JP2022022530A - カメラ、画像処理方法、プログラムおよびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

カメラ、画像処理方法、プログラムおよびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】前景画像を正確に算出可能なカメラを提供する。【解決手段】赤外線カメラ10は、2次元状に配置されかつ第1の波長範囲の電磁波を検出することができる撮影用素子31を含む第1の検出部と、2次元状に配置されかつ筐体1内から放射される第2の波長範囲の電磁波における少なくとも1つの波長の電磁波を検出することができる背景用素子32を含む第2の検出部と、背景用素子32に対応して配置され、第2の波長範囲の電磁波を透過することができるフィルタと、第3の波長範囲の電磁波を筐体1外から筐体1内へ透過させることができるレンズ2と、第1の検出部で検出された検出値と第2の検出部で検出された検出値とから画像情報を算出することができる算出部5を備える。第1の波長範囲の少なくとも1つの波長は、第3の波長範囲の波長と重複し、第2の波長範囲は、第3の波長範囲と重複しない。【選択図】図1

Description

この発明は、カメラ、画像処理方法、プログラムおよびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
赤外線カメラは、赤外線を検出できる素子を二次元状に配置した検出器アレイを含む。赤外線カメラは、対象物からの赤外線の輝度を検出することができるため、これを元に対象物の温度を算出することができる。
しかし、実際に、測定したい対象物を赤外線カメラで撮影すると、対象物が放射する赤外線の像と、それ以外に起因する像とが同時に撮影されてしまうという問題がある。
この問題を解決するために、従来、特許文献1に記載の方法が知られている。即ち、対象物の画像(m行n列)と、基準の画像(1行n列)とを同時に測定し、対象物の画像と基準の画像とを用いてオフセット補正を行う。
また、特許文献2に記載されているように、シャッターを高速で開閉する機能を用いて、シャッターを開いたときに対象物の画像を撮影し、シャッターを閉じたときにシャッター(背景)の画像を撮影し、対象物の画像に対してシャッターの画像を用いてオフセット校正を行う方法が知られている。
更に、特許文献3に記載されているように、複数の波長を時間分割で検出し、一方の波長での検出結果を用いて、他方の波長の検出結果を補正する方法が知られている。
特開2015-212695号公報 特開2017-126812号公報 特開平10-262178号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、一次元の基準の画像から二次元の分散を算出しているため、除去できる背景の形状が限られ、背景を正確に除去できないという問題がある。
また、特許文献2に記載の方法では、高速で開閉するシャッターが必要であるため、可動部品が増え、故障が生じ易くなる可能性がある。その結果、オフセット校正を正確に行うことが困難である。
更に、特許文献3に記載の方法では、複数の波長を同時に検出できないため、正確に補正することが困難である。
そこで、この発明の実施の形態によれば、前景画像を正確に算出可能なカメラを提供する。
また、この発明の実施の形態によれば、前景画像を正確に算出可能な画像処理方法を提供する。
更に、この発明の実施の形態によれば、前景画像の正確な算出をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
更に、この発明の実施の形態によれば、前景画像の正確な算出をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
(構成1)
この発明の実施の形態によれば、カメラは、第1の検出部と、第2の検出部と、第1の透過部材と、第2の透過部材と、算出部とを備える。第1の検出部は、2次元状に配置されかつ第1の波長範囲の電磁波を検出することができる第1の検出素子を含む。第2の検出部は、2次元状に配置されかつ筐体内から放射される第2の波長範囲の電磁波における少なくとも1つの波長の電磁波を検出することができる第2の検出素子を含む。第1の透過部材は、第2の検出素子に対応して配置され、第2の波長範囲の電磁波を透過することが可能である。第2の透過部材は、第3の波長範囲の電磁波を筐体外から筐体内へ透過させることが可能である。算出部は、第1の検出部で検出された第1の検出値と第2の検出部で検出された第2の検出値とから画像情報を算出することができる。第1の波長範囲の少なくとも1つの波長は、第3の波長範囲の波長と重複する。第2の波長範囲は、第3の波長範囲と重複しない。
(構成2)
構成1において、第1および第2の検出素子は、撮影領域において相互に異なる位置に配置される。
(構成3)
構成1または構成2において、第1の検出素子は、第2の検出素子と同じ検出素子からなり、第1の検出素子には、波長フィルタが貼られており、波長フィルタの透過波長範囲は、第1の波長範囲と同じである。
(構成4)
構成1から構成3のいずれかにおいて、第1の検出素子および第2の検出素子は、量子ドット型検出素子からなる。
なお、量子ドット型検出素子とは、光電変換部に量子トッドまたは量子井戸を用いた検出素子のことを意味する。また、量子ドットとは、100nm以下の粒子サイズを有する半導体粒子のことを意味する。更に、量子井戸とは、100nm以下の厚みを有する半導体膜によって構成され、量子井戸を構成する半導体よりもバンドギャップの大きい半導体で挟まれたもののことを意味する。
(構成5)
構成4において、量子ドット型検出素子は、第1の量子ドット型検出素子と、第2の量子ドット型検出素子とを含む。第1の量子ドット型検出素子は、第1の電圧が印加され、対象物から放射される電磁波を第1の波長範囲の一部を少なくとも含む第3の波長範囲で検出する。第2の量子ドット型検出素子は、第1の電圧と異なる第2の電圧が印加され、筐体内から放射される電磁波を第2の波長範囲で検出する。
(構成6)
構成1から構成5のいずれかにおいて、第1の検出素子の個数と第2の検出素子の個数との比は、第1の検出素子の個数:第2の検出素子の個数=64:1以下である。
(構成7)
構成1から構成6のいずれかにおいて、算出部は、第2の検出値から得られた背景画像の画素値である第1の背景画素値に基づいて撮影領域の外側の領域である画像処理領域における背景画素値である第2の背景画素値を算出する第1の処理を実行し、第1および第2の背景画素値に基づいて第1の検出素子に対応する画像における背景画素値を補間して撮影領域の全域における背景画素値である第3の背景画素値を算出する第2の処理を実行し、第1の検出素子によって検出された撮影画像の画素値である撮影画素値に基づいて第2の検出素子に対応する画像における撮影画素値を補間して撮影領域の全域における撮影画素値を算出し、その算出した撮影画素値から第3の背景画素値を除いて前景画像を算出する。
(構成8)
構成7において、第1の検出素子および第2の検出素子は、撮影領域においてN行N列の行列状に配列されている。画像処理領域は、k行N列の行列状に配列されたk×N個またはN行k列の行列状に配列されたN×k個の背景画像を含み、かつ、撮影領域の行または列に沿って配置された第1の画像処理領域と、k行k列の行列状に配列されたk×k個の背景画像を含み、かつ、撮影領域の対角線の延長線上に位置する第2の画像処理領域とを含む。算出部は、第1の処理において、第1の画像処理領域の背景画素値を算出すべき第1の目的背景画像と同じ行または列に配置され、かつ、第1の目的背景画像に最も近い撮影領域の背景画像を第1の背景画像としたとき、第1の背景画像と第1の目的背景画像との画像間隔である第1の画像間隔が大きくなれば、第1の背景画像の背景画素値である第4の背景画素値からの背景画素値の変化分が大きくなり、第1の画像間隔が小さくなれば第4の背景画素値からの背景画素値の変化分が小さくなるように第1の目的背景画像の背景画素値を算出する第3の処理を第1の画像処理領域内の全ての背景画像について実行するとともに、第2の画像処理領域の背景画素値を算出すべき第2の目的背景画像と同じ行に配置され、かつ、第2の目的背景画像に最も近い第1の画像処理領域の背景画像を第2の背景画像とし、第2の目的背景画像と同じ列に配置され、かつ、第2の目的背景画像に最も近い第1の画像処理領域の背景画像を第3の背景画像としたとき、第2の背景画像と第2の目的背景画像との画像間隔である第2の画像間隔が大きくなれば、第2の背景画像の背景画素値である第5の背景画素値からの背景画素値の変化分が大きくなり、第2の画像間隔が小さくなれば、第5の背景画素値からの背景画素値の変化分が小さくなるように第6の背景画素値を算出し、第3の背景画像と第2の目的背景画像との画像間隔である第3の画像間隔が大きくなれば、第3の背景画像の背景画素値である第7の背景画素値からの背景画素値の変化分が大きくなり、第3の画像間隔が小さくなれば、第7の背景画素値からの背景画素値の変化分が小さくなるように第8の背景画素値を算出し、第6の背景画素値と第8の背景画素値との平均を第2の目的背景画素の背景画素値として算出する第4の処理を第2の画像処理領域内の全ての背景画像について実行する。
(構成9)
構成8において、算出部は、第1の処理において、第3および第4の処理を実行した後にノイズ除去処理を更に実行する。
(構成10)
構成1から構成9のいずれかにおいて、電磁波は、赤外線である。
(構成11)
また、この発明の実施の形態によれば、画像処理方法は、複数の第2の検出素子によって検出された背景画像の画素値である第1の背景画素値に基づいて撮影領域の外側の領域である画像処理領域における背景画素値である第2の背景画素値を算出する第1のステップと、第1および第2の背景画素値に基づいて複数の第1の検出素子に対応する画像における背景画素値を補間して撮影領域の全域における背景画素値である第3の背景画素値を算出する第2のステップと、複数の第1の検出素子によって検出された撮影画像の画素値である撮影画素値に基づいて複数の第2の検出素子に対応する画像における撮影画素値を補間して撮影領域の全域における撮影画素値を算出する第3のステップと、第3のステップにおいて算出された撮影画素値から前記第3の背景画素値を除いて前景画像を算出する第4のステップと、第1のステップの実行後かつ第2のステップを実行前に、第2の背景画素値に対して、ノイズ除去を実行する第5のステップとを備える。
(構成12)
更に、この発明の実施の形態によれば、複数の第2の検出素子によって検出された背景画像の画素値である第1の背景画素値と、複数の第1の検出素子によって検出された撮影画像の画素値である撮影画素値を受け付ける第1のステップと、第1の背景画素値に基づいて撮影領域の外側の領域である画像処理領域における背景画素値である第2の背景画素値を算出する第2のステップと、第1および第2の背景画素値に基づいて複数の第1の検出素子に対応する画像における背景画素値を補間して撮影領域の全域における背景画素値である第3の背景画素値を算出する第3のステップと、撮影画素値に基づいて複数の第2の検出素子に対応する画像における撮影画素値を補間して撮影領域の全域における撮影画素値を算出する第4のステップと、第4のステップにおいて算出された撮影画素値から第3の背景画素値を除いて前景画像を算出する第5のステップと、第2のステップの実行後かつ第3のステップを実行前に、第2の背景画素値に対して、ノイズ除去を実行する第6のステップとをコンピュータに実現させるためのプログラムである。
(構成13)
更に、この発明の実施の形態によれば、記録媒体は、構成12に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
前景画像を正確に算出できる。
この発明の実施の形態1による赤外線カメラの概略図である。 図1に示す撮影用素子および背景用素子の配列状態を示す図である。 画素の概念図である。 フィルタアレイと検出器アレイとの関係を示す図である。 画像処理を説明するための図である。 撮影画素の補間の概念図である。 前処理1を説明するための図である。 前処理2を説明するための図である。 前景画像を算出する方法を説明するためのフローチャートである。 図9のステップS2の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図9のステップS3の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図9のステップS4の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図9のステップS5の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 検証実験1における画像を示す図である。 検証実験1の画像処理における画像を示す図である。 検証実験2における画像を示す図である。 検証実験2の画像処理における画像を示す図である。 実施の形態2による赤外線カメラの概略図である。 図18に示す検出器アレイの平面図である。 撮影画素の他の補間の概念図である。 画像処理領域2の背景画素値の別の算出方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態における赤外線の波長範囲の関係を示す概念図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による赤外線カメラの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による赤外線カメラ10は、筐体1と、レンズ2と、検出器アレイ3と、制御部4と、算出部5とを備える。検出器アレイ3は、撮影用素子31と、背景用素子32とを含む。
レンズ2は、筐体1の対象物30側の側面に配置される。レンズ2は、対象物30から放射された赤外線を集光し、特定の波長範囲(透過波長範囲)の赤外線を透過する。レンズ2を透過した赤外線は、検出器アレイ3に入射される。特定の波長範囲の赤外線を透過する機能は、必ずしもレンズ2によって実現されなくてもよく、例えば、筐体1の内部に設置された赤外線フィルタによって実現されてもよい。
検出器アレイ3は、2次元状に配列された検出器のアレイであり、検出部に含まれる。ここでは、撮影用素子31と背景用素子32とを含む構成としているが、撮影用素子31(第1の検出素子)で構成される(または含む)検出器アレイを第1の検出部とし、背景用素子32(第2の検出素子)で構成される(または含む)検出器アレイを第2の検出部とする。撮影用素子31と背景用素子32が別体として構成されても良い。 なお、この発明の実施の形態に記載のように撮影用素子31と背景用素子32を一体に構成することもできる。そうすることでスペースの削減および光学部品の削減をすることができる。
撮影用素子31は、入射した赤外線を検出波長λ1で検出し、その検出した赤外線を制御部4へ出力する。検出波長λ1は、レンズ2の透過波長範囲を含む波長で構成される。従って、検出波長λ1は、レンズ2の透過波長範囲と一致してもよい。検出波長λ1は、例えば、8~10μmである。
背景用素子32は、入射した赤外線を検出波長λ2で検出し、その検出した赤外線を制御部4へ出力する。検出波長λ2は、レンズの透過波長範囲を含まない波長で構成される。従って、検出波長λ2は、検出波長λ1を含まなくてもよい。検出波長λ2は、例えば、10~11μmである。
