以下、図面を参照しながら、X線コンピュータ断層撮影装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る立位CT(Computed Tomography)装置(X線コンピュータ断層撮影装置)1の構成の一例を示すブロック図である。立位CT装置1は、立位状態または座位状態の被検体を撮影可能なX線CT装置である。
立位状態とは、被検体が、立位CT装置1の設置された床面に起立した状態である。また、座位状態とは、被検体が車椅子または椅子(以下、車椅子等という)に座った状態である。なお、立位CT装置1は、少なくとも、立位状態の被検体を撮像可能であれば良い。
図1は、本実施形態に係る立位CT装置1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の立位CT装置1は、架台装置10と、コンソール装置100とを有する。例えば、架台装置10はCT撮影室に設置され、コンソール装置100はCT検査室に隣接する制御室に設置される。
架台装置10とコンソール装置100とは互いに通信可能に有線または無線で接続されている。架台装置10は、座位または立位姿勢の被検体をX線CT撮影するための構成を有するスキャン装置である。コンソール装置100は、架台装置10を制御するコンピュータである。なお、本実施形態では、床面に対し垂直である軸方向すなわち鉛直方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、かつ互いに直交する2方向を、X軸方向およびY軸方向としてそれぞれ定義するものとする。
図1に示すように、架台装置10は、ガントリ11、支柱13a,13b、回転駆動装置23、架台制御装置25、支柱駆動装置27、および操作パネル29を備える。
ガントリ11は、回転フレーム14、回転フレーム14に備えられる撮像系、支持フレーム16、ガントリカバー12、センサ41および操作ボタン121を備える。ガントリ11は、本実施形態における架台の一例である。また、回転駆動装置23、および架台制御装置25も、ガントリ11に含まれるものとしても良い。
ガントリ11は、鉛直方向に沿った略円柱形状のボア15を有する。具体的には、ボア15は、ガントリカバー12、回転フレーム14、および支持フレーム16に共通して、中空部として設けられる。なお、本実施形態で円柱という場合には、断面が楕円である形状も含むものとする。また、本実施形態で円形という場合には、楕円形も含むものとする。ボア15は、本実施形態における中空部および内空の一例である。
また、ガントリ11には、ガントリ11の上端部または下端部のいずれか一方から鉛直方向に沿ってガントリ11の側面に延在する、少なくとも1つの開口部30が設けられる。本実施形態においては、開口部30は、ガントリ11の下端から鉛直方向に沿ってガントリ11の側面に延在する。開口部30は、ガントリ11の下端から開始する場合、ガントリ11の上端までは達さない。
開口部30は、ガントリ11の側方からボア15に向かってガントリ11を貫通する。より具体的には、開口部30は、ガントリカバー12および回転フレーム14の側方から、水平方向に沿って、ボア15に向かってガントリカバー12および回転フレーム14を貫通する。開口部30は、例えば、被検体Pがガントリ11の側方からボア15に向かって進退することができるように、ガントリ11の側面に切り欠き状の形状で設けられる。開口部30は、本実施形態における切り欠きの一例である。
開口部30は、立位CT装置1の撮像対象である被検体がガントリ11の側方からボア15に対して入退出可能な出入口である。開口部30の大きさは、一般的な体格の被検体が、立ったままで通過可能な大きさとする。また、立位CT装置1が座位状態の被検体を撮影可能な場合、開口部30は、車椅子に乗った被検体が通過可能な大きさであるものとする。
センサ41は、ガントリ11の開口部30から規定の範囲内に位置する物体を検知する。規定の範囲は、開口部30のボア15側、および開口部30の外側の両方を含む。本実施形態において、物体は、人体およびその他の物体を含む。例えば、センサ41は、被検体または技師等が開口部30から規定の範囲内に位置する場合、および、車椅子や、備品等が開口部30から規定の範囲内に位置する場合に、これらを検知する。センサ41は、検知結果を架台制御装置25に送出する。なお、規定の範囲も広さは特に限定されるものではない。センサ41は、例えば、レーザセンサでも良いし、超音波あるいは光学式の測距センサでも良い。
また、センサ41の設置位置、および数は、図1に示す例に限定されるものではない。例えば、センサ41は、ガントリカバー12に設けられても良いし、回転フレーム14に設けられても良いし、ガントリカバー12と回転フレーム14の両方に設けられても良い。センサ41は、本実施形態における検知部の一例である。
また、操作ボタン121は、ボア15内に設けられ、被検体が操作可能な操作部である。例えば、操作ボタン121は、被検体が撮影を中止したい場合、またはボア15から退出したい場合に操作するボタンである。操作ボタン121は、ペイシェントコールボタンであっても良い。操作ボタン121は、被検体によって操作された場合に、操作を受けたことを表す信号を、架台制御装置25に送出する。また、操作ボタン121の設置位置、および数は、図1に示す例に限定されるものではない。
支柱13a,13bは、支持フレーム16を鉛直方向に沿って移動可能に支持する。以下、個々の支柱13a,13bを特に区別しない場合は、単に支柱13という。
典型的には、支柱13はガントリ11の両側部に設けられる。支柱13は、座位または立位姿勢の被検体をX線CT撮影するため、ボア15の中心軸(図1に図示)が床面に対して略垂直を向いた状態のガントリ11を、床面に対して垂直方向にスライド可能に支持する。例えば、支柱13には鉛直方向に沿ったレールが設けられ、該レール上を支持フレーム16が鉛直方向に移動可能であるものとする。
