JP2022012352A - 車両の表示・音声出力制御システム - Google Patents

Abstract

【課題】自動運転制御の最中のドライバに対する注意喚起を必要に応じて行いつつ、この注意喚起をドライバが煩わしいと感じるのを抑える技術を提供する。【解決手段】自動運転が行われる車両の表示・音声出力制御システムは、表示装置と、音声出力装置と、制御装置と、を備える。制御装置は、表示装置と音声出力装置による推奨動作の通知制御を行う。通知制御では、推奨動作の通知条件が満たされるか否かが判定される。通知条件が満たされると判定された場合、ドライバの状態および車両の走行状況に基づいて、推奨動作の通知緩和条件が満たされるか否かが判定される。通知緩和条件が満たされると判定された場合、緩和通知処理が行われる。そうでない場合、通常通知処理が行われる。緩和通知処理では、音声出力装置における推奨動作の出力状態が非アクティブ状態に制御される。【選択図】図７

Description

本発明は、自動運転が行われる車両の表示・音声出力制御システムに関する。

国際公開第２０１８／０１１８７１号は、ドライバによる車両の運転を支援する機能を有する制御装置を開示する。この従来の制御装置は、車両の加速、制動および操舵を支援する運転支援制御を行う前提条件（ドライバが周囲を監視している状態にあるか否か）が満たされるか否かの判定を行う。運転支援制御は、この前提条件が満たされると判定された場合に行われる。また、この前提条件の判定は、運転支援制御の最中にも繰り返し実行される。

国際公開第２０１８／０１１８７１号 特開２０１８－１４６５５２号公報

上記前提条件の判定を自動運転制御に適用した場合を考える。「自動運転制御」とは、車両のドライバが行う運転操作（すなわち、車両の加速、制動および操舵）の一部または全部が自動的に行われる車両制御である。自動運転制御の場合は、上記前提条件とは異なる条件を設定することが必要となる。ただし、適切な前提条件が設定されることで、自動運転制御の開始や終了を判断することが可能となる。

自動運転制御の最中に行われた前提条件の判定の結果が、否定的なものである場合を考える。この場合、自動運転制御を行うシステムは、当該自動運転制御の継続が困難となる場合に備え、ドライバに何らかの注意喚起を行うことが予想される。そして、この場合の注意喚起の手段としては、表示装置および音声出力装置が想定される。特開２０１８－１４６５５２号公報には、このような注意喚起手段が開示されている。

表示装置によれば、ドライバに対して推奨動作を視覚的に通知することができる。音声出力装置によれば、ドライバに対して推奨動作を聴覚的に通知することができる。しかしながら、この推奨動作の通知が必要以上に行われると、ドライバがそれを煩わしいと感じる可能性がある。そのため、自動運転制御の継続が困難となる場合に対する注意喚起を行いつつ、この注意喚起によりドライバが煩わしいと感じることを抑えるための技術の開発が望まれる。

本発明の１つの目的は、自動運転制御の最中のドライバに対する注意喚起を必要に応じて行いつつ、この注意喚起をドライバが煩わしいと感じるのを抑えることが可能な技術を提供することにある。

本発明の第１の観点は、自動運転が行われる車両の表示・音声出力制御システムである。
前記制御システムは、表示装置と、音声出力装置と、制御装置と、を備える。
前記表示装置は、前記自動運転の最中のドライバの推奨動作を視覚的に通知する。
前記音声出力装置は、前記推奨動作を聴覚的に通知する。
前記制御装置は、前記表示装置と前記音声出力装置による前記推奨動作の通知制御を行う。
前記制御装置は、前記通知制御において、
前記推奨動作の通知条件が満たされるか否かを判定し、
前記通知条件が満たされると判定された場合、前記ドライバの状態および前記車両の走行状況に基づいて、前記推奨動作の通知緩和条件が満たされるか否かを判定し、
前記通知緩和条件が満たされないと判定された場合、前記表示装置および前記音声出力装置の全てにおいて前記推奨動作の出力状態をアクティブ状態に制御する通常通知処理を行い、
前記通知緩和条件が満たされると判定された場合、前記音声出力装置における前記出力状態を非アクティブ状態に制御する緩和通知処理を実行する。

