JP2022007904A - 光学積層体、粘着剤層付き光学積層体および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐衝撃性および耐屈曲性に優れる光学積層体、粘着剤層付き光学積層体および画像表示装置を提供すること。【解決手段】光学積層体1は、ガラス板2と、接着剤層3と、光学部材4とを厚み方向一方側に向かって順に備える。接着剤層3は、ガラス板2の厚み方向一方面および光学部材4の厚み方向他方面と接触する。光学部材4の厚みが、70μm以下である。光学部材4は、粘着剤層を含まない。JIS L 1096(2010)に記載のA法に従って求められる光学部材4の剛軟度が、30mm以上である。ナノインデンター法で測定される25℃における接着剤層3の押し込み弾性率が、1GPa以上である。【選択図】図1
Description
本発明は、ガラス板を備える光学積層体、粘着剤層付き光学積層体および画像表示装置に関する。
従来、カバーウインドウ材と、接着剤層と、光学部材とを備える光学積層体が画像表示装置に備えられることが知られている。
例えば、カバーウインドウ材としてのガラス板と、接着剤層と、光学部材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとを備える光学積層体が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。ガラス板は、光学特性に優れる一方、耐衝撃性が低い。
耐衝撃性は、ガラス板が衝撃を受けたときに、ガラス板にクラックなどの損傷を抑制する性質である。
耐衝撃性は、ガラス板が衝撃を受けたときに、ガラス板にクラックなどの損傷を抑制する性質である。
特許文献1では、ガラス板とポリエチレンテレフタレートフィルムとを接着剤層によって接合することによって、光学積層体の耐屈曲性を向上している。耐屈曲性は、光学積層体を折り曲げたときにガラス板にクラックなどの損傷を抑制する性質である。
しかし、特許文献1に記載の光学積層体では、光学部材の剛軟度についての示唆はなく、そのため、衝撃性が十分ではない。
本発明は、耐衝撃性および耐屈曲性に優れる光学積層体、粘着剤層付き光学積層体および画像表示装置を提供する。
そこで、本願発明者らは、鋭意検討した結果、光学部材を硬くし、さらに、接着剤層を硬くすることによって、光学積層体の耐衝撃性および耐屈曲性を向上できることを見出した。
本発明(1)は、ガラス板と、接着剤層と、光学部材とを厚み方向一方側に向かって順に備え、前記接着剤層は、前記ガラス板の厚み方向一方面および前記光学部材の厚み方向他方面と接触し、前記光学部材の厚みが、70μm以下であり、前記光学部材は、粘着剤層を含まず、JIS L 1096(2010)に記載のA法に従って求められる前記光学部材の剛軟度が、30mm以上であり、ナノインデンター法で測定される25℃における前記接着剤層の押し込み弾性率が、1GPa以上である、光学積層体を含む。
本発明(2)は、前記接着剤層の厚みは、5μm以下である、(1)に記載の光学積層体を含む。
本発明(3)は、前記ガラス板の厚みが、100μm以下である、(1)または(2)に記載の光学積層体を含む。
本発明(4)は、ガラス板と、接着剤層と、光学部材とを厚み方向一方側に向かって順に備える光学積層体であって、前記接着剤層は、前記ガラス板の厚み方向一方面および前記光学部材の厚み方向他方面と接触し、前記光学部材の厚みが、70μm以下であり、前記光学部材は、粘着剤層を含まず、前記ガラス板から5cmの高さから7g、ボール径0.7mmのボールペンを落下させるペンドロップ試験で、前記ガラス板に割れがなく、前記光学積層体の鉛筆硬度が、5H以上で、下記の屈曲性試験は、100,000回以上である、光学積層体を含む。
屈曲性試験:前記光学積層体を伸ばした状態から、ガラス板の表面が凹となる方向に屈曲半径が3mmとなるように180°折り曲げ、再び伸ばす動作を1セットとし、1分間に43セットの速さで前記動作を実施したときに、前記光学積層体にクラックが生じるまでのセット数を測定する。
本発明(5)は、(1)~(4)のいずれか一項に記載の光学積層体と、前記光学積層体の前記光学部材の厚み方向一方面に配置される粘着剤層とを備え、前記光学部材の剛軟度が、45mm以上であり、ナノインデンター法で測定される25℃における前記粘着剤層の押し込み弾性率が、1GPa未満である、粘着剤層付き光学積層体を含む。
本発明(6)は、前記光学部材の剛軟度が、50mm以上である、(5)に記載の粘着剤層付き光学積層体。
本発明(7)は、折曲げ可能であって、(1)~(4)のいずれか一項の光学積層体、または、(5)または(6)に記載の粘着剤層付き光学積層体と、画像表示部材とを厚み方向一方側に向かって順に備える、画像表示装置を含む。
本発明の光学積層体および粘着剤層付き光学積層体では、光学部材の剛軟度を高くし、光学部材を硬くしつつ、さらに、接着剤層の押し込み弾性率を高くして接着剤層も硬くするので、光学部材を薄くして、光学積層体の耐屈曲性を向上させることができながら、耐衝撃性も向上させることができる。
本発明の画像表示装置は、耐衝撃性および耐屈曲性に優れる光学積層体または粘着剤層付き光学積層体を備えるので、折曲げ可能でありながら、耐衝撃性に優れる。
<光学積層体>
本発明の光学積層体の一実施形態を、図1を参照して説明する。
本発明の光学積層体の一実施形態を、図1を参照して説明する。
この光学積層体1は、例えば、厚み方向に直交する面方向に延びる平板形状を有する。光学積層体1は、例えば、面方向に間隔を隔てて対向する2つの辺30の間に位置する屈曲部33を中心にして折り曲げ可能(bendable)に構成され、より好ましくは、折り畳み可能(foldable)に構成されている。光学積層体1は、ガラス板2と、接着剤層3と、光学部材4とを厚み方向一方側に向かって順に備える。好ましくは、この光学積層体1は、ガラス板2と、接着剤層3と、光学部材4とのみを備える。
<ガラス板>
ガラス板2は、面方向に延びる。ガラス板2は、光学積層体1における厚み方向他方面を形成する。ガラス板2の厚みは、例えば、15μm以上、好ましくは、30μm以上であり、また、例えば、150μm以下、好ましくは、100μm以下、より好ましくは、75μm以下である。ガラス板2の厚みが上記した下限以上であれば、光学積層体1の耐衝撃性を確保できる。ガラス板2の厚みが上記した上限以下であれば、光学積層体1を薄くでき、光学積層体1の耐屈曲性に優れる。また、ガラス板2の厚みが上記した上限以下であれば、ガラス板2は、薄ガラス板と称呼される。ガラス板2の全光線透過率は、例えば、80%以上、好ましくは、85%以上であり、また、例えば、99%以下である。ガラス板2は、市販品を用いることができ、例えば、G-leafシリーズ(登録商標、日本電気硝子社製)を用いることができる。
ガラス板2は、面方向に延びる。ガラス板2は、光学積層体1における厚み方向他方面を形成する。ガラス板2の厚みは、例えば、15μm以上、好ましくは、30μm以上であり、また、例えば、150μm以下、好ましくは、100μm以下、より好ましくは、75μm以下である。ガラス板2の厚みが上記した下限以上であれば、光学積層体1の耐衝撃性を確保できる。ガラス板2の厚みが上記した上限以下であれば、光学積層体1を薄くでき、光学積層体1の耐屈曲性に優れる。また、ガラス板2の厚みが上記した上限以下であれば、ガラス板2は、薄ガラス板と称呼される。ガラス板2の全光線透過率は、例えば、80%以上、好ましくは、85%以上であり、また、例えば、99%以下である。ガラス板2は、市販品を用いることができ、例えば、G-leafシリーズ(登録商標、日本電気硝子社製)を用いることができる。
<接着剤層>
接着剤層3は、面方向に延びる。接着剤層3は、ガラス板2の厚み方向一方面に接触している。具体的には、接着剤層3は、ガラス板2の厚み方向一方面に接触する。接着剤層3は、粘着剤(感圧接着剤)からなる粘着剤層(感圧接着剤層)ではなく、硬化型接着剤の硬化体である。詳しくは、接着剤層3は、粘着力が経時的に実質的に変動しない粘着剤層ではなく、活性エネルギー線の照射または加熱よって硬化反応する硬化型接着剤の硬化体である。
