JP2022023768A - 血圧測定用カフ - Google Patents

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Abstract

【課題】使い勝手の良い血圧測定用カフを提供する。【解決手段】血圧測定用カフ1は、外布11と外布11に対向する内布12とで空気袋7を内包してなる帯状体10と、帯状体10の長手方向の一方の端縁itに接近する位置で保持され帯状体10の短手方向に延びるリング状部材20と、帯状体10の端縁itとリング状部材20との間の末端領域Eeの内部に収納された短手方向に延びる補助部材40と、を備え、末端領域Eeにおける外布11と内布12とは、補助部材40を挟み込んだ状態で溶着されている。【選択図】図10

Description

本発明は、血圧を測定する血圧計に用いられる血圧測定用カフに関する。
特許文献1には、折り返しタイプの血圧測定装置用圧迫帯が記載されている。この血圧測定装置用圧迫帯は、空気袋を収納する外装袋の表面に面ファスナーが縫合された構成となっている。また、この血圧測定装置用圧迫帯の外装袋は、外側部材と内側部材を溶着することで構成されている。この血圧測定装置用圧迫帯の一端には、血圧測定装置用圧迫帯の他端を通して折り返すためのリング部材が設けられている。このリング部材は、その一部が外側部材と内側部材で挟まれて保持される。更に、このリング部材は、血圧測定装置用圧迫帯の一端が内側部材側に折り返されて縫合されることで、外装袋に支持される構成となっている。
特許文献2には、血圧測定用カフが記載されている。この血圧測定用カフは、起毛された外布と内布を溶着して形成された袋状の帯状体を備えている。内布には、面ファスナーが設けられている。外布には、帯状体の一端を通すためのリング部材が、リング取付部材によって取り付けられている。リング取付部材は、外布と同じ布材をリング部材の一辺を取り囲むように折り返し、折り返した部分を残りの平坦部分に縫製して形成されている。リング取付部材の表側に見える部分は起毛されており、上記面ファスナーと係合可能になっている。リング取付部材の平坦部分は、外布に溶着された構成が開示されている。
特許第06031859号 特許第06098237号
特許文献1、2のように、リング部材が設けられた帯状体の構成においては、リング部材よりも帯状体の長手方向外側に、ある程度の剛性を有する板状部材を内在させる領域を設けることがある。この領域は、リング状部材が被測定部位に直接接触するのを防止し、巻き付けたときの装着性を良くするために設けられる。しかしながら、この領域が、リング部材の隙間に入り込んでしまったり、装着時に内側に折れ曲がるように入り込んでしまったりする場合がある。この結果、帯状体の装着時において痛みを感じるような場合がある。
本発明の目的は、帯状体の末端領域に起因する装着時における痛みを感じることのない使い勝手の良い血圧測定用カフを提供することにある。
(1)
第一表皮部材と、前記第一表皮部材に対向する第二表皮部材とで流体袋を内包してなる帯状体と、
前記帯状体の長手方向の一方の端縁に接近する位置で保持され前記帯状体の短手方向に延びるリング状部材と、
前記帯状体における前記長手方向の前記一方の端縁と前記リング状部材との間の末端領域の内部に収納された前記短手方向に延びる補助部材と、を備え、
前記末端領域における前記第一表皮部材と前記第二表皮部材とは、前記補助部材を挟み込んだ状態で溶着又は接着されている血圧測定用カフ。
(1)によれば、リング状部材に近接する末端領域の第一表皮部材と第二表皮部材が補助部材を挟み込んだ状態で溶着又は接着されているため、この末端領域の剛性を高めることができる。この結果、この末端領域がリング状部材を通り抜けてしまうのを防ぐことができる。したがって、リング状部材が被測定部位に当たった状態で被測定部位の圧迫が行われるのを防ぐことができる。また、帯状体の長手方向の一方側の端部における縫合箇所を溶着又は接着にして減らすことができる。このため、耐久性を向上させることができ且つ生産性を高めるだけでなく外見品質を高めることができる。
(2)
(1)記載の血圧測定用カフであって、
前記末端領域における前記第一表皮部材と前記第二表皮部材の溶着領域又は接着領域は、前記補助部材を取り囲んで形成されている血圧測定用カフ。
(2)によれば、末端領域は、補助部材を囲むように溶着領域又は接着領域が形成されているので、末端領域の剛性を効果的に高めることができる。
(3)
(1)又は(2)記載の血圧測定用カフであって、
前記リング状部材は、前記第一表皮部材と前記第二表皮部材に挟まれて取り付けられており、
前記第一表皮部材と前記第二表皮部材は、前記末端領域とは前記リング状部材を挟んで反対側で該リング状部材に隣接する隣接領域において更に溶着又は接着されている血圧測定用カフ。
(3)によれば、リング状部材は、溶着又は接着で形成される末端領域と隣接領域によって囲まれて保持される。このため、リング状部材を保持する隙間を少なくした取り付けが可能となり、リング状部材の可動範囲を十分に狭くできる。この結果、末端領域がリング状部材を通り抜けてしまうのをより強く防ぐことができる。
(4)
(1)から(3)のいずれか1つに記載の血圧測定用カフであって、
前記末端領域の前記長手方向の幅は、前記帯状体の外に位置する前記リング状部材と前記帯状体との隙間よりも大きい血圧測定用カフ。
