JP2022008181A - 航空機の機内を消毒するためのシステム及び方法 - Google Patents

Abstract

【課題】航空機の機内を消毒するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】航空機は、機内と、機内中に空気を循環させるよう構成された環境システムと、を含む。航空機は、機内を循環させられる空気中に消毒剤を散布するよう構成された少なくとも１つの消毒剤ディスペンサも含む。一例において、開示される航空機の機内を消毒する方法は、（１）航空機の機内中に空気を循環させるステップと、（２）機内を循環させられる空気中に消毒剤を散布するステップと、（３）所定の状態になったら、機内から消毒剤を除去するステップとを含む。
【選択図】図４

Description

本発明は概して航空機に関し、具体的には、航空機の機内を消毒するためのシステム及び方法に関する。

或る特定の時間に、航空機の機内を消毒する必要がある。消毒剤は典型的に、手で塗布され、又は手動で操作されるスプレーを用いて噴霧される。このように、手動で消毒する作業は、多くの労力を必要とし時間が掛かる。加えて、手動で消毒する作業では、アプリケータとしての人間が、有害かもしれない化学物質に晒されうる。このように、作業員保護機器が、アプリケータとしての人間を保護するために必要となりうる。さらに、消毒剤が、航空機の機内への適用時に、空気循環ファンによって機能システムに吸い込まれる可能性があり、これにより、機能システムの部品が損傷を受ける可能性がある。したがって、当業者は、航空機の機内の消毒作業の分野において研究開発の努力を続けている。

航空機、航空機の消毒システム、及び、航空機を消毒する方法の例が開示される。以下は、本開示に係る実施例を非網羅的に列挙したものであり、これらは特許請求されている場合も、されていない場合もある。

一例において、開示される航空機は、機内と、機内中に空気を循環させるよう構成された環境システムと、を含む。航空機は、機内を循環させられる空気中に消毒剤を散布するよう構成された少なくとも１つの消毒剤ディスペンサも含む。

一例において、機内及び環境システムを含む開示される航空機の消毒システムは、
消毒剤を貯蔵するよう構成された消毒剤供給部と、
消毒剤供給部と流体連通しており、かつ環境システムによって機内を循環させられる空気中に消毒剤を散布するよう構成された少なくとも１つの消毒剤ディスペンサと、を備える。

一例において、開示される航空機の機内を消毒する方法は、
（１）航空機の機内中に空気を循環させるステップと、
（２）機内を循環させられる空気中に消毒剤を散布するステップと、
（３）所定の状態になったら、機内から消毒剤を除去するステップと
を含む。

開示される航空機、消毒システム、及び消毒方法の他の実施例が、以下の詳細な明細書の記載、添付の図面、及び添付の特許請求の範囲から明らかになろう。

航空機の一例の概略図である。 航空機の環境制御システムの一例の概略図である。 航空機の機内の消毒システムの一例の概略的なブロック図である。 環境制御システム及び消毒システムの一例の概略図である。 航空機の機内を消毒する方法の一例のフローチャートである。 消毒システムの消毒剤ディスペンサの噴霧ノズルの一例の概略図である。 消毒システムの消毒剤ディスペンサのスワールノズルの一例の概略図である。 消毒システムの消毒剤ディスペンサのピッコロノズルの一例の概略図である。 航空機の製造及び保守方法のフロー図である。

以下の詳細な説明は、添付の図面に言及している。添付の図面は、本開示によって説明される具体的な実施例を示している。異なる構造及び工程を有する他の実施例は、本開示の範囲から逸脱するものではない。同様の参照番号が、異なる図面における同じ特徴、要素、又は構成要素を表わしうる。

本開示に係る発明の主題の例示的で非網羅的な実施例が、以下に提供される。これらは、特許請求されうるが、必ずしも特許請求されるわけではない。本明細書で「実施例」に言及するということは、当該実施例に関連して説明される１つ以上の特徴、構造、要素、構成要素、特性、及び／又は動作ステップが、本開示に係る発明の主題の少なくとも１つの態様、実施形態及び／又は実現に含まれることを意味する。したがって、本開示全体にわたって使用される「一実施例（ｏｎｅ ｅｘａｍｐｌｅ）」や「他の実施例（ａｎｏｔｈｅｒ ｅｘａｍｐｌｅ）」という表現、及び同様の文言は、同一の実施例を指していることもあるが、必ずしもそうではないこともある。さらに、任意の一実施例を特徴付ける発明の主題は、任意の他の実施例を特徴付ける発明の主題を含みうるが、必ずしもそうではないこともある。さらに、任意の一実施例を特徴付ける発明の主題は、任意の他の実施例を特徴付ける主題と組み合わされてもよいが、必ずしも組み合わされないこともある。

実施例を用いて、図１から図４、及び図６～図８を大まかに参照すると、本開示は、航空機１２００（例えば、図１に図示）に関し、航空機１２００は、当該航空機１２００の機内１２０６を迅速に効率良く消毒するための消毒システム１００（例えば、図３及び図４に図示）を含む。

図１を参照すると、１つ以上の実施例において、航空機１２００は固定翼航空機である。しかしながら、他の実施例において、航空機１２００は、任意の他の種類の航空機であってよい。航空機１２００は、複数の高次システム１２０４を含む。高次システム１２０４の例には、推進システム１２０８、電気システム１２１０、油圧システム１２１２、環境制御（環境）システム１２１４、及びフライト制御システム１２５８のうちの１つ以上が含まれる。他の実施例において、航空機１２００は、通信システム、案内システム、美武システム等といった任意の数の他の種類のシステムを含みうる。

航空機１２００は、機体１２０２を含む。１つ以上の実施例において、機体１２０２が、胴体１２６０、１対の翼、及びテールを形成する。胴体１２６０が、概して、航空機１２００の機内１２０６を画定し、機内１２０６は、操縦室、客室、貨物室、及び他のコンパートメント又はサービスエリアを含みうる。胴体１２６０は、航空機１２００の本体であり、乗務員、１人以上の乗客、サービス機器、及び／又は貨物を保持するよう構成された任意の適切な中央構造を含む。

１つ以上の実施例において、推進システム１２０８が、例えばパイロンによって、航空機１２００の翼に取り付けられたターボファンエンジンを含む。他の実施例において、エンジンが、胴体１２６０に取り付けられてよく、又は、航空機１２００のテールといった他の航空機構造に取り付けられてよい。様々な他の実施例において、推進システム１２０８は、利用可能なより多くの又はより少ないエンジン及び他の種類のエンジン（例えば、ターボプロップエンジン）を含みうる。

図２～図４を参照すると、１つ以上の実施例において、環境システム１２１４が、航空機１２００の機内１２０６中に空気１２２４（例えば、図３に図示）を循環させるよう構成される。本明細書では、「機内中で空気を循環させる（ｃｉｒｃｕｌａｔｅ ａｉｒ ｔｈｒｏｕｇｈ ｔｈｅ ｉｎｔｅｒｉｏｒ）」という表現、及び、他の同様の表現は、概して、機内１２０６の外から空気を導入すること、機内１２０６中で空気を動かすこと、及び、機内１２０６から空気を排出することを含むプロセスを指している。本明細書では、「機内中で空気を循環させる」という表現、及び、他の同様の表現は、概して、航空機１２００の１の部分（例えば、コンパートメント又はエリア）から、航空機１２００の機内１２０６にある航空機１２００の他の部分（例えば、コンパートメント又はエリア）へと空気を動かすことを指している。

図２及び図３を参照すると、航空機１２００の１つ以上の実施例において、環境システム１２１４は、エアハンドリング装置１２１８を含む。エアハンドリング装置１２１８は、航空機１２００の機内１２０６中で空気１２２４を循環させる気流１２２８（例えば、図３に図示）を生成するよう構成される。１つ以上の実施例において、環境システム１２１４は、給気管１２１６を含む。給気管１２１６は、エアハンドリング装置１２１８と流体連通している。給気管１２１６は、気流１２２８を機内１２０６に方向付けるよう構成される。

図２に示すように、１つ以上の実施例において、給気管１２１６は、気流１２２８（例えば、図３に図示）が少なくとも航空機１２００の客室及び操縦室に方向付けられるように、航空機１２００の機内１２０６に配置されている。他の実施例において、給気管１２１６は、乗務員の休憩エリア、ガレー、化粧室、貨物室、個人用空気吹き出し口等といった、機内１２０６の他のエリアに気流１２２８が方向付けられるように配置されている。一例として、ワイドボディ商用航空機が、典型的に、客室を形成する３つ～６つのキャビンゾーンを含む。給気管１２１６は、気流１２２８が上記キャビンゾーンのそれぞれに方向付けられるように配置されている。

図２～図４を参照すると，１つ以上の実施例において、給気管１２１６は、複数の給気出口１２２６を含む。給気出口１２２６のそれぞれは、気流１２２８（例えば、図３に図示）が機内１２０６の様々なエリアに方向付けられるように、機内１２０６に配置されている。１つ以上の実施例において、環境システム１２１４はまた、機内１２０６の空気が、少なくとも１つの還気管１２５６（例えば、図２及び図４）を介して循環するように機内１２０６に配置された少なくとも１つの還気入口１２４２（例えば、図２及び図４に図示）を含む。

１つ以上の実施例において、環境システム１２１４はまた、航空機１２００の機内１２０６と流体連通しており、かつ航空機１２００の外部と流体連通している流出弁１２６４（例えば、図２に図示）を含む。流出弁１２６４は、機内１２０６で所定の圧力を維持するよう構成される。例えば、或る空気量（例えば、或る風量）が、給気出口１２２６を介して機内１２０６に導入されると、対応する空気量（例えば、風量）が、流出弁１２６４を介して機内１２０６から排出される。