制御部4は、対象物30の輝度と筐体1の輝度(背景の輝度)とを同時に検出するように撮影用素子31および背景用素子32を制御する。
また、制御部4は、撮影用素子31から検出値D1を受け、その受けた検出値D1を算出部5へ出力するとともに、背景用素子32から検出値D2を受け、その受けた検出値D2を算出部5へ出力する。
算出部5は、検出値D1,D2を制御部4から受け、その受けた検出値D1,D2に基づいて、後述する方法によって、前景画像を算出する。
図2は、図1に示す撮影用素子31および背景用素子32の配列状態を示す図である。図2においては、X-Y平面を規定する。撮影用素子31に対して背景用素子32を縦、横それぞれに8:1以下で配置すると、撮影用素子31の画像を損なうことなく、正確に対象物30の画像を撮影することができる。従って、撮影用素子31に対する背景用素子32の割合は、64:1以下が好ましい。
図2を参照して、撮影用素子31および背景用素子32は、左端・上端の検出素子を基準(0,0)とし、右端・上端の検出素子を(Nx-1,0)とし、左端・下端の検出素子を(0,Ny-1)とし、右端・下端の検出素子を(Nx-1,Ny-1)とする。
その結果、撮影用素子31および背景用素子32は、撮影領域PHG_REG内にN行N列の行列状(2次元状)に配列される。即ち、N×N個の撮影用素子31および背景用素子32が撮影領域PHG_REG内に配列される。N,Nの各々は、2以上の整数である。Nは、Nと同じあってもよく、異なっていてもよい。
そして、背景用素子32は、行方向(X軸方向)および列方向(Y軸方向)に所定の間隔で配列される。より具体的には、背景用素子32は、行方向(X軸方向)において、撮影領域PHG_REGの端部からnx0の間隔で配置され、隣接する背景用素子32と間隔nで配置される。また、背景用素子32は、列方向(Y軸方向)において、撮影領域PHG_REGの端部からny0の間隔で配置され、隣接する背景用素子32と間隔nで配置される。この場合、例えば、nx0<n、かつ、ny0<nとする。但し、必ずしも、nx0<n、かつ、ny0<nを満たす必要はなく、nx0>n、またはny0>nの場合には、後述する前処理1および前処理2の方法で撮影領域PHG_REGの画素値を補間してもよい。なお、背景用素子32以外は、全て、撮影用素子31である。
なお、図2に示す撮影用素子31および背景用素子32の配列状態は、撮影用素子31と背景用素子32を相互に異なる位置に配置する一実施形態であるが、このように配置することによって、対象物と背景を同時に撮影することができ、更には、背景用素子32を撮影用素子31と同じ検出器アレイ3に設置しているので、背景用素子32の背景(筐体1が放射する赤外線や、検出器の温度、周囲の熱的環境に起因する)は、撮影用素子31の背景に最も近くなる。すなわち、最も正確に撮影用素子31の背景を除去することができる。また、筐体1内のスペースを削減することもでき、更に光学部品を削減することもできる。
図3は、画素の概念図である。図3の(a)は、撮影用素子31の検出値D1を画像化した撮影画像を示し、図3の(b)は、背景用素子32の検出値D2を画像化した背景画像を示す。
撮影用素子31の検出値D1および背景用素子32の検出値D2を画像化すると、N×N画素の画像となる。
ピクセル座標は、撮影領域PHG_REGと検出素子(撮影用素子31および背景用素子32)の番号が対応するように定める。すなわち、左端・上端のピクセル座標を(0,0)とし、右端・上端のピクセル座標を(Nx-1,0)とし、左端・下端のピクセル座標を(0、Ny-1)とし、右端・下端のピクセル座標は(Nx-1,Ny-1)とする。
この発明の実施の形態における画像処理では、撮影用素子31の検出値D1を画像化した撮影画像と、背景用素子32の検出値D2を画像化した背景画像とに分けて、それぞれの画像に対して適切な処理を行う。
図3(a)に示す撮影画像において、撮影用素子31の検出値D1を画素値に換算したものを撮影画素値と呼ぶ。また、図3(b)に示す背景画像において、背景用素子32の検出値D2を画素値に換算したものを背景画素値と呼ぶ。
なお、図3(a),(b)においては、各画像に対して画素値が入力された画素のみをハッチングで示し、画素値が入力されていない画素を白色で示している。
図4は、フィルタアレイと検出器アレイとの関係を示す図である。図4を参照して、検出器アレイを構成する検出素子(撮影用素子31および背景用素子32)は、例えば、InGaAsのバンドギャップで光電変換する検出素子、サーモパイルおよびボロメータのような熱型検出器に波長フィルタを搭載した構成からなる検出素子、多層に積層した量子ドットのエネルギー準位を利用して光電変換する量子ドット型検出素子および多層に積層した量子井戸のエネルギー準位を利用して光電変換する量子井戸型検出素子等から構成される。実施の形態1では、検出波長が一定の赤外線検出素子を用いて、検出器アレイ3が構成されている。
例えば、InGaAsセンサおよびボロメータ等は、検出素子によって検出波長が決まっており、検出波長を変えることができない。また、検出波長が可変の検出素子であっても、本構成によって検出器アレイ3を構成してもよい。
レンズと、フィルタアレイと検出素子の組み合わせについて説明する。図4(a)の構成では、レンズ2の透過波長が検出波長λ1を規定する。撮影用素子31は、検出素子に透過フィルタが貼り合わされたものである。透過フィルタは、検出波長λ1を少なくとも透過すればよく、なくてもよい。
背景用素子32は、検出素子に波長フィルタFLT1が貼り合わされたものである。波長フィルタFLT1は、検出波長λ2を透過し、レンズ2の透過波長範囲の赤外線を遮光する。これにより、背景用素子32は、レンズ2の透過光、即ち、対象物30からの赤外線を検出せず、背景のみを検出する。
図4(b)の構成では、波長フィルタFLT2が検出波長λ1を規定する。撮影用素子31は、検出素子に波長フィルタFLT2が貼り合わされたものである。波長フィルタFLT2は、検出波長λ1および検出波長λ2の一部または全ての波長を透過するフィルタとする。これによって、レンズ2の透過光を検出可能な波長フィルタFLT2と貼り合せた検出器(撮影用素子31)と、レンズ2の透過光の影響を受けない波長フィルタFLT1と貼り合せた検出器(背景用素子32)を構成することができる。
特に、波長フィルタFLT2の透過波長範囲が検出波長λ1と等しいとき、撮影用素子31での検出値のうち、前景の輝度による輝度を最大とすることができるため、算出された前景の画像のS/Nが高くなる。つまり、撮影用素子31の検出波長を波長フィルタで制限すると、撮影用素子31に入射する対象物30と背景の赤外線強度を調整することができ、更に、例えば、撮影用素子31の検出波長を波長フィルタで制限することで撮影用素子31の検出波長範囲をレンズ2の透過波長範囲と等しくすると、撮影用素子31に入射する対象物30の赤外線強度を最大にすると共に、撮影用素子31に入射する背景の赤外線強度を最小にすることができる。これによって、シグナルの最大化と、ノイズの最小化ができる。即ち、S/Nが向上する。撮影用素子31の検出波長範囲とレンズ2の透過波長範囲とを等しくすると、上記効果が得られるが、全く等しくすることを必要とせず、等しい範囲の割合を増やすことによって上記で述べた効果をそれに応じた程度で得ることができる。
背景用素子32は、検出素子に波長フィルタFLT1が貼り合わされたものである。波長フィルタFLT1は、検出波長λ2を透過し、レンズ2の透過波長範囲の赤外線を遮光する。これにより、背景用素子32は、レンズ2の透過光、即ち、対象物30からの赤外線を検出せず、背景のみを検出する。
なお、図4(a),(b)においては、フィルタアレイの各領域は、検出器アレイの各領域に対応付けられている。
図1に示す算出部5における画像処理について説明する。図5は、画像処理を説明するための図である。
図5を参照して、撮影領域PHG_REGの外側に画像処理領域1,2を設定する。画像処理領域1は、撮影領域PHG_REGの行方向および列方向に沿って配置される。画像処理領域2は、撮影領域PHG_REGの対角線の延長線上に配置される。撮影領域PHG_REGには、背景用素子32のみが図示されているが、背景用素子32以外の部分には、撮影用素子31が配列されている。
撮影領域PHG_REGの上側および下側の画像処理領域1には、k行N列の行列状に配列されたk×N個の画素(点線で示す画素)が配置される。また、撮影領域PHG_REGの左側および右側の画像処理領域1には、N行k列の行列状に配列されたN×k個の画素(点線で示す画素)が配置される。
4個の画像処理領域2の各々には、k行k列の行列状に配列されたk×k個の画素が配置される。
[撮影画像の画像処理]
撮影画像において、撮影用素子31が配置されていない画素(即ち、背景用素子32の位置と対応する画素)では、撮影画素値が欠落している。そこで、撮影領域PHG_REG内の全ての撮影画素値を算出するためには、背景用素子32の位置と対応する画素の撮影画素値を補間する必要がある。
撮影画像において、背景用素子32の位置と対応する画素の撮影画素値を補間する方法について説明する。
背景用素子32が配置された画素の撮影画素値は、背景用素子32の画素周辺の撮影画素値に基づいて補間する。
例えば、式(1)の重みパラメータを持つ奇数次元の平均化フィルタ(FAVE)と、背景用素子32に対応する画素の周辺画素の撮影画素値とを用いて、式(2)に示す畳み込み演算を行うことで、背景用素子32の位置と対応する撮影画素値を算出することができる。即ち、撮影領域PHG_REG内で欠落した撮影画素値を全て補間し、撮影画素値に欠落がない撮影画像を算出することができる。
Figure 2022022530000002

Figure 2022022530000003
画像の大きさをN×Nとすると、左端・上端のピクセル座標は、(0,0)となり、右端・上端のピクセル座標は、(Nx-1,0)となり、左端・下端のピクセル座標は、(0、Ny-1)となり、右端・下端のピクセル座標は、(Nx-1,Ny-1)となる。即ち、ピクセル座標(x,y)の画素値をPx,yとし、画像の少なくとも一部の画素値を式(3)のように行列で記述する。以下、これを画素値行列と呼ぶ。
Figure 2022022530000004
つぎに、次数がcの画像処理フィルタについて説明する。次数cの奇数次元の画像処理フィルタは、(2c+1)×(2c+1)行列で表される。ここで、奇数次元の画像処理フィルタの場合、列(行)のインデックスは、-c、-c+1、・・・、-1、0、1、・・・c-1、cとする。
次数cの偶数次元の画像処理フィルタは、2c×2c行列で表される。ここで、偶数次元の画像処理フィルタ行列の場合、列(行)の行列のインデックスは、-c+1、-c+2、・・・、-1、0、1、・・・c-1、cとする。
c=1の奇数次元の画像処理フィルタを式(4)に示す。
Figure 2022022530000005
また、c=2の偶数次元の画像処理フィルタを式(5)に示す。
Figure 2022022530000006

各行列要素Fa,bを、重みパラメータという。フィルタインデックスa,bは、上述の奇数次元の画像処理フィルタの場合、-c、-c+1、・・・、-1、0、1、・・・c-1、cであり、偶数次元の画像処理フィルタ行列の場合、-c+1、-c+2、・・・、-1、0、1、・・・c-1、cである。
なお、ここでは、横と縦の次数cを揃えた場合について説明したが、必ずしも次数cを揃える必要はない。例えば、横の次数をc、縦の次数をcとし、(2c+1)×(2c+1)行列、または2c×2c行列を画像処理フィルタとしてもよい。
また、撮影画素値の補間に使用するフィルタ方法は、上記の平均化フィルタに限らず、例えば、ガウシアンフィルタなどの平均化フィルタであっても良い。更に、ぼかしフィルタであってもよい。更に、周辺の撮影画素値に基づき、重みパラメータを推定する画像処理フィルタを使用してもよい。
奇数次元の画像処理フィルタが用いられる場合、式(2)によって畳み込み演算を行い、画像処理後のピクセル座標(x,y)の画素値P’x,yを算出する。即ち、奇数次元の画像処理フィルタは、ピクセル座標(x,y)の周辺の±cの範囲の画素に作用する。
一方、偶数次元の画像処理フィルタが用いられる場合、次の式(6)によって畳み込み演算を行う。
Figure 2022022530000007
例えば、画像のリサイズなどで、2つの画素の間の画素に対して画素値を算出する必要がある場合には、式(5)に示す偶数次元の画像処理フィルタが用いられる。このとき、一般に、元画像のピクセル座標を算出用ピクセル座標に変換し、間のピクセル座標を小数点を含む座標値で表す。即ち、背景画像のリサイズの場合、背景画像の画素値の間隔が1となるように、ピクセル座標(x,y)を背景画素値の間隔n(またはn)で割り、算出用ピクセル座標(x^,y^)=(x/n,y/n)に変換する。
この座標系を用いて、偶数次元の次数cの画像処理フィルタの畳み込み演算を式(6)によって行う。即ち、偶数次元の画像処理フィルタは、算出用ピクセル座標が(floor(x^)-c+1からfloor(x^)+c)かつ(floor(y^)-c+1からfloor(y^)+c)の範囲の画素に作用する。ここで、floor関数は、非整数値の小数点以下を切り捨てて整数化する関数である。
最後に、画像処理後に算出用ピクセル座標(x^,y^)を元画像のピクセル座標(x,y)に変換する(戻す)。
図6は、撮影画素の補間の概念図である。図6を参照して、補間対象の画素の画素値は、補間対象の画素を取り囲む周辺画素の画素値と、上述した画像処理フィルタ(奇数次元の画像処理フィルタまたは偶数次元の画像処理フィルタ)とを用いて式(2)または式(6)によって畳み込み演算を行って周辺画素の画素値を平均化した値を補間対象の画素値として補間する。
[背景画像の画像処理]
背景画像において、背景用素子32が配置されていない画素(即ち、撮影用素子31の位置に対応する画素)は、背景画素値が入力されていない。そこで、撮影領域PHG_REG内の全ての背景画素値を算出するためには、撮影用素子31の位置に対応する画素の背景画素値を補間する必要がある。背景画像において、撮影領域PHG_REGの背景用素子32が配置されていない背景画素値を推定する方法について説明する。
背景画素値の推定処理は、撮影領域PHG_REGよりも外側(画像処理領域という)の背景画素値を推定する前処理と、撮影用素子31の位置に対応する背景画素値を推定する後処理との2つの処理で構成される。後処理では、撮影した背景画像の背景画素値と、前処理で推定した背景画素値とを使用する。
(1)前処理
図5に示すように、撮影領域PHG_REGの外側の画像処理領域1,2に画素を追加する。撮影領域PHG_REGの上側および下側の画像処理領域1には、k行N列の行列状に配列されたk×N個の画素(点線で示す画素)が追加される。また、撮影領域PHG_REGの左側および右側の画像処理領域1には、N行k列の行列状に配列されたN×k個の画素(点線で示す画素)が追加される。更に、4個の画像処理領域2の各々には、k行k列の行列状に配列されたk×k個の画素が追加される。その結果、撮影領域PHG_REGと画像処理領域1,2とをまとめると、撮影領域PHG_REGにおける背景用素子32の間隔に対応する画素間隔で(floor((N-nx0)/n)+2k)×(floor((N-ny0)/n)+2k)個の背景画素が配置される。
