JP2022025885A - 姿焼き機 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉粒状の食品原料を焼き上げる姿焼き機において、下向きの雄型に焼き付けで付着した焦げ付きの取り残しが発生しない姿焼き機を提供することを課題とする。【解決手段】焼上げ位置に配設された雄型が、原料供給装置側の一端を上下方向で回転自由に上型プレートに軸支され、製品取上位置側の他端を前上型プレートと着脱可能な雄型止着手段により着脱可能とし、上型プレートと雄型のいずれかの一方の側面に円弧状の長孔溝部を形成したガイドプレート部を固定し、他方の側面に長孔溝部に挿通させるガイドピンを突設させて、雄型を、雄型止着手段を止着することにより上型プレートの下面に当接させて水平方向で止着状態とし、かつ、雄型止着手段を開放することにより上型プレートとの軸支位置を中心に円弧状の長孔溝部に沿って回転させて垂直方向に吊下げた状態にする姿焼き機により課題解決できた。【選択図】 図7

Description

本発明は、粉粒状の食品原料、例えばいかの屑を粉砕したいか粉に小麦粉、あられ生地等を混合した食品原料を所定の形状、例えばいか形のせんべいに焼き上げる姿焼き機に関する。
特許文献1には、水平移動し、かつ所定の第一、第二、第三位置で適宜停止するように設けた、加熱可能な雌型を有する移動部と、該移動部の移動経路上方で、前記第三位置に設けた、前記雌型に対して接離すべく昇降する加熱可能な雄型を有する焼成部と、同じく前記移動部の移動経路上方で、前記第二位置に設けた、せんべい種を定量ずつ前記雌型内に供給するように成した供給部と、同じく前記移動部の移動経路上方で、前記第一位置に設けた、焼成済みのせんべいを上側から保持して雌型内から取り出し、移動して所定部位で、前記保持状態を解除するように成した取出部とから構成したせんべいの製造装置が開示されている。そして、雄型の下面にせんべい種が焼きつく等して付着した場合は、掃除機の入切スイッチを入れてブラシ体を回転させ、手動にてアームをガイドレールに沿って移動させて、下向きの雄型に付着したせんべい種を掃除すると記載されている。
特許文献2には、電熱ヒータ等の加熱手段を内蔵した水平移動可能な雌型と、該雌型を水平移動させて原料供給位置と、焼上げ位置と、製品取上位置の三位置に切換える切換手段と、原料供給位置に配置され、原料供給位置に切換えられた雌型に一定量の原料を供給する原料供給装置と、焼上げ位置に配置され、電熱ヒータ等の加熱手段を内蔵して昇降手段の作動により昇降し、下降時に焼上げ位置に切換えられた雌型に嵌合する雄型と、製品取出位置に配置され、昇降可能で、製品取上位置に切換えられた雌型内の製品をエアの吸引により吸着して取り上げる吸着パッドを備えた製品取出装置と、上記加熱手段、切換手段、原料供給装置、昇降手段、製品取上装置等を制御する制御装置とを有するせんべい製造装置において、上記原料供給装置が原料を貯留するホッパーを有し、該ホッパーがブラケットに軸支されて転倒可能であると共に、着脱可能な第1の止着手段によりブラケットに固定可能であるせんべい製造装置が開示されている。そして、ホッパーを水平に旋回して退避させることによりホッパー下の清掃や部品、部材等の点検、修理が容易に行えるようになると記載されています。
特開H7-194288号公報 特開2003-144039号公報
特許文献1の発明は、下向きの雄型に焼き付けで付着したせんべい種の焦げ付きを、上向きで高さ方向の位置が一定のブラシ体を自動的に回転させながら水平方向の一方向にスライドさせて掃除をすると記載されているが、人が掃除するのでなく機械的に行うものであるので、せんべい種の焦げ付きは焼き付けで強力な付着力で付着している場合があり、型具を傷めない柔らかさのブラシでこする方法では付着した焦げ付きを除去できないし、硬質のワイヤーブラシでこすると成形型面にキズを付けるという問題があった。また、複雑な形状の雄型の場合にはブラシが十分に当たらない部位があるという問題もあった。さらに、ブラシからブラシ毛が抜けて食品に入り込み異物混入という大問題もあった。
