JP2022022987A - 樹脂シートの評価方法、研磨布、研磨布の製造方法および研磨加工方法 - Google Patents

樹脂シートの評価方法、研磨布、研磨布の製造方法および研磨加工方法 Download PDF

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晋也 平野
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Abstract

【課題】研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さい研磨布を提供すること。【解決手段】所定の方法で算出された応力が0.020N/mm2以上であり、樹脂シートの100%モジュラスが10MPa以上である研磨布とする。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂シートの評価方法、研磨布、研磨布の製造方法および研磨加工方法に関する。より詳しくは、ハードディスク用アルミニウム基板およびガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板、シリコンウエハ、半導体デバイスなどの研磨に使用される研磨布とその製造方法、研磨布における樹脂シートの評価方法および研磨加工方法に関する。
従来、ハードディスク用アルミニウム基板およびガラス基板、液晶ディスプレイ用ガラス基板、シリコンウエハ、半導体デバイス等の被研磨物は、高精度な平坦性が要求されるため、精密研磨用の研磨布を用いた研磨加工が行われている。
これらの被研磨物の研磨加工は、通常、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム等の研磨材を含むスラリ状の研磨液を供給しながら行われる。具体的には、被研磨物は研磨加工時に研磨布上を回転移動する。被研磨物が研磨布に接しているときには研磨布に圧力がかかり、被研磨物が通過した後はその圧力が開放され、研磨布内部への研磨液の保持と研磨面への供給を繰り返している。
このような研磨加工における精密研磨用の研磨布としては、湿式成膜法や乾式成形法で作製された、発泡層を有するシート状のものが一般に用いられている。
例えば、湿式成膜法では、エラストマー、樹脂などの凝固成分を水混和性の有機溶媒に溶解させた発泡用溶液をシート状の成膜用基材に塗布した後、水系凝固液中に浸漬して凝固成分を凝固させることにより成膜用基材の表面に発泡層を形成することができる。このような湿式成膜法を利用した研磨布としては、例えば、特許文献1~3が知られている。
一方、近年では、ハードディスクドライブの記憶容量の増大および磁気ヘッドの浮上量(フライングハイト)の低下とともに、ハードディスク用基板に求められる表面品質はますます厳しいものになってきているとともに、生産性向上の観点から、時間あたりの研磨量(研磨レート)の向上が求められている。
特開2011-212779号公報 特開2018-51726号公報 特開2019-55462号公報
しかしながら、例えば、特許文献1~3のような従来の研磨布であっても、研磨加工時の繰り返しの加圧の影響により被研磨物の接する研磨面の摩耗やへたりが進むことが避けられない。このため、研磨の加工数量が増すに従って研磨布の開孔の多くは塞がり、研磨布と被研磨物との接面への研磨液の供給量が少なくなり、研磨レートが低下するという問題がある。
また、研磨レートの向上のために硬い材料を選択することも考えられるが、硬い材料においても同様に、研磨加工時の摩耗やへたりにより研磨布の開孔が塞がるため、研磨レートは低下してしまう。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、これまでの研磨布より研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さい研磨布と、この製造方法を提供することを課題としている。また、本発明は、研磨布を構成する樹脂シートの評価方法と、研磨加工方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、
<1>本発明の樹脂シートの評価方法は、シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布を構成する前記樹脂シートの評価方法であって、
以下の工程:
両面テープを介して、評価対象である前記樹脂シートからなる応力測定用シートの一方の面に第1ステンレス板を貼り付け、他方の面に第2ステンレス板を貼り付ける第1工程;
前記第2ステンレス板を固定し、前記第1ステンレス板と平行な一方向に前記第1ステンレス板を引張り、前記応力測定用シートの厚さに相当する試験力を前記応力測定用シートの面積当たりで算出した応力を得る第2工程;および