(4)によれば、隙間よりも末端領域の幅の方が大きいので、末端領域がリング状部材を通り抜けてしまうのをより強く防ぐことができる。
(5)
(1)から(4)のいずれか1つに記載の血圧測定用カフであって、
前記末端領域における前記第一表皮部材の前記補助部材側の面と、前記補助部材とは、固着されている血圧測定用カフ。
(5)によれば、第一表皮部材と補助部材との間のスティックスリップの発生を抑制して血圧測定精度を向上させることができる。
(6)
(5)記載の血圧測定用カフであって、
前記第一表皮部材は、前記帯状体を被測定部位に巻き付けて固定した状態において、前記被測定部位に非接触となる側の部材であり、
前記第二表皮部材は、前記状態において、前記被測定部位に接触する側の部材である血圧測定用カフ。
(6)によれば、第一表皮部材と補助部材との間のスティックスリップの発生を抑制して血圧測定精度を向上させることができる。
本発明によれば、帯状体の末端領域に起因する装着時における痛みを感じることのない使い勝手の良い血圧測定用カフを提供することができる。
本発明の一実施形態の血圧測定用カフを外側面の方向から見た平面図である。 図1に示す血圧測定用カフを内側面の方向から見た平面図である。 図1に示す血圧測定用カフの分解斜視図である。 図1のA-A線に沿った部分の断面図である。 図1に示す血圧測定用カフの外布及び内布の拡大断面図である。 図1に示す血圧測定用カフの製造に際して、第一面ファスナーを溶着する前の状態を示す概略拡大断面図である。 図1に示す第一面ファスナーの溶着状態を示す概略拡大断面図である。 図1に示す血圧測定用カフにおける第二面ファスナーが設けられた側の端部を示す拡大斜視図である。 図8のB-B線に沿った部分の断面図である。 図1に示す血圧測定用カフにおける末端領域を示す拡大斜視図である。 図10に示す末端領域のC-C線に沿った部分の拡大断面図である。 図1に示す血圧測定用カフを被測定部位に取り付ける途中の状態を示す概略断面図である。 図1に示す血圧測定用カフにおける末端領域の変形例を示す拡大斜視図である。 図13に示す末端領域のC-C線に沿った部分の拡大断面図である。
(実施形態の生体音測定装置の概要)
まず、本発明の血圧測定用カフの実施形態の概要について説明する。実施形態の血圧測定用カフは、帯状体の端縁に接近して保持されるリング状部材とこの端縁の間の末端領域を、内部に補助部材を有した溶着によって形成したものである。これにより、末端領域の剛性を高めて、末端領域がリング状部材を通り抜けてしまうのを防いで、帯状体の装着性を向上させている。
以下、実施形態の血圧測定用カフの具体的な構成例について説明する。なお、以下で説明する2つの部材の溶着方法は、熱溶着、高周波溶着、又は超音波溶着等の各種の方法を採用できる。
(実施形態)
図1は、本発明の一実施形態の血圧測定用カフ1を外側面の方向から見た平面図である。図2は、図1に示す血圧測定用カフ1を内側面の方向から見た平面図である。図3は、図1に示す血圧測定用カフ1の分解斜視図である。図4は、図1のA-A線に沿った部分の断面図である。図5は、図1に示す血圧測定用カフ1の外布11及び内布12の拡大断面図である。
図1及び図2に示すように、血圧測定用カフ1は、第一表皮部材を構成する外布11と、外布11に対向する第二表皮部材を構成する内布12と、を有する帯状体10を備える。外布11と内布12とは部分的に固着されて内部に収納空間SP(図4参照)を形成している。この収納空間SPには流体袋を構成する空気袋7が収納されている。流体袋とは、空気等の流体の供給及び排出が可能な袋であり、流体の供給によって膨張するものである。空気袋7は、流体として空気の供給及び排出が可能なものである。
帯状体10は、被測定部位である上腕部M(図12参照)に巻き回された状態にて、上腕部Mの周方向に延びる帯状となっている。この状態におけるこの周方向が帯状体10の長手方向となり、上腕部Mの軸方向が帯状体10の短手方向(幅方向)となる。以下、帯状体10の長手方向を単に長手方向とも記載し、帯状体10の短手方向を単に短手方向とも記載する。
内布12は、図12に示す上腕部Mへの装着状態において上腕部Mと接触する側の面を構成する。外布11は、図12に示す上腕部Mへの装着状態において上腕部M側と反対側を向く面を構成する。本実施形態では、帯状体10における長手方向の一方の端縁を端縁itと記載し、帯状体10における長手方向の他方の端縁を端縁utと記載する。外布11と内布12は、その周囲が後述するように溶着にてつなぎ合わされることによって、外装の袋体を形成し、その内側に空気袋7が位置する構成となっている。本実施形態では、外布11と内布12とが溶着されている領域を溶着領域Wpで示す。溶着領域Wpは第一溶着領域を構成する。
外布11及び内布12は、それぞれ、図5に示すように、例えば複数層構造となっている。内布12は、被測定部位を圧迫するために伸縮性が大きく編まれたポリエステル布又はナイロン布等から構成されるシート状の第一部材12uと、第一部材12uの内側(収納空間SP側)に接着されたPVC(ポリ塩化ビニル)フィルム等から構成されるシート状の第二部材12iと、を備える。第一部材12uは表面部材を構成する。第二部材12iは背面部材を構成する。
