以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、生産システム、生産ライン、作業装置、検査装置、基板供給収容装置、管理装置、確認装置、無人搬送車などの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図2、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(図2(a)における左右方向)、基板搬送方向に直交するY方向(図2(a)における上下方向)が示される。図2(b)では、水平面と直交する高さ方向としてZ方向(図2(b)における上下方向)が示される。
まず図1を参照して、生産システム1の構成を説明する。生産システム1は、生産ラインLを通信ネットワーク2によって接続された管理装置3によって管理する構成となっている。生産ラインLは、基板搬送方向の上流(図1における左側)から順番に、第1基板供給収容装置M1、半田印刷装置M2、第1検査装置M3、第2基板供給収容装置M4、部品装着装置M5,M6、第2検査装置M7、第3基板供給収容装置M8、リフロー装置M9、第4基板供給収容装置M10を備えている。
生産ラインLを構成する各装置は、基板を搬送する基板搬送機構を有しており、基板を上流から下流の装置に搬送しながら基板に部品を実装した実装基板を生産するための作業を行う。第1基板供給収容装置M1は、複数のスロットを有するマガジンSのスロットから基板を取り出して下流の半田印刷装置M2に供給する基板供給作業を実行する。半田印刷装置M2は、上流から搬入された基板に印刷作業部に装着されたスクリーンマスクを介して半田を印刷する半田印刷作業を実行する。第1検査装置M3は、検査カメラにより基板に印刷された半田(検査対象物)の画像を取得し、半田の印刷状態の良否を判定する印刷検査作業を実行する。
図1において、第2基板供給収容装置M4は、半田の印刷状態が不良の基板をマガジンSに収容し、半田の印刷状態が良好の基板を下流の部品装着装置M5に搬送する。部品装着装置M5,M6は、装着作業部により半田が印刷された基板に部品を装着する部品装着作業を実行する。なお、生産ラインLは、部品装着装置M5,M6が2台の構成に限定されることなく、部品装着装置M5,M6が1台であっても3台以上であってもよい。第2検査装置M7は、検査カメラにより基板に装着された部品(検査対象物)の画像を取得し、部品の装着状態の良否を判定する装着検査作業を実行する。
第3基板供給収容装置M8は、部品の装着状態が不良の基板をマガジンSに収容し、部品の装着状態が良好の基板を下流のリフロー装置M9に搬送する。リフロー装置M9は、部品が装着された基板を加熱して半田を融解させた後に固化させるリフロー作業を実行する。第4基板供給収容装置M10は、上流のリフロー装置M9から搬出される基板を受け取って、マガジンSに収容する基板回収作業を実行する。
なお、生産ラインLは、リフロー装置M9と第4基板供給収容装置M10の間に、検査カメラにより基板に半田付けされた部品(検査対象物)の画像を取得し、部品の実装状態の良否を判定する検査装置と、部品の実装状態が不良の基板をマガジンSに収容し、良好の基板を下流に搬送する基板供給収容装置を備えてもよい。以下、特に区別する必要がない場合は、第1基板供給収容装置M1、第2基板供給収容装置M4、第3基板供給収容装置M8、第4基板供給収容装置M10を「基板供給収容装置Ms」と、半田印刷装置M2、部品装着装置M5,M6、リフロー装置M9を「作業装置Mw」と、第1検査装置M3、第2検査装置M7を「検査装置Mi」と称する。
図1において、生産システム1は、生産ラインLから離れて設けられたリペア作業エリアAに配置された確認装置4を備えている。確認装置4は通信ネットワーク2に接続されており、検査装置Miから検査対象物の画像や検査結果などを取得して表示する機能と、良否判定を受け付けて基板供給収容装置Msまたは管理装置3に搬出指令などを送信する機能を備えている。また、確認装置4は、作業者が行った不良基板に対するリペア作業の作業履歴を受け付ける機能と、作業装置Mwまたは管理装置3に作業履歴を送信する機能を備えている。
生産システム1は、マガジンSを生産ラインL、リペア作業エリアA、準備エリア(図示省略)の間で搬送する複数の無人搬送車Vを備えている。無人搬送車Vは、マガジンSを基板供給収容装置Msとの間で授受する。例えば、無人搬送車Vは、作業前の基板を収容するマガジンSを準備エリアから第1基板供給収容装置M1に搬送する。また、無人搬送車Vは、作業済みの実装基板を収容するマガジンSを第4基板供給収容装置M10から受け取って準備エリアに搬送する。
また、無人搬送車Vは、不良の基板を収容するマガジンSを第2基板供給収容装置M4または第3基板供給収容装置M8から受け取ってリペア作業エリアAに搬送する。また、無人搬送車Vは、リペア済みの基板を収容するマガジンSをリペア作業エリアAから第1基板供給収容装置M1、第2基板供給収容装置M4、または第3基板供給収容装置M8に搬送する。無人搬送車Vは管理装置3などから送信される指令に基づいて、フロアに設置されたテープを検出したり、レーザーレンジスキャナーやカメラなどにより自己位置を推定したりしながら自走し、マガジンSの搬送作業、授受作業などを実行する。
次に図2(a)、図2(b)を参照して、基板供給収容装置Msの構成について説明する。基板供給収容装置Msは、搬入機構10、搬送機構11、搬出機構12、昇降機構13、マガジン保持機構14、基板移載機構15、識別情報取得部16、供給記憶部20、供給制御部21を備えている。搬入機構10、搬送機構11、搬出機構12は、基板搬送方向(X方向)に並んで配置されており、基板搬送方向に直交する方向(Y方向)で対向する基板の端部を支えて基板を上流から下流に搬送する一対のコンベアをそれぞれ備えている。
上流に配置された搬入機構10は、上流の装置から基板を受け取って基板供給収容装置Msに搬入し、中央に配置された搬送機構11に受け渡す。搬送機構11は、搬入機構10から受け取った基板を搬送し、下流に配置された搬出機構12に受け渡す。搬出機構12は、搬送機構11から受け取った基板を搬送し、下流の装置に搬出する。
図2において、搬送機構11は、昇降機構13によって上下(Z方向)に昇降する(図4(a)の矢印b2、図5(c)の矢印b8)。搬送機構11が搬入機構10から基板を受け取り、または搬出機構12に基板を受け渡す際は、昇降機構13は、搬送機構11のコンベアの高さ位置が搬入機構10および搬出機構12のコンベアと一致する基板搬送高さ位置に位置させる(図3の状態)。このように、搬送機構11は昇降機構13で昇降し、上流から受け取った基板を下流に搬送する。
