JP2022010804A - 遊技機 - Google Patents

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孝政 林
Takamasa Hayashi
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Abstract

【課題】演出部材の発光における輝度ムラを抑制し遊技の趣向性を向上できる遊技機を提供すること。【解決手段】パチンコ遊技機1の可動役物133は、遊技者から見て可動役物133の背面に、光透過性を有するクリア板165が配置されている。クリア板165には、配置穴171が形成され、その配置穴171の中には背面側LED169が配置されている。配置穴171は、背面側LED169から発光された光を第1内周面171aで受光する。第1内周面171aは、背面側LED169と離間して配置され、背面側LED169から離れる方向へ湾曲した面で形成されている。【選択図】図11

Description

本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
従来、盤面に配置した部材を発光させて演出を行なう遊技機がある(例えば、特許文献1など)。特許文献1の遊技機は、盤面の上部に装飾部材を有する。装飾部材は、光透過性を有する合成樹脂材料によって形成されており、LEDを内蔵している。遊技機は、遊技状態に応じてLEDから合成樹脂部材に光を照射して装飾部材を発光させる。
特開2020-054899号公報
上記した遊技機では、LEDから発光した光を、光透過性を有する合成樹脂部材に照射した場合に、合成樹脂部材の形状等によっては、発光した光に輝度ムラが生じる虞がある。その結果、装飾部材の発光において輝度ムラが発生し、遊技の趣向性が低下してしまう可能性がある。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために創出されたものであって、演出部材の発光における輝度ムラを抑制し遊技の趣向性を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明の遊技機は、遊技状態に応じて演出を行なう演出部材を備え、前記演出部材は、遊技者から見て前記演出部材の背面に配置された発光手段と、光透過性を有する材料で板状に形成され、前記発光手段を穴の中に配置する配置穴が形成された光透過板と、を有し、前記配置穴は、前記発光手段から発光された光を内周面で受光し、前記内周面は、前記発光手段と離間して配置され、前記発光手段から離れる方向へ湾曲した面で形成され、前記演出部材の背面において前記発光手段に対して外側に配置される。
本発明の遊技機では、発光手段は、演出部材の背面に配置され、光透過板の配置穴内に配置される。発光手段は、配置穴の内周面へ発光する。その内周面は、発光手段と離間しており、発光手段から離れる方向へ湾曲した面で形成されている。そして、内周面は、発光手段に対して外側に配置されている。これによれば、内周面は、発光手段から発光された光を、発光手段から一定の距離だけ離れた位置で湾曲した面で受光する。これにより、直線形状の面で受光する場合に比べて、発光された光を内周面でより均等に受光することができる。演出部材の背面側において、演出部材の外周部分を照らす光の輝度ムラを抑制しすることができ、遊技機の趣向性を向上できる。
本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。 図1に示すパチンコ遊技機に設けられた主制御基板及び周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。 図1に示すパチンコ遊技機に設けられたサブ制御基板及び周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。 演出装置の正面図である。 演出装置の背面図である。 可動役物の正面図である。 演出装置の背面図であって、可動役物を回転させた状態を示す図である。 図7の可動役物を拡大した拡大図である。 図8に示すA-A線で切断した端面図であり、可動役物の左手の人差し指の先端における端面図である。 演出における可動役物の動作の一例を示す斜視図である。 可動役物を背面側から見た斜視図、及びその部分拡大図である。 配置穴及び背面側LEDの平面図である。 別例の配置穴及び背面側LEDの平面図である。 別例の配置穴及び背面側LEDの平面図である。 演出の一態様を示す図である。
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と正対して遊技を行う遊技状態の遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、遊技者に近づく方向を前方(手前側)とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。また、遊技状態の遊技者とは、例えば、パチンコ遊技機1の前に設置された椅子に座り、後述するハンドル4を右手で操作している遊技者の状態をいう。
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25と、演出レバー6と、スピーカ8,8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bとを備えている。
ハンドル4は、前面枠18のうち右下に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図2)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、発射装置90(図2)に供給する遊技球を貯留するためのものである。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図2)及び賞球払出装置400(図2)から払出された遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
演出ボタン9は、例えば、プッシュオン式のボタンスイッチである。演出ボタン9は、打球供給皿24の上方を覆おうカバーに設けられている。演出ボタン9には、演出ボタンランプ9c(図3)が内蔵されている。パチンコ遊技機1は、演出ボタン9に対する操作入力に応じた演出を行う。
また、前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。遊技者は、演出レバー6を握って操作することで、演出レバー6を回動させたり、前後に移動させたりできる。パチンコ遊技機1は、演出レバー6に対する操作入力に応じた演出を行う。また、前面枠18のうち、左側には左サイドランプ23aが設けられており、右側には右サイドランプ23bが設けられている。また、スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられている。
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7と、演出装置15とを備える。遊技盤2は、例えば、内枠(図示せず)の前面部分に設けられ、つまり、遊技状態の遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技者の身長や座高にもよるが、例えば、遊技状態の遊技者の頭は、図1に破線で示す頭位置14となる。演出表示装置7は、遊技盤2の後側に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。遊技盤2は、固定入賞装置10と、第1大入賞装置30と、第2大入賞装置40と、ゲート12と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、一般入賞口13と、表示器類50と、誘導部材17とを備える。
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。また、遊技盤2の複数箇所には、盤ランプ2a(図3)が設けられている。
演出装置15は、内枠(図示せず)のうち、遊技領域3の左下に相当する外周縁部18aに設けられている。例えば、遊技盤2は、一部又は全部が透明の樹脂等により形成されている。外周縁部18aは、例えば、遊技領域3の外側に位置し、透明の遊技盤2の後方に位置する内枠に設けられている。演出装置15は、この透明の遊技盤2の後方に位置する外周縁部18aに取り付けられている。演出装置15は、可動役物133を備えている。演出装置15の詳細については、後述する。
