JP2022023701A - 研磨シート - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨レートを高くすることができ、研磨レートを高くしても研磨対象物の平均表面粗さを小さくさせることができる研磨シートの提供。【解決手段】可撓性基材上にダイヤモンド粒子とバインダー樹脂とを含む研磨層が形成されてなる研磨シートであって、研磨層の表面に凹凸部が形成されてなり、研磨層表面の最大表面粗さ(Rmax)が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きく、かつ研磨層表面の凸部間の平均距離が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きいことを特徴とする研磨シート。研磨シートは、磁気ディスク、精密機器、精密部品及びプリント基板の仕上げ加工等に好適に用いることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、研磨シートに関する。
従来、金属、半導体、これらの酸化物等の材料表面に対して研磨シートを用いた精密研磨が行われている。例えば、半導体デバイスの構成要素として用いられるシリコン基板の表面は、ラッピング工程やポリシング工程を経て高品位の鏡面に仕上げられる。
研磨シートに用いる研磨材としては、酸化ケイ素、酸化アルミ、炭化ケイ素等を使用したシートが知られている。このような研磨材の硬度がモース硬度8.5から9.5と硬いため、広く研磨シートに用いられてきた。
シリコン基板の表面の研磨においては、これらの研磨材よりもモース硬度の高い研磨材が必要とされているため、研磨材としてモース硬度10のダイヤモンド粒子を用いた研磨シートが用いられてきた。近年、半導体デバイスの高性能化及び高集積化に伴って、シリコン基板には品質の向上が求められている。
特許文献1及び特許文献2には、研磨シートの表面を凹凸形状にさせた研磨シートが開示されている。しかしながら、特許文献1及び特許文献2で開示されている研磨シートでは、研磨レートを高くすることができるが、研磨レートを高くすると研磨対象物の平均表面粗さが大きくなってしまうといった問題が生じることが判明した。
従って、研磨レートを高くすることができ、研磨レートを高くしても研磨対象物の平均表面粗さを小さくさせることができる研磨シートが求められてきた。
本発明は、研磨レートを高くすることができ、研磨レートを高くしても研磨対象物の平均表面粗さを小さくさせることができる研磨シートを提供することを目的とする。
第一の発明は、可撓性基材上にダイヤモンド粒子とバインダー樹脂とを含む研磨層が形成されてなる研磨シートであって、研磨層の表面に凹凸部が形成されてなり、研磨層表面の最大表面粗さ(Rmax)が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きく、かつ研磨層表面の凸部間の平均距離が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きいことを特徴とする研磨シートである。
第二の発明は、研磨層表面の最大表面粗さ(Rmax)が、0.4μmから2.0μmであることを特徴とする第一の発明に記載の研磨シートである。
第三の発明は、研磨層表面の凸部間の平均距離が、0.4μmから5.0μmであることを特徴とする第一又は第二の発明に記載の研磨シートである。
第四の発明は、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径が、0.1μmから0.3μmであることを特徴とする第一から第三の発明のいずれかに記載の研磨シートである。
第五の発明は、バインダー樹脂が、アクリル樹脂であることを特徴とする第一から第四の発明のいずれかに記載の研磨シートである。
本発明の研磨シートは、研磨レートを高くすることができ、研磨レートを高くしても研磨対象物の平均表面粗さを小さくさせることができる。
本発明の研磨シートは、可撓性基材上にダイヤモンド粒子とバインダー樹脂とを含む研磨層が形成されてなる研磨シートであって、研磨層の表面に凹凸部が形成されてなり、研磨層表面の最大表面粗さ(Rmax)が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きく、かつ研磨層表面の凸部間の平均距離が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きいことを特徴とするものである。
まず、本発明の研磨シートについて説明する。
<研磨シート>
本発明の研磨シートは、可撓性基材上にダイヤモンド粒子とバインダー樹脂とを含む研磨層が形成されてなる研磨シートであって、研磨層の表面に凹凸部が形成されてなり、研磨層表面の最大表面粗さ(Rmax)が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きく、かつ研磨層表面の凸部間の平均距離が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きいことを特徴としている。
本発明の研磨シートは、可撓性基材上にダイヤモンド粒子とバインダー樹脂とを含む研磨層が形成されてなる研磨シートであって、研磨層の表面に凹凸部が形成されてなり、研磨層表面の最大表面粗さ(Rmax)が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きく、かつ研磨層表面の凸部間の平均距離が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きいことを特徴としている。
研磨層表面の最大表面粗さ(Rmax)が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きく、かつ研磨層表面の凸部間の平均距離が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きくすることで、凸部(加工点)が少なく突き出しており、研磨時に高い圧力がかけられるといった理由により、研磨レートを高くすることができる特長が挙げられる。
