以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
有機ELデバイスに用いることが可能なキャリア輸送性を有する有機化合物の中でも、屈折率が小さい材料の一つとして1,1-ビス-(4-ビス(4-メチル-フェニル)-アミノ-フェニル)-シクロヘキサン(略称:TAPC)が知られている。屈折率の小さな材料をEL層に用いることで、高い外部量子効率を示す発光デバイスを得ることが可能であるため、TAPCを用いることで良好な外部量子効率を有する発光デバイスが得られることが期待される。
通常、高いキャリア輸送性と低い屈折率とはトレードオフの関係にある。それは、有機化合物におけるキャリア輸送性は不飽和結合の存在に由来するところが大きく、不飽和結合を多く有する有機化合物は、屈折率が高い傾向があるからである。TAPCは、正孔輸送性と低い屈折率とが絶妙なバランスの上に成り立っている物質であるが、一方で、TAPCのようにシクロヘキサンの1,1-ジ置換構造を有する化合物では、シクロヘキサンの一炭素上に、嵩高い置換基が二基挿入されていることから、立体反発が大きくなり、分子自体の不安定を誘起するため、信頼性的に不利であるという問題があった。また、TAPCはその骨格の構成がシクロヘキサンと、単純なベンゼン環からなることに起因して、ガラス転移点(Tg)が低く、耐熱性にも問題を有していた。
耐熱性が高く、信頼性の良好な正孔輸送材料を得るための一つの方法として、不飽和炭化水素基、特に環式不飽和炭化水素基を分子内に導入することが考えられる。一方、屈折率が低い材料を得るためには、分子内に分子屈折が低い置換基を導入することが好ましい。当該置換基としては飽和炭化水素基や環式飽和炭化水素基等を挙げることができる。
また、有機ELデバイスのキャリア輸送材料として用いる材料は、キャリア輸送性が高い骨格を有することが好ましく、中でも芳香族アミン骨格は正孔輸送性が高く好ましい骨格である。正孔輸送性をさらに向上させるために、アミン骨格を二基導入する手段も考えられる。しかし、上述のTAPCのように、その周辺に配置された置換基の環境によっては、ジアミン構造は信頼性に対して不利に働くこともある。
トレードオフを乗り越え、キャリア輸送性と、低い屈折率、そして高い信頼性を兼ね備える化合物として、本発明者らは、飽和炭化水素基を構成するsp3混成軌道で結合を作っている炭素の割合が一定の範囲内のアリールアミン化合物を見出した。特に、当該アリールアミン化合物は、通常の屈折率を有する従来の正孔輸送層用材料と同等の良好な信頼性を有する材料である。また、当該アリールアミン化合物のsp3混成軌道で結合を作っている炭素を有する置換基(すなわちアルキル基やシクロアルキル基)の置換基数や置換位置に工夫をすることでより良好な特性を有する材料とすることができる。
すなわち、本発明の一態様の有機化合物は、少なくとも1の芳香族基を有するアリールアミン化合物であって、前記芳香族基は、第1のベンゼン環、第2のベンゼン環および第3のベンゼン環がこの順に直接結合し、且つ少なくとも3つのアルキル基を有している。当該芳香族基が少なくとも3つのアルキル基を有することによって、屈折率の小さい正孔輸送層用材料とすることが可能となる。なお、当該アルキル基は、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基が好ましい。なお、屈折率を下げる観点で炭素数2以上の鎖式アルキル基が好ましく、キャリア輸送性を確保する観点で炭素数5以下の鎖式アルキル基が好ましい。また、屈折率低減効果が顕著なのは、炭素数3以上の分岐を有する鎖式アルキル基であることから、特に炭素数2乃至炭素数5の鎖式アルキル基が好ましく、さらに炭素数3乃至炭素数5の分岐を有する鎖式アルキル基であることが好ましい。なお、tert-ブチル基であることがより好ましい。
なお、第1のベンゼン環はさらに置換または無置換のフェニル基を有していても良く、第2のベンゼン環または第3のベンゼン環は、さらにアルキル基で置換されたフェニル基を有していてもよい。
ここで、上記芳香族基は第1のベンゼン環がアミンの窒素に結合しており、当該第1のベンゼン環、第2のベンゼン環および第3のベンゼン環のうち、2つ以上のベンゼン環は、各々が有する1位および3位の炭素が水素以外の置換基と結合している。これら1位および3位は、アルキル基、ベンゼン環、またはアミンの窒素と結合していることが好ましい。すなわち、第1のベンゼン環、第2のベンゼン環および第3のベンゼン環のうち、2つ以上のベンゼン環は、1位および3位において各々独立に他のベンゼン環(例えば前記第1のベンゼン環乃至第3のベンゼン環のいずれか、あるいは上述したアルキル基で置換されたフェニル基のベンゼン環)、アルキル基(例えば上述した少なくとも3つのアルキル基のいずれか)、または前記アミンの窒素と結合していることが好ましい。なお、本発明の一態様におけるアリールアミン化合物としては、発光デバイスにおける電気的安定性の観点から、トリアリールアミン化合物が好ましい。また、当該トリアリールアミン化合物は、屈折率の低さや昇華性の観点から、モノアミン化合物(すなわち3つのアリール基が結合するアミンの窒素は化合物内に一つのみ)であることが好ましい。
また、第1のベンゼン環において、アミンの窒素に結合する炭素に対してメタ位に位置する炭素の一つが置換基を有する場合、当該置換基としては第2のベンゼン環であることが好ましく、二つのメタ位の炭素が置換基を有する場合、一つが第2のベンゼン環であり、もう一つがアルキル基またはアルキル基を有するベンゼン環であることが好ましい。また、第2のベンゼン環において、第1のベンゼン環と結合する炭素に対してメタ位に位置する炭素の一つが置換基を有する場合、当該置換基としては第3のベンゼン環であることが好ましく、二つのメタ位の炭素が置換基を有する場合、一つが第3のベンゼン環であり、もう一つがアルキル基またはアルキル基で置換されたフェニル基であることが好ましい。第3のベンゼン環においては、第2のベンゼン環と結合する炭素に対してメタ位に位置する炭素が置換基を有する場合、当該置換基としてはアルキル基またはアルキル基で置換されたフェニル基が好ましい。
なお、第2のベンゼン環および第3のベンゼン環の置換基として用いることが可能なアルキル基で置換されたフェニル基は、そのメタ位の炭素の少なくとも一方にアルキル基が置換していることが好ましく、メタ位の二つの炭素にアルキル基を有することがさらに好ましい。また、このアルキル基で置換されたフェニル基は、2つ以上結合しても屈折率の低下への寄与は低い一方で、分子量の増大による昇華性の低下を招くことから、第2のベンゼン環および第3のベンゼン環のいずれか一方にのみ結合していることが好ましい。
なお、上記芳香族基が有するアルキル基の数としては、第2のベンゼン環や第3のベンゼン環がアルキル基で置換されたフェニル基を有する場合、当該フェニル基に結合しているアルキル基の数も含めるものとする。
また、第1のベンゼン環乃至第3のベンゼン環のうち、少なくとも二つのベンゼン環が、1位および3位においてベンゼン環、アルキル基、またはアミンの窒素と結合していれば、残りのベンゼン環はどの位置の炭素に置換基を有していても良い。
このように、第1のベンゼン環、第2のベンゼン環および第3のベンゼン環のうち、2つ以上のベンゼン環が、1位および3位において他のベンゼン環、アルキル基で置換されたフェニル基のベンゼン環、アルキル基、またはアミンの窒素と結合することによって、より屈折率が低くなり好ましい。
また、第1のベンゼン環乃至第3のベンゼン環およびアルキル基で置換されたフェニル基におけるベンゼン環のうちの全てのベンゼン環は、1位および3位において他のベンゼン環、アルキル基(例えば上述した少なくとも3つのアルキル基のいずれか)、またはアミンの窒素と結合していることが屈折率を低くするために好ましい。また、第1のベンゼン環乃至第3のベンゼン環およびアルキル基で置換されたフェニル基におけるベンゼン環のうちの全てのベンゼン環は、1位、3位、および5位の炭素において他のベンゼン環、アルキル基(例えば上述した少なくとも3つのアルキル基のいずれか)、またはアミンの窒素と結合し、他の炭素は無置換であることが共役を短くできるため好ましい。ベンゼン環の共役が伸長することによって、可視領域の光の吸収などの発光デバイスに対する弊害が生じることもある。
なお、第2のベンゼン環や第3のベンゼン環がアルキル基で置換されたフェニル基を有する場合、当該フェニル基の2つのメタ位にアルキル基を有することが好ましく、さらに、2つのメタ位にアルキル基を有し、且つオルト位、パラ位は無置換であることが好ましい。
また、第1のベンゼン環はさらに置換または無置換のフェニル基、好ましくは無置換のフェニル基を有することがアミン窒素の遮蔽を抑制するため好ましい。その際、当該置換または無置換のフェニル基は第1のベンゼン環のオルト位に結合していることがキャリア輸送性向上のため好ましい。当該置換または無置換のフェニル基が置換基を有する場合、当該置換基はアルキル基であるものとする。
また、上記アリールアミン化合物は、第2の芳香族基を有していることが正孔輸送性向上のため好ましい。第2の芳香族基としては、置換もしくは無置換の単環または置換もしくは無置換の3環以下の縮合環骨格であることが正孔輸送性向上のため好ましい。縮合環骨格の環数が増加すると、屈折率は増加傾向があるため、これにより屈折率を低く維持する事ができる。また、同様に縮合環骨格の環数が増加すると、可視領域の光の吸収や発光が観測されるようになるため、吸収や発光の影響が小さい材料とすることができる。なお、当該第2の芳香族基は、屈折率を低く維持するため、縮合環骨格を形成する炭素の数が6乃至13であることが好ましい。第2の芳香族基として用いることが可能な芳香族基としては、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アセナフチレン環などを挙げることができる。特に正孔輸送性が良好となることから、第2の芳香族基は、フルオレン環が含まれることが好ましく、フルオレン環であることがより好ましい。なお、第2の芳香族基は、ジメチルフルオレニル基であることが材料の耐久性が向上するためさらに好ましい。特に、当該ジメチルフルオレニル基が他に置換基を有さないことが、正孔輸送性が保たれることから好ましい構成である。なお、第2の芳香族基は上記アリールアミン化合物のアミンの窒素に直接結合していることが分子のHOMO準位を浅くすることに寄与し、これによって正孔(ホール)の受け渡しが容易になるため好ましい。
なお、上述のアルキル基としては、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基が好ましい。なお、屈折率を下げる観点で炭素数2以上の鎖式アルキル基が好ましく、キャリア輸送性を確保する観点で炭素数5以下の鎖式アルキル基が好ましい。また、屈折率低減効果が顕著なのは、炭素数3以上の分岐を有する鎖式アルキル基である。すなわち、上記炭素数1乃至炭素数6のアルキル基は、炭素数2乃至炭素数5の鎖式アルキル基が好ましく、炭素数3乃至炭素数5の分岐を有する鎖式アルキル基がさらに好ましい。炭素数1乃至炭素数6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基およびヘキシル基が好ましく、特に好ましくはtert-ブチル基である。
また、上記アリールアミン化合物は、第3の芳香族基を有していることが好ましい。第3の芳香族基としては、置換または無置換のベンゼン環を1乃至3有する基であることが好ましい。第3の芳香族基が2または3のベンゼン環を有している場合、当該2個または3個のベンゼン環は、互いに結合した置換基となっていることが好ましい。すなわち、第3の芳香族基は、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチルフェニル基であることが好ましい。なお、第3の芳香族基としては、オルト位で結合したビフェニル基であることが正孔輸送性が良好となるため好ましい。また、当該1乃至3のベンゼン環の1または複数が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、炭素数5乃至炭素数12のシクロアルキル基などを用いることができる。なお、屈折率を下げる観点で炭素数1乃至炭素数6のアルキル基は、炭素数2以上の鎖式アルキル基が好ましく、キャリア輸送性を確保する観点で炭素数5以下の鎖式アルキル基が好ましい。また、屈折率低減効果が顕著なのは、炭素数3以上の分岐を有する鎖式アルキル基である。すなわち、上記炭素数1乃至炭素数6のアルキル基は、炭素数2乃至炭素数5の鎖式アルキル基が好ましく、炭素数3乃至炭素数5の分岐を有する鎖式アルキル基がさらに好ましい。炭素数1乃至炭素数6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基が好ましく、特に好ましくはtert-ブチル基である。なお、炭素数5乃至炭素数12のシクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、デカヒドロナフチル基、シクロウンデシル基、及びシクロドデシル基などを用いることができるが、炭素数6以上のシクロアルキル基が低屈折率化のために好ましく、特にシクロヘキシル基およびシクロドデシル基が好ましい。
なお、本発明の一態様のアリールアミン化合物は、モノアミン化合物であることが好ましい。また、本発明の一態様のアリールアミン化合物は、正孔輸送性の観点からトリアリールアミン化合物であることが好ましい。
以上のような構成を有する本発明の一態様のアリールアミン化合物は、波長455nm以上465nm以下の全域の光における常光屈折率が、1.5以上1.75以下、波長633nmの光における常光屈折率が1.45以上1.70以下の非常に屈折率の低い化合物とすることが可能である。なお、材料に異方性が生じている場合、常光に対する屈折率と異常光に対する屈折率が異なることがある。測定する薄膜がその様な状態である場合、異方性解析を実施することで、常光屈折率と異常光屈折率に分離して各々の屈折率を算出することができる。なお、本明細書においては、測定した材料に常光屈折率と異常光屈折率の双方が存在した場合、常光屈折率を指標として用いている。
また、以上のような構成を有する本発明の一態様のアリールアミン化合物は、ガラス転移点が100℃以上の高い耐熱性を実現することができる。また本発明のより好ましい一態様においては、ガラス転移点を110℃以上、より好ましくは120℃以上とすることができる。
また、蒸着法により成膜することで以上のような低い屈折率と高耐熱性を実現しやすいことから、その分子量は400以上1100以下であることが好ましい。
以上のような構成を有するアリールアミン化合物は、正孔輸送性を有し屈折率が小さい有機化合物であることから、有機ELデバイスの正孔輸送層用材料または正孔注入層用材料として好適に用いることができる。また、当該正孔輸送層用材料または正孔注入層用材料を用いた有機ELデバイスは、屈折率の小さい正孔輸送層や正孔注入層を有していることから、発光効率、すなわち外部量子効率、電流効率およびブルーインデックスの高い発光デバイスとすることができる。また、該正孔輸送層用材料または正孔注入層用材料を用いた有機ELデバイスは、当該正孔輸送層用材料または正孔注入層用材料がアリールアミン化合物であることが好ましく、飽和炭化水素基に結合する芳香族基の数を制限し、これにより立体的な反発を小さくすることで分子の安定性を向上させることが可能となることから寿命の良好な発光デバイスとすることができる。
なお、上記アリールアミン化合物の中でも、下記一般式(G1)で表される有機化合物が特に好ましい。
ただし、上記一般式(G1)において、Ar1は置換または無置換のベンゼン環、または2個もしくは3個の置換または無置換のベンゼン環が互いに結合した置換基を表す。Ar1としては、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチルフェニル基などを挙げることができ、屈折率を低くし、窒素原子の正孔輸送性を保つためフェニル基が特に好ましい。
また、R11乃至R15は一つが上記一般式(g1)で表される置換基であり、残りが各々独立に、水素、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、および置換または無置換のフェニル基のいずれか一を表す。なお、当該置換または無置換のフェニル基は無置換のフェニル基であることが好ましく、置換基を有する場合は炭素数1乃至炭素数6を有すものとする。
また、上記一般式(g1)において、R21乃至R25は一つが上記一般式(g2)で表される置換基であり、残りが各々独立に、水素、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基で置換されたフェニル基のいずれか一を表す。
また、上記一般式(g2)において、R31乃至R35は各々独立に、水素、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基で置換されたフェニル基のいずれか一を表す。
ここで、R11乃至R15、R21乃至R25およびR31乃至R35のうち、少なくとも3以上が炭素数1乃至炭素数6のアルキル基である。これにより、上記一般式(G1)で表されるアリールアミン化合物を低い屈折率を有するアリールアミン化合物とすることができる。
さらに、R11乃至R15における置換または無置換のフェニル基の数は1以下である。
また、R21乃至R25およびR31乃至R35における炭素数1乃至炭素数6のアルキル基で置換されたフェニル基は1以下、すなわち、R21乃至R25およびR31乃至R35の中で、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基で置換されたフェニル基は1または0であるものとする。
なお、R12およびR14、R22およびR24、並びにR32およびR34の3つの組み合わせのうち少なくとも2つの組み合わせにおいて、少なくとも一方のRが水素以外の前記置換基であるものとする。すなわち、R12およびR14を有するベンゼン環、R22およびR24を有するベンゼン環、並びにR32およびR34を有するベンゼン環のうち、2つ以上のベンゼン環において、各々が有するメタ位の炭素の少なくとも一つが水素ではない、すなわち置換基を有する。また、この際、R12、R14、R22、R24の少なくとも一が水素以外の前記置換基である、且つR32およびR34の少なくとも1が水素以外の前記置換基であることが好ましい。
また、R6、R7およびR8は各々独立に炭素数1乃至炭素数4のアルキル基を表し、mは0乃至4の整数を表す。なお、mが2以上である場合、複数のR8は各々同じであっても異なっていても良い。
上記炭素数1乃至炭素数4のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基などを挙げることができ、特に好ましくはtert-ブチル基である。
また、上記置換または無置換のベンゼン環、または置換または無置換のフェニル基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、炭素数5乃至炭素数12のシクロアルキル基を用いることができる。
上記炭素数1乃至炭素数6のアルキル基としては、屈折率を下げる観点で炭素数2以上の鎖式アルキル基が好ましく、キャリア輸送性を確保する観点で炭素数5以下の鎖式アルキル基が好ましい。また、屈折率低減効果が顕著なのは、炭素数3以上の分岐を有する鎖式アルキル基である。すなわち、上記炭素数1乃至炭素数6のアルキル基は、炭素数2乃至炭素数5の鎖式アルキル基が好ましく、炭素数3乃至炭素数5の分岐を有する鎖式アルキル基がさらに好ましい。炭素数1乃至炭素数6のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などを挙げることができ、特に好ましくはtert-ブチル基である。
また、上記炭素数5乃至炭素数12のシクロアルキル基としては、具体的にはシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、デカヒドロナフチル基、シクロウンデシル基、及びシクロドデシル基などを用いることができるが、炭素数6以上のシクロアルキル基が低屈折率化のために好ましく、特にシクロヘキシル基およびシクロドデシル基が好ましい。
また、上記一般式(G1)において、Ar1は2個または3個の置換または無置換のベンゼン環が、互いに結合した置換基であることが好ましい。すなわち、下記一般式(G2)で表されるアリールアミン化合物であることが好ましい。
ただし、上記一般式(G2)において、pおよびrは各々独立に1または2を表し、p+rは2または3である。なお、pが2である場合、二つのフェニレン基の有する置換基の種類、置換基の数および結合手の位置は同じであっても異なっていても良く、rが2である場合二つのフェニル基の有する置換基の種類、置換基の数および結合手の位置は同じであっても異なっていてもよい。なお、pが1、rが1であることが好ましい。
また、R41乃至R45は各々独立に、水素、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、炭素数5乃至炭素数12のシクロアルキル基のいずれか一を表す。
また、R9は炭素数1乃至4のアルキル基を表し、nは0乃至4の整数を表し、nが2以上である場合、複数のR9は各々同じであっても異なっていても良い。また、nは0であることが好ましい。
上記炭素数1乃至炭素数4のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基およびtert-ブチル基などを挙げることができ、特に好ましくはtert-ブチル基である。
上記炭素数1乃至炭素数6のアルキル基としては、屈折率を下げる観点で炭素数2以上の鎖式アルキル基が好ましく、キャリア輸送性を確保する観点で炭素数5以下の鎖式アルキル基が好ましい。また、屈折率低減効果が顕著なのは、炭素数3以上の分岐を有する鎖式アルキル基である。すなわち、上記炭素数1乃至炭素数6のアルキル基は、炭素数2乃至炭素数5の鎖式アルキル基が好ましく、炭素数3乃至炭素数5の分岐を有する鎖式アルキル基がさらに好ましい。炭素数1乃至炭素数6のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などを挙げることができ、特に好ましくはtert-ブチル基である。
また、上記炭素数5乃至炭素数12のシクロアルキル基としては、具体的にはシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、デカヒドロナフチル基、シクロウンデシル基、及びシクロドデシル基などを用いることができるが、炭素数6以上のシクロアルキル基が低屈折率化のために好ましく、特にシクロヘキシル基およびシクロドデシル基が好ましい。
なお、R6、R7、R11乃至R15、R21乃至R25、R31乃至R35、mに関しては一般式(G1)と同様であるため説明を割愛する。
また、上記一般式(G1)において、Ar1は1個の置換または無置換のベンゼン環であることが好ましい。すなわち、下記一般式(G3)で表されるアリールアミン化合物であることが好ましい。
ただし、上記一般式(G3)において、R1乃至R5は各々独立に、水素、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、炭素数5乃至炭素数12のシクロアルキル基および置換または無置換のフェニル基のいずれか一を表す。
なお、上記一般式(G3)において、R1乃至R5のうち、R3がシクロヘキシル基であり、残りがすべて水素であることが好ましい。また、R1乃至R5のうち、R1が無置換のフェニル基であり、残りがすべて水素であることで、正孔輸送性が向上するため好ましい。
また、上記置換または無置換のフェニル基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、炭素数5乃至炭素数12のシクロアルキル基を用いることができる。
上記炭素数1乃至炭素数6のアルキル基としては、屈折率を下げる観点で炭素数2以上の鎖式アルキル基が好ましく、キャリア輸送性を確保する観点で炭素数5以下の鎖式アルキル基が好ましい。また、屈折率低減効果が顕著なのは、炭素数3以上の分岐を有する鎖式アルキル基である。すなわち、上記炭素数1乃至炭素数6のアルキル基は、炭素数2乃至炭素数5の鎖式アルキル基が好ましく、炭素数3乃至炭素数5の分岐を有する鎖式アルキル基がさらに好ましい。炭素数1乃至炭素数6のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などを挙げることができ、特に好ましくはtert-ブチル基である。
また、上記炭素数5乃至炭素数12のシクロアルキル基としては、具体的にはシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、デカヒドロナフチル基、シクロウンデシル基、及びシクロドデシル基などを用いることができるが、炭素数6以上のシクロアルキル基が低屈折率化のために好ましく、特にシクロヘキシル基およびシクロドデシル基が好ましい。
なお、R6、R7、R11乃至R15、R21乃至R25、R31乃至R35、mに関しては一般式(G1)と同様であるため説明を割愛する。
なお、上記一般式(G1)乃至(G3)で表されるアリールアミン化合物において、mが0であることが好ましい。
また、上記一般式(G1)乃至(G3)で表されるアリールアミン化合物においてR11乃至R15、R21乃至R25およびR31乃至R35のうち、R12、R14、R22、R32およびR34が水素以外の前記置換基であり、残りが水素であることが好ましい。また、R12が前記一般式(g1)で表される置換基であり、R22が前記一般式(g2)で表される置換基であることが好ましい。また、R14、R32およびR34がtert-ブチル基であることが好ましい。
以上のような構成を有する本発明の一態様のアリールアミン化合物は、波長455nm以上465nm以下の全域の光における常光屈折率が、1.5以上1.75以下、波長633nmの光における常光屈折率が1.45以上1.70以下の非常に屈折率の低い化合物とすることが可能である。
以上のような構成を有する本発明の一態様の有機化合物は、良好な正孔輸送性を有し屈折率が小さい有機化合物であることから、有機ELデバイスの正孔輸送層用材料または正孔注入層用材料として好適に用いることができる。また、当該正孔輸送層用材料または正孔注入層用材料を用いた有機ELデバイスは、屈折率の小さい正孔輸送層や正孔注入層を有していることから、発光効率、すなわち外部量子効率、電流効率およびブルーインデックスの高い発光デバイスとすることができる。
上記構成を有する有機化合物の具体的な例を以下に示す。
(実施の形態2)
図1(A)に、本発明の一態様の発光デバイスを表す図を示す。本発明の一態様の発光デバイスは、第1の電極101と、第2の電極102、EL層103を有し、当該EL層に実施の形態1で示した有機化合物を用いている。
EL層103は、発光層113を有しており、正孔注入層111および/または正孔輸送層112を有していても良い。発光層113には発光材料が含まれており、本発明の一態様の発光デバイスは、当該発光材料から発光を得る。発光層113には、ホスト材料や、その他の材料が含まれていても良い。実施の形態1で示した本発明の一態様の有機化合物は、発光層113に含まれていても、正孔輸送層112に含まれていても、正孔注入層111に含まれていても、そのいずれに含まれていても構わない。
なお、図1(A)にはこれらに加えて電子輸送層114、電子注入層115が図示されているが、発光デバイスの構成はこれらに限られることはない。
当該有機化合物は、良好な正孔輸送性を有するため正孔輸送層112に用いることが有効である。また、本発明の一態様の有機化合物は、当該有機化合物とアクセプタ物質を混合した膜を用いて正孔注入層111として用いることが可能である。
また、さらに本発明の一態様の有機化合物は、ホスト材料として用いることもできる。また、さらに電子輸送材料と共蒸着することによって、当該電子輸送材料と上記正孔輸送材料による励起錯体を形成する構成であっても良い。適切な発光波長を有する励起錯体を形成することによって、発光材料への有効なエネルギー移動を実現し、高い効率、良好な寿命を有する発光デバイスを提供することが可能となる。
本発明の一態様の有機化合物は屈折率が低い有機化合物であることから、それをEL層内部に用いることによって、外部量子効率の良好な発光デバイスを得ることができる。
続いて、上述の発光デバイスの詳細な構造や材料の例について説明する。本発明の一態様の発光デバイスは、上述のように第1の電極101と第2の電極102の一対の電極間に複数の層からなるEL層103を有しており、当該EL層103のいずれかの部分に、実施の形態1で開示した有機化合物が含まれている。
第1の電極101は、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いて形成することが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、ケイ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム-酸化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタリング法により成膜されるが、ゾル-ゲル法などを応用して作製しても構わない。作製方法の例としては、酸化インジウム-酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1~20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成する方法などがある。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5~5wt%、酸化亜鉛を0.1~1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することもできる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。グラフェンも用いることができる。なお、後述する複合材料をEL層103における第1の電極101と接する層に用いることで、仕事関数に関わらず、電極材料を選択することができるようになる。
EL層103は積層構造を有していることが好ましいが、当該積層構造については特に限定はなく、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、キャリアブロック層、励起子ブロック層、電荷発生層など、様々な層構造を適用することができる。本実施の形態では、図1(A)に示すように、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113に加えて、電子輸送層114及び電子注入層115を有する構成、及び図1(B)に示すように、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113に加えて、電子輸送層114及び電子注入層115、電荷発生層116を有する構成の2種類の構成について説明する。各層を構成する材料について以下に具体的に示す。
正孔注入層111は、アクセプタ性を有する物質を含む層である。アクセプタ性を有する物質としては、有機化合物と無機化合物のいずれも用いることが可能である。