特許文献2の発明は、下向きの雄型に焼き付けで付着したせんべいの焦げ付きを、人が例えば弾力性を有する直方体のものに巻き付けたサンドペーパーを用いて約250℃まで加熱した熱い雄型の凹凸のある成形型面を磨きながら除去していき、加圧及び加熱により雄型に強力に付着したせんべいの焦げ付きを取り除いていくが、下から上に向いて不安定な姿勢で覗くため下向きの雄型の成形型面をしっかりと見ることができないため、加熱と加圧で強力に付着した焦げ付きの取り残しが発生するという問題があった。また、その取り残しの焦げ付きに次の新たな焦げ付きが累積し大きな焦げ付きになって製品の品質が低下するという問題があった。
また、2時間ごとに8個の雄型の清掃作業を実施しているが、作業姿勢が悪く雄型の成形型面が見にくいため、1回当たり清掃作業に30分要し8時間稼働で少なくとも3回で90分はライン停止させるという稼働ロス時間が大きいという問題があった。また、上型の雄型と下型の雌型の上下方向の間隔が狭いため、例えばレーザークリーナー等の機器を使用できないという問題もあった。
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、粉粒状の食品原料を所定の形状、例えばいか形のせんべいに焼き上げる姿焼き機において、下向きの雄型に焼き付けで付着した焦げ付きの取り残しが発生しない姿焼き機を提供することを課題とする。
請求項1に記載の姿焼き機は、加熱手段を内蔵した雌型を上面に固定した下型プレートと、前記下型プレートを原料供給位置、焼上げ位置、製品取上位置の順に配置した三位置に水平移動させるスライド手段と、前記原料供給位置に配置され、前記原料供給位置にスライドさせた下型プレート上の雌型に一定量の原料を供給する原料供給装置と、前記焼上げ位置の上方に配設され、垂直方向に昇降する昇降手段の下端部に固定された上型プレートの下面に取り付けられ、下降時に前記焼上げ位置にスライドされ位置決めされた下型プレート上の前記雌型に嵌合する、加熱手段を内蔵した雄型と、前記製品取上位置の上方に配設され、前記製品取上位置にスライドさせた下型プレート上の前記雌型内の製品を吸着して取り上げる吸着パッドを備えた製品取上装置と、少なくとも前記加熱手段、スライド手段、原料供給装置、昇降手段及び製品取上装置を制御する制御装置と、を備える姿焼き機において、前記焼上げ位置に配設された前記雄型が、前記原料供給装置側の一端を上下方向で回転自由に前記上型プレートに軸支され、前記製品取上位置側の他端を前記上型プレートと着脱可能な雄型止着手段により着脱可能とし、前記上型プレートと前記雄型のいずれかの一方の側面に円弧状の長孔溝部を形成したガイドプレート部を固定し、他方の側面に前記長孔溝部に挿通させるガイドピン兼用ボルトを突設させて、前記雄型を、前記雄型止着手段を止着することにより前記上型プレートの下面に当接させて水平方向で止着状態とし、かつ、前記雄型止着手段を開放することにより前記上型プレートとの軸支位置を中心に前記円弧状の長孔溝部に沿って回転させて垂直方向に吊下げた状態で固定可能とすることを特徴とする。
請求項2に記載の姿焼き機は、請求項1において、前記スライド手段は、ベース台に対して前後方向に下スライド板をスライドさせる下スライド手段と、前記下スライド板に対して前後方向に上スライド板をスライドさせる上スライド手段とを有し、前記上スライド板上に固定された下型プレートの下方には、前記下型プレート下面と前記上スライド板上面の両面に当接させて介在させた、伸長方向に付勢力を有するコイルスプリングと、前記雄型による無負荷時には前記コイルスプリングにより前記下型プレート下面と上下方向で隙間を生じさせ、前記雄型による負荷時には下降する下型プレートの下降を衝止させるとともに、脱着自在の受圧台止着手段及びころがり摩擦部材を有する、前記ベース台上に配置した受圧台とを備え、前記上スライド手段により前記雌型・上スライド板を、かつ前記ころがり摩擦部材により前記受圧台を、前記雄型の回転時の作動範囲外に回避可能にすることを特徴とする。
請求項3に記載の姿焼き機は、請求項1又は2において、前記原料供給位置に配設された原料供給装置は、左右両端がベース台に立設された機枠にヒンジピンにて軸支されて水平に旋回可能で観音開き状に開閉する一対のブラケットを備え、前記ブラケットにホッパー及び原料を攪拌する攪拌装置が取り付けられていることを特徴とする。
通常は雄型と雌型との上下方向の間隙が狭くかつ雄型の成形型面が下向きであるので、前記雄型の成形型面の下向きの面を人がしっかりと見ることができないため、人が例えばサンドペーパーで雄型の成形型面を清掃しても焼き付けで付着した焦げ付きの取り残しが生ずるのに対し、請求項1に記載の姿焼き機は、雄型を垂直方向にして吊り下げた状態で固定することができるので、レーザークリーナー機等の機器を使用することができ、人は前記雄型の成形型面をしっかりと目視できるため、雄型の成形型面に焼き付けで付着した焦げ付きを全く残さないように清掃できるという効果を奏する。