図２及び図４に示すように、環境システム１２１４の１つ以上の実施例において、外気供給１２４４（例えば、図４に図示）が、機内１２０６に引き込まれている。一例において、外気供給１２４４は、調整空気管１２４８（例えば、図４に図示）と流体連通した外気供給ファン１２５２を用いて、機内１２０６に引き込まれる。１つ以上の実施例において、外気供給ファン１２５２は、エアハンドリング装置１２１８の一例であり、又は、エアハンドリング装置１２１８の一部を形成する。一例において、航空機１２００の１つ以上のエンジンを流過する抽気が、機内１２０６に方向付けられる。他の実施例において、外気が、エンジン内の様々なコンプレッサ段から流される（例えば、空気が、少なくとも１つのエンジン内のコンプレッサへと引き込まれる）。これらの実施例において、外気供給ファン１２５２は、一般に、エンジンのコンプレッサを指し、かつエンジンのコンプレッサと称されうる。１つ以上の実施例において、外気供給１２４４が、空気調整ユニット１２６２（例えば、図２に図示）を用いて調整される（例えば、加熱又は冷却される）。

環境システム１２１４の１つ以上の実施例において、再循環空気供給１２４６（例えば、図４に図示）が、例えば、還気管１２５６と流体連通しており、かつ再循環空気管１２５０（例えば、図４に図示）と流体連通している再循環空気供給ファン１２５４によって、機内１２０６から引き出される。１つ以上の実施例において、再循環空気供給ファン１２５４は、エアハンドリング装置１２１８の一例であり、又は、エアハンドリング装置１２１８の一部を形成する。

図３及び図４を参照すると、１つ以上の実施例において、環境システム１２１４が、環境コントローラ１２３８を含む。環境コントローラ１２３８は、外気供給ファン１２５２、及び再循環空気供給ファン１２５４のそれぞれといったエアハンドリング装置１２１８と通信する。例えば、環境コントローラ１２３８は、外気供給ファン１２５２及び再循環空気供給ファン１２５４のそれぞれを選択的に制御するよう構成される。例として、外気供給ファン１２５２及び再循環空気供給ファン１２５４の少なくとも１つが、環境コントローラ１２３８からの指示で、選択的に作動させられ又は選択的に停止させられる。１つ以上の実施例において、外気供給ファン１２５２及び再循環空気供給ファン１２５４の少なくとも１つが、可変速ファン１２３６（例えば、図３に図示）を含み、又は当該可変速ファン１２３６の形状を取り、これにより、外気供給ファン１２５２及び再循環空気供給ファン１２５４の少なくとも１つの速度が、環境コントローラ１２３８の指示で選択的に制御される。

図２及び図４を参照すると、１つ以上の実施例において、外気供給１２４４、及び再循環空気供給１２４６は、混合マニフォールド１２３２へと方向付けられ、混合マニフォールド１２３２で混合されて、気流１２２８（例えば、図３に図示）を形成する。１つ以上の実施例において、給気管１２１６が、混合マニフォールド１２３２と流体連通しており、混合マニフォールド１２３２からの気流１２２８を機内１２０６の様々なエリアへと方向付ける。

図３及び図４を参照すると、１つ以上の実施例において、航空機１２００はまた、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８を含む。少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８は、機内１２０６で循環させられた空気１２２４（例えば、図３に図示）中に消毒剤１０４（例えば、図３に図示）を散布するよう構成される。

一般に、消毒剤１０４は、表面上及び空気中の細菌、ウイルスといった微生物を不活性化し又は破壊するよう設計された任意の化学剤である。空気１２２４中に消毒剤１０４を散布すると、気体状の消毒剤混合物１５０（例えば、図３に図示）、又は消毒剤１０４の液滴と混ぜ合わされた気体が生成され、機内１２０６に位置する複数の接触表面１２４０をカバーしうる。一例として、機内１２０６を消毒剤混合物１５０で満たすことで、他の手動での消毒作業と比較して、非常に多くの接触表面１２４０及び大きな接触表面１２４０の迅速で効率良い消毒が容易になる。加えて、機内１２０６を消毒剤混合物１５０で満たすことで、手動での消毒作業中に忘れられるかもしれない接触表面１２４０の部分の消毒が容易になる。

図４に示すように、１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８が、給気管１２１６内の気流１２２８に直接的に消毒剤１０４を散布するために、環境システム１２１４の給気管１２１６（例えば、少なくとも１つの給気管１２１６）の中に位置している。

図３及び図４を参照すると、１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００は、少なくとも１つのセンサ１４４（例えば、図３に図示）を含む。少なくとも１つのセンサ１４４は、航空機１２００の機内１２０６の１つ以上の状態を検出するよう構成される。１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００はまた、消毒剤コントローラ１２０を含む。消毒剤コントローラ１２０は、少なくとも１つのセンサ１４４によって検出された１つ以上の状態に基いて、例えば、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８からの消毒剤１０４の散布を選択的に制御するよう構成される。

１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０は、空気１２２４への消毒剤１０４の導入前、空気１２２４への消毒剤１０４の導入中、及び消毒剤１０４が空気１２２４に導入された後等に、機内１２０６の１つ以上の状態を（例えば、周期的又は継続的に）監視するよう構成される。

１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０は、エアハンドリング装置１２１８、様々な可変速ファン１２３６、様々な循環ファン１２２２等といった、環境システム１２１４の１つ以上の機能コンポーネントを選択的に制御するよう構成される。一例として、消毒剤コントローラ１２０は、環境コントローラ１２３８を介して直接的又は間接的に環境システム１２１４の複数の機能コンポーネントと通信しうる。一例において、消毒剤コントローラ１２０が、環境コントローラ１２３８と通信し、これにより、環境システム１２１４のコンポーネントの選択的な制御が、消毒剤コントローラ１２０からの指示の下、環境コントローラ１２３８によって選択的に制御される。

消毒システム１００及び／又は航空機１２００の１つ以上の実施例において、１つ以上の状態が、機内１２０６の占有率及び空気１２２４中の消毒剤１０４の濃度のうちの少なくとも１つを含む。他の実施例において、１つ以上の状態が、機内１２０６の内部圧力、機内１２０６を流過する空気１２２４の循環速度等といった、他の測定可能又は決定可能な状態を含む。

引き続き図３及び図４を参照すると、消毒システム１００及び／又は航空機１２００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８は、複数の消毒剤ディスペンサ１０８を含む。１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００は、消毒剤伝達装置１０６を含む。消毒剤伝達装置１０６は、複数の消毒剤ディスペンサ１０８（例えば、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のそれぞれ）と流体連通している。消毒剤伝達装置１０６は、複数の消毒剤ディスペンサ１０８（例えば、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のそれぞれ）に消毒剤１０４を伝達するよう構成される。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００はまた、分配マニフォールド１１０を含む。分配マニフォールド１１０は、消毒剤伝達装置１０６と流体連通しており、かつ複数の消毒剤ディスペンサ１０８と流体連通している。分配マニフォールド１１０は、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のそれぞれに消毒剤１０４を分配するよう構成される。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００は、少なくとも１つの調量装置１４２を含む。調量装置１４２は、消毒剤伝達装置１０６と、複数の消毒剤ディスペンサ１０８（例えば、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のうちの少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８又は各消毒剤ディスペンサ１０８）と、の間に位置しており、かつ、消毒剤伝達装置１０６、及び複数の消毒剤ディスペンサ１０８（例えば、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のうちの少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８又は各消毒剤ディスペンサ１０８）と流体連通している。調量装置１４２は、複数の消毒剤ディスペンサ１０８（例えば、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のうちの少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８又は各消毒剤ディスペンサ１０８）に伝達される消毒剤１０４の量を選択的に制御するよう構成される。

１つ以上の実施例において、調量装置１４２は、流体の流れ（例えば、質量流量又は体積流量）、流量（例えば、質量流量又は体積流量）、又は他のパラメータを調整して、選択的に制御するのに適した任意の仕組みを含み、又は当該任意の仕組みの形態を取る。１つ以上の実施例において、調量装置１４２は、消毒剤コントローラ１２０と通信し、これにより、消毒剤コントローラ１２０からの指示で、調量装置１４２は、消毒剤伝達装置１０６から、複数の消毒剤ディスペンサ１０８（例えば、複数の消毒剤ディスペンサ１０８の少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８又は各消毒剤ディスペンサ１０８）に伝達される消毒剤１０４の量を制御する。

消毒システム１００及び／又は航空機１２００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの調量装置１４２が、複数の調量装置１４２（例えば、図４に図示）を含む。複数の調量装置１４２のそれぞれが、消毒剤伝達装置１０６と流体連通しており、かつ複数の消毒剤ディスペンサ１０８のうち対応する消毒剤ディスペンサ１０８と流体連通している。複数の調量装置１４２のそれぞれは、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のうち対応する消毒剤ディスペンサ１０８に伝達される消毒剤１０４の量を選択的に制御するよう構成される。

１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０が、消毒剤伝達装置１０６と通信する。消毒剤コントローラ１２０は、消毒剤伝達装置１０６から複数の消毒剤ディスペンサ１０８（例えば、複数の消毒剤ディスペンサ１０８の少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８又は各消毒剤ディスペンサ１０８）への消毒剤１０４の伝達を選択的に開始又は選択的に終了するよう構成される。消毒剤伝達装置１０６の選択的な制御によって、複数の消毒剤ディスペンサ１０８（例えば、複数の消毒剤ディスペンサ１０８の少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８又は各消毒剤ディスペンサ１０８）からの消毒剤１０４の散布の選択的な制御が促進される。

１つ以上の実施例において、複数の消毒剤ディスペンサ１０８の少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８又は各消毒剤ディスペンサ１０８）が、消毒剤コントローラ１２０によって選択的に制御可能である。一例として、複数の消毒剤ディスペンサ１０８（例えば、複数の消毒剤ディスペンサ１０８の少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８又は各消毒剤ディスペンサ１０８）は、「スマートな（ｓｍａｒｔ）」ディスペンサであり、消毒剤コントローラ１２０からの指示で消毒剤ディスペンサ１０８を介した消毒剤１０４の流れを選択的に開始、選択的に終了、又は選択的に制御するよう構成された作動可能な弁（例えば、ソレノイド弁）を含む。

図３を参照すると、１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００は、占有率センサ１１２を含む。占有率センサ１１２は、消毒剤コントローラ１２０と通信する。占有率センサ１１２は、機内１２０６が使用されているかどうかを示す占有率信号１１４を生成するよう構成される。占有率センサ１１２は、複数のセンサ１４４のうちの１つの実施例である。

