JP2022021231A - 臼挽き装置 - Google Patents

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【課題】 粒度が精度良く均一に揃った粉砕物・粉体を得ることができる臼挽き装置を提供する。【解決手段】 第1の臼体110と、対面する第2の臼体120と、両者が対面し合った状態で両者の相対的回転運動が可能なように連結する中心軸130と、中心軸130を回転中心として第1の臼体110と第2の臼体120のいずれかまたは両者の相対的回転運動を行う回転機構140と、第1の臼体110と第2の臼体120のいずれかまたは両者に対面方向へ押圧する付勢弾性体160を備えた構成となっている。付勢弾性体160が複数個あり、それぞれの付勢箇所が中心軸130から所定距離の位置で、複数個の付勢弾性体160の付勢力が均等に印加されるよう分散されて配置されている。投入機構150により粉砕対象物を第1の臼体110と第2の臼体120の隙間に粉砕対象物を投入して粉砕物を得る。【選択図】 図1

Description

本発明は、茶葉や穀物などの食物、ペレットなどの工業化合物、漢方薬などの薬剤、塗料の顔料など、粉砕対象物を投入して臼によって細かく粉砕して粉砕物や粉体を得る臼挽き装置に関する。特に、粉砕物や粉体の粒度を均一にできる臼挽き装置に関する。
従来の一般的な臼挽き装置は、上臼の自重のみにて加圧するものが多かった。この種の臼挽き装置としては上臼と下臼とを備え、上臼を下臼上に載置した状態で上臼を回転させることにより上臼の下面と下臼の上面との対向面での面圧にて粉砕材料を挽くようにしたものである。上臼には重しを着脱自在に備えさせて、摺り合わせ面の面圧調整を行うものが知られている(特許文献1)。
図9は特許文献1に開示された臼挽き装置を簡単に示した図である。
図9に示すように、特許文献1に開示された臼挽き装置は、上臼ユニットと、下臼ユニットと、前記上臼ユニットと前記下臼ユニットとを同軸上で相対的に回転可能に支持しつつ摺接させる回転機構と、上臼ユニットと下臼ユニットとの摺接面の面圧を調整する加圧調整手段を設けた構造であり、この加圧調整手段として、下臼ユニット下部を支持する台座に立接された支柱と、前記上臼ユニットに取り付けられ、係合部を有する持上部と、一端が前記支柱に回転自在に取り付けられ、中間に前記持上部に設けられた前記係合部と移動自在に係合する係合部を有するアームと、前記アームの先端部に着脱自在、かつ、位置調整可能に取り付けられた重りとを備えた構造となっている。
また、加圧を上臼の自重のみではなく加圧用バネを併用して摺接面の加圧調整を行う臼挽き装置が知られている(特許文献2)。
図10は特許文献2に開示された臼挽き装置を簡単に示した図である。
図10に示すように、特許文献2に開示された臼挽き装置は、下臼1と上臼2との摺接面に下臼目立てヤスリ4および上臼目立てヤスリ3をそれぞれ固着し、この間隙を製粉粒の粒度に合わせて一定に保ちつつ、上臼2又は下臼1のいずれか一方を回転駆動されるように構成し、また、加圧用バネ6の圧力で調整できるように構成したものである。
また、加圧用バネとネジを併用して摺接面の加圧調整を行う臼挽き装置も知られている(特許文献3)。
図11は、特許文献3に開示された臼挽き装置を簡単に示した図である。
図11に示すように、特許文献3に開示された臼挽き装置は、下臼の中心位置に軸体が突出して配置され、上臼が下臼の上面で回転可能に配置されている石臼粉挽き装置であって、軸体に筒部材を付勢して上臼から下臼の上面にかかる上臼の自重による面圧の調整を行う面圧調整バネが組込まれた軸機構を備えた構造であり、軸機構は、軸体と、軸方向に貫通した雌ネジ部と、筒状体と、前記筒状体が挿通されて鍔部上に配置されるコイル状の面圧調整バネと、面圧調整バネの上側に配置され面圧調整バネの付勢により支持されて上臼を支持する筒部材と、雌ネジ部に螺合して軸体に対する筒状体の位置を可変設定する雄ネジを備えた構成となっている。
また、加圧用バネとネジを併用して摺接面の加圧調整を行う臼挽き装置において、手動で調整しやすいようにダイヤル式で加圧用バネの付勢やネジの高さを調整できるように工夫したものも知られている(特許文献4)。
図12は、特許文献4に開示された臼挽き装置を簡単に示した図である。
この特許文献4に開示された臼挽き装置はダイヤル式で加圧用バネの付勢やネジの高さを調整できるものであるが、大枠の構造的は特許文献3と同様である。
特開2005-185898号公報 特開平11-309382号公報 特開2007-185611号公報 特開2005-199243号公報
特許文献1の特開2005-185898号公報に記載された従来の臼挽き装置は、上臼に重しを着脱して摺り合わせ面の面圧調整を行うので、面圧調整の段階が粗く、細かな面圧調整ができにくい問題があった。また、上臼・下臼間の間隙をあけることができないので、必要な粒度の粉を挽くための面圧よりも高い面圧となる傾向が強く、石臼摺接面を過度に磨耗させてしまい、かつ均一な摩耗ではなく、摺接面において摩耗が進む箇所と摩耗が少ない箇所がまばらに現れてしまう問題があった。
特許文献2の特開平11-309382号公報に記載された臼挽き装置は、加圧用バネの圧力で面圧を調整するものであるが、加圧用バネが中心軸の軸上にかかるようにバネが中心に配設されたものである。上臼・下臼間の間隙をあけることができないため必要な粒度の粉を挽くための面圧よりも高い面圧となる傾向が強く、粉砕対象物の粉砕が進むうち、外周に向かうほどどうしても高低差の歪みが出てしまい、石臼摺接面を過度に磨耗させてしまい、やはり均一な摩耗ではなく、摺接面において摩耗が進む箇所と摩耗が少ない箇所がまばらに現れてしまう問題があった。
特許文献3の特開2007-185611号公報に記載された臼挽き装置は、加圧用バネの圧力で面圧を調整するものであるが、加圧用バネが中心軸の軸上にかかるようにバネが中心に配設され、上臼・下臼間の間隙をあけるためのネジ機構が設けられている改良がなされているので、摺接面に過度な摩耗が生じず、石臼摺接面を過度に磨耗させてしまうことがない。しかし、加圧用バネが中心軸に集中しているため、粉砕対象物の粉砕が進むうち、外周に向かうほど周回上にどうしても高低差の歪みが出てしまい、精度良く均一な粒度の粉砕物を得ることが難しい。
