JP2022012802A - 物品自動搬送システムおよび物品自動搬送方法 - Google Patents

物品自動搬送システムおよび物品自動搬送方法 Download PDF

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Takahiro Odaka
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Abstract

Figure 2022012802000001
【課題】
自動搬送装置の待機を回避する新たな制御手法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明の好ましい一側面は、複数の搬送装置の搬送対象の其々について、複数の搬送先のうちの一以上の搬送先に搬送する搬送ルートを演算する演算装置を備え、前記演算装置は、前記複数の搬送装置の搬送対象の其々についての搬送ルートの案を変数とし、前記複数の搬送対象のうちの二以上の搬送ルートの干渉に起因する待機コストを規定する係数を変数間の相互作用の強度として設定した相互作用モデルに基づいて演算をする、物品自動搬送システムである。
【選択図】図4

Description

本発明は、物流倉庫における物品(商品)の自動仕分けおよび搬送に関する。
ネット通販市場の拡大を背景として、商品の需要が多様化しており、物流の拠点である倉庫の商品配送システムは従来と比較して著しく複雑化している。そのような状況を背景として、これまで商品の仕分け、配送業務を担ってきた作業員の担当する商品配送業務量も膨大化しており、倉庫の自動化、多様化が急務となっている。
流倉庫内の仕分け業務ではピッキングシステムのIoT(Internet of Things)システム化による業務管理が加速しており、人手不足の解消、生産性向上のため、自動搬送ロボットを用いた商品搬送の効率化が図られている。
WO2018-154722A1 WO2017-149705A1
商品の入荷から顧客への配送工程において、最も複雑な工程は、保管棚から商品をピッキングし、顧客の注文内容に応じて複数種類の商品を仕分け、出荷する工程である。
同一規格、少量種の商品に関しては、単純な作業により対応できることが多く、複雑な搬送装置の制御手段を用いることなく自動搬送が可能である場合もある。しかし、多くの場合、自動搬送装置(自動搬送車)の待機により、出庫予定の複数商品が仕分けステーションに運ばれ、配送先の注文通りに全種の商品が揃うのに時間がかかる。このとき、出荷処理速度は、ステーションへの到着が遅延した商品に律速されるため、出荷する工程の処理速度を向上するための障害となる場合が多い。
自動搬送装置の待機を回避するため、様々な制御が行われている。しかし、多くの場合、自動搬送装置の衝突回避等の手段による複雑な場合分けにより制御が行われる。特許文献1、特許文献2についても同様である。しかしながら、商品の種類が多い場合、特に、少量多品種品の搬送自動化においては、上記の課題がより顕著になり、結果として自動搬送ロボットでは十分な仕分け対応が出来なくなるという問題が生じる。
そこで本発明の課題は、自動搬送装置の待機を回避する新たな制御手法を提供することにある。
本発明の好ましい一側面は、複数の搬送装置の搬送対象の其々について、複数の搬送先のうちの一以上の搬送先に搬送する搬送ルートを演算する演算装置を備え、前記演算装置は、前記複数の搬送装置の搬送対象の其々についての搬送ルートの案を変数とし、前記複数の搬送対象のうちの二以上の搬送ルートの干渉に起因する待機コストを規定する係数を変数間の相互作用の強度として設定した相互作用モデルに基づいて演算をする、物品自動搬送システムである。
本発明の好ましい他の一側面は、複数の搬送対象の其々について、複数の搬送先のうちの一以上の搬送先に搬送する搬送ルートの案を演算装置で演算する物品自動搬送方法であって、前記演算装置は、前記複数の搬送対象の其々についての搬送ルートの案を変数とし、前記複数の搬送対象のうちの二以上の搬送ルートの交叉に起因する待機コストを規定する係数を変数間の相互作用の強度として設定した相互作用モデルに基づいて演算をする、物品自動搬送方法である。
自動搬送装置の待機を回避する新たな制御手法を提供することができる。
物流倉庫の仕分けエリアの斜視図。 システム構成ブロック図。 仕分けエリアの平面図。 仕分けエリアでの搬送経路を示す平面図。 実施例1の商品の搬送経路の最適化フロー図。 実施例2の商品の通過経路の最適化フロー図。 実施例3の商品の通過経路の最適化フロー図。 マーカー周辺の自由空間の調整の概念を説明する平面図。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明は省略することがある。
同一あるいは同様な機能を有する要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、複数の要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、もしくはその内容を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は文脈毎に用いられ、一つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
本明細書で引用した刊行物、特許および特許出願は、そのまま本明細書の説明の一部を構成する。
本明細書において単数形で表される構成要素は、特段文脈で明らかに示されない限り、複数形を含むものとする。
以下で説明される実施例では、複数種ある各々の商品の搬送経路から計算される待機コスト情報が低減すると予想される搬送経路を、商品の通過する座標を変数として算出し、その算出座標の情報に基づいて保管場所から仕分け場所までに商品を搬送することにより、商品の滞留に係る待機コストを低減し、倉庫の生産性を向上する。
実施例1は、商品の搬送経路と商品の保管棚配置を同時に最適化する例を示す。
図1は、実施例の物流倉庫の仕分けエリア100の斜視イメージ図である。仕分けエリア100は、周囲に防護柵102が設置されており、自動搬送エリア101と自動搬送エリア外とが区切られている。自動搬送エリア101は、自動搬送装置103が移動可能なエリアである。