接着剤層3は、面方向に延びる。接着剤層3は、ガラス板2の厚み方向一方面に接触している。具体的には、接着剤層3は、ガラス板2の厚み方向一方面に接触する。接着剤層3は、粘着剤(感圧接着剤)からなる粘着剤層(感圧接着剤層)ではなく、硬化型接着剤の硬化体である。詳しくは、接着剤層3は、粘着力が経時的に実質的に変動しない粘着剤層ではなく、活性エネルギー線の照射または加熱よって硬化反応する硬化型接着剤の硬化体である。
硬化型接着剤は、接着剤層3の硬化原料であって、活性エネルギー硬化型、熱硬化型などが挙げられ、好ましくは、活性エネルギー硬化型が挙げられる。具体的には、硬化型接着剤としては、例えば、アクリル接着剤組成物、エポキシ接着剤組成物、シリコーン接着剤組成物などが挙げられ、透光性の観点から、アクリル接着剤組成物が挙げられる。
アクリル接着剤組成物は、例えば、官能基を含有する官能基含有(メタ)アクリルエステルモノマーと、共重合性モノマーとを含むモノマー成分を含む。
官能基含有(メタ)アクリルエステルモノマーは、官能基含有メタクリルエステルモノマーおよび/または官能基含有アクリルエステルモノマーである。(メタ)の定義は、以下同様である。官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、複素環基、ラクトン環基などが挙げられる。具体的には、官能基含有(メタ)アクリルエステルモノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリルエステルモノマー、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリルエステルモノマー、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレートなどの複素環基含有(メタ)アクリルエステルモノマー、例えば、γ-ブチロラクトン(メタ)アクリレートモノマーなどのラクトン環基含有(メタ)アクリルエステルモノマーなどが挙げられる。好ましくは、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリルエステルモノマーが挙げられる。モノマー成分における官能基含有(メタ)アクリルエステルモノマーの割合は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、60質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
共重合性モノマーは、官能基含有(メタ)アクリルエステルモノマーと共重合可能なビニルモノマーである。共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニルモノマー、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリンなどのアミド基含有ビニルモノマーなどが挙げられる。好ましくは、アミド基含有ビニルモノマーが挙げられる。なお、アミド基含有ビニルモノマーは、ヒドロキシル基を有してもよく、そのようなアミド基含有ビニルモノマーとしては、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(1-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。好ましくは、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドが挙げられる。モノマー成分における共重合性モノマーの割合は、例えば、40質量%以上、好ましくは、60質量%以上であり、また、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。官能基含有(メタ)アクリルエステルモノマー100質量部に対する共重合性モノマーの質量部数は、例えば、50質量部以上、好ましくは、200質量部以上であり、また、例えば、1,000質量部以下、好ましくは、500質量部以下である。
なお、アクリル接着剤組成物は、公知の重合開始剤を含むことができる。モノマー成分100質量部に対する重合開始剤の質量部数は、例えば、0.3質量部以上、3質量部以下である。
また、上記したアクリル接着剤組成物およびその硬化体(硬化型接着剤)は、例えば、特開2013-077006号公報などに説明される。
接着剤層3の厚みは、例えば、0.1μm以上であり、また、例えば、10μm以下、好ましくは、5μm以下、より好ましくは、3μm以下である。接着剤層3の厚みが上記した下限以上であれば、ガラス板2と光学部材4とを確実に接着できる。接着剤層3の厚みが上記した上限以下であれば、光学積層体1を薄くでき、光学積層体1の耐屈曲性に優れる。
接着剤層3の全光線透過率は、例えば、80%以上、好ましくは、85%以上であり、また、例えば、99%以下である。
ナノインデンター法で測定される25℃における接着剤層3の押し込み弾性率は、1GPa以上であり、好ましくは、2GPa以上、より好ましくは、3GPa以上、さらに好ましくは、4GPa以上であり、また、例えば、100GPa以下である。接着剤層3の押し込み弾性率が1GPa未満であれば、耐衝撃性が低下する。ナノインデンター法で測定される25℃における接着剤層3の押し込み弾性率の求め方は、後の実施例で詳述する。
25℃における接着剤層3の引張貯蔵弾性率E’は、例えば、1GPa以上であり、好ましくは、2GPa以上、より好ましくは、3GPa以上、さらに好ましくは、4GPa以上であり、また、例えば、100GPa以下である。接着剤層3の引張貯蔵弾性率E’が1GPa未満であれば、耐衝撃性が低下する。25℃における接着剤層3の引張貯蔵弾性率E’は、周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件の温度分散モードで動的粘弾性を測定することにより得られる。
<光学部材>
光学部材4は、光学積層体1の厚み方向一方面を形成する。光学部材4は、接着剤層3に対するガラス板2の反対側に位置する。光学部材4は、面方向に延びる。光学部材4は、接着剤層3の厚み方向一方面に接触している。なお、光学部材4は、接着剤層3の厚み方向一方面に接触している。これによって、接着剤層3は、ガラス板2の厚み方向一方面、および、光学部材4の厚み方向他方面に接触し、ガラス板2と光学部材4とを接着(接合)している。
光学部材4は、光学積層体1の厚み方向一方面を形成する。光学部材4は、接着剤層3に対するガラス板2の反対側に位置する。光学部材4は、面方向に延びる。光学部材4は、接着剤層3の厚み方向一方面に接触している。なお、光学部材4は、接着剤層3の厚み方向一方面に接触している。これによって、接着剤層3は、ガラス板2の厚み方向一方面、および、光学部材4の厚み方向他方面に接触し、ガラス板2と光学部材4とを接着(接合)している。
この実施形態では、光学部材4は、例えば、偏光子保護フィルム5と、偏光子6と、光学補償層7とを厚み方向一方側に向かって順に備える。光学部材4は、上記したような積層体であれば、粘着力が経時的に実質的に変動しない粘着剤層を含まない。
<偏光子保護フィルム>
偏光子保護フィルム5は、光学部材4の厚み方向他方面を形成する。偏光子保護フィルム5は、面方向に延びる。偏光子保護フィルム5は、次に説明する偏光子6を厚み方向他方側から保護する。偏光子保護フィルム5は、等方性を有する。偏光子保護フィルム5の材料は、例えば、アクリル樹脂が挙げられる。アクリル樹脂としては、好ましくは、高い機械強度を得る観点から、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。
ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル樹脂は、例えば、特開2000-230016号公報、特開2001-151814号公報、特開2002-120326号公報、特開2002-254544号公報、特開2005-146084号公報、特開2008-170717号公報、特開2017-102443号公報に記載される。偏光子保護フィルム5の厚みは、例えば、10μm以上であり、また、例えば、60μm以下、好ましくは、55μm以下、より好ましくは、50μm以下である。
偏光子保護フィルム5は、光学部材4の厚み方向他方面を形成する。偏光子保護フィルム5は、面方向に延びる。偏光子保護フィルム5は、次に説明する偏光子6を厚み方向他方側から保護する。偏光子保護フィルム5は、等方性を有する。偏光子保護フィルム5の材料は、例えば、アクリル樹脂が挙げられる。アクリル樹脂としては、好ましくは、高い機械強度を得る観点から、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。
ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル樹脂は、例えば、特開2000-230016号公報、特開2001-151814号公報、特開2002-120326号公報、特開2002-254544号公報、特開2005-146084号公報、特開2008-170717号公報、特開2017-102443号公報に記載される。偏光子保護フィルム5の厚みは、例えば、10μm以上であり、また、例えば、60μm以下、好ましくは、55μm以下、より好ましくは、50μm以下である。
<偏光子>
偏光子6は、偏光子保護フィルム5の厚み方向一方面に接触している。偏光子6は、面方向に延びる。偏光子6としては、例えば、PVAフィルムなどの親水性フィルムを染色処理および延伸処理されたフィルムや、親水性フィルムを脱水処理したフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムを脱塩酸処理したフィルムなどが挙げられる。偏光子6の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、また、例えば、15μm以下、好ましくは、10μm以下である。偏光子6の物性などは、例えば、特開2016-151696号公報、特開2017-102443号公報に記載される。
偏光子6は、偏光子保護フィルム5の厚み方向一方面に接触している。偏光子6は、面方向に延びる。偏光子6としては、例えば、PVAフィルムなどの親水性フィルムを染色処理および延伸処理されたフィルムや、親水性フィルムを脱水処理したフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムを脱塩酸処理したフィルムなどが挙げられる。偏光子6の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、また、例えば、15μm以下、好ましくは、10μm以下である。偏光子6の物性などは、例えば、特開2016-151696号公報、特開2017-102443号公報に記載される。
<光学補償層>
光学補償層7は、偏光子6の厚み方向一方面に接触している。光学補償層7は、面方向に延びる。光学補償層7は、例えば、位相差フィルムであって、具体的には、λ/4板として機能する。これによって、偏光子6および光学補償層7から構成される偏光フィルム8が、円偏光性を有する。光学補償層7の材料としては、上記の光学特性を有する材料が挙げられ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂などが挙げられる。好ましくは、ポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂としては、例えば、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジオール、脂環式ジメタノール、ジ、トリまたはポリエチレングリコール、ならびに、アルキレングリコールまたはスピログリコールからなる群から選択される少なくとも1つのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、を含む。光学補償層7の組成、物性、製造方法などは、例えば、特開2017-102443号公報に詳述される。
光学補償層7は、偏光子6の厚み方向一方面に接触している。光学補償層7は、面方向に延びる。光学補償層7は、例えば、位相差フィルムであって、具体的には、λ/4板として機能する。これによって、偏光子6および光学補償層7から構成される偏光フィルム8が、円偏光性を有する。光学補償層7の材料としては、上記の光学特性を有する材料が挙げられ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、シクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂などが挙げられる。好ましくは、ポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂としては、例えば、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジオール、脂環式ジメタノール、ジ、トリまたはポリエチレングリコール、ならびに、アルキレングリコールまたはスピログリコールからなる群から選択される少なくとも1つのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、を含む。光学補償層7の組成、物性、製造方法などは、例えば、特開2017-102443号公報に詳述される。
また、光学補償層7は、積層体であってもよく、図示しないが、例えば、第1の液晶配向層と、第2の液晶配向層とを、裏側に向かって順に備える。
第1の液晶配向固化層は、具体的には、λ/2板として機能する。波長550nmの光で測定したときの第1の液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は、例えば、180nm~320nmである。第1の液晶配向固化層の屈折率は、例えば、nx>ny=nzの関係を示す。nxは、面内方向における遅相軸方向の屈折率である。nyは、面内方向における進相軸方向の屈折率である。nzは、厚み方向の屈折率である。第1の液晶配向固化層の遅相軸と偏光子6の吸収軸とのなす角度は、例えば、10°~20°である。第1の液晶配向固化層の厚みは、例えば、0.05μm以上、また、例えば、7μm以下である。第1の液晶配向固化層は、例えば、棒状の液晶材料が所定の方向に並んだ状態で配向している。液晶材料の配向方向に遅相軸が発現する。液晶材料としては、例えば、液晶ポリマーや液晶モノマーが挙げられる。第1の液晶配向固化層を形成するには、所定の基材の表面に配向処理を施し、当該表面に液晶材料を含む塗布液を塗布して当該液晶材料を上記配向処理に対応する方向に配向させ、当該配向状態を固定する。
第2の液晶配向固化層は、例えば、λ/4板として機能する。第1の液晶配向固化層がλ/2板として機能し、第2の液晶配向固化層がλ/4板として機能することにより、光学補償層7は、優れた円偏光特性を有する。波長550nmの光で測定したときの第2の液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は、例えば、100nm~180nmである。第2の液晶配向固化層の屈折率は、例えば、nx>ny=nzの関係を示す。第2の液晶配向固化層の遅相軸と偏光子6の吸収軸とのなす角度は、例えば、65°~85°である。第2の液晶配向固化層の厚みは、例えば、0.5μm以上、2μm以下である。第2の液晶配向固化層の材料、特性、製造方法等は、第1の液晶配向固化層のそれらと同様である。
上記した第1および第2の液晶配向固化層からなる積層体は、例えば、特開2017-102443号公報に記載される。
光学補償層7の厚みは、例えば、0.1μm以上であり、例えば、10μm以下、好ましくは、5μm以下、より好ましくは、3μm以下である。
なお、偏光子保護フィルム5と、偏光子6と、光学補償層7とを有する光学部材4は、特開2017-102443号公報に詳述される。
光学部材4の厚みは、70μm以下であり、好ましくは、65μm以下である。また、光学部材4の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、30μm以上である。光学部材4の厚みが70μmを越えると、光学積層体1を薄くできず、光学積層体1の耐屈曲性が低下する。光学部材4の厚みが上記した下限以上であれば、耐衝撃性を向上できる。
光学部材4の全光線透過率は、例えば、80%以上、好ましくは、85%以上であり、また、例えば、99%以下である。
JIS L 1096(2010)に記載のA法に従って求められる光学部材4の剛軟度は、30mm以上である。
JIS L 1096(2010)に記載のA法は、45°カンチレバー法である。図3Aおよび図3Bに示すように、45°カンチレバー法では、下面21と、上面22と、斜面23とを備える試験機20が用いられる。下面21と上面22とは、水平であり、上下方向に間隔が隔てられる。斜面23は、下面21の一辺と、上面22の一辺とを連絡する。斜面23と下面21との成す角度は、45°である。上面22と斜面23とは、稜線24を形成する。
