JP2022007462A - 摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合方法 - Google Patents

摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022007462000001
【課題】被接合部材の接合の際に発生する切削屑がプローブとショルダとの間の隙間に侵入することを抑制できる摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合方法を提供する。
【解決手段】摩擦撹拌接合装置10は、プローブ26と、ショルダ14と、第1気室部15と、第2気室部16と、連通部17と、を備えている。プローブ26は、第1ワーク21及び第2ワーク22の接合部23を回転しながら押圧する。ショルダ14は、プローブ26を取り囲むように形成されている。第1気室部15及び第2気室部16は、プローブ26の外周面とショルダ14の内周面14aとの間に形成されている。連通部17は、第1気室部15及び第2気室部16を連通し、各気室部に対してプローブ26とショルダ14との距離が小さく形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合方法に関する。
摩擦撹拌接合装置として、例えば、被接合部材に溶接ピン(以下、プローブという)を回転させながら移動することにより、プローブと被接合部材との間に発生する摩擦熱で被接合部材を接合する構成が知られている。この構成は、例えば、プローブと溶接・平滑化シュー(以下、ショルダという)との間に隙間が形成され、隙間に連通する流入溝がショルダに形成されている。この構成によれば、被接合部材を摩擦熱で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑(例えば、バリ等)が隙間に侵入し、侵入した切削屑が上部領域のリフティング動作によって流入溝を経て外部に導かれる(例えば、特許文献1参照)。
特表2019-516555号公報
しかし、特許文献1の摩擦撹拌接合装置は、摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブとショルダとの間の隙間に侵入して流入溝から外部に導かれることが、接合部の品質に影響を与えることが考えられる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、被接合部材の接合の際に発生する切削屑がプローブとショルダとの間の隙間に侵入することを抑制できる摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係る摩擦撹拌接合装置は、積層された複数の被接合部材(例えば、実施形態の第1ワーク21、第2ワーク22)の接合部(例えば、実施形態の接合部23)に、回転しながら押圧されるプローブ(例えば、実施形態のプローブ26)と、前記プローブの回転軸(例えば、実施形態の回転軸28)に対する径方向の外側において、前記プローブを取り囲むショルダ(例えば、実施形態のショルダ14,63,124)と、前記プローブの外面(例えば、実施形態のプローブの外周面26a、プローブ軸部の端面71a、プローブ軸部の外周面123a)と前記ショルダの内面(例えば、実施形態のショルダの内周面14a,124a、ショルダ底部の内面76b)との間に形成された複数の気室(例えば、実施形態の第1気室部15,64,94,105,136,155,175、第2気室部16,65,95,106,137,156,176、第3気室部138,194)と、前記複数の気室を連通し、前記複数の気室に対して前記プローブと前記ショルダとの距離(例えば、実施形態の連通部距離L3、第1連通部距離L3、第2連通部距離L3)が小さく形成された連通部(例えば、実施形態の連通部17,66,96,107,195、第1連通部141、第2連通部142)と、を備えている。
この構成によれば、プローブの外面とショルダの内面の間に複数の気室が形成され、複数の気室が連通部で連通されている。よって、被接合部材の摩擦撹拌接合の際に発生する切削屑が、複数の気室のうち接合部の側の気室に侵入する。侵入した切削屑は、連通部を経て次の気室に侵入する。
ここで、連通部は、気室に対してプローブとショルダとの距離が小さく形成されている。連通部に侵入した切削屑が連通部から気室に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。この状態を複数の気室と連通部とにより繰り返すことにより、切削屑の流れを十分に抑制できる。これにより、被接合部材の摩擦撹拌接合の際に発生する切削屑がプローブとショルダとの間の隙間に侵入することを抑制できる。したがって、複数の被接合部材がプローブで摩擦撹拌接合される接合部の品質を向上させることができる。
(2)前記プローブ(例えば、実施形態のプローブ軸部123)の外面(例えば、実施形態のプローブ軸部の外周面123a)及び前記ショルダ(例えば、実施形態のショルダ124)の内面(例えば、実施形態のショルダの内周面124a)は、前記回転軸の軸方向において前記被接合部材の側から反対側へ向けて断続的に拡径され、前記プローブの拡径された部位(例えば、実施形態の第1凸拡径部126、第2凸拡径部127、第3凸拡径部凸拡径部)と前記ショルダの拡径された部位(例えば、実施形態の第1凹拡径部132、第2凹拡径部133、第3凹拡径部134)とにより前記複数の気室が形成されてもよい。
この構成によれば、プローブの外面及びショルダの内面は、回転軸の方向において被接合部材の側から反対側へ向けてそれぞれが断続的に拡径されている。プローブの凸状に拡径された部位(以下、凸拡径部という)は、凸外周面と、凸端面と、を有する。さらに、ショルダの拡径された部位(以下、凹拡径部という)は、凹内周面と、凹端面と、を有する。例えば、凸外周面、凸端面、凹内周面、及び凹端面により気室が形成される。よって、プローブの外面とショルダの内面とが断続的に拡径されることにより、複数の気室が形成される。また、例えば、凸外周面と凹内周面とにより連通部が形成される。これにより、複数の気室と複数の連通部とにより、いわゆるラビリンス構造が形成される。
よって、被接合部材の接合の際に発生する切削屑が、複数の気室のうち接合部の側の気室に侵入して溜められる。溜められた切削屑は、連通部を経て次の気室に侵入する。
ここで、連通部は、気室よりもプローブとショルダとの距離が狭く形成されている。よって、切削屑が連通部から気室に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。
さらに、凸端面は、気室のうち接合部に対向する面を形成する。よって、被接合部材の接合の際に発生する切削屑が気室に侵入して凸端面に当たり、凸端面による抵抗によって切削屑の流れを抑制できる。
この状態を複数の気室と連通部とにより繰り返すことにより、複数の連結部及び複数の凸端面により、切削屑の流れを十分に抑制できる。これにより、被接合部材の接合の際に発生する切削屑がプローブとショルダとの間の隙間に侵入することを抑制できる。したがって、複数の被接合部材がプローブで接合される接合部の品質を向上させることができる。
また、プローブとショルダとを軸方向に対して相対位置を調整することにより、凸端面と凹端面との間隔を軸方向において調整できる。これにより、複数の気室の容積を調整でき、例えば、多種の被接合部材の接合に適用できる。
(3)前記プローブの端部(例えば、実施形態のプローブの端部26b)と前記ショルダの端部(例えば、実施形態のショルダの端部14b、124b、ショルダ底部76)との距離(例えば、実施形態の第1通路部距離L3)は、前記複数の気室のうち、最も前記接合部の側にある気室(例えば、実施形態の第1気室部15,64,94,105,136,155,175)における前記プローブの外面(例えば、実施形態のプローブの外周面26a、プローブ軸部の端面71a)と前記ショルダの内面(例えば、実施形態の溝底面41、ショルダ底部の内面76b、第1凹内周面132b)との距離(例えば、実施形態の第1気室距離L1,L4,L6,L8,L10)に対して小さくてもよい。
この構成によれば、プローブの端部とショルダの端部との距離を、複数の気室のうち、最も接合部の側にある気室におけるプローブの外面とショルダの内面との距離より小さくした。よって、被接合部材の接合の際に発生する切削屑が、最も接合部の側にある気室に侵入することを、プローブの端部とショルダの端部との隙間で抑制できる。これにより、被接合部材の接合の際に発生する切削屑がプローブとショルダとの間の隙間に侵入することを一層良好に抑制できる。
(4)本発明に係る摩擦撹拌接合方法は、(1)から(3)のいずれか1項に記載の摩擦撹拌接合装置による摩擦撹拌接合方法であって、前記プローブと前記ショルダとは回転数が異なるように制御される。
ここで、プローブとショルダとの回転数が異なることにより、プローブとショルダとの摩擦により発熱することが考えられる。よって、被接合部材の接合の際に発生する切削屑が、プローブとショルダとの間に隙間に侵入した場合、切削屑の流動性が高まることが考えられる。このため、プローブとショルダとの間の隙間に切削屑が浸入しやすくなり、そのことが接合部の品質に影響を与えることが考えられる。
そこで、(1)から(3)のいずれか1項に記載の摩擦撹拌工具を制御して、積層された複数の被接合部材の接合部をプローブで接合するようにした。これにより、摩擦熱で流動性が高められた切削屑でも、プローブとショルダとの間の隙間に侵入することを抑制できる。これにより、例えば、摩擦撹拌工具で複数の被接合部材を接合部で接合する際に、プローブとショルダとの回転数が異なるように制御して複数の被接合部材をプローブで接合部を接合する場合においても、接合部の品質を向上させることができる。
本発明によれば、被接合部材の接合の際に発生する切削屑がプローブとショルダとの間の隙間に侵入することを抑制できる。