１つ以上の実施例において、占有率センサ１１２が、航空機１２００の機内１２０６に人間がいることを検出するよう適切に配置される。１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０が、占有率信号１１４に基いて、機内１２０６が人間によって使用されているかどうかを判定するよう適合される（例えば、プログラム化される）。１つ以上の実施例において、占有率センサ１１２は、赤外線（ＩＲ）センサ、運動センサ、近接センサ、熱センサ等のうちの少なくとも１つを含み又は当該少なくとも１つの形態を取る。１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００は、複数の占有率センサ１１２を含む。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００が濃度センサ１１６を含む。濃度センサ１１６は、消毒剤コントローラ１２０と通信する。濃度センサ１１６は、航空機１２００の機内１２０６の空気１２２４中の消毒剤１０４の濃度を示す濃度信号１１８を生成するよう構成される。濃度センサ１１６は、複数のセンサ１４４のうちの１つの実施例である。

１つ以上の実施例において、濃度センサ１１６が、空気１２２４中の消毒剤１０４の濃度を検出するために適切に配置されている。１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０が、濃度信号１１８に基いて、空気１２２４中の消毒剤１０４の濃度を決定するよう適合される（例えば、プログラム化される）。１つ以上の実施例において、濃度センサ１１６は、ガスセンサ、光ガスセンサ、電気化学的ガスセンサ等を含み、又はこれらセンサの形態を取る。１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００は、複数の濃度センサ１１６を含む。

消毒システム１００及び／又は航空機１２００の１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０は、機内１２０６の内部容積１２３０及び機内１２０６を流過する空気１２２４の循環速度に基いて、機内１２０６の空気１２２４中の消毒剤１０４の濃度を決定するよう構成される。本明細書では、「循環速度（ｃｉｒｃｕｌａｔｉｏｎ ｒａｔｅ）」とは、或る量の気体（例えば、空気１２２４、又は、空気１２２４と消毒剤１０４との混合物１５０）が機内１２０６を出入りする速度を指している。

１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０は計算装置を含み、計算装置は、プロセッサと、プロセッサにより実行される命令を格納したメモリと、を含む。消毒剤コントローラ１２０は、複数の既知の及び／又は制御可能な変数に基いて、機内１２０６の空気１２２４（例えば、消毒剤混合物１５０）中の消毒剤１０４の濃度を決定（例えば、計算）するよう適合される（例えば、プログラム化される）。１つ以上の実施例において、機内１２０６の内部容積１２３０、及び、機内１２０６を流過する空気１２２４の循環速度は、複数の既知の及び／又は制御可能な変数の例である。加えて、気流１２２８に散布される消毒剤１０４の量（例えば、流れ又は流量）もまた、例えば、消毒剤伝達装置１０６及び／又は少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８の動作変数に基いた、既知の及び／又は制御可能な変数の一例である。さらに、機内１２０６へと方向付けられた空気１２２４（例えば、気流１２２８）の量（例えば、流れ又は流量）もまた、エアハンドリング装置１２１８の動作変数に基いた、既知の及び／又は制御可能な変数の一例である。

図２～図４を参照すると、航空機１２００の１つ以上の例において、エアハンドリング装置１２１８は、機内１２０６中で空気１２２４（例えば、図３に図示）を循環させる気流１２２８（例えば、図３に図示）を生成するよう構成される。１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０（例えば、図３及び図４に図示）は、環境コントローラ１２３８（例えば、図３及び図４に図示）を介すなどして、エアハンドリング装置１２１８と通信する。消毒剤コントローラ１２０は、環境コントローラ１２３８に命令を与えるなどして、エアハンドリング装置１２１８を選択的に作動又は選択的に停止するよう構成される。

航空機１２００の１つ以上の実施例において、エアハンドリング装置１２１８は、少なくとも１つの可変速ファン１２３６（例えば、図３に図示）を含む。１つ以上の実施例において、可変速ファン１２３６は、外気供給ファン１２５２（例えば、エンジンコンプレッサ）（例えば、図２及び図４に図示）、及び再循環空気供給ファン１２５４（例えば、図２及び図４に図示）の少なくとも１つである。

１つ以上の実施例において、空気調整ユニット１２６２（例えば、図２に図示）は、空気１２２４の可変的な流れを提供するよう構成される。

１つ以上の実施例において、可変速ファン１２３６は、環境システム１２１４に含まれる付加的なファンである。

１つ以上の実施例において、可変速ファン１２３６は、航空機１２００の機内１２０６に可変的な流れ（例えば、可変的な気流１２２８）を供給する。消毒剤コントローラ１２０は、少なくとも１つの所定の状態に応じて、可変速ファン１２３６の速度を上げて、エアハンドリング装置１２１８からの空気の流れ（例えば、気流１２２８）を増大させて、例えば、機内１２０６から消毒剤１０４を除去する。少なくとも１つの所定の状態の例には、空気１２２４中の消毒剤１０４が所定濃度（例えば、有効濃度）に達すること、消毒剤１０４が接触表面１２４０を消毒するのに適切な時間に達すること、機内１２０６で所定の内部圧力に達すること等が含まれるが、これらに限定されない。一般に、可変速ファン１２３６（例えば、外気供給ファン１２５２及び再循環空気供給ファン１２５４の少なくとも１つ）の速度を上げると、機内１２０６を流過する空気１２２４の流れが増大し、かつ当該空気１２２４の循環速度が上がる。

引き続き図２～図４を参照すると、航空機１２００の１つ以上の実施例において、環境システム１２１４は、複数の給気管１２１６を含む。給気管１２１６は、エアハンドリング装置１２１８と流体連通している。給気管１２１６は、気流１２２８を機内１２０６に方向付けるよう構成される。少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８は、給気管１２１６内の気流１２２８に直接的に消毒剤１０４を散布するために、少なくとも１つの給気管１２１６の中に位置している。

航空機１２００の１つ以上の実施例において、給気管１２１６は、機内１２０６に位置する複数の給気出口１２２６を含む。少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８が、複数の給気出口１２２６（例えば、図４に図示）から上流に位置している。給気出口１２２６から上流の給気管１２１６内に少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８を配置することで、気流１２２８が給気出口１２２６を出て機内１２０６に導入される前に、給気管１２１６内で消毒剤１０４と気流１２２８とを適切に混合することが容易になる。

航空機１２００の１つ以上の実施例において、給気管１２１６は、内径１２３４（例えば、図３に図示）を有する。１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８が、内径１２３４の少なくとも５倍の距離だけ、複数の給気出口１２２６のうちの任意の給気出口１２２６から上流に位置する。１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８は、内径１２３４の５倍より短い距離だけ、複数の給気出口１２２６のうちの任意の給気出口１２２６から上流に位置する。少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８が、複数の給気出口１２２６のうちの任意の給気出口１２２６から上流となる距離は、消毒剤１０４の形状に依存しうる。一例として、消毒剤１０４が気体状であるときには、消毒剤１０４と空気１２２４との十分な混合を保証するために必要な距離が、給気管１２１６の内径１２３４の少なくとも５倍であるとしうる。他の実施例において、消毒剤１０４が液体状であるときには、消毒剤１０４と空気１２２４との十分な混合を保証するために必要な距離が、給気管１２１６の内径１２３４の５倍より短いとしうる。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００は、複数の消毒剤ディスペンサ１０８を含む。消毒システム１００及び／又は航空機１２００はまた、消毒剤伝達装置１０６及び複数の消毒剤ディスペンサ１０８と流体連通した分配マニフォールド１１０を含む。分配マニフォールド１１０は、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のそれぞれに消毒剤１０４を分配するよう構成される。

航空機１２００の１つ以上の実施例において、給気管１２１６は、機内１２０６に位置する複数の給気出口１２２６を含む。複数の消毒剤ディスペンサ１０８の少なくとも１つが、複数の給気出口１２２６（例えば、図４に図示）のうちの１つに対応する。複数の消毒剤ディスペンサ１０８の少なくとも１つが、給気管１２１６の各給気管１２１６の中の気流１２２８に直接的に消毒剤１０４を散布するために、複数の給気出口１２２６のうちの対応する給気出口１２２６から上流の、給気管１２１６の各給気管１２１６の中に位置している。

引き続き図２～図４を参照すると、１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００は、混合マニフォールド１２３２を含む。混合マニフォールド１２３２は、エアハンドリング装置１２１８と給気管１２１６との間に位置しており、かつエアハンドリング装置１２１８及び給気管１２１６と通信する。図４に示すように、１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８が、混合マニフォールド１２３２内の気流１２２８に直接的に消毒剤１０４を散布するために、混合マニフォールド１２３２内に位置している。

混合マニフォールド１２３２内に少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８を配置することで、混合マニフォールド１２３２内で消毒剤混合物１５０（例えば、図３に図示）を生成すること、及び複数の給気管１２１６に消毒剤混合物１５０を分配することにより要求される消毒剤ディスペンサ１０８の数が減る。

１つ以上の実施例において、複数の消毒剤ディスペンサ１０８の少なくとも１つが、混合マニフォールド１２３２の中に位置し、複数の消毒剤ディスペンサ１０８の少なくとも１つが、１つ以上の給気管１２１６の中に位置する。

図３及び図４を参照すると、航空機１２００の１つ以上の実施例において、機内１２０６が、フロア１２２０を含む。１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８（例えば、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のうちの少なくとも１つ）が、フロア１２２０に結合されており、機内１２０６（例えば、図４に図示）の空気１２２４中に直接的に消毒剤１０４を散布する。機内１２０６のフロア１２２０上に少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８を位置付けることで、空気１２２４が機内１２０６を循環する間に、消毒剤１０４が空気１２２４と混ざり合うことが可能となる。

図４に示すように、１つ以上の実施例において、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のうちの少なくとも１つが、混合マニフォールド１２３２の中に位置しており、かつ複数の消毒剤ディスペンサ１０８のうちの少なくとも１つが、給気管１２１６のうちの少なくとも１つの給気管１２１６又は各給気管１２１６の中に位置しており、かつ複数の消毒剤ディスペンサ１０８のうちの少なくとも１つが、フロア１２２０上に位置している。

