以下、本発明の実施の形態に係る写真撮影システムについて、図面を参照しつつ説明する。
<写真撮影システムの概要>
図1は、写真撮影システム600の全体構成を模式的に示す図である。写真撮影システム600は、インターネット等のネットワーク200を介して接続する遊戯用撮影装置100、管理サーバ300、SNS(Social Networking Service)サーバ400、および複数の端末装置500を含む。本図では、端末装置500aと端末装置500bとのふたつの端末装置を図示しているが、端末装置500の数は2に限られず、3以上であってよい。以下、本明細書において、それぞれの端末装置500を特に区別する場合を除き、単に「端末装置500」と総称する。
遊戯用撮影装置100は、ユーザを含む被写体を写真撮影するカメラや、撮影した写真画像を編集するためのユーザインタフェースを備える電子機器を含む装置である。ユーザが遊戯用撮影装置100で写真を撮影すると、遊戯用撮影装置100は、ユーザを識別するための情報とそのユーザを被写体に含む写真画像群とを紐付ける。写真画像群とは、所定の1プレイにおいて作成されグループ化された複数の写真画像のことを指す。ユーザを識別するための情報は、写真撮影サービスに会員登録済みのユーザまたは新規に登録するユーザに関しては登録されるメールアドレス等のユーザ識別情報である。写真撮影サービスに未登録のユーザに関してはプレイごとに発行される一意の識別情報や端末装置500にインストールされる専用の情報提示アプリケーションに一意に割り当てられた識別情報であってもよい。以下、本明細書において、ユーザを識別するための情報とそのユーザを被写体に含む写真画像群とが紐付けられたデータを「コンテンツデータ」と記載する。
遊戯用撮影装置100には、近距離無線通信または無線LAN通信のための無線通信装置610が設けられる。無線通信装置610は、近距離無線通信または無線LANの通信モジュールの形で遊戯用撮影装置100の内部、例えば基板上に実装されてもよい。近距離無線通信としては、例えばBluetooth(商標)またはNFCが用いられ、無線LAN通信としては、例えばIEEE802.11a/b/g/nの規格が用いられる。端末装置500も同様に、近距離無線通信または無線LAN通信のための無線通信モジュールを内蔵し、遊戯用撮影装置100との間でペアリングによる無線通信の接続を確立することができる。
管理サーバ300は、遊戯用撮影装置100から取得したコンテンツデータ、写真撮影サービスの利用履歴、およびユーザ識別情報等のユーザ情報を管理するサーバである。管理サーバ300は、コンテンツデータに含まれる写真画像群にアクセスするためのコンテンツアクセス情報を、ユーザ識別情報に基づいて各ユーザが所持する端末装置500に送信することができる。コンテンツアクセス情報は、例えば管理サーバ300にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を含む。
ユーザは、遊戯用撮影装置100の利用者向けに設計され、ユーザ自身の端末装置500にインストールされた専用の情報提示アプリケーションを用い、コンテンツアクセス情報をもとに管理サーバ300にアクセスし、自身の端末装置500に写真画像群をダウンロードする。ユーザは端末装置500上で写真画像群を編集することもできる。情報提示アプリケーションは、ネットワーク200を介して管理サーバ300からダウンロードできる。ただし、遊戯用撮影装置100との間で無線通信でペアリングによる接続を確立している間は、後述する所定の条件の下で遊戯用撮影装置100から直接、写真画像や編集画像を受信することができる。
<遊戯用撮影装置の外観>
図2は、遊戯用撮影装置100を左前側から見た斜視図である。図3は、図2に示す遊戯用撮影装置100を上から見た平面図である。以下では、図2に示す前後左右の方向を基準として、他の図面も説明する。図2および図3に示すように、この遊戯用撮影装置100は、前部側の撮影部50と後部側の編集部51とを備えており、前後方向に長いほぼ直方体状を呈している。そして、編集部51の後端には、編集後の写真の出力等をするための出力部52が設けられている。
撮影部50は、ユーザを撮影するカメラが内蔵された撮影筐体11と、この撮影筐体11の後方に撮影空間10を介して配置された背景壁部12とを有する。そして、撮影筐体11の側面と、背景壁部12の側面との間の隙間が、撮影空間10への出入口である第1出入口101a,101bを構成している。また、編集部51は、背景壁部12の後方に隣接して配置された編集筐体21を有する。この編集筐体21には、左右の方向を向く一対の操作面が設けられる。そして、ユーザは各操作面への入力作業をする編集空間20a,20bに、第2出入口201a,201bを介して入ることができる。また、出力部52は、編集筐体21の後端面と接する出力筐体31を有する。出力筐体31に対しては、ユーザが遊戯用撮影装置100の後端側から操作するように、操作面が後端側を向いている。したがって、出力筐体31の後端側の空間が、ユーザが出力操作をするための出力空間30となる。
撮影筐体11と背景壁部12との上端部の側面は、前後方向に延びる天井フレーム13によって互いに連結されている。そして、この天井フレーム13の枠内部には、撮影空間10を上から覆い、照明およびフラッシュ照射する天井照明ユニット14が設けられている。撮影筐体11の左側面(あるいは右側面)には、遊戯用撮影装置100の使用方法を含む説明書きを掲示するための掲示スペース15が設けられている。また、その左側面の上部には、撮影筐体11が使用中であるか否かを示す表示部16が設けられている。
この表示部16は、発光または消灯される表示灯(図示せず)を備える。表示部16は、表示灯の発光によって撮影部50が使用中であることをユーザに示し、消灯によって撮影部50が空きになったことをユーザに示す。遊戯用撮影装置100は、表示部16が左右方向外側に突出した平面視三角形状に形成されているが、その形状は特には限定されず、凸湾曲状などのその他の形状であってもよい。
背景壁部12は、撮影筐体11とほぼ同じ幅および高さの板状部材によって形成され、撮影筐体11の正面と対面する本体プレート121と、この本体プレート121の左右両端から前方に延設された一対のサイドプレート122とを有している。このため背景壁部12は、全体として平面視コ字状に形成されている。本体プレート121において、撮影筐体11を向く面には、クロマキー処理のための単一の色(例えば、青色または緑色)が着色されている。着色については、本体プレート121に直接ペンキなどで着色するほか、着色された布地、プレート等を取付けてもよい。また、図示はしないが、撮影空間10の床面には、この本体プレート121と連続するように、当該本体プレート121と同様にクロマキー処理のための単一色が着色されている。そして、撮影筐体11の後端縁と、天井フレーム13の下端縁と、サイドプレート122の前端縁とから、上述したように、撮影空間10に出入りするための第1出入口101a,101bが構成されている。