なお、架台装置10は、少なくとも1つの支柱13を有していればよく、支柱13の数は2本に限定されるものではない。例えば、1本の支柱13がガントリ11の両側部のうちの片側のみに接続されてもよい。また、支柱13は、一般に円柱形状や角柱形状等の柱状形状を有するが、ガントリ11の少なくとも一方の側部を支持可能であれば、如何なる形状を有していてもよい。例えば、支柱13は、ガントリ11の少なくとも一方の側部を支持可能であれば、U字形状等の如何なる形状を有していてもよい。
なお、支柱13は、回転軸A1が床面に対して垂直に向くようにガントリ11を固定している必要はない。すなわち、支柱13は、床面に対して平行する水平軸(以下、チルト軸と呼称する。)回りに回転可能にガントリ11を支持するように構成されてもよい。この場合、支柱13とガントリ11とは、ガントリ11がチルト軸回りに回転可能に軸受等を介して接続されるとよい。回転軸A1は、ボア15の鉛直方向の中心軸である。
支持フレーム16は、回転フレーム14を連続回転可能に支持する。また、図1に示すように、支持フレーム16は、中央に円形の貫通孔であるボア15を有する。支持フレーム16は、支持部ともいう。
また、回転フレーム14と支持フレーム16との接続部は、周方向に閉じた略円環形状である。例えば、支持フレーム16と回転フレーム14と接続部には、ボア15の円周に沿って円環状の軸受が設けられる。回転フレーム14は、該軸受により、360度を超えて同一方向に連続回転可能な状態で、支持フレーム16と接続する。なお、支持フレーム16は、例えば、アルミ等の金属により形成される。また、支持フレーム16は、支柱13a,13bによって支持される。
回転フレーム14は、X線管17、X線検出器19、高電圧発生器31、およびデータ収集回路33を支持する。回転フレーム14は、例えば、アルミ等の金属により形成された鋳物である。回転フレーム14は、中央に円形の貫通孔であるボア15を有する。回転フレーム14は、回転部ともいう。
具体的には、回転フレーム14は、X線管17とX線検出器19とを対向支持し、後述する架台制御装置25によってX線管17とX線検出器19とを回転させる円環状のフレームである。また、回転フレーム14は、回転駆動装置23からの動力を受けて、ボア15の回転軸A1回りに一定の角速度で回転する。
回転駆動装置23は、架台制御装置25からの制御に従って回転フレーム14を回転させるための動力を発生させる。一例として、回転駆動装置23は、架台制御装置25からの駆動信号のデューティ比等に応じた回転速度で駆動することにより動力を発生する。回転駆動装置23は、例えば、ダイレクトドライブモータやサーボモータ等のモータにより実現されてもよい。回転駆動装置23は、例えば、ガントリカバー12に収容されている。
架台制御装置25は、コンソール装置100の制御の下、回転駆動装置23に駆動信号を出力する。
X線管17は、高電圧発生器31からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。熱電子がターゲットに衝突することによりX線が発生される。X線管17における管球焦点で発生したX線は、例えばコリメータを介してコーンビーム形に成形され、被検体に照射される。例えば、X線管17には回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。なお、本実施形態においては、一管球型の立位CT装置にも、X線管17とX線検出器19との複数のペアを回転フレーム14に搭載した、いわゆる多管球型の立位CT装置にも適用可能である。
X線検出器19は、X線管17から照射され、被検体を通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号をデータ収集回路33へと出力する。X線検出器19は、例えば、X線管17の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数の検出素子が配列された複数の検出素子列を有する。X線検出器19は、例えば、当該検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。なお、立位CT装置1には、X線管17とX線検出器19とが一体として被検体の周囲を回転するRotate/Rotate-Type(第3世代CT)、およびリング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管17のみが被検体の周囲を回転するStationary/Rotate-Type(第4世代CT)があり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。以下、説明を具体的にするために、本実施形態の立位CT装置1は、第3世代CTを例にとり説明する。
また、X線検出器19は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有し、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。なお、X線検出器19は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。また、X線検出器19は、光子計数型X線検出器であってもよい。X線検出器19は、X線検出部の一例である。
X線管17と、X線検出器19は、本実施形態における被検体の撮像に関する撮像系に含まれる。なお、撮像系は、さらに、高電圧発生器31、データ収集回路33、コリメータ(図示せず)、およびウェッジ(図示せず)等を含んでも良い。
ガントリカバー12は、回転フレーム14および支持フレーム16を覆う。図1に示すように、ガントリカバー12は、回転フレーム14と同様に中央に円形の貫通孔と該貫通孔を囲む内壁を有する。なお、図1に示すガントリカバー12の形状は一例であり、これに限定されるものではない。ガントリカバー12は、本実施形態におけるカバーの一例である。