そして、画像処理領域1における背景画素値の算出は、前処理1によって行われ、画像処理領域2における背景画素値の算出は、前処理2によって行われる。なお、kは、後処理に用いるフィルタの次数の和と同じ、またはフィルタの次数の和よりも大きい値に設定する必要がある。
(1-1)前処理1
画像処理領域1の背景画素値は、例えば、式(7)によって示される線形法で補間される。
Figure 2022022530000008
式(7)において、s=1~kである。
図7は、前処理1を説明するための図である。図7の(a)においては、図5に示す2つの背景画素PQ1_back,PQ2_backを例にして前処理1について説明する。
図7の(a)を参照して、背景画素PQ1_back,PQ2_backは、撮影領域PHG_REG内の背景画素P1_back,P2_backと同じ列に配置された画素である。背景画素P2_backは、背景画素値を算出すべき背景画素PQ1_back,PQ2_backに最も近い背景画素であり、背景画素P1_backは、背景画素値を算出すべき背景画素PQ1_back,PQ2_backに2番目に近い背景画素である。
そして、背景画素P1_backと背景画素P2_backとの画素間隔、背景画素P2_backと背景画素PQ1_backとの画素間隔および背景画素PQ1_backと背景画素PQ2_backとの画素間隔は、nである。
また、背景画素P1_backの背景画素値は、背景画素値Pであり、背景画素P2_backの背景画素値は、背景画素値Pである。
背景画素PQ1_backの背景画素値Qを算出する場合、背景画素PQ1_backと、背景画素PQ1_backに最も近い背景画素P2_backとの画素間隔(=n)を列方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をs(=n/n=1)とする。
そして、背景画素値P,Pとs(=1)とを式(7)に代入して背景画素値Q(=P-P+P)を算出する。
また、背景画素PQ2_backの背景画素値Qを算出する場合、背景画素PQ2_backと、背景画素PQ2_backに最も近い背景画素P2_backとの画素間隔(=2×n)を列方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をs(=2×n/n=2)とする。
そして、背景画素値P,Pとs(=2)とを式(7)に代入して背景画素値Q(=2×(P-P)+P)を算出する。
(P-P)は、背景画素P2_backの背景画素値Pと背景画素P1_backの背景画素値Pとの画素値の変化分である。その結果、背景画素値Q(=P-P+P)は、背景画素P2_backの背景画素値Pを変化分(P-P)だけ変化させた画素値になり、背景画素値Q(=2×(P-P)+P)は、背景画素P2_backの背景画素値Pを変化分2×(P-P)だけ変化させた画素値になる。
従って、背景画素P2_backとの画素間隔が大きくなれば(即ち、2×nになれば)、背景画素値Pからの画素値の変化分が大きくなるように(即ち、変化分が2×(P-P)になるように)背景画素値Q(=2×(P-P)+P)を算出し、背景画素P2_backとの画素間隔が小さくなれば(即ち、nになれば)、背景画素値Pからの画素値の変化分が小さくなるように(即ち、変化分が(P-P)になるように)背景画素値Q(=(P-P)+P)を算出する。
図7の(b)においては、図5に示す2つの背景画素PQ’1_back,PQ’2_backを例にして前処理1について説明する。
図7の(b)を参照して、背景画素PQ’1_back,PQ’2_backは、撮影領域PHG_REG内の背景画素P1’_back,P2’_backと同じ行に配置された画素である。背景画素P2’_backは、背景画素値を算出すべき背景画素PQ’1_back,PQ’2_backに最も近い背景画素であり、背景画素P1’_backは、背景画素値を算出すべき背景画素PQ’1_back,PQ’2_backに2番目に近い背景画素である。
そして、背景画素P1’_backと背景画素P2’_backとの画素間隔、背景画素P2’_backと背景画素PQ’1_backとの画素間隔および背景画素PQ’1_backと背景画素PQ’2_backとの画素間隔は、nである。
また、背景画素P1’_backの背景画素値は、背景画素値P1’であり、背景画素P2’_backの背景画素値は、背景画素値P2’である。
背景画素PQ’1_backの背景画素値Q’を算出する場合、背景画素PQ’1_backと、背景画素PQ’1_backに最も近い背景画素P2‘_backとの画素間隔(=n)を行方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をs(=n/n=1)とする。
そして、背景画素値P1’,P2’とs(=1)とを式(7)に代入して背景画素値Q’(=P2’-P1’+P2’)を算出する。
また、背景画素PQ’2_backの背景画素値Q’を算出する場合、背景画素PQ’2_backと、背景画素PQ’2_backに最も近い背景画素P2’_backとの画素間隔(=2×n)を行方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をs(=2×n/n=2)とする。
そして、背景画素値P1’,P2’とs(=2)とを式(7)に代入して背景画素値Q’(=2(P2’-P1’)+P2’)を算出する。
(P2’-P1’)は、背景画素P2’_backの背景画素値P2’と背景画素P1’_backの背景画素値P1’との変化分である。その結果、背景画素値Q’(=P2’-P1’+P2’)は、背景画素P2’_backの背景画素値P2’を変化分(P2’-P1’)だけ変化させた画素値になり、背景画素値Q’(=2(P2’-P1’)+P2’)は、背景画素P2’_backの背景画素値P2’を変化分2×(P2’-P1’)だけ変化させた画素値になる。
従って、背景画素P2’_backとの画素間隔が大きくなれば(即ち、2×nになれば)、背景画素値P2’からの画素値の変化分が大きくなるように(即ち、変化分が2(P2’-P1’)になるように)背景画素値Q’(=2(P2’-P1’)+P2’)を算出し、背景画素P2’_backとの画素間隔が小さくなれば(即ち、nになれば)、背景画素値P2’からの画素値の変化分が小さくなるように(即ち、変化分が(P2’-P1’)になるように)背景画素値Q’(=(P2’-P1’)+P2’)を算出する。
撮影領域PHG_REGの上側および下側に配置された画像処理領域1においては、図7の(a)において説明した方法によって画像処理領域1の全ての背景画素の背景画素値を算出し、撮影領域PHG_REGの左側および右側に配置された画像処理領域1においては、図7の(b)において説明した方法によって画像処理領域1の全ての背景画素の背景画素値を算出する。
なお、前処理1における背景画素値の補間方法は、式(7)に示す方法に限らず、例えば、撮影領域PHG_REGの背景画素値の変化を2次(または高次)の変化を考慮して推定してもよい。
(1-2)前処理2
画像処理領域2の背景画素値の算出方法について説明する。画像処理領域2の背景画素値は、例えば、式(8)によって示される線形法で補間される。
Figure 2022022530000009
なお、式(8)において、t,uの各々は、t=1~k、u=1~kである。
図8は、前処理2を説明するための図である。図8においては、図5に示す2つの背景画素PRtu1,PRtu2を例にして前処理1について説明する。
図8を参照して、背景画素PRtu1は、画像処理領域1内の背景画素PQ1_back,PQ2_backと同じ列に配置され、かつ、画像処理領域1内の背景画素PQb_back,PQa_backと同じ行に配置された画素である。背景画素PQ2_back,PQb_backは、算出すべき背景画素PRtu1に最も近い背景画素であり、背景画素PQ1_back,PQa_backは、算出すべき背景画素PRtu1に2番目に近い背景画素である。
そして、背景画素PQ1_backと背景画素PQ2_backとの画素間隔および背景画素PQ2_backと背景画素PRtu1との画素間隔は、nである。また、背景画素PQa_backと背景画素PQb_backとの画素間隔および背景画素PQb_backと背景画素PRtu1との画素間隔は、nである。
また、背景画素PQ1_backの背景画素値は、背景画素値Qであり、背景画素PQ2_backの背景画素値は、背景画素値Qである。
更に、背景画素PQa_backの背景画素値は、背景画素値Qであり、背景画素PQb_backの背景画素値は、背景画素値Qである。
背景画素PRtu1の背景画素値Rtu1を算出する場合、背景画素PRtu1と、背景画素PRtu1に最も近い背景画素PQb_backとの画素間隔(=n)を行方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をu(=n/n=1)とする。
そして、背景画素値Q,Qとu(=1)とを式(8c)に代入して背景画素値Qu1(=Q-Q+Q)を算出する。
また、背景画素PRtu1と、背景画素PRtu1に最も近い背景画素PQ2_backとの画素間隔(=n)を列方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をt(=n/n=1)とする。
そして、背景画素値Q,Qとt(=1)とを式(8b)に代入して背景画素値Qt1(=Q-Q+Q)を算出する。
そうすると、背景画素値Qu1(=Q-Q+Q)と背景画素値Qt1(=Q-Q+Q)とを式(8a)に代入して背景画素値Rtu1を算出する。このように、背景画素値Rtu1は、行方向における背景画素値Q,Qから算出した背景画素値Qu1と、列方向における背景画素値Q,Qから算出した背景画素値Qt1との平均として算出される。
背景画素PRtu2は、画像処理領域1内の背景画素PQ’1_back,PQ’2_backと同じ列に配置され、かつ、画像処理領域1内の背景画素PQb_back,PQa_backと同じ行に配置された画素である。
背景画素PQ’2_back,PQb_backは、算出すべき背景画素PRtu2に最も近い背景画素であり、背景画素PQ’1_back,PQa_backは、算出すべき背景画素PRtu2に2番目に近い背景画素である。
そして、背景画素PQ’1_backと背景画素PQ’2_backとの画素間隔および背景画素PQ’2_backと背景画素PRtu2との画素間隔は、nである。また、背景画素PQa_backと背景画素PQb_backとの画素間隔、背景画素PQb_backと背景画素PRtu1との画素間隔、および背景画素PRtu1と背景画素PRtu2との画素間隔は、nである。
また、背景画素PQ’1_backの背景画素値は、背景画素値Q’であり、背景画素PQ’2_backの背景画素値は、背景画素値Q’である。
背景画素PRtu2の背景画素値Rtu2を算出する場合、背景画素PRtu2と、背景画素PRtu2に最も近い背景画素PQb_backとの画素間隔(=2×n)を行方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をu(=2×n/n=2)とする。
そして、背景画素値Q,Qとu(=2)とを式(8c)に代入して背景画素値Qu2(=2×(Q-Q)+Q)を算出する。
また、背景画素PRtu2と、背景画素PRtu2に最も近い背景画素P2_backとの画素間隔(=n)を列方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をt(=n/n=1)とする。
そして、背景画素値Q’,Q’とt(=1)とを式(8b)に代入して背景画素値Qt2(=Q’-Q’+Q’)を算出する。
そうすると、背景画素値Qu2(=2×(Q-Q)+Q)と景画素値Qt2(=Q’-Q’+Q’)とを式(8a)に代入して背景画素値Rtu2を算出する。このように、背景画素値Rtu2は、行方向における背景画素値Q,Qから算出した背景画素値Qと、列方向における背景画素値Q’,Q’から算出した背景画素値Qとの平均として算出される。
背景画素PRtu3は、画像処理領域1内の背景画素PQ1_back,PQ2_backと同じ列に配置され、かつ、画像処理領域1内の背景画素PQ’b_back,PQ’a_backと同じ行に配置された画素である。背景画素PQ2_back,PQ’b_backは、算出すべき背景画素PRtu3に最も近い背景画素であり、背景画素PQ1_back,PQ’a_backは、算出すべき背景画素PRtu3に2番目に近い背景画素である。
そして、背景画素PQ1_backと背景画素PQ2_backとの画素間隔および背景画素PQ2_backと背景画素PRtu3との画素間隔は、nである。また、背景画素PQ’a_backと背景画素PQ’b_backとの画素間隔および背景画素PQ’b_backと背景画素PRtu3との画素間隔は、nである。
また、背景画素PQ1_backの背景画素値は、背景画素値Qであり、背景画素PQ2_backの背景画素値は、背景画素値Qである。
更に、背景画素PQ’a_backの背景画素値は、背景画素値Q’であり、背景画素PQ’b_backの背景画素値は、背景画素値Q’である。
背景画素PRtu3の背景画素値Rtu3を算出する場合、背景画素PRtu3と、背景画素PRtu3に最も近い背景画素PQ’b_backとの画素間隔(=n)を行方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をu(=n/n=1)とする。
そして、背景画素値Q’,Q’とu(=1)とを式(8c)に代入して背景画素値Qu3(=Q’-Q’+Q’)を算出する。
また、背景画素PRtu3と、背景画素PRtu3に最も近い背景画素PQ2_backとの画素間隔(=2×n)を列方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をt(=2×n/n=2)とする。
そして、背景画素値Q,Qとt(=2)とを式(8b)に代入して背景画素値Qt3(=2×(Q-Q)+Q)を算出する。
そうすると、背景画素値Qu3(=Q’-Q’+Q’)と背景画素値Qt3(=2×(Q-Q)+Q)とを式(8a)に代入して背景画素値Rtu3を算出する。このように、背景画素値Rtu3は、行方向における背景画素値Q’,Q’から算出した背景画素値Qu3と、列方向における背景画素値Q,Qから算出した背景画素値Qt4との平均として算出される。
背景画素PRtu4は、画像処理領域1内の背景画素PQ’1_back,PQ’2_backと同じ列に配置され、かつ、画像処理領域1内の背景画素PQ’b_back,PQ’a_backと同じ行に配置された画素である。
背景画素PQ’2_back,PQ’b_backは、算出すべき背景画素PRtu4に最も近い背景画素であり、背景画素PQ’1_back,PQ’a_backは、算出すべき背景画素PRtu4に2番目に近い背景画素である。
そして、背景画素PQ’1_backと背景画素PQ’2_backとの画素間隔は、nであり、背景画素PQ’2_backと背景画素PRtu4との画素間隔は、2×nである。また、背景画素PQ’a_backと背景画素PQ’b_backとの画素間隔、背景画素PQ’b_backと背景画素PRtu3との画素間隔、および背景画素PRtu3と背景画素PRtu4との画素間隔は、nである。
また、背景画素PQ’1_backの背景画素値は、背景画素値Q’であり、背景画素PQ’2_backの背景画素値は、背景画素値Q’であり、背景画素PQ’a_backの背景画素値は、背景画素値Q’であり、背景画素PQ’b_backの背景画素値は、背景画素値Q’であ。