編集筐体21は、左右両側から2組のユーザが同時に編集可能な対面式であり、左右それぞれに操作面が設けられる。また編集筐体21は、左右方向の長さが背景壁部12の同方向の幅よりも短い。編集筐体21は、その前端面を背景壁部12の背面の中央部に接続されている。この編集筐体21の左右両側方のスペースが、2組のユーザがそれぞれ編集作業を行う編集空間20a,20bとなる。編集筐体21の上方には、平面視においてほぼコの字状のカーテンフレーム22が設けられている。このカーテンフレーム22は、前後方向に延びる一対の側部フレーム221と、この側部フレーム221の後端同士を連結する左右方向に延びる後部フレーム222とからなる。図示はしないが、編集筐体21の内部には、例えばPC(Personal Computer)等のCPU(Central Processing Unit)を備える計算機が設置されている。
各側部フレーム221の前端は、天井フレーム13の後端に前後方向に延長状に連結されており、後部フレーム222の中央部は、編集筐体21の後上端部に設けられた支持部材23によって支持されている。そして、左右一方側の側部フレーム221と、後部フレーム222のほぼ半分の長さ部分により、編集空間20a,20bに出入りするための前記第2出入口201a,201bの上枠部が構成されている。
<遊戯用撮影装置のハードウェア構成>
図4は、遊戯用撮影装置100のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。遊戯用撮影装置100では、バスXを介して、制御部53、記憶部54、撮影部50、編集部51、出力部52が電気的に接続されている。制御部53は、公知のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えている。そして、制御部53では、記憶部54に記憶されているプログラムを実行し、遊戯用撮影装置100の全体の動作を制御する。また、バスXには、通信部55、外部ドライブ56も接続されている。なお、制御部53、記憶部54、通信部55および外部ドライブ56は、公知のコンピュータにより構成してもよく、このようなコンピュータが上述した編集筐体21の制御ボックス211に内蔵されている。
記憶部54は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体で構成され、制御部53から送信された各種の設定情報を記憶する。記憶部54に記憶されている情報は制御部53により適宜読み出される。この記憶部54には、画像の編集のために用いられる各種画像データ、画像処理のためのデータが記憶されている。例えば、撮影画像の背景となる背景画像データなどが記憶されている。また、制御部53のROMには、ファームウェアなどのプログラムや設定情報などのデータが記憶されており、RAMには、制御部53において処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。以下では、RAM、ROMをまとめてメモリということがある。
通信部55はインターネットなどのネットワークと接続するためのインタフェースであり、制御部53による制御にしたがって外部の装置と通信する。外部ドライブ56は、光ディスクや半導体メモリなどのリムーバブルメディアに対する読み出しや書き込みを実行する。例えば、外部ドライブ56によりリムーバブルメディアから読み出されたコンピュータプログラムやデータは、制御部53に送信され、記憶部54に記憶されたり、プログラムとしてインストールされたりする。
撮影部50は、撮影空間10における撮影処理をするために、コイン処理部17、照明制御部18、上部カメラ111、下部カメラ112、上部モニタ113、下部モニタ114、およびスピーカ19から構成される。
上部カメラ111および下部カメラ112は、制御部53による制御にしたがって被写体を撮影する。上部カメラ111および下部カメラ112は、撮影により得られた画像を制御部53に出力する。上述したように、上部カメラ111は、被写体を上方から撮影するためものであり、下部カメラ112は、被写体を正面から撮影するためのものである。そのため、これらのカメラ111、112はそれぞれ、最適な画像を得るために理想的な画角やトリミング範囲などの設定が予め行われている。各カメラ111、112は、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像を表す画像信号を出力する。カメラ111、112から出力された画像信号は制御部53に入力されて、その内部のメモリに一時的に記憶される。またこの画像信号は上部モニタ113および下部モニタ114にそれぞれ送信され、上部モニタ113および下部モニタ114は、当該画像信号に基づくライブ映像を表示する。より具体的には、上部カメラ111によるライブ映像は、上部モニタ113に表示され、下部カメラ112によるライブ映像は、下部モニタ114に表示される。なお、実際には、静止画像として保存される撮影画像データ(以下、単に「撮影画像」ということもある。)は高解像度の静止画データであり、ライブ映像を表示するための撮影画像データ(「スルー画像データ」とも呼ばれる。)は低解像度の動画データである場合が多いが、高解像度の動画データとしてもよい。
上部モニタ113は、公知のタッチパネルであり、表示機器として、上部カメラ111が撮影中のライブ映像を表示する。上部モニタ113はまた、上部カメラ111および下部カメラ112で撮影された静止画像としての撮影画像を表示する。上部モニタ113はさらに、表示された撮影画像を選択する操作や、撮影画像に対する補正に関するユーザの操作等を受け付ける入力機器としても機能する。これらの操作を示す信号は、操作信号として制御部53に入力される。一方、下部モニタ114は、下部カメラ112が撮影中のライブ映像を表示するものであり、上部モニタ113と概ね同じ構成である。但し、上述したように、下部モニタ114はタッチパネルとしての機能は有しておらず、もっぱら画像を表示することに用いられる。なお、下部カメラ112および下部モニタ114は必須の構成でなく、上部カメラ111および上部モニタ113のみでもよい。
コイン処理部17は、コイン投入口に対するコインの投入を検出する。コイン処理部17は、プレイに要する所定の金額分(プレイ料金分)のコインが投入されたことを検出した場合、そのことを表す起動信号を制御部53に出力する。なお、コイン処理部17は、電子マネーやクレジットカードによるプレイ料金の支払を受け付け、当該起動信号を制御部53に出力するようなものとすることもできる。
照明制御部18は、制御部53より供給される照明制御信号にしたがって、撮影空間10内の正面照明ユニット115が照射するフラッシュを制御する。また、照明制御部18は、天井照明ユニット14および正面照明ユニット115の内部に設けられる電灯(蛍光灯など)を制御することで、ユーザによる撮影処理の段階に応じて撮影空間10内の明るさを調整する。スピーカ19は、ユーザによる撮影処理の段階に応じた音声を出力する。
編集部51a,51bは、編集空間20a,20bそれぞれにおいて編集処理をするためのものである。編集部51aおよび編集部51bの機能や構成は同じであるため、以下では編集部51aのみを説明し、編集部51bの説明を省略する。