外布11は、内布12に比して伸縮性が極めて小さく(実質的に非伸縮性に)編まれたポリエステル布又はナイロン布等から構成されるシート状の第一部材11uと、第一部材11uの内側(収納空間SP側)に接着されたPVCフィルム等から構成されるシート状の第二部材11iと、を備える。外布11と内布12をそれぞれ複数層構造とするのは、それぞれの伸縮性や強度の調整を行うために有効である。
外布11の第二部材11iと内布12の第二部材12iは、それぞれ、溶着に適した材料で構成されていればよい。このような材料としては、熱可塑性樹脂等の樹脂を含む材料を挙げることができる。前述した溶着領域Wpは、第二部材11iと第二部材12iとが溶着されて形成される領域である。
図3に示すように、血圧測定用カフ1は、外布11と内布12との間に、第一面ファスナー5、第一面ファスナー5よりも平面積の小さい第二面ファスナー8、空気袋7を形成する袋用シート部材9、長楕円形のリング状部材20、管状のストッパチューブ30、及び、板状の補助部材40、が組み込まれている構成である。
外布11には、矩形状の開口である第一開口部15と、第一開口部15よりも小さい矩形状の開口である第二開口部18と、が形成されている。第一開口部15と第二開口部18の各々の形状は矩形としているがこれに限るものではなく、任意の形状を採用できる。第二開口部18は、帯状体10の端縁utの近傍に設けられている。第一開口部15は、第二開口部18と帯状体10の端縁itとの間に設けられている。図4に示すように、第一開口部15と第二開口部18は、外布11のうちの、収納空間SPを形成している部分に形成されている。
第一開口部15には、第一面ファスナー5が対応して設けられる。第一面ファスナー5は、第一開口部15を収納空間SP側から閉じる状態にて外布11に溶着されている。本明細書では、外布11における第一面ファスナー5が溶着されている領域を溶着領域Wpf1で示す。図1及び図2の例では、溶着領域Wpf1は、略矩形の枠状となっている。溶着領域Wpf1は、第三溶着領域を構成する。
溶着領域Wpf1のうち、端縁ut側の端部にある短手方向に延びる部分を溶着領域Wpf1bと記載する。溶着領域Wpf1のうち、端縁it側の端部にある短手方向に延びる部分を溶着領域Wpf1dと記載する。溶着領域Wpf1のうち、短手方向の両端部にある長手方向に延びる部分を溶着領域Wpf1a、Wpf1cと記載する。
第一面ファスナー5の表面には、ファスナー面である起毛面5kが形成されている。第一面ファスナー5は、その起毛面5kが第一開口部15から露出する状態で、帯状体10の内側(収納空間SP側)から、外布11に対して溶着されている。
第二開口部18には、第二面ファスナー8が対応して設けられる。第二面ファスナー8は、第二開口部18を収納空間SP側から閉じる状態にて外布11に溶着されている。本明細書では、外布11における第二面ファスナー8が溶着されている領域を溶着領域Wpf2で示す。図1及び図2の例では、溶着領域Wpf2は、略矩形の枠状となっている。
第二面ファスナー8の表面には、起毛面5kに対して係合可能なファスナー面としてフック面8kが形成されている。第二面ファスナー8は、そのフック面8kが第二開口部18から露出する状態で、帯状体10の内側から、外布11に対して溶着されている。第一面ファスナー5の第一開口部15から露出する起毛面5kの面積は、第二面ファスナー8の第二開口部18から露出するフック面8kの面積よりも大きくなっている。
このように、第一面ファスナー5と第二面ファスナー8は、起毛面5k及びフック面8kが帯状体10の外面側に露出するように設けられている。したがって、リング状部材20を使って帯状体10を端縁ut側で折り返して上腕部Mに巻き付ける際に、第一面ファスナー5と第二面ファスナー8を係合させることができる。
図4に示すように、内布12には、収納空間SP側の面(前述した第二部材12i)に、袋用シート部材9が溶着されている。袋用シート部材9は、伸縮性の高い材料によって構成されたシート状部材である。袋用シート部材9の材料としては、特に制限されないが、樹脂を含むものが好ましく用いられ、例えばPVCをより好ましく用いることができる。
袋用シート部材9は、内布12に対して所定の位置で、その周縁部が全周にわたって内布12の内側面(第二部材12i)に溶着される。これにより、袋用シート部材9と内布12とによって気密空間が形成される。この気密空間が空気袋7として機能する。本明細書では、内布12における袋用シート部材9が溶着されている領域を溶着領域Wpsで示す。図1及び図2の例では、溶着領域Wpsは、略矩形の枠状となっている。溶着領域Wpsは、第二溶着領域を構成する。図1及び図2に示すように、溶着領域Wpsは、収納空間SPを形成している外布11と内布12の溶着領域Wpよりも内側に形成されている。
袋用シート部材9には、上記の気密空間に対して空気の供給及び排出が可能な管接続部7bが設けられる。管接続部7bは、血圧計の本体(不図示)に繋がるエアー管atが接続される部分である。
袋用シート部材9は、収納空間SPにおける端縁it側に偏心して配置されている。帯状体10においては、第一面ファスナー5が端縁it側に設けられており且つ大面積である。このため、第一面ファスナー5は、図1及び図2に示すように、袋用シート部材9と重なる重畳領域Pを有している。