前記第2工程で得られた前記応力が0.020N/mm以上であり、かつ、100%モジュラスが10MPa以上である前記応力測定用シートを、前記研磨布を製造するのに適した前記樹脂シートとして評価する第3工程
を含むことを特徴としている。
<2>本発明の研磨布の製造方法は、シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布の製造方法であって、
前記<1>の評価方法によって算出される前記応力が0.020N/mm以上であり、かつ、100%モジュラスが10MPa以上である前記応力測定用シートに基づいて、湿式成膜法によって、前記成膜用基材の表面に前記応力測定用シートと同一の樹脂シートを形成する工程を含むことを特徴としている。
<3>本発明の研磨布は、シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布であって、
前記樹脂シートは、前記<1>の評価方法によって算出される前記応力が0.020N/mm以上であり、かつ、100%モジュラスが10MPa以上であることを特徴としている。
<4>本発明の研磨加工方法は、シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布を用いて被研磨物を研磨加工する研磨加工方法であって、
前記研磨布は、前記<3>に記載の研磨布であることを特徴としている。
本発明の樹脂シートの評価方法によれば、研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さい研磨布を製造するのに適した樹脂シートを選択することができる。
本発明の研磨布は、研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さいため、被研磨物を含む製品の生産性を向上させることができる。本発明の研磨布の製造方法によれば、研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さい研磨布を製造することができる。
本発明の研磨加工方法によれば、研磨布の研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さいため、被研磨物を含む製品の生産性を向上させることができる。
応力測定用シートの応力の測定方法の概要を示した概要図である。
本発明者は、研磨液の保持能力を向上させるために、研磨布の応力に着目した結果、本発明者が見出した方法に従って測定された応力の値が所定の値以上である応力測定用シートは、研磨布を構成する樹脂シートとして好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、この樹脂シートを採用した研磨布とすることで、研磨加工時の開孔が塞がれないため、研磨液の保持能力が損なわれないことから、研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さくなる。
以下、本発明の樹脂シートの評価方法、研磨布およびその製造方法、研磨加工方法の一実施形態について説明する。
研磨布は、シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えている。本発明の樹脂シートの評価方法は、研磨布を構成する上記の樹脂シートとして好適であるか否かを評価するものである。
本発明の樹脂シートの評価方法は、
以下の工程:
両面テープを介して、評価対象である樹脂シートからなる応力測定用シートの一方の面に第1ステンレス板を貼り付け、他方の面に第2ステンレス板を貼り付ける第1工程;
第2ステンレス板を固定し、第1ステンレス板と平行な一方向に第1ステンレス板を引張り、応力測定用シートの厚さに相当する試験力を応力測定用シートの面積当たりで算出した応力を得る第2工程;および
第2工程で得られた応力が0.020N/mm以上であり、かつ、100%モジュラスが10MPa以上である応力測定用シートを、研磨布を製造するのに適した樹脂シートとして評価する第3工程
を含む。
以下、本発明の樹脂シートの評価方法の各工程について説明する。図1は、応力測定用シートの応力の測定方法の概要を示した概要図である。
(第1工程)
この工程では、両面テープ3を介して、評価対象である樹脂シートからなる応力測定用シート1の一方の面に第1ステンレス板2aを貼り付け、他方の面に第2ステンレス板2bを貼り付ける。
応力測定用シート1は、評価対象である樹脂シートと同じ態様で構成されている。応力測定用シート1(樹脂シート)は、発泡層を有している。
発泡層は、発泡の形状を厚み方向の断面から観察すると下層部分は大きな発泡形状になり、下層部分から表面に向かうに従って緻密な発泡形状になる構造体である。そして発泡層の表面には1μm以下の微細孔があり、表面から下層部分の発泡までは微細な連通孔によってつながっている。