本発明の第２の観点は、第１の観点において、更に次の特徴を有する。
前記表示装置は、複数の表示装置を含む。
前記制御装置は、前記緩和通知処理において、前記複数の表示装置の一部および前記音声出力装置における前記出力状態を非アクティブ状態に制御する。

本発明の第３の観点は、第１の観点において、更に次の特徴を有する。
前記表示装置による前記推奨動作の通知は、前記推奨動作を示すアイコンを前記表示装置の複数の表示領域に個別表示することにより行われる。
前記制御装置は、前記緩和通知処理において、前記複数の表示領域のうちの一部における前記アイコンの表示状態および前記音声出力装置における前記出力状態を非アクティブ状態に制御する。

本発明によれば、通知条件および通知緩和条件の二段階判定が行われる。この二段階判定によれば、自動運転制御の最中の推奨動作の通知を最小限に留めることが可能となる。したがって、自動運転制御の最中のドライバに対する注意喚起を必要に応じて行いつつ、この注意喚起をドライバが煩わしいと感じるのを抑えることが可能となる。

実施の形態に係る表示・音声出力制御システムを車両に適用した場合の構成例を示す図である。 図１に示した表示・音声出力制御装置の機能の構成例を示す図である。 音声情報とその属性の一例を示す図である。 表示情報とその属性の一例を示す図である。 表示レイアウト制御の一例を説明する図である。 表示レイアウト制御の一例を説明する図である。 表示・音声出力制御装置のプロセッサが行う推奨動作制御に関連する処理の流れを示すフローチャートである。 緩和通知処理が行われた場合における推奨動作の通知例を示す図である。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。

１．構成例
１－１．自動運転を行う車両の構成例
図１は、実施の形態に係る表示・音声出力制御システムを車両に適用した場合の構成例を示す図である。なお、図１には、本発明に関連する構成のみが描かれている。図１に示される車両１００としては、エンジンを動力源とする自動車、モータを動力源とする電気自動車、および、エンジンとモータを備えるハイブリッド自動車が例示される。モータは、二次電池、水素燃料電池、金属燃料電池、アルコール燃料電池などの電池により駆動される。

車両１００は、自動運転制御を行うための構成を備えている。「自動運転制御」とは、車両１００のドライバが行う運転操作の一部または全部が自動的に行われる車両制御である。車両１００のドライバとしては、車両１００の運転席に実際に座っているドライバだけでなく、遠隔地に駐在するリモートドライバ（オペレータ）が想定される。

自動運転制御には、駆動制御、制動制御および操舵制御が含まれる。図１に示される例では、運転環境検出装置１０、ドライバ状態検出装置２０、車載のネットワーク３０（例えば、ＣＡＮ（Car Area Network））、車両制御装置４０および走行装置５０が、自動運転制御を行うための構成に該当する。

運転環境検出装置１０は、車両１００の運転環境を示す情報（以下、「運転環境情報」とも称す。）を検出し、または取得する。運転環境情報としては、現在位置情報、車両状態情報、周辺状況情報、地図情報および通信情報が例示される。

現在位置情報は、車両１００の現在の位置を示す情報である。現在位置情報は、例えば、車載のＧＰＳ（Global Positioning System）受信器により取得される。

車両状態情報は、車両１００の状態を示す情報である。車両１００の状態を示す情報としては、車速、ヨーレート、横加速度および操舵角が例示される。車両状態情報は、例えば、車載の各種センサ（例えば、車輪速センサ、ヨーレートセンサ、加速度センサおよび操舵トルクセンサ）により検出される。これらの状態検出センサは、内部センサとも称される。

周辺状況情報は、車両１００の周辺の状況を示す情報である。周辺状況情報は、車載のカメラによって撮像された画像情報を含む。周辺状況情報は、車載のレーダによって計測された計測情報を含む。カメラ、レーダなどの認識系機器は、外部センサとも称される。

地図情報としては、道路の種別（例えば、一般道路および高速道路）、道路の形状（例えば、勾配および曲率）、道路上に設置される信号の位置、制限速度が例示される。地図情報は、一般的なナビゲーション地図を含む。地図情報は、地図データベースに格納されている。地図データベースは、車載されていてもよいし、車外の管理サーバに搭載されていてもよい。後者の場合、地図情報は、通信情報に含まれる。

