JP2022023319A - 付加製造用セメント組成物とその製造方法 - Google Patents

付加製造用セメント組成物とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、長期の可使時間が確保可能でかつ、自立性及び強度発現性に優れた、付加製造用セメント組成物とその調製方法、さらにこれを用いる造形物(構造物)の付加製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】アニオン性官能基を有する分散剤(A)、及びセメント材料を少なくとも含み、JIS R-5201に規定のフロー試験測定方法に準じて測定したフロー値が135mm以上である流動組成物A、カチオン性官能基を有するポリマー(B)、及びセメント材料を少なくとも含み、前記フロー値が135mm以上である流動組成物Bを含む、付加製造用セメント組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、付加製造用セメント組成物とその製造方法に関し、詳しくは、付加製造用セメント組成物、その製造方法、及び造形物の付加製造方法に関する。
建築産業における飛躍的な生産性向上方法として、近年、材料を押し出して積層を繰り返す付加積層により任意の3次元形状を製作する付加製造(3Dプリンティング)技術が発展し、本技術をセメント材料に適用した事例が報告されている。この技術は、型枠が不要で、迅速かつ正確に複雑形状を製作可能であり、足場工、型枠工の軽減・省略による工期短縮や現場作業の省力化に加え、従来の型枠工法では困難であった3次元的に交錯する断面から成る複合構造や軽量化断面など新たな構造方式の実現等に繋がる可能性がある。
本技術を分類すると、光造形(紫外線硬化型樹脂を1層ずつ硬化させて積層する方法)、インクジェット方式(プリンターヘッドから紫外線硬化型樹脂を噴射しながら紫外線を照射して積層する方法)、粉末セッコウ造形(プリンターヘッドから樹脂や糊を噴射し粉末セッコウを固める方法)、粉末焼結造形(樹脂や金属粉末をレーザーで焼き固めて積層する方法)、熱溶融積層造形(細いノズルから熱で溶融した熱可塑性樹脂を押出して積層する方法)が知られている。造形体は樹脂、セッコウ、及び金属が主体であり、セメント材料を用いた建設部材のような大型の造形体を造る技術は、国内よりも海外での検討が進んでいる。既に、欧米や中国では、自動建設工事機械として戸建て住宅レベルの大型の造形体の製造を実施している。
例えば、セメント材料を用いた立体造形技術として、特許文献1には、コンピュータで作成した3次元データを所定の厚さで切断して2次元スライスデータを作成し、吹付けノズルを2次元スライスデータに基づいて縦横方向に移動制御しつつ、急結剤をドライミックスモルタル(セメントと細骨材をプレミックスしてなる)に添加混合して得られるモルタルに水を添加し、これをベッド(台)上に吹き付け、吹き付けたモルタルを自立硬化させることで2次元スライスデータに基づく形状の固化層を形成し、かかる固化層の形成作業を繰り返して上下方向に順次積層させて造形する技術が開示されている。特許文献2には、鋳物を製造するための型を3Dプリンタで造るための材料について記載されており、セメント、砂、促進剤としての水溶性ケイ酸塩からなる材料が開示されている。特許文献3には、振動を加えた後のセメント質混練物のフロー値が150~220mmである造形用付加製造システムにより、精細な立体造形が可能なことを示している。特許文献4には、3Dプリンタで成形して樹脂製型枠を作製し、この型枠にセメント質材料を充填してセメント質硬化体を製造することを特徴とするセメント質硬化体の製造方法が開示されている。特許文献5には、造形用セメント組成物と水を混練する工程と、それを押し出して硬化させる押し出し工程を含む付加製造方法が記載されている。特許文献5には、セメント質混練物を充填したカードリッジを加圧することで、セメント質混練物を押し出して、造形物を積層する付加製造方法が示されており、セメントの水和により流動性が低下しても、加圧押出により安定的に製造できる方法が記載されている。特許文献6には、リグニンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系の分散剤に加え、増粘剤、凝結遅延剤、非晶質カルシウムアルミノシリケート、セッコウ、短繊維を含有することで、建設向けの立体造形用セメント質材料が得られることが記載されている。
特開平10-235623号公報 米国特許第8211226号明細書 特開2017-185645号公報 特開2016-101737号公報 特開2018-122539号公報 特開2018-140906号公報
特許文献1は、造形体の仕上がり性が悪くなり、粉じんの発生を伴うという課題がある。特許文献2は、促進剤として水溶性ケイ酸塩を使用しているため、硬化スピードが遅く、強度発現性に劣る可能性があるという課題がある。特許文献3は、セメント質混練物が経時的に固化するため、セメント質混練物の可使時間に大きな制約を有するという課題がある。特許文献4は、型枠の作製を必須とするものであるため、成形物であるセメント質硬化体を効率的に作製できないという課題がある。特許文献5は、水和したセメント質混練物を強制的に加圧することで押出成形性を確保しているが、経時変化により更に水和が進んだ場合には付加製造が実施できない課題がある。特許文献6は、セメント質材料の可使時間に制約があり、作業性の悪化を招くという課題がある。
本発明は、前記課題に鑑みて、長期の可使時間が確保可能でかつ、自立性及び強度発現性に優れた、付加製造用セメント組成物とその調製方法、さらにこれを用いる造形物(構造物)の付加製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、種々の検討を行った結果、本発明者は、アニオン性官能基を有する分散剤(A)、及びセメント材料を少なくとも含み、JIS R-5201に規定のフロー試験測定方法に準じて測定したフロー値が135mm以上である流動組成物Aと、カチオン性官能基を有するポリマー(B)、及びセメント材料を少なくとも含み、前記フロー値が135mm以上である流動組成物Bとを含むセメント組成物が、付加製造方法に適した特性を有することを確認し、これにより前記課題が解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕~〔8〕を提供する。
〔1〕アニオン性官能基を有する分散剤(A)、及びセメント材料を少なくとも含み、JIS R-5201に規定のフロー試験測定方法に準じて測定したフロー値が135mm以上である流動組成物A
カチオン性官能基を有するポリマー(B)、及びセメント材料を少なくとも含み、前記フロー値が135mm以上である流動組成物B
を含む、付加製造用セメント組成物。
〔2〕前記(A)が、リグニンスルホン酸系化合物、ナフタレンスルホン酸系化合物及びポリカルボン酸系化合物からなる群より選ばれる1以上を含む、請求項1に記載の組成物。
〔3〕前記(B)が、アンモニウム塩を有するポリマーを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
〔4〕前記(B)の固形分含有量が、前記(A)の固形分含有量に対し1~1000重量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
