JP2022007980A - アキシャルギャップモータ - Google Patents

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敬右 金田
Takasuke Kaneda
一昭 芳賀
Kazuaki Haga
利光 高橋
Toshimitsu Takahashi
真由美 高澤
Mayumi Takazawa
卓也 野村
Takuya Nomura
新也 佐野
Shinya Sano
岳志 朝永
Takeshi Tomonaga
久典 高馬
Hisanori Takama
泰秀 柳生
Yasuhide Yagyu
健祐 小森
Kensuke Komori
竜彦 平野
Tatsuhiko Hirano
正朗 伊東
Masao Ito
裕章 脇本
Hiroaki Wakimoto
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Abstract

【課題】磁石を用いないことによりコイルに逆起電力が生じないようにすることが可能なアキシャルギャップモータを提供する。【解決手段】アキシャルギャップモータ1では、ロータ3は、ロータ台座31の周方向に沿って固定された複数のロータコア32を備え、ステータ4は、ステータ台座41の周方向に沿って固定された複数のステータコア42と、ステータコア42に巻回されたコイル43とを備え、ロータコア32の分割面32aおよび32bと、ステータコア42の分割面32aおよび32bとは、互いに露出した状態で対向するように配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、回転シャフトに固定されたロータと、回転シャフトの軸方向においてロータとギャップをあけて対向配置されたステータと、を備えたアキシャルギャップモータに関する。
従来、回転シャフトに固定されたロータと、回転シャフトの軸方向においてロータとギャップをあけて対向配置されたステータと、を備えたアキシャルギャップモータが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、回転軸(回転シャフト)に固定されたロータと、回転軸の軸方向においてロータを挟むようにロータとギャップをあけて配置されたステータと、を備えたアキシャルギャップモータが記載されている。ロータは、ロータフレーム(ロータ台座)と、ロータフレームの周方向に沿って固定された複数の磁石片と、を含んでいる。ステータは、周方向に沿って配置された複数のカットコア(ステータコア)と、カットコアに導線が巻回されてなるコイルと、を含んでいる。カットコアは、帯状の磁性材料を複数周巻回してなる巻コアを分割することによって形成されている。各ステータのカットコアは、カットコアの分割面がロータの磁石片にギャップをあけて対向するように配置されている。
特開2018-33281号公報
しかしながら、上記特許文献1のアキシャルギャップモータでは、2つのステータのステータコア同士の間をロータの磁石片が通過する。このとき、ロータが高速で回転すると、磁石の移動によりステータのコイルに逆起電力が生じ、高速回転時の電力消費が多くなる。また、このような磁石の材料には、希少な希土類元素が使用されるため、磁石を用いないことが望ましい。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、磁石を用いないことによりコイルに逆起電力が生じないようにすることが可能なアキシャルギャップモータを提供することを課題とする。
本発明に係るアキシャルギャップモータは、回転シャフトに固定されたロータと、前記回転シャフトの軸方向において前記ロータとギャップをあけて対向配置されたステータと、を備えるアキシャルギャップモータであって、前記ロータは、非磁性材料からなるロータ台座と、前記ロータ台座の周方向に沿って固定された複数のロータコアとを備え、前記ステータは、非磁性材料からなるステータ台座と、前記ステータ台座の周方向に沿って固定された複数のステータコアと、前記ステータコアに巻回されたコイルとを備えており、前記ロータコアと前記ステータコアは、2つの端面が同じ方向を向くように湾曲した軟磁性材料からなるコアであり、前記ロータコアの前記2つの端面と、前記ステータコアの前記2つの端面とは、互いに露出した状態で対向するように配置されている。
本発明のアキシャルギャップモータによれば、前記ロータコアの前記2つの端面と、前記ステータコアの前記2つの端面とは、互いに露出した状態で対向するように配置されている。これにより、ステータコアに巻回されたコイルに通電することによりステータコアに磁束が生じる。所定のステータコアに磁束を生じさせることにより、その磁束によりロータコアが前記所定のステータコアに対向する位置に引き寄せられてロータコアが所定角度だけ回転する。次に、前記所定のステータコアのコイルの通電を停止して、隣のステータコアに磁束を生じさせることにより、その磁束によりロータコアが前記隣のステータコアに対向する位置に引き寄せられてロータコアが所定角度だけさらに回転する。これを繰り返すことによって、ロータが連続的に回転する。このアキシャルギャップモータでは、磁石(永久磁石)を用いないため、ロータが高速で回転した場合であっても、ステータのコイルに逆起電力が生じないので、高速回転時の電力消費が多くなるのを抑制することができる。
具体的には、例えばハイブリッド自動車の駆動モータとして、磁石を有する通常のIPM(Interior Permanent Magnet)モータ等を用いた場合には、エンジン主体で高速走行する場合、エンジンの出力シャフトに連結されたモータのロータが、出力シャフトの回転に伴い回転することによって、ロータの磁石が回転するため、磁石による磁界によりコイルに逆起電力が発生する。このため、エンジントルクに対して逆向きの力(負荷)がロータに発生するので、必要なトルクを確保するためには燃料の消費が多くなり、燃費が低下してしまう。そこで、磁石と同期(対向)したステータの位置でコイルに電流を流すことによって、磁石による磁界に対抗する(逆向きの)磁界を生じさせる(所謂、弱め界磁を行う)。これにより、磁石の回転に起因する逆起電力が低減するので、燃費の低下を抑えることができる。このとき、弱め界磁を行うためにコイルに電流を流すので、電力消費が多くなる。以上のように、ハイブリッド自動車として、磁石を有する通常のIPMモータ等を用いた場合には、高速走行時に、燃費が低下したり、電力消費が多くなったりするという課題が発生する。その一方、本発明のアキシャルギャップモータでは、磁石(永久磁石)を用いないため、磁石に起因する逆起電力が発生しない。このため、エンジントルクに対して逆向きの力(負荷)がロータに発生しないので、燃費が低下しない。また、磁石に起因する逆起電力が発生しないため、弱め界磁を行う必要がなく、弱め界磁を行うための電力消費を無くすことができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記アキシャルギャップモータは、前記ロータと前記ステータをそれぞれ2組有しており、前記回転シャフトの軸方向において、2つの前記ロータは2つの前記ステータの間に配置されており、前記2つのロータのロータコアの端面とは反対側の部分同士が固定されている。このように構成すれば、ステータコアにロータコアが引き寄せられる際に、一方のロータが一方のステータに引き寄せられる力と、他方のロータが他方のステータに引き寄せされる力とが打ち消し合うように作用するので、ロータ台座が撓んでロータとステータとが接触するのを抑制することができる。また、ロータとステータを1つずつ設ける場合に比べて、モータサイズに対する出力トルクを向上させることができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記複数のロータコアは、前記ロータ台座の周方向に沿って複数列を成して固定されており、前記複数のステータコアは、前記ステータ台座の周方向に沿って複数列を成して固定されている。このように構成すれば、ロータコアおよびステータコアの数を容易に増加させることができ、モータサイズに対する出力トルクをより向上させることができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記ロータコアと前記ステータコアは、帯状の軟磁性材料を複数周巻回してなる巻回体を前記巻回体の周方向と交差する方向で分割することによって、前記2つの端面が形成されたコアであり、前記帯状の軟磁性材料は、結晶方位が長手方向に揃えられた方向性電磁鋼板からなる。方向性電磁鋼板の飽和磁束密度は、無方向性電磁鋼板の飽和磁束密度に比べて高いので、方向性電磁鋼板からなるロータコアおよびステータコアを用いることによって、無方向性電磁鋼板からなるロータコアおよびステータコアを用いる場合に比べて、アキシャルギャップモータの出力トルクを高くすることができる。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、方向性電磁鋼板とは、結晶方位が特定の方向(圧延方向)に揃えられ、その方向に磁化容易軸を有する電磁鋼板のことを言う。また、帯状の軟磁性材料の幅方向は短手方向であり、帯状の軟磁性材料の延びる方向が長手方向である。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記回転シャフトには、前記ロータ台座に固定されるロータ固定部が形成されており、前記ステータ台座には、前記回転シャフトが挿入される挿入穴が形成されており、前記ロータ固定部の直径は、前記ステータ台座の挿入穴の内径よりも大きい。ステータコアにロータコアが引き寄せられる際に、ステータにはロータに引き寄せられる力が生じるが、上記アキシャルギャップモータでは、ロータ固定部の直径は、ステータ台座の挿入穴の内径よりも大きいので、ステータは、ロータ固定部の端面に当接してロータ側への移動が規制される。このため、ステータ台座の内周部がロータ側に撓んでステータとロータとが接触するのを抑制することができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記回転シャフトを回転可能に軸支するとともに、前記ロータおよび前記ステータを密閉した状態で収容するケースをさらに備え、前記ケース内は、前記ステータ台座によって前記回転シャフトの軸方向に、前記ロータが配置される第1領域と、前記コイルが配置される第2領域と、に区画されており、前記ケースには、冷却液が前記第2領域を流通するように、冷却液流入口および冷却液流出口が設けられている。このように構成すれば、第2領域を冷却液が流通する際に、通電時に発熱するコイルが冷却液により冷却されるため、アキシャルギャップモータが高温になるのを抑制することができる。また、ロータが配置される第1領域には、冷却液を流通させないので、冷却液がロータの回転負荷となってロータの回転を阻害するのを防止することができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記ステータコアは、互いに対向配置されるとともに前記2つの端面にそれぞれ連続して設けられる一対の内側面を有し、前記ロータコアの前記端面と前記ステータコアの前記端面との間の距離をLg、前記ロータコアの前記端面の面積をSr、前記ステータコアの前記一対の内側面同士の間の距離をWsc、前記ステータコアの前記内側面の面積をSsとした場合、Wsc/(2*Lg)≧20、Sr/Ss≧0.2を満たす。このように構成すれば、後述するように、無方向性電磁鋼板からなるロータコアおよびステータコアを用いて、磁束漏れのない理想的なアキシャルギャップモータを構成したと仮定した場合の出力トルクに比べて、大きい出力トルクを得ることができる。このため、無方向性電磁鋼板からなるロータコアおよびステータコアを用いる場合に比べて、出力トルクを確実に大きくすることができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記アキシャルギャップモータは、前記回転シャフトの軸方向に積み重ねられた前記ステータ及び前記ロータを2組以上有しており、ステップ角をεとしたときに、初期位置において、n組目の前記ロータコアに対してn+1組目の前記ロータコアがε/(n+1)の角度、n組目の前記ステータコアに対してn+1組目の前記ステータコアがε/(n+1)の角度でそれぞれ前記回転シャフトを中心に回転した位置に配置されている。このようにすれば、トルクリップルを低減することができ、アキシャルギャップモータの回転駆動がより滑らかになる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記ステータコアの数をNsとしたときに、前記ロータコアは、該ロータコアの湾曲の曲率中心軸及び該ロータコアの幅方向の中心軸の交点を中心とし、前記ロータ台座の径方向に対して前記ロータの回転方向に360°/Nsの角度で傾いた状態で配置されている。このようにすれば、トルクリップルを低減することができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記ロータコアは、該ロータコアの幅方向において非対称な構造を有する。このようにすれば、通電切り換え時の初期トルクを高めることができるとともに、トルクリップルを低減することができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記ロータコアは、該ロータコアの湾曲の曲率中心軸側に配置されるとともに前記ロータの回転方向に突出する中央幅広部と、該ロータコアの湾曲の曲率中心軸とは反対側に配置された端部幅狭部とを有する。このようにすれば、通電切り換え時の初期トルクを高めることができるとともに、トルクリップルを低減することができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記ロータコアに用いられる軟磁性材料は、前記中央幅広部と前記端部幅狭部とで異なっている。このようにすれば、アキシャルギャップモータの用途に合わせて、ロータコアの中央幅広部と端部幅狭部で異なる軟磁性材料を使い分けることにより、高回転且つ低損失型、低速且つ高トルク型、又は低コスト型等のアキシャルギャップモータを提供することができるので、アキシャルギャップモータのバリエーションを増やすことができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記ステータコアは、一定の幅を呈しており、該ステータコアの湾曲の曲率中心軸側に配置されるとともに前記ロータコアの前記中央幅広部と同じ材料により形成された中央コア部と、該ステータコアの湾曲の曲率中心軸とは反対側に配置されるとともに前記ロータコアの前記端部幅狭部と同じ材料により形成された端部コア部とを有する。このようにすれば、アキシャルギャップモータの用途に合わせて、ステータコアの中央コア部及び端部コア部にも異なる軟磁性材料を使い分けることにより、高回転且つ低損失型、低速且つ高トルク型、又は低コスト型等のアキシャルギャップモータを提供することができるので、アキシャルギャップモータのバリエーションを増やすことができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記ロータコアと前記ステータコアは、複数種類の帯状の軟磁性材料を隣接する軟磁性材料同士が異なるように湾曲させて積層することにより形成されている。このようにすれば、アキシャルギャップモータの用途に合わせて、ロータコア及びステータコアにそれぞれ異なる軟磁性材料を使い分けることにより、高回転且つ低損失型、低速且つ高トルク型、又は低コスト型等の多層構造を有するアキシャルギャップモータを提供することができるので、アキシャルギャップモータのバリエーションを増やすことができる。
