JP2022000740A - 硬貨入出金機 - Google Patents

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【課題】繰り出されるべき硬貨の直径の差が大きいような複数の種類の硬貨が処理される場合でも硬貨を1枚ずつ硬貨収納部から繰り出すことができる硬貨入出金機を提供する。【解決手段】硬貨を金種別に収納する硬貨収納部60が、処理対象範囲が直径の小さい硬貨を対象とした第1処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第1種収納部と、処理対象範囲が中間の直径の硬貨を対象とした第2処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第2種収納部と、処理対象範囲が直径の大きい硬貨を対象とした第3処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第3種収納部と、を少なくとも含んでいる。第1処理対象範囲と第2処理対象範囲とが一部重なるとともに、第2処理対象範囲と第3処理対象範囲とが一部重なる。【選択図】図5

Description

本発明は、入金された硬貨を金種別に収納するとともに収納されている硬貨を出金することができる硬貨入出金機に関する。
入金された硬貨を金種別に収納するとともに収納されている硬貨を出金することができる硬貨入出金機として様々な種類のものが知られている。例えば、特許文献1には、硬貨を1度に1枚ずつ繰り出すような回転円盤を有する硬貨繰出装置を備えた硬貨入出金機が開示されている。
特開2012−174035号公報
特許文献1に開示される硬貨繰出装置では、繰り出されるべき硬貨の直径の差が大きいような複数の種類の硬貨が処理される場合に、回転円盤の突起に引っ掛けられて硬貨が上昇する際に1つの突起に直径が小さな硬貨が複数枚引っ掛けられてしまう場合がある。この場合には、硬貨繰出装置から複数枚の硬貨が一度に繰り出されてしまうおそれがあった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、繰り出されるべき硬貨の直径の差が大きいような複数の種類の硬貨が処理される場合でも硬貨を1枚ずつ硬貨収納部から繰り出すことができる硬貨入出金機を提供することを目的とする。
本発明の硬貨入出金機は、入金された硬貨を金種別に収納するとともに収納されている硬貨を出金することができる硬貨入出金機であって、硬貨を金種別に収納する硬貨収納部が、処理対象範囲が直径の小さい硬貨を対象とした第1処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第1種収納部と、処理対象範囲が中間の直径の硬貨を対象とした第2処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第2種収納部と、処理対象範囲が直径の大きい硬貨を対象とした第3処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第3種収納部と、を少なくとも含み、前記第2処理対象範囲の下限値および上限値がそれぞれ前記第1処理対象範囲の下限値および上限値よりも大きく、前記第3処理対象範囲の下限値および上限値がそれぞれ前記第2処理対象範囲の下限値および上限値よりも大きく、前記第1処理対象範囲と前記第2処理対象範囲とが一部重なるとともに、前記第2処理対象範囲と前記第3処理対象範囲とが一部重なることを特徴とする。
本発明の硬貨入出金機においては、前記第1種収納部、前記第2種収納部および前記第3種収納部は、それぞれ傾斜状態で回転可能に設けられた円盤を有しており、前記円盤は、表面に複数の突起を有し、回転時に各前記突起により硬貨が引っ掛けられて上昇させられることにより硬貨繰出口から繰り出され、前記円盤の前記突起の引っ掛け部の幅が、前記第1種収納部、前記第2種収納部および前記第3種収納部において異なっていてもよい。
この場合、前記第1種収納部の前記引っ掛け部の幅は、前記第1処理対象範囲である硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさであり、前記第2種収納部の前記引っ掛け部の幅は、前記第2処理対象範囲である硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさであり、前記第3種収納部の前記引っ掛け部の幅は、前記第3処理対象範囲である硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさであってもよい。
また、前記硬貨繰出口の幅の大きさが、前記第1種収納部、前記第2種収納部および前記第3種収納部において異なっていてもよい。
この場合、前記第1種収納部の前記硬貨繰出口の幅の大きさは、前記第1処理対象範囲である硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさであり、前記第2種収納部の前記硬貨繰出口の幅の大きさは、前記第2処理対象範囲である硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさであり、前記第3種収納部の前記硬貨繰出口の幅の大きさは、前記第3処理対象範囲である硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさであってもよい。
また、前記第1種収納部、前記第2種収納部および前記第3種収納部のうち前記第2種収納部の数が最も多く、前記第1種収納部の数および前記第3種収納部の数はそれぞれ前記第2種収納部の数の半分以下であってもよい。
この場合、前記第1種収納部の数および前記第3種収納部の数のうち少なくとも一方の数は1つであってもよい。
また、前記第1種収納部の数が1つ、前記第2種収納部の数が5つ、前記第3種収納部の数が2つであってもよい。
また、前記第1処理対象範囲と前記第2処理対象範囲との重なりが、前記第1処理対象範囲の40%以上であり、前記第2処理対象範囲と前記第3処理対象範囲との重なりが、前記第3処理対象範囲の40%以上であってもよい。
この場合、前記第1処理対象範囲の上限値が、前記第3処理対象範囲の下限値以上であってもよい。
また、前記第1処理対象範囲は14mm〜21mmであり、前記第2処理対象範囲は16mm〜26mmであり、前記第3処理対象範囲は21mm〜33mmであってもよい。
本発明の硬貨入出金機によれば、繰り出されるべき硬貨の直径の差が大きいような複数の種類の硬貨が処理される場合でも硬貨を1枚ずつ硬貨収納部から繰り出すことができる。
