JP2022030738A - 水浄化装置及び水浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水の浄化速度を速めることができ、より清浄な水に浄化することができる水浄化装置を提供する。【解決手段】光触媒シート1と、光源と、水中の溶存酸素量を増加させる酸素量増加手段20とを有する水浄化装置であって、前記光触媒シートは、表面に酸化チタンが担持されたメッシュ状のチタンシートであり、平均メッシュ径が0.05~3mmであり、前記酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンを含み、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率が重量比で85:15~30:70であるとともに、比表面積が1.0×102~7.0×105cm2/gであり、該酸化チタン粒子によって形成される細孔の平均細孔径が2~15nmであることを特徴とする。【選択図】図5
Description
本発明は、水浄化装置及び水浄化方法に関する。
近年、光触媒の応用範囲が広がりをみせ、身のまわりで光触媒が利用されている製品が目につくようになってきている。光触媒の有する抗菌・抗ウイルス、防汚、防曇、脱臭、大気浄化、水浄化等の特長に着目が集まり利用が広がっている。
光触媒の中でも、酸化チタンは優れた効果を発揮するため、特に注目され利用が拡大している。酸化チタンは、例えば近紫外線により光触媒反応を起こし、自己溶解現象を起こさないうえに、生物に有害なほどエネルギーの高い光は必要とせず、LEDや蛍光灯の中にも含まれる、比較的長波長側の近紫外線で反応が進行する。これらの特長に注目し、酸化チタンを利用して水を浄化する試みがなされている。
特許文献1では、溶存酸素を増やすことに着目した水浄化装置が開示されており、水中溶存酸素濃度を10~30mg/Lに高めた状態で分解反応を行うことが開示されている。特許文献1によれば、通常の大気組成の酸素が溶存した場合よりも高い分解速度で水中の有機物質を分解することができる。
特許文献2では、導入口から導入された原水を滞留して導出口から導出する水処理槽と、水処理槽内に配置される紫外線ランプと、円柱状を成して中央部に紫外線ランプを挿通するフィルタとを備え、フィルタは基材に酸化チタンを担持してあると共に多数の通水孔が形成してある水浄化装置が開示されている。特許文献2によれば、簡易な構成で高い浄化機能を有する水浄化装置を提供することができるとしている。
しかしながら、水中の溶存酸素濃度を特許文献1の範囲にするには、実際には、圧力を上げるなどの操作が必要になるため、構成が複雑になってしまう。また、特許文献2のような従来技術において、飲料用に供することができる程度の浄化作用を得るには、塩素やオゾンを使う必要があり、人体にとって安全な水を得るには更なる改善が求められる。また、浄化作用を高めるためには、浄化に必要な時間が多くなり、浄化速度の向上も求められる。また、光触媒活性を得るには、短波長の紫外線等を照射する必要があるが、より長波長側の光を照射して浄化作用を得ることについても求められている。
そこで本発明は、水の浄化速度を速めることができ、より清浄な水に浄化することができる水浄化装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の水浄化装置は、光触媒シートと、光源と、水中の溶存酸素量を増加させる酸素量増加手段とを有する水浄化装置であって、前記光触媒シートは、表面に酸化チタンが担持されたメッシュ状のチタンシートであり、平均メッシュ径が0.05~3mmであり、前記酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンを含み、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率が重量比で85:15~30:70であるとともに、比表面積が1.0×102~7.0×105cm2/gであり、該酸化チタン粒子によって形成される細孔の平均細孔径が2~15nmであることを特徴とする。
本発明によれば、水の浄化速度を速めることができ、より清浄な水に浄化することができる水浄化装置を提供することができる。
以下、本発明に係る水浄化装置及び水浄化方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の水浄化装置は、光触媒シートと、光源と、水中の溶存酸素量を増加させる酸素量増加手段とを有する水浄化装置であって、前記光触媒シートは、表面に酸化チタンが担持されたメッシュ状のチタンシートであり、平均メッシュ径が0.05~3mmであり、前記酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンを含み、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率が重量比で85:15~30:70であるとともに、比表面積が1.0×102~7.0×105cm2/gであり、該酸化チタン粒子によって形成される細孔の平均細孔径が2~15nmであることを特徴とする。
(光触媒シート)
本発明に用いられる光触媒シートは、表面に酸化チタンが担持されたメッシュ状のチタンシートである。
図1に、本発明に用いられる光触媒シートの一例を模式的に示す。本例の光触媒シート1は、メッシュ状のチタンシート2の表面に酸化チタンが担持されている。光触媒シート1は、メッシュ状とすることにより、微細な細孔3が形成されている。光触媒シート1において、酸化チタンは例えば酸化チタン粒子として担持され、ここでは、酸化チタンが担持されて形成される層を光触媒層4として図示している。
本発明に用いられる光触媒シートは、表面に酸化チタンが担持されたメッシュ状のチタンシートである。
図1に、本発明に用いられる光触媒シートの一例を模式的に示す。本例の光触媒シート1は、メッシュ状のチタンシート2の表面に酸化チタンが担持されている。光触媒シート1は、メッシュ状とすることにより、微細な細孔3が形成されている。光触媒シート1において、酸化チタンは例えば酸化チタン粒子として担持され、ここでは、酸化チタンが担持されて形成される層を光触媒層4として図示している。
このようなメッシュ状のシートを得る方法としては、適宜選択することが可能である。例えば、チタンシートに例えば機械の爪を用いて複数の切り込みを入れ、シートを引っ張ることでメッシュ状にしてもよいし、パンチングにより細かい穴をあけ、メッシュ状にしてもよいし、エッチング等により細孔を作製してメッシュ状にしてもよい。メッシュ状のチタンシートに酸化チタンの光触媒層4を形成することで光触媒シート1を得ることができる。
<光触媒シートの平均メッシュ径>
上述のように、本発明に用いられる光触媒シートは微細な細孔3が形成されている。細孔3の平均径を平均メッシュ径と称する。本発明に用いられる光触媒シートの平均メッシュ径は0.05~3mmである。平均メッシュ径が上記範囲であると、水中の異物に対してフィルタとしての作用を発揮することができ、浄化効果を向上させることができる。特に制限されるものではないが、平均メッシュ径が上記範囲であると、水中の繊維などの大きな異物は光触媒シートの細孔内部に入り込まないようにすることができるのに対し、分解対象にすべき有機物等については光触媒シートの細孔内部に導入させ、光触媒と接触する頻度を増やすことができる。
上述のように、本発明に用いられる光触媒シートは微細な細孔3が形成されている。細孔3の平均径を平均メッシュ径と称する。本発明に用いられる光触媒シートの平均メッシュ径は0.05~3mmである。平均メッシュ径が上記範囲であると、水中の異物に対してフィルタとしての作用を発揮することができ、浄化効果を向上させることができる。特に制限されるものではないが、平均メッシュ径が上記範囲であると、水中の繊維などの大きな異物は光触媒シートの細孔内部に入り込まないようにすることができるのに対し、分解対象にすべき有機物等については光触媒シートの細孔内部に導入させ、光触媒と接触する頻度を増やすことができる。
光触媒シートの平均メッシュ径が0.05mm未満であると、浄化対象の水が光触媒シートを通過しにくくなる場合があるとともに、水中に固形状、コロイド状などとして存在する有機物が光触媒シートを通過しにくくなる。有機物が光触媒シートを通過しにくい場合、有機物が光触媒シートと接触する頻度が減り、良好な有機物の分解機能が得られない。また、平均メッシュ径が小さいと、異物が細孔に捕捉されて目詰まりを起こし、浄化効果が低減してしまうことがある。
一方、光触媒シートの平均メッシュ径が3mmよりも大きいと、水中の有機物が光触媒シートを通過する際に、光触媒層と接触する機会が十分に増えず、有機物の分解機能を向上させにくくなる。