上記アキシャルギャップモータにおいて、好ましくは、前記アキシャルギャップモータは、前記回転シャフトの軸方向に積み重ねられた前記ステータ及び前記ロータを2組以上有しており、前記ステータコアと前記ロータコアは、同極数であって且つそれぞれの幅方向がそれぞれの台座の径方向と平行になるように配置されており、前記ステータコアの数をNs、ステップ角をεとしたときに、各組のステップ角εをε=360°/(3Ns)ずつ回転させるように各組の通電が切り換えられる。このようにすれば、ステータコアとロータコアをそれぞれの幅方向がそれぞれの台座の周方向と平行になるように配置する場合と比べて、トルク平均半径及び回転に必要なコア幅を大きくすることができるので、トルクを更に高めることができる。
本発明によれば、磁石を用いないことによりコイルに逆起電力が生じないようにすることが可能なアキシャルギャップモータを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップモータの全体構成を示す概略断面図である。 図1のA-A線に沿った、ロータの構造を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップモータのロータコアおよびステータコアの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップモータのロータコアおよびステータコア周辺の構造を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップモータのロータコア同士の固定方法を説明するための側面図である。 本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップモータのロータコア同士の固定方法を説明するための側面図である。 図1のB-B線に沿った、ステータの構造を示す断面図である。 本発明の第1変形例のアキシャルギャップモータの構造を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップモータのステータコアに対するコイルの取付方法を説明するための断面図である。 本発明の第2変形例のアキシャルギャップモータの構造を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップモータのロータ台座とステータ台座との間のギャップの設定方法を説明するための断面図である。 ロータコアおよびステータコアに方向性電磁鋼板または無方向性電磁鋼板を用いるとともに、ロータコアとステータコアとの間のギャップを変化させたときにおける、磁界の強さと磁束密度との関係を示す図である。 ロータコアの数とステータコアの数との組み合わせの一例を説明するための概略図である。 ロータコアの数とステータコアの数との組み合わせの一例を説明するための概略図である。 本発明の第2実施形態に係るアキシャルギャップモータの全体構成を示す概略断面図である。 図15のC-C線に沿った、ロータの構造を示す断面図である。 図15のD-D線に沿った、ステータの構造を示す断面図である。 本発明の第3変形例のステータコアに対するコイルの取付方法を説明するための断面図である。 本発明の第4変形例のステータコアに対するコイルの取付方法を説明するための断面図である。 本発明の第3実施形態に係るアキシャルギャップモータの全体構成および冷却用のポンプ等を示す概略断面図である。 本発明の第4実施形態に係るアキシャルギャップモータのステータコアおよびロータコア周辺の構造を示す概略断面図である。 本発明の第4実施形態に係るアキシャルギャップモータのステータコアおよびロータコアの構造を示す斜視図である。 K(=Rm2/Rm1)とトルク比Trとの関係を示す図である。 ロータコアおよびステータコアに方向性電磁鋼板および無方向性電磁鋼板を用いた場合における、磁界の強さと磁束密度との関係を示す図である。 Wsc/(2*Lg)とトルク比Trとの関係を示す図である。 Tsc/(Tco+Tst)とトルク比Trとの関係を示す図である。 本発明の第5実施形態に係るアキシャルギャップモータのステータを示す断面図である。 本発明の第5実施形態に係るアキシャルギャップモータのロータを示す断面図である。 本発明の第6実施形態に係るアキシャルギャップモータのステータを示す断面図である。 本発明の第6実施形態に係るアキシャルギャップモータのロータを示す断 本発明の第7実施形態に係るアキシャルギャップモータの構成を示す概略断面図である。 本発明の第8実施形態に係るアキシャルギャップモータのステータを示す断面図である。 本発明の第8実施形態に係るアキシャルギャップモータのロータを示す断面図である。 ロータコアとステータコアとの配置状態を示す部分断面図である。 本発明の第9実施形態に係るアキシャルギャップモータのステータ及びロータを示す断面図である。 本発明の第9実施形態に係るアキシャルギャップモータのロータコアの製造方法を説明するための斜視図である。 ロータコアが傾斜した場合を示す断面図である。 ロータコアの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の第10実施形態に係るアキシャルギャップモータのステータコア及びロータコアを示す斜視図である。 本発明の第11実施形態に係るアキシャルギャップモータのステータコア及びロータコアを示す斜視図である。 本発明の第12実施形態に係るアキシャルギャップモータのステータコア及びロータコアを示す斜視図である。 本発明の第12実施形態に係るアキシャルギャップモータのロータコア及びステータコアの製造方法を説明するための斜視図である。 本発明の第13実施形態に係るアキシャルギャップモータの構成を示す概略断面図である。 本発明の第13実施形態に係るアキシャルギャップモータの通電を説明するための断面図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るアキシャルギャップモータ1の全体構成を示す概略断面図である。
アキシャルギャップモータ1は図1に示すように、例えば金属製の回転シャフト2と、回転シャフト2に固定されたロータ3と、回転シャフト2の軸方向においてロータ3とギャップをあけて対向配置されるステータ4と、これらを密閉した状態で収容するケース5とによって構成されている。ここでは、2つのロータ3が2つのステータ4に挟まれるように配置されており、ロータ3およびステータ4が軸方向に対称に形成されている例について説明する。
ケース5は、円筒状の側面部51と、側面部51の両端開口を塞ぐ円板状の一対の蓋部52とを含んでいる。各蓋部52の中心部には、回転シャフト2を回転可能に支持する軸受部材53が取り付けられている。ケース5の材質は特に限定されるものではないが、機械的強度および放熱性の観点から金属製であることが好ましい。
回転シャフト2は、ケース5内において軸方向中央部に配置される大径部(ロータ固定部)21と、大径部21に対して軸方向両側に配置され大径部21よりも小さい直径を有する一対の中径部22と、中径部22に対して軸方向両側に配置され中径部22よりも小さい直径を有する一対の小径部23とを含んでいる。小径部23は、軸受部材53に回転可能に軸支されている。
後述するように、大径部21は、ロータ台座31の挿入穴31aに固定される。大径部21の直径は、後述するステータ台座41の挿入穴41aの内径よりも大きく形成されている。そして、大径部21と中径部22との間には、段差部が形成されている。
ロータ3は、図1および図2に示すように、非磁性材料からなる円板状のロータ台座31と、ロータ台座31の周方向に沿って固定された複数(ここでは16個)のロータコア32とによって構成されている。ここでは、ロータ3は2つ設けられているため、アキシャルギャップモータ1のロータ極数は32極となっている。
ロータ台座31の材質は、非磁性材料であれば特に限定されるものではなく、金属や樹脂を用いることができるが、機械的強度の観点から例えば非磁性のステンレス鋼を用いることができる。ロータ台座31の中心部には、回転シャフト2の大径部21が挿入されて固定される挿入穴31aが形成されている。また、ロータ台座31は、回転シャフト2と一体となって回転するように構成されている。この場合、例えば、挿入穴31aの内周面と回転シャフト2の大径部21の外周面とにキー溝を形成するとともに、このキー溝にキーを嵌入することによってロータ台座31を回転シャフト2に固定してもよいし、ロータ台座31の挿入穴31aに回転シャフト2の大径部21を圧入して固定してもよい。ロータ台座31の外周部には、厚み方向に貫通しロータコア32の端部が埋め込まれる貫通穴31bが複数形成されている。貫通穴31bは、1つのロータコア32に対して、ロータ台座31の径方向に隣接して一対設けられている。一対の貫通穴31bは、挿入穴31a(回転シャフト2)を中心として等角度ピッチで形成されており、ここでは22.5°ピッチで16対形成されている。なお、ロータ台座31の外周縁は、ケース5の側面部51の内面から所定の隙間を有するように形成されている。
ロータコア32の材質は、軟磁性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば方向性または無方向性の電磁鋼板、鉄系軟磁性アモルファス、コバルト系軟磁性アモルファス、ナノ結晶軟磁性材料、鉄-コバルト系のパーメンジュール材などを用いることができるが、方向性電磁鋼板を用いることが好ましい。ロータコア32は、U字状に形成されたカットコアからなる。ロータコア32は、図3に示すように、帯状の軟磁性材料(方向性電磁鋼板)を複数周巻回してなる巻回体3aを周方向(矢印O方向)と交差する方向で分割することによって形成されている。なお、図3の符号Lは、巻回体3aの分割位置を示している。
ロータコア32は、図4に示すように、2つの分割面(端面)32aおよび32bを有する。2つの分割面32aおよび32bは、同じ方向を向くように形成されており、ここでは同一平面上に形成されている。ロータコア32は、分割面32aおよび32bがロータ台座31の貫通穴31bに入り込むように配置されている。ロータコア32は、ロータ台座31の貫通穴31bに埋め込まれた状態で、ロータ台座31のステータ4側の面と面一になるように配置されている。本実施形態では、ロータコア32の分割面32aおよび32bと、ステータコア42の後述する分割面42aおよび42bとは、互いに露出した状態で対向するように配置されている。また、本実施形態では、ロータコア32に用いられる方向性電磁鋼板は、長手方向(圧延方向)に結晶方位が揃えられ、その方向に磁化容易軸を有するため、ロータコア32は後述するように優れた磁気特性を有する。
そして、ロータコア32の分割面32aおよび32bが後述するステータコア42の分割面42aおよび42bに対向した状態では、ステータコア42の分割面42aまたは42bから出る磁束は、ロータコア32の分割面32aまたは32bに入り、ロータコア32内を通過した後、分割面32bまたは32aから出てステータコア42の分割面42bまたは42aに入る。
また、各ロータコア32の分割面32aおよび32bは、ロータ台座31の径方向に配列されている。本実施形態では、ロータコア32の巻幅方向(帯の幅方向)がロータ台座31の周方向と平行に、言い換えると、ロータコア32の分割面32aおよび32bにおける帯状の軟磁性材料の積層方向がロータ台座31の径方向と平行に、なっている。
ここで、本実施形態では、図1に示すように、ロータ3は2つ設けられており、各ロータ3のロータコア32同士が対向するように配置されている。そして、ロータコア32の分割面32aおよび32bとは反対側の部分32c(ロータコア32同士が対向している部分。以下、背面部32cともいう)同士は固定されている。これにより、2つのロータ3間において、ロータコア32は同じ角度位置に(すなわち、位相差が生じないように)配置されている。
ロータコア32同士を固定する方法は、特に限定されるものではないが、例えば図5に示すように、ロータコア32の背面部32c同士を溶接して固定してもよいし、接着剤を用いて接着して固定してもよい(図5の符号34は溶接部または接着剤を示す)。また、図6に示すように、ロータコア32をロータ台座31に取り付ける前の状態において、2つのロータコア32の背面部32cの内面32dを覆うように樹脂製のベルト35を巻き付けることによって、2つのロータコア32同士を固定してもよい。なお、ベルト35として金属製のベルトを用いてもよいが、金属製のベルトはそれ自身に渦電流が発生したり、ロータ台座31の周方向に隣接するベルト同士が接触して導通したりする可能性があるため、樹脂製のベルトを用いることが好ましい。このように、2つのロータ3のロータコア32同士が固定されているので、ステータコア42にロータコア32が引き寄せられる際に、一方のロータ3が一方のステータ4に引き寄せられる軸方向の力と、他方のロータ3が他方のステータ4に引き寄せされる軸方向の力とが打ち消し合うように作用するので、ロータ台座31が撓んでロータ3とステータ4とが接触するのを抑制することができる。
