JP4834078B2 - ストラクチャード研磨物品を作る方法 - Google Patents

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Description

本開示は、一般に、ストラクチャード(structured)研磨物品を作る方法及びシステムに関する。
研磨布紙及び結合研磨材のような研磨(abrasive)物品は、様々な産業において、例えばラップ仕上げ、研削又は研磨(polishing)によって、工作物を機械加工するために用いられる。研磨物品を利用して機械加工することは、光学産業、自動車塗装補修産業から金属加工産業までの広い産業領域にわたる。これらの例のおのおのにおいて、製造設備は、バルク材料を除去するため又は製品の表面特性に作用を及ぼすために研磨材を用いる。
表面特性は、光沢、質感、及び一様性を含む。例えば、金属部品の製造業者は、表面を精密にし研磨するため、また時には一様に平滑な表面を所望するために、研磨物品を用いる。同様に、光学製造業者は、光の回折及び散乱を防ぐために欠陥のない表面を生じさせる研磨物品を所望する。
製造業者はまた、ある用途のために高い素材除去速度を有する研磨物品を所望する。しかしながら、除去速度と表面品質の間にはしばしば相殺関係ある。より細かい砥粒の研磨物品は、一般的には、より平滑な表面を生じさせるがより低い素材除去速度を有する。より低い素材除去速度は、より遅い生産とコスト増加に通じる。
特に研磨布紙物品に関して、研磨物品の製造業者は、表面品質を維持する一方素材除去速度を改善するべき表面構造を導入してきた。表面構造又は隆起研磨材層のパターンを有する研磨布紙物品(しばしば、エンジニアド研磨材又はストラクチャード研磨材と呼ばれる)は、一般に改善した有効寿命を示す。
しかしながら、ストラクチャード(構造化)研磨物品を作るための標準的技術は信頼性がなく、また性能限界の難点がある。ストラクチャード研磨物品を作るための典型的方法は、基材を粘性結合剤でコーティングし、この粘性結合剤を機能性粉末でコーティングし、そしてこの粘性結合剤に構造パターンをスタンプするか又はロール型押しすることを含む。機能性粉末は、結合剤がパターニング工具にくっつくのを防ぐ。その後、結合剤を硬化させる。
機能性粉末での粘性結合剤の不完全コーティングは、結合剤がパターニング工具にくっつくことに通じる。結合剤がくっつくと不良な構造を生じ、しかして不良な製品性能及び廃棄製品に通じる。
標準的ストラクチャード研磨材作製技術に適切な結合剤の選択は、処理工程により制約される。典型的結合剤は、結合剤の粘度を増加する高充填量の伝統的フィラーを含む。かかる伝統的フィラーは、結合剤の機械的特性に影響を及ぼす。例えば、高充填量の伝統的フィラーは、結合剤の引張り強さ、引張り弾性率及び破断点伸びの特性に悪影響を及ぼし得る。結合剤の不良な機械的特性は砥粒の損失をもたらし、しかして表面上の引掻き及びくもりに通じ、また研磨物品の寿命を低減する。
砥粒の損失はまた、研磨物品の性能を低下させ、しかして頻繁な取替えに通じる。頻繁な研磨物品の取替えは、製造業者にとってコストがかさむ。かくして、改善された研磨物品及び研磨物品製造方法が望ましい。
特定の態様において、ストラクチャード研磨物品を作る方法は、基材を結合剤配合物でコーティングし、この結合剤配合物を部分的に硬化させ、そしてこの部分硬化結合剤配合物にパターンを形成することを含む。
別の態様において、ストラクチャード研磨物品を作る方法は、基材を結合剤と砥粒とを含む研磨材スラリーでコーティングし、この研磨材スラリーを部分的に硬化させ、そしてこの部分硬化研磨材スラリーにパターンを形成することを含む。
更なる態様において、ストラクチャード研磨物品を作る方法は、結合剤配合物を少なくとも約1.1の粘度指数まで部分的に硬化させ、この部分硬化結合剤配合物に構造のパターンを形成し、そしてこの部分硬化結合剤配合物を更に硬化させることを含む。
添付図面を参照することにより、本開示をよりよく理解することができ、またその数々の特徴及び利点を当業者に明らかにすることができる。
特定の態様において、ストラクチャード研磨物品のような研磨物品を作る方法は、基材を結合剤配合物でコーティングし、この結合剤配合物を部分的に硬化させ、そしてこの部分硬化結合剤配合物にパターンを形成することを含む。結合剤配合物は、結合剤配合物及び砥粒を含む研磨材スラリーに取り入れることができる。このスラリーをコーティングに適用することができる。典型的態様において、結合剤配合物は、少なくとも約1.1の粘度指数まで部分的に硬化される。本方法は、パターン化され且つ部分的に硬化された配合物を完全に硬化させることを更に含むことができる。典型的態様において、結合剤配合物は、ナノ複合結合剤配合物で作られる。
エンジニアド研磨材又はストラクチャード研磨材は、一般に、基材上に配置された研磨材構造体のパターンを含む。典型的ストラクチャード研磨材は、米国特許第6293980号明細書に開示されており、これは参照により全体がここに組み入れられる。エンジニアド研磨材又はストラクチャード研磨材の典型的態様は、図1に図示されている。ストラクチャード研磨材は、基材102、及び砥粒を含む層104を含む。一般に、層104は、表面構造106を有するようにパターン化される。
基材102は、軟質又は硬質であり得る。基材102は、研磨布紙の製造において基材として慣用的に用いられるものを含めて任意の数の様々な材料で製作することができる。典型的な軟質基材は、ポリオレフィンフィルム(例えば、二軸配向ポリプロピレンを含めたポリプロピレン)、ポリエステルフィルム(例えばポリエチレンテレフタレート)、ポリアミドフィルムもしくはセルロースエステルフィルムのような、ポリマーフィルム(例えばプライムドフィルム)や、金属箔、メッシュ、発泡体(例えば天然スポンジ材料又はポリウレタン発泡体)、布(例えば、ポリエステル、ナイロン、絹、綿、ポリコットン又はレーヨンを含む繊維又は糸から作られた布)、紙、バルカナイズド紙、加硫ゴム、バルカナイズドファイバー、不織材料、それらの組み合わせ、又はそれらの処理された変種を包含する。布基材は、織られたもの又はステッチ結合されたものであり得る。特定の例において、基材は、紙、ポリマーフィルム、布、綿、ポリコットン、レーヨン、ポリエステル、ポリナイロン、加硫ゴム、バルカナイズドファイバー、金属箔及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。他の例において、基材は、ポリプロピレンフィルム又はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを含む。
基材102は、任意に、飽和剤、プレサイズ層又はバックサイズ層を少なくとも1つ有し得る。これらの層の目的は、典型的には、基材を目止めする又は基材における糸もしくは繊維を保護することである。基材102が布材料である場合、これらの層の少なくとも一つが標準的に用いられる。プレサイズ剤層又はバックサイズ剤層の追加は、更に、基材102の表側又は裏側のどちらかにおいて「より平滑な」表面をもたらすことになり得る。当該技術分野において知られた他の任意的な層も用いてもよい(例えばタイ層、米国特許第5700302号明細書(その開示は参照により組み込まれる)参照)。
帯電防止物質を、布処理物質中に含めてもよい。帯電防止物質の添加は、木材又は木材様の材料をサンダー仕上げする場合に研磨布紙物品が静電気を蓄積する傾向を低減することができる。帯電防止基材及び基材処理に関する更に詳しいことは、例えば米国特許第5108463号明細書(Buchananら)、第5137542号明細書(Buchananら)、第5328716号明細書(Buchanan)及び第5560753号(Buchananら)に見いだすことができ、それらの開示は参照によりここに組み込まれる。
基材102は、例えば米国特許第5417726号明細書(Stoutら)に記載されているような繊維強化熱可塑性プラスチック、又は例えば米国特許第5573619号明細書(Benedictら)に記載されているようなエンドレススプライスレスベルトであることができ、それらの開示は参照によりここに組み込まれる。同様に、基材102は、例えば米国特許第5505747号明細書(Chesleyら)(その開示は参照によりここに組み込まれる)に記載されたもののような、フッキングステムが突出しているポリマー基材でもよい。同様に、基材は、例えば米国特許第5565011号明細書(Follettら)(その開示は参照によりここに組み込まれる)に記載されたもののような、メリヤス生地でもよい。
いくつかの例では、得られる研磨布紙物品をパッドに固着することができるように、研磨布紙物品の裏側に感圧接着剤が組み込まれる。典型的な感圧接着剤には、ラテックスクレ−プ、ロジン、アクリルポリマーもしくはコポリマー(ポリアクリレートエステル(例えばポリ(ブチルアクリレート))を含めて)、ビニルエーテル(例えばポリ(ビニルn−ブチルエーテル))、アルキド接着剤、ゴム接着剤(例えば天然ゴム、合成ゴム、又は塩素化ゴム)、又はそれらの混合物が含まれる。
典型的な硬質基材には、金属板、セラミック板又は同様なものが含まれる。好適な硬質基材の別の例は、例えば米国特許第5417726号明細書(Stoutら)に記載されており、その開示は参照によりここに組み込まれる。
層104は、1つ又はそれ以上のコートとして形成することができる。例えば、層104はメークコートを含むことができ、そして任意にサイズコートを含むことができる。層104は、一般に、砥粒及び結合剤を含む。典型的態様において、砥粒は結合剤配合物とブレンドされて研磨材スラリーを形成する。あるいはまた、砥粒は、結合剤配合物を基材102上にコーティング後に、結合剤配合物上に適用される。任意に、層104がパターニング工具にくっつくのを防ぐために、機能性粉末を層104の上に適用してもよい。あるいはまた、パターンは、機能性粉末なしで層104に形成してもよい。
メークコート又はサイズコートの結合剤は、単一のポリマーで又は複数種のポリマーのブレンド物で作ることができる。例えば、結合剤は、エポキシ、アクリルポリマー又はそれらの組み合わせから作ることができる。更に、結合剤は、ナノサイズのフィラー又はナノサイズのフィラーとミクロンサイズのフィラーの組み合わせのような、フィラーを含み得る。特定の態様において、結合剤は、硬化して結合剤を形成する配合物が粒子状フィラーを含むコロイド懸濁液であるコロイド結合剤である。それとは別に、またはそれに加えて、結合剤は、サブミクロン粒子状フィラーを含むナノ複合結合剤でもよい。
ストラクチャード研磨物品100は、任意に、コンプライアントコート及びバックコート(図示せず)を含んでもよい。これらのコートは上記に記載されたように機能することができ、そして結合剤組成物で作ることができる。
結合剤は、一般に、砥粒を基材、又は存在するならばコンプライアントコートに結合する、ポリマーマトリックスを含む。標準的に、結合剤は硬化した結合剤配合物で作られる。一つの典型的態様において、結合剤配合物は、ポリマー成分及び分散相を含む。