背景画素PRtu4の背景画素値Rtu4を算出する場合、背景画素PRtu4と、背景画素PRtu4に最も近い背景画素PQ’b_backとの画素間隔(=2×n)を行方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をu(=2×n/n=2)とする。
そして、背景画素値Q’,Q’とu(=2)とを式(8c)に代入して背景画素値Qu4(=2×(Q’-Q’)+Q’)を算出する。
また、背景画素PRtu4と、背景画素PRtu4に最も近い背景画素P2_backとの画素間隔(=2×n)を列方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をt(=2×n/n=2)とする。
そして、背景画素値Q’,Q’とt(=2)とを式(8b)に代入して背景画素値Qt4(=2×(Q’-Q’)+Q’)を算出する。
そうすると、背景画素値Qu4(=2×(Q’-Q’)+Q’)と背景画素値Qt4(=2×(Q’-Q’)+Q’)とを式(8a)に代入して背景画素値Rtu4を算出する。このように、背景画素値Rtu4は、行方向における背景画素値Q’,Q’から算出した背景画素値Qu4と、列方向における背景画素値Q’,Q’から算出した背景画素値Qt4との平均として算出される。
図8において説明した方法によって、図5に示す4個の画像処理領域2の全ての背景画素について背景画素値を算出する。
上述したように、背景画像PRtu1の背景画素値Rtu1は、背景画素値Qu1(=Q-Q+Q)と背景画素値Qt1(=Q-Q+Q)との平均として算出され、背景画像PRtu2の背景画素値Rtu2は、背景画素値Qu2(=2×(Q-Q)+Q)と景画素値Qt2(=Q’-Q’+Q’)との平均として算出され、背景画像PRtu3の背景画素値Rtu3は、背景画素値Qu3(=Q’-Q’+Q’)と背景画素値Qt3(=2×(Q-Q)+Q)との平均として算出され、背景画像PRtu4の背景画素値Rtu4は、背景画素値Qu4(=2×(Q’-Q’)+Q’)と背景画素値Qt4(=2×(Q’-Q’)+Q’)の平均として算出される。
そして、背景画素値Qu1(=Q-Q+Q)は、背景画素値Qを変化分(=Q-Q)だけ変化させたものであり、背景画素値Qu2(=2×(Q-Q)+Q)は、背景画素値Qを変化分(=2×(Q-Q))だけ変化させたものであり、背景画素値Qu3(=Q’-Q’+Q’)は、背景画素値Q’を変化分(=Q’-Q’)だけ変化させたものであり、背景画素値Qt3(=2×(Q-Q)+Q)は、背景画素値Qを変化分(=Q-Q)だけ変化させたものであり、背景画素値Qu4(=2×(Q’-Q’)+Q’)は、背景画素値Q’を変化分(=2×(Q’-Q’))だけ変化させたものであり、背景画素値Qt4(=2×(Q’-Q’)+Q’)は、背景画素値Q’を変化分(=2×(Q’-Q’))だけ変化させたものである。
従って、画像処理領域2の背景画素値Rtu1~Rtu4は、背景画像PRtu1~PRtu4と、背景画像PRtu1~PRtu4に最も近い背景画像(背景画像PQ2_back,PQ’2_back,PQb_back,PQ’b_backのいずれか)との画素間隔が大きくなれば(即ち、2×nになれば)、背景画素値(背景画素値Q,Q’,Q,Q’のいずれか)からの画素値の変化分が大きくなるように背景画素値Qu2,Qu4を算出し、背景画像PRtu1~PRtu4と、背景画像PRtu1~PRtu4に最も近い背景画像(背景画像PQ2_back,PQ’2_back,PQb_back,PQ’b_backのいずれか)との画素間隔が小さくなれば(即ち、nになれば)、背景画素値(背景画素値Q,Q’,Q,Q’のいずれか)からの画素値の変化分が小さくなるように背景画素値Qu1,Qu3を算出する。
また、背景画素値Rtu1~Rtu4は、背景画像PRtu1~PRtu4と、背景画像PRtu1~PRtu4に最も近い背景画像(背景画像PQ2_back,PQ’2_back,PQb_back,PQ’b_backのいずれか)との画素間隔が大きくなれば(即ち、2×nになれば)、背景画素値(背景画素値Q,Q’,Q,Q’のいずれか)からの画素値の変化分が大きくなるように背景画素値Qt3,Qt4を算出し、背景画像PRtu1~PRtu4と、背景画像PRtu1~PRtu4に最も近い背景画像(背景画像PQ2_back,PQ’2_back,PQb_back,PQ’b_backのいずれか)との画素間隔が小さくなれば(即ち、nになれば)、背景画素値(背景画素値Q,Q’,Q,Q’のいずれか)からの画素値の変化分が小さくなるように背景画素値Qt1,Qt2を算出する。
また、前処理2における背景画素値の補間方法は、式(8)に示す方法に限らず、例えば、画像処理領域1の背景画素値の変化を2次(または高次)の変化を考慮して推定してもよい。
[ノイズ除去処理]
次に、ノイズ除去処理について説明する。後述するリサイズ処理の前に撮影領域PHG_REGおよび画像処理領域1,2の背景画素値に対して、ノイズ除去処理を行ってもよい。
例えば、式(9)に示す平均化フィルタを用いると、ノイズ除去を実行できる。
Figure 2022022530000010
前提として、リサイズ処理前の背景画像は、元画像のピクセル座標(x,y)において、等間隔n(またはn)に背景画素値が入力されている。そこで、リサイズ処理と同様に、算出用ピクセル座標(x^,y^)に座標変換を行ってから、ノイズ除去フィルタを適用する。そして、ノイズ除去フィルタの次数をc_nとする。
ノイズ除去処理は、次のように行う。初めに、元画像のピクセル座標(x,y)を算出用ピクセル座標(x^,y^)に変換する。
次に、算出用ピクセル座標(x^,y^)における背景画素値と、ノイズ除去フィルタ(例えば、式(9)の平均化フィルタ)とを用いて、例えば、上述した式(2)によって畳み込み演算を行う。これによって、ノイズ除去フィルタ適用後の背景画素値(x^,y^)を算出することができる。
最後に、算出用ピクセル座標(x^,y^)を元画像のピクセル座標(x,y)に変換する(戻す)。これによって、ノイズ除去後の背景画素値(x,y)を算出することができる。
[リサイズ処理]
最後に、撮影領域(N×N画素)の背景画素値を推定する方法を説明する。撮影領域PHG_REGと画像処理領域1,2の背景画像の背景画素値を用いて、撮影用素子31に対応する位置の背景画素値を算出するため、リサイズ処理を実行する。
この時、リサイズフィルタの次数をc_reとする。例えば、式(10)に示す次数c_reのLanczos(c_re)フィルタを用いると、上記のリサイズ処理を実行することができる。
Figure 2022022530000011
偶数次元の次数c_reのLanczosフィルタを用いてリサイズ処理を説明する。ピクセル座標(x,y)において、背景画像の画素値は、等間隔n(またはn)に入力されている。畳み込み演算の前準備として、背景画像の画素値の間隔が1となるように、ピクセル座標(x,y)をそれぞれn,nで割り、算出用ピクセル座標(x^,y^)=(x/n,y/n)に変換する。
リサイズフィルタは、算出用ピクセル座標(x^,y^)の位置の画素値を推定するフィルタである。式(5)に示す通り、通常は、偶数次元の画像処理フィルタが使用される。
Lanczos(c_re)フィルタの場合、フィルタは,式(10)で与えられる。ここで、a,bは、フィルタの行列インデックスであり、-c_reからc_re-1の値を取る。
背景画像の画素値(x,y)の算出手順は、次の通りである。
初めに、背景画像のピクセル座標(x,y)を算出用ピクセル座標(x^,y^)に変換する。
次に、画像処理フィルタの次元c_reと、算出用ピクセル座標(x^,y^)とに基づき、画像処理フィルタの重みパラメータ(例えば、式(10))を算出する。
その後、上記画像処理フィルタと算出用ピクセル座標(x^,y^)を用いて、畳み込み演算を行うことで、算出用ピクセル座標(x^,y^)における背景画素値を算出する。
最後に、算出用ピクセル座標(x^,y^)を元画像のピクセル座標(x,y)に変換する(戻す)。これによって、リサイズ処理後の背景画素値(x,y)を算出することができる。
なお、リサイズ処理の方法は、上記のLanczosフィルタに限らず、例えば、ニアレストネイバー法や、バイリニア法などを用いても良い。また、リサイズフィルタには、Lanczosフィルタに限らず、sinc関数またはsinc関数とウィンドウ関数の組み合わせを用いてもよい。
上記の後処理を実行する際、kは、フィルタの次数の合計よりも大きい値に設定する必要がある。これは、各フィルタを適用すると、フィルタの次数に応じて正確に算出できる画像の領域が減少するためである。即ち、ノイズ除去を行わない場合、c_re≦kを満たす必要がある。また、ノイズ除去フィルタの次数をc_nとすると、ノイズ除去を行う場合、 c_re+c_n≦kを満たす必要がある。
[前景画像の算出方法]
前景画像の算出方法について説明する。例えば、撮影画像から背景画像を引くことで前景画像を算出することができる。この際、撮影用素子31と背景用素子32の検出波長の違いを考慮して、補正してもよい。例えば、撮影画像-背景画像-オフセット値によって、前景画像を算出することができる。また、補正係数×(撮影画像-背景画像)-オフセット値や、撮影画像-補正係数×背景画像-オフセット値や、補正係数×(撮影画像-背景画像-オフセット値)などでもよい。
また、この補正は、撮影用素子31と背景用素子32の検出波長以外に、それぞれの検出素子に入射する赤外線の強度(すなわち、周辺物の温度)を考慮してもよい。この場合、赤外線カメラ内部の温度を測る温度計と、温度とオフセット値に関する校正テーブル1を予め用意する必要がある。
また、背景画像から、検出器アレイ3の温度分布を算出し、その温度分布に基づき補正してもよい。この場合、背景画素値を素子温度に換算する温度テーブルと、素子温度を撮影画像のオフセット値に換算する校正テーブル2を予め用意する必要がある。
図9は、前景画像を算出する方法を説明するためのフローチャートである。図9を参照して、前景画像を算出する動作が開始されると、算出部5は、撮影用素子31の検出値D1と背景用素子32の検出値D2とを制御部4から受け、撮影用素子31の検出値D1の画像と背景用素子32の検出値D2の画像とに分離する(ステップS1)。
そして、算出部5は、背景用素子32に対応する画素の画素値を撮影画像の画素値によって補間して撮影領域の全域における撮影画像の画素値を算出する(ステップS2)。
一方、算出部5は、ステップS1の後、ステップS2と並行して、ステップS3~ステップS5を順次実行する。即ち、算出部5は、画像処理領域1,2の画素値を推定し(ステップS3)、ノイズを除去し(ステップS4)、リサイズ処理を実行する(ステップS5)。
そして、ステップS2およびステップS5の後、算出部5は、撮影画像の画素値から背景画像の画素値を減算して前景画像を算出する(ステップS6)。これによって、前景画像を算出する動作が終了する。
なお、図9に示すフローチャートにおいては、ステップS4を実行せずに、ステップS3を実行した後にステップS5を実行してもよい。
図10は、図9のステップS2の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図10を参照して、図9のステップS1の後、算出部5は、i=1を設定する(ステップS21)。そして、算出部5は、画像処理フィルタの次元数c_reを設定する(ステップS22)。
その後、算出部5は、次元数c_reが奇数であるか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23において、次元数c_reが奇数であると判定されたとき、算出部5は、撮影領域PHG_REGにおいて背景用素子32に対応する画素Piの周辺画素における撮影画像の画素値P(x-a),(y-b)を検出する(ステップS24)。
その後、算出部5は、奇数次元c_reの画像処理フィルタと撮影画像の画素値P(x-a),(y-b)とを用いて式(2)によって畳み込み演算を行い、画素Piの画素値を補間する(ステップS25)。
そうすると、算出部5は、i=IBKであるか否かを判定する(ステップS26)。ここで、IBKは、撮影領域PHG_REGにおいて背景用素子32に対応する画素Piの総数である。
ステップS26において、i=IBKでないと判定されたとき、算出部5は、i=i+1を設定する(ステップS27)。その後、一連の動作は、ステップS24へ移行し、ステップS26において、i=IBKであると判定されるまで、ステップS24~ステップS27が繰り返し実行される。そして、ステップS26において、i=IBKであると判定されると、一連の動作は、図9のステップS6へ移行する。
一方、ステップS23において、次元数c_reが奇数でないと判定されたとき、算出部5は、元画像のピクセル座標P(x,y)を算出用ピクセル座標P(x^,y^)に変換する(ステップS28)。
そして、算出部5は、撮影領域PHG_REGにおいて背景用素子32に対応する画素Piの周辺画素における撮影画像の画素値P(floor(x^)-a),(floor(y^)-b)を検出する(ステップS29)。
その後、算出部5は、偶数次元c_reの画像処理フィルタと撮影画像の画素値P(floor(x^)-a),(floor(y^)-b)とを用いて式(6)によって畳み込み演算を行い、画素Piの画素値を補間する(ステップS30)。
そうすると、算出部5は、i=IBKであるか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31において、i=IBKでないと判定されたとき、算出部5は、i=i+1を設定する(ステップS32)。その後、一連の動作は、ステップS29へ移行し、ステップS31において、i=IBKであると判定されるまで、ステップS29~ステップS32が繰り返し実行される。そして、ステップS31において、i=IBKであると判定されると、一連の動作は、図9のステップS6へ移行する。
図11は、図9のステップS3の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図11を参照して、図9のステップS1の後、算出部5は、j=1を設定する(ステップS41)。
そして、算出部5は、画像処理領域1の背景画素Pjの背景画素値を推定するための撮影領域PHG_REGの背景画素値P,Pを検出する(ステップS42)。
その後、算出部5は、背景画素値P,Pに基づいて式(7)によって背景画素Pjの背景画素値を算出する(ステップS43)。
そうすると、算出部5は、j=JBKであるか否かを判定する(ステップS44)。ここで、JBKは、画像処理領域1において背景画素値を算出すべき画素Pi(背景画素)の総数である。
ステップS44において、j=JBKでないと判定されたとき、算出部5は、j=j+1を設定する(ステップS45)。その後、一連の動作は、ステップS42へ移行し、ステップS44において、j=JBKであると判定されるまで、ステップS42~ステップS45が繰り返し実行される。
そして、ステップS44において、j=JBKであると判定されると、算出部5は、k=1を設定する(ステップS46)。
その後、算出部5は、画像処理領域2の背景画素Pkの背景画素値を推定するための画像処理領域1の背景画素値Q,Q,Q,Qを検出する(ステップS47)。
その後、算出部5は、背景画素値Q,Q,Q,Qに基づいて式(8)によって背景画素Pkの背景画素値を算出する(ステップS48)。
