールの低い設置高さとを両立することが可能となる。
ハウジングに光学部品を統合すれば、別の光学素子を組み立てる必要がなくなる。組み立てに適した表面を維持する必要もなくなる。すなわち、基板はより安価に具体化でき、従来の方法とは対照的に、複数の機能がまとめられた単一の部品を組み立てるだけで済む。複数の機能とは、すなわち密閉封入された(少なくとも防塵の)ハウジング、組み立て用工具(例えばピックアンドプレイス工具)の取り付け位置として適切な表面、光線偏向、光線拡大、および、出射窓である。このため、組み立てるべき部品の数が減少し、それに応じて処理工程の数も減少する。
本発明の上述した特性、特徴、および利点と、これらを達成する方法は、図面に関連して以下にさらに詳しく説明する例示的な実施形態と合わせて、さらに明確かつ容易に理解されるであろう。
偏向素子してのガラスプリズムと、それとは別に形成された回折光学素子とを有する、レーザモジュールを示す図である。 共通の光学部品として構成されている光偏向構造と回折光学素子とを有する、レーザモジュールを示す図である。 光偏向構造が特別な反射膜を備えた光学部品を有する、さらなるレーザモジュールを示す図である。 空洞のない構造として形成された光学部品を示す図である。 空洞のある構造として形成された光学部品を示す図である。 空洞のある構造として形成された光学部品を有する、さらなるレーザモジュールを示す図である。 空洞のある構造として形成された光学部品を有する、さらなるレーザモジュールであり、レーザ光の偏向が全反射によりもたらされているレーザモジュールを示す図である。 フォトダイオードと操作安全性を高めるための停止装置とを有する、さらなるレーザモジュールを示す図である。 全反射によってレーザ光が偏向する2つの反射面を有する光偏向構造を例示的に示す図である。 1つのみの反射面と入力側ブリュースターウィンドウを有する光偏向構造を示す図である。 PCB基板上で使用されるための、側壁を有する光学素子の可能なデザインを例示的に示す図である。 光線を所望の出射方向へ屈折させる入力側屈折窓を有する光偏向構造を示す図である。 光導波路として構成された部分を有する光学部品を示す図である。 全部で5つの反射面を有する光学部品であり、反射面によってレーザ光の広がり軸が回転する光学部品を示す図である。 図14の光学部品を別の視点から描いた図である。 全部で3つの反射面と、入力側および出力側ブリュースターウィンドウとを有する光学部品の斜視図である。 図16の光学部品を別の斜視図で示す図である。 図16と17の光学部品をさらに別の斜視図で示す図である。 図16から18の光学部品をさらに別の斜視図で示す図である。 入力側ブリュースターウィンドウを有する光学部品の平面図であり、その幾何学的条件を明らかにする図である。 ブリュースターウィンドウとして構成された光取出し構造を有する、さらなるレーザモジュールを示す図である。 図21のレーザモジュールの断面を示す図である。
図1はハウジング110と、ハウジング110のキャビティ111に配置された側面発光型半導体レーザダイオード120とを有する、一般的なレーザモジュール100を示す図である。モジュールハウジングは、例えば回路基板として構成され得るハウジングベース114、側壁、および、窓開口部112を備えるかぶせ板とを有する。ここで、窓開口部112は回折光学素子(DOE)として具体化された部品140で密閉される。一般的に、回折光学素子は、例えばガラスや樹脂などの透明な材料からなるキャリアであり、その上側141または下側142には特別に構成された微細構造が配置されている。微細構造では、規定の干渉縞が位相変調によって、入射レーザ光から作られる。この干渉縞の強度分布により、モジュールハウジングから出射されたレーザ光から所望の発光プロファイルが形成される。また、反射性表面131を有し、光偏向素子として機能するプリズム130はキャビティ111内に配置される。ハウジングベース114に対して実質的に平行なマウント113に配置された半導体レーザダイオード120は、側部面を介して規定の光放射を集束レーザ光123として横方向に出射する。光偏向素子へ向かったレーザ光123は、反射面131において窓領域の方向へ偏向される。反射されたレーザ光124は、回折光学素子140により用途に応じたレーザ光125へ変換される。図1でさらに示されるように、光偏向構造130と回折光学素子140はそれぞれ別個の部品として形成され、それぞれ専用の組み立て工程および調整工程を必要とする。どちらの素子も別個に調整する必要があるため、より長い公差チェーンや個々の光学部品の調整誤差のために、光学部品パーツの調整不良がきわめて起こりやすくなりえる。