アクセプタ性を有する物質としては、電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物を用いることができ、7,7,8,8-テトラシアノ-2,3,5,6-テトラフルオロキノジメタン(略称:F4-TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT-CN)、1,3,4,5,7,8-ヘキサフルオロテトラシアノ-ナフトキノジメタン(略称:F6-TCNNQ)、2-(7-ジシアノメチレン-1,3,4,5,6,8,9,10-オクタフルオロ-7H-ピレン-2-イリデン)マロノニトリル等を挙げることができる。特に、HAT-CNのように複素原子を複数有する縮合芳香環に電子吸引基が結合している化合物が、熱的に安定であり好ましい。また、電子吸引基(特にフルオロ基のようなハロゲン基やシアノ基)を有する[3]ラジアレン誘導体は、電子受容性が非常に高いため好ましく、具体的にはα,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロベンゼンアセトニトリル]、α,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[2,6-ジクロロ-3,5-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンアセトニトリル]、α,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゼンアセトニトリル]などが挙げられる。アクセプタ性を有する物質としては以上で述べた有機化合物以外にも、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。この他、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(CuPc)等のフタロシアニン系の錯体化合物、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’-ビス{4-[ビス(3-メチルフェニル)アミノ]フェニル}-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(略称:DNTPD)等の芳香族アミン化合物、或いはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の高分子等によっても正孔注入層111を形成することができる。アクセプタ性を有する物質は、隣接する正孔輸送層(あるいは正孔輸送材料)から、電界の印加により電子を引き抜くことができる。
また、正孔注入層111として、正孔輸送性を有する材料に上記アクセプタ性物質を含有させた複合材料を用いることもできる。なお、正孔輸送性を有する材料にアクセプタ性物質を含有させた複合材料を用いることにより、仕事関数に依らず電極を形成する材料を選ぶことができる。つまり、第1の電極101として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材料も用いることができるようになる。
複合材料に用いる正孔輸送性を有する材料としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の有機化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる正孔輸送性を有する材料としては、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。以下では、複合材料における正孔輸送性を有する材料として用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
複合材料に用いることのできる芳香族アミン化合物としては、N,N’-ジ(p-トリル)-N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’-ビス{4-[ビス(3-メチルフェニル)アミノ]フェニル}-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5-トリス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。カルバゾール誘導体としては、具体的には、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、4,4’-ジ(N-カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5-トリス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9-[4-(10-フェニルアントラセン-9-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzPA)、1,4-ビス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]-2,3,5,6-テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。芳香族炭化水素としては、例えば、2-tert-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、2-tert-ブチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス(4-フェニルフェニル)アントラセン(略称:t-BuDBA)、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10-ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2-tert-ブチルアントラセン(略称:t-BuAnth)、9,10-ビス(4-メチル-1-ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン、9,9’-ビアントリル、10,10’-ジフェニル-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス(2-フェニルフェニル)-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス[(2,3,4,5,6-ペンタフェニル)フェニル]-9,9’-ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10-ビス[4-(2,2-ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。なお、本発明の一態様の有機化合物も用いることができる。
また、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N-(4-{N’-[4-(4-ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル-N’-フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly-TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
複合材料に用いられる正孔輸送性を有する材料としては、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、ジベンゾチオフェン骨格およびアントラセン骨格のいずれかを有していることがより好ましい。特に、ジベンゾフラン環またはジベンゾチオフェン環を含む置換基を有する芳香族アミン、ナフタレン環を有する芳香族モノアミン、または9-フルオレニル基がアリーレン基を介してアミンの窒素に結合する芳香族モノアミンであっても良い。なお、これら第2の有機化合物が、N,N-ビス(4-ビフェニル)アミノ基を有する物質であると、寿命の良好な発光デバイスを作製することができるため好ましい。以上のような第2の有機化合物としては、具体的には、N-(4-ビフェニル)-6,N-ジフェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-アミン(略称:BnfABP)、N,N-ビス(4-ビフェニル)-6-フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-アミン(略称:BBABnf)、4,4’-ビス(6-フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-イル-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:BnfBB1BP)、N,N-ビス(4-ビフェニル)ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-6-アミン(略称:BBABnf(6))、N,N-ビス(4-ビフェニル)ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-アミン(略称:BBABnf(8))、N,N-ビス(4-ビフェニル)ベンゾ[b]ナフト[2,3-d]フラン-4-アミン(略称:BBABnf(II)(4))、N,N-ビス[4-(ジベンゾフラン-4-イル)フェニル]-4-アミノ-p-ターフェニル(略称:DBfBB1TP)、N-[4-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]-N-フェニル-4-ビフェニルアミン(略称:ThBA1BP)、4-(2-ナフチル)-4’,4’’-ジフェニルトリフェニルアミン(略称:BBAβNB)、4-[4-(2-ナフチル)フェニル]-4’,4’’-ジフェニルトリフェニルアミン(略称:BBAβNBi)、4,4’-ジフェニル-4’’-(6;1’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAαNβNB)、4,4’-ジフェニル-4’’-(7;1’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAαNβNB-03)、4,4’-ジフェニル-4’’-(7-フェニル)ナフチル-2-イルトリフェニルアミン(略称:BBAPβNB-03)、4,4’-ジフェニル-4’’-(6;2’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBA(βN2)B)、4,4’-ジフェニル-4’’-(7;2’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBA(βN2)B-03)、4,4’-ジフェニル-4’’-(4;2’-ビナフチル-1-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAβNαNB)、4,4’-ジフェニル-4’’-(5;2’-ビナフチル-1-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAβNαNB-02)、4-(4-ビフェニリル)-4’-(2-ナフチル)-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:TPBiAβNB)、4-(3-ビフェニリル)-4’-[4-(2-ナフチル)フェニル]-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:mTPBiAβNBi)、4-(4-ビフェニリル)-4’-[4-(2-ナフチル)フェニル]-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:TPBiAβNBi)、4-フェニル-4’-(1-ナフチル)トリフェニルアミン(略称:αNBA1BP)、4,4’-ビス(1-ナフチル)トリフェニルアミン(略称:αNBB1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-[4’-(カルバゾール-9-イル)ビフェニル-4-イル]トリフェニルアミン(略称:YGTBi1BP)、4’-[4-(3-フェニル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]トリス(1,1’-ビフェニル-4-イル)アミン(略称:YGTBi1BP-02)、4-[4’-(カルバゾール-9-イル)ビフェニル-4-イル]-4’-(2-ナフチル)-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:YGTBiβNB)、N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル] -N-[4-(1-ナフチル)フェニル]-9,9’-スピロビ(9H-フルオレン)-2-アミン(略称:PCBNBSF)、N,N-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]-2-アミン(略称:BBASF)、N,N-ビス(1,1’-ビフェニル-4-イル)-9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]-4-アミン(略称:BBASF(4))、N-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ(9H-フルオレン)-4-アミン(略称:oFBiSF)、N-(4-ビフェニル)-N-(9、9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)ジベンゾフラン-4-アミン(略称:FrBiF)、N-[4-(1-ナフチル)フェニル]-N-[3-(6-フェニルジベンゾフラン-4-イル)フェニル]-1-ナフチルアミン(略称:mPDBfBNBN)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4-フェニル-3’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4-フェニル-4’-[4-(9-フェニルフルオレン-9-イル)フェニル]トリフェニルアミン(略称:BPAFLBi)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4-(1-ナフチル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]-2-アミン(略称:PCBASF)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-9,9-ジメチル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-4-アミン、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-3-アミン、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-2-アミン、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-1-アミン等を挙げることができる。
なお、複合材料に用いられる正孔輸送性を有する材料はそのHOMO準位が-5.7eV以上-5.4eV以下の比較的深いHOMO準位を有する物質であることがさらに好ましい。複合材料に用いられる正孔輸送性を有する材料が比較的深いHOMO準位を有することによって、正孔輸送層112への正孔の注入が容易となり、また、寿命の良好な発光デバイスを得ることが容易となる。
なお、実施の形態1で説明したモノアミン化合物も正孔輸送性を有する材料であり、当該複合材料に用いる正孔注入層用材料として好適に用いることができる。実施の形態1で説明したモノアミン化合物を用いることによってEL層103内部に屈折率の低い層を形成することができ、発光デバイスの外部量子効率を向上させることができる。
なお、上記複合材料にさらにアルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物を混合(好ましくは当該層中のフッ素原子の原子比率が20%以上)することによって、当該層の屈折率を低下させることができる。これによっても、EL層103内部に屈折率の低い層を形成することができ、発光デバイスの外部量子効率を向上させることができる。
正孔注入層111を形成することによって、正孔の注入性が良好となり、駆動電圧の小さい発光デバイスを得ることができる。また、アクセプタ性を有する有機化合物は蒸着が容易で成膜がしやすいため、用いやすい材料である。
正孔輸送層112は、正孔輸送性を有する材料を含んで形成される。正孔輸送性を有する材料としては、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有していることが好ましい。実施の形態1で説明したモノアミン化合物は正孔輸送性を有する材料であり、正孔輸送層用材料として好適に用いることができる。そのため、正孔輸送層112には実施の形態1で説明したモノアミン化合物が含まれていることが好ましく、正孔輸送層112は実施の形態1で説明したモノアミン化合物で構成されていることがより好ましい。実施の形態1で説明したモノアミン化合物を正孔輸送層112に含むことによって、EL層103内部に屈折率の低い層を形成することができ、発光デバイスの外部量子効率を向上させることが可能となる。
正孔輸送層112に実施の形態1で説明したモノアミン化合物以外の材料を用いる場合、上記正孔輸送性を有する材料としては、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4-フェニル-3’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4-(1-ナフチル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、9,9-ジメチル-N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]フルオレン-2-アミン(略称:PCBAF)、N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]-2-アミン(略称:PCBASF)などの芳香族アミン骨格を有する化合物や、1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’-ジ(N-カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)-9-フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’-ビス(9-フェニル-9H-カルバゾール)(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P-II)、2,8-ジフェニル-4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-III)、4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-6-フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P-II)、4-{3-[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi-II)などのフラン骨格を有する化合物が挙げられる。上述した中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物やカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。なお、正孔注入層111の複合材料に用いられる正孔輸送性を有する材料として挙げた物質も正孔輸送層112を構成する材料として好適に用いることができる。
発光層113は発光物質とホスト材料を有している。なお、発光層113は、その他の材料を同時に含んでいても構わない。また、組成の異なる2層の積層であっても良い。
発光物質は蛍光発光物質であっても、りん光発光物質であっても、熱活性化遅延蛍光(TADF)を示す物質であっても、その他の発光物質であっても構わない。なお、本発明の一態様は、発光層113が蛍光発光を呈する層、特に、青色の蛍光発光を呈する層である場合により好適に適用することができる。
発光層113において、蛍光発光物質として用いることが可能な材料としては、例えば以下のようなものが挙げられる。また、これ以外の蛍光発光物質も用いることができる。
5,6-ビス[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-2,2’-ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6-ビス[4’-(10-フェニル-9-アントリル)ビフェニル-4-イル]-2,2’-ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ビス[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’-ビス[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニルスチルベン-4,4’-ジアミン(略称:YGA2S)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11-テトラ-tert-ブチルペリレン(略称:TBP)、4-(10-フェニル-9-アントリル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’-(2-tert-ブチルアントラセン-9,10-ジイルジ-4,1-フェニレン)ビス[N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPPA)、N-[4-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’-オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン-2,7,10,15-テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)-N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPA)、N-[9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-2-アントリル]-N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCABPhA)、N-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N-[9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-2-アントリル]-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N-フェニルアントラセン-2-アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9-トリフェニルアントラセン-9-アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン545T、N,N’-ジフェニルキナクリドン、(略称:DPQd)、ルブレン、5,12-ビス(1,1’-ビフェニル-4-イル)-6,11-ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2-(2-{2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}-6-メチル-4H-ピラン-4-イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2-{2-メチル-6-[2-(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-メチルフェニル)テトラセン-5,11-ジアミン(略称:p-mPhTD)、7,14-ジフェニル-N,N,N’,N’-テトラキス(4-メチルフェニル)アセナフト[1,2-a]フルオランテン-3,10-ジアミン(略称:p-mPhAFD)、2-{2-イソプロピル-6-[2-(1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2-{2-tert-ブチル-6-[2-(1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2-(2,6-ビス{2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}-4H-ピラン-4-イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2-{2,6-ビス[2-(8-メトキシ-1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、N,N’-ジフェニル-N,N’-(1,6-ピレン-ジイル)ビス[(6-フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン)-8-アミン](略称:1,6BnfAPrn-03)、3,10-ビス[N-(9-フェニル-9H-カルバゾール-2-イル)-N-フェニルアミノ]ナフト[2,3-b;6,7-b’]ビスベンゾフラン(略称:3,10PCA2Nbf(IV)-02)、3,10-ビス[N-(ジベンゾフラン-3-イル)-N-フェニルアミノ]ナフト[2,3-b;6,7-b’]ビスベンゾフラン(略称:3,10FrA2Nbf(IV)-02)などが挙げられる。特に、1,6FLPAPrnや1,6mMemFLPAPrn、1,6BnfAPrn-03のようなピレンジアミン化合物に代表される縮合芳香族ジアミン化合物は、ホールトラップ性が高く、発光効率や信頼性に優れているため好ましい。
発光層113において、発光物質としてりん光発光物質を用いる場合、用いることが可能な材料としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
トリス{2-[5-(2-メチルフェニル)-4-(2,6-ジメチルフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-κN2]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz-dmp)3])、トリス(5-メチル-3,4-ジフェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz)3])、トリス[4-(3-ビフェニル)-5-イソプロピル-3-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrptz-3b)3])のような4H-トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3-メチル-1-(2-メチルフェニル)-5-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz1-mp)3])、トリス(1-メチル-5-フェニル-3-プロピル-1H-1,2,4-トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Prptz1-Me)3])のような1H-トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac-トリス[(1-2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-フェニル-1H-イミダゾール]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrpmi)3])、トリス[3-(2,6-ジメチルフェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(dmpimpt-Me)3])のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1-ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2-[3’,5’-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト-N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:[Ir(CF3ppy)2(pic)])、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。これらは青色のりん光発光を示す化合物であり、440nmから520nmに発光のピークを有する化合物である。
