JP2022002010A - 人事管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ライフイベントを考慮することができるようにする。【解決手段】人事管理システムであって、従業員の人事労務情報を管理するデータベースと、従業員に対して仕事に関する質問項目を送信する質問送信部と、従業員から質問項目に関する回答を受信する回答受信部と、データベースに含まれる人事労務情報に基づいて、従業員に発生したライフイベントを推定するライフイベント推定部と、回答及びライフイベントに基づいて、従業員のエンゲージメントを分析する指標算出部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、人事管理システムに関する。
エンゲージメントを実現するためにユーザにアンケートを行うシステムが提案されている(特許文献1参照)。
特開2019−125090号公報
しかしながら、特許文献1ではユーザの人事労務情報を有するデータベースを保有していないので、人事労務情報とエンゲージメントとの関係を分析することができない。
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、人事労務情報とエンゲージメントとの関係を分析する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、従業員の人事労務情報を管理するデータベースと、前記従業員に対して仕事に関する質問項目を送信する質問送信部と、前記従業員から前記質問項目に関する回答を受信する回答受信部と、前記回答に基づいて前記従業員のエンゲージメントを算出する指標算出部と、前記エンゲージメントと前記データベースに含まれる前記人事労務情報との関係性を分析する分析部と、を備えることを特徴とする。
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、人事労務情報とエンゲージメントとの関係を分析することができる。
本発明の一実施形態に係る人事管理システムの全体構成例を示す図である。 管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。 管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。 管理サーバ2の対応策情報の構成例である。 本実施形態の人事管理システムの動作を説明する図である。 本実施形態の人事管理システムの動作を説明する図である。 本実施形態の人事管理システムの動作を説明する図である。
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
従業員の人事労務情報を管理するデータベースと、
前記従業員に対して仕事に関する質問項目を送信する質問送信部と、
前記従業員から前記質問項目に関する回答を受信する回答受信部と、
前記回答に基づいて前記従業員のエンゲージメントを算出する指標算出部と、
前記エンゲージメントと前記データベースに含まれる前記人事労務情報との関係性を分析する分析部と、
を備えることを特徴とする人事管理システム。
[項目2]
前記質問項目には、前記従業員の人事労務情報に関する質問が含まれない、項目1に記載の人事管理システム
[項目3]
前記分析部は、前記データベースから、前記従業員の保険情報、家族情報、住居情報、健康情報の少なくともいずれかを読み出し、前記エンゲージメントとの関係性を分析する、項目1又は2に記載の人事管理システム。
[項目4]
前記分析部は、前記データベースから、前記従業員の勤怠情報、研修情報、評価情報、出張情報の少なくともいずれかを読み出し、前記エンゲージメントとの関係性を分析する、項目1〜3のいずれか1項に記載の人事管理システム。
[項目5]
エンゲージメントを向上させる対応策情報を記憶する対応策記憶部と、
前記従業員の属する組織の管理者に、前記対応策情報を提供する対応策提示部とをさらに備える、項目1〜4のいずれか1項に記載の人事管理システム。
[項目6]
前記対応策記憶部は、エンゲージメントの高い複数の組織における人事労務情報の特徴を組織のカテゴリごとに記憶し、
前記対応策提示部は、前記組織のカテゴリに合致する前記人事労務情報の特徴を前記対応策記憶部から読み出し、前記管理者に提示する、項目5に記載の人事管理システム。
