JP2022014187A - 鋼材の水素脆化感受性の評価方法 - Google Patents

鋼材の水素脆化感受性の評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022014187A
JP2022014187A JP2020116391A JP2020116391A JP2022014187A JP 2022014187 A JP2022014187 A JP 2022014187A JP 2020116391 A JP2020116391 A JP 2020116391A JP 2020116391 A JP2020116391 A JP 2020116391A JP 2022014187 A JP2022014187 A JP 2022014187A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
test piece
stress
hydrogen
hydrogen embrittlement
steel material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020116391A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7469654B2 (ja
Inventor
敏之 真鍋
Toshiyuki Manabe
誠 小坂
Makoto Kosaka
直樹 松井
Naoki Matsui
大輔 平上
Daisuke Hiragami
徹志 千田
Tetsushi Senda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2020116391A priority Critical patent/JP7469654B2/ja
Publication of JP2022014187A publication Critical patent/JP2022014187A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7469654B2 publication Critical patent/JP7469654B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

【課題】主に粒界破面から構成される破断面を試験片に生じさせることが可能であり、水素脆化による破壊を短期間のうちに模擬可能である、鋼材の水素脆化感受性の評価方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る鋼材の水素脆化感受性の評価方法は、試験片に水素をチャージし、且つ、前記試験片に応力集中部を生じさせた状態で、前記試験片に引張応力を加える工程と、前記試験片のひずみ量を一定値に制御する工程と、を備える。前記試験片に引張応力を加える前に、前記試験片に、応力集中係数が1超20以下である環状の応力集中領域を形成する工程をさらに備え、前記試験片に引張応力を加えるときに、前記試験片の両端における支持部の軸芯がなす角度を0°超3°以下としてもよい。【選択図】図7A

Description

本発明は、鋼材の水素脆化感受性の評価方法に関する。
機械構造部品、例えば自動車部品においては、軽量化のために高強度鋼材の適用が進められている。材質の強度を高めることにより、部品の強度を確保しながら材質の重量を削減することができる。
しかしながら、鋼材の強度が高められるほど、遅れ破壊が生じるリスクが高まるという問題が知られている。遅れ破壊とは、拡散性水素の存在により部材が突然破壊に至る現象のことを指す。遅れ破壊の発生を抑制するためには、鋼材の水素脆化感受性(耐水素割れ性)を適切に評価することが必要とされる。
例えば特許文献1には、棒状の試験片本体と、被水素チャージ部位として前記試験片本体の周方向に拡張して形成される鍔部と、引張試験時の応力集中領域として前記試験片本体の周方向全周に渡って形成される切欠部と、によって形成される試験片を用いることによって、鋼材の耐遅れ破壊特性を評価するために行われる耐遅れ破壊特性評価方法であって、前記鍔部を酸性溶液に浸漬することによって、前記試験片に水素をチャージする水素チャージ工程と、前記試験片の全表面にカドミウムを塗布することによって、前記試験片からの水素の放出を抑制するカドミウム塗布工程と、前記試験片の両端をチャックして引っ張ることによって、前記切欠部を破断させる破断工程と、を行うことを特徴とする耐遅れ破壊特性評価方法が開示されている。
特許文献2には、引張強度(TS)が800MPa以下である鋼材の耐水素割れ性の評価方法であって、上記鋼材に水素チャージしながら、または、上記鋼材に水素チャージ後水素逃散防止処理を施してから、該鋼材に対し、ひずみ速度10-6~10-2/minにて、下記式(1)および式(2)を満たす狙い付加応力σ(MPa)±1~30%の振幅応力を付加し、上記鋼材に割れが生じるまでの時間で該鋼材の耐水素割れ性を評価することを特徴とする鋼材の耐水素割れ性の評価方法が開示されている。
σ=YS×α …(1)
σ<TS …(2)
[式(1)(2)において、σ:狙い付加応力(MPa)、YS:鋼材の降伏強度(MPa)、TS:鋼材の引張強度(MPa)、α:係数(但し、0.5≦α<1.2)である。]