編集部51aは、タブレット内蔵モニタとしての編集用モニタ213、2本のタッチペン214A,214B、およびスピーカ215から構成される。編集用モニタ213は、制御部53による制御にしたがって編集画面を表示し、編集画面に対するユーザの編集操作等を検出する。すなわち、ユーザにより、編集用モニタ213がタッチペン214A,214Bでタッチされると、その操作およびタッチペン214A,214Bのいずれでタッチされたのかが検出され、操作信号として制御部53に送信される。これにより、ユーザは編集対象である合成画像を編集する。具体的には、編集用モニタ213に表示された画像に対し、例えば、文字、模様、図形などのいわゆる落書を、タッチペン214A,214Bなどの入力デバイスで入力する。これにより、合成画像に、落書が重ね合わされた出力用画像が生成される。こうして生成された出力用画像に基づく画像データは、出力部52へ送信される。
出力部52は、出力空間30において出力処理を実行する。出力部52は、タッチパネル式の液晶モニタ311、非接触通信部312、およびスピーカ314を備える。その他、出力用画像を印刷するためのプリンタ34、およびシール紙ユニット35も備えている。プリンタ34は、合成画像、または編集処理によって得られた編集済みの出力用画像を、プリンタ34に装着されたシール紙ユニット35に収納されているシール紙に印刷し、シール紙排出口313に排出する。非接触通信部312は、携帯端末との間でデータを受送信する無線通信ユニットであり、例えば例えばBluetooth(商標)やNFCなどの近距離無線通信モジュールや、無線LANなどの無線ネットワーク通信モジュールが含まれる。なお、編集部51で作成された画像データは、通信部55によってネットワークを通じて外部の画像蓄積サーバに送信される。
<遊戯用撮影装置の機能構成>
図5は、遊戯用撮影装置100の機能構成を模式的に示す機能ブロック図である。遊戯用撮影装置100は、画像生成部60、編集処理部61、登録処理部62、出力処理部63、および通信部170を含む。
本図は、実施の形態に係る遊戯用撮影装置100を実現するための機能構成を示しており、その他の構成は省略している。本図において、さまざまな処理をする機能ブロックとして記載される各要素は、図4に示すハードウェアであるカメラ、CPU、メインメモリ、その他のLSI(Large Scale Integrated
circuit)で構成することができる。また、ソフトウェア的にはRAMにロードされたプログラム等をCPUが実行することによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
画像生成部110は、撮像部116および画像群取得部130を含む。撮像部116は、登録処理部650からのプレイ開始の指示にしたがい、1人または複数のユーザを複数回撮影し、複数の写真画像を生成する。撮像部116は、上述した撮影筐体11に内蔵されたカメラを用いて実現できる。限定はしないが、撮像部116は6回から8回の写真撮影を実行し、6枚から8枚程度の写真画像を生成する。画像群取得部130は、撮像部116が複数回の撮影によって生成した2以上のユーザを被写体とする複数の写真画像を取得する。画像群取得部130は、取得した複数の写真画像をひとまとまりの写真画像群として管理する。より具体的に、画像群取得部130は、取得した複数の写真画像に同一の画像群識別子を付与し、かつ写真画像を特定するために、各写真画像に固有の画像識別子を付与する。
登録処理部62は、接続処理部117およびユーザ情報取得部140を含む。接続処理部117は、ユーザの端末装置500との間で無線通信の確立および解除に必要な処理を実行するとともにユーザを識別するための情報を取得する。また、接続が確立された端末装置500を識別するための情報とユーザを識別するための情報との対応関係を記録する。
無線通信方法は、例えばBluetooth(商標)やNFCなどの近距離無線通信を用いてもよいし、無線LANなどの無線ネットワークを用いてもよい。Bluetooth(商標)での接続を確立する場合、先にNFCを用いてペアリングを成立させてもよいし、遊戯用撮影装置100の画面上の所定ボタンにユーザが手を触れた状態で端末装置500に所定操作をすることでペアリングを成立させてもよい。NFCでの接続を確立する場合、非接触通信部312としてのリーダ・ライタにユーザが端末装置500をかざすことにより近距離無線通信が確立してもよい。無線LANでの接続を確立する場合、ユーザがSSIDやパスワードを設定することによりインフラストラクチャーモードまたはアドホックモードで無線通信を確立してもよい。あるいは、先にBluetooth(商標)またはNFCでペアリングを成立させてから無線LANのアドホックモードまたはインフラストラクチャーモードに切り替えてデータ送受信の通信接続を確立してもよい。
接続処理部117は、第1の撮影機会であるプレイにおいて接続が確立された端末装置500を識別するための情報とそのユーザを識別するための情報との対応関係を記録する。また、第1の撮影機会とは異なる第2の撮影機会であるプレイにおいて接続が確立された端末装置500を識別するための情報とそのユーザを識別するための情報との対応関係を記録する。このように、プレイごとに、プレイを識別するための情報、端末装置500を識別するための情報、ユーザを識別するための情報との対応関係を区別して記録する。例えば、接続処理部117は、無線LAN通信の接続を確立した場合、接続した端末装置500ごとにIPアドレスを記憶する。端末装置500ごとのIPアドレスは、端末装置500ごとに取得する後述のユーザ情報や対応するプレイを識別するための画像群識別子と紐付けて記憶する。変形例として、近距離無線通信での接続を維持して撮影後に画像を送信する仕様の場合、端末装置500ごとにペアリングの設定情報を記憶し、ユーザ識別情報やアプリケーションID、画像群識別子などと紐付けて記憶してもよい。
接続処理部117は、プレイの終了後に端末装置500との無線通信の接続を解除し、ペアリングの設定は破棄する。ただし、同時にペアリングできるデバイス数に制限があるため、ペアリングが成立して無線LAN通信の接続に移行した時点でペアリングを解除し、ペアリングの設定を破棄してもよい。また無線LAN通信での同時接続数にも制限があるか、少なくとも同時接続数が増えたときに転送速度が低下するおそれがある。そのため、近距離無線通信モジュールや無線LAN通信モジュールを複数内蔵し、同時接続数の上限を増やしてもよい。特に、1回のプレイで複数人のユーザが同時利用する場合が多く、しかも1台の遊戯用撮影装置100において、コイン投入やペアリングなどの事前接客処理の空間、撮影空間10、2つの編集空間20a、20b、出力空間30に空間が分かれるなど、最大で5組のユーザのグループが同時にプレイできる。そこで、無線通信モジュールを複数にすることで無線通信の同時接続数を増やし、写真撮影サービスの運用をより効率的にすることができる。
また、複数組のユーザのグループが同時にプレイしていても、無線通信接続の設定情報、ユーザ識別情報、アプリケーションIDなどの対応関係は、画像群識別子ごとに別々に紐付けられており、画像送信先の端末装置500を容易に区別することができ、誤送信を防止する。
