JP2022007884A - 紫外線吸収剤、組成物、成形体および積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線及び400~420nm程度の可視光短波長領域を吸収できる紫外線吸収剤を提供する。【解決手段】1~3個のナフタレン環と結合するトリアジン化合物であり、420nm未満の波長領域の光を吸収する紫外線吸収剤。(トリアジンに直接結合する1~3個のナフタレン環の内、少なくとも一つのナフタレン環の2位に水酸基を含むことが好ましい。)下記に紫外線吸収剤の一例を示す。TIFF2022007884000024.tif62170【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線吸収剤、およびこれを含む組成物に関する。
従来から樹脂成形体(以下、成形体という)は、医薬用薬剤や化粧品等の包装材料として使用されていた。これらの包装材料の中身の有機物は、一般的に太陽光などに含まれる紫外線の作用によって劣化することが知られている。そのため、紫外線吸収剤を樹脂成形体に含有することは、内容物の劣化の抑制に効果的である。
また、フィルムや塗料、粘着剤についても、従来から紫外線による劣化を防止するため紫外線吸収剤が配合されている場合が多い。例えばディスプレイ表示装置において、偏光板保護フィルム等の光学フィルムに紫外線吸収剤を添加して、これら光学フィルムの変色を防止することが一般的に行なわれている。また、反射防止フィルムに含まれる近赤外線吸収剤の紫外線による劣化を防ぐため、反射防止フィルムに紫外線吸収剤が添加されている。また、有機ELディスプレイの発光素子には、蛍光材料や燐光材料等の各種有機物が使用されており、これら有機物の紫外線による劣化を防ぐため、ディスプレイの表面フィルムなどに紫外線吸収剤が添加されている。
また、太陽光のうち波長400nm未満の紫外線のみならず、400~420nm程度の可視光短波長領域の光も有機物や人体にダメージを与えることが指摘されており、上記の用途を含む特定の用途においては、可視光短波長域の光まで吸収できる紫外線吸収剤が求められている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、400~420nm程度の可視光短波長領域を吸収するベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が開示されている。
特開2018-177696号公報 特表2016-514756号公報
しかし、特許文献1や特許文献2の紫外線吸収剤は、単位質量当たりの吸光度が低く、可視光短波長領域を充分吸収するのは、多量に使用する必要があった。また、添加量が増えることで、透明性が低下する問題があった。
本発明は、従来よりも少量で、紫外線及び400~420nm程度の可視光短波長領域を吸収できる紫外線吸収剤の提供を目的とする。
本発明の紫外線吸収剤は、400nm未満の紫外線領域および400~420nmの可視光短波長領域の光を吸収し、
1または2または3個のナフタレン環と結合するトリアジン化合物である。
上記の本発明によれば、従来よりも少量で、紫外線及び400~420nm程度の可視光短波長領域を吸収できる紫外線吸収剤、組成物および成形体を提供できる。
本発明の紫外線吸収剤は、400nm未満の紫外線領域および400~420nmの可視光短波長領域の光を吸収し、
1または2または3個のナフタレン環と結合するトリアジン化合物である。
本発明の紫外線吸収剤は、トリアジン環に結合するナフタレン環の作用により、400nm未満の紫外線領域に加え400~420nm程度の可視光短波長領域の光を吸収できる。また、本発明の紫外線吸収剤は、従来よりも少量の添加で所望の波長吸収が可能になる予想外の効果を有している。また、少量で波長吸収が可能であるため添加量を抑制できるため、被膜や成形体の透明性を低下させない。透明性を改善する効果を有している。なお、ナフタレン環は、トリアジン環と連結基なしに直接結合することが好ましい。また、トリアジンに直接結合する1、2または3個のナフタレン環の内、少なくとも一つのナフタレン環の2位に水酸基を含むことがより好ましい。
本発明の紫外線吸収剤は、下記一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)からなる群より選択される化合物が好ましい。
Figure 2022007884000001

(一般式(1)~(3)中、R1b~R1g、R2a~R2g、R3a~R3gは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトリル基、ニトロ基、スルホ基、R、Ar、下記一般式(4-1)~(4-3)で示す基である。
は炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルケニル基、炭素数1~20のアルコシキ基、炭素数1~20のアルケニルオキシ基であり、水酸基、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、またはスルホ基の置換基を有してもよく、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルケニル基、炭素数1~20のアルコシキ基、炭素数1~20のアルケニルオキシ基の炭素原子と炭素原子の間が一つまたは複数の-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-で連結されていても良い。
Arは炭素数6~20のアリール基、炭素数6~20のアリールオキシ基、ビフェニル基であり、水酸基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルケニル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数1~20のアルコシキ基、炭素数1~20のアルケニルオキシ基、炭素数6~20のアリールオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、またはスルホ基の置換基を有してもよい。
また、一般式(2)~(3)中、R、R、Rは、水酸基、RまたはArである。
一般式(4-1)
Figure 2022007884000002

一般式(4-1)中、Xは-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-である。Rは、水素原子、水酸基、RまたはArである。ただし、一般式(4-1)中の*は、一般式(1)~(3)のナフタレン環との結合部位を表す。
一般式(4-2)
Figure 2022007884000003

一般式(4-2)中、X2、Xはそれぞれ独立して-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-である。Rは炭素数6~20のアリーレン基である。R10はRまたはArである。ただし、一般式(4-2)中の*は、一般式(1)~(3)のナフタレン環との結合部位を表す。
一般式(4-3)
Figure 2022007884000004

一般式(4-3)中、X、Xはそれぞれ独立して-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-である。R11は直鎖または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基である。R12はRまたはArである。nは1~20である。ただし、一般式(4-3)中の*は、一般式(1)~(3)のナフタレン環との結合部位を表す。)
なお、一般式(4-1)は、一般式(4)を含む基が好ましい。
一般式(4)
Figure 2022007884000005
一般式(4)中、Yは-NH-、または-O-である。R13は、水素原子、水酸基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルケニル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数1~20のアルコシキ基、炭素数1~20のアルケニルオキシ基、炭素数6~20のアリールオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、またはスルホ基の置換基を有してもよい、炭素数1~20のアルキル基または炭素数6~20のアリール基である。ただし、一般式(4)の*印は、一般式(1)~(3)のナフタレン環との結合部位を表す。
一般式(1)で示す化合物は、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2022007884000006


Figure 2022007884000007


Figure 2022007884000008


Figure 2022007884000009

一般式(2)で示す化合物は、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2022007884000010

一般式(3)で示す化合物は、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2022007884000011