これら特許文献においては、試験片に水素をチャージする方法、及び水素濃化を促進する方法が検討されている。一方、水素脆化感受性を評価するためには、水素脆化による破壊を模擬することも必要とされる。ボルトやPC鋼材のように一定のひずみを付与して緊張力を与えた部材において、遅れ破壊が生じた鋼材の破断面をミクロ観察すると、その破断面の大半が粒界破面であることが確認できる。従って、水素脆化による破壊を模擬しながら鋼材の評価をするためには、水素をチャージした鋼材を、実態に近い形で主に粒界破面から構成される破断面が生じるように、破断させる必要がある。
このような破断面を形成するための手段として、実使用環境における長期間の曝露試験がある。しかしながら、試験期間の長期化は、機械構造部品の設計に深刻な遅れを生じさせる。従って、水素脆化による破壊を短期間のうちに模擬可能な試験が切望されている。
特許文献3には、金属材料の試験片に水素を導入する水素導入工程と、水素が導入された前記試験片に引張速度が10μm/min以下の低歪速度で荷重を加える第1工程と、最大荷重に到達後、当該最大荷重の0.1~10%の範囲内で予め設定した値の荷重低下が発生したときに除荷する第2工程と、をこの順に含む荷重付与工程を1回以上行う繰り返し荷重付与工程と、前記繰り返し荷重付与工程の後に、低歪速度で前記試験片を破断させる破断工程と、を含み、前記荷重付与工程における最大応力と前記破断工程における最大応力とに基づいて耐遅れ破壊性を評価する、金属材料の遅れ破壊評価法が開示されている。特許文献3の技術によれば、実環境下において一般的にみられる粒界き裂進展モードを短時間で再現でき、き裂発生及びき裂進展を含む遅れ破壊を適切かつ迅速に判定することができるとされる。
特開2005-351693号公報 特開2010-054494号公報 特開2019-174282号公報
特許文献3の技術によれば、水素をチャージした鋼材を、主に粒界破面から構成される破断面が生じるように、破断させることができる。しかしながら、特許文献3の技術においては、水素脆化によるき裂が発生あるいは伝播することによって応力低下が起きた際に、強制的に荷重を低下させることでき裂の伝播を停止させている。そして、き裂発生(又は伝播)及び荷重低下を繰り返すことで、特許文献3の技術では粒界破面を形成させる制御を行っている。このことは、き裂が伝播する際のき裂先端の応力も、これらの制御により、急激な変化を繰り返していることを意味する。
このような荷重制御によってもたらされる破壊は、必ずしも実環境の破面形成過程を十分に反映したものにはならないと推定される。何故なら、鋼材中に侵入した水素は、き裂先端部のような応力集中部に集積するので、実環境の破面形成過程においては、応力集中部の水素濃度が高まると考えられているからである。一方、特許文献3に記載の荷重制御によって、き裂先端の応力が低下すると、き裂先端部の水素濃度も低下すると考えられる。実態の締結部材などでは急激な応力変動及び水素濃度低下は起こらないことから、急激な応力変動を伴う特許文献3の技術は、実環境の破面形成過程を十分に反映できていない。水素脆化感受性の評価結果の信頼性を高めるためには、より実態の破面形成過程に近く、且つより大きな粒界破面率を有する破断面を形成可能な評価方法が必要であると本発明者らは考えた。
以上の事情に鑑みて、本発明は、主に粒界破面から構成される破断面を試験片に生じさせることが可能であり、水素脆化による破壊を短期間のうちに模擬可能である、鋼材の水素脆化感受性の評価方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本発明の一態様に係る鋼材の水素脆化感受性の評価方法は、試験片に水素をチャージし、且つ、前記試験片に応力集中部を生じさせた状態で、前記試験片に引張応力を加える工程と、前記試験片のひずみ量を一定値に制御する工程と、を備える。
(2)上記(1)に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法では、前記試験片に引張応力を加える前に、前記試験片に、応力集中係数が1超20以下である環状の応力集中領域を形成する工程をさらに備え、前記試験片に引張応力を加えるときに、前記試験片の両端における支持部の軸芯がなす角度を0°超3°以下としてもよい。
(3)上記(2)に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法では、前記応力集中領域を、環状切欠き、Vノッチ、Uノッチ、または丸穴としてもよい。
(4)上記(1)~(3)のいずれか一項に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法では、前記試験片の、長手方向に垂直な断面の形状を円とし、前記試験片の直径を3~25mmとしてもよい。
(5)上記(1)~(4)のいずれか一項に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法では、前記試験片への水素のチャージを継続しながら、又は前記試験片への水素のチャージの終了後に前記試験片に水素逃散防止処理をしてから、前記試験片に引張応力を加え、その前記ひずみ量を一定値に制御してもよい。