本発明に係る第1実施形態の摩擦撹拌接合装置を示す断面図である。 図1のII部を拡大した断面図である。 本発明に係る第2実施形態の摩擦撹拌接合装置を示す断面図である。 図3のIV部を拡大した断面図である。 本発明に係る第3実施形態の摩擦撹拌接合装置を示す断面図である。 図5のVI部を拡大した断面図である。 本発明に係る第4実施形態の摩擦撹拌接合装置を示す断面図である。 図7のVIII部を拡大した断面図である。 本発明に係る第5実施形態の摩擦撹拌接合装置を示す断面図である。 図9のX部を拡大した断面図である。 本発明に係る第6実施形態の摩擦撹拌接合装置を示す断面図である。 図11のXII部を拡大した断面図である。 本発明に係る第7実施形態の摩擦撹拌接合装置を示す断面図である。 図13のXIV部を拡大した断面図である。 本発明に係る第8実施形態の摩擦撹拌接合装置を示す断面図である。 図15のXVI部を拡大した断面図である。 本発明に係る第9実施形態の摩擦撹拌接合装置を示す断面図である。 図17のXIIIV部を拡大した断面図である。
以下、本発明の実施形態の摩擦撹拌接合装置(FSW:Friction Stir Welding)及び摩擦撹拌接合方法を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、摩擦撹拌接合装置10は、支持用治具12と、摩擦撹拌接合用工具13と、ショルダ14と、第1、第2の気室部(複数の気室)15,16、連通部17と、第1、第2の通路部18,19と、駆動機構(図示せず)と、を備えている。
支持用治具12には、第1ワーク(被接合部材)21と第2ワーク(被接合部材)22とが積層された状態に配置(載置)されている。なお、支持用治具12のうち、第1ワーク21が配置される面の中央部(すなわち、後述のプローブ26に相当する部位)12aに、中空円筒体形状の凹部(図示せず)が設けられていてもよい。
第1ワーク21及び第2ワーク22としては、例えば、JIS記号の数字が5000番台である、いわゆる5000系のアルミニウム合金が使用される。
第1ワーク21と第2ワーク22とは、支持用治具12に積層された状態において、摩擦撹拌接合用工具13により接合部23で接合される。
第1実施形態では、第1ワーク21と第2ワーク22との2枚を積層して接合部23を摩擦撹拌接合する例について説明するが、例えば、ワークを3枚以上積層して接合部を摩擦撹拌接合してもよい。また、第1実施形態では、第1ワーク21と第2ワーク22との2枚を積層して摩擦撹拌接合する例について説明するが、第1ワーク21と第2ワーク22とを突き合せた状態で摩擦撹拌接合してもよい。
さらに、第1実施形態では、一例として、摩擦撹拌接合装置10を固定型に備える例について説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、摩擦撹拌接合装置10を、生産ラインに配設される多軸ロボットのアーム等に備えてもよい。
摩擦撹拌接合用工具13は、プローブ軸部25と、プローブ26と、を備えている。プローブ軸部25は、円柱状に形成され、不図示の駆動機構に連結されている。また、プローブ軸部25のうち接合部23の側の先端には、プローブ26がプローブ軸部25の回転軸28に対して同軸上に設けられている。
プローブ26は、プローブ軸部25より小径の円柱状に形成されている。プローブ26は、例えば、鋼、ステンレス、アルミニウム合金、銅合金、ニッケル合金、タングステン合金、コバルト合金、チタン合金、超硬合金、セラミックス、耐熱樹脂等で形成されている。
以下、回転軸28に対する軸方向を単に「軸方向」と略記することがある。また、プローブ26の回転軸28に対する径方向を単に「径方向」と略記し、プローブ26の回転軸28に対する周方向を単に「周方向」と略記することがある。
プローブ26は、径方向の外側において、外周面(外周)26aがショルダ14により周方向に取り囲まれている。ショルダ14は、例えば、鋼、ステンレス、アルミニウム合金、銅合金、ニッケル合金、タングステン合金、コバルト合金、チタン合金、超硬合金、セラミックス、耐熱樹脂等で形成されている。なお、プローブ26、ショルダ14は、同一材料でなくてもよい。
図1、図2に示すように、ショルダ14は、例えば、軸方向に貫通する貫通孔31が形成された円筒状の部材である。ショルダ14は、内周面(内面)14aと、段部33と、傾斜段部34と、第1、第2の溝部(複数の溝部)36,37と、を有する。
内周面14aは、プローブ26の外周面26aに対して径方向の外側に所定間隔をおいて、周方向にプローブ26の外周面26aに沿って円周上に形成されている。換言すれば、内周面14aは、プローブ26の回転軸28と交差する面上で外側において、プローブ26を取り囲むように形成されている。
すなわち、プローブ26の外周面26aとショルダ14の内周面14aとの間には、例えば、径方向において僅かな隙間Sが形成されている。ショルダ14の貫通孔31には、プローブ26が軸方向へ移動可能に貫通されている。
段部33は、ショルダ14のうち接合部23の側の端部14bにおいて、例えば、内周面14aから径方向の外側に張り出され、接合部23の反対側に凹むように環状に形成されている。
傾斜段部34は、ショルダ14のうち接合部23の反対側の端部14cにおいて、例えば、内周面14aから径方向の外側で、かつ、接合部23から離れるように傾斜状に張り出され、接合部23の側に凹むように円錐台状に形成されている。
ショルダ14の内周面14aには、複数の溝部として、例えば、第1溝部36と、第2溝部37と、が形成されている。第1溝部36は、第2溝部37に対して接合部23に近い側に、軸方向へ間隔をおいて形成されている。第1溝部36は、溝底面41と、第1溝側面42と、第2溝側面43と、を有する。第1実施形態では、複数の溝部として第1溝部36及び第2溝部37の2つの溝部を例示するが、溝部の数は任意に選択してもよい。
溝底面41は、ショルダ14の内周面14aに対して径方向の外側に所定距離をおいて、内周面14aに沿って円周上に形成されている。第1溝側面42は、溝底面41のうち、軸方向において接合部23(すなわち、第1ワーク21、第2ワーク22)の反対側(接合部23から離れた側)の周辺から内周面14aまで径方向の内側に向けてリング状に形成されている。第2溝側面43は、溝底面41のうち、軸方向において接合部23の側(接合部23に近い側)の周辺から内周面14aまで径方向の内側に向けてリング状に形成されている。
第1溝側面42及び第2溝側面43は、軸方向に所定間隔をおいて対向するように形成されている。すなわち、第1溝部36は、溝底面41、第1溝側面42、及び第2溝側面43により、内周面14aから径方向の外側に凹むように断面U字状に形成されている。
第2溝部37は、第1溝部36に対して接合部23から離れた側に、軸方向へ間隔をおいて形成されている。第2溝部37は、第1溝部36と同様に、溝底面45、第1溝側面46、及び第2溝側面47により、内周面14aから径方向の外側に凹むように断面U字状に形成されている。溝底面45、第1溝側面46、及び第2溝側面47は、第1溝部36の溝底面41、第1溝側面42、及び第2溝側面43とそれぞれ同様に形成されている。
このように、ショルダ14の内周面14aに第1溝部36及び第2溝部37が加工されることにより、例えば、プローブ26が超硬合金やセラミックス等の難加工材の場合でも、第1溝部36及び第2溝部37を容易に加工できる。
なお、第1溝部36及び第2溝部37は、軸方向において任意の位置に形成してもよい。
ショルダ14の貫通孔31には、前述したように、プローブ26が軸方向へ移動可能に貫通されている。この状態において、プローブ26の外周面26aとショルダ14の内周面14aとの間には、例えば、径方向において僅かな隙間Sが形成されている。
プローブ26の外周面26aとショルダ14の内周面14aとの間には、複数の気室部として、例えば、第1気室部15と、第2気室部16と、が形成されている。
第1気室部15は、プローブ26の外周面26aと第1溝部36とにより、断面矩形状で、かつ、中空の環状に形成されている。第1気室部15は、プローブ26の外周面(プローブの外面)26aと溝底面41(ショルダの内面)との径方向の第1気室距離(距離)がL1に形成されている。
第2気室部16は、プローブ26の外周面26aと第2溝部37とにより、断面矩形状で、かつ、中空の環状に形成されている。第2気室部16は、プローブ26の外周面26aと、第2気室部16におけるショルダ14の内周面(すなわち、溝底面45)との径方向の第2気室距離がL2に形成されている。第1気室距離L1及び第2気室距離L2は、例えば、同じ距離に形成されている。
第1気室部15及び第2気室部16は、軸方向において接合部23から離れる位置に、第1間隔をあけて順に形成されている。第1気室部15及び第2気室部16を軸方向に配置することにより、プローブ26とショルダ14との相対位置が軸方向にずれた場合でも、第1気室部15及び第2気室部16の容積の管理を容易にできる。すなわち、プローブ26の位置精度の管理幅を広くでき、摩擦撹拌接合の機能を安定的に発揮できる。
また、第1気室部15は、複数の気室部(すなわち、第1気室部15及び第2気室部16)のうち、最も接合部23(プローブ26の端部26b)の側で、かつ、最もプローブ26の端部26bの側に位置している。また、第1気室部15は、段部33(すなわち、貫通孔31の下端)に対して接合部23から離れる位置に第2間隔をあけて形成されている。さらに、第2気室部16は、貫通孔31の上端に対して接合部23に近づく位置に第3間隔をあけて形成されている。
ショルダ14の内周面14aのうち、第1間隔の領域14d、第2間隔の領域14e、及び第3間隔の領域14fと、プローブ26の外周面26aとにより、連通部17、第1通路部18、及び第2通路部19が隙間Sにそれぞれ形成されている。
連通部17は、第1気室部15と第2気室部16とを隙間Sにより軸方向に連通させている。具体的には、連通部17は、接合部23の側の端部が、第1気室部15のうち第1溝側面42の内周辺とプローブ26の外周面26aとの隙間を経て第1気室部15に連通されている。また、連通部17は、接合部23の反対側の端部が、第2気室部16のうち第2溝側面47の内周辺とプローブ26の外周面26aとの隙間を経て第2気室部16に連通されている。
連通部17は、プローブ26の外周面26aと第1間隔の領域14dとの径方向の連通部距離(距離)がL3に形成されている。連通部距離L3は、第1気室距離L1及び第2気室距離L2に対して小さく(狭く)形成されている。