研磨層表面の最大表面粗さ(Rmax)が、0.4μmから2.0μmであることが好ましく挙げられ、0.4μmから1.7μmであることがより好ましく挙げられる。
最大表面粗さ(Rmax)を上記範囲にすることで、研磨レートをより高くすることができる効果が得られるため、好ましく挙げられる。
研磨層表面の凸部間の平均距離が、0.4μmから5.0μmであることが好ましく挙げられる。凸部間の平均距離を前記範囲にすることで、研磨後の研磨対象物の平均表面粗さを小さくさせることができる。
研磨シート表面の最大表面粗さ(Rmax)は、最大高低差であり、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて10μm×10μm角の範囲で256ピクセル×256ピクセルの解像度でAFM画像を得て、AFM画像より研磨シートの表面の凹凸を測定し、算出される値である。
研磨層表面の凸部間の平均距離は、例えば、以下の方法で得ることができる。まず、上述したのと同様の方法で100μm×100μm角の範囲でAFM画像を得る。AFM画像において、最大高さの凸部を選択する。この凸部を第1凸部とする。第1凸部から最も近傍に位置する凸部を選択する。この凸部を第2凸部とする。このようにして、第1凸部及び第2凸部の対を得る。なお、最大表面粗さ(Rmax)の半分の値よりも小さい高低差の凸部はここでは凸部とみなさない。第1凸部の頂点と第2凸部の頂点との間の距離を測定し、この凸部の頂点間の距離を凸部間の平均距離とする。このAFM画像において同様の操作を10個の対に対して行い、凸部間の平均距離を得る。
本発明の研磨シートを用いることで、研磨レートを高くすることができ、研磨レートを高くしても研磨後の研磨対象物の平均表面粗さを小さくすることが可能となる。
<研磨シートの構成>
本発明の研磨シートは、可撓性基材上にダイヤモンド粒子とバインダー樹脂とを含む研磨層が形成されてなる研磨シートである。
本発明の研磨シートは、可撓性基材上にダイヤモンド粒子とバインダー樹脂とを含む研磨層が形成されてなる研磨シートである。
(可撓性基材)
研磨シートを研磨対象物の研磨対象面へ押し付けて使用する際の研磨対象面への追従性及び適度な引っ張り強度といった性能が求められている。研磨シートの形状としては、シート状やディスク状が好ましく挙げられる。
研磨シートを研磨対象物の研磨対象面へ押し付けて使用する際の研磨対象面への追従性及び適度な引っ張り強度といった性能が求められている。研磨シートの形状としては、シート状やディスク状が好ましく挙げられる。
このような性能を満たすためには、可撓性基材の厚さを厚さ5.0μmから100μmにすることが好ましく挙げられ、10μmから90μmにすることがさらに好ましく挙げられ、20μmから80μmにすることが特に好ましく挙げられる。引っ張り強度に耐えることができ、追従性に優れるという点から、可撓性基材の厚さを当該範囲とすることが好ましく挙げられる。
可撓性基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース、メチルメタクリレート系共重合物等のアクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂やポリメタクリルイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられる。
(ダイヤモンド粒子)
本発明に用いるダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径は、0.1μmから0.3μmの範囲にある単結晶又は多結晶のダイヤモンド粒子である。このような範囲のダイヤモンド粒子を用いることで、研磨後の研磨対象物の平均表面粗さを小さくさせることができる。
本発明に用いるダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径は、0.1μmから0.3μmの範囲にある単結晶又は多結晶のダイヤモンド粒子である。このような範囲のダイヤモンド粒子を用いることで、研磨後の研磨対象物の平均表面粗さを小さくさせることができる。
また、当該ダイヤモンド粒子は、単結晶のダイヤモンド粒子でも、多結晶のダイヤモンド粒子でもよい。本発明に用いるダイヤモンド粒子は、研磨速度の向上の観点から、単結晶のダイヤモンド粒子を用いることが好ましく挙げられる。
本発明において、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径は、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置で検知される分散したダイヤモンド粒子の積算%の分布曲線における体積%となる径(D50)をいう。
ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径の好ましい標準偏差は0.01から5.0であり、より好ましくは、0.01から2.0であり、特に好ましくは0.01から0.3である。当該範囲に入るダイヤモンド粒子を含有させた研磨シートを使用することで、研磨後の研磨対象物の平均表面粗さ(Ra)をより小さくすることが可能となる。
(バインダー樹脂)
本発明に用いるバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が好ましく挙げられ、特にアクリル樹脂が好ましく挙げられる。