応力測定用シート1は、いわゆる湿式凝固法により作製することができる。すなわち、凝固成分を水混和性の有機溶剤に溶解させた発泡用溶液を成膜用基材に塗布し、次いで、発泡用溶液を塗布した成膜用基材を水系凝固液中に浸漬して凝固成分を凝固させることにより発泡層を作製することができる。得られた発泡層を成膜用基材から剥離し、水洗、乾燥加工を経ることで応力測定用シート1とすることができる。
凝固成分は特に限定されないが、ポリウレタンエラストマーが好ましく用いられる。ポリウレタンエラストマーは、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系あるいはこれらの共重合体等を用いることができ、目的に応じて単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
また、凝固成分を溶解する水混和性の有機溶剤は特に限定されないが、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、エチルアセテート、ジオキサンなどを例示することができる。有機溶剤は目的に応じて1種または2種類以上を混合して用いることができる。
凝固成分としてポリウレタンエラストマーを用いた発泡用溶液のエラストマー固形分濃度は、好ましくは10~40質量%、より好ましくは15~30質量%である。エラストマー固形分濃度が低過ぎる場合、成膜用基材上に良好な発泡層が形成されにくくなる。エラストマー固形分濃度が高過ぎる場合、粘度その他の点で製造上の支障が生じる場合がある。
発泡用溶液の固形分には、凝固成分としてのポリウレタンエラストマーなどと顔料が含まれる。
顔料としては、カーボンブラックなどを例示することができる。顔料としてカーボンブラックを用いる場合、カーボンブラックの平均粒径は0.1~0.4μmが好ましく、0.2~0.3μmがより好ましい。なお、平均粒径はレーザ回折・散乱法により測定することができ、具体的にはレーザ回折式粒度分布測定装置により、粒度分布を体積基準で作成してメディアン径(d50)を測定し、このメディアン径を平均粒径とすることができる。
さらに、発泡用溶液には、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記以外の他の成分を配合することができる。このような他の成分としては、例えば、発泡助剤、親水剤、撥水剤などを例示することができる。
そして、応力測定用シート1は、適宜な大きさに切断して、その両面に第1ステンレス板2aおよび第2ステンレス板2bを貼り付けることができる。応力測定用シート1の両面に第1ステンレス板2aおよび第2ステンレス板2bを貼り付ける方法は特に限定されず、市販の両面テープ3などを使用して貼り付けることができる。
(第2工程)
この工程では、第2ステンレス板2bを固定し、第1ステンレス板2aと平行な一方向に第1ステンレス板2aを引張り、応力測定用シート1の厚さに相当する試験力を応力測定用シート1の面積当たりで算出した応力を得る。
具体的には、例えば、市販の引張圧縮試験機に第2ステンレス板2bを固定して第1ステンレス板2aを引っ張ることができる。
引張速度や引張距離は適宜設計することができる。具体的には、例えば、引張速度は、0.5~1.5mm/分の範囲であることが好ましく、引張距離は0.3~1.5mmであることが好ましい。
第1ステンレス板2aを引っ張っている状態において、応力測定用シート1の厚さに相当する試験力を測定する。そして、得られた試験力から応力測定用シート1の面積当たりで算出した応力を得る。具体的には、引張距離が応力測定用シート1の厚さと等しくなった場合の試験力を測定し、応力測定用シート1の面積(例えば5000cm程度)当たりで算出することで応力を得る。
(第3工程)
この工程では、第2工程で得られた応力が0.020N/mm以上であり、かつ、100%モジュラスが10MPa以上である応力測定用シート1を、研磨布を製造するのに適した樹脂シートとして評価する。この評価に従って評価された応力測定用シート1と同一の樹脂シートを採用した研磨布を得ることができ、この研磨布は、研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さい。
ここで、「100%モジュラス」とは、樹脂の硬さを表す指標であり、無発泡の樹脂シートを100%伸ばしたとき(元の長さの2倍に伸ばしたとき)に掛かる荷重を断面積で割った値であり、従来公知の方法で算出することができる。研磨布を製造するのに適した樹脂シートとして評価する際、100%モジュラスは、10MPa~30MPaであることを目安にすることが好ましく、20MPa~30MPaの範囲であることを目安にすることがより好ましい。研磨布を構成する樹脂シートの100%モジュラスがこの範囲であると、研磨布の研磨レートに優れ、加工数量が増してもその研磨レートの低下を確実に抑制することができる。
また、研磨布を製造するのに適した樹脂シートとして評価する際、第2工程で得られる応力が、0.020N/mm~0.040N/mmの範囲であることを目安にすることが好ましく、0.020N/mm~0.035N/mmの範囲であることを目安にすることがより好ましい。