〔5〕流動組成物A及びBの少なくともいずれかが、増粘剤(C)を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
〔6〕工程1-1:アニオン性官能基を有する分散剤(A)をセメント材料に配合及び混練し、JIS R-5201に規定のフロー試験測定方法に準じて測定したフロー値が135mm以上である流動組成物Aを製造すること、
工程1-2:カチオン性官能基を有するポリマー(B)をセメント材料に配合及び混練し、前記フロー値が135mm以上である流動組成物Bを製造すること、
工程1-3:前記流動組成物A及びBを配合すること
を含む、付加製造用セメント組成物の製造方法。
〔7〕前記工程1-3における配合は、前記工程1-1における混練終了後から10分以上後に行う、請求項6に記載の方法。
〔8〕工程2-1:アニオン性官能基を有する分散剤(A)をセメント材料に配合及び混練し、JIS R-5201に規定のフロー試験測定方法に準じて測定したフロー値が135mm以上である流動組成物Aを製造すること、
工程2-2:カチオン性官能基を有するポリマー(B)をセメント材料に配合及び混練し、前記フロー値が135mm以上である流動組成物Bを製造すること、
工程2-3:前記流動組成物Aを、圧送配管を備える押出付加製造装置へ供給すること、及び
工程2-4:前記流動組成物Bを前記流動組成物Aへ配合後、得られるセメント組成物を前記圧送配管先端のノズルから押し出すこと
を含む、造形物の付加製造方法。
本発明の付加製造用セメント組成物は、長期の可使時間を確保可能である。また、優れた自立性及び強度発現性を得ることができ、それにより、セメント組成物が硬化するまでの待機時間が短縮され、簡便に造形体を構築できる。更に、付加製造用セメント組成物を構成する各流動組成物の混合比率を変更することにより、容易にその流動性の制御が可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本明細書中、「AA~BB」と表記する場合、AA以上かつBB以下を示すものとする。
[1.セメント組成物]
セメント組成物の原料は、少なくとも下記の(A)、(B)を含み、さらに(C)を含んでもよい。
[1-1.(A):分散剤]
(A)は、アニオン性官能基を有する分散剤である。(A)を添加することにより、セメントを流動化できる。
アニオン性官能基とは、水中でアニオンの形態をとる官能基であればよい。例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基(スルホン酸基)、リン酸基、フェノール性水酸等が挙げられ、カルボキシル基、スルホ基が好ましい。分散剤中のアニオン性官能基は、NMR、IR等の機器分析により、定量・定性的に観測できる。
アニオン性官能基を含む分散剤としては、例えば、リグニンスルホン酸系化合物、ナフタレンスルホン酸系化合物、ポリカルボン酸系化合物が挙げられる。例示した各分散剤について順に説明する。
[1-1-1.リグニンスルホン酸系化合物]
リグニンスルホン酸系化合物とは、リグニンのヒドロキシフェニルプロパン構造の側鎖α位の炭素が開裂してスルホ基が導入された骨格を有する化合物である。上記骨格部分の構造を式(1)に示す。
Figure 2022023319000001
リグニンスルホン酸系化合物は、上記式(1)で示される骨格を有する化合物の変性物(以下、「変性リグニンスルホン酸系化合物」ともいう)であってもよい。変性方法は特に限定されないが、加水分解、アルキル化、アルコキシル化、スルホン化、スルホン酸エステル化、スルホメチル化、アミノメチル化、脱スルホン化など化学的に変性する方法;リグニンスルホン酸系化合物を限外濾過により分子量分画する方法が例示される。このうち、化学的な変性方法としては、加水分解、アルコキシル化、脱スルホン化及びアルキル化から選ばれる1又は2以上の反応が好ましい。
リグニンスルホン酸系化合物は、塩の形態を取りうる。塩としては、例えば、一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩が挙げられる。このうち、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、カルシウム・ナトリウム混合塩などが好ましい。
リグニンスルホン酸系化合物の製造方法及び由来は特に限定されず、天然物や合成品などいずれをも用いることができる。リグニンスルホン酸系化合物は、酸性条件下で木材を蒸解して得られる亜硫酸パルプの廃液の主成分のひとつである。このため、亜硫酸パルプ廃液由来のリグニンスルホン酸系化合物を用いることもできる。
リグニンスルホン酸系化合物(変性リグニンスルホン酸系化合物)は、市販品に豊富に含まれているので、本発明においてはこのような市販品を用いてもよい。市販品としては、バニレックスHW(日本製紙社製)、サンエキスM(日本製紙社製)、パールレックスNP(日本製紙社製)、サンフローRH(日本製紙社製)などが例示される。
[1-1-2.ナフタレンスルホン酸系化合物]
ナフタレンスルホン酸系化合物としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物が挙げられる。ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物は、ナフタレンを濃硫酸でスルホン化した後に、ホルムアルデヒドにより重縮合して得ることができる。
[1-1-3.ポリカルボン酸系化合物]
ポリカルボン酸系化合物は、カルボキシル基を有するポリマーであればよい。ポリマーの形態については限定されないが、以下のものが例示される。
(メタ)アクリル酸を重合することによって得られるポリ(メタ)アクリル酸(共)重合物;
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物と(メタ)アクリル酸系化合物との共重合体及びその塩の少なくともいずれかである(a)成分と、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と無水マレイン酸との共重合体、その加水分解物、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくともいずれかである(b)成分と、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物とポリアルキレングリコール系化合物のマレイン酸エステルとの共重合体及びその塩の少なくともいずれかである(c)成分とからなる組成物(例えば、特開平7-267705号公報参照);
(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールエステルと(メタ)アクリル酸(塩)との共重合体からなる成分であるA成分と、特定のポリエチレングリコールポリプロピレングリコール系化合物からなる成分であるB成分と、特定の界面活性剤からなる成分であるC成分とからなる組成物(例えば、特許第2508113号公報参照);
(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル又はポリエチレン(プロピレン)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、及び、(メタ)アクリル酸(塩)のそれぞれからなる構成単位を含むビニル共重合体(例えば、特開昭62-216950号公報参照);