図2は改良レーザモジュールを示す図であり、レーザモジュールの中で、光偏向構造130と回折光学素子140は、共通の光学部品150として、ひとつに構成されている。一つの工程で一緒に製造されるため、このような光学部品においては、光偏向構造130と回折光学素子140の間ですでに理想的な調整がなされている。そのため、ハウジング110への組み立て後か組み立て時に、光学部品150を半導体レーザダイオード120に対して調整するという点における調整工程が1回必要であるだけである。
光学部品150が統合された実施形態であれば、必要なのは1つの部品をハウジング110内またはハウジング110上に固定するだけであるため、レーザモジュール100の組み立ても容易になる。
ここで、光学部品150は好ましくは樹脂材料から製造される。安価な樹脂材料を使用すれば、一般的にはガラスから形成される偏向プリズムに比べると、大幅に製造コストを減らすことができる。例えば、ポリカーボネートが光学部品150の樹脂として適している。しかしながら、適切な透明樹脂であれば、光学部品150の材料として使用できる。
樹脂を使用することで、射出成形部品として光学部品150を製造することがより容易になる。この方法により、特にガラスプリズムの複雑な製造処理と比べて、製造コストを大幅に減らすことが可能になる。
図2の例示的な実施形態と同様に、光学部品150は空洞のないプリズムの形をとって、空洞がないように具体化することができる。あるいは、光学部品150は側壁のみからなる、空洞のあるプリズムとして製造することもできる。空洞がない構造では、半導体レーザダイオード120から横方向に出射されたレーザ光123は、レーザダイオード120の出射面121に対向する入力面151を介して、光学部品150へ入射する。入力面151には反射損失を最小限に抑えるために、適切な反射防止膜152を備えることができる。光学部品150においてレーザ光123は、本例示の実施形態では反射面131として構成されている光偏向構造130に当たる。反射面131の傾きは実質的に45°であるため、そこに当たるレーザ光123は実質的に垂直に、かつ、上方へ、回折光学素子140の方向に反射される。しかしながら、原理上、反射面131の傾斜角はその後の用途に応じて、45°から外れてもよい。最後に、光学部品150の上部を形成する回折光学素子140は、そこに当たった反射レーザ光を、規定の発光プロファイルを有する出射レーザ光125へと作りかえる。そのために必要とされる微細構造を、例えば回折光学素子140の上側141に配置することができる。
図2からさらに明らかなように、小型のレーザモジュール100は、半導体レーザダイオード120を操作するための駆動回路171を、予めさらに有していてもよい。外部の駆動回路を必要としないため、レーザモジュールの組み立てが容易になる。また、タイムオブフライト法の用途で特に必要とされることであるが、駆動回路171が半導体レーザダイオード120に対してすぐ近辺にあることで、きわめて速く正確な半導体レーザダイオード120の制御が可能になる。
ここに示される例示的な実施形態において、駆動回路171は光学部品150の下に配置される。しかしながら、原理上、対応する電子機器はキャビティ111の中で、例えば半導体レーザダイオード120の近辺など適切な位置に配置することができる。
光偏向構造130の十分な反射率を確保するために、反射面131は反射膜132を備えることができる。反射膜132は例えば金属や誘電材料などの適切な材料からなっていてもよい。これら材料の混合物であってもよい。特に、反射膜は積層体を有していてもよく、積層体の厚さおよび積層は出射されたレーザ放射の波長に合っている。このような反射膜132を有する光学部品150の例示的な実施形態は、例えば図3に示される。
図4と5は光学部品150の基本的な2つの実施形態の構造を明らかにする。図4は空洞のない構造として製造された光学部品150の斜視図である。光学部品150の中で、回折光学素子140と光偏向構造130の間の容積は、空洞のないプリズムとして構成される。反射面131は空洞のないプリズムの一面から形成される。光学部品150はさらに入力側面151を有する。この入力面は反射防止膜を備えることができる(ここでは図示せず)。
