JP2022026771A - 非接触真円度及び直径測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワークの真円度測定と直径の測定を一度に測定することができる非接触真円度及び直径測定方法を提供する。【解決手段】ワークの円周を測定した極座標を直交座標に変換すれば、中心座標を有する円周データが得られる。そして得られた円周データから事前に求めた回転ふれ偏差を除くことにより、ワークの真円度を高精度に測定することができると共に直径も求めることができる。【選択図】 図1
Description
本発明は非接触真円度及び直径測定方法に関する。
従来、鋼球やシャフト等のワークの真円度や直径を測定する方法として接触式測定器を用いた方法が一般的であるが、接触式測定方法は接触式プローブを用いるためワークの表面に傷がついたり、あるいは所定の触針圧を必要とするため接触圧を加えることができない小さなワークの測定を行えない等の課題があった。
そこで、真円度などを測定するためにレーザプローブ式の非接触式測定方法が期待されている。この測定方法はワークに対してレーザプローブによるオートフォーカスをかけながらワークを回転させたり、直動させてワークの側面をスキャンし、オートフォーカス光学系の対物レンズの移動量からワークの外周形状を測定する方法である(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなレーザプローブ式の非接触測定方法にあっても、ワークの真円度と直径はそれぞれ別個の測定方法で行う必要があり、その両方を一度に測定することはできなった。
本発明は、このような関連技術に着目してなされたものであり、ワークの真円度測定と直径測定の両方を一度に測定することができる非接触真円度及び直径測定方法を提供することを目的としている。
本発明の第1の技術的側面によれば、三次元座標軸XYZとして、鉛直なZ軸を中心にθ方向に回転自在な回転ステージ上にホルダを介して球面状或いは円筒面状の側面をもつワークを載置し、該ワークの側面に対して、オートフォーカス光学系からレーザをXZ面内の光路に沿って照射するオートフォーカスをかけながら、ワークをレーザに対して、またはレーザをワークに対して、Z方向及びθ方向にそれぞれ移動させることにより、ワークの側面を各方向に沿ってスキャン自在で、オートフォーカス光学系においてワークの側面からのレーザの戻り光が合焦時にAFセンサの中心で受光されるように対物レンズの位置が制御され、対物レンズのX方向での移動量からワークの円周データを取得して、ワークの真円度と直径を求める非接触真円度及び直径測定方法であって、前記回転ステージのθ方向での回転中心を通るX方向での軸上にオートフォーカス機構を配置し、レーザを基準球の側面に照射しながら回転ステージを360°回転させて基準球の最大外径部における円周データを取得し、得られた円周データから基準球の既知の真円度データを差分して回転ステージの回転ふれ偏差を事前に求める工程と、ホルダにワークをセットして、ワークの側面に照射しながら回転ステージを360°回転させてワークの最大外径部における円周データを極座標として取得する工程と、該工程で得られた極座標の円周データを測定点の回転角度に応じて直交座標に変換する工程と、該工程により変換されたワークの円周データを事前に求めた回転ふれ偏差で補正してワークの真円度を求める工程と、該工程により真円度を求めた円周データとその中心座標からワークの直径を求める工程と、を有することを特徴とする。
本発明の第2の技術的側面によれば、基準球の最大外径部における円周データから基準球の直径(D1)を求め、ワークの最大外径部における円周データからワークの直径(D2)を求め、基準球の直径(D1)と基準球の既知の直径データ(D0)との差を補正値(D1-D0)とし、ワークの直径(D2)に補正値(D1-D0)を足して、測定時の環境温度における補正直径(Df)を求めることを特徴とする。
本発明の第3の技術的側面によれば、ホルダの一部に基準球が一体的に組み付けられていることを特徴とする。
本発明の第2の技術的側面によれば、基準球の最大外径部における円周データから基準球の直径(D1)を求め、ワークの最大外径部における円周データからワークの直径(D2)を求め、基準球の直径(D1)と基準球の既知の直径データ(D0)との差を補正値(D1-D0)とし、ワークの直径(D2)に補正値(D1-D0)を足して、測定時の環境温度における補正直径(Df)を求めることを特徴とする。
本発明の第3の技術的側面によれば、ホルダの一部に基準球が一体的に組み付けられていることを特徴とする。