尚、上記した外周縁部18a及び演出装置15(可動役物133)の取り付け位置は、一例である。演出装置15を、遊技領域3の左上の外周縁部18a(例えば、左側のスピーカ8の位置)に設けても良い。あるいは、演出装置15を、遊技領域3の右下の外周縁部18a(ハンドル4の上方の位置)に設けても良い。また、演出装置15を、前面枠18に設けても良く、遊技機枠16の外側となる位置(例えば、内枠の上にはみ出した位置)に設けても良い。
また、本願の遊技領域3の外周部分である外周縁部は、遊技領域3の外側の部分に限らず、遊技領域3の内側の部分でも良い。遊技者の頭位置14は、例えば、左右方向におけるパチンコ遊技機1の左右中央位置3cに沿った直線上における演出表示装置7の位置付近となる。尚、遊技者の身長や座高によっては、頭位置14は、左右中央位置3cを通る直線に沿って上下方向へずれた位置となる。
本願の遊技領域3の外周部分である外周縁部は、遊技領域3内のうち、この頭位置14から離れた位置、頭位置14に一部を重ねた位置でも良い。例えば、演出装置15は、後述する一般入賞口13、ゲート12に重なる位置でも良い。また、演出装置15を遊技領域3の内側と外側に跨がるように配置しても良い。従って、本願における遊技領域の外周部分である外周縁部とは、例えば、頭位置14と離れた位置、一部が重なる位置など、遊技領域3と顔を正対させた遊技者の目線が正面をまっすぐ見る位置からずれるような位置である。
また、固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下側の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。ゲート12は、右遊技領域3bに配置されており、右遊技領域3bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。普通可変入賞装置20は、右遊技領域3bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20の可動部材21は、回動可能に構成されており、第2始動口22を開閉する。第1大入賞装置30は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の右方に配置されており、第2大入賞装置40は、第1大入賞装置30の上側に配置されている。第1大入賞装置30は、第1大入賞口32を開閉する第1開閉部材31を備えており、第2大入賞装置40は、第2大入賞口42を開閉する第2開閉部材41を備える。第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口42に入賞した遊技球が通過可能な領域である特定領域(図示せず)及び非特定領域(図示せず)が形成されている。また、第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口42に入賞した遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材(図示せず)と、この振分部材を駆動する振分部材ソレノイド42d(図2)とが設けられている。
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって第1大入賞装置30の下方に設けられている。表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器と、第2特別図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器と、普通図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器とを備える。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器及び第2特別図柄表示器に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
本実施形態では、表示器類50の第1及び第2特別図柄表示器は、複数(例えば、8個)のLEDを点灯又は消灯させ特別図柄を表示する。また、普通図柄表示器は、複数(例えば、2個)のLEDを点灯又は消灯させ普通図柄を表示する。遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開閉し、第2始動口22が開閉する。
また、遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定が実行され、第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示する。第1特別図柄表示器は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。表示器類50の第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器によって表示される。以下、第1特別図柄表示器の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定が実行され、表示器類50の第2特別図柄表示器が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第2大入賞装置40が作動して第2開閉部材41が開閉し、第2大入賞口42が開閉する。第2特別図柄表示器が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器によって表示される。以下、第2特別図柄表示器の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。また、最初のラウンドから最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。また、大当たり判定において大当たりと判定された場合は、大当たりの種類が抽選により決定される。大当たりの種類によって、開閉する大入賞口(第1大入賞口32及び第2大入賞口42の一方または両方)、大入賞口の開口期間、実行可能な最大ラウンド数などが異なる。
パチンコ遊技機1には、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)として、通常確率と、通常確率よりも高い高確率とが設定されている。以下、大当たり確率が通常確率に設定されている遊技状態を通常確率状態といい、大当たり確率が高確率に設定されている遊技状態を高確率状態という。パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中に第2大入賞口42に入賞した遊技球が、前述した特定領域を通過(V入賞)すると、大当たり遊技が終了した後の遊技状態が高確率状態に移行する。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆるV確機と呼ばれる機種である。
一般入賞口13は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の左方に配置されている。誘導部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。誘導部材17は、発射装置90(図2)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像などの動画像及び静止画像を表示する。演出表示装置7は、演出画像として、演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。本実施形態では、演出図柄は、例えば、1~9の算用数字を表した図柄である。本実施形態では、演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄9Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄9Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄9Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