一方、光触媒シートの平均メッシュ径が3mmよりも大きいと、水中の有機物が光触媒シートを通過する際に、光触媒層と接触する機会が十分に増えず、有機物の分解機能を向上させにくくなる。
光触媒シートの平均メッシュ径は0.1~1.5mmであることが好ましい。上記範囲内であると上記の効果がより向上する。
光触媒シートの平均メッシュ径は、顕微鏡写真を拡大し、メジャーを使用して測定する。
<厚み>
光触媒シートの厚みは、適宜選択することが可能であるが、0.05~2mmであることが好ましい。この範囲の場合、平均細孔径や比表面積を上記の範囲にしやすくなるともに、他の部材に巻き付ける等の形状変化をさせやすくなり、シートとして好ましい形態となる。また、厚みを上記の下限値以上とすることで、シートが破れる等の不具合を防止できる。
光触媒シートの厚みは、適宜選択することが可能であるが、0.05~2mmであることが好ましい。この範囲の場合、平均細孔径や比表面積を上記の範囲にしやすくなるともに、他の部材に巻き付ける等の形状変化をさせやすくなり、シートとして好ましい形態となる。また、厚みを上記の下限値以上とすることで、シートが破れる等の不具合を防止できる。
<アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率>
本発明に用いられる光触媒シートに担持される酸化チタン粒子は、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンを含む。また、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率が重量比で85:15~30:70である。この範囲にすることにより、光触媒シートの比表面積が向上し、比表面積の範囲を上記の範囲にしやすくなる。
本発明に用いられる光触媒シートに担持される酸化チタン粒子は、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンを含む。また、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率が重量比で85:15~30:70である。この範囲にすることにより、光触媒シートの比表面積が向上し、比表面積の範囲を上記の範囲にしやすくなる。
アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率(以下、単に比率と称することがある)は、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの合計(以下、合計量と称することがある)に対するアナターゼ型酸化チタンの割合として考慮してもよい。この場合、アナターゼ型酸化チタンの割合が合計量に対して30以上85以下(重量%としてもよい)ということができる。
アナターゼ型酸化チタンの割合が合計量に対して30重量%未満であると、光触媒シートの紫外光の吸収が少なくなり、良好な浄化作用が得られない。一方、85重量%よりも大きいと、ルチル型酸化チタンの割合が少なくなり、近紫外光の吸収が小さくなるため、良好な浄化作用が得られない。また、ピーク波長405nmの光を照射したときの浄化作用が低くなる。一方、アナターゼ型酸化チタンの割合が合計量に対して85重量%よりも大きいと、近紫外光の吸収が小さくなるため、波長が100nm~400nmの紫外線を用いた場合においても、良好な浄化作用が得られない。
一方、ルチル型酸化チタンの割合が上記の下限値以上であると、長波長側の光に対しても良好な浄化作用が得られる。ルチル型酸化チタンのバンドギャップは3.0eVであり、約413nmの波長の光により光励起が生じる。このため、ルチル型酸化チタンをある程度含むことで、長波長側の光に対しても良好な浄化作用が得られる。
光触媒シートに担持される酸化チタンのアナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率を測定する方法としては、X線回折装置UltimaIVを用いて行う。
アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率を上記の範囲にする方法としては、例えば光触媒シートの製造方法を工夫する。例えば以下のようにして光触媒シートを製造する方法が挙げられる。
その方法の一例としては、メッシュ状のチタンシートに、アナターゼ型酸化チタンと有機系チタン(例えばトリプロポキシチタン、チタンテトライソプロポキシド等)を混合した材料を付与し、十分な酸素を供給しながら350~600℃、10~300分加熱する。これにより、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率が上記の範囲となる光触媒シートが得られる。
その方法の一例としては、メッシュ状のチタンシートに、アナターゼ型酸化チタンと有機系チタン(例えばトリプロポキシチタン、チタンテトライソプロポキシド等)を混合した材料を付与し、十分な酸素を供給しながら350~600℃、10~300分加熱する。これにより、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率が上記の範囲となる光触媒シートが得られる。
酸化チタン粒子の粒径としては、適宜選択することが可能である。例えば、アナターゼ型酸化チタンの体積平均粒子径は、20μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.2μm以下が更に好ましい。また、ルチル型酸化チタンの体積平均粒子径は、10μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。これらの粒径の範囲を満たす場合、脱臭・殺菌効率が高まるという利点が得られる。
<比表面積>
本発明に用いられる光触媒シートは、比表面積が1.0×102~7.0×105cm2/gである。比表面積が上記範囲であることにより、良好な脱臭効果が得られる。1.0×102cm2/g未満であると、良好な浄化効果が得られず、水中の殺菌効果が劣る他、脱臭効果が得られにくくなる。7.0×105cm2/gよりも大きいと、光触媒層がもろくなり、金属表面からはがれやすくなる。比表面積を上記の範囲にするには、光触媒シートの製造、例えばメッシュ状のチタンシートの作製や光触媒層の形成等において、適宜製造の手法を変更する。
本発明に用いられる光触媒シートは、比表面積が1.0×102~7.0×105cm2/gである。比表面積が上記範囲であることにより、良好な脱臭効果が得られる。1.0×102cm2/g未満であると、良好な浄化効果が得られず、水中の殺菌効果が劣る他、脱臭効果が得られにくくなる。7.0×105cm2/gよりも大きいと、光触媒層がもろくなり、金属表面からはがれやすくなる。比表面積を上記の範囲にするには、光触媒シートの製造、例えばメッシュ状のチタンシートの作製や光触媒層の形成等において、適宜製造の手法を変更する。
光触媒シートの比表面積を測定する方法としては、BEL JAPANのBelsorp maxを用いて行う。光触媒シートの比表面積の値は、光触媒層の酸化チタンについて測定される値となる。
<酸化チタン粒子の平均細孔径>
本発明に用いられる光触媒シートにおいて、酸化チタン粒子によって形成される細孔の平均細孔径(以下、酸化チタン粒子の平均細孔径とも称する)は2~15nmである。酸化チタン粒子の平均細孔径が上記の範囲であると、水中の菌、ウイルス、有機物が酸化チタン粒子によって形成される細孔を通過しやすくなり、浄化効果を向上させることができる。有機物等が酸化チタン粒子によって形成される細孔を通過しやすくなることで、光触媒層の表面のみならず、光触媒層内部においても有機物等の浄化作用を促進させることができる。
本発明に用いられる光触媒シートにおいて、酸化チタン粒子によって形成される細孔の平均細孔径(以下、酸化チタン粒子の平均細孔径とも称する)は2~15nmである。酸化チタン粒子の平均細孔径が上記の範囲であると、水中の菌、ウイルス、有機物が酸化チタン粒子によって形成される細孔を通過しやすくなり、浄化効果を向上させることができる。有機物等が酸化チタン粒子によって形成される細孔を通過しやすくなることで、光触媒層の表面のみならず、光触媒層内部においても有機物等の浄化作用を促進させることができる。
酸化チタン粒子の平均細孔径が2nm未満であると、水中の菌、ウイルス、有機物が酸化チタン粒子によって形成される細孔を通過しにくくなり、良好な浄化効果が得られにくくなる。酸化チタン粒子の平均細孔径が15nmよりも大きいと、比表面積が少なく、水中の菌、ウイルス、有機物が酸化チタン粒子に接触する頻度が減り、水中の有機物等の分解、脱色、脱臭・殺菌性能が劣る。
酸化チタン粒子の平均細孔径を上記の範囲にするには、光触媒シートの製造、例えばメッシュ状のチタンシートの作製や光触媒層の形成等において、適宜製造の手法を変更する。
酸化チタン粒子の平均細孔径を測定する方法としては、BEL JAPANのBelsorp maxを用いてBET法により測定する。