上記トリアジン系化合物の合成方法は、トリアジン構造を有する化合物の公知の合成法を使用して合成できる。例えば、塩化シアヌルにナフトールまたはナフトール誘導体を、三塩化アルミニウムを用いて付加反応させる方法が挙げられる。他にも、例えば、2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸メチルとベンズアミジン塩酸塩を、ナトリウムメトキシドを用いて縮合環化反応させる方法も挙げられる。トリアジン環に単結合で連結したナフタレン環やR、R、Rが備える置換基は、トリアジン構造を形成した後に導入してもよく、トリアジン構造を形成する前に導入してもよい。
本発明の組成物は、上記紫外線吸収剤、および樹脂を含むことが好ましい。樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が挙げられる。
まず、紫外線吸収剤、および熱可塑性樹脂を含む、組成物を説明する。前記組成物は、例えば、成形体用途に使用できる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリル、ポリエステル、シクロオレフィン樹脂等が挙げられる。
<ポリオレフィン>
ポリオレフィンは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン-1、およびポリ-4-メチルペンテン、ならびにこれらの共重合体が挙げられる。
ポリエチレンは、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが挙げられる。
ポリプロピレンは、例えば、結晶性または非晶性ポリプロピレンが挙げられる。
これらを用いた共重合体は、例えば、エチレン-プロピレンのランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体、α-オレフィンとエチレンあるいはプロピレンの共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体およびエチレン-アクリル酸共重合体等が挙げられる。
これらの中でも結晶性または非晶性ポリプロピレン、エチレン-プロピレンのランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体が好ましく、プロピレン-エチレンブロック共重合体がより好ましい。また安価で、比重が小さいために成形品を軽量化できる観点からはポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィンの数平均分子量は、30,000~500,000程度である。
ポリオレフィンのメルトフローレイト(MFR)は1~100(g/10分)が好ましい。なお、MFRはJISK-7210に準拠して求めた数値である。
<ポリカーボネート>
ポリカーボネートは、2価のフェノールとカーボネート前駆体とを公知の方法で合成した化合物である。2価のフェノールは、例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ビドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4-ビドロキシフェニル)サルファイド等が挙げられる。これらの中でビス(4-ビドロキシフェニル)アルカン系が好ましく、ビスフェノールAと称される2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンがより好ましい。
カーボネート前駆体は、例えば、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価のフェノールのジハロホルメート等が挙げられる。この中でもジフェニルカーボネートが好ましい。
2価のフェノール、およびカーボネート前駆体は、それぞれ単独または2種類以上を併用して使用できる。
<ポリアクリル>
ポリアクリルは、メタクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸エチル等のモノマーおよび必要に応じて使用する他のモノマーを公知の方法で重合した化合物である。ポリアクリルは、例えば、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体およびエチレン-アクリル酸共重合体等が挙げられる。前記モノマーの他に、例えば、ブタジエン、α-メチルスチレン、無水マレイン酸等のモノマーを加えて重合することもでき、モノマー量と分子量によって耐熱性、流動性、衝撃性を調整することができる。
<ポリエステル>
ポリエステルは、分子の主鎖にエステル結合を有する樹脂であり、ジカルボン酸(その誘導体を含む)と、ジオール(2価アルコールまたは2価フェノール)とから合成した重縮合物;、ジカルボン酸(その誘導体を含む)と、環状エーテル化合物とから合成した重縮合物;、環状エーテル化合物の開環重合物等が挙げられる。ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールでの重合体によるホモポリマー、複数の原料を使用するコポリマー、これらを混合するポリマーブレンド体が挙げられる。なお、ジカルボン酸の誘導体とは、酸無水物、エステル化物である。ジカルボン酸は、脂肪族および芳香族の2種類のジカルボン酸があるところ、耐熱性が向上する芳香族がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p-カルボキシルフェニル酢酸、m-フェニレンジグリゴール酸、p-フェニレンジグリコール酸、ジフェニルジ酢酸、ジフェニル-p,p’-ジカルボン酸、ジフェニル-4,4’-ジ酢酸、ジフェニルメタン-p,p’-ジカルボン酸、ジフェニルエタン-m,m’-ジカルボン酸、スチルベンジルカルボン酸、ジフェニルブタン-p,p’-ジカルボン酸、ベンゾフェノン-4,4’-ジカルボン酸、ナフタリン-1,4-ジカルボン酸、ナフタリン-1,5-ジカルボン酸、ナフタリン-2,6-ジカルボン酸、ナフタリン-2,7-ジカルボン酸、p-カルボキシフェノキシ酢酸、p-カルボキシフェノキシブチル酸、1,2-ジフェノキシプロパン-p,p’-ジカルボン酸、1,5-ジフェノキシペンタン-p,p’-ジカルボン酸、1,6-ジフェノキシヘキサン-p,p’-ジカルボン酸、p-(p-カルボキシフェノキシ)安息香酸、1,2-ビス(2-メトキシフェノキシ)-エタン-p,p’-ジカルボン酸、1,3-ビス(2-メトキシフェノキシ)プロパン-p,p’-ジカルボン酸、1,4-ビス(2-メトキシフェノキシ)ブタン-p,p’-ジカルボン酸、1,5-ビス(2-メトキシフェノキシ)-3-オキシペンタン-p,p’-ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸は、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、コルク酸、マゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
2価アルコールは、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,4-ジオール、cis-2-ブテン-1,4-ジオール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中でもエチレングリコール、ブタン-1,4-ジオール、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
2価フェノールは、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA等が挙げられる。
環状エーテル化合物は、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
ジカルボン酸や2価アルコールは、それぞれ単独または2種類以上を併用して使用できる。
<シクロオレフィン樹脂>
シクロオレフィン樹脂は、エチレン又はα-オレフィンと環状オレフィンとの重合体である。α-オレフィンはC4~C12のαオレフィンから誘導されるモノマーであり、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-へキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-へキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン等が挙げられる。環状オレフィンはノルボルネンから誘導されるモノマーであり、水素基、ハロゲン原子、1価又は2価の炭化水素基の置換物が挙げられる。これらの中でも無置換のノルボルネンが好ましい。
<ポリビニルアセタール樹脂>
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂より好ましい。ポリビニルブチラール樹脂は、例えば、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを酸性条件化で反応させて合成できる。
熱可塑性樹脂は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
紫外線吸収剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.05~1質量部がより好ましい。
本明細書の組成物は、例えば、紫外線吸収剤を高濃度で配合したマスターバッチとして製造することが好ましい。マスターバッチを作製し、次いで、希釈樹脂(熱可塑性樹脂)と溶融混錬して成形体を作製すると、マスターバッチを経ず作成した成形体と比較して、紫外線吸収剤を成形体中に均一に分散し易く、紫外線吸収剤の凝集を抑制できるこれにより、成形体の透明性が向上する。
マスターバッチは、例えば、紫外線吸収剤とポリオレフィンを溶融混練し、ペレタイザーを使用してペレット状に製造できる。なお、紫外線吸収剤の凝集を防ぐため、予め、紫外線吸収剤とワックスを溶融混練した分散体を作製した後、熱可塑性樹脂と共に、溶融混錬してマスターバッチを作製することが好ましい。ここで、分散体の作製は、ブレンドミキサーや3本ロールミルを用いることが好ましい。
組成物をマスターバッチとして作製する場合、紫外線吸収剤の配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1~30質量部が好ましく、0.5~3質量部がより好ましい。マスターバッチ(X)と希釈用樹脂(Y)との質量比は、X/Y=1/5~1/100が好ましい。この範囲にすると成形品は、良好な光特性が得やすい。
また、本明細書の組成物は、液状マスターバッチを作製し、次いで、希釈樹脂(熱可塑性樹脂)とともに溶融混錬して成形体を作製することができる。
液状マスターバッチは、紫外線吸収剤を液体樹脂に溶解もしくは分散させて得られる。
液体樹脂は、25℃の粘度が8,000mPa・s以下の樹脂である。なお、前記粘度は、10~5,000mPa・sが好ましく、100~3,000mPa・sがより好ましい。上記範囲内であると、紫外線吸収剤を液状マスターバッチ中に容易に分散できる。本明細書における粘度はJIS K7117-1:1999に従ってB型粘度計を用いて25℃で測定した値である。
液体樹脂の含有量は、液状マスターバッチ100質量%中、50質量%以上が好ましく、60~95質量%がより好ましく、70~90質量%がさらに好ましい。この範囲内であることにより、例えば、溶融混錬の際、溶融粘度を抑制できるため、紫外線吸収剤を分散し易くなる。この液状マスターバッチを使用すると、透明性が高い成形体が得られる。
また、液体樹脂の数平均分子量(Mn)は、100~3000が好ましく、200~2000がより好ましく、500~1500がさらに好ましく、1000~1500が特に好ましい。Mn200以上により成形体の成形性と透明性を両立し易い。また、Mnが2000以下により、分散性と帯電防止性が向上する。
液体樹脂は、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ系樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、またはアセチルクエン酸トリブチル等が挙げられるが、主剤樹脂がポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネートなどの高い成型温度が必要な場合にも、耐熱性が高く、帯電防止性も優れる点で、脂肪族ポリエステル樹脂、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、またはアセチルクエン酸トリブチルが好ましい。
[脂肪族ポリエステル樹脂]
脂肪族多価カルボン酸と多価アルコールとの反応によって得られる樹脂である。
前記脂肪族多価カルボン酸は、カルボキシル基を2つ以上有する脂肪族カルボン酸である。脂肪族多価カルボン酸は、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、トリカルバリル酸、1,3,6-ヘキサントリカルボン酸、1,3,5-ヘキサントリカルボン酸等が挙げられる。
前記多価アルコールは、水酸基を2つ以上有するアルコールである。多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-オクタデカンジオール等の脂肪族グリコール及びジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸および多価アルコールは、それぞれ単独または2種類以上併用して使用できる。
脂肪族ポリエステル樹脂の凝固点は、-5℃以下が好ましく、-50℃~-10℃がより好ましい。
脂肪族ポリエステル樹脂の市販品は、例えば、アデカサイザーPN‐170(ADEKA社製、25℃での粘度800mPa・s、凝固点-15℃、アジピン酸ポリエステル樹脂)、アデカサイザーP-200(ADEKA社製、25℃での粘度2,600mPa・s、凝固点-20℃、アジピン酸ポリエステル樹脂)、アデカサイザーPN-250(ADEKA社製、25℃での粘度4,500mPa・s、凝固点-20℃、アジピン酸ポリエステル樹脂)等が挙げられる。
[ポリエーテル樹脂]
ポリエーテル樹脂は、アルキレンオキシ基の繰り返し単位を有する樹脂である。アルキレンオキシ基の炭素数は1~6が好ましい。ポリエーテル樹脂は、25℃における粘度が10,000mPa・s以下が好ましい。この粘度であれば、液状マスターバッチ用途の使用に適している。なお、アルキレンオキシ基の炭素数は、2~4が好ましい。これにより相溶性が向上する一方、吸水性を抑制できる。
ポリエーテル樹脂は、例えば、いずれも繰り返し単位中の炭素数が2であるポリエチレングリコールや、いずれも繰り返し単位中の炭素数が3であるポリトリメチレングリコールおよびポリプロピレングリコールや、いずれも繰り返し単位中の炭素数が4であるポリテトラメチレングリコールおよびポリブチレングリコール等が挙げられる。
[ポリエーテルエステル樹脂]
ポリエーテルエステル樹脂は、脂肪族多価カルボン酸樹脂とアルキレングリコール樹脂とのエステル化合物である。
ポリエーテルエステル樹脂の市販品は、例えば、アデカサイザーRS‐107(ADEKA社製、25℃での粘度20mPa・s、凝固点-47℃、アジピン酸エーテルエステル系樹脂)、アデカサイザーRS-700(ADEKA社製、25℃での粘度30mPa・s、凝固点-53℃、ポリエーテルエステル系樹脂)等が挙げられる。
液体樹脂(B)の凝固点は、-5℃以下が好ましく、-50℃~-10℃がより好ましい。
本明細書の組成物は、可塑剤分散液を作製し、次いで、希釈樹脂(熱可塑性樹脂)とともに溶融混錬して成形体を作製することができる。
紫外線吸収剤の含有量は、可塑剤分散液中、0.1~30質量%が好ましい。
可塑剤分散液は、紫外線吸収剤を可塑剤に溶解もしくは分散して作製する。
可塑剤は、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、ポリエステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、エポキシ化植物油、セバシン酸エステルなどが挙げられる。これらの中でもトリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、トリエチレングリコール-ジ-n-ヘプタノエートが好ましく、トリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエートがより好ましい。
可塑剤は、単独または2種類以上併用して使用できる。
可塑剤の含有量は、可塑剤分散液中、60~99.9質量%が好ましい。
(樹脂型分散剤)
本発明の液状マスターバッチや、可塑剤分散液は樹脂型分散剤を含んでも良い。これにより、液状マスターバッチや可塑剤分散液中で、紫外線吸収剤がより均一に分散されるため、成形体はさらに高い透明性が得られる。また、樹脂型分散剤を含むことで、液状マスターバッチや可塑剤分散液の保存安定性が向上する。
樹脂型分散剤は、紫外線吸収剤に吸着する性質を有する吸着部位と、紫外線吸収剤以外の成分と相溶性のある緩和部位とを有する樹脂である。樹脂型分散剤は、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
