JP2022020016A - 粘着シート - Google Patents

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早紀子 樋出
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Abstract

【課題】機能性を有し、曲面等を含む被着体に貼り付けても不具合が生じにくい粘着シートを提供する。【解決手段】粘着シート10は、基材7と、基材7の一方の面に設けられた機能層9と、基材7の他方の面に設けられた粘着剤層1とを備える。JIS Z0237に従って測定された前記粘着剤層のステンレス板(SUS304 BA板)に対する24時間後の粘着力が、23℃、50%RHの条件で4.5N/25mm以上9N/25mm以下であり、ABS樹脂により形成された直径20mmの円柱を被着体として、幅30mmで巻き付け方向の長さが44mmの試験片を貼り付けて行うエッジリフト試験を行う場合、80℃で24時間経過した時の値が3mm以下である。【選択図】図1

Description

本明細書に開示された技術は、機能層を備えた粘着シートに関する。
医療が発達した現代においても、時として細菌やウイルスによる感染症が流行することがある。感染症の主要な感染経路の1つとして、接触感染が挙げられる。接触感染は、階段の手すりやドアノブ等、不特定多数の者が触れる物を介して手指に付着した病原体が口や鼻から入ることで発生する場合が多い。しかしながら、病原体が視認できないこともあり、こまめに手洗いやうがいを行っていても接触感染を完全に防ぐことは難しい。
特許文献1には、抗微生物性を有するタッチパネル用表面保護フィルムが記載されている。また、特許文献2には、可撓性高分子フィルム基材と、その上に形成された抗菌性金属薄膜とを含む抗菌フィルムが記載されている。
実登3163574号 特開2010-247450号公報
接触感染の予防を目的とする場合、抗菌フィルムをドアノブや手すりのような曲面を持つ被着体に貼ることが多い。この場合、タッチパネル等の平坦な被着体に貼り付ける場合に比べて抗菌フィルムが端部から剥がれてくることがある。また、効果が無くなったり表面が汚れた場合には交換する必要があるが、抗菌フィルムの粘着力を上げて剥離や脱落を防ごうとすると、粘着剤が被着体に残る可能性が高くなる。パンデミック対策として一時的に抗菌フィルムをドアノブ等に貼り付ける場合、平常時には剥がすことになるが、被着体に粘着剤が残っていると、使用者に不快感を生じさせるだけでなく、被着体に病原体や汚れを付着させやすくなってしまう。このような不具合は、抗菌フィルムだけでなく抗ウイルス性を有するフィルムや消臭フィルム等、公衆衛生に関連し、粘着剤層を備えた機能性フィルムに共通に生じうる。
特許文献1、2には接触感染を防止するために抗菌フィルムを使用することが記載されてはいるが、平坦でない被着体に貼り付けることについては何ら記載されていない。
上記課題に鑑みて、本発明の目的は、機能性を有し、曲面等を含む被着体に貼り付けても不具合が生じにくい粘着シートを提供することにある。
本明細書に開示された粘着シートの一例は、基材と、基材の一方の面に設けられた機能層と、基材の他方の面に設けられた粘着剤層とを備える。JIS Z0237に従って測定された前記粘着剤層のステンレス板(SUS304 BA板)に対する24時間後の粘着力が、23℃、50%RHの条件で4.5N/25mm以上9N/25mm以下であり、ABS樹脂により形成された直径20mmの円柱を被着体として、幅30mmで巻き付け方向の長さが44mmの試験片を貼り付けて行うエッジリフト試験を行う場合、80℃で24時間経過した時の値が3mm以下である。
本明細書に開示された粘着シートによれば、少なくとも一部が曲げられた状態で使用された場合でも、剥がれや糊残り等の不具合が生じにくくなっている。