搬送機構11の下方には、マガジンSを着脱自在に保持するマガジン保持機構14が配置されている。マガジンSには、基板が収容されるスロットSLが上下方向(Z方向)に複数形成されている。マガジン保持機構14がマガジンSを保持した状態で昇降機構13が搬送機構11を昇降させると、搬送機構11に合わせてマガジン保持機構14に保持されているマガジンSも昇降する。このように、マガジン保持機構14は昇降機構13で昇降し、マガジンSを着脱可能に保持する。マガジン保持機構14がマガジンSを保持した状態で、マガジンSは搬送機構11の下に配置される。
図2において、マガジン保持機構14の下方には、基板供給収容装置Msの前面(図2(a)における下側)に開口したマガジン挿入口22が形成されている。マガジンSは、マガジン挿入口22からマガジン保持機構14に着脱される。基板移載機構15は、平面視した搬入機構10の一対のコンベアの間に配置されている。基板移載機構15は、基板の上流端部に当接する当接部17aを下流端に有してX方向に伸びるプッシャー17と、プッシャー17をX方向に出し入れするプッシャー移動機構18と、プッシャー移動機構18を上下方向に昇降させるプッシャー昇降機構19を備えて構成されている。
プッシャー昇降機構19は、搬入機構10が基板を搬入する際は、当接部17aが搬送される基板に干渉しない待機高さ位置に位置させる(図4(a)、図6(a)の状態)。また、プッシャー昇降機構19は、プッシャー17が基板を下流に移動させる際は、当接部17aが基板の上流端に当接する基板移載高さ位置に位置させる(図4(b)、図6(b)の状態)。
図2において、識別情報取得部16は、搬出機構12の上方に配置された、基板に付された識別マークを読み取るカメラを備えて構成されている。識別情報取得部16は、カメラが読み取った識別マークに基づいて、基板に対応付けられた識別情報を取得する。すなわち、識別情報取得部16は、基板に付けられた識別マークを読み取って、基板に対応付けられた識別情報を取得する。取得された識別情報は、通信ネットワーク2を介して作業装置Mw、検査装置Mi、他の基板供給収容装置Ms、管理装置3、確認装置4に送信される。
供給制御部21(制御部)は、供給記憶部20に記憶されている各種情報や管理装置3から送信される指令に基づいて、搬入機構10、搬送機構11、搬出機構12、昇降機構13、マガジン保持機構14、基板移載機構15(プッシャー移動機構18、プッシャー昇降機構19)、識別情報取得部16を制御する。
ここで図3を参照して、基板供給収容装置Msが基板を収容せずに下流に搬出する基板通過処理について説明する。基板通過処理は、昇降機構13が搬送機構11を基板搬送高さ位置に位置させた状態で実行される。図3(a)において、供給制御部21は、搬入機構10のコンベアを稼働させて上流の装置から基板Bを搬入させる(矢印a1)。図3(b)において、次いで供給制御部21は搬送機構11のコンベアを稼働させて、基板Bを搬入機構10から搬送機構11に受け渡させて、搬送機構11によって基板Bを下流に搬送させる(矢印a2)。図3(c)において、次いで供給制御部21は搬出機構12のコンベアを稼働させて、基板Bを搬送機構11から搬出機構12に受け渡させて、基板Bを下流の装置に搬出させる(矢印a3)。
次に図4、図5を参照して、基板供給収容装置Msが基板BをマガジンSに収容する基板収容処理について説明する。図4(a)において、まず、供給制御部21は、搬入機構10のコンベアを稼働させて上流の装置から基板Bを搬入させる(矢印b1)。また、供給制御部21は昇降機構13を稼働させて、搬入機構10から搬送される基板Bを空いているスロットSLに収容可能な基板収容高さ位置までマガジンSを上昇させる(矢印b2)。図4(b)において、搬入機構10によって搬送される基板Bの下流端が空いているスロットSLに進入し、上流端がプッシャー17に干渉しない位置まで移動する(矢印b3)。
次いで供給制御部21は基板移載機構15のプッシャー昇降機構19を稼働させて、プッシャー17の当接部17aが基板Bの上流端に当接可能な基板移載高さ位置となるように待機高さ位置に位置するプッシャー移動機構18を上昇させる(矢印b4)。図4(c)において、次いで供給制御部21は基板移載機構15のプッシャー移動機構18を稼働させて、プッシャー17を下流に移動させて当接部17aにより基板Bの上流端を押して基板BをスロットSL内の収容位置に移動させる(矢印b5)。
図5(a)において、次いで供給制御部21はプッシャー移動機構18を稼働させて、プッシャー17を上流に移動させて当接部17aをスロットSL内から退避させる(矢印b6)。図5(b)において、次いで供給制御部21はプッシャー昇降機構19を稼働させて、プッシャー移動機構18を待機高さ位置まで下降させる(矢印b7)。また、供給制御部21は昇降機構13を稼働させて、搬送機構11とマガジンSを基板搬送高さ位置まで下降させる(矢印b8)。
このように、供給制御部21(制御部)は、マガジンSが有する複数のスロットSLのうち空のスロットSLに上流から受け取った基板Bが収容されるように昇降機構13を制御する。すなわち、昇降機構13は、基板移載機構15に対するマガジンSの高さ位置を相対的に昇降させる。そして、基板移載機構15は、上流から受け取った基板BをマガジンSが有する複数のスロットSLのいずれかに移載する。
次に図6、図7を参照して、基板供給収容装置MsがマガジンSに収容された基板B1を下流の装置に搬出する基板搬出処理について説明する。図6(a)において、マガジンSの複数(ここでは3つ)のスロットSLには、基板B1を含む基板Bがそれぞれ収容されている。図6(b)において、まず、供給制御部21は昇降機構13を稼働させて、収容されている基板B1を下流に送り出す高さ位置までマガジンSを上昇させる(矢印c1)。また、供給制御部21は基板移載機構15のプッシャー昇降機構19を稼働させて、プッシャー17の当接部17aが基板B1の上流端に当接可能な基板移載高さ位置と同じ高さ位置となるようにプッシャー移動機構18を上昇させる(矢印c2)。
