以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、本発明に係る配車管理装置及び配車管理方法を実施した配車管理システムに関するものである。本実施形態に係る配車管理システムは、ユーザの配車リクエストを取得し、この配車リクエストに応じて、ユーザが乗車する配車車両と、配車車両が走行する配車経路とを含む配車計画を設定し、この配車計画に基づいて配車車両を走行させることにより、ユーザを目的地まで移送する配車サービスを提供するためのシステムである。特に、本実施形態の配車管理システムは、ユーザの希望乗車地の混雑度が所定値以上である場合に、配車車両を乗り継いで希望乗車地から希望降車地へ移動するための乗り継ぎ配車計画を設定する点を特徴としている。なお、配車リクエストは、ユーザが目的地までの移動に利用する配車車両の配車を配車管理システムに要求するためのリクエスト情報である。
また、本実施形態の配車管理システムでは、例えば、複数箇所に設置された配車ステーションに複数台の配車車両がそれぞれ配置されている。配車管理システムによって配車サービスが提供される配車エリアには、配車車両が停車可能で、かつ、ユーザが停車中の配車車両に乗車及び降車が可能な複数箇所の乗降地が予め設定されている。ユーザは、配車リクエストにより、これらの配車ステーション又は乗降地を、配車車両に乗車するための希望乗車地、及び配車車両により移送される希望降車地として指定して配車サービスを利用する。
図1は、本発明に係る配車管理装置及び配車管理方法を実施した配車管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の配車管理システム1は、ユーザにより配車リクエストが入力される複数のユーザ端末2と、配車リクエストに応じて配車計画を設定する配車管理装置3と、配車計画に基づいて走行する複数台の配車車両4と、ユーザ端末2、配車管理装置3及び配車車両4を通信可能に接続するネットワークNWとを備えている。ネットワークNWには、携帯電話通信網及びインターネット等の電気通信回線網が利用される。
本実施形態のユーザ端末2は、通信機能を備えた携帯情報端末であり、例えば、ユーザによって携帯されるスマートフォン等の携帯電話や、タブレット型端末、可搬型のパーソナルコンピュータ等が用いられる。なお、以下では、ユーザ端末2として、スマートフォンを用いる場合を例にして説明を行なう。スマートフォンからなるユーザ端末2は、情報の入力部及び表示部として機能するタッチパネル型ディスプレイパネル(以下、ディスプレイという)21と、配車管理装置3と通信を行なう通信部22と、ユーザ端末2の位置を検出する位置検出部23と、ユーザ端末2の全体を統括的に制御する制御部24とを備えている。
位置検出部23は、いわゆるGPS(Global Positioning System)受信器であり、複数の測位衛星から送信されている電波を所定時間毎に受信することにより、ユーザ端末2の位置情報、すなわちユーザ端末2を携帯しているユーザの位置情報を取得する。制御部24は、ハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータにより構成され、プログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成されている。制御部24は、スマートフォンにインストールされた配車アプリケーションが起動されることにより、スマートフォンがユーザ端末2として動作するために必要な各種機能を実現する。
制御部24は、ユーザによる配車リクエストの入力を受け付けるとともに、入力された配車リクエストを通信部22によって配車管理装置3に送信する。配車リクエストは、ユーザによるディスプレイ21へのタッチ操作によって入力される。配車リクエストには、例えば、図2に示すように、「ユーザID」と、「希望乗車地」と、「希望出発時刻」と、「希望降車地」と、「希望到着時刻」等が含まれる。ユーザIDは、配車管理装置3において、ユーザの識別に利用される。希望乗車地及び希望降車地は、上記のとおり、複数の配車ステーション及び複数の乗降地のなかから選択される。希望出発時刻は、希望乗車地から配車車両4が出発する希望時刻である。また、希望到着時刻は、希望降車地に到着を希望する時刻である。配車リクエストには、乗車人数や、経由地等を含めてもよい。
配車リクエストには、ユーザが配車車両の利用に関して重視する事項(以下、重視事項という)を含む「ユーザ特性情報」が含まれている。ユーザ特性情報は、例えば、図3に示すように、次の3種類のPm1〜Pm3が選択可能となっている。ユーザ特性情報Pm1は、「希望降車地への到着時刻が早い」である。また、ユーザ特性情報Pm2は、「利用料金が安い」である。ユーザ特性情報Pm3は、「乗り継ぎ乗降地での待ち時間が短い」である。配車管理装置3は、配車リクエストに基づいて配車計画を設定する際に、ユーザ特性情報において要求されている重視事項を満たすように配車計画を設定する。
なお、ユーザ特性情報は、配車リクエストとともに入力する以外に、例えば、配車管理システム1への最初のユーザ登録時に、ユーザ登録情報の一部として入力してもよい。また、ユーザ登録情報の一部として入力されたユーザ特性情報を、配車リクエストによって一時的に変更できるようにしてもよい。
ユーザ端末2の制御部24は、配車リクエストの送信時及び配車管理装置3からの要求時に、位置検出部23によって検出したユーザ端末2の位置情報、すなわちユーザの位置情報を通信部22によって配車管理装置3に送信する。上述した配車リクエスト及びユーザ端末2の位置情報は、配車管理装置3において配車計画の設定に利用される。
