JP2022000296A - ラジアルシールフィルタ - Google Patents

Abstract

【課題】フィルタの完全性、フィルタの耐久性、セルフクリーニング性能、フィルタシール効果、フィルタハウジング内のフィルタ位置合わせ、任意のフィルタ識別リングの位置合わせ、および向上させたリサイクル性を含む、広範囲の有利な効果をもたらすエアフィルタを提供する。【解決手段】エアフィルタ１は、フィルタ材３、エンドキャップ４、ウレタン製出口空気シール５、およびスクリーンアセンブリ６を含む。エンドキャップはフィルタ材の第１の端部に固定される。ウレタン製出口空気シールはフィルタ材の反対側の第２の端部に固定される。スクリーンアセンブリは、フィルタ材の第１の端部および第２の端部間の、フィルタ材の中央部分に固定される。【選択図】図１

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、２０２０年６月１日付で出願された米国仮出願第６３／０３２，８２７号に対する優先権の利益を主張するものであり、上記先願の内容全体を参照により本明細書に組み込む。

[技術分野]
本開示はエアフィルタに関する。開示されたフィルタは、フィルタの完全性、フィルタの耐久性、セルフクリーニング性能、フィルタシール効果、フィルタハウジング内のフィルタ位置合わせ、任意のフィルタ識別リングの位置合わせ、および向上させたリサイクル性を含む、広範囲の有利な効果をもたらす。

本開示は、従前の設計の製造および性能に悪影響をおよぼす多くの課題を解決するフィルタ設計に関する。

従来のフィルタ設計の製造課題は、（ｉ）フィルタ材およびフィルタ保護スクリーンが一貫して垂直ではないこと、（ｉｉ）フィルタシール面内に不整合性をもたらし、ウレタンシールの機能に影響をおよぼす熱処理がウレタンシールに施されること、（ｉｉｉ）製造中にスクリーン材料が打ち抜かれ、切断され、および／または溶接され、鋭い金属エッジと結合したフィルタスクリーンの円形度の不規則性、およびフィルタスクリーンの垂直性の欠如により、フィルタの構築中にフィルタ材が損傷するだけでなく、使用中にフィルタ材がスクリーンと振動して接触したときにも損傷する場合があること、（ｉｖ）スクリーン材料の不透明性により、粒子が粒子脱落材から落下する面積が減少し、粒子脱落材のセルフクリーニング能力が損なわれること、（ｖ）フィルタ識別リング（ＦＩＲ）が含まれている場合、フィルタ識別リング（ＦＩＲ）が不規則に配置されること、（ｖｉ）腐食および振動により、フィルタ材に損傷が生じること、（ｖｉｉ）塵埃がフィルタ材から連続して効率的に放出され得ることを含む。本出願の高度なフィルタは、フィルタの製造および使用におけるこれらの課題それぞれを解決する。

性能 フィルタは、空気流からの粒子を捕捉するための手段を提供する。フィルタの有効性は、空気流中に存在している粒子をできる限り多くフィルタ材が捕捉する能力により決定される。フィルタ材の損傷をもたらす、または損傷させる可能性のある製造工程は、粒子を捕捉するフィルタの有効性を弱める。できる限り、フィルタ材を所定の位置に保持する装置の設計は、フィルタ材の構造上の完全性に損傷をもたらすことなく、フィルタ材を保持装置内に配置することを可能にすべきであり、また、製造工程中および製造工程後に、損傷からフィルタ材を保護するべきである。また、フィルタ材を保持する装置の設計は、フィルタ識別リング、もしくは、フィルタに付けられたラベル、フィルタに付けられた暗号化されたバーコード、または、必要な場合、フィルタ識別の目的でウレタン製出口空気シール内に封入することが可能な異なる形状もしくはサイズの装置を一貫して配置することを可能にすべきである。