本発明の第1の技術的側面によれば、ワークの円周を測定した極座標を直交座標に変換することにより、中心座標を有する円周データが得られる。従って、得られた円周データから事前に求めた回転ふれ偏差を除くことにより、ワークの真円度を高精度に測定することができると共に直径も求めることができる。
本発明の第2の技術的側面によれば、基準球を測定してその温度環境下における直径の補正値を求め、その補正値を利用して温度変化による直径の誤差を補正するため、温度変化による直径測定への影響を排除することができる。
本発明の第3の技術的側面によれば、ホルダに基準球が一体的に組み込まれているため、ホルダにワークと基準球を一緒にセットすることができ、ホルダに対してワークと基準球を置き換える必要がなく、直径補正のための基準球とワークの測定を短時間で行うことができる。
図1~図5は、本発明の好適な実施形態を示す図である。
図1は、この実施形態に係るレーザプローブ式の非接触真円度及び直径測定装置を示す図である。図1において、XYは水平面上で直交する二方向で、Xはオートフォーカス(AF)方向で、Zは鉛直方向である。θはZ軸を中心とした水平方向での回転方向である。
測定対象であるワーク1は直径約5mmの鋼球である。ワーク1はホルダ2の頂部に載置された状態で、θ方向へ回転自在な回転ステージ3上にセットされている。ホルダ2の途中には真円度データと直径データが既知の真球である基準球4が一体的に組み込まれている。回転ステージ3は定盤6の上に載っている。
測定対象であるワーク1は直径約5mmの鋼球である。ワーク1はホルダ2の頂部に載置された状態で、θ方向へ回転自在な回転ステージ3上にセットされている。ホルダ2の途中には真円度データと直径データが既知の真球である基準球4が一体的に組み込まれている。回転ステージ3は定盤6の上に載っている。
このワーク1に対して、オートフォーカス光学系7として、X方向に沿う光軸上に、対物レンズ8、ビームスプリッタ9、結像レンズ10、AFセンサ11が備えられている。オートフォーカス光学系7は全体がX方向へスライド自在なX軸ステージ12の上に載っており、X軸ステージ12はオートフォーカス光学系7を載置した状態で上下動自在なZ軸ステージ13に載せられている。
半導体レーザ照射装置14からのレーザLをビームスプリッタ9により反射し、対物レンズ8を介して、ワーク1に照射する。このワーク1に照射されるレーザLがいわゆる「レーザプローブ」である。
レーザLはX軸及びZ軸を含む垂直面内の光路に沿って対物レンズ8において光軸からずれた位置を通るため、対物レンズ8からワーク1の側面に対して斜め上方から照射され斜め下方へ反射される。対物レンズ8の焦点位置との関係でワーク1の側面に照射されるレーザLの照射点のZ方向の位置が変動する。
ワーク1の側面で反射されたレーザLの戻り光は、再度対物レンズ8からビームスプリッタ9を通過した後、結像レンズ10を経て、AFセンサ11に至る。
AFセンサ11は対物レンズ8の光軸を中心に上下に二分割されたセンサ部a、bから構成されている。2つのセンサ部a、bからの出力は比較器15を介してAFコントローラ16に入力される。AFコントローラ16からは2つのセンサ部a、bからの信号がメインコントローラ17に出力される。
またAFコントローラ16は、X軸ステージ12により、AFセンサ11の2つのセンサ部a、bからの出力が等しくなるように、対物レンズ8(オートフォーカス光学系7全体)をフォーカス方向(X方向)へ移動させる。その時のX方向での移動量からワーク1の側面のフォーカス方向での位置情報を検出する。
この実施形態ではオートフォーカス光学系7全体をX軸ステージ12によりX方向に移動させる例を示したが、オートフォーカス光学系7をZ軸ステージ13に直接載せて、対物レンズ8だけをオートフォーカス光学系7内に設けた別のX軸ステージによりX方向(フォーカス方向)へ移動させるようにしても良い。
オートフォーカス光学系7はZ軸ステージ13により上下動自在となっているため、全体を下げてホルダ2の途中に組み込まれた基準球4に高さを合わせてレーザLを当てることができる。そしてワーク1及び基準球4にそれぞれ高さを合わせた状態で、レーザLによりそれらの側面をZ方向へスキャンし、Z方向でのR輪郭測定を行うことができる。
回転ステージ3とZ軸ステージ7はステージコントローラ18により制御される。ステージコントローラ18は各ステージそれぞれの方向へ移動させる信号を出力する共にワーク1及び基準球4のθ方向、X方向、Z方向での位置をメインコントローラ17に出力する。
次にこの装置によりワーク1の真円度と直径を同時に測定する手順を説明する。