(研磨布の製造方法)
本発明の研磨布の製造方法は、上述した評価方法によって算出される応力が0.020N/mm以上であり、かつ、100%モジュラスが10MPa以上である応力測定用シートに基づいて、湿式成膜法によって、成膜用基材の表面に応力測定用シートと同一の樹脂シートを形成する工程を含む。本発明の研磨布の製造方法によれば、研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さい研磨布を製造することができる。
上述したように、応力が0.020N/mm以上であり、100%モジュラスが10MPa以上である樹脂シートを備えた研磨布は、研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さい。このため、例えば、様々な材料や条件で製造された応力測手用シート1について、応力が0.020N/mm以上であるものの材料(特に発泡用溶液)および製造条件を採用して、湿式成膜法によって、成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布を製造する。
湿式成膜法は、従来知られている方法であり、例えば、発泡用溶液を成膜用基材上にロールコーター、ナイフコーター等の適宜な塗布手段を用いて、好ましくは150~1,500g/m、更に好ましくは300~1,200g/mの塗布量(溶液として)になるように塗布し、次いで、水あるいは水とポリウレタンエラストマーの溶剤との混合液中に浸漬して湿式凝固させた後、脱溶媒のための水洗、乾燥をすることにより、成膜用基材の表面に垂直かつ均一な紡錘状発泡を有する研磨布が得られる。また、発泡用溶液を成膜用基材に塗布し、湿式凝固させた後、成膜用基材を一旦剥がして、水洗、乾燥加工を経た後、別途の基材を樹脂シートの裏面に粘着層または接着層を介して張り付けて研磨布とする方法でも良い。
また、本発明の研磨布の製造方法では、研磨布の表面をバフィング処理して適宜開孔の大きさを調整する工程などの公知の工程を含んでいてもよい。バフィング処理としては、例えば、サンドペーパーによる方法、スライスによる方法などが挙げられ、これらの方法を適宜採用することができる。
また、湿式凝固させた後の水洗で水洗仕切れずに残った溶媒や、バフィング処理した後に残ったバフィング屑を除去する為に、再水洗の工程を含んでいてもよい。再水洗処理としては、常温水や温水、アルコール水、薬水に浸漬させたり、ブラッシングしながら潜らせることで再水洗することができる。再水洗の工程では、高圧水による洗浄や超音波洗浄、振動洗浄などを利用して再水洗することが好ましく、これらの方法を適宜採用することができる。また、例えば、最終仕上げ研磨で傷状欠陥を高品質に仕上げることが求められる場合は、再水洗処理をすることが好ましい。
(研磨布)
本発明の研磨布は、シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布であって、樹脂シートは、上記の方法によって算出される応力が0.020N/mm以上であり、かつ、100%モジュラスが10MPa以上である。本発明の研磨布は、研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さいため、被研磨物を含む製品の生産性を向上させることができる。
成膜用基材は、厚さ100~3000μmのシート状である。成膜用基材の材料は特に限定されないが、例えば、綿、レーヨン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の天然繊維、再生繊維、合成繊維等の編織布または不織布、あるいはこれらにスチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム等のゴムまたはポリウレタンエラストマー等を充填したもの、あるいはポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィンやポリエステル等の樹脂を用いたシートなどを例示することができる。また、乾式法により成形された発泡タイプ、スポンジ状のシートを用いてもよい。
樹脂シートは、いわゆる湿式凝固法により作製することができる。すなわち、凝固成分を水混和性の有機溶剤に溶解させた発泡用溶液を成膜用基材に塗布し、次いで、発泡用溶液を塗布した成膜用基材を水系凝固液中に浸漬して凝固成分を凝固させることにより発泡層を作製することができる。なお、樹脂シートの材料などは、上述した応力測定用シートと共通するため、説明は省略する。