本明細書において記載された大まかな発明原理の例示的な実施形態は、前述の課題に対処する。上記実施形態の特徴は、所有者が共通する、２０１５年２月３日付で発行された米国特許第８，９４５，２８２号明細書、および２０１７年７月１１日付で発行された米国特許第９，７００，８２８号明細書に開示されたエアプリクリーナおよび方法を参照して理解することが可能であり、これらの特許は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本明細書において開示されたフィルタは、上述した特許において開示されたエアプリクリーナ、および、ＲＥＳＰＡ（登録商標）循環ろ過システムにおいて使用することが可能である。フィルタ識別リング（または、その代わりにフィルタに付けられたラベル、フィルタに付けられた暗号化されたバーコード、または、フィルタ識別の目的でウレタン製出口シール内に封入することが可能な、別の形状もしくはサイズの他の装置）を備えている場合、本明細書において開示されたフィルタは、データを記録し、およびフィルタ性能データをＲＥＳＰＡ（登録商標）制御モジュール（ＲＣＭ）監視装置へ送出する。フィルタ識別リング（ＦＩＲ）およびＲＣＭの特徴は、２０１８年６月２９日付で出願された米国特許出願公開第１６／０２２，９４１号明細書（現在は、２０２０年１２月１日付で発行された米国特許第１０，８５０，２２２号明細書）に詳細に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。フィルタ性能データは、フィルタ部品番号、フィルタ定格、フィルタシリアル番号、フィルタ製造情報、およびフィルタ使用時間を含んでいてもよい。以下の開示は、特定の筐体において使用されるフィルタに限定されるものでない。以下の開示が適用可能な異なる環境のために、異なる用途およびハウジングを設計することが可能である。用途は、エンジン吸気システム、加熱、空調、および冷却システム、ならびにろ過された空気が必要な他の用途を含み得る。以下の開示は、それぞれの件において、動力式セルフクリーニングシステムの分離室に対する内側バリアおよび粒子吐出を形成する、２０１６年１０月４日付で発行された米国意匠特許発明第Ｄ７６８，２７７号明細書、２０１６年９月２７日付で発行された米国意匠特許発明第Ｄ７６７，７４６号明細書、および２０１３年１０月８日付で発行された米国意匠特許発明第Ｄ６９１，２５２号明細書において参照されたフィルタに当てはまり、ならびに、これらの特許は、それら全体を参照により本明細書に組み込まれる。本開示は、無動力式空気ろ過システムにおいて使用されるフィルタにも当てはまる。

以下に詳細に説明するように、本出願のフィルタは、フィルタの製造および使用における、上述された課題それぞれを解決する。より具体的には、フィルタの構造は、必要な場合にフィルタ識別リング（ＦＩＲ）が適切な位置において設置されること、フィルタ材が確実に保持され、スクリーンとの衝突、振動、および腐食から保護されること、ならびに、塵埃が、効率的な方法でフィルタ材から連続して放出されることを保証する。

フィルタの各部を概略的に示す上面分解図である。 フィルタの各部を概略的に示す底面分解図である。 組立てられたフィルタを垂直に配置した状態を示す図である。 フィルタハウジング内へ挿入するために配置されたフィルタを示す図である。 フィルタとフィルタハウジングとの間の係止機構を拡大して示す図とともに、フィルタハウジング内への挿入後のフィルタを示す図である。 フィルタとフィルタハウジングとの間の係止機構を拡大して示す図とともに、フィルタハウジング内への挿入後のフィルタを示す図である。 フィルタとフィルタハウジングとの間の係止機構を拡大して示す図とともに、フィルタハウジング内への挿入後のフィルタを示す図である。 フィルタとフィルタハウジングとの間の係止機構を拡大して示す図とともに、フィルタハウジング内への挿入後のフィルタを示す図である。 フィルタハウジングが透明であり、フィルタハウジングを通過する空気流を示す図である。 組立てられたフィルタを水平に配置した状態を示す図である。 様々なタイプのエンドキャップを示す図である。 フィルタの要素を示す部分断面図である。 製造工程中に鋳型内に設置されたフィルタを示す断面図である。 製造工程中に鋳型内に設置されたフィルタを示す図１０の拡大図である。 製造工程中に鋳型内に設置された内側スクリーンを部分的に示す図である。 組立てられたスクリーンアセンブリのラッチ機構を示す図である。 組立てられる前のスクリーンアセンブリのラッチ機構を示す別の図である。 図９中、「１５」として示された領域の断面図である。 フィルタ識別リングの上面図である。 フィルタ識別リングの斜視図である。