結合剤配合物は、ポリマーの作製のための1種又はそれ以上の反応成分又はポリマー成分を含み得る。ポリマー成分は、モノマー分子、ポリマー分子、又はそれらの組み合わせを含み得る。結合剤配合物は、更に、溶媒、可塑剤、連鎖移動剤、触媒、安定剤、分散剤、硬化剤、反応媒介物、及び分散液の流動性に影響を与える作用物質からなる群から選択された成分を含み得る。
ポリマー成分は、熱可塑性プラスチック又は熱硬化プラスチックを形成することができる。例として、ポリマー成分としては、ポリウレタン、ポリ尿素、重合エポキシ、ポリエステル、ポリイミド、ポリシロキサン(シリコーン)、重合アルキド、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエンの形成のためのモノマー及び樹脂、又は一般に、熱硬化ポリマーの生成のための反応性樹脂を挙げることができる。別の例としては、アクリレート又はメタクリレートポリマー成分が挙げられる。前駆体ポリマー成分は、典型的には、硬化性有機材料(すなわち、熱もしくは他のエネルギー源、例として電子ビーム、紫外光、可視光、などへの暴露により、又は化学触媒、湿分、もしくはポリマーを硬化もしくは重合させる他の作用剤の添加により経時的に、重合又は架橋することの可能なポリマーモノマー又は材料)である。前駆体ポリマー成分の例には、アミノポリマーもしくはアミノプラストポリマー、例えばアルキル化尿素−ホルムアルデヒドポリマー、メラミン−ホルムアルデヒドポリマー及びアルキル化ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒドポリマーなど、アクリレートポリマー(アクリレート及びメタクリレートポリマー、アルキルアクリレート、アクリル化エポキシ、アクリル化ウレタン、アクリル化ポリエステル、アクリル化ポリエーテル、ビニルエーテル、アクリル化油もしくはアクリル化シリコーンを含めて)、ウレタンアルキドポリマーのようなアルキドポリマー、ポリエステルポリマー、反応性ウレタンポリマー、レゾール及びノボラックポリマーのようなフェノールポリマー、フェノール/ラテックスポリマー、ビスフェノールエポキシポリマーのようなエポキシポリマー、イソシアネート、イソシアヌレート、アルキルアルコキシシランポリマーを含めたポリシロキサンポリマー、又は反応性ビニルポリマーの形成のための反応性成分が含まれる。結合剤配合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はそれらの組み合わせを含むことができる。特定の態様において、結合剤配合物は、硬化時に架橋することができる少なくとも2種のポリマーのモノマーを含む。例えば、結合剤配合物は、硬化時にエポキシ/アクリルポリマーを形成するエポキシ成分及びアクリル成分を含み得る。
典型的態様において、ポリマー反応成分は、アニオン重合性及びカチオン重合性前駆体を含む。例えば、結合剤配合物は少なくとも1種のカチオン硬化性成分、例として少なくとも1種の環状エーテル成分、環状ラクトン成分、環状アセタール成分、環状チオエーテル成分、スピロオルトエステル成分、エポキシ官能性成分又はオキセタン官能性成分を含み得る。典型的には、結合剤配合物は、エポキシ官能性成分及びオキセタン官能性成分からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む。結合剤配合物は、結合剤配合物の総重量に対して、少なくとも約10wt%の、例えば少なくとも約20wt%、典型的には少なくとも約40wt%、又は少なくとも約50wt%の、カチオン硬化性成分を含むことができる。一般に、結合剤配合物は、結合剤配合物の総重量に対して、約95wt%以下の、例えば約90wt%以下、約80wt%以下、又は約70wt%以下の、カチオン硬化性成分を含む。
結合剤配合物は、少なくとも1種のエポキシ官能性成分、例えば芳香族エポキシ官能性成分(「芳香族エポキシ」)又は脂肪族エポキシ官能性成分(「脂肪族エポキシ」)を含み得る。エポキシ官能性成分は、1個又はそれ以上のエポキシ基、すなわち1個又はそれ以上の3員環構造(オキシラン)を含む成分である。
芳香族エポキシ成分は、1個又はそれ以上のエポキシ基及び1個又はそれ以上の芳香族環を含む。結合剤配合物は、1種又はそれ以上の芳香族エポキシ成分を含み得る。芳香族エポキシ成分の例には、ポリフェノールから、例えば、ビスフェノール、例としてビスフェノールA(4,4′−イソプロピリデンジフェノール)、ビスフェノールF(ビス[4−ヒドロキシフェニル]メタン)、ビスフェノールS(4,4′−スルホニルジフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4′−ビフェノール、又は4,4′−(9−フルオレニリデン)ジフェノールなど、から誘導された芳香族エポキシが含まれる。ビスフェノールは、アルコキシル化(例えばエトキシル化又はプロポキシル化)、あるいはハロゲン化(例えば臭素化)されていてもよい。ビスフェノールエポキシの例には、ビスフェノールA又はビスフェノールFのジグリシジルエーテルのような、ビスフェノールジグリシジルエーテルが含まれる。
芳香族エポキシの更なる例には、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテル、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタントリグリシジルエーテル、又はモノフェノールから誘導された芳香族エポキシ、例えばレゾルシノールからのもの(例えばレゾルシンジグリシジルエーテル)又はヒドロキノンからのもの(例えばヒドロキノンジグリシジルエーテル)、が含まれる。別の例は、ノニルフェニルグリシジルエーテルである。
加えて、芳香族エポキシの例には、エポキシノボラック、例えばフェノールエポキシノボラック及びクレゾールエポキシノボラック、が含まれる。クレゾールエポキシノボラックの市販品の例には、例えば、大日本インキ化学工業社製のエピクロン(EPICLON)N−660、N−665、N−667、N−670、N−673、N−680、N−690又はN−695が含まれる。フェノールエポキシノボラックの例には、例えば、大日本インキ化学工業社製のエピクロン(EPICLON)N−740、N−770、N−775又はN−865が含まれる。
一つの態様において、結合剤配合物は、結合剤配合物の総重量に対して、少なくとも10wt%の1種又はそれ以上の芳香族エポキシを含有し得る。
脂肪族エポキシ成分は、1個又はそれ以上のエポキシ基を有し、芳香族環を含まない。結合剤配合物は、1種又はそれ以上の脂肪族エポキシを含み得る。脂肪族エポキシの例には、C2〜C30アルキルのグリシジルエーテル、C3〜C30アルキルの1,2−エポキシ、脂肪族アルコール又はポリオール、例として1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、グリセロール、及びアルコキシル化脂肪族アルコール又はポリオールのようなものの、モノ又はマルチグリシジルエーテルが含まれる。
一つの態様において、脂肪族エポキシは、1個又はそれ以上の脂環式環構造を含む。例えば、脂肪族エポキシは、1個又はそれ以上のシクロヘキセンオキシド構造、例として2個のシクロヘキセンオキシド構造、を有し得る。環構造を含む脂肪族エポキシの例には、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタンジグリシジルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ヘキサンジオエート、ジ(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ヘキサンジオエート、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エタンジオールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−1,3−ジオキサンが含まれる。脂肪族エポキシの例はまた、米国特許第6410127号明細書に列挙されており、これは参照によりその全体がここに組み込まれる。
一つの態様において、結合剤配合物は、結合剤配合物の総重量に対して、少なくとも約5wt%の1種又はそれ以上の脂肪族エポキシ、例えば少なくとも約10wt%又は少なくとも約20wt%の脂肪族エポキシ、を含む。一般に、結合剤配合物は、結合剤配合物の総重量に対して、約70wt%以下の、例えば約50wt%以下、約40wt%以下の、脂肪族エポキシを含む。
典型的には、結合剤配合物は、脂肪族アルコール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールの、モノ又はポリグリシジルエーテルを1種又はそれ以上含む。かかる成分の例には、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、約200から約10,000の分子量のポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレングリコール又はトリオールのグリシジルエーテルや、ポリテトラメチレングリコール又はポリ(オキシエチレン−オキシブチレン)ランダムもしくはブロックコポリマーのグリシジルエーテルが含まれる。商業的に入手できるグリシジルエーテルの例には、ヘロキシ(Heloxy)48、ヘロキシ(Heloxy)67、ヘロキシ(Heloxy)68、ヘロキシ(Heloxy)107及びグリロニット(Grilonit)F713のような多官能性グリシジルエーテル、又はヘロキシ(Heloxy)71、ヘロキシ(Heloxy)505、ヘロキシ(Heloxy)7、ヘロキシ(Heloxy)8及びヘロキシ(Heloxy)61(Resolution Performances(www.resins.com)により販売されている)のような単官能性グリシジルエーテルが含まれる。
結合剤配合物は、脂肪族アルコール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールのモノ又はポリグリシジルエーテルを約3wt%から約40wt%、より一般的には約5wt%から約20wt%含有し得る。
結合剤配合物は、1種又はそれ以上のオキセタン官能性成分(「オキセタン」)を含み得る。オキセタンは、オキセタン基を1個又はそれ以上、すなわち1個の酸素員及び3個の炭素員を含む4員環構造を1個又はそれ以上有する成分である。
オキセタンの例には、次式で表わされる成分が含まれ、
Figure 0004834078
この式において、
1は、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基(メチル、エチル、プロピル又はブチル基のような)、1から6個の炭素原子を有するフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニル基を表し、
