JP2022006596A - 固形培地及び植物の栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】藻の発生を抑えることが可能な水耕栽培用の固形培地を提供する。【解決手段】本発明の固形培地は、水耕栽培用の固形培地であって、固形培地の上面を下側に窪ませて形成され、植物の種子又は苗が入り込む凹みと、上面よりも下側の位置で固形培地の側面から延びた穿孔と、を有し、固形培地を、上面から見て、凹みが形成された第1部分と、第1部分以外の第2部分とに分けたときに、穿孔が第2部分に存在する。【選択図】図3

Description

本発明は、水耕栽培用の固形培地、及び、当該固形培地を用いた植物の栽培方法に関する。
植物を栽培する方法としては、水耕栽培が知られており、水耕栽培では、育成床又は発芽床とも呼ばれる固形培地を水又は養液に浸した状態で、固形培地上で植物の種子を発芽させたり苗を育成させたりする(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、ウレタンスポンジ等の連続気泡発泡体からなる培地(具体的には、図8に示す発芽床100)を培養液に浸し、水耕栽培方式にて植物を栽培することが記載されている。発芽床100は、図8に示すように一辺の長さが30mmの略立方体形状であり、上面(天面)の中央には略半球状の凹部102が形成されている。凹部102は、播かれた植物の種を保持する。また、凹部102には、植物の根を培養液に向けて延び易くするために、凹部102の底部から発芽床100の底面まで貫通された切り込み104が形成されている。
特開2019-162095号公報
ところで、水耕栽培では、育成床又は発芽床として用いられる固形培地の上面で藻が繁殖することがある。つまり、固形培地の上面は空気に触れ、また、固形培地の上面には光が照射され易いので、固形培地内に浸み込んだ水又は養液が毛管現象等によって上面まで到達すると、藻の繁殖が発生し易くなる。藻が育成中の植物に付着すると、植物の品質を低下させる原因となる。そのため、水耕栽培では、固形培地の上面での藻の繁殖を抑えることが求められる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、以下に示す目的を解決することを課題とする。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、藻の発生を抑えることが可能な水耕栽培用の固形培地を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の固形培地を用いた植物の栽培方法を提供することをも目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の固形培地は、栽培用の固形培地であって、固形培地の上面を下側に窪ませて形成され、植物の種子又は苗が入り込む凹みと、上面よりも下側の位置で固形培地の側面から延びた穿孔と、を有し、固形培地を、上面から見て、凹みが形成された第1部分と、第1部分以外の第2部分とに分けたときに、穿孔が第2部分に存在することを特徴とする。
上記のように構成された本発明の固形培地によれば、水耕栽培において固形培地内に浸み込んだ水又は養液が固形培地内で上昇するのを上記の穿孔によって遮ることができる。これにより、水又は養液が固形培地の上面に到達し難くなる(つまり、乾き易くなる)ので、結果として、固形培地の上面のうち、凹み以外の領域での藻の繁殖を抑えることができる。
また、本発明の固形培地において、第1部分には穿孔が存在しない方が好ましい。これにより、凹部内の植物の種子又は苗に水又は養液を行き渡らせつつ、固形培地の上面での藻の繁殖を抑えることができる。
また、上記の効果をより発揮させ易くする目的から、固形培地の上下方向において、凹みの底が穿孔よりも下側に位置すると好適である。さらに、固形培地の上下方向において、穿孔が固形培地の中間位置よりも上側に位置すると、より一層好適である。
また、本発明の固形培地において、穿孔は、複数の穿孔によって構成され、複数の穿孔は、固形培地の内部において互いに平行に並んだ状態で延びていてもよい。この構成であれば、複数の穿孔が固形培地に設けられているため、固形培地の上面での藻の繁殖をより効果的に抑えることができる。また、複数の穿孔が平行に並んでいるので、より簡単に、当該複数の穿孔を固形培地に設ける(形成する)ことができる。