第1通路部18は、段部33と第1気室部15とを隙間Sにより軸方向に連通させている。具体的には、第1通路部18は、接合部23の側の端部が段部33に連通されている。また、第1通路部18は、接合部23の反対側の端部が、第1気室部15のうち第2溝側面43の内周辺とプローブ26の外周面26aとの隙間を経て第1気室部15に連通されている。
第1通路部18は、プローブ26の外周面26aと第2間隔の領域14eとの径方向の第1通路部距離(距離)が、連通部距離と同様にL3に形成されている。換言すれば、第1通路部18は、プローブ26の端部26bとショルダ14のうち接合部23の側の端部14bとにより形成されている。第1通路部距離L3は、第1気室距離L1に対して小さく(狭く)形成されている。
第2通路部19は、傾斜段部34と第2気室部16とを隙間Sにより軸方向に連通させている。具体的には、第2通路部19は、接合部23の反対側の端部が傾斜段部34に連通されている。また、第2通路部19は、接合部23の側の端部が、第2気室部16のうち第1溝側面46の内周辺とプローブ26の外周面26aとの隙間を経て第2気室部16に連通されている。
第2通路部19は、プローブ26の外周面26aと第3間隔の領域14fとの径方向の第2通路部距離が、連通部距離と同様にL3に形成されている。換言すれば、第2通路部19は、プローブ26のうちプローブ軸部25の側の部位とショルダ14のうち接合部23の反対側の端部14cとにより形成されている。第2通路部距離L3は、第2気室距離L1に対して小さく(狭く)形成されている。
すなわち、第1気室部15及び第2気室部16は、連通部17、第1通路部18、及び第2通路部19に比べて断面積が大きく形成されている。また、第1気室部15及び第2気室部16は、連通部17、第1通路部18、及び第2通路部19に比べて容積が大きく形成されている。
なお、第1実施形態では、複数の気室部として第1気室部15及び第2気室部16の2つの気室を例示するが、気室の数は任意に選択してもよい。
次に、第1実施形態の摩擦撹拌接合装置10の摩擦撹拌接合方法により摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑(例えば、バリ等)がプローブ26とショルダ14との間の隙間Sに侵入することを抑制する例を図1、図2に基づいて説明する。
図1に示すように、第1ワーク21と第2ワーク22とを積層した状態で接合部23を支持用治具12に配置する。この状態において、接合部23は、プローブ26及びショルダ14に対応する位置に位置する。また、プローブ26の端部26bは、ショルダ14の端部14bに対して概ね面一に配置されている。
次に、駆動機構を操作してプローブ26及びショルダ14を下降させて、ショルダ14の端部14bを接合部23に対して所定距離まで接近させ、プローブ26及びショルダ14を矢印Aの方向に回転軸28に伴って回転する。
ここで、プローブ26とショルダ14とは回転軸28に対する回転数が異なるように設定されている。例えば、プローブ26がショルダ14に対して高速回転される。
この状態において、プローブ26及びショルダ14をさらに接合部23に向けて移動し、例えば、ショルダ14の端部14bを接合部23に摺接させる。接合部23がショルダ14の端部14bで押圧され、接合部23が摩擦熱で軟化する。
続いて、プローブ26の端部26bをショルダ14の端部14bから接合部23の側に突出させて接合部23を押圧した状態において接合部23に摺接させる。プローブ26の端部26bが摺接した接合部23に摩擦熱が発生する。よって、接合部23が軟化してプローブ26が接合部23に埋没する。これにより、摩擦撹拌接合装置10の摩擦撹拌接合方法により、第2ワーク22及び第1ワーク21が接合部23で摩擦撹拌接合される。
このように、摩擦撹拌接合装置10による摩擦撹拌接合方法は、前述したように、プローブ26とショルダ14との回転数が異なるように設定され、例えば、プローブ26がショルダ14に対して高速回転される。よって、プローブ26の外周面26aとショルダ14の内周面14aとの摩擦により発熱することが考えられる。
これにより、第2ワーク22及び第1ワーク21の接合部23を摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ14との間の隙間Sに侵入した場合、切削屑の流動性が摩擦熱で高まることが考えられる。このため、プローブ26とショルダ14との間の隙間Sに切削屑が浸入しやすくなり、そのことが接合部23の品質に影響を与えることが考えられる。
そこで、摩擦撹拌接合装置10によれば、プローブ26の外周面26aとショルダ14の内周面14aの間に第1気室部15と第2気室部16とを形成し、第1気室部15及び第2気室部16を連通部17で連通させた。よって、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、段部33から第1通路部18を経て第1気室部15に矢印Bの如く侵入する。
第1通路部18は、第1気室部15の第1気室距離L1に対して第1通路部距離L3が小さく形成されている。また、第1通路部18は第1気室部15に対して、回転軸28に対する垂直な断面で断面積が小さく形成されている。よって、切削屑が第1通路部18から第1気室部15に侵入することにより、切削屑が圧力損失(圧損という場合もある)によって圧力低下する。
さらに、第1気室部15に侵入した切削屑は、連通部17に矢印Cの如く侵入する。連通部17に侵入した切削屑は、連通部17を経て第2気室部16に矢印Dの如く侵入する。
連通部17は、第2気室部16の第2気室距離L2に対して連通部距離L3が小さく形成されている。よって、切削屑が連通部17から第2気室部16に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。
第2気室部16に侵入した切削屑が第2気室部16から第2通路部19に矢印Eの如く侵入する。第2通路部19は、第2気室部16の第2気室距離L2に対して第2通路部距離L3が小さく形成されている。
このように、第1気室部15、連通部17、第2気室部16、及び第2通路部19に切削屑を順に繰り返し侵入させることにより、例えば、摩擦熱で流動性が高められた切削屑でも、圧損を発生させて切削屑の流れを十分に抑制できる。これにより、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ14との間の隙間Sに侵入することを抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を向上させることができる。
さらに、摩擦撹拌接合装置10によれば、第1通路部18は、プローブ26の端部26bと、ショルダ14のうち接合部23の側の端部14bとにより形成されている。さらに、プローブ26の端部26bと、ショルダ14の端部14bとで形成される第1通路部距離L3は、第1気室部15の第1気室距離L1に対して小さく(狭く)形成されている。
よって、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23において摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、摩擦熱で流動性が高められた場合でも、最も接合部23の側にある第1気室部15に侵入することを、第1通路部18の隙間Sで抑制できる。これにより、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ14との間の隙間Sに侵入することを一層良好に抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を一層良好に向上させることができる。
ここで、第1気室部15及び第2気室部16は、溝底面41及び溝底面45が内周面14aに対して径方向の外側に離れて形成されている。また、プローブ26及びショルダ14の摩擦熱は、プローブ26の外周面26a及びショルダ14の内周面14aに発生する。よって、溝底面41及び溝底面45は、摩擦熱対して径方向の外側において離れた位置に形成されている。これにより、第1気室部15及び第2気室部16に侵入した切削屑を、溝底面41及び溝底面45の側に遠心力で案内して、摩擦熱から径方向の外側に離すことができる。したがって、第1気室部15及び第2気室部16に侵入した切削屑の粘性を高めて流動性を抑えることができ、プローブ26とショルダ14との間の隙間Sに切削屑が侵入することを一層良好に抑制できる。
なお、摩擦撹拌接合装置10の摩擦撹拌接合方法においては、プローブ26とショルダ14と回転数が異なるように設定され、例えば、プローブ26がショルダ14に対して高速回転される例について説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば、プローブ26とショルダ14とを同一の回転数で回転させてもよい。この場合においても、摩擦撹拌接合装置10によれば、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ14との間の隙間Sに侵入することを良好に抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を一層良好に向上させることができる。
次に、本発明に係る第2実施形態から第9実施形態の摩擦撹拌接合装置を、図3から図18を参照して説明する。なお、第2実施形態及び第9実施形態においては、第1実施形態の構成と同一、類似の構成については同じ符号を付して、その説明を省略し、異なる点について説明する。
(第2実施形態)
図3、図4に示すように、摩擦撹拌接合装置60は、主に、第1実施形態の第1、第2の気室部15,16、及び連通部17を第1、第2の気室部(複数の気室)64,65、及び連通部66に代えたものである。第1実施形態の第1気室部15、第2気室部16、及び連通部17は、軸方向に配置されている。一方、第2実施形態の第1気室部64、第2気室部65、及び連通部66は、径方向に配置されている。
摩擦撹拌接合装置60は、支持用治具12と、摩擦撹拌接合用工具62と、ショルダ63と、第1、第2の気室部64,65と、連通部66と、第1、第2の通路部67,68と、駆動機構(図示せず)と、を備えている。