本発明の実施の形態による硬貨入出金機の内部構成を概略的に示す概略構成図である。 図1に示す硬貨入出金機の各硬貨収納部のA−A矢視による構成を示す構成図である。 図1等に示す硬貨入出金機の繰出部、搬送部および選別部等の構成の詳細を示す構成図である。 図1等に示す硬貨入出金機の機能的な構成を示すブロック図である。 図1等に示す硬貨入出金機の各硬貨収納部の収納対象硬貨を示す表である。 変形例に係る硬貨入出金機の各硬貨収納部の構成を概略的に示す概略構成図である。 図6に示す硬貨収納部の仕切り板の構成を示す構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図5は、本実施の形態に係る硬貨入出金機10を示す図である。本実施の形態に係る硬貨入出金機10は、硬貨の入金処理および出金処理等を行うものである。
まず、硬貨入出金機10の全体構成について図1を用いて説明する。図1に示すように、硬貨入出金機10は、繰出部20と、搬送部30と、識別部40と、選別部50と、複数の硬貨収納部60と、回収ボックス100と、収納ドロア102とを備えている。また、硬貨入出金機10は略直方体形状の筐体12を有している。そして、この筐体12の内部に、繰出部20、搬送部30、識別部40、選別部50、複数の硬貨収納部60、回収ボックス100、収納ドロア102等が配置されている。
図1における硬貨入出金機10の筐体12の左側の面が、硬貨入出金機10を手前側から見た時の正面である。また、図1における右方向は、硬貨入出金機10の奥行き方向である。
繰出部20は、筐体12の上面に設けられた硬貨投入口(図示せず)を介して筐体12の外部から内部に投入された硬貨が収納される。また、繰出部20は、収納されている硬貨を1枚ずつ搬送部30に繰り出す。このような繰出部20の構成の詳細については後述する。
搬送部30は、繰出部20から繰り出された硬貨を1枚ずつ搬送する。また、搬送部30には識別部40が設けられている。識別部40は、搬送部30により搬送される硬貨の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別を行う。また、図3に示すように、搬送部30には複数の検出部42が設けられている。各検出部42は、搬送部30により搬送される硬貨が通過したときにこの硬貨を検出する。このような搬送部30の構成の詳細については後述する。
搬送部30には複数(具体的には、8つ)の選別部50が設けられている。各選別部50は、識別部40による硬貨の識別結果に基づいて、搬送部30により搬送される硬貨を選別してこの搬送部30から硬貨収納部60に送る。このような選別部50の構成の詳細については後述する。
図1および図2に示すように搬送部30の下方には複数(具体的には、8つ)の硬貨収納部60が設けられている。ここで、複数の選別部50の各々は、複数の硬貨収納部60の各々に対応している。そして、搬送部30により搬送される硬貨が選別部50により選別されると、選別された硬貨は選別部50に対応する硬貨収納部60に送られる。
各硬貨収納部60は、選別部50から送られた硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を1枚ずつ繰り出して収納ドロア102に送る。収納ドロア102は、筐体12の前面側から当該筐体12の外部に引き出し可能となっている。また、収納ドロア102の下方には回収ボックス100が設けられている。回収ボックス100も筐体12の前面側から当該筐体12の外部に引き出し可能となっている。このような硬貨収納部60の構成の詳細については後述する。
なお、各硬貨収納部60の下方であって収納ドロア102の上方の位置に出金搬送部が設けられるとともに、出金搬送部から硬貨が搬送される硬貨出金部が設けられていてもよい。より詳細には、出金搬送部は、各硬貨収納部60から繰り出された硬貨を硬貨出金部および収納ドロア102のうち何れかに送る。硬貨出金部は硬貨受け部分を有しており、出金搬送部から硬貨出金部に送られた硬貨は硬貨受け部分に集積される。また、操作者は筐体12の外部から硬貨出金部の硬貨受け部分にアクセス可能となっている。このことにより、硬貨受け部分に集積された出金硬貨を操作者は筐体12の外部に取り出すことができる。
また、筐体12の内部における前面側には、オーバーフローボックス106、偽貨ボックス108、異物返却ボックス110およびリジェクト口112が設けられている。オーバーフローボックス106、偽貨ボックス108、異物返却ボックス110はそれぞれ筐体12の外部に引き出し可能となっている。また、操作者は筐体12の外部からリジェクト口112の内部にアクセス可能となっている。このため、リジェクト口112に送られた硬貨を操作者は筐体12の外部に取り出すことができる。
次に、繰出部20、搬送部30、識別部40、各検出部42および各選別部50等の構成の詳細について図3を用いて説明する。
図3に示すように、繰出部20は、軸22aを中心として回転する円盤22を有している。円盤22は表面に複数の突起22bを有している。また、円盤22は傾斜状態で回転可能に設けられている。円盤22が図3において反時計回りの方向に回転すると、各突起22bに硬貨が引っ掛けられることによりこの硬貨は上昇する。
また、繰出部20は取出機構28を有している。取出機構28は、各突起22bに引っ掛けられることにより上昇した硬貨を1枚のみ把持して円盤22上から取り除いて円盤22の外に出す。取出機構28により円盤22の外に出された硬貨は搬送部30に送られる。このようにして、繰出部20から硬貨が1枚ずつ搬送部30に繰り出される。
また、繰出部20には、この繰出部20に収納されている硬貨を検知するための残留検知センサ(図示せず)が設けられている。
また、繰出部20の底部に設けられた異物排除ゲート29が開くとこの繰出部20に収容されているクリップ等の異物は自重により繰出部20から異物返却ボックス110に落下して異物返却ボックス110に収容されるようになっている。操作者は異物返却ボックス110を筐体12から外部に引き出すことにより、異物返却ボックス110に収納されている異物を取り出すことができる。
搬送部30は、第1搬送路32と、第1搬送路32の上方に設けられた第2搬送路36と、第1搬送路32により搬送される硬貨の搬送方向を180°変えて第2搬送路36に送る折り返し部分34とを有している。繰出部20から搬送部30に繰り出された硬貨はまず第1搬送路32に沿って図3における右方向に搬送され、次に折り返し部分34で搬送方向が180°変えられる。
そして、折り返し部分34から第2搬送路36に送られた硬貨は第2搬送路36に沿って図3における左方向に搬送される。また、第2搬送路36の下流側端部には、第2搬送路36から繰出部20に硬貨を案内するための案内部38が設けられている。そして、第2搬送路36から案内部38に硬貨が送られると、この硬貨は案内部38により繰出部20の円盤22の上部位置に戻される。