ステータ4は、図1および図7に示すように、非磁性材料からなる円板状のステータ台座41と、ステータ台座41の周方向に沿って固定された複数(ここでは24個)のステータコア42と、ステータコア42に巻回されたコイル43とによって構成されている。ここでは、ステータ4は2つ設けられているため、アキシャルギャップモータ1のステータ極数は48極となっている。なお、本実施形態では、2つのステータ4間において、ステータコア42は同じ角度位置に(すなわち、位相差が生じないように)配置されている。
ステータ台座41の材質は、非磁性材料であれば特に限定されるものではないが、機械的強度の観点から例えば、非磁性のステンレス鋼を用いることができる。ステータ台座41の中心部には、回転シャフト2の中径部22が挿入される挿入穴41aが形成されている。なお、ステータ台座41の挿入穴41aの内面は、回転シャフト2の中径部22から所定の隙間を有するように形成されている。また、ステータ台座41の挿入穴41aの内径D1は、回転シャフト2の大径部21の外径D2よりも小さく形成されている。ステータコア42にロータコア32が引き寄せられる際に、ステータ4にはロータ3に引き寄せされる力が生じるが、ステータ台座41の中心部のロータ3側への移動が大径部21の端面21aによって規制されるため、ステータ台座41の内周部がロータ台座31側に撓んでロータ台座31に接触するのを防止することができる。
ステータ台座41の外周部には、厚み方向に貫通しステータコア42の端部が嵌めこまれる貫通穴41bが複数形成されている。貫通穴41bは、1つのステータコア42に対して、ステータ台座41の径方向に隣接して一対設けられている。一対の貫通穴41bは、挿入穴41a(回転シャフト2)を中心として等角度ピッチで形成されており、ここでは15°ピッチで24対形成されている。ステータ台座41の外周縁は、ケース5の側面部51の内面に固定されている。また、ステータ台座41は、ケース5に対して回転しないように構成されている。この場合、例えば、ステータ台座41の外周縁とケース5の側面部51の内周面とにキー溝を形成するとともに、このキー溝にキーを嵌入することによってステータ台座41をケース5に固定してもよいし、ステータ台座41の外周縁をケース5の側面部51の内周面に圧入して固定してもよい。
なお、図8に示す第1変形例のように、ケース5の側面部51に、ステータ台座41がロータ3側に移動するのを規制する規制突部51aを、回転シャフト2側に突出するように設けてもよい。このように構成すれば、ステータコア42にロータコア32が引き寄せられる際に、ステータ4にはロータ3に引き寄せされる力が生じるが、ステータ台座41の外周部は規制突部51aの端面51bに当接してロータ台座31側への移動が規制される。これにより、ステータ台座41の外周部がロータ台座31側に撓んでロータ台座31に接触するのを防止することができる。
ステータコア42の材質は、軟磁性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば方向性または無方向性の電磁鋼板、鉄系軟磁性アモルファス、コバルト系軟磁性アモルファス、ナノ結晶軟磁性材料、鉄-コバルト系のパーメンジュール材などを用いることができるが、方向性電磁鋼板を用いることが好ましい。ステータコア42は、U字状に形成されたカットコアからなる。ステータコア42は、図3に示すように、帯状の軟磁性材料(方向性電磁鋼板)を複数周巻回してなる巻回体3aを周方向(矢印O方向)と交差する方向で分割することによって形成されている。このとき、1つの巻回体3aから2つのステータコア42(またはロータコア32)を形成してもよいし、1つの巻回体3aからステータコア42およびロータコア32を1つずつ形成してもよい。本実施形態では、ロータコア32およびステータコア42は、帯状の軟磁性材料を複数周巻回してなる巻回体3aを分割することによって形成するため、ラジアルギャップモータの製造時に一般的に採用されているようにシート状の電磁鋼板を打ち抜くことによってコアを形成する場合に比べて、歩留まりを非常に向上させることができる。
なお、ロータコア32およびステータコア42の形成方法は、上述した方法に限定されない。例えば、帯状の軟磁性材料をU字状に湾曲させて複数枚積層することによってコアを形成してもよい。また、帯状の軟磁性材料を積層するのではなく、例えば焼結や鋳造などの他の方法によってコアを形成してもよい。
ステータコア42は、図4に示すように、同じ方向を向く2つの分割面(端面)42aおよび42bを有する。ステータコア42は、分割面42aおよび42bがステータ台座41のロータ3側の面と面一になるように、貫通穴41bに挿入固定されている。また、本実施形態では、ステータコア42は、方向性電磁鋼板によって形成されているため、後述するように優れた磁気特性を有する。
また、各ステータコア42の分割面42aおよび42bは、ステータ台座41の径方向に配列されている。本実施形態では、ステータコア42の巻幅方向(帯の幅方向)がステータ台座41の周方向と平行に、言い換えると、ステータコア42の分割面42aおよび42bにおける帯状の軟磁性材料の積層方向がステータ台座41の径方向と平行に、なっている。
また、図1に示すように、ステータコア42のロータコア32とは反対側の部分(以下、背面部ともいう)42cは、蓋部52の内面に固定される。ステータコア42を蓋部52に固定する方法は特に限定されるものではないが、例えば溶接により固定してもよいし、接着剤を用いて固定してもよい(図1の符号44は溶接部または接着剤を示す)。
コイル43は、導線を複数周巻回して形成される。コイル43の中央部には、ステータコア42が挿入される挿入穴が形成されている。ステータ4を組み立てる場合、図9に示すように、直列に接続された2つのコイル43を並べて配置し、コイル43の挿入穴にステータコア42の両端部を挿入する。そして、コイル43が取り付けられたステータコア42をステータ台座41の貫通穴41bに挿入することによって、ステータ4が組み立てられる。このため、ラジアルギャップモータのように複数枚積層したステータコアに導線を巻回してコイルを形成する場合に比べて、ステータ4を容易に製造することができる。なお、コイル43の挿入穴にステータコア42を挿入する際に、コイル43を樹脂製のケース内に収容したりコイル43の表面を絶縁紙で覆ったりした状態で、ステータコア42を挿入してもよい。なお、図9の符号Cは、樹脂製のケースまたは絶縁紙を示している。このように構成すれば、組立作業性が向上するとともに、隣接するコイル43間で電気が導通するのを防止することができる。また、コイル43は、例えば集中巻きとすることができるが、分布巻きであってもよい。
各コイル43に、例えば矩形波の電流を所定のタイミングで通電すると、ステータコア42内に磁束が発生し、この磁束に対してロータ3のロータコア32が吸引されることによって、ロータ3が回転する。具体的には、所定のステータコア42に巻回されたコイル43に通電することにより、所定のステータコア42に磁束が生じ、その磁束によりロータコア32が所定のステータコア42に対向する位置に引き寄せられてロータコア32が所定角度だけ回転する。次に、所定のステータコア42のコイル43の通電を停止して、隣のステータコア42のコイル43に通電することにより、隣のステータコア42に磁束を生じさせる。これにより、隣のステータコア42の磁束によりロータコア32が隣のステータコア42に対向する位置に引き寄せられてロータコア32が所定角度だけさらに回転する。これを繰り返すことによって、ロータ3が連続的に回転する。
ここでは、ロータコア32の分割面32aおよび32bがロータ台座31のステータ4側の面と面一になるように配置され、ステータコア42の分割面42aおよび42bがステータ台座41のロータ3側の面と面一になるように構成する例について示したが、例えば図10に示した第2変形例の構成を採用してもよい。具体的には、ロータ台座31の貫通穴31bのステータ4側の部分に、貫通穴31bの内側に突出する突部31cを設けてもよい。このように構成すれば、ロータコア32の寸法誤差等に起因してロータコア32の分割面32aおよび32bがロータ台座31から突出するのを、突部31cによって防止することができるので、ロータコア32がステータコア42に接触するのを防止することができる。同様に、ステータ台座41の貫通穴41bのロータ3側の部分に、貫通穴41bの内側に突出する突部41cを設けてもよい。このように構成すれば、ステータコア42の寸法誤差等に起因してステータコア42の分割面42aおよび42bがステータ台座41から突出するのを、突部41cによって防止することができるので、ステータコア42がロータコア32に接触するのを防止することができる。
次に、図11を参照して、ロータ台座31とステータ台座41との間のギャップXgの設定方法について簡単に説明する。図11に示すように、大径部21の軸方向長さをXL、ロータ台座31とステータ台座41との間(ここでは、ロータコア32とステータコア42との間)のギャップをXg、ロータ台座31の厚みをXr、2つのロータ台座31同士の間の距離をXcoとすると、XL=2・Xg+2・Xr+Xcoであるから、この式を満たすように、所定のXrおよびXcoに対してXLを設定することによって、所望の大きさのXgとすることができる。
次に、ロータコア32およびステータコア42を方向性電磁鋼板を用いて形成することによる効果について簡単に説明する。
図12は、ロータコア32およびステータコア42に方向性電磁鋼板または無方向性電磁鋼板を用いるとともに、ロータコア32とステータコア42との間のギャップを0.7mmまたは0mmにしたときにおける、磁界の強さと磁束密度との関係を示す図である。図12に示すように、ロータコア32とステータコア42との間のギャップを0.7mmとした場合で比較すると、方向性電磁鋼板を用いたものは無方向性電磁鋼板を用いたものに比べて、磁束密度が飽和する(このとき、出力トルクも飽和する)ときの磁界の強さは1/2以下である。磁界の強さはコイル43に通電する電流の大きさに比例するので、方向性電磁鋼板を用いたものは、無方向性電磁鋼板を用いたものに比べて、飽和磁束密度における銅損を1/4以下に抑えることができる。なお、図12のギャップが0.7mmの場合と0mmの場合とを比較すると、ギャップが小さくなるにしたがって、銅損をより低減することができることが分かる。
次に、ロータコア32の数とステータコア42の数との組み合わせの一例について説明する。ここでは、説明を簡単にするために、ロータコア32の数とステータコア42の数との比率が3倍を超えない範囲で説明する。ロータコア32の数をNr、ステータコア42の数をNs、ステップ角をεとする。このとき、回転シャフト2周りのロータコア32同士のピッチ(以下、ロータ間角度という)は、θr(=360°/Nr)となり、回転シャフト2周りのステータコア42同士のピッチ(以下、ステータ間角度という)は、θs(=360°/Ns)となる。なお、ステップ角とは、コイル43に入力される矩形波の電流の1パルス当たりの回転シャフト2の回転角のことをいう。また、回転シャフト2周りのロータコア32同士(またはステータコア42同士)のピッチとは、回転シャフト2を中心とするロータコア32(またはステータコア42)の角度のピッチのことをいい、360°をロータコア32の数(またはステータコア42の数)で除した値である。
ステータコア42の数Nsがロータコア32の数Nrよりも多い場合、図13に示すように、ステップ角εは、ε=360°(1/Nr-1/Ns)であるから、Ns=360°Nr/(360°-ε・Nr)である。この式を用いて、任意のステップ角εに対し、NrおよびNsが整数となる組み合わせを求める。このとき、NsがNrの整数倍である場合(ここでは2Nr=Ns又は3Nr=Nsの場合)は、ロータ3の安定した回転が阻害されるおそれがあるので、2Nr≠Nsかつ3Nr≠Nsであることが好ましい。その結果を以下の表1に示す。
Figure 2022007980000002
表1を参照して、NsがNrよりも多い場合(ただし、Ns/Nr<3)、NsとNrの組み合わせは48通りある。同期極数が6極以上(例えば、パターンNo.26、36、37、40~42、44、46、47または48)であれば、他の同期極数のものよりも、高トルクを発生させることができる。また、ステップ角εが4°以下(例えば、パターンNo.9、20、24、25、29、35、40、47または48)であれば、他の同期極数のものよりも、回転角度を高精度に制御することができる。すなわち、必要なモータ性能に応じて、様々な極数に組み合わせることができる。
一方、ステータコア42の数Nsがロータコア32の数Nrよりも少ない場合、図14に示すように、ステップ角εは、ε=360°(1/Ns-1/Nr)であるから、Ns=360°Nr/(360°+ε・Nr)である。この式を用いて、任意のステップ角εに対し、NrおよびNsが整数となる組み合わせを求める。このとき、NrがNsの整数倍である場合(ここでは2Ns=Nr又は3Ns=Nrの場合)は、ロータ3の安定した回転が阻害されるおそれがあるので、2Ns≠Nrかつ3Ns≠Nrであることが好ましい。その結果を以下の表2に示す。
Figure 2022007980000003
表2を参照して、NsがNrよりも少ない場合(ただし、Nr/Ns<3)、NsとNrの組み合わせは43通りあり、同期極数が多くなる組み合わせパターン(例えば6極以上の同期極数を有するのはパターンNo.17、25、28、29、32、35~38、40~43)は表1に比べて多い。また、ステップ角εが小さい組み合わせパターン(例えば、4°以下であれば、パターンNo.10、19、20、23、27、31、35、36、39~42)も表1に比べて多い。ステータコア42の数Nsをロータコア32の数Nrよりも少なく設定する方が、組み合わせパターンの選択肢が多くなる。