自動搬送エリア101には、低床式の自動搬送装置103および、1つ以上の領域で区切られた商品保管スロットを備えた可動式の保管棚104が少なくとも1つ以上配置されている。自動搬送装置103には、保管棚104の真下に移動し保管棚を真上に持ち上げる手段(図示せず)が設けられている。自動搬送装置103は、保管棚104の真下に移動し当該保管棚を持ち上げて所望の位置まで保管棚を移動することができる。
本実施例の防護柵102には、ピッキングされた商品を自動搬送エリア101に入れる入庫ステーション(以下、入庫ST)105(本実施例では、A,B,Cの3箇所)と、自動搬送エリア101を通って自動搬送装置103と保管棚104により運ばれてきた商品を取り出す出庫ステーション(以下、出庫ST)106(本実施例ではD,E,Fの3箇所)が、自動搬送エリア101を挟んだ両側に設けられている。
図2は実施例の最適化システムのブロック図である。1つまたは複数のCPU(Central Processing Unit)201と、メモリ202と、最適化アルゴリズムを高速に実行するための少なくとも1つの最適化演算装置203と、前記201~203との間でデータを転送するためのデータバス204と、HDD(Hard Disk Drive)ドライブ、SSD(Solid State Drive)ドライブ等のストレージデバイス206とを備えている。また、各構成要素の間でデータを転送するためのインターフェース210を備える。
メモリ202には、CPU201が実行するプログラムとして、経路決定部223、最適化実行部224、経路制御部225が格納される。経路決定部223は、自動搬送装置103が移動する経路を決定する。最適化実行部224は、経路を決定するための最適化計算を制御する。経路制御部225は、決定した経路に従って自動搬送装置103を制御する。これらの構成は、例えば一般的なサーバあるいはパーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成することができる。また、一般的な情報処理装置が備えるキーボードや、画像モニタなどの入出力装置211を備えるが、公知のその他の付属する装置を備えてもよい。
最適化演算装置203は、情報処理装置が行う演算の一部を実行するために、例えば組み合わせ最適解を得るために特化された装置である。最適化演算装置203の例として、例えば特開2016-51314号公報に記載されるCMOSアニーリングマシンなどのアニーリング型計算機により、イジングモデルの基底状態を求める技術を採用することができる。
最適化演算装置203は、最適化実行部224により制御されて、最適化演算を実行する。最適化実行部224は、組み合わせ最適化問題の生成、最適化問題の相互作用モデル化、相互作用モデルの最適化演算装置203への入力と制御、および最適化演算装置203からの最適解の読み出し等を行うものとする。最適化実行部224による制御の方式は、例えば特開2016-51314号公報記載の技術を援用することができる。
本実施例では、経路決定部223、最適化実行部224、経路制御部225の機能は、メモリ202に格納されたプログラムがCPU201によって実行されることで、定められた処理を他のハードウェアと協働して実現されることにする。ただし本実施例中、ソフトウェアで構成した機能と同等の機能は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアでも実現できる。
さらに、自動搬送装置103、入庫ST105、出庫ST106あるいは仕分けエリア100の任意の個所には、商品情報読み取り装置や任意の時刻における商品の位置情報の読み取り装置等のセンサ205が設けられている。センサ205からの情報を通信手段209によりサーバ207に送信し、データベース(DB)208に記録し、読み出す手段が設けられている。
センサ205の機能としては、どの商品がいつどこに存在しているかを検知する機能を含む。当該機能は、例えば各商品に取り付けられたRFID(Radio Frequency Identifier)と、自動搬送装置103および仕分けエリア100の任意の個所に設けられたRFID読み取り装置により実現することができる。あるいは、各商品に取り付けられたバーコードと、自動搬送装置103および仕分けエリア100の任意の個所に設けられたバーコードリーダーにより実現することができる。センサ205には、商品の情報や位置を検出するためのカメラやその他の各種センサを採用することができ、センサの種類に制限はない。商品の位置の検出は、商品を搭載した自動搬送装置103の位置を検出することによる間接的な位置検出を含む。
経路制御部225は、経路決定部223が決定した搬送経路に従って、例えば通信手段209により、各自動搬送装置103を制御する。制御方法は、フィードバックあるいはフィードフォワード制御による、一般的な公知技術を用いることができるので、詳細説明は省略する。
サーバ207とデータバス204、DB208の間もインターフェース210で通信可能としている。DB208には、商品マスタ221、出荷指示商品情報222等のデータが格納される。商品マスタ221は、仕分けエリア100に存在する各商品について、商品を特定するIDを、当該商品の現在位置や、当該商品が予定する搬送経路、過去の搬送経路などの情報と紐づけて格納する。現在位置はセンサ205により取得する。予定する搬送経路は経路決定部223により決定される。出荷指示商品情報222は例えば、出庫ST106から出荷する商品ID、出荷先、出荷時間である。出荷指示商品情報222は、ユーザが入出力装置211から入力することにする。あるいはデータバス204を介してシステム外部から入力することにしてもよい。また、DB208には、図1、図3A,図3Bに示した自動搬送エリア101の幾何学的配置情報も記憶されているものとする。
なお、本発明のシステム構成は前記構成に限るものではなく、例えば複数台のシステムによる並列処理等を実施するなど適宜変更してもよい。
図3Aは、図1の自動搬送エリア101の構成を簡略に記載し直したものである。自動搬送エリア101に、自動搬送装置103が通過する位置を規定するためのマーカー301(本実施例では25箇所)が格子状に設けられている。説明のため、本実施例ではマーカー1~9、A~Pが配置されるものとする。