搬送部30は無端状のベルト30aを有しており、このベルト30aには複数の突起30bが等間隔で設けられている。ベルト30aは複数のプーリ31、39等に掛けられており、複数のプーリ31、39等のうちあるプーリがモータによって回転させられることによりベルト30aが図3において反時計回りの方向に循環移動する。このことにより、繰出部20から搬送部30に繰り出された硬貨は突起30bに引っ掛けられることにより1枚ずつ搬送される。
搬送部30における硬貨の搬送路には識別部40および複数の検出部42が配置されている。識別部40は、例えばラインセンサおよび磁気センサを組み合わせたものである。識別部40は、搬送部30により搬送される硬貨の金種、真偽、正損、搬送状態等の識別を行う。
各検出部42は、硬貨の搬送路を挟むよう設けられた発光素子および受光素子を含む光学センサである。搬送部30においてベルト30aにより搬送される硬貨が各検出部42を通過する際に、発光素子から発せられた光が硬貨に遮られて受光素子により受けられなくなることにより各検出部42は硬貨を検出する。このような検出部42による硬貨の検出結果により硬貨の搬送異常(例えば、連鎖や重送)も検出することができる。
ベルト30aによる硬貨の搬送方向における識別部40の下流側にはリジェクト部56が設けられている。リジェクト部56は、この識別部40の上流側にある検出部42により検出されたが識別部40により識別できなかった硬貨(例えば、樹脂から構成される樹脂貨等)を搬送部30から選別してリジェクト口112に送る。また、上述したように、操作者はリジェクト口112に送られた硬貨を筐体12の外部に取り出すことができる。
ベルト30aによる硬貨の搬送方向におけるリジェクト部56の下流側には複数の選別部50が設けられている。複数の選別部50は、第1選別部50A、第2選別部50B、第3選別部50C、第4選別部50D、第5選別部50E、第6選別部50F、第7選別部50Gおよび第8選別部50Hから構成されている。
各選別部50は各硬貨収納部60に対応している。また、各硬貨収納部60には金種がそれぞれ割り当てられている。そして、各選別部50は、識別部40による硬貨の識別結果に基づいて、対応する硬貨収納部60に割り当てられた金種の硬貨を搬送部30から選別して対応する硬貨収納部60に送る。
ベルト30aによる硬貨の搬送方向における各選別部50の下流側にはオーバーフロー選別部52および偽貨選別部54が設けられている。識別部40により識別された硬貨の金種に対応する硬貨収納部60がフル状態またはニアフル状態でありこの硬貨収納部60に硬貨をこれ以上収納することができない場合は、この硬貨は硬貨収納部60に対応する選別部50により選別されない。そして、この硬貨はオーバーフロー選別部52により搬送部30から選別されてオーバーフローボックス106に送られる。
また、識別部40により偽貨であると識別された硬貨は、偽貨選別部54により搬送部30から選別されて偽貨ボックス108に送られる。操作者はオーバーフローボックス106および偽貨ボックス108を筐体12から外部に引き出すことにより、オーバーフローボックス106に収納されている硬貨および偽貨ボックス108に収納されている偽貨としての硬貨を取り出すことができる。
搬送部30の下方には複数の硬貨収納部60が設けられている。複数の硬貨収納部60は、第1硬貨収納部60A、第2硬貨収納部60B、第3硬貨収納部60C、第4硬貨収納部60D、第5硬貨収納部60E、第6硬貨収納部60F、第7硬貨収納部60Gおよび第8硬貨収納部60Hから構成されている。
上述したように、各硬貨収納部60は、対応する選別部50により搬送部30から選別された硬貨を収納する。また、各硬貨収納部60は、収納されている硬貨を1枚ずつ繰り出して収納ドロア102や回収ボックス100に送ることができるようになっている。また、各硬貨収納部60には、収納される硬貨の金種が割り当てられている。このことにより、各硬貨収納部60は硬貨を金種別に収納する。
本実施の形態では、硬貨を金種別に収納する硬貨収納部60が、直径の小さい硬貨を収納する第1種収納部、中間の直径の硬貨を収納する第2種収納部および直径の大きい硬貨を収納する第3種収納部を少なくとも含んでいる。具体的には、8つの硬貨収納部60のうち、1つの硬貨収納部60は第1種収納部であり、5つの硬貨収納部60は第2種収納部であり、2つの硬貨収納部60は第3種収納部である。
具体的には、図5に示すように、第1硬貨収納部60Aは第1種収納部であり、収納対象硬貨は直径の小さい硬貨である。また、第2硬貨収納部60B、第3硬貨収納部60C、第4硬貨収納部60D、第5硬貨収納部60Eおよび第6硬貨収納部60Fはそれぞれ第2種収納部であり、収納対象硬貨は中間の直径の硬貨である。また、第7硬貨収納部60Gおよび第8硬貨収納部60Hはそれぞれ第3種収納部であり、収納対象硬貨は直径の大きい硬貨である。
なお、第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部の数は上記の例に限定されないが、第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部のうち第2種収納部の数が最も多いことが好ましい。また、第1種収納部の数および第3種収納部の数はそれぞれ第2種収納部の数の半分以下であること好ましい。また、第1種収納部の数および第3種収納部の数のうち少なくとも一方の数は1つであることがより好ましい。
第1種収納部は、処理対象範囲が直径の小さい硬貨を対象とした第1処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成となっている。第2種収納部は、処理対象範囲が中間の直径の硬貨を対象とした第1処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成となっている。第3種収納部は、処理対象範囲が直径の大きい硬貨を対象とした第1処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成となっている。
具体的には、第1処理対象範囲は14mm〜21mmであり、第2処理対象範囲は16mm〜26mmであり、第3処理対象範囲は21mm〜33mmである。なお、第1処理対象範囲、第2処理対象範囲および第3処理対象範囲の各々は上記の数値範囲に限定されないが、第2処理対象範囲の下限値および上限値は、それぞれ第1処理対象範囲の下限値および上限値よりも大きい。また、第3処理対象範囲の下限値および上限値がそれぞれ第2処理対象範囲の下限値および上限値よりも大きい。
また、第1処理対象範囲と第2処理対象範囲とが一部重なるとともに、第2処理対象範囲と第3処理対象範囲とが一部重なる。具体的には、第1処理対象範囲と第2処理対象範囲とは16mm〜21mmの範囲で重なり、第2処理対象範囲と第3処理対象範囲とは21mm〜26mmの範囲で重なる。
また、第1処理対象範囲と第2処理対象範囲との重なり(5mm)が、第1処理対象範囲(7mm)の40%以上である。また、第2処理対象範囲と第3処理対象範囲との重なり(5mm)が、第3処理対象範囲(12mm)の40%以上である。また、第1処理対象範囲の上限値(21mm)が、第3処理対象範囲の下限値(21mm)以上である。
