JP2021534769A - デコイポリペプチド - Google Patents

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Abstract

(a)SIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアント、及び(b)野生型ヒトFcと比較してエフェクター機能を低下させる少なくとも1つのアミノ酸置換を含むヒトFcバリアント、を含むデコイポリペプチドを提供する。このようなデコイポリペプチドを使用するための方法、及び、このようなポリペプチドを含むキメラ分子もまた提供する。【選択図】図5D

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月31日出願の米国仮出願連番第62/725,977号の優先権利益を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
ASCIIテキストファイルによる配列表の提出
ASCIIテキストファイルによる以下の提出物、コンピュータ可読形式(CRF)の配列表(ファイル名:757972000740SEQLIST.txt、記録日:2019年8月29日、サイズ:212KB)の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
シグナル調節タンパク質(SIRP)は、骨髄細胞(マクロファージ、顆粒球、骨髄系樹状細胞、及び肥満細胞を含む)、リンパ球、及び神経細胞上に発現する細胞表面糖タンパク質のファミリーを構成し、それら細胞表面糖タンパク質の活性を調節している。
本明細書では、(a)SIRPγバリアント、及び(b)野生型ヒトFcと比較してエフェクター機能を除去するまたはエフェクター機能を低下させる少なくとも1つのアミノ酸置換を含むヒトFcバリアント、を含むデコイポリペプチドを提供し、SIRPγバリアントは、野生型SIRPγと比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、置換は、野生型SIRPγのCD47に対する親和性と比較して、SIRPγバリアントのCD47に対する親和性を向上させ、SIRPγバリアントは膜貫通ドメインを欠いている。一部の実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸置換は、SIRPγバリアントのd1ドメイン内にある。一部の実施形態では、SIRPγバリアントのd1ドメインのアミノ酸配列は、
EEELQMIQPEKLLLVTVGKTATLHCTVTSLLPVGPVLWFRGVGPGRELIYNQKEGHFPRVTTVSDLTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPENVEFKSGPGTEMALGAKPS(配列番号1)
に定める野生型SIRPγ d1ドメインの配列に対して少なくとも90%同一である。一部の実施形態では、SIRPγバリアントは、M6、V27、L30、L31、V33、V36、L37、V42、E47、Q52、K53、E54、H56、L66、T67、V92、S98、またはN101に、1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸位置は、配列番号1に定める野生型ヒトSIRPγ d1ドメイン配列を基準としている。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはM6置換を含み、置換は、M6I、M6L、またはM6Fである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはV27置換を含み、置換は、V27F、V27I、またはV27Lである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはL30置換を含み、置換は、L30I、L30V、L30H、L30N、またはL30Dである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはL31置換を含み、置換は、L31F、L31I、L31V、L31T、またはL31Sである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはV33置換を含み、置換は、V33I、V33L、V33P、V33T、またはV33Aである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはV36置換を含み、置換はV36Iである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはL37置換を含み、置換はL37Qである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはV42置換を含み、置換はV42Aである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはE47置換を含み、置換はE47Vである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはQ52置換を含み、置換は、Q52P、Q52L、Q52V、Q52A、またはQ52Eである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはK53置換を含み、置換はK53Rである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはE54置換を含み、置換は、E54D、E54K、E54N、E54Q、またはE54Hである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはH56置換を含み、置換はH56PまたはH56Rである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはL66置換を含み、置換は、L66I、L66V、L66P、L66T、L66A、L66R、L66S、またはL66Gである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはT67置換を含み、置換は、T67I、T67N、T67F、T67S、T67Y、T67V、T67A、またはT67Dである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはV92置換を含み、置換はV92Iである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはS98置換を含み、置換は、S98R、S98N、S98K、S98T、S98I、またはS98Mである。一部の実施形態では、SIRPγバリアントはN101置換を含み、置換は、N101K、N101D、N101E、N101H、またはN101Qである。
一部の実施形態では、SIRPγバリアントは、
EEELQXIQPEKLLLVTVGKTATLHCTXTSXPXGPXWFRGXGPGRXLIYNX101112GX13FPRVTTVSDX1415KRNNMDFSIRISSITPADVGTYYCX16KFRKGX17PEX18VEFKSGPGTEMALGAKPS(配列番号2)
に定めるアミノ酸配列を含み、式中、Xは、M、I、L、またはFであり、Xは、F、I、L、またはVであり、Xは、L、I、V、H、N、またはDであり、Xは、F、I、L、V、T、及びSであり、Xは、V、I、L、P、T、またはAであり、XはVまたはIであり、XはLまたはQであり、XはVまたはAであり、XはEまたはVであり、X10は、Q、P、L、V、A、またはEであり、X11はKまたはRであり、X12は、E、D、K、N、Q、またはHであり、X13は、H、P、またはRであり、X14は、L、I、V、P、T、A、R、S、またはGであり、X15は、T、I、N、F、S、Y、V、A、またはDであり、X16はVまたはIであり、X17は、S、R、N、K、T、I、またはMであり、X18は、N、K、D、E、H、またはQである。
一部の実施形態では、SIRPγバリアントは、配列番号3〜14、16〜24、及び42のうちのいずれか1つに定めるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、SIRPγバリアントは、
EEELQIIQPDKSVLVAAGETATLRCTITSLFPVGPIQWFRGAGPGRVLIYNQRDGPFPRVTTVSDGTKRNNMDFSIRISSITPADVGTYYCIKFRKGIPEDVEFKSGPGTXWH(配列番号15)
に定めるアミノ酸配列を含み、式中、Xは、A、R、N、D、C、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、またはVである。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、配列番号57〜71及び82〜86のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または、配列番号57〜71、74、及び82〜86のうちのいずれか1つに対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。
関連する態様において、本明細書では、(a)SIRPβ1バリアント、及び(b)野生型ヒトFcと比較してエフェクター機能を低下させる少なくとも1つのアミノ酸置換を含むヒトFcバリアント、を含むデコイポリペプチドを提供し、SIRPβ1バリアントは、野生型SIRPβ1と比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、置換は、野生型SIRPβ1のCD47に対する親和性と比較して、SIRPβ1バリアントのCD47に対する親和性を向上させ、SIRPβ1バリアントは膜貫通ドメインを欠いている。一部の実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸置換は、SIRPβ1バリアントのd1ドメイン内にある。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントのd1ドメインのアミノ酸配列は、
