JP2022002492A - 作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】道路わき等障害物が邪魔となっていわば影となるようなところでも、草刈作業のような対地作業を効率良く可能とする作業機を供する。【解決手段】車体と、作業部4と平行リンク部36とからなる。平行リンク部は、車体上に回動支点となる一端部が設けられ、他端部が垂直方向に回動自在に設けられる昇降アーム32と、該昇降アームに回動自在に連結される中間アーム33と、進行方向に沿って車体の外側に設けられる外側フレーム34と、一端部を該外側フレームと一体に支持されるとともに、他端部を中間アームに連結されるリンク部材35とからなる。草刈作業において重度の負荷がかかる作業部を支える平行リンク部が、頑丈な走行部に一体に固着された外側フレーム及びリンク部材に取り付けられているので、作業部の荷重が一部材に集中して負荷されない。【選択図】図3

Description

本願発明は作業機に関し、さらに詳しくは草刈作業等に使用される作業機に関する。
従来、作業機により、道路等に敷設されたガードレールの下方で対地作業である草刈作業をする場合、例えば、走行手段に取り付けられた支持体にアームを介して取り付けられた刈刃が、道路わきに配置されるように走行することにより、道路わきの草を刈り取ることが行われている。
また、移動自在及び操向自在な走行体と、該走行体の進行方向に直交する方向にわたって略水平に回動可能に配設された前部にカッタを有する側面刈取り刃部と、該側面刈取り刃部を回動する回動手段とを有する草刈機により道路わきの草を刈り取ることが行われている。
前者の場合、支持体がガードレールの上方から側方に伸ばされ、かつ下方の作業面に垂下させているため、支持体に使用する部材の量が多くなり、この支持体を支える走行手段のバランスをとるため、車体が大型にならざるを得ない。
後者の場合、刈刃をガードレールの下方を潜らせて配置されているが、この刈刃が水平方向に長いバリカン刃であるため、進行方向に直交する方向に広い面がないと刈刃の配置及び作業ができない難がある。また道路に敷設されるガードレールの近傍には、ガードレールに沿って縁石等の障害物が配置されていることがあり、このため、後者の場合は、走行体に面しない障害物の麓部に刃部が到達しないことがある。
特開2020−39328号公報 特開2000−102312号公報
本願発明は、上記背景に鑑み、道路わき等障害物が邪魔となっていわば影となるようなところでも、草刈作業のような対地作業を効率良く可能とする作業機を供することを目的とする。
また本願発明は小型作業機であっても、良好なバランスをとることができる作業機を供することを目的とする。
上記課題解決のため、本願発明請求項1による作業機は、車体と、作業部と、平行リンク部とからなり、平行リンク部は、車体上に回動支点となる一端部が設けられ、他端部が垂直方向に回動自在に設けられる昇降アームと、該昇降アームに回動自在に連結される中間アームと、進行方向に沿って車体の外側に設けられる外側フレームと、一端部を該外側フレームと一体に支持されるとともに、他端部を上記中間アームに連結されるリンク部材とからなり、上記作業部が上記中間アームに連結されるとともに、上記中間アームの鉛直軸を支点にして水平方向に回動自在であり、上記リンク部材は上記中間アームの角度及び上記作業部の前後方向に対する傾斜角度を予め設定した角度に保持することを特徴とする。
また本願発明請求項2による作業機は、請求項1記載の作業機において、上記外側フレームに上記中間アームの下方への回動を規制するストッパが設けられることを特徴とする。
また本願発明請求項3による作業機は、請求項1又は請求項2記載の作業機において、上記中間アームの端部に上記作業部の相対高さを決定するローラが設けられることを特徴とする。
また本願発明請求項4による作業機は、請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の作業機において、上記作業部を取り付ける作業アームに常時車体の中心に対し外側に付勢する弾性体が設けられることを特徴とする。
本願発明による作業機によれば、平行リンク部は、車体上に回動支点となる一端部が設けられ、他端部が垂直方向に回動自在に設けられる昇降アームと、該昇降アームに回動自在に連結される中間アームと、進行方向に沿って車体の外側に設けられる外側フレームと、一端部を該外側フレームと一体に支持されるとともに、他端部を上記中間アームに連結されるリンク部材とからなり、上記作業部が上記中間アームに連結されるとともに、上記中間アームの鉛直軸を支点にして水平方向に回動自在であり、上記リンク部材は上記中間アームの角度及び上記作業部の前後方向に対する傾斜角度を予め設定した角度に保持するから、草刈作業において重度の負荷がかかる作業部を支える平行リンク部が、頑丈な走行部に一体に固着された外側フレーム及びリンク部材に取り付けられている。換言すれば、作業部を支承する取付端部が車体上にはない。また作業部の荷重が一部材に集中して負荷されていない。
よって、草刈作業中の重度の負荷が強固に取り付けられた外側フレームやリンク部材に分散され、昇降アーム、中間アーム等昇降部にはかからない。このため、車体を小型化しても走行バランスがとり易くなり、障害物の影となるようなところでも、草刈作業のような対地作業を効率良く行うことを可能とする。また走行バランスがとり易くなるから、車体の大型化を防止することが可能となる。
本願発明による作業機の実施の形態を示す平面図である。 図1の側面図である。 図1の正面図である。 図2の一部を省略した図で、(A)は昇降アームの最下降位置を表わし、(B)は昇降アームの最上昇位置を表わす。 作業機が障害物に沿って平行に走行しているときを表わす平面図である。 作業機が障害物に接近するときを表わす平面図である。 作業機が障害物から離脱するときを表わす平面図である。 図5(A)の正面図である。 昇降部の詳細を示す拡大側面図である。 昇降部の詳細を示す拡大正面図である。 (A)は図1IX部の拡大平面図、(B)は図2IX部の拡大側面図、(C)は図3IX部の一部断面拡大正面図である。 (A)は図1X部の拡大平面図、(B)は図2X部の拡大側面図である。 図1制御部のブロック図である。 作業機の制御フローの実施の形態を示す図である。 作業部と障害物との位置関係を示すフロー図である。 本願発明による作業機の他の実施の形態を示す拡大平面図であり、ガイド輪の変形例を示す。 本願発明による作業機の他の実施の形態を示す拡大平面図であり、(A)は図1X部の拡大平面図、(B)は図2X部の拡大側面図である。 制御フローの他の実施の形態を示す図である。 (A)はストッパとローラの機能を説明する図、(B)は他の状態におけるストッパとローラの機能を説明する図である。 回避動作と刈刃カバーとの関係について説明する図であり、(A)は作業部の前方から障害物等に押圧された場合、(B)は障害物が作業部の後方を押圧した場合を示す。