そうすると、算出部5は、k=KBKであるか否かを判定する(ステップS49)。ここで、KBKは、画像処理領域2において背景画素値を算出すべき画素Pk(背景画素)の総数である。
ステップS49において、k=KBKでないと判定されたとき、算出部5は、k=k+1を設定する(ステップS50)。その後、一連の動作は、ステップS47へ移行し、ステップS49において、k=KBKであると判定されるまで、ステップS47~ステップS50が繰り返し実行される。
そして、ステップS49において、k=KBKであると判定されると、一連の動作は、図9のステップS4へ移行する。
図12は、図9のステップS4の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図12を参照して、図9のステップS3の後、算出部5は、元画像のピクセル座標P(x,y)を算出用ピクセル座標P(x^,y^)に変換する(ステップS51)。
そして、算出部5は、算出用ピクセル座標P(x^,y^)における背景画素値とノイズフィルタとを用いて畳み込み演算を実行する(ステップS52)。
その後、算出部5は、算出用ピクセル座標P(x^,y^)を元画像のピクセル座標P(x,y)に変換する(ステップS53)。そして、一連の動作は、図9のステップS5へ移行する。
図13は、図9のステップS5の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図13を参照して、図9のステップS4の後、算出部5は、元画像のピクセル座標P(x,y)を算出用ピクセル座標P(x^,y^)に変換する(ステップS61)。
そして、算出部5は、画像処理フィルタの次元数c_reと算出用ピクセル座標P(x^,y^)に基づいて画像処理フィルタの重みパラメータを算出する(ステップS62)。
その後、算出部5は、画像処理フィルタと算出用ピクセル座標P(x^,y^)とを用いて畳み込み演算を実行する(ステップS63)。
そして、算出部5は、算出用ピクセル座標P(x^,y^)を元画像のピクセル座標P(x,y)に変換する(ステップS64)。その後、一連の動作は、図9のステップS6へ移行する。
図9に示すフローチャート(図10から図13に示すフローチャートを含む)に従って前景画像を算出することによって、少数の背景画素値から正確な背景画像を算出することができる。これによって、前景画像の算出精度を向上することができる。また、背景画素値の個数を抑えることで、撮影画素値の個数を最大化することができる。これによって、背景画素値の配置による撮影画像の劣化を抑制することができる。従って、正確な前景画像を算出することができる。
この発明の実施の形態においては、図9に示すフローチャート(図10から図13に示すフローチャートを含む)に従って前景画像を算出する方法は、「画像処理方法」を構成する。
また、この発明の実施の形態においては、前景画像の算出は、ソフトウェアによって実現されてもよい。この場合、算出部5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。そして、ROMは、図9に示すフローチャート(図10から図13に示すフローチャートを含む)の各ステップからなるプログラムProg_Aを記憶する。
CPUは、ROMからプログラムProg_Aを読み出し、その読み出したプログラムProg_Aを実行して、前景画像を算出する。RAMは、前景画像の算出過程における各種の算出結果を一時的に記憶する。
また、プログラムProg_Aは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Aを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Aを読み出して実行し、前景画像を算出する。
従って、プログラムProg_Aを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
なお、この実施の形態においては、検出対象を電磁波としているが、次の様に検出対象の波長を特定の波長範囲内の波長とすることも可能である。例えば、検出波長を光の波長とすることで、光学系の設計が容易なため、実施が容易となる。ここで、光とは、広義の光を意味し、1nmから1mmの波長範囲内の電磁波を意味する。また、検出波長を赤外線とすることで、筐体1の温度に起因して筐体1が放射する赤外線を除去して対象物30の画像を算出することができる。また、暗視も可能となる。特に、6~20μmの波長を検出する場合、室温の筐体1が放射する赤外線を効果的に除去することができる。
[電磁波、光、赤外線の検出に関する効果]
実施の形態1において、カメラの検出波長毎に効果を説明する。実施の形態1は、電磁波、光、赤外線を検出するカメラにおいて、実施が可能である。光を検出するカメラでは、光学系の設計が容易なため、実施が容易となる。また、赤外線を検出するカメラでは、筐体1の温度に起因して筐体1が放射する赤外線を除去して、対象物30の画像を算出することができる。また、暗視も可能となる。特に、6~20μmの波長を検出する場合、室温の筐体1が放射する赤外線を効果的に除去することができる。
[撮影用素子の検出波長に関する効果]
実施の形態1において、撮影用素子31の検出波長を波長フィルタで制限する場合の効果を説明する。撮影用素子31の検出波長を波長フィルタで制限すると、撮影用素子31に入射する対象物30と背景の赤外線強度を調整することができる。更に、例えば、撮影用素子31の検出波長を波長フィルタで制限することで撮影用素子31の検出波長範囲をレンズ2の透過波長範囲と等しくすると、撮影用素子31に入射する対象物30の赤外線強度を最大にすると共に、撮影用素子31に入射する背景の赤外線強度を最小にすることができる。これによって、シグナルの最大化と、ノイズの最小化ができる。即ち、S/Nが向上する。撮影用素子31の検出波長範囲とレンズ2の透過波長範囲とを等しくすると上記効果が得られるが、全く等しくすることを必要とせず、等しい範囲の割合を増やすことによって上記で述べた効果をそれに応じた程度で得ることができる。
[背景用素子の検出波長に関する効果]
実施の形態1において、背景用素子32の検出波長を波長フィルタで制限する場合の効果を説明する。背景用素子32の検出波長は、レンズ2の透過波長範囲を含まないように設計する必要があるため、背景用素子32に取り付ける波長フィルタの透過波長は、レンズ2の透過波長範囲を含んではならない。上記の制約に加えて、波長フィルタの透過波長を更に狭めてもよい。これによって、背景用素子32に入射する背景の赤外線強度を調整することができる。例えば、波長フィルタの透過波長を調整することで、背景用素子32に入射する背景の赤外線強度を、撮影用素子31に入射する背景の赤外線強度に一致させることができる。これによって、正確に背景を除去することができる。なお、背景用素子32に入射する背景の赤外線強度を、撮影用素子31に入射する背景の赤外線強度に一致させると上記効果が得られるが、完全に一致させることを必要とせず、一致させる範囲の割合を増やすことによって上記で述べた効果をそれに応じた程度で得ることができる。
[撮影用素子と背景用素子の両方を有する検出器アレイに関する効果]
実施の形態1では、撮影用素子31と背景用素子32を相互に異なる位置に配置することによって、対象物30と背景を同時に撮影することができる。また、背景用素子32を撮影用素子31と単一の検出器アレイに設置すると、背景用素子32の背景(筐体1が放射する赤外線や、検出器の温度、周囲の熱的環境に起因する)は、撮影用素子31の背景に最も近くなる。即ち、最も正確に撮影用素子31の背景を除去することができる。
[対象物と背景の同時撮影に関する効果]
実施の形態1による対象物と背景の同時撮影の効果を、シャッターを使用する校正方法(特許文献2に記載の発明)と比較して説明する。
一般的な赤外線カメラでは、シャッター機能が付属しており、シャッターを開いたときに対象物を撮影し、シャッターを閉じたときに背景物を撮影する校正が行われる。この場合、シャッターの開閉および校正操作によって、対象物を撮影できない時間(撮影のデッドタイム)が生じる。また、対象物の画像と背景の画像を同時に撮影することができない。対象物の画像と背景の画像の撮影時刻が異なる場合、検出器アレイ、カメラ筐体およびレンズ等の温度や温度分布が変わってしまうため、算出する前景の画像に誤差が生じてしまう。
撮影のデッドタイムを短くするため、または対象物と背景をできるだけ同時に撮影するためには、シャッターを高速に開閉する必要がある。しかし、高速なシャッターの開閉には、そのための機構が必要であり、製造コストが増大してしまう。
一方、実施の形態1によると、シャッターを使用しないため、撮影のデッドタイムが生じない。これによって、赤外線画像を高フレームレートで連続的に撮影することができる。
また、実施の形態1によると、対象物と背景を同時に撮影することができる。このため、検出器アレイ、カメラ筐体およびレンズ等の温度や温度分布が変化する場合であっても、正確に前景画像を算出することができる。
[二次元的な背景画素値の分布の除去に関する効果]
実施の形態1によると、二次元的な背景画素値の分布がある場合であっても、撮影画像から背景の影響を除去することができる。
一般に、赤外線カメラの背景画素値は、検出器アレイ、カメラ筐体およびレンズ等の温度や温度分布によって影響を受ける。例えば、赤外線カメラの周囲の環境に温度分布がある場合や、赤外線カメラの周囲の環境が温度変化する場合などによって、検出器アレイ、カメラ筐体およびレンズ等に温度分布が生じると、二次元的に背景画素値の分布が生じる。
実施の形態1の方法は、このように二次元的な背景画素値の分布がある場合であっても、背景画像を正確に算出することができる。その結果、前景画像を正確に算出することができる。即ち、赤外線カメラが複雑な温度環境に置かれた場合であっても、正確に前景画像を算出することができる。
[検証実験1]
(検証の目的/構成)
図9に示すフローチャート(図10から図13に示すフローチャートを含む)の画像処理によって撮影画像と背景画像を補間できるかを検証する。カメラの構成は、特に限定しない。即ち、カメラの構成は、図4の(a)または(b)に示すいずれの構成であってもよい。
(公知の技術との比較)
公知の技術では、撮影用素子の検出値から撮影画像を正確に算出できる(念のため、下記(2)画像処理(撮影画像)で確認)。一方で、背景用素子の検出値から、背景画像を正確に算出することができない(前処理:「画像処理領域の画素値の推定」がないため、下記(3)画像処理(背景画像、従来技術)で確認)。この観点から、本願の効果を確認する(下記(4)画像処理(背景画像、本願)で確認)。
(1)検証の前提
図14は、検証実験1における画像を示す図である。検出器アレイの検出素子の数(撮影用素子と背景用素子の数の和)を256×320個とする。検出器アレイの検出素子のうち、背景用素子は、オフセットm0=n0=4、間隔m=n=8で検出器アレイに配列されている。この時、背景用素子の数は、32×40個である。一方で、撮影用素子は、背景用素子以外の検出器アレイの検出素子である。
検証用画像には、画素値(x,y)=0.01×[(x-128)+(y-160)]+24000となる画像を準備した(図14(a)参照)。図14(a)の画像では、画素値の最小値は、23580であり、最大値は、24000であり、画素値の分布は、420(=24000-23580)である。
この検証用画像を撮影画像および背景画像とする場合について、各画像処理で復元できるかを検証した。なお、xは、横の画素位置、yは、縦の画素位置を意味している。
(2)画像処理(撮影画像)
撮影用素子を用いて検出した撮影画像の処理について説明する。撮影画像(図14(b)参照)は、背景用素子が配置されている場所の画素値が欠落している。そこで、検出した撮影画像に対して、式(1)に示す1次の平均化フィルタを適用して、これらの画素値を推定した。
推定した撮影画像(図14(c)参照)から検証用画像(図14(a)参照)を引いた結果、図14(d)に示す画像が得られた。ここで、推定した撮影画像と検証用画像の画素値は、最大で1異なる。すなわち、撮影画像の処理によって、約99.8%(=100-(1/420)×100)の精度で撮影画素値を補間することができる。
(3)画像処理(背景画像、従来技術)
図15は、検証実験1の画像処理における画像を示す図である。従来技術(前処理なし)でリサイズ処理を行った。図15(a)は、背景用素子が検出する背景画像である(撮影用素子が配置された画素の画素値が欠落している)。図15(b)は、図15(a)の背景用素子で検出した画素値のみを抽出した画像である。これに対してリサイズ処理を適用した結果、図15(c)の画像が得られた。ここで、リサイズ処理には、2次のLanczosフィルタを適用した。
従来技術に基づいて推定した撮影画像(図15(c)参照)から検証用画像(図15(a)参照)を引いた結果、図15(d)の画像が得られた。ここで、推定した撮影画像と検証用画像の画素値は、最大で27737異なる。すなわち、正確に背景画像を算出することができない。
(4)画像処理(背景画像、実施の形態1)
実施の形態1の方法でリサイズ処理を行った。図15(b)までの処理は、従来技術と同様の方法を用いた。図15(b)に対して後処理フィルタの次数を2と定めて、前処理を行った。前処理では、式(7)を適用して図5の画像処理領域1の背景画素値を算出し、式(8)を適用して図5の画像処理領域2の背景画素値を算出した。続いて、Lanczos (2)フィルタによるリサイズ処理を後処理として行い、撮影領域の背景画素値を算出した。その結果、図15(e)の画像を得た。
推定した背景画像(図15(e)参照)から検証用画像(図14(a)参照)を引いた結果、図15(f)の画像が得られた。ここで、推定した背景画像と検証用画像の画素値は、最大で3異なる。すなわち、背景画像の処理によって、約99.3%(=100-(3/420)×100)の精度で背景画素値を補間することができる。
(4)結果
以上、実施の形態1の方法によって、撮影画像および背景画像が正確に算出できることを確認した。従来例によると、画像の端の画素値の算出誤差が非常に大きくなってしまう。したがって、実施の形態1の方法の効果を確認することができた。
[検証実験2]
(検証の目的/構成)
図4(b)に示す構成および図9に示すフローチャート(図10から図13に示すフローチャートを含む)によって、撮影画像中の背景を除去できるかを検証する。また、図9に示すフローチャート(図10から図13に示すフローチャートを含む)のノイズ除去によって、正確に背景画像を算出できることを検証する。
(検証実験1と検証実験2の比較)
図16は、検証実験2における画像を示す図である。検証実験2では、検証実験1と同じく、図9に示すフローチャート(図10から図13に示すフローチャートを含む)に基づいて、撮影画像と背景画像の補間を検証した。ただし、検証実験2では、実際に赤外線カメラを用いて撮影した画像(図16(a),(c)参照)を用いて、実施の形態1の効果を検証している。
(1)検証の前提
検出器アレイの検出素子の数が256×320個である赤外線カメラを用いて、原理検証を行った。
撮影画像(図16(a)参照)と背景画像(図16(c)参照)を、図4(b)に示す構成に対応する赤外線カメラで撮影した。
カメラ構成は、レンズを透過する赤外線の波長が8-14μmであり、検出素子の検出波長は、5~20μmであり、撮影用素子の波長フィルタFLT2の波長が8~9.5μmであり、背景用素子の波長フィルタFLT1の波長が6.25~6.75μmである。従って、対象物が放射する赤外線は、撮影用素子のみに入射し、背景用素子に入射しない。