(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、及び(メタ)アクリル酸(塩)を水溶液重合させて得られる水溶性ビニル共重合体(例えば、特開平1-226757号公報参照);
(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)又はp-(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)、及び(メタ)アクリル酸(塩)から得られる共重合体(例えば、特公平5-36377号公報参照);
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテルとマレイン酸(塩)とのそれぞれから形成される単量体単位を有する共重合体(例えば、特開平4-149056号公報参照);
(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステルに由来する構成単位、(メタ)アリルスルホン酸(塩)に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構成単位、アルカンジオールモノ(メタ)アクリレートやポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートに由来し、分子中にアミド基を有するα,β-不飽和単量体をラジカル重合して得られる重合体ブロックを含む構成単位で構成されたグラフト共重合体(例えば、特開平5-170501号公報参照);
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(塩)、及び(メタ)アリルスルホン酸(塩)又はp-(メタ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)を水系ラジカル共重合して得られる水溶性ビニル共重合体(例えば、特開平6-191918号公報参照);
ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、マレイン酸系単量体、及びこれらの単量体と共重合可能な単量体を用いて得られる共重合体(例えば、特公昭58-38380号公報参照);
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及びこれらの単量体と共重合可能な単量体を用いて得られる共重合体を、アルカリ性物質で中和して得られる共重合体(例えば、特公昭59-18338号公報参照);
スルホン酸基を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル及び必要によりこれと共重合可能な単量体を用いて得られる重合体、又はこれをアルカリ性物質で中和して得られた重合体(例えば、特開昭62-119147号公報参照);
アルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にアルケニル基を有するポリアルキレンオキシド誘導体とのエステル化反応物(例えば、特開平6-271347号公報参照);
アルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にヒドロキシ基を有するポリアルキレンオキシド誘導体とのエステル化反応物(例えば、特開平6-298555号公報参照);
3-メチル-3-ブテン-1-オールなどの特定の不飽和アルコールにエチレンオキシドなどを付加したアルケニルエーテル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体、及びこれらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、又はその塩などのポリカルボン酸(塩)(例えば、特開昭62-68806号公報参照)。
[1-1-4.上記以外の例]
(A)は、前述の例に限定されず、例えば、以下に列挙するものでもよい。
メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物;
ポリスチレンスルホン酸塩;
アミノアリールスルホン酸-フェノール-ホルムアルデヒド縮合物などのアミノスルホン酸系化合物(例えば、特開平1-113419号公報参照);
(A)は、アニオン性官能基を有する化合部1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
[1-2.(B):カチオン性官能基を有するポリマー]
(B)は、カチオン性官能基を有するポリマーである。カチオン性官能基のポリマー中の部位は、主鎖、側鎖、及び両方のいずれでもよく、特に限定されない。
[1-2-1.カチオン性官能基を有するポリマーの例]
カチオン性官能基とは、例えば、4級アンモニウム基、アミド基が挙げられ、4級アンモニウム基(アンモニウム塩)が好ましい。ポリマーは、通常、カチオン性官能基を有するモノマー(好ましくは、オレフィン性不飽和モノマー)に由来する構成単位を有する。カチオン性官能基を有するオレフィン性不飽和モノマーとしては、例えば、アミノアクリレートまたはメタクリルレートエステル、ビニルピリジン、アルキルアミノ基含有ビニルエーテル、アルキルアミノ基含有(メタ)アクリルアミドが挙げられ、詳細には例えば、N,N-[(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル)-3-ジメチルアンモニウムプロピル]-メタクリルアミドクロライド(DMAPMA-epi)、N-[3-ジメチル-アミノプロピル]-メタクリルアミドヒドロクロライド(DMAPMA-HCl)、N-[3-(トリメチルアンモニウム)プロピル]-メタクリルアミドクロライド(MAPTAC)、2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピル-トリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド(DADMAC)、アリルアンモニウムクロライド(AA)、アジリジンエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロライド、ジメチルアミノプロピル-メタクリレート、[3-(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロライド、1,2,2,6,6-ペンタ-メチルピペリジンメタクリレート、アミノプロピルビニルエーテル、ジエチルアミノプロピルエーテル、t-ブチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。中でも、DMAPMA-HCl、DADMAC、AA、[3-(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。ポリマーは、カチオン性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を2以上有していればよく、その繰り返し単位数、平均分子量は特に限定されない。
