JP6472301B2 - 播種用マット - Google Patents

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Description

本発明は、水耕栽培用時の播種用マットに関するものであり、特に、取扱い性に考慮された播種用マットに関するものである。
植物を栽培する方法として、古来より、土壌に種子を植え付けて、太陽光により光合成を行わせる方法が実行されている。
一方、近年、培地として土壌を使用せず、支持体に種子を植え込み、水分及び養分を種子及び根に接触させて植物を栽培する水耕栽培が行われてきている。
このような水耕栽培は、土壌での栽培に比して、養分コントロールが容易なこと、微生物的な衛生面においてコントロール容易なこと等のメリットがあり、これらメリットが得られることにより、植物栽培の工業化ツールとして実用化されている。
ところで、このような水耕栽培においては、植物を支持するための支持体となる播種用マットが使用される。
このような播種用マットとしては、無機系繊維のロックウールや、有機合成系の高分子フォームが使用される。
そして、播種用マットに播種し、下方を水分や液体培地に接触させることにより、水分や液体培地を吸い上げて、植物が水分や液体培地から養分を吸収可能としている。
この播種用マットとしては、様々なものが提案されているが、植物の生育性と環境衛生面との兼ね合いをとる必要があり、このようなバランスを考えた技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
特許文献1には、播種用マットとして、苗床が開示されている。
この苗床は、発泡プラスチックで形成された第1の層と第2の層とが積層された2層構成のマットである。
この第1の層(上層となる)の低密度ウレタンフォームの色は、一定の反射率より高い反射率を有する白色として構成されるとともに、第2の層(下層となる)の高密度ウレタンフォームの色は、一定の反射率以下の黒や茶(濃褐色)として構成されている。
これにより、第1の層(上層)では、成長光を反射させて葉部により多くの光量を与えて光合成を促進し、第2の層(下層)では、成長光が培養液に到達することを阻害し、藻類の繁殖を防ぐ。
このようにして、植物の成長を阻害することなく、藻類の繁殖を抑制して環境面のコントロールを実現している。
特開2014−180237号公報
ところで、このような播種用マットには、種を播種する必要が生じるが、通常、種を固定するために、切れ込みや凹部が形成されており、当該位置に種を配置する必要がある。
しかしながら、特許文献1記載の苗床(播種用マット)を使用すると、播種面が第1の層(上層)の表面となるため、当該面に切れ込みや凹部が形成されていても、色が白色であるため、視認し難いという問題点があった。
つまり、高い反射率を有する白色を当該面に使用しているため、この高い反射率が影響し、作業者が播種位置(切れ込みや凹部)を視認し難いという問題が生じる。
また、黒色とした場合も同様に、今度は反射率がないに等しいため、視認が困難である。
これは、例えば、視覚に障害を有する作業者にとっては、特に、大きな問題となり、播種用マットの取扱い性を向上させるという課題の下、改善する必要があった。
更に、特許文献1に記載の苗床(播種用マット)は、各播種単位(植物1株分の生育位置)に物理的に分画されておらず、隣接する播種単位を移植作業において分離する場合には、切断道具(カッター、ハサミ等)を使用する必要がある。
このため、播種用マットの取扱い性を向上という課題の下に、播種用マットを播種単位毎に切り離す作業を簡易化する技術が求められていた。
特に、力の弱い高齢者や上腕部に障害を有する作業者にとっては、大きな問題となり、播種用マットを播種単位毎に、切断道具等を使用せず、小さい力で分断することができるよう改善する必要があった。
また更に、特許文献1に記載の技術では、2層構造とするため、製造コストや製造工数が大きくなる。このため、特殊な層構造を採用することなく、低コスト及び低工数で、上記課題を解決するための技術が求められている。