赤外線カメラでは、検出器アレイの検出素子のうち、背景用素子は、オフセットm0=n0=4、間隔m=n=8に配置した。この時、背景用素子の数は、32×40個である。一方で、撮影用素子は、背景用素子以外の検出器アレイの検出素子である。
検証用画像は、室温の黒体を対象物として配置して撮影した。
図16(a)の画像は、撮影用素子を用いて撮影した撮影画像である。図16(a)には、対象物の黒体が放射する赤外線と背景が放射する赤外線が映っている。この際、レンズの全視野は、温度一定(室温)の黒体で覆われている。したがって、正しい画像(=撮影画像から背景画像を除去した前景)は、温度一定(室温)の黒体画像となる。言い換えると、図16(a)の温度分布は、全て背景によるものである。なお、図16(a)の白抜き部分は、背景用素子のため、撮影画素値が欠落した領域である。
図16(a)の撮影画素値の最小値(画像右上の特定の画素値)は、23622であり、最大値(画像中央の特定の画素値)は、23998である。従って、366(=23998-23622)の画素値の二次元分布がある。図16(a)の四辺の画素値は、画像中央の画素値と比べて小さい。
一方、図16(c)の画像は、背景用素子を用いて撮影した背景画像である。図16(c)には、背景による赤外線のみが撮影されている。なお、図16(c)の白抜き部分は、撮影用素子のため、背景画素値が欠落した領域である。また、図16(c)の画像から背景画素値を抽出して画像化したものが、図16(d)の画像である(図16(d)の画像は、上述した前処理1の画素間隔の規格化後の画像である。)。ここで、カメラと対象物は、室温のため、図16(a)および図16(c)の画素値を補完した画像は、理想的には同一の画像となる。
検証では、撮影画像と背景画像のそれぞれを用いて欠落した画素を補間して、前景を算出した。撮影画像と背景画像は、殆ど同一の画像であるため、前景の画素値は、0に近づくほど、算出精度は高くなる。
(2)画像処理(撮影画像)
図17は、検証実験2の画像処理における画像を示す図である。対象物の検出素子を用いて検出した撮影画像(図16(a)参照)の処理について説明する。
検出した撮影画像に対して、式(1)の1次の平均化フィルタを適用することで、背景用素子の位置と対応する画素の撮影画素値を推定した(図16(b)参照)。
(3)画像処理(背景画像)
背景用素子を用いて検出した背景画像(図16(d)参照)の処理について説明する。検出した背景画像に対して、画像処理領域1,2の各方向に追加する画素数kを3と定めて、前処理を行った。前処理では、式(7)を適用して画像処理領域1の背景画素値を算出し、式(8)を適用して画像処理領域2の背景画素値を算出した。
図17(a)は、ノイズ除去を行わず次数2のLanczos(2)フィルタによって撮影領域の背景画素値の算出したものである。
図16(e)の画像は、図16(d)の画像にノイズ除去を適用した後の画像である。ノイズ除去によって、図16(d)のノイズ由来の凹凸が、図16(e)では抑制されている。図16(e)に対して、次数2のLanczos(2)フィルタによって撮影領域の背景画素値を算出すると、図17(b)の画像を得る。
(4)前景画像の算出1
初めに、撮影画像から背景画像を引いて算出した前景画像について説明する。
図16(b)の画素値から図17(a)の画素値を引いて前景画像を算出すると、前景の画素値である前景画素値の最小値は、-101となり、最大値は、33となり、平均値は、-33.4となり、標準偏差は、16.2となった(図17(c)参照)。即ち、画像処理(2),(3)によって、約72.4%(=100-(101/366)×100)の精度で前景画素値を算出できた。
一方、図16(a)の画素値から図17(b)の画素値を引いて前景画像を算出すると、前景画素値の最小値は、-87となり、最大値は、30となり、平均値は、-31.5となり、標準偏差は、14.6となった(図17(d)参照)。即ち、画像処理(2)および(3)によって、約76.3%(=100-(87/366)×100)の精度で前景画素値を算出できた。前景画素値の最小値/最大値/平均値/標準偏差/精度の全ての指標において、ノイズ除去を適用した背景画像(図17(b)参照)は、ノイズ除去を適用しない背景画像(図17(a)参照)と比べて、前景画像を正確に算出することができる。
[実施の形態2]
図18は、実施の形態2による赤外線カメラの概略図である。図18を参照して、実施の形態2による赤外線カメラ10Aは、図1に示す赤外線カメラ10の検出器アレイ3を検出器アレイ3Aに変え、制御部4を制御部4Aに変えたものであり、その他は、赤外線カメラ10と同じである。
検出器アレイ3Aは、複数の量子ドット型赤外線検出素子33を含む。量子ドット型赤外線検出素子33は、印加される電圧に応じて赤外線の検出波長が変化する検出素子である。
複数の量子ドット型赤外線検出素子33は、実施の形態1における撮影用素子31に対応する量子ドット型赤外線検出素子33-1と、実施の形態1における背景用素子32に対応する量子ドット型赤外線検出素子33-2とからなる。
量子ドット型赤外線検出素子33-1は、制御部4Aによって電圧V1が印加されると、検出波長λ3で赤外線を検出し、その検出した赤外線の検出値D3を制御部4Aへ出力する。また、量子ドット型赤外線検出素子33-2は、制御部4Aによって電圧V2が印加されると、検出波長λ2で赤外線を検出し、その検出した赤外線の検出値D4を制御部4Aへ出力する。
制御部4Aは、量子ドット型赤外線検出素子33-1に電圧V1を印加し、量子ドット型赤外線検出素子33-2に電圧V2を印加する。そして、制御部4Aは、量子ドット型赤外線検出素子33-1から検出値D3を受け、量子ドット型赤外線検出素子33-2から検出値D4を受け、その受けた検出値D3,D4を算出部5へ出力する。制御部4Aは、その他、制御部4と同じ機能を果たす。
赤外線カメラ10Aにおいては、算出部5は、制御部4Aから受けた検出値D3,D4に基づいて、図9に示すフローチャート(図10から図13に示すフローチャートを含むj)に従って前景画像を算出する。
図19は、図18に示す検出器アレイ3Aの平面図である。なお、図19は、レンズ2側から見た検出器アレイ3Aの平面図を示す。
図19を参照して、検出器アレイ3Aは、検出波長λ3で赤外線を検出する量子ドット型赤外線検出素子33-1と、検出波長λ2で赤外線を検出する量子ドット型赤外線検出素子33-2とからなる。検出波長λ3は、例えば、8~10μm、9~10μmおよび8~11μmのいずれかである。従って、検出波長λ3は、検出波長λ1の少なくとも一部を含む。
そして、量子ドット型赤外線検出素子33-1,33-2は、N行N列の行列状に配列される。
赤外線カメラ10Aにおいては、次の効果を得ることができる。
(1)フィルタアレイを用いずに、実施の形態1と同じ効果を得ることができる。つまり、波長範囲を制限するための光学部材が不要となり、筐体1内のスペースの削減および光学系の設計の自由度を増すことができる。
(2)特定の波長範囲の検出素子の選定が不要で、検出波長の選択の自由度、設計の自由度が増し、簡易に効率的な検出が可能となる。例えば、対象物30を検出するために最適な検出波長λ3を選択する自由度が増す。
(3)図4(b)の構成では、1つの背景用素子32が破損すると、広い範囲の背景画素値に大きな影響を与える。即ち、背景用素子32は、疎らに配置されているので、背景用素子32が破損すると、背景画像の算出程度が大幅に低下する。しかし、図19に示す構成では、背景画像を検出する量子ドット型赤外線検出素子33-2が破損しても、背景画像を検出する量子ドット型赤外線検出素子を変更することができる。検出器アレイ3Aは、量子ドット型赤外線検出素子に印加する電圧を変更することによって撮影画像または背景画像を検出することができるからである。従って、背景画像を検出する量子ドット型赤外線検出素子33-2が破損しても、背景画像への影響を抑制することができる。
実施の形態2におけるその他の説明は、実施の形態1における説明と同じである。
図20は、撮影画素の他の補間の概念図である。上記においては、1個の背景用素子32(または量子ドット型赤外線検出素子33-2)が所定の間隔(nまたはn)ごとに配置されると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、隣接する2個の背景用素子32(または量子ドット型赤外線検出素子33-2)が所定の間隔(nまたはn)ごとに配置されていてもよい。この場合、2個の背景用素子32(または量子ドット型赤外線検出素子33-2)に対応する撮影画像の画素値は、次のように補間される。
図20を参照して、補間対象の画素1,2が隣接して存在する。この場合、補間対象の画素1の画素値は、周辺素子1の画素値と、上述した画像処理フィルタ(奇数次元の画像処理フィルタまたは偶数次元の画像処理フィルタ)とを用いて式(2)または式(6)によって畳み込み演算を行って周辺画素の画素値を平均化した値を補間対象の画素値として補間する。また、補間対象の画素2の画素値は、周辺素子2の画素値と、上述した画像処理フィルタ(奇数次元の画像処理フィルタまたは偶数次元の画像処理フィルタ)とを用いて式(2)または式(6)によって畳み込み演算を行って周辺画素の画素値を平均化した値を補間対象の画素値として補間する。
図21は、画像処理領域2の背景画素値の別の算出方法を説明するための図である。図21を参照して、背景画像PRtu1の背景画素値Rtu1は、背景画像PQb2_backの背景画素値Qb2と、背景画像PQa2_backの背景画素値Qa2とを用いて式(7)によって算出されてもよい。
背景画像PQb2_backは、撮影領域の対角線の方向において、背景画像PRtu1に最も近い背景画像であり、背景画像PQa2_backは、撮影領域の対角線の方向において、背景画像PRtu1に2番目に近い背景画像である。そして、背景画像PQa2_backと背景画像PQb2_backとの画素間隔、および背景画像PQb2_backと背景画像PRtu1との画素間隔は、((N+(N))1/2になる。従って、sは、背景画像PQb2_backと背景画像PRtu1との画素間隔(=((N+(N))1/2)を、撮影領域の対角線の方向における画素間隔(=((N+(N))1/2)で除算して“1”となる。
そして、背景画素値Qa2,Qb2およびs=1を式(7)に代入して背景画素値Rtu1(=Qb2-Qa2+Qb2)を算出する。
また、背景画像PRtu4の背景画素値Rtu4も、背景画像PQb2_backの背景画素値Qb2と、背景画像PQa2_backの背景画素値Qa2とを用いて式(7)によって算出されてもよい。
背景画像PQb2_backは、撮影領域の対角線の方向において、背景画像PRtu4に最も近い背景画像であり、背景画像PQa2_backは、撮影領域の対角線の方向において、背景画像PRtu4に2番目に近い背景画像である。そして、背景画像PRtu1と背景画像PRtu4との画素間隔も、((N+(N))1/2になる。従って、sは、背景画像PQb2_backと背景画像PRtu2との画素間隔(=2×((N+(N))1/2)を、撮影領域の対角線の方向における画素間隔(((N+(N))1/2)で除算して“2”となる。
そして、背景画素値Qa2,Qb2およびs=2を式(7)に代入して背景画素値Rtu4(=2×(Qb2-Qa2)+Qb2)を算出する。
なお、背景画像PRtu2の背景画素値Rtu2および背景画像PRtu3の背景画素値Rtu3は、図8において説明した方法によって算出される。
図21において説明した方法によって背景画素値Rtu1および背景画素値Rtu4を算出することによって、撮影領域の対角線に沿って存在する背景画素値の分布状態を反映して背景画素値Rtu1および背景画素値Rtu4を算出することができる。また、図8において説明した方法よりも計算量を少なくして背景画素値Rtu1および背景画素値Rtu4を算出できる。
図22は、この発明の実施の形態における赤外線の波長範囲の関係を示す概念図である。上記においては、撮影用素子31が赤外線を検出する検出波長λ1は、8~10μmであり、背景用素子32が赤外線を検出する検出波長λ2は、10~11μmであることを説明した。また、上記においては、検出波長λ1がレンズ2の透過波長範囲を含む波長で構成されること、および検出波長λ1がレンズ2の透過波長範囲と一致してもよいことを説明した。更に、背景用素子32が、波長フィルタFLT1を検出素子に貼り合わされたものから構成され、波長フィルタFLT1が、検出波長λ2を透過し、レンズ2の透過波長範囲の赤外線を遮光することを説明した。
従って、撮影用素子31が赤外線を検出することができる波長範囲は、レンズ2の透過波長範囲と少なくとも一部で重複していればよい。また、背景用素子32が赤外線を検出することができる波長範囲がレンズ2の透過波長範囲と重複しなければよい。そして、背景用素子32が赤外線を検出することができる波長範囲がレンズ2の透過波長範囲と重複しないことは、検出素子に貼り合わされた波長フィルタFLT1によって実現される。
図22において、6~8.5μmの波長範囲、8.5~9μmの波長範囲および9~12μmの波長範囲は、撮影用素子31が赤外線を検出することができる波長範囲λrange_1である。また、5~7μmの波長範囲および11~13μmの波長範囲は、背景用素子32が赤外線を検出することができる波長範囲λrange_2である。更に、8~10μmの波長範囲は、レンズ2の透過波長範囲λrange_3である。ここで、波長範囲λrange_1は、波長範囲λrange_2と一部が重複してもよい。
従って、撮影用素子31が赤外線を検出することができる波長範囲λrange_1(6~8.5μm、8.5~9μmおよび9~12μmのいずれか)は、レンズ2の透過波長範囲λrange_3(8~10μm)と少なくとも一部が重複する。また、背景用素子32が赤外線を検出することができる波長範囲λrange_2(5~7μmまたは11~13μm)は、レンズ2の透過波長範囲λrange_3(8~10μm)と重複しない。そして、背景用素子32が赤外線を検出することができる波長範囲λrange_2(5~7μmまたは11~13μm)は、波長フィルタFLT1によって実現される。
その結果、6~8.5μm、8.5~9μmおよび9~12μmのいずれかの波長範囲λrange_1を第1の波長範囲とし、5~7μmまたは11~13μmの波長範囲λrange_2を第2の波長範囲とし、8~10μmの波長範囲λrange_3を第3の波長範囲とすると、この発明の実施の形態によるカメラは、次の構成を備えていればよい。
(1)2次元状に配置されかつ第1の波長範囲λrange_1の電磁波を検出することができる第1の検出素子を含む第1の検出部と、
(2)2次元状に配置されかつ筐体内から放射される第2の波長範囲λrange_2の電磁波における少なくとも1つの波長の電磁波を検出することができる第2の検出素子を含む第2の検出部と、
(3)第2の検出素子に対応して配置され、第2の波長範囲λrange_2の電磁波を透過することができる第1の透過部材と、
(4)第3の波長範囲λrange_3の電磁波を筐体外から筐体内へ透過させることができる第2の透過部材と、
(5)第1の検出部で検出された第1の検出値と第2の検出部で検出された第2の検出値とから画像情報を算出することができる算出部を備え、
(6)第1の波長範囲λrange_1の少なくとも1つの波長は、第3の波長範囲λrange_3の波長と重複し、