EDELQVIQPEKSVSVAAGESATLRCAMTSLIPVGPIMWFRGAGAGRELIYNQKEGHFPRVTTVSELTKRNNLDFSISISNITPADAGTYYCVKFRKGSPDDVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号25)
に定める野生型SIRPβ1 d1ドメインの配列に対して少なくとも90%同一である。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントは、V6、M27、I31、M37、E47、K53、E54、H56、L66、N80、またはV92に、1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸位置は、配列番号25に定める野生型ヒトSIRPβ1 d1ドメイン配列を基準としている。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントはV6置換を含み、置換はV6Iである。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントはM27置換を含み、置換はM27Iである。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントはI31置換を含み、置換はI31Fである。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントはM37置換を含み、置換はM37Qである。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントはE47置換を含み、置換はE47Vである。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントはK53置換を含み、置換はK53Rである。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントはE54置換を含み、置換はE54Qである。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントはH56置換を含み、置換はH56Pである。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントはL66置換を含み、置換はL66Tである。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントはN80置換を含み、置換は、N80A、N80C、N80D、N80E、N80F、N80G、N80H、N80I、N80K、N80L、N80M、N80P、N80Q、N80R、N80S、N80T、N80V、N80W、またはN80Yである。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントはV92置換を含み、置換はV92Iである。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントは、
EDELQIIQPEKSVSVAAGESATLRCAITSLFPVGPIQWFRGAGAGRVLIYNQRQGPFPRVTTVSETTKRNNLDFSISISNITPADAGTYYCIKFRKGSPDDVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号26)
のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントは、
EDELQIIQPEKSVSVAAGESATLRCAITSLFPVGPIQWFRGAGAGRVLIYNQRQGPFPRVTTVSETTKRNNLDFSISISAITPADAGTYYCIKFRKGSPDDVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号88)
のアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、配列番号72のアミノ酸配列、または、配列番号72に対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、配列番号90のアミノ酸配列、または、配列番号90に対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。
関連する態様では、(a)SIRPβ2バリアント、及び(b)野生型ヒトFcと比較してエフェクター機能を低下させる少なくとも1つのアミノ酸置換を含むヒトFcバリアント、を含むデコイポリペプチドを提供し、SIRPβ2バリアントは、野生型SIRPβ2と比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、置換は、野生型SIRPβ2のCD47に対する親和性と比較して、SIRPβ2バリアントのCD47に対する親和性を向上させ、SIRPβ2バリアントは膜貫通ドメインを欠いている。一部の実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸置換は、SIRPβ2バリアントのd1ドメイン内にある。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントのd1ドメインのアミノ酸配列は、
EEELQVIQPDKSISVAAGESATLHCTVTSLIPVGPIQWFRGAGPGRELIYNQKEGHFPRVTTVSDLTKRNNMDFSIRISNITPADAGTYYCVKFRKGSPDHVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号27)
に定める野生型SIRPβ2 d1ドメインの配列に対して少なくとも90%同一である。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントは、V6、V27、I31、E47、K53、E54、H56、L66、N80、V92、またはH101に、1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、アミノ酸位置は、配列番号27に定める野生型ヒトSIRPβ2 d1ドメイン配列を基準としている。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントはV6置換を含み、置換はV6Iである。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントはV27置換を含み、置換はV27Iである。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントはI31置換を含み、置換はI31Fである。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントはE47置換を含み、置換はE47Vである。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントはK53置換を含み、置換はK53Rである。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントはE54置換を含み、置換はE54Qである。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントはH56置換を含み、置換はH56Pである。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントはL66置換を含み、置換はL66Tである。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントはN80置換を含み、置換は、N80A、N80C、N80D、N80E、N80F、N80G、N80H、N80I、N80K、N80L、N80M、N80P、N80Q、N80R、N80S、N80T、N80V、N80W、またはN80Yである。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントはV92置換を含み、置換はV92Iである。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントはH101置換を含み、置換はH101Dである。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントは、
EEELQIIQPDKSISVAAGESATLHCTITSLFPVGPIQWFRGAGPGRVLIYNQRQGPFPRVTTVSDTTKRNNMDFSIRISNITPADAGTYYCIKFRKGSPDDVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号28)
のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、SIRPβ2バリアントは、
EEELQIIQPDKSISVAAGESATLHCTITSLFPVGPIQWFRGAGPGRVLIYNQRQGPFPRVTTVSDTTKRNNMDFSIRISAITPADAGTYYCIKFRKGSPDDVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号89)
のアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、配列番号73のアミノ酸配列、または、配列番号73に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、配列番号91のアミノ酸配列、または、配列番号91に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。