さらに、制御部24は、配車管理装置3から送信されたユーザ提示情報を通信部22により受信し、ディスプレイ21に表示する。ユーザ提示情報は、配車管理装置3において、配車リクエストに基づいて設定された配車計画に関する情報である。ユーザ端末2によるユーザ提示情報の表示については、詳しくは後述する。
また、制御部24は、ユーザが配車車両4との待ち合わせ場所に到着して認証操作が行なわれた場合に、通信部22又はスマートフォンが予め備えている近距離無線通信装置(図示せず)等を利用して配車車両4との間で通信を行い、ユーザ認証を行なう。このユーザ認証では、ユーザID等を利用して、認証操作を行なったユーザが、配車リクエストを送信したユーザであるか否かが判定される。
なお、配車アプリケーションを利用する代わりに、配車管理システム1が運営する配車用ウェブサイトを利用して、配車リクエストの入力及びユーザ提示情報の表示を行なってもよい。例えば、ユーザ端末2のウェブブラウザによって配車用ウェブサイトにアクセスし、この配車用ウェブサイトを介して配車管理装置3に配車リクエストを入力及び送信してもよい。また、ユーザ端末2のウェブブラウザによって配車用ウェブサイトにアクセスし、このウェブサイトを介してユーザ提示情報を受信してディスプレイ21に表示してもよい。
次に、本実施形態の配車車両4について説明する。本実施形態の配車車両4は、ドライバによる運転操作に依らずに車両を自律的に走行させる自律走行制御機能を備えた車両である。配車車両4は、配車管理装置3から送信された配車計画に基づいて自律走行制御により走行し、ユーザの移送を行なう。配車車両4は、詳しくは図示しないが、駆動輪を含む駆動機構と、駆動機構に駆動力を供給する駆動源と、操舵輪を含む操舵機構と、制動機構と、これらの機構及び駆動源を制御して配車車両4を自律走行させる走行制御装置とを備えている。駆動源には、電動モータ又は内燃機関、あるいは電動モータと内燃機関とを組み合わせたハイブリッド型駆動源が用いられる。
本実施形態の配車車両4には、配車管理装置3から送信された配車計画を受信し、配車計画に基づいて配車車両4の走行制御装置に自律走行制御を実行させる車載装置41が搭載されている。車載装置41は、配車管理装置3と通信を行なう通信部411と、配車車両4の位置を検出する位置検出部412と、車載装置41全体を統括的に制御する制御部413とを備えている。位置検出部412は、いわゆるGPS受信器であり、複数の測位衛星から送信されている電波を所定時間毎に受信することにより、配車車両4の位置情報を取得する。
制御部413は、ハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータにより構成され、プログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMとから構成されている。制御部413は、配車管理システム1に対応して作成された配車制御用ソフトウェアプログラムに基づいて動作することにより、車載装置41として必要な各種機能を実現する。
制御部413は、所定時間毎に又は配車管理装置3からの要求に応じて、位置検出部412によって検出した配車車両4の位置情報を通信部411によって配車管理装置3に送信する。配車管理装置3は、配車車両4の位置情報を配車車両4の管理及び配車計画の設定に利用する。また、制御部413は、配車管理装置3で設定された配車計画を通信部411によって受信し、配車計画に基づいて走行制御装置を制御し、配車車両4を自律走行させる。より具体的には、制御部413は、配車計画に従って配車車両4をユーザの希望乗車地まで走行させ、当該希望乗車地で待機させる。ユーザが希望乗車地で配車車両4に乗車した場合には、配車計画に従って配車車両4を希望降車地まで走行させる。また、制御部413は、希望乗車地での待機中に、配車管理装置3によって配車計画がキャンセルされた場合には、配車管理装置3の指示に従って、配車ステーションまで戻る、又は別のユーザを待つために当該希望乗車地での待機を継続する、あるいは別のユーザを乗車させるために別の乗降地まで走行する等の制御を行なう。
さらに、制御部413は、ユーザが配車車両4の希望乗車地に到着し、ユーザ端末2によって認証操作を行なった場合に、通信部411又は図示しない近距離無線通信装置を利用してユーザ端末2と通信を行い、ユーザ認証を行なう。このユーザ認証では、認証操作を行なったユーザが、配車リクエストを送信したユーザであるか否かが判定される。制御部413は、認証操作を行なったユーザが、配車リクエストを送信したユーザであると判定した場合には、ユーザを配車車両4に乗車させ、配車計画に従って走行制御装置に自律走行を実行させる。また、制御部413は、認証操作を行なったユーザが、配車リクエストを送信したユーザではないと判定した場合には、図示しない音声出力部又は表示部等を利用して、ユーザに予約された配車車両ではないことを通知する。
次に、本実施形態の配車管理装置3について説明する。本実施形態の配車管理装置3は、例えば、配車サービスを提供する事業者の管制センタ等に設置されている。配車管理装置3は、データベース31と、ネットワークNWを介してユーザ端末2及び配車車両4と通信を行なう通信部32と、配車管理装置3全体を統括的に制御する制御部33(コントローラ)とを備えている。
データベース31は、車両情報311と、配車情報312と、地図情報313と、ユーザ情報314とを記憶している。車両情報311は、各配車車両4に関する情報であって、例えば、各配車車両4の現在の位置情報と、各配車車両4の現在の利用状況等が含まれている。配車車両4の現在の利用状況には、配車車両4が配車状態であるいか、あるいは空車状態であるかを示すステータス情報と、配車計画に応じて設定された予約情報とが含まれる。
