JP2022027019A - 計測方法、露光装置、および物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学系のディストーションを精度よく計測するために有利な技術を提供する。【解決手段】光学系により基板に投影される像のディストーションを計測する計測方法は、第1行ピッチおよび第1列ピッチで第1マークが配列された第1パターンを、第2行ピッチおよび第2列ピッチで前記光学系と前記基板とを相対的にずらしながら前記基板上に繰り返し転写する第1工程と、前記第2行ピッチおよび前記第2列ピッチで第2マークが配列された第2パターンを、前記光学系と前記基板とを相対的にずらしながら前記基板上に繰り返し転写する第2工程と、前記第1マークと前記第2マークとのずれ量に基づいて前記ディストーションを求める第3工程と、を含み、前記第2工程で前記基板上に転写された複数の第2パターンは、行方向に互いに隣り合い且つ列方向に前記第2列ピッチだけ互いにずれるように前記基板上に転写された少なくとも2個の前記第2パターンを含む。【選択図】図3
Description
本発明は、ディストーションを計測する計測方法、露光装置、および物品の製造方法に関する。
露光装置の投影光学系のディストーション(マスクのパターン像を基板に投影(転写)する際に生じる歪み成分)を計測する計測方法が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された計測方法では、まず、光学系の物体面にピッチPx1,Py1で配列された複数の第1マークを含む第1マーク群を、ピッチPx1,Py1より小さいピッチPx2,Px2で基板をずらしながら基板上に繰り返し転写する。次いで、光学系の物体面にピッチPx2,Px2で配列された複数の第2マークを含む第2マーク群を、基板上に転写された各第1マークと各第2マークとが対を構成するように、基板をずらしながら基板上に繰り返し転写する。このように基板上に転写された各第1マークと各第2マークとのずれ量を計測することにより、光学系のディストーションを求めることができる。
露光装置では、基板ステージを位置決めする際に誤差(位置決め誤差)が生じうるが、このような位置決め誤差は、所定の方向における基板ステージの位置に応じて異なる(変化する)ことがある。例えば、基板ステージの位置の計測に干渉計が用いられる場合、干渉計からの光を反射する基板ステージの反射面に歪み等が生じていると、干渉計の計測方向(光の射出方向)と垂直な方向における基板ステージの位置に応じて位置合わせ誤差が異なることとなる。このような場合、第1マークと第2マークとのずれ量に、光学系のディストーションに起因する成分に加えて、当該位置決め誤差に起因する成分が生じうる。特許文献1に記載された計測方法では、光学系のディストーションに起因する成分を、位置決め誤差に起因する成分と切り分けて求めることが困難であった。
そこで、本発明は、光学系のディストーションを精度よく計測するために有利な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての計測方法は、光学系により基板に投影される像のディストーションを計測する計測方法であって、前記光学系の物体面において第1行ピッチおよび第1列ピッチで第1マークが配列された第1パターンを、前記第1行ピッチの1/p(pは2以上の整数)の第2行ピッチおよび前記第1列ピッチの1/q(qは2以上の整数)の第2列ピッチで前記光学系と前記基板とを相対的にずらしながら前記基板上に繰り返し転写する第1工程と、前記物体面において前記第2行ピッチおよび前記第2列ピッチで第2マークが配列された第2パターンを、前記基板上に転写された複数の前記第1マークの各々について少なくとも1つの第2マークが対を成すように、前記光学系と前記基板とを相対的にずらしながら前記基板上に繰り返し転写する第2工程と、各対について得られる前記第1マークと前記第2マークとのずれ量に基づいて前記ディストーションを求める第3工程と、を含み、前記第2工程で前記基板上に転写された複数の前記第2パターンは、行方向に互いに隣り合い且つ列方向に前記第2列ピッチだけ互いにずれるように前記基板上に転写された少なくとも2個の前記第2パターンを含む、ことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、光学系のディストーションを精度よく計測するために有利な技術を提供することができる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態について説明する。本実施形態では、ディストーションの計測対象である投影光学系を有する露光装置について説明する。図1は、本実施形態の露光装置100の構成例を示す概略図である。露光装置100は、投影光学系を介して基板を露光するリソグラフィ装置である。露光装置100は、照明光学系12と、マスクステージ13と、遮光板14と、投影光学系15と、基板ステージ16と、計測部17と、制御部20とを備えうる。
本発明に係る第1実施形態について説明する。本実施形態では、ディストーションの計測対象である投影光学系を有する露光装置について説明する。図1は、本実施形態の露光装置100の構成例を示す概略図である。露光装置100は、投影光学系を介して基板を露光するリソグラフィ装置である。露光装置100は、照明光学系12と、マスクステージ13と、遮光板14と、投影光学系15と、基板ステージ16と、計測部17と、制御部20とを備えうる。