一方で、図5は空洞のある構造として構成された光学部品150を示す。この光学部品は空洞のあるプリズムとして構成される。回折光学素子140と光偏向構造130は互いにキャビティを間にして離れており、光学部品150の側壁153、154によって接続しているだけである。ここで、反射面131は、キャビティに対向する光偏向構造130の内側を形成することが望ましい。この構造により、回折光学素子140の上側141と下側142の両方に微細構造を配置することが容易になる。
図6はレーザモジュール100のさらなる実施形態の側面図である。レーザモジュール100は、空洞のある構造を有する図5の部品と同様に構成された光学部品150を有する。図6から明らかなように、反射はキャビティに対向する光偏向素子の反射面131側で起こることが望ましい。光偏向構造130の反射面131は、用いられる波長に対する反射率をより高める反射層をさらに有することができる。反射層は、例えば金属や誘電材料などの適切な材料から形成することができる。反射層は、複数の適切な材料からなる積層体として構成することもできる。
反射レーザ光124が回折光学素子140に当たった際に起こりうるレーザ放射の反射損失を減らすため、回折光学素子140の下側142に、適切な反射防止膜143を配置することができる。ビーム成形のための微細構造を、回折光学素子140の上側141と下側142の両方に配置することもできる。
出射レーザ光123は、光学密度の異なる材料の境界において、特定の条件下で起こる全反射を活用して偏向させることもできる。図7は、それにふさわしいように形成された光学部品150を有する、レーザモジュールのさらなる実施形態を示す図である。ここで、光偏向構造130の反射面131は、45°から外れた全反射角度で配置される。全反射角度は実質的に、光偏向構造130の材料と用いられる波長に依存する。例えば、ポリカーボネートからなる光学部品150の場合、全反射は例えば約38°の角度で起こる。すなわち、ポリカーボネートから形成された光偏向構造130は、半導体レーザダイオード120から出射されたレーザ光123が、約38°の角度で光偏向構造130に当たるように配置されなければならない。
レーザ光123を偏向させるために全反射を使用すると、反射面131が特別な皮膜を必要としなくなるため、きわめて簡単かつ安価に製造することが容易にできる。図7の例示的な実施形態に示されるように、モジュールの主軸に対して光偏向構造の傾斜角が変わると、回折光学素子140に当たる反射レーザ光124の角度や位置も変わる。この影響を相殺するために、回折光学素子またはビーム成形をもたらす回折光学素子の微細構造もそれに合わせて変化させるか、移動させて配置することができる。さらに、反射レーザ光124の角度の垂直からの逸脱は、半導体レーザダイオード120の組み立て角度を変えたり、光偏向構造130を適切に傾ける(ここでは図示せず)ことで所望のとおりに減らすことができる。
仮にモジュールハウジング内における光学部品150が不正確に組み立てられ、または、仮にそのために光学部品150がモジュールハウジングから滑ったり落ちたりした場合には、操作安全性、特にユーザの眼に対する安全性がもはや確保できなくなるため、レーザモジュール100において適切な安全対策を講じることは、あってもよい、または、必要なことである。そのため、レーザモジュール100は例えば、モジュールハウジング内の適切な場所に配置された、光学部品150の正しい組み立て位置をモニターするための、例えばフォトダイオード160を備えることができる。図8に示されるように、この場合、フォトダイオード160は例えば、半導体レーザダイオード120から出射されたレーザ光123の光軸に沿って、光偏向構造130の後ろに配置されてもよい。レーザモジュール100の操作中にフォトダイオード160が半導体レーザダイオード120からのレーザ放射を受け取るような状況が発生すれば、光学部品150が不正確に組み立てられている、あるいは光学部品150がモジュールハウジングから滑ったか落ちたことが想定できる。この場合、適切な保護回路がすぐさま半導体レーザダイオード120の操作を抑制する。対応する停止電子機器172を同様にモジュールハウジングに収納することもできる。図8に示される例示的な実施形態では、停止電子機器172は、半導体レーザダイオード120の駆動回路171を同様に有する共有の制御装置170の一部である。駆動回路171と停止電子機器172は、構造的にまとめて構成されることもでき、その場合には制御装置170に必要な空間はきわめて小さなものになる。また、駆動回路171のすぐ近辺に停止電子機器172が配置されていれば、急に障害が発生しても半導体レーザダイオードをすぐに停止することができる。しかしながら、原理上、駆動回路171と停止電子機器172は、モジュールハウジングの内部でも外部でもそれぞれ別の場所に、別個の装置として収納されるように構成することもできる。