本実施形態の各演出図柄の主な変動パターンは、例えば、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。演出表示装置7は、例えば、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置などを用いることもできる。演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。
以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄及び他の画像などから成る画像を変動演出パターンという。変動演出パターンは、特図変動パターンの変動表示と同期して変動表示され、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。演出表示装置7には、第1演出保留表示領域51Bと、第2演出保留表示領域52Bとが設定されている。遊技者は、第1演出保留表示領域51Bに表示される演出保留画像を見ることにより、第1特図保留数を知ることができるとともに、第2演出保留表示領域52Bに表示される演出保留画像を見ることにより、第2特図保留数を知ることができる。
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について図2及び図3を参照しつつ説明する。パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図2)と、払出制御基板73(図2)と、サブ制御基板100(図3)と、画像制御基板200(図3)とを備えている。図2に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新などを実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラムの他に、大当たり判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル、大当たり種別判定テーブルなどの各種のテーブルTA1が記憶されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリなどとして使用される。RAM64には、遊技球が第1始動口11に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。表示器類50の第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11(図1)に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などはRAM64に記憶される。同様に、RAM64には、遊技球が第2始動口22(図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。また、RAM64には、遊技球がゲート12(図1)を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。表示器類50の普通図柄表示器が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数はRAM64に記憶される。
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板などとの間でデータの送信又は受信を行う。また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120(図3)を初期化する。また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ42aと、特定領域センサ42bと、非特定領域センサ42cと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド40aと、振分部材ソレノイド42dとが電気的に接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12(図1)のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞口32(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ42aは、第2大入賞口42(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口42に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサ42bは、第2大入賞口42(図1)の内部の特定領域内に設けられており、遊技球が特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。非特定領域センサ42cは、第2大入賞口42(図1)の内部の非特定領域に設けられており、遊技球が非特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13(図1)の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
また、図3に示すように、サブ制御基板100には、アウト口センサ19aが電気的に接続されている。アウト口センサ19aは、アウト口19(図1)の直下に設けられており、遊技球がアウト口19に入球したことを示す信号をサブ制御基板100へ出力する。これにより、サブ制御基板100(演出制御用マイコン101)は、アウト口センサ19aから出力される信号に基づいて、アウト口19に入球して消費された遊技球の数を計測できる。
図2に戻り、電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21(図1)を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材31(図1)を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド40aは、第2大入賞装置40の第2開閉部材41(図1)を開閉駆動する。振分部材ソレノイド42dは、第2大入賞装置40の内部に設けられた振分部材を駆動する。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介して貸球払出装置80と、カードユニット76と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込みなどを行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、払出制御基板73、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93と、発射口センサ94を備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4a(図1)の回転量に応じて、上記打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。発射口センサ94は、誘導部材17(図1)に設けられている。発射口センサ94は、誘導部材17から遊技領域3へ遊技球が入球されたこと、即ち、発射装置90によって発射された遊技球が遊技領域3内に入ったことを示す信号を主制御基板60へ出力する。これにより、主制御基板60は、発射口センサ94から出力される信号に基づいて、発射装置90により発射され遊技領域3内で消費された遊技球の数を計測できる。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。また、電源基板70は、サブ制御基板100に対して電力を供給する(図2、図3の「B」)。電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64やサブ制御基板100のRTC124などに対して情報の保持に必要な電力を供給する。バックアップ電源回路71としては、コンデンサや内臓電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