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、植物の生育向上と生育環境衛生向上とのバランスを取りながら、取扱い性もまた良好となった播種用マットを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、コスト及び生産効率的に有利な播種用マットを提供することにある。
上記課題は、請求項1に係る播種用マットによれば、水耕栽培の植栽基盤として使用されるウレタン製の播種用マットであって、該播種用マットは、種を植え付ける播種面と、該播種面と対向する対面と、を有して立体形状に形成されており、前記播種面には、種を植え付けるための播種凹部が形成されており、前記播種凹部は複数備えられるとともに、複数の前記播種凹部は、所定個毎に分断可能に構成されており、伸び率が100%乃至120%に形成されていることにより解決される。
また、このように構成されていると、移植作業の際に、播種凹部毎に分断することが容易となるため好適である。
つまり、伸び率が高すぎると、ウレタン製の播種用マットを分断しようとする際(ちぎろうとする際)、伸びが生じて、分断し難くなる。
よって、本範囲に設定することにより、ウレタン製の播種用マットを移植作業時に分断容易となるため好適である。
また、上記課題は、請求項2に係る播種用マットによれば、水耕栽培の植栽基盤として使用されるウレタン製の播種用マットであって、該播種用マットは、種を植え付ける播種面と、該播種面と対向する対面と、を有して立体形状に形成されており、前記播種面には、種を植え付けるための播種凹部が形成されることにより解決される。更に、このとき前記播種用マットは、1個の播種凹部を備える播種単位毎に分断可能に構成されており、隣接する前記播種単位間は、一部の連結部分を残して切れ込みが形成されていると好適である。
このように構成されていると、当初は播種単位間が連結部分で連結されていても、移植作業時には、切れ込みが分断補助となり、連結部分を切り離すのみで分断することが可能となるため好適である。
また、このとき、連結部分の具体的な構成としては、請求項に記載のように、前記対面から前記播種面に向かう方向において、前記対面から前記播種面へ向かう途中位置まで延びるよう形成されていると好適である。
更に、連結部分の具体的な構成としては、請求項に記載のように、前記途中位置は、前記対面から前記播種面に至る距離の中点であると好適である。
また更に、連結部分の具体的な構成としては、請求項に記載のように、前記連結部分は、該連結部分により接続される前記播種単位の前記対面側にある単位対面の隣接している辺それぞれの中央部分から、前記播種面方向に向かって延びていると好適である。
このように構成されていると、当初は連結部分で播種単位間が連結されていても、より小さい力で移植作業時に隣接する播種単位を分断することが可能となるため好適である。
また、請求項6に記載のように、前記播種用マットは、白色及び黒色以外の色に着色されていると好適である。
一般に、植物の生育効率という観点からは、白色が好ましく、藻類の繁殖を阻害するという観点からは、黒色が望ましいとされる。
しかしながら、作業性を向上させるために、播種凹部を形成した場合には、白色及び黒色では、視認性が悪く、播種凹部を周囲と彼是区別することが困難となる。
よって、白色及び黒色以外の色を選択することにより、播種凹部を視認容易とし、よって、作業性を向上させることができる。
また、色の最適な構成としては、請求項7に記載のように、前記播種用マットは、灰色に形成されており、該灰色は、反射率が29%乃至58%であると好適である。
このように構成されていることにより、植物の生育面及び藻類の発生抑制を同時に満たすことが可能となるため好適である。
よって、植物の生育向上と生育環境衛生面の向上を両立させることができる。
本発明に係る播種用マットによれば、播種面に播種用凹部を形成して作業性を良好とした場合に、この播種用凹部の視認性を高めることができ、作業性が向上する。
つまり、播種用マットの色彩として、白色及び黒色を避けた(好適には、灰色とした)ことにより、播種用凹部の視認性を向上させるとともに、植物の生育状態もまた向上させ、藻類の発生もまた抑制することができる。
また、切れ込み部と連結部を形成することにより、移植作業時において、播種単位毎に分断する際により小さい力で分断することができる。