通信情報は、情報提供システムから提供される情報である。通信情報は、車載の通信装置により取得される。通信情報には、渋滞、事故、工事区間、車線規制などの道路交通情報が含まれる。通信情報には、天候情報も含まれる。

ドライバ状態検出装置２０は、ドライバの状態を示す情報（以下、「ドライバ状態情報」とも称す。）を検出し、または取得する。ドライバ状態検出装置２０としては、ドライバモニタカメラおよび操舵タッチセンサが例示される。ドライバモニタカメラは、ドライバの顔を撮像する。ドライバモニタカメラは、少なくとも２方向からドライバの顔を撮像するために、少なくとも２個設けられていてもよい。操舵タッチセンサは、ステアリングホイールに対するドライバの接触、および、ドライバがステアリングホイールを握る圧力を検出する。

車両制御装置４０は、プロセッサ、メモリおよび入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータである。車両制御装置４０は、入出力インタフェースを介して各種情報を取得する。そして、車両制御装置４０は、この各種情報に基づいて自動運転制御を行う。

自動運転制御の実行に際し、車両制御装置４０は、自動運転制御を行う前提条件ＰＣが満たされているかを判定する。前提条件ＰＣは、例えば、下記の条件ＰＣ１～ＰＣ６から構成される。
ＰＣ１：自動運転制御を実行可能な領域に車両が位置している
ＰＣ２：外部センサの認識状態が正常である
ＰＣ３：車速が閾値未満である
ＰＣ４：操舵角が閾値未満である
ＰＣ５：車両運動の変化量（例えば、加速度、減速度、ロールレート、ピッチレートおよびヨーレート）が閾値未満である
ＰＣ６：車両のドアおよび窓が閉められている

条件ＰＣ１～ＰＣ６は、運転環境情報に基づいて判定される。条件ＰＣ１～ＰＣ６が全て満たされる場合、前提条件ＰＣが満たされていると判定される。前提条件ＰＣの判定結果が肯定的な場合、車両制御装置４０は、目標ルートを設定し、走行計画を生成する。目標ルートは、自動運転制御の実行中に車両１００が到達すべき目標位置の集合により表される。目標位置は、目標ルートの延在方向において所定間隔（例えば、１ｍ）毎に設定される。走行計画は、目標ルートおよび運転環境情報に基づいて生成される。走行計画には、目標位置ごとに設定される走行装置５０の制御目標値が含まれる。制御目標値には、目標横位置および目標車速が含まれる。車両制御装置４０は、制御目標値を示す制御信号を走行装置５０に送信する。

走行装置５０は、操舵装置、駆動装置および制動装置を含む。操舵装置は、車両１００の車輪を転舵する。例えば、操舵装置は、電動パワーステアリング（EPS: Electric Power Steering）装置を含んでいる。駆動装置は、駆動力を発生させる動力源である。駆動装置としては、エンジンおよびモータが例示される。制動装置は、制動力を発生させる。

１－２．表示・音声出力制御システムの構成例
図１に示される例では、表示・音声出力制御装置６０、表示装置７０および音声出力装置８０が、実施の形態に係る表示・音声出力制御システムに該当する。

表示・音声出力制御装置６０は、プロセッサ、メモリおよび入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータである。表示・音声出力制御装置６０は、ネットワーク３０を介し、運転環境検出装置１０、ドライバ状態検出装置２０および車両制御装置４０と接続されている。表示・音声出力制御装置６０は、これらの車載機器において表示情報および音声情報を出力するイベント（以下、「出力イベント」とも称す。）が発生すると、ネットワーク３０を介してこれらの情報を取得する。そして、表示・音声出力制御装置６０は、表示情報および音声情報の出力を行う。表示・音声出力制御装置６０の構成例については後述される。

表示装置７０は、表示・音声出力制御装置６０に接続されている。表示装置７０としては、運転席の正面に設置されるメーターパネルが例示される。表示装置７０の別の例は、フロントウィンドウに表示情報を映し出すヘッドアップディスプレイである。表示装置７０の更に別の例は、ナビゲーションのための地図などを表示する液晶ディスプレイである。表示装置７０は、これらの表示装置の少なくとも１つから構成される。表示装置７０は、表示・音声出力制御装置６０からの出力信号に基づいて、表示情報を表示する。