次に、実施の形態を示す図面に基づき、本願発明による作業機をさらに詳しく説明する。なお、便宜上同一の機能を奏する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1乃至図11において、作業機は、車体1と、走行部2と、昇降部3と、作業部4と、防護部5と、制御部6と、検出部7とからなり、ラジコンと呼ばれる操作送信機(図示省略)により操縦され、矢示方向に走行する。
車体1は、本体フレーム11が水平方向に設けられ、該本体フレーム11に後に述べる駆動輪21を駆動せしめる走行モータ(図示省略)を備えた走行部2が配置され、上記走行モータ28a、28b(図11に示す)の駆動源たるバッテリ(図示省略)が載置される。6は本体フレーム11に設置される制御部であり、該制御部6には作業機1の主電源等を操作する主電源スイッチが配される。21は本体カバーである。
走行部2は車体1の進行方向両側に配設される。該走行部2は、上記した走行モータ(図示省略)、駆動輪21たる後輪と従動輪22たる前輪からなり、両輪間に転輪23を介して、クローラベルト24が掛け渡される。また本体フレーム11に、走行フレーム25が固着されており、この走行フレーム25に上記した走行モータ、駆動輪21、従動輪22及び転輪23の回転軸芯が回転可能に取り付けられる。21aは上記駆動輪21の駆動軸である。
26は上記外側フレーム34に設けられた複数個のガイド輪であり、走行部2の外側に位置する障害物90に当接転動することにより、車体1と障害物90との距離を一定に保持する。該ガイド輪26は、本実施例の場合、前輪26aと後輪26bからなり、走行部2の外側に位置する縁石91等の障害物90に当接、転動し、車体1と障害物90との距離を一定に保持する。またこれにより、草刈作業ため障害物90の麓部から走行部2までの距離を一定に保持する。26cは該ガイド輪26の回転軸である。縁石91等の側面が傾斜している場合、ガイド輪26は図6に示すように傾設される。即ち、ガイド輪26の回転軸26cが進行方向と直交する方向であって、車体1の内側から外側に向かうにつれて上昇する方向に傾斜している。また縁石91等の側面が垂直の場合、ガイド輪26は図14に示すように横設される。即ち、ガイド輪26の回転軸26cが進行方向と直交する垂直方向に向けて設けられる。これにより、縁石91に対してガイド輪の接地面積を最大にできるので、縁石91との摩擦を最大にすることができる。この結果、ガイド輪26が縁石91上で滑ることによって、車体1が縁石91に対して上側にずれようとすることを防止することができる。
92はガードレール、92aは該ガードレールの支柱、92bは該ガードレールのビームである。
27は上記外側フレーム34の前端部に突設されたストッパであり、作業部4の下死点を規制する。これにより、縁石91が途中で途切れるような状況があっても、作業部を一定の高さに保つことができる。また再度、障害物90が出現することがあっても、この障害物90に後記するローラ38が乗り上がるので、作業を続行することができる。
図中Tは旋回中心、Sは後記する防護部5により囲繞・形成される防護スペースを示す。
昇降部3には、車体1に防護部5を挟んで、立設された2本の支柱31に昇降アーム32が連結される。即ち、昇降アーム32は、回動支点となる一端部32bを上記支柱31に垂直方向に回動自在に枢着される。該昇降アーム32は、進行方向先端部に水平軸32a(図4に示す)を有しており、該水平軸32aに中間アーム33が回動自在に枢着される。該中間アーム33の作業部4側に突き出た一端部には鉛直軸33a(図6に示す)が設けられ、該鉛直軸33aにはカム72(図10に示す)が設けられる。34は進行方向に沿って車体1の外側に設けられる外側フレームである。該外側フレーム34は、上記走行フレーム25にボルトナットにより強固に固着され、固定されている。35は一端部を該外側フレーム34に一体に固着された支柱31に支持されるとともに、他端部を上記中間アーム33に連結されるリンク部材である。上記作業部4は、上記中間アーム33に連結されるとともに、上記中間アーム33の鉛直軸33aを支点にして水平方向に回動自在である作業アーム46に取り付けられる。上記リンク部材35は上記中間アーム33の角度及び上記作業部4の前後方向に対する傾斜角度を予め設定した角度に保持する。図4に判り易く示したように、上記昇降アーム32、上記中間アーム33、上記外側フレーム34(図1、図2に示す)及び上記リンク部材35にて平行リンク部36が構成される。図10に示す33bは上記中間アーム33の作業部4側の端部に付けられる取付金具33bであり、該取付金具33bに、上記作業アーム46を走行方向に付勢するばね37が設けられる。これにより、上記作業アーム46は常時車体1の中心に対し外側に付勢される。また上記取付金具33bには、上記作業部4の相対高さを決定するローラ38が回動自在に取り付けられる。
作業部4は、車体1の進行方向前方に設けられ、刈刃41と、該刈刃41を作動させるモータ42と、刈刃41の回転に支障を来たさないようにするため設けられる接地体43と、刈り取った草が飛散しないよう上記作業アーム46に固設される刈刃カバー44と、作業アーム46の先端部に設けられる回転可能の刈刃ガード45とからなる。46は作業アームであり、一端部に上記作業部4を回動可能に支承し、他端部を上記中間アーム33の上記鉛直軸33aに水平方向に回動自在に連結される。
防護部5は、上記走行部2と上記作業部4との間に設けられるガード51からなる。即ち、図9に詳細に示すように、防護部5は、ビニルシートからなるガード51と、該ガード51の上部が固着される固定フレーム52と、上記固定フレーム52の前後端部に作業部4側に向けて拡開されてなる可動フレーム53とからなる。上記固定フレーム52及び上記可動フレーム53を合せた長さ即ちガード51の全長W4は上記車体の全長W3より長く形成される。上記可動フレームの拡開角度は変動自在である。上記可動フレーム53は上記固定フレーム52に対し水平方向に回動自在である。上記可動フレーム53の先端部は上記車体1に向けて弯曲されてなる弯曲部53aが形成される。54は上記外側フレーム34に立設された支持フレームであり、上記固定フレーム52を支承する。55は上記固定フレーム52と上記可動フレーム53とを連結するばねであり、これにより上記可動フレーム53が上記作業部4方向に付勢される。上記固定フレーム52及び上記可動フレーム53の設置位置は上記車体1より高位に位置される。56は上記ガード51の下部に設けられる錘である。
制御部6は車体1上に設けられる。制御部6の詳細については後述する。