本明細書において開示された例示的な実施形態による、埋め込まれたフィルタ識別リング（ＦＩＲ）２を任意に含むエアフィルタ１を詳細に以下で説明する。

図１および図２に示すように、一実施形態による埋め込まれたＦＩＲ２（図２および図９において見える）を有するエアフィルタ１は、フィルタ材３と、プラスチック製エンドキャップ４と、ウレタンで成形されたＦＩＲ２により、または上記ＦＩＲ２なしで製造することが可能なウレタン製出口空気シール５（たとえば、低温で流し込まれたウレタン製の出口空気シール）と、プラスチック成形されたスクリーンアセンブリ６とを含む。スクリーンアセンブリ６は、２分割構成の内側プラスチックスクリーン６ａおよび２分割構成の外側プラスチックスクリーン６ｂを含む。図から理解されるように、内側プラスチックスクリーン６ａは、フィルタ材３の内側に配置される（フィルタ材３から外側に延在している、後述する円形リップ６１以外は）一方、外側プラスチックスクリーン６ｂはフィルタ材３の外側に配置される。内側プラスチックスクリーン６ａは、出口空気側でウレタン製出口空気シール５内に包まれており、非出口空気側でフィルタエンドキャップ４に接着されている。（異なるフィルタの用途に対して変更される）フィルタ材３も、出口空気側でウレタンによって包まれ、および非出口空気側でフィルタエンドキャップ４内に接着される。外側プラスチックスクリーン６ｂも同様に、ウレタン製出口空気シール５内に包まれており、非出口空気側でフィルタエンドキャップ４に接着されている。図８に示すように、種々の設計のうちの１つであり得るプラスチック製エンドキャップ４が、接着剤の使用により、フィルタ材３およびスクリーンアセンブリ６に取り付けられる。図８は、現在利用可能なフィルタエンドキャップ設計を示す。しかし、フィルタエンドキャップはこれらの実施形態に限定されるものでなく、将来の要件に基づいて、具体的な用途に対する修正を伴って設計することができる。

図１は、フィルタ１の設計を構成する部分の分解図の１つの例示的な実施形態を示す。図２は、フィルタ材３の端部と、スクリーンアセンブリ６の２分割構成の内側プラスチックスクリーン６ａのウレタンシール出口空気側に作られた円形リップ６１との間に埋め込まれ、その後、図９を参照して説明するように、ウレタン製出口空気シール５内に成形された任意のＦＩＲ２を含む部分の分解図の１つの例示的な実施形態を示す。

図９は、ウレタン製出口空気シール５内のＦＩＲ２の位置を示す。図２および９に示すようなＦＩＲ２は、フィルタ材３と、２分割構成の内側プラスチックスクリーン６ａのリップ６１との間に設けられた空間に収まるように所定の直径を有し、ウレタン製出口空気シール５内に封入される。このような円形の構成は、フィルタがフィルタハウジング内に配置されることを可能にし、いずれの向きに取付けても同じレベルの機能性を実現することを可能にする。ＦＩＲ２は、上述および米国特許出願公開第１６／０２２，９４１号明細書において記載されているように、ＲＣＭと通信するように構成される。なお、米国特許出願公開第１６／０２２，９４１号明細書において記載されたＦＩＲに加えて、フィルタ識別装置は、代えて、フィルタに付けられたラベル、フィルタに付けられた暗号化されたバーコード、または、ウレタン製出口空気シール５内に封入することが可能な、別の形状もしくはサイズの装置であり得る。

ウレタン製出口空気シール５は、低温で流し込まれたウレタンを使用して製造されたラジアルシール設計であり、シーリング面上の気泡を削減して、あらゆる動作環境においてセルフクリーニングろ過システムまたはエアフィルタハウジングの清浄空気入口に対する適切なシーリングを確保する。図２、９、１０、１１、および１２に示すように、ウレタン製出口空気ラジアルシール５は、内側および外側プラスチックスクリーン６ａ、６ｂの２つの組立てられた半体の組み合わせと、フィルタ材３と、ＦＩＲ２とを固定する。