図1は、本開示の実施形態に係る粘着シートの断面図である。 図2は、本開示の実施形態に係る粘着シートの別の例を示す断面図である。 図3は、本開示の他の実施形態に係る粘着シートが貼付されたマスクを示す斜視図である。
本明細書において、「機能層」とは、抗菌効果、抗ウイルス効果、防カビ効果、消臭効果、防虫効果等の機能のうち少なくとも1つを発揮する層を意味するものとする。
-粘着シートの構成-
図1は本明細書に開示された粘着シートの一例を示す断面図である。同図に示すように、粘着シート10は、シート状の基材7と、基材7の一方の主面(第一面)上に設けられた機能層9と、基材7の他方の主面(第二面)上に設けられた粘着剤層1と、粘着剤層1の基材7とは反対側の面上に貼り付けられた剥離ライナー3とを備えている。
粘着シート10は、80℃で240時間経過した時の耐反発性試験(エッジリフト試験)での測定値が3mm以下となっている。また、JIS Z0237に従って測定された前記粘着剤層のステンレス板(SUS304 BA板)に対する24時間後の粘着力が、23℃、相対湿度(RH)50%の条件で4.5N/25mm以上9N/25mm以下となっている。粘着力は7N/25mm以下であってもよい。
この構成により、被着体が曲面を有する等、粘着シート10が曲げられた状態で使用される場合であっても、被着体によく追従して剥がれにくく、且つ糊残りがしにくくなっている。このため、機能層9が例えば抗菌・抗ウイルス作用を持っている場合には、ドアノブや階段の手すりなどの曲面を有する被着体に貼り付けても剥がれにくく且つ短期間で交換しても糊残りが生じにくくなっている。
粘着力が4.5N/25mm未満になると粘着シート10が被着体から脱落しやすくなり、9N/25mmを超えると糊残りしやすくなる。
粘着シート10の総厚(すなわち、粘着シート10から剥離ライナー3を除いたシート本体の合計厚み)は、例えば20μm以上200μm以下であってもよく、50μm以上150μm以下であればより好ましい。粘着シート10の総厚が薄過ぎると扱いにくくなり、厚くなり過ぎると耐反発性が低下しやすくなる。
(機能層)
機能層9は抗菌効果、抗ウイルス効果、消臭効果等を持っていてもよく、これらの効果を奏することのできる成分を含む塗料により形成されたコート層であってもよい。また、機能層9は、蒸着やスパッタリング等の公知の方法によって形成されてもよい。
機能層9の一例として、水酸化カルシウムを含む塗料の硬化物により形成された漆喰成分含有層が挙げられる。水酸化カルシウムは水分に触れると強アルカリ性となるため、抗菌効果、抗ウイルス効果、消臭効果を持つことが知られている。このような塗料としては、関西ペイント株式会社製「アレスシックイモンティアート」(「アレスシックイ」は登録商標)、株式会社ダイワ製「EF漆喰EASY」、日本プラスター株式会社製「漆喰うま~くヌレール」等の市販品を用いることができる。これらの塗料は、例えば水酸化カルシウム、着色・体質顔料及び水溶性結合材樹脂を含有しており、塗料100質量部中の水酸化カルシウムの含有濃度は10質量部~40質量部程度であってもよい。機能層9を形成する際に用いられる塗料の塗布量は3g/m以上100g/m以下(層厚換算で約2μm以上80μm以下)であってもよく、5g/m以上70g/m以下(層厚換算で約4μm以上55μm以下)であれば好ましく、10g/m以上25g/m以下(層厚換算で約8μm以上20μm以下)であればより好ましい。
塗料の塗布量が多過ぎると機能層9が厚くなって耐反発性が低下するおそれがある。一方で塗布量が少な過ぎると水酸化カルシウムの持つ抗菌効果・抗ウイルス効果・消臭効果を十分に発揮できなくなるおそれがある。また、塗布量を70g/m未満にすれば製造コストを低減することができるので、好ましい。塗布量を小さくすると抗菌・抗ウイルス効果も弱くなり、短時間で抗菌・抗ウイルス効果を発揮しにくくなってくるが、塗布量を3g/m以上とすることで、一定の抗菌・抗ウイルス効果を発揮させることができる。