本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、野生型ヒトFcと比較してヒトFcバリアントのグリコシル化を低下させる修飾を含むヒトFcバリアントを含む。一部の実施形態では、グリコシル化は、酵素的脱グリコシル化、細菌宿主内における発現、またはグリコシル化に必要なアミノ酸残基の修飾によって低下する。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントのグリコシル化を低下させる修飾は、N297に置換を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、N297における置換は、N297A、N297Q、N297D、N297H、N297G、またはN297Cである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、位置L234、L235、及び/またはG237に置換を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントはL234A置換及びL235A置換を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、FcバリアントはK322A置換を更に含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcに対する修飾は、E233P変異、L234V変異、L235A変異、delG236変異、A327G変異、A330S変異、及びP331S変異を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、(a)L234A置換、L235A置換、G237A置換、及びN297A置換を含むヒトIgG1 Fc(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、(b)A330S置換、P331S置換、及びN297A置換を含むヒトIgG2 Fc(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、及び(c)S228P変異、E233P変異、F234V変異、L235A変異、delG236変異、及びN297A変異を含むヒトIgG4 Fc(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、からなる群から選択される。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、L234A置換、L235A置換、G237A置換、及びN297A置換を含むヒトIgG1 Fcである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcは、D265A置換を含む(例えば、D265A置換を更に含む)ヒトIgG1 Fcである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG1 Fcと比較して、Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG1 Fcと比較して、CD16a Fcγ受容体、CD32a Fcγ受容体、CD32b Fcγ受容体、CD32c Fcγ受容体、及びCD64 Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG1 Fcと比較して、C1qへの結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、A330S置換、P331S置換、及びN297A置換を含むヒトIgG2 Fcである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG2 Fcと比較して、Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG2 Fcと比較して、CD16a Fcγ受容体、CD32a Fcγ受容体、CD32b Fcγ受容体、CD32c Fcγ受容体、及びCD64 Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG2 Fcと比較して、C1qへの結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、S228P変異、E233P変異、F234V変異、L235A変異、delG236変異、及びN297A変異を含むヒトIgG4 Fcである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、S228P置換を含むヒトIgG4 Fcである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、S228P置換及びL235E置換を含むヒトIgG4 Fcである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG4 Fcと比較して、Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、そのヒトIgG4 Fcの野生型と比較して、CD16a Fcγ受容体及びCD32b Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、配列番号48〜51、53〜56、93〜96、及び98〜101のうちのいずれか1つに定めるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、約5×10−6M超のKでFcγ受容体に結合する。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、げっ歯類及び非ヒト霊長類において、投与後に急性貧血を引き起こさない。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、ヒトにおいて、投与後に急性貧血を引き起こさない。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、リガンドへのCD47の結合を遮断する。一部の実施形態では、CD47は、ヒトCD47、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル)のCD47、またはマウスCD47である。一部の実施形態では、リガンドはSIRPαまたはSIRPγである。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、細胞の表面上に発現したCD47に結合する。一部の実施形態では、細胞は、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、細菌感染細胞、損傷赤血球、動脈プラーク細胞、線維性組織細胞、健康な正常細胞、例えば、造血幹細胞などである。一部の実施形態では、細胞の表面上に発現したCD47へのデコイポリペプチドの結合は、細胞、例えば、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、細菌感染細胞、損傷赤血球、動脈プラーク細胞、または線維性組織細胞の貪食またはADCCを誘導または増強する。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは二量体である。一部の実施形態では、二量体はホモ二量体である。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは検出可能標識を更に含む。
関連する態様では、本明細書で開示する実施形態のいずれかに記載の(または本明細書で開示する実施形態のいずれかに適用される)デコイポリペプチド、及び薬学的に許容される賦形剤、を含む組成物を提供する。一部の実施形態では、組成物は1種または複数種の別の薬剤を更に含む。一部の実施形態では、1種または複数種の別の薬剤は、化学療法剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤、ウイルスDNAポリメラーゼの阻害剤、ウイルスRNAポリメラーゼの阻害剤、または治療抗体である。一部の実施形態では、1種または複数種の別の薬剤は治療抗体である。一部の実施形態では、治療抗体は、セツキシマブ、ネシツムマブ、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、ピディリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、ウレルマブ、ダラツムマブ、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、ペルツズマブ、エロツズマブ、リツキシマブ、オファツムマブ、オビヌツズマブ、パニツムマブ、ブレンツキシマブベドチン、MSB0010718C、ベリムマブ、ベバシズマブ、デノスマブ、ラムシルマブ、アテゾリズマブである。一部の実施形態では、治療抗体は、NY−ESO−1/LAGE1、SSX−2、MAGEタンパク質ファミリーのメンバー、gp100/pmel17、MelanA/MART1、gp75/TRP1、チロシナーゼ、TRP2、CEA、PSA、TAG−72、未成熟ラミニン受容体、MOK/RAGE−1、WT−1、Her2/neu、EphA3、SAP−1、BING−4、Ep−CAM、MUC1、PRAME、サバイビン、メソテリン、BRCA1、BRCA2、CDK4、CML66、MART−2、p53、Ras、β−カテニン、TGF−βRII、HPV E6、またはHPV E7、に由来するペプチド、を含む、HLA/ペプチド複合体またはMHC/ペプチド複合体を標的とする。一部の実施形態では、治療抗体は、がん細胞上、免疫細胞上、病原体感染細胞上、または造血幹細胞上の抗原と結合する。一部の実施形態では、治療抗体は、がん細胞上の抗原と結合し、抗原は、EGFR、Her2/neu、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD47、CD56、CD70、CD117、またはEpCAMである。一部の実施形態では、治療抗体は、免疫細胞上の抗原と結合し、抗原は、M1プライム、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD19、CD20、CD22、CD25、CD38、CD56、PD−1、PD−L1、CTLA4、BTLA、TIM3、LAG3、OX40、GITR、またはCD137(4−1BB)である。一部の実施形態では、治療抗体は、病原体感染細胞上の抗原と結合し、抗原は、CMVタンパク質、UL18、UL11、pp65、gB、pp150、HIVエンベロープタンパク質、Gp41、Gp120、V1V2グリカン、V3グリカン、及びインフルエンザヘマグルチニンである。一部の実施形態では、治療抗体は、造血幹細胞上の抗原と結合し、抗原は、CD11、CD45、CD117、またはSca1である。