また、図1および図2に示すように、各硬貨収納部60(第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部)は、それぞれ傾斜状態で軸61aを中心として回転可能に設けられた円盤61を有している。円盤61は、表面に複数の突起61bを有し、軸61aを中心として回転するときに各突起61bにより硬貨が引っ掛けられて上昇させられることにより硬貨繰出口から繰り出される。
ここで、円盤61の突起61bの引っ掛け部の幅が、第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部において異なっている。具体的には、第1種収納部の円盤61の突起61bの引っ掛け部の幅は、第1処理対象範囲である直径の小さい硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさである。また、第2種収納部の円盤61の突起61bの引っ掛け部の幅は、第2処理対象範囲である中間の直径の硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさである。また、第3種収納部の円盤61の突起61bの引っ掛け部の幅は、第3処理対象範囲である直径の大きい硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさである。
具体的には、第1種収納部の円盤61の突起61bの引っ掛け部の幅は、20mm〜22mmの範囲内の大きさである。また、第2種収納部の円盤61の突起61bの引っ掛け部の幅は、18.5mm〜21.5mmの範囲内の大きさである。また、第3種収納部の円盤61の突起61bの引っ掛け部の幅は、15mm〜20.6mmの範囲内の大きさである。
また、硬貨繰出口の幅の大きさが、第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部において異なっている。具体的には、第1種収納部の硬貨繰出口の幅の大きさは、第1処理対象範囲である直径の小さい硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさである。また、第2種収納部の硬貨繰出口の幅の大きさは、第2処理対象範囲である硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさである。また、第3種収納部の硬貨繰出口の幅の大きさは、第3処理対象範囲である硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさである。
具体的には、第1種収納部の硬貨繰出口の幅の大きさは、21.5mm〜22mmの範囲内の大きさである。また、第2種収納部の硬貨繰出口の幅の大きさは、26.5mm〜27mmの範囲内の大きさである。また、第3種収納部の硬貨繰出口の幅の大きさは、33.5mm〜34mmの範囲内の大きさである。
硬貨の出金処理が行われる際に、各硬貨収納部60から繰り出された硬貨は収納ドロア102に送られ、この収納ドロア102に収納される。そして、硬貨の出金処理が完了した後、操作者は収納ドロア102を筐体12の前面から手前側に引き出すことにより出金硬貨を収納ドロア102から取り出すことができるようになる。
また、硬貨の回収処理が行われる際に、回収ボックス100が筐体12の内部に装着されているが収納ドロア102が筐体12の内部に装着されていないときには、各硬貨収納部60から繰り出された硬貨は回収ボックス100に送られてこの回収ボックス100に収納される。そして、硬貨の回収処理が完了した後、操作者は回収ボックス100を筐体12の前面から手前側に引き出すことにより硬貨を回収ボックス100ごと回収することができるようになる。
また、図4に示すように、硬貨入出金機10の筐体12の内部には、例えばCPU(中央演算処理装置)等の制御部90が設けられている。制御部90には繰出部20、搬送部30、識別部40、各検出部42、各選別部50、リジェクト部56、各硬貨収納部60等の各構成要素が接続されている。識別部40による硬貨の識別結果や各検出部42による硬貨の検出結果は制御部90に送られる。また、制御部90は硬貨入出金機10の各構成要素の指令信号を送ることにより各構成要素を制御する。
また、図4に示すように、制御部90には操作表示部92、記憶部94および通信部96が接続されている。操作表示部92は、例えば筐体12の前面または上面に設けられたタッチパネルである。硬貨入出金機10における硬貨の処理状況や各硬貨収納部60に収納されている硬貨の在高等の情報が操作表示部92に表示される。また、操作者は操作表示部92により制御部90に様々な指令を入力することができる。
記憶部94は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはSSD(Solid State Drive)等で構成されている。記憶部94には、硬貨入出金機10における硬貨の処理履歴や各硬貨収納部60に収納されている硬貨の在高等の情報が記憶される。
なお、操作表示部92や記憶部94は硬貨入出金機10の内部に設けられるのではなく硬貨入出金機10の外部に設けられていてもよい。この場合、制御部90は通信部96を介して硬貨入出金機10の外部に設けられている操作表示部92や記憶部94と信号の送受信を行うようになっていてもよい。
制御部90は、通信部96により硬貨入出金機10以外の装置に対して様々な信号の送受信を行うことができる。例えば、制御部90は、通信部96によりPOSレジスタ等の上位端末に対して硬貨入出金機10における硬貨の処理状況や各硬貨収納部60に収納されている硬貨の在高等の情報を送信する。また、POSレジスタ等の上位端末から通信部96を介して制御部90に硬貨の入金処理開始指令や出金処理開始指令が送られる場合がある。
次に、本実施の形態の硬貨入出金機10による硬貨の処理方法について説明する。なお、以下の動作は制御部90が硬貨入出金機10の各構成要素を制御することにより行われる。
まず、硬貨入出金機10により行われる硬貨の入金処理について説明する。筐体12の上面に設けられた硬貨投入口を介して筐体12の外部から内部に硬貨が投入されると、この投入された硬貨は繰出部20に収納される。
繰出部20に硬貨が収納され、この硬貨が残留検知センサにより検知されると、繰出部20の円盤22が軸22aを中心として図3における矢印方向に回転するとともに搬送部30のベルト30aが図3における矢印方向に循環移動する。このことにより、繰出部20から搬送部30に硬貨が1枚ずつ繰り出される。