樹脂型分散剤は、単独または2種類以上併用して使用できる。
上記分散剤のうち少量の添加量で分散体の粘度が低くなるという理由から、塩基性官能基を有する高分子分散剤が好ましく、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体およびウレタン系高分子分散剤などが好ましい。
樹脂型分散剤の含有量は、紫外線吸収剤100質量部に対して5~200質量%程度が好ましく、10~100質量%程度がより好ましい。
市販の樹脂型分散剤は、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti-Terra-U、203、204、またはBYK-P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon-WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA-46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
なお、樹脂型分散剤が有機溶剤に溶解した状態の場合は、液体樹脂を添加し、減圧して加熱し、溶媒を留去して使用することが好ましい。その場合、これを含有する液状マスターバッチも有機溶剤を含まないため、工程面でも使用しやすい。
<液状マスターバッチの製造方法>
液状マスターバッチは、紫外線吸収剤と液状樹脂を混合することで作製できる。なお、前記作製には、樹脂型分散剤を用いることが好ましい。前記混合は、例えば、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の装置を使用できる。
<可塑剤分散液の製造方法>
可塑剤分散液は、紫外線吸収剤と可塑剤を混合することで作製できる。なお、前記作製には、樹脂型分散剤を用いることが好ましい。前記混合は、前記「液状マスターバッチの製造方法」で説明した装置を使用できる。
本明細書の成形体は、組成物を溶融混錬して成形して作製することが好ましい。組成物がマスターバッチである場合、マスターバッチと希釈樹脂を溶融混錬して成形体を作製することが好ましい。なお、本発明で成型体は型に樹脂を投入し物品を得るものである。また、成形体は、プラスチックフィルムなど型を使用せずに得た物品と成型体を含む。なお、希釈樹脂は、既に説明した熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
溶融混練は、例えば単軸混練押出機、二軸混練押出機、タンデム式二軸混練押出機等を用が好ましい。溶融混錬温度は、熱可塑性樹脂の種類により異なるが、通常150~320℃程度である。
成形方法は、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形などが挙げられる。押出成形は、例えばコンプレッション成形、パイプ押出成形、ラミネート成形、Tダイ成形、インフレーション成形、溶融紡糸等が挙げられる。
成形温度は、希釈樹脂の軟化点によるところ、通常160~320℃である。
本明細書の組成物は、熱可塑性樹脂、紫外線吸収剤以外に任意成分として、酸化防止剤、光安定剤、分散剤、ワックス等を含むことができる。
本発明の組成物は、例えば、食品包装材、医薬品包装材、ディスプレイ、ガラス中間膜、レンズ用途に使用することができる。
食品包装材や医薬品包装材は、熱可塑性樹脂に、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル等を使用することが好ましい。これら成形体は、柔軟性および視認性が向上し、内容物の劣化を抑制できる。
ディスプレイ、ガラス中間膜、レンズ用途で使用される成形体は、熱可塑性樹脂から構成されている成形体であれば何でも良いが、所望の波長に対して透明な性質を有する樹脂からなるフィルムであることが好ましい。このような成形体を構成する樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、脂環構造を有するオレフィンポリマー系樹脂(脂環式オレフィンポリマー系樹脂)、セルロースエステル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。
ディスプレイ用途では、例えば、テレビ、パソコン、スマホ等に使用される光学フィルム等で使用される。上記の組成物を含む成形体を使用した積層体は、ディスプレイのバックライトに含まれる紫外線や可視光の短波長領域の光を吸収することで、目への悪影響を抑制することができ、また、太陽光に含まれる紫外線や可視光の短波長領域の光を吸収することで、ディスプレイの表示素子の劣化を抑制することができる。
ガラス中間膜用途では、例えば自動車や建築物等に使用される合わせガラス等で使用される。上記の組成物を含む成形体を使用した合わせガラスは、太陽光に含まれる紫外線や可視光の短波長領域の光を吸収することで、目や人体への悪影響を抑制することができる。
レンズ用途では、例えば眼鏡や光学センサー等に使用されるレンズ等で使用される。上記の組成物を含む成形体を使用したレンズは、例えば眼鏡用途では太陽光に含まれる紫外線や可視光の短波長領域の光を吸収することで、目や人体への悪影響を抑制することができ、光学センサー用途ではノイズに成り得る不要な波長の光をカットすることで、センサーの感度を高めることができる。
本明細書の成形品は、例えば、医療用薬剤、化粧品、食品用容器および包装材、雑貨、繊維製品、医薬品用容器、各種産業用被覆材、自動車用部品、家電製品、住宅等の建材、トイレタリー用品などの用途で幅広く使用できる。さらに、ディスプレイ用材料、センサー用材料、光学制御材料などの用途でも幅広く使用できる。
本発明の紫外線吸収剤は、粘着剤用途に使用できる。この場合、組成物は、紫外線吸収剤、熱硬化性樹脂を含むことが好ましく、さらに硬化剤を含むことが好ましい。換言すると本明細書の粘着剤は、紫外線吸収剤、粘着性樹脂、および硬化剤を含有することが好ましい。
粘着性樹脂は、ガラス転移温度が-50~-20℃の樹脂である。粘着性樹脂の種類は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、粘着性樹脂は、硬化剤と反応可能な官能基を有することが好ましい。前記官能基は、例えば、カルボキシル基、水酸基等が挙げられる。
硬化剤は、例えば、イソシアネート硬化剤、エポキシ硬化剤、アジリジン硬化剤、金属キレート硬化剤等が挙げられる。
粘着剤は、例えば、剥離シート上に塗工し、乾燥することで粘着剤層を形成し、粘着剤層上に基材を貼り合わせて粘着シートを作製できる。
本明細書の粘着シートは、ディスプレイ用途(例えば、テレビ、パソコン、スマホ等)やガラス中間膜用途(例えば、自動車や建築物等)で、各基材に貼り合わせる使用することが好ましい。
粘着シートは、本発明の紫外線吸収剤を含むことで、バックライトや太陽光に含まれる紫外線や可視光の短波長領域の光を吸収し、目や人体への悪影響を抑制することやディスプレイの表示素子の劣化を抑制することができる。なお、シート、フィルムおよびテープは同義語である。
本発明の組成物は、塗工層として使用できる。この場合、組成物は、塗料が好ましい。塗料である組成物は、紫外線吸収剤、および樹脂を含有することが好ましく、さらに有機溶剤を含有することが好ましい。前記樹脂は、ガラス転移温度が、30℃以上の樹脂が好ましい。前記樹脂は、例えば、ニトロセルロース、ポリエステル等が挙げられる。また、塗料は、熱硬化性樹脂を使用できる。この場合、硬化剤を含むことが好ましい。熱硬化性樹脂は、ガラス転移温度が10℃以上の樹脂である。熱硬化性樹脂の種類は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂は、硬化剤と反応可能な官能基を有することが好ましい。前記官能基は、例えば、カルボキシル基、水酸基等が挙げられる。硬化剤は、例えば、例えば、イソシアネート硬化剤、エポキシ硬化剤、アジリジン硬化剤、アミン硬化剤等が挙げられる。
本発明の組成物を塗工層用途として使用する場合、組成物は、光硬化性組成物も好ましい。光硬化性組成物は、紫外線吸収剤、光重合性化合物および光重合開始剤を含むことが好ましい。また、前期組成物中の紫外線吸収剤は光硬化性部位を含むことがより好ましい。前記組成物は、ハードコート層、トップコート層、各種積層体の中間層として使用することが好ましい。また前記組成物は、樹脂を含有できる。また前記組成物は、光硬化性組成物として公知の添加剤や必要に応じて有機溶剤を含有できる。
光重合性化合物は、モノマーおよびオリゴマーを含む。光重合性化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、オキシムエステル系化合物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。これらの中でも高感度の面でオキシムエステル系化合物が好ましい。
本明細書の塗料は、例えば、医療用薬剤、化粧品、食品用容器および包装材、雑貨、繊維製品、医薬品用容器、各種産業用被覆材、自動車用部品、家電製品、住宅等の建材、トイレタリー用品などの用途で幅広く使用できる。さらに、ガラス中間膜用材料、レンズ用材料、ディスプレイ用材料、センサー用材料、光学制御材料などの用途でも幅広く使用できる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。なお、「質量部」は、「部」、「質量%」は「%」と記載する。
実施例で使用した熱可塑性樹脂(全て数平均分子量が30,000以上)以下に示す。
(C-1)ポリエチレン(サンテックLD M2270、MFR=7g/10min、旭化成ケミカルズ社製)
(C-2)ポリエチレン(ノバテックUJ790、MFR=50g/10min、日本ポリエチレン社製)
(C-3)ポリプロピレン(ノバテックPP FA3EB、MFR=10.5g/10min、日本ポリプロ社製)
(C-4)ポリプロピレン(プライムポリプロJ226T、MFR=20g/10min、プライムポリマー社製)
(E-1)ポリカーボネート(ユーピロンS3000、MFR=15g/10min、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)
(E-2)ポリメタクリル樹脂(アクリペットMF、MFR=14g/10min、三菱レイヨン社製)
(E-3)ポリエステル(三井ペットSA135、三井化学社製)
(E-4)シクロオレフィン樹脂(TOPAS5013L-10、三井化学社製)
(E-5)ポリビニルブチラール樹脂(モビタールB20H、クラレ社製)
実施例で使用した液体樹脂を以下に示す。
(B-1)ユニオールD-400(日油社製、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリプロピレングリコール樹脂、数平均分子量400、粘度100mPa・s)
(B-2)アデカサイザーRS-107(ADEKA社製、エーテルエステル樹脂、アジピン酸エーテルエステル樹脂、数平均分子量430、粘度20mPa・s)
(B-3)アデカサイザーPN-6810(ADEKA社製、アセチルクエン酸トリブチル、数平均分子量190、粘度43mPa・s)
(B-4)アデカサイザーPN-250(ADEKA社製、脂肪族ポリエステル樹脂、アジピン酸ポリエステル樹脂、数平均分子量2100、粘度4,500mPa・s)
実施例で使用した可塑剤を以下に示す。
(G-1)トリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート
(G-2)トリエチレングリコール-ジ-n-ヘプタノエート
<樹脂型分散剤(D)>
(樹脂型分散剤溶液(D-1)の製造)
不揮発分60%であるビックケミー・ジャパン社製のBYK-LPN6919に、BYK-LPN6919の不揮発分と同量の液体樹脂(B-2)を加え、100℃に加熱し減圧して溶剤を留去することにより、BYK-LPN6919の不揮発分/液体樹脂(B-2)=1/1の樹脂型分散剤溶液(D-1)を得た。
(樹脂型分散剤溶液(D-2)の製造)
不揮発分40%であるビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-2000に、Disperbyk-2000の不揮発分と同量の液体樹脂(B-2)を加え、100℃に加熱し減圧して溶剤を留去することにより、Disperbyk-2000の不揮発分/液体樹脂(B-2)=1/1の樹脂型分散剤溶液(D-2)を得た。
実施例で使用した紫外線吸収剤は以下に示すように準備した。
[紫外線吸収剤(A-1)]
300mL三角フラスコに、クロロベンゼンを170部、塩化シアヌルを43.4mmol、塩化アルミニウムを65.1mmol仕込み、撹拌して懸濁させた。次に、氷水で冷却しながら、2-ナフトールを151.8mmol、少しずつ添加した。その後、徐々に室温に戻しながら終夜撹拌した。一方、500mLビーカーに水を38.1部、35%塩酸を10.0部、メタノールを45.0部仕込み、先の反応液を少しずつ滴下した。さらに、メタノール45.0部を複数回に分けて三角フラスコに添加して洗浄しながら500mLビーカーに添加した。沈殿物をろ別し、水/メタノール=75部/75部の混合溶媒でふりかけ洗浄した。得られたウエットケーキを水150部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ別した。その後、水150部でふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤(A-1)を得た。
紫外線吸収剤(A-1)のNMR測定を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:BRUKER AVANCE400
共振周波数:400MHz(1H-NMR)
溶媒:ジメチルスルホキシド-d
1H-NMRの内部標準物質として、テトラメチルシランを用い、ケミカルシフト値はδ値(ppm)、カップリング定数はHertzで示した。またsはsinglet、dはdoublet、mはmultipletの略とする。得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ=12.05(s,3H),8.70(d,J=8.4Hz,3H),8.07(d,J=8.8Hz,3H),7.93(d,J=8.0Hz,3H),7.46-7.50(m,3H),7.38-7.42(m,3H),7.34(d,J=9.2Hz,3H)
上記の通り、本明細書では紫外線吸収剤(A-1)を例にしてNMRで構造同定を行った。他の紫外線吸収剤も上記同様にNMRで構造同定を行ったがデータは省略する。
[紫外線吸収剤(A-2)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに1,3-ジヒドロキシナフタレンを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-2)を得た。
[紫外線吸収剤(A-3)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに6-ブロモ-2-ナフトールを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-3)を得た。
[紫外線吸収剤(A-4)]
200mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを100g、紫外線吸収剤(A-1)を20.0mmol、炭酸カリウムを40.0mmol仕込み、撹拌しながら90℃まで加温した。次に、1-ヨードヘキサンを40.0mmol仕込み、90℃で4時間撹拌した。一方、1Lビーカーに水を500g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下した。沈殿物をろ別し、水500gでふりかけ洗浄した。得られたウエットケーキを水500g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ別した。その後、水500gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤(A-4)を得た。
[紫外線吸収剤(A-5)]
200mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを100g、紫外線吸収剤(A-2)を20.0mmol、炭酸カリウムを60.0mmol仕込み、撹拌しながら90℃まで加温した。次に、1-ヨードブタンを60.0mmol仕込み、90℃で4時間撹拌した。一方、1Lビーカーに水を500g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下した。沈殿物をろ別し、水500gでふりかけ洗浄した。得られたウエットケーキを水500g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ別した。その後、水500gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤(A-5)を得た。