図7及び図8は昇降アーム32の詳細を示す。3aは上記昇降アーム32を昇降せしめる昇降モータ、3bは昇降モータ3aのピニオンギヤが一体に設けられた出力軸であり、該出力軸3bは該ピニオンギヤが昇降ギヤ3cに歯合する。該昇降ギヤ3cは昇降アーム32に直交する方向に設けられ、垂直方向に回動する。3dは上記昇降アーム32と一体に昇降される作用ピンである。3eは上記昇降ギヤ3cに突設された下降規制手段である。即ち、該下降規制手段3eは、上記昇降ギヤ3cに、昇降ギヤ3cと直交する方向にて固着され、上記作用ピン3dに当接して昇降アーム32の下死点を形成する。3fは昇降アーム32の昇降支点3gとなる支点ピンであり、上記昇降アーム32が回動自在に嵌合される。3hは上記昇降アーム32の作用点側端部に設けられるばねであり、上方に付勢され、その付勢力により上記昇降アーム32、ひいては作業部4を押し上げる。3iは該ばね3hのガイドピンである。上記昇降アーム32は支点ピン3fに回動自在に嵌合される。3jは上記昇降アーム32の支点部材である。3kは上記昇降アーム32の上死点を形成する上昇規制手段である。3lは上記作用ピン3dのローラ、3mは上記支点ピン3fのローラ、3nは上記ばね3hを内装するガイドパイプ、3оは上記昇降モータ3a及び上記出力軸3bが設けられる基部材である。3pは上記昇降ギヤ3cの支点軸、3qは上記作用ピン3dのピン保持部材、3rは上記昇降アーム32の中間フレーム、3sは上記昇降ギヤ3cの旋回支点軸、3tは上記作用ピンローラ3lの抜け止めピンである。3uは上記支点ピン3fに形成される上記昇降アーム32の昇降支点である。
図10に検出部7を示す。検出部7を構成する検出手段71(図11に示す)はリミットスイッチ71aからなる場合(第1実施の形態)と、ポテンショメータ71bからなる場合(第2実施の形態)がある。検出部7を構成する検出手段71(図11に示す)は、上記鉛直軸33aの近傍に配置され、上記作業部4の現在の回動位置を検出して複数種の検出信号を出力する。上記制御部6は上記検出信号に基づき上記昇降アーム32及び上記車体1の動作を制御する。上記制御部6は上記作業部4に連結される作業アーム46の現在の位置と直前の位置の状態に基づいて発せられる上記検出信号より、車体1の速度を変更する。
72は上記鉛直軸33aに設けられるカムであり、作業アーム46及び刈刃カバー44と共に回動することによって、カム72の周縁に形成された凹凸を検出手段71に接触・押圧し、又はこれらの解除をする。
第1実施の形態の場合、リミットスイッチ71aは上記作業部4の現在の位置を検出して第1検出信号又は第2検出信号のいずれかを出力する。上記制御部6は、上記車体1が第1作業速度で走行中に第1検出信号を受信した場合、上記昇降アーム32を上昇させた後に上記車体1を第2作業速度で走行させ、上記車体1が上記第2作業速度で走行中に第2検出信号を受信した場合、上記昇降アーム32を下降させた後に上記車体1を上記第1作業速度で走行させる。上記第1作業速度は上記第2作業速度より大に設定される。本実施例の場合、上記第1検出信号は切断信号とされ、上記第2検出信号は接続信号とされる。
ここで、各部の寸法について説明する。図示実施例において、走行部2の全長W1は765mm、走行部2前端から作業部4までの突出量W2は400mm、機体の全長W3は1165mmである。クローラベルト24の幅D1は100mm、走行部2の全幅D2は578mm、本体の全幅D3は654mm、作業状態での機体の全幅D4は930mm、作業状態における作業部4の機体中心線からの突出量D5は800mm、回避動作時の同突出量D6は540mmである。作業部4の高さH1は65mm、機体の全高H2は400mm、防護部53の全高H3は560mmである。接地長L1は405mm、軸距長L2は495mm、作業アーム46の長さL3は540mmである。本実施例では、機体の重心Gは、機体の中心線から75mmずれ、前輪よりから進行方向後方へ192mm、接地高215mmに位置する。超信地旋回時の旋回中心Tは、機体の中心線上で、前輪22よりから進行方向後方へ192mmに位置する。超信地旋回動作とは、左右のクローラを互いに逆方向に等速回転させて、その場で旋回する動作を指称し、その場旋回ともいう。この旋回中心がT(図2に示す)の位置となる。
図15に第2実施の形態を示す。39はばね37の直交方向に設けるクッションである。該クッション39は、作業アーム46の前方方向への回動規制及びその緩衝を担う。即ち、ばね37が単純に作業アーム46を前方方向へ付勢するのみの機能しか有していないのに対し、クッション39はばね37によって作業アーム46が前方方向に復帰したときの超過回動を阻止する。クッション39の弾性力はばね37に比較して高いので、ばね37による作業アーム46の復帰で大きく撓むことはない。
その余の構成は上記第1実施の形態と同様である。
第2実施の形態の場合、上記制御部6は、上記作業部4の現在位置に基づく検出信号の値(現在値)と直前位置に基づく検出信号の値(直前値)とを比較し、上記直前値に対する上記現在値に第1変化量があった場合、上記昇降アーム32を上昇させた後に上記車体1を第1作業速度で走行させる第1回避走行をさせ、上記第1回避走行中に上記現在値と上記直前値を比較し、上記直前値に対する上記現在値に第2変化量があった場合、上記昇降アーム32の高さを維持させて上記車体1を第2作業速度で走行させる第2回避走行をさせ、上記第2回避走行中に上記現在値が予め設定された設定値と一致した場合、上記昇降アーム32の高さを維持させて上記車体1を第3作業速度で走行させる第3回避走行をさせ、上記第3回避走行中に上記現在値が予め設定された初期値と一致した場合、上記昇降アーム32の高さを下降させた後に、上記車体1を第4作業速度で走行させる第4回避走行をさせる。
また上記制御部6は、上記第4回避走行中に、上記現在値と上記直前値を比較し、上記直前値に対する上記現在値に第3変化量があった場合、上記車体1を上記第1作業速度で走行させる。
上記第1作業速度は上記第2作業速度より大であり、上記第2作業速度は上記第3作業速度より大であり、上記第3作業速度は上記第4作業速度より大に設定される。上記第1作業速度及び上記第2作業速度及び上記第3作業速度はいずれも前進速度であり、上記第4作業速度は後進速度に設定される。
上記各実施の形態において、第1変化量は増加値であり、また第2変化量は減少値に設定される。
図示実施例の場合、第1作業速度は前進方向走行速度の50%、第2作業速度は前進方向走行速度の30%、後期第2実施の形態の第3作業速度は前進方向走行速度の20%、同第4作業速度は後進方向走行速度の20%に各設定される。
また第1変化量は状態2(増加値)に、第2変化量は状態3(減少値)に各設定される。
次に、図12、図13及び図16を参照して、本願発明に係る作業機による障害物90の検出ステップを説明する。
(1)第1実施の形態の場合
まず、刈刃をONとし(S1)、刈取りモードをONとした後(S2)、草刈作業が開始される。このとき、作業速度は前進方向の第1作業速度(本実施例では走行速度の50%)に設定される(S3)。
このときの作業部と障害物90との位置関係は状態1である(図13(A))。
草刈作業において、図6に示すように、刈刃カバー44が前方の障害物90であるガードレール92の支柱92aに当接すると、作業アーム46が図13(B)に実線で示すように車体1側に回動し、状態2となる。