本発明に用いるバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が好ましく挙げられ、特にアクリル樹脂が好ましく挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、通常成形材料として用いられる熱可塑性樹脂の中から任意に選ぶことができる。このようなものとしては、特に限定されるわけではないが、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエ-テル、ポリスルホン、液晶ポリマー、アクリロニトリル・スチレン樹脂及び各種の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、アクリル樹脂は、イオン性不純物が少なく、かつ耐熱性が高く、また、アクリル樹脂を用いて製造した研磨シートは高い研磨レートを得られる点から特に好ましく挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、アクリル樹脂は、イオン性不純物が少なく、かつ耐熱性が高く、また、アクリル樹脂を用いて製造した研磨シートは高い研磨レートを得られる点から特に好ましく挙げられる。
熱硬化性樹脂とは、通常の成形材料として用いられる熱硬化性樹脂の中から任意に選ぶことができる。このようなものとしては、特に限定されるわけではないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、珪素樹脂等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールSグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールADグリシジルエーテル型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシが挙げられる。また、さらに天然由来物質から得られたエポキシ樹脂であることが環境負荷低減化の観点で好ましい。具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸エステル類、エポキシ化アマニ油、ダイマー酸変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記フェノール樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾール等のフェノール類とホルムアルデヒド等を反応させノボラック型フェノール樹脂等を合成し、これにヘキサメチレンテトラミン等を配合し、硬化させるもの等が挙げられる。例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン型フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトールノボラック樹脂等のジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記フラン樹脂としては、例えば、フルフラール樹脂、フルフラールフェノール樹脂、フルフラールケトン樹脂、フルフリルアルコール樹脂、フルフリルアルコールフェノール樹脂が挙げられる。前記ユリア樹脂としては、例えば尿素等とホルムアルデヒド等の重合反応物(脱水縮合反応物)が挙げられる。前記メラミン樹脂としては、例えばメラミン等とホルムアルデヒド等の重合反応物が挙げられる。
前記不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和多塩基酸等と多価アルコール等より得られる不飽和ポリエステルを、これと重合する単量体に溶解し硬化する樹脂等が挙げられる。例えば、不飽和多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、へキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられ、多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサングリコール等が挙げられる。
前記珪素樹脂としては、オルガノポリシロキサン類を主骨格とするものが挙げられる。
<研磨シートの製造方法>
ダイヤモンド粒子分散液と、バインダー樹脂と、を混合させて樹脂組成物を得る工程と、可撓性基材上に樹脂組成物を塗布した後、樹脂組成物中の溶媒を除去して研磨層を形成させる工程により本発明の研磨シートを製造することができる。
ダイヤモンド粒子分散液と、バインダー樹脂と、を混合させて樹脂組成物を得る工程と、可撓性基材上に樹脂組成物を塗布した後、樹脂組成物中の溶媒を除去して研磨層を形成させる工程により本発明の研磨シートを製造することができる。
(ダイヤモンド粒子分散液)
前記ダイヤモンド粒子分散液とは、ダイヤモンド粒子と有機溶媒と水溶性高分子化合物とを含む分散液である。
前記ダイヤモンド粒子分散液とは、ダイヤモンド粒子と有機溶媒と水溶性高分子化合物とを含む分散液である。
(ダイヤモンド粒子)
ここで用いるダイヤモンド粒子としては、上述したダイヤモンド粒子が挙げられる。ダイヤモンド粒子分散液中のダイヤモンド粒子の含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましく挙げられる。このような高濃度のダイヤモンド粒子分散液を用いることで、ダイヤモンド粒子の緻密性の高い研磨シートを製造することが可能となる。なお、ダイヤモンド粒子分散液には、ダイヤモンド粒子以外に、研磨材としてアルミナ粒子、シリカ粒子、セリア粒子(酸化セリウム)から選ばれる少なくとも一種を含有させて用いても良い。
また、ダイヤモンド粒子は、角部の形状が鈍角(90°よりも大きい)又は曲面状にすることにより研磨対象物に対し、スクラッチ(引っかき傷)をつけることなく研磨することが可能となる。
ここで用いるダイヤモンド粒子としては、上述したダイヤモンド粒子が挙げられる。ダイヤモンド粒子分散液中のダイヤモンド粒子の含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましく挙げられる。このような高濃度のダイヤモンド粒子分散液を用いることで、ダイヤモンド粒子の緻密性の高い研磨シートを製造することが可能となる。なお、ダイヤモンド粒子分散液には、ダイヤモンド粒子以外に、研磨材としてアルミナ粒子、シリカ粒子、セリア粒子(酸化セリウム)から選ばれる少なくとも一種を含有させて用いても良い。