機能層9の材料として、市販の有機系又は無機系抗菌剤を含むコーティング剤を使用してもよい。有機系抗菌剤としては例えば抗生物質等が使用でき、無機系抗菌剤としては例えば銀イオンを含む薬剤が使用できる。
(基材)
基材7は、例えば樹脂フィルム、合成紙、紙、織布、編布及び不織布から選ばれた少なくとも1つにより形成されていてもよい。樹脂フィルムの構成材料としては特に限定は無く、例えばポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等を用いることができる。
紙としては、粘着シート10を剥がす際に基材破壊が起こらない程度の強度を持つ紙であれば使用できる。樹脂を含浸させた含浸紙等も基材7の材料として使用できる。
図2は、本明細書に開示された粘着シートの別の例を示す断面図である。機能層9が水酸化カルシウムを含む水性塗料であり、基材7が樹脂フィルムによって形成されている場合、塗料の密着性を上げるためにプライマー層11を設けてもよい。プライマー層11は、水酸化カルシウムを含まず、着色・体質顔料及び水溶性結合材樹脂を含有する塗料の硬化物により形成されていてもよい。プライマー層11の材料として、例えば、公知のアクリル系プライマー等が使用できる。
基材7がポリエチレンテレフタレート(PET)により構成されている場合、その厚みは例えば2μm以上100μm以下であってもよく、5μm以上50μm以下であってもよい。基材7が薄過ぎるとハンドリングが悪くなり、厚過ぎると耐反発性が悪くなる。
基材7が不織布によって形成されている場合は、プライマー層11を省略することができる。不織布の厚さは特に限定されないが、例えば100μm以上300μm以下程度であってもよく、150μm以上200μm以下程度のものであればより好ましい。不織布の厚みが大きくなり過ぎると耐反発性が低下するおそれがある。
基材7は含侵紙等の紙によって形成されていてもよい。基材7が紙である場合、生分解性を有しているので、バイオマス度の高い粘着剤と併せて用いることで粘着シート10を環境に配慮した製品にすることができる。また、基材7を樹脂フィルムにより形成する場合に比べて製造コストを下げることができる。
(粘着剤層)
粘着剤層1は、公知の粘着剤の硬化物により形成されていればよい。粘着剤層1は、例えばゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤又はシリコーン系粘着剤等の硬化物により形成されていてもよい。粘着剤層1は糊残りがしにくいように粘着力が強過ぎない再剥離タイプの粘着剤の硬化物により形成されていてもよい。粘着剤層1の粘着力は厚みが増すにつれて大きくなる傾向があるので、強粘着の粘着剤を使用する場合には薄くすることが好ましい。粘着剤層1の厚みや種類は、SUS304 BA板に対する24時間後の粘着力が4.5N/25mm以上9N/25mm以下であれば特に限定されない。再剥離性の粘着剤を用いる場合、粘着剤層1の厚みは例えば2μm以上100μm以下であってもよく、10μm以上60μm以下であれば好ましく、18μm以上40μm以下であればより好ましい。粘着剤層1の厚みを100μm以下とすることで、粘着シート10の総厚を、耐反発性が許容できる範囲に抑えやすくなる。
また、粘着シート10に1kg静荷重(9.8N)をかけ、SUS板を被着体とした時の40℃における保持力持続時間は、共に1.0mm/5万秒以上となっていることが好ましい。この場合、粘着剤層1の凝集力が十分に大きいので、糊残りが生じにくくなっている。
粘着剤層1は、被着体と接触する表面に格子状の溝が形成されていてもよいし、ドット形状の複数の粘着部を含んでいてもよいし、厚さが均一で平坦な表面を有する形状を有していてもよい。粘着剤層1の表面に所定の凹凸が形成されている場合、被着体との間に挟まる空気を逃がすことができる。また、粘着剤層1の表面に凹凸が形成されていることにより、被着体との接着面積が低減できるので、粘着力を適切な範囲に調整することができる。