特許文献4の特開2005-199243号公報に記載された臼挽き装置も加圧用バネの圧力で面圧を調整するものであり、特許文献3と同様、加圧用バネが中心軸の軸上にかかるようにバネが中心に配設され、上臼・下臼間の間隙をあけるためのネジ機構が設けられている改良がなされているので、摺接面に過度な摩耗が生じず、石臼摺接面を過度に磨耗させてしまうことがない。しかし、加圧用バネが中心軸に集中しているため、粉砕対象物の粉砕が進むうち、外周に向かうほど周回上にどうしても高低差の歪みが出てしまい、精度良く均一な粒度の粉砕物を得ることが難しい。
上記問題を解決するために、本発明は、加圧用バネの圧力で面圧を調整するとともに、従来技術では問題となっていた周回上にどうしても生じやすかった摺接面における摩耗が進む箇所と摩耗が少ない箇所がまばらに現れてしまう問題、高低差の歪みの問題などを抑制し、粒度が精度良く均一に揃った粉砕物・粉体を得ることができる臼挽き装置を提供することを目的とする。
本発明の臼挽き装置は、第1の臼体と、前記第1の臼体と対面する第2の臼体と、前記第1の臼体と前記第2の臼体が対面し合う隙間に粉砕対象物を投入して粉砕物を得る臼引き粉砕装置であって、前記第1の臼体と前記第2の臼体を両者が対面し合った状態で両者の相対的回転運動が可能なように連結する中心軸と、前記中心軸を回転中心とし、前記第1の臼体と前記第2の臼体のいずれかまたは両者の相対的回転運動を行う回転機構と、前記第1の臼体と前記第2の臼体のいずれかまたは両者に前記対面方向へ押圧する付勢弾性体を備え、前記付勢弾性体が複数個あり、それぞれの付勢箇所が前記中心軸から離れた位置で前記中心軸から分散した位置であることを特徴とする臼引き粉砕装置である。
それぞれの付勢箇所としては中心軸から偏心した位置で分散していれば良い。例えばそれぞれの付勢箇所が中心軸から均等な距離であれば良い。中心軸近辺よりも臼体の外周縁近くの方が外周縁の付勢が均等になりやすい。臼体の外周縁の内側領域(臼体の上面)でも良く、外側領域(臼体の外側)でも良い。
付勢弾性体による付勢箇所については第1の臼体と第2の臼体のいずれかまたは両者の外周縁付近であれば良いが、それら複数の付勢弾性体による付勢の重心が中心軸の付近となるように分散して設けられていることが好ましい。
つまり、N個の付勢弾性体の配設位置がそれぞれ中心軸から均等な距離離れた位置に配設され、それらN個の重心が中心軸の近くになっておれば、臼の外周において複数の付勢弾性体によりバランスよく付勢されており、粉砕対象物の粒度が徐々に小さくなる外周に向けてより均一に粉砕されて行く。例えば、中心軸から均等な距離の位置に均等な角度開くように放射状に設けられておれば、外周縁の付勢が均等になりやすい。
従来技術では付勢弾性体を取り付ける場合には中心軸に集中していたため、粉砕対象物の粒度が徐々に小さくなる外周に向けて歪みが大きくなり、場合によっては摩耗が進んだ箇所と摩耗が少ない箇所がまだらになり、粉砕対象物の粒度が徐々に小さくなる外周に向けて粒度のばらつきが大きくなるが、本発明では外周縁において均等な付勢がかかるように工夫されており、そのような問題はない。
上記において、付勢弾性体による付勢箇所については、臼体の外周縁付近であれば良いが、少なくとも2つのパターンがある。
第1のパターンは、第1の臼体と第2の臼体のいずれかまたは両者の外周縁の内側とするパターンである。例えば、外周縁のやや数ミリ内側、数センチ内側など外周縁から内側までの距離は限定されない。
第2のパターンは、第1の臼体と第2の臼体のいずれかまたは両者と付勢弾性体との間に間挿される付勢力伝達体を用いるものであり、第1の臼体と第2の臼体のいずれかまたは両者の外周縁の内側領域と外側領域にまたがる範囲に付勢力伝達体を設け、付勢弾性体の付勢箇所が外側領域としたものである。
つまり、第1の臼体と第2の臼体の直上に複数の付勢弾性体を配設することは機構的な空間の制約から配設場所を確保できない場合があり得るが、付勢力伝達体を用いて、第1の臼体と第2の臼体の外側領域に付勢弾性体の配設場所を確保しておき、外側領域から付勢力を印加して付勢力伝達体を介して第1の臼体と第2の臼体のいずれかまたは両者の外周縁の内側領域へと伝達すれば、付勢弾性体の配設場所を十分に確保でき、設計の自由度が大きくなる。
第3のパターンは、第1の臼体と第2の臼体のいずれかまたは両者と付勢弾性体との間に間挿される付勢力伝達体を用いるものであり、第1の臼体と第2の臼体のいずれかまたは両者の外周縁の外側領域にまたがる範囲に付勢力伝達体を設け、付勢弾性体の付勢箇所が外側領域としたものである。
例えば、付勢力伝達体が鉢巻のように臼体の側面に嵌め込むように設けられて臼体と一体化しており、付勢力伝達体に付勢弾性体が配設されておれば、付勢弾性体の配設場所が臼体からみれば外側領域となる。
次に、付勢弾性体の個数とその配設位置について説明する。
付勢弾性体の個数としてはN個(Nを3以上の自然数)とすることができる。つまり3個以上とする。例えば、Nが3であれば、付勢弾性体が3個で、それぞれの付勢弾性体を第1の臼体または第2の臼体において放射状に3か所配設することができる。なお、本発明では、3か所に放射状に配置するとは、円周を三等分する角度(120度ずつの間隔)で放射状に設けても良く、また必ずしも円周をきちんと三等分した角度でなくとも相互に適度に開いた角度である場合も含まれる。相互に適度に開いた角度であれば付勢力の重心は中心軸近くとなり、臼体の外周縁にかかる力もバランス良くなる。
例えば、Nが4であれば、付勢弾性体が4個で、それぞれの付勢弾性体を第1の臼体または第2の臼体において放射状に4か所配設することができる。本発明において4か所に放射状に配置するとは、円周を四等分する角度(90度ずつの間隔)で放射状に設けても良く、また必ずしも円周をきちんと四等分した角度でなくとも相互に適度に開いた角度であれば良い。相互に適度に開いた角度であれば付勢力の重心は中心軸近くとなり、臼体の外周縁にかかる力もバランス良くなる。