音声出力装置８０は、表示・音声出力制御装置６０に接続されている。音声出力装置８０としては、スピーカ、ブザーなどが例示される。音声出力装置８０は、表示・音声出力制御装置６０からの出力信号に基づいて、音声情報を出力する。

２．表示・音声出力制御装置の構成例
図２は、図１に示した表示・音声出力制御装置６０の機能の構成例を示す図である。図２に示される例では、表示・音声出力制御装置６０が、情報取得部６１と、音声情報管理部６２と、音声出力制御部６３と、表示情報管理部６４と、表示レイアウト制御部６５と、を備えている。これらの機能は、表示・音声出力制御装置６０のプロセッサが、メモリに格納された各種の制御プログラムを実行することにより実現される。

情報取得部６１は、運転環境検出装置１０や車両制御装置４０において表示情報および音声情報の出力イベントが発生すると、ネットワーク３０を介してそれらの情報を取得する。この情報としては、運転環境検出装置１０により検出された「車速」、および、車両制御装置４０が実行中の「自動運転制御情報」が例示される。自動運転制御情報には、上限車速情報、車間距離情報および周辺車両情報が含まれる。上限車速情報は、自動運転制御における車速の上限を示す情報である。車間距離情報は、先行車両が存在する場合における車両１００から先行車両までの距離を示す情報である。周辺車両情報は、車両１００の周囲において車両１００と同一方向に進行する他車両の存在を示す情報である。

情報取得部６１は、更に、ナビゲーションシステムやオーディオシステム（何れも不図示）において出力イベントが発生すると、ネットワーク３０を介して当該出力イベントに関連する情報を取得する。この情報としては、ナビゲーションシステムによる「経路案内情報」、オーディオシステムによる「オーディオ情報」などが例示される。

音声情報管理部６２は、音声情報を管理する。音声情報管理部６２は、情報取得部６１が取得した音声情報に対応する各種の属性を、音声情報ごとに記憶している。図３は、音声情報とその属性の一例を示す図である。図３に示される例では、音声情報ＶＩの属性として、「カテゴリ」、「遅延可能時間」、「情報長さ」、「有意情報終了時刻」および「出力状態」が定義されている。

カテゴリは、音声情報ＶＩの種別を、通知の目的や内容に応じて定義する情報である。カテゴリとしては、「注意喚起」、「故障通知」、「経路案内」および「エンターテイメント情報」が例示される。ここで、注意喚起および故障通知は、走行安全性を確保する観点から設定されるカテゴリである。注意喚起には、自動運転制御の最中の「推奨動作通知」が含まれる。推奨動作としては、ステアリングホイールの保持および車両周辺の監視が例示される。推奨動作通知は、注意喚起から独立したカテゴリとして定義されている。

ここで、ステアリングホイールの保持状態を端的に表す表現として、“Hands-on”および“Hands-off”が定義される。“Hands-on”とは、ドライバの手が少なくともステアリングホイールに接触している状態と定義される。“Hands-off”とは、ドライバの手がステアリングホイールから離れている状態と定義される。また、ドライバの視線状態を端的に表す表現として、“Eyes-on”および“Eyes-off”が定義される。“Eyes-on”とは、ドライバが周辺を監視している状態と定義される。“Eyes-off”とは、ドライバが車両周辺を監視していない状態と定義される。本発明において、推奨動作通知とは、“Hands-on”および“Eyes-on”の少なくとも一方を要求する通知と定義される。

遅延可能時間は、音声出力イベントが発生した時点から音声情報ＶＩの出力の実行までの遅延の許容時間を定義する情報である。ドライバに早期に通知する必要がある緊急性の高い音声情報ＶＩに対しては、短い遅延可能時間が設定される。緊急性の低い音声情報ＶＩに対しては、長い遅延可能時間が設定される。

情報長さは、音声情報ＶＩを最後まで出力するのに要する時間を示す情報である。有意情報終了時刻は、出力中の音声情報ＶＩが有意の内容を伝え終わる予定時刻を示す情報である。有意情報終了時刻は、例えば、音声情報ＶＩの出力開始時刻に情報長さを加えた時刻として算出される。音声情報ＶＩのうち有意の内容を含まない文末の文言を省略可能である場合、有意情報終了時刻は、情報長さよりも短く設定される。