また、トリス(4-メチル-6-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)3])、トリス(4-t-ブチル-6-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)3])、(アセチルアセトナト)ビス(6-メチル-4-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(6-tert-ブチル-4-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[6-(2-ノルボルニル)-4-フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(nbppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[5-メチル-6-(2-メチルフェニル)-4-フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpmppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(4,6-ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)2(acac)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5-ジメチル-2-フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr-Me)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(5-イソプロピル-3-メチル-2-フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr-iPr)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2-フェニルピリジナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppy)3])、ビス(2-フェニルピリジナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(ppy)2(acac)])、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bzq)2(acac)])、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(bzq)3])、トリス(2-フェニルキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(pq)3])、ビス(2-フェニルキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(pq)2(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:[Tb(acac)3(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。これらは主に緑色のりん光発光を示す化合物であり、500nm~600nmに発光のピークを有する。なお、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6-ビス(3-メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)2(dibm)])、ビス[4,6-ビス(3-メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)2(dpm)])、ビス[4,6-ジ(ナフタレン-1-イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(d1npm)2(dpm)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5-トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)2(acac)])、ビス(2,3,5-トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)2(dpm)])、(アセチルアセトナト)ビス[2,3-ビス(4-フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1-フェニルイソキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(piq)3])、ビス(1-フェニルイソキノリナト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(piq)2(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18-オクタエチル-21H,23H-ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(DBM)3(Phen)])、トリス[1-(2-テノイル)-3,3,3-トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(TTA)3(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。これらは、赤色のりん光発光を示す化合物であり、600nmから700nmに発光のピークを有する。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
また、以上で述べたりん光性化合物の他、公知のりん光性発光物質を選択し、用いてもよい。
TADF材料としてはフラーレン及びその誘導体、アクリジン及びその誘導体、エオシン誘導体等を用いることができる。またマグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、以下の構造式に示されるプロトポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル-フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III-4Me))、オクタエチルポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン-塩化白金錯体(PtCl2OEP)等も挙げられる。
また、以下の構造式に示される2-(ビフェニル-4-イル)-4,6-ビス(12-フェニルインドロ[2,3-a]カルバゾール-11-イル)-1,3,5-トリアジン(略称:PIC-TRZ)や、9-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-9’-フェニル-9H,9’H-3,3’-ビカルバゾール(略称:PCCzTzn)、9-[4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル]-9’-フェニル-9H,9’H-3,3’-ビカルバゾール(略称:PCCzPTzn)、2-[4-(10H-フェノキサジン-10-イル)フェニル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PXZ-TRZ)、3-[4-(5-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン-10-イル)フェニル]-4,5-ジフェニル-1,2,4-トリアゾール(略称:PPZ-3TPT)、3-(9,9-ジメチル-9H-アクリジン-10-イル)-9H-キサンテン-9-オン(略称:ACRXTN)、ビス[4-(9,9-ジメチル-9,10-ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC-DPS)、10-フェニル-10H,10’H-スピロ[アクリジン-9,9’-アントラセン]-10’-オン(略称:ACRSA)、等のπ電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環の一方または両方を有する複素環化合物も用いることができる。該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が共に高く、好ましい。中でも、π電子不足型複素芳香環を有する骨格のうち、ピリジン骨格、ジアジン骨格(ピリミジン骨格、ピラジン骨格、ピリダジン骨格)、およびトリアジン骨格は、安定で信頼性が良好なため好ましい。特に、ベンゾフロピリミジン骨格、ベンゾチエノピリミジン骨格、ベンゾフロピラジン骨格、ベンゾチエノピラジン骨格はアクセプター性が高く、信頼性が良好なため好ましい。また、π電子過剰型複素芳香環を有する骨格の中でも、アクリジン骨格、フェノキサジン骨格、フェノチアジン骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、及びピロール骨格は、安定で信頼性が良好なため、当該骨格の少なくとも一を有することが好ましい。なお、フラン骨格としてはジベンゾフラン骨格が、チオフェン骨格としてはジベンゾチオフェン骨格が、それぞれ好ましい。また、ピロール骨格としては、インドール骨格、カルバゾール骨格、インドロカルバゾール骨格、ビカルバゾール骨格、3-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール骨格が特に好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環の電子供与性とπ電子不足型複素芳香環の電子受容性が共に強くなり、S1準位とT1準位のエネルギー差が小さくなるため、熱活性化遅延蛍光を効率よく得られることから特に好ましい。なお、π電子不足型複素芳香環の代わりに、シアノ基のような電子吸引基が結合した芳香環を用いても良い。また、π電子過剰型骨格として、芳香族アミン骨格、フェナジン骨格等を用いることができる。また、π電子不足型骨格として、キサンテン骨格、チオキサンテンジオキサイド骨格、オキサジアゾール骨格、トリアゾール骨格、イミダゾール骨格、アントラキノン骨格、フェニルボランやボラントレン等の含ホウ素骨格、ベンゾニトリルまたはシアノベンゼン等のニトリル基またはシアノ基を有する芳香環や複素芳香環、ベンゾフェノン等のカルボニル骨格、ホスフィンオキシド骨格、スルホン骨格等を用いることができる。このように、π電子不足型複素芳香環およびπ電子過剰型複素芳香環の少なくとも一方の代わりにπ電子不足型骨格およびπ電子過剰型骨格を用いることができる。
なお、TADF材料とは、S1準位とT1準位との差が小さく、逆項間交差によって三重項励起エネルギーから一重項励起エネルギーへエネルギーを変換することができる機能を有する材料である。そのため、三重項励起エネルギーをわずかな熱エネルギーによって一重項励起エネルギーにアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態を効率よく生成することができる。また、三重項励起エネルギーを発光に変換することができる。
また、2種類の物質で励起状態を形成する励起錯体(エキサイプレックス、エキシプレックスまたはExciplexともいう)は、S1準位とT1準位との差が極めて小さく、三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーに変換することが可能なTADF材料としての機能を有する。
なお、T1準位の指標としては、低温(例えば77Kから10K)で観測される燐光スペクトルを用いればよい。TADF材料としては、その蛍光スペクトルの短波長側の裾において接線を引き、その外挿線の波長のエネルギーをS1準位とし、燐光スペクトルの短波長側の裾において接線を引き、その外挿線の波長のエネルギーをT1準位とした際に、そのS1とT1の差が0.3eV以下であることが好ましく、0.2eV以下であることがさらに好ましい。
また、TADF材料を発光物質として用いる場合、ホスト材料のS1準位はTADF材料のS1準位より高い方が好ましい。また、ホスト材料のT1準位はTADF材料のT1準位より高いことが好ましい。
発光層のホスト材料としては、電子輸送性を有する材料や正孔輸送性を有する材料、上記TADF材料など様々なキャリア輸送材料を用いることができる。
正孔輸送性を有する材料としては、アミン骨格やπ電子過剰型複素芳香環骨格を有する有機化合物が好ましい。例えば、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4-フェニル-3’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4-(1-ナフチル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、9,9-ジメチル-N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]フルオレン-2-アミン(略称:PCBAF)、N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]-2-アミン(略称:PCBASF)などの芳香族アミン骨格を有する化合物や、1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’-ジ(N-カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)-9-フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’-ビス(9-フェニル-9H-カルバゾール)(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P-II)、2,8-ジフェニル-4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-III)、4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-6-フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P-II)、4-{3-[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi-II)などのフラン骨格を有する化合物が挙げられる。上述した中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物やカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。また、上記正孔輸送性を有する材料の例として挙げた有機化合物も用いることができる。
電子輸送性を有する材料としては、例えば、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8-キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2-(2-ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体や、π電子不足型複素芳香環骨格を有する有機化合物が好ましい。π電子不足型複素芳香環骨格を有する有機化合物としては、例えば、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、1,3-ビス[5-(p-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、9-[4-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CO11)、2,2’,2’’-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]-1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm-II)などのポリアゾール骨格を有する複素環化合物や、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq-II)、2-[3’-(ジベンゾチオフェン-4-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq-II)、2-[3’-(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、4,6-ビス[3-(フェナントレン-9-イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6-ビス〔3-(4-ジベンゾチエニル)フェニル〕ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm-II)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2-[3’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-1,1’-ビフェニル-3-イル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:mFBPTzn)、2-[(1,1’-ビフェニル)-4-イル]-4-フェニル-6-[9,9’-スピロビ(9H-フルオレン)-2-イル]-1,3,5-トリアジン(略称:BP-SFTzn)、2-{3-[3-(ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-イル)フェニル]フェニル}-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:mBnfBPTzn)、2-{3-[3-(ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-6-イル)フェニル]フェニル}-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:mBnfBPTzn-02)、などのトリアジン骨格を有する複素環化合物、3,5-ビス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5-トリ[3-(3-ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物が挙げられる。上述した中でも、ジアジン骨格を有する複素環化合物や、トリアジン骨格を有する複素環化合物、ピリジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性が良好であり好ましい。特に、ジアジン(ピリミジンやピラジン)骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
ホスト材料として用いることが可能なTADF材料としては、先にTADF材料として挙げたものを同様に用いることができる。TADF材料をホスト材料として用いると、TADF材料で生成した三重項励起エネルギーが、逆項間交差によって一重項励起エネルギーに変換され、さらに発光物質へエネルギー移動することで、発光デバイスの発光効率を高めることができる。このとき、TADF材料がエネルギードナーとして機能し、発光物質がエネルギーアクセプターとして機能する。
これは、上記発光物質が蛍光発光物質である場合に、非常に有効である。また、このとき、高い発光効率を得るためには、TADF材料のS1準位は、蛍光発光物質のS1準位より高いことが好ましい。また、TADF材料のT1準位は、蛍光発光物質のS1準位より高いことが好ましい。したがって、TADF材料のT1準位は、蛍光発光物質のT1準位より高いことが好ましい。
また、蛍光発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような波長の発光を呈するTADF材料を用いることが好ましい。そうすることで、TADF材料から蛍光発光物質への励起エネルギーの移動がスムーズとなり、効率よく発光が得られるため、好ましい。
また、効率よく三重項励起エネルギーから逆項間交差によって一重項励起エネルギーが生成されるためには、TADF材料でキャリア再結合が生じることが好ましい。また、TADF材料で生成した三重項励起エネルギーが蛍光発光物質の三重項励起エネルギーに移動しないことが好ましい。そのためには、蛍光発光物質は、蛍光発光物質が有する発光団(発光の原因となる骨格)の周囲に保護基を有すると好ましい。該保護基としては、π結合を有さない置換基が好ましく、飽和炭化水素が好ましく、具体的には炭素数3以上10以下のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、炭素数3以上10以下のトリアルキルシリル基が挙げられ、保護基が複数あるとさらに好ましい。π結合を有さない置換基は、キャリアを輸送する機能に乏しいため、キャリア輸送やキャリア再結合に影響をほとんど与えずに、TADF材料と蛍光発光物質の発光団との距離を遠ざけることができる。ここで、発光団とは、蛍光発光物質において発光の原因となる原子団(骨格)を指す。発光団は、π結合を有する骨格が好ましく、芳香環を含むことが好ましく、縮合芳香環または縮合複素芳香環を有すると好ましい。縮合芳香環または縮合複素芳香環としては、フェナントレン骨格、スチルベン骨格、アクリドン骨格、フェノキサジン骨格、フェノチアジン骨格等が挙げられる。特にナフタレン骨格、アントラセン骨格、フルオレン骨格、クリセン骨格、トリフェニレン骨格、テトラセン骨格、ピレン骨格、ペリレン骨格、クマリン骨格、キナクリドン骨格、ナフトビスベンゾフラン骨格を有する蛍光発光物質は蛍光量子収率が高いため好ましい。
蛍光発光物質を発光物質として用いる場合、ホスト材料としては、アントラセン骨格を有する材料が好適である。アントラセン骨格を有する物質を蛍光発光物質のホスト材料として用いると、発光効率、耐久性共に良好な発光層を実現することが可能である。ホスト材料として用いるアントラセン骨格を有する物質としては、ジフェニルアントラセン骨格、特に9,10-ジフェニルアントラセン骨格を有する物質が化学的に安定であるため好ましい。また、ホスト材料がカルバゾール骨格を有する場合、正孔の注入・輸送性が高まるため好ましいが、カルバゾールにベンゼン環がさらに縮合したベンゾカルバゾール骨格を含む場合、カルバゾールよりもHOMOが0.1eV程度浅くなり、正孔が入りやすくなるためより好ましい。特に、ホスト材料がジベンゾカルバゾール骨格を含む場合、カルバゾールよりもHOMOが0.1eV程度浅くなり、正孔が入りやすくなる上に、正孔輸送性にも優れ、耐熱性も高くなるため好適である。したがって、さらにホスト材料として好ましいのは、9,10-ジフェニルアントラセン骨格およびカルバゾール骨格(あるいはベンゾカルバゾール骨格やジベンゾカルバゾール骨格)を同時に有する物質である。なお、上記の正孔注入・輸送性の観点から、カルバゾール骨格に換えて、ベンゾフルオレン骨格やジベンゾフルオレン骨格を用いてもよい。このような物質の例としては、9-フェニル-3-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:PCzPA)、3-[4-(1-ナフチル)-フェニル]-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PCPN)、9-[4-(10-フェニル-9-アントラセニル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzPA)、7-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)、6-[3-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン(略称:2mBnfPPA)、9-フェニル-10-{4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)ビフェニル-4’-イル}アントラセン(略称:FLPPA)、9-(1-ナフチル)-10-[4-(2-ナフチル)フェニル]アントラセン(略称:αN-βNPAnth)等が挙げられる。特に、CzPA、cgDBCzPA、2mBnfPPA、PCzPAは非常に良好な特性を示すため、好ましい選択である。
なお、ホスト材料は複数種の物質を混合した材料であっても良く、混合したホスト材料を用いる場合は、電子輸送性を有する材料と、正孔輸送性を有する材料とを混合することが好ましい。電子輸送性を有する材料と、正孔輸送性を有する材料を混合することによって、発光層113の輸送性を容易に調整することができ、再結合領域の制御も簡便に行うことができる。正孔輸送性を有する材料と電子輸送性を有する材料の含有量の重量比は、正孔輸送性を有する材料:電子輸送性を有する材料=1:19~19:1とすればよい。
なお、上記混合された材料の一部として、りん光発光物質を用いることができる。りん光発光物質は、発光物質として蛍光発光物質を用いる際に蛍光発光物質へ励起エネルギーを供与するエネルギードナーとして用いることができる。
また、これら混合された材料同士で励起錯体を形成しても良い。当該励起錯体は発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光が得られるため好ましい。また、当該構成を用いることで駆動電圧も低下するため好ましい。
なお、励起錯体を形成する材料の少なくとも一方は、りん光発光物質であってもよい。そうすることで、三重項励起エネルギーを逆項間交差によって効率よく一重項励起エネルギーへ変換することができる。
効率よく励起錯体を形成する材料の組み合わせとしては、正孔輸送性を有する材料のHOMO準位が電子輸送性を有する材料のHOMO準位以上であると好ましい。また、正孔輸送性を有する材料のLUMO準位が電子輸送性を有する材料のLUMO準位以上であると好ましい。なお、材料のLUMO準位およびHOMO準位は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって測定される材料の電気化学特性(還元電位および酸化電位)から導出することができる。
なお、励起錯体の形成は、例えば正孔輸送性を有する材料の発光スペクトル、電子輸送性を有する材料の発光スペクトル、およびこれら材料を混合した混合膜の発光スペクトルを比較し、混合膜の発光スペクトルが、各材料の発光スペクトルよりも長波長シフトする(あるいは長波長側に新たなピークを持つ)現象を観測することにより確認することができる。あるいは、正孔輸送性を有する材料の過渡フォトルミネッセンス(PL)、電子輸送性を有する材料の過渡PL、及びこれら材料を混合した混合膜の過渡PLを比較し、混合膜の過渡PL寿命が、各材料の過渡PL寿命よりも長寿命成分を有する、あるいは遅延成分の割合が大きくなるなどの過渡応答の違いを観測することにより、確認することができる。また、上述の過渡PLは過渡エレクトロルミネッセンス(EL)と読み替えても構わない。すなわち、正孔輸送性を有する材料の過渡EL、電子輸送性を有する材料の過渡EL及びこれらの混合膜の過渡ELを比較し、過渡応答の違いを観測することによっても、励起錯体の形成を確認することができる。
電子輸送層114は、電子輸送性を有する物質を含む層である。電子輸送性を有する物質としては、上記ホスト材料に用いることが可能な電子輸送性を有する物質として挙げたものを用いることができる。
なお、電子輸送層は電子輸送性を有する材料と、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の単体、化合物もしくは錯体を含むことが好ましい。また、電子輸送層114は電界強度[V/cm]の平方根が600における電子移動度が1×10-7cm2/Vs以上5×10-5cm2/Vs以下であることが好ましい。電子輸送層114における電子の輸送性を落とすことにより発光層への電子の注入量を制御することができ、発光層が電子過多の状態になることを防ぐことができる。この構成は、特に正孔注入層を複合材料として形成し、当該複合材料における正孔輸送性を有する材料のHOMO準位が-5.7eV以上-5.4eV以下の比較的深いHOMO準位を有する物質である場合に、寿命が良好となるため特に好ましい。なお、この際、電子輸送性を有する材料は、そのHOMO準位が-6.0eV以上であることが好ましい。また、当該電子輸送性を有する材料はアントラセン骨格を有する有機化合物であることが好ましく、アントラセン骨格と複素環骨格の両方を含む有機化合物であることがより好ましい。当該複素環骨格としては、含窒素5員環骨格または含窒素6員環骨格が好ましく、これら複素環骨格としては、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環などのように2つの複素原子を環に含む含窒素5員環骨格または含窒素6員環骨格が特に好ましい。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の単体、化合物もしくは錯体としては、8-ヒドロキシキノリナト構造を含むことが好ましい。具体的には、例えば8-ヒドロキシキノリナト-リチウム(略称:Liq)、8-ヒドロキシキノリナト-ナトリウム(略称:Naq)などを挙げることができる。特に、一価の金属イオンの錯体、中でもリチウムの錯体が好ましく、Liqがより好ましい。なお、8-ヒドロキシキノリナト構造を含む場合、そのメチル置換体(例えば2-メチル置換体や5-メチル置換体)などを用いることもできる。また、電子輸送層中においてアルカリ金属またはアルカリ土類金属の単体、化合物もしくは錯体は、その厚さ方向において濃度差(0である場合も含む)が存在することが好ましい。
電子輸送層114と第2の電極102との間に、電子注入層115として、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、8-ヒドロキシキノリナト-リチウム(略称:Liq)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含む層を設けても良い。電子注入層115は、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させたものや、エレクトライドを用いてもよい。エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。
なお、電子注入層115として、電子輸送性を有する物質(好ましくはビピリジン骨格を有する有機化合物)に上記アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物を微結晶状態となる濃度以上(50wt%以上)含ませた層を用いることも可能である。当該層は、屈折率の低い層であることから、より外部量子効率の良好な発光デバイスを提供することが可能となる。
また、電子注入層115の代わりに電荷発生層116を設けても良い(図1(B))。電荷発生層116は、電位をかけることによって当該層の陰極側に接する層に正孔を、陽極側に接する層に電子を注入することができる層のことである。電荷発生層116には、少なくともP型層117が含まれる。P型層117は、上述の正孔注入層111を構成することができる材料として挙げた複合材料を用いて形成することが好ましい。またP型層117は、複合材料を構成する材料として上述したアクセプタ材料を含む膜と正孔輸送材料を含む膜とを積層して構成しても良い。P型層117に電位をかけることによって、電子輸送層114に電子が、陰極である第2の電極102に正孔が注入され、発光デバイスが動作する。また、本発明の一態様の有機化合物は屈折率が低い有機化合物であることから、P型層117に用いることによって、外部量子効率の良好な発光デバイスを得ることができる。
なお、電荷発生層116はP型層117の他に電子リレー層118及び電子注入バッファ層119のいずれか一又は両方がもうけられていることが好ましい。
電子リレー層118は少なくとも電子輸送性を有する物質を含み、電子注入バッファ層119とP型層117との相互作用を防いで電子をスムーズに受け渡す機能を有する。電子リレー層118に含まれる電子輸送性を有する物質のLUMO準位は、P型層117におけるアクセプタ性物質のLUMO準位と、電子輸送層114における電荷発生層116に接する層に含まれる物質のLUMO準位との間であることが好ましい。電子リレー層118に用いられる電子輸送性を有する物質におけるLUMO準位の具体的なエネルギー準位は-5.0eV以上、好ましくは-5.0eV以上-3.0eV以下とするとよい。なお、電子リレー層118に用いられる電子輸送性を有する物質としてはフタロシアニン系の材料又は金属-酸素結合と芳香族配位子を有する金属錯体を用いることが好ましい。
電子注入バッファ層119には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、およびこれらの化合物(アルカリ金属化合物(酸化リチウム等の酸化物、ハロゲン化物、炭酸リチウムや炭酸セシウム等の炭酸塩を含む)、アルカリ土類金属化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む)、または希土類金属の化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む))等の電子注入性の高い物質を用いることが可能である。