図6(c)において、次いで供給制御部21は基板移載機構15のプッシャー移動機構18を稼働させて、プッシャー17を下流に移動させて当接部17aによりスロットSL内の基板B1の上流端を押して、少なくとも下流端が搬出機構12に乗り移るまで基板B1を移動させる(矢印c3)。図7(a)において、次いで供給制御部21は搬出機構12のコンベアを稼働させて、スロットSLから押し出された基板B1を下流に搬送させる(矢印c4)。また、供給制御部21はプッシャー移動機構18を稼働させて、プッシャー17を上流に移動させて当接部17aをスロットSL内から退避させる(矢印c5)。
図7(b)において、搬出機構12に乗り移った基板B1は、下流の装置に搬出される(矢印c6)。また、供給制御部21はプッシャー昇降機構19を稼働させて、プッシャー移動機構18を待機高さ位置まで下降させる(矢印c7)。また、供給制御部21は昇降機構13を稼働させて、搬送機構11とマガジンSを基板搬送高さ位置まで下降させる(矢印c8)。
このように、供給制御部21(制御部)は、マガジンSが有する複数のスロットSLのうち搬出する基板B1が収容されたスロットSLから基板B1が送り出せるように昇降機構13を制御する。また、基板移載機構15は、スロットSLに収容された基板B1を、下流に押し出す基板出し機構である。
なお、上述の基板供給収容装置Msは基板移載機構15が基板出し機構を兼用しているが、基板供給収容装置Msは基板移載機構15の他に基板出し機構を備える構成であってもよい。例えば、基板出し機構は、平面視した搬出機構12の一対のコンベアの間に配置され、スロットSLから基板B1を引き出す構成であってもよい。マガジンSは、基板移載機構15が上流から受け取った基板B1をスロットSLに移載する方向と、基板出し機構がスロットSLに収容された基板B1を下流に出す方向が一致する位置に配置される。
次に図8〜図10を参照して、無人搬送車Vが搬送するマガジンSを基板供給収容装置Msに受け渡すマガジン受渡処理について説明する。図8(a)、図10において、無人搬送車Vは、搬送記憶部30、搬送制御部31、走行機構32、マガジン載置機構33、搬送無線通信部34を備えている。搬送無線通信部34は、無線通信装置であり、管理装置3との間で各種情報や指令を送受信する。
搬送制御部31は、記憶装置である搬送記憶部30に記憶されている各種情報や管理装置3から送信される指令に基づいて、走行機構32、マガジン載置機構33を制御する。走行機構32は、車輪を駆動するモータを備えており、無人搬送車Vを走行させて、所定の位置に停止させる。マガジン載置機構33は、無人搬送車Vの上部に配置されており、載置されたマガジンSを保持し、または開放する機能を有している。
図8、図9は、無人搬送車Vが搬送するスロットSLに基板Bを収容していない空のマガジンSを、基板供給収容装置Msに受け渡す工程を示している。図8、図9に示す基板供給収容装置Msは、図2(b)におけるA−A位置から見た構成を示している。図8(a)において、無人搬送車Vに載置された空のマガジンSは、マガジン載置機構33により保持されている。搬送制御部31は走行機構32を制御して、無人搬送車Vを基板供給収容装置Msの前面から接近させ(矢印d1)、マガジン挿入口22に進入させてマガジン保持機構14の下方のマガジン授受位置に停止させる(図8(b)の矢印d2)。
図8(c)において、マガジンSを保持した無人搬送車Vがマガジン授受位置に停止すると、供給制御部21は昇降機構13を稼働させてマガジン保持機構14を基板搬送高さ位置から下降させ(矢印d3)、マガジン保持機構14を稼働させて無人搬送車Vが保持しているマガジンSの上部を保持させる。マガジン保持機構14がマガジンSを保持すると、搬送制御部31はマガジン載置機構33を稼働させて保持していたマガジンSを開放させる。
図9(a)において、無人搬送車VがマガジンSを開放すると、供給制御部21は昇降機構13を稼働させて、マガジン保持機構14を基板搬送高さ位置まで上昇させる(矢印d4)。これにより、マガジンSが無人搬送車Vから基板供給収容装置Msに受け渡される。図9(b)において、マガジンSを受け渡したすと、搬送制御部31は走行機構32を制御して、無人搬送車Vをマガジン挿入口22から基板供給収容装置Msの外に移動させる(矢印d5)。
図8、図9は、無人搬送車Vから基板供給収容装置MsにマガジンSを受け渡すマガジン受渡処理を示しているが、無人搬送車Vが基板供給収容装置MsからマガジンSを受け取るマガジン受取処理は、上述のマガジン受渡処理とは逆の手順で行われる。すなわち、マガジンSを保持していない無人搬送車Vが基板供給収容装置Ms内のマガジン授受位置まで移動し、昇降機構13がマガジンSを保持するマガジン保持機構14を下降させて無人搬送車Vのマガジン載置機構33に載置させる。
次いでマガジン載置機構33がマガジンSを保持し、マガジン保持機構14がマガジンSを開放すると、昇降機構13がマガジン保持機構14を基板搬送高さ位置まで上昇させ、マガジンSを受け取った無人搬送車Vは基板供給収容装置Msの外に移動する。このように、マガジンSは無人搬送車Vで搬送され、基板供給収容装置Msと無人搬送車Vとの間でマガジンSが授受される。基板供給収容装置Msの昇降機構13とマガジン保持機構14は、無人搬送車Vとの間でマガジンSを授受するマガジン移載機構を構成する。
図10において、マガジン受渡処理およびマガジン受取処理における無人搬送車Vの搬送制御部31と基板供給収容装置Msの供給制御部21が連動する処理のタイミングの調整は、管理装置3を介して行われる。すなわち、無人搬送車Vと管理装置3の間は、無人搬送車Vの搬送無線通信部34と管理装置3が備える管理無線通信部67により無線で情報が送受信される。
また、管理装置3と基板供給収容装置Msの間は、管理装置3が備える管理通信部68と基板供給収容装置Msの供給通信部26により通信ネットワーク2を介して情報が送受信される。なお、基板供給収容装置Msが無線通信手段を備え、管理装置3を介さずに無人搬送車Vとの間で直接情報の送受信を行い、マガジン受渡処理およびマガジン受取処理におけるタイミングの調整を行うようにしてもよい。
上記説明したように、本実施の形態の基板供給収容装置Msは、昇降機構13と、昇降機構13を制御する制御部(供給制御部21)と、上流から受け取った基板Bを下流に搬送し、昇降機構13で昇降する搬送機構11と、複数のスロットSLを有するマガジンSと、上流から受け取った基板Bを、複数のスロットSLのいずれかに移載する基板移載機構15と、スロットSLに収容された基板Bを、下流に送り出す基板出し機構(基板移載機構15)と、を備えている。そして、昇降機構13は、基板移載機構15と基板出し機構に対するマガジンSの位置を相対的に昇降させる。これにより、基板供給収容装置Ms(収容装置)は、複数の基板Bを一時的に収容可能であり、かつ、上流から受け取った基板BをマガジンSに収容せずに下流に搬出する基板通過処理が可能である。