次に、図1に示したアキシャルギャップモータ1と、磁石を用いた従来のラジアルギャップモータとについて、出力トルクを同一にした場合における両者を比較した結果について簡単に説明する。なお、アキシャルギャップモータ1のロータコア32およびステータコア42の材質は、方向性電磁鋼板とした。そして、各比較項目について、従来のラジアルギャップモータに対するアキシャルギャップモータ1の比を求めた。その結果を以下の表3に示す。
Figure 2022007980000004
表3に示すように、アキシャルギャップモータ1と、磁石を用いた従来のラジアルギャップモータとについて、出力トルクを同一にした場合、アキシャルギャップモータ1は、モータの体積、コアの外径およびモータの軸方向長さなどのサイズ(体格)は大きくなった。その一方、アキシャルギャップモータ1は、磁石の質量(使用量)がゼロであるため、資源枯渇によって製造できなくなることがない。また、アキシャルギャップモータ1では、コアの質量(使用量)を半分以下にすることができる。なお、ここでの結果は、モータになった状態でのコアの使用量について示すものであるが、従来のラジアルギャップモータではシート状の電磁鋼板を打ち抜くことによってコアを形成するため、歩留まりも考慮すると、コアの使用量を非常に低く抑えることができる。また、アキシャルギャップモータ1では、巻線の質量(使用量)も半分以下にすることができる。このようにアキシャルギャップモータ1では、磁石、コアおよび巻線の質量が低く抑えられ、ロータの慣性モーメントが小さくなるので、応答性も良くなる。
本実施形態では、上記のように、ロータコア32の分割面32aおよび32bと、ステータ4の分割面42aおよび42bとは、互いに露出した状態で対向するように配置されている。これにより、ステータコア42に巻回されたコイル43に通電することによりステータコア42に磁束が生じる。上述したように、隣接するステータコア42に順次磁束を生じさせることによって、その磁束によりロータコア32が順次引き寄せられて連続的に回転する。このアキシャルギャップモータ1では、磁石(永久磁石)を用いないため、例えば、アキシャルギャップモータ1をハイブリッド自動車の駆動モータとして用いた場合に、エンジン主体で高速走行しロータ3が高速で回転した場合であっても、ステータ4のコイル43に逆起電力が生じない。このため、エンジントルクに対して逆向きの力(負荷)がロータ3に発生しないので、燃費が低下することがない。また、磁石(永久磁石)に起因する逆起電力が発生しないため、弱め界磁を行う必要がなく、弱め界磁を行うための電力消費を無くすことができる。また、磁石を用いないため、希少な希土類元素を使用する必要がない。
また、カットコアであるロータコア32およびステータコア42をロータ台座31およびステータ台座41に固定するだけでロータ3およびステータ4を組み立てることができるので、従来のラジアルギャップモータに比べて、ロータ3およびステータ4の組み立て作業を簡素化することができる。
また、上記のように、アキシャルギャップモータ1は、ロータ3とステータ4をそれぞれ2組有している。これにより、ロータ3とステータ4を1つずつ設ける場合に比べて、モータサイズに対する出力トルクを向上させることができる。
また、上記のように、ロータ3およびステータ4を軸方向に対称に配置している。これにより、ロータコア32同士を固定することができるので、一方のロータ3が一方のステータ4に引き寄せられる軸方向の力と、他方のロータ3が他方のステータ4に引き寄せされる軸方向の力とが打ち消し合うように作用するので、ロータ台座31が撓んでロータ3とステータ4とが接触するのを抑制することができる。
また、例えば軸方向に沿ってロータ3とステータ4とを交互に(具体的には1つ目のロータ3、1つ目のステータ4、2つ目のロータ3および2つ目のステータ4をこの順に)配置してもよいが、ロータ3とステータ4との間にはギャップを設ける必要があるので、この場合、1つ目のステータ4と2つ目のロータ3との間にギャップを設ける分だけ、本実施形態のアキシャルギャップモータ1に比べて軸方向のサイズが大きくなる。また、軸方向に沿ってロータ3とステータ4とを交互に配置すると、アキシャルギャップモータ1の重心がケース5の中心から軸方向にずれた位置に配置されるが、本実施形態のアキシャルギャップモータ1では、ケース5の中心に対する重心のずれを少なくすることができる。
[第2実施形態]
この第2実施形態では、複数のロータコア32がロータ台座31の周方向に沿って複数列(ここでは2列)を成して固定され、複数のステータコア42がステータ台座41の周方向に沿って複数列(ここでは2列)を成して固定されている場合について説明する。なお、本実施形態では、ロータコア32およびステータコア42の各々が2列形成されている例について説明するが、3列以上形成されていてもよい。
本実施形態では、図15および図16に示すように、ロータ台座31には、外周部だけでなく、外周部よりも内側の部分にも、貫通穴31bが複数形成されている。すなわち、本実施形態では、上記第1実施形態の貫通穴31b(以下、外側の貫通穴31bともいう)だけでなく、その内側にも貫通穴31b(以下、内側の貫通穴31bともいう)が複数形成されている。
内側の貫通穴31bは、外側の貫通穴31bと同様、ロータ台座31の径方向に隣接して一対設けられている。内側の一対の貫通穴31bは、挿入穴31a(回転シャフト2)を中心として外側の一対の貫通穴31bと同じ角度で形成されている。なお、内側の貫通穴31bは、外側の貫通穴31bに比べて、径方向に同じ長さで、周方向に短い長さを有するように形成されている。
ロータコア32は、ロータ台座31の貫通穴31bに対応するように設けられる。具体的には、ロータコア32は、外側の貫通穴31bに固定されるロータコア32(以下、外側のロータコア32ともいう)と、内側の貫通穴31bに固定されるロータコア32(以下、内側のロータコア32ともいう)とを含んでいる。内側のロータコア32は、挿入穴31a(回転シャフト2)を中心として外側のロータコア32と同じ角度で配置される。なお、内側のロータコア32は、外側のロータコア32に比べて、回転シャフト2の径方向に同じ長さで、周方向に短い長さを有するように形成されている。
図15および図17に示すように、ステータ台座41には、外周部だけでなく、外周部よりも内側の部分にも、貫通穴41bが複数形成されている。すなわち、本実施形態では、上記第1実施形態の貫通穴41b(以下、外側の貫通穴41bともいう)だけでなく、その内側にも貫通穴41b(以下、内側の貫通穴41bともいう)が複数形成されている。
内側の貫通穴41bは、外側の貫通穴41bと同様、ステータ台座41の径方向に隣接して一対設けられている。内側の一対の貫通穴41bは、挿入穴41a(回転シャフト2)を中心として外側の一対の貫通穴41bと同じ角度で形成されている。なお、内側の貫通穴41bは、外側の貫通穴41bに比べて、径方向に同じ長さで、周方向に短い長さを有するように形成されている。
ステータコア42は、ステータ台座41の貫通穴41bに対応するように設けられる。具体的には、ステータコア42は、外側の貫通穴41bに固定されるステータコア42(以下、外側のステータコア42ともいう)と、内側の貫通穴41bに固定されるステータコア42(以下、内側のステータコア42ともいう)とを含んでいる。内側のステータコア42は、挿入穴41a(回転シャフト2)を中心として外側のステータコア42と同じ角度で配置される。なお、内側のステータコア42は、外側のステータコア42に比べて、回転シャフト2の径方向に同じ長さで、周方向に短い長さを有するように形成されている。
ステータコア42に対するコイル43の取付方法は、上記第1実施形態と同様であるが、図18に示した第3変形例のように、1つのコイル43の挿入穴に、外側のステータコア42および内側のステータコア42の端部を挿入してもよい。また、図19に示した第4変形例のように、直列に接続された3つのコイル43を並べて配置するとともに、外側のステータコア42および内側のステータコア42を並べて配置し、コイル43の挿入穴にステータコア42の端部を挿入してもよい。
第2実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、上記のように、複数のロータコア32は、ロータ台座31の周方向に沿って複数列を成して固定されており、複数のステータコア42は、ステータ台座41の周方向に沿って複数列を成して固定されている。これにより、ロータコア32およびステータコア42の数を容易に増加させることができ、モータサイズに対する出力トルクをより向上させることができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
この第3実施形態では、冷却可能なアキシャルギャップモータ1について説明する。なお、ここでは、上記第1実施形態のようにロータコア32およびステータコア42の各々を1列(1周)設けた図を用いて説明するが、第2実施形態のようにロータコア32およびステータコア42の各々を複数列設けてもよい。
本実施形態では、図20に示すように、ケース5は、ロータ3およびステータ4を密閉した状態で収容している。具体的には、蓋部52の回転シャフト2が挿入される挿入穴の内面と、回転シャフト2の小径部23の外周面との間には、軸受部材53に加え、シール部材54が配置されている。シール部材54は、軸受部材53に対してケース5の内側に隣接するように配置されており、後述する冷却液がケース5の外部に漏れるのを防止する。シール部材54は、特に限定されるものではないが、ラビリンスシール、メカニカルシール、及びパッキン等を用いることができる。
また、ステータ台座41の挿入穴41aの内面と、回転シャフト2の中径部22の外周面との間には、シール部材55が配置されている。シール部材55は、冷却液が後述する第1領域R1から第2領域R2に漏れるのを防止する。シール部材55は、特に限定されるものではないが、ラビリンスシール、メカニカルシール、及びパッキン等を用いることができる。
ケース5内は、ステータ台座41およびシール部材55によって、回転シャフト2の軸方向に複数(ここでは3つ)の領域に密閉状態で区画されている。ここでは、ケース5内は、ロータ3が内部に配置されている第1領域R1と、第1領域R1の両側に配置され、ロータ3が内部に配置されていない2つの第2領域R2とに区画されている。そして、第2領域R2内は、冷却液で満たされている。冷却液としては、特に限定されるものではないが、例えば絶縁性の油を用いることができる。また、絶縁性の油として、JIS C2320に規定された絶縁油、又は、ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)等の油を用いてもよく、この場合、モータの駆動電圧に対して耐絶縁性を十分確保することができる。
そして、ケース5には、冷却液が第2領域R2を流通するように、冷却液流入口5aが設けられているとともに、冷却液流出口5bが設けられている。具体的には、ケース5の側面部51のうち第2領域R2を形成する部分には、冷却液供給管61の下流端が挿入される冷却液流入口5aが設けられており、側面部51のうち冷却液流入口5aとは反対側の部分には、冷却液排出管62の上流端が挿入される冷却液流出口5bが設けられている。
冷却液排出管62の下流端と冷却液供給管61の上流端との間には、ポンプ63が設けられている。また、冷却液排出管62の途中には、冷却液を冷却する冷却部64と、冷却液を貯留する冷却液タンク65とが設けられている。
冷却部64による冷却方法は、特に限定されるものではない。冷却部64は、例えば冷却フィンで構成されていてもよいし、チラー(冷却水循環装置)で構成されていてもよいし、その他の方法によって冷却するものであってもよい。
本実施形態では、ポンプ63を駆動することにより、冷却液タンク65から冷却液が汲み上げられ、冷却液供給管61から第2領域R2に冷却液が送り込まれる。冷却液は、第2領域R2内の熱(特にコイル43の熱)を吸熱しながらケース5内を流通し、冷却液排出管62から排出される。そして、冷却液は、冷却部64で冷却された後、冷却液タンク65に戻る。
なお、本実施形態では、シール部材54および55を設けて第2領域R2を密閉した状態で冷却する例について説明したが、例えば、第2領域R2内に変形自由度が高い例えばビニール袋などの樹脂製の可撓性を有した袋体などを配置し、その中を冷却液が流通するように構成してもよい。このように構成すれば、シール部材54および55を設けなくてもよい。また、この場合、絶縁性のない冷却液を用いることもできる。
第3実施形態のその他の構造は、上記第1および第2実施形態と同様である。
本実施形態では、上記のように、ケース5内を、ロータ3が配置される第1領域R1と、コイル43が配置される第2領域R2と、に区画し、ケース5には、冷却液が第2領域R2を流通するように、冷却液流入口5aおよび冷却液流出口5bが設けられている。これにより、冷却液は第2領域R2を流通する際にコイル43から熱を奪うため、通電時に発熱するコイル43が冷却液により冷却されるため、アキシャルギャップモータ1が高温になるのを抑制することができる。また、ロータ3が配置される第1領域R1には、冷却液を流通させないので、冷却液がロータ3の回転負荷となってロータ3の回転を阻害するのを防止することができる。
第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
[第4実施形態]
この第4実施形態では、高い出力トルクを確実に得ることが可能なアキシャルギャップモータ1について説明する。
図21に示すように、ロータコア32の分割面32aおよび32bがステータコア42の分割面42aおよび42bに対向した状態では、磁束は、ステータコア42の分割面42aから出て、ロータコア32の分割面32aに入り、ロータコア32内を通過した後、分割面32bから出てステータコア42の分割面42bに入る。ここでは、ロータコア32とステータコア42とロータコア32およびステータコア42の間の磁路Pm1とを磁束が通過する経路を第1経路P1とする(図21の実線矢印P1参照)。