また、電子注入バッファ層119が、電子輸送性を有する物質とドナー性物質を含んで形成される場合には、ドナー性物質として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、およびこれらの化合物(アルカリ金属化合物(酸化リチウム等の酸化物、ハロゲン化物、炭酸リチウムや炭酸セシウム等の炭酸塩を含む)、アルカリ土類金属化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む)、または希土類金属の化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む))の他、テトラチアナフタセン(略称:TTN)、ニッケロセン、デカメチルニッケロセン等の有機化合物を用いることもできる。なお、電子輸送性を有する物質としては、先に説明した電子輸送層114を構成する材料と同様の材料を用いて形成することができる。
第2の電極102を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、リチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等の元素周期表の第1族または第2族に属する元素、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。しかしながら、第2の電極102と電子輸送層との間に、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、ケイ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム-酸化スズ等様々な導電性材料を第2の電極102として用いることができる。これら導電性材料は、真空蒸着法やスパッタリング法などの乾式法、インクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することが可能である。また、ゾル-ゲル法を用いて湿式法で形成しても良いし、金属材料のペーストを用いて湿式法で形成してもよい。
また、EL層103の形成方法としては、乾式法、湿式法を問わず、種々の方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法またはスピンコート法など用いても構わない。
また上述した各電極または各層を異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
なお、第1の電極101と第2の電極102との間に設けられる層の構成は、上記のものには限定されない。しかし、発光領域と電極やキャリア注入層に用いられる金属とが近接することによって生じる消光が抑制されるように、第1の電極101および第2の電極102から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成が好ましい。
また、発光層113に接する正孔輸送層や電子輸送層、特に発光層113における再結合領域に近いキャリア輸送層は、発光層で生成した励起子からのエネルギー移動を抑制するため、そのバンドギャップが発光層を構成する発光材料もしくは、発光層に含まれる発光材料が有するバンドギャップより大きいバンドギャップを有する物質で構成することが好ましい。
続いて、複数の発光ユニットを積層した構成の発光デバイス(積層型素子、タンデム型素子ともいう)の態様について、図1(C)を参照して説明する。この発光デバイスは、陽極と陰極との間に、複数の発光ユニットを有する発光デバイスである。一つの発光ユニットは、図1(A)で示したEL層103とほぼ同様な構成を有する。つまり、図1(C)で示す発光デバイスは複数の発光ユニットを有する発光デバイスであり、図1(A)又は図1(B)で示した発光デバイスは、1つの発光ユニットを有する発光デバイスであるということができる。
図1(C)において、陽極501と陰極502との間には、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512が積層されており、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512との間には電荷発生層513が設けられている。陽極501と陰極502はそれぞれ図1(A)における第1の電極101と第2の電極102に相当し、図1(A)の説明で述べたものと同じものを適用することができる。また、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512は同じ構成であっても異なる構成であってもよい。
電荷発生層513は、陽極501と陰極502に電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入する機能を有する。すなわち、図1(C)において、陽極の電位の方が陰極の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層513は、第1の発光ユニット511に電子を注入し、第2の発光ユニット512に正孔を注入するものであればよい。
電荷発生層513は、図1(B)にて説明した電荷発生層116と同様の構成で形成することが好ましい。有機化合物と金属酸化物の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。なお、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層513に接している場合は、電荷発生層513が発光ユニットの正孔注入層の役割も担うことができるため、発光ユニットは正孔注入層を設けなくとも良い。
また、電荷発生層513に電子注入バッファ層119を設ける場合、当該電子注入バッファ層119が陽極側の発光ユニットにおける電子注入層の役割を担うため、陽極側の発光ユニットには必ずしも電子注入層を形成する必要はない。
図1(C)では、2つの発光ユニットを有する発光デバイスについて説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光デバイスについても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光デバイスのように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層513で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な素子を実現できる。また、低電圧駆動が可能で消費電力が低い発光装置を実現することができる。
また、それぞれの発光ユニットの発光色を異なるものにすることで、発光デバイス全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つの発光ユニットを有する発光デバイスにおいて、第1の発光ユニットで赤と緑の発光色、第2の発光ユニットで青の発光色を得ることで、発光デバイス全体として白色発光する発光デバイスを得ることも可能である。
また、上述のEL層103や第1の発光ユニット511、第2の発光ユニット512及び電荷発生層などの各層や電極は、例えば、蒸着法(真空蒸着法を含む)、液滴吐出法(インクジェット法ともいう)、塗布法、グラビア印刷法等の方法を用いて形成することができる。また、それらは低分子材料、中分子材料(オリゴマー、デンドリマーを含む)、または高分子材料を含んでも良い。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2に記載の発光デバイスを用いた発光装置について説明する。
本実施の形態では、実施の形態2に記載の発光デバイスを用いて作製された発光装置について図2を用いて説明する。なお、図2(A)は、発光装置を示す上面図、図2(B)は図2(A)をA-BおよびC-Dで切断した断面図である。この発光装置は、発光デバイスの発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路(ソース線駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート線駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース線駆動回路601及びゲート線駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図2(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース線駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。
素子基板610はガラス、石英、有機樹脂、金属、合金、半導体などからなる基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル樹脂等からなるプラスチック基板を用いて作製すればよい。
画素や駆動回路に用いられるトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、逆スタガ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型のトランジスタでもボトムゲート型トランジスタでもよい。トランジスタに用いる半導体材料は特に限定されず、例えば、シリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、窒化ガリウム等を用いることができる。または、In-Ga-Zn系金属酸化物などの、インジウム、ガリウム、亜鉛のうち少なくとも一つを含む酸化物半導体を用いてもよい。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
ここで、上記画素や駆動回路に設けられるトランジスタの他、後述するタッチセンサ等に用いられるトランジスタなどの半導体装置には、酸化物半導体を適用することが好ましい。特にシリコンよりもバンドギャップの広い酸化物半導体を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャップの広い酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ状態における電流を低減できる。
上記酸化物半導体は、少なくともインジウム(In)又は亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、In-M-Zn系酸化物(MはAl、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)で表記される酸化物を含む酸化物半導体であることがより好ましい。
特に、半導体層として、複数の結晶部を有し、当該結晶部はc軸が半導体層の被形成面、または半導体層の上面に対し垂直に配向し、且つ隣接する結晶部間には粒界を有さない酸化物半導体膜を用いることが好ましい。
半導体層としてこのような材料を用いることで、電気特性の変動が抑制され、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
また、上述の半導体層を有するトランジスタはその低いオフ電流により、トランジスタを介して容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、各表示領域に表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。その結果、極めて消費電力の低減された電子機器を実現できる。
トランジスタの特性安定化等のため、下地膜を設けることが好ましい。下地膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などの無機絶縁膜を用い、単層で又は積層して作製することができる。下地膜はスパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(プラズマCVD法、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法など)、ALD(Atomic Layer Deposition)法、塗布法、印刷法等を用いて形成できる。なお、下地膜は、必要で無ければ設けなくてもよい。
なお、FET623は駆動回路601に形成されるトランジスタの一つを示すものである。また、駆動回路は、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成すれば良い。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用FET611と、電流制御用FET612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成されているが、これに限定されず、3つ以上のFETと、容量素子とを組み合わせた画素部としてもよい。
なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成することができる。
また、後に形成するEL層等の被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性アクリル樹脂を用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm~3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、ネガ型の感光性樹脂、或いはポジ型の感光性樹脂のいずれも使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、またはケイ素を含有したインジウム錫酸化物膜、2~20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616は、実施の形態2で説明したような構成を含んでいる。また、EL層616を構成する他の材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物(MgAg、MgIn、AlLi等)等)を用いることが好ましい。なお、EL層616で生じた光が第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2~20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、ケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
なお、第1の電極613、EL層616、第2の電極617でもって、発光デバイスが形成されている。当該発光デバイスは実施の形態2に記載の発光デバイスである。なお、画素部は複数の発光デバイスが形成されてなっているが、本実施の形態における発光装置では、実施の形態2に記載の発光デバイスと、それ以外の構成を有する発光デバイスの両方が混在していても良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光デバイス618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材で充填される場合もある。封止基板には凹部を形成し、そこに乾燥材を設けることで水分の影響による劣化を抑制することができ、好ましい構成である。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル樹脂等からなるプラスチック基板を用いることができる。
図2には示されていないが、第2の電極上に保護膜を設けても良い。保護膜は有機樹脂膜や無機絶縁膜で形成すればよい。また、シール材605の露出した部分を覆うように、保護膜が形成されていても良い。また、保護膜は、一対の基板の表面及び側面、封止層、絶縁層、等の露出した側面を覆って設けることができる。
保護膜には、水などの不純物を透過しにくい材料を用いることができる。したがって、水などの不純物が外部から内部に拡散することを効果的に抑制することができる。
保護膜を構成する材料としては、酸化物、窒化物、フッ化物、硫化物、三元化合物、金属またはポリマー等を用いることができ、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、ハフニウムシリケート、酸化ランタン、酸化珪素、チタン酸ストロンチウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化スカンジウム、酸化エルビウム、酸化バナジウムまたは酸化インジウム等を含む材料や、窒化アルミニウム、窒化ハフニウム、窒化珪素、窒化タンタル、窒化チタン、窒化ニオブ、窒化モリブデン、窒化ジルコニウムまたは窒化ガリウム等を含む材料、チタンおよびアルミニウムを含む窒化物、チタンおよびアルミニウムを含む酸化物、アルミニウムおよび亜鉛を含む酸化物、マンガンおよび亜鉛を含む硫化物、セリウムおよびストロンチウムを含む硫化物、エルビウムおよびアルミニウムを含む酸化物、イットリウムおよびジルコニウムを含む酸化物等を含む材料を用いることができる。
保護膜は、段差被覆性(ステップカバレッジ)の良好な成膜方法を用いて形成することが好ましい。このような手法の一つに、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法がある。ALD法を用いて形成することができる材料を、保護膜に用いることが好ましい。ALD法を用いることで緻密な、クラックやピンホールなどの欠陥が低減された、または均一な厚さを備える保護膜を形成することができる。また、保護膜を形成する際に加工部材に与える損傷を、低減することができる。
例えばALD法を用いて保護膜を形成することで、複雑な凹凸形状を有する表面や、タッチパネルの上面、側面及び裏面にまで均一で欠陥の少ない保護膜を形成することができる。
以上のようにして、実施の形態2に記載の発光デバイスを用いて作製された発光装置を得ることができる。
本実施の形態における発光装置は、実施の形態2に記載の発光デバイスを用いているため、良好な特性を備えた発光装置を得ることができる。具体的には、実施の形態2に記載の発光デバイスは発光効率が良好なため、消費電力の小さい発光装置とすることが可能である。
図3には白色発光を呈する発光デバイスを形成し、着色層(カラーフィルタ)等を設けることによってフルカラー化した発光装置の例を示す。図3(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光デバイスの第1の電極1024W、1024R、1024G、1024B、隔壁1025、EL層1028、発光デバイスの第2の電極1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図3(A)では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)は透明な基材1033に設けている。また、ブラックマトリクス1035をさらに設けても良い。着色層及びブラックマトリクスが設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及びブラックマトリクス1035は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図3(A)においては、光が着色層を透過せずに外部へと出る発光層と、各色の着色層を透過して外部に光が出る発光層とがあり、着色層を透過しない光は白、着色層を透過する光は赤、緑、青となることから、4色の画素で映像を表現することができる。
図3(B)では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示した。このように、着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられていても良い。
また、以上に説明した発光装置では、FETが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の発光装置としても良い。トップエミッション型の発光装置の断面図を図4に示す。この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。FETと発光デバイスの陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の発光装置と同様に形成する。その後、第3の層間絶縁膜1037を電極1022を覆って形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜と同様の材料の他、他の公知の材料を用いて形成することができる。
発光デバイスの第1の電極1024W、1024R、1024G、1024Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図4のようなトップエミッション型の発光装置である場合、第1の電極を反射電極とすることが好ましい。EL層1028の構成は、実施の形態2においてEL層103として説明したような構成とし、且つ、白色の発光が得られるような素子構造とする。
図4のようなトップエミッションの構造では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するようにブラックマトリクス1035を設けても良い。着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)やブラックマトリックスはオーバーコート層1036によって覆われていても良い。なお封止基板1031は透光性を有する基板を用いることとする。また、ここでは赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定されず、赤、黄、緑、青の4色や赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行ってもよい。
トップエミッション型の発光装置では、マイクロキャビティ構造の適用が好適に行える。マイクロキャビティ構造を有する発光デバイスは、第1の電極を反射電極、第2の電極を半透過・半反射電極とすることにより得られる。反射電極と半透過・半反射電極との間には少なくともEL層を有し、少なくとも発光領域となる発光層を有している。
なお、反射電極は、可視光の反射率が40%乃至100%、好ましくは70%乃至100%であり、かつその抵抗率が1×10-2Ωcm以下の膜であるとする。また、半透過・半反射電極は、可視光の反射率が20%乃至80%、好ましくは40%乃至70%であり、かつその抵抗率が1×10-2Ωcm以下の膜であるとする。
EL層に含まれる発光層から射出される発光は、反射電極と半透過・半反射電極とによって反射され、共振する。
当該発光デバイスは、透明導電膜や上述の複合材料、キャリア輸送材料などの厚みを変えることで反射電極と半透過・半反射電極の間の光学的距離を変えることができる。これにより、反射電極と半透過・半反射電極との間において、共振する波長の光を強め、共振しない波長の光を減衰させることができる。
なお、反射電極によって反射されて戻ってきた光(第1の反射光)は、発光層から半透過・半反射電極に直接入射する光(第1の入射光)と大きな干渉を起こすため、反射電極と発光層の光学的距離を(2n-1)λ/4(ただし、nは1以上の自然数、λは増幅したい発光の波長)に調節することが好ましい。当該光学的距離を調節することにより、第1の反射光と第1の入射光との位相を合わせ発光層からの発光をより増幅させることができる。
なお、上記構成においてEL層は、複数の発光層を有する構造であっても、単一の発光層を有する構造であっても良く、例えば、上述のタンデム型発光デバイスの構成と組み合わせて、一つの発光デバイスに電荷発生層を挟んで複数のEL層を設け、それぞれのEL層に単数もしくは複数の発光層を形成する構成に適用してもよい。
マイクロキャビティ構造を有することで、特定波長の正面方向の発光強度を強めることが可能となるため、低消費電力化を図ることができる。なお、赤、黄、緑、青の4色の副画素で映像を表示する発光装置の場合、黄色発光による輝度向上効果のうえ、全副画素において各色の波長に合わせたマイクロキャビティ構造を適用できるため良好な特性の発光装置とすることができる。
本実施の形態における発光装置は、実施の形態2に記載の発光デバイスを用いているため、良好な特性を備えた発光装置を得ることができる。具体的には、実施の形態2に記載の発光デバイスは発光効率が良好なため、消費電力の小さい発光装置とすることが可能である。
ここまでは、アクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、以下からはパッシブマトリクス型の発光装置について説明する。図5には本発明を適用して作製したパッシブマトリクス型の発光装置を示す。なお、図5(A)は、発光装置を示す斜視図、図5(B)は図5(A)をX-Yで切断した断面図である。図5において、基板951上には、電極952と電極956との間にはEL層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光デバイスの不良を防ぐことが出来る。また、パッシブマトリクス型の発光装置においても、実施の形態2に記載の発光デバイスを用いており、信頼性の良好な発光装置、又は消費電力の小さい発光装置とすることができる。
以上、説明した発光装置は、マトリクス状に配置された多数の微小な発光デバイスをそれぞれ制御することが可能であるため、画像の表現を行う表示装置として好適に利用できる発光装置である。
また、本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2に記載の発光デバイスを照明装置として用いる例を図6を参照しながら説明する。図6(B)は照明装置の上面図、図6(A)は図6(B)におけるe-f断面図である。
本実施の形態における照明装置は、支持体である透光性を有する基板400上に、第1の電極401が形成されている。第1の電極401は実施の形態1における第1の電極101に相当する。第1の電極401側から発光を取り出す場合、第1の電極401は透光性を有する材料により形成する。
第2の電極404に電圧を供給するためのパッド412が基板400上に形成される。
第1の電極401上にはEL層403が形成されている。EL層403は実施の形態1におけるEL層103の構成、又は発光ユニット511、512及び電荷発生層513を合わせた構成などに相当する。なお、これらの構成については当該記載を参照されたい。
EL層403を覆って第2の電極404を形成する。第2の電極404は実施の形態1における第2の電極102に相当する。発光を第1の電極401側から取り出す場合、第2の電極404は反射率の高い材料によって形成される。第2の電極404はパッド412と接続することによって、電圧が供給される。
以上、第1の電極401、EL層403、及び第2の電極404を有する発光デバイスを本実施の形態で示す照明装置は有している。当該発光デバイスは発光効率の高い発光デバイスであるため、本実施の形態における照明装置は消費電力の小さい照明装置とすることができる。
以上の構成を有する発光デバイスが形成された基板400と、封止基板407とをシール材405、406を用いて固着し、封止することによって照明装置が完成する。シール材405、406はどちらか一方でもかまわない。また、内側のシール材406(図6(B)では図示せず)には乾燥剤を混ぜることもでき、これにより、水分を吸着することができ、信頼性の向上につながる。
また、パッド412と第1の電極401の一部をシール材405、406の外に伸張して設けることによって、外部入力端子とすることができる。また、その上にコンバーターなどを搭載したICチップ420などを設けても良い。
以上、本実施の形態に記載の照明装置は、ELデバイスに実施の形態2に記載の発光デバイスを用いており、消費電力の小さい発光装置とすることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態2に記載の発光デバイスをその一部に含む電子機器の例について説明する。実施の形態2に記載の発光デバイスは発光効率が良好であり、消費電力の小さい発光デバイスである。その結果、本実施の形態に記載の電子機器は、消費電力が小さい発光部を有する電子機器とすることが可能である。
上記発光デバイスを適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を以下に示す。
図7(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置は、筐体7101に表示部7103が組み込まれている。また、ここでは、スタンド7105により筐体7101を支持した構成を示している。表示部7103により、映像を表示することが可能であり、表示部7103は、実施の形態2に記載の発光デバイスをマトリクス状に配列して構成されている。
テレビジョン装置の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7110により行うことができる。リモコン操作機7110が備える操作キー7109により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7103に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機7110に、当該リモコン操作機7110から出力する情報を表示する表示部7107を設ける構成としてもよい。
なお、テレビジョン装置は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図7(B1)はコンピュータであり、本体7201、筐体7202、表示部7203、キーボード7204、外部接続ポート7205、ポインティングデバイス7206等を含む。なお、このコンピュータは、実施の形態2に記載の発光デバイスをマトリクス状に配列して表示部7203に用いることにより作製される。図7(B1)のコンピュータは、図7(B2)のような形態であっても良い。図7(B2)のコンピュータは、キーボード7204、ポインティングデバイス7206の代わりに第2の表示部7210が設けられている。第2の表示部7210はタッチパネル式となっており、第2の表示部7210に表示された入力用の表示を指や専用のペンで操作することによって入力を行うことができる。また、第2の表示部7210は入力用表示だけでなく、その他の画像を表示することも可能である。また表示部7203もタッチパネルであっても良い。二つの画面がヒンジで接続されていることによって、収納や運搬をする際に画面を傷つける、破損するなどのトラブルの発生も防止することができる。
図7(C)は、携帯端末の一例を示している。携帯電話機は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機は、実施の形態2に記載の発光デバイスをマトリクス状に配列して作製された表示部7402を有している。