摩擦撹拌接合用工具62は、プローブ軸部71と、プローブ26と、を備えている。プローブ軸部71は、接合部23の側の端面(プローブ26の外面)71aに環状の溝部73が形成されている。溝部73は、溝内上面73bと、溝内側面73aと、溝外側面73cと、を有する。溝部73は、溝内上面73b、溝内側面73a、及び溝外側面73cにより、プローブ軸部71の端面(プローブの外面)71aから接合部23の反対側に向けて凹むように断面U字状に形成されている。
プローブ26及びプローブ軸部71は、径方向の外側において、プローブ26の外周面(外周)26a及びプローブ軸部71の外周面71bがショルダ63により周方向に取り囲まれている。
ショルダ14は、例えば、ショルダ筒部75と、ショルダ底部(ショルダ63のうち接合部23の側の端部)76と、を有する。ショルダ筒部75は、円筒状に形成されて筒部内周面75aが、プローブ軸部71の外周面71bに対して、例えば、径方向において僅かな隙間Sをあけて形成されている。ショルダ底部76は、ショルダ筒部75のうち接合部23の側の端部において円板状に形成され、中央に貫通孔78が形成されている。
ショルダ底部76は、底部内周面(すなわち、ショルダの内面)76aと、段部33と、凸部81と、を有する。底部内周面76aは、プローブ26の外周面26aに対して、例えば、径方向において僅かな隙間Sをあけて形成されている。
すなわち、摩擦撹拌接合用工具62(すなわち、プローブ軸部71及びプローブ26)は、ショルダ63に軸方向へ移動可能に貫通されている。
凸部81は、ショルダ底部76のうち、プローブ軸部71の端面71aに対向する内面(ショルダの内面)76bから溝部73に向けて環状に突出されている。凸部81は、凸頂面81aと、凸内側面81bと、及び凸外側面81cと、を有する。
このように、ショルダ底部76に凸部81が加工されることにより、例えば、プローブ軸部71が超硬合金やセラミックス等の難加工材の場合でも、凸部81を容易に加工できる。
凸頂面81aは、溝部73の溝内上面73bに対して軸方向に僅かな隙間Sをあけて配置されている。凸内側面81bは、溝部73の溝内側面73aに対して径方向に僅かな隙間Sをあけて配置されている。凸外側面81cは、溝部73の溝外側面73cに対して径方向に僅かな隙間Sをあけて配置されている。
以上説明したように、プローブ26の外面(具体的には、プローブ軸部71の端面71a)と、ショルダ63の内面(具体的には、ショルダ底部76の内面76b)との間には、第1気室部64と、第2気室部65と、が形成されている。
第1気室部64は、プローブ26の外周面26a、プローブ軸部71の端面71a、凸部81の凸内側面81b、及びショルダ底部76の内面76bにより、断面矩形状で、かつ、中空の環状に形成されている。第1気室部64は、プローブ軸部71の端面71a(プローブの外面)とショルダ底部76の内面76b(ショルダの内面)との軸方向の第1気室距離(距離)がL4に形成されている。
第2気室部65は、凸部81の凸外側面81c、プローブ軸部71の端面71a、ショルダ筒部75の筒部内周面75a、及びショルダ底部76の内面76bにより、断面矩形状で、かつ、中空の環状に形成されている。第2気室部65は、プローブ軸部71の端面71aとショルダ底部76の内面76bとの軸方向の第2気室距離がL5に形成されている。
第1気室部64及び第2気室部65は、径方向においてプローブ26から離れる位置に、第1間隔をあけて順に形成されている。すなわち、第1気室部64は、複数の気室部(すなわち、第1気室部64及び第2気室部65)のうち、最もプローブ26の端部26bの側に位置している。また、第1気室部64は、段部33(すなわち、貫通孔78の下端)に対して接合部23から軸方向に離れる位置に第2間隔をあけて形成されている。さらに、第2気室部65は、第1気室部64に対して径方向の外側に第1間隔をあけて形成されている。
ショルダ底部76の底部内周面76aとプローブ26の外周面26aとにより、第1通路部67が隙間Sに形成されている。溝部73と凸部81とにより、連通部66が隙間Sで、かつ、断面U字状に形成されている。プローブ軸部71の外周面71bとショルダ筒部75の筒部内周面75aとにより、第2通路部68が隙間Sに形成されている。
連通部66は、第1気室部64と第2気室部65とを隙間Sにより概ね径方向に連通させている。連通部66が断面U字状に形成されることにより、第1気室部64、連通部66、及び第2気室部65がラビリンス状に形成されている。
連通部66は、溝部73と凸部81との連通部距離(距離)がL3に形成されている。連通部距離L3は、第1気室距離L4及び第2気室距離L5に対して小さく(狭く)形成されている。
第1通路部67は、段部33と第1気室部64とを隙間Sにより軸方向に連通させている。第1通路部67は、プローブ26の外周面26aとショルダ底部76の底部内周面76aとの径方向の第1通路部距離(距離)が、連通部距離と同様にL3に形成されている。第1通路部距離L3は、第1気室距離L4に対して小さく(狭く)形成されている。また、第1気室部64は、回転軸28に対して垂直な断面で第1通路部距離L3よりも大きく(広く)形成されている。
第2通路部68は、ショルダ63の外部と第2気室部65とを隙間Sにより軸方向に連通させている。第2通路部68は、プローブ軸部71の外周面71bとショルダ筒部75の筒部内周面75aとの径方向の第2通路部距離が、連通部距離と同様にL3に形成されている。第2通路部距離L3は、第2気室距離L5に対して小さく(狭く)形成されている。
すなわち、第1気室部64及び第2気室部65は、連通部66、第1通路部67、及び第2通路部68に比べて断面積が大きく形成されている。また、第1気室部64及び第2気室部65は、連通部66、第1通路部67、及び第2通路部68に比べて容積が大きく形成されている。
なお、第2実施形態では、複数の気室部として第1気室部64及び第2気室部65の2つの気室を例示するが、気室の数は任意に選択してもよい。
次に、第2実施形態の摩擦撹拌接合装置60の摩擦撹拌接合方法により摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑(例えば、バリ等)がプローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを抑制する例を図3、図4に基づいて説明する。
摩擦撹拌接合装置60によれば、プローブ26の外面とショルダ63の内面との間に第1気室部64と第2気室部65とを形成し、第1気室部64及び第2気室部65を連通部66で連通させた。よって、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、段部33から第1通路部67を経て第1気室部64に矢印Fの如く侵入して溜められる。
第1通路部67は、第1気室部64の第1気室距離L4に対して第1通路部距離L3が小さく形成されている。また、第1気室部64は、回転軸28に対して垂直な断面で第1通路部距離L3よりも広く形成されている。よって、切削屑が第1通路部67から第1気室部64に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。
さらに、第1気室部64に溜められた切削屑は、連通部66に矢印Gの如く侵入する。連通部66に侵入した切削屑は、連通部66を経て第2気室部65に矢印Hの如く侵入して溜められる。
連通部66は、第2気室部65の第2気室距離L5に対して連通部距離L3が小さく形成されている。よって、第1気室部64に溜められた切削屑が連通部66から第2気室部65に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。
第2気室部65に溜められた切削屑が第2気室部65から第2通路部68に矢印Iの如く侵入する。第2通路部68は、第2気室部65の第2気室距離L5に対して第2通路部距離L3が小さく形成されている。
このように、第1気室部64、連通部66、第2気室部65、及び第2通路部68に切削屑を順に繰り返し侵入させることにより、例えば、第1実施形態のように摩擦熱で流動性が高められた切削屑でも、圧損を発生させて切削屑の流れを十分に抑制できる。これにより、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を向上させることができる。
さらに、摩擦撹拌接合装置60によれば、第1通路部67は、プローブ26の端部26bと、ショルダ底部76(すなわち、ショルダ63の端部)とにより形成されている。さらに、プローブ26の端部26bと、底部内周面76aとで形成される第1通路部距離L3は、第1気室部64の第1気室距離L4に対して小さく(狭く)形成されている。
よって、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23において摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、摩擦熱で流動性が高められた場合でも、最も接合部23の側にある第1気室部64に侵入することを、第1通路部67の隙間Sで抑制できる。これにより、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを一層良好に抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を一層良好に向上させることができる。
ここで、切削屑は、第1通路部67から第1気室部64に矢印Fの如く軸方向に侵入する。第1気室部64に溜められた切削屑は、第1気室部64から連通部66に侵入し、連通部66において軸方向から径方向に矢印Gの如く侵入方向が異なるように導かれる。よって、第1気室部64に侵入した切削屑を、第1気室部64においてプローブ軸部71の端面71aに当て、第1気室部64に溜めることができる。
また、連通部66に侵入した切削屑は、連通部66を経て第2気室部65に矢印Hの如く侵入して溜められる。第2気室部65に溜められた切削屑は、第2気室部65から第2通路部68に矢印Iの如く、第2気室部65の侵入方向に対して異なる侵入方向(すなわち、逆向きの軸方向)で導かれる。よって、第2気室部65に侵入した切削屑を、第2気室部65においてショルダ底部76の内面76bに当て、第2気室部65に溜めることができる。