カチオン性官能基を有するポリマーは、カチオン性官能基を有しないモノマーに由来する構成単位をさらに含んでもよい。カチオン性官能基を有しないモノマーとしては例えば、(メタ)アクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、不飽和二塩基酸、これらのヘミエステルと塩;α,β-不飽和アミド、ビニルエステル、ビニル飽和物、芳香族化合物、ビニル基含有複素環式化合物、ビニリデンハライド、α-オレフィン、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、アルキルアクリレート、トリメチロールプロパン、トリメチルアクリレート、α,β-エチレン性不飽和モノマー、(メタ)アクリレートエステル;前述の(メタ)アクリレート類とメタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコールとの(メタ)アクリレートエステル;スチレン、α-メチルスチレン、o-,m-,p-メチルスチレン、o-,m-,p-エチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o,p-ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、o-メチル-p-イソプロピルスチレン、p-クロロスチレン、p-ブロモスチレン、o,p-ジクロロスチレン、o,p-ジブロモスチレン等のスチレン誘導体が挙げられ、これら以外の少なくとも1つの反応基を有していてもよい(共)重合可能なモノマーでもよい。
カチオン性官能基を有するポリマーとしては、ポリ(アリルアミン)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、(メタ)アクリレート系水溶性カチオンポリマーが好ましい。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ブロックポリマー、及びグラフトポリマーのいずれでもよい。ポリマーの製造方法は、通常の重合方法によればよく、特に限定されない。カチオン性官能基を有する化合物は、カチオン性界面活性剤の性質、すなわち、水中で界面活性剤の親水基部分がプラスイオンに電離する性質を有しないことが好ましい。
(B)は、カチオン性官能基を有するポリマー1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
[1-3.(C):増粘剤]
(C)は、増粘剤である。(C)の添加により、付加製造においてポンプ圧送性を向上させることができ、柔軟な付加製造が可能となる。
[1-3-1.増粘剤の例]
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース(HEEC)、アルギン酸、β-1,3グルカン、プルラン、ウェランガム、キサンタンガム、グアガム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ペクチン、メチルスターチ、エチルスターチ、プロピルスターチ、メチルプロピルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルスターチ、ダイユータンガム等の増粘多糖類;ポリアクリル酸;ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコール等から選ばれる1種以上が挙げられるが、セメント組成物の各材料に添加した際に増粘効果を発揮するものであれば特に限定されない。
(C)は、増粘剤1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
[1-3-2.(C)の量]
(C)を添加する場合、その使用量は、固形分換算で、セメントの重量に対し、0.01~5.00重量%が好ましく、0.01~3.00重量%がより好ましく、0.03~1.00重量%がより好ましい。しかし、上記範囲に限定されるものではなく、セメント組成物の種類や量、流動性に応じて適宜調節できる。
[1-4.他の任意成分]
セメント組成物の原料は、上記(A)~(C)及び後段で説明するセメント材料以外の任意の添加剤を含んでもよい。任意の添加剤としては、例えば、分散剤((A)以外)、高分子エマルジョン、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、オキシカルボン酸系化合物、遅延剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、効果促進剤、消泡剤、AE剤、分離低減剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、界面活性剤等、セメントに添加され得る成分が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上の組み合わせでもよい。より詳細には多々追えば、下記(1)~(11)が挙げられる。
(1)高分子エマルジョン:
(メタ)アクリル酸アルキルなどの各種ビニル単量体の共重合物など。
(2)オキシカルボン酸系化合物:
炭素原子数4~10のオキシカルボン酸又はその塩(例えば、グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸、クエン酸や、これらのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミンなどの無機塩又は有機塩)。
(3)オキシカルボン酸系化合物以外の硬化遅延剤:
単糖類(例えば、グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖)、二糖類、三糖類、オリゴ糖類(例えば、デキストリンの)、多糖類(例えば、デキストラン)、これらの少なくともいずれかを含む糖組成物(例えば、糖蜜)などの糖類;
ソルビトールなどの糖アルコール;
ケイフッ化マグネシウム;
リン酸及びその塩又はホウ酸エステル類;
アミノカルボン酸及びその塩;
アルカリ可溶タンパク質;
フミン酸;
タンニン酸;
フェノール;
グリセリンなどの多価アルコール;及び
ホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などのホスホン酸及びその誘導体類など。
(4)早強剤・促進剤:
塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウムなどの可溶性カルシウム塩;
塩化鉄、塩化マグネシウムなどの塩化物;
硫酸塩;
水酸化カリウム;
水酸化ナトリウム;
炭酸塩;
チオ硫酸塩;
ギ酸及びギ酸カルシウムなどのギ酸塩;
アルカノールアミン;
アルミナセメント;及び
カルシウムアルミネートシリケートなど。
(5)オキシアルキレン系以外の消泡剤:
燈油、流動パラフィンなどの鉱油系消泡剤;
動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物などの油脂系消泡剤;
オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物などの脂肪酸系消泡剤;
グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックスなどの脂肪酸エステル系消泡剤;
オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類などのアルコール系消泡剤;
アクリレートポリアミンなどのアミド系消泡剤;
リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェートなどのリン酸エステル系消泡剤;
アルミニウムステアレート、カルシウムオレエートなどの金属石鹸系消泡剤;及び
ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサンなどのポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油などのシリコーン系消泡剤など。
(6)AE剤:
樹脂石鹸;
飽和又は不飽和脂肪酸;
ヒドロキシステアリン酸ナトリウム;
ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル、及びそれらの塩;
ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩;
蛋白質材料;
アルケニルスルホコハク酸;並びに
α-オレフィンスルホネートなど。
(7)その他界面活性剤:
オクタデシルアルコールやステアリルアルコールなどの、分子内に6~30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール;
アビエチルアルコールなどの分子内に6~30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール;
ドデシルメルカプタンなどの分子内に6~30個の炭素原子を有する1価メルカプタン;
ノニルフェノールなどの分子内に6~30個の炭素原子を有するアルキルフェノール;
ドデシルアミンなどの分子内に6~30個の炭素原子を有するアミン;
ラウリン酸やステアリン酸などの分子内に6~30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;
アルキル基又はアルコキシ基を置換基として有してもよい、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;
上記以外の各種アニオン性界面活性剤;
アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドなどの各種カチオン性界面活性剤;
各種ノニオン性界面活性剤;及び
各種両性界面活性剤など。
(8)防水剤:
脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコーン、パラフィン、アスファルト、ワックスなど。
(9)防錆剤:
亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛など。
(10)ひび割れ低減剤:
ポリオキシアルキルエーテルなど。
(11)膨張材:
エトリンガイト系、石炭系など。
任意の添加剤を用いる場合、成分(A)~(C)の合計と当該任意の添加剤との重量比率(固形分換算)は、好ましくは1~99/99~1であり、より好ましくは5~95/95~5であり、さらに好ましくは10~90/90~10であり、さらにより好ましくは20~80/80~20である。
[1-5.セメント材料]
セメント材料は、通常は、セメント、水、骨材を含む。
[1-5-1.セメント(水硬性材料)]
セメント組成物は水硬性材料としてセメントを含む。セメントとしては、例えば以下が挙げられる。
ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形);
各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);
白色ポルトランドセメント;
アルミナセメント;
超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);
グラウト用セメント;
油井セメント;
低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);
超高強度セメント;
セメント系固化材;
エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)など。
[1-5-2.他のセメント材料]
セメント以外のセメント材料としては例えば以下が挙げられる。
微粉体(高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末など);
石膏(無水石膏、焼石膏、半水石膏、二水石膏、石膏プラスター、ドロマイトプラスター);
骨材(砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質などの耐火骨材など)など。
[1-5-3.単位水量、セメントの配合量、水/セメント比]
単位水量は、好ましくは100~185kg/mであり、より好ましくは120~175kg/mである。使用セメント量は、好ましくは200~800kg/mであり、より好ましくは250~800kg/mである。水/セメント比(重量比)は、好ましくは0.15~0.7であり、より好ましくは0.25~0.65である。単位水量が前記範囲内にあれば、チクソトロピー性が高く、付加製造性に優れる。しかし、上記の各数値は特に限定されず、セメント組成物の用途に応じて、貧配合から富配合まで幅広く規定できる。
[1-6.流動組成物]
セメント組成物は、流動組成物A及びBを含む。流動組成物A及びBは、それぞれ、(A)及びセメント材料、(B)及びセメント材料を少なくとも含む。セメント組成物が流動組成物A及びBを含むことにより、セメント組成物の流動性を制御できるので、自由度の高い組成設計が可能となり、幅広い減水率領域においても高い分散性及び分散保持性能を有し得るものとなる。
[1-6-1.(A)及び(B)の含有量]
流動組成物A及びBのそれぞれにおける(A)及び(B)の含有量は、固形分換算で、セメントの重量に対し、好ましくは0.01~10.0重量%、より好ましくは0.02~7.0重量%、さらに好ましくは0.05~5.0重量%である。これにより、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上等の好ましい諸効果がもたらされる。0.01重量%以上であると、分散性能を充分に発揮し得る。一方、10.0重量%以内であると、分散性を向上させる効果が実質的に飽和して頭打ちとなり、経済性の面からも不利となることを抑制し得、さらに硬化遅延や強度低下など、モルタル及びコンクリートの諸性状に悪影響を与えることを防止し得る。
[1-6-2.単位水量、セメントの配合量、水/セメント比]
流動組成物A及びBの単位水量は、好ましくは100~185kg/mであり、より好ましくは120~175kg/mである。使用セメント量は、好ましくは200~800kg/mであり、より好ましくは250~800kg/mである。水/セメント比(重量比)は、好ましくは0.15~0.7であり、より好ましくは0.25~0.65である。単位水量が前記範囲内にあれば、チクソトロピー性が高く、付加製造性に優れる。しかし、上記の各数値は特に限定されず、セメント組成物の用途に応じて、貧配合から富配合まで幅広く規定できる。
[1-6-3.流動組成物A及びBのフロー値]
流動組成物A及びBは、それぞれのフロー値が135mm以上、好ましくは140mm以上、より好ましくは150mm以上、更に好ましくは160mm以上である。フロー値が135mm未満の場合、流動性が低くポンプ圧送性に劣る場合がある。本明細書においてフロー値は、混練終了直後の流動組成物について、JIS R-5201に規定のフロー試験測定方法に準じて測定できる。すなわち、JIS R-5201「セメントの物理試験方法」に規定するフローコーンに、セメント質混練物を充填した後、該フローコーンを上方に垂直に取り去った後、流動が停止したときのフロー値である。フロー値は、各材料の配合、混練の条件により調整できる。