また、ダイヤモンド粒子は、角部の形状が鈍角(90°よりも大きい)又は曲面状にすることにより研磨対象物に対し、スクラッチ(引っかき傷)をつけることなく研磨することが可能となる。
(水溶性高分子化合物)
前記水溶性高分子化合物とは、研磨層の表面に凹凸部を形成させるために用いるものである。水溶性高分子化合物を含む樹脂組成物を可撓性基材上にコートし、乾燥させた後、研磨シート表面を水洗し、水溶性高分子化合物を溶出させることにより、表面に凹凸部を有する研磨シート形成させることができる。
前記水溶性高分子化合物とは、研磨層の表面に凹凸部を形成させるために用いるものである。水溶性高分子化合物を含む樹脂組成物を可撓性基材上にコートし、乾燥させた後、研磨シート表面を水洗し、水溶性高分子化合物を溶出させることにより、表面に凹凸部を有する研磨シート形成させることができる。
水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジオレエート、ポリエチレングリコールジアセテート等のポリエチレングリコール誘導体その他、水に溶解し、樹脂に対して粘度を低下させる働きをする高分子化合物であれば如何なるものであっても使用可能である。これらの中でも特にポリエチレングリコールは、水溶解性が高いので好ましく挙げられる。
ダイヤモンド粒子分散液中における水溶性高分子化合物の含有量は、希望する研磨層の凹凸部の形状により、適宜変更することができる。
(有機溶媒)
ダイヤモンド粒子分散液に用いる有機溶媒は、ダイヤモンド粒子分散液の分散媒としての役割を有する。
ダイヤモンド粒子分散液に用いる有機溶媒は、ダイヤモンド粒子分散液の分散媒としての役割を有する。
有機溶媒としては、一価アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、アミド系(N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-エチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、スルホラン系(スルホラン、3-メチルスルホラン、2,4-ジメチルスルホラン等)、鎖状スルホン系(ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン)、環状アミド系(N-メチル-2-ピロリドン等)、カーボネイト類(エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2-イミダゾリジノン系〔1,3-ジアルキル-2-イミダゾリジノン(1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジ(n-プロピル)-2-イミダゾリジノン等)、1,3,4-トリアルキル-2-イミダゾリジノン(1,3,4-トリメチル-2-イミダゾリジノン等)〕等が挙げられる。
前記有機溶媒は、単独で用いても2種類以上混合して用いてもよい。ダイヤモンド粒子の分散性を向上させる目的や、用いるバインダー樹脂とダイヤモンド粒子分散液との混合のし易さより、2種類以上を混合させて用いることが好ましく挙げられる。
ダイヤモンド粒子分散液に超音波を照射させて、有機溶媒中にダイヤモンド粒子を分散させてもよい。ダイヤモンド粒子分散液に超音波を照射させることで、ダイヤモンド粒子の凝集体のファンデルワールス力を解除させて、均一に分散させることが可能となる。
ダイヤモンド粒子分散液に超音波を照射させる方法としては、超音波発振機やガラス器具洗浄用超音波浴等を用いて前記混合液に超音波を照射する方法が挙げられる。
超音波を混合液に照射させる時間は5分から10時間であることが好ましく、10分から5時間であることがより好ましく、15分から2時間であることが特に好ましく挙げられる。超音波を混合液に前記時間を照射させることで、ダイヤモンド粒子の凝集体のファンデルワールス力を十分に解除することができる。
(バインダー樹脂)
研磨シートを製造するのに用いるバインダー樹脂としては、上述したバインダー樹脂が挙げられる。
研磨シートを製造するのに用いるバインダー樹脂としては、上述したバインダー樹脂が挙げられる。
バインダー樹脂の使用量は、ダイヤモンド粒子とバインダー樹脂の質量比が、95:5ないし60:40の範囲にすることが好ましく、90:10ないし55:45の範囲がより好ましく、85:15ないし55:45の範囲にすることが特に好ましく挙げられる。このような範囲にすることで研磨速度を向上させることができる。
上述した樹脂組成物の粘度は、室温において0.1mPa・sから500mPa・sが好ましく、0.5mPa・sから200mPa・sがより好ましく、1.0mPa・sから100mPa・sが特に好ましく挙げられる。このような範囲の粘度を有する樹脂組成物を用いることで、所望の厚さの研磨層を有する研磨シートを作製することができる。
可撓性基材上に樹脂組成物を塗布した後、樹脂組成物中の溶媒を除去して研磨層を形成させる方法としては、エアードクターコート、ブレードコート、エアーナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、キスコート、スプレーコート、バーコート、スピンコート等により、可撓性基材上に樹脂組成物をコートした後に、樹脂組成物中の有機溶媒を除去して乾燥させることで、可撓性基材上に研磨層を形成させることができる。
これらの中でも特に簡単に均一な厚さの層を形成させることが出来る点より、バーコート法が好ましく挙げられる。
これらの中でも特に簡単に均一な厚さの層を形成させることが出来る点より、バーコート法が好ましく挙げられる。