例えば、Nが5であれば、付勢弾性体が4個で、それぞれの付勢弾性体を第1の臼体または第2の臼体において放射状に5か所配設することができる。本発明において5か所に放射状に配置するとは、円周を四等分する角度(72度ずつの間隔)で放射状に設けても良く、また必ずしも円周をきちんと五等分した角度でなくとも相互に適度に開いた角度であれば良い。相互に適度に開いた角度であれば付勢力の重心は中心軸近くとなり、臼体の外周縁にかかる力もバランス良くなる。
例えば、Nが6であれば、付勢弾性体が6個で、それぞれの付勢弾性体を第1の臼体または第2の臼体において放射状に6か所配設することができる。本発明において6か所に放射状に配置するとは、円周を六等分する角度(60度ずつの間隔)で放射状に設けても良く、また必ずしも円周をきちんと六等分した角度でなくとも相互に適度に開いた角度であれば良い。相互に適度に開いた角度であれば付勢力の重心は中心軸近くとなり、臼体の外周縁にかかる力もバランス良くなる。
例えば、Nが8であれば、付勢弾性体が8個で、それぞれの付勢弾性体を第1の臼体または第2の臼体において放射状に8か所配設することができる。円周を八等分する角度(45度ずつの間隔)で放射状に設けても良く、また必ずしも円周をきちんと八等分した角度でなくとも相互に適度に開いた角度であれば良い。相互に適度に開いた角度であれば付勢力の重心は中心軸近くとなり、臼体の外周縁にかかる力もバランス良くなる。
ここで、第1の臼体および第2の臼体は、上下水平に重ねる場合、どちらかが上臼体となれば他方が下臼体となる。なお、両者の対面が水平面に対して角度を有した斜面となるように重ねる場合もあり得る。その場合、どちらかが上斜め臼体となれば他方が下斜め臼体となる。また両者を左右垂直に合わせる場合もありうる。その場合、どちらかが左臼体となれば他方が右臼体となる。
付勢弾性体としては、ばね体、ゴム体などでも良く、さらに、電動アクチュエーターのように電気エネルギーを用いて弾性を疑似するものも含まれ得る。
なお、本発明において、第1の臼体と第2の臼体が対面し合う隙間の間隔を調整しつつ確保せしめる間隔調整体を設けることが好ましい。第1の臼体と第2の臼体が物理的に当接して擦り合うことは第1の臼体と第2の臼体の対向面が摩耗し合ってしまい、粉砕物の粒度も調整しづらいところ、間隔調整体を設けることで第1の臼体と第2の臼体が物理的には当接し合わず、予定された粒度が得られるように微細な間隔に調整することができ、精度の高い粒度に粉砕することができる。
次に、回転機構による第1の臼体および第2の臼体の相対的回転運動としても複数のパターンがあり得る。
例えば、相対的回転運動の第1のパターンとして、第1の臼体が静止し、第2の臼体が回転する相対的回転運動があり得る。この場合、付勢弾性体による付勢は静止されている第1の臼体に加えるパターンがある。運動している第2の臼体に加えるパターンもあり得る。
次に、例えば、相対的回転運動の第2のパターンとして、第1の臼体が回転し、第2の臼体が静止する相対的回転運動があり得る。この場合、付勢弾性体による付勢は静止されている第2の臼体に加えるパターンがある。運動している第1の臼体に加えるパターンもあり得る。
本発明の臼挽き装置の構造をごく簡単に図示したものである。 付勢弾性体160の個数と配置位置のさまざまなパターンを示す図である。 付勢弾性体160の数Nがさまざまなパターンである例を示す図である。 実施例1にかかる構成を備えた臼挽き装置100が稼働する様子を簡単に示す図である。 実施例2にかかる本発明の臼挽き装置100aの構造をごく簡単に図示したものである。 実施例2にかかる構成を備えた臼挽き装置100aが稼働する様子を簡単に示す図である。 実施例3の臼挽き装置100bの構成例を簡単に示す図である。 実施例3にかかる構成を備えた臼挽き装置100bが稼働する様子を簡単に示す図である。 特許文献1に開示された臼挽き装置を簡単に示した図である。 特許文献2に開示された臼挽き装置を簡単に示した図である。 特許文献3に開示された臼挽き装置を簡単に示した図である。 特許文献4に開示された臼挽き装置を簡単に示した図である。
以下、本発明の臼挽き装置の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態は一例に過ぎず本発明の技術的範囲を制限するものではない。
以下、実施例1として、第1の臼体が上臼で第2の臼体が下臼であり、間隔調整体を備え、付勢弾性体の数Nが3で、付勢弾性体による付勢箇所が第1の臼体の外周縁の内側であり、回転機構による相対的回転運動として第1の臼体が静止し、第2の臼体が回転する相対的回転運動である構成例を示す。
実施例2として、第1の臼体が上臼で第2の臼体が下臼であり、間隔調整体と付勢力伝達体を備え、付勢弾性体の数Nが4で、付勢弾性体による付勢箇所が付勢力伝達体を介して第1の臼体の外周縁の外側領域であり、回転機構による相対的回転運動として第1の臼体が静止され、第2の臼体が回転する相対的回転運動である構成例を示す。
実施例3として、第1の臼体が上斜め臼体で第2の臼体が下斜め臼体であり、間隔調整体と付勢力伝達体を備え、付勢弾性体の数Nが8で、付勢弾性体による付勢箇所が付勢力伝達体を介した第1の臼体の外周縁の外側領域に4つと、第2の臼体の外周縁の外側領域に4つあり、回転機構による相対的回転運動として第1の臼体および前記第2の臼体の両者が回転し、その回転方向が相互に同方向であるが、両者の回転速度が異なるものとなる構成例を示す。
上記実施例は一例であり、以下に示される構成要素は様々組み合わせることが可能であることは言うまでもない。
実施例1にかかる臼挽き装置を示す。