以下、本発明の一実施形態に係る人事管理システムについて説明する。本実施形態の人事管理システムは、企業や団体などの組織において、その従業員の人事及び労務に関する情報(以下、人事労務情報という。)を管理するものである。人事労務情報には、例えば、従業員の氏名、性別、生年月日、個人番号(マイナンバー)、社会保険番号、年齢、住所、配偶者の有無、扶養家族、所属部署、就業日、異動日、契約形態、給与額、通勤経路、保有資格、健康診断の結果、研修履歴などが含まれる。本実施形態の人事労務システムは、人事労務情報の履歴を管理し、その変化を分析することができる。本実施形態の人事労務システムは、組織における人事、労務、経理の担当者や管理職などが従業員などの組織の構成員の人事労務管理をするために日々用いるものであってよい。
本実施形態の人事労務システムはまた、従業員に対してアンケートを行い、その結果を分析して、従業員のエンゲージメントを評価することができる。本実施形態において、エンゲージメントとは、従業員の組織に対する愛着心や思い入れ、絆、愛社精神などを表すものとする。エンゲージメントの指標には、総合的な指標、仕事に対する熱意を示す指標、エンゲージメント各種の要因(ドライバー;組織や職務、個人に関する要因)を示す指標などを含めることができる。本発明によれば、アンケートでの質問に対する従業員からの回答によりこれらの指標(以下、エンゲージメント指標という。)を算出することができる。
本実施形態の人事労務システムは、アンケートに対する回答及び回答に基づいて算出されたエンゲージメント指標について、人事労務情報に基づいて分析を行う。
<システム概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る人事管理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の人事管理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、従業員端末1と通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク3は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
従業員端末1は、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレットコンピュータなどのコンピュータである。本実施形態では、従業員は従業員端末1を用いてアンケートの質問を閲覧し、質問に対する回答を入力することを想定している。
<管理サーバ>
管理サーバ2は、人事労務情報を管理する、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ2が備える各機能部は、CPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2が備える各記憶部(データベース)は、メモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、人事労務データベース231、質問記憶部232、回答記憶部233、ライフイベント記憶部234、指標記憶部235、対応策記憶部236、質問送信部211、回答受信部212、ライフイベント推定部213、指標算出部214、分析部215、対応策提示部216、アラート部217を備える。
人事労務データベース231は、従業員の人事労務情報を管理する。人事労務情報は、従業員を特定する情報(以下、従業員IDという。ただし、番号等の一意の情報である必要はなく、従業員を特定可能な情報であればよく、複数の情報の組み合わせであってもよい。)に対応づけて人事労務情報を管理している。人事労務情報は、従業員IDに対応付けて、氏名、性別、生年月日、個人番号、年齢などの基本情報、所属、役職、職種、入社年、異動の履歴などの所属情報、雇用契約形態、給与などの給与情報、社会保険番号、雇用保険番号、健康保険、厚生年金の等級、保険料などの保険情報、出勤形態(時短勤務、リモート勤務、フレックス勤務などの別)、勤務時間、休憩時間、休暇取得、残業時間等に関する勤怠情報、過去の評価、面談日、面談内容などの評価情報、家族構成、扶養家族、育児補助、介護の有無などの家族情報、通勤手当、通勤経路、住宅手当、住宅ローン控除などの住居情報、研修受講履歴、資格取得に関する補助、保有資格、資格手当などの研修情報、出張手当、交通費・宿泊費立替払履歴などの出張情報、病気休暇の取得、傷病手当、健康診断などの健康情報等の情報を記憶することができる。その他、企業などの組織において人事労務管理のために取得する種々の情報を含む。また、人事労務データベース231は、人事労務情報の履歴も蓄積している。人事労務データベース231には、従業員ID及び日付に対応付けて人事労務情報の履歴が管理されているものとする。すなわち、異動により所属部署や役職が変わった場合、異動日の情報とともに移動前と移動後の所属部署や役職の情報を記憶し、所定期間ごとに評価情報が追加される場合は評価対象期間、評価面談日とともに評価情報を記憶する、などとすることができる。また、人事労務データベース231は、複数の組織のデータを保有してもよい。その場合は、組織ごとに付与された組織IDに紐づけて、各従業員の情報を格納する。ここでいう「組織」は、企業、グループ会社、支店、部署、等、複数人の従業者の集団であればどのような単位でもよい。また、組織の業界(メーカー、商社、小売、金融、サービス、ソフトウエア・通信、マスコミ、官公庁・公社・団体など)、部署名、組織の大きさ(人数)、設立経過年などの組織情報を含んでもよい。