また、ブラシを使用しないので、レーザークリーナーを使ってレーザークリーニングができるため、食品に異物混入が発生しないという効果を奏する。
さらに、2時間ごとに8個の雄型の清掃作業を実施しているが、従来は1回当たり30分の清掃時間を、レーザークリーニングで1回当たり5分で清掃完了するという顕著な効果が得られた。さらに、雄型の成形型面に焼き付けで付着した焦げ付きを全く残さないから、8時間の稼働時間内で従来の3回で90分のライン停止時間を、始業時の1回の5分間のライン停止のみでよいという顕著な効果が得られた。この要因としては、レーザークリーニングでは成形型面をキズをつけず平滑に維持でき、かつ凹凸のある成形型面に付着している焦げ付きを満遍なく完全に除去できるので、清掃後の製造では成形型面に焦げ付きが付着し難くなるが、一方、サンドペーパーで清掃した場合は成形型面にキズをつけ、かつ凹凸のある成形型面に小さい焼けた焦げ付きが付着状態で残り、その付着している小さい焦げ付きに清掃後に製造した原料の焦げ付きが付着しやすく、かつ成形型面にできたキズに清掃後に製造した原料の焦げ付きが嵌り込みやすいからと考えられる。
また、従来はサンドペーパーで雄型の成形型面に付着した焦げ付きをこすり落とすことを繰り返し実施することによって、成型型面の表面形状がサンドペーパーのこすりにより摩耗して変形し、焼いた商品の輪郭が崩れ商品価値が低下するという問題があり、1年~1年6か月の周期で雄型を雌型と一対にして新品と取り換えている。本発明の姿焼き機はサンドペーパーを使用せずレーザークリーニングで成形型面に付着した焦げ付きを除去するので、成型型面の表面の摩耗が全く生じないため、雄型・雌型の取り換え周期が大幅に延びるという顕著な効果を奏する。
請求項2に記載の姿焼き機は、製造サイクルタイム短縮などで上型の下降距離を短縮化するため、上型の雄型と下型の雌型との上下方向の間隔は狭く設定する傾向にある。すると、一般的な構成の場合には、もし雄型を一端側を軸支して他端側を上下方向に回転させると、回転中の雄型が下方に位置する雌型に激突するという問題が生ずるが、本発明の姿焼き機の構成は前記雌型及び前記受圧台を前記雄型の回転時の作動範囲の外に位置するように回避可能にしたので、前記雄型を回転させても前記雌型及び前記受圧台には干渉しないという効果を奏する。
請求項3に記載の姿焼き機は、垂直方向にして吊り下げた雄型を、遮蔽物であった原料供給位置に配設された原料供給装置を左右方向に開いて遮蔽物を何もなしにすることができたので、雄型の成形型面を作業者が立った姿勢で正面からしっかりと視認できクリーニング作業を成形型面に満遍なく容易にできるようになった。
本発明の姿焼き機の概要側面図である。 本発明の姿焼き機の概要背面図である。 本発明の姿焼き機の焼上げ位置と製品取上位置のみを表わした概要側面図で、初期状態の説明図である。 本発明の姿焼き機の焼上げ位置と製品取上位置のみを表わした概要側面図で、雌型が製品取上位置にスライドした状態の説明図である。 本発明の姿焼き機の焼上げ位置と製品取上位置のみを表わした概要側面図で、雌型が製品取上位置にスライドし受圧台を上昇させた状態の説明図である。 本発明の姿焼き機の焼上げ位置と製品取上位置のみを表わした概要側面図で、雌型が製品取上位置にスライドし上昇させた受圧台を製品取上位置方向に移動させた状態の説明図である。 図6において、雄型を回転させて吊下げ状態にした説明図である。 原料供給装置(ホッパー記載せず。)の攪拌装置を直線方向で連結させた状態の説明図である。 原料供給装置(ホッパー記載せず。)の攪拌装置を観音開きで開いた状態の説明図である。 雄型が上型プレートと着脱可能な雄型止着手段により止着している状態を示す説明図である。 雄型が上型プレートと着脱可能な雄型止着手段により開放され吊下げられた状態を示す説明図である。 作業者が立った姿勢で直接に見ることができる、吊下げられた雄型の成形型面を示す説明図である。 雄型と上型プレートとの着脱可能な雄型止着手段の説明図で、(a)は止着時の説明図で、(b)は開放時の説明図である。 本発明の姿焼き機のスライド手段を説明する平面視概要図である。 雌型、下型プレート、コイルスプリング及び受圧台の構成の説明図である。 雌型、下型プレート、コイルスプリング及び受圧台の構成の説明図で、受圧台を外枠とクランプレバーのみにした説明図である。 受圧台の背面視の説明図である。 受圧台の上板を透明にした平面視の説明図である。