なお、基板供給収容装置Msである第1基板供給収容装置M1、第2基板供給収容装置M4、第3基板供給収容装置M8、第4基板供給収容装置M10は、上述した全ての機構を備えている必要はない。例えば、生産ラインLの先頭に設けられた基板投入装置である第1基板供給収容装置M1は、搬入機構10、搬送機構11、基板移載機構15を備えていなくてもよい。すなわち、複数の基板Bを投入可能な第1基板供給収容装置M1(投入装置)は、昇降機構13と、昇降機構13を制御する制御部(供給制御部21)と、複数のスロットSLを有するマガジンSと、スロットSLに収容された基板Bを下流に送り出す基板出し機構(基板移載機構15)と、を備え、昇降機構13が基板出し機構に対するマガジンSの高さ位置を相対的に昇降させる構成であればよい。
また、生産ラインLの後尾に設けられた基板回収装置である第4基板供給収容装置M10は、基板出し機構、搬送機構11、搬出機構12を備えていなくてもよい。すなわち、複数の基板Bを回収可能な第4基板供給収容装置M10(回収装置)は、昇降機構13と、昇降機構13を制御する制御部(供給制御部21)と、複数のスロットSLを有するマガジンSと、上流から受け取った基板BをスロットSLに移載する基板移載機構15と、を備え、昇降機構13が基板移載機構15に対するマガジンSの高さ位置を相対的に昇降させる構成であればよい。
また、生産ラインLの中間に設けられた収容装置である第2基板供給収容装置M4と第3基板供給収容装置M8は、マガジンSに収容した基板Bを下流に再投入する機能が不要な場合は、基板出し機構を備えていなくてもよい。すなわち、複数の基板Bを収容可能な収容装置は、昇降機構13と、昇降機構13を制御する制御部(供給制御部21)と、上流から受け取った基板Bを下流に搬送し、昇降機構13で昇降する搬送機構11と、複数のスロットSLを有するマガジンSと、上流から受け取った基板BをスロットSLに移載する基板移載機構15と、を備え、昇降機構13が基板移載機構15に対するマガジンSの高さ位置を相対的に昇降させる構成であればよい。
また、生産ラインLの中間に設けられた収容装置である第2基板供給収容装置M4と第3基板供給収容装置M8は、上流から受け取った基板BをマガジンSに収容せずに下流に搬出する基板通過処理の機能が不要な場合は、搬送機構11を備えていなくてもよい。すなわち、基板を一時的に収容可能な収容装置は、昇降機構13と、昇降機構13を制御する制御部(供給制御部21)と、複数のスロットSLを有するマガジンSと、上流から受け取った基板BをスロットSLに移載する基板移載機構15と、スロットSLに収容された基板Bを下流に送り出す基板出し機構(基板移載機構15)と、を備え、昇降機構13が基板移載機構15と基板出し機構に対するマガジンSの高さ位置を相対的に昇降させる構成であればよい。
次に図10を参照して、生産システム1の制御系の構成について説明する。生産システム1は、生産ラインL、無人搬送車V、管理装置3、確認装置4を備えて構成されている。生産ラインLは、基板供給収容装置Ms(第1基板供給収容装置M1、第2基板供給収容装置M4、第3基板供給収容装置M8、第4基板供給収容装置M10)、作業装置Mw(半田印刷装置M2、部品装着装置M5,M6)、検査装置Mi(第1検査装置M3、第2検査装置M7)を備えている。
図10において、各装置(基板供給収容装置Ms、作業装置Mw、検査装置Mi、管理装置3、確認装置4)は、それぞれ通信装置(供給通信部26、作業通信部47、検査通信部59、管理通信部68、確認通信部75)を備えており、通信ネットワーク2を介して他の装置との間でデータの送受信を行う。また、各装置はそれぞれ操作コマンドやデータ入力時などに用いられるキーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置(供給受付部25、作業受付部46、検査受付部58、管理受付部66、確認受付部74)を備えている。
また、各装置は記憶装置(供給記憶部20、作業記憶部40、検査記憶部50、管理記憶部60、確認記憶部70)が記憶する各種データや、入力装置による操作のための画面などの各種情報を表示する液晶パネルなどの表示装置(供給表示部24、作業表示部45、検査表示部57、管理表示部65、確認表示部73)を備えている。
図10において、基板供給収容装置Msは、搬入機構10、搬送機構11、搬出機構12、昇降機構13、マガジン保持機構14、基板移載機構15、識別情報取得部16、供給記憶部20、供給制御部21、供給受信部23、供給表示部24、供給受付部25、供給通信部26を備えている。作業装置Mwは、作業記憶部40、作業制御部41、作業搬送機構42、作業部43、作業確認部44、作業表示部45、作業受付部46、作業通信部47を備えている。
作業制御部41(制御部)は、作業記憶部40に記憶されている各種情報や管理装置3から送信される指令に基づいて、作業搬送機構42を制御して基板Bを作業部43に搬送させ、作業部43を制御して生産作業を実行させる。半田印刷装置M2の作業制御部41は、印刷作業部(作業部43)を制御して、基板Bに対して半田印刷作業を実行させる。部品装着装置M5,M6の作業制御部41は、装着作業部(作業部43)を制御して、半田が印刷された基板Bに対して部品装着作業を実行させる。
図10において、検査装置Miは、検査記憶部50、検査制御部51、検査搬送機構52、検査カメラ53、画像取得部54、良否判定部55、検査送信部56、検査表示部57、検査受付部58、検査通信部59を備えている。検査制御部51(制御部)は、検査記憶部50に記憶されている各種情報や管理装置3から送信される指令に基づいて、検査搬送機構52を制御して基板Bを搬送させ、検査カメラ53を制御して検査対象物を撮像させる。
第1検査装置M3の検査カメラ53は検査対象物である基板Bに印刷された半田を撮像する。第2検査装置M7の検査カメラ53は検査対象物である基板Bに装着された部品を撮像する。画像取得部54は、検査対象物の画像を取得する。良否判定部55は、検査対象物の画像に基づき、検査対象物の良否判定を実行する。このように、検査装置Miは、基板Bを含む検査対象物を検査し、検査対象物の良否判定を行う。検査送信部56は、検査対象物の画像と検査対象物の良否判定の結果を含む検査結果を検査対象の基板Bの識別情報に関連付けて管理装置3、確認装置4、基板供給収容装置Msに送信する。