出力状態は、音声情報ＶＩが出力の対象であるか否かを示す情報である。出力状態は、「アクティブ状態」および「非アクティブ状態」により定義される。アクティブ状態は、音声情報が出力の対象であることを示す。非アクティブ状態は、音声情報が出力の対象でないことを示す。別の例では、アクティブ状態は、音声情報が通常状態で出力されることを示す。非アクティブ状態は、通常状態よりも緩和された状態で音声情報が出力されることを示す。ある音声情報ＶＩを出力するイベントが発生した場合、このイベントに対応する音声情報ＶＩの出力状態は、原則、アクティブ状態を示す。

音声情報管理部６２は、音声出力イベントが発生した場合に、このイベントに対応する音声情報ＶＩの属性を音声出力制御部６３に供給する。

音声出力制御部６３は、音声情報管理部６２から供給された音声情報ＶＩの属性に基づいて、音声出力制御を行う。音声出力制御には、出力時期が重複する複数の音声出力イベントが発生した場合における、これらの音声情報ＶＩの出力スケジュールの調整が含まれる。この調整は、音声情報ＶＩの各属性に基づいて行われる。例えば、カテゴリに応じた優先度に基づいて、音声情報ＶＩの出力の順番が決定される。この優先度は、例えば、注意喚起が最も高く設定される。優先度は、推奨動作通知、故障通知、経路案内およびエンターテイメント情報の順に低く設定される。また、情報長さよりも短い有意情報終了時刻を含む場合は、この終了時刻が採用される。

音声出力制御には、更に、自動運転制御の最中における推奨動作通知の出力制御が含まれる。この出力制御の詳細については「３．推奨動作通知制御」にて後述される。音声出力制御部６３は、音声出力制御の実行の結果として出力される音声情報ＶＩの信号を音声出力装置８０に出力する。

表示情報管理部６４は、表示情報を管理する。表示情報管理部６４は、情報取得部６１が取得した表示情報に対応する各種の属性を、表示情報ごとに記憶している。図４は、表示情報とその属性の一例を示す図である。図４に示される例では、表示情報ＤＩの属性として、「カテゴリ」、「情報サイズ」および「出力状態」が定義されている。

カテゴリは、表示情報ＤＩの種別を、通知の目的や内容に応じて定義する情報である。カテゴリとしては、「注意喚起」、「推奨動作通知」、「故障通知」、「経路案内」および「エンターテイメント情報」が例示される。つまり、表示情報ＤＩのカテゴリは、音声情報ＶＩのそれと一致している。

情報サイズは、表示情報ＤＩの表示に要する領域の大きさを示す情報である。情報サイズは、例えば、縦および横のピクセル数で表現される。

出力状態は、表示情報ＤＩが出力の対象であるか否かを示す情報である。出力状態は、「アクティブ状態」および「非アクティブ状態」により定義される。アクティブ状態は、表示情報ＤＩが出力の対象であることを示す。非アクティブ状態は、表示情報ＤＩが出力の対象でないことを示す。ある表示情報ＤＩを出力するイベントが発生した場合、このイベントに対応する表示情報ＤＩの出力状態は、原則、アクティブ状態を示す。

表示情報管理部６４は、表示イベントが発生した場合に、このイベントに対応する表示情報ＤＩの属性を表示レイアウト制御部６５に供給する。

表示レイアウト制御部６５は、表示情報管理部６４から供給された表示情報ＤＩの属性に基づいて、表示情報ＤＩを表示装置７０の複数の表示領域に割り付ける表示レイアウト制御を行う。複数の表示領域は、例えば、表示装置７０の１つの画面を複数個に区分けすることにより設定される。区分け後の表示領域は、複数個に細分化されていてもよい。別の例では、表示装置７０が２台以上の装置を含む。この別の例では、複数の表示領域が、２台以上の表示装置の画面ごとに設定される。