他方、穿孔は、第1穿孔と第2穿孔によって構成され、第1穿孔と第2穿孔とは、固形培地の内部において互いに交差した状態で延びていてもよい。
また、本発明の固形培地において、穿孔は、第2部分を貫通する貫通孔であってもよい。この場合には、固形培地の上面での藻の繁殖をより効果的に抑えることができ、また、より簡単に穿孔を固形培地に設けることができる。
また、本発明の固形培地において、穿孔の延出方向から見たときの穿孔の断面形状が円形状であってもよい。
また、本発明の固形培地において、第1部分及び第2部分が多孔質材料からなる場合には、本発明の効果がより有意義なものとなる。
また、前述した目的を達成するため、本発明の植物の栽培方法は、上述した本発明の固形培地の下部を水又は養液に浸して、水耕栽培方式にて植物を栽培することを特徴とする。この方法によれば、水耕栽培中、固形培地の上面、詳しくは凹部以外の領域での藻の発生を抑えることができる。
本発明によれば、固形培地の上面のうち、植物の種子又は苗が入り込む凹み以外の領域での藻の発生が抑制される。
本発明の一実施形態に係る固形培地を用いて植物を栽培する様子を示した図である。 本発明の一実施形態に係る固形培地の斜視図である。 図2のA-A断面を示す図である。 図2のB-B断面を示す図である。 第1変形例に係る固形培地の、B-B断面を示す図である。 本発明の一実施形態に係る固形培地の製造方法を示す概略図である(その1)。 本発明の一実施形態に係る固形培地の製造方法を示す概略図である(その2)。 本発明の一実施形態に係る固形培地の製造方法を示す概略図である(その3)。 本発明の一実施形態に係る固形培地の製造方法を示す概略図である(その4)。 第2変形例に係る固形培地の、B-B断面を示す図である。 従来の水耕栽培用の固形培地の断面図である。
本発明の一実施形態(以下、本実施形態)について、添付の図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた例であり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
また、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、各部品の位置、姿勢及び向き等について説明する際には、通常の使用状態を想定して説明することとする。例えば、本実施形態の固形培地の上下方向は、鉛直方向に相当する。
なお、以下では、互いに直交する3つの方向としてXYZ方向を規定し、そのうち、本実施形態の固形培地の上下方向をZ方向とし、上側を「+Z側」と、下側を「-Z側」とする。また、後述する穿孔18の延出方向をX方向とし、固形培地の上下方向に垂直な平面をXY面とする。つまり、固形培地の横断面(例えば、図2のB-B断面)は、XY面であり、固形培地の縦断面(例えば、図2のA-A断面)は、YZ面である。
本実施形態の固形培地(以下、固形培地10)は、図1に示すように植物Pの水耕栽培に用いられ、具体的に説明すると、植物Pの種子を発芽させるための発芽床として、あるいは、植物Pの苗を育成するための育成床(苗床)として利用される。植物Pは、例えば、栽培後に収穫された後に商品として出荷される植物であり、具体的には野菜等の可食用植物又は花卉等の鑑賞用植物である。
固形培地10は、その上部にて植物Pを栽培し、栽培期間中、固形培地10の下部が水又は養液(以下、養液等W)に浸される。より詳しく説明すると、養液等Wが溜められた不図示の栽培パレット内に、複数の固形培地10が所定方向に整列されて配置されている(図1では、図示の便宜上、一つの固形培地10のみが描かれている)。各固形培地10の下部は、養液等Wに浸かっており、養液等Wは、固形培地10内に浸み込むと、毛管現象及び植物Pの吸上げ力等によって上昇し、固形培地10の上部で植物Pに供給(吸収)される。
固形培地10の上方には、図1に示すように照明機器Qが配置されており、栽培期間中、固形培地10上で栽培される植物Pに向けて照明機器Qから光(人工光)が照射される。なお、植物Pに照射される光は、人工光に限られず、太陽光でもよく、あるいは人工光と太陽光とを併用して照射してもよい。