これにより、第1気室部64及び第2気室部65に切削屑が満たされるまで、第1気室部64及び第2気室部65から切削屑を連通部66及び第2通路部68にそれぞれ侵入し難くできる。したがって、プローブ26とショルダ63との間の隙間Sに切削屑が侵入することを一層良好に抑制できる。
(第3実施形態)
図5、図6に示すように、摩擦撹拌接合装置90は、主に、第2実施形態のプローブ軸部71の端面71aから環状の溝部73を除去し、第2実施形態のショルダ底部76の内面76bに、凸部81に加えて段差部92を形成したものである。
ショルダ底部76に凸部81や段差部92が加工されることにより、例えば、プローブ軸部71が超硬合金やセラミックス等の難加工材の場合でも、凸部81や段差部92を容易に加工できる。
第3実施形態の第1気室部94、連通部96、及び第2気室部95は、第2実施形態の第1気室部64、連通部66、及び第2気室部65と同様に、径方向の外側に向けて順に配置されている。
第1気室部94は、第1気室距離(距離)がL6に形成されている。第2気室部95は、第2気室距離がL7に形成されている。連通部96は、プローブ軸部71の端面71aと凸部81との軸方向の連通部距離(距離)がL3に形成されている。連通部距離L3は、第1気室距離L6及び第2気室距離L7に対して小さく(狭く)形成されている。
第1通路部97は、プローブ26の外周面26aとショルダ底部76の底部内周面76aとの径方向の第1通路部距離(距離)が、連通部距離と同様にL3に形成されている。第1通路部距離L3は、第1気室距離L6に対して小さく(狭く)形成されている。また、第1気室部94は、回転軸28に対して垂直な断面で第1通路部距離L3よりも大きく(広く)形成されている。
第2通路部98は、プローブ軸部71の端面71aと段差部92との軸方向の第2通路部距離が、連通部距離と同様にL3に形成されている。第2通路部距離L3は、第2気室距離L7に対して小さく(狭く)形成されている。
すなわち、第1気室部94及び第2気室部95は、連通部96、第1通路部97、及び第2通路部98に比べて断面積が大きく形成されている。また、第1気室部94及び第2気室部95は、連通部96、第1通路部97、及び第2通路部98に比べて容積が大きく形成されている。
次に、第3実施形態の摩擦撹拌接合装置90の摩擦撹拌接合方法により摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑(例えば、バリ等)がプローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを抑制する例を図5、図6に基づいて説明する。
摩擦撹拌接合装置90によれば、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、段部33から第1通路部97を経て第1気室部94に矢印の如く侵入して溜められる。
第1通路部97は、第1気室部94の第1気室距離L6に対して第1通路部距離L3が小さく形成されている。また、第1気室部94は、回転軸28に対して垂直な断面で第1通路部距離L3よりも広く形成されている。よって、切削屑が第1通路部97から第1気室部94に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。
さらに、第1気室部94に溜められた切削屑は、連通部96に矢印の如く侵入する。連通部96に侵入した切削屑は、連通部96を経て第2気室部95に矢印の如く侵入して溜められる。
連通部96は、第2気室部95の第2気室距離L7に対して連通部距離L3が小さく形成されている。よって、切削屑が連通部96から第2気室部95に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。
第2気室部95に溜められた切削屑が第2気室部95から第2通路部98に矢印の如く侵入する。第2通路部98は、第2気室部95の第2気室距離L7に対して第2通路部距離L3が小さく形成されている。
このように、第1気室部94、連通部96、第2気室部95、及び第2通路部98に切削屑を順に繰り返し侵入させることにより、例えば、第2実施形態のように摩擦熱で流動性が高められた切削屑でも、圧損を発生させて切削屑の流れを十分に抑制できる。これにより、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を向上させることができる。
さらに、摩擦撹拌接合装置90によれば、第1通路部97は、プローブ26の端部26bと、ショルダ底部76(すなわち、ショルダ63の端部)とにより形成されている。さらに、プローブ26の端部26bと、底部内周面76aとで形成される第1通路部距離L3は、第1気室部94の第1気室距離L6に対して小さく(狭く)形成されている。
よって、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23において摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、摩擦熱で流動性が高められた場合でも、最も接合部23の側にある第1気室部94に侵入することを、第1通路部97の隙間Sで抑制できる。これにより、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを一層良好に抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を一層良好に向上させることができる。
ここで、切削屑は、第1通路部97から第1気室部94に矢印の如く軸方向に侵入する。第1気室部94に溜められた切削屑は、第1気室部94から連通部96に矢印の如く径方向に侵入方向が異なるように導かれる。よって、第1気室部94に侵入した切削屑を、第1気室部94においてプローブ軸部71の端面71aに当て、第1気室部64に溜めることができる。
これにより、第1気室部94に切削屑が満たされるまで、第1気室部から切削屑を連通部96に侵入し難くできる。したがって、プローブ26とショルダ124との間の隙間Sに切削屑が侵入することを一層良好に抑制できる。
(第4実施形態)
図7、図8に示すように、摩擦撹拌接合装置100は、主に、第2実施形態のプローブ軸部71の端面71aから環状の溝部73を除去し、第2実施形態の凸部81を第1凸部102及び第2凸部103に代えたものである。
ショルダ底部76に第1凸部102及び第2凸部103が加工されることにより、例えば、プローブ軸部71が超硬合金やセラミックス等の難加工材の場合でも、第1凸部102及び第2凸部103を容易に加工できる。
第4実施形態の第1気室部105、連通部107、及び第2気室部106は、第2実施形態の第1気室部64、連通部66、及び第2気室部65と同様に、径方向の外側に向けて順に配置されている。
第1凸部102は、ショルダ底部76の内面76bにおいて、径方向の内周端76cからプローブ軸部71の端面71aに向けて環状に突出されている。第2凸部103は、ショルダ底部76の内面76bにおいて、第1凸部102に対して径方向の外側の部位76dからプローブ軸部71の端面71aに向けて環状に突出されている。
第1気室部105は、第1気室距離(距離)がL8に形成されている。第2気室部106は、第2気室距離がL9に形成されている。連通部107は、プローブ軸部71の端面71aと第2凸部103との軸方向の連通部距離(距離)がL3に形成されている。連通部距離L3は、第1気室距離L8及び第2気室距離L9に対して小さく(狭く)形成されている。
第1通路部108は、プローブ26の外周面26aとショルダ底部76の底部内周面76aとの径方向の距離、及びプローブ軸部71の端面71aと第1凸部102との軸方向の距離が、それぞれ第1通路部距離(距離)に形成されている。すなわち、第1通路部108は、プローブ26の端部26bとショルダ底部76(すなわち、ショルダ63の端部)とにより形成される部位を有している。第1通路部距離は、連通部距離と同様にL3に形成されている。第1通路部距離L3は、第1気室距離L8に対して小さく(狭く)形成されている。
第2通路部109は、プローブ軸部71の外周面71bとショルダ筒部75の筒部内周面75aとの径方向の第2通路部距離が、連通部距離と同様にL3に形成されている。第2通路部距離L3は、第2気室距離L9に対して小さく(狭く)形成されている。
すなわち、第1気室部105及び第2気室部106は、連通部107、第1通路部108、及び第2通路部109に比べて断面積が大きく形成されている。また、第1気室部105及び第2気室部106は、連通部107、第1通路部108、及び第2通路部109に比べて容積が大きく形成されている。
次に、第4実施形態の摩擦撹拌接合装置100の摩擦撹拌接合方法により摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑(例えば、バリ等)がプローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを抑制する例を図7、図8に基づいて説明する。
摩擦撹拌接合装置100によれば、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、段部33から第1通路部108を経て第1気室部105に矢印の如く侵入して溜められる。
第1通路部108は、第1気室部105の第1気室距離L8に対して第1通路部距離L3が小さく形成されている。よって、切削屑が第1通路部108から第1気室部105に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。
さらに、第1気室部105に溜められた切削屑は、連通部107に矢印の如く侵入する。連通部107に侵入した切削屑は、連通部107を経て第2気室部106に矢印の如く侵入して溜められる。
連通部107は、第2気室部106の第2気室距離L9に対して連通部距離L3が小さく形成されている。よって、切削屑が連通部107から第2気室部106に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。