本発明の姿焼き機1は、粉粒状の食品原料、例えばいかの屑を粉砕したいか粉に小麦粉、あられ生地等を混合した食品原料を所定の形状、例えばいか形のせんべいに焼き上げる姿焼き機1である。
本発明の姿焼き機1は、図1に示すように、3工程を備え、第1工程が原料供給工程、第2工程が焼上げ工程、第3工程が製品取上工程であり、姿焼き機には、原料供給位置2、焼上げ位置3、製品取上位置4の順に各装置が配設されている。
また、図2に示すように、1つの姿焼き機で製品を例えば8つ同時製造できるようにすることもできる。
本発明の姿焼き機1は、加熱手段を内蔵した雌型5を上面に固定した下型プレート6と、前記下型プレート6を原料供給位置、焼上げ位置、製品取上位置の順に配置した三位置に水平移動させるスライド手段と、前記原料供給位置2に配置され、前記原料供給位置2にスライドさせた下型プレート6上の雌型5に一定量の原料を供給する原料供給装置60と、前記焼上げ位置3の上方に配設され、垂直方向に昇降する昇降手段9の下端部に固定された上型プレート7の下面に取り付けられ、下降時に前記焼上げ位置3にスライドされ位置決めされた下型プレート6上の前記雌型5に嵌合する、加熱手段を内蔵した雄型8と、前記製品取上位置4の上方に配設され、前記製品取上位置4にスライドさせた下型プレート6上の前記雌型5内の製品を吸着して取り上げる吸着パッド71を備えた製品取上装置70と、少なくとも前記加熱手段、スライド手段、原料供給装置60、昇降手段9及び製品取上装置70を制御する制御装置80と、を備える姿焼き機1において、前記焼上げ位置3に配設された前記雄型8が、前記原料供給装置60側の一端11を上下方向で回転自由に前記上型プレート7に軸支され、前記製品取上位置70側の他端12を前記上型プレート7と着脱可能な雄型止着手段10により着脱可能とし、前記上型プレート7と前記雄型8のいずれかの一方の側面に円弧状の長孔溝部15を形成したガイドプレート部13を固定し、他方の側面に前記長孔溝部15に挿通させるガイドピン兼用ボルト14を突設させて、前記雄型8を、前記雄型止着手段10を止着することにより前記上型プレート7の下面に当接させて水平方向で止着状態とし、かつ、前記雄型止着手段10を開放することにより前記上型プレート7との軸支位置を中心に前記円弧状の長孔溝部15に沿って回転させて垂直方向に吊下げた状態で固定可能とする。
本発明の姿焼き機1は、加熱手段を内蔵した雌型5を上側に固定した下型プレート6を、スライド手段により、原料供給位置2、焼上げ位置3、製品取上位置4の順に配置した三つの位置に水平移動させる。
前記スライド手段は、ベース台100に対して前後方向に下スライド板21をスライドさせる下スライド手段22と、前記下スライド板21に対して前後方向に上スライド板23をスライドさせる上スライド手段24とを有する。雌型5を載せて固定した下型プレート6は上スライド板上23に固定されている。
まず、スライド手段について説明する。図1及び図14に示すように、ベース台100上に左右一本ずつの下部固定レール101が配設され、前記下部固定レール101上を下側に車輪を配設した下スライド板21が下スライド板21の第一スライドエアシリンダーの作動により、二つの位置間の距離をスライドさせる。
そして、前記下スライド板21上に、左右一本ずつの上部固定レール102が配設され、前記上部固定レール102上を下側に車輪を配設した上スライド板23が上スライド手段24の第二スライドエアシリンダーの作動により、二つの位置間の距離をスライドさせる。
よって、第一スライドエアシリンダーによる下スライド板21の二つの位置間のスライドと、第二スライドエアシリンダーによる上スライド板23の二つの位置間のスライドとの組み合わせを尺取虫的に組み合わせることにより、上スライド板23を三つの位置にスライドさせることができる。