よって、高齢者や上腕に障害を有する作業者であっても、効率的に作業を行うことが可能となる。
また、従来のような、特殊な構造(積層構造等)が不要であるため、コスト的有利である。
以上のように、本発明に係る播種用マットによれば、植物の生育向上と生育環境衛生向上とのバランスを取りながら、取扱い性もまた良好となる。
また、本発明に係る播種用マットでは、コスト及び生産効率的に有利となる。
本発明の一実施形態に係る播種用マットの斜視説明図である。 本発明の一実施形態に係る播種用マットの上面図説明図である。 本発明の一実施形態に係る播種用マットの側面説明図である。 本発明の一実施形態に係る播種用マットの分断容易度テスト結果を示す円グラフである。 本発明の一実施形態に係る連結部分の分断容易度テスト検体例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る連結部分の分断容易度テスト結果を示す円グラフである。 本発明の一実施形態に係る播種用マットの植物生育度及び藻類繁殖度合確認テスト結果を示す棒グラフである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、播種位置の視認性を良好とするとともに播種単位の境界部の分断性を向上させることにより、従来技術に比して取扱い性を良好とした播種用マットに関するものである。
この際に、特殊な構成をとることなく、植物の生育性を阻害せず、同時に、藻等の生育を有効に抑えるという効果も十分に奏するものであり、従来技術に比して、製造コスト的にも優位である。
図1乃至図3は、本発明に係る一実施形態を示すものであり、図1は播種用マットの斜視説明図、図2は播種用マットの上面図説明図、図3は播種用マットの側面説明図である。
また、図4乃至図7は、本実施形態に係る播種用マットの各種試験に関するものであり、図4は播種用マットの分断容易度テスト結果を示す円グラフ、図5は連結部分の分断容易度テスト検体例を示す説明図、図6は連結部分の分断容易度テスト結果を示す円グラフ、図7は播種用マットの植物生育度及び藻類繁殖度合確認テスト結果を示す棒グラフである。
≪播種用マットの構成について≫
図1乃至図3により、本実施形態に係る播種用マット1の構成について説明する。
本実施形態に係る播種用マット1は、ウレタンフォームで形成された角柱形状の部材である。
この播種用マット1には、植物の種が植え付けられる面(通常、上面)である播種面1Aと、この播種面1Aと対向する対面1Bを有して構成された立体形状の部材である。
また、本実施形態に係る播種用マット1は、複数の播種単位11に分割構成されている。
つまり、一つの播種単位11がキューブ状となるように、賽の目状に切れ込みが入った形状である。
そして、その播種単位11の一面である播種側の面(通常、上方を向く面であり、以下、「単位播種面11A」と記し、単位播種面11Aと対向する面を「単位対面11B」と記す)の中央部には、播種凹部11aが形成されており、また、播種凹部11aを含む中央部には、同時にクロス形状に切り込まれた播種切れ込み11bが形成されている。
この播種凹部11aの底部中央部と播種切れ込み11bのクロス形状交差部とは一致しており、植物の種は、この一致部分P1に埋め込まれる。
つまり、播種凹部11aに種を落として、底部に到達した種に下方への力を加えれば、クロス形状の播種切れ込み11bのガイドにより、一致部分P1に簡易に埋め込める。
また、隣接する播種単位11,11間には分割切れ込みKが入っているが、一部切り込まない連結部分Rが形成されており、当該連結部分Rにて隣接する播種単位11,11が接続されている。
なお、隣接する播種単位11,11を分断する場合には、この連結部分を破断して(ちぎって)分断する。
図2及び図3により、この分割切れ込みKについて説明する。
なお、図2及び図3は、分割切れ込みKの形成位置について説明するために、この分割切れ込みKの部分を誇張して空隙として記載しているが、実際には、スリット状の切れ込みであるため、図に示すような空隙は存在していない。
図2は、播種用マット1の上面図(つまり、播種面1A側から見た図)である。