図10において、管理装置3は、管理記憶部60、管理取得部61、作業指令作成部62、管理送信部63、管理確認部64、管理表示部65、管理受付部66、管理無線通信部67、管理通信部68を備えている。確認装置4は、確認記憶部70、確認取得部71、確認送信部72、確認表示部73、確認受付部74、確認通信部75を備えている。
次に図10を参照して、基板供給収容装置Ms(収容装置)が不良基板を収容する不良基板の収容処理について説明する。基板供給収容装置Msの供給受信部23(取得部)は、上流の検査装置Miによる検査結果を取得する。例えば、第2基板供給収容装置M4の供給受信部23は、上流の第1検査装置M3から半田印刷装置M2が基板Bに印刷した半田の印刷状態の良否判定を含む検査結果を取得する。また、第3基板供給収容装置M8の供給受信部23は、上流の第2検査装置M7から部品装着装置M5,M6が基板Bに装着した部品の装着状態の良否判定を含む検査結果を取得する。
良否判定が良好である場合、供給制御部21は昇降機構13を制御して搬送機構11を基板搬送高さ位置に位置させ、搬送機構11を制御して良好な基板BをマガジンSに収容せずに下流に搬送させる基板通過処理を実行させる(図3参照)。すなわち、検査装置Miによる良否判定が良好である場合、供給制御部21(制御部)は、検査装置Miから搬送される基板Bが搬送機構11により基板供給収容装置Ms(収容装置)の下流に搬送されるように昇降機構13を制御する。
良否判定が不良である場合、供給制御部21は昇降機構13を制御してマガジンSを基板収容高さ位置に位置させ、搬入機構10と基板移載機構15を制御して不良な基板Bを空いているスロットSLに収容させる基板収容処理を実行させる(図4、図5参照)。すなわち、検査装置Miによる良否判定が不良である場合、供給制御部21(制御部)は、複数のスロットSLのうち空のスロットSLに検査装置Miから搬出される基板Bが収容されるように昇降機構13を制御する。このように、供給制御部21(制御部)は、取得された検査結果に基づいて、昇降機構13を制御する。
図10において、上述の形態は基板供給収容装置Msの供給制御部21が検査装置Miの良否判定に基づいて基板通過処理または基板収容処理のいずれを実行するかを判断しているが、この判断を管理装置3が実行する形態でもよい。すなわち、管理装置3の管理取得部61(取得部)が検査装置Miによる検査結果を取得し、作業指令作成部62が取得された検査結果に基づいて、基板供給収容装置Ms(収容装置)での作業を規定する作業指令を作成する。具体的には、作業指令作成部62は、検査結果に含まれる良否判定の結果が良好の場合は基板通過処理を実行する旨の通過指令を作成し、不良の場合は基板収容処理を実行する旨の収容指令を作成する。
次いで管理送信部63(送信部)は、検査結果を取得した検査装置Miの下流に配置された基板供給収容装置Msに作成された作業指令を送信する。具体的には、管理送信部63は、検査装置Miが第1検査装置M3の場合は第2基板供給収容装置M4に、第2検査装置M7の場合は第3基板供給収容装置M8に作業指令を送信する。基板供給収容装置Msの供給制御部21(制御部)は、供給受信部23(受信部)が受信した作業指令(通過指令、収容指令)に基づいて、搬入機構10、搬送機構11、搬出機構12、昇降機構13、基板移載機構15を制御して、基板通過処理または基板収容処理を実行させる。
このように、基板Bに対して作業を行う作業装置Mwおよび基板Bを含む検査対象物を検査する検査装置Miを含む生産システム1は、検査装置Miの下流に設けられた複数の基板Bを収容可能でかつ昇降可能な基板供給収容装置Ms(収容装置)を備えている。これによって、不良の基板Bを選択的に収容可能な生産ラインLを柔軟に構築することができる。不良の基板Bが収容されたマガジンSは、無人搬送車Vによって基板供給収容装置Msから回収される。回収されたマガジンSは、無人搬送車Vによってリペア作業エリアAに搬送される。また、空のマガジンSが、無人搬送車Vによって基板供給収容装置Msに搬送される(図8、図9参照)。
次に図10を参照して、生産ラインLから離れて配置された確認装置4を作業者が使用して検査装置Miによる検査結果を確認する検査結果の確認処理について説明する。確認装置4の確認取得部71(取得部)は、検査装置Miから検査対象物の画像と良否判定の結果を含む検査結果を取得する。検査装置Miにより不良と判定された基板Bを基板供給収容装置Ms(収容装置)がマガジンSに収容する上述の不良基板の収容処理が実行されると、確認取得部71は基板供給収容装置Msに収容された基板Bに係る記検査結果を取得する。すなわち、確認取得部71は、検査装置Miによって不良と判定された基板Bに係る検査結果のみを取得する。
確認表示部73(表示部)は、取得された検査結果を表示する。すなわち、確認表示部73には、基板Bの識別情報、良否判定の結果、不良の内容(半田のかすれ、半田の染み出し、部品の位置ずれ、部品無しなど)、不良箇所の画像(検査対象物の画像)などが表示される。作業者は、確認表示部73に表示された検査結果を見て良否判断を行う。確認受付部74(受付部)は、作業者による良否判断、すなわち確認表示部73(表示部)に表示された検査結果の目視による良否判定を受け付ける。
図10において、目視判定により基板Bが良好である旨を確認受付部74が受け付けると、確認送信部72は、その基板Bを収容している基板供給収容装置Msにその基板Bを下流へと搬出する旨の搬出指令を送信する。すなわち、確認送信部72(送信部)は、確認受付部74(受付部)が良否判定が良好である旨を受け付けた基板Bを基板供給収容装置Ms(収容装置)の下流へと搬出する指令(搬出指令)を送信する。
基板供給収容装置Msの供給制御部21(制御部)は、供給受信部23(受信部)が受信した搬出指令に基づいて、搬出機構12、昇降機構13、基板出し機構(基板移載機構15)を制御して、該当する基板BをマガジンSから下流の装置に搬出する搬出処理を実行させる(図6、図7参照)。搬出された基板Bには、下流の装置により作業が再開される。
図10において、管理装置3の管理取得部61は検査装置Miから検査結果を取得して、検査結果を管理記憶部60に記憶させる。記憶された検査結果は、実装基板の品質管理(トレーサビリティ)や、不良基板のリペア作業の参照情報として使用される。