次に、図1に示すように、前記原料供給位置2には前記原料供給装置60が配設されている。前記原料供給装置60は、前記原料供給位置2にスライドした下型プレート6上の雌型5に一定量の原料を供給する。前記原料供給装置60は、図8及び図9に示すように、左右両端がベース台100に立設された機枠(図示なし)にヒンジピン61にて軸支されて水平に旋回可能で、観音開き状に開閉する一対のブラケット62と、前記一対のブラケット62を閉じ直線状に連結したときには、前記一対のブラケット62の連結部分に抜き差し可能に差込まれる止着手段としてのピン63と、垂直方向断面がU形状をなし、前記ブラケット62にヒンジピン(図示なし)にて転倒可能に軸支されるホッパー65と、前記ホッパー65内に水平方向に設置され、モータにより回転駆動されるシャフトに一定間隔で固定される攪拌翼よりなる、原料を攪拌する攪拌装置64と、を備える。
前記撹拌翼を内設したホッパー65が前記原料供給位置2にあれば、図1又は図8に示すように第2工程の焼上げ位置3における雄型8を第1工程側から(方向Aから)視認することができないが、図7又は図9に示すように前記観音開きにより、第2工程の焼上げ位置3における雄型8が第1工程側から(方向Aから)視界内の遮蔽物なく視認できるようになる。
次に、焼上げ位置3における構成について説明する。上方の雄型8と下方の雌型5を嵌合し加圧と加熱をして製品を焼き上げる。まず、上方の雄型8の構成を説明する。図1や図3に示すように、上方の雄型8側には、雌型8の配置と平面視で同間隔で上下方向に並設される昇降手段9の油圧シリンダーと、各油圧シリンダーのピストンロッド端に取着される上型プレート7と、該上型プレート7の下面に脱着可能に雄型8とを備える。そして、雄型8には電熱ヒータ(図示なし)が内設されている。
そして、図10及び図11に示すように、前記雄型8が、前記原料供給装置2側の一端11を上下方向で回転自由に前記上型プレート7に軸支され、前記製品取上位置4側の他端12を前記上型プレート7と着脱可能な雄型止着手段10により着脱可能な構成としている。そして、前記上型プレート7と前記雄型8のいずれかの一方の側面に円弧状の長孔溝部15を形成したガイドプレート部13を固定し、他方の側面に前記長孔溝部15に挿通させるガイドピン兼用ボルト14を突設させている。
前記ガイドピン兼用ボルト14は、例えば段付ボルト又はショルダーボルトであり、ボルト頭部、胴体の円筒部、先端部に該円筒部の直径より小さい呼び径の雄螺子を螺刻している。前記円筒部が前記円弧状の長孔溝部15に挿入され、前記雄螺子にナットを螺入させることにより前記ボルト頭部と前記ナットとにより前記ガイドプレート部13を挟んで締め付けて、この締め付けにより、前記上型プレート7に対して前記雄型8を固定化させる。
前記雄型止着手段10としては、例えば、図13に示すような上型プレート7に固定したレバー31を回転させることにより雄型8に固定した受け座32の隙間に挿入と取り出しにより脱着を可能とする密閉ハンドル30やトグルクランプ(図示なし)などがあるが、約3kgの雄型8を前記上型プレート7に止着でき又は開放できる器具でいずれでもよい。また、前記軸支する手段として例えば蝶番33があるが、ベアリングと軸との組み合わせでもよく、雄型8を上型プレート7に軸支できる部材であればいずれでもよい。
そして、前記雄型8を、図10に示すように前記雄型止着手段10により止着すること、及び前記ガイドピン兼用ボルト14のナットを螺入して前記上型プレート7に対して前記雄型8を固定化することにより前記上型プレート7の下面に当接させて水平方向で止着状態とし、かつ、図11に示すように前記雄型止着手段10を開放すること、及び前記ガイドピン兼用ボルト14のナットを緩めて前記上型プレート7に対して前記雄型8を開放することにより、前記上型プレート7との一端11の軸支位置を中心に前記円弧状の長孔溝部15に沿って矢印Bの方向に回転させて垂直方向に吊下げた状態になる。
この吊下げた状態で前記ガイドピン兼用ボルト14のナットを螺入して前記上型プレート7に対して前記雄型8を固定化する。これにより、雄型8の成形型面の位置が一定の位置に定まるので、レーザークリーナーを使った自動化ができ、生産性を向上させることができる。また、このときの雄型8の成形型面は図7、図12及び図14に示すように前記原料供給位置2側(A方向に向いて)から全体がはっきりと視認できる。