2は、1から6個の炭素原子を有するアルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレン又はブチレン基のような)、又はエーテル結合を含有するアルキレン基、例えばオキシアルキレン基、例としてオキシエチレン、オキシプロピレンもしくはオキシブチレン基のようなもの、を表し、
Zは、酸素原子又は硫黄原子を表し、そして、
2は、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基)、2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基(例えば1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基又は3−ブテニル基)、6〜18個の炭素原子を有するアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、アントラニル基又はフェナントリル基)、7〜18個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アラルキル基(例えばベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、エトキシベンジル基)、アリールオキシアルキル基(例えばフェノキシメチル基又はフェノキシエチル基)、2〜6個の炭素原子を有するアルキルカルボニル基(例えばエチルカルボニル基、プロピルカルボニル基又はブチルカルボニル基)、2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基(例えばエトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基又はブトキシカルボニル基)、2〜6個の炭素原子を有するN−アルキルカルバモイル基(例えばエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基又はペンチルカルバモイル基)、又は2〜1000個の炭素原子を有するポリエーテル基を表す。
一つの特に有用なオキセタンには、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタンが含まれる。
1種又はそれ以上のカチオン硬化性成分に加えて、又はその代わりに、結合剤配合物は、フリーラジカル硬化性成分を1種又はそれ以上、例えば1個又はそれ以上のエチレン列不飽和基を有するフリーラジカル重合性成分、例として(メタ)アクリレート(すなわち、アクリレート又はメタクリレート)官能性成分のようなもの、を1種又はそれ以上含み得る。
単官能性エチレン列不飽和成分の例には、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、テトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレート、又はそれらの組み合わせが含まれる。
多官能性エチレン列不飽和成分の例には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート官能性ペンタエリトリトール誘導体(例えばペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシル化水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシル化変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、又はそれらの組み合わせが含まれる。
一つの態様において、結合剤配合物は、少なくとも3個の(メタ)アクリレート基、例えば3〜6個の(メタ)アクリレート基又は5〜6個の(メタ)アクリレート基を有する成分を1種又はそれ以上含む。
特定の態様において、結合剤配合物は、結合剤配合物の総重量に対して、1種又はそれ以上のフリーラジカル重合性成分を少なくとも約3wt%、例えば少なくとも約5wt%又は少なくとも約9wt%含む。一般に、結合剤配合物は、フリーラジカル重合性成分を約50wt%以下、例えば約35wt%以下、約25wt%以下、約20wt%以下、又は約15wt%以下、含む。
一般に、ポリマー反応成分又は前駆体は、平均して少なくとも2個の官能基、例えば平均して少なくとも2.5個又は少なくとも3.0個の官能基、を有する。例えば、エポキシ前駆体は、2個又はそれ以上のエポキシ官能基を有し得る。別の例において、アクリル前駆体は、2個又はそれ以上のメタクリレート官能基を有し得る。
驚くべきことに、ポリエーテル主鎖を有する成分を含む結合剤配合物は、結合剤配合物の硬化後に優れた機械的性質を示す、ということが分かった。ポリエーテル主鎖を有する化合物の例には、ポリテトラメチレンジオール、ポリテトラメチレンジオールのグリシジルエーテル、ポリテトラメチレンジオールのアクリレート、1個もしくはそれ以上のポリカーボネート基を含有するポリテトラメチレンジオール、又はそれらの組み合わせが含まれる。一つの態様において、結合剤配合物は、5wt%と20wt%の間の、ポリエーテル主鎖を有する化合物を含む。
結合剤配合物はまた、触媒及び開始剤を含むこともできる。例えば、カチオン開始剤は、カチオン重合性成分間の反応を触媒し得る。ラジカル開始剤は、ラジカル重合性成分のフリーラジカル重合を活性化し得る。開始剤は、熱エネルギー又は化学線により活性化され得る。例えば、開始剤は、化学線に暴露された時にカチオン重合反応を触媒するカチオン光開始剤を含み得る。別の例において、開始剤は、化学線に暴露された時にフリーラジカル重合反応を開始させるラジカル光開始剤を含み得る。化学線には粒子線又は非粒子線が含まれ、そして電子ビーム線及び電磁線を含むことが意図される。特定の態様において、電磁線には、約100nmから約700nmの範囲の少なくとも1つの波長を有する、そして特に電磁スペクトルの紫外範囲の波長を有する放射線が含まれる。
一般に、カチオン光開始剤は、化学線に暴露されるとエポキシド又はオキセタンを少なくとも部分的に重合させることが可能である活性種を生成する物質である。例えば、カチオン光開始剤は、化学線への暴露で、エポキシド又はオキセタンのようなカチオン重合性成分の反応を開始させることができるカチオンを生成することができる。
カチオン光開始剤の例には、例えば、弱求核性のアニオンを持つオニウム塩が含まれる。その例には、公開された欧州特許出願第153904号明細書及び国際公開第98/28663号パンフレットに記載されているような、ハロニウム塩、ヨードシル塩もしくはスルホニウム塩、例えば公開された欧州特許出願第35969、44274、54509、及び164314号明細書に記載されているような、スルホキソニウム塩、又は例えば米国特許第3708296、及び5002856号明細書に記載されているような、ジアゾニウム塩が含まれる。8つのこれらの開示文書は全て、参照によってそれらの全体がここに組み込まれる。カチオン光開始剤の他の例には、例えば公開された欧州出願第94914及び94915号明細書に記載されているような、メタロセン塩が含まれ、これらの出願は両方とも、参照によってそれらの全体がここに組み込まれる。
典型的態様において、結合剤配合物は、次式(1)又は(2)により表される1種又はそれ以上の光開始剤を含み、
Figure 0004834078
これらの式において、
3は、水素原子、1から18個の炭素原子を有するアルキル基、又は1から18個の炭素原子を有するアルコキシル基を表し、
Mは、金属原子、例えばアンチモンを表し、
Zは、ハロゲン原子、例えばフッ素を表し、そして、
tは、該金属の原子価数であり、例えばアンチモンの場合において5である。
特定の例において、結合剤配合物は、結合剤配合物の総重量に対して、1種又はそれ以上のカチオン光開始剤を約0.1wt%から約15wt%、例えば約1wt%から約10wt%、含む。
典型的に、オニウム塩光開始剤には、ヨードニウム錯塩又はスルホニウム錯塩が含まれる。有用な芳香族オニウム錯塩は、例えば米国特許第4256828号明細書(Smith)に更に記載されており、その開示は参照によりここに組み込まれる。代表的芳香族ヨードニウム錯塩には、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロホスフェート又はジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートが含まれる。代表的芳香族スルホニウム錯塩には、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−フェニル(チオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、又はスルホニウム(チオジ−4,1−フェニレン)ビス(ジフェニル−ビス((OC−6−11)ヘキサフルオロアンチモネート))が含まれる。
芳香族オニウム塩は、典型的には、スペクトルの紫外領域においてのみ感光性である。しかしながら、それらは、公知の光分解性有機ハロゲン化合物用の増感剤によりスペクトルの近紫外及び可視領域に対して感光性にすることができる。典型的増感剤には、例えば米国特許第4250053号明細書(Smith)に記載されているような芳香族アミン又は有色芳香族多環式炭化水素が含まれ、その開示は参照によりここに組み込まれる。
好適な光活性化可能な有機金属錯塩には、例えば米国特許第5059701号明細書(Keipert)、第5191101号明細書(Palazzottoら)及び第5252694号明細書(Willettら)に記載されたものが含まれ、それらの開示は参照によりここに組み込まれる。光活性化可能な開始剤として有用な典型的有機金属錯塩には、(ξ6−ベンゼン)(ξ5−シクロペンタジエニル)Fe+1SbF6 -、(ξ6−トルエン)(ξ5−シクロペンタジエニル)Fe+1AsF6 -、(ξ6−キシレン)(ξ5−シクロペンタジエニル)Fe+1SbF6 -、(ξ6−クメン)(ξ5−シクロペンタジエニル)Fe+1PF6 -、(ξ6−キシレン(混合異性体))(ξ5−シクロペンタジエニル)Fe+1SbF6 -、(ξ6−キシレン(混合異性体))(ξ5−シクロペンタジエニル)Fe+1PF6 -、(ξ6−o−キシレン)(ξ5−シクロペンタジエニル)Fe+1CF3SO3 -、(ξ6−m−キシレン)(ξ5−シクロペンタジエニル)Fe+1BF4 -、(ξ6−メシチレン)(ξ5−シクロペンタジエニル)Fe+1SbF6 -、(ξ6−ヘキサメチルベンゼン)(ξ5−シクロペンタジエニル)Fe+1SbF5OH-、(ξ6−フルオレン)(ξ5−シクロペンタジエニル)Fe+1SbF6 -、又はそれらの組み合わせが含まれる。