この回動により鉛直軸33aに設けたカム72が連動するので検出手段71aがONとなり(S4)、車体1の走行が停止される(S5)。
次いで、作業部4が上昇動作となる(S6)。
具体的には、検出手段71aがONになると、車体1が停止し、昇降部3によって作業部4を上昇させる。昇降部3は、下降規制手段3eにより下死点が形成されており、昇降アーム32及び中間アーム33を介して、作業部4を上昇させる。刈刃カバー44は、ガードレール92の支柱92aへの当接が維持されているため(図13(B))、作業部4も車体側に回動した状態であり、作業部4の回動支点部たる鉛直軸33aに設けるカム72(図10に示す)も回動した状態を維持している。したがって、検出手段71aはON状態を維持している。作業部4の水平回動支点部付近にはローラ38があり、作業部4の上昇に伴い、このローラ38も上昇する。よって、例えば縁石91から離れると、上昇した作業部4の刈刃は、縁石91の高さより高位置に位置するので、刈刃と縁石91との干渉はない。
予め定められた時間が経過すると(S7)、作業部4が縁石91の上方に位置するとみなして上記上昇動作が停止する(S8)。
上昇動作後の作業速度が予め定められた第2作業速度(本実施例では走行速度の30%)となり(S9)、この遅い走行速度で草刈作業が再開される。
この状態における作業部4と障害物90との位置関係は図13(C)及び図13(D)に示す状態3及び状態4であり、このように刈刃カバー44が障害物90に当接転動している状態で、縁石91等の上方にある草を刈り取る。
図13(E)に示す状態5になると刈刃カバー44が障害物90から離脱するため、検出手段71aがこれを検出し(S10)、走行が停止される(S11)。
すると、作業部4が下降動作となる(S12)。
予め定められた時間が経過すると(S13)、作業が通常の作業位置になったとみなして上記下降動作が停止する(S14)。
具体的には、図13(E)に示す状態5になると、刈刃カバー44が元の位置(状態1と同じ位置)に回動して戻る。するとカム72も同時に回動し、検出手段71aの押込状態が解除され、検出手段71aがOFFとなる。制御部6は、この状態を検出して、作業部4を下降動作させる。
上昇時、作業部4は昇降部3の下降規制手段3eによって支えられている。下降動作をすることにより、下降規制手段3eの下降とともに、作業部4も徐々に下降する。作業部4の水平回動支点部付近にはローラ38があり、作業部4の下降によって、該ローラ38が縁石91に接触すると、作業部4の下降が止まる。その後も下降規制手段3eが下降しても、ローラ38と縁石91との当接によって、作業部4の高さ(縁石91との相対高さ)は維持される。
第1実施の形態においては図13(F)に示す状態5はない。次いで、図13(G)に示す状態7になると、ステップ3(S3)に戻り、状態1となって、第1作業速度での草刈作業が再開される。
(2)第2実施の形態
図16を参照し、まず、刈刃をONとし(S21)、刈取りモードをONとし(S22)、ポテンショ値を記憶させた後(S23)、草刈作業が開始される。このとき、作業速度は前進方向の第1作業速度(本実施例では走行速度の50%)に設定される(S24)。
このときの作業部4と障害物90との位置関係は状態1である(図13(A))。
草刈作業において、刈刃カバー44が前方の障害物90であるガードレール92の支柱92aに当接すると、作業アーム46が図13(B)に実線で示すように車体側に回動し、状態2になる。
この回動により、図13(B)に示すように、作業部4と障害物90との位置関係が状態2となるため、ポテンショメータ71b(図15に示す)からなる検出手段のポテンショ値が変化し、第1変化量となる(S25)。
すると、車体1の走行は停止となる(S26)。
次いで、作業部4が上昇動作となる(S27)。上昇動作のステップは第1実施の形態と同様であるので省略する。
予め定められた時間が経過すると(S28)、作業部4が縁石91の上方に位置するとみなして上記上昇動作が停止する(S29)。
次いで第1回避走行となる。第1回避走行の作業速度は前進方向の第1作業速度(本実施例では走行速度の50%)に設定される(S30)。このときの作業部4と障害物90との位置関係は状態2(図13(B))である。
作業部4の位置(ポテンショ値)が障害物90(ガードレール92の支柱92a)方向に移動すると、即ち図13(C)に示す状態3の位置になると(S31)、第2回避走行となり、第2作業速度(本実施例では走行速度の30%)で走行される(S32)。
次いで制御部により、作業部4の位置(ポテンショ値)が設定値と一致しているか否かが判断される(S33)。このときの作業部4と障害物90との位置関係は状態4(図13(D)である。
ステップ33(S33)がyesの場合、ステップ34(S34)に移行して第3回避走行となり、第3作業速度(本実施例では走行速度の20%)で走行される。
次いで制御部6により、作業部4の位置(ポテンショ値)が初期値と一致しているか否かが判断される(S35)。このときの作業部4と障害物90との位置関係は状態5(図13(E)である。
ステップ35(S35)がyesの場合、ステップ36(S36)に移行して走行停止となる(S36)。
次いで、作業部4(刈取部)の下降動作となり(S37)、予め定められた時間が経過すると(S38)、下降動作停止となる(S39)。ここまでの作業部4と障害物90との位置関係は状態5(図13(E)である。
次いで第4回避走行となり、作業速度が第4作業速度(本実施例では走行速度の20%)で後進(バック走行)となる(S40)。
このときの作業部4と障害物90との位置関係は、車体1の後進により、図13(F)に示す状態6の位置から図13(E)に示す状態5の位置になる。
この点を詳述すると、後進により、作業アーム46がガードレール92にあたり、強制的に前方側に移動すると、クッション39が持つ弾力により撓むことができる。図15(A)はこの状態、即ち、作業部4が進行方向前方側に移動した位置を示す。
すると、作業アーム46は、わずかに前方側に回動することが可能であるので、検出手段であるポテンショメータ71bが前方側への回動を検知し、機体の後進を停止させるのである(図13(F)の状態6)。
次いで刈刃カバー44が障害物90から離脱し、前進側に変化したと制御部6が判断すると(S41)、作業部4が図13(G)に示す状態7になるので、ステップ24(S24)に戻り、作業部4は第1作業速度で作業する。
ここで、刈刃カバー44、ガイド輪26、ローラ38、検出手段71a、カム72、ばね37の相互関係を詳述する。