質問記憶部232は、アンケートの質問を記憶する。本実施形態では、質問記憶部232は、アンケートに用いる質問を含む情報(以下、質問情報という。)が記憶される。質問情報には、質問を特定する質問IDに対応付けて、質問のカテゴリ及び質問内容が含まれる。質問のカテゴリは、例えば、上司、同僚、会社、評価などのカテゴリであってよい。質問内容は、例えば、テキスト情報とすることができる。本実施形態では、質問に従業員の人事労務情報を直接訪ねる質問が含まれないことが望ましい。すなわち、上記の人事労務情報データベースに含まれるような所属、役職、雇用形態などを尋ねる質問を含まない。また、回答者の氏名を聞く質問を含まないこととすることができる。
回答記憶部233は、質問への回答を記憶する。本実施形態では、回答記憶部233は、質問に対する従業員からの回答を含む情報(以下、回答情報という。)を記憶する。回答情報には、回答した従業員を示す従業員ID、回答日(本実施形態では回答日により回答が特定可能であるものとする。時間が含まれていてもよい。また、回答IDなどであってもよい。)、回答の内容が含まれうる。
ライフイベント記憶部234は、従業員のライフイベントを記憶する。本実施形態では、ライフイベント記憶部234は、従業員に発生したライフイベントを含む情報(以下、ライフイベント情報という。)を記憶する。ライフイベント情報には、従業員を示す従業員ID、ライフイベント、及びライフイベントの発生日が含まれうる。ライフイベントは、後述するライフイベント推定部213が推定したものとすることができる。また、ライフイベントについての質問を行い、質問に対する回答としてのライフイベントの発生をライフイベント情報に含めて登録するようにしてもよい。
指標記憶部235は、回答に基づいて求められた指標を記憶する。本実施形態では、指標は従業員のワークエンゲージメントに係る評価を想定している。本実施形態では、指標記憶部235は、指標を含む情報(以下、指標情報という。)を記憶する。指標情報には、従業員を示す従業員ID、回答日、指標種別、及び指標値が含まれる。指標種別は、例えば、総合、仕事に対する熱意、各種のエンゲージメントドライバーなどとすることができる。指標記憶部235には、従業員が属する組織ごとに付与された組織IDに紐づけて、各従業員の情報を格納してもよい。また、組織に属する各従業員のエンゲージメントを総合することによって算出した組織の総合エンゲージメント指標を含んでもよい。
対応策記憶部236は、エンゲージメント向上のための対応策を記憶する。対応策記憶部236は、対応策を含む情報(以下、対応策情報という。)を記憶する。本実施形態では、対応策情報は、一般にエンゲージメントを向上させる効果があるといわれている対応策を登録しておいてもよいし、下記で述べるように、分析部215が組織の人事労務情報とエンゲージメントとの関係を分析することによって抽出した事項を登録してもよい。また、対応策情報は、カテゴリ情報とともに記憶することができる。カテゴリ情報は、例えば、業界、部署名、組織の大きさ(人数)、組織の設立経過年など、組織の特性を表すカテゴリである。また、本実施形態では、対応策情報には、ライフイベントに対応付けて対応する者と対応策が含まれるものとする。ライフイベントとは、従業員の人生において発生した出来事をいい、誕生、就学、就職、結婚、出産、教育などの従業員の生活に関する出来事や、会社等の組織における昇格、プロジェクトへのアサイン、仕事上のミス、表彰、昇給、異動、退職などの従業員の仕事に関する出来事を含む。対応策としては、例えば、仕事上のミスが生じて、従業員のエンゲージメントが下がった場合に、会社、部署、上司などの対応者がどのような対応をすればよいかが設定される。なお、エンゲージメントが上がった場合に、さらにエンゲージメントを向上させるような対応策を設定するようにしてもよい。
質問送信部211は、アンケートを実施する。具体的には、質問送信部211は、従業員に対して仕事に関する質問項目を従業員端末1に送信する。質問送信部211は、質問を質問記憶部232から読み出すことができる。質問を送信するタイミングは、組織においてあらかじめ定めた所定期間ごと(1年に1回、半年に1回など)でもよいし、異動があったとき、昇進したとき、組織再編があったとき、育休等の長期休暇から復帰したとき、など所定のイベントが発生する前後としてもよい。