[1-6-4.流動組成物A及びBの含有比]
流動組成物A及びBの含有比は、A100重量%に対し、Bが通常1重量%以上、2重量%以上、又は3重量%以上、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上である。上限は、通常90重量%以下、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。流動組成物A及びBは、それぞれ少なくとも1種以上であればよく、2種以上の組み合わせ(例えば、原料、フロー値が互いに異なるもの)でもよい。
[2.セメント組成物の製造方法]
セメント組成物は、以下の工程1-1~1-3を含む方法により製造できる。
[2-1.工程1-1]
工程1-1は、(A)をセメント材料に配合及び混練し、流動組成物Aを得る工程である。工程1-1においては、(A)、セメント材料のほかに、必要な場合にはさらに(C)、任意の添加剤を配合してもよい。各材料の例、及び使用量については、既に述べたとおりである。各セメント材料の配合方法は特に限定されないが、例えば、以下の(i)~(iii)が挙げられる。
(i)水以外の材料を予め混合後、水を投入して混練する方法
(ii)細骨材及び水以外の材料を混合後、細骨材を投入して混合し、さらに水を投入して混練する方法
(iii)各材料を一度に混練する方法
(C)、他の添加剤を添加する場合、これらは(A)の添加時期は同一でも別でもよく、特に限定されない。
(A)、(C)及び任意の添加剤は、液体状、粉末状の別は問わないが、その取扱い上、系内に添加される際には粉末状であることが好ましい。混練は、ミキサー等の混練装置を用いて行えばよい。ミキサーとしては、例えば、ホバートミキサー、ハンドミキサー、ホモジナイザ、揺動型ミキサー、パンタイプミキサー、二軸強制練りミキサー等、通常のモルタル及びコンクリートの混練に用いられる任意のタイプのミキサーが挙げられる。混練の条件は、流動組成物Aのフロー値が上記範囲内となるよう適宜調整すればよい。
[2-2.工程1-2]
工程1-2は、(B)をセメント材料に配合及び混練し、流動組成物Bを製造する工程である。工程1-2においては、(B)、セメント材料のほかに、必要な場合にはさらに(C)、任意の添加剤を配合してもよい。各材料の例、及び使用量については、既に述べたとおりである。工程1-2は、(A)の代わりに(B)を用いるほかは、工程1-1と同様に行ってもよい。工程1-1は、工程1-2の前後に行ってもよいし、並行して行ってもよい。
[2-3.工程1-3]
工程1-3は、前記流動組成物A及びBを配合する工程である。工程1-3における配合は、工程1-1における混練終了(流動化後)から、通常、10分以上後である。これにより、(A)をセメント材料等に十分に吸着させてから(B)を添加することができ、長期の可使時間確保、自律性及び強度発現性の向上、硬化までの待機時間の短縮等の本発明の効果をより一層発揮できる。
[3.セメント組成物の性状・用途]
セメント組成物は、そのフロー値が、好ましくは90~250mm、より好ましくは95~200mm、更に好ましくは、100~200nmである。これにより、付加製造の際に付加製造装置のノズルから連続して押し出すことができ、造形後の保形性に優れている。
上記製造方法において所定の条件を採用し、中でも(B)を含む流動組成物Bを配合することにより、流動性を制御でき、幅広い減水率領域においても高い分散性と分散保持性能を有し得る。そのため、セメント組成物は、造形物の付加製造用途において、自由度の高い組成設計が可能である。セメント組成物が(C)をさらに用いて製造される場合、ポンプ圧送性の向上が可能となり、柔軟な付加製造の採用が可能となる。
[4.造形物の付加製造方法]
上記のセメント組成物を用いる付加製造方法としては、付加製造装置(例えば、3Dプリンタ等の押出付加製造装置)を用いる方法であればよいが、例えば、以下の工程2-1~2-4を含む方法が挙げられる。
[4-1.工程2-1:練混ぜ工程(流動組成物A)]
工程2-1では、(A)をセメント材料に配合及び混練し、流動組成物Aを得る。工程2-1は、工程1-1と同様に行えばよく、ミキサー等の混練装置を使用できるが、工程2-2以降を考慮すると、練り混ぜと圧送ポンプ(回転容積式一軸偏心ねじポンプ)が一体化した連続練り混ぜミキサーポンプの使用が好ましい。
[4-2.工程2-2:流動組成物Bの練混ぜ工程(流動組成物B)]
工程2-2では、(B)をセメント材料に配合及び混練し、流動組成物Bを得る。工程2-2は、工程1-2と同様に行えばよい。
[4-3.工程2-3:供給工程]
工程2-3では、流動組成物Aを、圧送配管を備える押出付加製造装置へ供給する。装置への供給は、ポンプ圧送により行うことが好ましい。ポンプとしては例えば、スクイズポンプ、回転容積式一軸偏心ねじポンプが挙げられ、セメント組成物の品質を低下させずに圧送可能であれば特に限定されない。回転容積式一軸偏心ねじポンプ(モーノポンプまたはスネークポンプとも呼ばれる)は、スクイズポンプと比べ、圧送時の脈動がなく定量圧送が可能であり、モーター回転数を制御することで押出量が調整できる。回転容積式一軸偏心ねじポンプは、その構造から、圧送されるセメント組成物の温度が上昇しやすいと考えられ(後段で説明するとおり)、これにより、セメント組成物の硬化反応が短時間で進行し、自立安定性を向上させ連続積層高さを大きくできる。
回転容積式一軸偏心ねじポンプは、通常、ローター、ステーター、キャビティーを備え、例えば、国際公開第2014/142239号の図9,12に示される構造を有するものが挙げられる。キャビティーは、ステーターの中にローターが差し込まれた状態のときに形成される隙間(密閉空間)である。ポンプによる材料の移送について一例を挙げて以下に説明する。ローターとステーターはそれぞれ雄ねじと雌ねじにあたる。材料がポンプのキャビティーに導入され、ローターがステーター内で回転(通常は、ステーターの中心軸を中心として公転移動しながら自転する返信回転)すると、キャビティーが押出側へと移動し、かつ強い吸引力が生じ、これにより材料を押出方向に連続的に移送できる。材料がキャビティー内を押出方向に吸引力により移動する際、材料はステーター面との摩擦抵抗により加温されると考えられる。この加温現象により、圧送されるセメント組成物の温度が上昇しやすくなり、可使時間を確保しつつ、より自立安定性に優れる立体造形を実現できる。
圧送配管の内径、長さ等のサイズは特に限定されず押出量などにより適宜設定でき、一例を挙げると、内径20~50mmが好ましく、長さは、圧送性を考慮すると20m以下が好ましい。圧送配管の素材としては、例えば、フレキシブルホース(例えば、耐圧2~4MPa)が挙げられ、部分的に金属配管を組み合わせてもよいが、特に限定されない。
[4-4.工程2-4:流動組成物B配合及び押出工程]
工程2-4では、流動組成物Bを流動組成物Aへ配合し、得られるセメント組成物を圧送配管先端のノズルから押し出す。流動組成物Bの具体例、使用量については、上述したのと同様である。流動組成物Bは、ノズルから押し出される前の流動組成物Aに添加されればよく、例えば、キャビティーの任意の部位、圧送配管の途中で添加されてもよい。工程2-1の流動組成物Aの調製時の混練終了から10分以上経過していることが好ましい。10分以上が好ましい理由は、セメント組成物の製造方法の工程1-3の説明において述べたとおりである。この添加工程は、既に押出造形されたセメント組成物に、本ポリマーを滴下、塗布、散布、噴霧することは意味しない。流動組成物A及びBの混合方法としては、施工性及び経済性の観点から、ラインミキシング等の連続混合装置を用いることが好ましいが、これに限定されず他の手段を用いてもよい。