固形培地10は、図2に示すように所定の立体形状に成形された多孔質材料からなり、吸水性(吸液性)を有し、例えばスポンジ、発泡体又は繊維マット等によって構成されている。固形培地10の形状は、立体形状であれば特に限定されないが、例えば、立方体、直方体、柱形状(例えば円柱形状)、半球形状及び樽型形状等が好ましい。固形培地10のサイズ(すなわち、XYZの各方向における長さ)は、特に限定されず、固形培地10上で栽培する植物Pの苗の大きさ及び個数、あるいは固形培地10に播かれる植物Pの種子数に応じて適宜設計すればよい。
なお、以下では、一辺が30mmである立方体形状の固形培地10を例に挙げて説明することとする。
固形培地10を構成する材質としては、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、及びポリスチレン等の発泡樹脂、並びに、ロックウール、ヤシがら、パーライト、ピートモス、バーミキュライト、籾殻、樹皮及びココマット等の繊維材料が挙げられる。これらのうち、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、及びロックウールが好ましく、フェノール樹脂が特に好ましい。固形培地10を構成する材質の吸水率は、50~99.9%であるのがよく、好ましくは70~99%であるのがよく、より好ましくは80~98%であるのがよい。
固形培地10は、図2~4に示すように、+Z側の表面である上面11と、-Z側の表面である下面12と、四つの側面13,14,15,16とを有する。また、上面11の中央領域には、図2に示す凹み17が設けられている。凹み17は、-Z側(下側)に窪んで形成されている。栽培期間中、凹み17には植物Pの種子又は苗が入り込む。つまり、種子は凹み17内で発芽し、また、苗は、その根元部分が凹み17に収容された状態で育成される。
なお、凹み17の深さ(上下方向の長さ)は、種子又は苗が凹み17内から脱落しない程度の深さに設定されるのがよい。また、一つの固形培地10の上面11に形成される凹み17の数は、図2に示すように1個でもよいが、一つの固形培地10にて複数の植物Pを栽培する場合には、その株数に応じて凹み17の数を増やしてもよい。
また、固形培地10にて植物Pの苗を育成する場合に植物Pの根が-Z側(下側)に延び易くする目的から、図2に示すように、凹み17の外周から放射状に延びた切り込み20を設けてもよい。この場合、切り込み20は、上面11から下面12まで連続しており、凹み17の外縁周りに略90度間隔で設けられているのが好ましい。
固形培地10の表面色は、光反射率が比較的高い色、例えば、白、黄色又は銀色等が好ましい。また、固形培地10の表面(特に、上面11)には、光反射用の塗料が塗布されていてもよい。また、上面11に、反射率の高いフィルム又は板材を貼り付けてもよい。
ところで、固形培地10では、藻の発生を抑えるための構造(以下、藻抑制構造)を採用し、固形培地10を用いて水耕栽培方式にて植物Pを栽培する間、固形培地10の上面11での藻の発生を効果的に抑制することができる。以下、固形培地10の藻抑制構造について図2~7を参照しながら説明する。
藻抑制構造について説明するにあたり、固形培地10を、図3及び4に図示した2つの部分10A,10Bに分けることとする。
一方の部分10A(以下、第1部分10A)は、上面11から見て凹み17が形成された部分であり、分かり易くいうと、XY方向において凹み17の形成位置と同じ位置にある部分である。
もう一方の部分10B(以下、第2部分10B)は、上面11から見て第1部分10A以外の部分であり、分かり易く言うと、XY方向において凹み17の形成位置から外れた位置にある部分である。
固形培地10の第2部分10Bには、図2~4に示すように、側面13,14から延びた穿孔18が設けられている。穿孔18は、図3に示すように上面11よりも-Z側(下側)の位置に形成され、本実施形態では図4に示すようにX方向に沿って固形培地10を貫通した貫通孔である。また、固形培地10を養液等Wに浸した状況では、図3に示すように、穿孔18が養液等Wの液面よりも上方に位置する。
穿孔18が存在する第2部分10Bでは、固形培地10内に浸み込んだ養液等Wが毛管現象及び植物Pの吸上げ等により上昇するが、養液等Wの上昇を穿孔18が遮ることで、養液等Wが上面11まで到達し難くなる。これにより、上面11のうち、凹み17以外の領域は、養液等Wが少なく乾いた状態に維持される。この結果、上面11の凹み17以外の領域において藻の発生が抑えられ、藻の付着による植物Pの品質低下及び生育阻害等を避けることができる。