本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)デコイポリペプチドをコードする単離核酸もまた提供する。このような核酸を含むベクターを更に提供する。本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)核酸またはベクターを含む宿主細胞を提供する。本開示は、デコイポリペプチドが発現する条件下で、本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)宿主細胞を培養すること、及びデコイポリペプチドを回収すること、を含む、デコイポリペプチドを作製するための方法を提供する。
関連する態様では、CD47を発現する細胞の貪食またはADCCを調節するための方法を提供し、方法は、細胞を、本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)デコイポリペプチドまたは本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)組成物と接触させることを含む。有効量の本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)デコイポリペプチドまたは本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)組成物を対象に投与することを含む、疾患または障害を有する対象を治療するための方法もまた提供する。一部の実施形態では、疾患または障害は、がん、貧血、ウイルス感染症、細菌感染症、自己免疫疾患もしくは炎症性疾患、喘息、アレルギー、移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、または線維症である。一部の実施形態では、疾患または障害はがんであり、がんは、固形腫瘍、血液がん、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、膀胱癌、膵臓癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、肺癌、気管支癌、肝臓癌、卵巣癌、結腸癌及び直腸癌、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、胆嚢癌、消化管間質腫瘍癌、甲状腺癌、頭頸部癌、口咽頭癌、食道癌、黒色腫、非黒色腫皮膚癌、メルケル細胞癌、ウイルス誘発性がん、神経芽細胞腫、乳癌、前立腺癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、リンパ腫、肉腫、神経膠腫、脳腫瘍、及び癌腫である。一部の実施形態では、疾患または障害は自己免疫疾患または炎症性疾患であり、自己免疫疾患または炎症性疾患は、多発性硬化症、関節リウマチ、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、抗体介在性の炎症性または自己免疫疾患、移植片対宿主病、敗血症、糖尿病、乾癬、アテローム性動脈硬化症、シェーグレン症候群、進行性全身硬化症、強皮症、急性冠症候群、虚血性再灌流、クローン病、子宮内膜症、糸球体腎炎、重症筋無力症、特発性肺線維症、喘息、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、血管炎、及び炎症性自己免疫性筋炎である。
がん、ウイルス感染症、細菌感染症、自己免疫疾患、喘息、アレルギー、移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、または線維症を治療するのに用いる、本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)デコイポリペプチドまたは本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)組成物を提供する。造血幹細胞移植の前処置に用いる、本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)デコイポリペプチドまたは本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)組成物を提供する。
関連する態様において、本開示では、細胞の集団を、本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)デコイポリペプチドまたは本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)組成物と接触させること、及びデコイポリペプチドのCD47細胞への結合を検出することを含む、細胞の集団内のCD47細胞を検出するための方法を提供し、結合の検出は、CD47細胞の存在を示す。一部の実施形態では、細胞は、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、細菌感染細胞、自己反応性T細胞もしくはB細胞、損傷赤血球、動脈プラーク細胞、または線維性組織細胞である。一部の実施形態では、接触させることはin vivoである。一部の実施形態では、接触させることはin vitroである。本開示はまた、細胞の集団を本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)デコイポリペプチドと接触させること、及びデコイポリペプチドに結合した細胞を単離することを含む、細胞の集団からCD47細胞を精製するための方法を提供する。
本明細書の実施形態のいずれかに記載の(または本明細書の実施形態のいずれかに適用される)デコイポリペプチド、及び、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子、サイトカイン、または弱毒化サイトカイン、を含むキメラ分子もまた提供する。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、リンカー配列を介して、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子、サイトカイン、または弱毒化サイトカインに連結している。一部の実施形態では、リンカー配列はGly及びSerを含む。一部の実施形態では、リンカー配列はGGGGSGGGGS(配列番号29)を含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子、サイトカイン、または弱毒化サイトカインのN末端またはC末端に融合している。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは免疫チェックポイント阻害剤に融合しており、免疫チェックポイント阻害剤は、PD−1もしくはPD−L1アンタゴニスト、BTLAもしくはCD160アンタゴニスト、ホスファチジルセリンアンタゴニスト、MFGE8、TIM1、TIM3、またはTIM4の配列を含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは共刺激分子に融合しており、共刺激分子は、CD40アゴニスト、41BBL、またはCD137アゴニストの配列を含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドはサイトカインに融合しており、サイトカインはIL2の配列を含む。一部の実施形態では、IL2配列は変異D20T及び変異F42Aを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドはサイトカインポリペプチドに融合しており、サイトカインは弱毒化されている。一部の実施形態では、キメラ分子は、配列番号30または配列番号102に定めるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、キメラ分子は、配列番号31または配列番号103に定めるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、キメラ分子は、配列番号32〜39または配列番号104〜111のうちのいずれか1つに定めるアミノ酸配列を含む。
本明細書で言及する全ての刊行物、特許、及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが明示的及び個別に示されるかのように、同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