より具体的には、図９および１０は、スクリーンアセンブリ６およびＦＩＲ２に取付けられ、（スクリーンアセンブリ６およびＦＩＲ２を受容する）内面上に凹部／溝５ａを有するウレタンシール５を（切り欠き部において）示す。上述したように、ウレタンシール５は、低温で流し込まれたウレタンを使用して形成される。その結果、製造中に、ウレタンは、ウレタンシール５をスクリーンアセンブリ６、フィルタ材３、およびＦＩＲ２に有利に確実に接合するように、（以下に、より詳細に説明された）内側プラスチックスクリーン６ａの２つの組立てられた半体によって形成された円形リップ６１の周りとＦＩＲ２の周りとを流れる。

図１５は、図９中、「１５」と示された領域の断面図である。図１５に示すように、ウレタンシール５の凹部／溝５ａは、ＦＩＲ２、および内側プラスチックスクリーン６ａの２つの組立てられた半体によって形成された円形リップ６１を受容する。図１５中の断面は、スクリーンアセンブリ６、フィルタ材３、およびウレタンシール５内に埋め込まれたＦＩＲ２を示す。円形リップ６１は、エアフィルタ１の長手方向軸（すなわち、フィルタ材３の長手方向軸）に対して、ＦＩＲ２がウレタンシール内に埋め込まれた位置の径方向外側の位置においてウレタンシール５内に埋め込まれる。図示の目的で、図１５は、フィルタ材３、およびフィルタ材３内側に配置された内側スクリーン６ａの部分の詳細を示していない。

ＦＩＲ２は、図１６Ａおよび１６Ｂにおいて、より詳細に示される。ＦＩＲ２は、２つの突出部を有する円形要素である。２つの突出部は、ＦＩＲ２の外側円から径方向内側に突出している。２つの突出部は、ＦＩＲ２上で互いに反対側に、対称に配置される。しかし、上述したように、フィルタ識別装置は種々の構成を有し得る。考えられる構成の一部は、（この場合もまた、本開示においてその全体を参照により組み込まれる）米国特許出願公開第１６／０２２，９４１号明細書の図２４〜３０において示される。

図１０、１１、および１２は、出口空気シール５を作るためにウレタンを低温で流し込むための鋳型７を含むフィルタ１の製造工程の一部分を示す。これらの図によって示されるように、フィルタ材３およびスクリーンアセンブリ６が空気出口鋳型７内に設置されると、ウレタンが、組立てられた内側スクリーン６ａおよび外側スクリーン６ｂのそれぞれおよび組み合わせと、フィルタ材３と、含まれる場合にＦＩＲ２とを互いに確実に固定するために開放領域内に流入するように流し込まれる。すなわち、ウレタンシール５は、硬化された後、有利に確実な方法で、構成部分すべてを互いに保持する。図１１は、鋳型７内のフィルタ材３の適切な配置を確実にするために内側スクリーン６ａのリップ６１の上に置かれている、空気出口側の外側スクリーン６ｂを示す。図１２は空気出口鋳型７内に単独で配置された内側スクリーン６ａを示し、ウレタンは、低温で流し込む工程中に、内側スクリーン６ａ内の開放領域すべてを通って流れる。したがって、図１および２に示すウレタンシール５が概略的なものに過ぎないことが理解されるはずである。ウレタンシール５の実際の構造は、製造中に、ウレタンがスクリーンアセンブリ６、フィルタ材３、およびＦＩＲ２（含まれる場合）の表面を流れて覆うことが理由で、図９に示すように異なる。

図１、２、および９に示すように、内側および外側プラスチックスクリーン６ａ、６ｂは、フィルタ１に設けられ、複数の機能を果たす。内側および外側スクリーン６ａ、６ｂはいずれも、製造工程において２つの半体が結合され、ならびに、最終的に、組み立てられたフィルタ１の各端において確実に接合されることを可能にする２分割構成を有する。一方端では、スクリーンアセンブリ６が、出口空気ウレタンシール５によって固定され、他方の非出口空気端では、スクリーンアセンブリ６が、フィルタエンドキャップ４内に接着される。スクリーンアセンブリ６をエンドキャップ４に取り付けるために接着剤が本実施形態において使用されているが、本開示は接着剤の使用に限定されるものでない。たとえば、フィルタエンドキャップ４は、フィルタ材３を損傷することなく、フィルタ材３およびスクリーンアセンブリ６をエンドキャップ４に確実に固定する、ウレタン、クローズドセル発泡体、エポキシ、ゴム、またはいずれかの他の接合剤を使用してフィルタ材３およびスクリーンアセンブリ６に接合することも可能である。