ところで、ステータコア42で発生した磁束の全てが分割面42aから出てロータコア32の分割面32aに入るわけではない。具体的には、ステータコア42は、互いに対向配置されるとともに2つの分割面42aおよび42bにそれぞれ連続して設けられる一対の内側面42dおよび42eを有する。そして、ステータコア42を通過する磁束の一部は、内側面42dから出て内側面42eに入る。また、ステータコア42の分割面42aおよび42bとロータコア32の分割面32aおよび32bとの間には、ギャップが形成されているため、分割面42aから出てロータコア32を介さずに分割面42bに入る磁束も存在する。以下、内側面42dから出て内側面42eに入る磁束、及び分割面42aから出てロータコア32を介さずに分割面42bに入る磁束を漏れ磁束ともいう。ただし、ステータコア42の分割面42aおよび42bとロータコア32の分割面32aおよび32bとの間のギャップは狭い(1mm未満)ため、ステータコア42の分割面42aから出た磁束の略全てがロータコア32の分割面32aに入る。すなわち、漏れ磁束の略全てを、内側面42dから出て内側面42eに入る磁束が占めており、分割面42aから出てロータコア32を介さずに分割面42bに入る磁束が漏れ磁束に占める割合は無視できる程度に小さい。このため、以下の説明では、漏れ磁束として、内側面42dから出て内側面42eに入る磁束を漏れ磁束を用いて説明する。なお、ここでは、ステータコア42と一対の内側面42dおよび42e同士の間とを磁束が通過する経路を第2経路P2とする(図21の破線矢印P2参照)。また、漏れ磁束は内側面42d全体から出て内側面42e全体に入るが、図21では漏れ磁束が通過する経路を1本の矢印で模式的に表している。
漏れ磁束が多くなると、ロータコア32を通過する磁束が少なくなるため、アキシャルギャップモータ1の出力トルクが低下する。例えば、ステータコア42の内側面42dおよび42e同士の間の距離Wscを小さくするにしたがって、漏れ磁束が多くなる。しかしながら、図21に示すようなステータ4を設計する場合は通常、コアおよびコイルの材料の使用量を低減するために、ステータコア42の内側面42dおよび42e同士の間の距離Wscが小さくなるように設計すると考えられる。距離Wscを小さくすると、漏れ磁束が多くなりやすく、出力トルクが低下しやすい。
そこで、本実施形態では、高い出力トルクを得るために、漏れ磁束を少なくしている。漏れ磁束の量、すなわち第2経路P2を通過する磁束の量は、第1経路P1の磁気抵抗Rm1[1/H]と第2経路P2の磁気抵抗Rm2[1/H]とによって決まる。以下、第1経路P1の磁気抵抗Rm1[1/H]および第2経路P2の磁気抵抗Rm2[1/H]の算出方法を説明する。
一般的に、磁気抵抗Rm[1/H]は、μ[H/m]:材料の透磁率、S[m]:磁束が通過する断面積、L[m]:磁路長(磁束が通過する長さ)を用いて、以下の式(1)で算出される。
Figure 2022007980000005
上記式(1)を用いて、第1経路P1の磁気抵抗Rm1[1/H]および第2経路P2の磁気抵抗Rm2[1/H]を算出する。図21および図22に示すように、ステータコア42およびロータコア32のそれぞれの内側面同士の間の距離をWsc[m]とし、ステータコア42およびロータコア32の奥行き(帯状の電磁鋼板の幅)をWs[m]とし、ステータコア42およびロータコア32の積層厚をTsc[m]とし、ステータコア42の内側面42dおよび42eのうちコイル43に対向する部分の高さをTco[m]とし、ステータコア42の内側面42dおよび42eのうちコイル43に対向しない部分(ここでは、ステータ台座41に対向する部分)の高さをTst[m]とし、ロータコア32の内側面(ここでは、ロータ台座31に対向する部分)の高さをTrt[m]とし、ロータコア32の分割面32aおよび32bとステータコア42の分割面42aおよび42bとの間のギャップ長をLg[m]とする。また、電磁鋼板の透磁率をμ[H/m]とし、真空の透磁率をμ[H/m]とする。なお、ステータ台座41およびコイル43の透磁率は、真空の透磁率と略等しいので、ここでは真空の透磁率μ[H/m]を用いる。この場合、第1経路P1の磁気抵抗Rm1[1/H]および第2経路P2の磁気抵抗Rm2[1/H]は、上記式(1)を用いて以下の式(2)および(3)でそれぞれ算出することが可能である。
Figure 2022007980000006
Figure 2022007980000007
なお、式(1)の右辺第1項は、ステータコア42およびロータコア32の内部の磁気抵抗を示し、右辺第2項は、ロータコア32の分割面32aおよび32bとステータコア42の分割面42aおよび42bとの間の磁路Pm1の磁気抵抗を示している。また、ロータコア32の分割面32aおよび32bのそれぞれの面積をSrとすると、Sr=Tsc*Wsである。
また、式(2)の右辺第1項は、ステータコア42の内部の磁気抵抗を示し、右辺第2項は、ステータコア42の内側面42dおよび42e同士の間の磁気抵抗を示している。また、ステータコア42の内側面42dおよび42eのそれぞれの面積をSsとすると、Ss=Ws*(Tco+Tst)である。
次に、第1経路P1の磁束密度φ1[T]と第2経路P2の磁束密度φ2[T]との比を求める。このとき、電磁鋼板の透磁率μ[H/m]と真空の透磁率μ[H/m]との比は、μ/μ=80000程度であるから式(1)の右辺第1項および式(2)の右辺第1項は、無視できる。すなわち、第1経路P1の磁気抵抗Rm1[1/H]は、磁路Pm1の磁気抵抗とみなすことができ、第2経路P2の磁気抵抗Rm2[1/H]は、内側面42dおよび42e同士の間の磁気抵抗とみなすことができる。また、磁束密度φ1およびφ2[T]は、それぞれ、磁気抵抗Rm1およびRm2[1/H]に対して反比例する。したがって、第1経路P1の磁束密度φ1[T]と第2経路P2の磁束密度φ2[T]との比は、以下の式(4)で表される。
Figure 2022007980000008
なお、式(4)において、磁束密度φ1[T]と磁束密度φ2[T]との比をKとした。
そして、漏れ磁束が無いと仮定した場合の出力トルクに対する出力トルクの比(以下、トルク比ともいう)を求める。ここで、出力トルクは磁束密度の2乗に比例し、電磁鋼板の飽和磁束密度はBm=φ1+φ2[T]であるので、トルク比Trは、以下の式(5)となる。
Figure 2022007980000009
式(5)から図23に示すKとトルク比Trとの関係が得られる。図24は、ロータコア32およびステータコア42に方向性電磁鋼板または無方向性電磁鋼板を用いるとともに、ロータコア32とステータコア42との間のギャップを0mm(無し)としたとき(漏れ磁束無し)における、磁界の強さと磁束密度との関係を示す図である。図24に示すように、無方向性電磁鋼板では、1.5[T]までは大きな磁界を必要としないが、1.5[T]を超えると非常に大きな磁界が必要となる。このように、無方向性電磁鋼板を用いる場合は、磁束密度を1.5[T]よりも大きくしようとすると、非常に大きな磁界が必要となるため、実使用上は1.5[T]が磁束密度の上限となる。本実施形態では、無方向性電磁鋼板を用いた場合の出力トルクよりも大きい出力トルクを得るように、アキシャルギャップモータ1を構成する。
ここで、電磁鋼板の飽和磁束密度は1.9[T]であるから、式(4)を用いて、K>φ1/φ2=1.5/(1.9-1.5)=3.75であれば、無方向性電磁鋼板を用いた場合の出力トルクに比べて、大きい出力トルクが得られる。本実施形態では、後述するように、K≧4.0を満たすように、距離Wsc[m]、積層厚Tsc[m]、高さTco[m]、高さTst[m]およびギャップ長Lg[m]が設定される。なお、K≧4.0を満たすことによって、図23に示すように、0.64以上のトルク比Trを得ることができる。
また、式(4)および(5)から、トルク比TrとWsc/(2*Lg)との関係は例えば図25に示すようになり、トルク比TrとTsc/(Tco+Tst)との関係は例えば図26に示すようになる。なお、図25は、Tsc/(Tco+Tst)をある一定値にしたときのグラフを示しており、図26は、Wsc/(2*Lg)を別のある一定値にしたときのグラフを示している。Wsc/(2*Lg)は、第2経路P2の内側面42dおよび42e同士の間の距離(長さ)と第1経路P1の磁路Pm1の長さとの比率を示している。また、Tsc/(Tco+Tst)は、第1経路P1の磁路Pm1の断面積と第2経路P2の内側面42dおよび42e同士の間の断面積(内側面42dおよび42eの面積)との比率を示している。
ここで、上述したように、高い出力トルクを得るためには、漏れ磁束(内側面42dおよび42e同士の間を通過する磁束)を少なくする必要がある。また、漏れ磁束を少なくするためには、磁路Pm1の磁気抵抗に対する内側面42dおよび42e同士の間の磁気抵抗の比率を大きくすればよい。
具体的には、上記式(1)に示したように磁気抵抗は、磁路長(磁束が通過する長さ)に比例するとともに磁束が通過する断面積に反比例する。そして、磁路Pm1の磁路長Lgが大きくなるにしたがって磁路Pm1の磁気抵抗が大きくなるので、漏れ磁束が多くなる。また、磁路Pm1の断面積(ここでは、Sr=Tsc×Ws)が大きくなるにしたがって磁路Pm1の磁気抵抗が小さくなるので、漏れ磁束が少なくなる。その一方、内側面42dおよび42e同士の間の距離Wscが大きくなるにしたがって内側面42dおよび42e同士の間の磁気抵抗が大きくなるので、漏れ磁束が少なくなる。また、内側面42dおよび42e同士の間の断面積(ここでは、Ss=(Tco+Tst)×Ws)が大きくなるにしたがって内側面42dおよび42e同士の間の磁気抵抗が小さくなるので、漏れ磁束が多くなる。このため、磁路Pm1の磁路長(ギャップ長Lg)に対する内側面42dおよび42e同士の間の長さ(距離Wsc)の比率Wsc/Lgを大きく、内側面42dおよび42e同士の間を磁束が通過する断面積(Tco+Tst)×Wsに対する磁路Pm1を磁束が通過する断面積(ここでは、Tsc×Ws)の比率Tsc/(Tco+Tst)を大きくすれば漏れ磁束が少なくなる。このように、Wsc/LgおよびTsc/(Tco+Tst)は、アキシャルギャップモータ1の出力トルクに大きく影響する。
図25に示すように、Wsc/(2*Lg)が20よりも小さい場合はグラフの勾配が大きいため、トルク比Trを大きくする場合は、Wsc/(2*Lg)を20以上に設定することが好ましい。なお、Wsc/(2*Lg)を大きくし過ぎると、ステータコア42のサイズが大きくなり、ステータ台座41に搭載可能なステータコア42の数が減少するため、Wsc/(2*Lg)は、140以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましい。
また、図26に示すように、Tsc/(Tco+Tst)が0.2よりも小さい場合はグラフの勾配が大きいため、トルク比Trを大きくする場合は、Tsc/(Tco+Tst)を0.2以上に設定することが好ましい。すなわち、Sr/Ss=Tsc/(Tco+Tst)≧0.2にすることが好ましい。なお、Tsc/(Tco+Tst)を大きくし過ぎると、ステータコア42の積層厚が厚く、またはコイル43の巻き数が少なくなり過ぎるため、Tsc/(Tco+Tst)は、1.5以下であることが好ましく、0.4以下であることがより好ましい。
このように、20≦Wsc/(2*Lg)、かつ、0.2≦Sr/Ssにすることによって、容易にトルク比Trを大きくすることができる。なお、この場合、4.0≦Kとなるので、3.75<Kを満たす。
本実施形態では、上記のように、方向性電磁鋼板からなるロータコア32およびステータコア42を用いるとともに、Wsc/(2*Lg)≧20、Sr/Ss≧0.2を満たすようにアキシャルギャップモータ1を構成する。これにより、無方向性電磁鋼板からなるロータコアおよびステータコアを用いて、磁束漏れのない理想的なアキシャルギャップモータを構成したと仮定した場合の出力トルクに比べて、大きい出力トルクを得ることができる。このため、無方向性電磁鋼板からなるロータコアおよびステータコアを用いる場合に比べて、出力トルクを確実に大きくすることができる。
第4実施形態のその他の構造および効果は、上記第1~第3実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、2つのロータと2つのステータとを用いてアキシャルギャップモータを構成する例について示したが、本発明はこれに限らず、例えば1つのロータと1つのステータとを用いてアキシャルギャップモータを構成してもよい。なお、2つのロータと2つのステータと設ける場合、1つのロータと1つのステータと設ける場合に比べて、モータサイズに対する出力トルクを向上させることができる。また、必要なトルクに応じて、3つ以上のロータと3つ以上のステータとを用いてアキシャルギャップモータを構成してもよい。この場合、上記実施形態で説明したように、ロータ台座の撓み、アキシャルギャップモータの軸方向のサイズ、及び重心のずれの観点から、2つのロータを2つのステータで挟んだ構成を1つの構成単位として、この構成単位を複数設けることが好ましい。
また、上記実施形態では、2つのロータのロータコア同士を固定する例について示したが本発明はこれに限らず、2つのロータのロータコア同士を固定しなくてもよい。
また、上記実施形態では、2つのロータ間において、ロータコアを同じ角度位置に配置するとともに、2つのステータ間において、ステータコアを同じ角度位置に配置する例について示したが、本発明はこれに限らない。2つのステータ(またはロータ)間において、ステータコア(またはロータコア)を異なる角度位置に配置してもよい。例えば、2つのステータ間において、ステータコアを角度ピッチの半分(上記実施形態では7.5°)ずらして配置してもよく、角度位置をずらすことによりトルクの変動(トルクリップルともいう)を抑制することが可能である。
また、上記第2実施形態では、ロータコアおよびステータコアを2列ずつ設ける例について示したが、本発明はこれに限らず、ロータコアおよびステータコアを3列以上ずつ設けてもよい。
また、上記第2実施形態では、内側のロータコアを外側のロータコアと同じ数だけ設けるとともに、内側のロータコアを、回転シャフトを中心として外側のロータコアと同じ角度に配置する例について示したが、本発明はこれに限らない。内側のロータコアを外側のロータコアと異なる数だけ設けてもよい。また、内側のロータコアを、回転シャフトを中心として外側のロータコアと異なる角度(周方向にずれた位置)に配置してもよい。同様に、内側のステータコアを外側のステータコアと異なる数だけ設けてもよい。また、内側のステータコアを、回転シャフトを中心として外側のステータコアと異なる角度(周方向にずれた位置)に配置してもよい。