可撓性基材には、研磨層との密着性を向上させるため、可撓性基体と研磨層との間にプライマー層を設けてもよい。プライマー層に用いる樹脂としては、COOM、SO3M、OSO3M、P=O(OM)3、O-P=O(OM)2(Mは水素原子、アルカリ金属塩基又はアミン塩)等の官能基を1つ又は2つ以上有するポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂又はポリ(メタ)アクリル樹脂等が好ましく挙げられる。
また、樹脂組成物中の有機溶媒を除去して乾燥させる際の温度としては、用いる有機溶媒によって異なるが、用いる有機溶媒の沸点より30℃~50℃高い温度を加えて加熱して、有機溶媒を除去することが好ましく挙げられる。このような温度を加えて樹脂組成物中の溶媒を除去することで、樹脂組成物中のダイヤモンド粒子の均質性を維持しながら研磨層を形成させることができる。
本発明の研磨シートを用いて研磨対象物を研磨することで、研磨レートを高くすることができ、研磨レートを高くしても研磨対象物の平均表面粗さを小さくすることが可能となる。従って、本発明の研磨シートは磁気ディスク、精密機器、精密部品及びプリント基板の仕上げ加工等に用いる研磨シートとして好適に用いることができ、特にシリコン基板の端面仕上げ工程の研磨用として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。なお、本発明は、実施例等により、なんら限定されるものではない。実施例中の「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
(研磨シート1の製造)
メチルエチルケトン579部にダイヤモンド粒子(1/4、テクノライズ株式会社製、一次粒子のメディアン径0.22μmから0.28μm)163部を混合してダイヤモンド粒子分散液を作製し、そこにアクリル樹脂(8KX-078、大成ファインケミカル株式会社製)33部、ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部及び光重合開始剤(Omnirad127、IGM Resin B.V製)1部となるように原料を混合し、ダイヤモンド粒子が分散した樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物を厚さ50μmのポリエステルフィルムにバーコーターを用いて均一に塗布し、送風乾燥機100℃で1分乾燥後、水槽中で25℃24時間洗うことでポリエチレングリコールを除去したのち、送風乾燥機50℃で24時間乾燥し、積算光量300mJ/cm2でUV照射することで研磨シート1を得た。
メチルエチルケトン579部にダイヤモンド粒子(1/4、テクノライズ株式会社製、一次粒子のメディアン径0.22μmから0.28μm)163部を混合してダイヤモンド粒子分散液を作製し、そこにアクリル樹脂(8KX-078、大成ファインケミカル株式会社製)33部、ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部及び光重合開始剤(Omnirad127、IGM Resin B.V製)1部となるように原料を混合し、ダイヤモンド粒子が分散した樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物を厚さ50μmのポリエステルフィルムにバーコーターを用いて均一に塗布し、送風乾燥機100℃で1分乾燥後、水槽中で25℃24時間洗うことでポリエチレングリコールを除去したのち、送風乾燥機50℃で24時間乾燥し、積算光量300mJ/cm2でUV照射することで研磨シート1を得た。
(研磨シート2の製造)
研磨シート1の製造において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン723部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#200)81部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート2を作製した。
研磨シート1の製造において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン723部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#200)81部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート2を作製した。
(研磨シート3の製造)
研磨シート1の製造において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン749部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)54部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート3を作製した。
研磨シート1の製造において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン749部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)54部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート3を作製した。
(研磨シート4の製造)
研磨シート1の製造において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン429部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)374部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート4を作製した。
研磨シート1の製造において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン429部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)374部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート4を作製した。