<酸素量増加手段>
また、本発明の水浄化装置は、水中の溶存酸素量を増加させる酸素量増加手段を有している。光触媒シートを用いて水中の有機物等を分解する際には、水中の酸素が消費されながら反応が進む。有機物等分解するには水中の酸素が必要であり、時間が経つと光触媒シートの周辺の酸素量が低下する。酸素の量が少なくとなると活性種(ヒドロキシラジカルおよびスーパーアニオンオキサイド)の発生頻度が減る傾向になり、分解能力が落ちる傾向になる。これに対して、酸素量増加手段を用いて水中の溶存酸素量を増加させることにより、光触媒シートが有機物等を分解するための酸素量を増やすことができ、活性種(ヒドロキシラジカルおよびスーパーアニオンオキサイド)の発生頻度が多くなり、分解反応が低下することを抑えることができる。
また、本発明の水浄化装置は、水中の溶存酸素量を増加させる酸素量増加手段を有している。光触媒シートを用いて水中の有機物等を分解する際には、水中の酸素が消費されながら反応が進む。有機物等分解するには水中の酸素が必要であり、時間が経つと光触媒シートの周辺の酸素量が低下する。酸素の量が少なくとなると活性種(ヒドロキシラジカルおよびスーパーアニオンオキサイド)の発生頻度が減る傾向になり、分解能力が落ちる傾向になる。これに対して、酸素量増加手段を用いて水中の溶存酸素量を増加させることにより、光触媒シートが有機物等を分解するための酸素量を増やすことができ、活性種(ヒドロキシラジカルおよびスーパーアニオンオキサイド)の発生頻度が多くなり、分解反応が低下することを抑えることができる。
また、本発明に用いられる光触媒シートは、比表面積が大きく、平均細孔径が特定の大きさであることから、担持された酸化チタン粒子に水中の酸素が接触する量が多くなり、有機物等の分解に良好な作用が得られる。
酸素量増加手段は、水中の温度が20℃で測定したときの溶存酸素量を3mg/L以上にすることが好ましく、5mg/L以上にすることがより好ましい。溶存酸素量を3mg/L以上にすることで、比表面積及び平均細孔径が上記の範囲である光触媒シートと組み合わせたときに、浄化効果を更に向上させることができる。
水中の溶存酸素量は、共立理化学研究所製の溶存酸素(DO)キットを用いて測定することができる。溶存酸素(DO)キットを用いて測定する際には、スナッパーの流入口が光触媒シートの周辺の水に配置されるようにする。例えば光触媒シートから2cm程度離れた箇所の水を測定する等、測定する箇所を決めておくことが好ましい。
水中の溶存酸素量を増加させる酸素量増加手段としては、特に制限されるものではなく、公知の手段を用いることができる。酸素量増加手段として、例えばエアーポンプを用いることができる。上述のように、水中の温度が20℃で測定したときの溶存酸素量としては、3mg/L以上にすることが好ましく、5mg/L以上にすることがより好ましいため、溶存酸素量をこのような数値にすることが可能な酸素量増加手段を用いることが好ましい。
酸素量増加手段の配置箇所としては、適宜選択することができる。光触媒シートに接近させてもよいし、離れた位置に配置してもよいが、光触媒シートに接触する水の酸素量を増加させることを狙いとしている。例えば酸素量増加手段が気泡を生じる場合に、生じた気泡が光触媒シートに接触するような配置としてよいし、接触しない配置としてもよい。
本発明において、酸素量増加手段は水中の溶存酸素量を増加させるものであるが、酸素量増加手段を用いない場合に比べて水中の溶存酸素量を増加させることができるものであればよい。光源から光を照射して浄化操作を開始した時点と、光の照射を停止して浄化操作を終了した時点とを比べたときに、終了の時点における溶存酸素量が開始の時点の溶存酸素量に比べて増加している、ということを必要とするものではない。
光触媒は酸化反応と還元反応の両方を行うものであり、両反応は対反応であるため、酸化反応が起こりやすくなると還元反応も起こりやすくなる。水中の酸素量が増えると光触媒は還元反応が起こりやすくなり、これに伴い、有機物等の分解を行う酸化反応が起こりやすくなり、水の浄化が促進される。一方で、酸素量が少なくなると活性種(ヒドロキシラジカルおよびスーパーアニオンオキサイド)の発生頻度が減る傾向になり、有機物等の分解能力が落ちる傾向になる。
本発明によれば、メッシュ状の光触媒シートとし、更に比表面積及び平均細孔径を所望の範囲にしているため、光触媒に光が照射する面積や光量を著しく向上させることができ、これを確保した上で更に溶存酸素量を増やすことにより、酸化還元反応をスムーズに行わせ、効果的に水の浄化処理を行うことができる。これにより、水の浄化速度を速めることができ、更にはより清浄な水に浄化することができる。更に本発明によれば、浄化作用に優れているため、飲料用の水を得ることが期待できる。
<光源>
光源は光触媒シートに光を照射する。照射される光としては、適宜選択することが可能であり、例えば紫外線が挙げられる。酸化チタンを有する光触媒シートに紫外線を照射することで、良好な浄化作用が得られる。光源としては、例えばLED、紫外線ランプ等を用いることができる。
光源は光触媒シートに光を照射する。照射される光としては、適宜選択することが可能であり、例えば紫外線が挙げられる。酸化チタンを有する光触媒シートに紫外線を照射することで、良好な浄化作用が得られる。光源としては、例えばLED、紫外線ランプ等を用いることができる。
本発明に用いられる光源は、例えばピーク波長が360nm以上450nm以下の光を照射する。波長が100nm~400nmの紫外線を用いる場合には、光触媒活性が高くなることが期待されるが、生体への影響が懸念される。一方、ピーク波長が400nm以上450nm以下の光は可視光に近く、本発明によれば、長波長側の光においても良好な浄化作用を得ることができるという利点がある。
従来の光触媒シートでは、ピーク波長が400nm以上450nm以下の光に対して、有機物を分解する等の浄化作用が劣っていた、もしくは浄化作用が得られていなかった。一方、本発明によれば、特に、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率を上記の範囲にすることにより、ピーク波長400nm以上450nm以下の光が照射された場合においても良好な浄化作用を得ることができる。例えば、ルチル型酸化チタンの割合が上記の下限値を下回る場合、ピーク波長400nm以上450nm以下の光が光触媒シートに照射された場合に、良好な浄化作用が得られにくくなる。
<撹拌手段>
本発明の水浄化装置は、浄化対象となる水を撹拌する撹拌手段を有してもよい。
撹拌手段としては、適宜選択することができ、例えばスターラーを用いることができる。回転する部材と該部材を回転させる部材を含めた装置をスターラーと称してもよいし、回転する部材をスターラーと称してもよい。
撹拌手段を用いることにより、光触媒シート周辺の水を流動させることができ、光触媒シート周辺に酸素をより供給することができる。これにより、光触媒シート周辺の酸素量が低下することを防止し、光触媒シートによる浄化作用をより促すことができる。
本発明の水浄化装置は、浄化対象となる水を撹拌する撹拌手段を有してもよい。
撹拌手段としては、適宜選択することができ、例えばスターラーを用いることができる。回転する部材と該部材を回転させる部材を含めた装置をスターラーと称してもよいし、回転する部材をスターラーと称してもよい。
撹拌手段を用いることにより、光触媒シート周辺の水を流動させることができ、光触媒シート周辺に酸素をより供給することができる。これにより、光触媒シート周辺の酸素量が低下することを防止し、光触媒シートによる浄化作用をより促すことができる。
(装置構成例)
本発明の水浄化装置は、光触媒シート、光源、酸素量増加手段を有している。本発明の水浄化装置は、例えば、光源からの光を透過する材料からなる管状部材を有し、光源は前記管状部材の内側に配置され、光触媒シートは、前記管状部材の外側に巻かれている構成とすることが好ましい。以下、好適な構成を例に挙げて説明する。
本発明の水浄化装置は、光触媒シート、光源、酸素量増加手段を有している。本発明の水浄化装置は、例えば、光源からの光を透過する材料からなる管状部材を有し、光源は前記管状部材の内側に配置され、光触媒シートは、前記管状部材の外側に巻かれている構成とすることが好ましい。以下、好適な構成を例に挙げて説明する。
本発明の水浄化装置の装置構成例について、図2~図5を用いて説明する。
図2は、光源10を基板12に配置するとともに、管状部材14の内側に配置した場合の例を示す模式図である。光源10又は基板12には配線16が接続されており、配線16は電源に接続される。電源により光源10から光を照射することができる。
なお、図2では光触媒シート1の図示を省略している。