また、上記第1実施形態において、ステータコアの数とロータコアの数との組み合わせパターンを求める際にNs、Nr、εの関係式を例示したが、上記関係式を満たさない場合であっても、ロータを回転させることは可能である。
また、上記実施形態において、ロータ台座の外周縁とケースの側面部の内面との間や、ステータ台座の挿入穴の内面と回転シャフトの外周面との間に、軸受部材を設けてもよい。このように構成すれば、ロータなどが偏芯している場合であっても偏芯に起因する振動を抑制することができる。
[第5実施形態]
以下、図1、図27及び図28を参照して本発明の第5実施形態に係るアキシャルギャップモータ1を説明する。本実施形態のアキシャルギャップモータ1は、3相駆動のモータであり、回転シャフト2の軸方向に積み重ねられたステータ4及びロータ3を2組有する。2組のステータ4及びロータ3は、図1に示す第1実施形態と同様に、2つのロータ3が2つのステータ4に挟まれるように配置されている。ここでは図1の紙面に対し、上方に位置する1つのステータ4及びロータ3を1組目、下方に位置するもう一つのステータ4及びロータ3を2組目とする。
図27の左側図面に示すように、ステータ4は、非磁性材料からなる円板状のステータ台座41と、ステータ台座41の周方向に沿って固定された30個(言い換えれば30極)のステータコア42と、ステータコア42に巻回されたコイル43とによって構成されている。従って、ステータコアの数Ns=30、ステータ間角度θs=360°/Ns=12°となる。また、図28の左側図面に示すように、ロータ3は、非磁性材料からなる円板状のロータ台座31と、ロータ台座31の周方向に沿って固定された20個(言い換えれば20極)のロータコア32とによって構成されている。従って、ロータコアの数Nr=20、ロータ間角度θr=360°/Nr=18°となる。この場合、ステップ角ε=360°(1/Nr-1/Ns)=6°となる。
図27の右側図面に示すように、本実施形態では、1組目のステータコア42(図27の破線部分参照)に対して2組目のステータコア42(図27の実線部分参照)は、回転シャフト2を中心にε/2=3°回転した位置に配置されている。また、図28の右側図面に示すように、アキシャルギャップモータ1の初期位置において、1組目のロータコア32(図28の破線部分参照)に対して2組目のロータコア32(図28の実線部分参照)は、回転シャフト2を中心にε/2=3°回転した位置に配置されている。なお、2組目のロータコア32は1組目のロータコア32に対して3°回転することで、ロータコア32の背面部32c同士の位置が少しずれるが、ずれる部分と比べて背面部32c同士の重なる部分が比較的に大きい。従って、該背面部32c同士の重なる部分で溶接、接着又は樹脂製のベルトでロータコア32同士を固定すればよい。
以下、本実施形態に係るアキシャルギャップモータ1の作用効果を説明する。
アキシャルギャップモータの回転駆動では、通電切り換え時においてロータコアの端面(すなわち分割面32a,32b)はステータコアの端面(すなわち分割面42a,42b)に対し最も遠い位置に存在するので、磁気抵抗が最大であり、磁束密度が小さい。このため、ロータ3の回転力(すなわち、トルク)は小さい。そして、ロータコアの端面がステータコアの端面に近づくにつれ、磁気抵抗が小さくなり、磁束密度が急激に増加していく。このため、ロータ3の回転力は急激に増大する。一方、ロータコアの端面がステータコアの端面に対向する位置に達すると、磁束密度が最大になるが、回転力がゼロになる。このような回転力の変動で、トルクリップルが大きく、回転駆動が滑らかを欠く問題が生じる。
このような問題を解決するため、本実施形態に係るアキシャルギャップモータ1では、1組目のステータコア42に対して2組目のステータコア42は3°(すなわち、ε/2)、1組目のロータコア32に対して2組目のロータコア32は3°(すなわち、ε/2)回転した位置に配置されるため、トルクリップルを低減することができ、アキシャルギャップモータ1の回転駆動がより滑らかになる。
なお、本実施形態では、アキシャルギャップモータ1について、回転シャフト2の軸方向に積み重ねられたステータ4及びロータ3を2組有する例を挙げて説明したが、回転シャフト2の軸方向に積み重ねられたステータ4及びロータ3をn組(nは2以上の自然数)有するものであれば、特に2組に限定されない。この場合、初期位置においてn組目のロータコアに対してn+1組目のロータコアをε/(n+1)の角度、n組目のステータコアに対してn+1組目のステータコアをε/(n+1)の角度でそれぞれ回転させた位置に配置すればよい。
[第6実施形態]
以下、図1、図29及び図30を参照して本発明の第6実施形態に係るアキシャルギャップモータ1を説明する。本実施形態のアキシャルギャップモータ1は、2相駆動のモータであり、回転シャフト2の軸方向に積み重ねられたステータ4及びロータ3を2組有する。2組のステータ4及びロータ3は、図1に示す第1実施形態と同様に、2つのロータ3が2つのステータ4に挟まれるように配置されている。ここでは図1の紙面に対し、上方に位置する1つのステータ4及びロータ3を1組目、下方に位置するもう一つのステータ4及びロータ3を2組目とする。
図29の左側図面に示すように、ステータ4は、非磁性材料からなる円板状のステータ台座41と、ステータ台座41の周方向に沿って固定された30個(言い換えれば30極)のステータコア42と、ステータコア42に巻回されたコイル43とによって構成されている。従って、ステータコアの数Ns=30、ステータ間角度θs=360°/Ns=12°となる。また、図30に示すように、ロータ3は、非磁性材料からなる円板状のロータ台座31と、ロータ台座31の周方向に沿って固定された30個(言い換えれば30極)のロータコア32とによって構成されている。従って、ロータコアの数Nr=30、ロータ間角度θr=360°/Nr=12°となる。すなわち、本実施形態のアキシャルギャップモータ1では、ロータコア32及びロータコア32は同極数(Ns=Nr=30)である。
また、図29の右側図面に示すように、本実施形態では、1組目のステータコア42(図29の破線部分参照)に対して2組目のステータコア42(図29の実線部分参照)は、回転シャフト2を中心に360°/(2Ns)=6°の角度で回転した位置に配置されている。一方、初期位置において、2組目のロータコア32は1組目のロータコア32と同じ位置に整列している。
以下、本実施形態に係るアキシャルギャップモータ1の作用効果を説明する。
Ns=Nrの構造を有する2相駆動のアキシャルギャップモータの場合、例えば2組目のステータコア42と1組目のステータコア42とが整列した状態において、ステータコアに巻回されたコイルに通電しても、ロータの駆動が困難になってしまう問題が生じる。このような問題を解決するため、本実施形態に係るアキシャルギャップモータ1では、1組目のステータコア42に対して2組目のステータコア42は、回転シャフト2を中心に360°/(2Ns)=6°の角度で回転した位置に配置されるので、2組目のステータコア42に巻回されたコイル43のみに通電すると、該ステータコア42に磁束が生じ、その磁束により2組目のロータコア32が吸引されて2組目のロータ3が6°回転する。これに伴い、固定された1組目のロータ3も同様に6°回転する。
続いて、1組目のステータコア42に巻回されたコイル43のみに通電すると、該ステータコア42に磁束が生じ、その磁束により1組目のロータコア32が吸引されて1組目のロータ3がさらに6°回転する。これに伴って、固定された2組目のロータ3も同様にさらに6°回転する。このように逐次通電切り換えることで、ロータ3が連続的に回転する。
また、このような2相駆動のアキシャルギャップモータ1によれば、トルクを高めることができるとともに、3相駆動のアキシャルギャップモータの場合と比べて、1相分の駆動回路を構成する素子(例えば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタやダイオード)を省くことができるので、製造コストの低減も期待できる。
本実施形態では、各組のステータコア42及びロータコア32の数について、それぞれ30個の例を挙げて説明したが、Ns=Nrの条件を満たせば特に30個に限定されない。なお、ロータの駆動し易さを考慮した場合、Ns=Nr≧3であるのが好ましい。
[第7実施形態]
以下、図31を参照して本発明の第7実施形態に係るアキシャルギャップモータ1を説明する。本実施形態のアキシャルギャップモータ1は、2相駆動のモータであり、回転シャフト2の軸方向に積み重ねられたステータ4及びロータ3を4組有する。図31に示すように、4組のステータ4及びロータ3は、第1実施形態と同様に、2つのロータ3が2つのステータ4に挟まれるように配置されている。具体的には、回転シャフト2の軸方向に沿って、1つ目のステータ4、1つ目のロータ3、2つ目のロータ3、2つ目のステータ4、3つ目のステータ4、3つ目のロータ3、4つ目のロータ3、4つ目のステータ4の順に配置されている。なお、図31において、ステータ4及びロータ3を収容するケースは省略されている。
ここでは図31の紙面に対し、上方から下方に向かってこれらのステータ4及びロータ3を1組目、2組目、3組目、4組目とする。そして、1組目及び3組目を同時に2相駆動の1相目とし、2組目及び4組目を同時に2相駆動の2相目とする。
なお、各組において、ステータコア42及びロータコア32は同極数(Ns=Nr=30)であり、それぞれの構造は上記第6実施形態と同じである。
また、本実施形態において、1組目のロータコア32と2組目のロータコア32は、位置が一致するように配置されている。一方、3組目のロータコア32と4組目のロータコア32は、それぞれ1組目のロータコア32に対して、回転シャフト2を中心にロータの回転方向に向かって360°/(2Ns)の角度で回転した位置に配置されている。例えば1組目のロータコア32と2組目のロータコア32が0°の位置に配置された場合、3組目のロータコア32と4組目のロータコア32は、それぞれロータの回転方向に360°/(2Ns)=6°回転した位置に配置されている。
このように、1組目のロータコア32と2組目のロータコア32は位置が一致するように配置され、3組目のロータコア32と4組目のロータコア32はそれぞれ1組目のロータコア32に対して360°/(2Ns)の角度で回転した位置に配置され、1組目及び3組目を同時に1相目、2組目及び4組目を同時に2相目として駆動することで、トルクリップルの低減を図ることができる。
なお、トルクリップルを低減するための手法として、上述したようにロータコア32の配置位置又は/及びステータコア42の配置位置を調整することにより位相差を設ける手法のほか、駆動電流と電圧波形を制御することにより位相差を設ける手法も考えられ、更にこれらの手法の組み合わせても良い。そして、駆動電流と電圧波形を制御することにより位相差を設ける手法として、例えば、電流立ち上がり時間を求めて電圧の入力を時間的に早めにオンする手法、あるいは、1組目の電圧波形に対して2組目の電圧波形を90°ずらす手法などが挙げられる。
[第8実施形態]
以下、図1及び図32~図34を参照して本発明の第8実施形態に係るアキシャルギャップモータ1を説明する。本実施形態のアキシャルギャップモータ1は、2相駆動のモータであり、回転シャフト2の軸方向に積み重ねられたステータ4及びロータ3を2組有する。2組のステータ4及びロータ3は、図1に示す第1実施形態と同様に、2つのロータ3が2つのステータ4に挟まれるように配置されている。ここでは図1の紙面に対し、上方に位置する1つのステータ4及びロータ3を1組目、下方に位置するもう一つのステータ4及びロータ3を2組目とする。
図32に示すように、ステータ4は、非磁性材料からなる円板状のステータ台座41と、ステータ台座41の周方向に沿って固定された30個(言い換えれば30極)のステータコア42と、ステータコア42に巻回されたコイル43とによって構成されている。従って、ステータコアの数Ns=30、ステータ間角度θs=360°/Ns=12°となる。また、図33に示すように、ロータ3は、非磁性材料からなる円板状のロータ台座31と、ロータ台座31の周方向に沿って固定された15個(言い換えれば15極)のロータコア32とによって構成されている。従って、ロータコアの数Nr=15、ロータ間角度θr=360°/Nr=24°となる。すなわち、本実施形態のアキシャルギャップモータ1は、Ns=2Nrの構造を有するモータである。なお、この場合、ステップ角ε=360°(1/Nr-1/Ns)=12°となる。
本実施形態において、ロータコア32は、該ロータコア32の湾曲の曲率中心軸L1及び該ロータコア32の幅方向(すなわち、巻幅方向)の中心軸L2の交点Pを回転中心とし、ロータ台座31の径方向に対してロータの回転方向に360°/Nsの角度で傾いた状態で配置されている。具体的には、図33の右側拡大図に示すように、通常では、ロータコア32は該ロータコア32の巻幅方向の中心軸L2がロータ台座31の径方向と平行になる(言い換えれば、ロータコア32の巻幅方向がロータ台座31の周方向と平行になる)ようにロータ台座31に配置されている(破線部分参照)。これに対し、本実施形態のロータコア32は、ロータ台座31の径方向に対し、該ロータコア32の湾曲の曲率中心軸L1及び巻幅方向の中心軸L2の交点Pを回転中心としてロータの回転方向に12°(すなわち、ステータ間角度θs)傾いた状態で配置されている。
以下、本実施形態に係るアキシャルギャップモータ1の作用効果を説明する。
Ns=2Nrの構造を有する2相駆動のアキシャルギャップモータでは、ロータコアが左右隣接するステータコアの中央位置に位置するときに、左右隣接するステータコアにそれぞれ引き寄せられ、釣り合い状態になるので、駆動が困難になってしまう問題が生じる。
このような問題を解決するため、本実施形態に係るアキシャルギャップモータ1では、ロータコア32は、交点Pを回転中心とし、ロータ台座31の径方向に対してロータの回転方向に360°/Nsの角度で傾いた状態で配置されるので、図34に示すように、ロータの回転方向の前方に位置するステータコア42(図34では、ロータコア32の左側に位置するステータコア42)と平行になるように近づく。このような状態では、前方のステータコア42に巻回されたコイル43に通電すると、該ステータコア42に磁束が発生し、発生した磁束がロータコア32に流れ易くなる。従って、ロータコア32がその前方のステータコア42に吸引され易いので、ロータ3はロータの回転方向に沿って回転する。