図1に示すように、第一面ファスナー5の重畳領域Pにおける外布11との溶着領域Wfp1(図の例では略U字状の部分)のうち、長手方向に延びる図中上下の部分(溶着領域Wpf1a及び溶着領域Wpf1c)は、溶着領域Wpsにおける長手方向に延びる図中上下の部分よりも短手方向の内側に位置している。更に、第一面ファスナー5の重畳領域Pにおける外布11との溶着領域Wfp1のうち、短手方向に延びる図中左側の部分(溶着領域Wpf1d)は、溶着領域Wpsの内側に位置している。つまり、重畳領域Pにおける溶着領域Wpf1の大部分は、溶着領域Wpsの内側に位置しており、溶着領域Wpsと重なりをほとんど持たない構成となっている。
図6は、血圧測定用カフ1の製造に際して、第一面ファスナー5を溶着する前の状態を示す概略拡大断面図である。
図6に示すように、第一面ファスナー5は、溶着直前の状態では、第一開口部15の開口周縁部15eに対して、起毛面5kの周縁側部5eが対面している。このような状態において、溶着機の溶着ヘッドWHにより、外布11に所定の圧力がかけられて溶着が行われる。すなわち、起毛面5kの周縁側部5eと、開口周縁部15eの第二部材11iとが所定の圧力で押圧された状態で、この開口周縁部15eの第二部材11iが溶融され、第二部材11iの溶融部分に起毛面5kの周縁側部5eが入り込む。
図7は、図1に示す第一面ファスナー5の溶着状態を示す概略拡大断面図である。
図7に示すように、第一開口部15の開口周縁部15eと起毛面5kの周縁側部5eは、起毛面5kが開口周縁部15e内へ沈み込むような溶着状態となる。したがって、この溶着は、通常の平面同士の溶着に比べると、起毛面5kの構造から判るように、第二部材11iが起毛面5kと絡み合いやすく、係合面積も大きくでき係合力はより強固な状態にすることができる。
図6及び図7に示すように、第一面ファスナー5は、ファスナーベース5b上に起毛面5kが形成され、ファスナーベース5bにおける起毛面5kの反対面に、接着剤等によってファスナー背面部材5cが固着された構成となっている。なお、起毛面5kのファスナーベース5b側とは反対側の先端面の位置は、外布11の第一部材11uの半分の厚みの位置よりも外布11の外表面側にあることが好ましく、外布11の外表面と同じ位置であることがより好ましい。このようにすることで、第一面ファスナー5と第二面ファスナー8との結合を良好に行うことが可能となる。また、カフの外観品質を向上させることができる。
ファスナー背面部材5cは、伸縮性が第一部材11uと同じか、又は第一部材11uよりも低い素材が用いられる。ファスナー背面部材5cは、例えば、ターポリン、ポリエステル布、又はPVCフィルム等を用いることができる。ファスナー背面部材5cの素材の選定によって、外布11に第一開口部15が形成されたことによる外布11の伸縮性や強度等の変化を適宜補うことができる。
第二面ファスナー8は、第一面ファスナー5と同様にファスナー背面部材を有する構成であってもよいが、以下のような構成とすることが望ましい。
図8は、図1に示す血圧測定用カフ1における端縁ut側を示す拡大斜視図である。
図8に示すように、溶着領域Wpf2の内側は、溶着領域Wpf2と略同じ高さか或いは若干低い状態で第二面ファスナー8のフック面8kが設けられている。なお、帯状体10の端縁ut側のストッパ部30bは、後述するように、帯状体10の端縁utがリング状部材20から抜けないようにするために必要な厚肉形成部である。
図9は、図8のB-B線に沿った部分の断面図である。
図9に示すように、第二面ファスナー8は、フック面8kとは反対側に、第一面ファスナー5とは異なり、ファスナー背面部材が設けられていない構造である。つまり、第二面ファスナー8は、フック面8kが形成されたファスナーベース部材8bのみによって構成されている。第二面ファスナー8は、第一面ファスナー5と同様に、外布11の第二部材11iと接するフック面8kの周縁側部が第二部材11iに溶着され、外布11と強固に結合されている。なお、フック面8kのファスナーベース部材8b側とは反対側の先端面の位置は、外布11の第一部材11uの半分の厚みの位置よりも外布11の外表面側にあることが好ましく、外布11の外表面と同じ位置であることがより好ましい。このようにすることで、第一面ファスナー5と第二面ファスナー8との結合を良好に行うことが可能となる。また、カフの外観品質を向上させることができる。
図10は、血圧測定用カフ1における末端領域Eeを示す拡大斜視図である。図11は、図10のC-C線に沿った部分の断面図である。
図10に示すように、帯状体10には、端縁itに接近する位置にリング状部材20が保持されている。具体的には、リング状部材20は、図11に示すように、外布11と内布12の間に挟まれて帯状体10に取付けられている。リング状部材20は、帯状体10の短手方向に当該帯状体10の幅よりも少し大きく延びた長楕円形を有している。
帯状体10における端縁itとリング状部材20との間の末端領域Eeには、リング状部材20と略平行に短手方向に延びる平面視で長方形状の板状の補助部材40が設けられている。補助部材40は、外布11と内布12との間に挟まれるようにして固定されている。補助部材40は、その周囲四辺が溶着領域Wpにて囲まれており、その囲まれた空間の中で動かないように確りと固定されている。ここで、補助部材40周囲の溶着領域Wpは、末端領域Eeにおいて、補助部材40が配置されている部位以外のところすべてに形成されている。