任意に、有機金属塩触媒は、第3級アルコールのオキサレートエステルのような促進剤を伴い得る。存在する場合、促進剤は、望ましくは、全結合剤配合物の約0.1重量%から約4重量%を構成する。
有用な商業的に入手できるカチオン光開始剤には、例えば、ミネソタ州セントポールのMinnesota Mining and Manufacturing Companyから商品名「FX−512」で入手できる芳香族スルホニウム錯塩、Dow Chemical Co.から入手できる商品名「UVI−6974」の芳香族スルホニウム錯塩、又はチヴァキュア(Chivacure)1176が含まれる。
結合剤配合物は、任意に、多官能性アクリレートをフリーラジカル光硬化するために有用な光開始剤を含み得る。フリーラジカル光開始剤の例には、ベンゾフェノン(例えばベンゾフェノン、アルキル置換ベンゾフェノン、又はアルコキシ置換ベンゾフェノン)、ベンゾイン(例えば、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、例としてベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなど、及びベンゾインアセテート)、アセトフェノン、例としてアセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、4−(フェニルチオ)アセトフェノン、及び1,1−ジクロロアセトフェノンなど、ベンジルケタール、例としてベンジルジメチルケタール及びベンジルジエチルケタールなど、アントラキノン、例として2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、及び2−アミルアントラキノンなど、トリフェニルホスフィン、ベンゾイルホスフィンオキシド、例として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなど、チオキサントンもしくはキサントン、アクリジン誘導体、フェナゼン誘導体、キノキサリン誘導体、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、1−アミノフェニルケトンもしくは1−ヒドロキシフェニルケトン、例として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル(1−ヒドロキシイソプロピル)ケトン及び4−イソプロピルフェニル(1−ヒドロキシイソプロピル)ケトンなど、又はトリアジン化合物、例えば4″′−メチルチオフェニル−1−ジ(トリクロロメチル)−3,5−s−トリアジン、s−トリアジン−2−(スチルベン)−4,6−ビストリクロロメチルもしくはパラメトキシスチリルトリアジンなど、が含まれる。
典型的光開始剤には、ベンゾインもしくはその誘導体、例としてα−メチルベンゾインなど、U−フェニルベンゾイン、α−アリルベンゾイン、α−ベンジルベンゾイン、ベンゾインエーテル、例としてベンジルジメチルケタール(例えば、Ciba Specialty Chemicalsから商品名「イルガキュア(IRGACURE)651」で入手できる)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテルなど、アセトフェノンもしくはその誘導体、例として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン(例えば、Ciba Specialty Chemicalsから商品名「ダロキュア(DAROCUR)1173」で入手できる)及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えばCiba Specialty Chemicalsから商品名「イルガキュア(IRGACURE)184」で入手できる)など、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン(例えばCiba Specialty Chemicalsから商品名「イルガキュア(IRGACURE)907」で入手できる)、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(例えばCiba Specialty Chemicalsから商品名「イルガキュア(IRGACURE)369」で入手できる)、又はそれらのブレンド物が含まれる。
ほかの有用な光開始剤としては、ピバロインエチルエーテル、アニソインエチルエーテル、アントラキノン、例としてアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、1−メトキシアントラキノン、ベンゾアントラキノンハロメチルトリアジンなど、ベンゾフェノンもしくはその誘導体、上記に記載されているようなヨードニウム塩もしくはスルホニウム塩、チタン錯体、例えばビス(ξ5−2,4−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロリル)フェニル)チタン(やはりCiba Specialty Chemicalsから商品名「CGI784DC」で商業的に入手できる)など、ハロメチルニトロベンゼン、例えば4−ブロモメチルニトロベンゼンなど、又はモノ−もしくはビス−アシルホスフィン(例えばCiba Specialty Chemicalsから商品名「イルガキュア(IRGACURE)1700」、「イルガキュア(IRGACURE)1800」、「イルガキュア(IRGACURE)1850」及び「ダロキュア(DAROCUR)4265」で入手できる)が含まれる。好適な光開始剤は、上記に挙げられた化学種のブレンド物、例としてα−ヒドロキシケトン/アクリルホスフィンオキシドブレンド物(例えばCiba Specialty Chemicalsから商品名「イルガキュア(IRGACURE)2022で入手できる)など、が挙げられる。
更なる好適なフリーラジカル光開始剤には、アクリレートの重合を開始させることができる、化学線を吸収しそしてフリーラジカルを生成することが可能であるイオン性の染料−対イオン化合物が含まれる。例えば、公開された欧州特許出願第223587号明細書、並びに米国特許第4751102号、第4772530号及び第4772541号明細書が参照され、これらの4つは全て参照によって全体がここに組み込まれる。
光開始剤は、結合剤配合物の総重量を基準として、約20wt%以下、例えば約10wt%以下、典型的には約5wt%以下、の量にて存在することができる。例えば、光開始剤は、結合剤配合物の総重量を基準として、0.1wt%から20.0wt%、例えば0.1wt%から5.0wt%、又は最も典型的には0.1wt%から2.0wt%、の量にて存在し得るけれども、これらの範囲外の量もまた有用であり得る。一つの例において、光開始剤は、少なくとも約0.1wt%、例えば少なくとも約1.0wt%の量にて、又は1.0wt%から10.0wt%の量にて存在する。
任意的に、結合剤配合物には熱硬化剤を含ませてもよい。かかる熱硬化剤は、一般に、諸成分の混合が行われる温度において熱安定性である。エポキシ樹脂及びアクリレート用の典型的熱硬化剤は当該技術分野においてよく知られていて、そして例えば米国特許第6258138号明細書(DeVoeら)に記載されており、その開示は参照によりここに組み込まれる。熱硬化剤は、結合剤前駆体中に任意の有効量にて存在し得る。かかる量は、結合剤配合物の重量を基準として、典型的には約0.01wt%から約5.0wt%の範囲、望ましくは約0.025wt%から約2.0wt%の範囲にあるけれども、これらの範囲外の量もまた有用であり得る。
結合剤配合物はまた、溶媒、可塑剤、架橋剤、連鎖移動剤、安定剤、分散剤、硬化剤、反応媒介物、及び分散液の流動性に影響を与える作用物質などの、他の成分を含んでもよい。例えば、結合剤配合物は、ポリオール、ポリアミン、線状又は分岐ポリグリコールエーテル、ポリエステル及びポリラクトンからなる群から選択される1種又はそれ以上の連鎖移動剤を含むこともできる。
別の例において、結合剤配合物は、ヒドロキシ官能性又はアミン官能性の成分及び添加剤のような追加成分を含み得る。一般に、特定のヒドロキシ官能性成分は、硬化性基(例えばアクリレート、エポキシ又はオキセタン基のような)がなく、そして光開始剤からなる群からは選択されない。
結合剤配合物は、1種又はそれ以上のヒドロキシ官能性成分を含み得る。ヒドロキシ官能性成分は、硬化を受けた結合剤配合物の機械的性質を更に調整するのに役立ち得る。ヒドロキシ官能性成分には、モノオール(1個のヒドロキシ基を含むヒドロキシ官能性成分)又はポリオール(2個以上のヒドロキシ基を含むヒドロキシ官能性成分)が含まれる。
ヒドロキシ官能性成分の代表例としては、アルカノール、ポリオキシアルキレングリコールのモノアルキルエーテル、アルキレングリコールのモノアルキルエーテル、アルキレン及びアリールアルキレングリコール、例として1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘプタントリオール、2,6−ジメチル−1,2,6−ヘキサントリオール、(2R,3R)−(−)−2−ベンジルオキシ−1,3,4−ブタントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,3−ブタントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオール、1,2,3−シクロヘキサントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−ヘキサデカントリオール、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン−3,4,5−トリオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、トランス−1,2−シクロオクタンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、1,2−もしくは1,3−プロパンジオール、1,2−もしくは1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,5−デカリンジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,7−ジメチル−3,5−オクタジイン−2,7−ジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、約200から約10,000の分子量のポリオキシエチレンもしくはポリオキシプロピレングリコールもしくはトリオール、様々な分子量のポリテトラメチレングリコール、ポリ(オキシエチレン−オキシブチレン)ランダムもしくはブロックコポリマー、ビニルアセテートコポリマーの加水分解もしくは部分加水分解により生成されたペンダントヒドロキシ基を含有するコポリマー、ペンダントヒドロキシル基を含有するポリビニルアセタール樹脂、ヒドロキシ官能性(例えばヒドロキシ末端の)ポリエステルもしくはヒドロキシ官能性(例えばヒドロキシ末端の)ポリラクトン、脂肪族ポリカーボネートポリオール(例えば脂肪族ポリカーボネートジオール)、ヒドロキシ官能性(例えばヒドロキシ末端の)ポリエーテル(例えば150〜4000g/mol、150〜1500g/mol、又は150〜750g/molの範囲の数平均分子量を有するポリテトラヒドロフランポリオール)、又はそれらの組み合わせが挙げられる。典型的ポリオールとしては、更に、脂肪族ポリオール、例としてグリセロール、トリメチロールプロパンなど、あるいはまた糖アルコール、例としてエリトリトール、キシリトール、マンニトール又はソルビトールなど、が挙げられる。特定の態様において、結合剤配合物は、1種又はそれ以上の脂環式ポリオール、例として1,4−シクロヘキサン−ジメタノール、スクロース又は4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ(5.2.1.0)デカンなど、を含む。