図9はレーザ光を偏向するための2つの反射面131と131を有する適切な光偏向構造130を備える光学部品150を示す図である。2つの反射面131と131は、それぞれの面にレーザ光123が、最大でも全反射の臨界角に対応する、比較的低い角度で当たるように配置される。この場合、臨界角は、光偏向構造130の材料と周囲のガス量という2つの光媒体の屈折率比に依存する。図9から明らかなようにレーザ光123は、2つの反射面131と131における2回の全反射を経て、組み立て平面に対して実質的に平行に伸びる水平方向から、組み立て平面の面法線に対して平行に伸びる鉛直方向へと偏向する。
図10から明らかなように、2回の全反射の代わりに1回のみの全反射によってレーザ光123を鉛直方向へと偏向することも可能である。光偏向構造130へ入射する際、レーザ光123は鉛直から傾いた入射面151によって、組み立て平面の面法線の方向へすでに屈折しており、より低い角度で1つしかない反射面131に当たる。ここで、入射面151は入力側屈折窓を形成するように、特定の角度で傾いていることが望ましい。この角度がブリュースター角に対応していれば、入射面151は対応するブリュースターウィンドウ156を形成し、特定の偏光方向におけるレーザ放射123の反射が抑制される。その結果、この偏光方向における取込みが向上し、それにより電気光学効率も向上する。
図11は、図9に示される光偏向素子130の光学部品150への可能な統合を示し、ここではハウジングのふたとして構成される。本例示の実施形態において、光学部品150は側壁158も有し、側壁はレーザダイオードを囲むハウジングの少なくとも一部を規定する。しかしながら、原則として、光学部品150はハウジングの中にすでに存在する窓開口部を閉ざす素子として構成されているだけである。
図12は、入力側屈折窓156を有する、さらなる光偏向構造130を示す図である。ここで入力側屈折窓156は、中心部分において鉛直軸を中心にした傾きを持つ入射面151により形成される。この配置において、レーザ光123は鉛直方向ではなく、水平方向に屈折する。また、この配置において、入射面151は適切なブリュースター角を選べば、ブリュースターウィンドウとして具体化することができる。
図13は、レーザ光123の所望の調整および/または拡大が得られるまで、複数の内部反射面131、131、131、131において、レーザ光123が内部反射により偏向構造130の中を前後に反射する、さらなる光学部品150を示す図である。光偏向構造130の下部分は、この場合、図9に示されるプリズムに対応し、プリズムによってレーザ光が実質的に垂直方向へと偏向する。一方で、光偏向構造130の上部分134は、その中でレーザ光123が複数の連続した反射により実質的に組み立て平面に対して平行な水平方向へと導かれる、光導波路として構成される。その後、レーザ光123は同様に光学部品150から複数の反射により取り出されるが、不明瞭になることを避けるためにここでは示さない。さらに、図13から明らかなように光学部品150を窓構造115と統合された形に構成することもできる。ここで、窓構造115は側壁116によって光偏向構造130と接続する。
図14は、複数の内部反射によりレーザ光123を偏向するための光偏向構造130を有する、さらなる光学部品150を示す図である。ここで、入射面151を通り光偏向構造130に入射したレーザ光123は、第1反射面131でその上に配置された第2反射面131の方向に反射する。第2反射面131でレーザ光123は第3反射面131へと偏向する。図14の光学部品150を反対の方向から示す図15で明らかになるように、レーザ光123は第3反射面131で光偏向構造130の下部分に位置する第4反射面131の方向に反射する。第4反射面131によりレーザ光123は組み立て面の面法線の方向に偏向して第5反射面131へ到達し、ここで所望の鉛直方向へと反射する。この反射面131から131の特別な配置の結果、水平方向から鉛直方向へのレーザ光123の偏向に加えて、レーザ光123の広がり軸の回転もさらに実現する。特に、レーザ光123は3回目の反射後90°回転するため、元は鉛直に調整された最も大きい広がり軸が、この時には組み立て平面に対して平行に伸びる。このような配置においては、限られた光偏向構造130の高さであっても、光学部品150内でレーザ光123を比較的大きく拡大したり広げたりすることができる。反射および光偏向によるレーザ光123の広がり軸の回転は、それぞれ楕円で示される(図16等参照)。