(6)上記(1)~(5)のいずれか一項に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法では、前記試験片のひずみ量が前記一定値の80%に達するまでの応力速度を10MPa/秒以上としてもよい。
(7)上記(1)~(6)のいずれか一項に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法では、前記試験片の前記ひずみ量の制御精度を10μm未満としてもよい。
(8)上記(1)~(7)のいずれか一項に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法は、前記水素のチャージ量と、ひずみ量の保持時間が規定値に達した際に前記試験片に破断を生じさせない引張応力の最大値との関係を求める工程をさらに備えてもよい。
本発明によれば、主に粒界破面から構成される破断面を試験片に生じさせることが可能であり、水素脆化による破壊を短期間のうちに模擬可能である、鋼材の水素脆化感受性の評価方法を提供することができる。
鋼材を定引張応力で破断させる過程の模式図である。 鋼材を定ひずみで破断させる過程の模式図である。 複数の初期き裂が発生した際の鋼材の破断過程の模式図である。 応力集中領域を有する試験片を破断させる過程の模式図である。 試験片を曲げながら引っ張って破断させる方法の模式図である。 水素のチャージ量と、ひずみ量の保持時間が規定値に達した際に試験片に破断を生じさせない引張応力の最大値との関係の一例を示すグラフである。 本発明例及び比較例における、応力及び粒界破面率を示すグラフである。 本発明例において形成された破面の一例の写真である。 比較例において形成された破面の一例の写真である。
以下に、本実施形態に係る鋼材の水素脆化感受性の評価方法について詳細に説明する。なお、本実施形態に係る評価方法を実施するための装置は特に限定されないが、これを引張試験機とすることができる。そのため、便宜的に、本実施形態における一部の用語の定義は、JIS Z 2241-2011「金属材料引張試験方法」において用いられる用語の定義に準じる。
本発明者らは、実態の部材の応力状態に近く、かつ粒界破面率が高い破断面を形成する方法について検討を重ねた。その結果、以下に挙げる処理をしながら試験片に引張応力を加えることにより、粒界破面率が高い破断面を試験片に形成可能であることが判明した。
(1)試験片1のひずみ量を一定値に制御すること
水素をチャージした試験片1に引張応力を加えて破断させる場合、まず試験片1に初期き裂121が発生し、次いでき裂12が進展する。通常、水素がチャージされた鋼材において、初期き裂121を生じさせる破壊の形態は、粒界破壊あるいは擬へき開破壊などの、水素性の破壊形態(以下、水素性の破壊)である。そして、き裂12の進展に伴い、破壊形態が水素性の破壊から延性破壊に変化する。さらにき裂が進展すると、へき開破壊が大半の脆性破壊へと変化する。そのため、水素をチャージした試験片の引張破断面においては、き裂の発生箇所及びその近傍(即ち初期き裂121)のみが粒界破面あるいは擬へき開破壊となり、その周囲の領域は延性破面、さらに外側は脆性破面となる。
破壊形態が脆性破壊から延性破壊に変化する理由は、き裂12の進展及びひずみ量の増大に伴う、き裂12の先端の応力集中係数の増大にあると本発明者らは推定した。ここで、「ひずみ量」とは、原則的に、JIS Z 2241-2011に規定された「伸び計伸び」(試験中の任意の時点における、伸び計標点距離の増分)と同じ意味である。伸び計標点距離とは、伸び計によって伸びの測定を行うために用いられる試験前の伸び計の標点距離である。伸び計を用いずに試験を行う場合、「ひずみ量」とは、同規格に定義された「伸び」(試験中の任意の時点における、原標点距離の増分)と同じ意味である。原標点距離とは、試験前に室温で測定する、試験片にしるされた標点距離である。なお、同規格では、「ひずみ」及び「伸び」の表記は実質的に同じ意味である旨が説明されている。また、「応力集中係数」とは、基準応力σ0に対する最大応力σmの比である。即ち、応力集中係数α=σm/σ0である。基準応力σ0は、試験片1の両端に引張応力を加えることにより、試験片1に加えられる引張応力である。
引張応力を一定にすると、図1Aに示されるように、き裂12の進展の際に試験片1が伸びる。そのため、試験片1のひずみ量は増大する。この過程において、き裂12が引張方向に開かれて、き裂12の先端の応力集中係数は増大する。そして、き裂12の先端の応力集中係数が閾値を越えたときに、破壊形態が脆性破壊から延性破壊へと変化すると推定される。一方、図1Bに示されるようにひずみ量を一定に制御すると、き裂12が進展しても、き裂12が引張方向に開かれないので、その先端の応力集中係数の変化はわずかとなる。従って、ひずみ量を一定値に制御しながら試験片1に引張応力を加え続けることにより、破壊形態を脆性破壊に保ったまま、き裂を進展させることができる。
(2)試験片1に応力集中部111を生じさせること