結合剤配合物用の好適なポリエーテルとしては、特に、ポリオール(例えば上記に挙げられたポリオール)の存在下での環状エーテルの開環重合により得ることができる線状もしくは分岐ポリグリコールエーテルや、ポリグリコールエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコール、又はそれらのコポリマーが挙げられる。
結合剤配合物用のほかの好適なポリエステルとしては、ポリオールと脂肪族、脂環式もしくは芳香族多官能性カルボン酸(例えばジカルボン酸)とを基剤としたポリエステル、又は特に、18℃から300℃典型的には18℃から150℃の温度において液体であるすべての対応する飽和ポリエステル、典型的には、アルコール成分がモノマー又はポリマーポリオール、例えば上記に挙げられた種類のもの、で構成されている、コハク酸エステル、グルタル酸エステル、アジピン酸エステル、クエン酸エステル、フタル酸エステル、イソフタル酸エステル、テレフタル酸エステル又は対応する水素化生成物のエステルが挙げられる。
更なるポリエステルとしては、脂肪族ポリラクトン、例えばδ−ポリカプロラクトンなど、又は、例えばジオールとホスゲンとの重縮合により得ることができる、ポリカーボネートが挙げられる。結合剤配合物にとっては、500から100,000の平均分子量を有するビスフェノールAのポリカーボネートを用いることが一般的である。
結合剤配合物の粘度に影響を与える、特に粘度の低下又は液化の目的のために、ポリオール、ポリエーテルもしくは飽和ポリエステル、又はそれらの混合物を、必要に応じて、更なる適当な助剤、特に溶媒、可塑剤、希釈剤など、と混合してもよい。一つの態様において、かかる組成物は、結合剤配合物の総重量に対して、約15wt%以下、例えば約10wt%以下、約6wt%以下、約4wt%以下、約2wt%以下、又は約0wt%の、ヒドロキシ官能性成分を含み得る。一つの例において、結合剤配合物は、実質的量のヒドロキシ官能性成分を含まない。実質的量のヒドロキシ官能性成分の存在しないことは、結合剤配合物又はそれを用いて得られる物品の吸湿性を低下させることができる。
アルキレンオキシドとの縮合生成物を作るためのヒドロキシ又はアミン官能性有機化合物の例としては、3から20個の炭素原子を有するポリオール、(C8〜C18)脂肪酸(C1〜C8)アルカノールアミド(脂肪酸エタノールアミドのような)、脂肪アルコール、アルキルフェノール又は2から5個の炭素原子を有するジアミンが挙げられる。かかる化合物は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はそれらの混合物のような、アルキレンオキシドと反応させられる。反応は、例えば1:2から1:65のヒドロキシ又はアミン含有有機化合物対アルキレンオキシドのモル比にて行われ得る。縮合生成物は典型的には、約500から約10,000の重量平均分子量を有し、そして分岐状、環状、線状であり得、またホモポリマー、コポリマー又はターポリマーのいずれかであり得る。
結合剤配合物は、更に、粒子状フィラーの表面と相互作用しそして該表面を改質するための分散剤を含み得る。例えば、分散剤としては、オルガノシロキサン、官能化オルガノシロキサン、アルキル置換ピロリドン、ポリオキシアルキレンエーテル、エチレンオキシドプロピレンオキシドコポリマー又はそれらの組み合わせを挙げることができる。様々な粒子状フィラーについてそして特にシリカフィラーについて、好適な表面改質剤としてはシロキサンが挙げられる。
シロキサンの例には、官能化又は非官能化シロキサンが含まれる。シロキサンの例としては、次式
Figure 0004834078
(式中、各Rは独立に、置換されたもしくは置換されていない線状、分岐もしくは環状C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ、置換されたもしくは置換されていないアリール、アリールオキシ、トリハロアルキル、シアノアルキル又はビニル基であり、B1又はB2は、水素、シロキシ基、ビニル基、シラノール基、アルコキシ基、アミン基、エポキシ基、ヒドロキシ基、(メタ)アクリレート基、メルカプト基又は疎溶媒基(親油性又は親水性(例えばアニオン性、カチオン性)基のような)であり、そしてnは、約1から約10,000、特に約1から約100の整数である)
により表される化合物が挙げられる。
一般に、官能化シロキサンは、約300から約20,000の範囲の分子量を有する化合物である。かかる化合物は、例えばGeneral Electric Companyから又はGoldschmidt, Inc.から、商業的に入手できる。典型的な官能化シロキサンは、官能化が典型的にはシロキサンに対して末端であるアミン官能化シロキサンである。
典型的オルガノシロキサンは、Witco Corporationによりシルウェット(Silwet)の名称で販売されている。かかるオルガノシロキサンは典型的に、約350から約15,000の平均重量分子量を有し、水素又はC1〜C4アルキルでキャップされており、そして加水分解性又は非加水分解性であり得る。典型的オルガノシロキサンとしては、ポリアルキレンオキシド変性ジアルキルポリシロキサンであるシルウェット(Silwet)L−77、L−7602、L−7604及びL−7605の名称で販売されているものが挙げられる。
好適なアニオン分散剤の例としては、(C8〜C16)アルキルベンゼンスルホネート、(C8〜C16)アルカンスルホネート、(C8〜C18)α−オレフィンスルホネート、α−スルホ(C8〜C16)脂肪酸メチルエステル、(C8〜C16)脂肪アルコールサルフェート、モノもしくはジアルキルスルホスクシネート(各アルキルは独立して(C8〜C16)アルキル基である)、アルキルエーテルサルフェート、カルボン酸の(C8〜C16)塩、又は約8から約18個の炭素の脂肪鎖を有するイセチオネート、例えばナトリウムジエチルヘキシルスルホスクシネート、ナトリウムメチルベンゼンスルホネート又はナトリウムビス(2−エチルヘキシル)スルホスクシネート(例えばエアロゾル(Aerosol)OT又はAOT)が挙げられる。
一般的には、分散剤は、オルガノシロキサン、官能化オルガノシロキサン、アルキル置換ピロリドン、ポリオキシアルキレンエーテル又はエチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマーから選択される化合物である。
市販の分散剤の例としては、環状オルガノシリコーン(例えば、SF1204、SF1256、SF1328、SF1202(デカメチル−シクロペンタシロキサン(ペンタマー))、SF1258、SF1528、ダウコーニング(Dow Corning)245流体、ダウコーニング(Dow Corning)246流体、ドデカメチル−シクロヘキサシロキサン(ヘキシマー)及びSF1173)、ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレンオキシドのコポリマー(例えば、SF1488及びSF1288)、オリゴマーを含む線状シリコーン(例えば、ダウコーニング(Dow Corning)200(R)流体)、シルウェット(Silwet)L−7200、シルウェット(Silwet)L−7600、シルウェット(Silwet)L−7602、シルウェット(Silwet)L−7605、シルウェット(Silwet)L−7608もしくはシルウェット(Silwet)L−7622や、非イオン界面活性剤(例えば、トリトン(Triton)X−100、イゲパール(Igepal)CO−630、PVPシリーズ、エアヴォール(Airvol)125、エアヴォール(Airvol)305、エアヴォール(Airvol)502及びエアヴォール(Airvol)205)、有機ポリエーテル(例えばスルフィノール(Surfynol)420、スルフィノール(Surfynol)440及びスルフィノール(Surfynol)465)、又はソルスパース(Solsperse)41000が挙げられる。
別の典型的な市販分散剤の例としては、SF1173(GE Siliconesから)や、スルフィノール(Surfynol)420、スルフィノール(Surfynol)440及びスルフィノール(Surfynol)465(Air Products Incから)のような有機ポリエーテルや、シルウェット(Silwet)L−7200、シルウェット(Silwet)L−7600、シルウェット(Silwet)L−7602、シルウェット(Silwet)L−7605、シルウェット(Silwet)L−7608もしくはシルウェット(Silwet)L−7622(Witcoから)や、又はトリトン(Triton)X−100(Dow Chemicalsから)、イゲパール(Igepal)CO−630(Rhodiaから)、PVPシリーズ(ISP Technologiesから)及びソルスパース(Solsperse)41000(Aveciaから)のような非イオン界面活性剤が挙げられる。
分散剤の量は、0wt%から5wt%の範囲にある。より一般的には、分散剤の量は、0.1wt%と2wt%の間にある。シランは、典型的には、ナノサイズの粒子状フィラーの表面の表面活性部位のモル量に関して40mol%から200mol%、特に60mol%から150mol%の濃度にて用いられる。一般に、結合剤配合物は、結合剤配合物の総重量を基準として約5wt%以下の分散剤、例えば約0.1wt%から約5.0wt%の分散剤、を含む。