上面11での藻の発生を抑える効果は、固形培地10にて栽培する植物Pに向けて上方から光を照射する構成では特に有効である。つまり、藻は、水分、空気及び養分が存在し、光が照射される場所にて繁殖する傾向にあり、この傾向を踏まえると、固形培地10の上面11、特に凹み17以外の領域は、藻が発生し易い場所であると考えられる。そのため、第2部分10B内に穿孔18を設けて上面11に養液等Wを到達させ難くすることで藻の発生を抑えることが、より有意義なものとなる。
また、本実施形態では、穿孔18が第2部分10Bを貫通する貫通孔でありこの場合には、藻の発生をより効果的に抑えることができる。ただし、この構成に限定されず、穿孔18が第2部分10Bを貫通しない非貫通孔でもよい。
また、本実施形態では、図3及び4に示すように、第1部分10Aには穿孔18が存在せず、換言すると、穿孔18が第1部分10Aを通過しておらず第1部分10Aを避けるように形成されている。これにより、第1部分10Aの上部に位置する凹み17には養液等Wが行き渡り、凹み17内に在る植物Pの種子又は苗には養液等Wを適切に供給することができる。ただし、上記の構成に限定されるものではなく、種子又は苗への養液等Wの供給が阻害されない程度であれば、穿孔18が第1部分10Aに存在してもよく、その限りであれば、穿孔18の一部が第1部分10Aを通過してもよい。
また、上面11のうち、凹み17では種子又は苗に養液等Wを適切に供給しつつ、凹み17以外の領域では藻の発生を抑える目的から、Z方向において凹み17の底(凹み17内で最も-Z側に位置する箇所)が穿孔18よりも-Z側、すなわち下側に位置しているのがよい。
さらに、Z方向において、穿孔18が固形培地10の中間位置よりも上側に位置すると、より好適である。Z方向における穿孔18の位置が低すぎると、固形培地10に蓄えられる養液等Wの量が少なくなるため、穿孔18の下方にある養液等Wが少なくなると、凹み17付近が乾いてしまうリスクがある。これに対して、穿孔18の位置を固形培地10の中間位置よりも上側にすれば、固形培地10のうち、半分以上の部分に養液等Wを蓄えられるようになるため、上記のリスクを軽減し、植物の栽培を成功させる確率が高まる。
なお、一辺が30mmである立方体形状の固形培地10であれば、上面11から下側に5mm下がった位置に穿孔18を設けるとよい。
また、本実施形態では、図3から分かるように、穿孔18の延出方向(すなわち、X方向)から見たときの穿孔18の断面形状が円形状である。ただし、穿孔18の断面形状は、特に限定されるものではなく、円以外の形状、例えば、三角形、四角形、五角形以上の多角形、楕円形及び半円形等であってもよく、あるいは不定形でもよい。
また、穿孔18の直径又は開口幅は、0.1mm~20mmであるのがよく、好ましくは0.5mm~10mmであるのがよく、より好ましくは1~5mmであるのが好ましい。
また、本実施形態では、固形培地10の上面11へ養液等Wを到達させ難くするという穿孔18の効果をより有効に発揮させる目的から、図3及び4に示すように、穿孔18を複数の穿孔18Gによって構成することとした。複数の穿孔18Gは、固形培地10の内部において互いに平行に並んだ状態で延びており、本実施形態ではX方向に延びている。ただし、複数の穿孔18Gの各々の延出方向は、X方向に限られず、図5に示すようにX方向に対して傾斜した方向であってもよい。
また、本実施形態では、図3に示すように、複数の穿孔18Gの各々がZ方向において略同じ位置(高さ)に形成されているが、これに限定されるものではなく、Z方向における複数の穿孔18Gの形成位置が穿孔間で異なってもよい。
また、複数の穿孔18Gの個数については、特に限定されないが、固形培地10の上面11へ養液等Wを到達させ難くする観点からは、好適な個数に設定されるのが好ましい。例えば、複数の穿孔18Gの占有面積から空洞面積率を求め、空洞面積率が適正な範囲となるように複数の穿孔18Gの個数を設定すればよい。空洞面積率は、固形培地10の横断面(XY面)の面積に対する複数の穿孔18Gの占有面積の割合であり、複数の穿孔18Gの占有面積は、固形培地10の横断面において複数の穿孔18Gの各々が占める面積の総和である。