自動搬送装置103が自動搬送エリア101内を移動する際に、自動搬送装置103に設けられた、例えばカメラなどのマーク読み取り用センサ205で位置を認識しながら、自動搬送エリア101を通過する。自動搬送装置103には、現在の位置情報および通過した位置履歴を、通信手段209でサーバ207に送信する手段(図示せず)が設けられている。一履歴の情報は、商品マスタ221に格納することにする。なお、カメラの代わりに、RFID等他のセンサを用いて位置確認を行ってもよい。
本実施例では、単純化のため、3種類の商品(a,b,c各3個)を、3つの配送先コンテナ302(G,H,I)へ仕分ける作業を例に説明する。図3Aに示す3台の保管棚104により、a,b,c各3個の商品を入庫ST105から出庫ST106に自動搬送し、仕分け作業を実施する。
保管棚104には、それぞれ、商品を保管するスロットが3箇所(1-1,1-2,1-3,2-1,2-2,2-3,3-1,3-2,3-3)設けられており、それぞれ識別番号により区別されている。入庫ST105においてピッキングエリアから保管棚104に商品を入れる際に、商品IDと保管棚識別番号(ID)およびスロット識別番号(ID)が紐づけて記録され、通信手段209を用いて図2のデータベース(DB)208に転送され、商品マスタ221に記録される。
本実施例では、各入庫ST105のA,B,C各位置から商品が搬入される際、同時刻に自動搬送エリア101内で既に搬送されている商品の位置、および、当該商品が搬送される経路予定情報が、例えば格子点201の位置情報としてデータベース208の商品マスタ221に記録されている。最適化演算装置203へ上記の商品マスタ221に記録されている位置情報、および搬入される商品の位置情報、搬入される商品の(予定される)通過経路の初期値を変数あるいは定数として入力することができる。
新たに搬入される商品の通過経路の初期値は任意であるが、例えば、最短の経路を初期値とする。図3Aの例では入庫ST Aと最短距離にある出庫ST D、および入庫ST Aから出庫ST Dに移動する際に、最短で通過する格子点1-6-B-G-Lを、商品aの予定経路情報の初期値とする。この初期値の設定に関して、設定経路を例えばランダムで初期値とすることも可能である。
図3Bは図3Aと同じ仕分けエリアを示した図である。本実施例における商品a,b,cの予定経路の最適化方法は以下の通りである。なお、本実施例では説明上、商品一個ずつについて搬送経路を設定しているが、複数の商品を格納したコンテナ等の単位で搬送経路を制御してもよい。すなわち、制御対象の商品の粒度は任意である。
図3Bの305a、305b、305cは、それぞれ、商品a,商品b,商品cの搬送予定経路を示す。本実施例では、商品aは入庫ST105より保管棚104の各スロット1-1,1-2,1-3に、商品b,cもそれぞれ保管棚104のスロット2-1,2-2,2-3および3-1,3-2,3-3に入庫される。
例えば、3個の商品aは、Aで示される入庫ST105から、保管棚104の1-1,1-2,1-3のスロットに一つずつ搭載される。当該商品aの搬送先である配送先コンテナ302は、G,H,Iであり、各一つずつの商品aが搭載される。
本実施例では、複数の出庫ST106の其々には、配送先コンテナ302が複数準備されていて、それぞれの配送先コンテナが配送先に対応している。出庫ST106まで搬送された商品を、人またはロボット(図示せず)が各配送先コンテナ302に指示通りに振り分ける作業を行う。当該指示は、後述する最適化演算の結果に基づいてなされる。当該指示は、人に対しては出庫ST106に設けられた表示装置306より行われ、または、ロボットに対しては制御端子307からの信号により行われる。
図3Bの例では、実線で示される搬送経路305aは入庫ST Aから出庫ST DとEを経由して出庫ST Fへ到達する例を示している。そのための搬送経路305aは、マーカー301を1-6-B-G-L-G-B-6-7-8-D-I-N-O-Pのように経由することになる。
それぞれの商品は、出庫ST106に準備された配送先コンテナ302の、それぞれG,H,Iに、例えば図3A、図3Bに図示された通りに仕分けされる。自動搬送エリア101内の25個のマーカー301はカメラやRFIDにより識別され得る。本実施例では便宜的に1~9、A~Pで区別している。
本実施例では、商品a、b、cが3つの自動搬送装置103によって自動搬送エリア101内を例えば305a、b、cで示す通りに複雑な経路にて搬送される。それぞれの経路は、マーカー201の6、7、8、B、C、D、G、H、I、L、M、Nで商品の搬送経路が交差する可能性が生じる。
従来方法では、自動搬送装置103が衝突しないように回避の制御が実施されるが、本実施例では、少量多品種品を想定しており、自動搬送装置103の経路の制御だけでは商品の待機を回避できない。このため、自動搬送エリア101における商品の搬送経路を最適化する。このとき、自動搬送エリア101における商品の搬送前の配置と搬送後の配置も含めて最適化することができる。具体的には、保管棚104のスロットへ入れる商品の配置と対応する入庫ST105、商品が通過するマーカー位置、および配送先コンテナ302への商品の割り当てと対応する出庫ST106を最適化することにより、これらの最適な組み合わせを実行して商品の待機コストを低減する。
最適化のため、入庫ST105の位置A,B,C、保管棚104のスロット(1-1~1-3、2-1~2-3、3-1~3-3)ID、マーカー位置1~9、A~P、出庫ST106の位置D、E、F、およびコンテナG,H,IのIDを用いて、商品が通過する経路を記述する一つの変数を定義し、待機コストを規定する係数を変数の相互作用の強度として相互作用演算を実施する。算出した商品の予定経路に基づいて、自動搬送装置103の動きを制御する。
図3Bの例では、配送先コンテナ302には、商品a,b,cがひとつずつ搭載される。そこで、どの出荷先のコンテナ(客先に配送する商品のひとまとまり)をどの出庫STで作成して配送先に配送するか、という問題の解(最適化)も必要になる。上記の最適化では、自動搬送エリア101における商品の初期配置(入庫ST105)および配送先コンテナを含めて最適化を行っている。