繰出部20から搬送部30に繰り出された硬貨はベルト30aに設けられた突起30bに引っ掛けられることにより図3における矢印方向に搬送される。硬貨の搬送路に沿ってベルト30aにより搬送される硬貨は各検出部42により検出される。このことにより、ベルト30aにより搬送される硬貨に搬送異常が生じている場合にはこのことが各検出部42により検出される。また、ベルト30aにより搬送される硬貨が識別部40を通過する際に、この硬貨の金種、真偽、正損、搬送状態等が識別部40により識別される。
識別部40を通過した硬貨のうち、この識別部40の上流側にある検出部42により検出されたが識別部40により識別できなかった硬貨(例えば、樹脂から構成される樹脂貨等)はリジェクト部56により搬送部30から選別される。リジェクト部56により選別された硬貨はリジェクト口112に送られる。
また、識別部40を通過した硬貨のうち、正常な硬貨であると識別部40により識別された硬貨は、この硬貨の金種が割り当てられた硬貨収納部60に対応する選別部50により搬送部30から選別される。選別部50により選別された硬貨はこの選別部50に対応する硬貨収納部60に送られ、この硬貨収納部60に収納される。
なお、識別部40により識別された硬貨の金種に対応する硬貨収納部60がフル状態またはニアフル状態でありこの硬貨収納部60に硬貨をこれ以上収納することができない場合は、この硬貨は硬貨収納部60に対応する選別部50により選別されない。そして、この硬貨はオーバーフロー選別部52により搬送部30から選別されてオーバーフローボックス106に送られる。
また、識別部40により偽貨であると識別された硬貨は、偽貨選別部54により搬送部30から選別されて偽貨ボックス108に送られる。
搬送部30においてベルト30aにより搬送される硬貨がリジェクト部56、各選別部50、オーバーフロー選別部52および偽貨選別部54の何れにも選別されなかった場合には、この硬貨は搬送部30から案内部38により繰出部20に戻される。具体的には、検出部42による硬貨の検出結果により硬貨の搬送異常(例えば、連鎖や重送)が検出されている場合には、このような硬貨は搬送部30から案内部38により繰出部20に戻される。
そして、繰出部20の円盤22が回転動作を開始してから所定の時間(具体的には、繰出部20に収納されている硬貨が全て搬送部30に繰り出されて各硬貨収納部60に収納されるのに十分な時間)が経過すると、繰出部20の底部が開く。繰出部20の底部が開くと、この繰出部20に残されたクリップ等の異物は自重により繰出部20から異物返却ボックス110に落下して異物返却ボックス110に収容される。
このようにして、硬貨入出金機10における硬貨の入金処理が完了する。
次に、硬貨入出金機10により行われる硬貨の出金処理について説明する。まず、硬貨の出金処理開始指令が制御部90に入力されるとともに、出金されるべき硬貨の合計金額または金種毎の枚数に係る情報が制御部90に入力される。このことにより、出金されるべき硬貨が各硬貨収納部60から繰り出され、この繰り出された硬貨は収納ドロア102に収納される。
このようにして、出金されるべき硬貨が全て各硬貨収納部60から繰り出され、収納ドロア102に収納されると、硬貨入出金機10における硬貨の出金処理が完了する。その後、操作者は収納ドロア102を筐体12の前面から手前側に引き出すことにより、出金硬貨を収納ドロア102から取り出すことができる。
次に、硬貨入出金機10により行われる硬貨の回収処理について説明する。操作者はまず回収ボックス100を筐体12の内部に収容するとともに収納ドロア102を筐体12の外部に取り出す。そして、硬貨の回収処理開始指令が制御部90に入力されると、回収されるべき硬貨が各硬貨収納部60から繰り出され、この繰り出された硬貨は回収ボックス100に収納される。なお、回収されるべき硬貨とは、各硬貨収納部60に収納されている全ての硬貨であってもよい。あるいは、釣銭準備金として所定の枚数の硬貨が各硬貨収納部60に残され、それ以外の硬貨が回収されるべき硬貨として各硬貨収納部60から繰り出されてもよい。
回収されるべき硬貨が全て各硬貨収納部60から繰り出されて回収ボックス100に送られると、操作者は回収ボックス100を筐体12から引き出すことにより硬貨を回収ボックス100ごと回収することができる。このようにして硬貨入出金機10における硬貨の回収処理が完了する。
以上のような構成からなる本実施の形態の硬貨入出金機10によれば、硬貨を金種別に収納する硬貨収納部60が、処理対象範囲が直径の小さい硬貨を対象とした第1処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第1種収納部と、処理対象範囲が中間の直径の硬貨を対象とした第2処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第2種収納部と、処理対象範囲が直径の大きい硬貨を対象とした第3処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第3種収納部と、を少なくとも含んでいる。また、第2処理対象範囲の下限値および上限値がそれぞれ第1処理対象範囲の下限値および上限値よりも大きく、第3処理対象範囲の下限値および上限値がそれぞれ第2処理対象範囲の下限値および上限値よりも大きい。また、第1処理対象範囲と第2処理対象範囲とが一部重なるとともに、第2処理対象範囲と第3処理対象範囲とが一部重なる。
このような硬貨入出金機10によれば、1つの硬貨入出金機10で様々な国の多種多様なサイズの硬貨に対応することができる。例えば、ある国で直径が非常に小さい硬貨が用いられている場合にはこの硬貨を第1種収納部に割り当てることにより、このような直径が非常に小さい硬貨を第1種収納部から繰り出させることができる。また、ある国で直径が非常に大きい硬貨が用いられている場合にはこの硬貨を第3種収納部に割り当てることにより、このような直径が非常に大きい硬貨を第3種収納部から繰り出させることができる。
一方、多くの国では、様々な金種の硬貨の直径の大きさにそれほど変動はない。すなわち、多くの国では、様々な金種の硬貨は、上述した直径が非常に小さい硬貨や直径が非常に大きい硬貨と異なり、直径が中間の大きさとなる。この場合には、様々な金種の硬貨のうち多くの金種を第2種収納部に割り当て、比較的直径の小さい金種および比較的直径の大きい金種をそれぞれ第1種収納部および第3種収納部に割り当てればよい。
ここで、従来では、様々な国で直径が非常に小さい硬貨および直径が非常に大きい硬貨が用いられることを考慮して、小径用の硬貨および大径用の硬貨にそれぞれ対応する2種類の硬貨入出金機を製造していた。そして、硬貨入出金機が導入される国で流通している硬貨の直径の大きさに対応する硬貨入出金機を選択して販売していた。しかしながら、製造機種の種類が多くなることにより製造コストが高くなるとともに、種類毎に製品の在庫を準備しておく必要があるため管理コストも高くなってしまうという問題があった。