照明光学系12は、光源11からの光でデバイス製造用のマスクMS又はディストーション計測用のマスク18を照明する光学系である。マスクステージ13は、マスクMSやマスク18を保持するステージである。マスクMSは、デバイスを製造するのに必要となる回路パターンに対応するパターンを有し、マスク18は、後述するように、ディストーションを計測するのに必要となるBox-in-Boxパターンを形成するためのマークを有する。本実施形態のマスクステージ13は、図1に示すように、マスクMSとマスク18とを交換可能に保持する。図1では、マスクステージ13にマスク18が保持された状態が示されているが、マスクMSを用いる場合には、マスク18の代わりにマスクMSがマスクステージ13によって保持されうる。
遮光板14(遮光部)は、マスク18における所定の領域(マーク)を1ショットとするように照明光学系12からの光を制限する機能を実現する。遮光板14は、互いに独立して移動可能な複数の遮光板を含む。遮光板14は、本実施形態では、マスクステージ13に設けられているが、照明光学系12の内部に設けられてもよい。
投影光学系15は、照明光学系12によって照明されたマスクMSまたはマスク18のパターンの像(パターン像)を基板19に投影する光学系である。基板ステージ16は、基板19を保持して移動可能なステージである。なお、本実施形態では、マスクMSのパターンが転写されるデバイス製造用の基板とマスク18のマークが転写されるディストーション計測用の基板とを区別することなく、基板19と称するものとする。
計測部17は、例えば、顕微鏡などを含み、基板19に形成された種々のマーク(例えば、アライメントマークや重ね合わせマーク)を検出する。計測部17は、本実施形態では、マスク18のマークを基板上に転写することで基板上に形成される重ね合わせマーク、即ち、後述する第1マークと第2マークとの対で構成される重ね合わせマークを検出し、第1マークと第2マークとのずれ量を計測しうる。
制御部20は、CPU21やメモリ22などを含み、露光装置100の全体を制御する。CPU21は、メモリ22に格納されたディストーション計測処理プログラム22aを実行することで、基板ステージ16や計測部17を制御して、投影光学系15のディストーションを計測する計測処理を行いうる。即ち、CPU21は、計測処理を実行する処理部として機能しうる。また、CPU21は、計測処理によって得られたディストーションが低減(補正)されるように、基板19を露光する露光処理を制御するための露光制御用の補正値22bを演算してメモリ22に格納する。メモリ22には、計測処理や露光処理における各種パラメータを含むジョブ22cも格納されうる。投影光学系15のディストーションの補正は、例えば、投影光学系15に含まれる光学素子(レンズ、ミラー等)の駆動や、基板19の露光時におけるマスクMSと基板19との相対的な走査速度の変更などによって行われうる。
[従来の計測処理]
ここで、従来におけるディストーションの計測処理(計測方法)について説明する。
図7には、ディストーションの計測処理の第1従来例が示されている。第1従来例では、図7(a)に示されるように、一定のピッチでm1行n1列(図中ではm1=n1=3)に第1マーク41aが配列された第1パターン41を投影光学系15の物体面に配置する。例えば、第1パターン41は、マスクステージ13に保持されたマスク18に形成されうる。そして、投影光学系15と基板19(基板ステージ16)とを相対的にステップ移動させながら(ずらしながら)、第1パターン41同士が互いに重なり合わないように、第1パターン41を基板上に繰り返し転写する。これにより、図7(b)に示されるように、複数の第1パターン41が基板上に転写(形成)されうる。図中では、複数の第1パターン41が、基板上にm2行n2列(m2=n2=2)で配置されている。
ここで、従来におけるディストーションの計測処理(計測方法)について説明する。
図7には、ディストーションの計測処理の第1従来例が示されている。第1従来例では、図7(a)に示されるように、一定のピッチでm1行n1列(図中ではm1=n1=3)に第1マーク41aが配列された第1パターン41を投影光学系15の物体面に配置する。例えば、第1パターン41は、マスクステージ13に保持されたマスク18に形成されうる。そして、投影光学系15と基板19(基板ステージ16)とを相対的にステップ移動させながら(ずらしながら)、第1パターン41同士が互いに重なり合わないように、第1パターン41を基板上に繰り返し転写する。これにより、図7(b)に示されるように、複数の第1パターン41が基板上に転写(形成)されうる。図中では、複数の第1パターン41が、基板上にm2行n2列(m2=n2=2)で配置されている。
次いで、図7(c)に示されるように、第1パターン41における第1マーク41aと同じピッチでm2行n2列に第2マーク42aが配列された第2パターン42を投影光学系15の物体面に配置する。例えば、第2パターン42は、マスクステージ13に保持されたマスク18に形成されうる。そして、基板上に転写された各第1マーク41aについて1つの第2マーク42aが対を成すように、投影光学系15と基板19(基板ステージ16)とを相対的にステップ移動させながら、第2パターン42を基板上に繰り返し転写する。これにより、図7(d)に示されるように、N(=m1×n1×m2×n2)個の重ね合わせマーク43(即ち、第1マーク41aと第2マーク42aとの対)を基板上に形成することができる。このN個の重ね合わせマーク43の各々について第1マーク41aと第2マーク42aとのずれ量(目標相対位置からのずれ量)を計測することで、そのずれ量に基づいて投影光学系15のディストーションを求めることができる。