実施例1にかかる臼挽き装置は、第1の臼体が上臼で、第2の臼体が下臼で上下に2つの臼体が組み合わされており、それらの間隔を維持する間隔調整体を備えた構成である。付勢弾性体の数Nが3で、付勢弾性体による付勢箇所が第1の臼体の外周縁の内側であり、回転機構による相対的回転運動として第1の臼体が静止され、第2の臼体が回転する相対的回転運動である構成例を示す。
図1は本発明の臼挽き装置の構造をごく簡単に図示したものである。
図1(a)は臼挽き装置100の平面図(第1の臼体の上面から見た図)、図1(b)は臼挽き装置100の正面図(第1の臼体および第2の臼体を側面から見た図)である。本発明の特徴が分かりやすいようにごく簡単に示されており、筐体、周辺部材、周辺部品などは図示を省略している。
図1に見るように、本発明の臼挽き装置100は、第1の臼体110と、第2の臼体120と、中心軸130と、回転機構140と、投入機構150と、付勢弾性体160と、間隔調整体170を備えた構成となっている。
第1の臼体110と、第2の臼体120は、相互に対面し合う対向面を有している臼体である。それらの形状は限定されない。
例えば、典型的には両者とも円筒体であり、相互に対面し合う対向面が平面となったものがある。その平面である対向面同士を摺接させるように配置したものがある。
また例えば、相互に対面し合う対向面の一方が凸曲面であり、他方が凹曲面であり、それら凹凸の曲面同士が合致し合う形状であり、それら凹凸の曲面の対向面同士を摺接させるように配置したものがある。
また例えば、相互に対面し合う対向面の一方が凸円錐台面であり、他方が凹円錐台面であり、それら凹凸の円錐台面同士が合致し合う形状であり、それら凹凸の円錐台面の対向面同士を摺接させるように配置したものもあり得る。
ここでは一例として、両者とも円筒体であり、相互に対面し合う対向面が平面となったものとする。第1の臼体110と第2の臼体120を上下に重ねるように対向させた構造とし、この例では第1の臼体110が上臼体、第2の臼体120が下臼体となっている。
第1の臼体110と、第2の臼体120の素材は限定されない。例えば、石素材がある。また、ステンレス鋼、鋼鉄、チタン合金などの硬質の金属素材、硬質セラミックス素材など、さらにその他のミル装置に使用される素材であれば適用することができる。
中心軸130は、第1の臼体110と第2の臼体120の両者が対面し合った状態で第1の臼体110と第2の臼体120のいずれか一方に連結、または両者に共通して連結する軸である。両者の相対的回転運動が可能なように少なくとも第1の臼体110と第2の臼体120の一方が他方に対して回動可能に連結されている。
中心軸130と第1の臼体110と第2の臼体120の連結構造としては限定されない。少なくとも複数のパターンがあり得る。
例えば、回動する臼体と中心軸130を一体化した連結構造がある。回動する側の臼体と中心軸130が一体化され、中心軸130ごと軸心を回転中心として回動する臼体も回転する仕組みであっても良い。また、例えば、回動する側の臼体と中心軸130がクラッチ機構やギア機構などの伝導機構で連結されている連結構造もある。なお、この実施例1では、回動する臼体が下臼体である第2の臼体120のみである例となっているので、中心軸130が下臼体である第2の臼体120に連結されている例でも良い。上臼体である第1の臼体110は静止しているので中心軸130との同心軸が保たれておれば必ずしも上臼体である第1の臼体110と中心軸130とは連結された状態でなくとも良い。図1においても、上臼体である第1の臼体110には中心軸130が直接連結されていない構成例となっている。
なお、中心軸130の素材も限定されないが、硬質の金属素材、例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、チタン合金などで良い。さらにその他の工業用軸棒体に使用される素材であれば適用することができる。
回転機構140は、中心軸130を回転中心とし、第1の臼体110と第2の臼体120のいずれかまたは両者の相対的回転運動を行う機構である。
回転機構140は、回動する臼体(第1の臼体110と第2の臼体120のいずれかまたは両者の回動する臼体)に対して回転トルクを与えるトルク伝達機構を備えている。図示しないが、中心軸130と回動する臼体が一体化した構造であれば中心軸130に回転トルクを与えれば良い。クラッチ機構やギア機構で連結されている場合も、回転機構140が与える駆動力がクラッチ機構やギア機構を介して回動する臼体(第1の臼体110と第2の臼体120のいずれかまたは両者の回動する臼体)に対して回転トルクとして伝導されるものであれば良い。
回転機構140の駆動力は限定されないが、モーター等の電気エネルギーを回転エネルギーに変換するものでも良い。またエンジン等で得られる回転トルクをギア機構やベルト機構を介して回転トルクを伝達するものであっても良い。図1では第2の臼体120の下方にモーターを搭載して中心軸130にモーターを直結させた例となっている。
この実施例では、下臼側が回転する構成例となっている。もし、下臼が静止し、上臼が回転するものであれば、粉砕された粉体を外周側へ押し出す力は、後続の粉砕対象物が粉砕されて粉体が生じることによって後続の粉体から受ける圧力のみであるが、この実施例1にかかる臼挽き装置であれば、逆に上臼が静止し、下臼が回転するものであるので、もともと下臼の面内にある粉砕済みの粉体には回転による遠心力が働いており、この遠心力と後続の粉体から受ける圧力の合算が粉体を外周側へ押し出す力となり、効率よく粉砕済みの粉体が外周から排出できる構造となっている。
投入機構150は、第1の臼体110と第2の臼体120が対面し合う隙間に粉砕対象物を投入するホッパーである。投入機構150は第1の臼体110と第2の臼体120が対面し合う隙間に粉砕対象物を投入できる仕組みであれば良く特に限定されないが、例えば、投入機構150は、上臼体(ここでは第1の臼体110)の一部に上下方向に貫通孔が開けられた構成でも良い。この貫通孔から茶葉や穀物などの粉砕対象物を投入すれば、第1の臼体110と第2の臼体120が対面し合う隙間に落下する仕組みとなっている。この例では、投入機構150は、上臼体である第1の臼体110の一部に上下方向に開けられた貫通孔と、この貫通孔に対して所定量の粉砕対象物が所定ペースで手動または機械的に投入するホッパー機構を備えたものとする。