非還元条件下及び還元条件下におけるデコイポリペプチドの発現を測定するためのSDS−PAGE解析を示す。非還元条件下及び還元条件下におけるデコイポリペプチドA、C、J、及びPのSDS−PAGE解析を示す。観察されたバンドの分子量(kDa)を測定するためにタンパク質分子量マーカーを使用し、模擬トランスフェクションしたExpi293細胞(「DNAを含まない」)の陰性対照を使用した。 非還元条件下及び還元条件下におけるデコイポリペプチドの発現を測定するためのSDS−PAGE解析を示す。非還元条件下及び還元条件下におけるデコイポリペプチドQ、R、S、及びTのSDS−PAGE解析を示す。観察されたバンドの分子量(kDa)を測定するためにタンパク質分子量マーカーを使用し、模擬トランスフェクションしたExpi293細胞(「DNAを含まない」)の陰性対照を使用した。 実施例1に記載のデコイポリペプチドを作製するために使用したSIRPγ D1ドメインバリアント、SIRPβ1 D1ドメインバリアント、SIRPβ2 D1ドメインバリアント、及びSIRPα D1ドメインバリアントの配列アライメント解析の一覧を提供する。アミノ酸類似性パーセントを横軸に示し、アミノ酸同一性パーセントを縦軸に示す。 野生型SIRPβ1 D1ドメインと、実施例1に記載のデコイポリペプチドPのSIRPβ1 D1ドメインバリアントの間のアミノ酸配列差異を示す。配列番号26の配列を含むSIRPβ1 D1ドメインバリアント及び野生型SIRPβ1 D1ドメイン(配列番号25)の配列アライメントを提供する。矢印で示す残基は、バリアントアミノ酸配列と野生型アミノ酸配列の間で異なる位置を示す。 野生型SIRPβ1 D1ドメインと、実施例1に記載のデコイポリペプチドPのSIRPβ1 D1ドメインバリアントの間のアミノ酸配列差異を示す。CD47に結合したSIRPα D1ドメインの結晶構造(PDB:2JJS)上に重ね合わせた、SIRPβ1 D1ドメインのX線結晶構造(PDB:2JJU)を示す。野生型SIRPβ1 D1ドメイン配列とバリアントSIRPβ1 D1ドメイン配列の間で異なるアミノ酸を球体として示す。 野生型SIRPβ2 D1ドメインと、実施例1に記載のデコイポリペプチドQのSIRPβ2 D1ドメインバリアントの間のアミノ酸配列差異を示す。配列番号28の配列を含むSIRPβ2 D1ドメインバリアント及び野生型SIRPβ2 D1ドメイン(配列番号27)の配列アライメントを提供する。矢印で示す残基は、バリアントアミノ酸配列と野生型アミノ酸配列の間で異なる位置を示す。 野生型SIRPβ2 D1ドメインと、実施例1に記載のデコイポリペプチドQのSIRPβ2 D1ドメインバリアントの間のアミノ酸配列差異を示す。CD47に結合したSIRPα D1ドメインの結晶構造(PDB:2JJS)上に重ね合わせた、SIRPβ2 D1ドメインのX線結晶構造(PDB:2JJV)を示す。野生型SIRPβ2 D1ドメイン配列とバリアントSIRPβ2 D1ドメイン配列の間で異なるアミノ酸を球体として示す。 実施例1に記載のデコイポリペプチドA〜OのSIRPγ D1ドメインバリアント間のアミノ酸配列差異を示す。配列番号3〜8、10〜11、13、17〜19、21〜22、及び42を含むSIRPγ D1ドメインバリアントの配列アライメントを提供する。星印で示した残基は、SIRPγ D1ドメインバリアント間で異なっている。 実施例1に記載のデコイポリペプチドA〜OのSIRPγ D1ドメインバリアント間のアミノ酸配列差異を示す。野生型SIRPγ D1ドメイン(配列番号1)、及び試験したSIRPγ D1ドメインバリアントの中でhCD47に対する最も高い親和性を示した4つのSIRPγ D1ドメインバリアント(配列番号4、5、11、及び17)の配列アライメントを提供する。矢印は、野生型SIRPγ D1ドメインを基準とした、バリアントにおける置換された残基を示す。加えて、野生型SIRPα D1ドメイン(配列番号81)及び例示的なSIRPα D1ドメインバリアント(配列番号78)の配列アライメントを提供する。 実施例1に記載のデコイポリペプチドA〜OのSIRPγ D1ドメインバリアント間のアミノ酸配列差異を示す。CD47に結合したSIRPγ D1ドメインの結晶構造を示す(PDB:2JJW)。 実施例1に記載のデコイポリペプチドA〜OのSIRPγ D1ドメインバリアント間のアミノ酸配列差異を示す。バリアントSIRPγ D1ドメインにおいて変異した5つのアミノ酸残基(図5B)を、CD47に結合したSIRPγ D1ドメインの結晶構造上の球体として示す。 野生型SIRPα(配列番号81)D1ドメイン、野生型SIRPβ1(配列番号25)D1ドメイン、野生型SIRPβ2(配列番号27)D1ドメイン、及び野生型SIRPγ(配列番号1)D1ドメインの配列のアライメントを提供する。hCD47に対する向上した結合性を示すSIRPα D1ドメインバリアント、SIRPβ1 D1ドメインバリアント、SIRPβ2 D1ドメインバリアント、及びSIRPγ D1ドメインバリアントにおいて置換された残基を太字で示す。囲んだ領域は、ヒトCD47に結合するヒトSIRPαの領域を示す。矢印は、野生型と比較してCD47に対する向上した結合性を示すSIRPα D1ドメインバリアント、SIRPβ1 D1ドメインバリアント、SIRPβ2 D1ドメインバリアント、及びSIRPγ D1ドメインバリアントのそれぞれにおいて置換されたアミノ酸位置を示す。 ヒト単球由来マクロファージによるCFSE標識DLD−1腫瘍細胞の貪食に対する、セツキシマブ(CTX、10ng/ml)と組み合わせたデコイポリペプチドの効果を測定するために実施されたin vitro実験の結果を示す。マクロファージによる腫瘍細胞の貪食に対するデコイポリペプチドP、Q、S、T、及びUの効果を示す。貪食のレベルを、腫瘍細胞を貪食しCFSE+であったマクロファージのパーセントとしてy軸上に示し、デコイポリペプチドの濃度(nM)をx軸上に示す。細胞はまた、10ng/mLのセツキシマブ単独、対照hIgG抗体、及び抗体なし(「培地のみ」)で培養された。 ヒト単球由来マクロファージによるCFSE標識DLD−1腫瘍細胞の貪食に対する、セツキシマブ(CTX、10ng/ml)と組み合わせたデコイポリペプチドの効果を測定するために実施されたin vitro実験の結果を示す。マクロファージによる腫瘍細胞の貪食に対するデコイポリペプチドA、C、J、R、及びUの効果を示す。貪食のレベルを、腫瘍細胞を貪食しCFSE+であったマクロファージのパーセントとしてy軸上に示し、デコイポリペプチドの濃度(nM)をx軸上に示す。細胞はまた、10ng/mLのセツキシマブ単独、対照hIgG抗体、及び抗体なし(「培地のみ」)で培養された。 マウスの血液学的パラメータにおけるデコイポリペプチドVまたはデコイポリペプチドCの投与の効果を測定するために実施された実験の結果を示す。それぞれの血液学的パラメータを測定した時点は、デコイポリペプチドの投与の8時間前(すなわち、「−8」)、投与の3日後、及び投与の8日後であった。マウスの白血球(WBC:リンパ球、単球、及び顆粒球)レベルに対するデコイポリペプチドV及びCの投与の効果を示す。 マウスの血液学的パラメータにおけるデコイポリペプチドVまたはデコイポリペプチドCの投与の効果を測定するために実施された実験の結果を示す。それぞれの血液学的パラメータを測定した時点は、デコイポリペプチドの投与の8時間前(すなわち、「−8」)、投与の3日後、及び投与の8日後であった。マウスのリンパ球レベルに対するデコイポリペプチドV及びCの投与の効果を示す。 マウスの血液学的パラメータにおけるデコイポリペプチドVまたはデコイポリペプチドCの投与の効果を測定するために実施された実験の結果を示す。それぞれの血液学的パラメータを測定した時点は、デコイポリペプチドの投与の8時間前(すなわち、「−8」)、投与の3日後、及び投与の8日後であった。マウスの単球レベルに対するデコイポリペプチドV及びCの投与の効果を示す。 マウスの血液学的パラメータにおけるデコイポリペプチドVまたはデコイポリペプチドCの投与の効果を測定するために実施された実験の結果を示す。それぞれの血液学的パラメータを測定した時点は、デコイポリペプチドの投与の8時間前(すなわち、「−8」)、投与の3日後、及び投与の8日後であった。マウスの血小板(PLT)レベルに対するデコイポリペプチドV及びCの投与の効果を示す。
定義
「デコイポリペプチド」という用語は、本明細書で使用する場合、(a)SIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアント、及び(b)野生型ヒトFcと比較してエフェクター機能を低下させる少なくとも1つのアミノ酸置換を含むヒトFcバリアント、を含む融合ポリペプチドを指す。デコイポリペプチドは、in vitro及び/またはin vivoにおける、CD47のそのリガンド(例えば、SIRPαまたはSIRPγ)への結合を防止する。開発目的で、実験条件下、例えば、単離タンパク質をリガンドとして使用する、タンパク質の一部をリガンドとして使用する、タンパク質またはタンパク質の一部の酵母ディスプレイをリガンドとして使用するなどで、結合を実施してもよい。生理学的に有意味な用途において、CD47のそのリガンドへの結合は2種の細胞間の現象であることが多く、それぞれの細胞は結合パートナーのうちの一方を発現する。特に注目すべきは、貪食細胞上、例えば、マクロファージなどにおけるSIRPポリペプチドの発現、及び、貪食の標的となり得る細胞上、例えば、腫瘍細胞、循環造血細胞などにおけるCD47の発現である。受容体結合もしくはリガンド結合またはシグナル伝達用のin vitroアッセイ及びin vivoアッセイを用いて、デコイポリペプチドを同定してもよい。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は本明細書において同じ意味で用いられ、アミノ酸残基のポリマーを指す。この用語はまた、1つまたは複数のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の人工的な化学模倣物質であるアミノ酸ポリマーに加え、天然アミノ酸ポリマー及び非天然アミノ酸ポリマーに適用される。
「アミノ酸」という用語は、本明細書で使用する場合、天然及び合成のアミノ酸に加え、天然アミノ酸に類似した様式で作用するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣物質を指す。天然アミノ酸は、遺伝子コードがコードする天然アミノ酸、ならびに、後に修飾された天然アミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、及びO−ホスホセリンである。「アミノ酸類似体」という用語は、本明細書で使用する場合、天然アミノ酸と同一の基本化学構造を有する化合物、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基に結合したα炭素、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを指す。このような類似体は、修飾R基(例えば、ノルロイシン)または修飾ペプチド主鎖を有しているが、天然アミノ酸と同一の基本化学構造を保持している。「アミノ酸模倣物質」という用語は、本明細書で使用する場合、一般的な化学構造のアミノ酸とは異なる構造を有しているが、天然アミノ酸に類似した様式で作用する化合物を指す。