2つの部材を溶着して形成される領域は、この2つの部材を縫合によって固着する構成と比べると、剛性が高くなる。補助部材40は、その素材を特に制限するものではないが、外布11よりも硬質の、例えば合成樹脂等の素材にて構成されている。末端領域Eeは、補助部材40を除いた全体部分が溶着領域Wpとなっており、更に硬質の補助部材40を内部に含む。このため、末端領域Eeは、帯状体10の他の部分に比べて剛性の高い領域として構成されている。
図11に示すように、帯状体10は、リング状部材20の取り付け箇所の周囲も溶着領域Wpにて構成されている。すなわち、外布11と内布12は、末端領域Eeとはリング状部材20を挟んで反対側でリング状部材20に隣接する隣接領域Ceにおいても、溶着されている。
このように、リング状部材20は、溶着領域Wpによって囲まれて動かないように確りと取り付けられている。なお、ここで言う動かないとは、リング状部材20の取付け部分を中心にして揺動することができるが、その揺動軸心が帯状体10の長手方向に動かないということである。
図11に示すように、末端領域Eeは、帯状体10の長手方向における幅L1が、帯状体10の外に位置するリング状部材20と帯状体10の表面との隙間Tsの幅L2よりも大きく構成されている。したがって、末端領域Eeがリング状部材20側に動いた場合、或いはリング状部材20が末端領域Ee側に動いた場合、帯状体10の端縁itが隙間Ts内に入り込み難い状態にすることができる。
(血圧測定用カフ1の製造工程)
以下、血圧測定用カフ1の製造の一例について説明する。この場合、図3に示す各構成部品を、下記の如き溶着して製造することができる。
外布11側の溶着工程について説明する。
先ず、第一面ファスナー5を、起毛面5kを上向きにし、その上に外布11を重ね合わせるようにして、第一開口部15を第一面ファスナー5によって塞ぐように溶着機にセットする。この状態で、第一開口部15の開口周縁部15e(図6参照)における第二部材11iと第一面ファスナー5の起毛面5kとを溶着する。続いて、第二面ファスナー8についても、第一面ファスナー5と同様に外布11に溶着する。
内布12側の溶着工程について説明する。
先ず、袋用シート部材9の所定の位置に、管接続部7bを溶着する。続いて、袋用シート部材9を内布12の内面側に溶着する。この袋用シート部材9の溶着領域Wpsの位置は、帯状体10の溶着領域Wp及び第一面ファスナー5の溶着領域Wpf1の大部分と重ならないように考慮されている。
例えば、帯状体10の短手方向における袋用シート部材9の幅寸法を、第一面ファスナー5の溶着領域Wpf1の短手方向外側に位置するようにする。これにより、帯状体10の長手方向に沿う溶着領域Wpsは、第一面ファスナー5の溶着領域Wpf1と帯状体10の外縁の溶着領域Wpとの間に位置することができる。この結果、帯状体10の長手方向にそれぞれ延びる、溶着領域Wpと溶着領域Wpsと溶着領域Wpf1とが、帯状体10の厚み方向において重なるのが回避される。それぞれが剛性を持つ長手方向に延びる複数の溶着領域が重ならないことで、帯状体10の特定箇所において剛性が高くなるのを防いで、帯状体10の装着時の硬化部分による違和感・不快感が回避される。
次に、外布11と内布12とを、その内面側を対面するようにして溶着機にセットする。この状態で、外布11と内布12の外縁を溶着する。ここでは、隣接領域Ceと端縁utとの間の領域を溶着する。
次に、リング状部材20と端縁itとの間(末端領域Ee)を溶着する。この溶着に際しては、補助部材40を外布11及び内布12間に入れて溶着を実施する。その後、予め外布11及び内布12間に挿入しておいたストッパチューブ30を、端縁ut側の所定位置に移動してから、当該ストッパチューブ30の外周を溶着し、ストッパ部30bを形成する。以上により、血圧測定用カフ1の製造工程が完了する。
上記のような製造工程によって、血圧測定用カフ1は、その全ての固着部分が溶着領域により構成された縫合レスの構成となる。具体的には、外布11と内布12との間に形成される収納空間SPには、第一面ファスナー5及び第二面ファスナー8並びに空気袋7が溶着にて固定・収納される。更に、帯状体10の端縁it側には、リング状部材20及び補助部材40が溶着にて取り付けられる。また、帯状体10の端縁ut側には、ストッパチューブ30が溶着にて取り付けられる。このように、血圧測定用カフ1の全ての組立は、溶着のみによって行われている。
図12は、血圧測定用カフ1を上腕部Mに取り付ける途中の状態を示す概略断面図である。
図12に示すように、血圧を測定する際には、血圧測定用カフ1を被測定部位としての上腕部Mに装着する。この場合、帯状体10の端縁utをリング状部材20に予め通しておく。すなわち、ストッパ部30bをリング状部材20の隙間Tsを通過させておくことで、帯状体10のループ形状が常に維持され、上腕部Mへの装着を容易とする。
このようにして形成した帯状体10のループ内に腕を通して上腕部Mの所定位置に、空気袋7が位置するようにすると共に、帯状体10のリング状部材20を通した部分を折り返すように引っ張る。そして、帯状体10が、上腕部Mを適宜圧力で圧迫するようにし、第二面ファスナー8を第一面ファスナー5に押し付けて固定する。この巻き付け操作に際して、末端領域Eeは、その剛性によって、不測の折れ曲がりが生じることもなく、その内側面が上腕部Mに接する状態が維持される(図示の状態)。したがって、巻き付けが完了した状態においては、リング状部材20は、折り返し方向に倒れて、先端側20eが、必ず補助部材40の外側に位置し、リング状部材20が上腕部Mに直接触れるような状態は生じない。