また、主制御基板60は、サブ制御基板100(図3)に対して各種コマンドを送信する(図2、図3の「A」)。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図3に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他に、変動演出パターン選択テーブルなどの各種のテーブルTA4が記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。
RAM120は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンドなどを記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。また、RAM120は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンドなどを記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板などとの間でデータの送信または受信を行う。
図3に示すように、サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、画像制御用CPU202と、VDP(Video Display Processor)201と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像及び予告演出画像などの演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が画像を表示するための画像データ(演出画像などの画像データ)が記憶されている。VDP201は、例えば、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
また、サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、盤ランプ2a、演出ボタンランプ9cが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音などの音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読出し、その読出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー検出スイッチ6j、操作ボタン検出スイッチ6kが電気的に接続されている。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押圧操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出レバー検出スイッチ6jは、演出レバー6が押込操作された、あるいは回動操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。操作ボタン検出スイッチ6kは、打球供給皿24に設けられた操作ボタン(図示せず)を操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。また、サブ制御基板100には、演出レバー駆動モータ6dが電気的に接続されている。演出レバー駆動モータ6dは、演出レバー6を振動、回動、スライド移動等させる部材である。演出制御用マイコン101は、演出に合わせて演出レバー6を回動等させる。
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときにはその電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。
また、サブ制御基板100には、演出装置15が接続されている。サブ制御基板100は、後述する演出装置15の第1モータ145、第2モータ149(図5)の回転動作を制御することで、可動役物133のスライド位置や回転位置を変更することができる。また、サブ制御基板100は、後述する演出装置15の背面側LED169(図7)や表側LED179(図6)の点灯状態(点灯の有無、光の明るさなど)を変更することができる。サブ制御基板100は、遊技状態(演出の内容)に応じて可動役物133の動作や点灯状態を変更する。
[演出装置15の構成]
次に、演出装置15の構成について説明する。図4及び図5に示すように、演出装置15は、レール部131、可動役物133を備えている。レール部131は、レール本体部140、レール141、役物取付部143、第1モータ145を備えている。レール本体部140の左端部は、上下方向に沿うように直線形状をなしている。レール本体部140の下端部は、左右方向に沿うように直線形状をなしている。レール本体部140の内側(パチンコ遊技機1における内側)の縁部は、演出装置15の右下の端部と左上の端部とを結ぶように、遊技領域3(左遊技領域3a)の外周縁に沿う円弧形状をなしている。可動役物133は、例えば、初期位置において、左端部と下端部とが交わる左下の角部から円弧形状の内側縁部の半径方向に沿って、内側へ移動した位置に配置されている(図4、図5)。
レール141は、レール本体部140の裏側に形成されており(図5)、レール本体部140の右下から左側の上部に至るまで円弧形状に形成されている。役物取付部143には、スライドギア143aが取り付けられている。スライドギア143aは、レール141の曲率に合せて湾曲した円弧形状をなしている。スライドギア143aの円弧形状の下側縁部には、縁部に沿って所定の間隔で歯が形成されている。役物取付部143は、スライドギア143aをレール141に挿入した状態で、レール141に沿ってスライド移動可能となっている。
第1モータ145は、レール本体部140に取り付けられており、第1ギア機構147のギアを回転させる。第1ギア機構147のギアは、役物取付部143のスライドギア143aと噛み合わされている。スライドギア143aは、第1ギア機構147のギアの回転に伴って移動する。従って、第1モータ145は、役物取付部143のスライドギア143aと第1ギア機構147を介して駆動連結されている。これにより、役物取付部143は、第1モータ145の駆動に基づいて、レール141に沿ってスライド移動する。また、役物取付部143は、レール本体部140に設けられたストッパ140aによって、初期位置より下方への移動を規制される。
可動役物133は、役物取付部143に取り付けられている。従って、可動役物133は、第1モータ145の駆動に基づいて役物取付部143を移動させると、役物取付部143とともに初期位置からレール本体部140の上部に至る範囲でスライド移動する。また、役物取付部143は、第2モータ149と、第2モータ149に駆動連結された第2ギア機構151を備えている。第2ギア機構151の出力側の出力ギア151aは、表側の可動役物133の回動軸が取り付けられている。役物取付部143は、第2モータ149の駆動に基づいて第2ギア機構151の出力ギア151aを回動させることで、中心位置153を中心に回動方向154(図4)へ可動役物133を回動させる。また、第2ギア機構151の出力ギア151aは、外周部分の所定範囲にのみ歯が形成されている。これにより、可動役物133は、出力ギア151aの歯が形成された範囲内で回動範囲を規制されている。尚、出力ギア151aの全周に亘って歯を形成し、可動役物133を360度回動させても良い。
可動役物133は、第1モータ145の駆動に基づいてレール141の任意の位置へスライド移動し、第2モータ149の駆動に基づいて、その任意の位置で回動動作する。演出制御用マイコン101は、演出装置15に接続され、第1モータ145及び第2モータ149の回動位置や移動速度などを制御可能となっている。演出制御用マイコン101は、演出の内容に応じて第1モータ145及び第2モータ149を制御し、可動役物133のスライド位置や回動位置を変更する。
図6に示すように、本実施形態の可動役物133は、人の手の形をしている。より具体的には、可動役物133は、左手の人差し指を立て、他の指を握った状態で、手のひらを表側(遊技者側)に見せる形状をなしている。尚、本発明の可動役物は、手の形に限らず、足、剣、銃など様々な形状のものを採用できる。
図7は、演出装置15の背面図であって、可動役物133を回転させた状態を示している。また、図8は、図7の可動役物133を拡大した拡大図であり、左手の人差し指の先端161a(図6)の背面を示している。図6~図8に示すように、可動役物133は、カバー部161と、基板163とを備えている。カバー部161は、可動役物133における遊技者側(表側)に取り付けられている。カバー部161は、例えば、光透過性を有する白色の部材であり、人差し指を立てた左手の形状をなしている。