次に、下方の雌型5の構成について説明する。前記雌型5は図1に示すように前記下型プレート6上に固定され、電熱ヒータ(図示なし)が内設されている。そして、図15及び図16に示すように、前記上スライド板23上に固定された下型プレート6の下方には、前記下型プレート6下面と前記上スライド板23上面の両面に当接させて介在させた、伸長方向に付勢力を有するコイルスプリング41と、前記雄型8による無負荷時には前記コイルスプリング41により前記下型プレート6下面と上下方向で約1mmの隙間を生じさせ、前記雄型8による負荷時には下降する下型プレート6の下降を当接させて衝止させるとともに、図17及び図18に示すように、脱着自在の受圧台止着手段42及びころがり摩擦部材43を有する、前記ベース台100上に配置した受圧台40とを備えている。
前記上スライド手段24により前記雌型5・上スライド板23を、かつ前記ころがり摩擦部材43により前記受圧台40を、前記雄型8の回転時の作動範囲外に回避可能にする。前記ころがり摩擦部材43は、図16~図18に示すように、スプリング入りボールローラー43aやローラーコンベア(図示なし)があるが、受圧台40を、ベース台100上を手で押して移動可能な手段であればいずれでもよい。前記スプリング入りボールローラー43aの場合は平面視で四角形の受圧台40の安定化のため四角形の各角近傍にそれぞれ配設するようにし計4か所配設する。
また、前記受圧台40は前記ベース台100に脱着可能な受圧台止着手段42により位置決め固定される。前記受圧台止着手段42として、図17又は図18に示すように、例えばクランプレバー42aがある。前記クランプレバー42aは少なくとも2つを前記ベース台100上に予め定めた位置に螺入させて固定させている。そして、前記受圧台40の底板部に設けた少なくとも2つの溝44にクランプレバー42aのネジ部の外周面を嵌入させる。前記ネジ部の外周面の直径と前記溝44の幅とは略同一長さとすることにより、ベース台100に対して受圧台40を位置決めさせている。
前記クランプレバー42aを矢印D方向の一方向で締めると前記スプリング入りボールローラー43aのスプリング(図示なし)が圧縮され前記受圧台40の下端がベース台100の上面に当接し、前記クランプレバー42aを矢印D方向の他方向で緩めると前記スプリング入りボールローラー43aのスプリング(図示なし)が伸長され前記受圧台40の下端がC方向あるいはC1方向の上方向に上昇しベース台100の上面との間に隙間が生ずる。このときの隙間は、前記受圧台40が手で押して移動できればよいので、例えば約1mmでもよく、前記受圧台40の下端とベース台100の上面との間に隙間が生じればよい。
前記雌型5を焼上げ位置3で位置決めして固定するために、下型プレート6に設けたピン嵌合孔(図示なし)に、ベース台100に取り付けられたエアシリンダーの先端の尖ったピストンロッドが前記ピン嵌合孔に嵌合することにより雌型5の位置決め固定が行われる。
前記雄型8が前記昇降手段9の油圧シリンダーにより降下して雌型5に当接したときに前記雄型8が前記雌型5に嵌合し、前記雄型8と嵌合した状態で雌型5が下型プレート6と共に上方向に付勢力を有するコイルスプリング41により衝撃を緩和しながら降下して前記下型プレート6が前記受圧台40の上面45に当接すると前記雄型8による前記雌型5に対する圧力が所定の圧力まで上昇し加熱も同時にされ、前記原料供給位置2で投入された原料が型の形状に合う焼き上げ製品、例えばせんべいを焼き上げる。
そして、前記雄型8が、前記原料供給装置2側の一端11を前記上型プレート7に軸支され、前記製品取上位置4側の他端12を前記上型プレート7から雄型止着手段10により開放されると、前記上型プレート7との軸支位置を中心に前記円弧状の長孔溝部15に沿って回転させて垂直方向に吊下げた状態となる。
この雄型8を吊下げた状態のときは、図7や図12に見られるように、前記原料供給装置60の遮蔽物がなく、作業者の方向(A方向)から雄型8の成形型面の全面をしっかりと視認することができ、かつ、雄型8の手前側には遮蔽物が存しないので例えばレーザークリーナーを設置することができ、該レーザークリーナーからのレーザー光で雄型8の成形型面に満遍なく照射することができ、雄型8の成形型面に焼き付けで付着した食品原料の焦げ付きの取り残しがなくなるという顕著な効果を奏する。また、雄型8内に異物が残らないので焼き上げた食品への異物の混入が発生しないという顕著な効果を奏する。
次に、製品取上位置4における作動について説明する。前記製品取上位置4には製品取上装置70が配設されている。前記製品取上装置70は、昇降可能で、前記製品取上位置にスライドした下型プレート6上の前記雌型5内の製品を吸着して取り上げる吸着パッド71を備える。