ユーザ情報取得部140は、プレイの終了後にユーザによって遊戯用撮影装置100へ直接入力された、または、端末装置500を介して事前入力されたメールアドレス等の個人を特定する情報を受け付ける。ユーザ情報取得部140は、そのメールアドレスおよびユーザ情報(写真撮影サービスの会員種別や名前、性別等)が管理サーバ300に登録されていれば、メールアドレスをもとに登録済みのユーザ情報を取得する。ユーザ情報取得部140は、メールアドレスが管理サーバ300に登録されていない場合、写真撮影サービスの非会員であると判断する。ただし、ユーザ情報取得部140は、ユーザの情報をプレイの開始前に取得してもよい。特に端末装置500を介してメールアドレス等の情報を取得する場合には、ユーザが遊戯用撮影装置100へあらためてメールアドレスを手動入力する手間が必要でなくなり、通信接続が確立していれば、画像編集後に直ちにデータ送受信を行うことができる。なお、ユーザ情報取得部140がメールアドレス以外のユーザ情報を端末装置500から取得することも可能であり、必ずしも管理サーバ300へアクセスしてユーザ情報を取得しない仕様も可能ではある。ただし、その場合でもユーザ情報が有効である否かについて管理サーバ300へアクセスして確認するのが好ましい。登録処理部62は、コイン投入、通信接続の確立、ユーザ情報の取得にしたがってプレイの開始を画像生成部60へ指示する。
ユーザ情報取得部140が取得するユーザ情報は、例えばユーザそれぞれのメールアドレスなど、個人を一意に特定するための識別情報を含む。ユーザ情報は、ユーザ名、パスワード、会員ID、会員種別、アプリケーションID、アプリケーションバージョン情報、年齢、性別、生年月日、電話番号、利用履歴等の情報をさらに含んでもよい。ユーザ情報取得部140は、端末装置500との通信を確立していないユーザに関しては、タッチパネル上に表示させるキーボードからメールアドレス等のユーザ識別情報の入力を受け付け、端末装置500との通信が確立しているユーザに関しては、端末装置500からメールアドレス等のユーザ識別情報を取得する。さらに、すでに会員登録済みのユーザの場合は、タッチパネルまたは端末装置500から取得したユーザ識別情報をもとに、さらに詳細なユーザの情報を通信部170を介して管理サーバ300から取得する。このように、従来は撮影後の出力処理の時点などにおいて取得していたユーザのメールアドレス等の識別情報を、無線通信の接続を確立したユーザに関しては撮影前の事前接客処理の時点で取得することができる。これにより、そうした情報の手動入力の煩雑さを回避し、より円滑で確実な運用を可能とする。
編集処理部61は、背景処理部120およびコンテンツデータ生成部150を含む。背景処理部120は、画像生成部60が生成した複数の写真画像それぞれについて、撮影画像における被写体と、それ以外の領域である背景領域とを区別するための背景情報(クロマキーマスク)を取得する。背景処理部120は、例えば上述した既知のクロマキー処理を用いて実現できる。背景処理部120は、背景情報を2値化画像またはグレースケールの画像、あるいはそれらを圧縮したデータとして生成する。
コンテンツデータ生成部150は、画像群取得部130が生成した複数の写真画像を含む写真画像群と、ユーザ情報取得部140が取得したユーザ識別情報とを紐付けたコンテンツデータを生成する。コンテンツデータ生成部150はまた、コンテンツデータに背景処理部120が取得した背景情報や遊戯用撮影装置100の識別情報も含めてコンテンツデータを生成してもよい。コンテンツデータ生成部150は、画像生成部110が一連の写真画像群を撮影する度(1プレイごと)に、コンテンツデータを生成する。コンテンツデータは、画像群取得部130が生成した画像群識別子を用いて一意に特定することができる。
出力処理部63は、表示処理部160、印刷処理部161、データ送信部162を含む。表示処理部160は、出力空間30において印刷する画像や出力処理に関する内容、指示をタッチパネル式の液晶モニタ311へ表示させ、音声による指示をスピーカ314から出力する。印刷処理部161は、編集処理部61により編集された出力用画像をプリンタ34によりシール紙に印刷する。データ送信部162は、編集処理部61により編集された出力用画像を通信部170を介して端末装置500または管理サーバ300へ送信するとともに、非接触通信部312を介して端末装置500へ送信する。
通信部170は、インターネットなどのネットワーク200を介して管理サーバ300と通信し、コンテンツデータを送信する。管理サーバ300は、通信部170から受信したコンテンツデータを格納する。管理サーバ300は、格納したコンテンツデータにアクセスするためのURL(コンテンツアクセス情報の一例)を生成し、コンテンツデータに含まれるメールアドレス等のユーザ識別情報に基づいて端末装置500へコンテンツアクセス情報を送信する。非接触通信部312は、ユーザの端末装置500とアドホックで無線通信し、コンテンツデータまたはコンテンツデータに含まれる各画像を送信する。
なお、コンテンツアクセス情報は、管理サーバ300における格納先が決まっている場合は、コンテンツデータ生成部150で生成することもできる。この場合、コンテンツアクセス情報は、コンテンツデータに含まれる。通信部170は、コンテンツアクセス情報を含むコンテンツデータを管理サーバ300に送信する。
図6は、コンテンツデータ生成部150が生成するコンテンツデータのデータ構造を模式的に示す図である。本図に示すように、コンテンツデータは、第1フィールド151から第5フィールド155までの、少なくとも5つのデータフィールドを備える。
第1フィールド151は、画像群取得部130が生成した画像群識別子を格納する。画像群識別子は、例えば遊戯用撮影装置100に固有に定められた識別子と、プレイを開始した年月日および時刻との組合せによって生成される。これにより、遊戯用撮影装置100ごと、かつ、プレイごとに一意の画像群識別子が生成できる。なお、画像群識別子は、遊戯用撮影装置100の識別子とコンテンツデータ生成部150がコンテンツデータを生成した年月日および時刻との組合せによって生成してもよい。
第2フィールド152は、撮像部116が生成した写真画像データと、画像群取得部130が生成した画像識別子とを紐付けて格納する。画像識別子は、例えば撮像部116が撮影した順番に付与された通し番号である。図6は、N枚(Nは正の整数)の画像とそれに対応するN種類のIDとが格納されている例を示している。限定はしないが、6枚の撮影画像を生成した場合、Nは6となり、8枚の撮影画像を生成した場合、Nは8となる。
第3フィールド153は、少なくとも、ユーザ情報取得部140が取得した各ユーザのメールアドレス等のユーザ識別情報を格納する。図6はM種類(Mは正の整数)のメールアドレスが格納されている例を示す。ここでMは、1プレイにおいて入力されたメールアドレスの数である。プレイしたユーザ全員が入力するとは限らないが、通常は全員が入力するので、同時にプレイしたユーザの人数と同等と考えてもよい。ユーザ識別情報としては、メールアドレスに限らず、事前にメールアドレス等のユーザ情報を登録したユーザに対して一意に割り当てられた識別情報である会員IDであってもよい。ユーザ識別情報は、暗号化された状態で第3フィールド153に格納される。
第4フィールド154は、背景処理部120が生成した背景情報を格納する。また第5フィールド155は、撮影位置情報として遊戯用撮影装置100の識別情報を格納する。
<管理サーバの機能構成>
図7は、管理サーバ300の機能構成を模式的に示す機能ブロック図である。管理サーバ300は、コンテンツデータ取得部310、コンテンツ送信部320、記憶部330、ユーザ情報管理部660、およびアプリケーション提供部380を含む。