しかしながら、試験片を引張破断させる際に生じる初期き裂121が1つであるとは限らない。初期き裂121が複数箇所において形成されて、各初期き裂121からき裂12が進展する場合も少なくない。初期き裂121が複数箇所において形成された場合、き裂12の進展が不安定となり、たとえひずみ量を一定に制御していたとしても、脆性破壊から延性破壊への遷移が極めて生じやすくなる。例えば図2に示されるように、複数箇所における初期き裂121からき裂12が進展すると、き裂12の先端同士の間で延性破壊が生じ、試験片1において急激に破壊が進行する。この場合、得られる破断面には延性破面が生じる。
この問題を解決するために、本発明者らは、試験片1に応力集中部111を生じさせた状態で、試験片1に引張応力を加え、一定ひずみ量を維持することとした。「応力集中部」とは、試験片1において引張応力が最も大きくなる箇所を意味する。応力集中部111を生じさせた状態で引張応力を試験片1に加えると、応力集中部111において優先的に初期き裂121が発生し、その他の領域における初期き裂121の発生が抑制された。その結果、き裂12の進展が安定化し、粒界破面率を極めて高い値とすることができた。なお、応力集中部111は、初期き裂121の発生箇所の数を抑制する機能を果たすために、点状又は線状であることが好ましい。
以上の知見に基づいて得られた、本発明の一態様に係る鋼材の水素脆化感受性の評価方法は、試験片1に水素をチャージし、且つ、前記試験片1に応力集中部111を生じさせた状態で、前記試験片1に引張応力を加える工程と、前記試験片1のひずみ量を一定値に制御する工程と、を備える。以下に、本実施形態に係る鋼材の水素脆化感受性の評価方法を詳細に説明する。
(工程S1)
まず、工程S1において、評価対象である鋼材から製造された試験片1に、引張応力を加える。引張応力を試験片1に加えるに際し、試験片1に水素をチャージし、さらに、試験片1に応力集中部111を生じさせる。
試験片1の主な形状は特に限定されない。例えば試験片1を棒状試験片とし、これの長手方向に垂直な断面の形状を円とし、直径を3~25mmとしてもよい。一方、試験片1が薄板状、角棒状、厚板状、又は管状であってもよい。上述のように、本実施形態に係る評価方法を実施するための装置を引張試験機とすることが好適であるので、評価対象となる試験片1の主な形状を、例えばJIS Z 2241:2009に規定される種々の引張試験片の形状としてもよい。
水素は、水素脆化を促進するために、試験片1にチャージされる。水素をチャージする方法は特に限定されない。例えば、試験片1を所定の溶液に浸漬して、試験片1の表面を腐食させることにより、水素を試験片1にチャージすることができる。また、試験片1と所定の溶液との間に電圧あるいは電流を印加することにより、水素のチャージを促進してもよい。試験片にチャージする水素量は、使用する触媒毒の量を変化させたり、印加する電圧や電流値を変化させたりすることにより、制御可能である。
試験片1にチャージされた水素は、時間の経過とともに、大気中に放出される。そのため、水素を試験片1にチャージした状態で引張応力を印加し、さらに後述するようにひずみ量を一定値に保持するためには、試験片1に、水素チャージの終了後に水素逃散防止処理をすることが好ましい。水素逃散防止処理とは、例えばカドミウムめっき処理、及び亜鉛めっき処理などである。これらの処理によって試験片1の表面に形成されためっき皮膜が、大気中への水素の逃散を抑制する。また、試験片1に引張応力を加え、ひずみ量を一定に制御する間、水素チャージ処理を継続してもよい。一方、試験を短時間で行う場合には、水素のチャージ後速やかに試験片1を評価に供すれば、上述の処理を省略することができる。
応力集中部111は、初期き裂121の発生箇所を限定し、き裂進展を安定化させるために、試験片1に配される。応力集中部111を設けた状態で試験片1に引張応力を加え、ひずみ量を一定値に制御すると、初期き裂121が応力集中部111において優先的に発生し、その他の箇所における初期き裂121の発生は抑制される。これにより、複数の初期き裂121から進展したき裂12が、延性破壊によって連結されることが防止される。
応力集中部111を生じさせる手段は特に限定されない。例えば、図3に例示されるように、応力集中領域11(例えば環状切欠き、Uノッチ、Vノッチ、又は丸穴等)を試験片1に設けてもよい。応力集中領域11が丸穴である場合、この丸穴は、貫通穴であっても止まり穴であってもよい。例えば応力集中領域11が切り欠き、Uノッチ、又はVノッチである場合、応力集中領域11の先端が、試験片1において最も応力集中係数が高い箇所となる。そのため、応力集中領域11の先端が応力集中部111となる。
また、図4に例示されるように、試験片1に環状の応力集中領域11を設け、この試験片1を曲げた状態で、試験片1に引張応力を加えてもよい。応力集中領域11が環状に設けられた場合、応力集中係数が最大値となる箇所が、試験片1の全周にわたって生じる。従って、環状の応力集中領域11を有する試験片1を通常の方法で曲げずに引っ張った場合、応力集中部111は生じない。しかしながら、このような試験片を曲げながら引っ張った場合、試験片1は円弧をなし、円弧の外側における応力集中領域11の底において曲げ応力が最大となる。即ち、試験片1がなす円弧の外側における応力集中領域11の底が、応力集中部111となる。