「レシピエント」、「個体」、「対象」、「宿主」、及び「患者」いう用語は本明細書において同じ意味で用いられ、診断、処置、または治療が望まれる任意の哺乳動物対象、とりわけヒトを指す。治療の目的では、「哺乳動物」は、哺乳動物に分類される任意の動物のを指し、ヒト、飼育動物及び家畜、ならびに研究室用動物、動物園用動物、スポーツ用動物、またはペット用動物、例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サルなどが挙げられる。一部の実施形態では、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用する場合、「がん」は、微小残存病変を含み、原発性腫瘍と転移性腫瘍の両方を含む、固形腫瘍がん(例えば、肺癌、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、結腸癌、卵巣癌、膵臓癌、腎臓癌、肝臓癌、膠芽腫、髄芽腫、平滑筋肉腫、頭頸部扁平上皮癌、黒色腫、神経内分泌癌など)、及び液体がん(例えば、血液がん)、癌腫、軟組織腫瘍、肉腫、奇形腫、黒色腫、白血病、リンパ腫、ならびに脳癌を含むがこれらに限定されないあらゆる形態のがんを含む。あらゆるがんが本方法及び組成物を用いて治療される好適ながんである。
「結合パートナー」という用語は、本明細書で使用する場合、特異的結合ペアのメンバー(すなわち、分子の一方、例えば、第1の結合パートナーがもう一方の分子、例えば、第2の結合パートナーに非共有な手段を介して特異的に結合する、2つの分子、通常は2種の異なる分子)を指す。
本明細書で使用する場合、「治療」、「治療すること」などの用語は、効果を得る目的で、薬剤を投与すること、または処置を実施することを指す。その効果は、疾患またはその症候を完全または部分的に予防するという観点において予防的であり得る、及び/または、疾患及び/またはその疾患の症候の部分的または完全な治癒をもたらすという観点において治療的であり得る。「治療」は、本明細書で使用する場合、哺乳動物における、とりわけヒトにおける腫瘍の治療を含んでいてもよく、(a)疾患にかかりやすい恐れがあるがまだその疾患を有するとは診断されていない対象においてその疾患または疾患の症候が発症するのを予防すること(例えば、原疾患に関連し得る疾患または原疾患により引き起こされ得る疾患を含む)、(b)疾患を抑制すること、すなわち、その進行を停止させること、及び(c)疾患を軽減すること、すなわち、その疾患を後退させること、を含む。治療とは、がんの治療もしくは改善または予防における何らかの成功の兆候のことを指し得、症候を軽減、寛解、低下させること、すなわち病状を患者にとってより許容できるものにすること、変性または衰弱の速度を遅くすること、または、変性による最終的な衰弱を和らげることなどの、何らかの客観的または主観的なパラメータを含む。症候の治療または改善は、医師による検査の結果を含む客観的または主観的なパラメータに基づいていてもよい。それゆえ、「治療すること」という用語は、がんまたはその他の疾患に関連する症候または症状を予防または遅延させるための、それらを緩和するための、または、それらの発症を停止または抑制するための、本発明の化合物または薬剤の投与を含む。「治療効果」とという用語は、対象における疾患、疾患の症候、または疾患の副作用を、低下、除去、または予防することを指す。
「と組み合わせて」、「組み合わせ治療」、及び「組み合わせ生成物」は、ある特定の実施形態では、第1の治療薬及び本明細書で使用する化合物を患者に同時投与することを指す。組み合わせて投与する場合、それぞれの成分を、同時または順次に、任意の順序、異なる時点で、投与してもよい。それゆえ、それぞれの成分を、別々にではあるが所望の治療効果がもたらされるような十分に近い時間間隔で投与してもよい。
「投与単位」は、治療する特定の個体用の単位用量に適した物理的に不連続な単位を指す。それぞれの単位は、所望の治療効果(複数可)をもたらすように計算された所定量の活性化合物(複数可)を、所定の医薬品担体を伴って含有していてもよい。投与単位剤形の規格は、(a)活性化合物(複数可)固有の特性及び得られる特定の治療効果(複数可)、ならびに(b)このような活性化合物(複数可)を合成する当該技術分野に固有の制限、に規定され得る。
「薬学的に許容される賦形剤」は、概ね安全、非毒性であり、望ましい、医薬組成物の調製に有用な賦形剤のことを意味し、獣医学的な医薬品用途に加えヒト用の医薬品用途に許容される賦形剤を含む。このような賦形剤は、固体、液体、半固体であってもよく、または、エアロゾル組成物の場合にはガス状であってもよい。
「薬学的に許容される」、「生理学的に許容される」という用語、及びそれらの文法的な変形は、それらが組成物、担体、希釈剤及び試薬を指す場合に同じ意味で用いられ、組成物の投与を禁止し得る程度の望ましくない生理学的作用をもたらすことなく、物質をヒトに投与可能であることを表す。
「治療有効量」は、疾患を治療するために対象に投与する際に、その疾患の治療をもたらすのに十分な量を意味する。
「抗体」という用語は最も広い意味で用いられ、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、ペプチボディ、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ科抗体(ラクダ科単一ドメイン抗体を含む)、代替足場抗体(例えば、アフィボディ、アビマー、Fn3ドメイン、DARPin、Kunitzドメイン、SMIP、ドメイン抗体、BiTE、アドネクチン、ナノボディ、安定scFv、アンチカリン)、及び抗体フラグメント(所望の生物学的活性を示す限りにおいて)、を対象として明確に含む。「抗体」(Ab)及び「免疫グロブリン」(Ig)とは、同一の構造的特徴を有する糖タンパク質のことである。抗体は特定の抗原に対する結合特異性を示すが、免疫グロブリンは、抗体と、抗原特異性を欠く他の抗体様分子の両方を含む。
本明細書において特定するポリペプチド配列及び抗体配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」または「相同性」は、任意の保存的置換が配列同一性の一部とみなして配列をアラインした後における、比較するポリペプチド内のアミノ酸残基と同一である候補配列内のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。当業者に周知の様々な方法で、例えば、一般に利用可能なコンピュータソフトウェア、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)などのソフトウェアを使用して、アミノ酸配列同一性パーセントを測定することを目的としたアライメントを実施することができる。当業者は、比較する配列の全長にわたる最大アライメントを得るのに必要な任意のアルゴリズムを含む、アライメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、本明細書における目的においては、配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を使用してアミノ酸配列同一性%の値を生成する。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムはGenentech,Inc.により作成され、そのソースコードはユーザ文書と共に米国著作権局、Washington D.C.,20559に提出されており、米国著作権登録番号第TXU510087号で登録されている。ALIGN−2プログラムは、Genentech,Inc.,South San Francisco,Californiaを介して一般に利用可能である。UNIXオペレーティングシステム、好ましくはdigital UNIX V4.0D上で使用するために、ALIGN−2プログラムをコンパイルする必要がある。全ての配列比較パラメータはALIGN−2プログラムにセットされており変更しないこと。
デコイポリペプチド
(a)SIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアント、及び(b)野生型ヒトFcと比較してエフェクター機能を低下させるまたはエフェクター機能を除去する少なくとも1つのアミノ酸置換を含むヒトFcバリアント、を含むデコイポリペプチドに関する組成物及び方法を提供する。本明細書で提供するデコイポリペプチドは、CD47(例えば、ヒトCD47、カニクイザルなどの非ヒト霊長類に由来するCD47、またはマウスCD47)の、リガンド、例えば、SIRPα(ヒト、非ヒト霊長類、またはマウスに由来する)またはSIRPγ(ヒト、非ヒト霊長類、またはマウスに由来する)への結合を遮断する。CD47/SIRPα経路の結合の遮断は、標的細胞の貪食を媒介し、例えば、がん特異的抗体、病原体特異的抗体などを含む他の細胞標的化剤との相乗効果を示し得る。細胞表面抗原を標的とするFc含有ポリペプチドは、免疫細胞上のFc受容体(FcR)結合が関与する免疫活性化機能及びエフェクター機能を誘発し得る。IgG(γ受容体)、IgE(η受容体)、IgA(α受容体)、及びIgM(μ受容体)を含む特定の部類の抗体に特異的ないくつかのFc受容体が存在している。細胞表面上のFc受容体へのFc領域の結合は、抗体被覆粒子の貪食(抗体依存性細胞介在性貪食すなわちADCP)、免疫複合体の排除、キラー細胞による抗体被覆細胞の溶解(抗体依存性細胞介在性細胞傷害すなわちADCC)、ならびに、炎症性化学伝達物質の放出、胎盤移行、及び免疫グロブリン産生の制御、を含むいくつかの生物学的反応を誘発し得る。加えて、補体のC1q成分のFcへの結合は補体系を活性化させ得る。補体の活性化は、細胞性病原体の溶解において重要であり得る。しかしながら、補体の活性化はまた、炎症反応を刺激する場合があり、また、自己免疫過敏症またはその他の免疫学的障害に関与する場合もある。ある特定のFc受容体及び/またはC1qへの結合能が低下または除去されたヒトFcバリアントは開発において有用であり、Fc融合ポリペプチド構築物は、局所細胞または局所組織を損傷または破壊することなく、リガンド機能を遮断、標的化、活性化、または中和することによって効果を表す。一般的に、ヒトFcバリアントは、Fcγ受容体及びC1qへの結合性を乱す変異を有するように設計されているが、本ヒトFcバリアントはFcRnへの結合性を保持している。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、(a)可溶性SIRPγバリアント(すなわち、膜貫通ドメインを欠くSIRPγバリアント)、可溶性SIRPβバリアント(すなわち、膜貫通ドメインを欠くSIRPβバリアント)、または可溶性SIRPβ2バリアント(すなわち、膜貫通ドメインを欠くSIRPβ2バリアント)、及び(b)ヒトFc受容体及びC1qタンパク質への結合性を低下させるまたはヒトFc受容体及びC1qタンパク質への結合性を除去する修飾(例えば、1つまたは複数のアミノ酸置換)を含むヒトFcバリアント、を含む。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型Fc領域と比較して、ヒトFcγ受容体を含むFc受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。