別の例としては、商品の初期配置および商品の最終的な位置である配送先コンテナの少なくとも一つは決定済みであり、その他の部分を最適化してもよい。その場合は、決定済みの変数は定数として扱えばよい。商品の初期配置と配送先コンテナの決定は、商品マスタ221と出荷指示商品情報222に基づいてユーザが行ってもよいし、公知の技術により自動的に決定してもよい。あるいはランダムでもよい。
最適化を行う際の最適化問題の設定方法としては、待機コストCmは、搬送経路同士の干渉に起因する搬送の遅延可能性を評価する値であり、例えば、商品の交点での自動搬送装置103の平均の待機時間をTm、倉庫の実績データからあらかじめ算出した単位待機時間あたりに生じる作業コストPm、経路に交点を生じる商品に係る自動搬送機の台数Nmとして、Cm=Tm・Pm・Nmとして算出することが出来る。
一般的には、最適化問題を
Cm(x)=Σ{Tm(x)・Pm(x)・Nm(x)+L(x)}…(1)
のように規定し、目的関数Cm(x)が最小になる解を最適解とする。ここで変数xは搬送経路の通過座標(の行列)であり、L(x)は目的関数に影響する任意の他の項(例えば制約項)である。本実施例では簡単にするため、Tm(x)とPm(x)はxに依存しない定数として扱う。Nm(x)の例としては、ほかに搬送経路の交点の数など搬送経路の交点を反映する他の関数でもよい。
本実施例では、自動搬送装置103の搬送経路の交叉が自動搬送装置の輻輳の原因となり、待機コストと相関を持つことを想定している。他の項L(x)の例として、2つの自動搬送装置がすれ違いにくい場合等を、例えば2つの経路間の距離で表し、Lの項の効果で表現することも可能である(実施例3参照)。なお、待機コストの定義はこれに限定されるものではなく、倉庫の経営計画等に応じて変更してもよい。
なお、待機コストの算出においての商品の搬送に係る空間的な制約条件は、各々の倉庫のレイアウト、自動搬送装置等のマテリアルハンドリング等、個々の倉庫の構成によってよって異なるため、本実施例の記載に制約されるものではなく、それぞれの構成に応じて設定してよい。空間的な制約条件の例としては、例えば、「自動搬送装置および可動棚は、自身よりも狭い幅を通過することが出来ないため、マーカーの最小間隔は、自動搬送装置または可動棚の幅以上である」、「自動搬送装置と稼働棚とは自動搬送エリア内を隣接するマーカーを経由して搬送される」或いは、「経路が壁や柵やレールで制限されている」、などである。また、同一IDの商品が複数の搬送車に搭載されない、搬送車の搭載限度を超えて商品が搭載できない、なども状況に応じて制約条件となる。
また、コスト計算の基礎となる搬送経路の交叉が、所定の時間内における交叉であることを条件に加えてもよい。所定の時間内とは、例えば以下の図4のフローの最適化S407から次の最適化S407までの時間である。
図4は、本実施例で用いた最適化演算の処理フローである。まず、S401にて、経路決定部223はデータベース208に記録されている配送先毎の出荷指示商品情報222を取得する。出荷指示商品情報222とは例えば、出庫ST106から出荷する商品種類を示す商品種類ID、数量、出荷先、出荷時間である。より具体的な例では、出荷指示商品情報222には、配送先のIDと、配送先コンテナ302のIDと、当該配送先コンテナに搭載する商品種類IDおよび個数を紐づけて記録している。以下の実施例では、商品種類IDで管理する例を示す。個別の商品をIDで区別する必要がある場合には、商品IDを用いて管理すればよい。
次に、S402にて、経路決定部223はデータベース208に登録されている商品マスタ221より商品種類ID、数、保管場所などの在庫情報を取得してメモリ202に格納する。
これらの情報に基づき、経路決定部223はS403にて商品を保管場所から取り出して入庫ST105に待機している保管棚104に商品を入れる際の、スロット位置の初期値、および、出庫ST106のコンテナ配置の初期値を設定してメモリ202に格納する。
単純な例では、在庫が十分に存在するという前提で、出荷指示商品情報222で要求されている種類の商品を要求されている数だけ、保管棚104のスロットにランダムにいれればよい。この結果、保管棚104のスロットID、商品種類IDと個数、保管棚104が配置される入庫STが対応付けてメモリ202に格納される。本例では説明上、保管棚数≦入庫ST数、保管棚スロットと商品種類IDは一対一または多対一対応として説明する(すなわち一つの保管棚スロットには一種類の商品のみ格納)。搬送経路は商品種類IDに対応付けられた保管棚スロット毎に規定される。搬送経路の始点は上記入庫ST位置となる。
同様に、出庫ST106のコンテナの配置もコンテナのID順あるいはランダムに設定してよい。本例では、コンテナIDと出庫ST位置の初期配置指定では、コンテナIDと出庫STの対応は多対一でも可とする。この場合出庫STに複数スロットがあり、スロットとコンテナが対応する。メモリ202には、コンテナID、当該コンテナに割り当てられる商品ID(あるいは商品種類IDおよび個数)、出庫STが対応付けて格納される。
以上の作業S401~S403は、出荷指示商品情報222と在庫情報に基づいて、自動搬送装置103による搬送前の入庫ST105における商品の位置と、搬送後の商品の出庫ST106における位置の初期値を定める処理である。先に述べたように、これらは予め決定しておき、搬送経路の最適化計算において定数として扱ってもよい。
次に、経路決定部223は、S404にて入庫ST105および出庫ST106との間を自動搬送装置103が通過するマーカー番号(初期値)を設定し、商品の搬送経路の初期値としてメモリ202に格納する。搬送経路の初期値はランダムに設定してよい。あるいは、搬送前の商品の位置と、搬送後の商品の位置を制約としたうえで、それらを繋ぐ最短経路を選択することができる(この制約は後のL(x)に含めてもよい)。以上にて、各商品の仕分けエリアにおける移動経路の初期値が定まる。
S405にて、経路決定部223はこれら、商品が通過するスロットおよび商品が通過するマーカーの予定位置から商品が通過する全経路の商品待機コストの初期値ΣCm(x)を計算する。
本例において、上記式(1)で示されるΣCm(x)は、一種類の商品を格納した保管棚104のスロット毎に規定される搬送経路のコストの総和となる。
一つのスロットaの搬送経路は以下(2)のようになる。