なお、投入機構150の配設位置は限定されないが、図1の例では、中心軸130に沿って上臼体(ここでは第1の臼体110)の中央に設ける構成となっている。なお、投入機構150の貫通孔を上臼体の中央から偏心した位置に設ける構成も可能である。
次に、付勢弾性体160について説明する。
付勢弾性体160は、第1の臼体110と第2の臼体120のいずれかまたは両者に対して、それらの対面方向へ押圧する付勢力を与えるものである。
図1では、付勢弾性体160はばね状の弾性体として図示されており、下向きに弾性力を付与するべく付勢弾性体160のばね長を縮小させて維持する手段は図示を省略しているがその手段は限定されない。例えば、付勢弾性体160の上方にある筐体や部材から押圧用の部材を配設し、付勢弾性体160を押圧用の部材で押し下げる手段がある。その押圧用の部材の高さをネジ部材の螺合により微調整したりするものでも良い。
付勢弾性体160の素材としては、ばね体、ゴム体などの弾性体で良く、さらに、電動アクチュエーターのように電気エネルギーを用いてアクチュエーターで弾性を疑似した付勢力を与えるものも含まれ得る。
付勢弾性体160を用いるメリットはさまざまある。
付勢弾性体160を用いる第1のメリットは、臼挽きに要求される面圧を得る上で、臼体の自重による重量と付勢弾性体160による付勢力の合力とできる点が挙げられる。
上臼体である第1の臼体110を軽いものとして扱いやすくしつつ、臼挽きに要求される面圧としての不足分を、付勢弾性体160の付勢力により補うことができる。この付勢弾性体160により、小さな荷重の軽い上臼体でも、大きな荷重を持つ上臼体と対等の粉砕能力を得ることができる。
例えば、茶葉を抹茶粉にするために臼挽きに要求される面圧を得るために、従来の石素材の上臼体で直径30cm程度のものであれば、重量が40kg前後必要とされている。本発明の臼挽き装置100では付勢弾性体160の力で荷重を補うことができるため、上臼体は5kgから10kg程度の重量のものを採用することができる。不足している30kgから35kgの荷重は付勢弾性体160の付勢力により補うことができる。
従来では荷重の大きな臼体は扱いづらく重労働であったが、本発明の臼挽き措置100では、上臼体である第1の臼体110自体は5kgから10kg程度の重量とすることができ、付勢弾性体160を外せば、粉砕面の掃除や装置のメンテナンスが楽になり、作業性を大きく向上させることができる。
次に、付勢弾性体160を用いる第2のメリットは、臼挽きに要求される荷重を自在に調整できるメリットである。本発明の臼挽き措置100では、付勢弾性体160の個数や1つ1つの付勢力を可変調整することができ、多様な面圧を利用することができる。従来であれば、上臼体自体を取り替える必要があったが、上臼体である第1の臼体110自体は同じものを兼用することができる。
次に、付勢弾性体160を用いる第3のメリットは、その個数とそれらの配置位置を自在に調整することを通じて、臼体に対して均等な荷重の印加がしやすいメリットである。
付勢弾性体160の個数と配置位置について述べる。
本発明では、付勢弾性体160が複数個用いられる。またそれぞれの付勢箇所が中心軸130から距離R1の位置であり、それぞれが中心軸130から偏心している。
図1に示した構成例では、付勢弾性体160の個数が4つの例となっている。また、付勢弾性体160が中心軸130の近くに集中しておらず、中心軸130から距離(たとえばR1)の位置で放射状に設けられている。
粉砕対象物の粉砕が進み、粉体が円周方向に外方へ排出されるが、もし、付勢弾性体160が中心軸130の近くに集中していると、外周の全方向に均一に付勢力を印加するのは容易ではなく、強弱が生じるおそれがあり歪みも発生しやすい。そのため粉体の排出量が偏った状態で流れができてしまい間隙を押し広げ粉砕粒度が安定しない結果となる。
図1に示した本発明の臼挽き装置100では、4つの付勢弾性体160を放射状に四隅に配置することにより上臼体である第1の臼体110を下臼体である第2の臼体120に外周縁近くで均等に押さえつけることで均等な付勢力の配分ができる。
なお、さらなる工夫として、付勢弾性体160の配設箇所を、付勢力伝達体を介して、臼体自体の大きさよりも外側とする工夫も可能であるが、これは実施例2において述べる。
付勢弾性体160の個数と配置位置はさまざまなパターンがある。
図2(a)は、付勢弾性体160-1~付勢弾性体160-4がそれぞれ90度ずつの間隔で開いている例である。つまり、付勢弾性体160-1~付勢弾性体160-4の付勢箇所がいわゆる正方形の角に相当する位置となっている。つまり、均等に四等分された位置に放射状に配置されている。
図2(b)は付勢弾性体160-1~付勢弾性体160-4が開いている角度が90度ずつ均等ではなく、付勢弾性体160-1と付勢弾性体160-2の角度と、付勢弾性体160-3と付勢弾性体160-4の角度が等角であるが90度より大きく、付勢弾性体160-2と付勢弾性体160-3の角度と、付勢弾性体160-4と付勢弾性体160-1の角度が等角であるが90度より小さくなっている。付勢弾性体160-1~付勢弾性体160-4の付勢箇所がいわゆる直方体の角に相当する位置となっている。つまり、均等に四等分されていない位置であるが4つバランス良く分散配置されており、付勢弾性体160-1~付勢弾性体160-4による付勢の重心が中心軸130の近辺となるように分散して設けられている。
図2(a)と図2(b)を比べると、付勢力の均一印加という観点では図2(a)の方が好ましいが、図2(b)もそれぞれ開いた角度が90度より大きく外れずにバランスの良い許容し得る範囲の付勢力の印加であれば採用できる。