[紫外線吸収剤(A-6)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに6-ヒドロキシ-2-ナフトニトリルを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-6)を得た。
[紫外線吸収剤(A-7)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸を添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-7)を得た。
[紫外線吸収剤(A-8)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-8)を得た。
[紫外線吸収剤(A-9)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに2-ナフトール-6-スルホン酸ナトリウム水和物を添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-9)を得た。
[紫外線吸収剤(A-10)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸を添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-10)を得た。
[紫外線吸収剤(A-11)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-11)を得た。
[2,4,6-トリス(2,7-ジヒドロキシナフチル)-1,3,5-トリアジン]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに2,7-ジヒドロキシナフタレンを添加した以外は同様な方法で製造し、2,4,6-トリス(2,7-ジヒドロキシナフチル)-1,3,5-トリアジンを得た。
[紫外線吸収剤(A-12)]
200mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを100g、2,4,6-トリス(2,7-ジヒドロキシナフチル)-1,3,5-トリアジンを20.0mmol、トリエチルアミンを60.0mmol仕込み、撹拌しながらアセチルクロリドを60.0mmol仕込み、室温で4時間撹拌した。一方、1Lビーカーに水を500g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下した。沈殿物をろ別し、水500gでふりかけ洗浄した。得られたウエットケーキを水500g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ別した。その後、水500gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤(A-12)を得た。
[紫外線吸収剤(A-13)]
紫外線吸収剤(A-12)の製造において、アセチルクロリドの代わりにピバロイルクロリドを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-13)を得た。
[紫外線吸収剤(A-14)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに5-アセチル-2-ナフトールを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-14)を得た。
[紫外線吸収剤(A-15)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに3-ヒドロキシ-2-ナフトアニリドを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-15)を得た。
[紫外線吸収剤(A-16)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに3-ヒドロキシ-2’-メトキシ-2-ナフトアニリドを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-16)を得た。
[紫外線吸収剤(A-17)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに5’-クロロ-3-ヒドロキシ-2’-メチル-2-ナフトアニリドを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-17)を得た。
[紫外線吸収剤(A-18)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに5’-クロロ-3-ヒドロキシ-2’-メトキシ-2-ナフトアニリドを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-18)を得た。
[紫外線吸収剤(A-19)]
紫外線吸収剤(A-1)の製造において、2-ナフトールの代わりに3-ヒドロキシ-3’-ニトロ-2-ナフトアニリドを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-19)を得た。
[紫外線吸収剤(A-20)]
200mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを100部、紫外線吸収剤(A-1)を20.0mmol、トリエチルアミンを60.0mmol仕込み、撹拌しながら塩化アクリロイルを40.0mmol仕込み、室温で4時間撹拌した。一方、1Lビーカーに水を500部仕込み、先の反応液を少しずつ滴下した。沈殿物をろ別し、水500部でふりかけ洗浄した。得られたウエットケーキを水500部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ別した。その後、水500部でふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤(A-20)を得た。
[紫外線吸収剤(A-21)]
200mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを100部、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸(ライトエステルHO-MS(N)、共栄社化学製)を20.0mmol仕込み、氷冷しながら攪拌した。塩化チオニルを20mmol滴下し、氷冷しながら2時間攪拌した。その後、紫外線吸収剤(A-1)を20.0mmol仕込み、室温で4時間撹拌した。一方、1Lビーカーに水を500部仕込み、先の反応液を少しずつ滴下した。沈殿物をろ別し、水500部でふりかけ洗浄した。得られたウエットケーキを水500部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ別した。その後、水500部でふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤(A-21)を得た。
[紫外線吸収剤(A-22)]
200mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを100部、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸(ライトエステルHO-MS(N)、共栄社化学製)を40.0mmol仕込み、氷冷しながら攪拌した。塩化チオニルを40mmol滴下し、氷冷しながら2時間攪拌した。その後、紫外線吸収剤(A-1)を20.0mmol仕込み、室温で4時間撹拌した。一方、1Lビーカーに水を500部仕込み、先の反応液を少しずつ滴下した。沈殿物をろ別し、水500部でふりかけ洗浄した。得られたウエットケーキを水500部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ別した。その後、水500部でふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤(A-22)を得た。
[紫外線吸収剤(A-23)]
紫外線吸収剤(A-22)の製造において、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸(ライトエステルHO-MS(N)、共栄社化学製)の代わりにω―カルボキシーポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート(アロニックスM-5300、東亜合成社製)を添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-23)を得た。
[紫外線吸収剤(A-24)]
紫外線吸収剤(A-22)の製造において、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸(ライトエステルHO-MS(N)、共栄社化学製)の代わりにフタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート(アロニックスM-5400、東亜合成社製)を添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-24)を得た。
[紫外線吸収剤(A-25)]
300mL三角フラスコに、クロロベンゼンを170部、2-クロロ-4,6-ジ(ナフタレン-1-イル)-1,3,5-トリアジンを43.4mmol、塩化アルミニウムを65.1mmol仕込み、撹拌して懸濁させた。次に、氷水で冷却しながら、2-ナフトールを65.1mmol、少しずつ添加した。その後、徐々に室温に戻しながら終夜撹拌した。一方、500mLビーカーに水を38.1部、35%塩酸を10.0部、メタノールを45.0部仕込み、先の反応液を少しずつ滴下した。さらに、メタノール45.0部を複数回に分けて三角フラスコに添加して洗浄しながら500mLビーカーに添加した。沈殿物をろ別し、水/メタノール=75部/75部の混合溶媒でふりかけ洗浄した。得られたウエットケーキを水150部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ別した。その後、水150部でふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤(A-25)を得た。
[紫外線吸収剤(A-26)]
300mL三角フラスコに、クロロベンゼンを170部、2,4-ジクロロ-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを43.4mmol、塩化アルミニウムを65.1mmol仕込み、撹拌して懸濁させた。次に、氷水で冷却しながら、2-ナフトールを108.5mmol、少しずつ添加した。その後、徐々に室温に戻しながら終夜撹拌した。一方、500mLビーカーに水を38.1部、35%塩酸を10.0部、メタノールを45.0部仕込み、先の反応液を少しずつ滴下した。さらに、メタノール45.0部を複数回に分けて三角フラスコに添加して洗浄しながら500mLビーカーに添加した。沈殿物をろ別し、水/メタノール=75部/75部の混合溶媒でふりかけ洗浄した。得られたウエットケーキを水150部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ別した。その後、水150部でふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤(A-26)を得た。
[紫外線吸収剤(A-27)]
紫外線吸収剤(A-26)の製造において、2,4-ジクロロ-6-フェニル-1,3,5-トリアジンの代わりに2-(4-ビフェニリル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-27)を得た。
[紫外線吸収剤(A-28-1)]
紫外線吸収剤(A-25)の製造において、2-クロロ-4,6-ジ(ナフタレン-1-イル)-1,3,5-トリアジンの代わりに2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-28-1)を得た。
[紫外線吸収剤(A-28-2)]
500mL三角フラスコに、2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸メチルを420mmоl仕込み、撹拌しながら90℃まで加温した。次に、ベンゾアミジン塩酸塩を128mmоl、ナトリウムメチラートの30%溶液を26部仕込み、90℃で22時間攪拌した。このあと、メタノールを200部仕込み、室温まで冷却し、ろ過した。得られたウエットケーキをメタノール150部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ別した。その後、メタノール150部でふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤(A-28-2)を得た。なお、紫外線吸収剤(A-28-2)は、紫外線吸収剤(A-28-1)と異なる合成経路で同じ化合物を合成した。
[紫外線吸収剤(A-29)]
紫外線吸収剤(A-28-2)の製造において、ベンゾアミジン塩酸塩の代わりにp-メチルベンゾアミジン塩酸塩を添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-29)を得た。
[紫外線吸収剤(A-30)]
紫外線吸収剤(A-28-2)の製造において、ベンゾアミジン塩酸塩の代わりにp-ブトキシベンゾアミジン塩酸塩を添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-30)を得た。
[紫外線吸収剤(A-31)]
紫外線吸収剤(A-25)の製造において、2-クロロ-4,6-ジ(ナフタレン-1-イル)-1,3,5-トリアジンの代わりに2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジンを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-31)を得た。
[紫外線吸収剤(A-32)]
紫外線吸収剤(A-25)の製造において、2-クロロ-4,6-ジ(ナフタレン-1-イル)-1,3,5-トリアジンの代わりに2,4-ビス[4-(tert-ブチル)フ
ェニル]-6-クロロ-1,3,5-トリアジンを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-32)を得た。
[紫外線吸収剤(A-33)]
紫外線吸収剤(A-25)の製造において、2-クロロ-4,6-ジ(ナフタレン-1-イル)-1,3,5-トリアジンの代わりに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-クロロ-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを添加した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤(A-33)を得た。
比較例1-1~1-2では、BASFジャパン社製の紫外線吸収剤であるTinuvin970を、比較例1-3~1-4では、BASFジャパン社製の紫外線吸収剤であるTinuvin460を、比較例1-5~1-6では、ADEKA社製の紫外線吸収剤であるLA-F70を使用した。なお、Tinuvin970はベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤であり、本発明の構造と異なる。Tinuvin460、LA-F70はトリアジン系の紫外線吸収剤でありそれぞれナフタレン環を有さない。
実施例1-1~1-35の紫外線吸収剤(A-1)~(A-33)、および比較例1-1~1-6の紫外線吸収剤について、紫外~可視吸収スペクトルを測定した結果を表1に示す。また、吸光度測定用の溶液調整方法、および測定条件は以下の通りである。なお、これらの紫外線吸収剤は、全て320nm以上400nm未満の波長域で透過率10%未満を確認した上で可視光吸収性等を評価した。
<溶液調整方法>
(実施例1-1)
実施例1-1の紫外線吸収剤(A-1)1部、テトラヒドロフラン1000部を混合し、完全に溶解させた。続いて先の溶解液1部、テトラヒドロフラン99部を均一に混合し、濃度10ppmの溶液を調整した。
実施例1-2~1-35、比較例1-1~1-6の紫外線吸収剤についても、表1に記載の濃度になるように調整した。
<測定条件>
装置:U-3500(日立製作所社製)
測定波長:260~700nm
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:表1に記載
紫外~可視吸収スペクトルの評価基準は以下の通りである。
◎:波長400~420nmの吸光度が全領域にわたって0.3以上
〇:波長400~420nmの吸光度が一部0.3以上、その他が0.3未満
△:波長400~420nmの吸光度が一部0.1以上0.3未満、その他0.1未満
×:波長400~420nmの吸光度が全領域にわたって0.1未満
Figure 2022007884000012