図5Aから図5Bに示す障害物90接近時において、刈刃カバー44がローラ38とともに上昇した状態で(このとき検出手段71a及びカム72も上昇している)、障害物90である縁石91に接近すると、走行によって、刈刃カバー44が縁石91の上方を乗り越えた後、車体1を縁石91の前後方向に沿うようにガイド輪26とくに前輪26aをガイドにしながら旋回させる。次いでガイド輪26を縁石91に接地させて、作業が可能な位置関係に旋回走行させる。次いで刈刃カバー44及びローラ38をローラ38が縁石91上面に接触するまで下降させ、作業可能な姿勢をとる。その後、走行とともに、上記した制御部6の制御が開始となる。
このとき、ガイド輪26は縁石91に接地されており、縁石91と車体1とは一定間隔で案内した状態となるため、車体1が縁石91側に接近しようとしても、縁石91側に車体1が寄ることはない。即ち、ガイド輪26は車体1を離反する方向にはガイドしないので、車体1を旋回させる操縦動作が減少するため、操縦の省力化につながるのである。
また、車体1の進行とともに刈刃カバー44に障害物90としての例えば支柱92aに接触することにより、刈刃カバー44が回動する。これにより、刈刃カバー44と一体となって水平方向に回動するカム72が検出手段71aを作動させる。刈刃カバー44の回動によって、ばね37が伸長し、付勢力を蓄える。車体1の進行とともに刈刃カバー44がさらに車体1側に回動すると、ばね37がさらに付勢力を蓄える。その後、障害物90であるガードレール92の支柱92aが相対的に刈刃カバー44より後方に移動すると(図13(E))、ばね37の付勢力によって刈刃カバー44が回動し、元の位置に復帰する。このとき、カム72による検出手段71aの作動が停止する。
本願発明による制御は、図5Aに示す作業機が障害物90である縁石91に沿って走行し、その後、障害物90である支柱92aに作業部4が遭遇したときに機能する。
なお、上記一連の動作は、図5Bから図5Cに示す障害物90離脱時においては関与しない。
(平行リンク部について)
上記実施の形態では、平行リンク部36が可動の昇降アーム32に設けられず、固定の外側フレーム34に強固に固着される。これにより、強度的安定性を確保するとともに、作業部の平行的昇降性、コンパクト化という並立し難い効果の同時達成を可能にする。
即ち、平行リンク部36を構成するリンク部材35は、昇降アーム32に回動自在な中間アーム33に掛け渡すように設けられており、中間アーム33に接続した作業部4が角度を変えることなく昇降することを可能とする。リンク部材35によって作業部4の刈刃41の回転面は、常時、作業面である地面に対して平行を保つことができる。このため、昇降を伴っても、地面から生えている草を左右方向に凹凸のようなムラを形成させずに一定の高さで刈ることができる。
また昇降アーム32とリンク部材35は、車体1の中央部から外側に大きくオフセットして配置され、昇降アーム32に連結される中間アーム33は、端部を車体1の外側に突出して位置され、この中間アーム33の端部に作業部4が設けられている。つまり、走行部の遠方外側に位置された作業部4を、オフセットしたリンク部材35によって、強度的な安定性を確保しながら、作業部4の平行な昇降を両立させている。換言すると、平面視において広い範囲でリンク機構を構成しているため、オフセットした位置にある作業部4の回転モーメントを、各リンク部材の強度を極端に増加せずに、支持し易いのである。
この点について詳述する。強度的安定性についていえば、平行リンク部36を固定部材たる外側フレーム34に設置するから、各部材により形成される平行リンク機構の各回動支点の支点間距離を広く配置することができる。このため、平行リンク機構の一部である車体1の外側に延出させた中間アーム33の先端部及びこれに接続させた作業部4を万一衝突等により前後左右に強く揺動させても、回動支点にかかる負担を減少させるのである。この結果、平行リンク機構全体としての平行リンク部36の強度を保ち、強度的安定性を奏する効果がある。
また平行リンク方式を採用しているので、昇降に係る部材の上方への突出を防ぐことができる。すなわち、車体1の上方あるいは作業部4の上方に例えばトンネル状の障害物90があっても、潜りながら作業を継続することができる。
作業部4の平行的昇降性については、作業部4を固定部材に連結する平行リンク部36を介するように設定する(即ち、アタッチメント化する)ことにより、本来一軸の支点で昇降する昇降アーム32に連結する作業部4を、図2の側面視で、あたかも平行に昇降させることができる。このように平行動作に係る部材、即ち、中間アーム33、外側フレーム34、リンク部材35を、昇降アーム32を含む車体1側とは別体に設けることにより、作業環境によって個別に必要となる部材の変更を最小限にすることができる。換言すれば、昇降アーム32を含む車体1側に汎用性を持たせ、アタッチメントとしての作業部4を設定することができる。これにより、アタッチメントとしての作業部を、例えば路面清掃ができる作業部とすることができる。
また平行リンク部36は、リンク部材35と固定の外側フレーム34により、荷重が一部に集中せずに分散させることができるので、各部材を肥大化させずに強度を確保することができる。
さらにはコンパクト化については、仮に、平行リンクに係る部材を全て昇降アーム32上に搭載するものとして考えた場合、昇降アーム32が作業部4のリンク部材等すべての部材の自重及び作業部4が動作するときの衝撃負荷を受けることになる。かかる場合昇降アームを昇降させる駆動力は大となり、昇降部のモータの出力や昇降アーム32の強度も当然のことながら増強させる必要がでてくる。昇降部が大きくなると、車体に収めることができなくなり、車体側の車体のコンパクト化やバランスの安定性の妨げとなる。また上記リンク機構の各回動支点部の強度の確保という観点からみても、上記実施の形態では、回動支点部の強度を極端に大きく確保する必要がないので、コンパクト化に寄与することができる。
さらに平行リンク部36の設置場所につき、上記実施の形態によれば、昇降部3及び昇降アーム32の一部を含む車体1に汎用性を持たせ、昇降アーム32に接続する作業部4を種々変更することにより、作業場所に対する適応性を向上させている。この点につき、昇降部を丸々変更することは、車体の汎用性を損なうことになるし、また作業部のために肥大化した昇降部を備えることも、コンパクト化の妨げになる。そこで、上記実施の形態では、昇降部3を肥大化をさせずに、最小限の必要な昇降能力及び強度により構成する。一方、上記実施の形態は、車体1外側の遠方に作業部4を配設する構成とすることにより、走行部と作業部4との間に一定の空間が確保される。上記実施の形態では、この空間にリンク部材35を配置して平行リンク部36を構成することによって、上記強度的安定性、作業部4の平行的昇降性及びコンパクト化の問題の解決を図るのである。