本図は、実施の形態に係る管理サーバ300を実現するための機能構成を示し、その他の構成は省略している。本図において、さまざまな処理をする機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェアであるCPU、メインメモリ、その他のLSIで構成することができる。また、ソフトウェア的にはメインメモリにロードされたプログラム等をCPUが実行することによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
コンテンツデータ取得部310は、複数回の撮影によって生成された複数の画像を含む写真画像群と、写真画像群を識別するための写真画像群識別子と、メールアドレス等のユーザ識別情報とが紐付けられたコンテンツデータを、ネットワーク200を介して取得する。ここでコンテンツデータ取得部310が取得するコンテンツデータは、上述した遊戯用撮影装置100のコンテンツデータ生成部150が生成したデータを含むが、それには限られない。コンテンツデータ取得部310が取得するコンテンツデータは、少なくとも写真画像群と、この写真画像群に含まれる複数の写真画像が同じグループに属することを判別するための情報(画像群識別子やメールアドレス等)とが紐づけられていれば、その出所は問わない。例えばユーザがスマートフォンやタブレットで写真撮影をして得られた写真画像群にメールアドレスを対応付けて生成したコンテンツデータであってもよい。
記憶部330は、コンテンツデータ取得部310が取得したコンテンツデータを格納する。記憶部330は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive;HDD)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive;SSD)、フラッシュメモリ等、既知の大容量ストレージを用いて実現できる。記憶部330は、コンテンツデータの一部に含まれるユーザ識別情報のほか、写真撮影サービスの会員として登録されるユーザ情報を含む会員データベースをさらに保持する。そのユーザ情報としては、ユーザごとのメールアドレスの他に、ユーザ名、パスワード、会員ID、会員種別、アプリケーションID、アプリケーションバージョン情報、年齢、性別、生年月日、電話番号、利用履歴等の情報が記憶される。利用履歴としては、撮影日時や撮影した写真画像群の識別子、利用した機種の設置場所ないし機種名、一緒に利用した他のユーザの識別情報等の情報が記憶される。ユーザ情報管理部660は、遊戯用撮影装置100または端末装置500からネットワーク200を介してユーザ情報を受信して記憶部330へ格納する。また、ユーザ情報管理部660は、遊戯用撮影装置100または端末装置500から要求されたユーザ情報を遊戯用撮影装置100または端末装置500へネットワーク200を介して送信する。
コンテンツ送信部320は、ユーザの情報提示アプリケーションに対してコンテンツデータを送信する。すなわち、コンテンツ送信部320は、コンテンツアクセス情報を端末装置500上の情報提示アプリケーション宛てに通知すると、端末装置500上の情報提示アプリケーションが管理サーバ300へアクセスする。コンテンツ送信部320がユーザ識別情報に基づいて情報提示アプリケーションを認証すると、その情報提示アプリケーションに対してコンテンツデータを送信する。情報提示アプリケーションを利用していないユーザに関しては、記憶部330に格納されたコンテンツデータにアクセスするためのコンテンツアクセス情報を、当該コンテンツデータ中にユーザ識別情報として含まれるメールアドレス宛にメール送信する。コンテンツ送信部320がユーザに送信するメールには、コンテンツデータにアクセスするためのURLが含まれている。ユーザが受信したメールアドレスに記載されたURLに端末装置500等の端末を用いてアクセスすると、コンテンツ送信部320は記憶部330に格納されているコンテンツデータを送信する。
端末装置500は、撮影後に写真画像を編集したりするための情報提示アプリケーションを実行することができる。この情報提示アプリケーションは記憶部330に格納されており、アプリケーション提供部380は、端末装置500からの要求に応じて端末装置500に情報提示アプリケーションを送信する。ただし、情報提示アプリケーションは、管理サーバ300とは別のサーバに格納されてもよく、その場合、端末装置500が別のサーバから情報提示アプリケーションをダウンロードしてインストールしてもよい。
図8は、管理サーバ300に登録されたユーザ情報のテーブルを模式的に示す図である。管理サーバ300に登録されるユーザ情報は、メールアドレス、ユーザ名、会員ID、会員種別、パスワード、アプリケーションID、アプリケーションバージョン情報が含まれる。メールアドレスは、ユーザへの通知の宛先として用いられるだけでなく、ユーザを識別するためにも用いられる一意の識別情報である。ユーザ名は、写真撮影サービスでのユーザとの対話において表示される形式的なユーザの名前であり、必ずしも一意であることを要さず、ユーザが任意に設定できる。会員IDは、管理サーバ300のデータベース上でユーザを識別するための情報であり、メールアドレスの代わりにこの会員IDをユーザ識別情報として利用してもよい。特に、ユーザによってメールアドレスの登録が変更されても会員IDは変更されない。
会員種別は「有料会員」または「無料会員」のいずれに該当するかがユーザごとに記録される。ただし、図の通り、有料会員については会員IDのアルファベットを「a」にし、無料会員については会員IDのアルファベットを「b」にして区別するなど、会員IDの割り当て方の違いによって会員種別が区別されるようにしてもよい。会員種別としては、会費が課金される「有料会員」と、会費が課金されない「無料会員」とが用意され、いずれの会員にも登録されていないユーザを「非会員」として区別する。写真撮影サービスおよび情報提示アプリケーションは、そのユーザの会員種別が「有料会員」「無料会員」「非会員」のいずれであるかに応じて差別化された、価値の異なるサービスや機能、情報を提供する。
パスワードは、ユーザがそれぞれ任意に設定する英数字の文字列である。アプリケーションIDは、ユーザの端末装置500にダウンロードされてインストールされた専用の情報提示アプリケーションに一意に割り当てられた識別情報であり、ユーザごとにどの端末に情報提示アプリケーションがインストールされているかを特定するために用いられる。アプリケーションIDは、デバイストークンとも呼ばれ、情報提示アプリケーションを端末装置500へインストールしたときに所定のサーバから発行され、特にプッシュ通知サーバを介して情報提示アプリケーションへプッシュ通知する際にも送信先の情報提示アプリケーションを識別するために用いられる。また、以前と異なるアプリケーションIDの端末から認証の問合わせがあった場合に、第三者からの不正なアクセスである可能性を検知するのにも利用可能である。アプリケーションバージョン情報は、端末装置500にインストールされている情報提示アプリケーションのバージョン情報であり、端末装置500の機種名やOS名を識別する情報が含まれていてもよい。
<端末装置の機能構成>
図9は、端末装置500の機能構成を模式的に示す機能ブロック図である。端末装置500は、タッチパネル510、コンテンツデータ取得部520、登録情報取得部530、記憶部540、接続処理部550、通信部560を含む。