図2は、光源10を基板12に配置するとともに、管状部材14の内側に配置した場合の例を示す模式図である。光源10又は基板12には配線16が接続されており、配線16は電源に接続される。電源により光源10から光を照射することができる。
なお、図2では光触媒シート1の図示を省略している。
本例の管状部材14は、両端が開口している部材であるが、管状部材14の端部を封止するようにしてもよい。管状部材14の端部を封止することにより、管状部材14を水中に入れたときに、光源10に水が接触することを防ぎ、故障を抑制し、長期にわたって使用することができる。また、管状部材14として、一端側が開口されており、他端側が閉じられている形状の部材を用いてもよい。
管状部材14は、光源からの光を透過する材料、例えばガラス等からなり、筒状部材などと称されてもよい。管状部材14は、固定された形状であってもよいし、可撓性を有していてもよい。大きさも適宜選択することができる。また、管状部材14を枠体など、内部に水が流れる部材としてもよい。この場合、光源10や基板12を透明な材料で封止することが好ましい。
図3は、図2のA-A断面を示す模式図であり、図4は、図2のB-B断面を示す模式図である。本例において、光源10は管状部材14の内側に配置され、光触媒シート1は管状部材14の外側に巻かれている。光触媒シート1を管状部材14の外側に巻くことで、光源10からの光が光触媒シート1に照射される面積を大きくすることができ、水の浄化作用を向上させることができる。また、光触媒シート1を管状部材14の外側に巻くことで、光源10からの光が光触媒シート1に無駄なく照射される。
図示される例では、光源10が配置された基板12を2つ設ける例としているが、これに限られるものではなく、適宜選択することができる。例えば、光源10が配置された基板12を3つ設けるようにしてもよく、この場合、光源10からの光を更に効率的に光触媒シート1に照射することができる。
基板12は適宜選択することができ、例えば透明の部材としてもよい。この場合、基板12を1つとし一方の面に光源10を配置した場合においても、より広範囲に光を照射することができる。
基板12に配置される光源10の数は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができ、例えば1つの基板に12個の光源を配置する。光源の数を増やしてもよく、光源の数を増やすことで、光触媒シート1に照射される光の量を増やすことができる。
図3、図4において、光触媒シートと光源を有する構成を浄化ユニット18と称してもよい。浄化ユニット18は、光触媒シートと光源を有するものであり、他にも管状部材や基板を有していてもよく、光触媒シート1、光源10、基板12、管状部材14を有する構成を浄化ユニット18と称してもよい。
図5に、水浄化装置の全体構成の一例を模式的に示す。本例では、光源を管状部材の内部に配置し、管状部材の外側に光触媒シート1を巻いたものをタンク22内の水30の中に配置している。管状部材の内部には光源が配置された基板12が配置されており、基板12は破線で示している。また、水30の中には、酸素量増加手段としてのエアーポンプ20、撹拌手段としてのスターラー21を設けている。光源又は基板12に接続する配線16は、光源に電力を供給するための電源23に接続されている。電源23の数は、適宜選択してもよい。
ここでは、光触媒シート1、光源、基板12、管状部材を有する部材を浄化ユニット18と称する。タンク22内に設けられる浄化ユニット18の数は、適宜選択することができる。浄化の対象とする水30の汚れ具合や汚れの種類によって、浄化ユニット18の数を適宜選択することができる。
浄化ユニット18の配置は、特に制限されるものではなく、例えば、タンク22の大きさ、エアーポンプ20やスターラー21の配置や構成等によって適宜選択することができる。本例によれば、浄化ユニット18の数や配置等を所望の構成に変更しやすいという利点がある。また、水の流れを制限しない棚のような部材を設けて、タンク内を上段、中段、下段に分けてそれぞれに浄化ユニット18を複数配置するようにしてもよい。
浄化ユニット18における管状部材は、端部側が封止部材17によって封止されていてもよい。これにより、上述したように、光源10に水が接触することを防ぎ、故障を抑制し、長期にわたって使用することができる。封止部材17としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができる。
エアーポンプ20の配置は、図示されるものに限られない。浄化ユニット18に近づけて接近させるようにしてもよい。また、エアーポンプ20の数は、適宜選択することができ、数を増やすようにしてもよい。
スターラー21の配置は、図示されるものに限られない。例えば、スターラー21は回転する部材を用いる場合には、浄化ユニット18の下側に配置してもよく、この場合、回転する部材によって引き起こされた水流が浄化ユニット18にあたりやすくなる。また、スターラー21の数は、図示されるものに限られず、適宜選択することができる。図示されるものよりも増やしてもよいし、減らしてもよい。ここで用いるスターラー21は、回転する部材と該部材を回転させる部材を合わせた装置としている。
上述のように、本実施形態によれば、水の浄化速度を速めることができ、より清浄な水に浄化することができる水浄化方法が提供される。本実施形態の水浄化方法は、光触媒シートと、光源と、水中の溶存酸素量を増加させる酸素量増加手段とを用いて水の浄化を行う水浄化方法であって、前記光触媒シートは、表面に酸化チタンが担持されたメッシュ状のチタンシートであり、平均メッシュ径が0.05~3mmであり、前記酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンを含み、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率が重量比で85:15~30:70であるとともに、比表面積が1.0×102~7.0×105cm2/gであり、該酸化チタン粒子によって形成される細孔の平均細孔径が2~15nmであることを特徴とする。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(消色時間の評価)
以下の実施例1、比較例1~3では、有機物の分解能力について測定及び評価を行った。有機物の分解能力を評価するにあたり、視認可能なメチレンブルーを有機物として用いている。ここで用いた光触媒シートの構成、装置の構成、得られた結果を表1に示す。
以下の実施例1、比較例1~3では、有機物の分解能力について測定及び評価を行った。有機物の分解能力を評価するにあたり、視認可能なメチレンブルーを有機物として用いている。ここで用いた光触媒シートの構成、装置の構成、得られた結果を表1に示す。
<実施例1>
-光触媒シート-
厚さ0.5mmのチタンシートを爪でひっかき、ひし形の空隙を形成し、メッシュ状のチタンシートを作製した。このチタンシートに、アナターゼ型酸化チタンと有機酸化チタン(トリプロポキシチタン)を重量比65:35で混合した材料を塗布し、450℃、2時間、酸素雰囲気下で加熱した。これにより、酸化チタンが担持されたメッシュ状の[光触媒シート1]を得た。[光触媒シート1]は、平均メッシュ径が0.8mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が71:29であり、比表面積が3.4×104cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が11nmであった。
-光触媒シート-
厚さ0.5mmのチタンシートを爪でひっかき、ひし形の空隙を形成し、メッシュ状のチタンシートを作製した。このチタンシートに、アナターゼ型酸化チタンと有機酸化チタン(トリプロポキシチタン)を重量比65:35で混合した材料を塗布し、450℃、2時間、酸素雰囲気下で加熱した。これにより、酸化チタンが担持されたメッシュ状の[光触媒シート1]を得た。[光触媒シート1]は、平均メッシュ径が0.8mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が71:29であり、比表面積が3.4×104cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が11nmであった。
-装置構成-
上記の[光触媒シート1]を用いて、図5に示すような水浄化装置を作製した。ただし、以下に記載の通り、浄化ユニットは1個としている。
ガラスからなる管状部材(長さ10cm、円筒の直径4.5cm)の外側に[光触媒シート1]を一重となるように巻き付け(一部は重なる)、拘束部材を用いて固定した。管状部材の内側にはLEDを12個有する基板を2つ設けた。すなわち、1つの管状部材の内側にLEDを合計で24個設けた。管状部材の一端側はビニルテープを用いて封止し、他端側はLEDに電源を供給するための配線を引き出した上でビニルテープを用いて封止した。これにより、管状部材の内側には水が入らないようにした。このようにして浄化ユニットを作製し、タンク内に浄化ユニットを1個配置した。タンク内に20Lの水(pH6、25℃)を充填した。