(回転ふれ偏差を求める)
まず回転ステージ3の機構上発生する回転ふれ偏差を基準球4の測定から求める。
まず回転ステージ3の機構上発生する回転ふれ偏差を基準球4の測定から求める。
図3に示すようにオートフォーカス光学系7を回転ステージ3の回転中心Paを通るX方向での軸上に配置して、回転ステージ3を0°から360°まで回転させながら基準球4の最大外径部における円周測定を行う。そして得られた円周データから基準球4の既知の真円度データを差分することにより、回転角度に対する回転ステージ3の回転ふれ偏差が求められる。
以上が基準球4を用いた事前測定である。次にワーク1の真円度と直径の測定について説明する。
以上が基準球4を用いた事前測定である。次にワーク1の真円度と直径の測定について説明する。
(真円度と直径の測定)
ワーク1である鋼球を基準球4が一体的に組み込まれたホルダ2の頂部に載せる。そしてオートフォーカス光学系7の位置をZ軸ステージ13で上げて、レーザLをワーク1の側面に当てる。
ワーク1である鋼球を基準球4が一体的に組み込まれたホルダ2の頂部に載せる。そしてオートフォーカス光学系7の位置をZ軸ステージ13で上げて、レーザLをワーク1の側面に当てる。
次にワーク1の最大径付近をZ方向スキャンして、ワーク1の側面のR輪郭測定を実施し、そのプロファイルからワーク1の正しい最大外径部を演算して求め、その最大外径部の高さにオートフォーカス光学系7を上下動させて合わせる。
次にオートフォーカス光学系7を回転ステージ3の回転中心Paを通るX方向での軸上に配置する。この測定点を0°とする。
その測定点からワーク1の最大外径部における側面にオートフォーカスをかけながら、回転ステージ3を一回転させて回転中心Paから測定点までの距離を回転角度毎に測定して、点群データPn{Pi}を取得する。得られた点群データPnは回転中心座標XY=(0,0)に対して測定時の回転角度、測定位置情報を持った極座標である。各データはPi(θi,Xi,Yi)と表現される。測定は回転中心Paに対してワーク1の中心が偏心した状態で測定されている(図4のΔE)ため、Y=0での各点はPi(θi,Xi,0)となる。
そして得られた極座標である点群データPnを、回転中心Paを中心とした直交座標に変換することにより、図5に示されるように、回転中心Paに対して偏心した位置(ΔE)を中心にワーク1と同一の円周データSが得られる。
このワーク1と同一の円周データSは中心座標をもつ持つデータであるために、このデータから事前に求めた機械的な回転ふれ偏差を除くことにより、ワーク1の真円度を高精度に求めることができると共に直径値も同時に求めることができる。
(直径の補正)
以上の測定工程において、環境の温度変化や装置自体の温度変化により回転中心Paの座標がずれていく温度ドリフトという現象が発生する場合がある。温度ドリフトが発生すると、測定したワーク1の直径値が変化してため、その誤差をなくすため、温度ドリフトが許容される時間毎に測定した直径値の補正を行う必要がある。
以上の測定工程において、環境の温度変化や装置自体の温度変化により回転中心Paの座標がずれていく温度ドリフトという現象が発生する場合がある。温度ドリフトが発生すると、測定したワーク1の直径値が変化してため、その誤差をなくすため、温度ドリフトが許容される時間毎に測定した直径値の補正を行う必要がある。
まずZ軸ステージ13によりオートフォーカス光学系7の位置を基準球4の最大外径部に合わせる。そして基準球4を360°回転させ、基準球4の最大外径部における円周データを得る。そして得られた円周データから基準球4の直径(D1)を求める。すなわち先に求めた回転ステージ3の中心位置Paから測定点までの距離が半径値rとなり(図3参照)、その半径から基準球4の直径(D1)を求めることができる。
この基準球4の直径(D1)は環境温度により変化するため、求めた直径(D1)と、基準球4の既知の絶対値である直径データ(D0)との差を、ワーク1の直径を補正するための補正値(D1-D0)として求めておく。
この基準球4の直径(D1)は環境温度により変化するため、求めた直径(D1)と、基準球4の既知の絶対値である直径データ(D0)との差を、ワーク1の直径を補正するための補正値(D1-D0)として求めておく。
次にオートフォーカス光学系7の位置を測定ワーク1の最大外径部に合わせ、ワーク1を360°回転させて、ワーク1の円周データを得る。そして得られた円周データから、前記基準球4の場合と同様にワーク1の直径(D2)を求める。そしてこの求めたワーク1の直径(D2)に、先に求めた補正値(D1-D0)を足すことによりその温度環境下での補正直径(Df)が、Df=D2+(D1-D0)と求められる。