ノズルは、圧送配管の先端に設けられている。ノズルの押出口の径は、骨材のサイズ、造形の際の積層サイズ等の条件により適宜設定すればよく特に限定されない。例えば、骨材径が5mm以下、積層幅が50mm以下の場合、押出口の径は8~15mmが好ましい。押出口の形状は、例えば、円形、楕円形、矩形、十字形、星形が挙げられるが、特に限定されない。押出口周囲にツバを設けてもよい。これにより、押し出されたセメント組成物の表面に平滑性を付与できる。押出口は、ベッドに対し垂直方向に設けることが多いが、水平方向に設けてもよい。
ノズルから押し出されたセメント組成物の方向、量を制御することにより造形物を付加製造できる。ノズル移動の方向(通常は、水平方向(例えば、縦、横、斜め方向)と垂直方向)の制御は、コンピュータ制御によることが好ましい。コンピュータ制御の方法を、一例を挙げて以下に説明する。コンピュータを用いて、構造予定物の3次元データを所定の厚さで切断した2次元スライスデータを作成する。ノズル(ロボットアーム、門型プロッターに固定)を2次元スライスデータに基づいて水平方向の移動制御を行いながら、ベッドにノズルからセメント組成物を押出させ、垂直方向にノズルを移動させる。この操作を繰り返して順次積層させ、造形物を得ることができる。ノズルの移動速度は、積層する幅によって変更すればよく、特に限定されない。セメント組成物の押出量が一定の場合、ノズルの移動速度を遅くすれば積層幅が大きくなり、速くすれば積層幅が小さくなる。
得られる造形物は、例えば、建設用部材、建築物、橋梁、ダムとして利用できる。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。しかしながら、本発明はもとより下記実施例により制限されるものではなく、前・後記述の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、実施例中、特に断りの無い限り、「%」は重量%を示し、「部」は重量部を示す。また、物性値等の測定方法は、別途記載がない限り、上記に記載した測定方法である。
[使用材料]
(1)分散剤
(1-1)アニオン性官能基を有する分散剤
リグニン1:サンエキスP252(粉末、変性リグニンスルホン酸、日本製紙社製)
リグニン2:パールレックスNP(粉末、高純度リグニンスルホン酸、日本製紙社製)
ナフタレン1:バニオールHDP100(粉末、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、日本製紙社製)
ポリカル1:シーカビスコクリート125(粉末、ポリカルボン酸、日本シーカ社製)
(1-2)アニオン性官能基を有さない分散剤
PEG1:ポリオキシエチレングリコール(粉末、重量平均分子量10,000、富士フィルム和光社製)
カチオン1:ポリ(アリルアミン)(20%水溶液、重量平均分子量15,000、MERCK社製)
(2)増粘剤
増粘剤1:HM-4000S(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、三晶社製)
増粘剤2:KELCO-CRETE DG(ダイユータンガム、三晶社製)
(3)後添加剤
(3-1)カチオン性官能基を有するポリマー
カチオン1:ポリ(アリルアミン)(20%水溶液、重量平均分子量15,000、MERCK社製)
カチオン2:ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(35%水溶液、重量平均分子量100,000未満、MERCK社製)
カチオン3:ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(20%水溶液、重量平均分子量200,000~350,000、MERCK社製)
カチオン4:カチオマー300(40%水溶液、(メタ)アクリレート系水溶性カチオンポリマー、三洋化成社製)
(3-2)カチオン性官能基を有する界面活性剤
界面活性剤1:レボンTM-16(30%水溶液、塩化セチルトリメチルアンモニウム、三洋化成社製)
(セメント組成物A-1~A-10:アニオン性官能基を有する分散剤(A)により流動化させたセメント組成物Aの調製)
分散剤、増粘剤を添加したセメント組成物A-1~A-10を下記手順により調製した。
環境温度(20℃)において、表1(W/C=43%)のように配合した砂(細骨材)、セメント、消泡剤、及び水、並びに表2に記載の量(固形分換算)の分散剤および増粘剤をパン型ミキサに投入して、パン型ミキサによる機械練りにより120秒間練り混ぜることによりセメント組成物を得た(各サンプルは粉末のまま投入した)。得られたセメント組成物について、混練直後、30分後、60分後に、以下の方法でスランプ試験を行い、フロー値を測定し、混練直後に空気量の測定を行った。結果を表2に示す。
<フロー値の測定>JIS R-5201に規定のフロー試験測定方法に準じて、フロー値を測定した。
<空気量測定>セメント組成物の密度から算出する容積法により測定した。
Figure 2022023319000002
[表1の脚注]
C:以下の2種を等量混合
普通ポルトランドセメント(宇部三菱セメント社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、比重3.16)
W:水道水(岩国市)
S:掛川産陸砂(細骨材、比重2.58)
消泡剤:DF753(東邦化学工業社製)
Figure 2022023319000003
[表2の脚注]
添加率(%):セメントに対する各サンプルの固形分添加率(重量%)
フロー:モルタルフロー値(mm)
表2に記載のセメント組成物のうち、A-1~A-8がアニオン性官能基を有する分散剤により流動化したセメント組成物である。これらは、混練から60分後でもモルタルフローが135mm以上と大きかったことから、付加製造用セメント組成物として用いた場合にポンプ圧送性に優れていると予想される。一方、A-9は混練直後に流動性を発現していたものの、60分後にはモルタルフローが小さかったことから、ポンプ圧送性が不良であると思われる。A-10のカチオン性官能基を有するポリマーを添加したセメント組成物は、流動性が良好であったことから、ポンプ圧送性に優れることがわかる。
(セメント組成物B-1~B-6:カチオン性官能基を有するポリマー(B)により流動化させたセメント組成物Bの調製)
分散剤(カチオン性官能基を有するポリマー)、増粘剤を添加したセメント組成物B-1~B-6を下記手順により調製した。
環境温度(20℃)において、表1(W/C=43%)のように配合した砂(細骨材)、セメント、消泡剤、及び水、並びに表3に記載の量(固形分換算)の分散剤および増粘剤をパン型ミキサーに投入して、パン型ミキサーによる機械練りにより120秒間練り混ぜることによりセメント組成物を得た。得られたセメント組成物について、混練直後、30分後に、上述の方法でスランプ試験を行い、混練直後に空気量の測定を行った。結果を表3に示す。
Figure 2022023319000004
[表3の脚注]
添加率(%):セメントに対する各サンプルの固形分添加率(重量%)
フロー:モルタルフロー値(mm)