ガントリカバー12の内壁に囲まれた略円柱状の空間を、ボア15という。立位CT装置1による撮像処理が実行される際、被検体は、ボア15内に、立位または座位の状態で位置する。
支柱駆動装置27は、架台制御装置25からの制御に従って、ガントリ11を鉛直方向にスライドするための動力を発生させる。一例として、支柱駆動装置27は、架台制御装置25からの駆動信号のデューティ比等に応じた回転速度で駆動することにより動力を発生させる。支柱13は、支柱駆動装置27からの動力を受けて、ガントリ11を鉛直方向に関してスライドさせる。支柱駆動装置27は、例えば、サーボモータ等のモータにより実現されても良い。支柱駆動装置27は、支柱13内に収容されているものとする。
操作パネル29は、スイッチボタン、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等により実現される。操作パネル29は、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し、架台制御装置25へ出力する。操作パネル29は、例えば、座位状態の被検体を撮影する座位撮影モード、または立位状態の被検体を撮影する立位撮影モードを選択する選択操作を受け付ける。
高電圧発生器31は、例えば、回転フレーム14に固定されている。高電圧発生器31は、架台制御装置25による制御の下、ガントリ11の電源装置(図示せず)から環状電極を介して供給された電力からX線管17に印加する高電圧を発生させる。高電圧発生器31とX線管17とは高圧ケーブル(図示せず)を介して接続されており、高電圧発生器31により発生された高電圧は、高圧ケーブルを介してX線管17に印加される。
X線管17は、高電圧発生器31からの高電圧の印加を受けてX線を発生する。X線管17から発生したX線は、X線量を調節するためのフィルタであるウェッジ(図示せず)を透過する。また、ウェッジを透過したX線の照射範囲は、コリメータ(図示せず)によって絞られる。
データ収集回路33は、ガントリ11内においてX線検出器19に接続されており、被検体により減弱されたX線の強度を示すデジタルのデータをビュー毎に収集する。データ収集回路33は、例えば、複数のX線検出素子の各々に対して設けられた積分回路とA/D(Analog/Digital)変換器とが並列して実装された半導体集積回路により実現される。積分回路は、X線検出素子からの電気信号を所定のビュー期間に亘り積分し、積分信号を生成する。
データ収集回路33に含まれるA/D変換器は、生成された積分信号をA/D変換し、当該積分信号の波高値に対応するデータ値を有するデジタルデータを生成する。変換後のデジタルデータは、生データと呼ばれている。生データは、生成元のX線検出素子のチャンネル番号、列番号、および収集されたビューを示すビュー番号により識別されたX線強度のデジタル値のセットである。生データは、例えば、ガントリ11に収容された非接触データ伝送装置(図示せず)を介してコンソール装置100に供給される。データ収集回路33は、データ収集システム(Data Acquisition System:DAS)ともいう。
架台制御装置25は、ガントリ11の動作を制御する。より詳細には、架台制御装置25は、コンソール装置100からの指令に従い、高電圧発生器31、回転駆動装置23、支柱駆動装置27およびデータ収集回路33を制御する。架台制御装置25は、本実施形態における制御部の一例である。なお、コンソール装置100を制御部の一例としても良いし、架台制御装置25とコンソール装置100とを総称して制御部の一例としても良い。
架台制御装置25は、ハードウェア資源として、処理装置(プロセッサ)とROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置(メモリ)とを有する。処理装置は、記憶装置に保存されたプログラムを読み出して実現することで上記機能を実現する。なお、記憶装置にプログラムを保存する代わりに、処理装置の回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、処理装置は、当該回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで上記機能を実現する。
架台制御装置25は、センサ41がガントリ11の開口部30から規定の範囲内に位置する物体を検知した場合、または、被検体によって操作ボタン121が操作された場合に、ガントリ11の動作を停止させる。換言すれば、架台制御装置25は、センサ41および操作ボタン121とインタロックを構成する。インタロックは、規定の条件が整わないと動作を開始しない機能、または、規定の条件が満たされなくなった場合に動作を停止する機能である。本実施形態においては、インタロックにおける規定の条件は、センサ41が物体を検知していないこと、かつ、操作ボタン121が押下されていないことである。なお、規定の条件はこれに限定されるものではない。
例えば、架台制御装置25は、センサ41が物体を検知した場合、回転フレーム14を回転させない。具体的には、架台制御装置25は、回転フレーム14が停止している場合において、センサ41が物体を検知した場合、回転フレーム14の回転を開始しない。また、架台制御装置25は、回転フレーム14が回転している場合において、センサ41が物体を検知した場合、回転フレーム14の回転を停止させる。
また、架台制御装置25は、センサ41が物体を検知した場合、ガントリ11を上下動させない。具体的には、架台制御装置25は、ガントリ11が停止している場合において、センサ41が物体を検知した場合、ガントリ11の上下動を開始しない。また、架台制御装置25は、ガントリ11が上下動している場合において、センサ41が物体を検知した場合、ガントリ11の上下動を停止させる。
また、架台制御装置25は、回転フレーム14が回転している場合において、被検体によって操作ボタン121が操作された場合、回転フレーム14の回転を停止させる。また、架台制御装置25は、ガントリ11が上下動している場合において、被検体によって操作ボタン121が操作された場合、ガントリ11の上下動を停止させる。