粘着剤層1には、白色等の顔料が添加されていてもよく、基材7の少なくとも一方の表面にはアルミニウム等の蒸着層が設けられていてもよい。これらの構成によれば、粘着シート10を適当な大きさに裁断してドアノブや手すり等に貼り付ける場合に下地を隠蔽することができる。
(剥離ライナー)
粘着シート10は、使用前の状態では粘着剤層1を覆う剥離ライナー3を備えていてもよい。剥離ライナー3の基材は公知の樹脂フィルムであってもよいし、上質紙又はグラシン紙であってもよい。
(粘着シート10の用途)
本実施形態の粘着シート10によれば、上述のエッジリフト試験での測定値が3mm以下であり、且つ粘着剤層のステンレスに対する24時間後の粘着力が、23℃、50%RHの条件で2N/25mm以上10N/25mm以下となっているので、曲面を有する被着体に貼り付けられた場合でも剥がれにくく、且つ貼り替えた場合であっても糊残りが少なくなっている。このため、粘着シート10を適切なサイズに裁断してドアノブや手すり、端部が曲面になっているエレベータのボタン等に例えば抗菌・抗ウイルスフィルムとして容易に使用できるようになっている。
なお、以上で説明した粘着シート10の構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
(他の実施形態)
図3は、図1に示す粘着シート10を用いたマスク20を示す斜視図である。図3に示すように、本実施形態のマスク20は、装着者の口及び鼻を覆う通気性を有するシート状本体部21と、シート状本体部21に接続され、装着者の耳に掛けてシート状本体部21を固定する一対の係止部材13と、シート状本体部21の外側に貼り付けられた本実施形態の粘着シート10とを備えている。マスク20の装着時にシート状本体部21は装着者の顔に合わせて変形するが、粘着シート10は脱落しにくく且つ糊残りもしにくくなっている。マスク20に使用される粘着シート10の機能層9は、漆喰成分含有層のように抗菌、抗ウイルス作用を持っていることが好ましい。粘着シート10には通気性を確保するための小孔が複数設けられていてもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
-粘着シートの作製-
<参考例1~4>
粘着シートの総厚と耐反発性との関係を確認するため、厚みが50μmの市販のPETフィルム(東洋紡株式会社製「コスモシャイン」(登録商標))を基材とし、機能層を有しない粘着シートを作製した。具体的にはまず、溶剤に希釈された再剥離タイプのアクリル系粘着剤Aに所定量の硬化剤を添加することにより、塗液を作製した。この塗液を、市販の剥離ライナーの平坦な離型面に塗布し、乾燥させることにより所定の厚みを有する粘着剤層を形成した。
次いで、粘着剤層が形成された剥離ライナーの離型面を、厚みが50μmのPETフィルム(基材)と貼り合わせることで、粘着剤層の厚みがそれぞれ60μm、40μm、20μm、10μmである粘着シートを作製した。エージングは40℃で96時間行った。市販のマイクロメーターを用いて測定したところ、参考例1~4の粘着シートのシート総厚は、それぞれ約110μm、90μm、70μm、60μmであった。粘着シートのシート総厚は、粘着シート全体の厚みから剥離ライナーの厚みを引くことで求められた。
<実施例1>
溶剤に希釈された再剥離タイプのアクリル系粘着剤Aに所定量の硬化剤を添加することにより、塗液を作製した。この塗液を、剥離ライナーの離型面に、乾燥後の厚みが40μmになるように塗布し、乾燥させることにより粘着剤層を形成した。剥離ライナーとしては、65メッシュの格子状凸部が形成された日榮新化株式会社製「マトリクス剥離紙」(「マトリクス」は登録商標)を用いた。