Cma(x)=Tm(x)・Pm(x)・Nma(x)+L(x)…(2)
ここで、制約項L(x)は、種々の論理的あるいは実用的な任意の制約を含んでよい。必然的な制約として、同じ保管棚のスロットは同じ経路をとる制約を含む。すなわち、同一の搬送装置に割り当てられた搬送対象は同一の搬送経路上を搬送されるという制約を受ける。
本実施例では、各配送先コンテナ302に搭載すべき商品は、出荷指示商品情報222に基づいて配送先に従って決められているため、搬送後の商品の出庫ST106における位置は制約を受ける。よって、所定商品が格納された保管棚スロットの入庫ST105における配置、および、配送先コンテナ302の出庫ST106における配置に基づいて、当該保管棚スロットに配置される商品種類IDと同じ商品種類を格納するコンテナがある出庫STが搬送経路に含まれることを制約としてもよい。また、出庫STに到着するたびに当該出庫STのコンテナに下す商品の数に応じて、所定の順番で保管棚スロットの搬送経路が終端することが制約条件としてもよい。
なお、上記の例は一例であり、特に限定するものではない。想定される変形例としては以下のようなものがある。
上記の例では、単純な例としてIDは商品種類ごとの商品種類IDとし、一つの保管棚スロットには1種類の商品を入れ、経路は保管棚スロットごとにすることにした。ただし、IDを商品個体ごとの商品IDにして、保管棚スロットに複数種類商品を入れることを許容し、経路を商品個体ごとにして扱ってもよい。制約条件が減り最適化の自由度が増えるが、経路の数が増えるので計算は複雑になる。
上記では保管棚数≦入庫STにしたが、保管棚数>入庫STでもよい。その場合は、入庫STから保管棚への積み込みは1回で終わらないので、一つの入庫STからN個の保管棚にN回積み替え、Nサイクルで処理することが前提になる。この場合、入庫ST数を時間的に展開してN倍(1サイクル目の入庫ST A, 2サイクル目の入庫ST A, Nサイクル目の入庫ST A・・)すればよい。
経路中に初期入庫STと異なる入庫STが入ってもよい。すなわち複数の入庫ST104を経由して保管棚スロットに商品を搭載してもよい。この場合、経由する入庫STが搬送経路の制約条件となる。
上記の例ではコンテナに載せるのと同じ数の商品を保管棚104に準備したが、少なくても多くてもよい。商品の数が少ない場合には、足りない分を再度保管棚104に補給する必要があるので、先の例と同じくNサイクルで処理すればよい。多い場合は商品の一部が入庫STに残る。
次に、S406にて、最適化実行部224は最適化演算装置203に最適化演算を指示する。最適化演算装置203は、商品の通過座標を変数とし待機コストを規定する係数を変数の相互作用強度として大域的最適解の近似解を算出し、商品が載置されるスロット位置、出庫ST106のコンテナ配置、および、入庫ST105および出庫ST106との間を自動搬送装置103が通過するマーカー番号を決定する。
本実施例では、最適化演算装置203として、例えば特開2016-51314号公報に記載されるCMOSアニーリングマシンを利用することにした。このCMOSアニーリングマシンでは、最適化問題を相互作用モデルにより解くことが可能である。このため、最適化実行部224は、最適化問題を相互作用モデルに変換する。相互作用モデルにおいて、変数xはノードの値とし、目的関数を表現する係数はノード間の相互作用とする。最適化実行部224は、これらの値を最適化演算装置203に入力し、演算を制御する。これらの処理の詳細は、例えば特開2016-51314号公報記載の技術に基づいてよい。最適化演算装置203の演算終了後、経路決定部223は演算結果である大域的最適解を読み出す。
次に、S407にて、経路決定部223は初期値から算出したコストと、大域的最適解に係るコストとを比較し、算出した大域的最適解についての評価を実施する。なお、評価は、特定の目標値の閾値で判断してもよいし、初期値からのコスト低減を実現できたことを確認することをもって判断してもよく、また、その他の方法によって判断しても問題ない。例えば、最適化演算装置203の解が収束したことをもって判断してもよいし、最適化演算装置203で所定回数演算したことをもって判断してもよい。
S407にて、最適化が不十分である場合は、再度処理S403から繰り返す。CMOSアニーリングマシンによる最適解は確率的に算出されるため、複数回の演算で好ましい解が得られる可能性がある。
当該最適化演算は、最短の時間間隔として、入庫ST105に商品が入庫されるタイミング毎にリアルタイムに実施することが望ましい。ただし、本実施例は最適化システムの能力に応じて、当該仕分けを実施する時間単位内の待機コストが低減されるように設定することにした。
S408にて、算出した予定経路が評価の基準値を満たした後、経路制御部225は予定経路を自動搬送装置103に指示し、自動搬送装置103により商品の自動搬送がなされ、コンテナに商品が仕分けられる。その後、S409において商品の仕分け内容が正しいことを検品工程においてチェックし、配送先に出荷がなされる。
このとき、最適化演算装置203が求めた、商品が載置される保管棚104のスロット、出庫ST106のコンテナ配置、および、出庫ST106の関係に基づいて、出庫ST106に搬送された保管棚104から、当該出庫ST106に割り当てられた配送先コンテナ302に対応する物品のピッキングを指示する表示装置306や制御端子307に対して、出庫STからコンテナへ商品を振り分ける振り分け方が指示される。図3Aの例では、保管棚の1-1スロットから商品aを配送先コンテナGにピッキングの指示がされる。
同様に、最適化演算装置203が求めた、商品が載置される保管棚104のスロット位置に基づいて、入庫ST105でも同様の指示装置308が設置され、指示装置308の指示により商品が保管棚104に搭載される。
本実施例では、商品経路および保管棚への商品の配置、配送先コンテナの配置に係る前記最適化をアニーリング計算機で構成された最適化演算装置203を用いて実施した。しかし、同じ機能を実現できれば、最適化方法にこだわるものではなく、例えば遺伝的アルゴリズム、ニューラルネットワーク等を用いて実施してもよい。また、アニーリング計算機を用いる代わりに、GPU(Graphics Processing Unit)計算機に導入した最適化ソフトウェアまたはCPU計算機に導入した最適化ソフトウェアで行ってもよい。