第2気室部106に溜められた切削屑が第2気室部106から第2通路部109に矢印の如く侵入する。第2通路部109は、第2気室部106の第2気室距離L9に対して第2通路部距離L3が小さく形成されている。
このように、第1気室部105、連通部107、第2気室部106、及び第2通路部109に切削屑を順に繰り返し侵入させることにより、例えば、第2実施形態のように摩擦熱で流動性が高められた切削屑でも、圧損を発生させて切削屑の流れを十分に抑制できる。これにより、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を向上させることができる。
さらに、摩擦撹拌接合装置100によれば、第1通路部108は、プローブ26の端部26bと、ショルダ底部76(すなわち、ショルダ63の端部)とにより形成される部位を有している。さらに、プローブ26の端部26bと、底部内周面76aとで形成される第1通路部距離L3は、第1気室部105の第1気室距離L8に対して小さく(狭く)形成されている。
よって、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23において摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、摩擦熱で流動性が高められた場合でも、最も接合部23の側にある第1気室部105に侵入することを、第1通路部108の隙間Sで抑制できる。これにより、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを一層良好に抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を一層良好に向上させることができる。
ここで、摩擦撹拌接合装置100によれば、第1凸部102がショルダ底部76の内周端76cからプローブ軸部71の端面71aに向けて環状に突出されている。よって、第1通路部108は、プローブ26の外周面26aに沿って軸方向に大きく形成されている。これにより、第1通路部108に侵入した切削屑を、プローブ26の外周面26aとショルダ底部76の底部内周面76aとの摩擦熱の近傍に配置できる。したがって、切削屑を好適な高温に保つことにより切削屑の固着を抑制できる。この結果、プローブ26とショルダ63との分解を伴うメンテナンスを容易にできる。
(第5実施形態)
図9、図10に示すように、摩擦撹拌接合装置120は、プローブ軸部(プローブ)123の外周面(外面)123a及びショルダ124の内周面(内面)124aが、軸方向において接合部23の側から反対側へ向けて断続的に拡径されたものである。
プローブ軸部123は、接合部23の側の端部123bにおける外周面123aに、第1凸拡径部126と、第2凸拡径部127と、第3凸拡径部128と、を有する。第1凸拡径部126、第2凸拡径部127、及び第3凸拡径部128は、接合部23の側から反対側へ向けて断続的に拡径されている。
具体的には、第1凸拡径部126は、プローブ26の外周面26aに対して径方向の外側に凸状に拡径されている。第1凸拡径部126は、第1凸端面126aと、第1凸外周面126bと、を有する。第2凸拡径部127は、第1凸外周面126bに対して径方向の外側に凸状に拡径されている。第2凸拡径部127は、第2凸端面127aと、第2凸外周面127bと、を有する。第3凸拡径部128は、第2凸外周面127bに対して径方向の外側に凸状に拡径されている。第3凸拡径部128は、第3凸端面128aと、第3凸外周面128bと、を有する。第3凸外周面128bは、プローブ軸部123の外周面123aの一部を形成する部位である。
ショルダ124は、貫通孔131が貫通されることにより内周面124aを有する。さらに、ショルダ124は、内周面124aに形成された、第1凹拡径部132と、第2凹拡径部133と、第3凹拡径部134と、を有する。第1凹拡径部132、第2凹拡径部133、及び第3凹拡径部134は、接合部23の側から反対側へ向けて断続的に拡径されている。
具体的には、第1凹拡径部132は、ショルダ124の内周面124aに対して径方向の外側に拡径されている。第1凹拡径部132は、第1凹端面132aと、第1凹内周面132bと、を有する。第2凹拡径部133は、第1凹内周面132bに対して径方向の外側に拡径されている。第2凹拡径部133は、第2凹端面133aと、第2凹内周面133bと、を有する。第3凹拡径部134は、第2凹内周面133bに対して径方向の外側に拡径されている。第3凹拡径部134は、第3凹端面134aと、第3凹内周面134bと、を有する。
ショルダ124の貫通孔131に摩擦撹拌接合用工具122のプローブ26が貫通されている。摩擦撹拌接合用工具122のプローブ軸部123は、第1凸拡径部126、第2凸拡径部127、及び第3凸拡径部128がショルダ124の第1凹拡径部132、第2凹拡径部133、及び第3凹拡径部134にそれぞれ嵌合されている。
第1凸拡径部126が第1凹拡径部132に嵌合された状態において、プローブ26の外周面26a、第1凸端面126a、第1凹内周面132b、及び第1凹端面132aにより第1気室部136が形成されている。第1気室部136は、断面矩形状で、かつ、中空の環状に形成されている。
第1気室部136は、プローブ26の外周面(プローブの外面)26aと第1凹内周面(ショルダの内面)132bとの径方向の第1気室距離(距離)がL10に形成されている。また、第1気室部136は、第1凸端面126aと第1凹端面132aとの軸方向の距離がH1に形成されている。
第2凸拡径部127が第2凹拡径部133に嵌合された状態において、第1凸外周面126b、第2凸端面127a、第2凹内周面133b、及び第2凹端面133aにより第2気室部137が形成されている。第2気室部137は、断面矩形状で、かつ、中空の環状に形成されている。第2気室部137は、第1気室部136に対して軸方向において接合部23から離れる側に位置し、かつ第1気室部136に対して径方向の外側に形成されている。
第2気室部137は、第1凸外周面126bと、第2気室部137におけるショルダ124の内周面(すなわち、第2凹内周面133b)との径方向の第2気室距離がL11に形成されている。また、第2気室部137は、第2凸端面127aと第2凹端面133aとの軸方向の距離がH2に形成されている。
第3凸拡径部128が第3凹拡径部134に嵌合された状態において、第2凸外周面127b、第3凸端面128a、第3凹内周面134b、及び第3凹端面134aにより第3気室部138が形成されている。第3気室部138は、断面矩形状で、かつ、中空の環状に形成されている。第3気室部138は、第2気室部137に対して軸方向において接合部23から離れる側に位置し、かつ第2気室部137に対して径方向の外側に形成されている。
第3気室部138は、第2凸外周面127bと、第3気室部138におけるショルダ124の内周面(すなわち、第3凹内周面134b)との径方向の第3気室距離がL12に形成されている。また、第3気室部138は、第3凸端面128aと第3凹端面134aとの軸方向の距離がH3に形成されている。
このように、第1凸拡径部126、第2凸拡径部127、及び第3凸拡径部128が第1凹拡径部132、第2凹拡径部133、及び第3凹拡径部134に嵌合される。これにより、プローブ軸部123の外周面123aとショルダの内周面124aとの間に、複数の気室として第1気室部136、第2気室部137、及び第3気室部138が軸方向において断続的に形成されている。
第1気室部136、第2気室部137、及び第3気室部138を軸方向に断続的に配置することにより、プローブ軸部123とショルダ124との相対位置が軸方向にずれた場合でも、各気室部136,137,138の容積の管理を容易にできる。すなわち、プローブ軸部123(摩擦撹拌接合用工具122)の位置精度の管理幅を広くでき、摩擦撹拌接合の機能を安定的に発揮できる。
さらに、摩擦撹拌接合用工具122とショルダ124との相対位置を回転軸28の軸方向に対して調整することにより、第1気室部136、第2気室部137、及び第3気室部138の各距離H1,H2,H3を調整できる。これにより、第1気室部136、第2気室部137、及び第3気室部138の容積を調整できる。これにより、摩擦撹拌接合装置120によれば、例えば、多種の第1ワーク21及び第2ワーク22に対して、プローブ26による摩擦撹拌接合を適用できる。
また、第1凸外周面126bと第1凹内周面132bとにより第1連通部(連通室)141が形成されている。第1連通部141は、第1気室部136と第2気室部137とを隙間Sにより軸方向に連通させている。第1連通部141は、第1凸外周面126bと第1凹内周面132bとの径方向の第1連通部距離(距離)がL3に形成されている。連通部距離L3は、第1気室距離L10及び第2気室距離L11に対して小さく(狭く)形成されている。
さらに、第2凸外周面127bと第2凹内周面133bとにより第2連通部(連通室)142が形成されている。第2連通部142は、第2気室部137と第3気室部138とを隙間Sにより軸方向に連通させている。第2連通部142は、第2凸外周面127bと第2凹内周面133bとの径方向の第2連通部距離(距離)がL3に形成されている。連通部距離L3は、第2気室距離L11及び第3気室距離L12に対して小さく(狭く)形成されている。
また、プローブ26の外周面26aとショルダ124の内周面124aとにより第1通路部143が形成されている。第1通路部143は、段部33と第1気室部136とを隙間Sにより軸方向に連通させている。第1通路部143は、プローブ26の外周面26aとショルダ124の内周面124aとの径方向の第1通路部距離(距離)が、第1連通部距離及び第2連通部距離と同様にL3に形成されている。第1通路部距離L3は、第1気室距離L10に対して小さく(狭く)形成されている。
さらに、第3凸外周面128bと第3凹内周面134bとにより第2通路部144が形成されている。第2通路部144は、ショルダ124の外部と第3気室部138とを隙間Sにより軸方向に連通させている。第2通路部144は、第3凸外周面128bと第3凹内周面134bとの径方向の第2通路部距離が、第1連通部距離及び第2連通部距離と同様にL3に形成されている。第2通路部距離L3は、第1気室距離L12に対して小さく(狭く)形成されている。