固形培地10に浸み込んだ養液等Wは、毛管現象等によって固形培地10内を上昇して固形培地10の上部に供給される。一方で、固形培地10の上面11からは水分が蒸発していく。固形培地10における水分の供給と蒸発とのバランスによって固形培地10の上部の水分(含水率)が決定される。ここで、所定時間あたりの供給水分量をSaとし、蒸発水分量をSbとしたときに、Sa>Sbである場合には固形培地10の上面11が湿ることになり、反対にSb>Saだと上面11が乾くことになる。そこで、Sb>Saとなるように空洞面積率を定める。固形培地10の材質が変わることで毛管現象等によって上昇する水分量は変化するものの、一般的には、空洞面積率は、1~80%であるのがよく、好ましくは5~60%であるのがよく、より好ましくは10~40%であるのがよい。
本実施形態の固形培地10、すなわち、互いに平行に並ぶ複数の穿孔18Gを備えた固形培地10を製造する方法は、特に限定されないが、一例を挙げると、図6A~6Dに示す方法が挙げられる。
図6Aに示す方法を説明すると、穿孔18が形成される前の培地基材10Cの脇位置(X方向における隣位置)に、櫛歯状に並んだ複数の孔形成ピン32を備えた孔形成具31をセットする。孔形成ピン32は、針、きり、ピンデバイス、若しくはドリル等のような先端が尖った金属又は硬質プラスチックからなり、培地基材10Cの横幅(X方向における長さ)以上の長さを有するように伸びている。そして、図6Aに示すように、Z方向において、複数の孔形成ピン32の各々が培地基材10Cにおける穿孔の形成位置に配置されるように孔形成具31を移動させた後、培地基材10Cの側方から孔形成具31を近づけて、培地基材10Cの側面(X方向の一端面)に複数の孔形成ピン32を突き挿す。複数の孔形成ピン32の各々が培地基材10Cを貫くまで孔形成具31を押し込む。これにより、互いに平行に並ぶ複数の穿孔18Gを備えた固形培地10を得ることができる。
なお、図6Aでは、複数の孔形成ピン32を用いて、一つの培地基材10Cに対して複数の穿孔18Gを同時に形成したが、これに限定されるものではなく、一つの孔形成ピン32を複数回突き刺して穿孔18を一つずつ形成してもよい。
あるいは、図6Bに示すように、孔形成具31を複数(より具体的には複数の培地基材10Cと同じ個数)用意し、複数の孔形成具31を横並び状態で配置してもよい。この場合、複数の孔形成具31を同時に複数の培地基材10Cに近付け、それぞれの孔形成具31に設けられた複数の孔形成ピン32を、対応する培地基材10Cの側方から突き挿すことで、複数の培地基材10Cの各々に複数の穿孔18Gを同時に形成することができる。
また、図6Cのように、複数の培地基材10Cを、X方向における端面が隣接するように並べ、孔形成具31に設けられた複数の孔形成ピン32の各々の長さを、図6A及び6Bで用いた孔形成ピン32よりも長くしてもよい。今場合、X方向において最も端(-X側)に位置する培地基材10Cに対して孔形成具31を近付けて複数の孔形成ピン32を突き挿すことで、最も端に位置する培地基材10Cから順に、各培地基材10Cに対して複数の穿孔18Gを形成することができる。
また、図6Bに示すケースに用いた複数の孔形成具31(孔形成具群)において、孔形成具31の間にプレート状の分離刃33を設けてもよい。この場合、図6Dに示すように、横長な培地基材10Cを一つ用意し、その培地基材10Cの側方から孔形成具31を近づけて、各孔形成具31に設けられた複数の孔形成ピン32を培地基材10Cに突き挿すとともに、分離刃33を培地基材10Cに挿し込む。これにより、一つの培地基材10Cが複数の断片(固形培地)に分断され、それぞれの固形培地に複数の穿孔18Gを形成することができる。
以上までに複数の穿孔18Gを備える固形培地10を製造する方法の一例を説明してきたが、上記の方法以外にも考えられ、例えば、レーザ光又はウォータジェットによって穿孔18を形成してもよい。特に、レーザ光は、ドライな環境での使用が可能となり、培地基材10Cを乾燥させる工程が不要となるので、レーザ光による穿孔形成の方が好ましい。レーザ光は、炭酸ガス(CO)レーザ、ファイバレーザ、YAG(Yttrium Aluminum Galvalume)レーザ、及びYVO(Yttrium Vanadate)レーザが挙げられる。また、レーザ光の波長、パワー(出力)及びビーム径等については、穿孔を形成するのに好適な値に設定されるとよい。例えば、波長については、その下限を、0.2μm、1μm、5μm又は9μmとし、その上限を20μm、50μm、100μm又は1000μmとするとよい。パワーについては、その下限を0.01W、0.1W、1W又は5Wとし、その上限を100W、500W、1000W又は10000Wとするとよい。ビーム径については、その下限を1μm、10μm、50μm又は100μmとし、その上限を500μm、1000μm又は10000μmとするとよい。