タンク内には、エアーポンプを1個、スターラーを2個配置した。スターラーは浄化ユニットの下側に配置し、回転する部材と該回転する部材を共に有する装置とした。エアーポンプはタンクの下方の隅の方に配置した。
上記の[光触媒シート1]を用いて、図5に示すような水浄化装置を作製した。ただし、以下に記載の通り、浄化ユニットは1個としている。
ガラスからなる管状部材(長さ10cm、円筒の直径4.5cm)の外側に[光触媒シート1]を一重となるように巻き付け(一部は重なる)、拘束部材を用いて固定した。管状部材の内側にはLEDを12個有する基板を2つ設けた。すなわち、1つの管状部材の内側にLEDを合計で24個設けた。管状部材の一端側はビニルテープを用いて封止し、他端側はLEDに電源を供給するための配線を引き出した上でビニルテープを用いて封止した。これにより、管状部材の内側には水が入らないようにした。このようにして浄化ユニットを作製し、タンク内に浄化ユニットを1個配置した。タンク内に20Lの水(pH6、25℃)を充填した。
タンク内には、エアーポンプを1個、スターラーを2個配置した。スターラーは浄化ユニットの下側に配置し、回転する部材と該回転する部材を共に有する装置とした。エアーポンプはタンクの下方の隅の方に配置した。
-浄化操作-
エアーポンプとスターラーをしばらく稼働させた後、浄化ユニットの周辺(約2cm程度離れた位置)の水の溶存酸素量を共立理化学研究所製の溶存酸素(DO)キットを用いて測定したところ、8mg/Lであった(開始時の溶存酸素量)。
次に、メチレンブルーの濃度が0.4mg/lとなるように、タンクにメチレンブルーを投入し、数分置いて水の色が均一になった後、LEDによりピーク波長365nmの光を照射した。エアーポンプとスターラーを稼働させたまま、LEDの照射を続けたところ、1時間30分後にタンク内の水の色が消えた。すなわち、消色時間は1時間30分であった。また、このときの溶存酸素量を上記と同様にして測定したところ、8mg/Lであった(終了時の溶存酸素量)。
エアーポンプとスターラーをしばらく稼働させた後、浄化ユニットの周辺(約2cm程度離れた位置)の水の溶存酸素量を共立理化学研究所製の溶存酸素(DO)キットを用いて測定したところ、8mg/Lであった(開始時の溶存酸素量)。
次に、メチレンブルーの濃度が0.4mg/lとなるように、タンクにメチレンブルーを投入し、数分置いて水の色が均一になった後、LEDによりピーク波長365nmの光を照射した。エアーポンプとスターラーを稼働させたまま、LEDの照射を続けたところ、1時間30分後にタンク内の水の色が消えた。すなわち、消色時間は1時間30分であった。また、このときの溶存酸素量を上記と同様にして測定したところ、8mg/Lであった(終了時の溶存酸素量)。
<比較例1>
比較例1では、実施例1の[光触媒シート1]を用い、実施例1と同じ装置構成とした。実施例1の浄化操作において、エアーポンプとスターラーを5時間稼働させた後、浄化ユニットの周辺の水の溶存酸素量を同様にして測定したところ、8mg/Lであった(開始時の溶存酸素量)。
次に、メチレンブルーの濃度が0.4mg/lとなるように、タンクにメチレンブルーを投入し、数分置いて水の色が均一になった後、エアーポンプとスターラーを停止させ、LEDによりピーク波長365nmの光を照射した。LEDの照射を続けたところ、3時間後にタンク内の水の色が消えた。すなわち、消色時間は3時間であった。また、このときの溶存酸素量を上記と同様にして測定したところ、6mg/Lであった(終了時の溶存酸素量)。
比較例1では、実施例1の[光触媒シート1]を用い、実施例1と同じ装置構成とした。実施例1の浄化操作において、エアーポンプとスターラーを5時間稼働させた後、浄化ユニットの周辺の水の溶存酸素量を同様にして測定したところ、8mg/Lであった(開始時の溶存酸素量)。
次に、メチレンブルーの濃度が0.4mg/lとなるように、タンクにメチレンブルーを投入し、数分置いて水の色が均一になった後、エアーポンプとスターラーを停止させ、LEDによりピーク波長365nmの光を照射した。LEDの照射を続けたところ、3時間後にタンク内の水の色が消えた。すなわち、消色時間は3時間であった。また、このときの溶存酸素量を上記と同様にして測定したところ、6mg/Lであった(終了時の溶存酸素量)。
<比較例2>
比較例2では、実施例1の[光触媒シート1]を用い、実施例1と同じ装置構成とした。実施例1の浄化操作において、エアーポンプを稼働させず、スターラーをしばらく稼働させた後、浄化ユニットの周辺の水の溶存酸素量を同様にして測定したところ、6mg/Lであった(開始時の溶存酸素量)。
次に、メチレンブルーの濃度が0.4mg/lとなるように、タンクにメチレンブルーを投入し、数分置いて水の色が均一になった後、LEDによりピーク波長365nmの光を照射した。スターラーを稼働させたまま、LEDの照射を続けたところ、4時間後にタンク内の水の色が消えた。すなわち、消色時間は4時間であった。また、このときの溶存酸素量を上記と同様にして測定したところ、4mg/Lであった(終了時の溶存酸素量)。
比較例2では、実施例1の[光触媒シート1]を用い、実施例1と同じ装置構成とした。実施例1の浄化操作において、エアーポンプを稼働させず、スターラーをしばらく稼働させた後、浄化ユニットの周辺の水の溶存酸素量を同様にして測定したところ、6mg/Lであった(開始時の溶存酸素量)。
次に、メチレンブルーの濃度が0.4mg/lとなるように、タンクにメチレンブルーを投入し、数分置いて水の色が均一になった後、LEDによりピーク波長365nmの光を照射した。スターラーを稼働させたまま、LEDの照射を続けたところ、4時間後にタンク内の水の色が消えた。すなわち、消色時間は4時間であった。また、このときの溶存酸素量を上記と同様にして測定したところ、4mg/Lであった(終了時の溶存酸素量)。
<比較例3>
-光触媒担持タイル-
長さ10cm、幅5cm、厚さ1cmのタイルに光触媒として酸化チタンを担持させ、[光触媒担持タイル]を作製した。[光触媒担持タイル]は、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が5:95であり、比表面積が2.0×10cm2/gであった。
-光触媒担持タイル-
長さ10cm、幅5cm、厚さ1cmのタイルに光触媒として酸化チタンを担持させ、[光触媒担持タイル]を作製した。[光触媒担持タイル]は、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が5:95であり、比表面積が2.0×10cm2/gであった。
-装置構成及び浄化操作-
比較例3では、実施例1と同じ装置構成とし、実施例1の同じ浄化操作を行った。その結果、消色時間は48時間であり、終了時の溶存酸素量は8mg/Lであった。なお、終了時のタンク内の水は、pH6、24℃であった。
比較例3では、実施例1と同じ装置構成とし、実施例1の同じ浄化操作を行った。その結果、消色時間は48時間であり、終了時の溶存酸素量は8mg/Lであった。なお、終了時のタンク内の水は、pH6、24℃であった。
(殺菌効果の評価)
以下の実施例2、3、比較例4、5では、水中の大腸菌(NBRC3972)の殺菌効果について測定及び評価を行った。ここで用いた光触媒シートの構成、装置の構成、得られた結果を表1~表3に示す。
以下の実施例2、3、比較例4、5では、水中の大腸菌(NBRC3972)の殺菌効果について測定及び評価を行った。ここで用いた光触媒シートの構成、装置の構成、得られた結果を表1~表3に示す。
<実施例2>
-光触媒シート-
長さ10cm、幅5cm、厚さ0.25mmのチタンシートを爪でひっかき、ひし形の空隙を形成し、メッシュ状のチタンシートを作製した。このチタンシートに、アナターゼ型酸化チタンと有機酸化チタン(トリプロポキシチタン)を重量比75:25で混合した材料を塗布し、450℃、4時間、酸素雰囲気下で加熱した。これにより、酸化チタンが担持したメッシュ状の[光触媒シート2]を得た。[光触媒シート2]は、平均メッシュ径が0.5mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が65:35であり、比表面積が6.3×105cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が9nmであった。
-光触媒シート-