次に、コンソール装置100について説明する。図1に示すように、コンソール装置100は、処理回路101、ディスプレイ103、入力インタフェース105およびメモリ107を有する。処理回路101、ディスプレイ103、入力インタフェース105およびメモリ107間のデータ通信は、バス(bus)を介して行われる。
処理回路101は、立位CT装置1全体の動作を制御する。例えば、立位CT装置1においては、種々の処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ107へ記憶されている。処理回路101は、メモリ107からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。
例えば、処理回路101は、入力インタフェース105を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、架台装置10を制御して、CTスキャンを実行する。また、処理回路101は、データ収集回路33を制御することで、架台装置10における投影データの収集処理を制御する。また、処理回路101は、データ収集回路33から出力された生データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施したデータを生成する。また、処理回路101は、前処理後のデータに対して、例えば、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。また、処理回路101は、入力インタフェース105を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、CT画像データを任意断面の断層像データや3次元画像データに変換する。処理回路101は、生成したCT画像、またはその他の各種の画像を、ディスプレイ103に表示させる。
メモリ107は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ107は、例えば、投影データやCT画像データを記憶する。また、例えば、メモリ107は、立位CT装置1に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。なお、メモリ107は、立位CT装置1とネットワークを介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されても良い。
ディスプレイ103は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ103は、処理回路101によって生成されたCT画像や表示画像等の各種の画像を表示する。また、ディスプレイ103は、操作者から各種の操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示してもよい。ディスプレイ103は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、または当技術分野で知られている他の任意のディスプレイでもよい。ディスプレイ103は、デスクトップ型でも良いし、コンソール装置100本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されても良い。また、ディスプレイ103は、架台装置10に設けられても良い。
入力インタフェース105は、操作者から各種の入力操作を受け付けて、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路101に出力する。例えば、入力インタフェース105は、CT画像データを再構成する際の再構成条件や、CT画像データから後処理画像を生成する際の画像処理条件等の入力操作を操作者から受け付ける。
例えば、入力インタフェース105は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。なお、ディスプレイ103がタッチスクリーンである場合、ディスプレイ103と入力インタフェース105とが統合されても良い。また、入力インタフェースは処理回路101に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し処理回路101へと出力する。なお、本明細書において入力インタフェースはマウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路101へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェースの例に含まれる。
なお、入力インタフェース105は、架台装置10に設けられても良い。また、入力インタフェース105は、コンソール装置100本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
なお、上述の架台制御装置25および処理回路101の構成は、「プロセッサ」が各機能に対応するプログラムを記憶回路から読み出して実行する例に限定されない。また、本実施形態において、「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。一方、プロセッサがASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
次に、本実施形態の回転フレーム14の形状について、より詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る回転フレーム14の外観の一例を示す図である。なお、図2では、回転フレーム14以外の構成については図示を省略する。
回転フレーム14は、上面142、底面(不図示)、内周側面143、および外周側面144を有する。