また、カバー部161の人差し指の先端161aには、凹部173が形成されている。図9は、図8に示すA-A線で切断した断面図であり、可動役物133の左手の人差し指の先端161aにおける断面を示している。図9に示すように、カバー部161は、背面の基板163側から遊技者側(表側)へ膨らんだ立体的な手の形状をなしている。図6及び図9に示すように、凹部173は、膨らんだ人差し指の先端161aを表側から裏側へ凹設して形成されている。凹部173は、前後方向に沿った軸方向で先端161aを円筒形状に凹設して形成されており、軸方向に切断した断面形状が真円をなす円筒形状をないしている。尚、凹部173は、断面が真円の円筒形状に限らず、断面が楕円の円筒形状や、断面が三角形、四角柱形どの多角形の筒形状でよい。
凹部173は、開口175、底部177を有する。開口175は、凹部173の表側に形成された円形の穴である。底部177は、凹部173の裏側(底側)に形成され、平らな円板形状をなしている。底部177には、表側LED179が取り付けられている。表側LED179は、基板163の表面に実装されている。演出制御用マイコン101は、演出の内容に応じて表側LED179の点灯態様(点灯のタイミング、点灯時間、光の強さなど)を変更する。
図6に示すように、凹部173は、可動役物133の回動の中心位置153から一定の距離だけ離れた位置に形成さている。このため、表側LED179は、可動役物133の回動にともなって回動方向154へ回動する。また、図9に示すように、凹部173の深さ方向の長さは、凹部173の断面の直径に比べて長くなっている。このため、本実施形態の凹部173は、前後方向(深さ方向)に深い円筒形状の穴で形成されている。これにより、表側LED179を底部177で発光させることで、深い穴の底で光を放つような演出を行なうことができる。
本実施形態の演出装置15は、可動役物133のスライド移動や回動動作と合せて表側LED179や後述する背面側LED169などの基板163に設けられたLEDを点灯させた演出を行なう。図10は、可動役物133を用いた演出の一例を示している。例えば、演出制御用マイコン101は、演出装置15の第1モータ145を駆動して可動役物133を図10に示す初期位置181から上昇位置183までレール141に沿ってスライド移動させる。次に、演出制御用マイコン101は、上昇位置183において第2モータ149を駆動し可動役物133を回動位置185まで回動させる。
演出制御用マイコン101は、例えば、初期位置181から回動位置185まで可動役物133を移動・回動させる際や、回動位置185に到着した後において、背面側の背面側LED169や表側の表側LED179を点灯させる。点灯の態様は特に限定されないが、例えば、演出制御用マイコン101は、初期位置181から上昇位置183まで表側LED179を弱い光で点灯させる。そして、演出制御用マイコン101は、例えば、大当たり判定が大当たりである場合に、可動役物133を回動させ、且つ回動位置185に到達した時点で背面側LED169や表側LED179を強い光で点灯させる。これにより、大当たり判定の結果に応じて、可動役物133の動作や表側LED179等の光の強さを変え、大当たりを示唆する演出を行なうことができる。可動役物133の移動や回転、LEDの発光の強弱を組み合わせて趣向性の高い演出を行なうことができる。
尚、図9に示すように、本実施形態の表側LED179は、円形をなす底部177の中央位置177aからずれた(偏心した)位置(図9では右側の位置)に取り付けられている。中央位置177aは、円形の底部177の中心である。例えば、表側LED179は、凹部173の内壁の一部に接触した位置で固定されている。(図6)。また、図6に示すように、表側LED179は、中央位置177aと中心位置153を結ぶ直線178からずれた位置(図6では左側にずれた位置)に取り付けられている。また、表側LED179は、底部177において、底部177の中央位置177aから中心位置153側(図6では下側)へずれた位置で凹部173の内壁に接触して固定されている。これにより、本実施形態の表側LED179は、上記した初期位置181から上昇位置183を経て回動位置185に至るまでの可動役物133の可動範囲の全てにおいて、遊技者から視線できる位置(目線の先に入る位置)となっている。表側LED179から発光した光を遊技者の視界に入り易くし、表側LED179や背面側LED169の発光演出により遊技の趣向性をより確実に向上できる。また、遊技者の目線の角度等は、遊技者の身長や座高によっても異なる。本実施形態のパチンコ遊技機1は、例えば、遊技者が座る椅子の高さ、遊技者の平均的な座高、遊技者の頭の位置などに基づいて目線を設定し、その目線の先に表側LED179が入る(視界に入る)ように、底部177における表側LED179の位置、凹部173の深さ、開口175の直径等が調整されている。また、遊技者の目線の先に表側LED179が入るように、可動役物133を用いた演出におけるスライド位置、回動位置等を調整しても良い。
図8及び図9に示すように、基板163は、可動役物133の背面側(遊技者とは反対側、演出表示装置7側)に取り付けられている。基板163の背面には、複数の背面側LED169が取り付けられている。背面側LED169は、可動役物133の外周に沿うように、基板163の複数箇所に取り付けられている。演出制御用マイコン101は、演出装置15の基板163と接続されており、演出の内容に応じて背面側LED169の点灯態様(点灯のタイミング、点灯時間、点灯させる数など)を変更する。尚、図8は、可動役物133の背面の一部を示しており、可動役物133の外周に沿って配置された複数の背面側LED169の一部を示している。
可動役物133は、上記したカバー部161、基板163の他に、クリア板165と、凸部材167とを備えている。クリア板165は、例えば、光透過性を有する透明の板である。クリア板165は、可動役物133の背面を覆い、複数の穴が形成され、その穴を通じて基板163の一部や、基板163に実装された背面側LED169などが露出している。尚、クリア板165は、透明の板に限らず、白色や他の色の半透明の板等でも良い。
クリア板165には、背面側LED169の位置に合せて、配置穴171が形成されている。背面側LED169は、配置穴171の内周面を照らし、可動役物133の背面側から光を照射する。背面側LED169及び配置穴171の詳細については、後述する。
以下の説明では、図9及び図11に示すように、遊技者から見て手前側を前側、遊技者から見て奥側を後ろ側とし、前後方向を厚さ方向と称して説明する場合がある。本実施形態では、この厚さ方向は、基板163の平面に直交する方向であり、可動役物133の厚さ方向である。図9及び図11に示すように、クリア板165は、厚さ方向において、基板163と対向する位置では、基板163の平面と平行な板状に形成されている。
また、クリア板165には、可動役物133の外周縁部において傾斜面165aが形成されている。傾斜面165aは、例えば、可動役物133の全周、即ち、クリア板165の全周に亘って形成されている。傾斜面165aは、可動役物133の側面(外周面)に形成されている。傾斜面165aは、厚さ方向の後ろ側から前側へ向かうに従って、可動役物133の外側へ広がるように一定の傾斜角で傾斜している。
凸部材167は、可動役物133の側面に設けられ、前側へ傾斜した傾斜面165aの前端(先端)部分に設けられている。凸部材167は、光透過性を有する透明の部材で形成されている。凸部材167は、傾斜面165aの前側の端部に接続され、可動役物133の全周、即ち、クリア板165の全周に亘って形成されている。
図8及び図11に示すように、凸部材167は、複数の突部167aと、複数の連結部167bとを備えている。複数の突部167aは、可動役物133の側面から外側へ突出し、可動役物133の外周(側面)に沿って所定の間隔で隣接して配置されている。隣り合う2つの突部167aの間には、1つの連結部167bが設けられている。連結部167bは、例えば、可動役物133の外周に沿う四角柱で形成され、隣り合う2つの突部167aを互いに接続している。突部167aは、可動役物133の中心から外側に向かう方向において、連結部167bよりも外側の位置まで突出している。突部167aの突出した先端には、突出方向と直交する方向(例えば、厚さ方向)に沿った平面167cが形成されている(図11部分拡大図)。