図4に示されるような形態で評価を行う場合、好ましくは、本実施形態に係る評価方法が、試験片1に引張応力を加える前に、試験片1に、応力集中係数が1超20以下である環状の応力集中領域11を形成する工程をさらに有し、試験片1に引張応力を加えるときに、試験片1の両端における支持部13の軸芯がなす角度を0°超3°以下とする。曲げは、図4に例示される支持具2等を用いて生じさせることができる。
応力集中領域11が存在しない(即ち応力集中係数が1である)試験片1に曲げを加えると、曲げの外側に沿った領域に一様に曲げ応力が加わる。従って、応力集中領域11が存在しない試験片1には、曲げを加えたとしても応力集中部111を生じさせることができない。以上の理由から、応力集中領域11の応力集中係数は1超とすることが好ましい。応力集中領域11の応力集中係数を2以上、3以上、又は5以上としてもよい。
一方、応力集中領域11における応力集中係数を20超とすると、水素脆化に起因する破壊の発生前に延性破壊が生じ、水素脆化感受性の評価が困難となるおそれがある。以上の理由から、応力集中領域11の応力集中係数は20以下とすることが好ましい。応力集中領域11の応力集中係数を18以下、16以下、又は10以下としてもよい。
試験片1の支持部13の軸芯がなす角度(曲げ角度)を0°とした場合、曲げ応力が発生せず、環状の応力集中領域11の中で、さらに応力集中部111を生じさせることができない。そのため、応力集中領域11を環状とする場合、曲げ角度は0°超とすることが好ましい。曲げ角度を0.5°以上、1.0°以上、又は1.2°以上としてもよい。
一方、試験片1の曲げ角度を3°以上とすると、過度の曲げ応力の発生によって、水素脆化に起因する破壊の発生前に延性破壊が生じ、水素脆化感受性の評価が困難となるおそれがある。そのため、曲げ角度は3°以下とすることが好ましい。曲げ角度を2.5°以下、2.0°以下、又は1.8°以下としてもよい。
上述の手順で鋼材の水素脆化感受性の評価を行うにあたり、応力速度を記録することが好ましい。応力速度とは、時間当たりの応力の増分のことであり、JIS Z 2241:2009に記載の「応力増加速度」と同じ意味である。本実施形態に係る評価方法では、ひずみ量が所定の値となるように制御されるが、ひずみ量が所定値に達するまでの期間、及びひずみ量が所定値に達した後しばらくの間、応力緩和が試験片1に生じうる。応力緩和とは、試験片の塑性変形により生じる、一定変位下での応力の低下である。応力緩和の程度は、応力速度に応じて変化しうる。一般的に、応力速度が小さいほど、応力緩和は生じやすい。そのため、評価の再現性を確保するために、評価結果に添付する評価条件に応力速度を含めるべきであると考えられる。
応力速度は特に限定されず、評価目的に応じて適宜選択することができる。例えば、評価対象となる鋼材がボルト用鋼材である場合、試験片1のひずみ量が一定値の80%に達するまでの応力速度を10MPa/秒以上とすることが好ましいと考えられる。何故なら、ボルトの締結は極めて短時間で行われるからである。ボルトにかかる引張応力が、0から最大値に達するまでの時間は極めて短い。従って、ボルトにかかる引張応力が最大値に達するまでに、応力緩和はほとんど生じない。この事情に鑑みると、ボルト使用環境を模擬した試験を行う際には、評価開始から、試験片1のひずみ量が一定値の80%に達するまでの間に、応力緩和を可能な限り生じさせないことが好ましいと考えられる。試験片1のひずみ量が一定値の80%に達するまでの応力速度を10MPa/秒以上とすることにより、応力緩和の発生を抑制することができると本発明者らは推定した。なお、試験片1のひずみ量が一定値の85%に達するまで、90%に達するまで、又は100%に達するまで、応力速度を10MPa/秒以上に維持してもよい。
本実施形態に係る鋼材の水素脆化感受性の評価においては、試験片1のひずみ量を一定値に制御する。この際の制御精度は特に限定されず、試験片1の形状、評価期間、その他評価条件に応じて適宜選択することができる。しかしながら、本発明者らの知見によれば、制御精度が高いほど粒界破面率を高められる傾向があると推定される。例えば、試験片1のひずみ量の制御精度を10μm未満とすることが可能な引張試験機を用いて、直径3~25mmの丸棒試験片に対して評価を行ったところ、粒界破面率を極めて安定的に高めることができた。従って、試験片1のひずみ量の制御精度を10μm未満とすることが好ましい。
本実施形態に係る鋼材の水素脆化感受性の評価に当たっては、ひずみ量、初期応力(ひずみ量が所定値に至った時点での応力)、応力速度、及び水素チャージ量等の試験条件を種々変化させることができる。これら試験条件を変化させることにより、試験片1が破断に至るまでの時間が変化する。同一試験条件において、試験片1が破断に至るまでの時間が長いほど、試験片1を構成する鋼材の水素脆化感受性が高いとみなすことができる。
これらの試験条件及び試験結果の整理の方法は、評価目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ボルトの使用環境と、ボルトの適正締結力との関係を推定する目的で本実施形態に係る鋼材の評価を行う場合、複数の試験片1を種々の引張応力下で破断させた後、水素のチャージ量と、ひずみ量の保持時間が規定値に達した際に試験片1に破断を生じさせない引張応力の最大値との関係を求めてもよい。
このような評価を行った結果の一例を、図5に示す。図5のグラフを作成するにあたり行われた評価方法における評価条件は、以下に記載の通りである。