これに対し、本実施の形態の硬貨入出金機10によれば、上記の構成により、繰り出されるべき硬貨の直径の差が大きいような複数の種類の硬貨が処理される場合でも、1種類の硬貨入出金機10で硬貨を1枚ずつ各硬貨収納部60から繰り出すことができる。このように、本実施の形態の硬貨入出金機10によれば、繰出可能な硬貨の直径の範囲が異なり、かつ当該範囲の一部が重なる3種類の硬貨収納部60を設けることによって、1種類の硬貨入出金機10でほぼ全ての国の硬貨に対応することができる。
また、上述したように、第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部は、それぞれ傾斜状態で回転可能に設けられた円盤61を有しており、円盤61は、表面に複数の突起61bを有している。そして、回転時に各突起61bにより硬貨が引っ掛けられて上昇させられることにより硬貨繰出口から繰り出される。また、円盤61の突起61bの引っ掛け部の幅が、第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部において異なる。この場合には、処理される硬貨の直径の大きさに応じて円盤61の突起61bの引っ掛け部の幅を変えることにより、処理される硬貨の直径がどのような大きさであっても第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部のうち直径が処理対象範囲である硬貨収納部60に収納させることにより、円盤61の突起61bの引っ掛け部にこの硬貨を引っ掛けて硬貨繰出口から繰り出させることができる。
また、第1種収納部の引っ掛け部の幅は、第1処理対象範囲である硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさであり、第2種収納部の引っ掛け部の幅は、第2処理対象範囲である硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさであり、第3種収納部の引っ掛け部の幅は、第3処理対象範囲である硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさであることが好ましい。この場合には、処理される硬貨の直径がどのような大きさであっても、円盤61の突起61bの引っ掛け部にこの硬貨をより確実に引っ掛けて硬貨繰出口から繰り出させることができる。
また、上述したように、硬貨繰出口の幅の大きさが、第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部において異なる。この場合には、処理される硬貨の直径の大きさに応じて硬貨繰出口の幅の大きさを変えることにより、処理される硬貨の直径がどのような大きさであっても第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部のうち直径が処理対象範囲である硬貨収納部60に収納させることにより、硬貨が硬貨繰出口を通過するようになるためこの硬貨を硬貨繰出口から繰り出させることができる。
また、第1種収納部の硬貨繰出口の幅の大きさは、第1処理対象範囲である硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさであり、第2種収納部の硬貨繰出口の幅の大きさは、第2処理対象範囲である硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさであり、第3種収納部の硬貨繰出口の幅の大きさは、第3処理対象範囲である硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさであることが好ましい。この場合には、処理される硬貨の直径がどのような大きさであっても、硬貨が硬貨繰出口をより確実に通過するようになるためこの硬貨を硬貨繰出口から繰り出させることができる。
また、上述したように、第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部のうち第2種収納部の数が最も多く、第1種収納部の数および第3種収納部の数はそれぞれ第2種収納部の数の半分以下であることが好ましい。この場合には、比較的金種の数が多い、直径が第2処理対象範囲である硬貨を収納する第2種収納部の数が最も多くなる。このため、処理されるべき各金種の硬貨の合計枚数が多い場合でも大多数の硬貨を数の多い第2種収納部に収納させることにより硬貨入出金機10で硬貨の入金処理が行われる際にオーバーフローが発生してしまうことを抑制することができる。
また、第1種収納部の数および第3種収納部の数のうち少なくとも一方の数は1つであることがより好ましい。直径が非常に小さい硬貨および直径が非常に大きい硬貨はそれぞれ第1種収納部および第3種収納部にしか収納することができないが、それ以外の中間の直径の硬貨は概ね第2種収納部に収納することができる場合が多い。このため、第1種収納部の数または第3種収納部の数が1つであっても大きな問題とはならない。
また、第1種収納部の数が1つ、第2種収納部の数が5つ、第3種収納部の数が2つであることが好ましい。この場合には、硬貨入出金機10で硬貨の入金処理が行われる際にオーバーフローが発生してしまうことを抑制しつつ、直径が非常に小さい硬貨および直径が非常に大きい硬貨をそれぞれ第1種収納部および第3種収納部に収納することができるため、硬貨入出金機10を最大限効率良く使用することができる。なお、直径が非常に小さい硬貨よりも直径が非常に大きい硬貨の数が多いと考えられるため、第3種収納部の数は1つではなく2つにしておくと、直径が非常に大きい硬貨の数が多い場合にも1つの硬貨入出金機10で対応することができる。
また、上述したように、第1処理対象範囲と第2処理対象範囲との重なりが、第1処理対象範囲の40%以上であり、第2処理対象範囲と第3処理対象範囲との重なりが、第3処理対象範囲の40%以上であることが好ましい。この場合には、第2処理対象範囲を大きくすることができるため、様々な金種の硬貨を概ね第2種収納部に収納することができる。
また、上述したように、第1処理対象範囲の上限値が、第3処理対象範囲の下限値以上であることが好ましい。この場合には、第2処理対象範囲が第1処理対象範囲および第3処理対象範囲のうち少なくとも一方と重なるようになるため、様々な金種の硬貨を概ね第2種収納部に収納することができる。
また、上述したように、第1処理対象範囲は14mm〜21mmであり、第2処理対象範囲は16mm〜26mmであり、第3処理対象範囲は21mm〜33mmであることが好ましい。ここで、様々な国の硬貨のうち直径が非常に小さい硬貨としては、例えばメキシコペソの10セント硬貨(直径が14mm)が考えられるが、このような硬貨も第1種収納部に収納させることができる。また、様々な国の硬貨のうち直径が非常に大きい硬貨としては、例えばオーストラリアドルの50セント硬貨(直径が31.65mm)が考えられるが、このような硬貨も第3種収納部に収納させることができる。また、様々な国の硬貨のうち多くの金種の硬貨の直径は概ね16mm〜26mmの範囲内となるので、様々な金種の硬貨を概ね第2種収納部に収納することができる。