本図は、実施の形態に係る端末装置500を実現するための機能構成を示し、その他の構成は省略している。本図において、さまざまな処理をする機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェアであるCPU、メインメモリ、タッチパネル、その他のLSIで構成することができる。また、ソフトウェア的にはメインメモリにロードされたプログラム等をCPUが実行することによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。端末装置500は、例えばスマートフォン、タブレットPC、ファブレット、携帯電話、電子書籍端末、ノートPC、デスクトップPC、電子辞書等、プロセッサ、メモリ、およびタッチパネルを備える電子機器を用いて実現できる。
通信部560は、端末装置500が無線通信を介して外部装置と情報をやりとりするためのインタフェースである。通信部560は、無線通信モジュール、例えばBluetooth(商標)やNFCなどの近距離無線通信や無線LANなどの無線通信のモジュールを用いて実現できる。
タッチパネル510は、端末装置500が生成した情報をユーザに提示する表示デバイスであると同時に、端末装置500に対するユーザの操作を取得する入力デバイスである。
記憶部540は、ユーザ情報や情報提示アプリケーションを格納する。ユーザ情報は、メールアドレスや会員IDなどのユーザ識別情報と、そのユーザ識別情報に紐付けられて登録されたパスワードや会員種別などの情報である。情報提示アプリケーションは、端末装置500のプロセッサ(不図示)が実行することで端末装置500に画像表示機能、情報表示機能、登録情報入力機能等の各機能を実現するためのプログラムである。コンテンツデータ取得部520、登録情報取得部530、接続処理部550は、端末装置500のプロセッサが情報提示アプリケーションを実行することで実現される。情報提示アプリケーションは、端末装置500に各種機能を実現させるコンピュータが読み出し可能なプログラムである。端末装置500は、管理サーバ300または他のダウンロードサイトのサーバに要求することで、情報提示アプリケーションをダウンロードし、インストールできる。
登録情報取得部530は、ユーザによるタッチパネル510の操作を介してユーザ識別情報およびパスワードの入力を受け付け、ユーザ識別情報およびパスワードに対応するユーザ情報を記憶部540から読み出し、または、通信部560を介して管理サーバ300から取得する。ユーザが写真撮影サービスに未登録である非会員の場合、登録情報取得部530はユーザ識別情報となるメールアドレスおよびパスワードを設定すべき旨のメッセージをタッチパネル510に表示し、ユーザからメールアドレスおよびパスワードの入力を受け付け、ユーザ情報として記憶部540へ格納して「ログイン状態」にするとともに、そのユーザ情報を通信部560を介して管理サーバ300へ送信する。この登録を契機に、ログイン状態である限り、このユーザの扱いは「非会員」から「無料会員」または「有料会員」へ切り替えられる。
接続処理部550は、通信部560を介して遊戯用撮影装置100との無線通信のペアリングおよび接続を確立する。例えば、ユーザが遊戯用撮影装置100に所定操作をして近隣にあるデバイスの検索が開始されると、接続処理部550は遊戯用撮影装置100からパスコード要求およびパスコードを含むペアリング要求を受信する。接続処理部550は、要求元のデバイス名とともにペアリングを許可する旨のボタンをタッチパネル510へ表示する。このとき、要求元のデバイスから受信したパスコードをさらに表示してユーザにパスコードの一致を確認させてもよい。ユーザがペアリングを許可する旨のボタンをタッチパネル510上で手で触れると、接続処理部550は遊戯用撮影装置100へペアリングを許可する旨の信号を送信し、これによりBluetooth(商標)を用いたペアリングが成立する。次いで接続処理部550は、ペアリングが成立した遊戯用撮影装置100との間で無線LANによるアドホック通信の接続を確立する。この時点で、Bluetooth(商標)を用いた接続およびペアリングを解除してもよい。遊戯用撮影装置100との無線LANによるアドホック通信は、プレイの終了時点で接続解除されるか、端末装置500と遊戯用撮影装置100の距離が離れるなど通信が途絶えた期間が一定時間継続したときにも解除される。
コンテンツデータ取得部520は、通信部560による無線通信を介してコンテンツデータ(図6参照)を取得し、記憶部540に格納する。コンテンツデータ取得部520は、コンテンツデータを遊戯用撮影装置100から直接受信し得るとともに、管理サーバ300から受信した通知またはメールに含まれるURLにアクセスしてコンテンツデータをダウンロードすることもできる。コンテンツデータ取得部520は、ユーザからのタッチパネル510を介した指示に応じてコンテンツデータをタッチパネル510に表示させる。
情報提示アプリケーションは、そのユーザが有料会員、無料会員、非会員のうちいずれであるかに応じて価値の異なる情報や機能を提供してもよい。例えば、未ログインの状態であれば、登録情報取得部530が非会員と推定して会員登録を促すメッセージをタッチパネル510に提示する。ログイン済みの状態でも無料会員の場合は、登録情報取得部530が有料会員への登録を促すメッセージをタッチパネル510に提示する。なお、情報提示アプリケーションは、未ログインの状態であった場合でもログイン履歴として情報提示アプリケーションに記録されたメールアドレスやパスワードなどの情報を参照して会員登録の有無および会員種別を判定してもよい。その場合、ログイン履歴に含まれる情報をもとに管理サーバ300にアクセスして会員登録の有無および会員種別を判定して、会員登録済みであると判定した場合はログインをユーザに促し、会員未登録であると判定した場合に会員登録をユーザに促してもよい。情報提示アプリケーションが画像の保管機能や編集機能、閲覧機能、SNSへの投稿や共有の機能等の機能を提供する場合、例えばそのユーザが有料会員であれば全機能を提供し、無料会員であれば一部の機能に限定して提供し、非会員であれば全機能を制限してもよい。
図10は、端末装置500と遊戯用撮影装置100のペアリングを成立させるために遊戯用撮影装置100の上部モニタ113に表示される画面例を模式的に示す。遊戯用撮影装置100の画面700には、端末装置500と遊戯用撮影装置100との間でペアリングを成立させる方法が説明欄702において文字や図で表示される。例えば、まずユーザに自身の端末装置500上で情報提示アプリケーションを起動させる指示と、画面700上の所定領域であるペアリングボタン704に手で触れさせる指示を表示する。ユーザがペアリングボタン704に手で触れたことを検出すると、遊戯用撮影装置100は近距離無線通信モジュールを介して周囲のデバイスを検索して所定のパスコードおよび同じパスコードの返信要求を発信する。そのパスコードを受信した端末装置500上の情報提示アプリケーションは、遊戯用撮影装置100との接続を確認する「(機種名)と接続しますか?」といった文字列とともに、「ペアリングボタン」を画面に表示する。ユーザが端末装置500の画面上で「ペアリングボタン」に手を触れると、端末装置500は受信してあったパスコードを返信する。ユーザが画面700のペアリングボタン704に手を触れてから所定時間以内に端末装置500からのパスコードを遊戯用撮影装置100が受信することでペアリングが成立し、遊戯用撮影装置100は「ペアリング成功!」といった、ペアリングの成立を通知するメッセージを画面700に表示する。複数ユーザで利用する場合には、一人のユーザがペアリングボタン704に手を触れるとともに複数ユーザがそれぞれ自身の端末装置500を操作することにより一度に複数のペアリングを成立させることができる。