尚、上記した図4~図7、図10は、凹凸のある凸部材167を簡略化して図示している。また、本実施形態のクリア板165や凸部材167の形状、構造等は、一例である。例えば、傾斜面165aや凸部材167は、可動役物133の全周の一部に形成される構成でも良い。また、突部167aの突出した先端面は、湾曲した面でも良い。また、凸部材167は、連結部167bを備えなくも良い。
次に、背面側LED169及び配置穴171の詳細について説明する。図8及び図11に示すように、クリア板165は、可動役物133の背面を覆う形状で形成され、可動役物133の外周部分に沿って複数の配置穴171が形成されている。複数の配置穴171の各々は、例えば、左手の人差し指の外周に沿うように、所定の間隔毎に形成されている。複数の配置穴171の各々には、背面側LED169が1個ずつ配置されている。各背面側LED169は、基板163に実装されている。
複数組の配置穴171及び背面側LED169は、同様の構成となっている。このため、以下の説明では、一組の配置穴171及び背面側LED169について説明する。図12は、一組みの配置穴171及び背面側LED169の平面図を示している。図12に示すように、背面側LED169は、本体部169aと、LED169bとを備えている。本体部169aは、一方向(例えば、図12における左右方向)に長い略直方体形状で形成されている。LED169bは、本体部169aの外側(図12の上側)、即ち、本体部169aにおける可動役物133の外周側(外側)に取り付けられている。
図9及び図11に示すように、クリア板165は、厚さ方向における基板163の後方であって、基板163から離れた位置に配置されている。厚さ方向におけるクリア板165と基板163の間には、空間が形成されている。背面側LED169は、この空間内に配置されている。厚さ方向における本体部169aの後端(高さ方向の先端)は、配置穴171内に配置されている。配置穴171は、LED169bから発光された光を内周面で受光する。尚、配置穴171を、本体部169aの後端よりも後方に配置し、本体部169aを配置穴171に挿入しなくとも良い。あるいは、本体部169aを、配置穴171を通じて、クリア板165の後方側まで貫通させても良い。この2つの態様でも、配置穴171は、LED169bから発光された光を内周面で受光できる。
配置穴171は、厚さ方向において、クリア板165を貫通して形成されている。図12に示すように、配置穴171は、背面側LED169から離れた位置で、背面側LED169を囲む穴で形成されている。配置穴171は、第1内周面171a、一対の第2内周面171b、第3内周面171cを備えている。第1内周面171aは、クリア板165の平面視において、背面側LED169の外側(可動役物133の外周側)となる部分に形成されている。
一対の第2内周面171bは、本体部169aの長手方向における両側の側面と対向する位置にそれぞれ形成されている。一対の第2内周面171bは、本体部169aの側面に沿って形成されている。また、第3内周面171cは、背面側LED169の内側(可動役物133における内側)に形成されている。第3内周面171cは、本体部169aの長手方向に沿って形成され、長手方向の両端の各々に第2内周面171bが接続されている。第3内周面171cは、背面側LED169の内側に配置された配線187の位置よりも可動役物133における内側となる位置に配置されている。この配線187は、背面側LED169を基板163に接続する配線である。
一対の第2内周面171bの各々は、第3内周面171cと接続された端部とは反対側の端部に第1内周面171aが接続されている。一対の第2内周面171bは、本体部169aよりも若干だけ外側(可動役物133の外周側)となる位置まで形成されている。第1内周面171aは、この本体部169aよりも外側まで延設された一対の第2内周面171bの各々の端部を互いに接続し、本体部169aから離れる方向へと膨らんだ円弧形状をなしている。
配置穴171は、この第1内周面171aで背面側LED169のLED169bから発光された光を受光する。第1内周面171aは、本願の内周面の一例である。第1内周面171aは、背面側LED169と離間して配置され、背面側LED169から離れる方向へ湾曲した面で形成されている。第1内周面171aは、背面側LED169に対して可動役物133の外側となる位置に配置されている。
第1内周面171aは、背面側LED169の中心169cを基準として一定の曲率で湾曲した面で形成されている。詳述すると、中心169cは、一方向に長い本体部169aの長手方向における中点で、長手方向と直交する方向(図12における上下方向)における本体部169aの中点である。第1内周面171aは、この中心169cから一定の半径Rの円周上に沿って形成されている。
図11に示すように、各背面側LED169は、LED169bを外側に配置した状態で、基板163に固定されている。各LED169bの外側(可動役物133の外周側)には、配置穴171の第1内周面171aが配置されている。そして、本実施形態の可動役物133は、各背面側LED169から発光した光を円弧形状の第1内周面171aで受光する。これにより、第1内周面171aは、LED169bから発光された光を、LED169bから一定の距離だけ離れた位置で湾曲した面で受光する。LED169bから発光された光は、第1内周面171aとの間の距離やLED169bの指向性に応じて拡散する。第1内周面171aは、例えば、指向性が高い場合には、LED169bから直線上に照射される光を、指向性が低い場合には、LED169bから放射状に広がる光を、湾曲した面で受光する。その結果、第1内周面171aを直線形状に形成し平らな面で受光する場合に比べて、発光された光を湾曲した第1内周面171aでより均等に受光することができる。可動役物133の背面側において、可動役物133の外周部分を照らす光の輝度ムラを抑制しすることができる。
また、図9及び図11に示すように、凸部材167は、可動役物133の厚さ方向において、背面側LED169及び配置穴171とはずれた位置に配置されている。詳述すると、凸部材167は、基板163の平面に沿った直線上に配置されている(図9)。突部167a及び連結部167bは、基板163の平面に沿った直線上の位置を基端として、厚さ方向の前側(図9の上側)に向かって形成されている。
一方、背面側LED169は、基板163の背面(後ろ側の面)に実装されている。そして、配置穴171は、背面側LED169の後端と面一となる位置に形成されている。従って、突部167aは、背面側LED169から発光された光を、厚さ方向の前側にずれた位置で受光する。
尚、上記した可動役物133の部材の数、部材の位置、部材の形状等は、一例である。例えば、第1内周面171aを、背面側LED169の中心169cを基準とした一定の曲率の湾曲した面で形成しなくとも良い。図12に示すように、円弧形状の第1内周面171aの頂点と、中心169cとを結ぶ線を半径R1、第1内周面171aと第2内周面171bの接続点と、中心169cを結ぶ線を半径R2とした場合、半径R1を半径R2よりも短くして第1内周面171aを形成しても良い。この場合、第1内周面171aは、本体部169aの長手方向における外側(図12における左右方向の外側)に行けば行くほど、中心169cとの間の距離がより離れることとなる。
あるいは、第1内周面171aを、LED169bから発光される光の広がり(放射状に拡散する広がり)の位置に合せて湾した面で形成しても良い。例えば、LED169bを1点で点灯させ、その1点のLED169bから発光させた光の広がった形状(第1内周面171aに到達する時点の拡散範囲の外縁)に合わせて、第1内周面171aを湾曲させても良い。これにより、LED169bから発光した光を、第1内周面171aでより均等に受光することができる。
また、図13に示すように、1つの配置穴171の中に複数の背面側LED169を配置しても良い。この場合にも、複数の背面側LED169から発光させた光を湾曲した第1内周面171aで受光することで、輝度ムラの発生を抑制することができる。この場合、複数の背面側LED169は、長手方向に沿って配置されても良い。あるいは、図8に示すように、可動役物133の外周縁に沿うように、各背面側LED169の角度を調整しても良い。