(研磨シート5の製造)
研磨シート1の製造において、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#200)225部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート5を作製した。
研磨シート1の製造において、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#200)225部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート5を作製した。
(研磨シート6の製造)
研磨シート1の製造において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン338部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)467部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート6を作製した。
研磨シート1の製造において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン338部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)467部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート6を作製した。
(研磨シート7の製造)
研磨シート1の製造において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン775部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)29部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート7を作製した。
研磨シート1の製造において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン775部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)29部」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート7を作製した。
(研磨シート8の製造)
研磨シート1の製造において、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#200)」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート8を作製した。
研磨シート1の製造において、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#200)」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート8を作製した。
(研磨シート9の製造)
研磨シート1の製造において、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#1000)」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート9を作製した。
研磨シート1の製造において、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#1000)」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート9を作製した。
(研磨シート10の製造)
研磨シート1の製造において、「アクリル樹脂(8KX-078、大成ファインケミカル株式会社製)」を「ポリエステル樹脂(エリーテルUE-9200、ユニチカ株式会社製)」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート10を作製した。
研磨シート1の製造において、「アクリル樹脂(8KX-078、大成ファインケミカル株式会社製)」を「ポリエステル樹脂(エリーテルUE-9200、ユニチカ株式会社製)」に代えた以外は研磨シート1の製造と同様にして研磨シート10を作製した。
(研磨シート11の製造方法)
研磨シート1の製造方法において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン804部」及び「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)0部」に代え、「水槽中で25℃24時間洗うことでポリエチレングリコールを除去したのち、送風乾燥機50℃で24時間乾燥する」工程を除いた以外は実施例1と同様にして研磨シート11を作製した。
研磨シート1の製造方法において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン804部」及び「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)0部」に代え、「水槽中で25℃24時間洗うことでポリエチレングリコールを除去したのち、送風乾燥機50℃で24時間乾燥する」工程を除いた以外は実施例1と同様にして研磨シート11を作製した。
(研磨シート12の製造方法)
研磨シート1の製造方法において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン796部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「塩化リチウム(富士フイルム和光純薬株式会社)8部」に代えた以外は実施例1と同様にして研磨シート12を作製した。