図7(C)に示す携帯端末は、表示部7402を指などで触れることで、情報を入力することができる構成とすることもできる。この場合、電話を掛ける、或いはメールを作成するなどの操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
表示部7402の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部7402を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合、表示部7402の画面のほとんどにキーボードまたは番号ボタンを表示させることが好ましい。
また、携帯端末内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、携帯端末の向き(縦か横か)を判断して、表示部7402の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
また、画面モードの切り替えは、表示部7402を触れること、又は筐体7401の操作ボタン7403の操作により行われる。また、表示部7402に表示される画像の種類によって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
また、入力モードにおいて、表示部7402の光センサで検出される信号を検知し、表示部7402のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
表示部7402は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部7402に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライトまたは近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
なお、本実施の形態に示す構成は、実施の形態1乃至実施の形態4に示した構成を適宜組み合わせて用いることができる。
以上の様に実施の形態2に記載の発光デバイスを備えた発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。実施の形態2に記載の発光デバイスを用いることにより消費電力の小さい電子機器を得ることができる。
図8(A)は、掃除ロボットの一例を示す模式図である。
掃除ロボット5100は、上面に配置されたディスプレイ5101、側面に配置された複数のカメラ5102、ブラシ5103、操作ボタン5104を有する。また図示されていないが、掃除ロボット5100の下面には、タイヤ、吸い込み口等が備えられている。掃除ロボット5100は、その他に赤外線センサ、超音波センサ、加速度センサ、ピエゾセンサ、光センサ、ジャイロセンサなどの各種センサを備えている。また、掃除ロボット5100は、無線による通信手段を備えている。
掃除ロボット5100は自走し、ゴミ5120を検知し、下面に設けられた吸い込み口からゴミを吸引することができる。
また、掃除ロボット5100はカメラ5102が撮影した画像を解析し、壁、家具または段差などの障害物の有無を判断することができる。また、画像解析により、配線などブラシ5103に絡まりそうな物体を検知した場合は、ブラシ5103の回転を止めることができる。
ディスプレイ5101には、バッテリーの残量や、吸引したゴミの量などを表示することができる。掃除ロボット5100が走行した経路をディスプレイ5101に表示させてもよい。また、ディスプレイ5101をタッチパネルとし、操作ボタン5104をディスプレイ5101に設けてもよい。
掃除ロボット5100は、スマートフォンなどの携帯電子機器5140と通信することができる。カメラ5102が撮影した画像は、携帯電子機器5140に表示させることができる。そのため、掃除ロボット5100の持ち主は、外出先からでも、部屋の様子を知ることができる。また、ディスプレイ5101の表示をスマートフォンなどの携帯電子機器で確認することもできる。
本発明の一態様の発光装置はディスプレイ5101に用いることができる。
図8(B)に示すロボット2100は、演算装置2110、照度センサ2101、マイクロフォン2102、上部カメラ2103、スピーカ2104、ディスプレイ2105、下部カメラ2106および障害物センサ2107、移動機構2108を備える。
マイクロフォン2102は、使用者の話し声及び環境音等を検知する機能を有する。また、スピーカ2104は、音声を発する機能を有する。ロボット2100は、マイクロフォン2102およびスピーカ2104を用いて、使用者とコミュニケーションをとることが可能である。
ディスプレイ2105は、種々の情報の表示を行う機能を有する。ロボット2100は、使用者の望みの情報をディスプレイ2105に表示することが可能である。ディスプレイ2105は、タッチパネルを搭載していてもよい。また、ディスプレイ2105は取り外しのできる情報端末であっても良く、ロボット2100の定位置に設置することで、充電およびデータの受け渡しを可能とする。
上部カメラ2103および下部カメラ2106は、ロボット2100の周囲を撮像する機能を有する。また、障害物センサ2107は、移動機構2108を用いてロボット2100が前進する際の進行方向における障害物の有無を察知することができる。ロボット2100は、上部カメラ2103、下部カメラ2106および障害物センサ2107を用いて、周囲の環境を認識し、安全に移動することが可能である。本発明の一態様の発光装置はディスプレイ2105に用いることができる。
図8(C)はゴーグル型ディスプレイの一例を表す図である。ゴーグル型ディスプレイは、例えば、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい、又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、表示部5002、支持部5012、イヤホン5013等を有する。
本発明の一態様の発光装置は表示部5001および表示部5002に用いることができる。
図9は、実施の形態2に記載の発光デバイスを、照明装置である電気スタンドに用いた例である。図9に示す電気スタンドは、筐体2001と、光源2002を有し、光源2002としては、実施の形態3に記載の照明装置を用いても良い。
図10は、実施の形態2に記載の発光デバイスを、室内の照明装置3001として用いた例である。実施の形態2に記載の発光デバイスは発光効率の高い発光デバイスであるため、消費電力の小さい照明装置とすることができる。また、実施の形態2に記載の発光デバイスは大面積化が可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。また、実施の形態2に記載の発光デバイスは、薄型であるため、薄型化した照明装置として用いることが可能となる。
実施の形態2に記載の発光デバイスは、自動車のフロントガラスやダッシュボードにも搭載することができる。図11に実施の形態2に記載の発光デバイスを自動車のフロントガラスやダッシュボードに用いる一態様を示す。表示領域5200乃至表示領域5203は実施の形態2に記載の発光デバイスを用いて設けられた表示である。
表示領域5200と表示領域5201は自動車のフロントガラスに設けられた実施の形態2に記載の発光デバイスを搭載した表示装置である。実施の形態2に記載の発光デバイスは、第1の電極と第2の電極を透光性を有する電極で作製することによって、反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態の表示装置とすることができる。シースルー状態の表示であれば、自動車のフロントガラスに設置したとしても、視界の妨げになることなく設置することができる。なお、駆動のためのトランジスタなどを設ける場合には、有機半導体材料による有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたトランジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いると良い。
表示領域5202はピラー部分に設けられた実施の形態2に記載の発光デバイスを搭載した表示装置である。表示領域5202には、車体に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を補完することができる。また、同様に、ダッシュボード部分に設けられた表示領域5203は車体によって遮られた視界を、自動車の外側に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高めることができる。見えない部分を補完するように映像を映すことによって、より自然に違和感なく安全確認を行うことができる。
表示領域5203はまたナビゲーション情報、速度や回転数、エアコンの設定などを表示することで、様々な情報を提供することができる。表示は使用者の好みに合わせて適宜その表示項目やレイアウトを変更することができる。なお、これら情報は表示領域5200乃至表示領域5203にも設けることができる。また、表示領域5200乃至表示領域5203は照明装置として用いることも可能である。
また、図12(A)、(B)に、折りたたみ可能な携帯情報端末5150を示す。折りたたみ可能な携帯情報端末5150は筐体5151、表示領域5152および屈曲部5153を有している。図12(A)に展開した状態の携帯情報端末5150を示す。図12(B)に折りたたんだ状態の携帯情報端末を示す。携帯情報端末5150は、大きな表示領域5152を有するにも関わらず、折りたためばコンパクトで可搬性に優れる。
表示領域5152は屈曲部5153により半分に折りたたむことができる。屈曲部5153は伸縮可能な部材と複数の支持部材とで構成されており、折りたたむ場合は、伸縮可能な部材が伸び。屈曲部5153は2mm以上、好ましくは3mm以上の曲率半径を有して折りたたまれる。
なお、表示領域5152は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。本発明の一態様の発光装置を表示領域5152に用いることができる。
また、図13(A)~(C)に、折りたたみ可能な携帯情報端末9310を示す。図13(A)に展開した状態の携帯情報端末9310を示す。図13(B)に展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の携帯情報端末9310を示す。図13(C)に折りたたんだ状態の携帯情報端末9310を示す。携帯情報端末9310は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。
表示パネル9311はヒンジ9313によって連結された3つの筐体9315に支持されている。なお、表示パネル9311は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。また、表示パネル9311は、ヒンジ9313を介して2つの筐体9315間を屈曲させることにより、携帯情報端末9310を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。本発明の一態様の発光装置を表示パネル9311に用いることができる。
≪合成例1≫
本実施例では、実施の形態1で示した本発明の一態様のアリールアミン化合物である、N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-N-フェニル-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPFA-02)の合成方法について説明する。mmtBumTPFA-02の構造を以下に示す。
<ステップ1:3-ブロモ-3’,5,5’-トリ-tert-ブチルビフェニルの合成>
三口フラスコに1,3-ジブロモ-5-tert-ブチルベンゼン37.2g(128mmol)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニルボロン酸20.0g(85mmol)、炭酸カリウム35.0g(255mmol)、トルエン570mL、エタノール170mL、水道水130mLを入れ、減圧下に脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、酢酸パラジウム382mg(1.7mmol)、トリフェニルホスフィン901mg(3.4mmol)を加え、約5時間、40℃にて加熱した。その後、室温に戻し有機層と水層を分液した。この有機層に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し濃縮した。得られた溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物である無色油状物を21.5g、収率63%で得た。ステップ1の合成スキームを下式に示す。
<ステップ2:2-(3’,5,5’-トリ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成>
三口フラスコにステップ1で得られた3-ブロモ-3’,5,5’-トリ-tert-ブチルビフェニル15.0g(38mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン10.5g(41mmol)、酢酸カリウム11.0g(113mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド125mLを入れ、減圧下で脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)1.5g(1.9mmol)を加え、約3時間、100℃にて加熱した。その後、室温に戻し有機層と水層を分液し、酢酸エチルにより抽出操作を行った。この抽出溶液に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し濃縮した。得られた混合物のトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を13.6g、収率81%で得た。ステップ2の合成スキームを下式に示す。
<ステップ3:3-ブロモ-3’’,5,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成>
三口フラスコに2-(3’,5,5’-トリ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン5.0g(11.1mmol)、1,3-ジブロモ-5-tert-ブチルベンゼン4.8g(16.7mmol)、炭酸カリウム4.6g(33.3mmol)、トルエン56mL、エタノール22mL、水道水17mLを入れ、減圧下に脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、酢酸パラジウム50mg(0.22mmol)、トリフェニルホスフィン116mg(0.44mmol)を加え、約10時間、80℃にて加熱した。その後、室温に戻し有機層と水層を分液した。この溶液に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し濃縮した。得られた溶液のヘキサン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物の白色固体を3.0g、収率51.0%で得た。また、ステップ3の3-ブロモ-3’’,5,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成スキームを下式に示す。
<ステップ4:mmtBumTPFA-02の合成>
三口フラスコに3-ブロモ-3’’,5,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル3.0g(5.6mmol)、2-アニリノ-9,9-ジメチルフルオレン1.6g(5.6mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド1.6g(16.8mmol)、トルエン28mLを入れ、減圧下で脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)64mg(0.11mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル138mg(0.34mmol)を加え、この混合物を約8時間120℃にて加熱した。その後、フラスコの温度を約60℃に戻し、水約1mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃でエタノールを減圧除去し、目的物である白色固体を3.2g、収率78%で得た。また、ステップ4のmmtBumTPFA-02の合成スキームを下式に示す。
なお、上記ステップ4で得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図14(A)(B)に示す。なお、図14(B)は図14(A)における6.5ppmから8.0ppmの範囲を拡大して示したグラフである。また、数値データを下に示す。このことから、本合成例において、N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-N-フェニル-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミンが合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.63(d,1H,J=6.9Hz),7.58(d,1H,J=8.0Hz),7.51(dd,1H,J=1.7Hz),7.47(dd,1H,J=1.7Hz),7.45(dd,1H,J=1.7Hz),7.43(dd,1H,J=1.7Hz),7.39(s,1H),7.38(s,1H),7.38(s,1H),7.26-7.32(m,4H),7.19-7.25(m,5H),7.17(dd,1H,J=1.7Hz),7.07(d,1H,J=6.3Hz),7.02(dd,1H,J=7.5Hz),1.42(s,6H),1.38(s,9H),1.36(s,18H),1.29(s,9H).
次に、得られた白色固体3.2gをトレインサブリメーション法により、圧力2.9Pa、アルゴン流量10.0mL/min、235℃の条件で昇華精製を行った。昇華精製後、微黄白色固体2.7g、回収率84%で得た。
次に、mmtBumTPFA-02のトルエン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 FP-8600型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図15に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。また、図15において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図15に示す吸光度は、トルエン溶液を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、トルエンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図15に示す通り、mmtBumTPFA-02は、395nmに発光ピークを有していた。
次に、本実施例で得られたmmtBumTPFA-02を液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Ultimate3000によりLC(液体クロマトグラフィー)分離を行い、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Q ExactiveによりMS分析(質量分析)を行った。
LC分離は、任意のカラムを用いてカラム温度は40℃とし、送液条件は溶媒を適宜選択し、サンプルは任意の濃度のmmtBumTPFA-02を有機溶媒に溶かして調整し、注入量は5.0μLとした。
PRM法により、mmtBumTPFA-02由来のイオンであるm/z=738.50のMS2測定を行なった。PRMの設定は、ターゲットイオンの質量範囲をm/z=738.50±2.0(isolation window=4)とし、検出はポジティブモードで行った。コリジョンセル内でターゲットイオンを加速するエネルギーNCE(Normalized Collision Energy)を60として測定した。得られたMSスペクトルを図16に示す。
また、図17にmmtBumTPFA-02の屈折率を分光エリプソメーター(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製M-2000U)を用いて測定した結果を示す。測定には、石英基板上に各層の材料を真空蒸着法により約50nm成膜した膜を使用した。なお、図には、常光線の屈折率であるn, Ordinaryと異常光線の屈折率であるn, Extra-ordinaryとを記載した。
この図から、mmtBumTPFA-02は青色発光領域(波長455nm以上465nm以下)全域の光における常光屈折率が1.68で1.50以上1.75以下の範囲にあり、また、波長633nmの光における常光屈折率も1.63で1.45以上1.70以下の範囲にあり、屈折率の低い材料であることがわかった。
次に、mmtBumTPFA-02のガラス転移点(以下、「Tg」という)を測定した。Tgは、示差走査熱量測定装置((株)パーキンエルマージャパン製、PYRIS1DSC)を用い、アルミセルに粉末を乗せ、測定した。この結果、mmtBumTPFA-02のTgは109℃であった。
≪合成例2≫
本実施例では、実施の形態1で示した本発明の一態様のアリールアミン化合物である、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPFBi-02)の合成方法について説明する。なお、mmtBumTPFBi-02の構造を以下に示す。
<ステップ1:3-ブロモ-3’,5,5’-トリ-tert-ブチルビフェニルの合成>
合成例1のステップ1と同様に合成した。
<ステップ2:2-(3’,5,5’-トリ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成>
合成例1のステップ2と同様に合成した。
<ステップ3:3-ブロモ-3’’,5,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成>
合成例1のステップ3と同様に合成した。
<ステップ4:mmtBumTPFBi-02の合成>
三口フラスコにステップ3で得られた3-ブロモ-3’’,5,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル3.0g(5.6mmol)、2-(4-ビフェニリル)アミノ-9,9-ジメチルフルオレン2.0g(5.6mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド1.6g(16.8mmol)、トルエン28mLを入れ、減圧下で脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)64mg(0.11mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル138mg(0.34mmol)を加え、約8時間、120℃にて加熱した。その後、フラスコの温度を約60℃に戻し、水約1mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を3.5g、収率77%で得た。ステップ4の合成スキームを下式に示す。
上記より得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図18(A)(B)に示す。なお、図18(B)は図18(A)における7.0ppmから8.0ppmの範囲を拡大して示したグラフである。また、数値データを下に示す。このことから、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミンが合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.65(d,1H,J=7.4Hz),7.61(s,1H),7.58-7.60(m,2H),7.49-7.51(m,4H),7.47(dd,1H,J=1.7Hz),7.38-7.43(m,6H),7.23-7.25(m,2H),7.14(dd,1H,J=1.7Hz),1.44(s,6H),1.39(s,9H),1.34(s,18H),1.31(s,9H).
次に、得られた白色固体3.5gをトレインサブリメーション法により、圧力2.6Pa、アルゴン流量10.0mL/min、255℃の条件で昇華精製を行った。昇華精製後、白色固体2.9g、回収率83%で得た。
次に、mmtBumTPFBi-02のトルエン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 FP-8600型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図19に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。また、図19において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図19に示す吸光度は、トルエン溶液を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、トルエンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図19に示す通り、mmtBumTPFBi-02は、392nmに発光ピークを有していた。
次に、本実施例で得られたmmtBumTPFBi-02を液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Ultimate3000によりLC(液体クロマトグラフィー)分離を行い、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Q ExactiveによりMS分析(質量分析)を行った。
LC分離は、任意のカラムを用いてカラム温度は40℃とし、送液条件は溶媒を適宜選択し、サンプルは任意の濃度のmmtBumTPFBi-02を有機溶媒に溶かして調整し、注入量は5.0μLとした。
PRM法により、mmtBumTPFBi-02由来のイオンであるm/z=814.53のMS2測定を行なった。PRMの設定は、ターゲットイオンの質量範囲をm/z=814.53±2.0(isolation window=4)とし、検出はポジティブモードで行った。コリジョンセル内でターゲットイオンを加速するエネルギーNCE(Normalized Collision Energy)を50として測定した。得られたMSスペクトルを図20に示す。
また、図21にmmtBumTPFBi-02の屈折率を分光エリプソメーター(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製M-2000U)を用いて測定した結果を示す。測定には、石英基板上に各層の材料を真空蒸着法により約50nm成膜した膜を使用した。なお、図には、常光線の屈折率であるn, Ordinaryと異常光線の屈折率であるn, Extra-ordinaryとを記載した。
この図から、mmtBumTPFBi-02は青色発光領域(波長455nm以上465nm以下)全域の光における常光屈折率が1.71から1.72で1.50以上1.75以下の範囲にあり、また、波長633nmの光における常光屈折率も1.65で1.45以上1.70以下の範囲にあり、屈折率の低い材料であることがわかった。
次に、mmtBumTPFBi-02のガラス転移点(以下、「Tg」という)を測定した。Tgは、示差走査熱量測定装置((株)パーキンエルマージャパン製、PYRIS1DSC)を用い、アルミセルに粉末を乗せ、測定した。この結果、mmtBumTPFBi-02のTgは126℃であった。
≪合成例3≫
本実施例では、実施の形態1で示した本発明の一態様のアリールアミン化合物である、N-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPoFBi-02)の合成方法について説明する。mmtBumTPoFBi-02の構造を以下に示す。
<ステップ1:3-ブロモ-3’,5,5’-トリ-tert-ブチルビフェニルの合成>
合成例1のステップ1と同様に合成した。
<ステップ2:2-(3’,5,5’-トリ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成>
合成例1のステップ2と同様に合成した。
<ステップ3:3-ブロモ-3’’,5,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成>
合成例1のステップ3と同様に合成した。
<ステップ4:mmtBumTPoFBi-02の合成>
三口フラスコにステップ3で得られた3-ブロモ-3’’,5,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル5.8g(10.9mmol)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-フェニル-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン3.9g(10.9mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド3.1g(32.7mmol)、トルエン55mLを入れ、減圧下で脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)64mg(0.11mmol)、トリ-tert-ブチルホスフィン132mg(0.65mmol)を加え、約2時間、80℃にて加熱した。その後、フラスコの温度を約60℃に戻し、水約1mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を8.1g、収率91%で得た。mmtBumTPoFBi-02の合成スキームを下記式に示す。
なお、上記より得られた白色粉末の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図22(A)(B)に示す。なお、図22(B)は図22(A)における6.5ppmから8.0ppmの範囲を拡大して示したグラフである。また、数値データを下に示す。このことからN-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミンが合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.56(d,1H,J=7.4Hz),7.50(dd,1H,J=1.7Hz),7.33-7.46(m,11H),7.27-7.29(m,2H),7.22(dd,1H,J=2.3Hz),7.15(d,1H,J=6.9Hz),6.98-7.07(m,7H),6.93(s,1H),6.84(d,1H,J=6.3Hz),1.38(s,9H),1.37(s,18H),1.31(s,6H),1.20(s,9H).