次いで、粘着剤層が形成された剥離ライナーの離型面を、厚みが50μmのPETフィルム(基材)と貼り合わせた。このPETフィルムの一方の面にはあらかじめプライマー層を形成しておいた。その後、機能層を形成させるための塗料として、市販のアクリル樹脂系漆喰塗料(関西ペイント株式会社製、商品名:アレスシックイモンティアート(固形分52質量%含有)、「アレスシックイ」は登録商標)を基材のプライマー層上にナイフ式コーティング法により63g/mとなるように塗布し、乾燥させて図2に示す構成の粘着シートを作製した。機能層の計算上の厚みは約50μmであった。
マイクロメーターを用いて粘着シートの総厚を4箇所で測定したところ、平均が約145±3μmであった。
<実施例2>
粘着剤Aとは種類の異なるアクリル系再剥離粘着剤Bに所定量の硬化剤を添加して作製した塗液を、剥離ライナーの離型面に、乾燥後の厚みが18μmになるように塗布し、乾燥させることにより粘着剤層を形成した。剥離ライナーとしては、平坦な離型面を有する市販の剥離ライナーを用いた。
次いで、粘着剤層が形成された剥離ライナーの離型面を基材と貼り合わせた。基材として、樹脂を含浸させた市販の含浸紙(厚み約60μm)を用いた。次に、上記の漆喰塗料を基材の露出面に15g/mとなるように塗布し、乾燥させて図1に示す構成の粘着シートを作製した。機能層の計算上の厚みは約12μmであった。粘着シートの総厚を4箇所で測定したところ、平均が約85±3μm程度であった。粘着剤及び漆喰塗料の一部が基材に含浸していること等により、粘着シートの総厚は、機能層、基材及び粘着剤層の計算上の厚みを合計した値よりも小さく、且つばらつきが見られた。機能層に含まれる水酸化カルシウムの量は少なくとも1.5g/m以上であると考えられた。
<実施例3>
漆喰塗料の塗布量を5g/mとなるように塗布した以外は実施例2と同様の方法により粘着シートを作製した。機能層の計算上の厚みは約4μmであった。機能層に含まれる水酸化カルシウムの量は少なくとも0.5g/m以上であった。
<比較例1>
基材として市販の不織布(目付量50g/m)を用いたことと、乾燥後の粘着剤層の厚みが60μmであることを除き、実施例1と同様の方法により、粘着シートを作製した。粘着シートの総厚を4箇所で測定したところ、いずれも約220μm~240μmの範囲内であった。
<比較例2>
基材として市販の不織布(目付量50g/m)を用いたことと、乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmであることを除き、実施例2と同様の方法により、粘着シートを作製した。粘着シートの総厚を4箇所で測定したところ、いずれも約185μm~200μmの範囲内であった。
<比較例3>
乾燥後の粘着剤層の厚みが5μmであることを除き、比較例2と同様の方法により、粘着シートを作製した。粘着シートの総厚を4箇所で測定したところ、いずれも約175μm~200μmの範囲内であった。
<比較例4>
乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmであることと、平坦な離型面を有する市販の剥離ライナーを用いたこととを除き、実施例1と同様の方法により、粘着シートを作製した。粘着シートの総厚を4箇所で測定したところ、平均で約115±3μm程度であった。
<比較例5>
乾燥後の粘着剤層の厚みが5μmであることを除き、比較例4と同様の方法により、粘着シートを作製した。粘着シートの総厚を4箇所で測定したところ、平均で約105±3μm程度であった。
<比較例6>
乾燥後の粘着剤層の厚みが15μmであることを除き、実施例2と同様の方法により、粘着シートを作製した。粘着シートの総厚を4箇所で測定したところ、平均で約80±3μm程度であった。
<比較例7>
乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmであることを除き、実施例2と同様の方法により、粘着シートを作製した。粘着シートの総厚を4箇所で測定したところ、平均で約80±3μm程度であった。