45°カンチレバー法では、まず、光学部材4を、縦150mm、横20mmの大きさに外形加工して、サンプル25を作製する。次いで、サンプル25を上面22に配置する。サンプル25の一の横辺26を試験機20の稜線24に合わせる。このとき、サンプル25の他の横辺27の位置である第1位置31を記録する。なお、この試験は、温度25℃で実施される。
次いで、サンプル25を、一の横辺26が斜面23に対向する水平方向一方側に徐々に押し出す。押出速度は、5mm/秒である。そして、一の横辺26が斜面23に接触する時の他の横辺27の位置である第2位置32を記録する。サンプル25において一の横辺26を含む先端部は、下側に湾曲する。
そして、第1位置31と第2位置32との間の距離Lを測定し、これを剛軟度として得る。剛軟度の値が高いほど、光学部材4が硬く、逆に、剛軟度の値が低いほど、光学部材4が軟らかいことを意味する。
光学部材4の剛軟度は、30mmに満たない場合には、光学部材4が軟らかいため、光学積層体1の耐衝撃性が低下する。
光学部材4の剛軟度は、好ましくは、35mm以上、より好ましくは、40mm以上、さらに好ましくは、45mm以上であり、また、例えば、100mm以下である。
<光学積層体の製造方法>
光学積層体1の製造方法を説明する。
光学積層体1の製造方法を説明する。
図1が参照されるように、この方法では、例えば、まず、ガラス板2の厚み方向一方面および/または光学部材4の厚み方向他方面を硬化型接着剤に接触させる。続いて、ガラス板2および光学部材4で、硬化型接着剤を挟み込む。
その後、硬化型接着剤を硬化させる。硬化型接着剤が活性エネルギー硬化型であれば、紫外線などの活性エネルギーを硬化型接着剤に照射する。具体的には、紫外線を、ガラス板2側から硬化型接着剤に照射する。硬化型接着剤が熱硬化型であれば、硬化型接着剤を加熱する。これにより、ガラス板2および光学部材4を強固に接着する接着剤層3を形成する。
<光学積層体の用途>
光学積層体1は、各種光学用途に用いられ、例えば、有機エレクトロルミネセンス表示装置(以下、単に「有機EL表示装置」と略称する。)などの画像表示装置に備えられる。
光学積層体1は、各種光学用途に用いられ、例えば、有機エレクトロルミネセンス表示装置(以下、単に「有機EL表示装置」と略称する。)などの画像表示装置に備えられる。
次に、光学積層体1を備える有機EL表示装置10を、図2を参照して説明する。
<有機EL表示装置>
有機EL表示装置10は、面方向に延びる平板形状を有する。有機EL表示装置10は、屈曲部33を中心にして折り曲げ可能(bendable)に構成され、詳しくは、折り畳み可能(foldable)に構成されている。また、有機EL表示装置10は、次に説明する導電性フィルム13を備えることから、タッチパネル型入力表示装置として機能する。有機EL表示装置10は、光学積層体1と、粘着剤層12と、導電性フィルム13と、第2粘着剤層14と、画像表示部材15とを備える。なお、この有機EL表示装置10では、紙面上側が、ユーザーの視認側であって、表側(図1の厚み方向他方側に相当)であり、紙面下側が、裏側(図1の厚み方向一方側に相当)である。
有機EL表示装置10は、面方向に延びる平板形状を有する。有機EL表示装置10は、屈曲部33を中心にして折り曲げ可能(bendable)に構成され、詳しくは、折り畳み可能(foldable)に構成されている。また、有機EL表示装置10は、次に説明する導電性フィルム13を備えることから、タッチパネル型入力表示装置として機能する。有機EL表示装置10は、光学積層体1と、粘着剤層12と、導電性フィルム13と、第2粘着剤層14と、画像表示部材15とを備える。なお、この有機EL表示装置10では、紙面上側が、ユーザーの視認側であって、表側(図1の厚み方向他方側に相当)であり、紙面下側が、裏側(図1の厚み方向一方側に相当)である。
<粘着剤層>
粘着剤層12は、光学部材4の裏面(厚み方向一方面に相当)に配置されている。具体的には、粘着剤層12は、光学部材4の裏面に接触している。粘着剤層12は、粘着力が経時的に実質的に変動せず、安定している。粘着剤層12の材料としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤などが挙げられ、好ましくは、アクリル系粘着剤が挙げられる。粘着剤層12の物性、寸法等は、例えば、特開2018-28573号公報に詳述される。
粘着剤層12は、光学部材4の裏面(厚み方向一方面に相当)に配置されている。具体的には、粘着剤層12は、光学部材4の裏面に接触している。粘着剤層12は、粘着力が経時的に実質的に変動せず、安定している。粘着剤層12の材料としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤などが挙げられ、好ましくは、アクリル系粘着剤が挙げられる。粘着剤層12の物性、寸法等は、例えば、特開2018-28573号公報に詳述される。
粘着剤層12は、光学部材4とともに、粘着剤層付き光学積層体9に備えられる。粘着剤層付き光学積層体9の詳細は、後述する。
<導電性フィルム>
導電性フィルム13は、導電層16と、基材層17とを裏側に向かって順に備える。
導電性フィルム13は、導電層16と、基材層17とを裏側に向かって順に備える。
<導電層>
導電層16は、所定パターンを有する。導電層16の表面および側面は、粘着剤層12に接触する。導電層16の材料としては、例えば、金属酸化物、導電性繊維(繊維)、金属などが挙げられる。金属酸化物としては、例えば、インジウム亜鉛複合酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛複合酸化物(IGZO)、インジウムガリウム複合酸化物(IGO)、インジウムスズ複合酸化物(ITO)、アンチモンスズ複合酸化物(ATO)などの複合酸化物などが挙げられる。導電性繊維としては、例えば、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブなどが挙げられる。金属としては、例えば、金、白金、銀、銅などが挙げられる。導電層16は、面方向中央部に位置するセンサ電極部18と、センサ電極部18に周辺に位置する引出し配線部19とを一体的に有する。導電層16の詳細は、例えば、特開2017-102443号公報、特開2014-113705号公報、特開2014-219667号公報などに記載される。
導電層16は、所定パターンを有する。導電層16の表面および側面は、粘着剤層12に接触する。導電層16の材料としては、例えば、金属酸化物、導電性繊維(繊維)、金属などが挙げられる。金属酸化物としては、例えば、インジウム亜鉛複合酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛複合酸化物(IGZO)、インジウムガリウム複合酸化物(IGO)、インジウムスズ複合酸化物(ITO)、アンチモンスズ複合酸化物(ATO)などの複合酸化物などが挙げられる。導電性繊維としては、例えば、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブなどが挙げられる。金属としては、例えば、金、白金、銀、銅などが挙げられる。導電層16は、面方向中央部に位置するセンサ電極部18と、センサ電極部18に周辺に位置する引出し配線部19とを一体的に有する。導電層16の詳細は、例えば、特開2017-102443号公報、特開2014-113705号公報、特開2014-219667号公報などに記載される。
<基材層>
基材層17は、導電層16の裏面、および、粘着剤層12の裏面に配置されている。基材層17は、面方向に延びる。基材層17は、例えば、樹脂層である。基材層17の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー(COP)などのオレフィン樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、例えば、ポリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂などの樹脂が挙げられる。基材層17の詳細は、例えば、特開2018-181722号公報などに記載される。