このように、播種面1A側から見ると、分割切れ込みKは、播種単位11の水平方向中央部付近を連結部分Rとして残すように形成されている。
同様に、図3には、播種用マット1の側面図(つまり、図2をX方向から見た図)である。
分割切れ込みKは、隣接する播種単位11の鉛直方向(つまり、単位播種面11Aと単位対面11Bとにわたる方向)中央部付近まで形成されている。
つまり、隣接する播種単位11,11間の鉛直方向において、単位播種面11Aから中央部分までは分割切れ込みKが切り込まれており、この中央部付近から単位対面11Bに至る部分は切り込まれずに連結部分Rとなっている。
なお、図2に示すように、水平方向において、連結部分Rの播種単位11の一辺T1に対する幅t1の比率は下記のように設定されるとよい。
t1/T1=1/20〜1/25
また、図3に示すように、鉛直方向において、連結部分R2の播種単位11の高さT2に対する高さt2の比率は下記のように設定されるとよい。
t2/T1=2/5〜3/5≒1/2
≪播種用マット選定試験≫
次いで、播種用マット1の選定試験について説明する。
1.カラーテスト
(1−1)目的
播種用マット1の色を変えて、播種凹部11aの視認性の検査を行う。
従来技術である、白及び黒の播種用マット1は、播種凹部11aの視認性が悪く、これを改善するために、播種用マット1として最適な色を選定する。
(1−2)実験系
桃色、緑色、灰色の三種の播種用マット1を準備し、パネル12名により、播種凹部11aの視認性の検査を実行し、視認性が良好な順に順位付けした。
なお、ネガティブコントロールとして、白色、黒色の播種用マット1も準備し、同様に評価を行った。
(1−3)結果
結果は、全てのパネルが、灰色の播種用マット1の播種凹部11aの視認性に1位若しくは2位をつけた。
また、ネガティブコントロールである白色は約9割のパネルが最下位(5位)とし、黒色はほとんどのパネルが最下位若しくは4位をつけた。
(1−4)結論・考察
播種用マット1の播種凹部11aの視認性に関しては、従来技術のような白色及び黒色は適当ではないことが実証された。
これは、白色による極めて高い反射率や黒色による極めて低い反射率によるものと考えられる。
播種用マット1としての色彩は、白色の反射率よりも低く、黒色の反射率よりも高い所定の反射率を有するものが望ましいと考えられ、本実験の結果、灰色が一番好適であると結論付けられる。
なお、この灰色の反射率は、29%〜58%、望ましくは29.31%〜57.89%、より望ましくは29.31%であるとよい。
2.分断容易度テスト1
(2−1)目的
播種用マット1を、隣接する播種単位11,11間にて分断する際に、分断が容易な物理的性質を検討する。
特に、力の弱い高齢者や上腕等に障害を有する作業者が、移植作業において、容易に播種単位11,11間を分断することができる物理的性質について検討する。
(2−2)実験系
分断容易度テストを行った、実験系を表1に示す。
また、5名のパネルで、実際と同様に、被験用の播種用マット1を湿らせた状態にて、播種単位11,11間の分断作業を実行し、分断の容易さを順位付けした。
Figure 0006472301
(2−3)結果
サンプル1乃至サンプル3において、約8割のパネルがサンプル3を分断容易性に1位をつけた。
サンプル1及びサンプル2においては、「粘りが強くちぎりにくい」という理由で、分断困難と判断された。
(2−4)結論・考察
このように、分断容易性に影響を与える物理的性質としては、伸び率が関係していることがわかった。
結論としては、サンプル3が最も好適に使用されると判断し、このことから、好適な伸び率は、100%〜120%、より好ましくは、100%に近い値のものが好ましいと考えらえる。
3.分断容易度テスト2
(3−1)目的
播種用マット1を、隣接する播種単位11,11間にて分断する際に、分断が容易な連結部分Rの形成位置を検討する。
特に、力の弱い高齢者や上腕等に障害を有する作業者が、移植作業において、容易に播種単位11,11間を分断することができる連結部分Rの位置について検討する。
(3−2)実験系
図5に示すように、図5(a)の第1パターン及び図5(b)の第2パターンにおいて、どちらが分断容易かを検討する。