開口部30は、回転フレーム14の、内周側面143および外周側面144と、上面142または底面のいずれか一方とに共通して開けられる。本実施形態においては、図2に示すように、開口部30は、回転フレーム14の、内周側面143および外周側面144と、底面とに共通して設けられる。本実施形態のように回転フレーム14の底面と接続する開口部30を、ガントリ11の下端側に設けられた開口部30という。
回転フレーム14の上面142または底面のうち、開口部30が設けられていない方が、支持フレーム16と接続する。上面142または底面のうち支持フレーム16と接続する側は、周方向に閉じた略円環形状となり、軸受(不図示)が設けられる。本実施形態においては、回転フレーム14の上面142が、支持フレーム16と接続する側となる。
なお、開口部30の数は1つに限定されるものではない。複数の開口部30が設けられる場合、複数の開口部30の設置位置は、全て下端側、または全て上端側のいずれかに統一される。このため、複数の開口部30が設けられる場合においても、回転フレーム14の上面142または底面のいずれか一方は周方向に閉じた略円環形状となる。
被検体Pは、開口部30を通って、ボア15に入ることができる。開口部30の縦横の寸法は、一般的な体格の被検体Pよりも大きいものとする。このため、被検体Pが一般的な体格である場合、被検体Pは、身をかがめなくとも、開口部30を通過可能である。また、このため、ガントリ11が上方に移動しなくとも、被検体Pが開口部30を通過可能である。
回転フレーム14は、開口部30に沿って、内周側面143と外周側面144とを接続する内壁141を有する。図2では、内壁141の1面のみ図示しているが、内壁141は、開口部30の両側面、および上面の計3面に設けられる。内壁141は、回転フレーム14に支持されるX線管17およびX線検出器19等の撮像系が、開口部30から露出することを防ぐ。
図3は、図2におけるA-A断面図である。図3に示すように、本実施形態の回転フレーム14を、開口部30を含む位置で切断した断面は、回転軸A1を中心としたC型形状となる。本実施形態においては、A-A断面だけではなく、回転フレーム14の底面も、回転軸A1を中心としたC型形状となる。
また、図3に示すように、内壁141a,141bが、回転フレーム14における開口部30の両側面に設けられる。内壁141a,141bは、それぞれ、内周側面143と外周側面144とを接続する。以下、内壁141a,141b、および不図示の上面側の内壁を特に区別しない場合は、単に内壁141という。
図4は、本実施形態に係るガントリ11の形状の一例を示す図である。図4では、ガントリカバー12および回転フレーム14を透過して内部構成が見えるものとした場合に、上方からガントリ11および支柱13を見た状態を図示する。また、図4では、支持フレーム16は図示を省略する。
ガントリカバー12は、内周側面123、外周側面124と、上面(不図示)と、底面(不図示)とを備える。ガントリカバー12の内周側面123は回転フレーム14の内周側面143のボア15側に設けられる。ガントリカバー12の内周側面123は、ボア15に接する。また、ガントリカバー12の外周側面124は、ガントリ11の外部に接する。ガントリカバー12が回転フレーム14を覆うことにより、ボア15内に位置する被検体Pや、ガントリ11外に位置する技師等が、撮影中に回転フレーム14に直接接することは無い。
図4に示すように、開口部30は、ガントリカバー12と回転フレーム14とに共通して設けられる。
図4に示す例では、ガントリ11の開口部全体を「開口部30」、開口部30のうち、ガントリカバー12に設けられた開口部を「カバー開口部120」、開口部30のうち、回転フレーム14に設けられた開口部を「フレーム開口部140」として区別する。換言すれば、開口部30は、カバー開口部120とフレーム開口部140とを含む。なお、開口部30を、ガントリ開口部と称しても良い。
ガントリカバー12は、回転フレーム14が規定の停止位置に停止した場合に回転フレーム14のフレーム開口部140に対応する位置に、カバー開口部120を備える。
撮影の開始時および終了時における回転フレーム14の停止位置は予め規定されているため、回転フレーム14が停止状態にある場合には、回転フレーム14のフレーム開口部140とガントリカバー12のカバー開口部120の位置は一致する。このため、被検体Pは、回転フレーム14が停止状態にある場合には、ガントリカバー12のカバー開口部120および回転フレーム14のフレーム開口部140を通って、ボア15への進入およびボア15からの退出をすることができる。
なお、規定の停止位置は、一般に、回転フレーム14のフレーム開口部140が立位CT装置1の正面側を向く位置であるが、これに限定されるものではない。
カバー開口部120は、ガントリカバー12の内周側面123と、ガントリカバー12の外周側面124と、ガントリカバー12の上面または底面のいずれか一方とに共通して設けられる。本実施形態においては、カバー開口部120は、ガントリカバー12の内周側面123と、ガントリカバー12の外周側面124と、ガントリカバー12の底面とに共通して設けられる。
このように、本実施形態の立位CT装置1では、ガントリ11の上端部または下端部のいずれか一方から鉛直方向に沿ってガントリ11の側面に延在する少なくとも1つの開口部30が設けられ、かつ、ガントリ11内の回転フレーム14と支持フレーム16との接続部は、周方向に閉じた略円環形状である。このような構成により、本実施形態の立位CT装置1によれば、回転フレーム14が連続回転可能に支持フレーム16に支持された状態を維持すると共に、被検体Pが開口部30を通ってボア15に入退出することができる。このため、本実施形態の立位CT装置1によれば、ガントリ11を上下に移動させたり、被検体Pに架台の下方を潜らせたりしなくとも、被検体Pが開口部30を通ってボア15に入退出することができるため、撮影前後の被検体Pの移動を迅速に行うことができる。このため、本実施形態の立位CT装置1によれば、被検体Pの立位または座位の撮影の際の撮像ワークフローを効率化することができる。