(7)第2の波長範囲λrange_2は、第3の波長範囲λrange_3と重複しない。
カメラの検出対象は、赤外線に限らず、電磁波であればよく、カメラが構成(1)~(7)を備えることによって、対象物30から放射された電磁波を第1の検出素子によって検出するときの波長範囲λrange_3(=第3の波長範囲と少なくとも1つの波長で重複する第1の波長範囲)と、背景から放射された電磁波を第2の検出素子によって検出するときの波長範囲λrange_2(=第2の波長範囲)とが重複しないので、第1の検出部(第1の検出素子)で検出された第1の検出値と第2の検出部(第2の検出素子)で検出された第2の検出値とから画像情報を算出することによって正確な画像情報が得られるからである。
この発明の実施の形態においては、検出器アレイ3において、2次元状に配置された撮影用素子31は、「第1の検出部」を構成し、2次元状に配置された背景用素子32は、「第2の検出部」を構成する。
また、この発明の実施の形態においては、波長フィルタFLT1は、背景用素子32(第2の検出素子)に対応して配置され、第2の波長範囲λrange_2の電磁波を透過することができる「第1の透過部材」を構成し、レンズ2は、第3の波長範囲λrange_3の電磁波を筐体1外から筐体1内へ透過させることができる「第2の透過部材」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、背景用素子32または量子ドット型赤外線検出素子33-2によって検出された背景画像の背景画素値は、「第1の背景画素値」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、背景画素値Q,Rtuは、「第2の背景画素値」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、背景用素子32または量子ドット型赤外線検出素子33-2によって検出された背景画像の背景画素値および背景画素値Q,Rtuは、「第3の背景画素値」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、背景画素PQ1_back,PQ2_back,PQ’1_back,PQ’2_backは、「第1の目的背景画像」を構成し、背景画像P2_back,P2’_backは、「第1の背景画像」を構成し、背景画素値P,P2’は、「第4の背景画素値」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、背景画像PRtu1,PRtu2は、「第2の目的背景画像」を構成し、背景画像PQb_backQ’b_backの各々は、「第2の背景画像」を構成し、背景画像PQ2_back,PQ’2_backの各々は、「第3の背景画像」を構成し、背景画素値Q,Q’の各々は、「第5の背景画素値」を構成し、背景画素値Qu1~Qu4をは、「第6の背景画素値」を構成し、背景画素値Q,Q’の各々は、「第7の背景画素値」を構成し、背景画素値Rt1~Rt4は、「第8の背景画素値」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、背景用素子32または量子ドット型赤外線検出素子33-2によって検出された背景画像の背景画素値に基づいて、背景画素値Q,Rtuを算出する処理は、「第1の処理」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、背景用素子32または量子ドット型赤外線検出素子33-2によって検出された背景画像の背景画素値および背景画素値Q,Rtuに基づいて撮影領域の全域における背景画素値を算出する処理は、「第2の処理」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、背景画像P2_back,P2’_backの背景画素値を算出する処理は、「第3の処理」を構成し、背景画像PRtu1,PRtu2の背景画素値を算出する処理は、「第4の処理」を構成する。
図9のステップS3(=図11のステップS41~ステップS50)は、複数の第2の検出素子(複数の背景用素子32)によって検出された背景画像の画素値である第1の背景画素値に基づいて撮影領域の外側の領域である画像処理領域における背景画素値である第2の背景画素値を算出するステップと、第1および第2の背景画素値に基づいて複数の第1の検出素子(複数の撮影用素子31)に対応する画像における背景画素値を補間して撮影領域の全域における背景画素値である第3の背景画素値を算出するステップとを構成する。
また、図9のステップS2(=図10のステップS21~ステップS32)は、複数の第1の検出素子(複数の撮影用素子31)によって検出された撮影画像の画素値である撮影画素値に基づいて複数の第2の検出素子(複数の背景用素子32)に対応する画像における撮影画素値を補間して撮影領域の全域における撮影画素値を算出するステップを構成する。
更に、図9のステップS6は、撮影画素値から第3の背景画素値を除いて前景画像を算出するステップを構成する。
更に、図9のステップS4は、第2の背景画素値に対して、ノイズ除去を実行するステップを構成する。
更に、図9に示すフローチャートにおいて、算出部5が撮影用素子31の検出値D1と背景用素子32の検出値D2とを制御部4から受けることは、複数の第2の検出素子(複数の背景用素子32)によって検出された背景画像の画素値である第1の背景画素値と、複数の第1の検出素子(複数の撮影用素子31)によって検出された撮影画像の画素値である撮影画素値を受け付けるステップを構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、カメラ、画像処理方法、プログラムおよびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に適用される。
1 筐体、2 レンズ、3,3A 検出器アレイ、4,4A 制御部、5 算出部、10,10A 赤外線カメラ、30 対象物、31 撮影用素子、32 背景用素子、33 量子ドット型赤外線検出素子。
検出器アレイ3は、2次元状に配列された検出素子のアレイであり、検出部に含まれる。ここでは、撮影用素子31と背景用素子32とを含む構成としているが、撮影用素子31(第1の検出素子)で構成される(または含む)検出器アレイを第1の検出部とし、背景用素子32(第2の検出素子)で構成される(または含む)検出器アレイを第2の検出部とする。撮影用素子31と背景用素子32が別体として構成されても良い。なお、この発明の実施の形態に記載のように撮影用素子31と背景用素子32を一体に構成することもできる。そうすることでスペースの削減および光学部品の削減をすることができる。
撮影用素子31は、入射した赤外線を検出波長λ1で検出し、その検出した赤外線の検出値を制御部4へ出力する。検出波長λ1は、レンズ2の透過波長範囲を含む波長で構成される。従って、検出波長λ1は、レンズ2の透過波長範囲と一致してもよい。検出波長λ1は、例えば、8~10μmである。
背景用素子32は、入射した赤外線を検出波長λ2で検出し、その検出した赤外線の検出値を制御部4へ出力する。検出波長λ2は、レンズの透過波長範囲を含まない波長で構成される。従って、検出波長λ2は、検出波長λ1を含まなくてもよい。検出波長λ2は、例えば、10~11μmである。
その結果、撮影用素子31および背景用素子32は、撮影領域PHG_REG内にN行N列の行列状(2次元状)に配列される。N ,Nの各々は、2以上の整数である。Nは、Nと同じあってもよく、異なっていてもよい。
また、撮影画素値の補間に使用するフィルタ方法は、上記の平均化フィルタに限らず、例えば、ガウシアンフィルタなどの平均化フィルタであっても良い。更に、ぼかしフィルタであってもよい。更に、背景用素子32の画素周辺の撮影画素値に基づき、重みパラメータを推定する画像処理フィルタを使用してもよい。
奇数次元の画像処理フィルタが用いられる場合、式(2)によって畳み込み演算を行い、ピクセル座標(x,y)の画素値P’x,yを算出する。即ち、奇数次元の画像処理フィルタは、ピクセル座標(x,y)の周辺の±cの範囲の画素に作用する。
[背景画像の画像処理]
背景画像において、背景用素子32が配置されていない画素(即ち、撮影用素子31の位置に対応する画素)は、背景画素値が入力されていない。そこで、撮影領域PHG_REG内の全ての背景画素値を算出するためには、撮影用素子31の位置に対応する画素の背景画素値を補間する必要がある。背景画像において、撮影領域PHG_REGの背景用素子32が配置されていない画素の背景画素値を推定する方法について説明する。
そして、画像処理領域1における背景画素値の算出は、前処理1によって行われ、画像処理領域2における背景画素値の算出は、前処理2によって行われる。なお、kは、後処理に用いるフィルタの次数の和と同じ、またはフィルタの次数の和よりも大きい値に設定する必要がある。
(1-1)前処理1
画像処理領域1の背景画素値 は、例えば、式(7)によって示される線形法で補間される。
図7は、前処理1を説明するための図である。図7の(a)においては、図5に示す撮影領域PHG_REG外の2つの背景画素PQ1_back,PQ2_backを例にして前処理1について説明する。
図7の(a)を参照して、背景画素PQ1_back,PQ2_backは、撮影領域PHG_REG内の背景画素P1_back,P2_backと同じ列に配置された画素である。背景画素P2_backは、撮影領域PHG_REG内において背景画素値を算出すべき背景画素PQ1_back,PQ2_backに最も近い背景画素であり、背景画素P1_backは、撮影領域PHG_REG内において背景画素値を算出すべき背景画素PQ1_back,PQ2_backに2番目に近い背景画素である。
また、背景画素PQ2_backの背景画素値Qを算出する場合、背景画素PQ2_backと、撮影領域PHG_REG内において背景画素PQ2_backに最も近い背景画素P2_backとの画素間隔(=2×n)を列方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をs(=2×n/n=2)とする。
図7の(b)においては、図5に示す撮影領域PHG_REG外の2つの背景画素PQ’1_back,PQ’2_backを例にして前処理1について説明する。
図7の(b)を参照して、背景画素PQ’1_back,PQ’2_backは、撮影領域PHG_REG内の背景画素P1’_back,P2’_backと同じ行に配置された画素である。背景画素P2’_backは、撮影領域PHG_REG内において背景画素値を算出すべき背景画素PQ’1_back,PQ’2_backに最も近い背景画素であり、背景画素P1’_backは、撮影領域PHG_REG内において背景画素値を算出すべき背景画素PQ’1_back,PQ’2_backに2番目に近い背景画素である。
また、背景画素PQ’2_backの背景画素値Q’を算出する場合、背景画素PQ’2_backと、撮影領域PHG_REG内において背景画素PQ’2_backに最も近い背景画素P2’_backとの画素間隔(=2×n)を行方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をs(=2×n/n=2)とする。
図8は、前処理2を説明するための図である。図8においては、図5に示す2つの画像処理領域2内の背景画素PRtu1,PRtu2を例にして前処理について説明する。
図8を参照して、背景画素PRtu1は、画像処理領域1内の背景画素PQ1_back,PQ2_backと同じ列に配置され、かつ、画像処理領域1内の背景画素PQb_back,PQa_backと同じ行に配置された画素である。背景画素PQ2_back,PQb_backは、背景画素値を算出すべき背景画素PRtu1に最も近い画像処理領域1内の背景画素であり、背景画素PQ1_back,PQa_backは、背景画素値を算出すべき背景画素PRtu1に2番目に近い画像処理領域1内の背景画素である。
背景画素PRtu1の背景画素値Rtu1を算出する場合、背景画素PRtu1と、背景画素PRtu1に最も近い画像処理領域1内の背景画素PQb_backとの画素間隔(=n)を行方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をu(=n/n=1)とする。
また、背景画素PRtu1と、背景画素PRtu1に最も近い画像処理領域1内の背景画素PQ2_backとの画素間隔(=n)を列方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をt(=n/n=1)とする。
背景画素PQ’2_back,PQb_backは、算出すべき背景画素PRtu2に最も近い画像処理領域1内の背景画素であり、背景画素PQ’1_back,PQa_backは、算出すべき背景画素PRtu2に2番目に近い画像処理領域1内の背景画素である。
背景画素PRtu2の背景画素値Rtu2を算出する場合、背景画素PRtu2と、背景画素PRtu2に最も近い画像処理領域1内の背景画素PQb_backとの画素間隔(=2×n)を行方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をu(=2×n/n=2)とする。
また、背景画素PRtu2と、背景画素PRtu2に最も近い画像処理領域1内の背景画素PQ’2_backとの画素間隔(=n)を列方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をt(=n/n=1)とする。
背景画素PRtu3は、画像処理領域1内の背景画素PQ1_back,PQ2_backと同じ列に配置され、かつ、画像処理領域1内の背景画素PQ’b_back,PQ’a_backと同じ行に配置された画素である。背景画素PQ2_back,PQ’b_backは、算出すべき背景画素PRtu3に最も近い画像処理領域1内の背景画素であり、背景画素PQ1_back,PQ’a_backは、算出すべき背景画素PRtu3に2番目に近い画像処理領域1内の背景画素である。
背景画素PRtu3の背景画素値Rtu3を算出する場合、背景画素PRtu3と、背景画素PRtu3に最も近い画像処理領域1内の背景画素PQ’b_backとの画素間隔(=n)を行方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をu(=n/n=1)とする。
また、背景画素PRtu3と、背景画素PRtu3に最も近い画像処理領域1内の背景画素PQ2_backとの画素間隔(=2×n)を列方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をt(=2×n/n=2)とする。
背景画素PQ’2_back,PQ’b_backは、算出すべき背景画素PRtu4に最も近い画像処理領域1内の背景画素であり、背景画素PQ’1_back,PQ’a_backは、算出すべき背景画素PRtu4に2番目に近い画像処理領域1内の背景画素である。
背景画素PRtu4の背景画素値Rtu4を算出する場合、背景画素PRtu4と、背景画素PRtu4に最も近い画像処理領域1内の背景画素PQ’b_backとの画素間隔(=2×n)を行方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をu(=2×n/n=2)とする。