次に、平行リンク部36を固定部材である外側フレーム34に固着する点に関し、作業部4との関係からアプローチし、作業部4の平行的昇降性について説明する。通常、草を切断する場合、地面に対して一定の高さで一様に刈り取ることが求められる。この点に関し、作業部4の昇降が平行的でない場合には、昇降と共に刈刃41の回転面が傾斜して草の刈り高さが一定とならない不都合が生じるところ、上記実施の形態によれば、車体1の進行とともに刈刃41が回転することによって形成される回転面あるいは刈刃41の回転軸は、作業部4の平行な昇降により、常時作業面に対し鉛直方向に向いている。また、作業部4の平行的昇降性により、地面にある凹凸に刈刃41の回転面が追従するので、地面と草の刈り高さが一定となる。さらに地面と刈刃41の回転面が平行的に昇降するため、進行方向前方から見た刈刃41の回転軌跡が直線状になり、草の刈り高さを一定とすることができる。
外側フレーム34及びリンク部材35が走行部の外側に位置し、外側フレーム34は走行部の走行フレームにボルトナット(図示せず)により強固に取り付けられているため、作業部4を昇降させる昇降アーム32を駆動する昇降部3は、昇降アーム32、中間アーム33、作業部4の重量を支持・昇降させる能力さえあればよい。昇降アーム32上に平行リンク機構を組み込んだ場合、昇降アーム32を昇降駆動する昇降部3は、平行リンク機構の重量も加えて昇降させなければならず、昇降部3の駆動モータに掛かる負担は大きくなる。これを解決する場合、モータの出力を確保するため、より大きなサイズのモータが必要になり、結果として機体全体のサイズも大きくなる問題があるところ、上記実施の形態では、平行リンク部36を構成するオフセットしたリンク部材35によって、モータの出力や寸法を大きくすることがなく、機体全体をコンパクトしつつ、安価に製造することができる。
ここで、ストッパ27、ローラ38の役割について説明する。
ストッパ27は、外側フレーム34の前端部に設けられ、下降規制手段3eとは異なり、縁石91等の高さに対応して昇降アーム32の絶対的な最下限を決める。これにより、作業者のうっかり操作により昇降アーム32を下げたとしても、ストッパ27面に中間アーム33が当接するので、作業部4がそれ以上下がりすぎることがない。つまり、走行時に、縁石91端部と作業部4との正面衝突を防止する。
さらに、下降規制手段3eがあることにより、車体1の走行路面に対し縁石91が起伏したとしても、作業部4は、縁石91の上面に位置するローラ38によって起伏に倣うように押し上げられるので、中間アーム33がストッパ27から離れて上昇する。このとき同時に、昇降部3の下死点のみを規制する下降規制手段3eも規制点から離れて上昇する。
即ち、上記ローラ38は縁石91の上部を転動することにより、図17(A)に示すように、縁石91の上部から下方に位置する作業部4の相対高さを一定にすることができる。また図17(B)に示すように、縁石91上部に起伏があっても、ローラ38はこれに追従して転動するので、作業部4もこれに応じて追従することができる。なお、この場合は、昇降部3の下降規制手段3eにて形成する下死点をあらかじめ下げておく必要がある。
(ガイド輪について)
上記実施の形態によれば、上記走行部2の外側に車体1の向きを案内するガイド輪26が設けられ、上記ガイド輪26が障害物90の表面に接触して転動するから、構成が簡易となり、また走行部2と縁石91との間にガイド輪26が介在することにより、凸状部のある縁石91と走行部2との接触を物理的に回避できること、さらには障害物90の走行部2側に草が繁茂している場合であっても、接触によって確実に縁石91を捉えることが可能であるから、草刈作業において確実かつ安定的に草の存在を把えて刈り取ることができる。よって作業者は、作業機が走行する方向の監視と、作業部での草刈状況の監視を同時に行わなければならない負担から解放され、作業負担が軽減され、作業の効率化を図ることができる。
ガイド輪26を走行部2の外側に位置する縁石91等の障害物90に当接せしめることによって、車体1と縁石91との距離を一定に保つことができる。またこれにより、縁石91の麓部から側方までの距離を一定に保ちながら草刈作業をすることができる。
ガイド輪26は進行方向に沿って設けられており、前輪26aと後輪26bとを縁石91等に当接させることによって、車体1を縁石91とほぼ平行に位置させることができる。平面視直線的な縁石91ではこの縁石91の長手方向と平行に車体1を配置させ、また曲線的な縁石91の場合にはこの曲線の接線方向と車体1が平行になる。
このため、クローラベルトの横方向へのスリップが防止され、走行部2への負担をかけずに走行できるので、走行部2が必要とする駆動力を大きくさせずに済む。よって、上記実施形態の場合では、モータが必要とする電力を節約することによる作業時間の長期化及びモータ等の駆動に係る部材の保護をすることができる。
最後尾の後輪26bを車体1の旋回中心Tより前方に配置しているので、ガイド輪26が配置されていない側に旋回する場合に、縁石91から離れるように車体1を移動させることができる。
作業機の超信地旋回動作をした時の旋回中心Tは、走行部2の前後方向の接地長L1の中間位置で、かつ、左右走行部2のほぼ中間位置(車体1の左右中央部)に位置している。このため、走行部2において、旋回時に必要な面積を可能な限り最小にすることができる。
ガイド輪26は、接地する縁石91の面に回転軸が平行になるように設定している。図示実施例においては、傾斜した縁石91の側面に接地させるために(図6)、車体1の下方向に角度をつけて設置している。これによりガイド輪26が縁石91の傾斜面に対して垂直に立った状態で接地するため、接地面積を増加させて摩擦を大きくすることができ、車体1が縁石91に対してずり落ちたり、ずり上がったりすることを抑制することができる。
また図示のように傾斜配置したガイド輪26を設けることにより、ガイド輪26の基部を地面より高く設置することができる。このため、基部としての外側フレーム34の地上高を高くすることができ、外側フレーム34が走行路面上に散在する石やゴミ等に当たるのを軽減することができる。
ガイド輪26のさらに外側には作業部4があるので、縁石91を超えた側の対地作業(草刈作業)が可能になる。
(防護部について)
上記実施の形態によれば、走行部2と作業部4の間にある前後方向に長いガード51があることにより、飛散物が防止され、作業者や車体への負傷、損傷を防止する。
また上記ガード51は、固定フレームの前後の可動フレームが外方に展開状態となってガード体を構成している。即ち、作業部4側に向けて拡開されてなる可動フレーム53により、飛散物を発生する作業部4の周囲を覆うように、防護スペースSが形成される。この防護スペースSは車体1の進行に伴い移動するから、作業部4との間に一定の空間が常に形成される。よって、飛散物の跳ね返りが防止される。
固定フレーム52及びガード51の上部は車体1より高く設定しているので、車体1の防護のみならず、周囲の作業者及び物体への異物の飛散を抑制することができる。
ガード51の下部には、錘56が設けられているので、ビニルシートからなるガード51がまくりあがることを防止することができ、飛散物の防止効果が一層向上する。
車体1から前後方向にオーバーハングした状態の可動フレーム53は、水平方向に回動自在であるので、旋回時にガードレール92等の障害物90に当接しても、可動フレーム53が車体1側に回動して、固定フレーム52が損傷することを防止する。