また、例えば、比較例として、開口部が架台の上端と下端の両方を通して設けられた場合、架台内の回転フレームと支持フレームとの接続部は略円環形状にはならず、開口部の部分で途切れた円弧となる。この場合、支持フレームは円周状に回転フレームを支持することができず、回転フレームの回転可能な角度が360度未満となる。また、このような構成では、回転フレームは同一方向に連続回転することが困難である。これに対して、本実施形態の立位CT装置1では、ガントリ11の上端部または下端部の一方にのみ開口部30が設けられるため、開口部30が設けられていない方の端部に、回転フレーム14と支持フレーム16との接続部を略円環形状で設けることができる。このため、本実施形態の立位CT装置1によれば、被検体Pのボア15への入退出を容易にすることと、回転フレーム14の連続回転可能な構成とを両立させることができる。
また、本実施形態の立位CT装置1では、ガントリ11は、鉛直方向に沿ったボア15を有する。開口部30は、ガントリ11の側方からボア15に向かってガントリ11を貫通し、被検体Pがガントリ11の側方からボア15に対して入退出可能な出入口である。このため、本実施形態の立位CT装置1によれば、被検体Pのボア15への入退出を容易にすることができる。
また、本実施形態の立位CT装置1において、開口部30は、ガントリ11の上端部または下端部のいずれか一方から鉛直方向に沿ってガントリ11の側面に延在する切り欠きである。このようにガントリ11の上端部または下端部のいずれかと、側面とが除かれることにより、簡易な構成で、被検体Pのボア15への入退出を可能な開口部30を設けることができる。
また、本実施形態の立位CT装置1において、開口部30は、回転フレーム14の、内周側面143および外周側面144と、上面142または底面のいずれか一方とに共通して設けられる。回転フレーム14の上面142または底面のうち、開口部30が設けられていない方が、支持フレーム16と接続する。このため、本実施形態の立位CT装置1によれば、回転フレーム14の上面142または底面のいずれか一方は、開口部30が設けられないため、略円環状の形状となり、該略円環状の形状である上面142または底面が支持フレーム16と接続することにより、回転フレーム14が連続回転できる。
また、本実施形態の立位CT装置1の回転フレーム14は、開口部30に沿って、内周側面143と外周側面144とを接続する内壁141を有する。このため、本実施形態の立位CT装置1によれば、回転フレーム14に支持されるX線管17およびX線検出器19等の撮像系が開口部30から露出することを、内壁141で回転フレーム14の内周側面143と外周側面144の間を覆うことにより、防ぐことができる。
また、本実施形態の立位CT装置1のガントリカバー12は、回転フレーム14が規定の停止位置に停止した場合に、回転フレーム14のフレーム開口部140に対応する位置にカバー開口部120を備える。このため、被検体Pは、回転フレーム14が停止状態にある場合に、ガントリカバー12のカバー開口部120および回転フレーム14のフレーム開口部140を通って、ボア15への進入およびボア15からの退出をすることができる。
また、本実施形態の立位CT装置1の架台制御装置25は、センサ41がガントリ11の開口部30から規定の範囲内に位置する物体を検知した場合、回転フレーム14を回転させない。このため、本実施形態の立位CT装置1によれば、被検体Pまたは技師等が開口部30に接近している状態で回転フレーム14が回転することを低減することができる。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、ガントリ11が1つの開口部30を備える例を説明したが、本実施形態では、ガントリ11が2つの開口部30を備える例を説明する。
図5は、本実施形態に係る回転フレーム14の形状の一例を示す図である。
本実施形態のガントリ11は、第1の開口部30aと、第2の開口部30bとを備える。なお、図5では、回転フレーム14以外の構成の図示を省略したが、本実施形態のガントリカバー12においても、図5に示す第1の開口部30aおよび第2の開口部30bにそれぞれ対応する位置に、2つのカバー開口部120を備える。以下、第1の開口部30aと、第2の開口部30bとを特に区別しない場合には、単に開口部30という。
なお、図5に示す第1の開口部30aおよび第2の開口部30bは、第1の実施形態の開口部30と同様に、ガントリ11の下端側に設けられる。また、本実施形態の回転フレーム14の上面142は、第1の実施形態と同様に、周方向に閉じた略円環形状となり、軸受(不図示)が設けられ、支持フレーム16と接続する。
第1の開口部30aと、第2の開口部30bとは、一例として、図5に示すように、回転軸A1を挟んで互いに対向する位置に設けられる。例えば、第1の開口部30aは立位CT装置1の正面側、第2の開口部30bは立位CT装置1の背面側にそれぞれ設けられる。なお、図5に示す第1の開口部30aと、第2の開口部30bの位置関係は一例であり、これに限定されるものではない。
このような場合、被検体Pは、第1の開口部30aを通ってガントリ11の外からボア15に進入し、第2の開口部30bを通ってボア15からガントリ11の外へ退出することができる。このため、被検体Pの撮影後、該被検体Pが第2の開口部30bを通ってボア15から退出する場合に、次に撮影される他の被検体が第1の開口部30aを通ってボア15に進入することができ、複数の被検体が交差しないように、動線を整理することができる。
例えば、立位CT装置1が、車両に搭載されて移動可能な移動式の立位CT装置である場合がある。このような場合、立位CT装置1による撮影は、車内で行われるため、複数の被検体がすれ違うために十分なスペースを確保することが困難な場合がある。このような場合においても、本実施形態のようにボア15への入口と出口を別々に設けることにより、被検体の入れ替えを効率的に行うことができる。