次に、得られた白色固体8.0gをトレインサブリメーション法により、圧力3.4Pa、アルゴン流量15.0mL/min、260℃の条件で昇華精製した。昇華精製後、微黄白色固体7.1g、回収率89%で得た。
次に、mmtBumTPoFBi-02のトルエン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 FP-8600型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図23に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。また、図23において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図23に示す吸光度は、トルエン溶液を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、トルエンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図23に示す通り、mmtBumTPoFBi-02は、403nmに発光ピークを有していた。
次に、本実施例で得られたmmtBumTPoFBi-02を液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Ultimate3000によりLC(液体クロマトグラフィー)分離を行い、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Q ExactiveによりMS分析(質量分析)を行った。
LC分離は、任意のカラムを用いてカラム温度は40℃とし、送液条件は溶媒を適宜選択し、サンプルは任意の濃度のmmtBumTPoFBi-02を有機溶媒に溶かして調整し、注入量は5.0μLとした。
PRM法により、mmtBumTPoFBi-02由来のイオンであるm/z=814.53のMS2測定を行なった。PRMの設定は、ターゲットイオンの質量範囲をm/z=814.53±2.0(isolation window=4)とし、検出はポジティブモードで行った。コリジョンセル内でターゲットイオンを加速するエネルギーNCE(Normalized Collision Energy)を60として測定した。得られたMSスペクトルを図24に示す。
また、図25にmmtBumTPoFBi-02の屈折率を分光エリプソメーター(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製M-2000U)を用いて測定した結果を示す。測定には、石英基板上に各層の材料を真空蒸着法により約50nm成膜した膜を使用した。なお、図には、常光線の屈折率であるn, Ordinaryと異常光線の屈折率であるn, Extra-ordinaryとを記載した。
この図から、mmtBumTPoFBi-02は青色発光領域(波長455nm以上465nm以下)全域の光における常光屈折率が1.69から1.70で1.50以上1.75以下の範囲にあり、また、波長633nmの光における常光屈折率も1.64で1.45以上1.70以下の範囲にあり、屈折率の低い材料であることがわかった。
次に、mmtBumTPoFBi-02のガラス転移点(以下、「Tg」という)を測定した。Tgは、示差走査熱量測定装置((株)パーキンエルマージャパン製、PYRIS1DSC)を用い、アルミセルに粉末を乗せ、測定した。この結果、mmtBumTPoFBi-02のTgは126℃であった。
≪合成例4≫
本実施例では、実施の形態1に示した本発明の一態様のアリールアミン化合物である、N-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPchPAF-02)の合成方法について説明する。mmtBumTPchPAF-02の構造を以下に示す。
<ステップ1:3-ブロモ-3’,5,5’-トリ-tert-ブチルビフェニルの合成>
合成例1のステップ1と同様に合成した。
<ステップ2:2-(3’,5,5’-トリ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成>
合成例1のステップ2と同様に合成した。
<ステップ3:3-ブロモ-3’’,5,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成>
合成例1のステップ3と同様に合成した。
<ステップ4:mmtBumTPchPAF-02の合成>
三口フラスコにステップ3で得られた3-ブロモ-3’’,5,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル3.0g(5.6mmol)、N-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)アミン2.1g(5.6mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド1.6g(16.9mmol)、トルエン28mLを入れ、減圧下で脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)65mg(0.11mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル139mg(0.34mmol)を加え、約2時間、80℃にて加熱した。その後、フラスコの温度を約60℃に戻し、水約1mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を3.7g、収率80%で得た。mmtBumTPchPAF-02の合成スキームを下式に示す。
なお、上記より得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図26(A)(B)に示す。なお、図26(B)は図26(A)における6.5ppmから8.0ppmの範囲を拡大して示したグラフである。また、数値データを下に示す。このことから本合成例においてmmtBumTPchPAF-02が合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.62(d,1H,J=7.5Hz),7.56(d,1H,J=8.0Hz),7.50(dd,1H,J=1.7Hz),7.46-7.47(m,2H),7.43(dd,1H,J=1.7Hz),7.37-7.39(m,3H),7.29-7.32(m,2H),7.23-7.25(m,2H),7.20(dd,1H,J=1.7Hz),7.09-7.14(m,5H),7.05(dd,1H,J=2.3Hz),2.46(brm,1H),1.83-1.88(m,4H),1.73-1.75(brm,1H),1.42(s,6H),1.38(s,9H),1.36(s,18H),1.29(s,9H)
次に、得られた白色固体3.5gをトレインサブリメーション法により、圧力4.0Pa、アルゴン流量15.0mL/min、265℃の条件で昇華精製した。昇華精製後、微黄白色固体3.1g、回収率89%で得た。
次に、mmtBumTPchPAF-02のトルエン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 FP-8600型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図27に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。また、図27において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図27に示す吸光度は、トルエン溶液を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、トルエンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図27に示す通り、mmtBumTPchPAF-02は、395nmに発光ピークを有していた。
次に、本実施例で得られたmmtBumTPchPAF-02を液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Ultimate3000によりLC(液体クロマトグラフィー)分離を行い、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Q ExactiveによりMS分析(質量分析)を行った。
LC分離は、任意のカラムを用いてカラム温度は40℃とし、送液条件は溶媒を適宜選択し、サンプルは任意の濃度のmmtBumTPchPAF-02を有機溶媒に溶かして調整し、注入量は5.0μLとした。
PRM法により、mmtBumTPchPAF-02由来のイオンであるm/z=820.58のMS2測定を行なった。PRMの設定は、ターゲットイオンの質量範囲をm/z=820.58±2.0(isolation window=4)とし、検出はポジティブモードで行った。コリジョンセル内でターゲットイオンを加速するエネルギーNCE(Normalized Collision Energy)を60として測定した。得られたMSスペクトルを図28に示す。
また、図29にmmtBumTPchPAF-02の屈折率を分光エリプソメーター(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製M-2000U)を用いて測定した結果を示す。測定には、石英基板上に各層の材料を真空蒸着法により約50nm成膜した膜を使用した。なお、図には、常光線の屈折率であるn, Ordinaryと異常光線の屈折率であるn, Extra-ordinaryとを記載した。
この図から、mmtBumTPchPAF-02は青色発光領域(波長455nm以上465nm以下)全域の光における常光屈折率が1.67から1.68で1.50以上1.75以下の範囲にあり、また、波長633nmの光における常光屈折率も1.62で1.45以上1.70以下の範囲にあり、屈折率の低い材料であることがわかった。
次に、mmtBumTPchPAF-02のガラス転移点(以下、「Tg」という)を測定した。Tgは、示差走査熱量測定装置((株)パーキンエルマージャパン製、PYRIS1DSC)を用い、アルミセルに粉末を乗せ、測定した。この結果、mmtBumTPchPAF-02のTgは127℃であった。
≪合成例5≫
本実施例では、実施の形態1で示した本発明の一態様のアリールアミン化合物である、N-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPoFBi-03)の合成方法について説明する。mmtBumTPoFBi-03の構造を以下に示す。
<ステップ1:3-ブロモ-3’,5,5’-トリ-tert-ブチルビフェニルの合成>
合成例1のステップ1と同様に合成した。
<ステップ2:2-(3’,5,5’-トリ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成>
合成例1のステップ2と同様に合成した。
<ステップ3:3-ブロモ-3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成>
三口フラスコにステップ2で得られた2-(3’,5,5’-トリ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン10.0g(22.3mmol)、1-ブロモ-3-ヨードベンゼン12.8g(26.8mmol)、炭酸カリウム9.2g(66.9mmol)、トルエン112mL、エタノール45mL、水道水33mLを入れ、減圧下で脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、酢酸パラジウム100mg(0.44mmol)、トリフェニルホスフィン233mg(0.89mmol)を加え、約10時間、80℃にて加熱した。その後、室温に戻し有機層と水層を分液した。この溶液に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し濃縮した。得られた溶液のヘキサン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物である白色固体を9.4g、収率89%で得た。ステップ3の合成スキームを下式に示す。
<ステップ4: mmtBumTPoFBi-03の合成>
三口フラスコにステップ3で得られた3-ブロモ-3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル4.0g(8.4mmol)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-フェニル-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン3.0g(8.4mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド2.4g(25.2mmol)、トルエン42mLを入れ、減圧下で脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)97mg(0.17mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル207mg(0.50mmol)を加え、約2時間、80℃にて加熱した。その後、フラスコの温度を約60℃に戻し、水約1mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を3.6g、収率56%で得た。ステップ4の合成スキームを下式に示す。
なお、上記より得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図30(A)(B)に示す。なお、図30(B)は図30(A)における6.5ppmから8.0ppmの範囲を拡大して示したグラフである。また、数値データを下に示す。このことからN-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミンが合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.55(d,1H,J=7.4Hz),7.50(dd,1H,J=1.7Hz),7.42-7.43(m,3H),7.27-7.39(m,10H),7.18-7.25(m,4H),7.00-7.12(m,4H),6.97(dd,1H,J=6.3Hz,1.7Hz),6.93(d,1H,J=1.7Hz),6.82(dd,1H,J=7.3Hz,2.3Hz),1.37(s,9H),1.36(s,18H),1.29(s,6H).
次に、得られた白色固体3.6gをトレインサブリメーション法により、圧力2.3Pa、アルゴン流量15.0mL/min、250℃の条件で昇華精製した。昇華精製後、微黄白色固体3.1gを回収率86%で得た。
次に、mmtBumTPoFBi-03のトルエン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 FP-8600型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図31に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。また、図31において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図31に示す吸光度は、トルエン溶液を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、トルエンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図31に示す通り、mmtBumTPoFBi-03は、403nmに発光ピークを有していた。
次に、本実施例で得られたmmtBumTPoFBi-03を液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Ultimate3000によりLC(液体クロマトグラフィー)分離を行い、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Q ExactiveによりMS分析(質量分析)を行った。
LC分離は、任意のカラムを用いてカラム温度は40℃とし、送液条件は溶媒を適宜選択し、サンプルは任意の濃度のmmtBumTPoFBi-03を有機溶媒に溶かして調整し、注入量は5.0μLとした。
PRM法により、mmtBumTPoFBi-03由来のイオンであるm/z=758.47のMS2測定を行なった。PRMの設定は、ターゲットイオンの質量範囲をm/z=758.47±2.0(isolation window=4)とし、検出はポジティブモードで行った。コリジョンセル内でターゲットイオンを加速するエネルギーNCE(Normalized Collision Energy)を50として測定した。得られたMSスペクトルを図32に示す。
また、図33にmmtBumTPoFBi-03の屈折率を分光エリプソメーター(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製M-2000U)を用いて測定した結果を示す。測定には、石英基板上に各層の材料を真空蒸着法により約50nm成膜した膜を使用した。なお、図には、常光線の屈折率であるn, Ordinaryと異常光線の屈折率であるn, Extra-ordinaryとを記載した。
この図から、mmtBumTPoFBi-03は青色発光領域(波長455nm以上465nm以下)全域の光における常光屈折率が1.69から1.70で1.50以上1.75以下の範囲にあり、また、波長633nmの光における常光屈折率も1.64で1.45以上1.70以下の範囲にあり、屈折率の低い材料であることがわかった。
≪合成例6≫
本実施例では、実施の形態1で示した本発明の一態様のアリールアミン化合物である、N-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPchPAF-03)の合成方法について説明する。mmtBumTPchPAF-03の構造を以下に示す。
<ステップ1:3-ブロモ-3’,5,5’-トリ-tert-ブチルビフェニルの合成>
合成例1のステップ1と同様に合成した。
<ステップ2:2-(3’,5,5’-トリ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成>
合成例1のステップ2と同様に合成した。
<ステップ3:3-ブロモ-3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成>
合成例5のステップ3と同様に合成した。
<ステップ4:mmtBumTPchPAF-03の合成>
三口フラスコにステップ3で得られた3-ブロモ-3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル2.3g(4.8mmol)、N-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)アミン1.8g(4.8mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド1.4g(14.4mmol)、トルエン24mLを入れ、減圧下で脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)55mg(0.10mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル118mg(0.29mmol)を加え、約2時間、80℃にて加熱した。その後、フラスコの温度を約60℃に戻し、水約1mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を2.9g、収率80%で得た。ステップ4の合成スキームを下式に示す。
なお、上記より得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図34(A)(B)に示す。なお、図34(B)は図34(A)における6.5ppmから8.0ppmの範囲を拡大して示したグラフである。また、数値データを下に示す。このことからN-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミンが合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.62(d,1H,J=7.5Hz),7.56(d,1H,J=8.6Hz),7.51(dd,1H,J=1.7Hz),7.48(dd,1H,J=1.7Hz),7.46(dd,1H,J=1.7Hz),7.42(dd,1H,J=1.7Hz),7.37-7.39(m,4H),7.27-7.33(m,2H),7.23-7.25(m,2H),7.05-7.13(m,7H),2.46(brm,1H),1.83-1.90(m,4H),1.73-1.75(brm,1H),1.41(s,6H),1.37(s,9H),1.35(s,18H).
次に、得られた白色固体2.4gをトレインサブリメーション法により、圧力4.0Pa、アルゴン流量15.0mL/min、230℃の条件で昇華精製した。昇華精製後、微黄白色固体1.9g、回収率79%で得た。
次に、mmtBumTPchPAF-03のトルエン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 FP-8600型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図35に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。また、図35において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図35に示す吸光度は、トルエン溶液を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、トルエンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図35に示す通り、mmtBumTPchPAF-03は、399nmに発光ピークを有していた。
次に、本実施例で得られたmmtBumTPchPAF-03を液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Ultimate3000によりLC(液体クロマトグラフィー)分離を行い、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Q ExactiveによりMS分析(質量分析)を行った。
LC分離は、任意のカラムを用いてカラム温度は40℃とし、送液条件は溶媒を適宜選択し、サンプルは任意の濃度のmmtBumTPchPAF-03を有機溶媒に溶かして調整し、注入量は5.0μLとした。
PRM法により、mmtBumTPchPAF-03由来のイオンであるm/z=764.52のMS2測定を行なった。PRMの設定は、ターゲットイオンの質量範囲をm/z=764.52±2.0(isolation window=4)とし、検出はポジティブモードで行った。コリジョンセル内でターゲットイオンを加速するエネルギーNCE(Normalized Collision Energy)を50として測定した。得られたMSスペクトルを図36に示す。
また、図37にmmtBumTPchPAF-03の屈折率を分光エリプソメーター(ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製M-2000U)を用いて測定した結果を示す。測定には、石英基板上に各層の材料を真空蒸着法により約50nm成膜した膜を使用した。なお、図には、常光線の屈折率であるn, Ordinaryと異常光線の屈折率であるn, Extra-ordinaryとを記載した。
この図から、mmtBumTPchPAF-03は青色発光領域(波長455nm以上465nm以下)全域の光における常光屈折率が1.69から1.70で1.50以上1.75以下の範囲にあり、また、波長633nmの光における常光屈折率も1.64で1.45以上1.70以下の範囲にあり、屈折率の低い材料であることがわかった。
本実施例では、実施の形態で説明した本発明の一態様の発光デバイスおよび比較発光デバイスについて説明する。本実施例で用いた有機化合物の構造式を以下に示す。
(発光デバイス1の作製方法)
まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極101を形成した。なお、その膜厚は55nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、基板上に発光デバイスを形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10-4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度放冷した。
次に、第1の電極101が形成された面が下方となるように、第1の電極101が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、第1の電極101上に、抵抗加熱を用いた蒸着法により上記構造式(i)で表されるN-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPchPAF-02)と電子アクセプタ材料(OCHD-001)とを、重量比で1:0.1(=mmtBumTPchPAF-02:OCHD-001)となるように10nm共蒸着して正孔注入層111を形成した。
次に、正孔注入層111上に、mmtBumTPchPAF-02を膜厚30nmとなるように蒸着した後、上記構造式(ii)で表されるN,N-ビス[4-(ジベンゾフラン-4-イル)フェニル]-4-アミノ-p-ターフェニル(略称:DBfBB1TP)を膜厚10nmとなるように蒸着して正孔輸送層112を形成した。
続いて、上記構造式(iii)で表される9-(1-ナフチル)-10-[4-(2-ナフチル)フェニル]アントラセン(略称:αN-βNPAnth)と上記構造式(iv)で表される3,10-ビス[N-(9-フェニル-9H-カルバゾール-2-イル)-N-フェニルアミノ]ナフト[2,3-b;6,7-b’]ビスベンゾフラン(略称:3,10PCA2Nbf(IV)-02)とを重量比で1:0.015(=αN-βNPAnth:3,10PCA2Nbf(IV)-02)、膜厚25nmとなるように共蒸着して発光層113を形成した。
その後、発光層113上に、上記構造式(v)で表される2-{4-[9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)-2-アントリル]フェニル}-1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール(略称:ZADN)と、上記構造式(vi)で表される8-キノリノラト-リチウム(略称:Liq)とを重量比で1:1(=ZADN:Liq)、膜厚25nmとなるように共蒸着して電子輸送層114を形成した。
電子輸送層114を形成した後、Liqを、1nm蒸着して電子注入層115を形成し、続いてアルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで第2の電極102を形成して本実施例の発光デバイス1を作製した。
(発光デバイス2の作製方法)
発光デバイス2は、発光デバイス1におけるmmtBumTPchPAF-02を、上記構造式(vii)で表されるN-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPoFBi-02)に変えた他は発光デバイス1と同様に作製した。
(比較発光デバイス1の作製方法)
比較発光デバイス1は、発光デバイス1におけるmmtBumTPchPAF-02を、上記構造式(viii)で表されるN-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)に変えた他は発光デバイス1と同様に作製した。
上記発光デバイスおよび比較発光デバイスの素子構造を以下の表にまとめる。
また、正孔注入層と、正孔輸送層の一部に用いた低屈折率材料(mmtBumTPchPAF-02、及びmmtBumTPoFBi-02)と、リファレンスであるPCBBiFの屈折率を図38に、また、458nmにおける屈折率を下表に示す。
上記発光デバイスおよび比較発光デバイスを、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光デバイスが大気に曝されないようにガラス基板により封止する作業(シール材をデバイスの周囲に塗布し、封止時にUV処理、80℃にて1時間熱処理)を行った後、これら発光デバイスの初期特性について測定を行った。なお、発光デバイスを作製したガラス基板に、光取出し効率向上のための特別な措置は行っていない。
発光デバイス1、発光デバイス2、および比較発光デバイス1の輝度-電流密度特性を図39に、電流効率-輝度特性を図40に、輝度-電圧特性を図41に、電流-電圧特性を図42に、外部量子効率-輝度特性を図43に、発光スペクトルを図44に示す。また、各発光デバイスの1000cd/m2付近における主要な特性を表3に示す。なお、輝度、CIE色度および発光スペクトルの測定には分光放射輝度計(トプコン社製、UR-UL1R)を用い、常温で測定した。また、外部量子効率は、測定した輝度と発光スペクトルを用い、配光特性がランバーシアン型であると仮定し算出した。
図39乃至図44および表3より、本発明の一態様の発光デバイスは、発光スペクトルの形状は同一でありながら、低屈折率材料を用いた層を有することから比較発光デバイスよりも発光効率の良好なELデバイスとなっていることがわかった。
続いて、発光デバイス1、発光デバイス2および比較発光デバイス1の電流密度50mA/cm2における定電流駆動を行った際の駆動時間に対する輝度の変化を表すグラフを図67に示す。図67で示すように、本発明の一態様の発光デバイスは、良好な寿命を示した。これにより、本発明の一態様の発光デバイスは、良好な寿命を保ったまま、高い発光効率を示す発光デバイスであることがわかった。
本実施例では、実施の形態で説明した本発明の一態様の発光デバイスおよび比較発光デバイスについて説明する。本実施例で用いた有機化合物の構造式を以下に示す。
(発光デバイス3の作製方法)
まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極101を形成した。なお、その膜厚は55nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、基板上に発光デバイスを形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10-4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度放冷した。
次に、第1の電極101が形成された面が下方となるように、第1の電極101が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、第1の電極101上に、抵抗加熱を用いた蒸着法により上記構造式(ix)で表されるN-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPchPAF-03)と電子アクセプタ材料(OCHD-001)とを、重量比で1:0.1(=mmtBumTPchPAF-03:OCHD-001)となるように10nm共蒸着して正孔注入層111を形成した。
次に、正孔注入層111上に、mmtBumTPchPAF-03を膜厚30nmとなるように蒸着した後、上記構造式(ii)で表されるN,N-ビス[4-(ジベンゾフラン-4-イル)フェニル]-4-アミノ-p-ターフェニル(略称:DBfBB1TP)を膜厚10nmとなるように蒸着して正孔輸送層112を形成した。
続いて、上記構造式(iii)で表される9-(1-ナフチル)-10-[4-(2-ナフチル)フェニル]アントラセン(略称:αN-βNPAnth)と上記構造式(iv)で表される3,10-ビス[N-(9-フェニル-9H-カルバゾール-2-イル)-N-フェニルアミノ]ナフト[2,3-b;6,7-b’]ビスベンゾフラン(略称:3,10PCA2Nbf(IV)-02)とを重量比で1:0.015(=αN-βNPAnth:3,10PCA2Nbf(IV)-02)、膜厚25nmとなるように共蒸着して発光層113を形成した。