(血圧測定用カフ1の効果)
以上のように、血圧測定用カフ1によれば、帯状体10の内側に第一面ファスナー5及び第二面ファスナー8が設けられる。このため、帯状体10の装着時等における第一面ファスナー5及び第二面ファスナー8への物体の引っ掛かりを防ぐことができる。この結果、第一面ファスナー5及び第二面ファスナー8の剥がれを防いで血圧測定用カフ1の耐久性を向上させることができる。
また、第一面ファスナー5及び第二面ファスナー8は、外布11に溶着される。このため、従来の縫製に比べ、血圧測定用カフ1の製造を容易に行うことができ、製造コストを下げることができる。更に、外布11の外表面に縫合によって第一面ファスナー5及び第二面ファスナー8を固着する構成と比べて、縫合部やファスナー端縁が見えないので、血圧測定用カフ1の外観品質を向上させることができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、外布11として一般的に用いられる材料を利用して第一面ファスナー5及び第二面ファスナー8と外布11を溶着することができる。このため、帯状体10としては、既存の血圧測定用カフの素材をそのまま利用することができ、製造コストの増加を防ぐことができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、第一面ファスナー5において、第一開口部15からの露出面の背面側に第一部材11uと同じかそれよりも伸縮性の低いファスナー背面部材5cが設けられている。これにより、第一開口部15が形成されたことによる外布11の伸縮性の増大をファスナー背面部材5cによって抑制することができる。この結果、血圧の計測に適した被測定部位の圧迫状態を実現することができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、外布11において占める割合の大きい第一面ファスナー5の背面側にファスナー背面部材5cが設けられる。このため、外布11全体としての伸縮性を十分に適宜に調整することができる。この結果、血圧の計測に適した被測定部位の圧迫を実現することができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、被測定部位の圧迫に大きく寄与する空気袋7に近い側の第一面ファスナー5の背面側にファスナー背面部材5cが設けられる。これによって、空気袋7近傍における外布11の伸縮性をそれに適するように調整することができる。この結果、血圧の計測に適した被測定部位の圧迫を実現することができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、第二面ファスナー8にはファスナー背面部材が設けられないため、必要以上に部材を付加することなく構成を簡略化して製造コストを下げることができる。第二面ファスナー8の面積は小さく、また、端縁utの近くに配置される。このため、第二開口部18が存在することで、帯状体10の第二面ファスナー8の部分において外布11の伸縮性が多少増大する場合でも、血圧測定への影響は軽微なものとすることができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、リング状部材20に近接する末端領域Eeの外布11と内布12が補助部材40を挟み込んだ状態で溶着されている。このため、この末端領域Eeの剛性を高めることができる。この結果、末端領域Eeがリング状部材20を通り抜けてしまうのを防ぐことができる。したがって、リング状部材20が被測定部位に当たった状態で被測定部位の圧迫が行われるのを防ぐことができる。
また、帯状体10の端縁itにおける従来の縫合箇所を溶着にして減らすことができるので、耐久性を向上させることができ且つ生産性を高めるだけでなく外見品質を高めることができる。
特に、血圧測定用カフ1によれば、末端領域Eeは、補助部材40を囲むように溶着領域Wpが形成されているので、末端領域Eeの剛性を効果的に高めることができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、リング状部材20は、末端領域Eeと隣接領域Ceによって囲まれて溶着領域Wpで保持されている。このため、リング状部材20を保持する隙間を少なくした帯状体10への取り付けが可能である。これにより、リング状部材20の可動範囲を十分に狭くできる。この結果、末端領域Eeがリング状部材20を通り抜けてしまうのをより強く防ぐことができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、リング状部材20によって形成される隙間Tsの幅L2よりも末端領域Eeの幅L1の方が大きい。このため、末端領域Eeがリング状部材20を通り抜けてしまうのをより強く防ぐことができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、空気袋7が袋用シート部材9の内布12への溶着によって形成される。このため、例えば、空気袋を別途製造する工程もなく、空気袋を外布11及び内布12間に組み込む作業も無くすことができる。