本発明の研磨布は、上述した評価方法(第2工程)で得られる樹脂シートの応力が0.020N/mm~0.040N/mmであることが好ましく、0.020N/mm~0.035N/mmであることがより好ましく、0.030N/mm~0.035N/mmであることがさらに好ましい。さらに、本発明の研磨布は、樹脂シートの100%モジュラスが、10MPa~30MPaであることが好ましく、20MPa~30MPaの範囲であることがより好ましい。応力および樹脂シートの100%モジュラスがこの範囲の研磨布であると、研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さいため、被研磨物を含む製品の生産性を向上させることができる。
(研磨加工方法)
本発明の研磨加工方法では、シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布を用いて被研磨物を研磨加工する。
本発明の研磨加工方法における研磨布は、上述したように、シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布であって、樹脂シートは、上記の方法によって算出される応力が0.020N/mm以上であり、かつ、100%モジュラスが10MPa以上である。
本発明の研磨加工方法によれば、研磨布の研磨レートが高く、加工数量が増してもその研磨レートの低下が小さいため、被研磨物を含む製品の生産性を向上させることができる。
本発明の樹脂シートの評価方法、研磨布、研磨布の製造方法および研磨加工方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
固形分濃度30%のポリウレタンエラストマー溶液100質量部に、ジメチルホルムアミド60質量部、発泡助剤1.5質量部および顔料であるカーボンブラック含有する固形分濃度20%のジメチルホルムアミド分散液20質量部を加え、ポリウレタンエラストマー塗布液(発泡用溶液)を得た。使用したポリウレタンの100%モジュラスは29MPaとした。
得られた発泡用溶液をPET(ポリエチレンテレフタレート)基材上にロールコーターで800g/m2塗布した後、水系凝固液の中に浸漬して凝固させ、PET基材を一旦剥がして、温水で十分に脱溶媒した後、100℃にて熱風乾燥を行い、樹脂シートを得た。
[応力の測定法]
図1に示したように、得られた樹脂シートからなる応力測定用シートの両面に両面テープ(東洋インキ株式会社製)を貼り、100×50mmに切断した。上記応力測定用シートの両面に、両面テープを介して、それぞれステンレス板(第1ステンレス板および第2ステンレス板)を貼り付けた。水平に置いたサンプルに1kgローラーを用いて一往復させ、圧着した。圧着後、常温下にてサンプルが垂直になるように引張圧縮試験機(ミネベアミツミ製)に固定し、第1ステンレス板を引張速度1mm/分で第1ステンレス板と平行な一方向に1mm引っ張った。その最中の樹脂シートの厚さに相当する試験力を測定した。得られた試験力から面積(5000mm)当たりで算出した応力を得た。サンプルはn=5で測定し、その平均を応力とした。
得られた応力測定用シートの応力は0.031N/mmであった。応力の測定は室温20℃、湿度50%の環境下で実施した。
<実施例2>
実施例2では実施例1とは異なるポリウレタンエラストマーを使用した。具体的には、ポリウレタンの100%モジュラスを24 MPaとした以外は、実施例1と同様にして、応力測定用シートを得て、応力を算出した。
得られた応力測定用シートの応力は0.027N/mmであった。
<実施例3>
実施例3では実施例1、実施例2とは異なるポリウレタンエラストマーを使用した。具体的には、ポリウレタンの100%モジュラスを13 MPaとした以外は、実施例1と同様にして、応力測定用シートを得て、応力を算出した。
得られた応力測定用シートの応力は0.029N/mmであった。
<比較例1>
比較例1では実施例1、実施例2、実施例3と異なるポリウレタンエラストマーを使用した。具体的には、ポリウレタンの100%モジュラスを24MPaとした以外は、実施例1と同様にして、応力測定用シートを得て、応力を算出した。
得られた応力測定用シートの応力は0.014N/mmであった。
<比較例2>
比較例2では実施例1、実施例2、実施例3、比較例1と異なるポリウレタンエラストマーを使用した。具体的には、実施例1と実施例2で使用したポリウレタンエラストマーをブレンドし、ポリウレタンの100%モジュラスを26MPaとした以外は、実施例1と同様にして、応力測定用シートを得て、応力を算出した。
得られた応力測定シートの応力は0.018N/mmであった。
<比較例3>
比較例3では実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2と異なるポリウレタンエラストマーを使用した。具体的には、ポリウレタンの100%モジュラスを8MPaとした以外は、実施例1と同様にして、応力測定用シートを得て、応力を算出した。
得られた応力測定用シートの応力は0.025N/mmであった。
[研磨試験]