基材層17は、導電層16の裏面、および、粘着剤層12の裏面に配置されている。基材層17は、面方向に延びる。基材層17は、例えば、樹脂層である。基材層17の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー(COP)などのオレフィン樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、例えば、ポリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂などの樹脂が挙げられる。基材層17の詳細は、例えば、特開2018-181722号公報などに記載される。
<第2粘着剤層>
第2粘着剤層14は、導電性フィルム13の裏面に配置されている。具体的には、第2粘着剤層14は、導電性フィルム13の裏面に接触している。第2粘着剤層14の材料は、粘着剤層12の材料と同様である。
第2粘着剤層14は、導電性フィルム13の裏面に配置されている。具体的には、第2粘着剤層14は、導電性フィルム13の裏面に接触している。第2粘着剤層14の材料は、粘着剤層12の材料と同様である。
<画像表示部材>
画像表示部材15は、有機EL表示装置10の裏面を形成する。画像表示部材15は、導電性フィルム13の裏側に第2粘着剤層14を介して配置されている。画像表示部材15は、面方向に延びる。画像表示部材15は、具体的には、有機EL素子である。例えば、画像表示部材15は、図示しないが、表示基板と、2つの電極と、2つの電極に挟まれる有機EL層と、封止層とを含む。なお、画像表示部材15の構成、物性などは、例えば、特開2018-28573号公報に詳述される。
画像表示部材15は、有機EL表示装置10の裏面を形成する。画像表示部材15は、導電性フィルム13の裏側に第2粘着剤層14を介して配置されている。画像表示部材15は、面方向に延びる。画像表示部材15は、具体的には、有機EL素子である。例えば、画像表示部材15は、図示しないが、表示基板と、2つの電極と、2つの電極に挟まれる有機EL層と、封止層とを含む。なお、画像表示部材15の構成、物性などは、例えば、特開2018-28573号公報に詳述される。
<一実施形態の作用効果>
この光学積層体1では、光学部材4の剛軟度を30mm以上にして、光学部材4を硬くしつつ、さらに、接着剤層3の押し込み弾性率を1GPa以上と高くして、接着剤層3を硬くするので、光学部材4を薄くし、光学積層体1の屈曲性を向上させることができながら、耐衝撃性も向上させることができる。
この光学積層体1では、光学部材4の剛軟度を30mm以上にして、光学部材4を硬くしつつ、さらに、接着剤層3の押し込み弾性率を1GPa以上と高くして、接着剤層3を硬くするので、光学部材4を薄くし、光学積層体1の屈曲性を向上させることができながら、耐衝撃性も向上させることができる。
また、この光学積層体1では、接着剤層3の厚みが5μm以下であれば、光学積層体1を薄くでき、光学積層体1の耐屈曲性に優れる。
また、この光学積層体1では、ガラス板2の厚みが100μm以下であれば、光学積層体1を薄くでき、光学積層体1の耐屈曲性に優れる。
また、有機EL表示装置10は、耐衝撃性および耐屈曲性に優れる光学積層体1を備えるので、折曲げ可能でありながら、耐衝撃性に優れる。
<変形例>
以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例は、特記する以外、一実施形態態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例は、特記する以外、一実施形態態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
上記した一実施形態の光学積層体1は、接着剤層3の剛軟度と、接着剤層3の押し込み弾性率とのそれぞれを満足するが、例えば、上記した物性に代えて、光学積層体1が、ペンドロップ試験と、鉛筆硬度と、屈曲性試験とのそれぞれを満足することによって、本発明の課題を解決することもできる。
<ペンドロップ試験>
ガラス板2が上側を向くように、光学積層体1をステンレス製の水平台34の表面に置く。次いで、ガラス板2から5cmの高さから7gのペン29を落下させるペンドロップ試験を実施する。上記した高さは、ガラス板2の厚み方向一方面と、ペン29の先端部35との距離である。先端部35は、下側を向き、尖っている。具体的には、ペン29は、Pentel社製のボールペンであり、型番「BK407黒」であり、ボール径が0.7mmである。この光学積層体1では、ペン29の上記した落下で、ガラス板2に割れが発生すれば、ペンドロップ試験の高さは、5cmとなる。ガラス板2に割れが発生しなければ、1cmずつ高さを引き上げる。この操作を、ガラス板2が割れるまで繰り返す。
ガラス板2が上側を向くように、光学積層体1をステンレス製の水平台34の表面に置く。次いで、ガラス板2から5cmの高さから7gのペン29を落下させるペンドロップ試験を実施する。上記した高さは、ガラス板2の厚み方向一方面と、ペン29の先端部35との距離である。先端部35は、下側を向き、尖っている。具体的には、ペン29は、Pentel社製のボールペンであり、型番「BK407黒」であり、ボール径が0.7mmである。この光学積層体1では、ペン29の上記した落下で、ガラス板2に割れが発生すれば、ペンドロップ試験の高さは、5cmとなる。ガラス板2に割れが発生しなければ、1cmずつ高さを引き上げる。この操作を、ガラス板2が割れるまで繰り返す。
この光学積層体1では、高さ5cmのペンドロップ試験で、ガラス板2に割れがない。他方、ガラス板2から5cmの高さから7gのペン29を落下させるペンドロップ試験で、ガラス板2に割れがあれば、光学積層体1の耐衝撃性が低下する。
好ましくは、ガラス板2から10cmの高さから7gのペン29を落下させるペンドロップ試験で、ガラス板2に割れがなく、より好ましくは、ガラス板2から15cmの高さから7gのペン29を落下させるペンドロップ試験で、ガラス板2に割れがない。
<鉛筆硬度>
光学積層体1の鉛筆硬度は、5H以上である。他方、光学積層体1の鉛筆硬度が4H以下であれば、光学積層体1の耐擦傷性が低下する。鉛筆硬度は、JIS K 5600-5-4(1999)に準じて測定される。
光学積層体1の鉛筆硬度は、5H以上である。他方、光学積層体1の鉛筆硬度が4H以下であれば、光学積層体1の耐擦傷性が低下する。鉛筆硬度は、JIS K 5600-5-4(1999)に準じて測定される。
光学積層体1の鉛筆硬度は、好ましくは、6H以上、より好ましくは、7H以上、さらに好ましくは、8H以上、とりわけ好ましくは、9H以上である。
<屈曲性試験>
下記の光学積層体1の屈曲性試験は、100,000回以上である。
下記の光学積層体1の屈曲性試験は、100,000回以上である。
屈曲性試験では、光学積層体1を伸ばした状態から、ガラス板2が凹となる方向に屈曲半径が3mmとなるように180°折り曲げ、再び伸ばす動作を1セットとし、1分間に43セットの速さで前記動作を実施したときに、光学積層体1にクラックが生じるまでのセット数を測定する。
他方、光学積層体1の屈曲性試験は、100,000回未満であれば、耐屈曲性が低下する。
光学積層体1の屈曲性試験は、好ましくは、1,000、000回以上である。
また、別の変形例の光学積層体1は、接着剤層3の剛軟度と、接着剤層3の押し込み弾性率とのそれぞれを満足し、加えて、ペンドロップ試験と、鉛筆硬度と、屈曲性試験とのそれぞれを満足する。これによって、光学積層体1は、耐衝撃性および耐屈曲性により一層優れる。
<他の変形例>
一実施形態では、光学部材4は、偏光子保護フィルム5と、偏光子6と、光学補償層7との3層を備えるが、光学部材4の層数は、限定されない。単層(図4参照)、2層、4層以上でもよい。
一実施形態では、光学部材4は、偏光子保護フィルム5と、偏光子6と、光学補償層7との3層を備えるが、光学部材4の層数は、限定されない。単層(図4参照)、2層、4層以上でもよい。
光学部材4が2層である場合には、図示しないが、例えば、偏光子6と、光学補償層7とを備える。