図16は、レーザ光123の広がり軸の回転が複数の内部反射により90°になる光偏向構造130を有する、さらなる光学部品150を示す図である。偏向構造130は、レーザ光123が、屈折窓156として特にブリュースターウィンドウとして構成された入射面151を介して光学部品150へ入射する。プロセスにおいて、レーザ光123は第1反射面131で第2反射面131の方向に上方へ偏向する。第2反射面131は光学部品150の反対側に配置されている第3反射面131へとレーザ光123を導く。レーザ光123は第3反射面131で上方へ偏向し、屈折窓157として構成された出射面155に到達する。出射面155は、この面で起こる屈折によりレーザ光123が組み立て面の面法線に平行な所望の鉛直方向へと屈折するように、レーザ光123の進行方向に対して傾いている。ここで、出射面155はブリュースターウィンドウとして構成されることが望ましく、その場合レーザ放射の主偏光方向における反射が減少し、結果としてレーザモジュール100の電気光学効率が上がる。
図17は、図16の光学部品150を別の視点から表した図である。この図で、第1反射面131と第2反射面131における反射により既に広がり軸が回転して90°になっているレーザ光123が、第2反射面131と第3反射面131の間において実質的に水平方向に伸びていることが明らかになる。
図18は、図16と17の光学部品150を別の視点から描いた図である。この図で、レーザ光123が入射面151へ傾斜した状態で当たるため、その界面においてレーザ光123はすでに屈折していることが明らかになる。
図19は、図16から18の光学部品150をさらに別の視点から表した図である。この図で、レーザ光123は屈折窓157として構成された出射面155において、組み立て面の面法線の方向に屈折することが明らかになる。
図20は図16から19に示す光学部品150の平面図である。この図で、レーザダイオード120に対する光学部品150の配置が明らかになる。ここから、レーザ放射123が、屈折窓156として構成された入射面151へ斜めの方向から当たることが確認できる。
最後に、図21と22は、回折出射窓157を有する光学部品150を備えたレーザモジュール100の可能なデザインを示す図である。図21から明らかなように、光学部品150は側部壁から形成されるハウジングキャビティ内に配置されている。図22は、図21のレーザモジュール100の断面を示す図である。ここで、光学部品150が、レーザダイオード120が内部に配置されたハウジング110のキャビティ111を、ふたのように閉ざしていることが明らかである。レーザダイオード120から、組み立て平面に対し実質的に平行に伸びる水平方向に出射された光放射123は、光学部品150内において反射と光屈折によって、組み立て面の面法線に対し実質的に平行に伸びる鉛直方向へと偏向する。
用いられるレーザ放射に対して実質的に透明、かつ標準的なSMTリフロープロセスでの温度に形や機能に障害が大きく出ることなく耐えるのに適した光学部品が使用される。ここで素子は、レーザモジュールから組み立て平面の面法線に平行に光軸が出るようにレーザ光が偏向するように具体的に形成される。光線の偏向は光学部品の面において、全反射(total internal reflection:TIR)効果によってもたらされることが望ましい。あるいは、対応する面に、反射を実現するためにコーティングすることも可能である。大きく広がる光線も確実に、TIR効果によって十分に強く偏向するために、好ましくは光学部品を複数の面において全反射によって光線が反射されるように形成することもできる。
加えて、光学部品の入射面および/または出射面をブリュースターウィンドウとして構成することも可能である。ここで関係する面は光線に対して、いわゆるブリュースター角である特定の角度で傾いており、現偏光方向の界面における反射はブリュースター効果により減少あるいは完全に抑制される。
さらに、入射面の面法線を、入射面におけるレーザ光が組み立て平面の面法線の方向に屈折するように、光軸に対して傾けることも可能である。図10で概略的に示すように、これにより1回の内部反射のみによって光線を所望の鉛直方向に偏向することができる。
側面発光型半導体レーザダイオード120の場合、原則として組み立て平面の面法線に平行な鉛直方向の方が、組み立て平面に平行な水平方向よりも、出射レーザ光123の広がりが大きい。従って、最大ビーム広がりの方向は、2つの直交する鏡面における連続した反射によって、レーザダイオード120の組み立て平面または組み立て面に実質的に平行になるように傾けることもできる。