・試験片形状:直径7mmの環状切欠き丸棒
・応力集中領域の形状:ノッチ深さ1.4mm、ノッチ角度60°であり、
(試験片1)底部の曲率半径Rが0.175mmのVノッチ環状切欠き
(試験片2)底部の曲率半径Rが0.100mmのVノッチ環状切欠き
(試験片3)底部の曲率半径Rが0.175mmのVノッチ環状切欠き
・試験片硬さ:
(試験片1)硬さ390HV
(試験片2)硬さ390HV
(試験片3)硬さ340HV
・水素のチャージ量:0.5~2.5ppm
・応力速度:ひずみ量が一定値に達するまで、26MPa/秒
・ひずみ量:応力が設定された初期応力に達した時点でのひずみ量で、一定保持
・ひずみ量の保持時間:1200秒
上記の条件で、種々の初期応力によって複数の試験片の評価を行った。そして、1200秒のひずみ量保持の結果、破断に至らなかった試験片のうち、初期応力が最大であったものに着目した。そして、水素のチャージ量と、ひずみ量の保持時間が規定値に達した際に試験片1に破断を生じさせない引張応力の最大値との関係をグラフにしたものが、図5である。
図5のグラフによれば、水素量(ボルト使用環境に相当)が増大するほど、1200秒のひずみ量保持後に破断が生じない初期応力(ボルトの締結トルクに相当)の限界値が低下することがわかる。従って、図5のグラフは、例えばボルトの使用環境に応じた適切な締結トルクの推定の用に供することができる。
実施例により本発明の一態様の効果を更に具体的に説明する。ただし、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例に過ぎない。本発明は、この一条件例に限定されない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限り、種々の条件を採用し得る。
以下に示す条件で、試験片に引張応力を加えて破断を生じさせた。なお、発明例においては、試験片に引張応力を加え、試験片のひずみ量を一定値に制御した。ひずみ量は、引張応力が以下に記載の初期応力に達した時点で試験片に生じたひずみ量において、一定とされた。一方、比較例においては、試験片にかける応力を、以下に記載の値で一定値に制御した。
・試験片の形状及び材質:直径7mmの環状切欠き丸棒、SCM435(HV390)
・応力集中領域の形状:ノッチ深さ1.4mm、ノッチ角度60°、ノッチ底部の曲率半径Rが0.175mm
・水素チャージ方法:陰極電解チャージ
・水素チャージ量:1.0ppm
・応力速度:ひずみ量が一定値に達するまで、26MPa/秒
・発明例におけるひずみ量の制御精度:1μm
・発明例の初期荷重:18.3kN
・比較例の荷重:14.9~22.3kN
・試験片に引張応力を加えるときの、試験片の両端における支持部の軸芯がなす角度:1°
・保持時間:最大7200秒
各試験片の応力、及び粒界破面率を図6に示す。図6において、白丸は発明例の初期荷重及び粒界破面率のデータポイントであり、黒丸は比較例の初期荷重及び粒界破面率のデータポイントである。図6に示されるように、本発明によって形成された破断面における粒界破面率は80%を上回った。一方、従来の引張試験方法である比較例によって形成された破断面における粒界破面率は最大でも30%であった。応力を減らし、破断に至るまでの時間を延ばすことによって、従来の方法によっても粒界破面率をある程度向上させられる傾向が認められたものの、水素脆化による破壊を十分に模擬することはできなかった。
参考に、発明例の破面写真を図7Aに示し、比較例の破面写真を図7Bに示す。破線で囲まれた領域が粒界破面であり、破線の外側が延性破面である。発明例によって形成された破面における粒界破面率は、比較例によるものを大きく上回った。
本発明に係る鋼材の水素脆化感受性の評価方法は、主に粒界破面から構成される破断面を試験片に生じさせることが可能であり、水素脆化による破壊を短期間のうちに模擬可能である。従って本発明は、材料の水素脆化感受性を迅速かつ正確に評価することができるので、高い産業上の利用可能性を有する。
1 試験片
11 応力集中領域
111 応力集中部
12 き裂
121 初期き裂
13 支持部
2 支持具

Claims (8)

  1. 試験片に水素をチャージし、且つ、前記試験片に応力集中部を生じさせた状態で、前記試験片に引張応力を加える工程と、
    前記試験片のひずみ量を一定値に制御する工程と、
    を備える鋼材の水素脆化感受性の評価方法。
  2. 前記試験片に引張応力を加える前に、前記試験片に、応力集中係数が1超20以下である環状の応力集中領域を形成する工程をさらに備え、
    前記試験片に引張応力を加えるときに、前記試験片の両端における支持部の軸芯がなす角度を0°超3°以下とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法。
  3. 前記応力集中領域を、環状切欠き、Vノッチ、Uノッチ、または丸穴とすることを特徴とする請求項2に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法。
  4. 前記試験片の、長手方向に垂直な断面の形状を円とし、
    前記試験片の直径を3~25mmとする