長さ10cm、幅5cm、厚さ0.25mmのチタンシートを爪でひっかき、ひし形の空隙を形成し、メッシュ状のチタンシートを作製した。このチタンシートに、アナターゼ型酸化チタンと有機酸化チタン(トリプロポキシチタン)を重量比75:25で混合した材料を塗布し、450℃、4時間、酸素雰囲気下で加熱した。これにより、酸化チタンが担持したメッシュ状の[光触媒シート2]を得た。[光触媒シート2]は、平均メッシュ径が0.5mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が65:35であり、比表面積が6.3×105cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が9nmであった。
-装置構成及び浄化操作-
500mlのビーカーに[光触媒シート2]、ピーク波長365nmのLEDと、ピーク波長405nmのLEDを入れ、滅菌水を約500ml入れた。更に、回転する部材であるスターラーと、エアーポンプをビーカーに入れ、しばらく稼働させた。
次に、ビーカー内の水の菌濃度が2.0×105cfu/mlになるように大腸菌(NBRC3972)を添加した。数分置いた後、ピーク波長365nmの光又はピーク波長405nmの光を照射した。エアーポンプとスターラーを稼働させたまま、LEDの照射を続けた。2時間後、4時間後、6時間後にサンプリングを行い、その菌濃度を求めた。結果を表2、表3に示す。
なお、本実施例でも実施例1と同様にして溶存酸素量を求めており、LEDの照射開始時の溶存酸素量を開始時とし、LEDの照射停止時の溶存酸素量を終了時としている。開始時及び終了時ともに、8mg/Lであった。
また、2時間後、4時間後、6時間後の菌濃度は、所定時間後にサンプリングを行い定法に従い、菌濃度を求めた。cfuはコロニー形成単位(Colony forming unit)である。
500mlのビーカーに[光触媒シート2]、ピーク波長365nmのLEDと、ピーク波長405nmのLEDを入れ、滅菌水を約500ml入れた。更に、回転する部材であるスターラーと、エアーポンプをビーカーに入れ、しばらく稼働させた。
次に、ビーカー内の水の菌濃度が2.0×105cfu/mlになるように大腸菌(NBRC3972)を添加した。数分置いた後、ピーク波長365nmの光又はピーク波長405nmの光を照射した。エアーポンプとスターラーを稼働させたまま、LEDの照射を続けた。2時間後、4時間後、6時間後にサンプリングを行い、その菌濃度を求めた。結果を表2、表3に示す。
なお、本実施例でも実施例1と同様にして溶存酸素量を求めており、LEDの照射開始時の溶存酸素量を開始時とし、LEDの照射停止時の溶存酸素量を終了時としている。開始時及び終了時ともに、8mg/Lであった。
また、2時間後、4時間後、6時間後の菌濃度は、所定時間後にサンプリングを行い定法に従い、菌濃度を求めた。cfuはコロニー形成単位(Colony forming unit)である。
<実施例3>
長さ10cm、幅10cm、厚さ0.2mmのチタンシートに対して、不定形の穴をエッチングにより作製し、平均65メッシュのチタンシートを作製した。このチタンシートに、実施例2と同様にして酸化チタンを担持させ、メッシュ状の[光触媒シート3]を得た。[光触媒シート3]は、平均メッシュ径が2.2mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が65:35であり、比表面積が9.2×104cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が5nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
長さ10cm、幅10cm、厚さ0.2mmのチタンシートに対して、不定形の穴をエッチングにより作製し、平均65メッシュのチタンシートを作製した。このチタンシートに、実施例2と同様にして酸化チタンを担持させ、メッシュ状の[光触媒シート3]を得た。[光触媒シート3]は、平均メッシュ径が2.2mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が65:35であり、比表面積が9.2×104cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が5nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
<比較例4>
実施例2において、酸化チタンを担持させる際の加熱を、1000℃、5時間に変更した以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート5]を得た。[光触媒シート5]は、平均メッシュ径が0.4mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が3:97であり、比表面積が2.0×10cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が2nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
実施例2において、酸化チタンを担持させる際の加熱を、1000℃、5時間に変更した以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート5]を得た。[光触媒シート5]は、平均メッシュ径が0.4mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が3:97であり、比表面積が2.0×10cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が2nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
<比較例5>
実施例2において、酸化チタンを担持させる際の加熱を、100℃、2時間に変更した以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート6]を得た。[光触媒シート6]は、平均メッシュ径が0.5mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が95:5であり、比表面積が4.0×103cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が8nmであった。
しかし、[光触媒シート6]は、水に投入したときに溶液が白く濁ってきた。すなわち、光触媒が固定されておらず、試験液(水溶液)が白濁した。このため、酸化チタンの担持が十分に行われていないことが判明した。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
実施例2において、酸化チタンを担持させる際の加熱を、100℃、2時間に変更した以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート6]を得た。[光触媒シート6]は、平均メッシュ径が0.5mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が95:5であり、比表面積が4.0×103cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が8nmであった。
しかし、[光触媒シート6]は、水に投入したときに溶液が白く濁ってきた。すなわち、光触媒が固定されておらず、試験液(水溶液)が白濁した。このため、酸化チタンの担持が十分に行われていないことが判明した。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
(追加実施例及び追加比較例)
更に以下の実施例4~7及び比較例6~10を行った。実施例4、5、比較例8~10は消色時間の評価及び殺菌効果の評価を行い、実施例6、7、比較例6、7は殺菌効果の評価を行った。評価は上記実施例と同様にして行った。
更に以下の実施例4~7及び比較例6~10を行った。実施例4、5、比較例8~10は消色時間の評価及び殺菌効果の評価を行い、実施例6、7、比較例6、7は殺菌効果の評価を行った。評価は上記実施例と同様にして行った。
<実施例4>
実施例2において、アナターゼ型酸化チタンと有機酸化チタン(トリプロポキシチタン)を重量比30:70で混合した材料を塗布することに変更した以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート7]を得た。[光触媒シート7]は、平均メッシュ径が0.1mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が35:65であり、比表面積が7.4×103cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が13nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例1及び実施例2と同様とした。