さらに、レーザ光を光学部品の少なくとも一部において、基板の方向へ下方に導くことも可能である。まず、これにより光学部品150、ひいてはレーザモジュール100の設置高さを低くすることが容易になる。そして、光学部品150内でレーザ光123をより大きく拡大したり広げたりするために、光学部品150内のレーザ光123の光路を長くすることができる。ここで、光線を光導波路134内で導いてもよく、レーザモジュール100の高さをそれほど大きくすることなく光線をさらに拡大することができる。その後、レーザ光123をさらなる鏡面を使って、組み立て平面の面法線に対して平行にすることができ、モジュールから出すことが可能になる。
さらに光学部品は継ぎ目なしにハウジングの中に統合することもできる。ハウジングはまた、ピックアンドプレイス工具に適した取り付け位置を備えていることが望ましい。例えば、このような部品は樹脂の射出成形法により、安価かつ大量に製造することができる。
図面と合わせて説明した実施形態は、タイムオブフライト法の用途におけるレーザモジュールであることが望ましい。このようなレーザモジュールは、パルスモードで操作する半導体レーザダイオードを使用する。原理上、本明細書で説明した光学部品150は連続波モードで操作するレーザモジュールにも適用できる。
本発明は好ましい例示的な実施形態により詳しく示され詳述されてきたが、本発明は開示される例に限定されず、本発明の保護されるべき範囲から逸脱することなく、当業者によりその他の変形が得られうる。
本特許出願は、独国特許出願第DE102016107715.1号の優先権を主張し、この文書の開示内容は参照によって本明細書に組み込まれている。
100 レーザモジュール
110 ハウジング
111 キャビティ
112 窓開口部
113 半導体レーザダイオードのマウント
114 ハウジングベース
115 窓構造
116 窓構造の側壁
120 半導体レーザダイオード
121 半導体レーザダイオードの出射面
122 半導体レーザダイオードの出射方向
123 出射レーザ光
124 反射レーザ光
125 ビーム形レーザ光
130 光偏向構造
131-131 反射面
132 反射膜
133 全反射角度
134 光導波路
140 回折光学素子
141 上側
142 下側
143 反射防止膜
150 光学部品
151 入力面
152 反射膜
153 第1側壁
154 第2側壁
155 出射面
156 入力側ブリュースターウィンドウ
157 出力側ブリュースターウィンドウ
160 フォトダイオード
170 制御装置
171 駆動回路
172 停止電子機器

Claims (19)

  1. キャビティ(111)と窓開口部(112)とを有するハウジング(110)と、
    前記キャビティ(111)に配置された、光放射をレーザ光(123、124、125)として出射するための側面発光型半導体レーザダイオード(120)と、
    前記半導体レーザダイオード(120)から出射された前記レーザ光(123、124、125)を、前記窓開口部(112)の方向へ偏向するための光偏向構造(130)と、
    前記窓開口部(112)の領域に配置された、レーザ光(123、124、125)を規定の方向に向けて、および/または、規定の発光プロファイルを有するように取り出すための光取出し構造(140、157)と、を有し、
    前記光偏向構造(130)および前記光取出し構造(140、157)は、共通の光学部品(150)として、ひとつに構成されており、
    前記光学部品(150)は中が空洞であって、前記光学部品(150)の側壁(153、154)を介して前記光偏向構造(130)と回折光学素子(140)が互いに接続されるように構成される、レーザモジュール(100)。
  2. 前記光取出し構造は、規定の発光プロファイルを有する前記レーザ光(123、124、125)を生成するための、前記回折光学素子(140)、および、屈折窓(157)の少なくとも一方として構成される、
    請求項1に記載のレーザモジュール(100)。
  3. 前記光学部品(150)は空洞のないプリズムとして構成される、
    請求項1または2に記載のレーザモジュール(100)。
  4. 前記光学部品(150)は前記半導体レーザダイオード(120)に対向する入力面(151)を有しており、前記入力面は反射防止膜(152)を備えている、