可動フレーム53にはばね55が設けられているため、作業部4側に拡開した状態(展開状態)を維持することができる。このため、飛散防止状態を維持しながら作業の続行をすることができる。
また可動フレーム53のばね55は車体1側に屈折した状態(格納状態)にも維持することができる。つまり、可動フレーム53を格納・展開の両方向に付勢することができる。このようにすることにより、作業機が作業時以外の移動走行のとき、可動フレーム53を車体1側に格納した状態とすることができるので、移動走行時にガード51が邪魔にならない。
可動フレーム53の先端部は車体1側に弯曲しているため、弯曲部53aによって可動フレーム53が当接した障害物90の凹凸や起伏に追従することができる。よって、作業効率が一層向上する。
また可動フレーム53はばね55によって常時付勢されているので、展開状態を維持しながら障害物90の凹凸面を通過することができる。なお、可動フレーム53は展開状態でも格納状態でも障害物90の凹凸面を通過することができる。
ここで防護部5が短長化できる理由を説明する。上記実施の形態はガード51に追従性があるため、作業範囲が大きく後方側に旋回して作業する大型機のように、走行部2の前後に大きく旋回するわけでなく、ある程度決まった範囲で作業を行うので、車体1及びその周囲の必要なところのみを防護すればよい。これが上記実施の形態による防護部5を短長化できる第1の理由である。第2には作業部4の作業範囲が限定的であるため、その範囲を防護すればよいという理由がある。上記実施の形態では、旋回中心Tに関し、旋回時の作業機全体の旋回領域(回転半径)を、極力小さくしてあるので、狭い場所でも旋回動作がし易く、作業者にとって取扱いが容易となるからである。
(障害物の検出機構について)
上記第1実施の形態によれば、検出手段71がリミットスイッチ71aからなるから、制御部6が作業アーム46の開状態から閉状態への移行をスイッチのオン・オフにより判断し、検出信号に対する制御動作が1対1対応となるから、制御部6の構成及び制御部6による制御動作を簡易化することができる。
上記のように、作業部4は、作業速度と昇降が制御部6により自動制御されるので、作業者は車体1が走行する場所だけに集中して車体1を操縦することができる。即ち、作業部4には昇降性があるので、作業者は作業部4と障害物90との位置関係について気にせず、草刈作業に集中することができる。
また作業部4は障害物90に当接すると水平方向に回動するので、縁石91等の障害物90との干渉を回避することができる。よって回避すべき障害物90に囲まれた状況であっても、障害物90との衝突を回避することができ、効率的な作業が可能となる。
作業部4は、水平方向への回動及び垂直方向への昇降をすることによって、前方及び側方の障害物90に干渉することなく、作業することができる。よって回避走行においても、草刈作業をし続けるから、作業効率が向上する。
また第2実施の形態によれば、制御部6が作業部4の展開状態を作業アーム46の回動度合により認識し、展開状態に対応する走行速度に制御可能であるので、より精密かつ複雑な制御をすることができる。
制御部6は、現在値と直前位置の2値を相対比較することにより、作業部4が現在どのような状態であるかを常時看視している。よって作業者による作業環境の看視負担が減免され、草刈作業に集中することができる。
例えば、初期値のまま現在値と直前位置の2値に変化がないと、制御部6は車体1の姿勢が変化していない開状態のままであると認識する。2値に変化がある場合は、障害物90を通過中であると認識する。後者の場合において、制御部6は、2値の変化が増加しているときは、作業部4が開状態から閉状態に移行していると判断し、2値の変化が減少しているときは、作業部4が閉状態から開状態に移行していると判断する。
制御部6は、作業部4が閉状態から開状態に移行するまでは、第1作業速度を維持するように制御する。このため、第2実施の形態は、第1実施形態の場合より、障害物90を通過する速度を速めることができるので、一層作業効率が向上する。
また、作業部4が閉状態から開状態に移行する場合において、さらに第1作業速度から、第2作業速度を減少させる第2回避走行をすることにより、作業部4が障害物90(例えば支柱92a)に可能な限り近接させ、かつ障害物90に沿うように移動させることができる。
さらに、開状態に移行する間に、検出信号が設定された値になったと制御部6が判断すると、さらに遅い第3作業速度で走行する第3回避走行に移行する。これにより、さらに、精度よく作業部4を障害物90に沿うように移動させることができる。
作業速度が速い第1作業速度のまま作業すると、閉状態から開状態に移行する間に車体1が進行し、障害物90の前方側の草を刈り残すおそれがある。しかし、上記実施の形態によれば、作業速度を初期速度より遅い速度に変更することができるから、そのおそれがない。
さらに、第4回避走行とすれば、バック走行となり、後戻りすることができるから、刈残しがあった場合にも対応することができる。
第4回避走行についてさらに説明すると、第4回避走行である後進時、即ち、状態6のときに、障害物90に作業部4が接触し押圧されると、作業部4は、図13(F)に実線で示すように前方側に回動する。すなわち、開状態からさらに側方あるいは前方側に移動する。このとき検出手段71bからの検出信号により、制御部6は作業部4の後方に障害物90が接触したと判断して、第4回避走行を停止し、その後即ち状態7(図13(G))になると、第1作業速度で前進作業を再開する。
また、第4回避走行である後進時においてはクッション39が弾力によって撓むことにより、図1に2点鎖線で示すように、作業部4が開状態からさらに側方あるいは前方側に移動することを可能にするとともに、通常の開状態の位置を規制及び維持することができる。これにより制御に係る機構の簡易化を図ることができる。
作業部4が開状態から閉状態になるに伴い、検出手段であるポテンショメータ71bの抵抗値の変化により制御部6が受信する電流値が変化する。これにより、より精密かつ複雑な制御が可能となる。
上記において、開状態とは、第1実施の形態においては状態1及び状態5をいい、第2実施の形態においては状態1、状態5及び状態7をいう。また閉状態とは、第1実施の形態においては状態2〜状態4をいい、第2実施の形態においても状態2〜状態4をいう。
ここで、回避動作と刈刃カバー44との関係について説明する。機体が障害物と当接した場合、作業部4の回避動作と刈刃カバー44の回転中心部の回転動作とは互いに連携しながら障害物に対する回避動作をする。即ち、障害物に当接した場合、作業部4は、直径が刈刃41の直径より大に形成されている刈刃カバー44があるため、障害物を転動乃至摺動しながら鉛直軸33aを軸にして水平方向に回動する。この作業部4の回動は、機体1が矢印方向に前進し、かつ、作業部4の前方あるいは側方から障害物90等に当接され押圧された場合は、図18(B)に実線で示す位置となる。また機体1が反矢印方向に後進し、かつ、障害物90が作業部4の後方を押圧した場合は、図18(A)に実線で示す位置となる。