すなわち、第1気室部136、第2気室部137、及び第3気室部138は、第1連通部141、第2連通部142、第1通路部143、及び第2通路部144に比べて断面積が大きく形成されている。また、第1気室部136、第2気室部137、及び第3気室部138は、第1連通部141、第2連通部142、第1通路部143、及び第2通路部144に比べて容積が大きく形成されている。
第1通路部143、第1気室部136、第1連通部141、第2気室部137、第2連通部142、第3気室部138、及び第2通路部144により、いわゆる、ラビリンス構造が形成されている。
次に、第5実施形態の摩擦撹拌接合装置120の摩擦撹拌接合方法により摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑(例えば、バリ等)がプローブ26とショルダ124との間の隙間Sに侵入することを抑制する例を図9、図10に基づいて説明する。
摩擦撹拌接合装置120によれば、プローブ軸部123の外周面123aとショルダ124の内周面124aとの間に第1気室部136、第2気室部137、及び第3気室部138とを形成した。さらに、第1気室部136及び第2気室部137を第1連通部141で連通させ、第2気室部137及び第3気室部138を第2連通部142で連通させた。
よって、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、段部33から第1通路部143を経て第1気室部136に矢印Jの如く侵入して溜められる。
第1通路部143は、第1気室部136の第1気室距離L10に対して第1通路部距離L3が小さく形成されている。よって、切削屑が第1通路部143から第1気室部136に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。
また、第1気室部136に溜められた切削屑は、第1連通部141に矢印Kの如く侵入する。第1連通部141に侵入した切削屑は、第1連通部141を経て第2気室部137に矢印Kの如く侵入して溜められる。
第1連通部141は、第2気室部137の第2気室距離L11に対して連通部距離L3が小さく形成されている。よって、切削屑が第1連通部141から第2気室部137に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。
さらに、第2気室部137に溜められた切削屑が第2気室部137から第2連通部142に矢印Lの如く侵入する。第2連通部142に侵入した切削屑は、第2連通部142を経て第3気室部138に矢印Lの如く侵入して溜められる。
第2連通部142は、第3気室部138の第3気室距離L12に対して第2連通部距離L3が小さく形成されている。よって、切削屑が第2連通部142から第3気室部138に侵入することにより、切削屑が圧力損失によって圧力低下する。
加えて、第3気室部138に溜められた切削屑が第3気室部138から第2通路部144に矢印Mの如く侵入する。第2通路部144は、第3気室部138の第3気室距離L12に対して第2通路部距離L3が小さく形成されている。
このように、第1気室部136、第1連通部141、第2気室部137、第2連通部142、第3気室部138、及び第2通路部144に切削屑が順に繰り返し侵入する。よって、例えば、第1実施形態のように摩擦熱で流動性が高められた切削屑でも、圧損を発生させて切削屑の流れを十分に抑制できる。
さらに、第1凸端面126a、第2凸端面127a、及び第3凸端面128aは、接合部23に対向する面である。よって、第1気室部136、第2気室部137、及び第3気室部138に侵入した切削屑が各凸端面126a,127a,128aに当たり、各凸端面126a,127a,128aによる抵抗によって切削屑の流れが抑制される。
加えて、第1通路部143、第1気室部136、第1連通部141、第2気室部137、第2連通部142、第3気室部138、及び第2通路部144によりラビリンス構造が形成されている。よって、摩擦熱で流動性が高められた切削屑でも、切削屑の流れを一層十分に抑制できる。
これにより、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ124との間の隙間Sに侵入することを抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を向上させることができる。
さらに、摩擦撹拌接合装置120によれば、第1通路部143は、プローブ26の端部26bと、ショルダ124の端部124bとにより形成されている。さらに、プローブ26の外周面26aと、ショルダ124の内周面124aとで形成される第1通路部距離L3は、第1気室部136の第1気室距離L10に対して小さく(狭く)形成されている。
よって、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23において摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、摩擦熱で流動性が高められた場合でも、最も接合部23の側にある第1気室部136に侵入することを、第1通路部143の隙間Sで抑制できる。これにより、第2ワーク22及び第1ワーク21を接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ124との間の隙間Sに侵入することを一層良好に抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を一層良好に向上させることができる。
(第6実施形態)
図11、図12に示すように、摩擦撹拌接合装置150は、第1実施形態の第1溝部36及び第2溝部37に代えて、プローブ26の外周面26aに第1溝部152及び第2溝部153に形成したもので、その他の構成は第1実施形態と概ね同様である。
摩擦撹拌接合装置150は、第1実施形態の第1気室部15、第2気室部16、連通部17、第1通路部18、及び第2通路部19と同様に、第1気室部155、第2気室部156、連通部17、第1通路部18、及び第2通路部19を備えている。
摩擦撹拌接合装置150によれば、プローブ26の外周面26aに第1溝部152及び第2溝部153を形成できるので、外周加工で対応できる。よって、ショルダ14の内周面14aに溝部を内周加工する場合に比べて、プローブ26の外周面26aに第1溝部152及び第2溝部153を容易に形成できる。
これにより、プローブ26の外周面26aとショルダ14の内周面14aとの間に第1気室部155及び第2気室部156(複数の気室)を容易に形成できる。
また、第1気室部155及び第2気室部156は軸方向に配置されている。これにより、プローブ26とショルダ14との相対位置が軸方向にずれた場合でも、第1気室部155及び第2気室部156の容積の管理を容易にできる。すなわち、プローブ26の位置精度の管理幅を広くでき、摩擦撹拌接合の機能を安定的に発揮できる。
次に、第6実施形態の摩擦撹拌接合装置150の摩擦撹拌接合方法により摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑(例えば、バリ等)がプローブ26とショルダ14との間の隙間Sに侵入することを抑制する例を図11、図12に基づいて説明する。
摩擦撹拌接合装置150の摩擦撹拌接合方法によれば、第1実施形態の摩擦撹拌接合方法と同様に、第1気室部155、連通部17、第2気室部156、及び第2通路部19に切削屑が矢印の如く順に繰り返し侵入する。よって、例えば、摩擦熱で流動性が高められた切削屑でも、切削屑の流れを十分に抑制できる。
これにより、摩擦撹拌接合の際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ14との間の隙間Sに侵入することを抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を向上させることができる。
さらに、摩擦撹拌接合装置150によれば、第1通路部18の第1通路部距離L3は、第1気室部155の第1気室距離L1に対して小さく(狭く)形成されている。よって、接合部23における摩擦撹拌接合の際に発生する切削屑が、摩擦熱で流動性が高められた場合でも、最も接合部23の側にある第1気室部155に侵入することを、第1通路部18の隙間Sで抑制できる。
これにより、接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ14との間の隙間Sに侵入することを一層良好に抑制できる。
(第7実施形態)
図13、図14に示すように、摩擦撹拌接合装置170は、第3実施形態の凸部81及び段差部92でショルダ底部76に形成した溝部に代えて、プローブ軸部(プローブ)25の端面(外面)25aに第1溝部172及び第2溝部173に形成したものである。
摩擦撹拌接合装置170は、第3実施形態の第1気室部94、第2気室部95、連通部96、第1通路部97、及び第2通路部98と同様に、第1気室部175、第2気室部176、連通部96、第1通路部97、及び第2通路部98を備えている。
摩擦撹拌接合装置170によれば、プローブ軸部25の端面25aに第1溝部172及び第2溝部173を形成できるので、外面加工で対応できる。よって、ショルダ底部76の内面(ショルダの内面)76bに溝部を内面加工する場合に比べて、プローブ軸部25の端面25aに第1溝部172及び第2溝部173を容易に形成できる。
これにより、プローブ軸部25の端面25aとショルダ底部76の内面76bとの間に第1気室部175及び第2気室部176(複数の気室)を容易に形成できる。
次に、第7実施形態の摩擦撹拌接合装置170の摩擦撹拌接合方法により摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑(例えば、バリ等)がプローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを抑制する例を図13、図14に基づいて説明する。
摩擦撹拌接合装置170の摩擦撹拌接合方法によれば、第1実施形態の摩擦撹拌接合方法と同様に、第1気室部175、連通部96、第2気室部176、及び第2通路部98に切削屑が矢印の如く順に繰り返し侵入する。よって、例えば、摩擦熱で流動性が高められた切削屑でも、切削屑の流れを十分に抑制できる。