また、本実施形態に係るアキシャルギャップモータ1によれば、トルクを高めることができるとともにトルクリップルを低減することができる。さらに、このような2相駆動のアキシャルギャップモータ1は、3相駆動のアキシャルギャップモータの場合と比べて、1相分の駆動回路を構成する素子(例えば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタやダイオード)を省くことができるので、製造コストの低減を図ることができる。
なお、本実施形態では、Ns=2Nrの構造を有する2相駆動のアキシャルギャップモータ1について説明したが、本発明はNs=Nrの構造を有する2相駆動のアキシャルギャップモータにも適用される。Ns=Nrの構造を有する2相駆動のアキシャルギャップモータの場合、ロータコアを交点Pを回転中心とし、ロータ台座の径方向に対してロータの回転方向に360°/(2Ns)の角度で回転させた位置に配置すればよい。
[第9実施形態]
以下、図1、図35及び図36を参照して本発明の第9実施形態に係るアキシャルギャップモータ1を説明する。本実施形態のアキシャルギャップモータ1は、2相駆動のモータであり、回転シャフト2の軸方向に積み重ねられたステータ4及びロータ3を2組有する。2組のステータ4及びロータ3は、図1に示す第1実施形態と同様に、2つのロータ3が2つのステータ4に挟まれるように配置されている。
第1実施形態のロータコア32は、図3に示すように、一定の幅を有する帯状の軟磁性材料を整列しながら複数周巻回してなる巻回体3aを周方向と交差する方向で分割することによって形成されている。従って、形成されたロータコア32は、端面が矩形状になり、その巻幅方向において対称な構造を有しており、すなわち巻幅方向の中心軸L2に対して左右対称になっている。これに対し、本実施形態のロータコア32は、その巻幅方向において非対称な構造を有する。
具体的には、図35の右側図面に示すように、ロータ3は、非磁性材料からなる円板状のロータ台座31と、ロータ台座31の周方向に沿って固定された15個(言い換えれば15極)のロータコア32とによって構成されている。ロータコア32は、ロータコア32の湾曲の曲率中心軸L1側に配置されるとともにロータの回転方向に突出する中央幅広部321と、曲率中心軸L1の反対側に配置された2つの端部幅狭部322とを有する。そして、中央幅広部321と端部幅狭部322との間には、段差部323が形成されている。
このような非対称な構造を有するロータコア32は、例えば図36に示すように、幅が比較的に広い帯状の軟磁性材料(例えば方向性電磁鋼板)を整列しながら複数周巻回して幅広巻回体30aを形成し、形成した幅広巻回体30aの終わりにスポット溶接で幅が比較的に狭い帯状の軟磁性材料(例えば方向性電磁鋼板)を連結し、該幅が比較的に狭い帯状の軟磁性材料をさらに整列しながら複数周巻回して幅狭巻回体30bを形成し、その後これらの巻回体の周方向(矢印O方向)と交差する方向で分割することによって形成されている。なお、図36の符号Lは、巻回体の分割位置を示している。
一方、ステータ4は、図35の左側図面に示すように、非磁性材料からなる円板状のステータ台座41と、ステータ台座41の周方向に沿って固定された30個(言い換えれば30極)のステータコア42と、ステータコア42に巻回されたコイル43とによって構成されている。ステータコア42は、上述の第1実施形態と同様に一定の幅を有し、その巻幅方向において対称な構造を有する。
以下、本実施形態に係るアキシャルギャップモータ1の作用効果を説明する。
例えばNs=2Nrの構造を有する2相駆動のアキシャルギャップモータでは、1相目のステータコア42に巻回された43に通電してステータコア42とロータコア32とが同期位置に位置した後、2相目のステータコア42に巻回された43に通電した場合、通電するステータコア42とそれに吸引されるロータコア32との距離が相対的に遠いため、磁気抵抗が大きく、初期トルク(言い換えれば初期回転力)が不足する問題が生じる。
このような問題を解決するため、本実施形態に係るアキシャルギャップモータ1では、ロータコア32は、ロータコア32の湾曲の曲率中心軸L1側に配置されるとともにロータの回転方向に突出する中央幅広部321と、曲率中心軸L1の反対側に配置された端部幅狭部322とを有する。このようにロータの回転方向に突出する中央幅広部321を有するため、通電切り換え時の初期トルクを高めることができ、トルクリップルを低減することができる。
本実施形態のアキシャルギャップモータ1において、例えば図37に示すように、ロータコア32は、さらに、該ロータコア32の湾曲の曲率中心軸L1及び巻幅方向の中心軸L2の交点Pを回転中心とし、ロータ台座31の径方向に対してロータの回転方向に12°傾いた状態で配置されるのが好ましい。このようにすれば、トルクアップ及びトルクリップルの低減の効果をさらに高めることができる。
なお、本実施形態では、ロータコア32について、ロータコア32の湾曲の曲率中心軸L1側に配置されるとともにロータの回転方向に突出する中央幅広部321と曲率中心軸L1の反対側に配置された端部幅狭部322とを有する例を挙げて説明したが、ロータコア32がその巻幅方向において非対称な構造を有するものであれば、様々な変形例が考えられる。例えば幅広部と幅狭部との位置を入れ替えてもよい。すなわち、幅狭部はロータコア32の湾曲の曲率中心軸L1側、幅広部は曲率中心軸L1の反対側にそれぞれ配置されてもよい。また、複数の幅広部及び幅狭部を交互に繰り返すように配置してもよい。これらのいずれの場合でも、上記と同じ作用効果を得ることができる。
また、例えば図38に示すように、ロータコア32は、同じ幅を有する帯状の軟磁性材料(方向性電磁鋼板)を複数周巻回する際に一方向に向かって少しずつずらしてなる巻回体を周方向(矢印O方向)と交差する方向で分割することによって形成されてもよい。なお、図38の符号Lは、巻回体の分割位置を示している。そして、分割によって形成されたロータコア32の端面(すなわち、分割面32a,32b)は、菱形状になる。
このようにロータコア32の端面を菱形状にすることにより、ロータが回転する際に、ロータコア32の端面とステータコア42の端面との対向面積が徐々に増加し、同期位置である整列時に徐々に減少するので、急激なトルク変動を抑制することができ、トルクリップルの低減を図ることができ、しかもアキシャルギャップモータの回転駆動がより滑らかになる。
[第10実施形態]
以下、図39を参照して本発明の第10実施形態に係るアキシャルギャップモータ1を説明する。本実施形態のアキシャルギャップモータ1は、ロータコア32に用いられた軟磁性材料が中央幅広部321と端部幅狭部322とで異なる点において、上記第9実施形態と相違している。以下、その相違点のみを説明する。
具体的には、図39に示すように、ロータコア32の湾曲の曲率中心軸L1側に配置された中央幅広部321は、例えば低鉄損且つ高透磁率の軟磁性材料によって形成されている(灰色部分参照)。低鉄損且つ高透磁率の軟磁性材料として、例えばパーマロイ、ナノ結晶軟磁性材料、アモルファス軟磁性材料、フェライト系軟磁性材料などが挙げられる。一方、ロータコア32の曲率中心軸L1とは反対側である両端部に配置された端部幅狭部322は、例えば高磁束密度の軟磁性材料によって形成されている。高磁束密度の軟磁性材料として、例えば方向性電磁鋼板、鉄-コバルト系のパーメンジュール材などが挙げられる。
一方、ステータコア42は、一定の幅を有し、ロータコア32の端部幅狭部322と同様に、例えば高磁束密度を有する軟磁性材料によって形成されている。
本実施形態のアキシャルギャップモータでは、アキシャルギャップモータの用途に合わせて、ロータコア32の中央幅広部321と端部幅狭部322で異なる軟磁性材料を使い分けることにより、高回転且つ低損失型、低速且つ高トルク型、又は低コスト型等のアキシャルギャップモータを提供することができ、アキシャルギャップモータのバリエーションを増やすことが可能になる。例えば、下記表4に示すような材料の組み合わせを選定し、様々な用途に対応できるアキシャルギャップモータを提供できる。
Figure 2022007980000010
下記表5に示すように、本願発明者らは、上記第1実施形態のようにステータコア及びロータコアの材料が同じであるサンプル1、本実施形態のように中央幅広部321と端部幅狭部322とで材料が異なるサンプル2及び3をそれぞれ作製し、作製した各サンプルの最大トルク比及び鉄損比を調べた。その結果として、サンプル2はサンプル1と比べて最大トルク比が約1.18倍、サンプル3はサンプル1と比べて鉄損比が約0.85倍であった。
Figure 2022007980000011
[第11実施形態]
以下、図40を参照して本発明の第11実施形態に係るアキシャルギャップモータ1を説明する。本実施形態のアキシャルギャップモータ1では、ロータコア32は、上記第10実施形態と同様に中央幅広部321(灰色部分参照)と端部幅狭部322とを有し、中央幅広部321の材料と端部幅狭部322の材料が異なっている。一方、ステータコア42は、上記第10実施形態と違って、一定の幅を呈するが、ロータコア32と対応するように中央幅広部321と同じ材料により形成された中央コア部421(灰色部分参照)と、端部幅狭部322と同じ材料により形成された端部コア部422とをさらに有する。
具体的には、図40に示すように、中央コア部421は、ロータコア32の中央幅広部321と対応し、ステータコア42の湾曲の曲率中心軸L3側に配置されている。この中央コア部421は、中央幅広部321と同様に、例えば低鉄損且つ高透磁率の軟磁性材料によって形成されている。端部コア部422は、ロータコア32の端部幅狭部322と対応し、ステータコア42の湾曲の曲率中心軸L3とは反対側に配置されている。この端部コア部422は、端部幅狭部322と同様に、例えば高磁束密度の軟磁性材料によって形成されている。そして、中央コア部421と端部コア部422の幅は同じである。
本実施形態のアキシャルギャップモータでは、アキシャルギャップモータの用途に合わせて、ステータコア42の中央コア部421と端部コア部422も異なる軟磁性材料を使い分けることにより、高回転且つ低損失型、低速且つ高トルク型、又は低コスト型等のアキシャルギャップモータを提供することができるので、アキシャルギャップモータのバリエーションを増やすことができる。なお、上記表4に示すような材料の組み合わせは、本実施形態の中央コア部421及び端部コア部422にもそれぞれ適用することができる。このようにアキシャルギャップモータの用途に合わせて、ロータコア32及びステータコア42に各種形状と各種材料の組み合わせを用いることで、様々な用途に対応できるアキシャルギャップモータを提供できる。
[第12実施形態]
以下、図41を参照して本発明の第12実施形態に係るアキシャルギャップモータ1を説明する。本実施形態のアキシャルギャップモータ1では、ロータコア32とステータコア42は、複数種類の帯状の軟磁性材料を隣接する軟磁性材料同士が異なるようにU字状に湾曲させて積層することにより形成されている。
具体的には、ロータコア32とステータコア42は、それぞれU字状に形成されたカットコアであって、同じ幅を有する3種類の薄板状の軟磁性材料(第1材料301、第2材料302及び第3材料303)が内側から外側に向かって第1材料301、第2材料302、第3材料303の順で複数積層されている。
このような構造を有するロータコア32及びステータコア42は、例えば以下の方法によって形成される。すなわち、図42に示すように、同じ幅を有する帯状の第1材料301、第2材料302及び第3材料303を、内側から外側に向かって第1材料301、第2材料302、第3材料303の順で整列しながら所定の巻き数で巻き付けることで巻回体を形成する。次に、形成した巻回体を周方向(矢印O方向)と交差する方向で分割することによって形成されている。なお、図42の符号Lは、巻回体の分割位置を示している。
本実施形態のアキシャルギャップモータでは、アキシャルギャップモータの用途に合わせて、ロータコア32とステータコア42でそれぞれ異なる軟磁性材料を使い分けることにより、高回転且つ低損失型、低速且つ高トルク型、又は低コスト型等の多層構造を有するアキシャルギャップモータを提供することができるので、アキシャルギャップモータのバリエーションを増やすことができる。
ここでの軟磁性材料として、上述したように冷延鋼板、熱間圧延鋼板、無方向性電磁鋼板、方向性電磁鋼板、PCパーマロイ、PBパーマロイ、パーメンジュール材、ナノ結晶軟磁性材料、アモルファス軟磁性材料、フェライト系軟磁性材料などが挙げられる。そして、帯状のフェライト系軟磁性材料を用いて断面U字状にした場合、フェライトコア内側と外側を金属系コアで挟み一体化することで、高回転(高周波数)で鉄損の少ないアキシャルギャップモータを提供することができる。
また、絶縁被膜付きの方向性電磁鋼板や絶縁被膜付きの無方向性電磁鋼板の間に絶縁被膜のないパーマロイ、ナノ結晶軟磁性材料あるいはアモルファス軟磁性材料などを挟んで巻きコアとすることで、これらの間に絶縁処理を不要となるので、鉄損の少ないアキシャルギャップモータを提供することができる。更に、絶縁被膜付きの方向性電磁鋼板や絶縁被膜付きの無方向性電磁鋼板の間に絶縁被膜のないパーメンジュール材を挟んで巻きコアとすることで、磁束密度の高い、すなわち高トルクのアキシャルギャップモータを提供することができる。更に、ロータコア側は占積率が小さいので、冷延鋼板や熱間圧延鋼板のコア断面積を大きくしたロータコアとすることで、比較的に低コストのアキシャルギャップモータを提供することができる。
[第13実施形態]
以下、図43と図44を参照して本発明の第13実施形態に係るアキシャルギャップモータ1Aを説明する。本実施形態のアキシャルギャップモータ1Aは、ロータコア32及びステータコア42の配置向きにおいて上記実施形態と異なっている。すなわち、上記第1~第12実施形態において、ステータコア42とロータコア32は、それぞれの巻幅方向がそれぞれの台座の周方向と平行になるように配置されている。これに対し、本実施形態では、ステータコア42とロータコア32は、それぞれの幅方向(すなわち、巻幅方向)がそれぞれの台座の径方向と平行になるように配置されている。