前記製品取上装置70は、アングル状をなす枠体と、前記枠体の水平部分に正面視で雌型5の配置に対応して同間隔で並設される前後方向に配設したガイドレールと、前記ガイドレールにスライド可能に垂直方向に固設し垂下させたエアシリンダー72と、前記エアシリンダー72のピストンロッド端に固定した取付片の下面に対して常時当接するコイルスプリング73と、前記コイルスプリング73は下方向の付勢力を有して通気孔を備えた吸着パッド71と、空気圧縮ポンプからのメイン配管から分岐するチューブを介して吸着パッド71に前記空気圧縮ポンプからの空気の吸排を行う。
垂設させたエアシリンダー72をガイドレールに沿って前進・後退させ、前記吸着パッド71を製品取上位置4と、その前方の製品置き場位置4aとの間をスライドさせるクッション付きエアシリンダー(図示なし)と、製品置き場位置4aに配置されるコンベア(図示なし)とを備える。電磁切換弁(図示なし)の切換えにより吸着パッド71からエアの吸引或いは吐出を行う。すなわち、吸着パッド71が製品取上位置4にあるときは、エアを吸引して雌型5内の製品を吸着保持し、吸着パッド71が水平移動して製品置き場位置4aにスライドすると、エアを吐出して保持していた製品をコンベア上に載置するようになっている。
次に、前記雄型8の成形型面の清掃方法について、図3~図7に示す作動を含めて説明する。
まず、図3に示すように、姿焼き機1を停止する。そして、原料供給装置2の機枠にヒンジピン61で軸支されている一対のブラケット62を連結部分に差し込まれている止着手段としてのピン63を抜き、ブラケット62、撹拌装置64及びホッパー65を観音開き状に開にする。この観音開きにより、雄型8の清掃作業に遮蔽物がなくなるので、図3~図7は、図1から原料供給装置60を外した図にして前記雄型8の成形型面の清掃方法について説明する。
また、焼上げ位置3には受圧台40が配置されている。前記受圧台40は、雄型8からの加圧力を衝止させるため、ベッド100に固設させておく必要があるため、クランプレバー42aのレバーを回転させて前記受圧台40をベッド100にしっかりと締め付けている。これにより、前記受圧台40の上面45と前記下型プレート6の下面とは隙間約1mmあり、前記受圧台40の下端と前記ベース台100上面とは当接している。
次に、図4に示すように、焼上げ位置3にある雌型5を固定している下型プレート6を手動操作で、前側の製品取上位置4にスライドさせて移動する。これにより、雄型8を、上型プレート7と軸支された原料供給装置60側の一端を中心に上下方向に回転させても、雄型8と雌型5・下型プレート6との衝突を避けることができる。
次に、図5に示すように、受圧台40のクランプレバー42aをレバーを回転させて、受圧台40の下端部に固定したスプリング入りボールローラー43aのスプリングにより矢印C方向に約1mm上昇させる。これにより前記受圧台40の下端と前記ベース台100上面との間隙が約1mm生じ、受圧台40を手で移動可能になる。
次に、図6に示すように、受圧台40を雄型8の回転時の移動範囲外になるように前記製品取上位置4側に手でベース台100上を移動させる。
雌型5及び受圧台40の移動により、雄型8を、上型プレート7と軸支された原料供給装置2側の一端11を中心に上下方向に回転させても、雄型8と雌型5や受圧台40との衝突を避けることができる。
次に、図7に示すように、雄型8の上型プレート7への止着手段である、前記雄型8の他端12側を止着している密閉ハンドル30のレバー31を横方向に回して開放させ、前記ガイドピン兼用ボルト14のナットを緩めて前記上型プレート7に対して前記雄型8を開放させて、雄型8を上型プレート7と軸支された原料供給装置2側の一端11を中心に下方向にガイドプレート部13の長溝孔部15に沿って回転させて吊り下げ状態にし、前記ガイドピン兼用ボルト14のナットを螺入して前記上型プレート7に対して前記雄型8を固定化する。これにより、雄型8の成形型面の位置を固定化した位置から動かないようにでき、雄型8の成形型面を細部まで目視で確認できる。
次に、例えば、レーザークリーナーを使用して、レーザー光を雄型8の成形型面に満遍なく照射することによって、焼き付けで付着した焦げ付きを目視で隅々まで確認して剥離させることができる。これにより、清浄作業で雄型8の成形型面に焼き付けで付着した焦げ付きの取り残しがなくなる。