データベース31の配車情報312には、ユーザ端末2から取得した配車リクエストと、この配車リクエストに応じて設定された配車計画とが関連付けて記憶されている。詳しくは後述するが、配車計画には、1台の配車車両4によって希望乗車地から希望降車地までユーザを直行させる直行配車計画と、複数台の配車車両4を乗り継いで希望乗車地から希望降車地へユーザを移動させる乗り継ぎ配車計画とが存在する。配車情報312には、配車リクエストに関連付けて、直行配車計画又は乗り継ぎ配車計画を記憶する。
地図情報313は、道路や施設などの情報を含む地図情報であって、施設の情報には、例えば、建物の階数、建物の通路、建物の出入り口等を示す建物の構造の情報が含まれる。また、本実施形態の地図情報313には、複数の配車ステーション及び複数の乗降地の位置情報と、各配車ステーション及び各乗降地の周辺の施設情報と、各配車ステーション及び各乗降地周辺の交通状況、及び各配車ステーション及び各乗降地の配車容量等、各配車ステーション及び乗降地に関する情報が含まれている。なお、各配車ステーション及び各乗降地の配車容量とは、例えば、配車車両4がユーザの乗車又は降車を待つために駐車又は停車可能な台数を示す。
ユーザ情報314は、本実施形態の配車管理システム1を利用するためにユーザ登録を行なった全てのユーザに関する情報である。ユーザ情報には、ユーザIDと、ユーザの氏名、性別、年齢、住所、電話番号、電子メールアドレス等が含まれる。また、ユーザが配車リクエストを送信して配車サービスを利用中である場合には、ユーザ端末2から取得したユーザ端末2の位置情報がユーザ情報に関連付けて記憶される。なお、ユーザ特性情報がユーザ登録情報の一部として入力された場合には、ユーザ情報314にユーザ登録情報を記憶してもよい。
制御部33は、ハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータにより構成され、プログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMとから構成されている。制御部33は、配車システム1に対応して作成された配車管理用ソフトウェアプログラムに基づいて動作することにより、配車管理装置3として必要な各種機能を実現する。
制御部33は、配車管理用ソフトウェアプログラムに基づいて動作することにより、配車リクエスト取得部331と、混雑度推定部332と、混雑度判定部333と、配車計画部334と、情報送信部335として機能する。
配車リクエスト取得部331は、ユーザ端末2から送信された配車リクエストを通信部32によって受信する。混雑度推定部332は、配車リクエストに含まれる希望乗車地の混雑度を推定する。混雑度推定部332は、データベース31の地図情報313から、希望乗車地の配車容量を取得し、データベース31の配車情報312から、希望乗車地に配車されている又は配車予定の配車車両4の配車台数を取得し、取得した配車容量と配車台数とに基づいて混雑度を推定する。例えば、希望乗車地の配車容量が5台で、希望乗車地の配車台数が5台の場合には、混雑度は100%となる。また、希望乗車地の配車容量が5台で、希望乗車地の配車台数が3台の場合には、混雑度は60%となる。同様に、希望乗車地の配車容量が5台で、希望乗車地の配車台数が6台の場合には、混雑度は120%となる。なお、希望乗車地の混雑度を推定する際に、配車車両の台数とともに、希望乗車地で配車車両への乗車を待っているユーザの人数を考慮して推定を行ってもよい。また、希望乗車地の混雑度は、希望乗車地を利用する配車リクエストの数や、希望乗車地を利用する配車車両の予約数、希望乗車地の現在の配車台数等に基づいて混雑度を推定してもよいし、これらの比較によって混雑度を推定してもよい。
なお、混雑度の推定時の希望乗車地の利用状況、配車車両4の利用状況(配車台数又は予約数)又は配車リクエスト数等の各種情報に基づいて希望乗車地の混雑度を推定する例について説明したが、予め収集して蓄積した過去の混雑度データを利用して希望乗車地の混雑度を推定してもよい。すなわち、希望乗車地の混雑度は、平日又は休日かによって異なるだけでなく、曜日や時間帯、季節、天候、気温等によっても変化する。そのため、これらの異なる条件下における混雑度データを予め収集してデータベース化しておき、この混雑度データを利用して、希望乗車地の混雑度を推定してもよい。混雑度の推定に利用する条件は、1種類でもよいし、複数種類を組み合わせてもよい。例えば、混雑度の推定時の条件が、「日曜日」である場合、混雑度データを参照して「日曜日」の混雑度を推定する。また、混雑度の推定時の条件が、「土曜日」、「13時〜14時」、「季節:夏」、「天候:雨」及び「気温:30度」等のように、複数の条件の組み合わせである場合には、混雑度データを参照して、これらの条件の組み合わせに該当する混雑度を推定する。なお、複数の条件の組み合わせから混雑度を推定する場合には、混雑度への影響度合いに応じて、条件毎に重み付けを行ってもよい。また、混雑度データを利用して、ニューラルネットワーク等の公知の機械学習アルゴリズムを利用した学習済みモデルを作成し、この学習済みモデルを利用して混雑度を推定してもよい。
混雑度判定部333は、混雑度推定部332で推定された混雑度と、予め設定されてデータベース31等に記憶されている第1の混雑度とを比較し、推定された混雑度が第1の混雑度以上であるか否かを判定する。第1の混雑度は、例えば、100%以上としてもよいし、100%未満としてもよい。また、第1の混雑度は、配車ステーション及び乗降地毎に設定してもよい。例えば、配車車両4がユーザの乗車又は降車を待つための待ち時間が短い配車ステーション及び乗降地では、混雑度が短時間で低下するため、第1の混雑度を高めに設定してもよい。また、配車車両4の待ち時間が長い配車ステーション及び乗降地では、混雑度が低下するまでに時間がかかるため、第1の混雑度を低めに設定してもよい。