内側プラスチックスクリーン６ａの２つの半体が結合されると、２つの半体はフィルタ１のウレタンシール側の円形リップ６１を形成し、ＦＩＲ２を所定の位置に保持し、配置するための固定具を作成する。フィルタ材３を保護し、およびウレタンシール５を支持する内側支持リップ６１は図１、２、および９にみることが可能である。たとえば図９から理解されるように、内側支持リップ６１は、外側プラスチックスクリーン６ｂの径方向の位置に対応する径方向の位置まで内側支持リップ６１が延在するように、フィルタ１の長手方向（軸方向）に対して垂直の方向においてフィルタ材３から外側に延在している。この配置はフィルタ出口を補強し、フィルタを設置する際に、および取り外す際にウレタンが転がるのを防止し、極度の振動および衝撃に対する耐性をフィルタ１に与える。

プラスチックスクリーンアセンブリ６は、スクリーンアセンブリ６が製造鋳型７内に確実に嵌合するような公差を有し、完成したフィルタ１が、図３に示すように、フィルタエンドキャップ４に対する垂直方向の嵌合を有する内側および外側プラスチックスクリーン６ａ、６ｂに対するフィルタ材３の正確な垂直方向の嵌合を有することを保証する。これにより、図４に示すように、出口空気シール５の内側およびフィルタエンドキャップ４の両方が整列してフィルタハウジング内およびフィルタハウジング上にきれいに嵌合するように、エアフィルタハウジング内でのフィルタ１の適切な配置が保証され、取付工程中にフィルタ材３に干渉や損傷を与えることがない。

内側および外側プラスチックスクリーン６ａ、６ｂ（図１、２、および９に示す）は、上述したように両端で所定の位置に保持される。しかし、２つのスクリーン半体の中央では、スクリーン６ａおよび６ｂは、各スクリーン６ａおよび６ｂの２つの半体それぞれの位置合わせを提供し、製造工程中および製造工程後に互いにそれらを保持するラッチ機構６２（図１、１３、および１４参照）により、所定の位置に保持される。より具体的には、ラッチ機構６２は、各スクリーン半体の一方側の複数の突出部６２ａと、各スクリーン半体の他方側の複数の受容スロット６２ｂとにより構成される。図１３では、受容スロット６２ｂ内に挿入された突出部６２ａが示されている。図１４では、突出部６２ａと受容スロット６２ｂとが分離された状態（すなわち、組み立て前に分離された）で示され、突出部６２ａは図１４の右側に示され、受容スロット６２ｂは図１４の左側に示されている。

本実施形態において、ラッチ機構６２を示しているが、スクリーン半体は他の手段によって取り付けることができる。たとえば、スクリーン６ａおよび６ｂはそれぞれ、ロール状になっていてもよいし、舌片と溝の取付機構を有していてもよい。

ラッチ機構６２は弾力性および衝撃吸収性を提供する。フィルタ１が落下させられた場合、フィルタ材３を保護するために、エネルギーはラッチ機構１へ伝達される。ラッチ機構６２は、突出部６２ａおよび受容スロット６２ｂが、全体的な接続性を失うことなく相対的に移動するように撓む。この相対運動により、ラッチ機構６２は、全体的な接続性を失うことなくエネルギーを消散させることができ、その後、突出部６２ａが受容スロット６２ｂに係止した状態で元の位置に戻る。