図示しないが、光学部材4は、偏光子保護フィルム5と、偏光子6との間に介在する第2接着剤層をさらに備えることができる。さらに、光学部材4は、偏光子6と光学補償層7との間に介在する第3接着剤層をさらに備えることができる。第2接着剤層および第3接着剤層の材料は、例えば、上記した接着剤層3の材料と同一である。第2接着剤層および第3接着剤層のそれぞれの厚みは、例えば、0.1μm以上、また、例えば、2μm以下である。
図4は、光学部材4が単層である変形例を示す。この変形例では、光学部材4は、フィルム40である。フィルム40としては、例えば、ポリエステルフィルム、および、セルロールフィルムが挙げられる。ポリエステルフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、および、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが挙げられる。セルロールフィルムとしては、例えば、アセチルセルロールフィルが挙げられ、具体的には、トリアセチルセルロール(TAC)フィルムが挙げられる。フィルム40として、光学積層体1の耐衝撃性を向上させる観点から、ポリエステルフィルムが挙げられ、より好ましくは、PETフィルムが挙げられる。
フィルム40の厚みは、上記した光学部材4の厚みと同様である。
<粘着剤層および粘着剤層付き光学積層体>
図5に示すように、光学積層体1に粘着剤層12を貼付して粘着剤層付き光学積層体9を製造できる。粘着剤層付き光学積層体9は、光学積層体1と、光学積層体1の厚み方向一方面に配置される粘着剤層12とを備える。粘着剤層12は、粘着剤層付き光学積層体9における厚み方向一方面を形成する。粘着剤層12は、光学部材4の厚み方向一方面に配置される。具体的には、粘着剤層12は、光学部材4の厚み方向一方側に接触している。つまり、粘着剤層付き光学積層体9は、ガラス板2と、接着剤層3と、光学部材4と、粘着剤層12とを厚み方向一方側に向かって順に備える。粘着剤層12は、硬化反応を伴わず、感圧接着する粘着体である。
図5に示すように、光学積層体1に粘着剤層12を貼付して粘着剤層付き光学積層体9を製造できる。粘着剤層付き光学積層体9は、光学積層体1と、光学積層体1の厚み方向一方面に配置される粘着剤層12とを備える。粘着剤層12は、粘着剤層付き光学積層体9における厚み方向一方面を形成する。粘着剤層12は、光学部材4の厚み方向一方面に配置される。具体的には、粘着剤層12は、光学部材4の厚み方向一方側に接触している。つまり、粘着剤層付き光学積層体9は、ガラス板2と、接着剤層3と、光学部材4と、粘着剤層12とを厚み方向一方側に向かって順に備える。粘着剤層12は、硬化反応を伴わず、感圧接着する粘着体である。
粘着剤層12の材料は、光学積層体1で例示した粘着剤層12のそれらと同一である。ナノインデンター法で測定される25℃における粘着剤層12の押し込み弾性率は、1GPa未満、好ましくは、0.2GPa以下であり、また、例えば、0.01MPa以上である。粘着剤層12の押し込み弾性率が上記した上限以上であれば、粘着剤層12が導電性フィルム13に粘着できない。粘着剤層12の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、25μm以下である。
粘着剤層付き光学積層体9の厚みは、例えば、30μm以上であり、また、例えば、250μm以下である。
粘着剤層付き光学積層体9は、図2に示すように、有機EL表示装置10に備えられる。光学積層体1が粘着剤層12を介して導電性フィルム13に貼着される。
粘着剤層付き光学積層体9では、光学部材4の剛軟度が、45mm以上である。光学部材4の剛軟度が45mm未満であれば、粘着剤層付き光学積層体9の耐衝撃性が低下する。好ましくは、光学部材4の剛軟度が、好ましくは、50mm以上、より好ましくは、55mm以上である。光学部材4の剛軟度が上記した下限以上であれば、粘着剤層付き光学積層体9の耐衝撃性を向上できる。
<粘着剤層付き光学積層体の作用効果>
粘着剤層付き光学積層体9は、上記した光学積層体1を備え、かつ、光学部材4の剛軟度を45mm以上にして、光学部材4を硬くするので、耐衝撃性も向上させることができる。さらに、粘着剤層付き光学積層体9は、粘着剤層12を備えるので、導電性フィルム13に容易に貼着でき、有機EL表示装置10を簡便に製造できる。
粘着剤層付き光学積層体9は、上記した光学積層体1を備え、かつ、光学部材4の剛軟度を45mm以上にして、光学部材4を硬くするので、耐衝撃性も向上させることができる。さらに、粘着剤層付き光学積層体9は、粘着剤層12を備えるので、導電性フィルム13に容易に貼着でき、有機EL表示装置10を簡便に製造できる。
一方、一実施形態の光学積層体1は、光学部材4の剛軟度を30mm以上にして、耐衝撃性に優れる。より低い剛軟度を有する光学部材4を使いこなせる点で、粘着剤層付き光学積層体9に対して、光学積層体1が有利である。
光学部材4の剛軟度が、50mm以上であれば、粘着剤層付き光学積層体9の耐衝撃性をより一層向上できる。
図6は、フィルム40からなる光学部材4と、粘着剤層12とを備える粘着剤層付き光学積層体9を示す。この粘着剤層付き光学積層体9は、ガラス板2と、接着剤層3と、フィルム40からなる光学部材4と、粘着剤層12とを、厚み方向一方側に向かって順に備える。
図1、図2、図4~図6の仮想線で示すように、光学積層体1は、ガラス板2の厚み方向他方面(裏面)に配置される機能層37をさらに備えてよい。機能層37としては、例えば、ハードコート層、飛散防止層、防汚層、反射防止層などが挙げられる。これらは、単層または複数積層されていてもよい。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。また、以下の記載において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。
実施例1
厚み50μmのガラス板2(G-leaf)を準備した。また、4-ヒドロキシブチルアクリレート20質量部と、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド80質量部と、光重合開始剤(イルガキュア819、BASF社製)0.5質量部とを配合してアクリル接着剤組成物を調製した。アクリル接着剤組成物をガラス板2に塗布し、その後、アクリル接着剤組成物をガラス板2と光学部材4とで挟み込んだ。
厚み50μmのガラス板2(G-leaf)を準備した。また、4-ヒドロキシブチルアクリレート20質量部と、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド80質量部と、光重合開始剤(イルガキュア819、BASF社製)0.5質量部とを配合してアクリル接着剤組成物を調製した。アクリル接着剤組成物をガラス板2に塗布し、その後、アクリル接着剤組成物をガラス板2と光学部材4とで挟み込んだ。
光学部材4は、偏光子保護フィルム5と、偏光子6と、光学補償層7とを備える。さらに、光学部材4は、偏光子保護フィルム5と偏光子6との間に介在する第2接着剤層と、偏光子6と光学補償層7との間に介在する第3接着剤層とをさらに備える。偏光子保護フィルム5は、特開2008-170717号公報の実施例1に記載のラクトン環構造を有する(メタ)アクリル樹脂フィルムである。偏光子6は、特開2017-102443号公報の実施例1に記載の延伸PVAフィルムである。光学補償層7は、特開2017-102443号公報の実施例4に記載のλ/4板およびλ/2板である。偏光子保護フィルム5の厚みが40μm、第2接着剤層の厚みが1μm、偏光子6の厚みが5μm、第3接着剤層の厚みが1μm、光学補償層7の厚みが4μmである。光学積層体1の厚みは、51μmであった。
その後、紫外線を、ガラス板2側から硬化型接着剤に照射した。これにより、ガラス板2および光学部材4を強固に接着する硬化体からなる接着剤層3を形成した。これによって、ガラス板2と、接着剤層3と、光学部材4とを厚み方向一方側に向かって順に備える光学積層体1を作製した。
比較例1
接着剤層3に代えて、粘着剤層を光学積層体1に配置し、また、紫外線照射を施さなかった以外は、実施例1と同様にして、光学積層体1を作製した。粘着剤層は、以下の通り、調製した。
接着剤層3に代えて、粘着剤層を光学積層体1に配置し、また、紫外線照射を施さなかった以外は、実施例1と同様にして、光学積層体1を作製した。粘着剤層は、以下の通り、調製した。