配車計画部334は、ユーザ端末2から送信された配車リクエストに基づいて、配車計画を設定する。配車計画部334は、希望乗車地の推定混雑度が第1の混雑度を下回る場合には、配車リクエストに応じて、1台の配車車両4によって希望乗車地から希望降車地までユーザを移動させる直行配車計画を設定する。また、配車計画部334は、希望乗車地の推定混雑度が第1の混雑度以上である場合には、希望乗車地の混雑度を解消するために、ユーザが配車車両4を乗り継いで希望乗車地から希望降車地へ移動するための乗り継ぎ配車計画を設定する。
配車計画部334は、直行配車計画として、ユーザに配車する配車車両4と、配車車両4が希望乗車地から出発する乗車地出発予定時刻と、配車車両4が希望降車地に到着する降車地到着予定時刻と、配車車両4の配車経路とを設定する。この直行配車計画は、配車リクエストと関連付けてデータベース31の配車情報312に記憶される。
配車計画部334は、乗り継ぎ配車計画を設定するために、混雑度が希望乗車地よりも小さな乗り継ぎ乗降地を検出し、希望乗車地を利用する他のユーザに配車される配車車両4から、希望乗車地から乗り継ぎ乗降地まで走行する第1の配車車両を特定し、第1の配車車両以外の配車車両4から、乗り継ぎ乗降地から希望降車地まで走行する第2の配車車両を特定する。そして、配車計画部334は、乗り継ぎ配車計画として、ユーザが希望乗車地から第1の配車車両に相乗りして乗り継ぎ乗降地まで移動するための第1の配車計画と、乗り継ぎ乗降地にて第1の配車車両から第2の配車車両に乗り換えたユーザが、第2の配車車両により乗り継ぎ乗降地から希望降車地へと移動するための第2の配車計画と、を設定する。
なお、乗り継ぎ配車計画を構成する第1の配車計画は、図4に示すように、第1の配車車両に関する情報と、第1の配車車両が希望乗車地から出発する乗車地出発予定時刻と、第1の配車車両の乗り継ぎ地到着予定時刻と、希望乗車地から乗り継ぎ乗降地までの配車経路と、を含んでいる。さらに、第2の配車計画は、第2の配車車両に関する情報と、第2の配車車両の乗り継ぎ地到着予定時刻と、第2の配車車両が乗り継ぎ乗降地から出発する乗り継ぎ地出発予定時刻と、第2の配車車両が希望降車地に到着する降車地到着予定時刻と、乗り継ぎ乗降地から希望降車地までの配車経路と、を含んでいる。この乗り継ぎ配車計画は、配車リクエストと関連付けてデータベース31の配車情報312に記憶される。
情報送信部335は、ユーザ端末2及び車載装置41に対し、通信部32によって配車計画に関する情報を送信する。情報送信部335は、配車計画部334にて直行配車計画が設定された場合には、ユーザ端末2に、直行配車計画で設定された事項を含む直行配車提示情報を送信する。ユーザ端末2は、通信部22により受信した直行配車提示情報をディスプレイ21に表示する。また、情報送信部335は、配車計画部334にて直行配車計画が設定された場合には、配車車両4の車載装置41に、直行配車計画を送信する。車載装置41は、直行配車計画に基づいて配車車両4を自律走行させる。
情報送信部335は、配車計画部334にて乗り継ぎ配車計画が設定された場合には、ユーザ端末2に、乗り継ぎ配車計画で設定された事項を含む乗り継ぎ配車提示情報を送信する。ユーザ端末2は、通信部22により受信した乗り継ぎ配車提示情報をディスプレイ21に表示する。また、情報送信部335は、配車計画部334にて乗り継ぎ配車計画が設定された場合には、第1の配車車両の車載装置41に第1の配車計画を送信し、第2の配車車両の車載装置41に第2の配車計画を送信する。
次に、図5〜図11に基づいて、乗り継ぎ配車計画の具体的な設定手法について説明する。図5は、本実施形態の配車管理システム1により配車サービスが提供される配車エリアの一部を示す地図である。図6及び図7は、配車管理装置3による乗り継ぎ配車計画を設定する手順を示すフローチャートである。
図5に示す配車エリアには、道路R1、道路R2、道路R3、道路R4及び道路R5が配置されている。道路R1と道路R2とは交差し、道路R2と道路R3とは交差し、道路R3と道路R4及び道路R5とは交差し、道路R5と道路R1とが交差している。道路R1には配車車両4の乗降地Aが配置されており、道路R2には乗降地B、C、Dが配置されている。また、道路R3には乗降地E、Fが配置されており、道路R4には乗降地Gが配置されており、道路R5には乗降地Hが配置されている。道路R1には、配車ステーションSTが配置されている。配車車両4は、乗降地A−B間、乗降地B−C間、乗降地C−D間、乗降地C−E間、乗降地C−F間及び乗降地F−G間を、それぞれ約5分で移動する。また、乗降地F−H間の配車車両4の移動時間は、約10分である。乗降地Aには、複数台の配車車両4A1〜4Anが待機し、複数のユーザU1〜Unが配車車両4への乗車待ちをしている。また、配車ステーションSTには、空車状態の配車車両4B1、4C1及び4F1等が停車している。
上記の配車エリアにおいて、乗降地Aに到着したユーザUsがユーザ端末2を操作し、12時50分に配車リクエストを配車管理装置3に送信したとする。ユーザUsの配車リクエストは、例えば、希望乗車地が乗降地A、希望出発時刻が13時、希望降車地が乗降地H及び希望到着時刻が13時25分である。図6に示すステップS1において、配車管理装置3の配車リクエスト取得部331は、通信部32によりユーザUsの配車リクエストを取得する。
ステップS2において、混雑度推定部332は、データベース31の地図情報313から、乗降地Aの配車容量を取得し、データベース31の配車情報312から、乗降地Aに配車されている又は配車予定の配車車両4の配車台数を取得し、取得した配車容量と配車台数とに基づいて、乗降地Aの混雑度を推定する。例えば、乗降地Aの配車容量が5台であり、乗降地Aの現在の配車台数が5台である場合、乗降地Aの混雑度は100%となる。