本出願において開示された、フィルタ１の有利な構造設計は、熱硬化ウレタンよりも高いデュロメータ測定値を有する低温で流し込まれたウレタン製シール５と、２分割構成の円形内側スクリーン６ａおよび２分割構成の円形外側スクリーン６ｂを結合することによって構成されたプラスチックスクリーンアセンブリ６との、組み合わせを具現化したものである。スクリーンアセンブリ６は、シール５のウレタンを補強するプラスチック支持構造を提供し、フィルタ１の支持構造またはフィルタ材３の性能を損なうことなく、極度の衝撃吸収性を可能にする。この構造は、金属製の内側および外側スクリーンを使用して製造されたフィルタと比較して、製造されたフィルタ１の耐久性を大幅に増加させる。金属スクリーンフィルタ設計は、フィルタが落とされ、または誤って取り扱われた場合にへこみ、ゆがみ、崩れる場合があり、フィルタ材の損傷をもたらし得る。対照的に、本開示のプラスチック製の内側および外側スクリーン６ａ、６ｂは、それらがフィルタ材３と接触した場合に、フィルタ材３に、悪影響をおよぼすものでない。本実施形態では、内側および外側スクリーン６ａ、６ｂは、プラスチック製であるが、それらは、上述された必要な支持機構および特徴を提供する材料あれば、どのような材料でできていてもよい。たとえば、内側および外側スクリーン６ａ、６ｂは、フィルタ材３の損傷をもたらさない方法で、金属スクリーニングなどの、プラスチック以外の材料でできていてもよい。あるいは、内側および外側スクリーン６ａ、６ｂの代わりに、垂直ロッドを有するダウエル支持体を提供してもよい。あるいは、いずれのスクリーンもなしで、自己完結型フィルタ、および／または硬いフィルタ材の使用を提供してもよい。

ウレタンシール５、ならびに、内部および外部プラスチックスクリーン６ａ、６ｂの可撓性は、フィルタシールが一貫して維持されることを可能にし、図４に示すような、フィルタハウジングへの取付、使用、およびフィルタハウジングからの取り外しの際の、フィルタ材３の損傷を削減することを可能にする。フィルタ１の保管寿命も、プラスチック製の内側および外側スクリーン６ａ、６ｂの構成により、経時的に腐食する金属スクリーンと比較して、大幅に改善される。

図８に示すようなフィルタエンドキャップ４はすべて、製造工程において、同じ内側および外側スクリーン６ａ、６ｂと、フィルタ材３とを受容し、共有する。シーリング配置は、内側および外側プラスチックスクリーン６ａ、６ｂと、フィルタ材３とを受容するために、精密公差を有する円形の隆起した心出しリップ４ａを使用している。フィルタエンドキャップ４の円形隆起リップ４ａは、図９に示される。円形隆起リップ４ａは、円周方向に延在しており、内側および外側プラスチックスクリーン６ａ、６ｂと、フィルタ材３とを囲むようにエンドキャップ４の内面から突出している。円形隆起リップ４ａは、図９においてみられるように、製造中にエンドキャップ４に対して垂直に、かつエンドキャップ４の中央に、接着剤がフィルタ材３とともに内側および外側プラスチックスクリーン６ａ、６ｂを保持することを可能にする位置合わせを提供する。

この精密公差を有する隆起心出しリップ４ａは、図８に示すエンドキャップ４の特徴であり、および他の具体的な用途に必要とされるかもしれない将来の設計の特徴である。図８に示すように、各フィルタエンドキャップ４の外側は、ほぼすべての用途に合わせて構成することができ、この図では、セルフクリーニング空気流の用途で使用される３つの異なる吐出式エンドキャップ４と、閉鎖エンドキャップと呼ばれる再循環空気流の用途に使用される１つの標準的な閉鎖フィルタエンドキャップ４とが示されている。図８に示されている３つの吐出式エンドキャップ４はそれぞれ、スロット付エンドキャップ、ルーバ付エンドキャップ、およびポート付エンドキャップと呼ばれる。これらの吐出式エンドキャップは、塵埃がフィルタハウジングから吐出されることを可能にする。これらのキャップは、環境に対する開放オリフィスを有する。開放オリフィスは、吐出式エンドキャップが所定の経路において塵埃をフィルタから離れる方向に誘導する構成を介して吐出して環境に戻すためのものである。図８は、吐出式エンドキャップ用のプラスチック製フィルタキャップを示しているが、材料はプラスチックに限定されず、これに加えて、またはこれに代えて、ウレタン、クローズドセル発泡体、またはゴムを含んでいてもよい。対照的に、閉鎖エンドキャップは、プリクリーナ装置の封止された環境を維持し、分離された塵埃が、ろ過されている環境に吐出されて戻されることを回避するために、再循環またはろ過の用途で使用されてもよい。図８には、また、閉鎖エンドキャップ用のプラスチック製フィルタキャップが示されているが、材料はプラスチックに限定されず、これに加えて、またはこれに代えて、ウレタン、クローズドセル発泡体、またはゴムを含んでいてもよい。