確認装置4の確認送信部72は、搬出指令を管理装置3にも送信する。管理装置3の管理取得部61(取得部)は、搬出命令を取得すると、管理記憶部60に記憶されている該当する基板Bの検査結果に目視により良好と判定された旨の情報を追加させる。すなわち、検査装置Miの自動判定で不良と判定された基板Bの検査結果に、生産ラインLから離れた場所で作業する作業者の目視判定で良品と判定された旨が記憶される。
このように、管理装置3は、検査装置Miから取得した検査結果を記憶する管理記憶部60(記憶部)を含み、確認装置4の確認受付部74(受付部)が良否判定が良好である旨を受け付けると、管理装置3は管理記憶部60に記憶された当該基板Bに係る検査結果を更新する。これにより、品質管理やリペア作業に使用される情報が正しく更新される。
このように、基板Bに対して作業を行う作業装置Mwおよび基板Bを含む検査対象物を検査する検査装置Miを含む生産システムは、検査装置Miの下流側に設けられた複数の基板Bを一時的に収容可能な基板供給収容装置Ms(収容装置)と、少なくとも基板供給収容装置Msを管理する管理装置3と、検査装置Miによる検査結果を確認するための確認装置4とを備えている。
そして、確認装置4は、少なくとも基板供給収容装置Msに収容された基板Bに係る検査結果を取得する確認取得部71(取得部)と、取得した検査結果を表示する確認表示部73(表示部)と、確認表示部73に表示された検査結果の目視による良否判定を受け付ける確認受付部74(受付部)と、確認受付部74が良否判定が良好である旨を受け付けた基板Bを基板供給収容装置Msの下流へと搬出する指令を送信する確認送信部72と、を含んでいる。これによって、生産ラインLから離れた場所から作業者が目視判定を行い、良品であった基板Bの作業を容易に再開することができる。
次に図10を参照して、不良として生産ラインLから抜き取られてリペア作業が行われた基板Bを生産ラインLに再投入する再投入処理と、リペア作業された基板Bに対する生産作業処理について説明する。検査装置Miによって不良と判定された基板Bは基板供給収容装置Ms(収容装置)によってマガジンSに収容されて生産ラインLから抜き取られ、無人搬送車Vによってリペア作業エリアAに搬送される。
リペア作業エリアAにおいて、作業者は不良の基板Bに対して半田の除去、部品の位置ずれ修正、不良部品の除去などのリペア作業を実行し、リペア作業エリアAに設置されている確認装置4にリペア作業の内容などを入力する。このように、確認装置4の確認記憶部70(記憶部)には、生産ラインLから抜き取られた基板Bに対して行われたリペア作業の履歴に関するリペア作業履歴情報を含む作業履歴情報が基板Bの識別情報と関連付けて記憶される。また、確認装置4の確認送信部72(送信部)は、作業履歴情報を管理装置3、基板供給収容装置Ms、作業装置Mw、検査装置Miに送信する。
図10において、リペア作業後に生産ラインLに再投入される基板BはマガジンSに収容され、無人搬送車Vによって生産ラインLに搬送される。無人搬送車Vが搬送するマガジンSは、再投入される基板Bに対して生産作業を実行する作業装置Mwまたは検査装置Miよりも上流に配置された基板供給収容装置Ms(投入装置)に受け渡される。このように、無人搬送車Vは、基板供給収容装置Ms(収容装置)が抜き取った基板Bが収容されたマガジンSを受け取り、または再投入する基板Bが収容されたマガジンSを基板供給収容装置Ms(投入装置)に受け渡す。
基板供給収容装置Ms(投入装置)は、マガジンSに収容されていたリペア作業済みの基板Bを生産ラインLに再投入する。なお、再投入する基板供給収容装置Msの位置は作業装置Mwより上流であればよく、生産ラインLの先頭に設けられた基板投入装置である第1基板供給収容装置M1であってもよい。再投入の際、基板供給収容装置Msの識別情報取得部16は基板に付けられた識別マークを読み取って、基板に対応付けられた識別情報を取得する。取得された識別情報は、管理装置3、下流の作業装置Mw、検査装置Miに送信される。
図10において、再投入された基板Bを受け取った作業装置Mwの作業確認部44(確認部)は、識別情報取得部16によって取得された識別情報と、確認装置4から送信された識別情報に関連付けられた基板Bの作業履歴に関する作業履歴情報とに基づいて、その基板Bが作業済みであるかを確認する。その作業装置Mwで必要な作業されていない基板Bの場合、作業制御部41(制御部)は作業部43を制御して、必要な作業を実行させる。作業済みの基板Bの場合、作業装置Mwの作業制御部41(制御部)は作業搬送機構42を制御して、その基板Bを下流へと搬送させる。すなわち、作業装置Mwは、作業確認部44によって作業済みと確認された基板Bに対して作業を行わずに下流へと搬送する。
図10において、上述の形態は、作業装置Mwの作業確認部44が再投入された基板Bに対する作業の要否を確認しているが、この確認を管理装置3が実行する形態でもよい。すなわち、管理装置3の管理確認部64(確認部)が識別情報と作業履歴情報とに基づいて、生産ラインLに再投入されて作業装置Mwに搬入された基板Bが作業済みであるかを確認する。
作業指令作成部62は、作業がされていない場合は必要な作業をする旨の作業指令を作成し、作業済みの場合は作業を行わずに下流へと搬送する旨の通過指令を作成し、管理送信部63が作成された指令を作業装置Mwに送信する。すなわち、管理装置3は、管理確認部64によって作業済みと確認された基板Bに対して作業を行った作業装置Mwに対しては、当該基板には作業を行わずに下流へと搬送する指令(通過指令)を送信する。
このように、基板Bに対して作業を行う少なくとも1つの作業装置Mwを含む生産システム1は、作業装置Mwを含む生産ラインLから基板Bを抜き取る収容装置(基板供給収容装置Ms)と、抜き取られた基板Bを生産ラインLに再投入する投入装置(基板供給収容装置Ms)と、基板Bに付けられた識別マークを読み取って、基板に対応付けられた識別情報を取得する識別情報取得部16と、識別情報取得部16によって取得された識別情報と、識別情報に関連付けられた基板Bの作業履歴に関する作業履歴情報とに基づいて、基板Bが作業済みであるかを確認する確認部(作業確認部44、管理確認部64)と、を備えている。
そして、作業装置Mwは、確認部(作業確認部44、管理確認部64)によって作業済みと確認された基板Bに対しては作業を行わずに下流へと搬送する。これによって、再投入されたリペア作業後の基板Bの作業を再開可能な生産ラインLを柔軟に構成することができる。