上記図2の例では、付勢弾性体160が4個の例であるが、付勢弾性体160の数Nは3以上の自然数とすることができる。N個の付勢弾性体160が中心軸130からバランスよく分散して設けられていれば良い。なお、ここでは、N等分された角度で配置された放射状に均等な角度で開いているもののみならず、N個がバランス良く分散していれば適度な間隔で開いているものも含まれる。
図3は、付勢弾性体160の数Nがさまざまなパターンである例を示した図である。
図3(a)は付勢弾性体160の数Nが3の例である。図3(a)に示すように、3つの付勢弾性体160が中心軸130から放射状に設けられている。この例では、付勢弾性体160-1~付勢弾性体160-3の付勢箇所がいわゆる正三角形の角に相当する位置となっているが、120度ごとではなく適度なバランスで分散されていれば、多少角度の開きがばらついていても良い。
図3(b)は付勢弾性体160の数Nが5の例である。図3(b)に示すように、5つの付勢弾性体160が中心軸130から放射状に設けられている。この例では、付勢弾性体160-1~付勢弾性体160-6の付勢箇所がいわゆる正五角形の角に相当する位置となっているが、72度ごとではなく適度なバランスで分散されていれば、多少角度の開きがばらついていても良い。
図3(c)は付勢弾性体160の数Nが6の例である。図3(c)に示すように、6つの付勢弾性体160が中心軸130から放射状に設けられている。この例では、付勢弾性体160-1~付勢弾性体160-6の付勢箇所がいわゆる正六角形の角に相当する位置となっているが、60度ごとではなく適度なバランスで分散されていれば、、多少角度の開きがばらついていても良い。
図3(d)は付勢弾性体160の数Nが8の例である。図3(d)に示すように、8つの付勢弾性体160が中心軸130から放射状に設けられている。この例では、付勢弾性体160-1~付勢弾性体160-8の付勢箇所がいわゆる正八角形の角に相当する位置となっているが、45度ごとではなく適度なバランスで分散されていれば、多少角度の開きがばらついていても良い。
次に、付勢力を加える臼体と付勢弾性体160との関係について述べる。
付勢力を加える臼体としては、第1の臼体110、第2の臼体120のいずれか一方に加える場合もあり得るし、第1の臼体110と第2の臼体120の両者に加える場合もあり得る。いずれのケースでも、第1の臼体110と第2の臼体120が対向し合う方向に印加する。
ここで、臼体はいずれか一方または両者が回転機構140の駆動力により回動するところ、付勢力を加える臼体としては、静止している臼体でも回動している臼体でも良いが、静止している臼体があれば、当該静止している臼体に付勢弾性体160を付勢する方が構造的には簡便である。この例では、上臼体である第1の臼体110が静止しているので、第1の臼体110の上面(対向面とは反対側の面)に対して付勢弾性体160が配設されている例とし、上から下の方向に向けて付勢力が印加されるものとする。つまり、図1に示した構成例では、上臼体である第1の臼体110が静止しているので、付勢弾性体160との間で摩耗が生じず、動摩擦力が影響することもない。
この例では、上臼体である第1の臼体110と付勢弾性体160は直接当接し合う構成例であるが、実施例2に述べるように、間に付勢力伝達体180を間挿する構成も可能である。これは実施例2で述べる。
次に、間隔調整体170について述べる。
間隔調整体170は、第1の臼体110と第2の臼体120が対面し合う隙間の間隔を調整しつつ確保せしめる部材である。上臼である第1の臼体110を下臼体である第2の臼体120に押さえつける付勢弾性体160に対して、間隔調整体170は中心軸130付近に配されており、上臼体である第1の臼体110に下方から当接して上方に支持し、下臼との間隙を調整できるものである。
間隔調整体170の働きとしては、第1の臼体110と第2の臼体120が対面し合う隙間の間隔を粉砕対象物の粒度に応じた微細なものに調整するとともに、第1の臼体110と第2の臼体120が直接当接し合わないようにすることが挙げられる。間隔調整体170の存在により第1の臼体110と第2の臼体120が直接当接し合わず、かつ、その間隙を自在に調整できる。間隙の距離は粉砕対象物を粉砕する粒度に応じて調整すればよい。つまり、粉砕対象物には間隔調整体170により設定した細かさまで粉砕する大きな面圧が印加されるため、所定の粒度に加工することができる。
従来であれば粒度に応じて異なる臼を用いる必要があったが、本発明の臼挽き装置100であれば、1つの装置で多様な粒度に対応することができる。また、第1の臼体110と第2の臼体120が直接当接せずに一定の間隙を維持できるため、粉挽き時や空挽き時に第1の臼体110と第2の臼体120ともに摩耗することがない。
図4は、以上説明した実施例1にかかる構成を備えた臼挽き装置100が稼働する様子を簡単に示す図である。
図4では、臼挽き装置100が稼働する様子を分かりやすくするため、一部の部材、筐体、周辺の機構などは図示を省略している。
図4に示すように、上臼体である第1の臼体110は静止しており、下臼体である第2の臼体120が回転している。付勢弾性体160により略均等に上臼体である第1の臼体110が下方向に印加されており、第1の臼体110と第2の臼体120の摺接面にかかる面圧が調整され、間隙調整体170により所定の粒度に対応するように摺接面の距離が調整されている。
投入機構150から次々と投入された粉砕対象物が粉砕され、生成された粉体が下臼体である第2の臼体120の遠心力と後続の粉体の圧力により外周縁から排出される。
実施例2として、第1の臼体が上臼で第2の臼体が下臼であり、実施例1の構成に加えて付勢力伝達体180を備え、付勢弾性体の数Nが4で、付勢弾性体による付勢箇所が付勢力伝達体を介して第1の臼体の外周縁の外側領域であり、回転機構による相対的回転運動として第1の臼体が静止され、第2の臼体が回転する相対的回転運動である構成例を示す。
以下、実施例1と同様の構成についての説明は適宜省略する。
図5は実施例2にかかる本発明の臼挽き装置100aの構造をごく簡単に図示したものである。