表1に示す通り、本発明の紫外線吸収剤は、従来の紫外線吸収剤と比較して400~420nmの可視光短波長領域において、単位重量当たりの吸光度が高いことがわかった。
(実施例2-1)
[マスターバッチの製造]
紫外線吸収剤(A-1)2部とポリオレフィン(C-1)100質量部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングしてマスターバッチを作製した。
[フィルム成形]
得られたマスターバッチ10質量部と、希釈樹脂としてポリオレフィン(C-1)100質量部を混合した。次いで、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度180℃で溶融混合し成形を行い厚さ250μmのフィルムを得た。
(実施例2-2~2-38、比較例2-1~2-6)
実施例2-1の材料を表2に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例2-1と同様にしてマスターバッチを製造し、次いで実施例2-2~2-38、比較例2-1~2-6のフィルムをそれぞれ製造した。
[可視光吸収性]
得られたフィルムの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の条件を満たすか否かを評価した。
◎:波長400~420nmの光透過率が全領域にわたって1%未満:良好
〇:波長400~420nmの光透過率が一部1%未満、その他が1%以上:実用域
△:波長400~420nmの光透過率が一部1%以上10%未満、その他が20%以上:実用不可
×:波長400~420nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[透明性]
得られたフィルムの透明性を目視評価した。評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。良好
△:濁りが若干認められる。実用域
×:明らかに濁りが認められる。実用不可
[耐光性]
得られたフィルムをキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/m2の照度で100時間暴露した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、20%未満
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が20%以上
Figure 2022007884000013