次に図11のフローに沿って、生産システム1が備える基板供給収容装置Msによる不良基板の収容方法について説明する。まず、基板供給収容装置Msの供給受信部23(受信部)は、上流の検査装置Miから搬入された基板Bの検査結果を取得する(ST1)。次いで供給制御部21は、基板Bの検査結果が不良である場合(ST2においてNo)、マガジンSの空きスロットSLに基板Bを収容する基板収容処理を実行させる(ST3)(図4、図5参照)。
また、供給制御部21は、基板Bの検査結果が良好である場合(ST2においてYes)、基板Bを下流に搬送する基板通過処理を実行させる(ST4)(図3参照)。これによって、不良の基板BのみがマガジンSに収容される。基板収容処理(ST3)、または基板通過処理(ST4)が終了すると、(ST1)に戻って次に搬入された基板Bの検査結果が取得される。
次に図12のフローに沿って、生産システム1が備える確認装置4による検査結果の確認方法を説明する。まず、確認装置4の確認取得部71(取得部)は、検査装置Miから検査対象物の画像と良否判定の結果を含む検査結果を取得する(ST11)。検査結果が良好の場合(ST12においてYes)、対象の基板Bは基板供給収容装置Msに収容されずに下流の装置に搬出済みのため何も行わずに(ST11)に戻る。検査結果が不良の場合(ST12においてNo)、確認表示部73(表示部)が検査結果を表示する(ST13)。
作業者が検査結果を目視で確認し、確認受付部74(受付部)が目視結果は不良との旨を受け付けた場合(ST14においてNo)、対象の基板Bは基板供給収容装置Msが収容済みのため何も行わずに(ST11)に戻る。確認受付部74(受付部)が目視結果は良好との旨を受け付けた場合(ST14においてYes)、確認送信部72(送信部)が対象の基板Bを一時的に収容している基板供給収容装置Msに搬出指令を送信して(ST15)、(ST11)に戻る。
なお、基板供給収容装置Msの搬入機構10において対象の基板Bが指令を待機している場合、検査結果が良好の時は(ST12においてYes)基板通過処理を実行する旨の通過指令が送信され、目視結果が不良の時は(ST14においてNo)基板収容処理を実行する旨の収容指令が送信される。
次に図13のフローに沿って、生産システム1が備える基板供給収容装置Msに一時的に収容された基板Bを下流へと搬出する良好基板の搬出方法について説明する。上述の検査結果の確認方法によって確認装置4から送信された搬出指令(ST15)を基板供給収容装置Msの供給受信部23(受信部)が受信すると(ST21においてYes)、供給制御部21は一時的に収容していた該当する基板Bを下流へと搬出する基板搬出処理を実行させる(ST22)(図6、図7参照)。これにより、検査装置Miでの自動判定は不良であったが目視判定は良品である基板の作業が再開される。
次に図14のフローに沿って、生産ラインLから不良として抜き取られた基板Bにリペア作業が行われた後に生産ラインLに再投入された、リペア作業後の再投入基板に対する作業装置Mwにおける生産作業の方法について説明する。ここでは、作業装置Mwである部品装着装置M5,M6による再投入基板に対する部品装着方法を例に説明する。再投入基板が部品装着装置M5,M6に搬入されると(ST31)、識別情報取得部16から再投入基板の識別情報が取得され(ST32)、確認装置4から再投入基板の作業履歴情報が取得される(ST33)。
次いで作業確認部44は、識別情報と作業履歴情報に基づいて対象の再投入基板が部品装着装置M5,M6による作業が済んでいるか否かを判断する(ST34)。作業済みではない場合(ST34においてNo)、装着作業部(作業部43)により再投入基板に対して必要な部品装着作業が実行され(ST35)、その後、下流の装置に搬出される(ST36)。作業済みの場合(ST34においてYes)、部品装着作業を実行することなく再投入基板は下流の装置に搬出される(ST36)。再投入基板を搬出すると(ST36)、(ST31)に戻って次に搬入された再投入基板に対する処理が実行される。これによって、再投入されたリペア作業後の基板Bに応じた適切な生産作業が実行される。
次に図15、図16を参照して、生産ラインLに配置される基板収容装置Mtの構成について説明する。図16(b)に示す基板収容装置Mtは、図16(a)におけるB−B位置から見た構成を示している。図1に示す生産ラインLは、第2基板供給収容装置M4、第3基板供給収容装置M8、第4基板供給収容装置M10の少なくともいずれかを基板収容装置Mtに置き換えて構成してもよい。
基板収容装置Mtは、搬入機構80、搬送機構81、搬出機構82、回転機構84、昇降機構86、基板移載機構87、識別情報取得部90、マガジン移載機構92、収容記憶部93、収容制御部94、収容受信部95、収容通信部96を備えている。また、基板収容装置Mtは、基板供給収容装置Msの供給表示部24と同様の収容表示部(図示省略)、供給受付部25と同様の収容受付部(図示省略)を備えている。
基板収容装置Mtが備える搬入機構80、搬出機構82、識別情報取得部90、収容記憶部93、収容受信部95、収容通信部96は、基板供給収容装置Msが備える搬入機構10、搬出機構12、識別情報取得部16、供給記憶部20、供給受信部23、供給通信部26と同様であり、詳細な説明を省略する。
図15、図16において、基板収容装置Mtの搬送機構81は、搬送機構保持部材83の上部に配置されている。搬送機構保持部材83は、昇降部材85の上部に配置された回転機構84によってZ軸を回転軸として水平面内で回転する。回転機構84は、収容制御部94によって制御されている。回転機構84を稼働させることで、搬送機構81は一対のコンベアが搬入機構80および搬出機構82と同じ方向を向く搬送方向(X方向)(図17(a))と、搬送方向に直交する収容方向(Y方向)(図17(b))の間で回転する。
昇降機構86は、収容制御部94によって制御されている。昇降機構86を稼働させることで、搬送機構81と回転機構84は昇降部材85と一体となって上下(Z方向)に昇降する(図18(b)の矢印e2)。搬送機構81が搬入機構80から基板を受け取り、または搬出機構82に基板を受け渡す際は、昇降機構86は、搬送機構81のコンベアの高さ位置が搬入機構80および搬出機構82のコンベアと一致する基板搬送高さ位置に位置させる(図15、図16の状態)。