その後、発光層113上に、上記構造式(v)で表される2-{4-[9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)-2-アントリル]フェニル}-1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール(略称:ZADN)と、上記構造式(vi)で表される8-キノリノラト-リチウム(略称:Liq)とを重量比で1:1(=ZADN:Liq)、膜厚25nmとなるように共蒸着して電子輸送層114を形成した。
電子輸送層114を形成した後、Liqを、1nm蒸着して電子注入層115を形成し、続いてアルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで第2の電極102を形成して本実施例の発光デバイス3を作製した。
(発光デバイス4の作製方法)
発光デバイス4は、発光デバイス3におけるmmtBumTPchPAF-03を、上記構造式(x)で表されるN-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPoFBi-03)に変えた他は発光デバイス3と同様に作製した。
(比較発光デバイス2の作製方法)
比較発光デバイス2は、発光デバイス3におけるmmtBumTPchPAF-03を、上記構造式(viii)で表されるN-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)に変えた他は発光デバイス3と同様に作製した。
上記発光デバイスおよび比較発光デバイスの素子構造を以下の表にまとめる。
また、正孔注入層と、正孔輸送層の一部に用いた低屈折率材料(mmtBumTPchPAF-03、及びmmtBumTPoFBi-03)と、リファレンスであるPCBBiFの屈折率を図45にまた、457nmにおける屈折率を下表に示す。
上記発光デバイスおよび比較発光デバイスを、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光デバイスが大気に曝されないようにガラス基板により封止する作業(シール材をデバイスの周囲に塗布し、封止時にUV処理、80℃にて1時間熱処理)を行った後、これら発光デバイスの初期特性について測定を行った。なお、発光デバイスを作製したガラス基板に、光取出し効率向上のための特別な措置は行っていない。
発光デバイス3、発光デバイス4、および比較発光デバイス2の輝度-電流密度特性を図46に、電流効率-輝度特性を図47に、輝度-電圧特性を図48に、電流-電圧特性を図49に、外部量子効率-輝度特性を図50に、発光スペクトルを図51に示す。また、各発光デバイスの1000cd/m2付近における主要な特性を表6に示す。なお、輝度、CIE色度および発光スペクトルの測定には分光放射輝度計(トプコン社製、UR-UL1R)を用い、常温で測定した。また、外部量子効率は、測定した輝度と発光スペクトルを用い、配光特性がランバーシアン型であると仮定し算出した。
図46乃至図51および表6より、本発明の一態様の発光デバイスは、発光スペクトルの形状はほぼ同一でありながら、低屈折率材料を用いた層を有することから比較発光デバイスよりも発光効率の良好なELデバイスとなっていることがわかった。
本実施例では、実施の形態で説明した本発明の一態様の発光デバイスおよび比較発光デバイスについて説明する。本実施例で用いた有機化合物の構造式を以下に示す。
(発光デバイス5の作製方法)
まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極101を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、基板上に発光デバイスを形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10-4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度放冷した。
次に、第1の電極101が形成された面が下方となるように、第1の電極101が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、第1の電極101上に、抵抗加熱を用いた蒸着法により上記構造式(i)で表されるN-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPchPAF-02)と電子アクセプタ材料(OCHD-001)とを、重量比で1:0.1(=mmtBumTPchPAF-02:OCHD-001)となるように10nm共蒸着して正孔注入層111を形成した。
次に、正孔注入層111上に、mmtBumTPchPAF-02を膜厚50nmとなるように蒸着して正孔輸送層112を形成した。
続いて、上記構造式(xi)で表される9-[3’-(ジベンゾチオフェン-4-イル)ビフェニル-3-イル]ナフト[1’,2’:4,5]フロ[2,3-b]ピラジン(略称:9mDBtBPNfpr)と上記構造式(viii)で表されるN-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)と、燐光ドーパントOCPG-006とを重量比で0.6:0.5:0.05(=9mDBtBPNfpr:PCBBiF:OCPG-006)、膜厚40nmとなるように共蒸着して発光層113を形成した。
その後、発光層113上に、9mDBtBPNfprを膜厚30nmとなるように蒸着し、上記構造式(xii)で表される2,9-ジ(2-ナフチル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(略称:NBPhen)を膜厚15nmとなるように蒸着して電子輸送層114を形成した。
電子輸送層114を形成した後、フッ化リチウム(略称:LiF)を、1nm蒸着して電子注入層115を形成し、続いてアルミニウムを200nmの膜厚となるように蒸着することで第2の電極102を形成して本実施例の発光デバイス5を作製した。
(発光デバイス6の作製方法)
発光デバイス6は、発光デバイス5におけるmmtBumTPchPAF-02を、上記構造式(vii)で表されるN-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPoFBi-02)に変えた他は発光デバイス5と同様に作製した。
(発光デバイス7の作製方法)
発光デバイス7は、発光デバイス5におけるmmtBumTPchPAF-02を、上記構造式(ix)で表されるN-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPchPAF-03)に変えた他は発光デバイス5と同様に作製した。
(発光デバイス8の作製方法)
発光デバイス8は、発光デバイス5におけるmmtBumTPchPAF-02を、上記構造式(x)で表されるN-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPoFBi-03)に変えた他は発光デバイス5と同様に作製した。
(比較発光デバイス3の作製方法)
比較発光デバイス3は、発光デバイス5におけるmmtBumTPchPAF-02を、PCBBiFに変えた他は発光デバイス5と同様に作製した。
上記発光デバイスおよび比較発光デバイスの素子構造を以下の表にまとめる。
また、正孔注入層と、正孔輸送層の一部に用いた低屈折率材料(mmtBumTPchPAF-02、mmtBumTPoFBi-02、mmtBumTPchPAF-03、及びmmtBumTPoFBi-03)と、リファレンスであるPCBBiFの屈折率を図52にまた、629nmにおける屈折率を下表に示す。
上記発光デバイスおよび比較発光デバイスを、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光デバイスが大気に曝されないようにガラス基板により封止する作業(シール材をデバイスの周囲に塗布し、封止時にUV処理、80℃にて1時間熱処理)を行った後、これら発光デバイスの初期特性について測定を行った。なお、発光デバイスを作製したガラス基板に、光取出し効率向上のための特別な措置は行っていない。
発光デバイス5乃至発光デバイス8および比較発光デバイス3の輝度-電流密度特性を図53に、電流効率-輝度特性を図54に、輝度-電圧特性を図55に、電流-電圧特性を図56に、外部量子効率-輝度特性を図57に、発光スペクトルを図58に示す。また、各発光デバイスの1000cd/m2付近における主要な特性を表9に示す。なお、輝度、CIE色度及び発光スペクトルの測定には分光放射輝度計(トプコン社製、UR-UL1R)を用い、常温で測定した。また、外部量子効率は、測定した輝度と発光スペクトルを用い、配光特性がランバーシアン型であると仮定し算出した。
図53乃至図58および表9より、本発明の一態様の発光デバイスは、発光スペクトルの形状はほぼ同一でありながら、低屈折率材料を用いた層を有することから比較発光デバイスよりも発光効率の良好なELデバイスとなっていることがわかった。
本実施例では、実施の形態で説明した本発明の一態様の発光デバイスおよび比較発光デバイスについて説明する。本実施例で用いた有機化合物の構造式を以下に示す。
(発光デバイス9の作製方法)
まず、ガラス基板上に、反射電極として、銀(Ag)とパラジウム(Pd)と銅(Cu)の合金膜(Ag-Pd-Cu(APC)膜)をスパッタリング法により、100nmの膜厚で成膜した後、透明電極として酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法により、85nmの膜厚で成膜して第1の電極101を形成した。なお、その電極面積は4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、基板上に発光デバイスを形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10-4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度放冷した。
次に、第1の電極101が形成された面が下方となるように、第1の電極101が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、第1の電極101上に、蒸着法により上記構造式(i)で表されるN-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPchPAF-02)と電子アクセプタ材料(OCHD-001)とを、重量比で1:0.05(=mmtBumTPchPAF-02:OCHD-001)となるように10nm共蒸着して正孔注入層111を形成した。
正孔注入層111上に、第1の正孔輸送層としてmmtBumTPchPAF-02を35nm蒸着した後、第2の正孔輸送層として上記構造式(ii)で表されるN,N-ビス[4-(ジベンゾフラン-4-イル)フェニル]-4-アミノ-p-ターフェニル(略称:DBfBB1TP)を10nmとなるように蒸着して正孔輸送層112を形成した。
続いて、上記構造式(iii)で表される9-(1-ナフチル)-10-[4-(2-ナフチル)フェニル]アントラセン(略称:αN-βNPAnth)と、上記構造式(iv)で表される3,10-ビス[N-(9-フェニル-9H-カルバゾール-2-イル)-N-フェニルアミノ]ナフト[2,3-b;6,7-b’]ビスベンゾフラン(略称:3,10PCA2Nbf(IV)-02)とを、重量比で1:0.015(=αN-βNPAnth:3,10PCA2Nbf(IV)-02)となるように25nm共蒸着して発光層113を形成した。
その後、発光層113上に、上記構造式(v)で表される2-{4-[9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)-2-アントリル]フェニル}-1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール(略称:ZADN)と、上記構造式(vi)で表される8-キノリノラト-リチウム(略称:Liq)とを、重量比で1:1(=ZADN:Liq)、膜厚25nmとなるように共蒸着し、電子輸送層114を形成した。
電子輸送層114を形成した後、Liqを膜厚1nmとなるように蒸着して電子注入層115を形成し、銀(Ag)とマグネシウム(Mg)との体積比を10:1、膜厚15nmとなるように共蒸着することで第2の電極102を形成して発光デバイス9を作製した。なお、第2の電極102は光を反射する機能と光を透過する機能とを有する半透過・半反射電極であり、本実施例の発光デバイスは第2の電極102から光を取り出すトップエミッションの素子である。また、第2の電極102上には上記構造式(xi)で表される1,3,5-トリ(ジベンゾチオフェン-4-イル)-ベンゼン(略称:DBT3P-II)を70nm蒸着して、光取出し効率を向上させている。
(発光デバイス10の作製方法)
発光デバイス10は発光デバイス9におけるmmtBumTPchPAF-02を、上記構造式(vii)で表されるN-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPoFBi-02)に変えた他は発光デバイス9と同様に作製した。
(比較発光デバイス4の作製方法)
比較発光デバイス4は発光デバイス9におけるmmtBumTPchPAF-02を上記構造式(viii)で表されるN-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)に変え、第1の正孔輸送層の膜厚を30nmとした他は発光デバイス9と同様に作製した。
発光デバイス9、発光デバイス10および比較発光デバイス4の素子構造を下の表にまとめた。
また、正孔注入層と、正孔輸送層の一部に用いた低屈折率材料(mmtBumTPchPAF-02及びmmtBumTPoFBi-02)と、リファレンスであるPCBBiFの屈折率を図59にまた、458nmにおける屈折率を下表に示す。
上記発光デバイスおよび比較発光デバイスを、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光デバイスが大気に曝されないようにガラス基板により封止する作業(シール材をデバイスの周囲に塗布し、封止時にUV処理)を行った後、これら発光デバイスの初期特性について測定を行った。なお、封止を行ったガラス基板に、光取出し効率向上のための特別な措置は行っていない。
発光デバイス9、発光デバイス10および比較発光デバイス4の輝度-電流密度特性を図60に、電流効率-輝度特性を図61、輝度-電圧特性を図62に、電流-電圧特性を図63に、ブルーインデックス-輝度特性を図64に、発光スペクトルを図65に示す。また、各発光デバイスの1000cd/m2付近における主な特性を表12に示す。なお、輝度、CIE色度および発光スペクトルの測定には分光放射計(トプコン社製、SR-UL1R)を用い、常温で測定した。
図60乃至図65及び表12より、本発明の一態様の低屈折率材料を用いた発光デバイスは、比較発光デバイスよりも電流効率やブルーインデックス(BI)の良好なELデバイスであることがわかった。
なお、ブルーインデックス(BI)とは、電流効率(cd/A)をさらに色度yで割った値であり、青色発光の発光特性を表す指標の一つである。青色発光は、色度yが小さいほど色純度の高い発光となる傾向にある。色純度の高い青色発光は、輝度成分が小さくても広い範囲の青色を表現することが可能であり、色純度の高い青色発光を用いることで、青色を表現するための必要輝度が低下することから消費電力の低減効果が得られる。そのため、青色純度の指標の一つとなる色度yを考慮したBIが青色発光の効率を表す手段として好適に用いられ、BIが高い発光デバイスほどディスプレイに用いられる青色発光デバイスとしての効率が良好であるということができる。
続いて、発光デバイス9、発光デバイス10および比較発光デバイス4の電流密度50mA/cm2における定電流駆動を行った際の駆動時間に対する輝度の変化を表すグラフを図66に示す。図66で示すように、本発明の一態様の発光デバイスは、良好な寿命を保ったまま、高い発光効率を示す発光デバイスであることがわかった。
本実施例では、実施の形態で説明した本発明の一態様の発光デバイスおよび比較発光デバイスについて説明する。本実施例で用いた有機化合物の構造式を以下に示す。
(発光デバイス11の作製方法)
まず、ガラス基板上に、反射電極として、銀(Ag)をスパッタリング法により、100nmの膜厚で成膜した後、透明電極として酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法により、10nmの膜厚で成膜して第1の電極101を形成した。なお、その電極面積は4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、基板上に発光デバイスを形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10-4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度放冷した。
次に、第1の電極101が形成された面が下方となるように、第1の電極101が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、第1の電極101上に、蒸着法により上記構造式(i)で表されるN-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPchPAF-02)と電子アクセプタ材料(OCHD-001)とを、重量比で1:0.1(=mmtBumTPchPAF-02:OCHD-001)となるように10nm共蒸着して正孔注入層111を形成した。
正孔注入層111上に、第1の正孔輸送層としてmmtBumTPchPAF-02を125nm蒸着した後、第2の正孔輸送層として上記構造式(ii)で表されるN,N-ビス[4-(ジベンゾフラン-4-イル)フェニル]-4-アミノ-p-ターフェニル(略称:DBfBB1TP)を10nmとなるように蒸着して正孔輸送層112を形成した。
続いて、正孔輸送層112上に、上記構造式(xii)で表される3,3’-(ナフタレン-1,4-ジイル)ビス(9-フェニル-9H-カルバゾール)(略称:PCzN2)を10nmとなるように蒸着して電子ブロック層を形成した。
その後、上記構造式(xiii)で表される2-(10-フェニル-9-アントラセニル)-ベンゾ[b]ナフト[2,3-d]フラン(略称:Bnf(II)PhA)と、上記構造式(iv)で表される3,10-ビス[N-(9-フェニル-9H-カルバゾール-2-イル)-N-フェニルアミノ]ナフト[2,3-b;6,7-b’]ビスベンゾフラン(略称:3,10PCA2Nbf(IV)-02)とを、重量比で1:0.015(=Bnf(II)PhA:3,10PCA2Nbf(IV)-02)となるように25nm共蒸着して発光層113を形成した。
この後、発光層113上に、上記構造式(xiv)で表される2-[3’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-1,1’-ビフェニル-3-イル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:mFBPTzn)を10nm、正孔ブロック層として形成し、2-[3-(2,6-ジメチル-3-ピリジニル)-5-(9-フェナントレニル)フェニル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:mPn-mDMePyPTzn)と、上記構造式(vi)で表される8-キノリノラト-リチウム(略称:Liq)とを、重量比で1:1(=mPn-mDMePyPTzn:Liq)、20nmとなるように共蒸着して電子輸送層114を形成した。
電子輸送層114を形成した後、フッ化リチウム(LiF)を膜厚1nmとなるように蒸着して電子注入層115を形成し、銀(Ag)とマグネシウム(Mg)とを体積比を10:1、膜厚15nmとなるように共蒸着することで第2の電極102を形成して発光デバイス11を作製した。なお、第2の電極102は光を反射する機能と光を透過する機能とを有する半透過・半反射電極であり、本実施例の発光デバイスは第2の電極102から光を取り出すトップエミッションの素子である。また、第2の電極102上には上記構造式(xi)で表される1,3,5-トリ(ジベンゾチオフェン-4-イル)-ベンゼン(略称:DBT3P-II)を70nm蒸着して、光取出し効率を向上させている。
(発光デバイス12の作製方法)
発光デバイス12は発光デバイス11におけるmmtBumTPchPAF-02を、上記構造式(vii)で表されるN-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPoFBi-02)に変え、第1の正孔輸送層の膜厚を130nmとした他は発光デバイス11と同様に作製した。
(比較発光デバイス5の作製方法)
比較発光デバイス5は発光デバイス11におけるmmtBumTPchPAF-02を上記構造式(viii)で表されるN-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)に変え、第1の正孔輸送層の膜厚を100nmとした他は発光デバイス11と同様に作製した。
発光デバイス11、発光デバイス12および比較発光デバイス5の素子構造を下の表にまとめた。
また、正孔注入層と、正孔輸送層の一部に用いた低屈折率材料(mmtBumTPchPAF-02及びmmtBumTPoFBi-02)と、リファレンスであるPCBBiFの屈折率を図68にまた、458nmにおける屈折率を下表に示す。
上記発光デバイスおよび比較発光デバイスを、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光デバイスが大気に曝されないようにガラス基板により封止する作業(シール材をデバイスの周囲に塗布し、封止時にUV処理)を行った後、これら発光デバイスの初期特性について測定を行った。なお、封止を行ったガラス基板に、光取出し効率向上のための特別な措置は行っていない。
発光デバイス11、発光デバイス12および比較発光デバイス5の輝度-電流密度特性を図69に、電流効率-輝度特性を図70、輝度-電圧特性を図71に、電流密度-電圧特性を図72に、ブルーインデックス-輝度特性を図73に、発光スペクトルを図74に示す。また、各発光デバイスの1000cd/m2付近における主な特性を表15に示す。なお、輝度、CIE色度および発光スペクトルの測定には分光放射計(トプコン社製、SR-UL1R)を用い、常温で測定した。
図69乃至図74及び表15より、本発明の一態様の低屈折率材料を用いた発光デバイスは、比較発光デバイスよりも電流効率やブルーインデックス(BI)の良好なELデバイスであることがわかった。
なお、ブルーインデックス(BI)とは、電流効率(cd/A)をさらに色度yで割った値であり、青色発光の発光特性を表す指標の一つである。青色発光は、色度yが小さいほど色純度の高い発光となる傾向にある。色純度の高い青色発光は、輝度成分が小さくても広い範囲の青色を表現することが可能であり、色純度の高い青色発光を用いることで、青色を表現するための必要輝度が低下することから消費電力の低減効果が得られる。そのため、青色純度の指標の一つとなる色度yを考慮したBIが青色発光の効率を表す手段として好適に用いられ、BIが高い発光デバイスほどディスプレイに用いられる青色発光デバイスとしての効率が良好であるということができる。
続いて、発光デバイス11、発光デバイス12および比較発光デバイス5の電流密度50mA/cm2における定電流駆動を行った際の駆動時間に対する輝度の変化を表すグラフを図75に示す。発光デバイス11および発光デバイス12は、比較発光デバイス5よりも輝度の低下が早い結果となった。なお、発光デバイス11および発光デバイス12は比較発光デバイス5よりも発光効率が良好であるため、同じ電流密度で駆動した場合、比較発光デバイス5よりも高い輝度で発光している。
本実施例では、本発明の一態様の有機化合物の正孔移動度を測定した結果について説明する。正孔移動度は、測定用のデバイスを作製して測定した。以下に当該デバイスの作製方法について説明する。
(デバイス1の作製方法)
ガラス基板上に、電極として、銀(Ag)とパラジウム(Pd)と銅(Cu)の合金膜(Ag-Pd-Cu(APC)膜)をスパッタリング法により、100nmの膜厚で成膜した後、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法により、50nmの膜厚で成膜して第1の電極101を形成した。なお、その電極面積は4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、基板上にデバイスを形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。
その後、10-4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度放冷した。
次に、第1の電極101が形成された面が下方となるように、第1の電極101が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、第1の電極101上に、蒸着法によりmmtBumTPchPAF-02と酸化モリブデンとを、重量比で1:1(=mmtBumTPchPAF-02:酸化モリブデン)となるように5nm共蒸着して正孔注入層111を形成した。
正孔注入層111上に、正孔輸送層112としてmmtBumTPchPAF-02を520nm蒸着した。
続いて、mmtBumTPchPAF-02と酸化モリブデンとを、重量比で1:1(=mmtBumTPchPAF-02:酸化モリブデン)となるように5nm共蒸着してバッファ層を形成した。
次に、アルミニウム(Al)を膜厚200nmとなるように蒸着することで第2の電極102を形成して正孔のみを流すデバイスとなるデバイス1を作製した。
(デバイス2の作製方法)
デバイス2はデバイス1におけるmmtBumTPchPAF-02を、mmtBumTPoFBi-02に変え、正孔輸送層112の膜厚を557.5nmにした他はデバイス1と同様に作製した。
デバイス1、デバイス2の素子構造を下の表にまとめた。
上記デバイスを、窒素雰囲気のグローブボックス内において、デバイスが大気に曝されないようにガラス基板により封止する作業(シール材をデバイスの周囲に塗布し、封止時にUV処理)を行った後、これらデバイスの測定を行った。
デバイス1、及びデバイス2の電流密度-電圧特性を図76に示す。なお、測定は常温で行った。
図76に示す電気特性から、デバイスシミュレーションを用いて、各有機化合物の正孔移動度を算出した。シミュレーションは、Setfos(サイバーネットシステム社)のDrift-Diffusionモジュールを用いた。シミュレーションパラメーターとして、第1の電極101であるITSOの仕事関数を5.36eV、第2の電極102であるAlの仕事関数を4.2eVとし、mmtBumTPchPAF-02のHOMO準位を-5.39eV、mmtBumTPoFBi-02のHOMO準位を-5.43eVとした。また、正孔輸送層112における電荷密度を1.0×1018cm-3とした。
電極の仕事関数は、大気中にて光電子分光法(理研計器製、AC-2)にて測定した。
有機化合物のHOMO準位は、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって測定した。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600Aまたは600C)を用い、各化合物をN,N-ジメチルホルムアミド(略称:DMF)に溶解させた溶液を測定した。測定では、参照電極に対する作用電極の電位を適切な範囲で変化させて各々酸化ピーク電位、及び還元ピーク電位を得た。また、参照電極のレドックスポテンシャルが-4.94eVであることが見積もられているため、この数値と得られたピーク電位から、各有機化合物のHOMO準位を算出した。
シミュレーションによって算出した各有機化合物の正孔移動度の電界強度依存性を図77に示す。なお、図77の横軸は、電圧から換算した電界強度の1/2乗で表している。また、300(V/cm)1/2の電界強度における正孔移動度を下の表に示す。
このように、本発明の一態様の有機化合物は、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であるため、発光デバイスの正孔輸送層に好適である。
≪合成例7≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(150)で表される本発明の一態様である有機化合物、N-(3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-4-イル)-N-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPoFBi-04)の合成方法について説明する。なお、mmtBumTPoFBi-04の構造を以下に示す。
<ステップ1:4-ブロモ-3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成>
三口フラスコに2-(3’,5,5’-トリ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン9.0g(20.1mmol)、1-ブロモ-4-ヨードベンゼン6.8g(24.1mmol)、炭酸カリウム8.3g(60.3mmol)、トルエン100mL、エタノール40mL、水道水30mLを入れ、減圧下に脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、酢酸パラジウム91mg(0.40mmol)、トリフェニルホスフィン211mg(0.80mmol)を加え、この混合物を約4時間80℃にて加熱した。その後、室温に戻し有機層と水層を分液した。この溶液に硫酸マグネシウムを加えて水分を乾燥させ濃縮した。得られた溶液のヘキサン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物である白色固体を6.0g、収率62.5%で得た。また、ステップ3の4-ブロモ-3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成スキームを下式に示す。
<ステップ2:mmtBumTPoFBi-04の合成>
三口フラスコに4-ブロモ-3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル3.0g(6.3mmol)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-フェニル-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン2.3g(6.3mmol)、ナトリウム-tert-ブトキシド1.8g(18.9mmol)、トルエン32mLを入れ、減圧下にて脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)72mg(0.13mmol)、トリ-tert-ブチルホスフィン76mg(0.38mmol)を加え、この混合物を約8時間120℃にて加熱した。その後、当該混合物の温度を約60℃まで下げ、水約1mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を3.6g、収率75%で得た。また、ステップ4のmmtBumTPoFBi-04の合成スキームを下式に示す。
なお、上記ステップ2で得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図78(A)(B)に示す。なお、図78(B)は図78(A)における6.5ppmから8.0ppmの範囲を拡大して示したグラフである。また、数値データを下に示す。これにより、本合成例において、mmtBumTPoFBi-04が合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.54-7.56(m,1H),7.53(dd,1H,J=1.7Hz),7.50(dd,1H,J=1.7Hz),7.27-7.47(m,13H),7.23(dd,1H,J=6.3Hz,1.2Hz),7.18-7.19(m,2H),7.08-7.00(m,5H),6.88(d,1H,J=1.7Hz),6.77(dd,1H,J=8.0Hz,2.3Hz),1.42(s,9H),1.39(s,18H),(1.29(s,6H).