図8には、ディストーションの計測処理の第2従来例が示されている。第2従来例では、図8(a)に示されるように、一定のピッチでm1行n1列(図中ではm1=n1=3)に第1マーク51aが配列された第1パターン51を投影光学系15の物体面に配置する。例えば、第1パターン51は、マスクステージ13に保持されたマスク18に形成されうる。そして、第1マーク51aの配列ピッチより小さいピッチで投影光学系15と基板19(基板ステージ16)とを相対的にステップ移動させながら、第1パターン51を基板上に繰り返し転写する。投影光学系15と基板19とを相対的にずらすピッチは、例えば、第1パターン51における第1マーク51aの配列ピッチの1/a(aは2以上の整数)でありうる。これにより、図8(b)に示すように、複数の第1パターン51が基板上に転写(形成)されうる。図中では、複数の第1パターン51が基板上にm2行n2列(m2=n2=2)で配置されている。
次いで、図8(c)に示されるように、第1パターン51における第1マーク51aの配列ピッチの1/a(aは2以上の整数)のピッチでm2行n2列に第2マーク52aが配列された第2パターン52を投影光学系15の物体面に配置する。例えば、第2パターン52は、マスクステージ13に保持されたマスク18に形成されうる。そして、基板上に転写された各第1マーク51aについて1つの第2マーク52aが対を成すように、投影光学系15と基板19(基板ステージ16)とを相対的にステップ移動させながら、第2パターン52を基板上に繰り返し転写する。これにより、図8(d)に示されるように、N(=m1×n1×m2×n2)個の重ね合わせマーク53(即ち、第1マーク51aと第2マーク52aとの対)を基板上に形成することができる。このN個の重ね合わせマーク53の各々について第1マーク51aと第2マーク52aとのずれ量(目標相対位置からのずれ量)を計測することで、そのずれ量に基づいて投影光学系15のディストーションを求めることができる。このような第2従来例では、第1従来例と比べて、投影光学系15と基板19との相対的な移動範囲、即ち、基板ステージ16の移動範囲を狭めることができる。
露光装置100では、基板ステージ16を位置決めする際に生じる誤差(以下では、「位置決め誤差」と呼ぶことがある)が、所定の方向における基板ステージ16の位置に応じて異なる(変化する)ことがある。例えば、図9に示すように、干渉計IMを用いて、X軸方向における基板ステージ16の位置(一例として、-X方向側の端部の位置)を目標位置TPに制御する例を想定する。この例において、干渉計IMからの光を反射する基板ステージ16の反射面16aに歪みが生じていると、干渉計IMの計測方向(光の射出方向)と垂直な方向(Y軸方向)における基板ステージ16の位置に応じて位置決め誤差AEが異なることとなる。このような場合、第1マーク51aと第2マーク52aとのずれ量に、投影光学系15のディストーションに起因する成分に加えて、位置決め誤差に起因する成分が生じうる。上述した従来の計測処理では、投影光学系15のディストーションに起因する成分を、位置決め誤差に起因する成分と切り分けて求めることが困難であった。
例えば、図10は、上述した第2従来例を用いて複数の第1パターン51と複数の第2パターン52とを基板上に転写した例を示している。投影光学系15に行方向(X軸方向)依存の2次ディストーションが生じている場合(位置決め誤差は生じていないものとする)、基板上に転写される複数の第1パターン51は、図10(a)に示されるようになる。この場合において、複数の第1パターン51と複数の第2パターン52とを基板上に転写した結果(各第1マーク51aと各第2マーク52aとのずれ)は、図10(b)に示されるようになる。一方、行方向(X軸方向)依存の位置決め誤差が生じている場合(投影光学系15のディストーションは生じていないものとする)、基板上に転写される複数の第2パターン52は、図10(c)に示されるようになる。この場合において、複数の第1パターン51と複数の第2パターン52とを基板上に転写した結果(各第1マーク51aと各第2マーク52aとのずれ)は、図10(d)に示されるようになる。
このように、各第1マーク51aと各第2マーク52aとのずれは、図10(b)では投影光学系15のディストーションに起因する成分によるものであるが、図10(d)では基板19(基板ステージ16)の位置決め誤差に起因する成分によるものである。しかしながら、これら2種類の成分は、図10(b)(d)に示すように、各第1マーク51aと各第2マーク52aとのずれに同様の傾向をもたらしうる。そのため、当該2種類の成分の両方が生じた場合、従来の計測処理では当該2種類の成分を切り分けて求めることが困難であった。即ち、従来の計測処理では、投影光学系15のディストーションを精度よく計測することが困難であった。
そこで、本実施形態の計測処理では、投影光学系15のディストーションに起因する成分と基板19の位置決め誤差に起因する成分とを切り分けて求めることができるように、複数の第2パターンを基板上に転写する。以下に、本実施形態の計測処理(計測方法)について説明する。
[本実施形態の計測処理]
図2には、本実施形態における投影光学系15のディストーションの計測処理で用いられるマスク18の構成例が示されている。マスク18には、複数の第1マーク31aを有する第1パターン31と、複数の第2マーク32aを有する第2パターン32とが形成されている。第1パターン31では、行方向(X軸方向)に第1行ピッチPx1および列方向(Y軸方向)に第1列ピッチPy1でm1行n1列に複数の第1マーク31aが配列されている。また、第2パターン32では、行方向に第2行ピッチPx2および列方向に第2列ピッチPy2でm2行n2列に複数の第2マーク32aが配列されている。第2行ピッチPx2は、第1行ピッチPx1より小さい値に設定され、例えば第1行ピッチPx1の1/p(pは2以上整数)に設定されうる。第2列ピッチPy2は、第1列ピッチPy1より小さい値に設定され、例えば第1列ピッチPy1の1/q(qは2以上の整数)である。本実施形態では、m1=n1=3、m2=n2=2、p=q=2とする例について説明する。