また図2における装置構成はそれぞれの環境に応じて適宜変更が可能である。ただし、商品が少量多品種にわたる場合には、商品の仕分けに必要な処理をより短時間で行うことが要求される。また、仕分け作業の初期において経路の初期値と最適値がかけ離れ、最適解を見出すのに多くの処理時間を要する方法を用いた場合には、仕分け作業を停滞させる原因ともなりうる。このため、最適化の演算手段として、仕分け作業の停滞、つまり搬送装置の停滞を避けるのに十分な高速な処理が可能な手法を選択する必要がある。このため、最適組み合わせ問題を解くのに最速の演算装置および処理方法を採用することが望ましい。
なお、本実施例では、商品の保管棚への配置およびコンテナの配置案、商品の搬送経路の最適化を行った。ただし、前述のように、商品の種類または数、およびその両方が少ない(少量小品種)場合には、最適化に用いる変数として、商品の配置や経路の一部のみ選択し、最適化を実施しても良い。
本実施例では、例えば図4のフローにより最適化の演算を行ってから次の演算を行うまでの時間内に、予定する搬送経路が交差するかどうかに基づいて経路最適化を実行する。同一時間において2つの自動搬送装置が出会うかどうかまで判定しなくても、予定する商品の軌道の重なりが少なければ両者が出会う可能性が減り、結果的に待機コストが減る、という考え方を採用している。
実施例2は、商品の保管棚配置、自動搬送経路、自動搬送に使う保管棚および自動搬送装置の数を最適化する例を示す。
図5は実施例の別形態に係る処理フローである。実施例1で行った商品の経路最適化において、自動搬送エリア101を移動する自動搬送装置103および可動式の保管棚104の数が過剰である場合、あるいは、不足する場合に、それぞれの稼働台数を調整する最適化演算を実施するものである。本実施例では、自動搬送エリア101にて同時に使用する自動搬送装置103の台数および保管棚104の台数の最適化を行う。
まず、経路決定部223は、S401にて、出庫指示に係る商品の情報(種類、数)をDB208の出荷指示商品情報222から取得する。
次に、経路決定部223は、S402にて、データベース(DB)208に記録されている商品マスタ221から、保管商品の詳細情報を取得して商品の具体的な種類、数、保管場所を把握する。
次に、経路決定部223は、S501にて、同時に使用する保管棚104の台数と自動搬送装置の台数との初期値を設定する。例えば、初期値では使用可能な全ての保管棚と自動搬送装置の数を初期値とする。あるいは、入庫ST105と同数の保管棚104と自動搬送装置103を初期値とする。あるいは最小値とする。
次に、経路決定部223は、S403にて、保管棚104への商品の配置の初期値と出庫ST106の識別記号の初期値とを設定する。
次に、経路決定部223は、S403の情報に基づき、S404にて商品毎の自動搬送経路の初期値を設定する。
続いて、経路決定部223は、S405にて前記各初期値を元にして待機コストの初期値を算出する。
次に、最適化実行部224は、最適化演算装置203を用いて、S502にて保管棚104の台数、自動搬送装置103の台数、および商品移動経路に係るマーカー301の位置を変数とし、待機コストを規定する係数を変数の相互作用強度として最適化演算を行う。
本実施例では、保管棚104の台数、自動搬送装置103の台数、商品移動経路および商品の保管棚への配置を同時に最適化した。保管棚104の台数や自動搬送装置103の台数が多い場合、搬送経路の交叉確率が上昇し、待機コストが上昇すると考えられる。一方、保管棚104の台数や自動搬送装置103の台数が多い場合、輸送量自体は増加するため、双方を変数として最適化することで、総合的な作業効率を改善することができる。
その他の実施例として、最初に商品移動経路と商品の保管棚への配置とを同時に最適化した後に、初期の待機コストと最適化後の待機コストを比較した後、保管棚104および自動搬送装置103の稼働台数を調整する演算を実施してもよい。
また、保管棚104および自動搬送装置103の台数最適化は、例えば仕分け工程の稼働時間における単位時間あたりの待機コストの総和をモニタし、待機コストの時間変化の傾向が見える場合に処理を実施してもよい。当該台数最適化に際して、商品の搬送経路とは別の最適化装置を含む最適化システムを用いて処理を実施してもよい。
S407にて、経路決定部223は、前述のように算出した待機コストと待機コストの初期値を比較することにより、待機コスト算出値が評価の基準値を満たしたかどうかを判定する。その後、経路制御部225の制御により、S408にて商品の自動搬送が実施され、S409にて、商品が配送先毎に配送先コンテナ302に仕分けされる。商品は配送先コンテナ302から、ベルトコンベヤ303にて指定の検品エリア(図示せず)に搬送され、検品が実施され梱包された後、各配送先へ配送される。
S409で商品の自動搬送を実施して出庫ST106より配送先コンテナ302に商品を搬出する。またこのとき、最適化された保管棚104の台数や自動搬送装置103の台数に基づいて、台数の増減を指示する。当該指示は、台数の増減を人が行う場合には、自動搬送エリア101内あるいは近傍の表示装置(例えば指示装置308)に表示する。あるいは、各自動搬送装置103に無線などで直接指示し、自動搬送装置103が自律的に待機位置に移動してもよい。
空になった保管棚104を待機位置に引き上げる処理、および、自動搬送装置103を待機位置に引き上げるタイミングを、自動搬送を実行する前に調整することによって、過剰な可動式保管棚および自動搬送装置の台数を調整する。ここで待機位置とは、搬送経路に当たらない箇所であり、例えば、図1の入庫ST105、出庫ST106が配置されていない防護柵102に接する位置である。あるいは、自動搬送エリア101外に待機位置となるスペースを設けてもよい。
当該台数調整により、商品の搬送経路の交点を減らすための演算自由度が向上し、商品の保管棚104への配置と、出庫ST106位置に置かれる配送先コンテナ302の配置の最適化を含む商品の搬送経路の最適化を実施した。
実施例3は、商品の保管棚配置、自動搬送経路、自動搬送に使う保管棚および自動搬送装置に加え、自動搬送経路として使用するマーカーの数を調整する例である。