更にこの実施形態では、基準球4が一体的に組み込まれたホルダ2を用いたため、基準球4とワーク1の側面を測定する際に、基準球4が一体化されていない従来のホルダのように、ワーク1と基準球4をホルダの頂部に置き換える必要がない。置き換え作業があると、置き換えのために人が装置に近づいて作業者の体温がワーク1や環境に悪影響を与えるおそれがあった。またワーク1と基準球4の交換に手間がかかるなどの課題があった。
しかしこの実施形態ではワーク1を載せたホルダ2に基準球4が最初から一体的に組み込まれているため、Z軸ステージ13によりオートフォーカス光学系7の位置を上下させるだけで、基準球4とワーク1の測定の切り換えをすぐに行うことができる。従って、温度ドリフトによる直径の補正を高精度且つ短時間で行うことが可能となる。
以上説明したように、この実施形態によれば従来個別の測定方法で行われていた真円度と直径の測定を一度に測定することができる。また非接触式であるため、接触式では困難な小径なワーク(1mm以下)も測定することができる。
尚、実施形態では、ワーク1として球体を例にしたが、円筒側面を持つワークの真円度と直径も測定することができる。
更に基準球4を一体化したホルダ2を例にしたが、基準球4とワーク1の交換作業による温度の影響が少ない場合は基準球4を一体化しない通常のホルダを使用しても良い。
更に基準球4を一体化したホルダ2を例にしたが、基準球4とワーク1の交換作業による温度の影響が少ない場合は基準球4を一体化しない通常のホルダを使用しても良い。
1 ワーク
2 ホルダ
3 回転ステージ
4 基準球
7 オートフォーカス光学系
8 対物レンズ
L レーザ
Pa 回転中心
S 円周データ
2 ホルダ
3 回転ステージ
4 基準球
7 オートフォーカス光学系
8 対物レンズ
L レーザ
Pa 回転中心
S 円周データ
Claims (3)
- 三次元座標軸XYZとして、鉛直なZ軸を中心にθ方向に回転自在な回転ステージ上にホルダを介して球面状或いは円筒面状の側面をもつワークを載置し、該ワークの側面に対して、オートフォーカス光学系からレーザをXZ面内の光路に沿って照射するオートフォーカスをかけながら、ワークをレーザに対して、またはレーザをワークに対して、Z方向及びθ方向にそれぞれ移動させることにより、ワークの側面を各方向に沿ってスキャン自在で、
オートフォーカス光学系においてワークの側面からのレーザの戻り光が合焦時にAFセンサの中心で受光されるように対物レンズの位置が制御され、対物レンズのX方向での移動量からワークの円周データを取得して、ワークの真円度と直径を求める非接触真円度及び直径測定方法であって、
前記回転ステージのθ方向での回転中心を通るX方向での軸上にオートフォーカス機構を配置し、レーザを基準球の側面に照射しながら回転ステージを360°回転させて基準球の最大外径部における円周データを取得し、得られた円周データから基準球の既知の真円度データを差分して回転ステージの回転ふれ偏差を事前に求める工程と、
ホルダにワークをセットして、ワークの側面に照射しながら回転ステージを360°回転させてワークの最大外径部における円周データを極座標として取得する工程と、
該工程で得られた極座標の円周データを測定点の回転角度に応じて直交座標に変換する工程と、
該工程により変換されたワークの円周データを事前に求めた回転ふれ偏差で補正してワークの真円度を求める工程と、
該工程により真円度を求めた円周データとその中心座標からワークの直径を求める工程と、
を有することを特徴とする非接触真円度及び直径測定方法。 - 基準球の最大外径部における円周データから基準球の直径(D1)を求め、ワークの最大外径部における円周データからワークの直径(D2)を求め、
基準球の直径(D1)と基準球の既知の直径データ(D0)との差を補正値(D1-D0)とし、
ワークの直径(D2)に補正値(D1-D0)を足して、測定時の環境温度における補正直径(Df)を求めることを特徴とする請求項1記載の非接触真円度及び直径測定方法。 - ホルダの一部に基準球が一体的に組み付けられていることを特徴とする請求項2記載の非接触真円度及び直径測定方法。
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JP2020130392A JP2022026771A (ja) | 2020-07-31 | 2020-07-31 | 非接触真円度及び直径測定方法 |
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