図３を参照すると、１つ以上の実施例において、航空機１２００は、機内１２０６に位置する複数の循環ファン１２２２を含む。循環ファン１２２２は、機内１２０６の空気１２２４を循環させるよう構成される。一例において、循環ファン１２２２は、少なくとも１つの給気出口１２２６（例えば、図２及び図４に図示）を含む機内１２０６の様々な部分（例えば、コンパートメント、エリア、キャビンゾーン等）の間で空気１２２４を動かすよう構成される。他の実施例において、循環ファン１２２２が、少なくとも１つの給気出口１２２６を含む機内１２０６の１の部分から、少なくとも１つの給気出口１２２６を含まない機内１２０６の任意の他の部分へと、空気１２２４を動かすよう構成される。一例として、航空機１２００の電子部品（例えば、電気システム１２１０の部品、フライト制御システム１２５８の部品、通信システムの部品等）が、給気出口１２２６のうちの１つを有さない機内１２０６の部分に位置しうる。したがって、機内１２０６のこれらの部分は、循環ファン１２２２を介して空気１２２４を受け取って、電子部品を冷却することなどができる。

消毒システム１００及び／又は航空機１２００の１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０は、複数の循環ファン１２２２と通信する。一例として、消毒剤コントローラ１２０は、環境コントローラ１２３８を介して、複数の循環ファン１２２２と直接的又は間接的に通信することができる。消毒剤コントローラ１２０は、複数の循環ファン１２２２の各循環ファン１２２２を選択的に作動又は選択的に停止するよう構成される。一例において、消毒剤コントローラ１２０は、消毒剤１０４が機内１２０６に存在する間に１つ以上の循環ファン１２２２を停止して、望まれぬ表面、機器、フィルタ等に消毒剤１０４が当たる（例えば、これらと接触する）のを防止することができる。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００は、消毒剤供給部１０２を含む。消毒剤供給部１０２は、消毒剤１０４を貯蔵するよう構成される。消毒剤供給部１０２は、消毒剤伝達装置１０６と流体連通している。消毒剤供給部１０２は、消毒剤１０４の形態に従って、或る量の消毒剤１０４を保持するのに適した任意の容器（例えば、貯蔵部又はタンク）を含み又は当該任意の容器の形態を取る。

消毒システム１００及び／又は航空機１２００の１つ以上の実施例において、消毒剤供給部１０２が機内１２０６に位置している。これらの実施例において、消毒剤供給部１０２は再充填されうる。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００は、消毒剤接続ポート１４８を含む。消毒剤接続ポート１４８は、消毒剤伝達装置１０６と流体連通している。１つ以上の実施例において、消毒剤接続ポート１４８が機内１２０６の外に位置しており、かつ消毒剤供給部１０２が機内１２０６の外に位置している。消毒剤供給部１０２は、消毒剤接続ポート１４８と流体連結するよう構成される。これらの例において、消毒剤供給部１０２は、航空機１２００の外に位置するときに、携帯可能であり、かつ、消毒作業の開始前に消毒剤接続ポート１４８を介して消毒剤伝達装置１０６に着脱可能に接続される。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００及び／又は航空機１２００が、消毒剤充填ポート１４６を含む。消毒剤充填ポート１４６は、消毒剤供給部１０２と流体連通しており、或る量の消毒剤１０４が消毒剤供給部１０２に（例えば、消毒剤供給部１０２の中に）供給されることを可能とするよう構成される。

図３を参照すると、消毒システム１００及び／又は航空機１２００の１つ以上の実施例において、消毒剤１０４がガス１２８である。消毒剤伝達装置１０６は、ファン１２４を含む。１つ以上の実施例において、消毒剤１０４が、化学物質ベースのガス、イオン化された空気ガス、オゾン等のちの少なくとも１つといった、任意の適切な気体の消毒剤材料を含む。１つ以上の実施例において、ファン１２４が、任意の適切なガス移動装置を含む。

図３及び図８を参照すると、消毒システム１００及び／又は航空機１２００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８が、ピッコロチューブノズルとも称されるピッコロノズル１２６を含み、又は当該ピッコロノズル１２６の形態を取る。１つ以上の実施例において、ピッコロノズル１２６は、ガスがそれを介して散布される複数の吐出口を有する、末端が閉じたチューブ又はパイプを含み又は当該のチューブ又はパイプの形態を取る。上記実施例において、ピッコロノズル１２６によって、気体状の消毒剤１０４（例えば、ガス１２８）を空気１２２４に散布して混合物１５０を形成することが促進される。

他の実施例において、異なるタイプの適切なガスディスペンシングノズル又はガス散布ノズルも考えられる。

航空機１２００の１つ以上の実施例において、消毒剤１０４（例えば、ガス１２８）は、オゾン１４０を含み又はオゾン１４０の形態を取る。１つ以上の例において、航空機１２００が触媒コンバータ１３８を含む。触媒コンバータ１３８は、機内１２０６の空気１２２４中の消毒剤１０４（例えば、オゾン１４０）を酸素に変換するよう構成される。触媒コンバータ１３８を利用することで、消毒剤１０４を機内１２０６から除去する速度を上げることができる。

図３を参照すると、消毒システム１００及び／又は航空機１２００の１つ以上の実施例において、消毒剤１０４は液体１３０である。消毒剤伝達装置１０６は、ポンプ１３２を含み又はポンプ１３２の形態を取る。１つ以上の実施例において、消毒剤１０４は、化学系の液体消毒剤、過酸化水素ベースの消毒剤、漂白剤ベースの消毒剤等のうちの少なくとも１つといった、任意の適切な液体消毒物質を含む。１つ以上の実施例において、ポンプ１３２は、任意の適切な液体移動装置を含む。

図３及び図６を参照すると、消毒システム１００及び／又は航空機１２００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８は、アトマイザノズル又はアスピレータノズルとも称される噴霧ノズル１３４を含み又は当該噴霧ノズル１３４の形態を取る。１つ以上の実施例において、噴霧ノズル１３４は、微細な噴霧を生成することにより液体（例えば、消毒液１３０）を霧状にするよう構成される。上記例において、噴霧ノズル１３４によって、液状の消毒剤１０４（例えば、液体１３０）を空気１２２４に散布して混合物１５０を形成することが促進される。例えば、液状の消毒剤１０４（例えば、液体１３０）、及び圧縮空気が、噴霧される液体のミストを低圧で生成するために利用されうる。

図３及び図７を参照すると、消毒システム１００及び／又は航空機１２００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８が、圧力スワールノズルとも称されるスワールノズル１３６を含み又は当該スワールノズル１３６の形態を取る。１つ以上の実施例において、スワールノズル１３６は、粒子径が小さな液滴を生成するよう構成され、かつ、回転的な液体の動きを引き起こす固定のコアを含んでおり、これにより、スワールチャンバ内で液状の消毒剤１０４（例えば、液体１３０）が渦巻状にされる。特徴的な中空円錐状の噴霧パターンを生成する吐出口の外周から霧状の消毒剤が放出される。空気、又は他の周囲の気体が、スワールチャンバの内部に引き込まれ、渦巻いている液体の中に空芯（ａｉｒ ｃｏｒｅ）が形成される。ノズル容量、及び構造の材料に従って、液体入口の数多くの構成が、中空円錐状の噴霧パターンを生成するために利用されうる。上記例において、スワールノズル１３６によって、液状の消毒剤１０４（例えば、液体１３０）を空気１２２４に散布して混合物１５０を形成することが促進される。

他の実施例において、異なる種類の適切な液体ディスペンシングノズル又は液体散布ノズルも考えられる。

実施例によりおおまかに図１～図４、及び図６～図８を参照すると、本開示は、航空機１２００の機内１２０６を迅速に効率良く消毒するための消毒システム１００に関する。１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、航空機１２００の一部分の中に位置しており、当該一部分と一体化されており、又は当該一部分を形成する。１つ以上の実施例において、消毒システム１００が、環境システム１２１４の一部分の中に位置しており、当該一部分と一体化されており、又は当該一部分を形成する。１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、消毒作業を行うために航空機１２００及び／又は環境システム１２１４内に適切に配置されたスタンドアローンシステムである。

図３及び図４を再び参照すると、１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、消毒剤１０４を貯蔵するよう構成された消毒剤供給部１０２を含む。消毒システム１００はまた、消毒剤供給部１０２と流体連通している少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８であって、環境システム１２１４によって機内１２０６を循環させられる空気１２２４中に消毒剤１０４を散布するよう構成された少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８を含む。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８が、給気管１２１６内の気流１２２８に直接的に消毒剤１０４を散布するために、環境システム１２１４の給気管１２１６内に位置している。１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、航空機１２００の機内１２０６の１つ以上の状態を検出するよう構成された少なくとも１つのセンサ１４４を含む。消毒システム１００はまた、少なくとも１つのセンサ１４４によって検出された１つ以上の状態に基いて、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８からの消毒剤１０４の散布を選択的に制御するよう構成された消毒剤コントローラ１２０を含む。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、１つ以上の状態は、機内１２０６の占有率及び空気１２２４中の消毒剤１０４の濃度の少なくとも１つを含む。他の実施例において、１つ以上の状態は、機内の内部圧力、機内１２０６を流過する空気１２２４の循環速度等といった任意の他の測定可能又は決定可能な状態を含む。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８は、複数の消毒剤ディスペンサ１０８を含む。消毒システム１００は、複数の消毒剤ディスペンサ１０８と流体連通している消毒剤伝達装置１０６を含む。消毒システム１００はまた、消毒剤伝達装置１０６及び複数の消毒剤ディスペンサ１０８と流体連通した分配マニフォールド１１０を含む。分配マニフォールド１１０は、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のそれぞれに消毒剤１０４を分配するよう構成される。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、消毒剤供給部１０２及び少なくとも１つの消毒ディスペンサ１０８と流体連通している消毒剤伝達装置１０６を含む。消毒剤伝達装置１０６は、少なくとも１つの消毒ディスペンサ１０８に消毒剤１０４を伝達するよう構成される。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、消毒剤伝達装置１０６と少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８との間に配置されかつ消毒剤伝達装置１０６及び少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８と流体連通している調量装置１４２を含む。調量装置１４２は、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８に伝達される消毒剤１０４の量を選択的に制御するよう構成される。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、消毒剤伝達装置１０６と通信する消毒剤コントローラ１２０であって、消毒剤伝達装置１０６から少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８への消毒剤１０４の伝達を選択的に開始又は選択的に停止するよう構成された消毒剤コントローラ１２０を含む。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、消毒剤コントローラ１２０と通信する占有率センサ１１２であって、航空機１２００の機内１２０６が使用されているかどうかを示す占有率信号１１４を生成するよう構成された占有率センサ１１２を含む。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、消毒剤コントローラ１２０と通信する濃度センサ１１６であって、航空機１２００の機内１２０６の空気１２２４中の消毒剤１０４の濃度を示す濃度信号１１８を生成するよう構成された濃度センサ１１６を含む。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０は、機内１２０６の内部容積１２３０及び機内１２０６を流過する空気１２２４の循環速度に基いて、航空機１２００の機内１２０６の空気中の消毒剤１０４の濃度を決定するよう構成される。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０は、環境システム１２１４のエアハンドリング装置１２１８と通信し、かつ機内１２０６を流過する空気１２２４を循環させる気流１２２８を生成するよう構成され、かつエアハンドリング装置１２１８を選択的に作動又は選択的に停止するよう構成される。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８が、複数の給気管１２１６のうちの少なくとも１つの給気管１２１６内の気流１２２８に直接的に消毒剤１０４を散布するために、環境システム１２１４の複数の給気管１２１６のうちの少なくとも１つであって、エアハンドリング装置１２１８と流体連通した上記少なくとも１つの中に位置している。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８が、複数の給気管１２１６の複数の給気出口１２２６から上流に配置される。