結合剤配合物は更に、連続相中に懸濁された分散相を含み得る。連続相は、典型的には、ポリマー成分を含む。分散相は、一般に、粒子状フィラーを含む。粒子状フィラーは、例えば金属(例えば鋼、銀又は金のような)もしくは金属錯体(例えば金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物、金属ハロゲン錯体、金属炭化物、金属リン酸塩のような)、無機塩(例えばCaCO3のような)、セラミック又はその組み合わせ、の粒子のような、無機粒子で形成され得る。金属酸化物の例は、ZnO,CdO、SiO2、TiO2、ZrO2、CeO2、SnO2、MoO3、WO3、Al23、In23、La23、Fe23、CuO、Ta25、Sb23、Sb25又はそれらの組み合わせである。異なる金属を含有する混合酸化物もまた存在し得る。ナノ粒子としては、例えば、ZnO、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Al23、共生成シリカアルミナ及びそれらの混合物からなる群から選択される粒子を挙げることができる。ナノメートルサイズの粒子はまた、例えばカーボンブラック、高架橋/コアシェルポリマーナノ粒子、有機変性されたナノメートルサイズの粒子、等のような有機成分も有し得る。かかるフィラーは、例えば、参照によってここに組み込まれる米国特許第6467897号明細書及び国際公開第98/51747号パンフレットに記載されている。
ゾル法で生成したセラミック及びゾル−ゲル法で生成したセラミックのような、溶液を基礎とする方法によって作られた粒子状フィラーは、複合結合剤を作る際に用いるのに特によく適合する。好適なゾルは商業的に入手できる。例えば、水溶液中のコロイドシリカは、「ルドックス(LUDOX)」(デラウェア州ウィルミントンのE.I. DuPont de Nemours and Co., Inc.)、「ナイアコール(NYACOL)(マサチューセッツ州アシュランドのNyacol Co.)及び「ナルコ(NALCO)」(イリノイ州オークブルックのNalco Chemical Co.)のような商品名で商業的に入手できる。多くの商業的に入手できるゾルは塩基性であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化アンモニウムのようなアルカリにより安定化されている。好適なコロイドシリカのこのほかの例は、参照によりここに組み込まれる米国特許第5126394号明細書に記載されている。特によく適合するものは、ゾル法生成シリカ及びゾル法生成アルミナである。ゾルは、1種以上の適切な表面処理剤をゾル中の無機酸化物基質粒子と反応させることにより官能化され得る。
特定の態様において、粒子状フィラーはサブミクロンのサイズである。例えば、粒子状フィラーは、約3nmから約500nmの平均粒子サイズを有する粒子状フィラーのような、ナノサイズの粒子状フィラーであり得る。典型的態様では、粒子状フィラーは、約3nmから約200nmの、例えば約3nmから約100nm、約3nmから約50nm、約8nmから約30nm、又は約10nmから約25nmといったような、平均粒子サイズを有する。特定の態様において、平均粒子サイズは約500nm以下であり、例えば約200nm以下、約100nm未満、又は約50nm以下である。粒子状フィラーについては、平均粒子サイズは、小角中性子散乱(SANS)分布曲線におけるピーク体積分率に相当する粒子サイズとして、又はSANS分布曲線の0.5累積体積分率に相当する粒子サイズとして定義することができる。
粒子状フィラーはまた、平均粒子サイズの約2.0倍以下の半値幅を有する狭い分布曲線により特徴づけることもできる。例えば、半値幅は、約1.5以下又は約1.0以下であり得る。分布の半値幅は、分布曲線ピークにおける粒子分率の半分のような、分布曲線の最大高さの半分における分布曲線の幅である。特定の態様において、粒子サイズ分布曲線は単峰(mono−modal)である。別の態様においては、粒子サイズ分布は、双峰であり、あるいは粒子サイズ分布において2つ以上のピークを有する。
特定の態様において、結合剤配合物は、少なくとも2種の粒子状フィラーを含み得る。粒子状フィラーのおのおのは、粒子状フィラーに関して上記に記載された物質から選択される物質で作ることができる。粒子状フィラーは、同じ物質で又は異なる物質であることができる。例えば、粒子状フィラーのおのおのをシリカで作ることができる。別の例では、一つのフィラーをシリカで作ることができ、そして第2のフィラーをアルミナで作ることができる。ある例では、粒子状フィラーのおのおのは、約1000nm以下の、例えば約500nm以下又は約100nm未満の、平均粒子サイズを有する粒子サイズ分布を有する。別の例では、粒子状フィラーの一つは約1000nm以下の、例えば約500nm以下又は約100nm未満の、平均粒子サイズを有する粒子サイズ分布を有し、一方もう一つの粒子状フィラーは約1ミクロンより大きい、例えば約1ミクロンから約10ミクロン又は約1ミクロンから約5ミクロンの、平均粒子サイズを有する。あるいはまた、第2の粒子状フィラーは、1500ミクロンほどの大きい平均粒子サイズを有し得る。特定の態様では、サブミクロンの平均粒子サイズを有する第1粒子状フィラー及び1ミクロンより大きい平均粒子サイズを有する第2粒子状フィラーを含む結合剤配合物が、硬化して結合剤を生成したときに改善された機械的性質を都合よくもたらす。
一般的には、第2粒子状フィラーは低いアスペクト比を有する。例えば、第2粒子状フィラーは、約2以下の、例えば約1又はほぼ球状のような、アスペクト比を有し得る。一般に、第2粒子状フィラーは処理されておらず、且つ諸処理によって硬くされない。対照的に、砥粒は一般的に、少なくとも約2のアスペクト比と鋭いエッジを備えた硬化微粒子である。
第2粒子状フィラーを選択する場合、沈降速度及び粘度が一般に考慮される。サイズが増加するにつれて、1ミクロンより大きいサイズを有する粒子状フィラーはより速く沈降する傾向にあるが、より高い充填量においてより小さい粘度を示す。加えて、粒子状フィラーの屈折率が考慮され得る。例えば、粒子状フィラーは、少なくとも約1.35の屈折率を備えるように選択され得る。更に、塩基性残留物はカチオン重合する成分の重合に悪影響を及ぼすことがあるので、塩基性残留物を含まない粒子状フィラーを選択することができる。
粒子状フィラーは一般に、結合剤配合物に分散される。硬化する前に、粒子状フィラーは結合剤懸濁液中にコロイド状に分散され、そして硬化するとコロイド状複合結合剤を形成する。例えば、粒子状物質は、ブラウン運動が粒子状フィラーを懸濁状態に維持するように分散され得る。一般に、粒子状フィラーは粒子状の凝集体を実質的に含まない。例えば、粒子状フィラーは、粒子状フィラーが単一の粒子として分散されるように実質的に単分散性でありことができ、そして特定の例において、たとえあるとしても取るに足らない粒子凝集体しか有さない。
特定の態様において、粒子状フィラーの粒子は実質的に球状である。あるいはまた、粒子は1より大きい、例えば少なくとも約2、少なくとも約3、又は少なくとも約6の、主アスペクト比を有することができ、この主アスペクト比は、最長寸法の最長寸法に直交する最小寸法の比率である。粒子はまた、一般に最長寸法に垂直な平面における直交寸法の比率として定義される二次アスペクト比により特徴づけることもできる。粒子は、少なくとも約2の主アスペクト比及び約2以下の、例えば約1の、二次アスペクト比を有するような、針状であり得る。あるいはまた、粒子は、少なくとも約2のアスペクト比及び少なくとも約2の二次アスペクト比を有するような、小板状であり得る。
典型的態様において、粒子状フィラーは水溶液にて作製され、そして懸濁液の結合剤配合物と混合される。かかる懸濁液を作製する方法は、シリカ水溶液のような水溶液を導入し、このケイ酸塩を例えば3nmから50nmの粒子サイズになるように重縮合させ、生じたシリカゾルをアルカリ性のpHに調整し、任意的にこのゾルを濃縮し、当該ゾルを懸濁液の流体連続相の成分と混合し、そして任意的に懸濁液から水又は他の溶媒成分を除去することを含む。例えば、溶液の重量を基準として20重量%と50重量%の間の範囲の濃度を有するアルカリ金属ケイ酸塩溶液(例えばケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウム溶液)のようなケイ酸塩水溶液が導入される。例えばアルカリ金属ケイ酸塩溶液を酸性イオン交換体で処理することにより、ケイ酸塩を3nmから50nmの粒子サイズに重縮合させる。生じたシリカゾルを、存在する粒子の更なる重縮合又は凝集に対して安定化させるために、アルカリ性pH(例えばpH>8)に調整する。任意的に、ゾルは、例えば蒸留により、典型的には約30〜40重量%のSiO2濃度まで、濃縮することができる。ゾルを、流体連続相の成分と混合する。その後、水又は他の溶媒成分を懸濁液から除去する。特定の態様では、懸濁液は実質的に水を含まない。
結合剤配合物のうちの割合としての、予備硬化した結合剤配合物(一般に有機ポリマー成分を含む)中の連続相の率は、約20重量%から約95重量%、例えば約30重量%から約95重量%、そして典型的には約50重量%から約95重量%、そして更に一層典型的には約55重量%から約80重量%であり得る。粒子状フィラー分散相の率は、約5重量%から約80重量%、例えば約5重量%から約70重量%、典型的には約5重量%から約50重量%、そして一層典型的には約20重量%から約45重量%であり得る。先に説明したコロイド状に分散された且つサブミクロンの粒子状フィラーは、少なくとも約5wt%の、例えば少なくとも約10wt%、少なくとも約15wt%、少なくとも約20wt%、又は40wt%程度もしくはそれ以上のような、濃度にて特に有用である。従来のフィラーとは対照的に、溶液で生成したナノ複合物は、より高い充填量において低い粘度及び改善された加工特性を示す。成分の量は、別段明示されていなければ、結合剤配合物の総重量に関して成分の重量%として表される。
特定の態様において、結合剤配合物は、結合剤配合物の総重量を基準として、約10wt%から約90wt%のカチオン重合性化合物、約40wt%以下のラジカル重合性化合物、及び約5wt%から約80wt%の粒子状フィラーを含む。結合剤配合物成分の量の和は合計して100wt%になり、そしてそれゆえに、1種以上の成分の量が特定されると、それに応じて他の成分の量はその和が100wt%以下になる、ということが理解される。
カチオン重合性化合物としては、例えば、エポキシ官能性成分又はオキセタン官能性成分が挙げられる。例えば、結合剤配合物は、結合剤配合物の重量を基準として、約10wt%から約60wt%のカチオン重合性化合物、例えば約20wt%から約50wt%のカチオン重合性化合物、を含み得る。典型的な結合剤配合物は、約20wt%以下の、例えば約5wt%から約20wt%の、脂肪族アルコール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールのモノ又はポリグリシジルエーテルを含み得る。典型的結合剤配合物は、約50wt%以下の、例えば約5wt%から約50wt%の、ポリエーテル主鎖を有する成分、例としてポリテトラメチレンジオール、ポリテトラメチレンジオールのグリシジルエーテル、ポリテトラメチレンジオールのアクリレート、又は1個以上のポリカーボネート基を含有するポリテトラメチレンジオールなど、を含み得る。