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法。
  5. 前記試験片への水素のチャージを継続しながら、又は前記試験片への水素のチャージの終了後に前記試験片に水素逃散防止処理をしてから、前記試験片に引張応力を加え、その前記ひずみ量を一定値に制御することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法。
  6. 前記試験片のひずみ量が前記一定値の80%に達するまでの応力速度を10MPa/秒以上とすることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法。
  7. 前記試験片の前記ひずみ量の制御精度を10μm未満とすることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法。
  8. 前記水素のチャージ量と、ひずみ量の保持時間が規定値に達した際に前記試験片に破断を生じさせない引張応力の最大値との関係を求める工程をさらに備える請求項1~7のいずれか一項に記載の鋼材の水素脆化感受性の評価方法。
JP2020116391A 2020-07-06 2020-07-06 鋼材の水素脆化感受性の評価方法 Active JP7469654B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020116391A JP7469654B2 (ja) 2020-07-06 2020-07-06 鋼材の水素脆化感受性の評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020116391A JP7469654B2 (ja) 2020-07-06 2020-07-06 鋼材の水素脆化感受性の評価方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022014187A true JP2022014187A (ja) 2022-01-19
JP7469654B2 JP7469654B2 (ja) 2024-04-17

Family

ID=80185283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020116391A Active JP7469654B2 (ja) 2020-07-06 2020-07-06 鋼材の水素脆化感受性の評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7469654B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115017695A (zh) * 2022-05-31 2022-09-06 中国南方电网有限责任公司超高压输电公司检修试验中心 一种确定埋地管道干扰电流安全区间的氢脆试验方法
CN115014955A (zh) * 2022-05-31 2022-09-06 中国南方电网有限责任公司超高压输电公司检修试验中心 一种模拟在干扰电流和阴极保护下埋地管道氢脆试验方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005351693A (ja) 2004-06-09 2005-12-22 Toyota Motor Corp 耐遅れ破壊特性評価方法
JP2007199024A (ja) 2006-01-30 2007-08-09 Toyota Motor Corp 鉄鋼材料の遅れ破壊試験方法、ボルトの遅れ破壊方法及び遅れ破壊試験用治具
JP5081175B2 (ja) 2008-07-28 2012-11-21 株式会社神戸製鋼所 鋼材の耐水素割れ性の評価方法
JP2011191254A (ja) 2010-03-16 2011-09-29 Ntn Corp 転がり接触・ねじり負荷作用金属材料の水素侵入下のせん断疲労特性の評価方法
JP6910317B2 (ja) 2018-03-28 2021-07-28 株式会社神戸製鋼所 金属材料の遅れ破壊評価法
WO2020261422A1 (ja) 2019-06-26 2020-12-30 日本電信電話株式会社 鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115017695A (zh) * 2022-05-31 2022-09-06 中国南方电网有限责任公司超高压输电公司检修试验中心 一种确定埋地管道干扰电流安全区间的氢脆试验方法
CN115014955A (zh) * 2022-05-31 2022-09-06 中国南方电网有限责任公司超高压输电公司检修试验中心 一种模拟在干扰电流和阴极保护下埋地管道氢脆试验方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7469654B2 (ja) 2024-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2022014187A (ja) 鋼材の水素脆化感受性の評価方法
JP5552209B2 (ja) 適応的インパルス、その規格化エネルギーおよびそれらの合間の休止を生成し、かつ適用することにより、特定の特性を有する材料およびジョイントを改変または作製するための方法