図5(a)は臼挽き装置100aの平面図(第1の臼体の上面から見た図)、図5(b)は臼挽き装置100aの正面図(第1の臼体および第2の臼体を側面から見た図)である。なお、付勢力伝達体180、鍔181、筐体190については、部材同士の関係性を示すため、図5(a)のA-A断面として描かれている。
本発明の特徴が分かりやすいようにごく簡単に示されており、筐体、周辺部材、周辺部品などは図示を省略している。
図5に見るように、本発明の臼挽き装置100aは、第1の臼体110と、第2の臼体120と、中心軸130と、回転機構140と、投入機構150と、付勢弾性体160と、間隔調整体170に加え、付勢力伝達体180を備えた構成となっている。この構成例では、第1の臼体110の上面には周縁を覆うような鍔181が装着されている例となっている。
付勢力伝達体180は、第1の臼体110と第2の臼体120のいずれかまたは両者と付勢弾性体160との間に間挿される部材であり、第1の臼体110と第2の臼体120のいずれかまたは両者の外周縁の外側領域にまたがる範囲に設けられている。この実施例では、付勢力伝達体180は、上臼である第1の臼体110と付勢弾性体160との間に間挿されている部材である。この例では下臼には付勢力伝達体180が配設されていない。
鍔181は、第1の臼体110の上面の周縁を覆うものである。例えば、第1の臼体110が石素材である場合、第1の臼体110に鍔111をかぶせることにより石素材の角を保護し、石が剥き出しの状態で使用するよりも扱いやすくなる。
ここで、鍔181は付勢力伝達体180の一部として説明する。なお、鍔181は第1の臼体110と一体化しているとして、第1の臼体110の一部とみることも可能である。ここでは、鍔181は付勢力伝達体180の一部として説明する。
この構成例では、図5(a)に示すように、上臼体である第1の臼体110と付勢力伝達体180との位置関係において、付勢力伝達体180は第1の臼体110の外周縁の内側領域から外側領域にはみ出るように設けられている。
なお、鍔181を付勢力伝達体180の一部とみても、付勢力伝達体180(鍔181を含む)は第1の臼体110(鍔181を含まない)の外周縁の内側領域から外側領域にはみ出るように設けられており、かりに鍔181を第1の臼体110と一体化した第1の臼体110の一部とみても、付勢力伝達体180(鍔181を含まない)は第1の臼体110(鍔181を含む)の外周縁の内側領域から外側領域にはみ出るように設けられていることとなる。
なお、付勢力伝達体180の底面の形状は付勢力が伝達されれば良く、例えば平面でよい。付勢弾性体160の付勢箇所は付勢力伝達体180を介して付勢力伝達体180の外側領域にある。つまり、付勢弾性体160の付勢力を、直接第1の臼体110に印加するのではなく、第1の臼体110の外側から付勢力伝達体180を介して印加するものである。
付勢力伝達体180を介在させる第1のメリットとしては、付勢弾性体160を臼体自体の寸法より大きく外側に均等に配置することにより、さらに上臼体である第1の臼体110にかかる付勢力を均等に分散させて安定させることができる点が挙げられる。つまり、付勢弾性体160を上臼体である第1の臼体110に直接印加すると1つの力点として点で印加される。付勢力伝達体180を介在させると、付勢力伝達体180と上臼体である第1の臼体110の当接面、つまり、大きな平面として印加することができ、さらに均等に分散された付勢力を得ることができる。
製造効率が良く、粒度の精度を向上することができる。
付勢力伝達体180を介在させる第2のメリットとしては、付勢弾性体160を配置する空間を広く確保できる点が挙げられる。上臼体である第1の臼体110の直径自体は限定されないものの、例えば、30cm~50cmであれば、すべての個数の付勢弾性体160を、その臼体の直径の中においてある程度均等に配置すると、付勢弾性体160の付勢力の調整機構、例えば、ばねの伸縮長さを調整する機構(図示せず)の周辺装置もあり、配置するスペースが十分確保しにくい場合などもあり得るが、付勢力伝達体180を介在させれば、付勢弾性体160をさらに外方に配置することができ、さまざまな装置の配置スペースを確保しやすくなる。
図5の例では、4つの付勢弾性体160の付勢箇所は、付勢力伝達体180を介在させて、第1の臼体110の外周縁よりも外側領域にあり、かつ、90度ずつの角度ではなく、図2(b)に示すように、均等に4等分されていない位置であるが4つ分散して配置されている。なお、4つの付勢弾性体160による付勢の重心が中心軸130の位置となるように分散して設けられている例となっている。
図6は、実施例2にかかる構成を備えた臼挽き装置100aが稼働する様子を簡単に示す図である。
図6では、筐体や周辺の機構などは図示を省略している。
図6に示すように、上臼体である第1の臼体110は静止しており、下臼体である第2の臼体120が回転している。付勢力伝達体180を介在して外周領域から付勢弾性体160により略均等に上臼体である第1の臼体110が下方向に印加されている。
投入機構150から次々と投入された粉砕対象物が粉砕され、生成された粉体が下臼体である第2の臼体120の遠心力と後続の粉体の圧力により外周縁から排出される。
実施例3として、第1の臼体110と第2の臼体120の対向面が水平面に対して角度を有した斜面または垂直面となっている例を説明する。
一例として、実施例1と同様の構成において、第1の臼体110と第2の臼体120の対向面が水平面に対して正面方向に角度を有した斜面を形成したものとなっている。
この例では、回転機構140による相対的回転運動として、第1の臼体110が静止状態、第2の臼体120が回転する例となっている。
以下、実施例1から実施例3と同様の構成についての説明は適宜省略する。
図7は、実施例3の臼挽き装置100bの構成例を簡単に示す図である。
図7では、筐体や周辺の機構などは図示を省略している。
図7は本発明の臼挽き装置100bの構造をごく簡単に図示したものである。