図11は、ペアリングが成立したユーザ一覧を表示する画面例を模式的に示す。遊戯用撮影装置100は、複数のユーザの端末装置500との間でペアリングを試みるとともに、ペアリングが成立した複数のユーザを並べたユーザ一覧752を画面750に表示する。ユーザ一覧752には、ペアリングが成立したユーザごとに、端末装置500の機種名、ユーザ名、メールアドレス、会員ID、会員種別を一覧で表示する。例えば、一人目のユーザ名「peach」というユーザは、携帯端末である端末装置500の機種名が「CPhone2」、メールアドレスが「xxx@aaa.com」、会員IDが「a0001」、会員種別が「有料会員」であることが表示される。二人目および三人目のユーザも同様にユーザ一覧752にそれぞれのユーザ情報が表示される。一方、四人目のユーザは会員として未登録である非会員ユーザであるため、会員種別として「非会員」と表示され、取得される端末装置500の機種名「BPhone4」は表示されるが、未登録であるユーザ名、メールアドレス、会員IDは表示されない。
ユーザ一覧752の側方(本図の例では左側)には、ユーザごとに解除ボタン754が表示される。遊戯用撮影装置100は、ユーザがいずれかの解除ボタン754に手を触れた場合に、対応するユーザの端末装置500との間で成立していたペアリングを解除する。これにより、偶然近くに居合わせた無関係な人が誤って自分の端末装置500を操作してペアリングが成立してしまった場合や、無関係な人が悪意を持ってペアリングを成立させた場合に、ユーザがその無関係な端末装置500のペアリングを自ら選択して解除することができる。
ユーザ一覧752の下方には、端末追加ボタン756およびOKボタン758が表示される。複数ユーザで利用する場合であってペアリングに失敗したユーザが存在する場合、ユーザが端末追加ボタン756に手を触れることにより、ユーザ一覧752に表示されなかったユーザの端末装置500を事後的に追加することができる。端末追加ボタン756は、図10のペアリングボタン704と同様に機能し、端末追加ボタン756に手を触れた後の所定時間以内に、追加するユーザが端末装置500に表示されるペアリングボタンに手を触れることでペアリングの追加が完了する。すべてのユーザのペアリングが成立した時点でいずれかのユーザがOKボタン758に手を触れると、ペアリング処理が終了して撮影準備へ移行する。この時点で画像群識別子が発行され、画像群識別子とユーザ識別情報やアプリケーションID等のユーザ情報とが紐付けられて遊戯用撮影装置100に記憶される。また、画像群識別子をペアリング済みの端末装置500の情報提示アプリケーションに対して送信し、これを情報提示アプリケーションが記憶してもよい。これにより、例えば非会員であっても、事後的に会員に登録した場合に情報提示アプリケーションに記憶される画像群識別子に基づいて事後的に画像をダウンロードすることも容易に実現できる。
図12は、遊戯用撮影装置100におけるプレイの概略的な流れを示すフローチャートである。ユーザがコイン投入口に所定の金額のコインを投入するまで待機し(S10のN)、所定の金額のコインの投入があれば(S10のY)、図10,11に説明したペアリング処理を実行する(S12)。ペアリング処理の完了後、ユーザは写真の画質を選択し(S14)、カメラの画角や角度を選択し(S16)、クロマキー合成する背景を選択する(S18)。以上により、事前接客処理が完了し、撮影空間10での撮影処理に移行する(S20)。撮影処理を終えると、ユーザは撮影空間10から編集空間20a,20bのいずれかに移動し、編集処理に移行する(S22)。編集処理を終えると、ユーザは編集空間20から出力空間30に移動し、印刷および画像送信を含む出力処理に移行する(S24)。
図13は、図12のS24における出力処理の詳細を示すフローチャートである。まず、プリンタ34が撮影画像や編集済みの撮影画像の中から選択された画像の印刷を開始する(S30)。ユーザに印刷完了を待たせる間、無料会員であるユーザの端末装置500に対して送信する画像を選択させるための画面を表示する(S32)。なお、有料会員であるユーザに関しては、すべての撮影画像や編集画像を送信するためS32の処理をスキップしてもよく、非会員であるユーザに関しても画像を送信しないためS32の処理をスキップしてもよい。すなわち、有料会員のユーザが一人も含まれない場合であって無料会員のユーザが少なくとも一人含まれる場合にS32の処理が実行される。S32の後、会員の有無や会員種別にかかわらず、プレイにおいて生成された全画像を管理サーバ300へ送信する(S34)。例えば、無料会員や非会員であっても、事後的に有料会員に登録した場合には管理サーバ300から画像をダウンロードできるように、全画像を管理サーバ300に保管しておくためである。なお、全画像送信処理を実行するS34のタイミングは便宜上このタイミングに規定したにすぎず、本図のフローのいずれのタイミングで実行してもよい。
以下、出力対象のプレイに対応する端末装置500との間で無線通信の接続が確立しているか、そのプレイに対応する1人以上のユーザに有料会員が含まれるか、そのプレイに対応する1人以上のユーザに非会員が含まれるか、に応じて異なる処理を実行する。まず、無線通信の接続が確立している端末装置500が存在し(S36のY)、接続が確立しているユーザに有料会員が含まれ(S38のY)、かつ、非会員が含まれない場合(S40のN)、接続が確立しているすべての端末装置500へすべての画像を送信する(S42)。この場合、複数のユーザの中に一人でも有料会員が含まれていれば、無料会員に対しても全画像を送信することとなる。送信の完了後は無線通信の接続を解除するとともにペアリングの設定も破棄し(S56)、出力処理の時点で無線通信の接続がされていなかった端末装置500(接続が切断されてしまった端末を含む)が存在する場合はそのユーザに対して全画像を送信するよう管理サーバ300に指示を送る(S58)。管理サーバ300への指示としては、画像群識別子とともに、対象となるユーザのメールアドレスや会員ID、アプリケーションIDなどの識別情報を送信する。
S40において、非会員が含まれる場合には(S40のY)、接続が確立している非会員の端末装置500に対し、非会員には画像を送信しない旨および会員登録を促すメッセージを情報提示アプリケーションを介して通知し(S44)、接続が確立している会員の端末装置500に対しすべての画像を送信する(S46)。この場合、複数のユーザの中に一人でも有料会員が含まれていれば、無料会員に対しても全画像を送信することとなる一方で、非会員には画像は送信しない。送信の完了後は無線通信の接続を解除してペアリング設定を破棄し(S56)、無線通信の接続がされていなかった会員の端末装置500が存在する場合はそのユーザに対して全画像を送信するよう管理サーバ300に指示を送る(S58)。