次に、得られた白色固体3.6gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製としては、圧力3.9Pa、アルゴン流量15.0mL/minの条件で、255℃で加熱して行った。昇華精製後、微黄白色固体2.1g、回収率58%で得た。
次に、mmtBumTPoFBi-04のトルエン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)日本分光製 FP-8600型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図79に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。また、図79において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図79に示す吸光度は、トルエン溶液を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、トルエンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図79に示す通り、有機化合物、mmtBumTPoFBi-04は、396nmに発光ピークを有していた。
次に、本実施例で得られたmmtBumTPoFBi-04を液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Ultimate3000によりLC(液体クロマトグラフィー)分離を行い、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Q ExactiveによりMS分析(質量分析)を行った。
LC分離は、任意のカラムを用いてカラム温度は40℃とし、送液条件は溶媒を適宜選択し、サンプルは任意の濃度のmmtBumTPoFBi-04を有機溶媒に溶かして調整し、注入量は5.0μLとした。
PRM法により、mmtBumTPoFBi-04由来のイオンであるm/z=757.46のMS2測定を行なった。PRMの設定は、ターゲットイオンの質量範囲をm/z=757.46±2.0(isolation window=4)とし、検出はポジティブモードで行った。コリジョンセル内でターゲットイオンを加速するエネルギーNCE(Normalized Collision Energy)を50として測定した。得られたMSスペクトルを図80に示す。
次にmmtBumTPoFBi-04のガラス転移点(以下、「Tg」という)を測定した。Tgは、示差走査熱量測定装置((株)パーキンエルマージャパン製、PYRIS1DSC)を用い、アルミセルに粉末を乗せ、測定した。この結果、mmtBumTPoFBi-04のTgは123℃であった。
≪合成例8≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(151)で表される本発明の一態様である有機化合物、N-(3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル-4-イル)-N-(4-シクロヘキシルフェニル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPchPAF-04)の合成方法について説明する。なお、mmtBumTPchPAF-04の構造を以下に示す。
<ステップ1:4-ブロモ-3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成>
合成例7のステップ1と同様に合成した。
<ステップ2:mmtBumTPchPAF-04の合成>
三口フラスコにステップ1で得られた4-ブロモ-3’’,5’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル3.0g(6.3mmol)、N-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)アミン2.3g(6.3mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド1.8g(18.9mmol)、トルエン32mLを入れ、減圧下に脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)72mg(0.13mmol)、トリ-tert-ブチルホスフィン76mg(0.38mmol)を加え、この混合物を約2時間80℃にて加熱した。その後、フラスコの温度を約60℃に戻し、水約1mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にてこのエタノール懸濁液に析出した固体をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥し、目的物である白色固体を4.1g、収率85%で得た。mmtBumTPchPAF-04の合成スキームを下式に示す。
なお、上記ステップ2で得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図81(A)(B)に示す。なお、図81(B)は図81(A)における6.5ppmから8.0ppmの範囲を拡大して示したグラフである。また、数値データを下に示す。これにより、本合成例において、mmtBumTPchPAF-04が合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.63(d,1H,J=7.5Hz),7.52-7.59(m,7H),7.44-7.45(m,4H),7.39(d,1H,J=7.4Hz),7.31(dd,1H,J=7.4Hz),7.19(d,2H,J=6.6Hz),7.12(m,4H),7.07(d,1H,J=9.7Hz),2.48(brm,1H),1.84-1.93(brm,4H),1.74-1.76(brm,1H),1.43(s,18H),1.39(brm,19H),1.24-1.30(brm,1H)。
次に、得られた白色固体4.1gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製としては、圧力4.3Pa、アルゴン流量15.0mL/minの条件で、255℃で加熱して行った。昇華精製後、微黄白色固体3.0g、回収率73%で得た。
次に、mmtBumTPchPAF-04のトルエン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)日本分光製 FP-8600型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図82に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。また、図82において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図82に示す吸光度は、トルエン溶液を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、トルエンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図82に示す通り、有機化合物、mmtBumTPchPAF-04は、397nmに発光ピークを有していた。
次に、本実施例で得られたmmtBumTPchPAF-04を液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Ultimate3000によりLC(液体クロマトグラフィー)分離を行い、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Q ExactiveによりMS分析(質量分析)を行った。
LC分離は、任意のカラムを用いてカラム温度は40℃とし、送液条件は溶媒を適宜選択し、サンプルは任意の濃度のmmtBumTPchPAF-04を有機溶媒に溶かして調整し、注入量は5.0μLとした。
PRM法により、mmtBumTPchPAF-04由来のイオンであるm/z=764.52のMS2測定を行なった。PRMの設定は、ターゲットイオンの質量範囲をm/z=764.52±2.0(isolation window=4)とし、検出はポジティブモードで行った。コリジョンセル内でターゲットイオンを加速するエネルギーNCE(Normalized Collision Energy)を50として測定した。得られたMSスペクトルを図83に示す。
次に、mmtBumTPchPAF-04のガラス転移点(以下、「Tg」という)を測定した。Tgは、示差走査熱量測定装置((株)パーキンエルマージャパン製、PYRIS1DSC)を用い、アルミセルに粉末を乗せ、測定した。この結果、mmtBumTPchPAF-04のTgは122℃であった。
≪合成例9≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(175)で表される本発明の一態様である有機化合物、N-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3,3’’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:4’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPoFBi-05)の合成方法について説明する。なお、mmtBumTPoFBi-05の構造を以下に示す。
<ステップ1:4-ブロモ-3’,5’-ジ-tert-ブチルビフェニルの合成>
三口フラスコに1-ブロモ-4-ヨードベンゼン12.0g(43mmol)、3,5-ジ-tert-ブチルフェニルボロン酸10.0g(43mmol)、炭酸カリウム17.7g(128mmol)、トルエン285mL、エタノール85mL、水道水60mLを入れ、減圧下に脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)2.5g(2.1mmol)、を加え、この混合物を、約5時間40℃にて加熱した。その後、室温に戻し有機層と水層を分液した。この溶液に硫酸マグネシウムを加えて水分を乾燥させ濃縮した。得られた溶液のヘキサン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物である無色油状物を11.1g、収率76%で得た。また、ステップ1の3-ブロモ-3’,5,5’-トリ-tert-ブチルビフェニルの合成スキームを下式に示す。
<ステップ2:2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成>
三口フラスコにステップ1で得られた4-ブロモ-3’,5’-ジ-tert-ブチルビフェニル11.1g(32mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン9.0g(35mmol)、酢酸カリウム9.5g(96mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド214mLを入れ、減圧下に脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)1.3g(1.6mmol)を加え、この混合物を、約3時間100℃で加熱した。その後、室温に戻し有機層と水層を分液し、水層を酢酸エチルにより抽出した。この溶液に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去し、濃縮した。得られた混合物のトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を11.6g、収率92%で得た。ステップ2の合成スキームを下式に示す。
<ステップ3:3-ブロモ-3’’,5,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成>
三口フラスコに2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン11.6g(38.2mmol)、1,3-ジブロモ-5-tert-ブチルベンゼン16.6g(57.3mmol)、炭酸カリウム15.8g(115mmol)、トルエン255mL、エタノール76mL、水道水57mLを入れ、減圧下に脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 2.2g(1.9mmol)を加え、この混合物を約10時間80℃にて加熱した。その後、室温に戻し有機層と水層を分液した。この溶液に硫酸マグネシウムを加えて水分を乾燥させ濃縮した。得られた溶液のヘキサン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物である白色固体を4.4g、収率24.4%で得た。また、ステップ3の3-ブロモ-3’’,5,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成スキームを下式に示す。
<ステップ4:mmtBumTPoFBi-05の合成>
三口フラスコに3-ブロモ-3’’,5,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル2.2g(4.6mmol)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-フェニル-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン1.7g(4.6mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド1.3g(13.8mol)、トルエン23mLを入れ、減圧下に脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)53mg(0.10mmol)、トリ-tert-ブチルホスフィン56mg(0.28mmol)を加え、この混合物を約8時間120℃で加熱した。その後、フラスコの温度を約60℃に戻し、水約1mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にてこのエタノール懸濁液に析出した固体をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を2.7g、収率77%で得た。また、ステップ4の合成スキームを下式に示す。
なお、上記ステップ4で得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図84(A)(B)に示す。なお、図84(B)は図84(A)における6.5ppmから8.0ppmの範囲を拡大して示したグラフである。また、数値データを下に示す。このことから、本合成例において、mmtBumTPoFBi-05が合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.56-7.60(m,3H),7.49(d,2H,J=8.0Hz),7.27-7.46(m,10H),7.22(dd,1H,J=7.5Hz,1.2Hz),7.18(dd,2H,J=8.0Hz,1.2Hz),7.10(dd,1H,J=1.7Hz),7.04-7.07(m,2H),6.97-7.01(m,4H),6.82(dd,1H,J=8.0Hz,2.3Hz),1.37(s,18H),1.31(s,6H),1.21(s,9H)。
次に、得られた白色固体2.7gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製としては、圧力2.9Pa、アルゴン流量15.0mL/minの条件で、255℃で加熱して行った。昇華精製後、微黄白色固体2.0g、回収率74%で得た。
次に、mmtBumTPoFBi-05のトルエン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)日本分光製 FP-8600型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図85に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。また、図85において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図85に示す吸光度は、トルエン溶液を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、トルエンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図85に示す通り、有機化合物、mmtBumTPoFBi-05は、407nmに発光ピークを有していた。
次にmmtBumTPoFBi-05のガラス転移点(以下、「Tg」という)を測定した。Tgは、示差走査熱量測定装置((株)パーキンエルマージャパン製、PYRIS1DSC)を用い、アルミセルに粉末を乗せ、測定した。この結果、mmtBumTPoFBi-05のTgは118℃であった。
≪合成例10≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(176)で表される本発明の一態様である有機化合物、N-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(3,3’’,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:4’,1’’-ターフェニル-5-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumTPchPAF-05)の合成方法について説明する。mmtBumTPchPAF-05の構造を以下に示す。
<ステップ1:4-ブロモ-3’,5’-ジ-tert-ブチルビフェニルの合成>
合成例9のステップ1と同様に合成した。
<ステップ2:2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成>
合成例9のステップ2と同様に合成した。
<ステップ3:3-ブロモ-3’’,5,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニルの合成>
合成例9のステップ3と同様に合成した。
<ステップ4:mmtBumTPchPAF-05の合成>
三口フラスコにステップ3で得られた3-ブロモ-3’’,5,5’’-トリ-tert-ブチル-1,1’:3’,1’’-ターフェニル2.2g(4.6mmol)、N-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)アミン1.7g(4.6mmol)、ナトリウム-tert-ブトキシド1.3g(13.8mmol)、トルエン23mLを入れ、減圧下で脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)53mg(0.10mmol)、トリ-tert-ブチルホスフィン56mg(0.28mmol)を加え、この混合物を約2時間80℃で加熱した。その後、フラスコの温度を約60℃に戻し、水約1mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にてこのエタノール懸濁液に析出した固体をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥し、目的物である白色固体を3.2g、収率91%で得た。mmtBumTPchPAF-05の合成スキームを下式に示す。
なお、上記ステップ4で得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図86(A)(B)に示す。なお、図86(B)は図86(A)における6.5ppmから8.0ppmの範囲を拡大して示したグラフである。このことから、本合成例において、mmtBumTPchPAF-05が合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.64(d,1H,J=7.4Hz),7.56-7.61(m,6H),7.42(s,3H),7.39(d,1H,J=7.4Hz),7.23-7.32(m,5H),7.12(dd,4H,J=3.4Hz,6.3Hz,2.3Hz),7.04(dd,1H,J=7.9Hz,1.7Hz),2.48-2.50(brm,1H),1.84-1.93(brm,4H),1.73-1.76(brm,1H),1.43(s,6H),1.40-1.42(m,4H),1.37(s,18H). 1.29(s,9H),1.24-1.26(m,1H)。
次に、得られた白色固体3.2gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製は、圧力2.9Pa、アルゴン流量15.0mL/minの条件において、255℃で加熱して行った。昇華精製後、微黄白色固体2.1g、回収率66%で得た。
次に、mmtBumTPchPAF-05のトルエン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)日本分光製 FP-8600型)を用い、トルエン溶液を石英セルに入れ、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図87に示す。横軸は波長、縦軸は吸光度および発光強度を表す。また、図87において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図87に示す吸光度は、トルエン溶液を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、トルエンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図87に示す通り、有機化合物、mmtBumTPchPAF-05は、416nmに発光ピークを有していた。
次にmmtBumTPchAPF-05のガラス転移点(以下、「Tg」という)を測定した。Tgは、示差走査熱量測定装置((株)パーキンエルマージャパン製、PYRIS1DSC)を用い、アルミセルに粉末を乗せ、測定した。この結果、mmtBumTPchAPF-05のTgは121℃であった。
≪合成例11≫
本実施例では、本発明の一態様である有機化合物、N-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(3’’,3’’’,5’’,5’’’-テトラ-t-ブチル-1,1’:3’,1’’:5’,1’’’-クアテルフェニル-4-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumQPoFBi)の合成方法について説明する。なお、mmtBumQPoFBiの構造を以下に示す。
<ステップ1:N-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(1-ブロモフェニル-4-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミンの合成>
三口フラスコに2-(2-ビフェニリル)アミノ-9,9-ジメチルフルオレン10g(28mmol)、1-ブロモ-4-ヨードベンゼン17g(55mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド4.0g(42mmol)、トルエン92mLを入れ、減圧下に脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)1.3g(1.4mmol)、トリ-tert-ブチルホスフィン0.28g(1.4mmol)を加え、この混合物を約4時間80℃にて加熱した。その後、フラスコの温度を約60℃に戻し、水約1mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を9.4g、収率66%で得た。ステップ1の合成スキームを下に示す。
<ステップ2:2-(3’,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル[1,1’:3,1’’-ターフェニル]-5-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成>
三口フラスコに5-ブロモ-3’,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル-1,1’:3,1’’-ターフェニル7.0g(13mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン3.7g(14mmol)、酢酸カリウム3.9g(39mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド87mLを入れ、減圧下に脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)0.53g(0.66mmol)を加え、この混合物を、約3時間100℃にて加熱した。その後、室温に戻し有機層と水層を分液し、水層を酢酸エチルにより抽出した。この溶液に硫酸マグネシウムを加えて水分を乾燥させ濃縮した。得られた混合物のトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を5.2g、収率68%で得た。また、ステップ2の合成スキームを下に示す。
<ステップ3:mmtBumQPoFBiの合成>
三口フラスコにステップ1で合成したN-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(1-ブロモフェニル-4-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン1.7g(3.4mmol)、ステップ2で合成した2-(3’,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル[1,1’:3,1’’-ターフェニル]-5-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン2.0g(3.4mmol)、炭酸カリウム1.4g(10mmol)、トルエン23mL、エタノール7.0mL、水道水5.0mLを入れ、減圧下で脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、酢酸パラジウム15mg(0.068mmol)、トリス(2-メチルフェニル)ホスフィン41mg(0.14mmol)を加え、約5時間80℃に加熱した。その後、室温に戻し有機層と水層を分液した。この有機層に硫酸マグネシウムを加えて水分を乾燥させ濃縮した。得られた溶液のヘキサン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物である無色油状物を2.2g、収率73%で得た。また、ステップ3の合成スキームを下に示す。
なお、上記ステップ3で得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図88および下に示す。このことから、本合成例においてmmtBumQPoFBiが合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.68-7.69(m,3H),7.55(d,1H,J=7.4Hz),7.48-7.50(m,8H),7.27-7.46(m,6H),7.18-7.23(m,4H),7.01-7.11(m,5H),6.87(d,1H,J=1.7Hz),6.78(dd,1H,J=5.2Hz,2.3Hz),1.39(s,36H),1.29(s,6H).
次に、得られた白色固体2.2gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製としては、圧力2.9Pa、アルゴン流量10mL/minの条件で、260℃で加熱して行った。昇華精製後、微黄白色固体1.5g、回収率68%で得た。
≪合成例12≫
本実施例では、本発明の一態様である有機化合物、N-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(3’’,3’’’,5’’,5’’’-テトラ-t-ブチル-1,1’:3’,1’’:5’,1’’’-クアテルフェニル-4-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:mmtBumQPchPAF)の合成方法について説明する。なお、mmtBumQPchPAFの構造を以下に示す。
<ステップ1:N-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(1-ブロモフェニル-4-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミンの合成>
三口フラスコにN-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)アミン11g(30mmol)、1-ブロモ-4-ヨードベンゼン17g(60mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド4.3g(45mmol)、トルエン0.10Lを入れ、減圧下で脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)1.4g(1.5mmol)、トリ-tert-ブチルホスフィン0.30g(1.5mmol)を加え、約4時間80℃にて加熱した。その後、フラスコの温度を約60℃に戻し、水約1.0mLを加え、析出した固体をろ別し、トルエンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られたトルエン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた溶液を濃縮し、濃厚なトルエン溶液を得た。このトルエン溶液にエタノールを添加し、減圧濃縮しエタノール懸濁液を得た。約20℃にて析出物をろ過し、得られた固体を約80℃で減圧乾燥させ、目的物である白色固体を6.6g、収率42%で得た。ステップ1の合成スキームを下に示す。
<ステップ2:2-(3’,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル[1,1’:3,1’’-ターフェニル]-5-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの合成>
実施例17の合成例11におけるステップ2と同様に合成した。
<ステップ3:mmtBumQPchPAFの合成>
三口フラスコにN-(4-シクロヘキシルフェニル)-N-(1-ブロモフェニル-4-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン1.8g(3.4mmol)、2-(3’,3’’,5’,5’’-テトラ-tert-ブチル[1,1’:3,1’’-ターフェニル]-5-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン2.0g(3.4mmol)、炭酸カリウム1.4g(10mmol)、トルエン23mL、エタノール7.0mL、水道水5.0mLを入れ、減圧下に脱気処理をした後、フラスコ内を窒素置換し、酢酸パラジウム15mg(0.068mmol)、トリス(2-メチルフェニル)ホスフィン41mg(0.14mmol)を加え、約5時間80℃にて加熱した。その後、室温に戻し有機層と水層を分液した。この有機層に硫酸マグネシウムを加えて水分を乾燥させ濃縮した。得られた溶液のヘキサン溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物である無色油状物を2.1g、収率70%で得た。ステップ3の合成スキームを下に示す。
なお、上記ステップ3で得られた白色固体の核磁気共鳴分光法(1H-NMR)による分析結果を図89および下に示す。このことから、本合成例においてmmtBumQPchPAFが合成できたことがわかった。
1H-NMR.δ(CDCl3):7.73(d,1H,J=1.7Hz),7.70(s,1H),7.64(d,1H,J=7.4Hz),7.57-7.60(m,3H),7.48-7.51(m,7H),7.39(d,1H,J=7.4Hz),7.27-7.32(m,1H),7.20-7.22(m,2H),7.13(m,4H),7.08(d,1H,J=8.0Hz),2.48-2.51(brm,1H),1.84-1.93(m,4H),1.74-1.76(brm,1H),1.56(brm,9H),1.39(brm,40H).
次に、得られた白色固体2.1gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製としては、圧力2.9Pa、アルゴン流量10mL/minの条件で、265℃で加熱して行った。昇華精製後、微黄白色固体1.4g、回収率67%で得た。