一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアントなど)、SIRPβバリアント(例えば、可溶性SIRPβバリアントなど)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアントなど)のC末端は、ヒトFcバリアントのN末端に連結している。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアントなど)、SIRPβ1バリアント(例えば、可溶性SIRPβ1バリアントなど)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアントなど)のC末端は、通常の遺伝学的手段または化学的手段、例えば、化学的コンジュゲートを用いたリンカーを介して、ヒトFcバリアントのN末端に連結している。一部の実施形態では、リンカー(例えば、スペーサー)が、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアントなど)、SIRPβ1バリアント(例えば、可溶性SIRPβ1バリアントなど)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアントなど)と、ヒトFcバリアントの間に挿入されている。
一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアントなど)、SIRPβ1バリアント(例えば、可溶性SIRPβ1バリアントなど)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアントなど)は、二量体を形成することができないヒトFcバリアントに融合している。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアントなど)、SIRPβ1バリアント(例えば、可溶性SIRPβ1バリアントなど)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアントなど)は、第2のヒトFcバリアントと二量体、例えば、ヘテロ二量体またはホモ二量体を形成することができるヒトFcバリアントに融合している。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは二量体である。一部の実施形態では、二量体はホモ二量体である。一部の実施形態では、二量体はヘテロ二量体である。一部の実施形態では、ヘテロ二量体は、例えば、第1のヒトFcバリアントを含む第1のデコイポリペプチド、及び第2のヒトFcバリアントを含む第2のデコイポリペプチドを含む。追加的にまたは代替的に、一部の実施形態では、ヘテロ二量体は、例えば、第1のSIRPγバリアントを含む第1のデコイポリペプチド及び第2のSIRPγバリアントを含む第2のデコイポリペプチド、第1のSIRPβ1バリアントを含む第1のデコイポリペプチド及び第2のSIRPβ1バリアントを含む第2のデコイポリペプチド、または、第1のSIRPβ2バリアントを含む第1のデコイポリペプチド及び第2のSIRPβ2バリアントを含む第2のデコイポリペプチド、を含む。一部の実施形態では、ヘテロ二量体は、例えば、SIRPγバリアントを含む第1のデコイポリペプチド、及び、SIRPαバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアントを含む第2のデコイポリペプチドを含む。一部の実施形態では、ヘテロ二量体は、例えば、SIRPβ1バリアントを含む第1のデコイポリペプチド、及び、SIRPαバリアントまたはSIRPβ2バリアントを含む第2のデコイポリペプチドを含む。一部の実施形態では、ヘテロ二量体は、例えば、SIRPβ2バリアントを含む第1のデコイポリペプチド及びSIRPαバリアントを含む第2のデコイポリペプチドを含む。文脈上特に明記する場合を除き、「第1のデコイポリペプチド」及び「第2のデコイポリペプチド」という用語は単なる任意の表記であり、本明細書に記載の実施形態のいずれかにおける「第1の」と「第2の」は逆であってもよい。例示的なSIRPαバリアントについては、例えば、WO2013/109752、WO2016/023040、WO2017/027422、及びWO2014/094122(それら全ての開示全体は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドはCD47と結合する。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、細胞の表面上に発現したCD47に結合する。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、例えば、体内の、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、細菌感染細胞、自己反応性細胞(例えば、自己反応性T細胞または自己反応性B細胞)、または、他の有害または病原性の細胞(例えば、損傷赤血球、動脈プラーク細胞、または線維性組織細胞)の表面上に発現したCD47に結合する。一部の実施形態では、CD47へのデコイポリペプチドの結合は、結合パートナーすなわちリガンドへのCD47の結合を遮断する。一部の実施形態では、CD47の結合パートナーすなわちリガンドはSIRPα(SIRPA)及び/またはSIRPγ(SIRPG)である。一部の実施形態では、CD47(例えば、細胞の表面上に発現したCD47)へのデコイポリペプチドの結合は、貪食細胞、例えば、専業的な貪食細胞(例えば、単球、マクロファージ、好中球、樹状細胞、及び/または肥満細胞)、及び/または非専業的な貪食細胞(例えば、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞、及び/または間葉系細胞)などによる、細胞の貪食を活性化、増強、誘導、または惹起する。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、多量体形態の可溶性SIRPγバリアント、可溶性SIRPβ1バリアント、または可溶性SIRPβ2バリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、二量体(例えば、ホモ二量体またはヘテロ二量体)、三量体、四量体、五量体、または他の多量体を含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、単量体形態の可溶性SIRPγバリアント、可溶性SIRPβ1バリアント、または可溶性SIRPβ2バリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは多重特異性(例えば、CD47及び第2の標的と結合することができる)である。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、多重特異性SIRPγバリアント、多重特異性SIRPβ1バリアント、または多重特異性SIRPβ2バリアントを含む。
一部の実施形態では、可溶性SIRPγバリアントを含むデコイポリペプチドのオフレートは、膜貫通ドメインを欠く野生型SIRPγを含むポリペプチドと比較して、少なくとも約10倍、20倍、50倍、100倍、500倍、750倍、1,000倍、2,000倍、3,000倍、4,000倍、5,000倍、6,000倍、7,000倍、8,000倍、9,000倍、10,000倍、またはそれ以上の倍数(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ分低下している。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントを含むデコイポリペプチドのオフレートは、膜貫通ドメインを欠く野生型SIRPβ1を含むポリペプチドと比較して、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、またはそれ以上の倍数(これらの値の間の任意の範囲を含む)分低下している。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントを含むデコイポリペプチドのオフレートは、膜貫通ドメインを欠く野生型SIRPβ2を含むポリペプチドと比較して、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、またはそれ以上の倍数(これらの値の間の任意の範囲を含む)分低下している。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、骨髄細胞(例えば、マクロファージ、単球、樹状細胞、好中球など)による貪食及び/またはADCCを刺激及び/または増強して、病原性細胞(例えば、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞または細菌感染細胞、自己反応性T細胞など)を除去する。一部の実施形態では、細胞が選択的に除去されることにより、有害副作用の可能性が低下する。