回答受信部212は、アンケートの回答を受け付ける。回答受信部212は、従業員端末1から質問項目に関する回答を受信することができる。回答受信部212は、受信した回答を回答記憶部232に登録することができる。
ライフイベント推定部213は、データベースに含まれる人事労務情報に基づいて、従業員に発生したライフイベントを推定する。ライフイベント推定部213は、人事労務データベース231における人事労務情報の登録又は更新を契機としてライフイベントを推定することができる。また、ライフイベント推定部213は、アンケートの回答を受信したときに、ライフイベントを推定するようにしてもよい。また、管理サーバ2は、推定されたたライフイベントを従業員IDに対応付けて記憶するライフイベント記憶部234を備えるようにしてもよい。
ライフイベント推定部213は、最新の人事労務情報に含まれる項目のうち、1世代前の人事労務情報から変化したものに応じて、ライフイベントを推定することができる。
例えば、ライフイベント推定部213は、従業員の配偶者及び扶養家族の少なくともいずれかに関する人事労務情報の変化に基づいて、ライフイベントを推定することができる。ライフイベント推定部213は、例えば、1世代前の人事労務情報には配偶者欄に「無し」が設定されており、最新の人事労務情報では配偶者欄に「有り」が設定されていた場合に、当該従業員が結婚したことを推定することができる。
また、ライフイベント推定部213は、従業員の通勤及び住居の少なくともいずれかに関する人事労務情報の変化に基づいて、ライフイベントを推定することができる。ライフイベント推定部213は、例えば、最新の人事労務情報に含まれる住所が、1世代前の人事労務情報から変化していた場合に、従業員が転居したことを推定することができる。また、ライフイベント推定部213は、例えば、最新の交通費の申請や労災申請に係る人事労務情報に含まれる通勤路が1世代前から変化している場合に、従業員が通勤ルートを変更したこと、またさらに従業員が転居したことを推定することができる。
また、ライフイベント推定部213は、福利厚生制度の利用状況に関する人事労務情報の変化に基づいて、ライフイベントを推定することができる。ライフイベント推定部213は、例えば、通勤費支給に係る申請情報の変化に基づいて、通勤ルートを変更したこと、あるいは転居したことを推定することができる。また、ライフイベント推定部213は、例えば、住宅手当や家賃補助に関する人事労務情報の変化に基づいて、従業員の家計において住宅費の支出負担が変化したことを検出することができる。また、ライフイベント推定部213は、例えば、育児補助などが最初に利用されたことに基づいて子育ての環境変化を推定することができる。また、ライフイベント推定部213は、例えば、資格取得や能力開発などの利用に関する情報に基づいて、従業員が教育を受けたことを推定することができる。
また、人事労務情報として、家族の勤務先を管理している場合には、ライフイベント推定部213は、家族の勤務状況の変化(転職、転勤等)をライフイベントとして推定することができる。また、ライフイベント推定部213は、年末調整に関する人事労務情報に含まれるローン控除の有無に基づいて、住宅を購入したライフイベントを推定することができる。また、ライフイベント推定部213は、人事労務情報に基づいて、月間又は週間での勤務時間あるいは勤務日を計算することも可能であり、これに基づいて、例えば、仕事が忙しくなったことをライフイベントとして推定することができる。
また、ライフイベント推定部213は、保有資格や資格手当に関する人事労務情報に基づいて、資格取得に係るライフイベントを推定することができる。
また、ライフイベント推定部は、人事労務情報に含まれる病気休暇の取得、傷病手当、健康診断受診履歴等の健康情報に基づいて、健康状態の変化に係るライフイベントを推定することができる。例えば、健康状態の変化としては健康状態の悪化、改善、入院、病気による休職等が推定できる。
ライフイベント推定部213は、任意のタイミングでライフイベントを推定することができる。例えば、ライフイベント推定部213は、人事労務データベース231において人事労務情報が更新されたことを契機として従業員のライフイベントを推定することができる。また、ライフイベント推定部213は、運営者からの指示に応じてライフイベントを推定することができる。また、後述する指標算出部214による分析処理が行われる際にライフイベントを推定するようにしてもよい。