上記の例のラジカル重合性化合物としては、例えば、1個以上のメタクリレート基を有する成分、例として少なくとも3個のメタクリレート基を有する成分、が挙げられる。別の例において、結合剤配合物は、約30wt%以下の、例えば約20wt%以下、約10wt%以下、又は約5wt%以下の、ラジカル重合性化合物を含む。
配合物は更に、約20wt%以下の、例えば約0.1wt%から約20wt%の、カチオン光開始剤、又は約20wt%以下の、例えば約0.1wt%から約20wt%の、ラジカル光開始剤を含み得る。例えば、結合剤配合物は、約10wt%以下の、例えば約5wt%以下の、カチオン光開始剤を含み得る。別の例においては、結合剤配合物は、約10wt%以下の、例えば約5wt%以下の、フリーラジカル光開始剤を含み得る。
特定のフィラーは、分散されたサブミクロンの微粒子を含む。一般に、結合剤配合物は、5wt%から80wt%の、例えば5wt%から60wt%(例えば5wt%から50wt%のような)、又は20wt%から45wt%の、サブミクロン粒子状フィラーを含む。特定の態様は、少なくとも約5wt%の、例えば少なくとも10wt%又は少なくとも約20wt%の、粒子状フィラーを含む。一つの特定の態様において、粒子状フィラーは溶液で生成したシリカ微粒子であり、そしてポリマー成分中にコロイド状に分散することができる。典型的結合剤配合物は更に、オルガノシロキサン、官能化オルガノシロキサン、アルキル置換ピロリドン、ポリオキシアルキレンエーテル及びエチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマーから選択される、約5wt%以下の分散剤、例えば0.1wt%から5wt%の分散剤、を含み得る。
特定の態様において、結合剤配合物は、ナノ複合エポキシ又はアクリレート前駆体、すなわちサブミクロンの粒子状フィラーを含む前駆体を混合することにより作られる。例えば、結合剤配合物は約90wt%以下のナノ複合エポキシを含むことができ、またアクリル前駆体、例えば50wt%以下のアクリル前駆体、を含むことができる。別の例では、ナノ複合アクリル前駆体をエポキシと混合してもよい。
ポリマー成分又はモノマー成分を含み且つ分散した粒子状フィラーを含む結合剤配合物は、研磨布紙物品のメークコート、サイズコート、コンプライアントコート又はバックコートを形成するために用いることができる。メークコートを形成するための典型的方法では、結合剤配合物を基材上にコーティングし、このメークコート上に砥粒を塗布し、そしてメークコートを部分的に硬化させてからパターン化する。サイズコートを、このメークコートと砥粒の上に適用してもよい。別の典型的態様では、結合剤配合物を砥粒とブレンドして研磨材スラリーを作り、これを基材上にコーティングし、部分的に硬化させそしてパターン化する。
砥粒は、シリカ、アルミナ(溶融された又は焼結された)、ジルコニア、ジルコニア/アルミナ酸化物、炭化ケイ素、ガーネット、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、窒化ケイ素、セリア、二酸化チタン、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、酸化スズ、炭化タングステン、炭化チタン、酸化鉄、クロミア、フリント、エメリー含めた、砥粒のいずれか一つ又は組み合わせから作ることができる。例えば、砥粒は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ガーネット、ダイヤモンド、共溶融アルミナジルコニア、セリア、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、フリント、エメリー、窒化アルミナ及びそれらのブレンド物からなる群から選択され得る。特定の態様は、主としてα−アルミナで構成された高密度砥粒の使用により創出された。
砥粒はまた、特定の形状を有し得る。かかる形状の例には、棒、三角形、角錐、円錐、充実球、中空球、等が含まれる。あるいはまた、砥粒はランダムな形状であり得る。
砥粒は一般に、2000ミクロン以下の、例えば約1500ミクロン以下の、平均粒子サイズを有する。別の例では、砥粒サイズは約750ミクロン以下、例えば約350ミクロン以下である。例えば、砥粒サイズは、少なくとも0.1ミクロン、例えば約0.1ミクロンから約1500ミクロン、そして一層典型的には約0.1ミクロンから約200ミクロン又は約1ミクロンから約100ミクロンであり得る。砥粒の粒子サイズは、一般的には、砥粒の最長寸法であると規定される。一般に、粒子サイズにはある範囲の分布がある。場合により、粒子サイズ分布は厳格に制御される。
砥粒と結合剤配合物を含むブレンドされた研磨材スラリーにおいて、砥粒は、研磨材スラリーの重量の約10%から約90%、例えば約30%から約80%、を与える。
研磨材スラリーは更に、研削効率及び切削速度を増加させるために研削助剤を含み得る。有用な研削助剤は、無機系、例えばハロゲン化物塩、例としてナトリウムクリオライトやテトラフルオロホウ酸カリウムのようなもの、又は有機系、例えば塩素化ロウ、例を挙げるとポリ塩化ビニルのようなもの、であることができる。特定の態様としては、1ミクロンから80ミクロン、そして最も典型的には5ミクロンから30ミクロンの範囲の粒子サイズを有するクリオライト及びテトラフルオロホウ酸カリウムが挙げられる。研削助剤の重量パーセントは、一般に、全スラリー(砥粒を含めて)の約50wt%以下、例えば約0wt%から50wt%、そして最も典型的には約10wt%から30wt%である。
結合剤配合物は、ストラクチャード研磨物品を作る際に有用であり得る。例えば、結合剤配合物は基材上にコーティングされ、部分的に硬化され、そしてパターン化されて研磨材構造を形成し得る。特定の態様では、機能性粉末を使用することなく、ストラクチャード研磨物品を作ることができる。
図2は、典型的方法の説明図である。基材202が、ロール204から巻き出される。基材202に、コーティング装置206から供給される結合剤配合物208をコーティングする。典型的なコーティング装置は、ドロップダイコーター、ナイフコーター、カーテンコーター、真空ダイコーター又はダイコーターを含む。コーティングの方法としては、接触方法又は非接触方法のどちらも挙げることができる。かかる方法には、2本ロール、3本ロールリバース、ロール式ナイフ、スロットダイ、グラビア、押出又は噴霧コーティングでの塗布が含まれる。
特定の態様において、結合剤配合物208は、配合物及び砥粒を含むスラリーにて供給される。別の態様では、結合剤配合物208は、砥粒とは別個に供給される。砥粒は、基材202に結合剤配合物208をコーティングするのに続いて、結合剤配合物208の部分硬化後に、結合剤配合物208のパターン化後に、又は結合剤配合物208の完全硬化後に、供給してもよい。砥粒は、例えば、静電コーティング、ドロップコーティング又は機械的な射出のような技術により塗布することができる。
結合剤配合物は、エネルギー源210によって部分的に硬化される。エネルギー源210の選択は、部分的には、結合剤配合物の化学的性質に依存する。エネルギー源210は、熱エネルギー又は化学線エネルギー、例えば電子ビーム、紫外光又は可視光など、の供給源であり得る。用いられるエネルギーの量は、前駆体ポリマー成分中の反応性基の化学的特質、並びに結合剤配合物208の厚さ及び密度に依存する。熱エネルギーとしては、約75℃から約150℃の炉温度及び約5分から約60分の持続時間が一般に十分なものである。電子ビーム線又は電離線は、約0.1MRadから約100MRadのエネルギーレベルにて、特に約1MRadから約10MRadのエネルギーレベルにて、用いることができる。紫外線には、約200ナノメートルから約400ナノメートルの範囲内、特に約250ナノメートルから400ナノメートルの範囲内の波長を有する放射線が含まれる。可視線には、約400ナノメートルから約800ナノメートルの範囲内、特に約400ナノメートルから約550ナノメートルの範囲の波長を有する放射線が含まれる。露光量のような硬化パラメーターは一般に配合物に依存するものであり、そしてランプパワー及びベルト速度によって調節することができる。
典型的態様では、エネルギー源210はコーティングされた基材に化学線を供給して、結合剤配合物208を部分的に硬化させる。別の態様では、結合剤配合物208は熱硬化性であり、エネルギー源210が熱処理のための熱を提供する。更なる態様において、結合剤配合物208は、化学線硬化性及び熱硬化性成分を含み得る。かくして、結合剤配合物は、熱硬化及び化学線硬化の一方によって部分的に硬化させ、そして熱硬化及び化学線硬化のもう一方によって完全に硬化するまで硬化させることができる。例えば、結合剤配合物のエポキシ成分を紫外電磁線を用いて部分的に硬化させることができ、そして結合剤配合物のアクリル成分を熱硬化によって更に硬化させることができる。
特定の態様において、結合剤配合物208は、室温(21℃又は70°F)で測定して3000cp以下の粘度を有する。例えば、硬化前の結合剤配合物208は、室温において約2000cp以下の、例えば約1500cp以下、約1000cp以下、又は約500cp以下の、粘度を有し得る。あるいはまた、結合剤配合物208は3000cpより大きい粘度を有し得る。未硬化の結合剤配合物は、単独で又は研磨材スラリーでもって、コーティング処理を行う温度及び圧力において一般的に流動する。例えば、未硬化結合剤配合物は、約60℃(140°F)以下の温度において流動し得る。結合剤配合物208は、パターン化する前に、ある粘度まで、例えば室温で測定して少なくとも約10,000cp、例として少なくとも約20,000cp又は少なくとも約50,000cpの粘度まで、部分的に硬化させることができる。例えば、部分硬化結合剤配合物は、室温で測定して少なくとも約100,000cp、例として約500,000cp又はそれ以上の粘度を有し得る。別の態様において、部分硬化結合剤配合物は10,000cp未満の粘度を有し得る。部分硬化結合剤配合物は、典型的には、温度及び圧力の作用下で流動することができる粘性液体である。例えば、部分硬化結合剤配合物は、圧力下でパターンを付けることができる。一般に、部分硬化結合剤配合物は結合剤配合物より高い粘度を有する。特に、部分硬化結合剤配合物は、少なくとも約1.1の粘度指数を有し、それはここでは、室温における部分硬化結合剤配合物の粘度の室温における未硬化結合剤配合物の粘度に対する比として定義される。例えば、部分硬化結合剤配合物は、少なくとも約2.0の、例えば少なくとも約5.0又は少なくとも約10.0の、粘度指数を有し得る。特定の態様では、ナノ複合結合剤そして特にゾル法で生成したナノ複合結合剤が、かかる用途によく適合する。