実施例1、2、3および比較例1、2、3の応力測定用シートと同一の樹脂シートを用いた研磨布について次の研磨試験を行った。研磨布は実施例1、2、3および比較例1、2、3で使用した発泡用溶液を成膜用基材に塗布し、溶剤との混合液中に浸漬して湿式凝固させた後、脱溶媒のための水洗、乾燥をすることにより、成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布を得た。
得られた研磨布に両面テープを介してスピードファム社製「9B-5P-IV」に装着し、台金の表面にダイヤモンド砥粒が固着された研磨布用ドレッサを研磨布表面に4個セットし、純水を流しながら研磨布表面の微細な凹凸を平坦化するために、研磨布表面のドレッシング加工(ダイヤモンドドレス)を行った。
なお、ダイヤモンドドレスは、加工圧力60g/cm、定盤回転数45rpm、純水供給量1500cc/分、加工時間30分として行った。
次に、研磨液(コロイダルシリカ)を用いて、3.5インチハードディスク用アルミニウム基板を1バッチ当たり10枚の研磨加工を行った。
加工の条件は加工圧力100g/cm、定盤回転数30rpm、研磨液供給量150cc/分とし、研磨量は2.25μmとした。
研磨レートは、ハードディスク用アルミニウム基板の研磨前後における減少量を求め、被研磨物の面積および比重から研磨により除去された厚さを算出し、研磨時間当たりで除された厚さとして算出した(単位:μm/分)。
また、研磨レートは、以下の基準で評価した。
◎:0.30以上
○:0.20~0.30
×:0.20以下
加工レートは1バッチ、50バッチ、100バッチ目を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2022022987000002
表1に示したように、樹脂シートの応力が0.020N/mm以上であり、樹脂シートの樹脂材料の100%モジュラスが10MPa以上である実施例1-3の研磨布では、研磨レートに優れており、加工数量を増やしても研磨レートの下降が小さいことが確認された。
これに対し、樹脂シートの応力が0.020N/mm未満である比較例1、比較例2の研磨布は、研磨レートが低いことが確認された。また、100%モジュラスが10MPa未満である比較例3の研磨布も研磨レートが低いことが確認された。
1 応力測定用シート(樹脂シート)
2a 第1ステンレス板
2b 第2ステンレス板
3 両面テープ

Claims (9)

  1. シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布を構成する前記樹脂シートの評価方法であって、
    以下の工程:
    両面テープを介して、評価対象である前記樹脂シートからなる応力測定用シートの一方の面に第1ステンレス板を貼り付け、他方の面に第2ステンレス板を貼り付ける第1工程;
    前記第2ステンレス板を固定し、前記第1ステンレス板と平行な一方向に前記第1ステンレス板を引張り、前記応力測定用シートの厚さに相当する試験力を前記応力測定用シートの面積当たりで算出した応力を得る第2工程;および
    前記第2工程で得られた前記応力が0.020N/mm以上であり、かつ、100%モジュラスが10MPa以上である前記応力測定用シートを、前記研磨布を製造するのに適した前記樹脂シートとして評価する第3工程
    を含むことを特徴とする樹脂シートの評価方法。
  2. シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布の製造方法であって、
    請求項1の評価方法によって算出される前記応力が0.020N/mm以上であり、かつ、100%モジュラスが10MPa以上である前記応力測定用シートに基づいて、湿式成膜法によって、前記成膜用基材の表面に前記応力測定用シートと同一の樹脂シートを形成する工程を含むことを特徴とする研磨布の製造方法。
  3. バフィング処理する工程を含まないことを特徴とする請求項2の研磨布の製造方法。
  4. バフィング処理する工程を含むことを特徴とする請求項2の研磨布の製造方法。
  5. 再水洗工程を含むことを特徴とする請求項2から4のいずれかの研磨布の製造方法。
  6. シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布であって、
    前記樹脂シートは、請求項1の評価方法によって算出される前記応力が0.020N/mm以上であり、かつ、100%モジュラスが10MPa以上であることを特徴とする研磨布。
  7. バフィング処理されていないことを特徴とする請求項6の研磨布。
  8. バフィング処理されていることを特徴とする請求項6の研磨布。
  9. シート状の成膜用基材の表面に発泡層を有する樹脂シートを備えた研磨布を用いて被研磨物を研磨加工する研磨加工方法であって、
    前記研磨布は、請求項6から8のいずれかの研磨布であることを特徴とする研磨加工方法。
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