１つ以上の実施例において、環境システム１００は、複数の消毒ディスペンサ１０８を含む。消毒システム１００はまた、消毒剤伝達装置１０６及び複数の消毒剤ディスペンサ１０８と流体連通している分配マニフォールド１１０を含む。分配マニフォールド１１０は、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のそれぞれに消毒剤１０４を分配するよう構成される。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、複数の消毒剤ディスペンサ１０８のそれぞれが、複数の給気管１２１６の複数の給気出口１２２６のうちの１つに対応する。複数の消毒剤ディスペンサ１０８の少なくとも１つが、給気管１２１６の各給気管１２１６の中の気流１２２８に直接的に消毒剤１０４を散布するために、複数の給気出口１２２６のうちの対応する給気出口１２２６から上流の、複数の給気管１２１６の各給気管１２１６の中に位置している。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、エアハンドリング装置１２１８と複数の給気管１２１６との間に配置されかつエアハンドリング装置１２１８及び複数の給気管１２１６と流体連通している混合マニフォールド１２３２を含む。少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８は、混合マニフォールド１２３２内の気流１２２８に直接的に消毒剤１０４を散布するために、混合マニフォールド１２３２内に位置している。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８が、航空機１２００の機内１２０６のフロア１２２０に結合されており、機内１２０６の空気１２２４に直接的に消毒剤１０４を散布する。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０が、航空機１２００の複数の循環ファン１２２２と通信し、かつ複数の循環ファン１２２２の各循環ファン１２２２を選択的に作動又は選択的に停止するよう構成される。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、消毒剤１０４を貯蔵するよう構成されかつ消毒剤伝達装置１０６と流体連通している消毒剤供給部１０２を含む。１つ以上の実施例において、レギュレータ１５２（例えば、図４に図示）が、消毒剤供給部１０２と消毒剤伝達装置１０６との間に接続され、かつ消毒剤供給部１０２及び消毒剤伝達装置１０６と流体連通している。レギュレータ１５２は、消毒剤供給部１０２からの消毒剤１０４の流れを選択的に制御するよう構成される。１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０は、消毒剤１０４の流れを選択的に制御するためにレギュレータ１５２と通信する。１つ以上の実施例において、ポンプ、弁、制限器等といった追加の構成要素が、消毒剤１０４を移動させるために利用されうる。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、消毒剤供給部１０２が、航空機１２００の機内１２０６に位置している。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００が、消毒剤接続ポート１４８を含み、消毒剤接続ポート１４８は、航空機１２００の機内１２０６の外で航空機１２００に接続されており、かつ消毒剤伝達装置１０６と流体連通している。消毒剤供給部１０２は、航空機１２００の機内１２０６の外に位置しており、消毒剤接続ポート１４８と流体連結している。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、消毒剤１０４がガス１２８である。消毒剤伝達装置１０６は、ファン１２４を含み又はファン１２４の形態を取る。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８は、ピッコロノズル１２６を含み又はピッコロノズル１２６の形態を取る。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、消毒剤１０４は、オゾン１４０を含み又はオゾン１４０の形態を取る。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００が、機内１２０６の空気１２２４中の消毒剤１０４（例えば、オゾン１４０）を酸素に変換するよう構成された触媒コンバータ１３８を含む。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、消毒剤１０４は液体１３０である。消毒剤伝達装置１０６は、ポンプ１３２を含み又はポンプ１３２の形態を取る。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８は、噴霧ノズル１３４を含み又は噴霧ノズル１３４の形態を取る。

消毒システム１００の１つ以上の実施例において、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ１０８は、スワールノズル１３６を含み又はスワールノズル１３６の形態を取る。

実施例によりおおまかに図１～図４、及び図６～図８、特に図５を参照すると、本開示はまた、航空機１２００の機内１２０６を消毒する方法１０００に関する。１つ以上の実施例において、方法１０００は消毒システム１００を用いて実現され、及び実施される。

１つ以上の実施例において、方法１０００は、航空機１２００の機内１２０６中で空気１２２４を循環させるステップ（ブロック１００２）を含む。方法１０００はまた、機内１２０６中を循環させられる空気１２２４に消毒剤１０４を散布する（ブロック１００４）を含む。方法１０００は、所定の状態になったら、機内１２０６から消毒剤１０４を除去するステップ（ブロック１００６）をさらに含む。

１つ以上の実施例において、方法１０００によれば、機内１２０６中で空気１２２４を循環させるステップ（ブロック１００２）は、気流１２２８を生成するステップ（ブロック１００８）、及び気流１２２８を機内１２０６に方向付けるステップ（ブロック１０１０）を含み、又はこれらのステップによって実現される。

１つ以上の実施例において、方法１０００は、消毒剤１０４と空気１２２４とを混ぜ合わせて混合物１５０を形成するステップ（ブロック１０１２）を含む。

１つ以上の実施例において、方法１０００によれば、空気１２２４に消毒剤１０４を散布するステップ（ブロック１００４）は、気流１２２８に直接的に消毒剤１０４を散布するステップを含む。方法１０００によれば、消毒剤１０４を混ぜるステップ（ブロック１０１２）は、気流１２２８を機内１２０６に方向付ける前に、消毒剤１０４と気流１２２８とを混ぜ合わせるステップを含む。

１つ以上の実施例において、方法１０００によれば、空気１２２４に消毒剤１０４を散布するステップ（ブロック１００４）は、気流１２２８を機内１２０６に方向付けた後で、機内１２０６で消毒剤１０４を散布するステップを含む。方法１０００によれば、消毒剤１０４を混ぜるステップ（ブロック１０１２）は、気流１２２８を機内１２０６に方向付けた後で、消毒剤１０４と気流１２２８とを混ぜ合わせるステップを含む。

１つ以上の実施例において、方法１０００は、空気１２２４に消毒剤１０４を散布する前に機内１２０６が使用されていないと判定することといった、航空機１２００の占有率を決定するステップ（ブロック１０１４）を含む。

１つ以上の実施例において、方法１０００は、機内１２０６の空気１２２４中の消毒剤１０４の濃度を決定するステップ（ブロック１０１６）を含む。

１つ以上の実施例において、方法１０００によれば、所定の状態は、空気１２２４中の消毒剤１０４が所定の濃度に達することを含む。

１つ以上の実施例において、方法１０００によれば、所定の状態は、機内１２０６で所定の圧力に達することを含む。

１つ以上の実施例において、方法１０００によれば、所定の状態は、所定の期間に達することを含む。

１つ以上の実施例において、所定の状態になったら、機内１２０６の消毒剤１０４を除去するステップ（ブロック１００６）は、所定の状態を検出することと、所定の状態の検出に応じて、機内１２０６から消毒剤１０４を除去することを含む。

１つ以上の実施例において、方法１０００は、空気１２２４に消毒剤１０４を散布する前に、機内１２０６での空気１２２４の内部循環を終了するステップを含む。例えば、１つ以上の循環ファン１２２２を停止して、消毒剤１０４が、機内１２０６の望ましくない領域に進入するのを防止することができる。

１つ以上の実施例において、方法１０００によれば、機内１２０６から消毒剤１０４を除去するステップ（ブロック１００６）は、消毒剤１０４の散布を終了するステップ、及び、機内１２０６中で空気１２２４の循環を継続するステップを含む。消毒剤１０４が無い状態で気流１２２８を機内１２０６に方向付けることで、機内１２０６には空気１２２４が充填され、従って、消毒剤１０４の濃度が下がり、及び／又は、空気１２２４が機内１２０６を満たすにつれて、消毒剤混合物１５０が機内１２０６から押し出される。消毒剤１０４の除去は、領域内の消毒剤１０４の濃度が下がって所定の閾値を下回るまで続けられる。

従って、開示された航空機１２００、消毒システム１００、及び方法１０００の実施例によって、環境制御システム１２１４による給気を介して、消毒剤１０４（例えば、気体又は液体）を、航空機１２００の機内１２０６に直接的に噴射することが促進される。１つ以上の例において、消毒作業が自動的である。例えば、複数のセンサ１４４が、機内１２０６が空であるかどうかを検出し、かつ、接触表面１２４０を適切に消毒するのに十分な消毒剤１０４が空気１２２４中に存在しているときを検出する。消毒システム１００が、機内１２０６の少なくとも一部を、消毒剤混合物１５０（消毒剤１０４と空気１２２４との気体状の混合物）で充填する。次いで、消毒システム１００は、消毒剤混合物１５０を機内１２０６から除去する。複数のセンサ１４４はまた、消毒剤混合物１５０が機内１２０６から除去されたことを検出して、機内１２０６が再入場のために安全であるという標識を生成する。