ステップS3において、混雑度判定部333は、混雑度推定部332で推定された混雑度と、予め設定されてデータベース31等に記憶されている第1の混雑度とを比較し、推定された混雑度が第1の混雑度以上であるか否かを判定する。例えば、乗降地Aの混雑度が100%で、第1の混雑度が100%である場合、混雑度判定部333は、乗降地Aの混雑度は第1の混雑度以上と判定する。乗降地Aの混雑度が第1の混雑度以上である場合、ステップS4において、乗り継ぎ配車計画の設定が行なわれる。
なお、乗降地Aの混雑度が第1の混雑度未満である場合、乗り継ぎ配車計画の設定は行なわれず、ステップS9において、1台の配車車両4によって希望乗車地から希望降車地までユーザを移動させる直行配車計画が設定される。図5に示す例では、乗降地Aには既に複数のユーザU1〜Unが待機しているため、ユーザUsが直行配車計画によって乗降地Aを出発可能な最も早い乗車地出発予定時刻は、例えば、13時40分、乗降地Hへの降車地到着予定時刻は14時5分となる。情報送信部335は、次のステップS10において、直行配車計画で設定された事項を含む直行配車提示情報をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、通信部22により受信した直行配車提示情報をディスプレイ21に表示する。また、情報送信部335は、配車車両4の車載装置41に、直行配車計画を送信する。車載装置41は、直行配車計画にしたがって配車車両4を自律走行させる。
次にステップS4の乗り継ぎ配車計画の設定について説明する。配車管理装置3の配車計画部334は、図7に示すステップS20において、データベース31の配車情報312から、乗降地Aを利用する他のユーザの配車計画を取得する。また、配車計画部334は、ステップS21において、配車情報312に含まれる配車リクエストから、ユーザUsのユーザ特定情報を取得する。
次のステップS22において、配車計画部334は、ユーザUsの希望乗車地Aから希望降車地Hへの最短経路を算出する。この最短経路Srは、例えば図5に実線で示すように、道路R1の乗降地Aから道路R2に右折し、乗降地B、Cを通過して道路R3に右折し、乗降地Fを通過して道路R5に左折し、乗降地Hに向かうルートとなる。
次のステップS23において、配車計画部334は、乗降地Aを利用する他のユーザのために設定された配車計画の配車経路から、当該配車経路上に存在し、かつ、最短経路Srから所定の距離範囲内、もしくは最短経路Srからの移動時間が所定の時間範囲内にある乗降地を近接乗降地として特定する。なお、最短経路Srから所定の距離範囲内、もしくは最短経路Srからの移動時間が所定の時間範囲内とは、ユーザUsが比較的容易に歩いて移動できる程度の距離範囲内又は移動時間範囲内である。図5に示す例であれば、例えば、粗い破線で示す配車経路Dr1と、図中一点鎖線で示す配車経路Dr3とが、最短経路Srに対する近接乗降地として乗降地B、乗降地Cを備えている。また、図中二点鎖線で示す配車経路Dr4は、近接乗降地として乗降地B、乗降地C、乗降地Fを備えている。なお、細かい破線で示す配車経路Dr2は、最初の交差点で左折するため、近接乗降地を備えていない。
次のステップS24において、配車計画部334は、乗降地Aよりも混雑していない乗降地でユーザUsを乗り継ぎさせるために、近接乗降地の混雑度を推定する。近接乗降地の混雑度の推定には、ステップS2で行なわれた希望乗降地の混雑度の推定と同様の手法が用いられる。具体的には、データベース31の地図情報313から、近接乗降地の配車容量を取得し、データベース31の配車情報312から、近接乗降地に配車されている又は配車予定の配車車両4の配車台数を取得し、取得した配車容量と配車台数とに基づいて、近接乗降地の混雑度を推定する。なお、近接乗降地の混雑度の推定には、上述した希望乗車地の混雑度の推定のその他の手法を用いてもよい。
次のステップS25において、配車計画部334は、ステップS24において推定された近接乗降地の混雑度と、予め設定されてデータベース31等に記憶されている第2の混雑度とを比較し、推定された混雑度が第2の混雑度未満であるか否かを判定する。第2の混雑度は、希望乗車地(乗降地A)よりも混雑度が低い乗り継ぎ乗降を設定するために用いられるため、第1の混雑度よりも小さい値が用いられる。図5に示す例では、例えば、近接乗降地B、C及びFの混雑度が、第2の混雑度未満であったとする。次のステップS26において、配車計画部334は、混雑度が第2の混雑度未満の近接乗降地を、乗り継ぎ乗降地の候補となる乗り継ぎ候補地として特定する。
なお、混雑度が第2の混雑度未満の近接乗降地が存在しない場合には、ステップS33において、配車計画部334は、乗り継ぎ配車計画の設定を中止し、図6に示すステップS5に移行する。ステップS5では、乗り継ぎ配車計画の設定完了が確認されるが、ステップS34にて乗り継ぎ配車計画の設定が中止されている場合には、ステップS9において、配車計画部334により直行配車計画の設定が行なわれる。
なお、第2の混雑度は、配車ステーション及び乗降地毎に設定してもよい。例えば、配車車両4がユーザの乗車又は降車を待つための待ち時間が短い配車ステーション及び乗降地では、混雑度が短時間で低下するため、第2の混雑度を高めに設定してもよい。また、配車車両4の待ち時間が長い配車ステーション及び乗降地では、混雑度が低下するまでに時間がかかるため、第2の混雑度を低めに設定してもよい。なお、第2の混雑度を第1の混雑度と同値としてもよい。