研磨シート1の製造方法において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン796部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「塩化リチウム(富士フイルム和光純薬株式会社)8部」に代えた以外は実施例1と同様にして研磨シート12を作製した。
(研磨シート13の製造方法)
研磨シート1の製造方法において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン775部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「塩化リチウム(富士フイルム和光純薬株式会社)29部」に代えた以外は実施例1と同様にして研磨シート13を作製した。
研磨シート1の製造方法において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン775部」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「塩化リチウム(富士フイルム和光純薬株式会社)29部」に代えた以外は実施例1と同様にして研磨シート13を作製した。
(研磨シート14の製造方法)
研磨シート1の製造方法において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン804部」に代え、「ダイヤモンド粒子(0-1/4、テクノライズ株式会社製、一次粒子のメディアン径0.22μmから0.28μm)」を「ダイヤモンド粒子(0―1/2、テクノライズ株式会社製、一次粒子のメディアン径0.50μmから0.58μm)」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)0部」に代え、「水槽中で25℃24時間洗うことでポリエチレングリコールを除去したのち、送風乾燥機50℃で24時間乾燥する」工程を除いた以外は実施例1と同様にして研磨シート14を作製した。
研磨シート1の製造方法において、「メチルエチルケトン579部」を「メチルエチルケトン804部」に代え、「ダイヤモンド粒子(0-1/4、テクノライズ株式会社製、一次粒子のメディアン径0.22μmから0.28μm)」を「ダイヤモンド粒子(0―1/2、テクノライズ株式会社製、一次粒子のメディアン径0.50μmから0.58μm)」に代え、「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)225部」を「ポリエチレングリコール(ナカライテスク株式会社、#600)0部」に代え、「水槽中で25℃24時間洗うことでポリエチレングリコールを除去したのち、送風乾燥機50℃で24時間乾燥する」工程を除いた以外は実施例1と同様にして研磨シート14を作製した。
(実施例1~10、比較例1~4)
実施例1~10は、それぞれ研磨シート1~10を用いて研磨対象物であるシリコン基板を研磨した。
実施例1~10は、それぞれ研磨シート1~10を用いて研磨対象物であるシリコン基板を研磨した。
(比較例1~4)
比較例1~4は、それぞれ研磨シート11~14を用いて研磨対象物であるシリコン基板を研磨した。
比較例1~4は、それぞれ研磨シート11~14を用いて研磨対象物であるシリコン基板を研磨した。
<研磨シートの評価方法>
研磨シート表面の最大表面粗さ(Rmax)、シリコン基板の平均表面粗さ(Ra)及び研磨シートの凸部間の平均距離を走査型プローブ顕微鏡(SPA400、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて測定した。シリコン基板を研磨シートで研磨し、研磨前後のシリコン基板の膜厚を膜厚計で測定し、1分間あたりの研磨量を研磨レートとした。
研磨シート表面の最大表面粗さ(Rmax)、シリコン基板の平均表面粗さ(Ra)及び研磨シートの凸部間の平均距離を走査型プローブ顕微鏡(SPA400、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて測定した。シリコン基板を研磨シートで研磨し、研磨前後のシリコン基板の膜厚を膜厚計で測定し、1分間あたりの研磨量を研磨レートとした。
なお、凸部間の平均距離の求め方は、まず、AFM画像において、最大高さの凸部を選択し、この凸部を第1凸部とした。第1凸部から最も近傍に位置する凸部を選択し、第2凸部とした。なお、最大表面粗さ(Rmax)の半分の値よりも小さい高低差の凸部はここでは凸部とみなさない。
第1凸部の頂点と第2凸部の頂点との間の距離を測定し、この凸部の頂点間の距離を凸部間の平均距離とした。このAFM像において同様の操作を10個の対に対して行い、凸部間の平均距離とした。
第1凸部の頂点と第2凸部の頂点との間の距離を測定し、この凸部の頂点間の距離を凸部間の平均距離とした。このAFM像において同様の操作を10個の対に対して行い、凸部間の平均距離とした。
研磨シート表面の最大表面粗さ(Rmax)及びシリコン基板の平均表面粗さ(Ra)は、走査型プローブ顕微鏡(SPA400、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて下記測定条件により測定した。また、製造した研磨シートを用いて、下記研磨条件によりシリコン基板を研磨した。研磨シートの構成及び測定結果を表1及び表2に示す。
<測定条件>
表面の最大表面粗さ(Rmax)、シリコン基板の平均表面粗さ(Ra)は以下の条件で測定した。
測定モード:Dynamic Force Mode
スキャンスピード:0.54Hz
カンチレバー:エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製カンチレバーSI-DF20(背面AL有)
評価領域:10μm×10μm角
解像度:256ピクセル×256ピクセル