図2には、本実施形態における投影光学系15のディストーションの計測処理で用いられるマスク18の構成例が示されている。マスク18には、複数の第1マーク31aを有する第1パターン31と、複数の第2マーク32aを有する第2パターン32とが形成されている。第1パターン31では、行方向(X軸方向)に第1行ピッチPx1および列方向(Y軸方向)に第1列ピッチPy1でm1行n1列に複数の第1マーク31aが配列されている。また、第2パターン32では、行方向に第2行ピッチPx2および列方向に第2列ピッチPy2でm2行n2列に複数の第2マーク32aが配列されている。第2行ピッチPx2は、第1行ピッチPx1より小さい値に設定され、例えば第1行ピッチPx1の1/p(pは2以上整数)に設定されうる。第2列ピッチPy2は、第1列ピッチPy1より小さい値に設定され、例えば第1列ピッチPy1の1/q(qは2以上の整数)である。本実施形態では、m1=n1=3、m2=n2=2、p=q=2とする例について説明する。
ここで、行方向および列方向は、基板の面と平行な面上で互いに交差(例えば直交)する第1方向および第2方向としてそれぞれ定義されうる。以下では、行方向(第1方向)をX軸方向、列方向(第2方向)をY軸方向として説明するが、行方向をY軸方向、列方向をX軸方向としてもよい。また、本実施形態では、第1パターン31および第2パターン32の両方が形成されたマスク18を用いているが、それに限られず、第1パターン31および第2パターン32が別々に形成された複数のマスクが用いられてもよい。例えば、第1パターン31が形成された第1マスクと、第2パターン32が形成された第2マスクとが用いられてもよい。さらに、本実施形態では、第1マーク31aと第2マーク32aとから成る重ね合わせマーク33として、Box-in-Boxマークを例に説明するが、それに限られず、Bar-in-Barマークなど、他の種類のマークが用いられてもよい。
図3には、本実施形態における投影光学系15のディストーションの計測処理のフローチャートが示されている。上述したように第1パターン31および第2パターン32が形成されたマスク18は、図3のフローチャートが開始される前に露光装置100内に搬入され、マスクステージ13によって保持されうる。また、基板19は、その上面(被露光面)にレジスト等の感光材が塗布された状態で、図3のフロチャートが開始される前に露光装置100内に搬入され、基板ステージ16によって保持されうる。
ステップS101では、投影光学系15の物体面に配置されたマスク18の第1パターン31を、投影光学系15と基板19(基板ステージ16)とを相対的にステップ移動させながら(ずらしながら)基板上に繰り返し転写(形成)する。例えば、図4(a)に示すように、m1行n1列(3行3列)の第1マーク31aが1ショットになるように(即ち、1回の露光処理でm1行n1列の第1マーク31aが基板上に転写されるように)遮光板14を駆動する。次いで、第2行ピッチPx2および第2列ピッチPy2で投影光学系15と基板19とを相対的にずらしながら、第1パターン31を基板上に繰り返し転写する(即ち、露光処理を繰り返し行う)。これにより、図4(b)に示すように、複数の第1マーク31aを、潜在パターンとして基板上の感光材に転写することができる。図4(b)では、複数の第1パターン31が基板上にm2行n2列(2行2列)で転写された例を示している。
ステップS102では、マスク18の第2パターン32を、基板上に転写された各第1マーク31aについて少なくとも1つの第2マーク32aが対を成すように、投影光学系15と基板19とを相対的にステップ移動させながら基板上に繰り返し転写する。例えば、図4(c)に示すように、m2行n2列(2行2列)の第2マーク32aが1ショットになるように(即ち、1回の露光処理でm2行n2列の第2マーク32aが基板上に転写されるように)遮光板14を駆動する。即ち、ステップS102では、ステップS101と比べてマスク18の遮光部分が変更されうる。次いで、基板上に転写された各第1マーク31aについて1つの第2マーク32aが重なり合うように、投影光学系15と基板19とを相対的にステップ移動させながら、第2パターン32を基板上に繰り返し転写する(即ち、露光処理を繰り返し行う)。これにより、図4(d)に示すように、複数の第2マーク32を、潜在パターンとして基板上の感光材に転写することができる。
本実施形態のステップS102では、行方向(X軸方向)に互いに隣り合う少なくとも2個の第2パターン32において列方向(Y軸方向)に第2列ピッチPy2だけ互いにずれるように、複数の第2パターン32が基板上に転写されうる。図4(d)に示す例では、列方向に沿って2以上の第2パターン32が配列された3個の列(第1列R1、第2列R2、第3列R3)が形成されている。そして、第2列R2における2以上の第2パターン32は、第1列R1および第3列R3の各々における2以上の第2パターン32に対し、列方向(Y方向)に第2列ピッチPy2だけずらして転写されている。この場合、第2列R2における第2パターン32の転写数は、第1列R1および第3列R3の各々における第2パターン32の転写数より1回多くなりうる。なお、図4(d)に示す例では、第2列R2において第1マーク31aと対を成さない第2マーク32a(第1パターン31から列方向にはみ出した第2マーク32a)が基板19の内側に転写されているが、基板19の内側に転写されなくてもよい。