表2に示す通り、本発明の紫外線吸収剤は400~420nmの可視光短波長領域において、単位重量当たりの透過率が低い。少量添加で実用域に至るためフィルムの透明性を損なわないことがわかった。特に比較例のTinuvin970と比較して少量の添加で実用域に至ることがわかった。
(実施例3-1)
(マスターバッチの製造)
ポリカーボネート(E-1)100部と紫外線吸収剤(A-1)2部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、280℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングして組成物(マスターバッチ)
を作製した。
(フィルム成形)
希釈樹脂のポリカーボネート(E-1)100部に対して、得られた組成物10部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルムを成形した。
(実施例3-2~3-8、比較例3-1~3-6)
実施例3-1の材料を表3-1に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例3-1と同様にして、マスターバッチを製造し、次いで実施例3-2~3-8、比較例3-1~3-6のフィルムをそれぞれ製造した。
(実施例3-9)
(マスターバッチの製造)
ポリメタクリル樹脂(E-2)100部と紫外線吸収剤(A-1)2部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングして組成物(マスターバッチ)を作製した。
(フィルム成形)
希釈樹脂のメタクリル樹脂(E-2)100部に対して、得られた組成物10部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのT-ダイフィルムを成形した。
(実施例3-10~3-16)
実施例3-9の材料を表3-1に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例3-9と同様にして、マスターバッチを製造し、次いで実施例3-10~3-16のフィルムをそれぞれ製造した。
(実施例3-17)
(マスターバッチの製造)
ポリエステル(E-3)100部と紫外線吸収剤(A-1)2部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、280℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングして組成物(マスターバッチ)を作製した。
(フィルム成形)
希釈樹脂のポリエステル(E-3)100部に対して、得られた組成物10部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルムを成形した。
(実施例3-18~3-24)
実施例3-17の材料を表3-1に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例3-17と同様にして、マスターバッチを製造し、次いで実施例3-18~3-24のフィルムをそれぞれ製造した。
(実施例3-25)
(マスターバッチの製造)
シクロオレフィン樹脂(E-4)100部と紫外線吸収剤(A-1)2部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングして組成物(マスターバッチ)を作製した。
(フィルム成形)
希釈樹脂のシクロオレフィン樹脂(E-4)100部に対して、得られた組成物10部を
混合し、T-ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのT-ダイフィルムを成形した。
(実施例3-26~3-32)
実施例3-25の材料を表3-1に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例3-25と同様にして、マスターバッチを製造し、次いで実施例3-26~3-32のフィルムをそれぞれ製造した。
(実施例3-33)
(マスターバッチの製造)
ポリビニルブチラール樹脂(E-5)100部と紫外線吸収剤(A-1)2部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングして組成物(マスターバッチ)を作製した。
(フィルム成形)
希釈樹脂のポリビニルブチラール樹脂(E-5)100部に対して、得られた組成物10部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのT-ダイフィルムを成形した。
(実施例3-34~3-40)
実施例3-33の材料を表3-1に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例3-25と同様にして、マスターバッチを製造し、次いで実施例3-34~3-40のフィルムをそれぞれ製造した。
(実施例3-41)
(液状マスターバッチの製造)
紫外線吸収剤(A-1)10部と液体樹脂(B-1)90部とをロールで混錬することにより、液状マスターバッチを作製した。
(フィルム成形)
希釈樹脂のポリカーボネート(E-1)98部に対して、得られた液状マスターバッチ2部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのT-ダイフィルムを成形した。
(実施例3-42~82)
実施例3-41と同様に、表3-2記載の材料を用いて、液状マスターバッチを製造し、次いで実施例3-42~3-82のフィルムをそれぞれ製造した。
(実施例3-83)
(可塑剤分散液の製造)
紫外線吸収剤(A-1)10部と可塑剤(G-1)90部とをビーズ分散することにより、可塑剤分散液を作製した。
(フィルム成形)
希釈樹脂のポリカーボネート(E-1)98部に対して、得られた可塑剤分散液2部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのT-ダイフィルムを成形した。
(実施例3-84~122)
実施例3-83と同様に、表3-3記載の材料を用いて、可塑剤分散液を製造し、次いで実施例3-84~3-122のフィルムをそれぞれ製造した。
[可視光吸収性]
得られたフィルムの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の条件を満たすか否かを評価した。
◎:波長400~420nmの光透過率が全領域にわたって1%未満:良好
〇:波長400~420nmの光透過率が一部1%未満、その他が1%以上:実用域
△:波長400~420nmの光透過率が一部1%以上10%未満、その他が20%以上:実用不可
×:波長400~420nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[透明性]
得られたフィルムの透明性を目視評価した。なお評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。良好
△:濁りが若干認められる。実用域
×:明らかに濁りが認められる。実用不可
[耐光性]
得られたフィルムをキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/m2の照度で100時間暴露した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、20%未満
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が20%以上
<ヘーズ値>
得られたフィルムに対し、ヘーズメーターでヘーズ値を測定し、下記基準で評価した。
◎+:0.2未満 極めて良好
◎ :0.2以上0.5未満 非常に良好
〇 :0.5以上2未満 良好
△ :2以上5未満 良好
× :5以上 実用不可
Figure 2022007884000014