よって、刈刃41の損傷を防止するとともに、障害物への損傷も防止し、作業を継続することができる。
上記実施の形態は、昇降アーム32は昇降ギヤ3cと作用ピン3dにより車体1が下方のみで支持される構造であるので、前述したように、草刈部4が障害物90に乗り上げても、草刈部4は地面に追従することができる。
即ち、作業部4の昇降に際し、上下方向の回動支点部は、昇降アーム32の回動支点3f(図7、図8に示す)、昇降アーム32乃至中間アーム33の水平軸32a(図1に示す)、作業アーム46の回動支点46a(図1に示す)の3か所に存在する。とくに、進行方向の左右方向に延びる回動軸を持つ昇降アーム32の回動支点3f及び水平軸32aによって、地面追従効果を発揮する。詳しく述べると、作業部4の上下方向の移動は、昇降アーム32の昇降が担当し、作業部4の傾きを昇降アーム32に支持された中間アーム33の回動により維持する。
また、作業アーム46の回動支点46aの上下回動によって、機体の進行方向の左右方向への傾斜にも対応することができる。さらに言えば、作業アーム46は垂直方向に多少の遊びがあるため、下方への追従は自重により回動され、上方へは衝突した障害物90の押圧力により回動する。よって本実施の形態によれば、地面追従性が従来に比し格段に向上する。
このように、上下方向の回動支点軸を合計3か所とすることにより、前後左右の傾斜面や凹凸に対応することができる。また、草刈部4が回避回動中であって、この回避回動領域に凹凸部があっても、昇降アーム32、中間アーム33及び作業アーム46の3か所が協働することにより、この領域中の回動時でも地面に追従しながら草刈り作業をすることができる。
本願発明は上記実施の形態に制限されない。例えば、作業部4は草刈作業をするものではなく、例えば、路面清掃の如き作業であってもよい。
ガイド輪26は障害物90の当接面に対し、接触角度の調整が可能である。
制御部6による上記2値の増減値による開閉の状態の判断は、上記した実施の形態の判断とは逆となるようにすることも可能である。即ち、第1変化量を減少値とし、第2変化量を増加値としたり、第1変化量を増加値とし、第2変化量及び第3変化量を減少値としたり、第1変化量を減少値とし、記第2変化量及び第3変化量を増加値としてもよい。
また検出信号の入切は、上記実施例とは逆に、第1検出信号を接続信号とし、第2検出信号を切断信号としてもよい。
また作業速度は、上記実施の形態より多い、即ち、4箇の作業速度より多くに変更することができる。この場合は、より精密な制御が可能となり、より作業部4での作業精度が向上する。
さらに作業部4の回動度合いと検出信号の増減については、上記実施形態のものに限られない。
次にガード51の構成材は、外が見えるものであれば任意であり、例えばネット状のものであってもよい。
また、上記可動フレーム53と上記固定フレーム52との間を連結するばね55の付勢方向は、上記実施の形態とは反対に、車体1方向に付勢させることもできる。
またポテンショメータの種類は問わない。刈刃41は紐状のワイヤーカッターで図示しているが、この方式でなくてもよく、鋼製のナイフを回転させてもよい。刈刃の回転面の高さは、作業場所や刈り高さの設定に応じて自由に変更させることができる。
また接地体43は走行地面に通常時当接されていてもよい。
また鉛直軸33aの位置は重心Gの位置の近傍であれば、正確に重心Gの位置に設けなくても足りる。
また作業部4は、作業状態における最下点つまり接地体43の位置が前輪22の上部より下方側であってもよい。
また本願発明による作業機は、必ずしもラジコン操縦されなくてもよい。例えば、作業機の自己判断で走行・作業が可能な自立走行作業機等に採用することもできる。
本願発明による作業機は草刈作業等の対地作業に活用することができる。
1 車体
11 本体フレーム
12 本体カバー
2 走行部
21 駆動輪
21a 駆動軸
22 従動輪
23 転輪
24 クローラベルト
25 走行フレーム
26 ガイド輪
26a 前輪
26b 後輪
26c 回転軸
27 ストッパ
28a 右走行モータ
28b 左走行モータ
3 昇降部
3a 昇降モータ
3b 出力軸
3c 昇降ギヤ
3d 作用ピン
3e 下降規制手段
3f 支点ピン
3g 昇降支点
3h ばね
3i ガイドピン
3j 支点部材
3k 上昇規制手段
3l 作用ピンローラ
3m 支点ピンローラ
3n ガイドパイプ
3о 基部材
3p 支点軸
3q ピン保持部材
3r 中間フレーム
3s 旋回支点軸
3t 抜け止めピン
3u 昇降支点
31 支柱
32 昇降アーム
32a 水平軸
32b 一端部
33 中間アーム
33a 鉛直軸
33b 取付金具
34 外側フレーム
35 リンク部材
35a 取付金具
36 平行リンク部
37 ばね
38 ローラ
39 クッション
4 作業部
41 刈刃
42 モータ
43 接地体
44 刈刃カバー
45 刈刃ガード
46 作業アーム
46a 回動支点
5 防護部
51 ガード
52 固定フレーム
53 可動フレーム
53a 弯曲部
54 支持フレーム
55 ばね
56 錘
6 制御部
7 検出部
71 検出手段
71a リミットスイッチ
71b ポテンショメータ
72 カム
90 障害物
91 縁石
92 ガードレール
92a 支柱
92b ビーム
T 旋回中心
S 防護スペース

Claims (4)

  1. 車体と、作業部と、平行リンク部とからなり、
    平行リンク部は、車体上に回動支点となる一端部が設けられ、他端部が垂直方向に回動自在に設けられる昇降アームと、該昇降アームに回動自在に連結される中間アームと、進行方向に沿って車体の外側に設けられる外側フレームと、一端部を該外側フレームと一体に支持されるとともに、他端部を上記中間アームに連結されるリンク部材とからなり、
    上記作業部が上記中間アームに連結されるとともに、上記中間アームの鉛直軸を支点にして水平方向に回動自在であり、
    上記リンク部材は上記中間アームの角度及び上記作業部の前後方向に対する傾斜角度を予め設定した角度に保持することを特徴とする作業機。
  2. 請求項1記載の作業機において、上記外側フレームに上記中間アームの下方への回動を規制するストッパが設けられることを特徴とする作業機。
  3. 請求項1又は請求項2記載の作業機において、上記中間アームの端部に上記作業部の相対高さを決定するローラが設けられることを特徴とする作業機。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の作業機において、上記作業部を取り付ける作業アームに常時車体の中心に対し外側に付勢する弾性体が設けられることを特徴とする作業機。
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