JP2022012236A - 殺菌・ウイルス不活性化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 充分な殺菌効果及びウイルス不活性化効果を示し、使用対象や人の皮膚を傷つけにくい殺菌・ウイルス不活性化組成物を提供する。【解決手段】 低級アルコールと、酸解離定数(pKa)が9.0以上のアミン化合物とを含むことを特徴とする殺菌・ウイルス不活性化組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、殺菌・ウイルス不活性化組成物に関する。
黄色ブドウ球菌や、サルモネラ菌等の細菌は、食中毒を引き起こす原因菌として知られている。これらの細菌による食中毒を防ぐために、低級アルコールや四級アンモニウム化合物等の殺菌組成物を用いてこれらの細菌を殺菌することは従来より行われている。
また、近年、ノロウイルス等のウイルスによる感染性胃腸炎あるいは食中毒の発生が一年を通じて多発しており、特に11~3月が発生のピークとなっている。特にノロウイルスは、カリシウイルス科、ノロウイルス属に分類されるエンベロープを持たないRNAウイルス(以下、「ノロウイルス等」と記載する)であり、アルコール(エタノール、イソプロパノール等)、熱、酸性(胃酸等)、又は、乾燥等に対して強い抵抗力を有する。潜伏期間は1~2日であると考えられており、嘔気、嘔吐、下痢の主症状が出るが、腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛、倦怠感等を伴うこともある。
細菌やウイルスによる食中毒を防ぐための組成物として、特許文献1には、低級アルコールと、アルカリ剤と、カチオン界面活性剤を含む組成物が開示されている。
特開2008-189645号公報
特許文献1に記載の組成物は、カチオン界面活性剤やアルカリ剤を含む。引用文献1に記載の組成物を使用すると、カチオン界面活性剤やアルカリ剤が使用対象の表面に長時間留まることがあり、これが原因となり使用対象が損傷するという問題が生じることがあった。また、カチオン界面活性剤やアルカリ剤が使用対象の表面に長時間留まるので、人の皮膚に触れやすくなる。カチオン界面活性剤やアルカリ剤が、人の皮膚に触れると、人の皮膚が荒れる等の問題が生じることがあった。
これは、カチオン界面活性剤やアルカリ剤の揮発性が低く、自然に蒸発しないことが原因と考えられた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされた発明であり、本発明の目的は、充分な殺菌効果及びウイルス不活性化効果を示し、使用対象や人の皮膚を傷つけにくい殺菌・ウイルス不活性化組成物を提供することである。
すなわち、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物は、低級アルコールと、酸解離定数(pKa)が9.0以上のアミン化合物とを含むことを特徴とする。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物は、酸解離定数(pKa)が9.0以上のアミン化合物を含む。このようなアミン化合物は、低級アルコールと組み合わされることにより低級アルコールの殺菌効果及びウイルス不活性化効果を向上させることができる。
なお、本明細書におけるアミン化合物のpKaは、25℃におけるpKaを意味する。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物は、上記低級アルコールは、蒸気圧が50Pa以上であることが好ましい。
低級アルコールの蒸気圧が50Pa以上であると揮発性が高いので、使用後に成分が残りにくい。
なお、本明細書に低級アルコールの蒸気圧は、20℃における蒸気圧を意味する。
また、本明細書において「蒸気圧」とは、Antoine式による値を意味する。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、上記低級アルコールは、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらの低級アルコールは、殺菌及びウイルス不活性化効果が高く揮発性も高い。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、前記アミン化合物は、蒸気圧が50Pa以上であることが好ましい。
アミン化合物の蒸気圧が50Pa以上であると揮発性が高いので、使用後に成分が残りにくい。
なお、本明細書におけるアミン化合物の蒸気圧は、20℃における蒸気圧を意味する。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、上記アミン化合物は、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、アミノメチルプロパノール、アミノブチルプロパノール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、ベンジルアミン、アミノメチルベンジルアミン、アミノエチルベンジルアミン及びアミノエトキシベンジルアミンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらのアミン化合物は、揮発性が高く、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物の殺菌効果及びウイルス不活性化効果を高くすることができる。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物は、トイレ用であることが好ましい。
トイレは細菌感染や、ウイルス感染のリスクが高いことが分かっており、高い殺菌及びウイルス不活性化効果が求められている。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物をトイレの便器や便座、床、壁等に用いることにより、好適に殺菌・ウイルス不活性化を行うことができる。
また、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物は、使用対象である、便器や便座、床、壁等を痛めにくい。また、人の皮膚に付着したとしても人の皮膚を傷つけにくい。