ライフイベント推定部213は、推定したライフイベントを含むライフイベント情報を作成して、ライフイベント記憶部234に登録することができる。ライフイベント推定部213は、人事労務情報にライフイベントの推定に用いた事項に関する日付(例えば、入籍日や入居日、申請日など)が含まれている場合には、当該日付を発生日として推定し、推定した発生日をライフイベント情報に含めることができる。ライフイベント推定部213は、最新の人事労務情報の日付を発生日としてライフイベント情報に含めるようにしてもよい。
指標算出部214は、回答に基づいて従業員のエンゲージメントを計算することができる。回答からエンゲージメントの指標を計算する方法は、任意の手法を採用することができる。指標算出部214は、計算したエンゲージメントを指標記憶部235に登録する。指標算出部214は、従業員のエンゲージメントを示す1つ又は複数の指標を計算し、従業員を示す従業員ID、回答日、指標種別に対応付けて、計算した指標を含む指標情報を作成し、作成した指標情報を指標記憶部235に登録することができる。また、指標算出部214は、組織に属する従業員のエンゲージメント指標に基づいて、組織全体のエンゲージメントを示す総合エンゲージメント指標を算出することができる。総合エンゲージメント指標の算出方法は特に制限はなく、例えば、組織に属する全従業員のエンゲージメント指標の平均値や中央値を総合エンゲージメント指標としてもよい。
分析部215は、人事労務情報とエンゲージメント指標との関係性を分析することができる。人事労務情報とは上述した人事労務データベースに含まれる情報であれば特に制限はない。例えば、勤怠情報とエンゲージメントの関係性、給与情報とエンゲージメントの関係性、研修情報とエンゲージメントの関係性、健康情報とエンゲージメントとの関係性、家族情報とエンゲージメントとの関係性、等を分析することができる。分析方法は特に制限はなく、クロス集計など任意の方法を採用することによって、人事労務情報の項目ごとのエンゲージメントを集計することができる。人事労務情報の項目によりエンゲージメントの高低に有意な差が見られた場合は、当該項目がエンゲージメントに影響を及ぼす要素であることがわかる。また、分析部215は、現在のエンゲージメントの高低と人事労務情報との関係を分析してもよいし、エンゲージメントの増加または減少と人事労務情報との関係を分析してもよい。
また、分析部215は、人事労務情報のうち、とくにライフイベントの発生とエンゲージメントの変化との関係性を分析することができる。すなわち、分析部215は、特定のライフイベントが発生した場合に、従業員のエンゲージメントがどのように変化したかについての統計をとることができる。
また、分析部215は、エンゲージメントの高い組織/又は低い組織における特徴を抽出する。まず、分析部215は、複数の組織の中から、エンゲージメントの高い組織、またはエンゲージメントの低い組織を特定する。例えば、総合エンゲージメントが所定値以上であること、または、複数の組織のうちで上位であることなどを基準として、「エンゲージメントの高い組織」を特定する。また、総合エンゲージメントが所定値以下であること、または、複数の組織のうちで下位であることなどを基準として、「エンゲージメントの低い組織」を特定する。そして、エンゲージメントの高い組織/又は低い組織における特徴を抽出する。特徴は、組織の人事労務情報に関するものであり、構成員の個々の人事労務情報に基づいて算出される組織の情報であってよい。例えば、正社員の割合、年齢分布、男女比、組織の人数、残業時間、子育て・介護従事者の割合、給与水準、評価方法(360度評価を導入している、1on1を導入している、チーム制を導入している等)、勤務形態(リモートワークの利用率、裁量労働制の導入、等)などである。分析部215は、「エンゲージメントが高い組織」又は「エンゲージメントが低い組織」に共通する人事労務情報に関する特徴を特定し、当該特徴を対応策記憶部236に記憶する。また、これらの情報は、業界別、部署別、組織の大きさ(単位)、設立経過年等の1つ以上のカテゴリごとに分析してもよい。業界別に分析する場合は、例えばソフトウェア系の組織(会社など)のみについて、エンゲージメントの高い/低い組織を分類し、これらの組織についての特徴を抽出する。部署別に分析する場合は、例えば営業部、経理部、研究開発部、等の部署ごとにエンゲージメントの高い/低い組織を分類し、これらの組織についての特徴を抽出する。
図5は、業界別ごとにエンゲージメントの高い組織の特徴を抽出した場合の対応策記憶部236の構成例である。例えば、カテゴリとしての業界の別(ソフトウェア、金融、等)とともに、当該カテゴリに属する組織においてみられた人事労務情報の特徴(360度評価を導入している、残業時間が短い、等)を記憶している。