<比較例8>
粘着剤Aとは種類の異なるアクリル系強粘着タイプ粘着剤Cを用いたことを除き、実施例2と同様の方法により、粘着シートを作製した。粘着シートの総厚を4箇所で測定したところ、平均で約90±3μm程度であった。
-抗ウイルス性評価試験-
JIS L 1922:2016(繊維製品の抗ウイルス性試験方法)に準拠した方法により、粘着シートの機能層の抗ウイルス性能を評価した。具体的にはまず、各粘着シートサンプルの機能層にウイルス液を接種して25℃で2時間静置した。次に、培地を用いてサンプルに付着したウイルスを洗い出した。この洗い出した液を段階希釈してプラーク法によりウイルスの感染価を測定した。次式(1)により抗ウイルス活性値を算出し、抗ウイルス性能を評価した。
Mv=lg(Va)-lg(Vb) ・・・(1)
Mv:抗ウイルス活性値、lg(Va):接種直後の標準サンプルのウイルス感染価(PFU/試験片)の常用対数、lg(Vb):2時間静置後の粘着シートのウイルス感染価(PFU/試験片)の常用対数
3.0>Mv≧2.0の場合に効果あり、Mv≧ 3.0の場合に十分な効果あり、2.0>Mvの場合に効果なしと判定した。本試験は、一般財団法人ニッセンケン品質評価センターにて行った。
-耐反発性の評価(エッジリフトの測定)-
幅30mm、長さ44mmの大きさに切り取った粘着シートの試験片を、直径20mmの円柱の表面に、長さ方向が周方向と一致するように貼り付け、23℃で24時間経過した時点と、その後80℃で240時間経過した時点での左右の剥がれ部分の長さを測定した。各時点において、左右の剥がれ部分の長さの平均値を測定値とした(完全に剥がれた場合の測定値は22mm)。測定は、剥離ライナーを剥がした状態で行った。円柱の材料は、ABS樹脂とした。円柱に試験片を巻き付ける際の圧着力は5kg/cm~15kg/cm(49N/cm~147N/cm)とした。
-再剥離性の評価-
エッジリフトの測定で、80℃で240時間経過した後の試験片を円柱から剥がし、再剥離性の評価を行った。円柱への糊残り及び粘着剤による汚染が全く見られない場合を「優」、糊残りは見られないが粘着剤により円柱が汚染されている場合を「良」、糊残りがわずかに見られる場合を「可」、糊残りが円柱全体に見られる場合を「不良」と判定した。
-粘着剤層の粘着力測定-
作製された粘着シートを25mm×150mmの大きさに切断して試験片とした。試験片の背面に厚さ25μmのPETフィルムを貼り付けた状態で、粘着剤層を被着体に貼り付けて2kgローラーで圧着し、23℃、相対湿度(RH)50%で1分間放置したもの(初期粘着力)と24時間放置したもののそれぞれについて、(株)オリエンテック製の万能材料試験機(テンシロンRTC-1150A)を用いて、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で剥離し、粘着力を測定した(JIS Z1528準拠の方法)。被着体は、SUS304 BA板とした。
-保持力持続時間の測定-
まず、各粘着シートを幅25mmの帯状に加工し、その一端側における25mm×25mmの正方形部分をSUS板に貼り付けた。SUS板に貼り付けた当該正方形部分に対して、ゴムローラーを9.8Nの力で押しつけて一往復させることにより圧着した。次いで、SUS板に圧着した粘着シートの正方形部分が上方に位置するようにSUS板を垂直にし、この状態で下方に位置する粘着シートの他端側に300gの重りを吊り下げた。この状態のまま40℃で5万秒まで保持し、粘着シートが完全に剥がれるまでの時間を保持力持続時間として測定した。試験終了時に剥がれていない試験片については、初期位置からのズレの大きさを測定した。
-測定結果-
表1に、実施例2、3で作製された粘着シートについての抗ウイルス性評価試験の結果を示す。
Figure 2022020016000002