商品の自動搬送経路の最適化に係る別の形態について説明する。本実施例では、通過に使用するマーカー301の数あるいは密度を最適化する。マーカー密度の最適化により、自動搬送装置間の距離を最適化することができる。すなわち、マーカー密度が高いと(すなわち自動搬送装置の経路間隔が狭いと)自動搬送装置103の経路が交差した場合待機しなければならないが、マーカー密度が低いと経路が交差しても公知の回避動作により、待機せずに自動搬送装置同士がすれ違うことができる。
図6は、本実施例に係る商品の自動搬送経路の最適化フローである。実施例1および実施例2の自動搬送経路の最適化において、自動搬送エリア内のマーカーの一部を非アクティブにすることでマーカー数を制限する。例えば自動搬送装置の台数が多い場合に、自動搬送エリアの移動経路として登録されているマーカー(アクティブ)と非アクティブのマーカーとの割合を調整することにより、自動搬送装置103の搬送経路に係るマーカー(アクティブ)の周辺の自由空間(非アクティブのマーカー)を調整することにより商品搬送経路の最適解を算出する。
図7は、マーカー301の一部を非アクティブにした例である。マーカー301中、1,3,5,B,D,F,L,N,Pの9個がアクティブになり、斜線を施したマーカーが非アクティブになっている。明らかなように、アクティブなマーカー周辺の自由空間が増加しており、自動搬送装置同士のすれ違いが容易になっている。また、自動搬送装置103がとれる搬送経路は、アクティブのマーカーに制限されるため、これは制約条件となる。
例えば非アクティブのマーカーは、商品の数が少ない時には使用されないが、搬送経路305a~cの待機コストの減少が十分でない場合に、商品の搬送経路305a~cの交点に係る2つの自動搬送装置103の通過マーカーを非アクティブマーカーにずらすことにより、スムーズな商品搬送を実現することが出来る。
マーカーが商品の量(あるいは搬送車や可動棚の数)に対して少なすぎると、搬送効率が低下する場合も考えられるので、物流量に対して最適なマーカーの数になるように(待機時間が増加しない上限のマーカー数になるように)アクティブなマーカーの数を増やし、待機時間を調整することも可能である。
図6のS401~S405、S407、S501~S502は、実施例2の図5と同じであるが、本実施例の場合は、自動搬送装置の移動経路に用いているマーカー301の使用数に制限を設けており、実施例のS407の商品の待機コスト演算の後に使用するマーカーの調整を行った。例えば、デフォルトのマーカー個数は最小値とする。
そして例えば、最適化の判断S407において、待機コストの減少が所定条件を満たさず十分でない場合に、処理S601においてアクティブのマーカー数を所定数増加させる。あるいは、待機コストが停留値を取るようにマーカー個数を調整する。あるいは、マーカー個数の調整前と比較して待機コストが小さくなるよう、マーカー個数を調整することが考えられる。マーカー301の個数が減少すると搬送経路が制限されるため、目的関数Cm(x)=Σ{Tm・Pm・Nm(x)+L(x)}に、マーカー個数(あるいは密度)による搬送経路の制約を制約条件L(x)の項で含める。
図6のようにマーカー数を所定数増加させるほか、当該マーカー使用数の調整は、S502の最適化演算に含めてもいいし、S502においての別演算として実施してもよい。
最適化演算に含める場合の最適化問題は、例えば
Cm(x,M)=Σ{Tm(M)・Pm・Nm(x)+L(x)}…(3)
のように表す。Mは例えばマーカー個数であり、Tm(M)は、商品の交点での自動搬送装置103の平均の待機時間Tmがマーカー個数Mに依存する関数であることを示す。一般には、マーカー301の個数Mが少ないと、搬送経路の間隔が広がるため自動搬送装置103のすれ違いが容易になり、Tmが小さくなると考えられる。関数Tm(M)は、ユーザが経験的に設計するものとする。
S407によって最適化の基準を満たすことを確認後、S408、S409において、商品の自動搬送および、商品の仕分け、検品、出荷を実施した。なお、本実施例では、搬送経路の設定に使用する(アクティブな)マーカー301の使用数を制限することにより、自動搬送装置の占める自由空間を調整したが、マーカーに変わる位置指定方法によって自由空間を調整することにより最適化を行ってもよい。
なお、商品の移動経路の最適化に係る本実施例は、従来の自動搬送装置の移動経路の最適化手法と組み合わせてもよい。また、本実施例の適用先は、物流倉庫の仕分け工程に限定されるものではなく、その他の倉庫工程や、製造工程に係る物品の自動搬送等に適用してもよい。
実施例1~3では、最適化の処理では、既に搬送経路が決定済みの商品や、搬送経路が決定済みで搬送中の商品は無視していた。この場合、搬送経路最適化前の商品の搬送と、最適化済みの商品の搬送に時間的間隔が十分あれば、実用上問題ないと考えられる。
ただし、搬送経路が決定済みの商品や、搬送経路が決定済みで搬送中の商品を、最適化計算で考慮することもできる。この方法としては、以下の方式が考えられる。
(1)既に搬送経路が決まっている商品については、搬送経路を定数として最適化演算に含め、演算を行う。または、既に搬送経路が決まっている商品の搬送を、これから経路を決める商品が移動する際の移動の制約条件L(x)としてのみ取り扱い、最適化の対象には含めない。
(2)既に搬送経路が決まっている商品については、搬送が実行されていない搬送経路を変数として最適化演算に含め、演算を行う。すなわち、一部について最適化計算をやり直す。
以上説明した実施例1~4は適宜組み合わせて実施することが可能である。さらに、本発明は、上述した実施例1~4の実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことが出来る。上述の実施形態において、添付図面に開示した構成例に限定されない。本発明を達成する目的の範囲内で、実施形態構成や処理方法は適宜変更することが出来る。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれる。さらに特許請求の範囲に記載された構成は、特許請求の範囲で明示している組合せ以外にも組み合わせることができる。