図５および６は、表示レイアウト制御の一例を説明する図である。図５に示される例では、出力イベントの発生時期が重複する３種類の表示情報ＤＩ１～ＤＩ３と、３つの表示領域７０Ａ～７０Ｃと、が描かれている。表示領域７０Ａ～７０Ｃは、表示装置７０の１つの画面内に設定されたものである。図６に示される例では、更に、表示情報ＤＩ４が描かれている。

表示レイアウト制御では、表示情報ＤＩの各属性に基づいて、これらの表示情報の割り付けが行われる。図５に示される例は、情報サイズにおいて重複がない場合を示している。この例では、表示情報ＤＩ１～ＤＩ３が、その情報サイズに合致する画面サイズを有する表示領域７０Ａ～７０Ｃにそれぞれ割り付けられる。

図６に示される例は、表示情報ＤＩ３の情報サイズが表示情報ＤＩ４のそれと重複する場合を示している。この例では、カテゴリに応じた優先度に基づいて、表示情報ＤＩ３とＤＩ４のどちらを表示するかについての調整が行われる。この例では、優先度が高い表示情報ＤＩ４が表示領域７０Ｃに割り付けられる。なお、優先度の低い表示情報ＤＩ３は、その出力状態がアクティブ状態から非アクティブ状態に切り替えられる。

表示レイアウト制御には、自動運転制御の最中における推奨動作通知の出力制御が含まれる。この出力制御の詳細については「３．推奨動作通知制御」にて後述される。表示レイアウト制御部６５は、表示レイアウト制御の実行の結果として出力される表示情報ＤＩの信号を表示装置７０に出力する。

３．推奨動作通知制御
３－１．概要
自動運転制御の最中においては、推奨動作の音声出力イベントおよび表示イベントが発生しうる。具体的に、これらのイベントは、推奨動作の通知条件ＮＣ（詳細は後述）が満たされる場合に発生する。推奨動作の音声出力イベントが発生した場合、音声出力制御の実行の結果として、推奨動作通知が音声出力装置８０により行われる。推奨動作の表示イベントが発生した場合、表示レイアウト制御の実行の結果として、推奨動作通知が表示装置７０により行われる。

既に説明したように、推奨動作通知は、走行安全性を確保する観点から行われる注意喚起である。推奨動作通知は緊急性の高いカテゴリである。ただし、必要以上の推奨動作通知が行われると、ドライバがそれを煩わしいと感じることがある。そこで、実施の形態では、推奨動作の音声出力イベントおよび表示イベントが発生した場合に、音声出力制御および表示レイアウト制御において、推奨動作通知の出力状態を意図的に非アクティブ状態に切り替える処理を行う。

推奨動作通知の出力状態を全て非アクティブ状態に切り替えると、走行安全性を確保するという本来の目的を果たすことができない。そこで、実施の形態では、通知緩和条件ＭＣ（詳細は後述）が満たされる場合に限り、音声出力装置８０による推奨動作通知の出力状態を非アクティブ状態に切り替える処理（緩和通知処理）を行う。緩和通知処理では、例えば、表示装置７０による推奨動作通知の出力状態がアクティブ状態に維持される。この理由は、視覚的な通知よりも、聴覚的な通知の方が相対的に煩わしいという人間工学の観点に基づいている。

緩和通知処理の別の例では、音声出力装置８０に加えて、表示装置７０の一部の表示領域における推奨動作通知の出力状態が非アクティブ状態に切り替えられる。緩和通知処理のまた別の例では、音声出力装置８０に加えて、２台以上の表示装置７０のうちの一部における推奨動作通知の出力状態が非アクティブ状態に切り替えられる。

３－２．制御処理例
図７は、表示・音声出力制御装置６０のプロセッサが行う推奨動作制御に関連する処理の流れを示すフローチャートである。なお、図７に示されるルーチンは、前提条件ＰＣが満たされている間、所定の制御周期で繰り返し実行される。なお、前提条件ＰＣが満たされていることは、表示・音声出力制御装置６０のプロセッサが独自に判定してもよいし、車両制御装置４０による判定結果の取得により判定してもよい。