なお、本実施の形態に係る硬貨入出金機は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
上記の例では、硬貨を金種別に収納する硬貨収納部60が、第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部という3つの種類の収納部を含む例について説明したが、本実施の形態はこのような例に限定されることはない。硬貨を金種別に収納する硬貨収納部60が、4つ以上の種類の収納部を含んでおり、各収納部で硬貨の直径の処理対象範囲が異なるようになっていてもよい。
また、硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰出可能な硬貨収納部として図6および図7に示す構成のものが用いられてもよい。図6は、変形例に係る硬貨入出金機の各硬貨収納部60aの構成を概略的に示す概略構成図であり、図7は、図6に示す硬貨収納部60aの仕切り板66の構成を示す構成図である。
図6に示すように、硬貨収納部60aの底部には、硬貨を1枚ずつ繰り出すための無端状のベルト64aを含む繰出部64が設けられており、この繰出部64の上方には、硬貨を収納する硬貨収納空間62が形成されている。また、硬貨収納空間62には、この硬貨収納空間62に収納されている硬貨を繰出部64に案内するガイド部材65、67が設けられている。硬貨収納空間62に収納されている硬貨は繰出部64のベルト64a上に集積される。
繰出部64のベルト64aが図6において反時計回りの方向に循環移動することにより、ベルト64a上に集積されている硬貨が1枚ずつ硬貨収納空間62から繰り出されて硬貨収納部60の外部に出されるようになっている。また、ガイド部材65の底面には仕切り板66が設けられており、この仕切り板66の下端とベルト64aとの間には、硬貨収納部60aに収納されるべき硬貨の厚さよりもわずかに大きい隙間が形成されている。
このような仕切り板66が設けられていることにより、ベルト64a上に集積されている硬貨が2枚以上まとめて重なった状態で硬貨収納空間62から繰り出されてしまうことを抑制することができる。
また、ガイド部材65の底面に設けられている仕切り板66は、ベルト64aに向かう方向およびベルト64aから退避する方向(図6における矢印方向)に往復移動することができるようになっている。このことにより、硬貨収納空間62の側壁と仕切り板66との間に硬貨が挟まってしまい硬貨収納部60aの出口部分で硬貨が詰まってしまうことを抑制することができる。
また、図7に示すように、仕切り板66は、ベルト64aに向かって先細となるようなテーパ部分66aを有している。このことにより、仕切り板66がベルト64aに向かう方向およびベルト64aから退避する方向に往復移動すると、硬貨収納空間62の側壁と仕切り板66のテーパ部分66aとの間の距離が変わる。このため、硬貨収納空間62の側壁と仕切り板66との間に硬貨が挟まってしまうことをより一層確実に抑制することができる。
なお、従来技術では、ベルト64a上に集積されている硬貨が2枚以上まとめて重なった状態で硬貨収納空間62から繰り出されてしまうことを抑制するための仕切り板は、ガイド部材65の底面を中心として図6における左右方向に揺動するようになっていた。そして、このような仕切り板の揺動により、硬貨収納空間62の側壁と仕切り板との間に硬貨が挟まってしまうことを抑制していた。
しかしながら、仕切り板がガイド部材65の底面を中心として図6における左右方向に揺動する場合は、ベルト64a上に集積されている硬貨が仕切り板により押圧されたり大きく離れたりするため、硬貨のなだれこみ等により硬貨収納部60aの出口部分で硬貨が詰まる可能性があった。これに対し、仕切り板66がベルト64aに向かう方向およびベルト64aから退避する方向に往復移動する場合には、従来技術のような硬貨収納部60aの出口部分における硬貨のなだれこみ等の現象の発生を抑制することができる。
また、図6等に示すような硬貨収納部60aが用いられる場合、ベルト64aの速度が第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部において異なるようになっていてもよい。
具体的には、第1種収納部におけるベルト64aの速度は、第1処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰り出すことができる大きさである。また、第2種収納部におけるベルト64aの速度は、第2処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰り出すことができる大きさである。また、第3種収納部におけるベルト64aの速度は、第3処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰り出すことができる大きさである。
この場合には、処理される硬貨の直径の大きさに応じてベルト64aの速度を変えることにより、処理される硬貨の直径がどのような大きさであっても第1種収納部、第2種収納部および第3種収納部のうち直径が処理対象範囲である硬貨収納部60に収納させることにより、適切な速度のベルト64aによって硬貨収納部60aから硬貨を1枚ずつ繰り出させることができる。
また、図6に示すように、硬貨収納部60aには、硬貨収納空間62に収納される硬貨がフル状態またはニアフル状態になったときにこのことを検出する検出部68が設けられている。検出部68は硬貨収納空間62の上端の近傍に設けられている。
検出部68は、硬貨収納空間62を挟むよう設けられた発光素子および受光素子を含む光学センサである。そして、硬貨収納空間62に収納される硬貨がフル状態またはニアフル状態になったときに、発光素子から発せられた光が硬貨に遮られて受光素子により受けられなくなることにより検出部68は硬貨収納空間62に収納される硬貨がフル状態またはニアフル状態にことを検出する。
また、図6等に示す硬貨収納部60aでは、検出部68の位置を硬貨収納部60aの高さ方向(図6の上下方向)において変えることができるようになっている。例えば、図6において実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間で検出部68を移動させることができるようになっている。
直径の大きい硬貨が収納される硬貨収納部60a(例えば、第3種収納部)では、検出部68の位置を硬貨収納部60aの高さ方向において低くしておく。具体的には、検出部68の位置を図6において実線で示す位置としておく。このことにより、硬貨収納部60aの内部で最上層に位置する硬貨が立ってしまった場合でも、検出部68の位置と集積上限位置との間に大きなマージンを確保することにより、過剰集積となってしまうことを抑制することができる。