この結果、血圧測定用カフ1は、空気袋7の部品や製造工数が減って製造コストを削減することができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、空気袋7が内布12への溶着によって形成できることから、空気袋7の配置位置を柔軟に決めることができる。例えば、前述したように、帯状体10の長手方向にそれぞれ延びる、溶着領域Wpと溶着領域Wpsと溶着領域Wpf1とが、帯状体10の厚み方向において重なるのを防ぐ設計も可能となる。このため、帯状体10の装着性を向上させることができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、空気袋7を構成する袋用シート部材9が外布11には固着されていない。このため、外布11に対する加工を自由に行うことができる。この結果、カフの設計自由度を高めて製造コストを抑制できる。また、血圧測定用カフ1は、袋用シート部材9が外布11とは別体として構成され、更に、外布11とは固着されていない構成である。このため、外布11側から空気袋7に伝わるノイズを抑制することができ、血圧測定精度を向上させることができる。
また、血圧測定用カフ1によれば、第一面ファスナー5と外布11との溶着領域Wfp1のうち溶着領域Wpf1dが、溶着領域Wpsの内側に位置している。このため、溶着領域Wpsと溶着領域Wpf1dとが重なることによる、その重なり領域における帯状体10の硬質化を防ぐことができる。この結果、帯状体10の装着性を向上させることができる。
(血圧測定用カフ1の変形例)
上記実施形態においては、第一面ファスナー5及び第二面ファスナー8の何れも面ファスナーとして説明したが、第一面ファスナー5及び第二面ファスナー8は互いに係止できれば良く、一方側は、単なる起毛構造の通常の布でもよい。つまり、外布11の第一部材12uを起毛構造の布で構成し、この外布11の起毛構造に係止可能な1つの面ファスナーを外布11に対して溶着にて設ける構成としてもよい。また、上記実施形態においては、ファスナー面として、第一面ファスナー5を起毛面5kとし、第二面ファスナー8をフック面8kとしたが、これに限るものでなく、逆の構成であってもよい。
また、上記実施形態においては、外布11と内布12のうちの内布12のみに袋用シート部材9が溶着されて空気袋7が形成される構成としているが、この逆の構成であってもよい。つまり、外布11と内布12のうちの外布11のみに袋用シート部材9が溶着されて空気袋7が形成される構成であってもよい。具体的には、外布11の第二部材11iに袋用シート部材9が溶着されて空気袋7が形成されていてもよい。この場合、外布11と袋用シート部材9との溶着領域は、平面視において、図2の溶着領域Wpsと同じ位置に設ければよい。なお、この構成では、第一面ファスナー5と袋用シート部材9の溶着領域Wpsとが一部重なることになる。しかし、第一面ファスナー5にはファスナー背面部材5cが存在する。このため、この重なる部分において、袋用シート部材9を、第一面ファスナー5を介して外布11に溶着することが可能となる。
また、上記実施形態においては、リング状部材20が外布11と内布12の間に取付けられる構成としたが、これに限るものではなく、例えば、帯状体10の外表面に、別の取付部材を介して保持される構成であっても良い。
また、上記実施形態においては、末端領域Eeにおける外布11と内布12が、補助部材40を挟み込んだ状態で溶着されるものとしたが、これに限らない。例えば、末端領域Eeにおける外布11と内布12が、補助部材40を挟み込んだ状態で接着されて固着されていてもよい。同様に、隣接領域Ceにおいても、外布11と内布12が接着されて固着されていてもよい。この場合の接着領域の範囲は溶着領域Wpと同じである。接着の方法としては、外布11と内布12の何れかに接着剤を塗布して接着を行う方法、外布11と内布12のいずれかに熱硬化性のテープを貼り付けた状態で加熱して接着を行う方法等を採用できる。
なお、血圧測定用カフ1における補助部材40は、外布11と内布12とで密閉された空間に収容されることになるため、この空間内でほとんど動くことはない。しかし、補助部材40の動きをより強く防ぐために、補助部材40と外布11とを固着する構成とすることが好ましい。以下、図13と図14を参照してこの変形例について説明する。
図13は、図1に示す血圧測定用カフ1における末端領域Eeの変形例を示す拡大斜視図である。図14は、図13に示す末端領域EeのC-C線に沿った部分の拡大断面図である。図13は、血圧測定用カフ1の末端領域Eeに、5つの固着領域40Wが追加された点を除いては、図10と同じ構成である。
固着領域40Wは、外布11における内布12と固着される側の内面(図5に示した第二部材11i)のうちの補助部材40と対面する領域の一部と、補助部材40とが溶着又は接着等によって固着されている領域である。図13の例では、5つの固着領域40Wが、帯状体10の短手方向に等間隔で並んで設けられている。この固着領域40Wの存在により、補助部材40の外布11側の面40A(図14参照)と外布11とが固着される。
血圧を測定する際には、図12に示した状態から、第二面ファスナー8を第一面ファスナー5に押し付けて血圧測定用カフ1を上腕部Mに固定する。そして、空気袋7への空気の供給及び排出によって、上腕部Mの圧迫圧力の増加(加圧)や減少(減圧)が行われる。この加減圧時において、末端領域Eeにおける外布11のうちの補助部材40と重なる領域と、内布12とは互いに擦れ合う。固着領域40Wが存在していることで、このような末端領域Eeの外布11と内布12との擦れに起因する、補助部材40の面40Aと外布11との間でのスティックスリップの発生を防止できる。スティックスリップの発生が防止されることで、血圧測定時のノイズを抑制でき、血圧測定精度を向上させることができる。