Figure 2022007884000015

Figure 2022007884000016
表3-1~表3-3に示す通り、本発明の紫外線吸収剤は400~420nmの可視光短波長領域において、単位重量当たりの透過率が低い。少量添加で実用域に至るためフィルムの透明性を損なわないことがわかった。特に比較例のTinuvin970と比較して少量の添加で実用域に至ることがわかった。
(粘着性樹脂の製造例F-1)
攪拌機、還流冷却機、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた反応装置を使用して、窒素雰囲気下にてn-ブチルアクリレート96.0部と、2-ヒドロキシルエチルアクリレート4.0部の合計量のうちの50%、及び重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチルニトリルを0.2部、溶剤として酢酸エチルを150部反応槽に仕込み、前記合計量の残りの50%と適量の酢酸エチルを滴下槽に仕込んだ。次いで、加熱を開始して反応槽内での反応開始を確認してから、還流下、滴下管の内容物、及び0.01部の2,2’-アゾビスイソブチルニトリルの酢酸エチル希釈液を滴下した。滴下終了後、還流状態を維持したまま5時間反応を行った。反応終了後、冷却し、適量の酢酸エチルを添加することで、アクリル系樹脂である粘着性樹脂の製造例F-1を得た。得られた製造例F-1の粘着剤樹脂の重量平均分子量は50万、不揮発分は40%、粘度は3,200mPa・sであった。
(粘着性樹脂の製造例F-2)
攪拌機、還流冷却機、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた反応装置を使用して、窒素雰囲気下にてn-ブチルアクリレート96.0部と、アクリル酸4.0部の合計量のうちの50%、及び重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチルニトリルを0.2部、溶剤として酢酸エチルを150部反応槽に仕込み、前記合計量の残りの50%と適量の酢酸エチルを滴下槽に仕込んだ。次いで、加熱を開始して反応槽内での反応開始を確認してから、還流下、滴下管の内容物、及び0.01部の2,2’-アゾビスイソブチルニトリルの酢酸エチル希釈液を滴下した。滴下終了後、還流状態を維持したまま5時間反応を行った。反応終了後、冷却し、適量の酢酸エチルを添加することで、アクリル系樹脂である粘着性樹脂の製造例F-2を得た。得られた製造例F-2の粘着剤樹脂の重量平均分子量は60万、不揮発分は40%、粘度は4,000mPa・sであった。
(実施例4-1)
粘着性樹脂として、製造例F-1の粘着性樹脂の不揮発分100部に対して、紫外線吸収剤(A-1)0.2部を混合し、シランカップリング剤としてKBM-403(信越化学工業製)を0.1部、硬化剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(略号:TDI-TMP、NCO価=13.2、不揮発分=75%)を0.4部加え、よく攪拌し粘着剤を得た。その後、この粘着剤を厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート基材の剥離フィルム上に、乾燥後の厚みが50μmになるように塗布し、100℃の熱風オーブンで2分間乾燥させた。そして、粘着剤層側に25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合せ、この状態で室温にて7日間エージングさせ、粘着シートを得た。
(実施例4-2~4-7、比較例4-1~4-2)
表4に示すように、実施例4-1と同様に調整して、それぞれ実施例4-2~4-7、比較例4-1~4-2の粘着シートを得た。
(粘着シートの評価)
(1)粘着力
得られた粘着シートを幅25mm・縦150mmの大きさに準備した。23℃、相対湿度50%雰囲気下、前記粘着シートから剥離性フィルムを剥がして露出した粘着剤層をガラス板に貼り付け、2kgロールで1往復圧着した。24時間放置した後に引張試験機を用いて180度方向に300mm/分の速度で引き剥がす180°ピール試験において粘着力を測定し、下記の評価基準に基づいて評価を行った。(JISZ0237:2000に準拠)
○:「粘着力が10N以上であり、良好。」
×:「粘着力が10N未満であり、実用不可。」
(2)保持力
得られた粘着シートを幅25mm・縦150mmの大きさに準備した。JISZ0237:2000に準拠して前記粘着シートから剥離性シートを剥がして、研磨した幅30mm・縦150mmのステンレス板の下端部幅25mm・横25mmの部分に粘着剤層を貼着し、2kgロールで1往復圧着した後、40℃雰囲気で1kgの荷重をかけ、7万秒放置することで保持力を測定した。評価は、粘着シート貼付面上端部が下にずれた長さを測定した。
評価基準
○:「粘着シートのずれた長さが0.5mm未満である。良好。」
×:「粘着シートのずれた長さが0.5mm以上である。実用不可。」
(3)可視光吸収性
得られた粘着シートの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の条件を満たすか否かを評価した。
◎:波長400~420nmの光透過率が全領域にわたって1%未満:良好
〇:波長400~420nmの光透過率が一部1%未満、その他が1%以上:実用域
△:波長400~420nmの光透過率が一部1%以上10%未満、その他が20%以上:実用不可
×:波長400~420nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
(4)透明性
得られた粘着シートの透明性を目視評価した。なお評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。良好
△:濁りが若干認められる。実用域
×:明らかに濁りが認められる。実用不可
(5)耐光性
得られた粘着シートをキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/m2の照度で100時間暴露した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、20%未満
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が20%以上
Figure 2022007884000017