また、互いに対向する2つの開口部30が設けられていることにより、例えば被検体Pが車椅子に乗っている場合、車椅子の進行方向を転換させなくとも、被検体Pがボア15から入退出することができる。
このように、本実施形態の立位CT装置1によれば、互いに対向する2つの開口部30を備えることにより、第1の実施形態と同様の効果を備えた上で、被検体Pの移動に要する時間を低減して撮像ワークフローを効率化することができる。
(第3の実施形態)
この第3の実施形態では、立位CT装置1のガントリ11は、開口部30を覆うための開閉可能な扉を備える。
図6は、本実施形態に係るガントリ11の形状の一例を示す図である。本実施形態のガントリ11は、第1の実施形態と同様の構成に加えて、スライドドア50a,50bと、ロック機構51a、51bとを備える。
より具体的には、スライドドア50a、50bは、ガントリカバー12に設けられる。スライドドア50a、50bは、ガントリカバー12の側面に沿って、水平方向にスライド移動可能である。スライドドア50a、50bは、電動または手動のいずれによって動作しても良い。例えば、ガントリカバー12は、スライドドア50a、50bを開閉動作させる電動式の駆動機構を備えても良い。
スライドドア50aは、ガントリカバー12の内周側面123に設けられる。スライドドア50aは、閉状態にある場合に、開口部30のボア15側を塞ぐことができる。また、スライドドア50bは、ガントリカバー12の外周側面124に設けられる。スライドドア50bは、閉状態にある場合に、開口部30の、ガントリ11の外側に面した方を塞ぐことができる。スライドドア50a、50bは、本実施形態における扉の一例である。
以下、スライドドア50a、50bを特に区別しない場合は、単にスライドドア50という。なお、本実施形態においてはスライドドア50を扉の一例としているが、スライド式以外の扉を採用しても良い。
ロック機構51a、51bは、スライドドア50a、50bの開閉動作をロックする。
ロック機構51a、51bは、ガントリカバー12の内側と外側のどちらからも施解錠可能であるものとする。例えば、被検体Pが撮影のためにボア15に入った後、技師等がロック機構51a、51bを作動させてスライドドア50をロックする。また、撮影が終了後、被検体Pがボア15から退出するために、技師等がロック機構51a、51bを作動させてスライドドア50のロックを解除する。また、被検体Pが、ロック機構51a、51bを作動させてスライドドア50のロックを解除しても良い。以下、ロック機構51a、51bを特に区別しない場合は、単にロック機構51という。
ロック機構51は、電気式でも良いし、機械式でも良いし、その両方でも良い。例えば、被検体Pがつまみ等を手動で移動させて、ロックを解除する方式でも良いし、操作盤や操作ボタン等から操作入力をしてロックを解除する方式でも良い。
また、ボア15内に、被検体Pがスライドドア50のロックの解除操作を可能な操作部が設けられる。操作部は、例えばロック機構51に設けられたつまみでも良い。また、図1で説明した操作ボタン121が、ロック機構51の解除操作を受け付け可能な操作部の機能をさらに備えても良い。あるいは、ガントリカバー12は、操作ボタン121とは別に、スライドドア50のロックを解除するための操作ボタンを、スライドドア50の近傍に備えても良い。
ロック機構51が電気式である場合には、ロック機構51は、ボア15側からロック解除の操作を受けた場合に、ロック解除の操作を受けたことを架台制御装置25に通知する。また、ロック機構51が機械式である場合は、例えば、ロック機構51は、つまみが操作されたことを検知するセンサを備える。この場合、ロック解除のためにつまみが操作されたことを検知した場合、ロック機構51は、つまみが操作されたことを架台制御装置25に通知する。
また、本実施形態のセンサ41は、スライドドア50に被検体Pが接触したことおよびスライドドア50が開閉されたことを検知する。なお、本実施形態のガントリ11は、第1の実施形態と同様のガントリ11の開口部30から規定の範囲内に位置する物体を検知するセンサ41をさらに備えても良い。1つのセンサ41がこれらの機能を有しても良いし、複数のセンサ41がそれぞれの機能を実現しても良い。
本実施形態のセンサ41は、スライドドア50に被検体Pが接触したことを検知した場合、または、スライドドア50が開閉されたことを検知した場合、架台制御装置25に、被検体Pのスライドドア50への接触またはスライドドア50の開閉を通知する。
本実施形態の架台制御装置25は、第1の実施形態と同様の機能に加えて、被検体Pによるスライドドア50に関する操作が検知された場合に、ガントリ11の動作を停止させる。換言すれば、架台制御装置25は、センサ41、ロック機構51、および操作ボタン121とインタロックを構成する。
本実施形態において、スライドドア50に関する操作は、例えば、スライドドア50に対する被検体Pの接触、被検体Pによるスライドドア50のロックの解除、および被検体Pによるスライドドア50の開閉のうちの少なくとも1つを含む。本実施形態においては、架台制御装置25は、スライドドア50に対する被検体Pの接触、被検体Pによるスライドドア50のロックの解除、および被検体Pによるスライドドア50の開閉のいずれが検知された場合にも、ガントリ11の動作を停止させる。
また、架台制御装置25によって停止されるガントリ11の動作は、例えば、X線管17によるX線照射、回転フレーム14の回転動作、およびガントリ11の鉛直方向への移動のうちの少なくとも1つを含む。本実施形態においては、架台制御装置25は、上記のスライドドア50に関する操作が検知された場合、X線管17によるX線照射、回転フレーム14の回転動作、およびガントリ11の鉛直方向への移動の全てを停止する。
また、架台制御装置25は、ガントリ11の動作が停止している状態で、被検体Pによるスライドドア50に関する操作が検知された場合に、ガントリ11を動作させない。