表1に示すように、実施例2、3の粘着シートについての結果から、漆喰塗料を用いた機能層には、エンベロープを持つインフルエンザウイルスとエンベロープを持たないネコカリシウイルスの両方に対して活性を抑える効果があることが確認できた。漆喰塗料の塗布量が多い方がインフルエンザウイルスに対する効果が高くなるものの、少なくとも漆喰塗料の塗布量を5g/mとなるように塗布すれば活性を抑える効果が得られることが確認できた。
表2に、参考例1~4の機能層を有していない粘着シートについての測定結果を示す。
Figure 2022020016000003
表2に示す結果から、同一の剥離ライナー、基材及び粘着剤を用いた場合には、粘着剤層の厚みが大きくなるにつれてエッジリフトの測定値も大きく(耐反発性が悪くなる)ことが分かった。これは、粘着剤層の厚みが大きくなるにつれて粘着シートの総厚みも大きくなるためであると考えられる。
表3に、実施例1、2、比較例1~8の粘着シートについての測定結果を示す。
Figure 2022020016000004
表3に示す結果から、実施例1、2の粘着シートでは24時間でのSUS板に対する粘着力がいずれも4.5N/25mm以上9N/25mm以下であり、エッジリフトの測定値が3mm以下であり、曲面を有する被着体に対する再剥離性も良好であるので、ドアノブや手すり等の曲面に好ましく使用できることが確認できた。これに対し、比較例1の粘着シートでは、シートの総厚が200μmを超えており、比較例2、3の粘着シートと比べても耐反発性が悪くなっていることが確認できた。
また、実施例2と比較例6との比較から、24時間での粘着力が4.5N/25mm以上であるか否かによって同じ粘着剤を用いた場合でも再剥離性に違いが出ることが確認できた。実施例1と比較例4、5との比較、比較例1と比較例2、3との比較から、再剥離性は粘着剤層の厚みが大きい方が改善することが読み取れた。
実施例2、比較例6、7の粘着シートでは、シートの総厚が150μmよりも大きく下回っており、粘着剤層が10μm程度と薄くなっても耐反発性は良好であった。
本明細書に開示された粘着シートは、裁断して接触感染を予防するためのテープとして使用できる他、防カビ、消臭シート等の機能性シートとしても利用できる。
1 粘着剤層
3 剥離ライナー
7 基材
9 機能層
10 粘着シート
11 プライマー層
13 係止部材
20 マスク
21 シート状本体部

Claims (6)

  1. シート状の基材と、
    前記基材の一方の面に設けられた機能層と、
    前記基材の他方の面に設けられた粘着剤層とを備え、
    JIS Z0237に従って測定された前記粘着剤層のステンレス板(SUS304 BA板)に対する24時間後の粘着力が、23℃、50%RHの条件で4.5N/25mm以上9N/25mm以下であり、
    ABS樹脂により形成された直径20mmの円柱を被着体として、幅30mmで巻き付け方向の長さが44mmの試験片を貼り付けて行うエッジリフト試験を行う場合、80℃で24時間経過した時の値が3mm以下である粘着シート。
  2. 請求項1の粘着シートにおいて、
    シート本体の総厚が200μm以下である粘着シート。
  3. 請求項1又は2の粘着シートにおいて、
    前記機能層は、水酸化カルシウムを含む漆喰塗料の硬化物により形成された漆喰成分含有層である粘着シート。
  4. 請求項1~3のうちいずれか1項の粘着シートにおいて、
    少なくとも一部が曲げられた状態で使用される粘着シート。
  5. 請求項4の粘着シートにおいて、
    前記粘着剤層には、粘着性付与剤が含まれていない粘着シート。
  6. 請求項1~5のうちいずれか1項の粘着シートにおいて、
    1kg静荷重をかけ、ステンレスを被着体とした時の40℃における保持力持続時間の測定値は、1.0mm/5万秒以上である粘着シート。
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