また、分析部215は、エンゲージメントが上昇した場合、または減少した場合に、その要因を特定してもよい。例えば、n回目のエンゲージメント調査において算出されたエンゲージメントと、n+1回目のエンゲージメント調査において算出されたエンゲージメントとの差が一定以上あった場合に、n回目の調査とn+1回目の調査との間の期間における人事労務情報の変化においてエンゲージメントが変化する要因があった可能性が高いと判断することができる。
分析部215は特定の組織における複数回のエンゲージメント調査の結果を比較し、所定の条件を満たす組織を特定する。所定の条件とは、組織の総合エンゲージメントが、1回前のエンゲージメント指標よりも、所定割合増加/減少していることや、所定回数以上連続して増加/減少していること、などとすることができる。また、組織の構成員のエンゲージメントについて、1回前のエンゲージメント指標よりも、所定割合増加/減少している者の数が所定数以上であること、所定回数以上連続して増加/減少している者が所定数以上であること、などとすることができるが、これに限られない。そして、当該エンゲージメントの変化が見られた組織について、エンゲージメントが変化した期間において起こった人事労務情報の変更事項を抽出する。人事労務情報の変更事項は、人事労務データベース231における所定期間における変更履歴を参照することによって抽出することができる。人事労務情報の変更情報は人事労務情報データベース231から読み取れることであればなんでもよく、例えば、女性比率が上がった、残業時間が減った、給与が上がった、人事評価面談があったなどの事項があり得る。分析部215は、エンゲージメントが変化した複数の組織において共通して起こった変更事項を抽出してもよい。抽出した変更事項は、対応策記憶部236に登録することができる。
対応策提示部215は、エンゲージメントを向上させるための対応策を提示する。対応策提示部215は、対応策記憶部236から対応策情報を読み出し、経営者や人事部担当者などユーザ端末に提示することができる。また、対応策情報にカテゴリが付与されている場合は、ユーザの属する組織のカテゴリと少なくとも1つ以上のカテゴリが合致する対応策情報を読み出すことで、ユーザの属する組織に適した対応策情報を提示することができる。例えば、ユーザの属する組織が人数100人以下のソフトウェア系企業であれば、組織の大きさ(人数)、業界のカテゴリのうち少なくとも一方が合致する対応策情報を読み出す。また、対応策提示部215は、人事管理システムに対応者がアクセスしてきたことを契機として、対応策を提示するようにしてもよい。対応策記憶部236には、エンゲージメントが高い組織や、エンゲージメントが上昇した組織の人事労務情報の特徴が登録されているので、ユーザの組織においてエンゲージメントを向上させる可能性のある情報として提供することができる。また、対応策提示部215は、エンゲージメントが低い組織や、エンゲージメントが低下した組織の人事労務情報の特徴を良くない例として提案することとしてもよい。
対応策提示部215は、ユーザのエンゲージメント指標が所定の条件を満たす場合に対応策を提示してもよいし、エンゲージメント指標の高低に関わらず対応策を提示してもよい。所定の条件とは、例えばエンゲージメント指標が所定値以下であることや、エンゲージメント指標の低下率が所定値以上であること、などとしてもよい。また、指標記憶部235に記憶される他組織のエンゲージメントと比較して相対的に低いこと、としてもよい。このとき、比較する他組織データとしては、業種、部署、組織の大きさ、設立経過年などのカテゴリが1つ以上共通する組織のデータを抽出してもよい。
アラート部217は、ユーザの組織における人事労務情報の変更事項に基づいて、エンゲージメントの低下の可能性がある場合に、ユーザに警告情報を提示するものである。アラート部217は、人事労務データベース231上の項目内容における所定の変更を検出する。そして、検出した変更事項が、対応策記憶部236に登録されている、エンゲージメントが低い組織及び/又はエンゲージメントが低下した組織における特徴に合致するか否かを判定する。例えば、対応策情報として、エンゲージメントが低い組織及び/又はエンゲージメントが低下した組織における特徴として、「残業時間が長い」ことが登録されており、ユーザの組織の人事労務データベース231における勤務情報から、残業時間の増加が検出された場合、アラート部217は、人事労務情報の変更事項がエンゲージメントの低下リスクを有すると判断することができる。アラート情報は、経営者や人事部担当者などの端末に対して、出力することができる。
<動作>