ラウリルアクリレート(LA)35質量部、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)49質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)7質量部、およびN-ビニル-2-ピロリドン(NVP)9質量部、ならびに光重合開始剤としてBASF製「イルガキュア184」0.015質量部を配合して、モノマー組成物を調製した。モノマー組成物に紫外線を照射して、モノマーを重合させ、プレポリマー組成物(重合率;約10%)を得た。
別途、メタクリル酸ジシクロペンタニル60質量部およびメタクリル酸メチル40質量部、α-チオグリセロール3.5質量部、および、トルエン100質量部を混合し、窒素雰囲気下にて70℃で1時間撹拌した。次に、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を投入し、70℃で2時間反応させた後、80℃に昇温して2時間反応させた。その後、反応液を130℃に加熱して、トルエン、α-チオグリセロールおよび未反応モノマーを乾燥除去して、固形状のアクリルオリゴマーを得た。アクリルオリゴマーの重量平均分子量は5100、ガラス転移温度(Tg)は130℃であった。
プレポリマー組成物100質量部に、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)0.07質量部、上記のアクリルオリゴマー3質量部、および、シランカップリング剤(信越化学製「KBM403」)0.3質量部を添加した後、これらを均一に混合して、硬化性粘着剤組成物を調製した。
光学部材4の表面に上記の光硬化性粘着剤組成物を厚み25μmになるように塗布して塗布層を形成した。この塗布層に、ガラス板2を貼り合わせた。この光硬化性粘着剤組成物に、ガラス板2側から、ランプ直下の照射面における照射強度が5mW/cm2になるように位置調節したブラックライトにより、紫外線を照射して光硬化させ、厚み25μmの粘着剤層を形成した。これにより、ガラス板2と、粘着剤層と、光学部材4とを厚み方向一方側に向かって順に備える光学積層体1を作製した。
比較例2
偏光子保護フィルム5をシクロオレフィンポリマーフィルム(日本ゼオン社製ZT-12、厚み13μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、光学積層体1を作製した。
偏光子保護フィルム5をシクロオレフィンポリマーフィルム(日本ゼオン社製ZT-12、厚み13μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、光学積層体1を作製した。
実施例2
実施例1の光学積層体1の厚み方向一方面に、厚み15μmの粘着剤層12を転写により配置した。これにより、光学積層体1と、粘着剤層12とを備える粘着剤層付き光学積層体9を製造した。粘着剤層12は下記の通りに調製した。
実施例1の光学積層体1の厚み方向一方面に、厚み15μmの粘着剤層12を転写により配置した。これにより、光学積層体1と、粘着剤層12とを備える粘着剤層付き光学積層体9を製造した。粘着剤層12は下記の通りに調製した。
ラウリルアクリレート(LA)43質量部、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)44質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)6質量部、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)7質量部、および、BASF製「イルガキュア184」0.015質量部を配合し、紫外線を照射して重合し、ベースポリマー組成物(重合率:約10%)を得た。
別途、メタクリル酸ジシクロペンタニル(DCPMA)60質量部、メタクリル酸メチル(MMA)40質量部、α-チオグリセロール3.5質量部、および、トルエン100質量部を混合し、窒素雰囲気下にて70℃で1時間撹拌した。次に、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2質量部を投入し、70℃で2時間反応させた後、80℃に昇温して2時間反応させた。その後、反応液を130℃に加熱して、トルエン、連鎖移動剤および未反応モノマーを乾燥除去して、固形状のアクリル系オリゴマーを得た。アクリル系オリゴマーの重量平均分子量は5100であった。ガラス転移温度(Tg)は130℃であった。
ベースポリマー組成物の固形分100質量部に対して、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)0.07質量部、アクリル系オリゴマー1質量部、シランカップリング剤(信越化学製「KBM403」)0.3質量部を添加した後、これらを均一に混合して、粘着剤組成物を調製した。
粘着剤組成物を、PETフィルム(三菱ケミカル製「ダイアホイルMRF75」)からなる剥離シートの表面に塗布し、その後、別のPETフィルム(三菱ケミカル製「ダイアホイルMRF75」)からなる剥離シートを塗膜に貼り合わせた。その後、塗膜に紫外線を照射して、厚み15μmの粘着剤層12を調製した。ナノインデンター法で測定される25℃における粘着剤層12は、0.00011GPaであった。
比較例3
比較例1の光学積層体1の厚み方向一方面に、実施例2の粘着剤層12を転写により配置して、粘着剤層付き光学積層体9を製造した。
比較例1の光学積層体1の厚み方向一方面に、実施例2の粘着剤層12を転写により配置して、粘着剤層付き光学積層体9を製造した。
比較例4
比較例2の光学積層体1の厚み方向一方面に、実施例2の粘着剤層12を転写により配置して、粘着剤層付き光学積層体9を製造した。
比較例2の光学積層体1の厚み方向一方面に、実施例2の粘着剤層12を転写により配置して、粘着剤層付き光学積層体9を製造した。
実施例3
実施例2と同様にして、粘着剤層付き光学積層体9を製造した。但し、光学部材4として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなるフィルム40(ダイアホイルS100、三菱ケミカル社製)を用いた。
実施例2と同様にして、粘着剤層付き光学積層体9を製造した。但し、光学部材4として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなるフィルム40(ダイアホイルS100、三菱ケミカル社製)を用いた。
実施例4
実施例2と同様にして、粘着剤層付き光学積層体9を製造した。但し、光学部材4として、厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム(KC4UYW、コニカミノルタ製)を用いた。
実施例2と同様にして、粘着剤層付き光学積層体9を製造した。但し、光学部材4として、厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム(KC4UYW、コニカミノルタ製)を用いた。
比較例5
実施例2と同様にして、粘着剤層付き光学積層体9を製造した。但し、フィルム40として、グルタルイミド環単位を有するメタクリル樹脂ペレットを、押し出し成形により、フィルム状に成形した後、延伸したアクリル系フィルムを用いた。アクリル系フィルムの厚みは40μmであった。
実施例2と同様にして、粘着剤層付き光学積層体9を製造した。但し、フィルム40として、グルタルイミド環単位を有するメタクリル樹脂ペレットを、押し出し成形により、フィルム状に成形した後、延伸したアクリル系フィルムを用いた。アクリル系フィルムの厚みは40μmであった。
<評価>
実施例1~比較例5のそれぞれについて、下記の事項を評価した。その結果を表1に記載する。
実施例1~比較例5のそれぞれについて、下記の事項を評価した。その結果を表1に記載する。
<接着剤層および粘着剤層の押し込み弾性率>
実施例1~実施例4、比較例2、比較例4および比較例5の25℃における接着剤層3の押し込み弾性率を、ナノインデンター法に基づいて測定した。測定対象は、ガラス板2および光学部材4の間に配置される接着剤層3である。ナノインデンター法の測定条件は、下記の通りである。その結果、25℃における接着剤層3の押し込み弾性率は、5GPaであった。