図7に戻り、次のステップS27において、配車計画部334は、乗降地Aを利用する他のユーザのために設定された配車計画から、乗り継ぎ候補地を経由地又は目的地として走行する配車車両を検出し、検出した配車車両を第1の配車車両の候補となる第1の候補車両として特定する。図8は、図5に示す例において、乗り継ぎ候補地として特定された乗降地B、C及びFを経由地又は目的地とする直行配車計画DP1、DP3及びDP4を示す。配車計画部334は、直行配車計画DP1、DP3及びDP4の配車車両4A1、4A3及び4A4を第1の配車車両の候補となる第1の候補車両として特定する。
また、配車計画部334は、同じステップS27において、第2の配車車両の候補となる第2の候補車両を特定する。配車計画部334は、データベース31の車両情報311に記憶されている配車車両4の予約情報から空車状態の配車車両を特定し、特定した空車状態の配車車両を第2の候補車両として特定する。ここでは、第2の候補車両として、配車ステーションSTに停車している空車状態の配車車両4B1、4C1及び4F1を第2の候補車両として特定する。
次のステップS28において、配車計画部334は、第1の候補車両が乗り継ぎ候補地に到着する第1の候補地到着時刻を算出する。配車計画部334は、データベース31の地図情報313から、乗り継ぎ候補地までの走行経路と、走行する道路の制限速度と、混雑状況等を取得し、これらの情報に基づいて第1の候補地到着時刻を算出する。
図9は、上記で特定した第1の候補車両4A1、4A3及び4A4が、乗り継ぎ候補地B、C及びFに到着する第1の候補地到着時刻を示している。第1の候補車両4A1は、乗り継ぎ候補地Bに13時10分に到着し、乗り継ぎ候補地Cには13時15分に到着する。また、第1の候補車両4A3は、乗り継ぎ候補地Bに13時20分に到着し、乗り継ぎ候補地Cには13時25分に到着する。第1の候補車両4A4は、乗り継ぎ候補地Bに13時25分に到着し、乗り継ぎ候補地Cに13時30分に到着し、乗り継ぎ候補地Fには13時35分に到着する。
次のステップS29において、配車計画部334は、第1の候補地到着時刻が最も早い第1の候補車両を特定する。図9に示すように、乗り継ぎ候補地Bに対する第1の候補地到着時刻が最も早い第1の候補車両は、第1の候補車両4A1である。また、乗り継ぎ候補地B、Cに対する第1の候補地到着時刻が最も早い第1の候補車両は、第1の候補車両4A1である。また、乗り継ぎ候補地Fに対する第1の候補地到着時刻が最も早い第1の候補車両は、第1の候補車両4A4である。
次のステップS30において、配車計画部334は、第2の候補車両が乗り継ぎ候補地に到着する第2の候補地到着時刻と、第2の候補車両が希望降車地に到着する降車地到着候補時刻とを算出する。配車計画部334は、データベース31の地図情報313から、乗り継ぎ候補地までの走行経路と、走行する道路の制限速度と、混雑状況等を取得し、これらの情報に基づいて第2の候補地到着時刻及び降車地到着候補時刻を算出する。
図10は、ステップS27において特定された第2の候補車両4B1、4C1及び4F1の第2の候補地到着時刻及び降車地到着候補時刻を示している。第2の候補車両4B1は、乗り継ぎ候補地Bに13時20分に到着し、乗降地Hには13時40分に到着する。また、第2の候補車両4C1は、乗り継ぎ候補地Cに13時30分に到着し、乗降地Hには13時45分に到着する。第2の候補車両4F1は、乗り継ぎ候補地Fに13時45分に到着し、乗降地Hには13時55分に到着する。
次のステップS31において、配車計画部334は、上記の第1の候補地到着時刻及び第2の候補地到着時刻に基づいて、乗り継ぎ候補地での待ち時間が最も短くなる第1の候補車両と第2の候補車両との組み合わせを特定する。図5に示す例では、図9及び図10に示すように、第1の候補車両4A1が乗り継ぎ候補地Bに13時10分に到着し、第2の候補車両4B1が乗り継ぎ候補地Bに13時20分に到着するため、待ち時間が10分となる。また、第1の候補車両4A4が乗り継ぎ候補地Fに13時35分に到着し、第2の候補車両4F1が乗り継ぎ候補地Fに13時45分に到着するため、待ち時間が10分となる。これに対し、第1の候補車両4A3が乗り継ぎ候補地Cに13時25分に到着し、第2の候補車両4C1が乗り継ぎ候補地Cに13時30分に到着するため、待ち時間が5分となる。したがって、乗り継ぎ候補地Cにおいて、第1の候補車両4A3から第2の候補車両4C1に乗り換える場合の待ち時間が最も短くなる。
次のステップS32において、配車計画部334は、第1の候補地到着時刻、第2の候補地到着時刻及び降車地到着候補時刻に基づいて、ユーザ特性情報の重視事項を満たすように、乗り継ぎ候補地、第1の候補車両及び第2の候補車両から、乗り継ぎ乗降地、第1の配車車両及び第2の配車車両を決定し、乗り継ぎ配車計画を設定する。
配車計画部334は、ユーザUsがユーザ特性情報によって「Pm1:希望降車地への到着時刻が早い」ことを重視事項としている場合には、上記で算出した降車地到着候補時刻に基づいて、希望降車地への到着時刻が最も早くなるように、乗り継ぎ候補地、第1の候補車両及び第2の候補車両から、乗り継ぎ乗降地、第1の配車車両及び第2の配車車両を決定し、乗り継ぎ配車計画を設定する。図5に示す例では、図8〜図10に示すように、希望乗車地である乗降地Aで配車車両4A1に相乗りして13時5分に出発し、乗降地Bに13時10分に到着し、乗降地Bで配車車両4B1が13時20分に到着するのを10分間待ち、配車車両4B1によって希望降車地である乗降地Hに13時40分に到着するのが最も早い到着時刻となる。したがって、配車計画部334は、ユーザUsが「希望降車地への到着時刻が早い」ことを重視している場合には、図11に示すように、乗り継ぎ乗降地として乗降地Bを選択し、第1の配車車両として配車車両4A1を選択し、第2の配車車両として配車車両4B1を選択して乗り継ぎ配車計画を設定する。