実施例2において、アナターゼ型酸化チタンと有機酸化チタン(トリプロポキシチタン)を重量比30:70で混合した材料を塗布することに変更した以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート7]を得た。[光触媒シート7]は、平均メッシュ径が0.1mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が35:65であり、比表面積が7.4×103cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が13nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例1及び実施例2と同様とした。
<実施例5>
実施例2において、メッシュ状のチタンシートを作製する際に、350℃、3時間とした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート8]を得た。[光触媒シート8]は、平均メッシュ径が0.6mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が72:28であり、比表面積が2.0×102cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が8nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例1及び実施例2と同様とした。
実施例2において、メッシュ状のチタンシートを作製する際に、350℃、3時間とした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート8]を得た。[光触媒シート8]は、平均メッシュ径が0.6mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が72:28であり、比表面積が2.0×102cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が8nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例1及び実施例2と同様とした。
<実施例6>
実施例2において、メッシュ状のチタンシートの厚みを2.0mmとした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート9]を得た。[光触媒シート9]は、平均メッシュ径が1.2mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が64:36であり、比表面積が6.0×105cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が10nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
実施例2において、メッシュ状のチタンシートの厚みを2.0mmとした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート9]を得た。[光触媒シート9]は、平均メッシュ径が1.2mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が64:36であり、比表面積が6.0×105cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が10nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
<実施例7>
実施例2において、メッシュ状のチタンシートの厚みを2.5mmとした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート10]を得た。[光触媒シート10]は、平均メッシュ径が0.2mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が66:34であり、比表面積が5.9×104cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が12nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
実施例2において、メッシュ状のチタンシートの厚みを2.5mmとした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート10]を得た。[光触媒シート10]は、平均メッシュ径が0.2mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が66:34であり、比表面積が5.9×104cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が12nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
<比較例6>
実施例2において、メッシュ状のチタンシートを作製する際に、60℃、10時間とした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート11]を得た。[光触媒シート11]は、平均メッシュ径が0.5mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が70:30であり、比表面積が1.0×106cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が0.5nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。しかし、[光触媒シート11]では光触媒が固定されておらず、試験液(水溶液)が白濁した。
実施例2において、メッシュ状のチタンシートを作製する際に、60℃、10時間とした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート11]を得た。[光触媒シート11]は、平均メッシュ径が0.5mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が70:30であり、比表面積が1.0×106cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が0.5nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。しかし、[光触媒シート11]では光触媒が固定されておらず、試験液(水溶液)が白濁した。
<比較例7>
実施例2において、メッシュ状のチタンシートを作製する際に、850℃、4時間とした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート12]を得た。[光触媒シート12]は、平均メッシュ径が0.7mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が3:97であり、比表面積が4.0×103cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が2nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
実施例2において、メッシュ状のチタンシートを作製する際に、850℃、4時間とした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート12]を得た。[光触媒シート12]は、平均メッシュ径が0.7mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が3:97であり、比表面積が4.0×103cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が2nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
<比較例8>
実施例2において、チタンシートにひし形の空隙を形成する際に、空隙が大きくなるように変更した以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート13]を得た。[光触媒シート13]は、平均メッシュ径が4mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が65:35であり、比表面積が6.3×105cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が9nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