このように、本実施形態の立位CT装置1では、ガントリカバー12は、開口部30を閉塞するための開閉可能なスライドドア50を備える。また、本実施形態の立位CT装置1の架台制御装置25は、被検体Pによるスライドドア50に関する操作が検知された場合に、ガントリ11の動作を停止させる。このため、本実施形態の立位CT装置1によれば、第1の実施形態の効果を備えた上で、安全性をより向上させることができる。
また、本実施形態において、スライドドア50に関する操作は、スライドドア50に対する被検体Pの接触、被検体Pによるスライドドア50のロックの解除、および被検体Pによるスライドドア50の開閉のうちの少なくとも1つを含む。例えば、被検体Pがボア15の外に出ることを所望する場合、スライドドア50に接触する可能性がある。本実施形態の立位CT装置1によれば、このような動作も検知対象とすることで、被検体Pがボア15の外に出ることを所望する場合に、迅速にガントリ11の動作を停止させることができる。
また、本実施形態において、架台制御装置25によって停止されるガントリ11の動作は、X線管17によるX線照射、回転フレーム14の回転動作、およびガントリ11の鉛直方向への移動のうちの少なくとも1つを含む。本実施形態の立位CT装置1によれば、回転フレーム14の回転動作だけではなく、ガントリ11の鉛直方向への移動なども停止することで、被検体Pがボア15の外に出る際の安全性をより向上させることができる。
なお、ロック機構51は、ロック解除の操作を受け付けた後、架台制御装置25がガントリ11の動作を完全に停止させるまで、スライドドア50のロックを解錠しないものとしても良い。
また、本実施形態においては、ガントリカバー12は、内周側面123と外周側面124の両方にスライドドア50a,50bをそれぞれ備えるものとしたが、例えば、ガントリカバー12は、少なくとも内周側面123にスライドドア50aを備えるものとしても良い。この場合、ガントリカバー12は、外周側面124にはスライドドア50bは備えなくとも良い。
また、本実施形態においては、第1の実施形態の構成に、スライドドア50およびロック機構51が追加された構成を例として説明したが、第2の実施形態の構成に、本実施形態の構成を組み合わせても良い。
(第4の実施形態)
上述の第1~第3の実施形態では、開口部30は、ガントリ11の下端側に設けられていたが、この第4の実施形態では、開口部30は、ガントリ11の上端側に設けられる。
図7は、本実施形態に係る回転フレーム14の外観の一例を示す図である。なお、図7では、回転フレーム14以外の構成については図示を省略する。
回転フレーム14は、上面142、底面145、内周側面143、および外周側面144を有する。
本実施形態においては、図7に示すように、開口部30は、回転フレーム14の、内周側面143および外周側面144と、上面142とに共通して設けられる。本実施形態のように回転フレーム14の上面142と接続する開口部30を、ガントリ11の上端側に設けられた開口部30という。
本実施形態においては、回転フレーム14の底面145が、支持フレーム16と接続する。底面145は、周方向に閉じた略円環形状であり、軸受(不図示)が設けられる。
また、本実施形態では支持フレーム16は、回転フレーム14の下方に設けられ、回転フレーム14を下方から連続回転可能に支持する。
また、図7では、回転フレーム14以外の構成の図示を省略したが、本実施形態のガントリカバー12は、図7に示す開口部30に対応する位置に、カバー開口部120を備えるものとする。
また、本実施形態の回転フレーム14は、内周側面143と外周側面144とを接続する内壁141を、開口部30の両側面、および底面の計3面に設けられる。図7では、一方の側面側の内壁141aと、底面側の内壁141cとを図示する。
本実施形態のその他の構成については、第1の実施形態と同様である。
このように、本実施形態の立位CT装置1によれば、支持フレーム16が回転フレーム14の下方に設けられた構成においても、ガントリ11に開口部30を設けた構成を適用することができ、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、被検体Pが開口部30からボア15に入る際に、ガントリ11を跨がなくともよいように、撮影室の床面のうちガントリ11に対応する領域が、他の領域よりも低くなっていても良い。この場合、図7に示す回転フレーム14の底面側の内壁141cの高さが、ガントリ11の外側の撮影室の床面と同じ高さになるように、床が低くなった領域にガントリ11の下端が挿入されても良い。
さらに、回転フレーム14の底面側の内壁141cの上に、被検体Pが通行可能なプレートが設置されても良い。該プレートは、例えば、床面から水平方向にスライド可能であり、通常時は床面に格納され、被検体Pが開口部30からボア15に入る際に、床面から引き出されても良い。該プレートは、架台制御装置25によって制御されても良い。このようなプレート上を被検体Pが通行することにより、ガントリ11に被検体Pの荷重がかかることを低減することができる。
また、本実施形態のように開口部30がガントリ11の上端側に設けられた構成を、第2の実施形態または第3の実施形態の構成に組み合わせても良い。
なお、上述の各実施形態において、架台制御装置25の機能として説明した機能の一部または全てが、コンソール装置100で実行されるものとしても良い。
また、上述の各実施形態においては、立位CT装置1を例として説明したが、立位CT装置1以外の医用画像診断装置に、上述の各実施形態の構成を適用しても良い。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、立位状態または座位状態の被検体Pを撮影可能なX線コンピュータ断層撮影装置における撮像ワークフローを効率化することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。