また、配車計画部334は、ユーザUsがユーザ特性情報によって「Pm2:利用料金が安い」ことを重視事項としている場合には、上記で算出した降車地到着候補時刻に基づいて、相乗り区間が最も長くなるように、乗り継ぎ候補地、第1の候補車両及び第2の候補車両から、乗り継ぎ乗降地、第1の配車車両及び第2の配車車両を決定し、乗り継ぎ配車計画を設定する。図5に示す例では、図8〜図10に示すように、希望乗車地である乗降地Aで配車車両4A4に相乗りして13時20分に出発し、乗降地Fに13時35分に到着し、乗降地Fで配車車両4F1が13時45分に到着するのを10分間待ち、配車車両4F1によって希望降車地である乗降地Hに13時55分に到着することにより、相乗り区間がもっと長くなり、利用料金が安くなる。したがって、配車計画部334は、ユーザUsが「利用料金が安い」ことを重視している場合には、図11に示すように、乗り継ぎ乗降地として乗降地Fを選択し、第1の配車車両として配車車両4A4を選択し、第2の配車車両として配車車両4F1を選択して乗り継ぎ配車計画を設定する。
さらに、配車計画部334は、ユーザUsがユーザ特性情報によって「Pm3:乗り継ぎ乗降地での待ち時間が短い」ことを重視事項としている場合には、上記で算出した降車地到着候補時刻に基づいて、乗り継ぎ乗降地での待ち時時間が最も短くなるように、乗り継ぎ候補地、第1の候補車両及び第2の候補車両から、乗り継ぎ乗降地、第1の配車車両及び第2の配車車両を決定し、乗り継ぎ配車計画を設定する。図5に示す例では、図8〜図10に示すように、希望乗車地である乗降地Aで配車車両4A3に相乗りして13時15分に出発し、乗降地Cに13時25分に到着し、乗降地Cで配車車両4C1が13時30分に到着するのを5分間待ち、配車車両4C1によって希望降車地である乗降地Hに13時45分に到着することにより、乗り継ぎ乗降地での待ち時間が最も短くなる。したがって、配車計画部334は、ユーザUsが「乗り継ぎ乗降地での待ち時間が短い」ことを重視している場合には、図11に示すように、乗り継ぎ乗降地として乗降地Cを選択し、第1の配車車両として配車車両4A3を選択し、第2の配車車両として配車車両4C1を選択して乗り継ぎ配車計画を設定する。
図6に戻り、次のステップS5において、乗り継ぎ配車計画の設定が完了しているか否かが確認される。乗り継ぎ配車計画の設定が完了している場合には、ステップS6において、情報送信部335は、ユーザUsのユーザ端末2に、乗り継ぎ配車計画で設定された事項を含む乗り継ぎ配車提示情報を送信する。ユーザ端末2は、通信部22により受信した乗り継ぎ配車提示情報をディスプレイ21に表示する。ユーザUsは、乗り継ぎ配車提示情報を確認し、乗り継ぎ配車計画に承諾する場合には、ユーザ端末2を操作して承諾情報を配車管理装置3に送信する。
ステップS7において、配車計画部334は、ユーザUsが乗り継ぎ配車計画を承諾した場合には、次のステップS8において、図4に示す第1の配車計画を第1の配車車両の車載装置41に送信し、第2の配車計画を第2の配車車両の車載装置41に送信する。第1の配車計画を受信した車載装置41は、第1の配車計画にしたがって第1の配車車両を自律走行させ、希望乗車地から本来のユーザと、ユーザUsとを相乗りさせて乗り継ぎ乗降地まで走行する。また、第2の配車計画を受信した車載装置41は、第2の配車計画にしたがって第2の配車車両を自律走行させ、乗り継ぎ乗降地にてユーザUsを乗車させて希望降車地まで走行する。なお、ステップS7において、ユーザUsが乗り継ぎ配車計画を承諾しなかった場合には、ステップS9において、配車計画部334により直行配車計画の設定が行なわれる。
なお、上記実施形態では、ユーザUsが1台の第1の配車車両に相乗りし、1台の第2の配車車両に乗車して希望降車地まで移動する例について説明したが、複数台の第1の配車車両に相乗りしてから第2の配車車両に乗り継いで希望降車地まで移動する例も本発明に含まれる。また、第1の配車車両に目的地が異なる複数人のユーザが相乗りし、複数の乗り継ぎ乗降地で各ユーザが別々の第2の配車車両に乗り換えるような運用を行なう例も本発明に含まれる。
また、ユーザ特性情報に応じて乗り継ぎ配車計画を設定したが、例えば、「希望降車地への到着時刻が早い」ことを重視した乗り継ぎ配車計画と、「利用料金が安い」ことを重視した乗り継ぎ配車計画と、「乗り継ぎ乗降地での待ち時間が短い」ことを重視した乗り継ぎ配車計画と、を設定し、これらの複数の乗り継ぎ配車計画をユーザのユーザ端末に送信して選択できるようにしてもよい。
以上のとおり、本実施形態に係る配車管理システム1によれば、ユーザUsの配車リクエストに基づいて配車計画を設定する配車管理装置3は、ユーザUsの希望乗車地の混雑度を推定する混雑度推定部332と、混雑度が所定の第1の混雑度以上であるか否かを判定する混雑度判定部333と、混雑度が第1の混雑度を下回る場合に、配車計画として、1台の配車車両4により希望乗車地から希望降車地へ移動するための直行配車計画を設定し、混雑度が第1の混雑度以上である場合に、配車計画として、配車車両4を乗り継いで希望乗車地から希望降車地へ移動するための乗り継ぎ配車計画を設定する配車計画部334と、を備えている。そして、配車計画部334は、乗り継ぎ配車計画として、混雑度が希望乗車地よりも小さな乗り継ぎ乗降地を検出し、ユーザUs以外で希望乗車地を利用する他のユーザに配車される配車車両4から、希望乗車地から乗り継ぎ乗降地まで走行する第1の配車車両を特定し、第1の配車車両以外の配車車両4から、乗り継ぎ乗降地から希望降車地まで走行する第2の配車車両を特定する。さらに、配車計画部334は、ユーザUsが、希望乗車地から第1の配車車両に相乗りして乗り継ぎ乗降地まで移動するための第1の配車計画と、乗り継ぎ乗降地にて第1の配車車両から第2の配車車両に乗り換えたユーザUsが、第2の配車車両により乗り継ぎ乗降地から希望降車地へと移動するための第2の配車計画と、を含む乗り継ぎ配車計画を設定する。