    請求項3に記載のレーザモジュール(100)。
  5. 前記回折光学素子(140)は入力側に反射防止膜(143)を備える、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザモジュール(100)。
  6. 前記光偏向構造(130)は、前記半導体レーザダイオード(120)から出射された前記光放射に対して反射性の面(131)を有する、
    請求項1~5のいずれか1項に記載のレーザモジュール(100)。
  7. 前記光偏向構造(130)の反射面(131)は、金属または誘電材料からなる皮膜(132)を有する、
    請求項6に記載のレーザモジュール(100)。
  8. 前記光偏向構造(130)の反射面(131)は前記半導体レーザダイオード(120)に対し、前記半導体レーザダイオード(120)から出射された前記レーザ光(123、124、125)が実質的に全反射によって、前記窓開口部(112)の方向へ偏向するような角度で配置される、
    請求項6または7に記載のレーザモジュール(100)。
  9. 前記レーザモジュール(100)は、前記半導体レーザダイオード(120)の出射方向(122)において前記光偏向構造(130)の下流側に配置されたフォトダイオード(160)をさらに有し、前記フォトダイオードは前記ハウジング(110)内における前記光学部品(150)の正しい組み立て位置をモニターする、
    請求項1~8のいずれか1項に記載のレーザモジュール(100)。
  10. 前記レーザモジュール(100)は、前記光学部品(150)が前記正しい組み立て位置から外れたことを前記フォトダイオード(160)が検知すると、すぐに前記半導体レーザダイオード(120)を停止させる停止電子機器(172)をさらに有する、
    請求項9に記載のレーザモジュール(100)。
  11. 前記レーザモジュール(100)は、前記半導体レーザダイオード(120)を操作するための駆動回路(171)をさらに有する、
    請求項1~10のいずれか1項に記載のレーザモジュール(100)。
  12. 前記駆動回路(171)は、前記半導体レーザダイオード(120)をパルスモードで操作するように構成される、
    請求項11に記載のレーザモジュール(100)。
  13. 前記光学部品(150)は樹脂材料、および、射出成形部品の少なくとも一方から形成される、
    請求項1~12のいずれか1項に記載のレーザモジュール(100)。
  14. 前記光偏向構造(130)は、前記レーザ光(123、124、125)を偏向させるための反射面(131、131、131、131、131)を少なくとも2つ有する、
    請求項1~13のいずれか1項に記載のレーザモジュール(100)。
  15. 前記反射面(131、131、131、131、131)の少なくとも一部は全反射によって前記レーザ光(123、124、125)を偏向するように構成される、
    請求項14に記載のレーザモジュール(100)。
  16. 前記反射面(131、131、131、131、131)は前記半導体レーザダイオード(120)から出射された前記レーザ光(123、124、125)に対して配置され、その配置は、最初は組み立て平面に対して実質的に垂直に伸びる前記レーザ光(123、124、125)の第1広がり軸が、前記組み立て平面に対して実質的に平行になるように回転する配置である、
    請求項14または15に記載のレーザモジュール(100)。
  17. 前記光偏向構造(130)は前記レーザ光(123、124、125)取込みのための入射面(151)と、前記レーザ光(123、124、125)取出しのための出射面(155)とを有し、これらの面のうち少なくともひとつは、そこに前記レーザ光(123、124、125)が当たるブリュースターウィンドウとして構成される、
    請求項1~16のいずれか1項に記載のレーザモジュール(100)。
  18. 前記光偏向構造(130)は、全反射によって前記レーザ光(123、124、125)を前記光偏向構造(130)内において誘導するように構成された光導波路構造(134)を有する、
    請求項1~17のいずれか1項に記載のレーザモジュール(100)。
  19. 請求項1~18のいずれか1項に記載のレーザモジュール(100)のための共通の光学部品(150)。
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