一方、直径の小さい硬貨が収納される硬貨収納部60a(例えば、第1種収納部)では、検出部68の位置を硬貨収納部60aの高さ方向において高くしておく。具体的には、検出部68の位置を図6において二点鎖線で示す位置としておく。このことにより、検出部68の位置と集積上限位置との間のマージンが小さくなるため、硬貨収納部60aの硬貨収納量を大きくすることができる。
このように、様々な直径の大きさの硬貨に対して共通の硬貨収納部60aが用いられる場合でも、検出部68の位置を変えることにより、各々の硬貨の直径の大きさに応じた運用を行うことができる。具体的には、直径の大きい硬貨が収納される硬貨収納部60aについては過剰集積となってしまうことを抑制することができる。また、直径の小さい硬貨が収納される硬貨収納部60aについては硬貨収納量を大きくすることができる。
また、本実施の形態による硬貨入出金機は、例えば店舗や金融機関のバックオフィス領域に設置されるものである。しかしながら、このような態様に限定されることはない。本実施の形態による硬貨入出金機が例えば店舗のフロント領域において釣銭機として用いられてもよい。
10 硬貨入出金機
12 筐体
20 繰出部
22 円盤
22a 軸
22b 突起
28 取出機構
29 異物排除ゲート
30 搬送部
30a ベルト
30b 突起
31 プーリ
32 第1搬送路
34 折り返し部分
36 第2搬送路
38 案内部
39 プーリ
40 識別部
42 検出部
50 選別部
50A〜50H 第1〜第8選別部
52 オーバーフロー選別部
54 偽貨選別部
56 リジェクト部
60、60a 硬貨収納部
60A〜60H 第1〜第8硬貨収納部
61 円盤
61a 軸
61b 突起
62 硬貨収納空間
64 繰出部
64a ベルト
65 ガイド部材
66 仕切り板
66a テーパ部分
67 ガイド部材
68 検出部
90 制御部
92 操作表示部
94 記憶部
96 通信部
100 回収ボックス
102 収納ドロア
106 オーバーフローボックス
108 偽貨ボックス
110 異物返却ボックス
112 リジェクト口

Claims (11)

  1. 入金された硬貨を金種別に収納するとともに収納されている硬貨を出金することができる硬貨入出金機であって、
    硬貨を金種別に収納する硬貨収納部が、
    処理対象範囲が直径の小さい硬貨を対象とした第1処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第1種収納部と、
    処理対象範囲が中間の直径の硬貨を対象とした第2処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第2種収納部と、
    処理対象範囲が直径の大きい硬貨を対象とした第3処理対象範囲である硬貨を1枚ずつ繰出可能とする構成の第3種収納部と、
    を少なくとも含み、
    前記第2処理対象範囲の下限値および上限値がそれぞれ前記第1処理対象範囲の下限値および上限値よりも大きく、
    前記第3処理対象範囲の下限値および上限値がそれぞれ前記第2処理対象範囲の下限値および上限値よりも大きく、
    前記第1処理対象範囲と前記第2処理対象範囲とが一部重なるとともに、前記第2処理対象範囲と前記第3処理対象範囲とが一部重なる、硬貨入出金機。
  2. 前記第1種収納部、前記第2種収納部および前記第3種収納部は、それぞれ傾斜状態で回転可能に設けられた円盤を有しており、
    前記円盤は、表面に複数の突起を有し、回転時に各前記突起により硬貨が引っ掛けられて上昇させられることにより硬貨繰出口から繰り出され、
    前記円盤の前記突起の引っ掛け部の幅が、前記第1種収納部、前記第2種収納部および前記第3種収納部において異なる、請求項1記載の硬貨入出金機。
  3. 前記第1種収納部の前記引っ掛け部の幅は、前記第1処理対象範囲である硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさであり、
    前記第2種収納部の前記引っ掛け部の幅は、前記第2処理対象範囲である硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさであり、
    前記第3種収納部の前記引っ掛け部の幅は、前記第3処理対象範囲である硬貨を1つのみ引っ掛ける大きさである、請求項2記載の硬貨入出金機。
  4. 前記硬貨繰出口の幅の大きさが、前記第1種収納部、前記第2種収納部および前記第3種収納部において異なる、請求項2記載の硬貨入出金機。
  5. 前記第1種収納部の前記硬貨繰出口の幅の大きさは、前記第1処理対象範囲である硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさであり、
    前記第2種収納部の前記硬貨繰出口の幅の大きさは、前記第2処理対象範囲である硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさであり、
    前記第3種収納部の前記硬貨繰出口の幅の大きさは、前記第3処理対象範囲である硬貨が一度に1つのみ繰り出される大きさである、請求項4記載の硬貨入出金機。
  6. 前記第1種収納部、前記第2種収納部および前記第3種収納部のうち前記第2種収納部の数が最も多く、前記第1種収納部の数および前記第3種収納部の数はそれぞれ前記第2種収納部の数の半分以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の硬貨入出金機。
  7. 前記第1種収納部の数および前記第3種収納部の数のうち少なくとも一方の数は1つである、請求項6記載の硬貨入出金機。
  8. 前記第1種収納部の数が1つ、前記第2種収納部の数が5つ、前記第3種収納部の数が2つである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の硬貨入出金機。
  9. 前記第1処理対象範囲と前記第2処理対象範囲との重なりが、前記第1処理対象範囲の40%以上であり、
    前記第2処理対象範囲と前記第3処理対象範囲との重なりが、前記第3処理対象範囲の40%以上である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の硬貨入出金機。
  10. 前記第1処理対象範囲の上限値が、前記第3処理対象範囲の下限値以上である、請求項9記載の硬貨入出金機。
  11. 前記第1処理対象範囲は14mm〜21mmであり、前記第2処理対象範囲は16mm〜26mmであり、前記第3処理対象範囲は21mm〜33mmである、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の硬貨入出金機。
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