１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０が、航空機１２００の循環ファン１２２２の全て又は幾つかを制御して、機内１２０６が適切に消毒剤１０４で満たされることを保証し、かつ、消毒剤１０４が、電子システムを収容している機内１２０６のエリアへと向けられないことを保証し、かつ、消毒剤１０４が装置ラックに進入することを防止するよう構成される。１つ以上の実施例において、消毒剤コントローラ１２０はまた、フィルタ用の他のファンを制御して、消毒剤１０４が、フィルタ上に蓄積することを防止するよう構成される。

１つ以上の実施例において、消毒システム１００は、航空機１２００のＯＥＭ（ｏｒｉｇｉｎａｌ ｅｑｕｉｐｍｅｎｔ ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｅｒ）構成要素である。１つ以上の実施例において、航空機１２００は、消毒システム１００を備えるために改造される。

ここで図１及び図９を参照すると、消毒システム１００及び方法１０００の実施例は、図９のフロー図に示す航空機の製造及び保守方法１１００、及び、図１に概略的に示す航空機１２００に関連し又はこれらに関連して利用されうる。

図９に示すように、製造前の段階では、方法１１００は、航空機１２００の仕様及び設計（ブロック１１０２）、並びに材料調達（ブロック１１０４）を含む。航空機１２００の製造段階では、航空機１２００の構成要素及びサブアセンブリの製造（ブロック１１０６）、並びにシステムインテグレーション（ブロック１１０８）が行われる。その後、航空機１２００は、認可及び納品（ブロック１１１０）を経て、運航（ブロック１１１２）に供される。定期的な整備及び保守（ブロック１１１４）が、航空機１２００の１つ以上のシステムの改変、再構成、改修等を含む。

図９に示す方法１１００の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び／又はオペレータ（例えば、顧客）によって実施又は実行されうる。本明細書の目的のために、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含みうるがそれらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含みうるがそれらに限定されず、かつ、オペレータとは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。

本書で図示又は記載される航空機１２００、消毒システム１００、及び方法１０００は、図９で示されるフロー図に示される製造及び保守方法１１００の１つ以上の任意の段階において利用されうる。一例において、開示される航空機１２００、消毒システム１００、及び方法１０００の実施形態は、構成要素及びサブアセンブリの製造（ブロック１１０６）及び／又はシステムインテグレーション（ブロック１１０８）の一部を形成しうる。例えば、開示された消毒システム１００及び方法１０００の実施形態を利用して、航空機１２００の機内１２０６及び／又は航空機１２００の構成要素を消毒することは、構成要素及びサブアセンブリの製造（ブロック１１０６）に対応することができ、航空機１２００の運航（ブロック１１１２）中に準備される構成要素又サブアセンブリと同様のやり方で利用されうる。さらに、開示される消毒システム１００及び方法１０００の実施形態が、システムインテグレーション（ブロック１１０８）、及び認可及び納品（ブロック１１１０）の間に利用されうる。同様に、開示される消毒システム１００、及び方法１０００の実施形態が、例えば、航空機１２００の運航（ブロック１１１２）中、及び整備及び保守（ブロック１１１４）の段階で利用されうるが、これらに限定されない。

航空宇宙産業の例が示されているが、本明細書で開示される実施例及び原則は、自動車産業、宇宙産業、建築産業、並びに他の設計及び製造産業にも適用されうる。これに対応して、航空機に加えて、本明細書で開示される実施例及び原則は、他の種類の乗り物（例えば、陸上車両、海洋船舶、宇宙船等）、及びスタンドアローンの構造にも適用することができる。

本明細書において、特定の機能を実行する「～よう構成された（ｃｏｎｆｉｇｕｒｅｄ ｔｏ）」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、コンポーネント又はハードウェアは、実際には、さらなる改変後にその特定の機能を実行する潜在能力を単に有するというより、いかなる変更も行わずにその特定の機能を実行することが可能である。言い換えると、特定の機能を実施する「～よう構成された」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、その特定の機能を実施するという目的のために、特に選択、創出、実装、利用、プロググラム化及び／又は設計される。本明細書では、「～よう構成された」という表現は、さらなる改変を行わずにシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアが特定の機能を実行することを可能とする、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの既存の特性を示す。本開示のために、特定の機能を実施する「よう構成される」として記載されたシステム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的に、当該機能を実施するよう「適合される（ａｄａｐｔｅｄ ｔｏ）」及び／又は「動作可能である（ｏｐｅｒａｔｉｖｅ ｔｏ）」と記載されうる。

別様に示されていない限り、「第１（ｆｉｒｓｔ）」、「第２（ｓｅｃｏｎｄ）」、「第３（ｔｈｉｒｄ）」等の用語は、本明細書では単に符号として使用されており、これらの用語が指している項目に、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことは意図されていない。さらに、例えば「第２」の項目に言及したからといって、例えば「第１」の、若しくはより小さい数が振られた項目、及び／又は、例えば「第３」の、若しくはより大きな数が振られた項目の存在を必要とすることも、排除することもない。

本明細書では、列挙された項目と共に使用される「～のうちの少なくとも１つ（ａｔ ｌｅａｓｔ ｏｎｅ ｏｆ）」という表現は、列挙された項目のうちの１つ以上の様々な組み合わせが利用されてよく、かつ列挙された項目のうち１つのみが必要とされうることを意味している。例えば、「項目Ａ、項目Ｂ、及び項目Ｃのうちの少なくとも１つ」には、「項目Ａ」、又は「項目Ａ及び項目Ｂ」が含まれうるが、これらに限定されない。本例は、項目Ａ、項目Ｂ、及び項目Ｃ、又は、項目Ｂ及び項目Ｃも含みうる。他の例において、「～のうちの少なくとも１つ」は、例えば、「２個の項目Ａ、１個の項目Ｂ、及び１０個の項目Ｃ」、「４個の項目Ｂ、及び７個の項目Ｃ」、及び、他の好適な組み合わせでありうるが、これらに限定されない。

本開示のために、「結合された（ｃｏｕｐｌｅｄ）」、「結合（ｃｏｕｐｌｉｎｇ）」という用語、及び類似した用語は、互いに（例えば、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁的に）接合、連接、締結、接着、接続、連通、又は別様に関連付けされた２つ以上の要素を指す。様々な実施例では、これらの要素は、直接的又は間接的に関連付けられうる。例えば、要素Ａが、要素Ｂに直接的に関連付けられうる。他の例として、要素Ａが、例えば他の要素Ｃを介して、要素Ｂと関連付けられうる。開示された様々な要素間の全ての関係が必ずしも表わされていないと理解されたい。これに対応して、図面に示されるもの以外の結合も存在してよい。

本明細書では、「約（ａｐｐｒｏｘｉｍａｔｅｌｙ）」という用語は、所望の機能を依然として実行し又は所望の結果を実現する規定の状態に近いが、厳密にそうではない状態を指し又は表す。一例として、「約」という用語は、規定の状態の１０％以内にある状態など、許容可能な所定の公差又は精度の範囲内にある状態を指している。
しかしながら、「約」という用語は、厳密に、規定の状態である状態を除外しない。本明細書では、「約」という用語は、基本的に、所望の機能を実行する又は所望の結果を実現する規定の状態にある状態を指している。

上述の図３及び図４では、ブロックは、機能的要素、特徴、又はその構成要素を表すことができ、様々なブロックを接続する線は、必ずしも任意の特定の構造を示唆するわけではない。これに対応して、図示された構造に対して、変更、追加、及び／又は省略が行われうる。さらに、当業者には、上述の図１～図４、及び図６～図８に記載及び図示される全ての要素が、全ての実施例に含まれる必要がなく、本明細書に記載される全ての要素が必ずしも各例示的な実施例に示されないことが分かるであろう。別途明示的に記載されない限り、上述の図１～図４、及び図６～図８に示された実施例の概略図は、例示的な実施例に関する構造的限定を示唆するものではない。むしろ、１の例示的な構造が示されていても、必要に応じてその構造を変更しうると理解されたい。

先に参照した図５及び図９において、ブロックは、動作、ステップ、及び／又はその一部を表わすことが可能であり、様々なブロックを接続する線は、動作又はその一部の任意の特定の順序又は従属関係を示唆するものではない。開示された様々な工程間の全ての従属関係が必ずしも表わされていないと理解されたい。図５及び図９、並びに本明細書で記載される本開示の方法の工程を説明する添付の開示は、工程が実施されるシーケンスを必然的に決定付けると解釈すべきではない。むしろ、１の例示的な順序が示されていても、必要に応じて、動作のシーケンスを変更しうると理解されたい。したがって、図示される工程に対して改変、追加、及び／又は省略を行うことができ、特定の工程が、異なる順序で又は同時に実施されうる。さらに、当業者は、記載される全ての工程を実行する必要はないことが分かるであろう。

さらに、本明細書全体を通した特徴、利点に対する言及、又は本明細書で使用される類似の文言は、本明細書に開示された実施例により実現されうる全ての特徴及び利点が、任意の単一の実施例において存在するべきであり又は存在するということを示唆するわけではない。むしろ、特徴や利点を言及する文言は、或る実施例と関連して記載される特定の特徴、利点、又は特性が少なくとも１つの実施例に含まれることを意味すると理解される。したがって、本開示全体を通して使用される特徴、利点についての記載及び類似の文言は、同一の実施例を指すこともあるが、必ずそうであるわけではない。

さらに、本開示は、以下の条項に係る実施形態を含む。

条項１．航空機であって、
機内と、
機内中に空気を循環させるよう構成された環境システムと、
機内を循環させられる空気中に消毒剤を散布するよう構成された少なくとも１つの消毒剤ディスペンサと
を備える、航空機。

条項２．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、給気管内の気流に直接的に消毒剤を散布するために、環境システムの給気管内に位置している、条項１に記載の航空機。

条項３．機内の１つ以上の状態を検出するよう構成された少なくとも１つのセンサと、
少なくとも１つのセンサによって検出された１つ以上の状態に基いて、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサからの消毒剤の散布を選択的に制御するよう構成された消毒剤コントローラと
をさらに備える、条項１又は２に記載の航空機。