図５Ａ〜５Ｄは、フィルタハウジング内に設置された完全なフィルタ１を示しており、このフィルタは、図１および２に示すフィルタエンドキャップ４の外面を確実に掴み取る保持クリップにより、所定の位置に保持されている。図５Ｂ〜５Ｄは、図５Ａにおいて丸く囲まれ、「Ｂ」と示される部分の拡大図である。

図６は、内部にフィルタ１が設置されたフィルタハウジング内の３つの空気流、すなわち、塵埃を含んだ空気流、事前に清浄された空気流、およびろ過された空気流を示す図である。図６では、大型の開放領域スクリーンアセンブリ６は、フィルタ１の表面からの塵埃の放出を妨げず、むしろ、塵埃がフィルタ面から連続して放出され、その後、フィルタ１の周りの空気流に再び入り、吐出されることを可能にするような設計となっている。図６は、上記で参照により組み込まれた米国特許出願公開第１６／０２２，９４１号明細書を参照してさらに理解され得る。

本開示のフィルタ構造は、広範囲のフィルタ材の使用を可能にし、理想的には、高度な高効率のフィルタ材に適している。たとえば、フィルタ材３は、天然繊維または合成繊維フィルタ材に限定されない種々のフィルタ材を含んでいてもよく、カーボンラップ、炭素ペレット、フェルトラップ、もしくは発泡体を含んでいてもよく、または、高効率および上述の特徴を有するいずれのフィルタ材であってもよい。フィルタ材３は、上述したフィルタ材のタイプに限定されない単一のフィルタ材または複数のフィルタ材で形成されてもよい。プラスチックスクリーンアセンブリ６は、非摩耗性および非腐食性を有し、振動および腐食からフィルタ材３保護するのに優れている。このフィルタ構造は、リサイクル可能なプラスチックおよび天然繊維から構成することができ、リサイクルが容易である。

本発明の例示的な実施形態が上述されている。なお、上記例示的な実施形態は本発明の例に過ぎず、および、本発明は詳細な実施形態に限定されるものでない。本明細書において記載された実施形態に対する種々の変更および修正が当業者に明らかになるであろうことは理解されるはずである。そうした変更および修正は、本開示の趣旨および範囲から逸脱しない限り、および、その意図された利点を減らさない限り、行うことが可能である。したがって、そうした変更および修正が本開示によって包含されることが意図される。

Claims (20)