具体的には、図43に示すように、本実施形態のアキシャルギャップモータ1Aは、3相駆動のモータであり、回転シャフト2の軸方向に積み重ねられたステータ4及びロータ3を3組有する。3組のステータ4及びロータ3は、回転シャフト2の軸方向に沿ってステータ4とロータ3とを交互に(具体的には1つ目のステータ4、1つ目のロータ3、2つ目のステータ4、2つ目のロータ3、3つ目のステータ4及び3つ目のロータ3の順に)配置されている。ここでは図43の紙面に対し、上方に位置するステータ4及びロータ3を1組目、下方に位置するステータ4及びロータ3を3組目、その間のステータ4及びロータ3を2組目とする。なお、図43において、ステータ4及びロータ3を収容するケースは省略されている。
図43及び図44に示すように、ステータ4は、例えば上記第1実施形態のステータ4と同様に、非磁性材料からなる円板状のステータ台座41と、ステータ台座41の周方向に沿って固定された12個(言い換えれば12極)のステータコア42と、ステータコア42に巻回されたコイル43とによって構成されている。そして、各ステータコア42は、上記第1実施形態のステータコア42と同様な構造を有するが、上記第1実施形態のステータコア42と違って、その巻幅方向がステータ台座41の径方向と平行に、言い換えればステータコア42の分割面42a及び42bにおける帯状の軟磁性材料の積層方向がステータ台座41の周方向と平行になるように配置された状態で貫通穴41bに挿入固定されている。
ロータ3は、例えば上記第1実施形態のロータ3と同様に、非磁性材料からなる円板状のロータ台座31と、ロータ台座31の周方向に沿って固定された12個(言い換えれば12極)のロータコア32とによって構成されている。そして、各ロータコア32は、上記第1実施形態のロータコア32と同様な構造を有するが、上記第1実施形態のロータコア32と違って、その巻幅方向がロータ台座31の径方向と平行に、言い換えればロータコア32の分割面32a及び32bにおける帯状の軟磁性材料の積層方向がロータ台座31の周方向と平行になるように配置された状態で貫通穴31bに挿入固定されている。
また、本実施形態のアキシャルギャップモータ1Aでは、ロータコア32及びロータコア32は同極数(Ns=Nr=12)である。そして、アキシャルギャップモータ1Aは、各組のステップ角εをε=360°/(3Ns)=10°ずつ回転させるように各組の通電を切り換えて駆動されている。
図44に示すように、初期位置では、1組目のステータコア42に対して1組目のロータコア32は、回転シャフト2を中心に時計回りに10°回転した位置に配置されている。2組目のステータコア42に対して2組目のロータコア32は、回転シャフト2を中心に時計回りに20°回転した位置に配置されている。3組目のステータコア42に対して3組目のロータコア32は、回転シャフト2を中心に時計回りに30°回転した位置に配置されている。
そして、1組目のステータコア42に巻回されたコイル43のみに通電すると(1組目のみ通電)、該ステータコア42に磁束が生じ、その磁束により1組目のロータコア32が吸引されて1組目のロータ3が反時計回りに10°回転する(図44の矢印参照)。このとき、1組目のロータ3と連動して、2組目及び3組目のロータ3もそれぞれ反時計回りに10°回転する。従って、1組目のステータコア42に巻回されたコイル43のみに通電した結果、図44に示すように、1組目のロータコア32は1組目のステータコア42に対して0°の位置になり(すなわち、両者の位置が一致になり)、2組目のロータコア32は2組目のステータコア42に対して時計回りに10°の位置になり、3組目のロータコア32は3組目のステータコア42に対して時計回りに20°の位置になる。
続いて、2組目のステータコア42に巻回されたコイル43のみに通電すると(2組目のみ通電)、該ステータコア42に磁束が生じ、2組目のロータコア32が吸引されて2組目のロータ3が反時計回りに10°回転する。このとき、2組目のロータ3と連動して、1組目及び3組目のロータ3もそれぞれ反時計回りに10°回転する。従って、2組目のステータコア42に巻回されたコイル43のみに通電した結果、図44に示すように、1組目のロータコア32は1組目のステータコア42に対して反時計回りに10°の位置になり(図44では、-10°)、2組目のロータコア32は2組目のステータコア42に対して0°の位置になり(すなわち、両者の位置が一致になり)、3組目のロータコア32は3組目のステータコア42に対して時計回りに10°の位置になる。
続いて、3組目のステータコア42に巻回されたコイル43のみに通電すると(3組目のみ通電)、該ステータコア42に磁束が生じ、3組目のロータコア32が吸引されて3組目のロータ3が反時計回りに10°回転する。このとき、3組目のロータ3と連動して、1組目及び2組目のロータ3もそれぞれ反時計回りに10°回転する。従って、3組目のステータコア42に巻回されたコイル43のみに通電した結果、図44に示すように、1組目のロータコア32は1組目のステータコア42に対して反時計回りに20°の位置になり(図44では、-20°)、2組目のロータコア32は2組目のステータコア42に対して反時計回りに10°の位置になり(図44では、-10°)、3組目のロータコア32は3組目のステータコア42に対して0°の位置になる(すなわち、両者の位置が一致になる)。
そして、このように各組の通電を繰り返し切り換えることで、ロータ3が連続的に回転する。
本実施形態のアキシャルギャップモータ1Aでは、ステータコア42とロータコア32は、それぞれの幅方向がそれぞれの台座の径方向と平行になるように配置されるので、ステータコア42とロータコア32をそれぞれの幅方向がそれぞれの台座の周方向と平行になるように配置する場合(例えば、第1実施形態のアキシャルギャップモータ)と比べて、トルク平均半径及び回転に必要なコア幅を大きくすることができるので、トルクを更に高めることができる。なお、ここでのトルク平均半径は、回転シャフト2の中心から、ステータコア42の湾曲の曲率中心軸と該ステータコア42の巻幅方向の中心軸の交点までの距離を指す。
下記表6に示すように、本願発明者らは、幅方向が台座の周方向と平行になるようにステータコアとロータコアを配置した上記第1実施形態のサンプルと、幅方向が台座の径方向と平行になるようにステータコアとロータコアを配置した本実施形態のサンプルをそれぞれ作製し、同じ条件(Ns=6、Nr=4)で比較したところ、本実施形態のサンプルは、第1実施形態のサンプルと比べてトルク平均半径が約1.1倍、コア幅が約1.2倍、コア当たりのトルク比が約1.4倍の結果を得られた。
Figure 2022007980000012
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、本発明は、上記各実施形態の組み合わせにも適用される。
1,1A:アキシャルギャップモータ、2:回転シャフト、3:ロータ、3a:巻回体、4:ステータ、5:ケース、5a:冷却液流入口、5b:冷却液流出口、21:大径部(ロータ固定部)、22:中径部、31:ロータ台座、31a:挿入穴、32:ロータコア、32a,32b:分割面(端面)、32c:背面部(反対側の部分)、41:ステータ台座、41a:挿入穴、42:ステータコア、42a,42b:分割面(端面)、42d,42e:内側面、43:コイル、321:中央幅広部、322:端部幅狭部、323:段差部、421:中央コア部、422:端部コア部、R1:第1領域、R2:第2領域

Claims (15)

  1. 回転シャフトに固定されたロータと、前記回転シャフトの軸方向において前記ロータとギャップをあけて対向配置されたステータと、を備えるアキシャルギャップモータであって、
    前記ロータは、非磁性材料からなるロータ台座と、前記ロータ台座の周方向に沿って固定された複数のロータコアとを備え、
    前記ステータは、非磁性材料からなるステータ台座と、前記ステータ台座の周方向に沿って固定された複数のステータコアと、前記ステータコアに巻回されたコイルとを備えており、
    前記ロータコアと前記ステータコアは、2つの端面が同じ方向を向くように湾曲した軟磁性材料からなるコアであり、
    前記ロータコアの前記2つの端面と、前記ステータコアの前記2つの端面とは、互いに露出した状態で対向するように配置されていることを特徴とするアキシャルギャップモータ。
  2. 前記アキシャルギャップモータは、前記ロータと前記ステータをそれぞれ2組有しており、
    前記回転シャフトの軸方向において、2つの前記ロータは2つの前記ステータの間に配置されており、
    前記2つのロータのロータコアの端面とは反対側の部分同士が固定されていることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップモータ。
  3. 前記複数のロータコアは、前記ロータ台座の周方向に沿って複数列を成して固定されており、
    前記複数のステータコアは、前記ステータ台座の周方向に沿って複数列を成して固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアキシャルギャップモータ。
  4. 前記ロータコアと前記ステータコアは、帯状の軟磁性材料を複数周巻回してなる巻回体を前記巻回体の周方向と交差する方向で分割することによって、前記2つの端面が形成されたコアであり、
    前記帯状の軟磁性材料は、結晶方位が長手方向に揃えられた方向性電磁鋼板からなることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアキシャルギャップモータ。
  5. 前記回転シャフトには、前記ロータ台座に固定されるロータ固定部が形成されており、
    前記ステータ台座には、前記回転シャフトが挿入される挿入穴が形成されており、
    前記ロータ固定部の直径は、前記ステータ台座の挿入穴の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のアキシャルギャップモータ。
  6. 前記回転シャフトを回転可能に軸支するとともに、前記ロータおよび前記ステータを密閉した状態で収容するケースをさらに備え、
    前記ケース内は、前記ステータ台座によって前記回転シャフトの軸方向に、前記ロータが配置される第1領域と、前記コイルが配置される第2領域と、に区画されており、
    前記ケースには、冷却液が前記第2領域を流通するように、冷却液流入口および冷却液流出口が設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のアキシャルギャップモータ。
  7. 前記ステータコアは、互いに対向配置されるとともに前記2つの端面にそれぞれ連続して設けられる一対の内側面を有し、
    前記ロータコアの前記端面と前記ステータコアの前記端面との間の距離をLg、前記ロータコアの前記端面の面積をSr、前記ステータコアの前記一対の内側面同士の間の距離をWsc、前記ステータコアの前記内側面の面積をSsとした場合、Wsc/(2*Lg)≧20、Sr/Ss≧0.2を満たすことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のアキシャルギャップモータ。
  8. 前記アキシャルギャップモータは、前記回転シャフトの軸方向に積み重ねられた前記ステータ及び前記ロータを2組以上有しており、
    ステップ角をεとしたときに、初期位置において、n組目の前記ロータコアに対してn+1組目の前記ロータコアがε/(n+1)の角度、n組目の前記ステータコアに対してn+1組目の前記ステータコアがε/(n+1)の角度でそれぞれ前記回転シャフトを中心に回転した位置に配置されている請求項1~7のいずれか1項に記載のアキシャルギャップモータ。
  9. 前記ステータコアの数をNsとしたときに、前記ロータコアは、該ロータコアの湾曲の曲率中心軸及び該ロータコアの幅方向の中心軸の交点を中心とし、前記ロータ台座の径方向に対して前記ロータの回転方向に360°/Nsの角度で傾いた状態で配置されている請求項1~8のいずれか1項に記載のアキシャルギャップモータ。
  10. 前記ロータコアは、該ロータコアの幅方向において非対称な構造を有する請求項1~9のいずれか1項に記載のアキシャルギャップモータ。
  11. 前記ロータコアは、該ロータコアの湾曲の曲率中心軸側に配置されるとともに前記ロータの回転方向に突出する中央幅広部と、該ロータコアの湾曲の曲率中心軸とは反対側に配置された端部幅狭部とを有する請求項10に記載のアキシャルギャップモータ。
  12. 前記ロータコアに用いられる軟磁性材料は、前記中央幅広部と前記端部幅狭部とで異なっている請求項11に記載のアキシャルギャップモータ。
  13. 前記ステータコアは、一定の幅を呈しており、該ステータコアの湾曲の曲率中心軸側に配置されるとともに前記ロータコアの前記中央幅広部と同じ材料により形成された中央コア部と、該ステータコアの湾曲の曲率中心軸とは反対側に配置されるとともに前記ロータコアの前記端部幅狭部と同じ材料により形成された端部コア部とを有する請求項12に記載のアキシャルギャップモータ。
  14. 前記ロータコアと前記ステータコアは、複数種類の帯状の軟磁性材料を隣接する軟磁性材料同士が異なるように湾曲させて積層することにより形成されている請求項1~12のいずれか1項に記載のアキシャルギャップモータ。
  15. 前記アキシャルギャップモータは、前記回転シャフトの軸方向に積み重ねられた前記ステータ及び前記ロータを2組以上有しており、
    前記ステータコアと前記ロータコアは、同極数であって且つそれぞれの幅方向がそれぞれの台座の径方向と平行になるように配置されており、
    前記ステータコアの数をNs、ステップ角をεとしたときに、各組のステップ角εをε=360°/(3Ns)ずつ回転させるように各組の通電が切り換えられる請求項1~14のいずれか1項に記載のアキシャルギャップモータ。
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