実施例1~実施例4、比較例2、比較例4および比較例5の25℃における接着剤層3の押し込み弾性率を、ナノインデンター法に基づいて測定した。測定対象は、ガラス板2および光学部材4の間に配置される接着剤層3である。ナノインデンター法の測定条件は、下記の通りである。その結果、25℃における接着剤層3の押し込み弾性率は、5GPaであった。
装置:Triboindenter(Hysitron Inc.製)
サンプルサイズ:10×10mm
圧子:Concial(球形圧子:曲率半径10μm)、
測定方法:単一押し込み測定
測定温度:25℃
圧子の押込深さ:100nm
温度:25℃
解析:荷重-変位曲線に基づくOliver Pharr解析
サンプルサイズ:10×10mm
圧子:Concial(球形圧子:曲率半径10μm)、
測定方法:単一押し込み測定
測定温度:25℃
圧子の押込深さ:100nm
温度:25℃
解析:荷重-変位曲線に基づくOliver Pharr解析
比較例1および比較例3における粘着剤層の押し込み弾性率を、ナノインデンター法に基づいて測定した。測定対象は、ガラス板2および光学部材4の間に配置される粘着剤層である。ナノインデンター法の測定条件は、上記と同様である。但し、圧子の押込深さを1500nmにした。その結果、25℃における粘着剤層の押し込み弾性率は、0.00011GPa(0.11MPa)であった。
<接着剤層の引張貯蔵弾性率E’、および、粘着剤層のせん断貯蔵弾性率G’>
実施例1~実施例4、比較例2、比較例4および比較例5で用いたアクリル接着剤組成物を剥離フィルムの表面に塗布し、その後、紫外線照射して、フィルム(硬化体)を作製した。フィルムを剥離フィルムから剥離した。周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件の温度分散モードでフィルムを、動的粘弾性を測定することにより、フィルムの引張貯蔵弾性率E’を求めた。その結果、25℃における接着剤層3の引張貯蔵弾性率E’は、3.4GPaであった。
実施例1~実施例4、比較例2、比較例4および比較例5で用いたアクリル接着剤組成物を剥離フィルムの表面に塗布し、その後、紫外線照射して、フィルム(硬化体)を作製した。フィルムを剥離フィルムから剥離した。周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件の温度分散モードでフィルムを、動的粘弾性を測定することにより、フィルムの引張貯蔵弾性率E’を求めた。その結果、25℃における接着剤層3の引張貯蔵弾性率E’は、3.4GPaであった。
比較例1および比較例3で用いたアクリル粘着剤を円盤状に外形加工し、パラレルプレートに挟み込み、Rheometric Scientific社製「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」を用いて、以下の条件の動的粘弾性測定により、粘着剤層の25℃におけるせん断貯蔵弾性率G’を求めた。
[条件]
モード:ねじり
温度:-40℃から150℃
昇温速度:5℃/分
周波数:1Hz
モード:ねじり
温度:-40℃から150℃
昇温速度:5℃/分
周波数:1Hz
その結果、25℃における粘着剤層のせん断貯蔵弾性率G’は、0.00003GPa(0.03MPa)であった。
<光学部材の剛軟度>
図3A~図3Bに示すように、JIS L 1096(2010)に記載のA法に基づいて、光学部材4の剛軟度を測定した。結果を表1に示す。
図3A~図3Bに示すように、JIS L 1096(2010)に記載のA法に基づいて、光学部材4の剛軟度を測定した。結果を表1に示す。
<ペンドロップ試験>
光学積層体1について、上記したペンドロップ試験を実施した。ペン29として、Pentel社製のボールペンを用いた。ボールペンの型番は、「BK407黒」であり、ボール径が0.7mmであった。ペンドロップ試験の結果を表1に示す。表1中の数値は、ガラス板2が割れた時の高さである。
光学積層体1について、上記したペンドロップ試験を実施した。ペン29として、Pentel社製のボールペンを用いた。ボールペンの型番は、「BK407黒」であり、ボール径が0.7mmであった。ペンドロップ試験の結果を表1に示す。表1中の数値は、ガラス板2が割れた時の高さである。
<鉛筆硬度>
光学積層体1の鉛筆硬度を、JIS K 5600-5-4(1999)の記載に基づいて、測定した。鉛筆を光学積層体1のガラス板2に接触させた。結果を表1に示す。
光学積層体1の鉛筆硬度を、JIS K 5600-5-4(1999)の記載に基づいて、測定した。鉛筆を光学積層体1のガラス板2に接触させた。結果を表1に示す。
1 光学積層体
2 ガラス板
3 接着剤層
4 光学部材
9 粘着剤層付き光学積層体
12 粘着剤層
10 有機EL表示装置
15 画像表示部材
2 ガラス板
3 接着剤層
4 光学部材
9 粘着剤層付き光学積層体
12 粘着剤層
10 有機EL表示装置
15 画像表示部材
Claims (7)
- ガラス板と、接着剤層と、光学部材とを厚み方向一方側に向かって順に備え、
前記接着剤層は、前記ガラス板の厚み方向一方面および前記光学部材の厚み方向他方面と接触し、
前記光学部材の厚みが、70μm以下であり、
前記光学部材は、粘着剤層を含まず、
JIS L 1096(2010)に記載のA法に従って求められる前記光学部材の剛軟度が、30mm以上であり、
ナノインデンター法で測定される25℃における前記接着剤層の押し込み弾性率が、1GPa以上である、光学積層体。 - 前記接着剤層の厚みは、5μm以下である、請求項1に記載の光学積層体。
- 前記ガラス板の厚みが、100μm以下である、請求項1または2に記載の光学積層体。
- ガラス板と、接着剤層と、光学部材とを厚み方向一方側に向かって順に備える光学積層体であって、
前記接着剤層は、前記ガラス板の厚み方向一方面および前記光学部材の厚み方向他方面と接触し、
前記光学部材の厚みが、70μm以下であり、
前記光学部材は、粘着剤層を含まず、
前記ガラス板から5cmの高さから7g、ボール径0.7mmのボールペンを落下させるペンドロップ試験で、前記ガラス板に割れがなく、
前記光学積層体の鉛筆硬度が、5H以上で、
下記の屈曲性試験は、100,000回以上である、光学積層体。
屈曲性試験:前記光学積層体を伸ばした状態から、ガラス板の表面が凹となる方向に屈曲半径が3mmとなるように180°折り曲げ、再び伸ばす動作を1セットとし、1分間に43セットの速さで前記動作を実施したときに、前記光学積層体にクラックが生じるまでのセット数を測定する。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の光学積層体と、
前記光学積層体の前記光学部材の厚み方向一方面に配置される粘着剤層とを備え、
前記光学部材の剛軟度が、45mm以上であり、
ナノインデンター法で測定される25℃における前記粘着剤層の押し込み弾性率が、1GPa未満である、粘着剤層付き光学積層体。 - 前記光学部材の剛軟度が、50mm以上である、請求項5に記載の粘着剤層付き光学積層体。
- 折曲げ可能であって、
請求項1~4のいずれか一項の光学積層体、または、請求項5または6に記載の粘着剤層付き光学積層体と、
画像表示部材とを厚み方向一方側に向かって順に備える、画像表示装置。
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CN202180045136.2A CN115916526A (zh) | 2020-06-24 | 2021-05-18 | 光学层叠体、带粘合剂层的光学层叠体以及图像显示装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023153051A1 (ja) * | 2022-02-10 | 2023-08-17 | 日東電工株式会社 | ウィンドウ用基材、多層ウィンドウ、粘着層付多層ウィンドウ、および多層ウィンドウを含む表示装置 |
WO2023153052A1 (ja) * | 2022-02-10 | 2023-08-17 | 日東電工株式会社 | ウィンドウ用基材、多層ウィンドウ、粘着層付多層ウィンドウ、および多層ウィンドウを含む表示装置 |
-
2020
- 2020-11-24 JP JP2020194694A patent/JP2022007904A/ja active Pending
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