また、図14に示すように、配置穴171を、基板163の平面視において、円形や楕円形の穴で形成しても良い。この場合にも、背面側LED169から発光させた光を、円形や楕円形に沿った第1内周面171aで受光することで、輝度ムラの発生を抑制することができる。
また、凸部材167を、可動役物133の厚さ方向において、背面側LED169及び配置穴171と同じ位置に配置しても良い。例えば、凸部材167を、クリア板165の平面に沿った直線上の位置(配置穴171と平行な位置)に配置しても良い。この場合、クリア板165は、傾斜面165aを備えなくとも良い。あるいは、凸部材167を、厚さ方向における配置穴171よりも後方側に配置しても良い。
(演出の一態様)
次に、可動役物133を用いた演出の一態様について説明する。図15は、演出図柄の変動表示中における演出表示装置7の表示画面7Aに表示される複数の場面を示している。図15は、例えば、リーチ演出が実行される際の表示画面7Aを示している。まず、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて左演出図柄9L、中演出図柄9C、右演出図柄9Rの変動が開始される(図15(a))。
例えば、演出制御用マイコン101は、背面側LED169の発光演出、表側LED179の発光演出、可動役物133のスライド移動、及び回動動作など(以下、発光演出等という)を、リーチ予告の演出として実行しても良い。例えば、図15(a)に示すように、演出制御用マイコン101は、左演出図柄9L等を変動させる単位遊技の保留を表す保留アイコン500を表示画面7Aに表示する。演出制御用マイコン101は、通常の保留アイコン500として、例えば、ワイングラスのアイコンを表示する。そして、演出制御用マイコン101は、保留アイコン500を用いたリーチ予告の演出として、可動役物133の発光演出等を実行する単位遊技に対応する保留アイコン501を、他の保留アイコン502(例えば、通常の保留アイコン500)とは異なる保留アイコン500にする。演出制御用マイコン101は、例えば、可動役物133と同じ手の形をした保留アイコン501(図示例では右手)を表示画面7Aに表示する。これにより、単位遊技を開始する前に、可動役物133を用いたリーチ演出が行なわれること、あるいはリーチ演出が行なわれる可能性が高いことを遊技者に示唆できる。
演出制御用マイコン101は、予告の保留アイコン501を消化して、左演出図柄9L等の変動を開始した後、予告演出として、大当たりの信頼度が高いことを示す画像、例えば、「チャンス」の文字を示す画像を表示画面7Aに表示する(図15(b))。次に、演出制御用マイコン101は、例えば、左演出図柄9Lと右演出図柄9Rとに「7」の演出図柄を停止させ、演出図柄がリーチ状態であること(リーチが確定したこと)を表示画面7Aに表示させる(図15(c))。
例えば、リーチ確定時の演出を実行する場合、演出制御用マイコン101は、可動役物133をスライド移動や回動動作させ、背面側LED169や表側LED179を発光させるタイミングに合せて「チャンス」の文字を表示し(図15(b))、文字を消去した後、図15(c)のリーチ確定画面を表示画面7Aに表示させる。演出制御用マイコン101は、例えば、大当たり確率が高いリーチを実行する前に、上記した演出を実行する。
従って、本実施形態のパチンコ遊技機1は、可動役物133の発光演出等と、表示画面7Aの表示などを合せてリーチの確定を通知しても良い。これにより、演出図柄の変動表示の結果が大当たりとなる蓋然性(信頼度)が高いこと遊技者に示唆することができる。遊技者は、大当たりに対する期待感を高めることとなる。なお、信頼度の高さを示唆する文字は、「チャンス」に限らず、「激アツ」などの他の文字でも良い。
また、図15(c)に示すように、演出制御用マイコン101は、リーチが確定した後、可動役物133を模擬した模擬アイコン503を表示画面7Aに表示しても良い。例えば、演出制御用マイコン101は、リーチ演出を、大当たりが確定する信頼度がより高いリーチ演出へ発展させる場合に、模擬アイコン503を用いた演出を実行する。演出制御用マイコン101は、可動役物133を所定の位置(例えば、上記した上昇位置183)までスライド移動させ、可動役物133を回動位置185まで回動させて背面側LED169や表側LED179を強く発光させるタイミングに合わせて、模擬アイコン503の指先を発光させ、リーチ演出を発展させる。従って、本実施形態のパチンコ遊技機1は、可動役物133の発光と、表示画面7Aに表示した模擬アイコン503の状態(発光など)とを合せてリーチ演出の発展を報知しても良い。また、演出制御用マイコン101は、所定の確率に基づいて、可動役物133の発光演出等や模擬アイコン503の演出を途中で停止し、リーチ演出を発展させず大当たりの判定がハズレであることを報知しても良い。これにより、模擬アイコン503を表示し、可動役物133を動作等させることで、リーチ演出の発展を遊技者に期待させることができ、遊技の趣向性を向上できる。
次に、図15(d)に示すように、演出制御用マイコン101は、演出のタイミングに合わせて演出ボタン9を押すべき旨の画像である演出ボタン画像505を表示画面7Aに表示する。また、図15(d)に示すように、演出制御用マイコン101は、演出図柄(左演出図柄9L等)を、表示画面7Aの隅(例えば、左上の隅)に表示させ、演出ボタン画像505の画像と重ならないように表示しても良い。この際に、演出制御用マイコン101は、例えば、可動役物133を模擬した模擬アイコン507を表示画面7Aに表示しても良い。そして、演出ボタン9の押下に合せて可動役物133を回動等させ、背面側LED169等を発光させるタイミングで模擬アイコン507を発光、回動等させても良い(図15(e))。演出制御用マイコン101は、演出ボタン9の押圧を検出するのに応じて、図15(e)に示すように、「ドーン」などの大当たりであることを示唆するメッセージ等を示す画像を模擬アイコン507に合せて表示画面7Aに表示する。これにより、可動役物133の動作・発光、表示画面7Aの表示、演出ボタン9の押下を組み合わせた演出という、従来のパチンコ遊技機1では味わうことができない新鮮味のある演出を楽しむことができる。
従って、本実施形態のパチンコ遊技機1は、大当たりの確定に合せて可動役物133を発光演出等させても良い。また、パチンコ遊技機1は、演出ボタン9等の操作手段の操作に合せて可動役物133の動作や表示画面7Aの表示の変更を実行しても良い。この際に、図15(d)(e)に示すように、可動役物133の回動に合せて、表示画面7Aに示す模擬アイコン507を変化させ(遊技者に向けて回動させるなどして)、可動役物133の動作に連動して指先等を発光させても良い。そして、図15(e)の表示状態を所定時間だけ維持すると、図15(f)に示すように、演出制御用マイコン101は、中演出図柄9Cを「7」の演出図柄で停止させる。大当たり演出図柄を確定表示させ、大当たりが付与された旨を報知し、大当たり遊技が開始される。
尚、上記した図15に示す演出は、一例である。演出制御用マイコン101は、上記した保留アイコン501(リーチ確定前)、模擬アイコン503(リーチ発展前)、模擬アイコン507(大当たり確定前後)のうち、少なくとも一つのタイミングで可動役物133を用いた演出を実行しても良い。また、演出制御用マイコン101は、大当たり遊技中(V入賞の確定など)の他のタイミングで可動役物133を用いた演出を実行しても良い。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6の操作等に合せて可動役物133の発光演出等を実行しても良い。また、図15では、手の形(右手の形)の保留アイコン501や模擬アイコン503等を図示したが、可動役物133と同じ左手の保留アイコン501等を採用できる。また、手の形だけでなく、人の形の模擬アイコン503を表示してその人の手の指先を光らせる等しても良い。
因みに、可動役物133は、演出部材の一例である。背面側LED169、LED169bは、発光手段の一例である。クリア板165は、光透過板の一例である。第1内周面171aは、内周面の一例である。