上記同様、5名のパネルで、実際と同様に、被験用の播種用マット1を湿らせた状態にて、播種単位11,11間の分断作業を実行し、分断の容易さを評価した。
同時に、
(3−3)結果
図6に示すように、約7割のパネルが、図5(b)に示す第2パターンのほうが、分断容易であると評価した。
(3−4)結論・考察
以上の結果より、連結部分Rの形成位置として、図5(b)に示す位置が、好適であると判断した。
つまり、単位播種面11Aと単位対面11Bとにわたる方向において、中央部から下方側(単位対面11B側)に連結部分Rが形成されている状態が好適であると判断した。
また、同様の実験系で、連結部分Rの幅を、従来品の2mmと、この半分の1mmとに振り、分断容易性を検討したところ、この連結部分の幅は、従来品の2mmよりも、この半分である1mmが最適であるとの評価も得ており、最適な構成として、中央部から下方側(単位対面11B側)に、幅が従来品の半分である1mmの連結部分Rが形成されているものを選定した。
4.分断容易度テスト3
(4−1)目的
播種用マット1の厚み(単位播種面11Aと単位対面11Bとの距離)を変えて、把持性と分断力との観点から、分断容易性を検討する。
(4−2)実験系
播種用マット1の厚み(単位播種面11Aと単位対面11Bとの距離)を、20mm、25mm、28mmに設定し、上記同様、5名のパネルで、実際と同様に、被験用の播種用マット1を湿らせた状態にて、播種単位11,11間の分断作業を実行し、分断の容易さを評価した。
(4−3)結果
結果は、20mmが分断容易と回答したパネルは無く、25mmと28mmとでは、顕著な差異は認められなかったが、25mmの方がわずかに分断容易と回答したパネルが多かった。
(4−4)結論・考察
以上より、播種用マット1の厚み(単位播種面11Aと単位対面11Bとの距離)は、25mm〜28mm、より好適には25mmにて設定することとした。
5.植物生育度及び藻類繁殖度合確認テスト
(5−1)目的
播種用マット1の色の違いによる、植物の生育度及び藻類の発生状況を確認する。
(5−2)方法
使用した播種用マット1の色彩は、桃色、緑色、灰色の三種の播種用マット1であり、ネガティブコントロールとして、白色、黒色の播種用マット1も準備した。
播種トレーに、水道水で洗浄し固く絞った各色の播種用マット1を置き、これら播種用マットに1Lの水道水をはみださないように注ぎなじませた。
その後、各播種用マット1に播種し、3日間冷暗所にて静置した。3日目に水道水を水深14mmになるように注ぎ入れ、光を照射した。7日目に各種12株ずつ育苗トレーに移植し、栽培棚の水槽に浮かべ育苗し、21日目に収穫した。
なお、栽培条件は表2に示す。
収穫したハイドロレタスの地上部の生重量と、各播種用マット1の状態記録と、付着した藻類の乾重量を測定した。
乾重量は、50mlの水に地上部を切り取った状態の各播種用マット1を浸し、5面に対し約10回ずつ薬さじでこすり剥がした後、藻類の入ったミロを恒温培養器にて105℃、20時間乾燥させ、1時間以上常温にて冷却し測定を行った。
Figure 0006472301
(5−3)結果
各播種用マット1により発芽させたところ、発芽に差異は認められなかった。
地上部生産量と付着した藻類の乾燥重量の結果を図7に示した。
図7(a)に示すように、生育においては、差異が認められ、灰色の播種用マット1による生育が最も良好であった。なお、ネガティブコントロールの黒色の播種用マット1においては、生育不良が多く、平均地上部生重量が著しく低かった。
また、藻類の付着量に関しては、見た目には大きな差異があり、灰色の播種用マット1には、藻類が側面に若干付着した程度であったが、白色、桃色、緑色の播種用マット1においては、5面が藻類に覆われていた。また、水に剥ぎ落した藻類の量も、視覚で認識できるほどの差異が認められた。
なお、藻類の乾燥重量においては、データとしては顕著な差異は認められなかった。
(5−4)結論・考察
植物の生育という側面からは、播種用マット1の色は、灰色が好適であると結論づけた。
また、藻類の付着に関しても、見た目において、大きな差異が認められており、灰色が好ましいと判断することができる。