図5は、本実施形態の人事管理システムの基本動作を説明する図である。管理サーバ2は、従業員端末1に対して質問を送信してアンケートを実施する(S321)。アンケートとして送信する質問は、質問記憶部232に記憶されている全ての質問であってもよいし、事前に送信する質問が指定されていてもよい。管理サーバ2は、従業員端末1から質問に対する回答を受信し(S322)、受信した回答に基づいて従業員のエンゲージメントを計算する(S323)。管理サーバ2は、回答及びエンゲージメントを回答記憶部233及び指標記憶部235に登録する(S324)。管理サーバ2は、エンゲージメントと、従業員の人事労務情報に関する項目との関係を分析する(S325)。管理サーバ2は、従業員が属する組織にあった対応策情報を対応策情報記憶部から読み出す(S326)。管理サーバ2は、例えば、経営者や人事部担当者などの端末に対して、分析結果と対応策情報とを出力することができる(S327)。
また、図6は、管理サーバ2がエンゲージメント調査の結果から対応策記憶部236に情報を登録する処理を説明する図である。管理サーバ2は、指標記憶部235から組織のエンゲージメント情報を読み出す(S421)。組織のエンゲージメント情報は、総合エンゲージメントでもよい。そして、組織のエンゲージメントが所定の条件を満たすか否かを判断し(S422)、エンゲージメントが高い/若しくは低い場合は、当該組織における人事労務データベース231から人事労務情報を読み出し、特徴を抽出する(S423)。複数組織における共通した特徴を抽出してもよい。抽出した特徴は、対応策情報として対応策記憶部236に登録する(S424)。
図7は、管理サーバ2がアラートを出力する処理を説明する図である。管理サーバ2は、人事労務データベース231から、組織の人事労務情報を読み出す(S521)。そして、人事労務情報に所定の変更事項があったかを判断する(S522)。所定の変更事項があった場合、当該変更事項が対応策記憶部236にエンゲージメントが低い/低下した組織の特徴として記憶される事項に合致するか否かを判定する(S523)。合致する場合、エンゲージメントが低下する恐れがある旨の警告情報をユーザに提供する(S524)。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、本実施形態では、管理サーバ2は1台のコンピュータで実現されるものとしたが、管理サーバ2の機能部及び記憶部の一部を他のコンピュータに分散させて備えさせるようにしてもよい。例えば、管理サーバ2の記憶部をデータベースサーバに持たせるようにし、管理サーバ2がデータベースサーバにアクセスするようにしてもよい。
1 従業員端末
2 管理サーバ
211 質問送信部
212 回答受信部
213 ライフイベント推定部
214 指標算出部
215 分析部
216 対応策提示部
217 アラート部
231 人事労務データベース
232 質問記憶部
233 回答記憶部
234 ライフイベント記憶部
235 指標記憶部
236 対応策記憶部

Claims (6)

  1. 従業員の人事労務情報を管理するデータベースと、
    前記従業員に対して仕事に関する質問項目を送信する質問送信部と、
    前記従業員から前記質問項目に関する回答を受信する回答受信部と、
    前記回答に基づいて前記従業員のエンゲージメントを算出する指標算出部と、
    前記エンゲージメントと前記データベースに含まれる前記人事労務情報との関係性を分析する分析部と、
    を備えることを特徴とする人事管理システム。
  2. 前記質問項目には、前記従業員の人事労務情報に関する質問が含まれない、請求項1に記載の人事管理システム
  3. 前記分析部は、前記データベースから、前記従業員の保険情報、家族情報、住居情報、健康情報の少なくともいずれかを読み出し、前記エンゲージメントとの関係性を分析する、請求項1又は2に記載の人事管理システム。
  4. 前記分析部は、前記データベースから、前記従業員の勤怠情報、研修情報、評価情報、出張情報の少なくともいずれかを読み出し、前記エンゲージメントとの関係性を分析する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の人事管理システム。
  5. 前記エンゲージメントを向上させる対応策情報を記憶する対応策記憶部と、
    前記従業員の属する組織の管理者に、前記対応策情報を提供する対応策提示部とをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の人事管理システム。
  6. 前記対応策記憶部は、エンゲージメントの高い、若しくは低い他の組織における人事労務情報の特徴を前記対応策情報として前記組織のカテゴリごとに記憶し、
    前記対応策提示部は、前記組織のカテゴリに合致する前記人事労務情報の特徴を前記対応策記憶部から読み出し、前記管理者に提示する、請求項5に記載の人事管理システム。
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