以上説明した実施例によれば、保管庫への商品配置、出荷予定のコンテナ位置、および自動搬送機の配送に係る全ての商品の経路を一連の動線ととらえ、各々の商品の搬送経路の交点における商品の待機コストを全ての商品に対しての総和として計算し、当該コストが最小となるような大域的最適解を求めて初期値と比較することにより商品の搬送経路を最適化し搬送することにより、商品配送に係るコストを低減することができる。
本実施例によれば、自動搬送装置の滞留により、出庫予定の商品が全種そろうのに時間がかかり、出荷処理速度が遅延した商品に律速され、現在以上の処理速度向上の障害となることによるコスト上昇を防止することができる。特に、少量多品種品の搬送自動化においては、搬送経路の交錯が避けられないため上記の効果がより顕著になる。
101 自動搬送エリア
102 防護柵
103 自動搬送装置
104 保管棚
105 入庫ステーション
106 出庫ステーション
201 CPU
202 メモリ
203 最適化演算装置
204 データバス
205 センサ
206 ストレージデバイス
207 サーバ
208 データベース(DB)
209 通信手段
210 インターフェース
211 入出力装置
221 商品マスタ
222 出荷指示商品情報
223 経路決定部
224 最適化実行部
225 経路制御部
301 マーカー
302 配送先コンテナ
303 ベルトコンベヤ
304 検品、配送工程への搬送方向
305 搬送経路
306□物品のピッキングを指示する表示装置
307□物品のピッキングを指示する制御端子
308□商品の保管棚への搭載方法指示装置

Claims (15)

  1. 複数の搬送装置の搬送対象の其々について、複数の搬送先のうちの一以上の搬送先に搬送する搬送ルートを演算する演算装置を備え、
    前記演算装置は、前記複数の搬送装置の搬送対象の其々についての搬送ルートの案を変数とし、前記複数の搬送対象のうちの二以上の搬送ルートの干渉に起因する待機コストを規定する係数を変数間の相互作用の強度として設定した相互作用モデルに基づいて演算をする、物品自動搬送システム。
  2. 前記待機コストは、二以上の前記搬送ルートが重なる場合に発生するコストである、
    請求項1に記載の物品自動搬送システム。
  3. 前記搬送対象は、前記搬送装置により移動可能な移動棚へ収納する物品であって、
    前記相互作用モデルは、前記搬送ルートの始点に対応する、前記複数の移動棚における前記物品の配置の案を変数に含む、
    請求項1に記載の物品自動搬送システム。
  4. 前記搬送対象は、複数の配送先コンテナに収納される物品であって、
    前記相互作用モデルは、前記搬送ルートの経由地または終点に対応する、前記複数の配送先コンテナにおける前記物品の割り当て案を変数に含む、
    請求項1に記載の物品自動搬送システム。
  5. 前記相互作用モデルは、前記搬送装置の数をさらに変数として持つ、
    請求項1に記載の物品自動搬送システム。
  6. 前記搬送ルートの取りうる位置座標を有限数の通過点として規定し、前記通過点の数を調整することで、前記搬送ルートの調整が可能な、
    請求項1に記載の物品自動搬送システム。
  7. 複数の搬送対象の其々について、複数の搬送先のうちの一以上の搬送先に搬送する搬送ルートの案を演算装置で演算する物品自動搬送方法であって、
    前記演算装置は、前記複数の搬送対象の其々についての搬送ルートの案を変数とし、前記複数の搬送対象のうちの二以上の搬送ルートの交叉に起因する待機コストを規定する係数を変数間の相互作用の強度として設定した相互作用モデルに基づいて演算をする、物品自動搬送方法。
  8. 前記演算装置は、搬送ルートの案を変数xとし、前記搬送ルートの交叉を反映する関数Nm(x)を項として持つ目的関数Cm(x)が小さくなる最適解を求める、
    請求項7記載の物品自動搬送方法。
  9. 前記搬送ルートは、入庫ステーションを始点とし、出庫ステーションを前記搬送先とするものであって、
    前記演算装置は、前記入庫ステーションにおける前記搬送対象の配置と、前記出庫ステーションにおける前記搬送対象の配置を変数として扱う、
    請求項7記載の物品自動搬送方法。
  10. 前記入庫ステーションにおける前記搬送対象の配置を示す変数は、前記搬送対象を搬送する搬送装置への前記搬送対象の割り当てと、前記搬送装置と前記入庫ステーションの対応により定まり、
    前記搬送ルートの案は、同一の搬送装置に割り当てられた搬送対象は同一の搬送ルート上を搬送されるという制約を受ける、
    請求項9記載の物品自動搬送方法。
  11. 前記出庫ステーションにおける前記搬送対象の配置を示す変数は、前記搬送対象を格納する配送先コンテナへの前記搬送対象の割り当てと、前記配送先コンテナと前記出庫ステーションの対応により定まり、
    前記搬送ルートの案は、前記搬送装置への前記搬送対象の割り当てと、前記搬送装置と前記入庫ステーションの対応と、前記配送先コンテナへの前記搬送対象の割り当てと、前記配送先コンテナと前記出庫ステーションの対応による制約を受ける、
    請求項10記載の物品自動搬送方法。
  12. 前記演算装置は、前記搬送装置の数を変数として扱う、
    請求項10記載の物品自動搬送方法。
  13. 前記搬送ルートの取りうる位置座標を有限数の通過点として規定し、前記通過点の数を調整することで、前記搬送ルートの調整が可能な、
    請求項7記載の物品自動搬送方法。
  14. 前記演算装置が最小化しようとする目的関数Cm(x)は、
    Cm(x)=Σ{Tm・Pm・Nm(x)+L(x)}
    で表され、xはある搬送対象の搬送ルートを示す変数、Tmは搬送対象の搬送ルートの交叉に起因する平均の待機時間、Pmは単位待機時間あたりに生じる作業コスト、Nm(x)はある搬送対象の搬送ルートの交叉数、L(x)はある搬送対象の搬送ルートの制約条件であって制約に違反すると大きくなる関数、であって、Cm(x)は各搬送対象についての総和をとるものである、
    請求項7記載の物品自動搬送方法。
  15. 前記搬送ルートの取りうる位置座標を有限数の通過点として規定し、前記通過点の数Mを調整することで、前記搬送ルートの調整が可能であり、
    前記Tmは通過点の数Mに依存する関数Tm(M)である、
    請求項14記載の物品自動搬送方法。
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