表3に記載のセメント組成物のうち、B-1~B-5は、カチオン性官能基を有するポリマーにより流動化したセメント組成物である。これらは、混練から30分後でもモルタルフローが大きかったことから、付加製造用セメント組成物として用いた場合にポンプ圧送性に優れていると予想される。一方、B-6は流動性が良好であるものの、空気量が非常に多かったことから、付加製造用セメント組成物として適さないことがわかる。
表2に記載したアニオン性官能基を有する分散剤(A)により流動化させたセメント組成物に対し、表4に記載のタイミングで、表3に記載したカチオン性官能基を有するポリマー(B)により流動化させたセメント組成物を表4に記載の量添加し、パン型ミキサーで30秒間練り混ぜ、その直後のセメント組成物を上記の方法でスランプ試験と空気量の測定を行った。カチオン性官能基を有するポリマー(B)により流動化させたセメント組成物は、混練後30分経過したセメント組成物を用いた。さらにその測定した各セメント組成物の凝結時間とモルタル圧縮強度を以下の方法で測定した。結果を表4に示す。
<凝結時間の測定>
セメント組成物を断熱容器に格納し、その温度を記録した。その温度が最高温度に到達した時間を、モルタルの凝結が進んだ凝結時間とした。
<圧縮強度の測定>
実施例、比較例で調整した水硬性組成物を、直径50mm、高さ100mmの円筒型に充填し、20℃で72時間放置した後に脱型し、圧縮強度測定用供試体を作製し、その圧縮強度を、土木学会基準JSCE-G 505-1999に準じて、圧縮試験機を用いて測定した。同一サンプルを3個作製し、それら強度の平均値を表4に記載した。
Figure 2022023319000005
[表4の脚注]
混練後経過時間(分):セメント組成物Aを混練した後、セメント組成物Bと混合するまでの時間(分)
混合比率(%):アニオン性官能基を有する分散剤(A)により流動化したセメント組成物100重量部に対する、カチオン性官能基を有するポリマー(B)により流動化したセメント組成物の混合比率(重量%)
添加比(%):混合したセメント組成物中に含まれる、アニオン性官能基を有する分散剤の固形分添加量に対する、カチオン性官能基を有するポリマーの固形分添加率(重量%)
フロー:モルタルフロー値(mm)
実施例1~13によれば、アニオン性官能基を有する分散剤(A)により流動化させたセメント組成物A自体が、混合直前((A)を混練後60分後)でも、モルタルフローが135mm以上と高い流動性を維持しており、これにカチオン性官能基を有するポリマー(B)により流動化させたセメント組成物Bを混合することで、モルタルフローが100~135mmとなり、高い自立性を有していることがわかる。さらに、得られたセメント組成物は、空気連行性が低く、凝結時間も短く、更に圧縮強度が大きいことから、早期硬化特性と強度発現性に優れていることが理解できる。
実施例14~15では、セメント組成物Aを混練した20分後に、カチオン性官能基を有するポリマー(B)により流動化させたセメント組成物Bを添加している。得られたセメント組成物の結果から、セメント組成物Aを混練後少なくとも10分経過後以降であれば、カチオン性ポリマーの添加量を調整することで、得られるセメント組成物の100~135mmのモルタルフローに調整できたことが分かる。
一方で、比較例1では、アニオン性官能基を有しないポリエチレングリコールを分散剤として用いているところ、混練60分後のモルタルフローが小さくポンプ圧送性が期待できなかった。これに加え、カチオン性官能基を有するポリマーの添加で、所望しないモルタルフローの増加を招いたことがわかる。比較例2では、カチオン性官能基を有するポリマーにより流動化したセメント組成物に、更にカチオン性官能基を有するポリマーにより流動化したセメント組成物を混合しているが、モルタルフローは若干向上するものの、所定のモルタルフロー低下が起こらず、セメント組成物の自立性の確保が困難であることが分かる。比較例3では、カチオン性官能基を有する界面活性剤により流動化したセメント組成物を添加しているが、モルタルフローが大きくなり、更に空気連行量が極めて大きく、圧縮強度も低かったことから、付加製造用のセメント組成物に適さないことが分かる。比較例4では、カチオン性官能基を有するポリマーを全く添加しなかったところ、ポンプ圧送性には優れたセメント組成物を供給できるが、モルタルフローが150mmと流動性が高く、同時に自立性が悪化したことから、付加製造用のセメント組成物に適さないことが分かる。
以上の結果は、本発明におけるセメント組成物が、付加製造用途に適していることを示している。

Claims (8)

  1. アニオン性官能基を有する分散剤(A)、及びセメント材料を少なくとも含み、JIS R-5201に規定のフロー試験測定方法に準じて測定したフロー値が135mm以上である流動組成物A
    カチオン性官能基を有するポリマー(B)、及びセメント材料を少なくとも含み、前記フロー値が135mm以上である流動組成物B
    を含む、付加製造用セメント組成物。
  2. 前記(A)が、リグニンスルホン酸系化合物、ナフタレンスルホン酸系化合物及びポリカルボン酸系化合物からなる群より選ばれる1以上を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記(B)が、アンモニウム塩を有するポリマーを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記(B)の固形分含有量が、前記(A)の固形分含有量に対し1~1000重量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 流動組成物A及びBの少なくともいずれかが、増粘剤(C)を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 工程1-1:アニオン性官能基を有する分散剤(A)をセメント材料に配合及び混練し、JIS R-5201に規定のフロー試験測定方法に準じて測定したフロー値が135mm以上である流動組成物Aを製造すること、
    工程1-2:カチオン性官能基を有するポリマー(B)をセメント材料に配合及び混練し、前記フロー値が135mm以上である流動組成物Bを製造すること、
    工程1-3:前記流動組成物A及びBを配合すること
    を含む、付加製造用セメント組成物の製造方法。
  7. 前記工程1-3における配合は、前記工程1-1における混練終了後から10分以上後に行う、請求項6に記載の方法。
  8. 工程2-1:アニオン性官能基を有する分散剤(A)をセメント材料に配合及び混練し、JIS R-5201に規定のフロー試験測定方法に準じて測定したフロー値が135mm以上である流動組成物Aを製造すること、
    工程2-2:カチオン性官能基を有するポリマー(B)をセメント材料に配合及び混練し、前記フロー値が135mm以上である流動組成物Bを製造すること、
    工程2-3:前記流動組成物Aを、圧送配管を備える押出付加製造装置へ供給すること、及び
    工程2-4:前記流動組成物Bを前記流動組成物Aへ配合後、得られるセメント組成物を前記圧送配管先端のノズルから押し出すこと
    を含む、造形物の付加製造方法。
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WO2023195442A1 (ja) * 2022-04-04 2023-10-12 幸士 生田 光硬化性組成物、硬化体及び硬化体の製造方法

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