なお、固着領域40Wは、図13の例では5つ設けられているが、少なくとも1つ設けられていればよい。固着領域40Wを1つのみ設ける場合には、補助部材40の短手方向の中心付近に固着領域40Wを設けることが好ましい。また、固着領域40Wは、補助部材40上にスポット的に設けられているが、これに限らない。例えば、補助部材40の面40Aの全体を外布11と固着してしまってもよいし、補助部材40の面40Aの一部に長手方向に延びる直線状の固着領域を設けてもよい。図13の構成によれば、固着領域40Wを容易に形成できるという利点がある。また、補助部材40の面40Aの反対側の面(内布12と対面する面)と内布12とを更に固着する構成としてもよい。これにより、更なるノイズ抑制が可能になる。または、補助部材40の面40Aの反対側の面(内布12と対面する面)と内布12とを固着し、且つ、補助部材40の面40Aと外布11とは非固着の構成としてもよい。この構成であっても、内布12と補助部材40の間のスティックスリップを抑制することによるノイズ低減効果が期待できる。
また、固着領域40Wを設ける代わりに、末端領域Eeにおける外布11の表面と、この表面に接触し得る内布12の表面とが互いに滑りやすくなるような加工を施してもよい。このようにすることでも、外布11と内布12が擦れ合うことによる力が補助部材40に伝達されるのを抑制でき、スティックスリップの発生を防止できる。
なお、補助部材40は、厚みが大きくなると、スティックスリップによるノイズが大きくなる傾向にある。そのため、スティックスリップを抑制する観点からは、補助部材40の厚みを小さくすることが好ましい。ただし、補助部材40を薄くしたとしても、スティックスリップを完全に抑制することは難しい点に留意されたい。
前述してきた補助部材40の形状は、一例として矩形板状となっている。この矩形板状の角部は、丸みを帯びた形状(面取りされた形状)となっていることが好ましい。補助部材40の角部が丸みを帯びていることで、補助部材40の角部が被測定部位に当たった際の痛みを軽減できる。また、補助部材40の角部が外布11及び内布12を破損させてしまうのを防ぐことができる。
1 血圧測定用カフ
5 第一面ファスナー
5c ファスナー背面部材
5e 周縁側部
5k 起毛面(ファスナー面)
8k フック面(ファスナー面)
7 空気袋
7b 管接続部
8 第二面ファスナー
10 帯状体
11 外布(第一表皮部材)
11u,12u 第一部材
11i,12i 第二部材
12 内布(第二表皮部材)
15 第一開口部
15e 開口周縁部
18 第二開口部
20 リング状部材
40 補助部材
Ce 隣接領域
Ee 末端領域
it 端縁
ut 端縁
Ts 隙間
Wp 溶着領域(第一溶着領域)
Wps 溶着領域(第二溶着領域)
Wpf1 溶着領域(第三溶着領域)
Wpf2 溶着領域

Claims (6)

  1. 第一表皮部材と、前記第一表皮部材に対向する第二表皮部材とで流体袋を内包してなる帯状体と、
    前記帯状体の長手方向の一方の端縁に接近する位置で保持され前記帯状体の短手方向に延びるリング状部材と、
    前記帯状体における前記長手方向の前記一方の端縁と前記リング状部材との間の末端領域の内部に収納された前記短手方向に延びる補助部材と、を備え、
    前記末端領域における前記第一表皮部材と前記第二表皮部材とは、前記補助部材を挟み込んだ状態で溶着又は接着されている血圧測定用カフ。
  2. 請求項1記載の血圧測定用カフであって、
    前記末端領域における前記第一表皮部材と前記第二表皮部材の溶着領域又は接着領域は、前記補助部材を取り囲んで形成されている血圧測定用カフ。
  3. 請求項1又は2記載の血圧測定用カフであって、
    前記リング状部材は、前記第一表皮部材と前記第二表皮部材に挟まれて取り付けられており、
    前記第一表皮部材と前記第二表皮部材は、前記末端領域とは前記リング状部材を挟んで反対側で該リング状部材に隣接する隣接領域において更に溶着又は接着されている血圧測定用カフ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の血圧測定用カフであって、
    前記末端領域の前記長手方向の幅は、前記帯状体の外に位置する前記リング状部材と前記帯状体との隙間よりも大きい血圧測定用カフ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載の血圧測定用カフであって、
    前記末端領域における前記第一表皮部材の前記補助部材側の面と、前記補助部材とは、固着されている血圧測定用カフ。
  6. 請求項5記載の血圧測定用カフであって、
    前記第一表皮部材は、前記帯状体を被測定部位に巻き付けて固定した状態において、前記被測定部位に非接触となる側の部材であり、
    前記第二表皮部材は、前記状態において、前記被測定部位に接触する側の部材である血圧測定用カフ。
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