実施例2において、チタンシートにひし形の空隙を形成する際に、空隙が大きくなるように変更した以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート13]を得た。[光触媒シート13]は、平均メッシュ径が4mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が65:35であり、比表面積が6.3×105cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が9nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
<比較例9>
実施例2において、チタンシートにひし形の空隙を形成する際に、空隙が小さくなるように変更した以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート14]を得た。[光触媒シート14]は、平均メッシュ径が0.02mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が65:35であり、比表面積が6.3×105cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が9nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
実施例2において、チタンシートにひし形の空隙を形成する際に、空隙が小さくなるように変更した以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート14]を得た。[光触媒シート14]は、平均メッシュ径が0.02mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が65:35であり、比表面積が6.3×105cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が9nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
<比較例10>
実施例2において、メッシュ状のチタンシートを作製する際に、エクスパンドとした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート15]を得た。[光触媒シート15]は、平均メッシュ径が0.03mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が65:35であり、比表面積が6.3×105cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が0.03nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
実施例2において、メッシュ状のチタンシートを作製する際に、エクスパンドとした以外は、実施例2と同様にしてメッシュ状の[光触媒シート15]を得た。[光触媒シート15]は、平均メッシュ径が0.03mmであり、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの重量比が65:35であり、比表面積が6.3×105cm2/gであり、酸化チタン粒子の平均細孔径が0.03nmであった。
装置構成及び浄化操作は、実施例2と同様とした。
以下、各実施例、各比較例における光触媒シートの構成、装置の構成、得られた結果を表1~表3に示す。なお、表1中、「-」とあるのは測定・評価なしを表す。
以上より、本発明によれば、水の浄化速度を速めることができ、更にはより清浄な水に浄化することができる。
1 光触媒シート
2 チタンシート
3 細孔
4 光触媒層
10 光源
12 基板
14 管状部材
16 配線
17 封止部材
18 浄化ユニット
20 エアーポンプ
21 スターラー
22 タンク
23 電源
30 水
2 チタンシート
3 細孔
4 光触媒層
10 光源
12 基板
14 管状部材
16 配線
17 封止部材
18 浄化ユニット
20 エアーポンプ
21 スターラー
22 タンク
23 電源
30 水
Claims (8)
- 光触媒シートと、光源と、水中の溶存酸素量を増加させる酸素量増加手段とを有する水浄化装置であって、
前記光触媒シートは、表面に酸化チタンが担持されたメッシュ状のチタンシートであり、平均メッシュ径が0.05~3mmであり、
前記酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンを含み、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率が重量比で85:15~30:70であるとともに、比表面積が1.0×102~7.0×105cm2/gであり、該酸化チタン粒子によって形成される細孔の平均細孔径が2~15nmであることを特徴とする水浄化装置。 - 撹拌手段を有することを特徴とする請求項1に記載の水浄化装置。
- 前記酸素量増加手段は、エアーポンプであることを特徴とする請求項1又は2に記載の水浄化装置。
- 前記酸素量増加手段は、水中の温度が20℃で測定したときの溶存酸素量を3mg/L以上にすることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の水浄化装置。
- 前記光源は、ピーク波長が360nm以上450nm以下の光を照射可能であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の水浄化装置。
- 前記光触媒シートの厚みが、0.05~2mmであることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の水浄化装置。
- 前記光源からの光を透過する材料からなる管状部材を有し、
前記光源は、前記管状部材の内側に配置され、
前記光触媒シートは、前記管状部材の外側に巻かれていることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の水浄化装置。 - 光触媒シートと、光源と、水中の溶存酸素量を増加させる酸素量増加手段とを用いて水の浄化を行う水浄化方法であって、
前記光触媒シートは、表面に酸化チタンが担持されたメッシュ状のチタンシートであり、平均メッシュ径が0.05~3mmであり、
前記酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンを含み、アナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの比率が重量比で85:15~30:70であるとともに、比表面積が1.0×102~7.0×105cm2/gであり、該酸化チタン粒子によって形成される細孔の平均細孔径が2~15nmであることを特徴とする水浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020134937A JP2022030738A (ja) | 2020-08-07 | 2020-08-07 | 水浄化装置及び水浄化方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020134937A JP2022030738A (ja) | 2020-08-07 | 2020-08-07 | 水浄化装置及び水浄化方法 |
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ID=80324286
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JP2020134937A Pending JP2022030738A (ja) | 2020-08-07 | 2020-08-07 | 水浄化装置及び水浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022030738A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024053325A1 (ja) * | 2022-09-07 | 2024-03-14 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 食品加工装置及び食品加工装置の運転方法 |
-
2020
- 2020-08-07 JP JP2020134937A patent/JP2022030738A/ja active Pending
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