そのため、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物をトイレに用いた際に、便器や便座に本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物が残留しており、次に便器を利用する者の皮膚に本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物が付着したとしても、その者の皮膚を傷つけにくい。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、酸解離定数(pKa)が9.0以上のアミン化合物を含む。このようなアミン化合物は、低級アルコールと組み合わされることにより低級アルコールの殺菌効果及びウイルス不活性化効果を向上させることができる。
以下、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物について具体的な実施形態を示しながら説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物は、低級アルコールと、酸解離定数(pKa)が9.0以上のアミン化合物とを含むことを特徴とする。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物の各構成について以下に説明する。
(低級アルコール)
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、低級アルコールの濃度は20.00wt%以上であることが好ましく、25.00~85.70wt%であることがより好ましく、30.00~70.00wt%であることがさらに好ましい。
低級アルコールの濃度が20.00wt%以上であると、優れた殺菌効果及びウイルス不活性化効果を奏する。
なお、低級アルコールの濃度が85.70wt%を超える場合、ウイルス不活性化効果が低下する。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、低級アルコールは、蒸気圧が50Pa以上であることが好ましく、1000Pa以上であることがより好ましい。
低級アルコールの蒸気圧が50Pa以上であると揮発性が高いので、使用後に成分が残りにくい。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、上記低級アルコールは、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中では、エタノールであることがより好ましい。
これらの低級アルコールは、殺菌及びウイルス不活性化効果が高く揮発性も高い。
なお、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物には、1種の低級アルコールのみ含まれていてもよく、2種以上の低級アルコールが含まれていてもよい。
(アミン化合物)
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、アミン化合物のpKaは、9.0以上である。また、アミン化合物のpKaは、9.15pKa以上であることがより好ましく、9.3pKa以上であることがより好ましい。
アミン化合物のpKaが9.0以上であると、アミン化合物は、低級アルコールと組み合わされることにより低級アルコールの殺菌効果及びウイルス不活性化効果を向上させることができる。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、アミン化合物の濃度は0.2~10wt%であることが好ましく、0.5~5wt%であることがより好ましい。
アミン化合物の濃度が0.2wt%未満であると、殺菌効果及びウイルス不活性化効果が充分になりにくくなる。
アミン化合物の濃度が10wt%を超えると、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物の使用後に使用対象にアミン化合物が残りやすくなる。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、アミン化合物は、蒸気圧が50Pa以上であることが好ましく、100Pa以上であることがより好ましく、200Pa以上であることがより好ましい。
アミン化合物の蒸気圧が50Pa以上であると揮発性が高いので、使用後に成分が残りにくい。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、アミン化合物は、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、アミノメチルプロパノール、アミノブチルプロパノール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、ベンジルアミン、アミノメチルベンジルアミン、アミノエチルベンジルアミン及びアミノエトキシベンジルアミンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中では、モノイソプロパノールアミン及びメチルエタノールアミンが好ましい。
なお、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物には、1種のアミン化合物のみ含まれていてもよく、2種以上のアミン化合物が含まれていてもよい。
(その他の成分)
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物には、上記の成分以外に界面活性剤、キレート剤、可溶化剤、溶剤、増粘剤、酵素等が含まれていてもよい。
界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。
これらの中では、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、脂肪酸塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド、アルキルグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられる。