S38において、有料会員が一人も含まれず(S38のN)、かつ、非会員も一人も含まれない場合(S48のN)、すべてのユーザが無料会員であるためS32で選択された画像を接続が確立しているすべての端末装置500へ送信する(S50)。送信の完了後は無線通信の接続を解除してペアリング設定を破棄し(S56)、無線通信の接続がされていなかった無料会員の端末装置500が存在する場合はそのユーザに対して選択画像を送信するよう管理サーバ300に指示を送る(S58)。
S38において、有料会員が一人も含まれず(S38のN)、かつ、非会員が含まれる場合(S48のY)、接続が確立している非会員の端末装置500に対し、非会員には画像を送信しない旨および会員登録を促すメッセージを情報提示アプリケーションを介して通知する(S52)。接続が確立している無料会員の端末装置500には、S32で選択された画像を送信する(S54)。送信の完了後は無線通信の接続を解除してペアリング設定を破棄し(S56)、無線通信の接続がされていなかった無料会員の端末装置500が存在する場合はそのユーザに対して選択画像を送信するよう管理サーバ300に指示を送る(S58)。
S36において、無線通信が接続している端末装置500が存在しない場合は(S36のN)、S38からS56の処理をスキップし、未接続である端末装置500に対して画像を送信するよう管理サーバ300に指示を送る(S58)。この場合、有料会員に対しては全画像を送信するが、無料会員に対しては選択画像のみを送信する。ただし、有料会員が含まれていた場合は無料会員に対しても全画像を送信してもよい。また、非会員に対しては画像を送信しないが、事後的に会員に登録した場合にはその登録時点から画像をダウンロードできるようにする。以上の出力処理を経て、画像の印刷が終了したとき、ユーザは、出力筐体31に設けられたシール紙排出口313からシール紙を受け取り、一連のプレイが終了する。
図14は、遊戯用撮影装置100から画像送信の指示を受けた管理サーバ300における処理を示すフローチャートである。管理サーバ300は、図13のS58において遊戯用撮影装置100から画像送信の指示を受信するまで待機し(S60のN)、画像送信の指示を受信した場合(S60のY)、管理サーバ300は画像群識別子とともに受信したメールアドレス、会員IDなどの識別情報に基づいて会員データベースからユーザを検索して特定し(S62)、そのユーザの情報提示アプリケーションのアプリケーションIDを特定し(S64)、特定したアプリケーションIDに基づく情報提示アプリケーションへ画像を送信し(S66)、送信完了を情報提示アプリケーションを介してそのユーザへ通知する(S68)。ただし、情報提示アプリケーションに対する画像の送信方法は種々の方法を採り得る。例えば、いわゆるプッシュ型の送信方法でもよいし、プル型の送信方法でもよい。後者の場合、画像の送信準備が整った事実のみを先にプッシュ型で通知し、プル型で画像をダウンロードさせてもよい。例えば、管理サーバ300は、プッシュ通知先のアプリケーションIDを所定のプッシュ通知サーバへ送信し、情報提示アプリケーション側が定期的または不定期にプッシュ通知サーバへアプリケーションIDのパケットを送信し、アプリケーションIDが一致した場合に情報提示アプリケーションにプッシュ通知がなされ、ユーザの操作および指示に基づいて画像のダウンロードが実現される。なお、非会員に対しては、メールアドレスや会員IDなどのユーザ識別情報が登録されていないため、その非会員が情報提示アプリケーションをインストールしたときに発行されたアプリケーションIDであって、写真撮影時のペアリングで遊戯用撮影装置100に送信されたアプリケーションIDに基づいて通知がなされる。
以上、本発明の実施の形態に係る写真撮影システム600について説明した。本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
上記の実施の形態においては、ペアリングにあたって所定のペアリングボタンに手を触れさせることを例示した。変形例においては、例えば端末装置500を上下方向に振らせるなど加速度センサなどを用いて検出される所定動作や、二次元バーコードを読ませるなどの操作を契機としてペアリングを処理する仕様としてもよい。
写真撮影時においては、会員登録の有無および会員種別によって価値の異なるサービスを提供してもよい。例えば、非会員のユーザに対しては通常の撮影を提供し、無料会員のユーザに対しては1回のみ撮影し直しを許可し、有料会員のユーザに対してはすべての写真について1回ずつ撮影し直しを許可する。複数ユーザのグループで撮影する場合には、グループ内に一人でも会員が含まれていれば、その会員が無料会員か有料会員かによって異なるサービスを提供する。写真撮影が終わった時点でプレイ待ちの他のユーザがいない状態であると判定した場合、ユーザが無料会員または有料会員の場合に限り、撮影空間10や照明の使用時間延長を許可してもよい。このように会員登録有無や会員種別に応じて異なるサービスを提供できるのも、プレイ開始前の事前接客処理においてペアリングさせて事前に会員種別の情報が得られるからである。
写真編集時においても会員登録の有無および会員種別によって価値の異なるサービスを提供してもよい。例えば、非会員のユーザに対しては通常の落書き編集を提供し、無料会員のユーザに対しては通常は提供されない特別なモチーフ画像や背景画像の付加的使用を許可し、有料会員のユーザに対してはその特別なモチーフ画像の使用だけでなく、過去の自身の撮影画像との合成をさらに許可する。
写真出力時においても会員登録の有無および会員種別によって価値の異なるサービスを提供してもよい。例えば、非会員に対してはダウンロードサイトへアクセスしたときにプレゼントAを付与するのに対し、会員に対しては情報提示アプリケーションへ直接プレゼント(無料会員にはプレゼントB、有料会員にはプレゼントC)を転送して付与する。プレゼントは写真撮影サービスに付随するコンテンツでもよいし、他店で使用できるクーポンでもよく、そうしたコンテンツやクーポンの価値が、非会員、無料会員、有料会員の違いに応じて異なるよう設定される。ユーザへのプレゼントとしては、遊戯用撮影装置100が設置された店舗とは異なる外部店舗の写真出力端末の利用権を付与してもよい。
写真撮影時、写真編集時、写真出力時の各サービスとして、そのユーザにおける所定のSNSのアカウント登録有無に応じて価値の異なるサービスを提供してもよい。SNSのアカウントを写真撮影サービスに登録済みのユーザは、撮影した画像をSNSへ投稿することが期待でき、そのサービス名の周知に役立つため、その期待に見合った付加価値を提供するものである。また、撮影画像を付与した後、その画像をユーザが情報提示アプリケーションが内蔵するSNS投稿機能を用いて投稿した場合に、さらにプレゼントを付与することとしてもよい。そのような投稿を促す広告を情報提示アプリケーションが提示してもよい。
変形例として、遊戯用撮影装置100および情報提示アプリケーションは、遊戯用撮影装置100による写真撮影を利用したユーザに対する特典として、その写真撮影後の追加的な簡易撮影機能を提供してもよい。すなわち、撮影後にユーザが出力部52における出力空間30で写真が出力されるのを待っている間に遊戯用撮影装置100を背景にしてカメラ付き携帯電話などの端末装置500で自らの写真を簡易撮影する場合を想定する。そのような場合のために、ユーザの端末装置500における情報提示アプリケーションはカメラ機能および素材合成機能を備える。素材合成機能は、ユーザが利用した遊戯用撮影装置100の機種に対応する種類のスタンプや文字などの素材を写真に合成できるよう構成される。