また、背景画素PRtu4と、背景画素PRtu4に最も近い画像処理領域1内の背景画素PQ’2_backとの画素間隔(=2×n)を列方向における背景画素の画素間隔(=n)で除算した結果をt(=2×n/n=2)とする。
上述したように、背景画Rtu1の背景画素値Rtu1は、背景画素値Qu1(=Q-Q+Q)と背景画素値Qt1(=Q-Q+Q)との平均として算出され、背景画Rtu2の背景画素値Rtu2は、背景画素値Qu2(=2×(Q-Q)+Q)と景画素値Qt2(=Q’-Q’+Q’)との平均として算出され、背景画Rtu3の背景画素値Rtu3は、背景画素値Qu3(=Q’-Q’+Q’)と背景画素値Qt3(=2×(Q-Q)+Q)との平均として算出され、背景画Rtu4の背景画素値Rtu4は、背景画素値Qu4(=2×(Q’-Q’)+Q’)と背景画素値Qt4(=2×(Q’-Q’)+Q’)の平均として算出される。
従って、画像処理領域2の背景画素値Rtu1~Rtu4は、背景画Rtu1~PRtu4と、背景画Rtu1~PRtu4に最も近い画像処理領域1内の背景画(背景画Q2_back,PQ’2_back,PQb_back,PQ’b_backのいずれか)との画素間隔が大きくなれば(即ち、2×nになれば)、背景画素値(背景画素値Q,Q’,Q,Q’のいずれか)からの画素値の変化分が大きくなるように背景画素値Qu2,Qu4を算出し、背景画Rtu1~PRtu4と、背景画Rtu1~PRtu4に最も近い画像処理領域1内の背景画(背景画Q2_back,PQ’2_back,PQb_back,PQ’b_backのいずれか)との画素間隔が小さくなれば(即ち、nになれば)、背景画素値(背景画素値Q,Q’,Q,Q’のいずれか)からの画素値の変化分が小さくなるように背景画素値Qu1,Qu3を算出する。
また、背景画素値Rtu1~Rtu4は、背景画Rtu1~PRtu4と、背景画Rtu1~PRtu4に最も近い画像処理領域1内の背景画像(背景画Q2_back,PQ’2_back,PQb_back,PQ’b_backのいずれか)との画素間隔が大きくなれば(即ち、2×nになれば)、背景画素値(背景画素値Q,Q’,Q,Q’のいずれか)からの画素値の変化分が大きくなるように背景画素値Qt3,Qt4を算出し、背景画Rtu1~PRtu4と、背景画Rtu1~PRtu4に最も近い画像処理領域1内の背景画像(背景画Q2_back,PQ’2_back,PQb_back,PQ’b_backのいずれか)との画素間隔が小さくなれば(即ち、nになれば)、背景画素値(背景画素値Q,Q’,Q,Q’のいずれか)からの画素値の変化分が小さくなるように背景画素値Qt1,Qt2を算出する。
従来技術に基づいて推定した背景画像(図15(c)参照)から検証用画像(図14(a)参照)を引いた結果、図15(d)の画像が得られた。ここで、推定した背景画像と検証用画像の画素値は、最大で27737異なる。すなわち、正確に背景画像を算出することができない。
図20を参照して、補間対象の画素1,2が隣接して存在する。この場合、補間対象の画素1の画素値は、周辺画素1の画素値と、上述した画像処理フィルタ(奇数次元の画像処理フィルタまたは偶数次元の画像処理フィルタ)とを用いて式(2)または式(6)によって畳み込み演算を行って周辺画素の画素値を平均化した値を補間対象の画素値として補間する。また、補間対象の画素2の画素値は、周辺画素2の画素値と、上述した画像処理フィルタ(奇数次元の画像処理フィルタまたは偶数次元の画像処理フィルタ)とを用いて式(2)または式(6)によって畳み込み演算を行って周辺画素の画素値を平均化した値を補間対象の画素値として補間する。
図21は、画像処理領域2の背景画素値の別の算出方法を説明するための図である。図21を参照して、背景画Rtu1の背景画素値Rtu1は、背景画Qb2_backの背景画素値Qb2と、背景画Qa2_backの背景画素値Qa2とを用いて式(7)によって算出されてもよい。
背景画Qb2_backは、撮影領域の対角線の方向において、背景画Rtu1に最も近い背景画像であり、背景画Qa2_backは、撮影領域の対角線の方向において、背景画Rtu1に2番目に近い背景画像である。そして、背景画Qa2_backと背景画Qb2_backとの画素間隔、および背景画Qb2_backと背景画Rtu1との画素間隔は、((N+(N))1/2になる。従って、sは、背景画Qb2_backと背景画Rtu1との画素間隔(=((N+(N))1/2)を、撮影領域の対角線の方向における画素間隔(=((N+(N))1/2)で除算して“1”となる。
また、背景画Rtu4の背景画素値Rtu4も、背景画Qb2_backの背景画素値Qb2と、背景画Qa2_backの背景画素値Qa2とを用いて式(7)によって算出されてもよい。
背景画Qb2_backは、撮影領域の対角線の方向において、背景画Rtu4に最も近い背景画像であり、背景画Qa2_backは、撮影領域の対角線の方向において、背景画Rtu4に2番目に近い背景画像である。そして、背景画Rtu1と背景画Rtu4との画素間隔も、((N+(N))1/2になる。従って、sは、背景画Qb2_backと背景画Rtu2との画素間隔(=2×((N+(N))1/2)を、撮影領域の対角線の方向における画素間隔(((N+(N))1/2)で除算して“2”となる。
なお、背景画Rtu2の背景画素値Rtu2および背景画Rtu3の背景画素値Rtu3は、図8において説明した方法によって算出される。
図22において、6~8.5μmの波長範囲、8.5~9μmの波長範囲および9~12μmの波長範囲は、撮影用素子31が赤外線を検出することができる波長範囲λrange_1の一例である。また、5~7μmの波長範囲および11~13μmの波長範囲は、背景用素子32が赤外線を検出することができる波長範囲λrange_2の一例である。更に、8~10μmの波長範囲は、レンズ2の透過波長範囲λrange_3である。ここで、波長範囲λrange_1は、波長範囲λrange_2と一部が重複してもよい。
更に、この発明の実施の形態においては、背景画素PQ1_back,PQ2_back,PQ’1_back,PQ’2_backは、「第1の目的背景画像」を構成し、背景画2_back,P2’_backは、「第1の背景画像」を構成し、背景画素値P,P2’は、「第4の背景画素値」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、背景画Rtu1,PRtu2は、「第2の目的背景画像」を構成し、背景画Qb_back Q’b_backの各々は、「第2の背景画像」を構成し、背景画Q2_back,PQ’2_backの各々は、「第3の背景画像」を構成し、背景画素値Q,Q’の各々は、「第5の背景画素値」を構成し、背景画素値Qu1~Q 、「第6の背景画素値」を構成し、背景画素値Q,Q’の各々は、「第7の背景画素値」を構成し、背景画素値Rt1~Rt4は、「第8の背景画素値」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、背景画2_back,P2’_backの背景画素値を算出する処理は、「第3の処理」を構成し、背景画Rtu1,PRtu2の背景画素値を算出する処理は、「第4の処理」を構成する。

Claims (13)

  1. 2次元状に配置されかつ第1の波長範囲の電磁波を検出することができる第1の検出素子を含む第1の検出部と、
    2次元状に配置されかつ筐体内から放射される第2の波長範囲の電磁波における少なくとも1つの波長の電磁波を検出することができる第2の検出素子を含む第2の検出部と、
    前記第2の検出素子に対応して配置され、前記第2の波長範囲の電磁波を透過することができる第1の透過部材と、
    第3の波長範囲の電磁波を筐体外から筐体内へ透過させることができる第2の透過部材と、
    前記第1の検出部で検出された第1の検出値と前記第2の検出部で検出された第2の検出値とから画像情報を算出することができる算出部を備え、
    前記第1の波長範囲の少なくとも1つの波長は、前記第3の波長範囲の波長と重複し、
    前記第2の波長範囲は、前記第3の波長範囲と重複しない、カメラ。
  2. 前記第1および第2の検出素子は、撮影領域において相互に異なる位置に配置される、請求項1に記載のカメラ。
  3. 前記第1の検出素子は、前記第2の検出素子と同じ検出素子からなり、
    前記第1の検出素子には、波長フィルタが貼られており、
    前記波長フィルタの透過波長範囲は、前記第1の波長範囲と同じである、請求項1または請求項2に記載のカメラ。
  4. 前記第1の検出素子および前記第2の検出素子は、量子ドット型検出素子からなる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカメラ。
  5. 前記量子ドット型検出素子は、
    第1の電圧が印加され、対象物から放射される電磁波を前記第1の波長範囲の一部を少なくとも含む前記第3の波長範囲で検出する第1の量子ドット型検出素子と、
    前記第1の電圧と異なる第2の電圧が印加され、前記筐体内から放射される電磁波を前記第2の波長範囲で検出する第2の量子ドット型検出素子とを含む、請求項4に記載のカメラ。
  6. 前記第1の検出素子の個数と前記第2の検出素子の個数との比は、前記第1の検出素子の個数:前記第2の検出素子の個数=64:1以下である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカメラ。
  7. 前記算出部は、前記第2の検出値から得られた背景画像の画素値である第1の背景画素値に基づいて撮影領域の外側の領域である画像処理領域における背景画素値である第2の背景画素値を算出する第1の処理を実行し、前記第1および第2の背景画素値に基づいて前記第1の検出素子に対応する画像における背景画素値を補間して前記撮影領域の全域における背景画素値である第3の背景画素値を算出する第2の処理を実行し、前記第1の検出素子によって検出された撮影画像の画素値である撮影画素値に基づいて前記第2の検出素子に対応する画像における撮影画素値を補間して前記撮影領域の全域における撮影画素値を算出し、その算出した撮影画素値から前記第3の背景画素値を除いて前景画像を算出する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のカメラ。
  8. 前記第1の検出素子および前記第2の検出素子は、前記撮影領域においてN行N列の行列状に配列されており、
    前記画像処理領域は、k行N列の行列状に配列されたk×N個またはN行k列の行列状に配列されたN×k個の背景画像を含み、かつ、前記撮影領域の行または列に沿って配置された第1の画像処理領域と、k行k列の行列状に配列されたk×k個の背景画像を含み、かつ、前記撮影領域の対角線の延長線上に位置する第2の画像処理領域とを含み、
    前記算出部は、前記第1の処理において、前記第1の画像処理領域の背景画素値を算出すべき第1の目的背景画像と同じ行または列に配置され、かつ、前記第1の目的背景画像に最も近い前記撮影領域の背景画像を第1の背景画像としたとき、前記第1の背景画像と前記第1の目的背景画像との画像間隔である第1の画像間隔が大きくなれば、前記第1の背景画像の背景画素値である第4の背景画素値からの背景画素値の変化分が大きくなり、前記第1の画像間隔が小さくなれば前記第4の背景画素値からの背景画素値の変化分が小さくなるように前記第1の目的背景画像の背景画素値を算出する第3の処理を前記第1の画像処理領域内の全ての背景画像について実行するとともに、前記第2の画像処理領域の背景画素値を算出すべき第2の目的背景画像と同じ行に配置され、かつ、前記第2の目的背景画像に最も近い前記第1の画像処理領域の背景画像を第2の背景画像とし、前記第2の目的背景画像と同じ列に配置され、かつ、前記第2の目的背景画像に最も近い前記第1の画像処理領域の背景画像を第3の背景画像としたとき、前記第2の背景画像と前記第2の目的背景画像との画像間隔である第2の画像間隔が大きくなれば、前記第2の背景画像の背景画素値である第5の背景画素値からの背景画素値の変化分が大きくなり、前記第2の画像間隔が小さくなれば、前記第5の背景画素値からの背景画素値の変化分が小さくなるように第6の背景画素値を算出し、前記第3の背景画像と前記第2の目的背景画像との画像間隔である第3の画像間隔が大きくなれば、前記第3の背景画像の背景画素値である第7の背景画素値からの背景画素値の変化分が大きくなり、前記第3の画像間隔が小さくなれば、前記第7の背景画素値からの背景画素値の変化分が小さくなるように第8の背景画素値を算出し、前記第6の背景画素値と前記第8の背景画素値との平均を前記第2の目的背景画素の背景画素値として算出する第4の処理を前記第2の画像処理領域内の全ての背景画像について実行する、請求項7に記載のカメラ。
  9. 前記算出部は、前記第1の処理において、前記第3および第4の処理を実行した後にノイズ除去処理を更に実行する、請求項8に記載のカメラ。
  10. 前記電磁波は、赤外線である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のカメラ。
  11. 複数の第2の検出素子によって検出された背景画像の画素値である第1の背景画素値に基づいて撮影領域の外側の領域である画像処理領域における背景画素値である第2の背景画素値を算出する第1のステップと、
    前記第1および第2の背景画素値に基づいて複数の第1の検出素子に対応する画像における背景画素値を補間して前記撮影領域の全域における背景画素値である第3の背景画素値を算出する第2のステップと、
    複数の第1の検出素子によって検出された撮影画像の画素値である撮影画素値に基づいて前記複数の第2の検出素子に対応する画像における撮影画素値を補間して前記撮影領域の全域における撮影画素値を算出する第3のステップと、
    前記第3のステップにおいて算出された撮影画素値から前記第3の背景画素値を除いて前景画像を算出する第4のステップと、
    前記第1のステップの実行後かつ前記第2のステップを実行前に、前記第2の背景画素値に対して、ノイズ除去を実行する第5のステップとを備える画像処理方法。
  12. 複数の第2の検出素子によって検出された背景画像の画素値である第1の背景画素値と、複数の第1の検出素子によって検出された撮影画像の画素値である撮影画素値を受け付ける第1のステップと、
    前記第1の背景画素値に基づいて撮影領域の外側の領域である画像処理領域における背景画素値である第2の背景画素値を算出する第2のステップと、
    前記第1および第2の背景画素値に基づいて複数の第1の検出素子に対応する画像における背景画素値を補間して前記撮影領域の全域における背景画素値である第3の背景画素値を算出する第3のステップと、
    前記撮影画素値に基づいて前記複数の第2の検出素子に対応する画像における撮影画素値を補間して前記撮影領域の全域における撮影画素値を算出する第4のステップと、
    前記第4のステップにおいて算出された撮影画素値から前記第3の背景画素値を除いて前景画像を算出する第5のステップと、
    前記第2のステップの実行後かつ前記第3のステップを実行前に、前記第2の背景画素値に対して、ノイズ除去を実行する第6のステップとをコンピュータに実現させるためのプログラム。
  13. 請求項12に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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