キレート剤としては、特に限定されないが、ニトリロ三酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、メチルグリシン二酢酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸ナトリウム、ホスホノブタントリカルボン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
なお、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物では、これらキレート剤を1種類だけ含んでいてもよく、複数種類含んでいてもよい。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物のpHは、10~13であることが好ましい。
このようなpHであると、抗ウイルス不活性化効果が向上する。
なお、殺菌・ウイルス不活性化組成物のpHが13を超えると、手荒れが生じたり、使用対象物が劣化しやすくなる。
次に、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物の用途を説明する。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物は、手洗い液、中性洗剤、消臭剤に加えてもよい。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物を含む手洗い液、中性洗剤、消臭剤等は、ポンプボトルやスプレーボトルに詰められていてもよい。
また本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物を、衛生資材に用いてもよい。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物は、殺菌効果及びウイルス不活性化効果を奏するので、このような殺菌・ウイルス不活性化組成物を含む衛生資材を用いることにより、感染症を防ぐことができる。
衛生資材としては、特に限定されるものではないが、例えば、マスク、使い捨て手袋、使い捨て布巾、ティッシュペーパー、ウエットティッシュ等があげられる。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物の使用場所は特に限定されず、例えば、硬質表面全般に使用できるが、トイレに使用されることが好ましい。
なお、本明細書において「トイレに使用される」とは、トイレの便器や便座、床、壁等、トイレの中に存在するものに使用することを意味する。
トイレは細菌感染や、ウイルス感染のリスクが高いことが分かっており、高い殺菌及びウイルス不活性化効果が求められている。
本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物をトイレの便器や便座、床、壁等に用いることにより、好適に殺菌・ウイルス不活性化を行うことができる。
また、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物は、使用対象である、便器や便座、床、壁等を痛めにくい。また、人の皮膚に付着したとしても人の皮膚を傷つけにくい。
そのため、本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物をトイレに用いた際に、便器や便座に本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物が残留しており、次に便器を利用する者の皮膚に本発明の殺菌・ウイルス不活性化組成物が付着したとしても、その者の皮膚を傷つけにくい。
(実施例1~19)及び(比較例1~13)
表1及び2に記載の配合により実施例1~19及び比較例1~13に係る殺菌・ウイルス不活性化組成物を作製した。
なお、表1及び2における組成の数値は、「wt%」を意味する。
Figure 2022012236000001
Figure 2022012236000002
(ネコカリシウイルス不活化効果)
(1)ネコカリシウイルスを、ネコ腎由来株化細胞であるCRFK細胞(ATCC CCL-94)に感染させて細胞を培養した。
(2)次に、ネコカリシウイルスが感染したかどうかを細胞変性効果(Cytopathic effect:CPE)により確認した。
細胞変性効果を確認した後、培養細胞の凍結融解を繰り返すことにより、培養細胞を破砕した。
(3)培養細胞破砕液を遠心分離し、上清を回収しウイルス溶液とした。
(4)各実施例及び各比較例に係る殺菌・ウイルス不活性化組成物と、ウイルス溶液とを9:1の割合(容量)で混合し、室温で30秒経過後、OPTI-MEM培地で100倍希釈することにより、各殺菌・ウイルス不活性化組成物のウイルスに対する作用を停止させた。
この工程により得られた溶液を殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液とする。
(5)OPTI-MEM培地と、ウイルス溶液とを9:1の割合(容量)で混合した直後、OPTI-MEM培地で100倍希釈することにより、得られた溶液を殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液とした。
(6)殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液、殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液を、それぞれ、OPTI-MEM培地により10倍段階希釈した。CRFK細胞を培養した96wellマイクロプレートの培地を捨て、段階希釈液を100μLずつ加えた。
(7)殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液及び殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液の段階希釈液が加えられたCRFK細胞を37℃、5%CO2の条件で、4日間培養した。
(8)培養したCRFK細胞のCPEを指標にTCID50(Tissue Culture Infectious Dose 50%)により各ウイルス溶液のウイルス感染力価(対数)を定量した。