表4に示す通り、本発明の紫外線吸収剤は400~420nmの可視光短波長領域において、単位重量当たりの透過率が低い。少量添加で実用域に至るため粘着シートの透明性を損なわないことがわかった。特に比較例のTinuvin970と比較して少量の添加で実用域に至ることがわかった。
<塗料>
(実施例5-1)
以下の組成で、撹拌混合を行い塗料を調整した。
紫外線吸収剤(A-1) 0.2部
ポリエステル(バイロンGK250、東洋紡社製) 9.0部
メチルエチルケトン 90.0部
(実施例5-2~5-7、比較例5-1~5-2)
表5に示すように、実施例5-1と同様に調整し、それぞれ実施例5-2~5-7、比較
例5-1~5-2の塗料を得た。
(塗工物の作製)
得られた塗料を厚さ1000μmのガラス基板にバーコーターを用いて乾燥膜厚で6μmとなるよう塗布し、100℃2分で乾燥させて塗膜を形成した。
(塗工物の評価)
得られた塗工物を、以下の方法で評価した。
[可視光吸収性]
得られた塗工物の透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の条件を満たすか否かを評価した。
◎:波長400~420nmの光透過率が全領域にわたって1%未満:良好
〇:波長400~420nmの光透過率が一部1%未満、その他が1%以上:実用域
△:波長400~420nmの光透過率が一部1%以上10%未満、その他が20%以上:実用不可
×:波長400~420nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[透明性]
得られた塗工物の透明性を目視評価した。なお評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。良好
△:濁りが若干認められる。実用域
×:明らかに濁りが認められる。実用不可
[耐光性]
得られた塗工物をキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/m2の照度で100時間暴露した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、20%未満
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が20%以上
Figure 2022007884000018

表5に示す通り、本発明の紫外線吸収剤は400~420nmの可視光短波長領域において、単位重量当たりの透過率が低い。少量添加で実用域に至るため塗工物の透明性を損なわないことがわかった。特に比較例のTinuvin970と比較して少量の添加で実用域に至ることがわかった。
<光硬化性組成物>
(実施例6-1)
以下の組成で、各原料を撹拌混合し、光硬化性組成物を調整した。
紫外線吸収剤(A-1) 1.0部
光重合性化合物(多官能アクリレート「KAYARADDPHA」日本化薬社製)
18.0部
光重合開始剤(IGM ResinBV製「Omnirad184」)
1.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
(実施例6-2~6-11、比較例6-1~6-2)
表6に示すように、実施例6-1と同様に調整し、それぞれ実施例6-2~6-11、比較例6-1~6-2の光硬化性組成物を得た。
(塗工物の作製)
上記の光硬化性組成物をバーコーターを用いて厚さ1mmのガラス基板に乾燥膜厚で6μmとなるよう塗布した。得られた塗布層を、100℃1分で乾燥したのち、高圧水銀ランプで400mJ/cmの紫外線を照射して硬化し塗工物を作製した。
(塗工物の評価)
得られた塗工物を、以下の方法で評価した。
[可視光吸収性]
得られた塗工物の透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の条件を満たすか否かを評価した。
◎:波長400~420nmの光透過率が全領域にわたって1%未満:良好
〇:波長400~420nmの光透過率が一部1%未満、その他が1%以上:実用域
△:波長400~420nmの光透過率が一部1%以上10%未満、その他が20%以上:実用不可
×:波長400~420nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[透明性]
得られた塗工物の透明性を目視評価した。なお評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。良好
△:濁りが若干認められる。実用域
×:明らかに濁りが認められる。実用不可
[耐擦傷性]
塗工物を学振試験機にセットし、スチールウールを用いて、荷重250gで10回学振させた。取り出した塗工物について、キズのつき具合を以下の5段階の目視評価に従って判断した。数値が大きいほど、硬化膜の耐擦傷性が良好であることを示す。
5:キズが全くない。
4:僅かにキズが付いている。
3:キズは付いているが、基材は見えていない。
2:キズが付き、一部硬化膜が剥がれている。
1:硬化膜が剥がれてしまい、基材が剥き出しの状態。
[鉛筆硬度]
JIS-K5600に準拠し、鉛筆硬度試験機(HEIDON社製ScratchingTester HEIDON-14)を用い、鉛筆の芯の硬さを種々変えて、塗工物の硬化膜に対して荷重500gにて5回試験をした。5回中、1回も傷がつかない、もしくは1回のみ傷が付く時の芯の硬さを、その硬化膜の鉛筆硬度とした。評価基準は以下の通りである。
A:2H以上。
B:H。
C:Hより低い。
[耐光性]
得られた塗工物をキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/m2の照度で100時間暴露した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、20%未満
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が20%以上
Figure 2022007884000019
表6に示す通り、本発明の紫外線吸収剤は400~420nmの可視光短波長領域において、単位重量当たりの透過率が低い。少量添加で実用域に至るため塗工物の透明性を損なわないことがわかった。特に比較例のTinuvin970と比較して少量の添加で実用域に至ることがわかった。また、光硬化性部位を持つ構造の方が鉛筆硬度において優位な結果が得られることがわかった。

Claims (8)

  1. 400nm未満の紫外線領域および400~420nmの可視光短波長領域の光を吸収する紫外線吸収剤であって、1、2または3個のナフタレン環と結合するトリアジン化合物である、紫外線吸収剤。
  2. トリアジンに直接結合する1、2または3個のナフタレン環の内、少なくとも一つのナフタレン環の2位に水酸基を有する、請求項1記載の紫外線吸収剤。
  3. 下記一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)からなる群より選択される化合物である、請求項2記載の紫外線吸収剤。
    Figure 2022007884000020


    (一般式(1)~(3)中、R1b~R1g、R2a~R2g、R3a~R3gは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトリル基、ニトロ基、スルホ基、R、Ar、下記一般式(4-1)~(4-3)で示す基である。
    は炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルケニル基、炭素数1~20のアルコシキ基、炭素数1~20のアルケニルオキシ基であり、水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、またはスルホ基の置換基を有してもよく、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルケニル基、炭素数1~20のアルコシキ基、炭素数1~20のアルケニルオキシ基の炭素原子と炭素原子の間が一つまたは複数の-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-で連結されていても良い。
    Arは炭素数6~20のアリール基、炭素数6~20のアリールオキシ基、ビフェニル基であり、水酸基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルケニル基、炭素
    数6~20のアリール基、炭素数1~20のアルコシキ基、炭素数1~20のアルケニルオキシ基、炭素数6~20のアリールオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、またはスルホ基の置換基を有してもよい。
    また、一般式(2)~(3)中、R、R、Rは、水酸基、RまたはArである。
    一般式(4-1)
    Figure 2022007884000021



    一般式(4-1)中、Xは-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-である。Rは、水素原子、水酸基、RまたはArである。ただし、一般式(4-1)中の*は、一般式(1)~(3)のナフタレン環との結合部位を表す。
    一般式(4-2)
    Figure 2022007884000022



    一般式(4-2)中、X2、Xはそれぞれ独立して-CO-、-COO-、-OCO-
    、-CONH-、または-NHCO-である。Rは炭素数6~20のアリーレン基である。R10はRまたはArである。ただし、一般式(4-2)中の*は、一般式(1)~(3)のナフタレン環との結合部位を表す。
    一般式(4-3)
    Figure 2022007884000023



    一般式(4-3)中、X、Xはそれぞれ独立して-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-である。R11は直鎖または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数6~20のアリーレン基である。R12はRまたはArである。nは1~20である。ただし、一般式(4-3)中の*は、一般式(1)~(3)のナフタレン環との結合部位を表す。)
  4. 請求項1~3いずれか1項に記載の紫外線吸収剤、および樹脂を含む、組成物。
  5. 前記樹脂が熱可塑性樹脂である、請求項4記載の組成物。
  6. 請求項4または5に記載の組成物を含む、成形体。
  7. 請求項1~3いずれか1項に記載の紫外線吸収剤、光重合性化合物および光重合開始剤を含む、組成物。
  8. 基材、および請求項4、5または7に記載の組成物から形成されてなる紫外線吸収層を備える、積層体。
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