図2に戻ると、結合剤配合物208が部分的に硬化したなら、その部分硬化結合剤にパターンを、例えばロトグラビア212によって、付与する。あるいは、パターンは部分硬化結合剤にスタンピング又はプレスによって形成してもよい。典型的には、エンボス加工用ロールで、連続ウェブ法により所望の表面構造を生じさせる。エンボス加工用ロールは回転コーティングラインで用いられ、そして一つのロールがバッキングロールでありそして別のロールが「エッチング」を施された又はエンボスロールであるニップロール集成装置として説明することができる。このニップでのコーティングされたウェブの圧縮は、エンボスロールの「ポジ」の像をウェブ上に付与する。かかるエンボス加工用ロールは、多くの場合、それらを印刷産業において用いられる標準的なグラビアロール又はアニロックスロールから区別する凹部を有する。
典型的なパターン化工具は加熱することができる。一般的に、パターン化で研磨材構造の反復パターンが形成される。特定の態様において、パターン化は機能性粉末なしに行われる。あるいはまた、機能性粉末を、結合剤配合物208の部分硬化の前に又は後に、結合剤配合物208上に適用してもよい。
パターン化した結合剤配合物は、引き続いて、完全に硬化されるか、又は望ましい機械的性質を得るように硬化される。硬化はエネルギー源によって促進することができ、あるいは結合剤配合物を経時的に硬化するように構成してもよい。例えば、パターン化した結合剤配合物をエネルギー源214により更に硬化させることができる。エネルギー源214は、結合剤配合物の硬化メカニズムに応じて結合剤配合物に化学線又は熱エネルギーを供給することができる。
結合剤配合物が硬化すると、ストラクチャード研磨物品が形成される。あるいは、サイズコートをパターン化した研磨材構造上に適用してもよい。特定の態様において、ストラクチャード研磨物品はロール216に巻かれる。別の態様において、完全硬化は、部分硬化研磨物品を巻いた後に行うことができる。
別の態様では、サイズコートを結合剤配合物と砥粒の上に適用することができる。例えば、サイズコートは、結合剤配合物を部分的に硬化させる前に、結合剤配合物を部分的に硬化させた後に、結合剤配合物をパターン化した後に、又は結合剤配合物を更に硬化させた後に、適用することができる。サイズコートは、例えばロールコーティング又はスプレーコーティングにより、適用することができる。サイズコートの組成に応じて、そしてそれを適用する場合には、サイズコートは、結合剤配合物とともに硬化させてもよく、あるいは別々に硬化させてもよい。研削助剤を含むスーパーサイズコートを、サイズコート上に適用し、そして結合剤配合物とともに硬化させ、サイズコートとともに硬化させ、あるいは別々に硬化させてもよい。
上記の方法の特定の態様は、ストラクチャード研磨物品を製造するのに有利である。かかる態様は、機械的性質が向上した結合剤を有する研磨物品をもたらすことになる。特に、いくつかの態様は研磨物品内の応力を低下させて、くもり及び表面品質などのような研磨物品の性能特性を改善することになる。上記の方法の態様は、砥粒の充填量の増加も可能にして、研磨物品の寿命と素材の除去速度を向上させることもできる。
〔結合剤配合物の例〕
例1〜5は、ポリマー成分及びナノサイズの粒子状フィラーを含む典型的な結合剤配合物を説明する。
(例1)
典型的な結合剤配合物は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート及び40wt%のコロイドシリカ粒子状フィラーを含むエポキシ樹脂の、Hanse Chemieから入手できるナノポックス(Nanopox)XP 22/0314を含む。結合剤配合物はまた、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートを含み粒子状フィラーを含まない、UVR 6105も含む。結合剤配合物は更に、ポリオール(4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ(5.2.1.0)デカン)、カチオン光開始剤(チヴァキュア(Chivacure)1176)、ラジカル光開始剤(Cibaから入手できるイルガキュア(Irgacure)2022(登録商標))、及びアクリレート前駆体(SR 399、ペンシルベニア州エクストンのAtofina−Sartomerから入手できるジペンタエリトリトールペンタアクリレート)を含む。表1は、結合剤配合物の成分の濃度を示すものである。
Figure 0004834078
(例2)
別の例において、結合剤配合物は、テラタン(Terathane)250、テラタン(Terathane)1000、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ(5.2.1.0)デカン、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及び1,5−ペンタンジオールからなる群から選択された1種のポリオールを含む。選択したポリオールを、ナノポックス(Nanopox)XP 22/0314、イルガキュア(Irgacure)2022、チヴァキュア(Chivacure)1176及びナノクリル(Nanocryl)XP 21/0940と混合する。ナノクリル(Nanocryl)XP 21/0940は、ベルリンのHanse Chemieから入手できる、50wt%のコロイドシリカ粒子状フィラーを含むアクリレート前駆体(テトラアクリレート)である。それらの濃度は、表2に示されている。
Figure 0004834078
(例3)
この例では、3種のアクリレート樹脂(おのおのが50wt%のコロイドシリカ粒子状フィラーを含み、そしておのおのがHanse Chemieから入手できる、ナノクリル(Nanocryl)XP 21/0940(テトラアクリレート)、ナノクリル(Nanocryl)XP 21/0930(ジアクリレート)、及びナノクリル(Nanocryl)XP 21/0954(トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート))が試験される。結合剤配合物は更に、ナノポックス(Nanopox)XP 22/0314、1,5−ペンタンジオール、イルガキュア(Irgacure)2022及びチヴァキュア(Chivacure)1176を含む。それらの組成は、表3に示されている。
Figure 0004834078
(例4)
更なる例において、ナノサイズのシリカの粒子状フィラーを有する2種のエポキシ成分(おのおのがHanse Chemieから入手できる、ナノポックス(Nanopox)XP 22/0314及びナノポックス(Nanopox)22/0516(ビスフェノールAジグリシジルエーテル))の濃度を変動させる。加えて、オキセタン成分OXT−212(3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン)を含める。ポリオール(テラタン(Terathane)250)及び光触媒(チヴァキュア(Chivacure)1176)を含める。それらの組成は、表4に示されている。
Figure 0004834078
(例5)
別の例において、表5に示された結合剤配合物を有するサイズコートを用いて試料を作製する。結合剤配合物は、ナノポックス(Nanopox)A 610の添加によって供給されるナノサイズのフィラー粒子及び3ミクロンのおおよその平均粒子サイズを有するミクロンサイズのフィラー(NP−30及びATH S−3)の両方を含む。NP−30は、約3ミクロンの平均粒子サイズを有する球状シリカ粒子を含む。ATH S−3は、約3ミクロンの平均粒子サイズを有する非球状アルミナ無水物粒子を含む。この試料は、8.9GPa(1300ksi)のヤング率、77.2MPa(11.2ksi)の引張り強さ、及び1%の破断点伸びを有する。
Figure 0004834078
上に開示された内容は説明するためのものであって、限定するものではないと考えられるべきであり、そして特許請求の範囲の請求項は、本発明の正当な範囲内に入る改変、改善及びその他の態様のすべてを包括しようとするものである。
典型的研磨物品を図示するものである。 ストラクチャード研磨物品を製造するための典型的装置を図示するものである。

Claims (14)

  1. 表面構造を有する研磨物品を作製する方法であって、
    少なくとも5wt%の、溶液で生成した平均粒子サイズが100nm未満の粒子状フィラーを含む結合剤配合物を基材にコーティングすること、
    該結合剤配合物を化学線によって部分的に硬化させること、及び、
    部分硬化した結合剤配合物にパターンを形成すること、
    を含む表面構造を有する研磨物品の作製方法。
  2. パターンを形成後に結合剤配合物を完全に硬化させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. パターンを形成後に結合剤配合物を完全に硬化させることが、結合剤配合物を化学線に暴露することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. パターンを形成後に結合剤配合物を完全に硬化させることが、熱硬化させることを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 結合剤配合物上に砥粒を塗布することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  6. 砥粒を塗布することが、結合剤配合物を部分的に硬化させる前に該砥粒を塗布することを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 砥粒上にサイズコートを適用することを更に含む、請求項5に記載の方法。
  8. サイズコートを適用することが、結合剤配合物を部分的に硬化させる前にサイズコートを適用することを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 結合剤配合物を部分的に硬化させることが、結合剤配合物を少なくとも約1.1の粘度指数まで部分的に硬化させることを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 結合剤配合物を砥粒と混合して研磨材スラリーを作ることを更に含む、請求項1に記載の方法。
  11. パターンを形成することが、加熱したパターニング工具を用いてパターンを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
  12. パターンを形成することがロトグラビアで刻みつけることを含む、請求項1に記載の方法。
  13. パターンを形成することがパターンをスタンピングすることを含む、請求項1に記載の方法。
  14. 結合剤配合物をコーティングする前に基材にコンプライアントコートをコーティングすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
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