(9)上記(1)~(8)の工程を3回独立に行い、殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液を用いて算出されたウイルス感染力価の平均値を、作用時間0秒におけるウイルス感染力価とし、殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液を用いて算出されたウイルス感染力価の平均値を、作用時間30秒におけるウイルス感染力価の値とした。
評価基準は以下の通りである。結果を表1及び2に示す。
○:3.0以上の感染力価の減少
×:3.0未満の感染力価の減少
(マウスノロウイルス不活化効果)
(1)マウスノロウイルスを、マウスのマクロファージ由来細胞株であるRAW 264.7細胞(ATCC TIB-71)に感染させて細胞を培養した。
(2)次に、マウスノロウイルスが感染したかどうかを細胞変性効果(Cytopathic effect:CPE)により確認した。
細胞変性効果を確認した後、培養細胞の凍結融解を繰り返すことにより、培養細胞を破砕した。
(3)培養細胞破砕液を遠心分離し、上清を回収しウイルス溶液とした。
(4)各実施例及び各比較例に係る殺菌・ウイルス不活性化組成物と、ウイルス溶液とを9:1の割合(容量)で混合し、室温で30秒経過後、10%牛胎児血清含有DMEM培地で100倍希釈することにより、各殺菌・ウイルス不活性化組成物のウイルスに対する作用を停止させた。
この工程により得られた溶液を殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液とした。
(5)10%牛胎児血清含有DMEM培地と、ウイルス溶液とを9:1の割合(容量)で混合した直後、10%牛胎児血清含有DMEM培地で100倍希釈することにより、得られた溶液を殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液とした。
(6)殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液及び殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液を、それぞれ、10%牛胎児血清含有DMEM培地により、10倍段階希釈した。1ウェルにRAW 264.7細胞を50μLずつ分注した96wellマイクロプレートに、各段階希釈液を50μLずつ加えた。
(7)殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液及び殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液の段階希釈液が加えられたRAW 264.7細胞を37℃、5%COの条件で、4日間培養した。
(8)培養したRAW 264.7細胞のCPEを指標にTCID50(Tissue Culture Infectious Dose 50%)により各ウイルス溶液のウイルス感染力価(対数)を定量した。
(9)上記(1)~(8)の工程を3回独立に行い、殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液を用いて算出されたウイルス感染力価の平均値を、作用時間0秒におけるウイルス感染力価とし、殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液を用いて算出されたウイルス感染力価の平均値を、作用時間30秒におけるウイルス感染力価の値とした。
評価基準は以下の通りである。結果を表1及び2に示す。
○:3.0以上の感染力価の減少
×:3.0未満の感染力価の減少
(インフルエンザウイルス不活化効果)
(1)インフルエンザウイルスを、イヌ腎臓尿細管上皮細胞由来株化細胞であるMDCK細胞に感染させて細胞を培養した。
(2)次に、インフルエンザウイルスが感染したかどうかを細胞変性効果(Cytopathic effect:CPE)により確認した。
細胞変性効果を確認した後、培養細胞の凍結融解を繰り返すことにより、培養細胞を破砕した。
(3)培養細胞破砕液の遠心分離し、上清を回収してウイルス溶液とした。
(4)各実施例及び各比較例に係る殺菌・ウイルス不活性化組成物と、ウイルス溶液とを9:1の割合(容量)で混合し、室温で30秒経過後、2μg/mLトリプシン(牛脾臓由来結晶)を含むEMEM培地(以下、トリプシン含有EMEM培地)で100倍希釈することにより、各殺菌・ウイルス不活性化組成物のウイルスに対する作用を停止させた。
この工程により得られた溶液を殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液とした。
(5)トリプシン含有EMEM培地と、ウイルス溶液とを9:1の割合(容量)で混合した直後、トリプシン含有EMEM培地で100倍希釈することにより、得られた溶液を殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液とした。
(6)殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液、殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液を、それぞれ、トリプシン含有EMEM培地により10倍段階希釈した。MDCK細胞を培養した96wellマイクロプレートの培地を捨て、段階希釈液を100μLずつ加えた。
(7)殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液及び殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液の段階希釈液が加えられたMDCK細胞を37℃、5%COの条件で、4日間培養した。
(8)培養したMDCK細胞のCPEを指標にTCID50(Tissue Culture Infectious Dose 50%)により各ウイルス溶液のウイルス感染力価(対数)を定量した。
(9)上記(1)~(8)の工程を3回独立に行い、殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液を用いて算出されたウイルス感染力価の平均値を、作用時間0秒におけるウイルス感染力価とし、殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液を用いて算出されたウイルス感染力価の平均値を、作用時間30秒におけるウイルス感染力価の値とした。