図4(d)に示すように複数の第2パターン32を配置することにより、投影光学系15のディストーションに起因する成分と基板19の位置決め誤差に起因する成分とを切り分けて求めることが可能となる。例えば、投影光学系15に行方向(X軸方向)依存の2次ディストーションが生じている場合(位置決め誤差は生じていないものとする)、基板上に転写される第1パターン31は、図5(a)に示されるようになる。この場合において、複数の第1パターン31と複数の第2パターン32とを基板上に転写した結果(第1マーク31aと第2マーク32aとのずれ)は、図5(b)に示されるようになる。なお、図5(a)~(b)は、図10(a)~(b)と同様である。
一方、行方向(X軸方向)依存の位置決め誤差が生じている場合(投影光学系15のディストーションは生じていないものとする)、基板上に転写される複数の第2パターン32は、図5(c)に示されるようになる。つまり、本実施形態では、第2列R2における第2パターン32を、第1列R1および第3列R3の各々における第2パターン32に対して列方向(Y軸方向)に第2列ピッチPy2だけずらしている。これにより、第2列R2における第2パターン32の位置決め誤差を、第1列R1および第3列R3の各々における第2パターン32の位置決め誤差と異ならせることができる。この場合、基板上に転写された各第1マーク31aと各第2マーク32aとのずれに、基板19の位置決め誤差特有の成分が付加されうる。そのため、投影光学系15のディストーションに起因する成分を、基板19の位置決め誤差に起因する成分と切り分けて求めることができる。
ここで、本実施形態のステップS101およびS102では、現像処理を行っていない(介在していない)ため、複数の第1マーク31aおよび複数の第2マーク32aが基板上の感光材に潜在パターンとして転写される。そのため、複数の第1マーク31aおよび複数の第2マーク32aは、後述の現像処理(S103)が行われるまで視認できないが、図4(b)、(d)では説明を分かり易くするため実線で表されている。また、本実施形態では、ステップS101の後にステップS102が行われたが、ステップS101およびS102のいずれを先に行うかは任意でありうる。即ち、ステップS102の後にステップS101が行われてもよい。
ステップS103では、ステップS101およびS102で複数の第1マーク31aおよび複数の第2マーク32aが転写された基板19の現像処理を行う。この現像処理により、ステップS101およびS102で基板上の感光材に潜在パターンとして転写された複数の第1マーク31aおよび複数の第2マーク32aを視認することができるようになる。本実施形態の場合、基板上には、第1マーク31aと第2マーク32aとの対である(m1×n1×m2×n2)個の重ね合わせマーク33が形成されることとなる。図6では、基板上に形成された重ね合わせマーク33のみを示しており、対を成さなかった(即ち、重ね合わせマーク33を形成しなかった)第1マーク31aまたは第2マーク32aの図示を省略している。
ステップS104では、ステップS103の現像処理を経て基板上に形成された複数の重ね合わせマーク33の各々について、第1マーク31aと第2マーク32aとのずれ量を計測する。本実施形態では、露光装置100が備える計測部17によって第1マーク31aと第2マーク32aとのずれ量を計測するが、外部の計測装置によって第1マーク31aと第2マーク32aとのずれ量を計測してもよい。
ステップS105では、ステップS104の計測結果(即ち、複数の重ね合わせマーク33の各々について得られた第1マーク31aと第2マーク32aとのずれ量の計測値)に基づいて、投影光学系15のディストーションを求める。一例として、本実施形態では、以下の式(1)~(2)に示す方程式に、ステップS104の計測結果(ずれ量の計測値)を代入し、かかる方程式を解くことにより、投影光学系15のディストーションを求めることができる。これらの演算は、演算部として機能しうる制御部20(CPU21)で実行されうる。
ここで、式(1)~(2)における各符号は、以下の通りである。
・δx(n),δy(n):n番目の重ね合わせマークの計測値(第1マークと第2マークaとのずれ量)
・dx1(i),dy1(i):i番目の第1マークの目標座標からのずれ
・dx2(j),dy2(j):j番目の第2マークの目標座標からのずれ
・ex1(k),ey1(k),t1(k):k番目の第1パターンの配列誤差(X方向シフト、Y方向シフト、XY方向(θZ方向)のローテーション)
・ex2(l),ey2(l),t2(l):l番目の第2パターンの配列誤差(X方向シフト、Y方向シフト、XY方向(θZ方向)のローテーション)
・X1(i),Y1(i):i番目の第1マークのショット内座標(ショット中心(第1パターンの中心)に対するマーク位置座標)
・X2(j),Y2(j):j番目の第2マークのショット内座標(ショット中心(第2パターンの中心)に対するマーク位置座標)
・εx(n)、εy(n)、:計測誤差
なお、εx(n)、εy(n)が十分小さいとして無視できるとすれば、未知な変数は、以下のものである。
・(m1×n1)個のdx1(i)、dy1(i)
・(m1×n1+1)個のex2(l)、ey2(l)、t2(l)
・(m2×n2)個のdx2(j)、dy2(j)、ex1(k)、ey1(k)、t1(k)よって、未知数の数は(5×m1×n1+5×m2×n2+3)である。
・δx(n),δy(n):n番目の重ね合わせマークの計測値(第1マークと第2マークaとのずれ量)
・dx1(i),dy1(i):i番目の第1マークの目標座標からのずれ
・dx2(j),dy2(j):j番目の第2マークの目標座標からのずれ