図７に示されるルーチンでは、まず、通知条件ＮＣが満たされているかが判定される（ステップＳ１）。通知条件ＮＣは、例えば、下記の条件ＮＣ１～ＮＣ５から構成される。
ＮＣ１：近い将来の車線変更（合流および分岐を含む）を含む走行計画が生成された
ＮＣ２：走行中のルートに関する特定の通信情報（車線規制情報、渋滞末尾情報、路上障害物情報、悪天候情報）を受信した
ＮＣ３：ドライバモニタカメラがドライバを認識できない（例えば、逆光、カメラレンズ汚れ、ドライバの顔の主要部分が覆われている、赤外線カットのサングラスをドライバが着用している）
ＮＣ４：車両制御装置４０による車線変更の最中である
ＮＣ５：タイヤの空気圧センサが警告状態である

条件ＮＣ１～ＮＣ５は、積極的な通知条件ＮＣに該当する。積極的な通知条件ＮＣではないが、ドライバの運転意識向上を目的とした通知条件ＮＣとして下記条件ＮＣ６およびＮＣ７が例示される。条件ＮＣ６およびＮＣ７は通知条件ＮＣに任意に追加される。
ＮＣ６：一定時間（例えば、１０秒）ドライバが脇見をし、または、目を閉じていた
ＮＣ７：一定時間（例えば、１０分）推奨動作が通知されなかった

条件ＮＣ１～ＮＣ７は、運転環境情報およびドライバ状態情報に基づいて判定される。条件ＮＣ１～ＮＣ５（または、条件ＮＣ１～ＮＣ７）のうち少なくとも１つが満たされる場合、通知条件ＮＣが満たされていると判定される。

ステップＳ１の判定結果が否定的な場合、今回の通知処理は終了する。ステップＳ１の判定結果が肯定的な場合、通知情報が参照される（ステップＳ２）。通知情報は、音声情報ＶＩおよび表示情報ＤＩが該当する。

ステップＳ２に続いて、カテゴリが推奨動作通知に該当するか否かが判定される（ステップＳ３）。カテゴリは、ステップＳ２において参照した通知情報の属性として定義されている。ステップＳ３の判定結果が肯定的な場合、ステップＳ４の処理が行われる。ステップＳ３の判定結果が否定的な場合、ステップＳ５の処理が行われる。

ステップＳ４では、通知緩和条件ＭＣが満たされているかが判定される。通知緩和条件ＭＣは、例えば、下記の条件ＭＣ１～ＭＣ４から構成される。
ＭＣ１：車速が低速である（例えば、１０ｋｍ／ｈ以下）
ＭＣ２：ドライバが既に“Hands-on”状態または“Eyes-on”状態である
ＭＣ３：前回の推奨動作の通知の際、ドライバによる“Hands-on”状態または“Eyes-on”状態が一定時間維持された
ＭＣ４：今回の推奨動作の通知の直前まで、ドライバによる“Hands-on”状態または“Eyes-on”状態が一定時間維持された

通知緩和条件ＭＣとしては、通知条件ＮＣを構成する特定の条件に対応した下記の条件ＭＣ５～ＭＣ７も想定される。
ＭＣ５：近い将来の車線変更が短期間に何度も繰り返される（条件ＮＣ１に対応する条件）
ＭＣ６：ドライバカメラからの認識不調信号が一定時間内に何度も入力される（条件ＮＣ３に対応する条件）
ＭＣ７：ドライバ入力に起因した車両制御装置４０による車線変更（条件ＮＣ４に対応する条件）

条件ＭＣ１～ＭＣ７は、運転環境情報およびドライバ状態情報に基づいて判定される。条件ＭＣ１～ＭＣ４のうち少なくとも１つが満たされる場合、通知緩和条件ＭＣが満たされていると判定される。または、条件ＮＣ１、ＮＣ３またはＮＣ４が満たされる場合において、当該条件ＮＣに対応する条件ＭＣが満たされる場合、通知緩和条件ＭＣが満たされていると判定される。ステップＳ４の判定結果が肯定的な場合、ステップＳ６の処理が行われる。ステップＳ４の判定結果が否定的な場合、ステップＳ５の処理が行われる。

ステップＳ５では、通常通知処理が行われる。通常通知処理が行われると、表示レイアウト制御および音声出力制御の実行に従い、表示装置７０および音声出力装置８０の全てから推奨動作が通知される。