なお、藻類の乾燥重量に関しては、今回の方法では、種のコーティング材や植物の根が混入した可能性があり、それらの重量が影響を及ぼしたものと考えられる。
≪最終的な最適構成≫
以上、5種の試験結果を表3にまとめた。
Figure 0006472301
表3に示すように、播種凹部11aの視認性の観点からは、灰色の播種用マット1が最も好適であり、桃色及び緑色もまた好適に使用できることがわかった。
このとき、ネガティブコントロールである白色及び黒色は、視認性が良くないことが認められた。
また、藻類の付着度合からは、桃色及び緑色に比して灰色の播種用マット1が好適に使用可能であることが確認された。
また、植物の地上部生重量(生育度)は、桃色及び緑色に比して灰色の播種用マット1が好適に使用可能であることが確認された。
なお、ネガティブコントロールの黒色の播種用マット1は、従来から知られるとおり、藻類の付着量は少なく抑えられるが、播種凹部11aの視認性、植物の地上部生重量(生育度)が顕著に悪く、使用には不適であることが確認されている。
更に、ネガティブコントロールの白色の播種用マット1は、従来から知られる通り、植物の地上部生重量(生育度)は良好であるが、播種凹部11aの視認性、藻類の付着量が顕著に悪く、使用には不適であることが確認されている。
また、分断容易性の観点からは、上記のとおり、物理的形状を決定した。
つまり、単位播種面11Aと単位対面11Bとにわたる方向において、中央部から下方側(単位対面11B側)に連結部分Rが形成されている構成であって、この連結部分Rの幅(水平方向の距離)を1mmとして設定したものが最適であると確認した。
また、播種用マット1の厚み(単位播種面11Aと単位対面11Bとの距離)は、25mmが最適であると確認した。
1 播種用マット
1A 播種面
1B 対面
11 播種単位
11A 単位播種面
11a 播種凹部
11b 播種切れ込み
11B 単位対面
K 分割切れ込み
R 連結部分

Claims (7)

  1. 水耕栽培の植栽基盤として使用されるウレタン製の播種用マットであって、
    該播種用マットは、種を植え付ける播種面と、該播種面と対向する対面と、を有して立体形状に形成されており、
    前記播種面には、種を植え付けるための播種凹部が形成されており、
    前記播種凹部は複数備えられるとともに、複数の前記播種凹部は、所定個毎に分断可能に構成されており、
    伸び率が100%乃至120%に形成されていることを特徴とする播種用マット。
  2. 水耕栽培の植栽基盤として使用されるウレタン製の播種用マットであって、
    該播種用マットは、種を植え付ける播種面と、該播種面と対向する対面と、を有して立体形状に形成されており、
    前記播種面には、種を植え付けるための播種凹部が形成されており、
    前記播種用マットは、1個の播種凹部を備える播種単位毎に分断可能に構成されており、
    隣接する前記播種単位間は、一部の連結部分を残して切れ込みが形成されていることを特徴とする播種用マット。
  3. 前記連結部分は、前記対面から前記播種面に向かう方向において、前記対面から前記播種面へ向かう途中位置まで延びるよう形成されていることを特徴とする請求項に記載の播種用マット。
  4. 前記途中位置は、前記対面から前記播種面に至る距離の中点であることを特徴とする請求項に記載の播種用マット。
  5. 前記連結部分は、該連結部分により接続される前記播種単位の前記対面側にある単位対面の隣接している辺それぞれの中央部分から、前記播種面方向に向かって延びていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の播種用マット。
  6. 前記播種用マットは、白色及び黒色以外の色に着色されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の播種用マット。
  7. 前記播種用マットは、灰色に形成されており、
    該灰色は、反射率が29%乃至58%であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の播種用マット。
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