・ex1(k),ey1(k),t1(k):k番目の第1パターンの配列誤差(X方向シフト、Y方向シフト、XY方向(θZ方向)のローテーション)
・ex2(l),ey2(l),t2(l):l番目の第2パターンの配列誤差(X方向シフト、Y方向シフト、XY方向(θZ方向)のローテーション)
・X1(i),Y1(i):i番目の第1マークのショット内座標(ショット中心(第1パターンの中心)に対するマーク位置座標)
・X2(j),Y2(j):j番目の第2マークのショット内座標(ショット中心(第2パターンの中心)に対するマーク位置座標)
・εx(n)、εy(n)、:計測誤差
なお、εx(n)、εy(n)が十分小さいとして無視できるとすれば、未知な変数は、以下のものである。
・(m1×n1)個のdx1(i)、dy1(i)
・(m1×n1+1)個のex2(l)、ey2(l)、t2(l)
・(m2×n2)個のdx2(j)、dy2(j)、ex1(k)、ey1(k)、t1(k)よって、未知数の数は(5×m1×n1+5×m2×n2+3)である。
一方、複数の重ね合わせマーク33は、(m1×n1)個の第1マークiと、(m2×n2)個の第2マークjと、(m2×n2)個の第1パターンk(露光ショット)と、(m1×n1+1)個の第2パターンl(露光ショット)とを変数として表されうる。つまり、符号i、j、k、lは、重ね合わせマーク33ごとに異なる組み合わせになり、式(1)~(2)で、2×(m1×n1×m2×n2)個の連立方程式になる。この場合、以下に示す式(3)~(14)の条件を付加することにより、式(1)~(2)の連立方程式は不定ではなくなり、εx(n)、εy(n)の2乗和を最小にする解が得られる。ここで、式(11)~(14)におけるCx(l),Cy(l)は、l番目の第2パターンの配列座標(基板19の中心(例えば、複数の第1パターンの転写領域の中心)に対する第2パターンの中心の位置座標)を表す。
上記の連立方程式を解くと、投影光学系15のディストーション評価量dx1、dy1だけでなく、基板19(基板ステージ16)の位置決め誤差ex1、ey1、t1、ex2、ey2、t2や、マスク製造上の誤差dx2、dy2、も同時に求められうる。つまり、投影光学系15のディストーションを、基板19の位置決め誤差、およびマスク製造誤差(第2パターン32の形状変化)と切り分けて(分離させて)求めることができる。
上述したように、本実施形態におけるディストーションの計測処理では、第2パターン32の複数列(複数のショット列)のうち一部の列の第2パターン32を、他の列の第2パターン32に対して列方向(Y軸方向)に第2列ピッチPy2だけずらしている。つまり、第2パターン32の複数列のうちの一部の列において、他の列に対する列方向(Y軸方向)の位相シフトを、投影光学系15のディストーションと基板19の位置決め誤差とを切り分けるための空間的位相調整として加えている。これにより、投影光学系15のディストーションを、基板19の位置決め誤差と切り分けて精度よく計測することができる。
<第2実施形態>
本発明に係る第2実施形態について説明する。第1実施形態では、第2パターン32の複数列のうちの一部の列において、他の列に対する列方向(Y軸方向)の位相シフトを空間的位相調整として加える例を説明した。しかしながら、それに限られず、列方向の位相シフトに加えて又は代わりに、第2パターン32の複数列のうちの一部の列において、他の列に対する行方向(X軸方向)の位相シフトを空間的位相調整として加えてもよい。本実施形態では、当該一部の列に行方向の位相シフトを空間的位相調整として加える例について説明する。なお、本実施形態は、基本的に第1実施形態を引き継ぐものであり、以下で特に言及されない限り、露光装置100の構成および処理等は第1実施形態と同様である。
本発明に係る第2実施形態について説明する。第1実施形態では、第2パターン32の複数列のうちの一部の列において、他の列に対する列方向(Y軸方向)の位相シフトを空間的位相調整として加える例を説明した。しかしながら、それに限られず、列方向の位相シフトに加えて又は代わりに、第2パターン32の複数列のうちの一部の列において、他の列に対する行方向(X軸方向)の位相シフトを空間的位相調整として加えてもよい。本実施形態では、当該一部の列に行方向の位相シフトを空間的位相調整として加える例について説明する。なお、本実施形態は、基本的に第1実施形態を引き継ぐものであり、以下で特に言及されない限り、露光装置100の構成および処理等は第1実施形態と同様である。
図11には、本実施形態における投影光学系15のディストーションの計測処理で用いられるマスク18の構成例が示されている。マスク18には、複数の第1マーク31aを有する第1パターン31と、複数の第2マーク32aを有する第2パターン32とが形成されている。第1パターン31では、行方向(X軸方向)に第1行ピッチPx1および列方向(Y軸方向)に第1列ピッチPy1でm1行n1列に複数の第1マーク31aが配列されている。また、第2パターン32では、行方向に第2行ピッチPx2および列方向に第2列ピッチPy2でm2行n2列に複数の第2マーク32aが配列されている。第2行ピッチPx2は、第1行ピッチPx1より小さい値に設定され、例えば第1行ピッチPx1の1/p(pは2以上整数)に設定されうる。本実施形態では、第1実施形態と比べ、マスク18に形成されている第2マーク32aの数および配列が異なり、m2=2、n2=3である。マスク18に形成されている第1マーク31aの数および配列、第1行ピッチPx1、第1列ピッチPy1、第2行ピッチPx2および第2列ピッチPy2については第1実施形態と同様であり、m1=n1=3、m2=n2=2、p=q=2である。