これにより、摩擦撹拌接合の際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を向上させることができる。
さらに、摩擦撹拌接合装置170によれば、第1通路部97の第1通路部距離L3は、第1気室部175の第1気室距離L6に対して小さく(狭く)形成されている。また、第1気室部175は回転軸28に対して垂直な断面で第1通路部距離L3よりも広く形成されており、切削屑が第1通路部97から第1気室部175に侵入した際に、圧損が発生する。よって、接合部23における摩擦撹拌接合の際に発生する切削屑が、摩擦熱で流動性が高められた場合でも、最も接合部23の側にある第1気室部175に侵入することを、第1通路部97の隙間Sで抑制できる。
これにより、接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを一層良好に抑制できる。
(第8実施形態)
図15、図16に示すように、摩擦撹拌接合装置190は、第7実施形態のプローブ軸部25の端面25aにおいて外周部に第3溝部192を形成したもので、その他の構成は第7実施形態と概ね同様である。
すなわち、摩擦撹拌接合装置190は、第7実施形態の第1気室部175、第2気室部176、連通部96、第1通路部97、及び第2通路部98に加えて、第3気室部194、及び連通部195を備えている。
摩擦撹拌接合装置190によれば、第7実施形態と同様に、プローブ軸部25の端面25aに第1溝部172、第2溝部173、及び第3溝部192を形成できるので、外面加工で対応できる。よって、プローブ軸部25の端面25aに第1溝部172、第2溝部173、及び第3溝部192を容易に形成できる。
これにより、プローブ軸部25の端面25aとショルダ底部76の内面76bとの間に第1気室部175、第2気室部176、及び第3気室部194(複数の気室)を容易に形成できる。
次に、第8実施形態の摩擦撹拌接合装置190の摩擦撹拌接合方法により摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑(例えば、バリ等)がプローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを抑制する例を図15、図16に基づいて説明する。
摩擦撹拌接合装置190の摩擦撹拌接合方法によれば、第7実施形態の摩擦撹拌接合方法と同様に、第1気室部175、連通部96、第2気室部176、連通部195、第3気室部194、及び第2通路部98に切削屑が矢印の如く順に繰り返し侵入する。よって、例えば、摩擦熱で流動性が高められた切削屑でも、切削屑の流れを十分に抑制できる。
これにより、摩擦撹拌接合の際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を向上させることができる。
さらに、摩擦撹拌接合装置190によれば、第1通路部97の第1通路部距離L3は、第1気室部175の第1気室距離L6に対して小さく(狭く)形成されている。また、第1気室部175は回転軸28に対して垂直な断面で第1通路部距離L3よりも広く形成されており、切削屑が第1通路部97から第1気室部175に侵入した際に、圧損が発生する。よって、接合部23における摩擦撹拌接合の際に発生する切削屑が、摩擦熱で流動性が高められた場合でも、最も接合部23の側にある第1気室部175に侵入することを、第1通路部97の隙間Sで抑制できる。
これにより、接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ63との間の隙間Sに侵入することを一層良好に抑制できる。
(第9実施形態)
図17、図18に示すように、摩擦撹拌接合装置200は、プローブ26の外周面26aに第6実施形態の第1溝部152を形成し、ショルダ14の内周面14aに第1実施形態の第2溝部37を形成したものである。
摩擦撹拌接合装置200は、第1実施形態や第6実施形態と概ね同様に、軸方向において、接合部23の側から接合部23の反対側に向けて、第1通路部18、第1気室部155、連通部17、第2気室部16、及び第2通路部19が順に形成されている。
摩擦撹拌接合装置200によれば、第1溝部152及び第2溝部37の2つの溝部を、プローブ26の外周面26aとショルダ14の内周面14aとにそれぞれ分けて形成した。よって、第1溝部152及び第2溝部37の2つの溝部を、例えば、プローブ26及びショルダ14の一方にまとめて形成する場合と比べて、第1溝部152及び第2溝部37の軸方向の間隔の自由度を高めることができる。さらに、第1溝部152及び第2溝部37の径方向における溝深さの自由度を高めることができる。
これにより、第1溝部152及び第2溝部37の2つの溝部を、プローブ26とショルダ14とに分けて形成することにより、軸方向や径方向において各気室部155,37の容積効率を高めることができ、摩擦撹拌接合用工具13の小型化に寄与できる。
次に、第9実施形態の摩擦撹拌接合装置200の摩擦撹拌接合方法により摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑(例えば、バリ等)がプローブ26とショルダ14との間の隙間Sに侵入することを抑制する例を図17、図18に基づいて説明する。
摩擦撹拌接合装置200の摩擦撹拌接合方法によれば、第1実施形態の摩擦撹拌接合方法と同様に、第1気室部155、連通部17、第2気室部16、及び第2通路部19に切削屑が矢印の如く順に繰り返し侵入する。よって、例えば、摩擦熱で流動性が高められた切削屑でも、切削屑の流れを十分に抑制できる。
これにより、摩擦撹拌接合の際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ14との間の隙間Sに侵入することを抑制できる。したがって、第2ワーク22及び第1ワーク21がプローブ26で摩擦撹拌接合される接合部23の品質を向上させることができる。
さらに、摩擦撹拌接合装置200によれば、第1通路部18の第1通路部距離L3は、第1気室部155の第1気室距離L1に対して小さく(狭く)形成されている。よって、接合部23における摩擦撹拌接合の際に発生する切削屑が、摩擦熱で流動性が高められた場合でも、最も接合部23の側にある第1気室部155に侵入することを、第1通路部18の隙間Sで抑制できる。
これにより、接合部23で摩擦撹拌接合する際に発生する切削屑が、プローブ26とショルダ14との間の隙間Sに侵入することを一層良好に抑制できる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
例えば、連通部距離L3、第1連通部距離L3、第2連通部距離L3、第1通路部距離L3、第2通路部距離L3は同一寸法でも、少なくとも一つが異なる寸法でもよい。
10,60,90,100,120,150,170,190,200 摩擦撹拌接合装置
12 支持用治具
13,122 摩擦撹拌接合用工具
14,63,124 ショルダ
14a,124a ショルダの内周面(ショルダの内面)
14b、124b ショルダの端部
15,64,94,105,136,155,175 第1気室部(複数の気室、最も接合部の側にある気室)
16,65,95,106,137,156,176 第2気室部(複数の気室)
17,66,96,107,195 連通部
21,22 第1、第2のワーク(被接合部材)
23 接合部
25,71,123 プローブ軸部(プローブ)
26 プローブ
26a プローブの外周面(プローブの外面)
26b プローブの端部
28 回転軸
41 溝底面(ショルダの内面)
71a プローブ軸部の端面(プローブの外面)
76 ショルダ底部(ショルダの端部)
76a ショルダ底部の底部内周面(ショルダの内面)
76b ショルダ底部の内面(ショルダの内面)
123a プローブ軸部の外周面(プローブの外面)
126,127,128 第1、第2、第3の凸拡径部(プローブの拡径された部位)
132,133,134 第1、第2、第3の凹拡径部(ショルダの拡径された部位)
132b 第1凹内周面(ショルダの内面)
138,194 第3気室部(複数の気室)
141,142 第1、第2の連通部(連通室)
L1,L4,L6,L8,L10 第1気室距離(距離)
L3 連通部距離、第1連通部距離、第2連通部距離、第1通路部距離(距離、プローブの端部とショルダの端部との距離)

Claims (4)

  1. 積層された複数の被接合部材の接合部に、回転しながら押圧されるプローブと、
    前記プローブの回転軸に対する径方向の外側において、前記プローブを取り囲むショルダと、
    前記プローブの外面と前記ショルダの内面との間に形成された複数の気室と、
    前記複数の気室を連通し、前記複数の気室に対して前記プローブと前記ショルダとの距離が小さく形成された連通部と、
    を備えることを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
  2. 前記プローブの外面及び前記ショルダの内面は、前記回転軸の軸方向において前記被接合部材の側から反対側へ向けて断続的に拡径され、
    前記プローブの拡径された部位と前記ショルダの拡径された部位とにより前記複数の気室が形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の摩擦撹拌接合装置。
  3. 前記プローブの端部と前記ショルダの端部との距離は、
    前記複数の気室のうち、最も前記接合部の側にある気室における前記プローブの外面と前記ショルダの内面との距離に対して小さい
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の摩擦撹拌接合装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の摩擦撹拌接合装置による摩擦撹拌接合方法であって、前記プローブと前記ショルダとは回転数が異なる
    ことを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
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