図15、図16において、基板収容装置Mtの前面には、上部にマガジン移載機構92を有するマガジン載置部91が配置されている。基板移載機構87は、昇降部材85の上部であって、搬送機構81を挟んでマガジン移載機構92に対向する位置に配置されている。基板移載機構87は、基板の上流端部に当接する当接部88aを端部に有して収容方向(Y方向)に伸びるプッシャー88と、プッシャー88を収容方向に出し入れするプッシャー移動機構89を備えて構成されている。プッシャー移動機構89は、昇降部材85の上部に配置されている。マガジン移載機構92には、複数のスロットSLを有するマガジンSが、スロットSLの方向が収容方向となる向きで載置されている。
プッシャー88の当接部88aの高さ位置は、収容方向を向いた搬送機構81が載置する基板Bの上流端部に当接し、マガジン移載機構92に載置されたマガジンSの空いたスロットSLに基板Bを移動させることができる高さ位置に設定されている(図19(b)参照)。昇降機構86を稼働させることで、基板移載機構87は当接部88aと搬送機構81に載置された基板Bとの相対的な高さ位置の関係が不変の状態で上下(Z方向)に昇降する(図18参照)。すなわち、昇降機構86は、基板移載機構87に対するマガジン載置部91のマガジン移載機構92に載置されたマガジンSの位置を相対的に昇降させる。
マガジン移載機構92はマガジンSを収容方向(Y方向)に移動させるローラやコンベアなどを備えており、収容制御部94によって制御されている。マガジン移載機構92を稼働させることで、マガジンSは収容方向に移動する(図20(b)の矢印f2)。
次に図17〜図19を参照して、基板収容装置Mtが基板BをマガジンSに収容する基板収容処理について説明する。図17(a)において、収容制御部94は、搬送機構81を基板搬送高さ位置に位置させ、搬入機構80と搬送機構81のコンベアを稼働させて上流の装置から搬入した基板Bを搬送機構81まで搬送させる(矢印e1、図18(a))。図18(b)において、次いで収容制御部94は昇降機構86を稼働させて、昇降部材85を上昇させて搬送機構81を基板移載高さ位置まで上昇させる(矢印e2)。
図17(b)において、次いで収容制御部94は回転機構84を稼働させて、基板Bを載置している搬送機構81を収容方向に回転させる(矢印e3、図19(a))。図19(b)において、次いで収容制御部94はプッシャー移動機構89を稼働させて、プッシャー88をマガジンSの方向に移動させて当接部88aにより基板Bの上流端を押して基板BをスロットSL内の収容位置に移動させる(矢印e4)。
このように、基板収容装置Mtは、昇降機構86と、昇降機構86を制御する収容制御部94(制御部)と、上流から受け取った基板Bを下流に搬送し、昇降機構86で昇降する搬送機構81と、複数のスロットSLを有するマガジンSと、上流から受け取った基板Bを、マガジンSの複数のスロットSLのいずれかに移載する基板移載機構87とを備え、複数の基板Bを収容可能な収容装置である。収容制御部94は、マガジンSが有する複数のスロットSLのうち空のスロットSLに上流から受け取った基板Bが収容されるように昇降機構86を制御する。そして、基板移載機構87は、上流から受け取った基板BをマガジンSが有する複数のスロットSLのいずれかに移載する。
なお、上記の基板収容装置Mtは、昇降部材85の上部に配置された搬送機構81と基板移載機構87を昇降機構86で上下に昇降させてマガジンSの空いたスロットSLに基板Bを収容させているが、この構成に限定されることはない。例えば基板収容装置Mtは、マガジン載置部91が載置されたマガジンSを上下に昇降させて、高さ位置が固定された搬送機構81と基板移載機構87によって空いたスロットSLに基板Bを収容するようにしてもよい。
図1に示す作業装置Mw(半田印刷装置M2、部品装着装置M5,M6)および検査装置Mi(第1検査装置M3、第2検査装置M7)を含む生産システム1は、検査装置Miの下流に設けられた複数の基板Bを収容可能で昇降可能な収容装置として、基板収容装置Mtを使用することができる。基板収容装置Mtの収容受信部95(取得部)は検査装置Miによる検査結果を取得し、収容制御部94(制御部)は検査結果に基づいて、不良の基板Bを空のスロットSLに収容するように昇降機構86、回転機構84、基板移載機構87を制御する。これによって、不良の基板Bを選択的に収容可能な生産ラインLを柔軟に構築することができる。
次に図20を参照して、無人搬送車Vtが基板収容装置Mt(収容装置)からマガジンSを受け取るマガジン受取処理について説明する。基板収容装置Mtとの間でマガジンSを授受する無人搬送車Vtは上部にマガジン移動機構100を備えているところが、上部にマガジン載置機構33を備えて基板供給収容装置Msとの間でマガジンSを授受する無人搬送車Vとは異なる。その他に無人搬送車Vtが備える搬送記憶部、搬送制御部、走行機構、搬送無線通信部は、無人搬送車Vと同様であり、詳細な説明は省略する。
図20(a)において、基板収容装置Mtのマガジン載置部91に載置されているマガジンSの全てのスロットSLに基板Bが収容されると、マガジンSを載置していない空の無人搬送車Vtが基板収容装置Mtの前面から接近し、マガジン載置部91の前面まで移動する(矢印f1)。図20(b)において、次いで収容制御部94はマガジン移載機構92を稼働させ、搬送制御部はマガジン移動機構100を稼働させて、マガジン載置部91に載置されていたマガジンSを無人搬送車Vtに移動させる(矢印f2)。マガジンSが無人搬送車Vtに移動すると、無人搬送車Vtは指定された位置まで基板Bが収容されたマガジンSを搬送する(矢印f3)。
無人搬送車Vtから基板収容装置MtにマガジンSを受け渡すマガジン受渡処理は、上述のマガジン受取処理とは逆の手順で行われる。すなわち、マガジンSを載置する無人搬送車Vtがマガジン載置部91の前面まで移動し、マガジン移動機構100とマガジン移載機構92によって無人搬送車Vtからマガジン載置部91にマガジンSを移動させる。このように、基板収容装置Mt(収容装置)は、無人搬送車Vtとの間でマガジンSを授受するマガジン移載機構92を備えている。そして、マガジンSは無人搬送車Vtで搬送され、基板収容装置Mtと無人搬送車Vtとの間でマガジンSが授受される。
このように、基板収容装置Mt(収容装置)は、マガジンSを搬送する無人搬送車Vtとの間でマガジンSを授受するマガジン移載機構92を備えている。なお、上記の基板収容装置Mtは、マガジン載置部91の前面に停止した無人搬送車Vtとの間でマガジンSを授受しているが、この構成に限定されることはない。例えば、マガジン移載機構92はマガジンSを搬送方向(X方向)に移動させ、同じく搬送方向にマガジンSを移動させるマガジン移動機構100を有する無人搬送車Vtをマガジン載置部91の側方に停止させて、マガジンSを授受するようにしてもよい。