本実施形態における投影光学系15のディストーションの計測処理は、図3のフローチャート(ステップS101~S105)に従って行われうる。本実施形態におけるステップS101~S102では、以下で特に言及されないことについては第1実施形態と同様である。また、本実施形態におけるステップS103~S105は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
ステップS101では、マスク18の第1パターン31を、投影光学系15と基板19(基板ステージ16)とを相対的にステップ移動させながら基板上に繰り返し転写する。例えば、図12(a)に示すように、m1行n1列(3行3列)の第1マーク31aが1ショットになるように(即ち、1回の露光処理でm1行n1列の第1マーク31aが基板上に転写されるように)遮光板14を駆動する。次いで、第2行ピッチPx2および第2列ピッチPy2で投影光学系15と基板19とを相対的にステップ移動させながら、第1パターン31を基板上に繰り返し転写する(即ち、露光処理を繰り返し行う)。これにより、図12(b)に示すように、複数の第1マーク31aを、潜在パターンとして基板上の感光材に転写することができる。図12(b)では、複数の第1パターン31が基板上にm2行n2列(2行2列)で転写された例を示している。
ステップS102では、マスク18の第2パターン32を、基板上に転写された各第1マーク31aについて少なくとも1つの第2マーク32aが対を成すように、投影光学系15と基板19とを相対的にステップ移動させながら基板上に繰り返し転写する。これにより、複数の第2マーク31aを、潜在パターンとして基板上の感光材に転写することができる。ここで、本実施形態のステップS102では、行方向(X軸方向)に隣り合う少なくとも2個の第2パターン32において第2マーク32aの数が互いに異なるように、複数の第2パターン32が基板上に転写されうる。
例えば、まず、図12(c)に示すように、m2行n2列(2行3列)の第2マーク32aが1ショットになるように(即ち、1回の露光処理でm2行n2列の第2マーク32aが基板上に転写されるように)遮光板14を駆動する。即ち、ステップS102では、ステップS101と比べてマスク18の遮光部分が変更されうる。これにより、m2行n2列(2行3列)に第2マーク32aが配列された第2パターン32’が規定される。そして、基板上に転写された各第1マーク31aについて1つの第2マーク32aが重なり合うように、投影光学系15と基板19とを列方向(Y軸方向)に相対的にステップ移動させながら、第2パターン32’を基板上に繰り返し転写する。これにより、図12(d)に示すように、第2パターン32’の第1列R1が構成(形成)されうる。
次に、図12(e)に示すように、m2行n2-1列(2行2列)の第2マーク32aが1ショットになるように(即ち、1回の露光処理でm2行n2-1列の第2マーク32aが基板上に転写されるように)遮光板14を駆動する。これにより、m2行n2-1列(2行2列)に第2マーク32aが配列された第2パターン32”が規定される。そして、基板上に転写された各第1マーク31aについて1つの第2マーク32aが重なり合うように、投影光学系15と基板19とを相対的にステップ移動させながら、第2パターン32”を基板上に繰り返し転写する。これにより、図12(f)に示すように、第2パターン32”の第2列R2および第3列R3が構成(形成)されうる。なお、図12(f)に示す例では、第3列R3において第1マーク31aと対を成さない第2マーク32a(第1パターン31から行方向にはみ出した第2マーク32a)が基板19の内側に転写されているが、基板19の内側に転写されなくてもよい。
上述したように、本実施形態におけるディストーションの計測処理では、第2パターン32の複数列(複数のショット列)のうち一部の列の第2パターン32を、他の列の第2パターン32に対して第2マーク32aの数を異ならせている。つまり、第2パターン32の複数列のうちの一部の列において、他の列に対する行方向(X軸方向)の位相シフトを空間的位相調整として加えている。これにより、投影光学系15のディストーションを、基板19の位置決め誤差と切り分けて精度よく計測することができる。
ここで、図13に示すように、第1実施形態における第2パターン32の配列と第2実施形態における第2パターン32の配列とを組み合わせてもよい。図13に示す第2パターン32の配列例では、第1実施形態で説明したように、第1列R1の第2パターン32と第2列R2の第2パターン32とを列方向(Y軸方向)に第2列ピッチPy2だけずらしている。また、第2実施形態で説明したように、第1列R1の第2パターン32と第2列R2の第2パターン32とで行方向(X軸方向)の第2マーク32aの数を異ならせている。これにより、行方向(X軸方向)に依存する投影光学系15のディストーションと、列方向(Y軸方向)に依存する投影光学系15のディストーションとを、互いに切り分けて精度よく計測することができる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記の露光装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板を露光する工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された基板を現像(加工)する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記の露光装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板を露光する工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された基板を現像(加工)する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