図7(a)は臼挽き装置100bの正面図(第1の臼体および第2の臼体を正面から見た図)、図7(b)は臼挽き装置100bの右側面図(第1の臼体および第2の臼体を右側面から見た図)である。本発明の特徴が分かりやすいようにごく簡単に示されており、筐体、周辺部材、周辺部品などは図示を省略している。
図7に見るように、本発明の臼挽き装置100bは、第1の臼体110と、第2の臼体120と、中心軸130と、回転機構140と、投入機構150と、付勢弾性体160と、間隔調整体170を備えた構成となっている。
図7に示すように、実施例3の臼挽き装置100bは、第1の臼体110と第2の臼体120が斜めに対向している。
このように、臼体が斜めであるメリットとしては、粉体の排出方向をコントロールできるメリットがある。一般に水平面で臼挽き装置であれば、粉体が基本的に全外周方向から均一に排出される。つまり、装置に対して操作員が操作する側を正面とすると、装置の内面側にも均等に粉体が排出されることとなり、粉体を受けるスタッカが大きくなり、メンテナンス作業時に内面側の粉体の清掃などが生じやすい。一方、第1の臼体110と第2の臼体120の対向面の傾きが、操作員が操作する正面側が下となるように斜めになっていれば、臼挽き処理で粉砕された粉体が押し出されて行く過程において、重力の影響で正面方向に排出される割合が増え、粉体を受けるスタッカを小型することができ、メンテナンス作業時に内面側の粉体の清掃量などを抑制することができる。
図8は、実施例3にかかる構成例を備えた臼挽き装置100bが稼働する様子を簡単に示す図である。
図8では、筐体や周辺の機構などは図示を省略している。
図8に示すように、上斜め臼体である第1の臼体110、下斜め臼体である第2の臼体120とも、操作員が操作する正面方向を下として傾いている。
投入機構150から次々と投入された粉砕対象物が粉砕され、臼挽きされた粉体が、重力と、下臼体である第2の臼体120の遠心力と、後続の粉体の圧力により前方の外周縁から多く排出される。
以上、本発明の臼挽き装置の好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明の臼挽き装置は、茶葉や穀物などの食物、ペレットなどの工業化合物、漢方薬などの薬剤、塗料の顔料など、粉砕対象物を投入して臼によって細かく粉砕して粉砕物や粉体を得る臼挽き装置として適用することができる。
100 臼挽き装置
110 第1の臼体
120 第2の臼体
130 中心軸
140 回転機構
150 投入機構
160 付勢弾性体160
170 間隔調整体
180 付勢力伝達体
190 筐体

Claims (10)

  1. 第1の臼体と、前記第1の臼体と対面する第2の臼体と、前記第1の臼体と前記第2の臼体が対面し合う隙間に粉砕対象物を投入して粉砕物を得る臼挽き装置であって、
    前記第1の臼体と前記第2の臼体を両者が対面し合った状態で両者の相対的回転運動が可能なように連結する中心軸と、
    前記中心軸を回転中心とし、前記第1の臼体と前記第2の臼体のいずれかまたは両者の相対的回転運動を行う回転機構と、
    前記第1の臼体と前記第2の臼体のいずれかまたは両者に前記対面方向へ押圧する付勢弾性体を備え、
    前記付勢弾性体が複数個あり、それぞれの付勢箇所が前記中心軸から離れた位置で前記中心軸から分散した位置であることを特徴とする臼引き粉砕装置。
  2. 前記付勢弾性体による付勢箇所が前記第1の臼体と前記第2の臼体のいずれかまたは両者の外周縁付近であり、複数の前記付勢弾性体による付勢の重心が前記中心軸の付近となるように分散して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の臼引き粉砕装置。
  3. 複数の前記付勢弾性体による付勢箇所が前記中心軸から放射状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の臼挽き装置。
  4. 前記第1の臼体と前記第2の臼体が対面し合う隙間の間隔を確保せしめる間隔調整体を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の臼挽き装置。
  5. 前記間隔調整体の高さを可変とし、前記第1の臼体と前記第2の臼体の前記隙間の間隔を可変とする間隔調整機構を設けたことを特徴とする請求項4に記載の臼挽き装置。
  6. 前記付勢箇所が、前記第1の臼体と前記第2の臼体のいずれかまたは両者の外周縁の内側であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の臼挽き装置。
  7. 前記第1の臼体と前記第2の臼体のいずれかまたは両者と前記付勢弾性体との間に間挿され、前記第1の臼体と前記第2の臼体のいずれかまたは両者の外周縁の外側領域にまたがる範囲に設けられた付勢力伝達体を備え、
    前記付勢弾性体の前記付勢箇所が前記外側領域であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の臼挽き装置。
  8. Nを3以上の自然数とし、前記付勢弾性体がN個あり、前記付勢弾性体がN箇所に配設されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の臼挽き装置。
  9. 前記回転機構による前記相対的回転運動が、前記第1の臼体が静止し、前記第2の臼体が回転する相対的回転運動であり、前記付勢弾性体による付勢が前記第1の臼体に加えられていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の臼挽き装置。
  10. 前記第1の臼体と前記第2の臼体の対面が水平面、または水平面に対して角度を有した斜面、または垂直面であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の臼挽き装置。
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