ステップＳ６では、緩和通知処理が行われる。緩和通知処理では、音声出力制御部６３に供給されている推奨動作通知の出力状態が、アクティブ状態から非アクティブ状態に切り替えられる。別の例では、この出力状態に加えて、表示装置７０の一部の表示領域に表示する推奨動作通知の出力状態が、アクティブ状態から非アクティブ状態に切り替えられる。また別の例では、２台以上の表示装置７０のうちの一部における推奨動作通知の出力状態が、アクティブ状態から非アクティブ状態に切り替えられる。

３－３．具体的な通知例
図８は、緩和通知処理が行われた場合における推奨動作の通知例を示す図である。図８の上段に示される例では、ステアリングホイール（ハンドル）を模したアイコンＩＣ１が表示領域７０Ｂ内に表示されている。また、アイコンＩＣ１よりもサイズの大きいイラストと「ハンドルを保持してくだい」というメッセージが組み合わされたアイコンＩＣ２が表示領域７０Ｃ内に表示されている。アイコンＩＣ１およびＩＣ２は、表示レイアウト制御の実行に従って表示装置７０に出力された推奨動作情報に該当する。

図８の上段および下段に示される例では、何れも、音声出力による推奨動作の通知が省略されている。図８の下段に示される例では、この音声出力の省略に加えて、表示領域７０Ｃ内の推奨動作の通知（すなわち、上段に示したアイコンＩＣ２）が省略されている。

４．効果
以上説明した実施の形態に係る表示・音声出力制御システムによれば、通知条件および通知緩和条件の二段階判定が行われる。この二段階判定によれば、自動運転制御の最中の推奨動作の通知を最小限に留めることが可能となる。したがって、自動運転制御の最中のドライバに対する注意喚起を必要に応じて行いつつ、この注意喚起をドライバが煩わしいと感じるのを抑えることが可能となる。

６０ 表示・音声出力制御装置
６１ 情報取得部
６２ 音声情報管理部
６３ 音声出力制御部
６４ 表示情報管理部
６５ 表示レイアウト制御部
７０ 表示装置
７０Ａ～７０Ｃ 表示領域
８０ 音声出力装置
１００ 車両
ＭＣ 通知緩和条件
ＮＣ 通知条件
ＰＣ 前提条件
ＤＩ、ＤＩ１～ＤＩ４ 表示情報
ＶＩ 音声情報
ＩＣ１、ＩＣ２ アイコン

Claims (3)

1. 自動運転が行われる車両の表示・音声出力制御システムであって、
   前記自動運転の最中のドライバの推奨動作を視覚的に通知する表示装置と、
   前記推奨動作を聴覚的に通知する音声出力装置と、
   前記表示装置と前記音声出力装置による前記推奨動作の通知制御を行う制御装置と、
   を備え、
   前記制御装置は、前記通知制御において、
   前記推奨動作の通知条件が満たされるか否かを判定し、
   前記通知条件が満たされると判定された場合、前記ドライバの状態および前記車両の走行状況に基づいて、前記推奨動作の通知緩和条件が満たされるか否かを判定し、
   前記通知緩和条件が満たされないと判定された場合、前記表示装置および前記音声出力装置の全てにおいて前記推奨動作の出力状態をアクティブ状態に制御する通常通知処理を行い、
   前記通知緩和条件が満たされると判定された場合、前記音声出力装置における前記出力状態を非アクティブ状態に制御する緩和通知処理を実行する
   ことを特徴とする表示・音声出力制御システム。
2. 請求項１に記載の表示・音声出力制御システムであって、
   前記表示装置は、複数の表示装置を含み、
   前記制御装置は、前記緩和通知処理において、前記複数の表示装置の一部および前記音声出力装置における前記出力状態を非アクティブ状態に制御する
   ことを特徴とする表示・音声出力制御システム。
3. 請求項１に記載の表示・音声出力制御システムであって、
   前記表示装置による前記推奨動作の通知は、前記推奨動作を示すアイコンを前記表示装置の複数の表示領域に個別表示することにより行われ、
   前記制御装置は、前記緩和通知処理において、前記複数の表示領域のうちの一部における前記アイコンの表示状態および前記音声出力装置における前記出力状態を非アクティブ状態に制御する
   ことを特徴とする表示・音声出力制御システム。

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