US10359090B2 (en) Compression coil spring and method for producing same
Zerbst et al. Review on fracture and crack propagation in weldments–A fracture mechanics perspective
Patwardhan et al. An estimation of Ramberg-Osgood constants for materials with and without Luder’s strain using yield and ultimate strengths
JP2010054494A (ja) 鋼材の耐水素割れ性の評価方法
Limodin et al. Axial fatigue of a gas‐nitrided quenched and tempered AISI 4140 steel: effect of nitriding depth
Scharf et al. Hydrogen embrittlement of DP‐1000 flat steel sheet: Influence of mechanical properties, specimen geometry, pre‐damaging and electrolytically zinc galvanizing
Zhu et al. Failure mechanisms and fatigue strength assessment of a low strength Cr− Ni− Mo− V steel welded joint: coupled frequency and size effects
Elsea et al. Hydrogen-Induced, Delayed, Brittle Failures of High-Strength Steels
Renk et al. Cyclic deformation behavior of a 316L austenitic stainless steel processed by high pressure torsion
Jing et al. Effect of Volume Fraction of Gradient Nanograined Layer on Low‐Cycle Fatigue Behavior of Cu
Murakami et al. Low cycle fatigue damage and critical crack length affecting loss of fracture ductility
JP6910317B2 (ja) 金属材料の遅れ破壊評価法
Kovshova et al. The assessment of damage and resource of vessel and apparatus elements, taking into account the adaptation of the material to long-term quasistatic loading
RU2380210C2 (ru) Способ изготовления стальных маслосъемных поршневых колец
Haryadi et al. Fatigue crack growth and probability assessment for transverse TIG welded Aluminum alloy 6013-t4
Duchosal et al. Analysis of weld-cracking and improvement of the weld-repair process of superplastic forming tools
Zhao Setting bar-bending requirements for high-strength steel bars
JP2011140858A (ja) 耐久性に優れたコンクリート柱
JP2020126031A (ja) 超音波疲労試験用試験片及び超音波疲労試験方法
Chapetti et al. Fracture mechanics analysis of a fatigue failure of a parabolic spring
Pelleg et al. Cyclic Stress–Fatigue
Couvant et al. PWSCC susceptibility in heat affected zones of alloy 600
Guizani et al. Experimental characterization and fatigue behavior of thermally and mechanically treated 316L stainless steel MIG-welded joints

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7469654

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150