表面の最大表面粗さ(Rmax)、シリコン基板の平均表面粗さ(Ra)は以下の条件で測定した。
測定モード:Dynamic Force Mode
スキャンスピード:0.54Hz
カンチレバー:エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製カンチレバーSI-DF20(背面AL有)
評価領域:10μm×10μm角
解像度:256ピクセル×256ピクセル
研磨シートの凸部間の平均距離を求めるためのAFM画像は以下の条件で測定した。
測定モード:Dynamic Force Mode
スキャンスピード:0.54Hz
カンチレバー:エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製カンチレバーSI-DF20(背面AL有)
評価領域:100μm×100μm角
解像度:256ピクセル×256ピクセル
測定モード:Dynamic Force Mode
スキャンスピード:0.54Hz
カンチレバー:エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製カンチレバーSI-DF20(背面AL有)
評価領域:100μm×100μm角
解像度:256ピクセル×256ピクセル
<研磨条件>
研磨前のシリコン基板の平均表面粗さ(Ra):31.6nm
シリコン基板回転数:500回転
シリコン基板研磨時間:2分間
シート押付圧力:5N
研磨前のシリコン基板の平均表面粗さ(Ra):31.6nm
シリコン基板回転数:500回転
シリコン基板研磨時間:2分間
シート押付圧力:5N
本実施例では、研磨レートは0.30μm/min以上が好ましく、かつ、研磨対象物であるシリコン基板の平均表面粗さ(Ra)が1.5nm以下であることが好ましく挙げられる。
特に好ましくは、研磨レートが0.40μm/min以上で、かつ、研磨後のシリコン基板の平均表面粗さが0.9nm以下である。
特に好ましくは、研磨レートが0.40μm/min以上で、かつ、研磨後のシリコン基板の平均表面粗さが0.9nm以下である。
表1をみてわかるように、比較例1~4と比べ、実施例1~10は研磨シート表面の最大表面粗さが大きく、研磨シートの凸部間距離が大きいことにより、研磨試験の結果、研磨レートが高く、研磨後のシリコン基板の平均表面粗さも小さくなることが確認された。
これらの中でも、実施例1~5は研磨レートが0.40μm/min以上で、かつ、研磨後のシリコン基板の平均表面粗さが0.9nm以下であるため、特に優れた性能を有していることがわかった。
また、実施例10より実施例1の方が、研磨レートが高いため、より好ましい結果であることがわかった。
これらの中でも、実施例1~5は研磨レートが0.40μm/min以上で、かつ、研磨後のシリコン基板の平均表面粗さが0.9nm以下であるため、特に優れた性能を有していることがわかった。
また、実施例10より実施例1の方が、研磨レートが高いため、より好ましい結果であることがわかった。
比較例1~3の研磨シートは、研磨後のシリコン基板の平均表面粗さは大きく、かつ、研磨レートが実施例1~10に比べて低いことがわかった。また、比較例4の研磨シートは砥粒の粒度を上げることで研磨レートが高いが、シリコン基板の平均表面粗さが大きくなってしまうことがわかった。
本発明の研磨シートは、磁気ディスク、精密機器、精密部品及びプリント基板の仕上げ加工等に好適に用いることができる。
Claims (5)
- 可撓性基材上にダイヤモンド粒子とバインダー樹脂とを含む研磨層が形成されてなる研磨シートであって、
研磨層の表面に凹凸部が形成されてなり、
研磨層表面の最大表面粗さ(Rmax)が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きく、
かつ研磨層表面の凸部間の平均距離が、ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径よりも大きいことを特徴とする研磨シート。 - 研磨層表面の最大表面粗さ(Rmax)が、0.4μmから2.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の研磨シート。
- 研磨層表面の凸部間の平均距離が、0.4μmから5.0μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨シート。
- ダイヤモンド粒子の一次粒子のメディアン径が、0.1μmから0.3μmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の研磨シート。
- バインダー樹脂が、アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の研磨シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020126815A JP2022023701A (ja) | 2020-07-27 | 2020-07-27 | 研磨シート |
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JP2022023701A true JP2022023701A (ja) | 2022-02-08 |
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JP2020126815A Pending JP2022023701A (ja) | 2020-07-27 | 2020-07-27 | 研磨シート |
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- 2020-07-27 JP JP2020126815A patent/JP2022023701A/ja active Pending
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