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技状態に応じて演出を行なう可動役物133を備える。可動役物133は、遊技者から見て可動役物133の背面に配置された背面側LED169と、光透過性を有する材料で板状に形成され、背面側LED169を穴の中に配置する配置穴171が形成されたクリア板165と、を有している。配置穴171は、背面側LED169から発光された光を第1内周面171aで受光する。第1内周面171aは、背面側LED169と離間して配置され、背面側LED169から離れる方向へ湾曲した面で形成され、可動役物133の背面において背面側LED169に対して外側に配置されている。
これによれば、第1内周面171aは、背面側LED169から発光された光を、背面側LED169から一定の距離だけ離れた位置で湾曲した面で受光する。これにより、直線形状の面で受光する場合に比べて、発光された光を第1内周面171aでより均等に受光することができる。可動役物133の背面側において、可動役物133の外周部分を照らす光の輝度ムラを抑制しすることができ、パチンコ遊技機1の趣向性を向上できる。
(2)また、クリア板165は、可動役物133の背面を覆う形状で形成され、可動役物133の外周部分に沿って複数の配置穴171が形成されている。複数の配置穴171の各々には、背面側LED169がそれぞれ配置される。
これによれば、可動役物133の外周部分に沿って配置した複数の配置穴171の各々の第1内周面171aに向かって、内側に配置した背面側LED169から光を発光できる。複数組みの配置穴171及び背面側LED169を、可動役物133の外周部分に沿って配置することで、可動役物133の外縁から輝度ムラの発生を抑制した光を発光することができる。従って、可動役物133の外周を背面側から輝度ムラを少なくして光らせることができる。
(3)また、第1内周面171aは、背面側LED169の中心169cを基準として一定の曲率で湾曲した面で形成されている。これにより、第1内周面171aにおいて、背面側LED169から発光させた光をより均等に受光することができる。その結果、クリア板165を通じて発光する光の輝度ムラを効果的に抑制できる。
(4)また、可動役物133は、側面に沿って配置される凸部材167を有している。凸部材167は、光透過性を有する材料で形成され、複数の突部167aを有している。複数の突部167aは、可動役物133の側面から外側へ突出し、可動役物133の側面に沿って所定の間隔で配置されている。
背面側LED169から発光した光の一部は、可動役物133の側面に設けられた複数の突部167aに到達する。この複数の突部167aは、可動役物133の側面に沿って、所定の間隔で並んで配置されている。このため、可動役物133の側面部分をより均等に光らせることができる。
(5)また、凸部材167は、可動役物133の厚さ方向において、背面側LED169及び第1内周面171aとはずれた位置に配置されている(図9、図11)。これにより、背面側LED169から発光した光を、ずれた位置の凸部材167で受光して可動役物133の側面部分をより均等に光らせることができる。特に、本実施形態では、発光手段として指向性の高い背面側LED169を用いているため、凸部材167の位置をずらすことで、背面側LED169の光軸の中心から凸部材167を容易にずらすことができる。凸部材167のずらす量を変更し、可動役物133の側面の明るさ等を変更することができる。
(6)また、可動役物133は、遊技状態に応じて、所定の範囲内で移動し、所定の中心位置153を基準に回転する可動役物である。これによれば、演出に応じて可動する可動役物を、背面側から照らし、且つ発光する光の輝度ムラの発生を抑制できる。可動役物133の可動による趣向性の高い演出を行なうことができる。
〈他の実施形態〉
(1)上記実施形態では、本願の演出部材として、可動役物133を採用した。しかしながら、本願の演出部材は、可動役物133に限らない。本願の演出部材は、例えば、可動せずに発光だけする役物でも良い。また、演出部材は、スピーカ8、ハンドル4、演出レバー6、演出ボタン9などの部材でも良い。即ち、背面側LED169や配置穴171(クリア板165)を、スピーカ8等に設けても良い。
また、上記実施形態の図10に示す可動役物133の動作、背面側LED169の発光態様等は一例である。例えば、可動役物133をスライド移動させずに、回動動作だけさせて発光演出を実施しても良い。また、可動役物133を回動動作させずに、スライド移動だけさせて発光演出を実施しても良い。あるいは、可動役物133を、上昇位置183まで移動させずに、回動動作させても良い。
(2)また、可動役物133は、一組の背面側LED169及び配置穴171を備える構成でも良い。
(3)また、本願の発光手段は、LEDに限らず、ハロゲンランプ等の他の発光する手段でも良い。
(4)また、本願の光透過板は、透明のクリア板165に限らず、有色(半透明など)の光透過性を有する板でも良い。
(5)背面側LED169は、一方向に長い略直方体形状に限らない。背面側LED169は、基板163の平面視において、正方形状でも良く、他の多角形形状でも良く、丸形でも良い。また、背面側LED169は、基板163の平面に立つように固定された四角柱や円柱形状でも良い。
(6)可動役物133は、凸部材167を備えなくとも良い。
(7)本発明の遊技機は、所謂、V確機に限らない。例えば、本発明は、大当たり抽選のときに、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態に移行することが約束された大当たり(いわゆる確変大当たり)であるか、あるいは、確変遊技状態に移行しない大当たり(いわゆる通常大当たり)であるかを抽選するパチンコ遊技機にも適用することができる。また、本発明は、ST(スペシャルタイム)の期間、高確率状態に制御される所謂「ST機」でも良い。
(8)本発明は、スロットマシン(パチスロ遊技機)などにも適用することができる。
1 パチンコ遊技機(遊技機)、133 可動役物(演出部材)、153 中心位置、165 クリア板(光透過板)、167 凸部材、167a 突部、169 背面側LED(発光手段)、169b LED(発光手段)、169c 中心、171a 第1内周面(内周面)。

Claims (6)

  1. 遊技状態に応じて演出を行なう演出部材を備え、
    前記演出部材は、
    遊技者から見て前記演出部材の背面に配置された発光手段と、
    光透過性を有する材料で板状に形成され、前記発光手段を穴の中に配置する配置穴が形成された光透過板と、
    を有し、
    前記配置穴は、
    前記発光手段から発光された光を内周面で受光し、
    前記内周面は、
    前記発光手段と離間して配置され、前記発光手段から離れる方向へ湾曲した面で形成され、前記演出部材の背面において前記発光手段に対して外側に配置される、遊技機。
  2. 前記光透過板は、
    前記演出部材の背面を覆う形状で形成され、前記演出部材の外周部分に沿って複数の前記配置穴が形成され、
    複数の前記配置穴の各々には、
    前記発光手段がそれぞれ配置される、請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記内周面は、
    前記発光手段の中心を基準として一定の曲率で湾曲した面で形成される、請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記演出部材は、
    側面に沿って配置される凸部材を有し、
    前記凸部材は、
    光透過性を有する材料で形成され、複数の突部を有し、
    複数の前記突部は、
    前記演出部材の側面から外側へ突出し、前記演出部材の側面に沿って所定の間隔で配置される、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の遊技機。
  5. 前記凸部材は、
    前記演出部材の厚さ方向において、前記発光手段及び前記内周面とはずれた位置に配置される、請求項4に記載の遊技機。
  6. 前記演出部材は、
    遊技状態に応じて、所定の範囲内で移動し、所定の中心位置を基準に回転する可動役物である、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の遊技機。
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