また、本実施形態では、穿孔18が、互いに平行に並ぶ複数の穿孔18Gによって構成されることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、穿孔18が、第1穿孔19A及び第2穿孔19Bによって構成され、第1穿孔19Aと第2穿孔19Bとは、固形培地10の内部において互いに交差した状態で延びていてもよい。第1穿孔19Aと第2穿孔19Bとの交差角度は、特に限定されないが、例えば約90度であってもよい。例えば、第1穿孔19AがX方向に延び、第2穿孔19BがY方向に延びていてもよい。ただし、これに限定されるものでなく、第1穿孔19A及び第2穿孔19Bの各々の延出方向が、XY方向に対して傾いた方向であってもよい。また、第1穿孔19A及び第2穿孔19Bのそれぞれの個数についても、特に限定されないが、例えば、上述した空洞面積率が好適な値(上述した数値範囲内)になるように適宜設定するとよい。
10 固形培地
10A 第1部分
10B 第2部分
10C 培地基材
11 上面
12 下面
13,14,15,16 側面
17 凹み
18 穿孔
18G 複数の穿孔
19A 第1穿孔
19B 第2穿孔
20 切り込み
31 孔形成具
32 孔形成ピン
33 分離刃
100 発芽床
102 凹部
104 切り込み
P 植物
Q 照明機器
W 養液等

Claims (10)

  1. 水耕栽培用の固形培地であって、
    前記固形培地の上面を下側に窪ませて形成され、植物の種子又は苗が入り込む凹みと、
    前記上面よりも下側の位置で前記固形培地の側面から延びた穿孔と、を有し、
    前記固形培地を、前記上面から見て、前記凹みが形成された第1部分と、前記第1部分以外の第2部分とに分けたときに、前記穿孔が前記第2部分に存在する、固形培地。
  2. 前記第1部分には前記穿孔が存在しない、請求項1に記載の固形培地。
  3. 前記固形培地の上下方向において、前記凹みの底が前記穿孔よりも下側に位置する、請求項1又は2に記載の固形培地。
  4. 前記固形培地の上下方向において、前記穿孔が前記固形培地の中間位置よりも上側に位置する、請求項3に記載の固形培地。
  5. 前記穿孔は、複数の穿孔によって構成され、
    前記複数の穿孔は、前記固形培地の内部において互いに平行に並んだ状態で延びている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の固形培地。
  6. 前記穿孔は、第1穿孔と第2穿孔によって構成され、
    前記第1穿孔と前記第2穿孔とは、前記固形培地の内部において互いに交差した状態で延びている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の固形培地。
  7. 前記穿孔は、前記第2部分を貫通する貫通孔である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の固形培地。
  8. 前記穿孔の延出方向から見たときの前記穿孔の断面形状が円形状である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の固形培地。
  9. 前記第1部分及び前記第2部分が多孔質材料からなる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の固形培地。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の固形培地の下部を水又は養液に浸して、水耕栽培方式にて植物を栽培する、植物の栽培方法。
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