雄型8の成形型面の清浄が終了すると、前記雄型8、前記受圧台40、前記雌型5を固定した下型プレート6を元の状態に戻し、観音開きのブラケット62及びホッパー65等の原料供給装置60を元の状態に戻す。
1 姿焼き機
2 原料供給位置
3 焼上げ位置
4 製品取上位置
4a 製品置き場位置
5 雌型
6 下型プレート
7 上型プレート
8 雄型
9 昇降手段
10 雄型止着手段
11 一端
12 他端
13 ガイドプレート部
14 ガイドピン兼用ボルト
15 長孔溝部
21 下スライド板
22 下スライド手段
23 上スライド板
24 上スライド手段
30 密閉ハンドル
31 レバー
32 受け座
33 蝶番
40 受圧台
41 コイルスプリング
42 受圧台止着手段
42a クランプレバー
43 ころがり摩擦部材
43a スプリング入りボールローラー
44 溝
45 上面
60 原料供給装置
61 ヒンジピン
62 ブラケット
63 ピン
64 攪拌装置
65 ホッパー
70 製品取上装置
71 吸着パッド
72 エアシリンダー
73 コイルスプリング
80 制御装置
100 ベース台
101 下部固定レール
102 上部固定レール



Claims (3)

  1. 加熱手段を内蔵した雌型を上面に固定した下型プレートと、前記下型プレートを原料供給位置、焼上げ位置、製品取上位置の順に配置した三位置に水平移動させるスライド手段と、前記原料供給位置に配置され、前記原料供給位置にスライドさせた下型プレート上の雌型に一定量の原料を供給する原料供給装置と、前記焼上げ位置の上方に配設され、垂直方向に昇降する昇降手段の下端部に固定された上型プレートの下面に取り付けられ、下降時に前記焼上げ位置にスライドされ位置決めされた下型プレート上の前記雌型に嵌合する、加熱手段を内蔵した雄型と、前記製品取上位置の上方に配設され、前記製品取上位置にスライドさせた下型プレート上の前記雌型内の製品を吸着して取り上げる吸着パッドを備えた製品取上装置と、少なくとも前記加熱手段、スライド手段、原料供給装置、昇降手段及び製品取上装置を制御する制御装置と、を備える姿焼き機において、
    前記焼上げ位置に配設された前記雄型が、前記原料供給装置側の一端を上下方向で回転自由に前記上型プレートに軸支され、前記製品取上位置側の他端を前記上型プレートと着脱可能な雄型止着手段により着脱可能とし、
    前記上型プレートと前記雄型のいずれかの一方の側面に円弧状の長孔溝部を形成したガイドプレート部を固定し、他方の側面に前記長孔溝部に挿通させるガイドピン兼用ボルトを突設させて、
    前記雄型を、前記雄型止着手段を止着することにより前記上型プレートの下面に当接させて水平方向で止着状態とし、かつ、前記雄型止着手段を開放することにより前記上型プレートとの軸支位置を中心に前記円弧状の長孔溝部に沿って回転させて垂直方向に吊下げた状態で固定可能とすることを特徴とする姿焼き機。
  2. 前記スライド手段は、ベース台に対して前後方向に下スライド板をスライドさせる下スライド手段と、前記下スライド板に対して前後方向に上スライド板をスライドさせる上スライド手段とを有し、
    前記上スライド板上に固定された下型プレートの下方には、
    前記下型プレート下面と前記上スライド板上面の両面に当接させて介在させた、伸長方向に付勢力を有するコイルスプリングと、
    前記雄型による無負荷時には前記コイルスプリングにより前記下型プレート下面と上下方向で隙間を生じさせ、前記雄型による負荷時には下降する下型プレートの下降を衝止させるとともに、脱着自在の受圧台止着手段及びころがり摩擦部材を有する、前記ベース台上に配置した受圧台とを備え、
    前記上スライド手段により前記雌型・上スライド板を、かつ前記ころがり摩擦部材により前記受圧台を、前記雄型の回転時の作動範囲外に回避可能にすることを特徴とする請求項1に記載の姿焼き機。
  3. 前記原料供給位置に配設された原料供給装置は、左右両端がベース台に立設された機枠にヒンジピンにて軸支されて水平に旋回可能で観音開き状に開閉する一対のブラケットを備え、前記ブラケットにホッパー及び原料を攪拌する攪拌装置が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の姿焼き機。
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