1. フィルタ材と、
   前記フィルタ材の第１の端部に固定されたエンドキャップと、
   前記フィルタ材の反対側の第２の端部に固定されたウレタン製出口空気シールと、
   前記第１の端部および前記第２の端部間の、前記フィルタ材の中央部分に固定されたスクリーンアセンブリと
   を備えたエアフィルタ。
2. 前記エアフィルタのデータを記録するように構成されたフィルタ識別コンポーネントをさらに備える、
   請求項１に記載のエアフィルタ。
3. 前記フィルタ識別コンポーネントが、前記ウレタン製出口空気シール内に埋め込まれている、
   請求項２に記載のエアフィルタ。
4. 前記スクリーンアセンブリが内側スクリーンおよび外側スクリーンを含み、前記内側スクリーンが前記フィルタ材の内側に配置され、前記外側スクリーンが、前記フィルタ材の外面周りに配置されている、
   請求項１に記載のエアフィルタ。
5. 前記内側スクリーンが第１の内側スクリーン半体および第２の内側スクリーン半体を有し、前記第１の内側スクリーン半体および前記第２の内側スクリーン半体がラッチ機構により互いに固定されている、
   請求項４に記載のエアフィルタ。
6. 前記外側スクリーンが第１の外側スクリーン半体および第２の外側スクリーン半体を有し、前記第１の外側スクリーン半体および前記第２の外側スクリーン半体がラッチ機構により互いに固定されている、
   請求項４に記載のエアフィルタ。
7. 前記ラッチ機構が、複数の突出部と、前記第１の内側スクリーン半体および前記第２の内側スクリーン半体を互いに固定するために前記複数の突出部を受容するように構成された複数の受容スロットとを含む、
   請求項５に記載のエアフィルタ。
8. 前記ラッチ機構が、複数の突出部と、前記第１の外側スクリーン半体および前記第２の外側スクリーン半体を互いに固定するために前記複数の突出部を受容するように構成された複数の受容スロットとを含む、
   請求項６に記載のエアフィルタ。
9. 前記内側スクリーンが前記フィルタ材の前記第２の端部に配置された円形リップを含む、
   請求項４に記載のエアフィルタ。
10. 前記円形リップが、前記ウレタン製出口空気シール内に埋め込まれている、
    請求項９に記載のエアフィルタ。
11. 前記スクリーンアセンブリが内側スクリーンおよび外側スクリーンを含み、前記内側スクリーンが前記フィルタ材の内側に配置され、前記外側スクリーンが前記フィルタ材の外面周りに配置され、
    前記内側スクリーンが、前記フィルタ材の前記第２の端部に配置された円形リップを含み、
    前記円形リップが、前記フィルタ識別コンポーネントとともに前記ウレタン製出口空気シール内に埋め込まれている、
    請求項３に記載のエアフィルタ。
12. 前記ウレタン製出口空気シールが、前記内側スクリーンの前記円形リップを受容する１つまたは複数の凹部を含む、
    請求項１０に記載のエアフィルタ。
13. 前記ウレタン製出口空気シールが、前記フィルタ識別コンポーネントと、前記内側スクリーンの前記円形リップとを受容する１つまたは複数の凹部を含む、
    請求項１１に記載のエアフィルタ。
14. 前記フィルタ材が前記ウレタン製出口空気シール内に埋め込まれている、
    請求項１に記載のエアフィルタ。
15. 前記フィルタ材が、前記円形リップおよび前記フィルタ識別コンポーネントとともに前記ウレタン製出口空気シール内に埋め込まれている、
    請求項１１に記載のエアフィルタ。
16. 前記エンドキャップが、前記フィルタ材の前記第１の端部に接着剤で固定されている、
    請求項１に記載のエアフィルタ。
17. 前記スクリーンアセンブリがプラスチック製である、
    請求項１に記載のエアフィルタ。
18. 前記エンドキャップは、隆起した心出しリップを含み、前記隆起した心出しリップの内側に、前記フィルタ材および前記スクリーンアセンブリが配置されている、
    請求項１に記載のエアフィルタ。
19. フィルタハウジングと、
    前記フィルタハウジングの内側に配置されたエアフィルタとを備え、前記エアフィルタが
    フィルタ材と、
    前記フィルタ材の第１の端部に固定されたエンドキャップと、
    前記フィルタ材の反対側の第２の端部に固定されたウレタン製出口空気シールと、
    前記第１の端部および前記第２の端部間の、前記フィルタ材の中央部分に固定されたスクリーンアセンブリとを含む、
    エアプリクリーナ。
20. エアフィルタを製造する方法であって、前記方法が
    鋳型を準備する工程と、
    前記鋳型内にフィルタ材およびスクリーンアセンブリを配置する工程であって、前記スクリーンアセンブリが、前記フィルタ材の内側に配置された内側スクリーン、および前記フィルタ材の外面周りに配置された外側スクリーンを含む工程と、
    前記内側スクリーンの円形リップ上に前記外側スクリーンを配置する工程と、
    ウレタンを、前記フィルタ材および前記スクリーンアセンブリ間の、および前記フィルタ材および前記スクリーンアセンブリ内の空間に前記ウレタンが流入するように前記鋳型内に低温で流し込む工程と、
    前記ウレタンを硬化する工程であって、硬化されたウレタンによって形成されたウレタン製出口空気シールの内側の一方端において前記フィルタ材および前記スクリーンアセンブリが互いに固定され、かつ埋め込まれるように前記ウレタンを硬化する工程と
    を備える、エアフィルタの製造方法。

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