条項４．１つ以上の状態が、機内の占有率及び空気中の消毒剤の濃度の少なくとも１つを含む、条項３に記載の航空機。

条項５．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、複数の消毒剤ディスペンサを含み、
航空機が、
複数の消毒剤ディスペンサと流体連通した消毒剤伝達装置と、
消毒剤伝達装置及び複数の消毒剤ディスペンサと流体連通した分配マニフォールドと
をさらに備え、
分配マニフォールドが、複数の消毒剤ディスペンサの各消毒剤ディスペンサに消毒剤を分配するよう構成される、条項１から４のいずれか一項に記載の航空機。

条項６．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサと流体連通した消毒剤伝達装置をさらに備え、消毒剤伝達装置が、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサに消毒剤を伝達するよう構成される、条項１から５のいずれか一項に記載の航空機。

条項７．消毒剤伝達装置と少なくとも１つの消毒剤ディスペンサとの間に位置し、消毒剤伝達装置及び少なくとも１つの消毒剤ディスペンサと流体連通した調量装置をさらに備え、
調量装置が、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサに伝達される消毒剤の量を選択的に制御するよう構成される、条項６に記載の航空機。

条項８．消毒剤伝達装置と通信する消毒剤コントローラであって、消毒剤伝達装置から少なくとも１つの消毒剤ディスペンサへの消毒剤の伝達を選択的に開始又は選択的に終了するよう構成された消毒剤コントローラをさらに備える、条項６又は７に記載の航空機。

条項９．消毒剤コントローラと通信する占有率センサであって、機内が使用されているかどうかを示す占有率信号を生成するよう構成された占有率センサをさらに備える、条項８に記載の航空機。

条項１０．消毒剤コントローラと通信する濃度センサであって、機内の空気中の消毒剤の濃度を示す濃度信号を生成するよう構成された濃度センサをさらに備える、条項８又は９に記載の航空機。

条項１１．消毒剤コントローラが、機内の内部容積及び機内を流過する空気の循環速度に基いて、空気中の消毒剤の濃度を決定するよう構成される、条項８から１０のいずれか一項に記載の航空機。

条項１２．環境システムが、機内中に空気を循環させる気流を生成するよう構成されたエアハンドリング装置を備え、
消毒剤コントローラが、エアハンドリング装置と通信し、エアハンドリング装置を選択的に作動又は選択的に停止するよう構成される、請求項８から１１のいずれか一項に記載の航空機。

条項１３．エアハンドリング装置が、可変速ファンを備え、
消毒剤コントローラが、所定の状態に応じて、可変速ファンの速度を上げて、機内から消毒剤を除去するよう構成される、条項１２に記載の航空機。

条項１４．環境システムが、エアハンドリング装置と流体連通しており気流を機内に方向付けるよう構成された給気管をさらに備え、
少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、給気管内の気流に直接的に消毒剤を散布するために、給気管の少なくとも１つの中に位置している、条項１２又は１３に記載の航空機。

条項１５．給気管が、機内に位置する複数の給気出口を含み、
前記少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、複数の給気出口から上流に位置する、条項１４に記載の航空機。

条項１６．給気管が内径を有し、
少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、複数の給気出口のいずれの給気出口からも、少なくとも内径の５倍の距離だけ上流に位置する、条項１５に記載の航空機。

条項１７．複数の消毒剤ディスペンサと、
消毒剤伝達装置及び複数の消毒剤ディスペンサと流体連通した分配マニフォールドと
をさらに備え、
分配マニフォールドが、複数の消毒剤ディスペンサの各消毒剤ディスペンサに消毒剤を分配させるよう構成される、条項１４から１６のいずれか一項に記載の航空機。

条項１８．給気管が、機内に位置する複数の給気出口を含み、
複数の消毒剤ディスペンサのうちの少なくとも１つが、複数の給気出口のうちの１つに対応し、
複数の消毒剤ディスペンサの各消毒剤ディスペンサが、給気管の各給気管内の気流に直接的に消毒剤を散布するために、複数の給気出口のうちの対応する給気出口から上流の、給気管の各給気管の中に位置している、条項１７に記載の航空機。

条項１９．エアハンドリング装置と給気管との間に位置しており、エアハンドリング装置及び給気管に流体連通している混合マニフォールドをさらに備え、
少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、混合マニフォールド内の気流に直接的に消毒剤を散布するために、混合マニフォールド内に位置している、条項１４から１８のいずれか一項に記載の航空機。

条項２０．機内が、フロアを含み、
少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、機内の空気に直接的に消毒剤を散布するために、フロアに結合されている、条項１２又は１３に記載の航空機。

条項２１．機内に位置する複数の循環ファンをさらに含み、
消毒剤コントローラが、複数の循環ファンと通信し、かつ複数の循環ファンの各循環ファンを選択的に作動又は選択的に停止するよう構成される、条項８から２０のいずれか一項に記載の航空機。

条項２２．消毒剤を貯蔵するよう構成され、かつ消毒剤伝達装置と流体連通している消毒剤供給部をさらに備える、条項６から２１のいずれか一項に記載の航空機。

条項２３．消毒剤供給部が機内に位置する、条項２２に記載の航空機。

条項２４．機内の外に位置しており、かつ消毒剤伝達装置に流体連通した消毒剤接続ポートをさらに備え、
消毒剤供給部が、機内の外に位置しており、かつ消毒剤接続ポートと流体連結するよう構成される、条項２２に記載の航空機。

条項２５．消毒剤がガスであり、消毒剤伝達装置がファンを含む、条項６から２４のいずれか一項に記載の航空機。

条項２６．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサがピッコロノズルを含む、条項２５に記載の航空機。

条項２７．消毒剤がオゾンを含む、条項２５又は２６に記載の航空機。

条項２８．機内の空気中の消毒剤を酸素に変換するよう構成された触媒コンバータをさらに備える、条項２７に記載の航空機。

条項２９．消毒剤が液体であり、消毒剤伝達装置がポンプを含む、条項６から２４のいずれか一項に記載の航空機。

条項３０．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが噴霧ノズルを含む、条項２９に記載の航空機。

条項３１．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサがスワールノズルを含む、条項２９又は３０に記載の航空機。

条項３２．航空機の消毒システムであって、
機内と、
環境システムとを含み、
消毒システムが、
消毒剤を貯蔵するよう構成された消毒剤供給部と、
消毒剤供給部と流体連通しており、環境システムによって機内を循環させられる空気中に消毒剤を散布するよう構成された少なくとも１つの消毒剤ディスペンサと
を備える、航空機の消毒システム。

条項３３．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、給気管内の気流に直接的に消毒剤を散布するために、環境システムの給気管内に位置している、条項３２に記載の消毒システム。

条項３４．機内の１つ以上の状態を検出するよう構成された少なくとも１つのセンサと、
少なくとも１つのセンサによって検出された１つ以上の状態に基いて、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサからの消毒剤の散布を選択的に制御するよう構成された消毒剤コントローラと
をさらに備える、条項３２又は３３に記載の消毒システム。

条項３５．１つ以上の状態が、機内の占有率及び空気中の消毒剤の濃度の少なくとも１つを含む、条項３４に記載の消毒システム。

条項３６．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、複数の消毒剤ディスペンサを含み、
消毒システムが、
複数の消毒剤ディスペンサと流体連通した消毒剤伝達装置と、
消毒剤伝達装置及び複数の消毒剤ディスペンサと流体連通した分配マニフォールドと
をさらに備え、
分配マニフォールドが、複数の消毒剤ディスペンサの各消毒剤ディスペンサに消毒剤を分配させるよう構成される、条項３２から３５のいずれか一項に記載の消毒システム。

条項３７．消毒剤供給部、及び少なくとも１つの消毒剤ディスペンサと流体連通した消毒剤伝達装置をさらに備え、消毒剤伝達装置が、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサに消毒剤を伝達するよう構成される、条項３２から３６のいずれか一項に記載の消毒システム。

条項３８．消毒剤伝達装置と少なくとも１つの消毒剤ディスペンサとの間に位置し、消毒剤伝達装置及び少なくとも１つの消毒剤ディスペンサと流体連通した調量装置をさらに備え、
調量装置が、少なくとも１つの消毒剤ディスペンサに伝達される消毒剤の量を選択的に制御するよう構成される、条項３７に記載の消毒システム。

条項３９．消毒剤伝達装置と通信する消毒剤コントローラであって、消毒剤伝達装置から少なくとも１つの消毒剤ディスペンサへの消毒剤の伝達を選択的に開始又は選択的に終了するよう構成された消毒剤コントローラをさらに備える、条項３７又は３８に記載の消毒システム。

条項４０．消毒剤コントローラと通信する占有率センサであって、航空機の機内が使用されているかどうかを示す占有率信号を生成するよう構成された占有率センサをさらに備える、条項３９に記載の消毒システム。

条項４１．消毒剤コントローラと通信する濃度センサであって、機内の空気中の消毒剤の濃度を示す濃度信号を生成するよう構成された濃度センサをさらに備える、条項３９又は４０に記載の消毒システム。

条項４２．消毒剤コントローラが、機内の内部容積及び機内を流過する空気の循環速度に基いて、航空機の機内の空気中の消毒剤の濃度を決定するよう構成される、条項３９から４１のいずれか一項に記載の消毒システム。

条項４３．消毒剤コントローラが、環境システムのエアハンドリング装置と通信し、機内中の空気を循環させる気流を生成するよう構成され、かつエアハンドリング装置を選択的に作動又は選択的に停止するよう構成される、条項３９から４２のいずれか一項に記載の消毒システム。

条項４４．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、複数の給気管の少なくとも１つの中の気流に直接的に消毒剤を散布するために、環境システムの複数の給気管のうちの少なくとも１つの中に位置し、かつエアハンドリング装置と流体連通している、条項４３に記載の消毒システム。

条項４５．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、複数の給気管の複数の給気出口から上流に位置している、条項４４に記載の消毒システム。