評価基準は以下の通りである。結果を表1及び2に示す。
○:3.0以上の感染力価の減少
×:3.0未満の感染力価の減少
(ヒトコロナウイルス不活化効果)
(1)ヒトコロナウイルスを、ヒト正常二倍体線維芽細胞であるMRC-5細胞に感染させて細胞を培養した。
(2)次に、ヒトコロナウイルスが感染したかどうかを細胞変性効果(Cytopathic effect:CPE)により確認した。
細胞変性効果を確認した後、培養細胞の凍結融解を繰り返すことにより、培養細胞を破砕した。
(3)培養細胞破砕液の遠心分離し、上清を回収してウイルス溶液とした。
(4)各実施例及び各比較例に係る殺菌・ウイルス不活性化組成物と、ウイルス溶液とを9:1の割合(容量)で混合し、室温で30秒経過後、5%FBS(ウシ胎児血清)を含むMEM培地(以下、FBS含有MEM培地)で100倍希釈することにより、各殺菌・ウイルス不活性化組成物のウイルスに対する作用を停止させた。
この工程により得られた溶液を殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液とした。
(5)FBS含有MEM培地と、ウイルス溶液とを9:1の割合(容量)で混合した直後、FBS含有MEM培地で100倍希釈することにより、得られた溶液を殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液とした。
(6)殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液、殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液を、それぞれ、FBS含有MEM培地により10倍段階希釈した。MRC-5細胞を培養した96wellマイクロプレートの培地を捨て、段階希釈液を100μLずつ加えた。
(7)殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液及び殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液の段階希釈液が加えられたMRC-5細胞を35℃、5%COの条件で、5日間培養した。
(8)培養したMRC-5細胞のCPEを指標にTCID50(Tissue Culture Infectious Dose 50%)により各ウイルス溶液のウイルス感染力価(対数)を定量した。
(9)上記(1)~(8)の工程を3回独立に行い、殺菌・ウイルス不活性化組成物0秒作用ウイルス溶液を用いて算出されたウイルス感染力価の平均値を、作用時間0秒におけるウイルス感染力価とし、殺菌・ウイルス不活性化組成物30秒作用ウイルス溶液を用いて算出されたウイルス感染力価の平均値を、作用時間30秒におけるウイルス感染力価の値とした。
評価基準は以下の通りである。結果を表1及び2に示す。
○:3.0以上の感染力価の減少
×:3.0未満の感染力価の減少
(殺菌効果の評価)
(1)大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC12732)及び緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)を、それぞれ、普通ブイヨン培地に接種し、35℃で24時間培養し菌液とした。
(2)各実施例及び各比較例の殺菌・ウイルス不活性化組成物と菌液とを99:1の割合(容量)で混合し、室温で30秒経過後、SCDLP培地に1白金耳移植し、35℃で48時間培養後、菌の生死を判定した。
(3)SCDLP培地に濁りが見られた場合、菌が死滅しなかったと判断し、濁りが見られない場合菌が死滅したと判断した。
また、10倍に希釈した各実施例及び各比較例の殺菌・ウイルス不活性化組成物を用い上記(1)~(3)と同様の操作を繰り返し、菌の生死を判定した。
結果を表1及び2に示す。評価基準は以下の通りである。
[大腸菌について]
○:大腸菌が死滅した。
×:大腸菌が死滅しなかった。
[黄色ブドウ球菌について]
○:黄色ブドウ球菌が死滅した。
×:黄色ブドウ球菌が死滅しなかった。
[緑膿菌について]
○:緑膿菌が死滅した。
×:緑膿菌が死滅しなかった。
表1及び2より、実施例に係る殺菌・ウイルス不活性化組成物は優れた殺菌効果及びウイルス不活性化効果を奏することが判明した。
特に、殺菌・ウイルス不活性化組成物が水により希釈されたとしても、充分な殺菌効果を奏することが判明した。

Claims (6)

  1. 低級アルコールと、
    酸解離定数(pKa)が9.0以上のアミン化合物とを含むことを特徴とする殺菌・ウイルス不活性化組成物。
  2. 前記低級アルコールは、蒸気圧が50Pa以上である請求項1に記載の殺菌・ウイルス不活性化組成物。
  3. 前記低級アルコールは、エタノール、n-プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の殺菌・ウイルス不活性化組成物。
  4. 前記アミン化合物は、蒸気圧が50Pa以上である請求項1~3のいずれかに記載の殺菌・ウイルス不活性化組成物。
  5. 前記アミン化合物は、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、アミノメチルプロパノール、アミノブチルプロパノール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、ベンジルアミン、アミノメチルベンジルアミン、アミノエチルベンジルアミン及びアミノエトキシベンジルアミンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1~4のいずれかに記載の殺菌・ウイルス不活性化組成物。
  6. トイレ用である請求項1~5のいずれかに記載の殺菌・ウイルス不活性化組成物。
JP2020113914A 2020-07-01 2020-07-01 殺菌・ウイルス不活性化組成物 Pending JP2022012236A (ja)

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