13:マスクステージ、14:遮光板、15:投影光学系、16:基板ステージ、17:計測部、18:マスク、19:基板、20:制御部、31:第1パターン、31a:第1マーク、32:第2パターン、32a:第2マーク、100:露光装置
Claims (10)
- 光学系により基板に投影される像のディストーションを計測する計測方法であって、
前記光学系の物体面において第1行ピッチおよび第1列ピッチで第1マークが配列された第1パターンを、前記第1行ピッチの1/p(pは2以上の整数)の第2行ピッチおよび前記第1列ピッチの1/q(qは2以上の整数)の第2列ピッチで前記光学系と前記基板とを相対的にずらしながら前記基板上に繰り返し転写する第1工程と、
前記物体面において前記第2行ピッチおよび前記第2列ピッチで第2マークが配列された第2パターンを、前記基板上に転写された複数の前記第1マークの各々について少なくとも1つの第2マークが対を成すように、前記光学系と前記基板とを相対的にずらしながら前記基板上に繰り返し転写する第2工程と、
各対について得られる前記第1マークと前記第2マークとのずれ量に基づいて前記ディストーションを求める第3工程と、
を含み、
前記第2工程で前記基板上に転写された複数の前記第2パターンは、行方向に互いに隣り合い且つ列方向に前記第2列ピッチだけ互いにずれるように前記基板上に転写された少なくとも2個の前記第2パターンを含む、ことを特徴とする計測方法。 - 前記第2工程で前記基板上に転写された複数の前記第2パターンは、前記列方向に沿って2以上の前記第2パターンが配列された第1列と、前記行方向において前記第1列に隣り合い、前記列方向に沿って2以上の前記第2パターンが配列された第2列とを含み、
前記第1列における2以上の前記第2パターンと、前記第2列における2以上の前記第2パターンとは、前記列方向に前記第2列ピッチだけ互いにずれるように前記基板上に転写される、ことを特徴とする請求項1に記載の計測方法。 - 前記少なくとも2個の第2パターンは、それぞれに含まれる前記第2マークの数が互いに異なる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計測方法。
- 光学系により基板に投影される像のディストーションを計測する計測方法であって、
前記光学系の物体面において第1行ピッチおよび第1列ピッチで第1マークが配列された第1パターンを、前記第1行ピッチの1/p(pは2以上の整数)の第2行ピッチおよび前記第1列ピッチの1/q(qは2以上の整数)の第2列ピッチで前記光学系と前記基板とを相対的にずらしながら前記基板上に繰り返し転写する第1工程と、
前記物体面において前記第2行ピッチおよび前記第2列ピッチで第2マークが配列された第2パターンを、前記基板上に転写された複数の前記第1マークの各々について少なくとも1つの第2マークが対を成すように、前記光学系と前記基板とを相対的にずらしながら前記基板上に繰り返し転写する第2工程と、
それぞれ対を成すように前記基板上に転写された各第1マークと各第2マークとのずれ量に基づいて前記ディストーションを求める第3工程と、
を含み、
前記第2工程で前記基板上に転写された複数の前記第2パターンは、列方向に互いに隣り合い且つ前記第2マークの数が互いに異なる少なくとも2個の前記第2パターンを含む、ことを特徴とする計測方法。 - 前記少なくとも2個の第2パターンは、前記列方向に配列された第2マークの数が互いに異なる、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の計測方法。
- 前記第2工程では、前記物体面に配置された複数の前記第2マークのうち遮光するマークを変更することにより、前記少なくとも2個の第2パターンにおける前記第2マークの数を異ならせる、ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の計測方法。
- 前記第2工程では、複数の前記第2マークが形成されたマスクを用いて前記第2パターンを前記基板上に転写する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の計測方法。
- 前記第1工程および前記第2工程では、複数の前記第1マークおよび複数の前記第2マークが形成されたマスクを用い、前記基板上に転写するパターンに応じて前記マスクの遮光部分を変更する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の計測方法。
- 基板を露光する露光装置であって、
マスクのパターン像を基板上に投影する投影光学系と、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の計測方法の各工程を実行することにより、前記投影光学系により前記基板に投影される像のディストーションを求め、前記ディストーションが低減されるように前記基板を露光する処理を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする露光装置。 - 請求項9に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
前記工程で露光された前記基板を現像する工程と、を含み、
現像された前記基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
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