条項４６．
複数の消毒剤ディスペンサと、
消毒剤伝達装置及び複数の消毒剤ディスペンサと流体連通した分配マニフォールドと
をさらに備え、
分配マニフォールドが、複数の消毒剤ディスペンサの各消毒剤ディスペンサに消毒剤を分配させるよう構成される、条項４４又は４５に記載の消毒システム。

条項４７．複数の消毒剤ディスペンサの各消毒剤ディスペンサが、複数の給気管の複数の給気出口のうちの１つに対応し、
複数の消毒剤ディスペンサのうちの少なくとも１つが、複数の給気管の各給気管内の気流に直接的に消毒剤を散布するために、複数の給気出口のうちの対応する給気出口から上流の、給気管の各給気管の中に位置している、条項４６に記載の消毒システム。

条項４８．エアハンドリング装置と複数の給気管との間に位置しており、エアハンドリング装置及び複数の給気管に流体連通している混合マニフォールドをさらに備え、
少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、混合マニフォールド内の気流に直接的に消毒剤を散布するために、混合マニフォールド内に位置している、条項４４から４７のいずれか一項に記載の消毒システム。

条項４９．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが、機内の空気に直接的に消毒剤を散布するために、航空機の機内のフロアに結合されている、条項４３に記載の消毒システム。

条項５０．消毒剤コントローラが、航空機の複数の循環ファンと通信し、かつ複数の循環ファンの各循環ファンを選択的に作動又は選択的に停止するよう構成される、条項３９から４９のいずれか一項に記載の消毒システム。

条項５１．消毒剤を貯蔵するよう構成され、かつ消毒剤伝達装置と流体連通している消毒剤供給部をさらに備える、条項３７から５０のいずれか一項に記載の消毒システム。

条項５２．消毒剤供給部が、航空機の機内に位置する、条項５１に記載の消毒システム。

条項５３．航空機の機内の外で航空機に接続され、かつ消毒剤伝達装置に流体連通している消毒剤接続ポートをさらに備え、
消毒剤供給部が、航空機の機内の外に位置しており、消毒剤接続ポートと流体連通するよう構成される、条項５１に記載の消毒システム。

条項５４．消毒剤がガスであり、消毒剤伝達装置がファンを含む、条項３７から５３のいずれか一項に記載の消毒システム。

条項５５．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサがピッコロノズルを含む、条項５４に記載の消毒システム。

条項５６．消毒剤がオゾンを含む、条項５４又は５５に記載の消毒システム。

条項５７．機内の空気中の消毒剤を酸素に変換するよう構成された触媒コンバータをさらに備える、条項５６に記載の消毒システム。

条項５８．消毒剤が液体であり、消毒剤伝達装置がポンプを含む、条項３７から条項５３に記載の消毒システム。

条項５９．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサが噴霧ノズルを含む、条項５８に記載の消毒システム。

条項６０．少なくとも１つの消毒剤ディスペンサがスワールノズルを含む、条項５８又は５９に記載の消毒システム。

条項６１．航空機の機内を消毒する方法であって、
航空機の機内中に空気を循環させることと、
機内を循環させられる空気中に消毒剤を散布することと、
所定の状態になったら、機内から消毒剤を除去すること
を含む、方法。

条項６２．機内中に空気を循環させることは、
気流を生成することと、
気流を機内に方向付けること
を含む、条項６１に記載の方法。

条項６３．空気中に消毒剤を散布することは、気流に直接的に消毒剤を散布することを含む、条項６２に記載の方法。

条項６４．気流を機内に方向付ける前に、消毒剤と気流とを混合することをさらに含む、条項６３に記載の方法。

条項６５．空気中に消毒剤を散布することは、気流を機内に方向付けた後に、機内で消毒剤を散布することを含む、条項６２に記載の方法。

条項６６．空気中に消毒剤が散布される前に、機内が使用されていないと判定することをさらに含む、条項６１から６５のいずれか一項に記載の方法。

条項６７．所定の状態が、空気中の消毒剤が所定の濃度に達することを含む、条項６１から６６のいずれか一項に記載の方法。

条項６８．所定の状態が、機内で所定の圧力に達することを含む、条項６１から６６のいずれか一項に記載の方法。

条項６９．所定の状態が、所定の期間に達することを含む、条項６１から６６のいずれか一項に記載の方法。

条項７０．空気中に消毒剤を散布する前に、機内の空気の内部循環を終了することをさらに含む、条項６１から６９のいずれか一項に記載の方法。

条項７１．機内から消毒剤を除去することは、
消毒剤の散布を終了することと、
機内中で空気を循環し続けること
を含む、条項６１から７０のいずれか一項に記載の方法。

１の実施例の記載された特徴、利点、及び特性は、他の１つ以上の実施例において任意の適切なやり方で組み合わせられうる。当業者であれば、本明細書に記載した実施例が、特定の実施例の具体的な特徴又は利点のうちの１つ以上がなくとも実施しうることが分かるであろう。他の場合では、さらなる特徴及び利点が、特定の実施例において認識されうるが、全ての実施例には存在しないこともある。さらに、航空機１２００、消毒システム１００、及び方法１０００の様々な実施例を示し記載してきたが、当業者であれは、本明細書を読むことで変形例に想達するであろう。本出願は、このような変形例を含み、特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (15)

1. 航空機（１２００）であって、
   機内（１２０６）と、
   前記機内（１２０６）中に空気（１２２４）を循環させるよう構成された環境システム（１２１４）と、
   前記機内（１２０６）を循環させられる前記空気（１２２４）中に消毒剤（１０４）を散布するよう構成された少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ（１０８）と
   を備える、航空機（１２００）。
2. 前記少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ（１０８）が、前記給気管（１２１６）内の気流（１２２８）に直接的に前記消毒剤（１０４）を散布するために、前記環境システム（１２１４）の給気管（１２１６）内に位置している、請求項１に記載の航空機（１２００）。
3. 前記機内（１２０６）の１つ以上の状態を検出するよう構成された少なくとも１つのセンサ（１４４）と、
   前記少なくとも１つのセンサ（１４４）によって検出された前記１つ以上の状態に基いて、前記少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ（１０８）からの前記消毒剤（１０４）の散布を選択的に制御するよう構成された消毒剤コントローラ（１２０）と
   をさらに備える、請求項１又は２に記載の航空機（１２００）。
4. 前記１つ以上の状態が、前記機内（１２０６）の占有率及び前記空気（１２２４）中の前記消毒剤（１０４）の濃度の少なくとも１つを含む、請求項３に記載の航空機（１２００）。
5. 前記少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ（１０８）と流体連通した消毒剤伝達装置（１０６）をさらに備え、前記消毒剤伝達装置（１０６）が、前記少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ（１０８）に前記消毒剤（１０４）を伝達するよう構成される、請求項１から４のいずれか一項に記載の航空機（１２００）。
6. 前記消毒剤伝達装置（１０６）と前記少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ（１０８）との間に位置し、前記消毒剤伝達装置（１０６）及び前記少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ（１０８）と流体連通した調量装置（１４２）をさらに備え、前記調量装置（１４２）が、前記少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ（１０８）に伝達される前記消毒剤（１０４）の量を選択的に制御するよう構成される、請求項５に記載の航空機（１２００）。
7. 前記消毒剤伝達装置（１０６）と通信する消毒剤コントローラ（１２０）であって、前記消毒剤伝達装置（１０６）から前記少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ（１０８）への前記消毒剤（１０４）の伝達を選択的に開始又は選択的に終了するよう構成された消毒剤コントローラ（１２０）をさらに備える、請求項５又は６に記載の航空機（１２００）。
8. 前記環境システム（１２１４）が、前記機内（１２０６）中に前記空気（１２２４）を循環させる気流（１２２８）を生成するよう構成されたエアハンドリング装置（１２１８）を備え、
   前記消毒剤コントローラ（１２０）が、前記エアハンドリング装置（１２１８）と通信し、前記エアハンドリング装置（１２１８）を選択的に作動又は選択的に停止するよう構成される、請求項７に記載の航空機（１２００）。
9. 前記環境システム（１２１４）が、前記エアハンドリング装置（１２１８）と流体連通しており前記気流（１２２８）を前記機内（１２０６）に方向付けるよう構成された給気管（１２１６）をさらに備え、
   前記少なくとも１つの消毒剤ディスペンサ（１０８）が、、前記給気管（１２１６）内の前記気流（１２２８）に直接的に前記消毒剤（１０４）を散布するために、前記給気管（１２１６）の少なくとも１つの中に位置している、請求項８に記載の航空機（１２００）。
10. 複数の消毒剤ディスペンサ（１０８）と、
    前記消毒剤伝達装置（１０６）及び前記複数の消毒剤ディスペンサ（１０８）と流体連通した分配マニフォールド（１１０）と
    をさらに備え、
    前記分配マニフォールド（１１０）が、前記複数の消毒剤ディスペンサ（１０８）の各消毒剤ディスペンサ（１０８）に前記消毒剤（１０４）を散布するよう構成される、請求項９に記載の航空機（１２００）。
11. 前記消毒剤（１０４）がガス（１２８）であり、前記消毒剤伝達装置（１０６）がファン（１２４）を含む、請求項５から１０のいずれか一項に記載の航空機（１２００）。
12. 前記消毒剤（１０４）が液体（１３０）であり、前記消毒剤伝達装置（１０６）がポンプ（１３２）を含む、請求項５から１０のいずれか一項に記載の航空機（１２００）。
13. 航空機（１２００）の機内（１２０６）を消毒する方法（１０００）であって、
    前記航空機（１２００）の前記機内（１２０６）中に空気（１２２４）を循環させることと、
    前記機内（１２０６）を循環させられる前記空気（１２２４）中に消毒剤（１０４）を散布することと、
    所定の状態になったら、前記機内（１２０６）から前記消毒剤（１０４）を除去すること
    を含む、方法（１０００）。
14. 前記機内（１２０６）中に前記空気（１２２４）を循環させることは、
    気流（１２２８）を生成することと、
    前記気流（１２２８）を前記機内（１２０６）に方向付けること
    を含む、請求項１３に記載の方法（１０００）。
15. 前記空気（１２２４）中に前記消毒剤（１０４）を散布することは、前記気流（１２２８）に直接的に前記消毒剤（１０４）を散布することを含む、請求項１４に記載の方法（１０００）。

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