したがって、希望乗車地から配車車両に相乗りするユーザが増えるので、希望乗車地の混雑を緩和することができる。また、希望乗車地の混雑が緩和することにより、ユーザが希望乗車地から配車車両に乗車するまでの待ち時間が短くなる。また、混雑している希望乗車地から、混雑度が希望乗車地よりも小さい乗り継ぎ乗降地に移動して配車車両を乗り換えるので、配車車両の乗り換えをスムースに行なうことができる。さらに、希望乗車地が混雑していない場合には、配車車両4への相乗りや、乗り継ぎを行わずに希望降車地に直行することができるので、希望乗車地の混雑度に応じた、より最適な配車計画に基づいて移動を行うことができる。
本実施形態に係る配車管理システム1によれば、配車計画部334は、ユーザUsの配車車両の利用に関するユーザ特性情報を取得し、ユーザ特性情報に基づいて、乗り継ぎ乗降地、第1の配車車両及び第2の配車車両を設定する。したがって、ユーザUsの嗜好に合った乗り継ぎ配車計画を設定することができる。
本実施形態に係る配車管理システム1によれば、配車計画部334は、ユーザ特性情報に基づいて、希望降車地への到着時刻が最も早くなるように、第1の配車車両に相乗りする区間が最も長くなるように、又は乗り継ぎ乗降地での待ち時間が最も短くなるように、乗り継ぎ乗降地、第1の配車車両及び第2の配車車両を設定する。したがって、ユーザUsが希望降車地へ早く到着したい場合には、希望降車地への到着時刻が最も早くなるように乗り継ぎ配車計画を設定することができる。また、ユーザUsが低い利用料金で希望降車地まで移動したい場合には、第1の配車車両に相乗りする区間が最も長くなるように乗り継ぎ配車計画を設定することができる。さらに、ユーザUsが乗り継ぎ乗降地でスムースに乗り換えを行ないたい場合には、乗り継ぎ乗降地での待ち時間が最も短くなるように乗り継ぎ配車計画を設定することができる。
本実施形態に係る配車管理システム1によれば、配車計画部334は、他のユーザのために設定された配車計画から、乗り継ぎ乗降地の候補となる乗り継ぎ候補地と、第1の配車車両の候補となる第1の候補車両とを特定し、配車車両の予約情報から第2の配車車両の候補となる第2の候補車両を特定し、ユーザ特性情報に基づいて、乗り継ぎ候補地、第1の候補車両及び第2の候補車両から、乗り継ぎ乗降地、第1の配車車両及び第2の配車車両を決定する。したがって、複数の乗り継ぎ候補地、第1の候補車両及び第2の候補車両に基づいて、よりユーザUsの嗜好に合った乗り継ぎ配車計画を設定することができる。
本実施形態に係る配車管理システム1によれば、配車計画部334は、希望乗車地から希望降車地への最短経路Srを算出し、他のユーザのために設定された配車計画に含まれる配車経路上の乗降地から、最短経路Srから所定の距離範囲内、もしくは最短経路Srからの移動時間が所定の時間範囲内にある乗降地を近接乗降地として特定し、近接乗降地の混雑度を推定し、混雑度が第1の混雑度より小さな第2の混雑度未満であるか否かを判定し、混雑度が第2の混雑度未満である近接乗降地を、乗り継ぎ候補地とする。これによれば、最短経路Srから比較的近い位置に乗り継ぎ乗降地を設定することができるので、希望降車地までの移動時間が長くなることはない。また、乗り継ぎ乗降地の混雑度の判定に用いる第2の混雑度を、希望乗車地の混雑度の判定に用いる第1の混雑度よりも小さくしているので、混雑している希望乗車地から、混雑度が希望乗車地よりも小さい乗り継ぎ乗降地に移動して配車車両を乗り換えることができ、配車車両の乗り換えをスムースに行なうことができる。
本実施形態に係る配車管理システム1によれば、配車計画部334は、他のユーザのために設定された配車計画から、乗り継ぎ候補地を経由地又は目的地として走行する配車車両を検出し、検出した配車車両を第1の候補車両とする。したがって、乗り継ぎ候補地を特定することにより、第1の候補車両を容易に特定することができるので、乗り継ぎ配車計画の設定処理にかかる負荷を低減することができる。
本実施形態に係る配車管理システム1によれば、配車計画部334は、第1の候補車両が乗り継ぎ候補地に到着する第1の候補地到着時刻と、第2の候補車両が乗り継ぎ候補地に到着する第2の候補地到着時刻と、第2の候補車両が希望降車地に到着する降車地到着候補時刻とを算出し、第1の候補地到着時刻、第2の候補地到着時刻及び降車地到着候補時刻と、ユーザ特性情報とに基づいて、乗り継ぎ候補地、第1の候補車両及び第2の候補車両から、乗り継ぎ乗降地、第1の配車車両及び第2の配車車両を決定する。したがって、第1の候補車両及び第2の候補車両の具体的な到着時刻に基づいて乗り継ぎ配車計画を設定することができるので、配車に関する予定時刻のずれが少なく、時間精度の高い乗り継ぎ配車計画を設定することができる。
本実施形態に係る配車管理システム1によれば、ユーザUsのユーザ端末2に乗り継ぎ配車計画に関する乗り継ぎ配車提示情報を送信し、第1の配車車両に第1の配車計画を送信し、第2の配車車両に第2の配車計画を送信する情報送信部335を備えている。したがって、ユーザUsに対し、乗り継ぎ配車計画を適切に提案することができる。また、第1の配車車両及び第2の配車車両に対し、必要な配車計画のみを送信するので、配車車両4に対する配車計画の指示処理がシンプルになり、処理負荷が低減する。
本実施形態に係る配車管理システム1によれば、混雑度推定部332は、混雑度の推定時の希望乗車地の利用状況、配車車両4の利用状況(配車台数又は予約数)、及び配車リクエスト数のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、あるいは、異なる条件下で予め収集した過去の混雑度データに基づいて、希望乗車地の混雑度を推定する。したがって、様々な状況、条件から混雑度を推定することができるので、混雑度の推定精度を高めることができる。