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、自己免疫疾患、喘息、及びアレルギーにおける、または幹細胞移植用の造血幹細胞(HSC)中の内在性細胞、例えば、Bリンパ球またはTリンパ球の除去のために用いられる。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、当該技術分野において周知の、CD47:SIRPα間の相互作用の他のアンタゴニストと比較して、高い占有率すなわち受容体占有率を示す。一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、CD47:SIRPα間の相互作用のその他の周知のアンタゴニストと比較して、高い持続性を示す。占有率すなわち受容体占有率は、本明細書で使用する場合、標的細胞、標的受容体、標的タンパク質、または標的組織への結合性を指す。持続性とは、本明細書で使用する場合、個体、対象、または患者に投与した際の、デコイポリペプチドの血清中半減期または細胞結合半減期を指す。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、野生型SIRPγ、野生型SIRPβ1、または野生型SIRPβ2のCD47(例えば、ヒトCD47)に対する親和性と比較して、CD47(例えば、ヒトCD47)に対する高い親和性を有する。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、CD47に対して約1×10−7M以下(例えば、約1×10−8M以下、1×10−9M以下、1×10−10M以下、1×10−11M以下、1×10−12M以下、1×10−13M以下、1×10−14M以下、1×10−15M以下、または1×10−16M以下のうちのいずれか1つ)のKの親和性を有する、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)、SIRPβ1バリアント(例えば、可溶性SIRPβ1バリアント)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアント)を含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、1fM〜1μM(例えば、1fM〜800nM、10fM〜500nM、100fM〜100nM、500fM〜50nM、800fM〜50nM、1pM〜50nM、10pM〜50nM、50pM〜50nM、100pM〜50nM、500fM〜100nM、800fM〜100nM、1pM〜100nM、10pM〜100nM、50pM〜100nM、または100pM〜100nM)の範囲のCD47に対する親和性を有する、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)、SIRPβ1バリアント(例えば、可溶性SIRPβ1バリアント)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアント)を含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、1μM以上(例えば、800nM以上、500nM以上、200nM以上、100nM以上、50nM以上、10nM以上、1nM以上、900pM以上、750pM以上、500pM以上、200pM以上、100pM以上、10pM以上、1pM以上など(親和性は値が減少するにつれて高くなる))の親和性でCD47に結合する、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)、SIRPβ1バリアント(例えば、可溶性SIRPβ1バリアント)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアント)を含む。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、野生型SIRPγ、野生型SIRPβ1、または野生型SIRPβ2タンパク質のCD47に対する親和性と比較して、少なくとも約2倍より高い、またはそれ以上の倍数より高い(例えば、少なくとも約5倍より高い、10倍より高い、100倍より高い、500倍より高い、1000倍より高い、5000倍より高い、10倍より高い、10倍より高い、10倍より高い、10倍より高い、10倍より高い、またはそれ以上の倍数より高いなど(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ)、CD47に対する親和性を有する、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)、SIRPβ1バリアント(例えば、可溶性SIRPβ1バリアント)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアント)を含む。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、野生型SIRPγ、野生型SIRPβ1、または野生型SIRPβ2のCD47に対する解離半減期と比較して、2倍より長い、またはそれ以上の倍数より長い(例えば、約5倍より長い、10倍より長い、100倍より長い、500倍より長い、1000倍より長い、5000倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、またはそれ以上の倍数より長いなど(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ)、CD47に対する解離半減期を有する、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)、SIRPβ1バリアント(例えば、可溶性SIRPβ1バリアント)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアント)を含む。例えば、一部の例では、野生型SIRPγポリペプチド、野生型SIRPβ1ポリペプチド、または野生型SIRPβ2ポリペプチドが、1秒間未満のCD47に対する解離半減期を有する一方で、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、5秒間またはそれ以上(例えば、30秒間またはそれ以上、1分間またはそれ以上、5分間またはそれ以上、10分間またはそれ以上、20分間またはそれ以上、30分間またはそれ以上、40分間またはそれ以上など(これらの値の間の任意の範囲を含む))の解離半減期を有する、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)、SIRPβ1バリアント(例えば、可溶性SIRPβ1バリアント)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアント)を含む。例えば、一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)、SIRPβ1バリアント(例えば、可溶性SIRPβ1バリアント)、またはSIRPβ2バリアント(例えば、可溶性SIRPβ2バリアント)内のアミノ酸置換(複数可)/欠失/挿入は、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、またはそれ以上の倍数(間の任意の範囲を含む)オフレートを低下させることにより、CD47に結合するためのデコイポリペプチドの親和性(例えば、野生型SIRPγ、野生型SIRPβ1、または野生型SIRPβ2とそれぞれ比較した)を向上させる。
CD47に結合する親和性は、例えば、アッセイプレート上にコーティングされた、細菌細胞表面上に提示された、溶液中、などの、CD47への、デコイポリペプチドの結合能により、測定することができる。リガンド(例えば、CD47)またはデコイポリペプチドをビーズ、基材、細胞などに固定することにより、本明細書で提供するデコイポリペプチドのCD47に対する結合活性をアッセイしてもよい。適切なバッファー及び結合パートナーに薬剤を加えて、任意の温度でしばらくの間インキュベートしてもよい。洗浄して非結合物質を除去した後、例えば、SDS、高pHのバッファーなどを用いて結合した結合パートナーを剥離してから、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)による解析を行ってもよい。
結合性はまた、例えば、野生型SIRPγポリペプチド、野生型SIRPβ1ポリペプチド、または野生型SIRPβ2ポリペプチドの細胞外ドメイン(またはその一部)、及びヒトFcバリアントを含む標識ポリペプチドとの、非標識デコイポリペプチドのCD47への結合に対する競合能を測定することにより、求めてもよい。それゆえ、候補非標識デコイポリペプチドを用いた結果を、野生型SIRPγ、野生型SIRPβ1、または野生型SIRPβ2、及びヒトFcバリアントを含む非標識ポリペプチドを用いた結果と比較することにより、相対的結合をアッセイしてもよい。
SIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、及びSIRPβ2バリアント
一部の実施形態では、本明細書で提供するデコイポリペプチドは、(a)可溶性SIRPγバリアント(すなわち、膜貫通ドメインを欠くバリアント)、可溶性SIRPβ1バリアント(すなわち、膜貫通ドメインを欠くバリアント)、または可溶性SIRPβ2バリアント(すなわち、膜貫通ドメインを欠くバリアント)、及び(b)ヒトFcバリアントを含む。
シグナル調節タンパク質(SIRP)は、骨髄細胞(マクロファージ、顆粒球、骨髄系樹状細胞、及び肥満細胞を含む)及び神経細胞上に発現する細胞表面糖タンパク質のファミリーを構成している。SIRPは、阻害性、活性化性、非シグナル伝達性、及び可溶性のメンバーを含有する免疫受容体の多様な多重遺伝子ファミリーを構成している。広く発現している膜貫通糖タンパク質であるCD47は、SIRPαに対する細胞リガンドとして機能し、SIRPαのNH末端細胞外末端部、すなわち、d1ドメインと呼ばれるSIRPαの領域に結合する。SIRPαの役割は、マクロファージによる宿主細胞の貪食及び好中球による抗体誘導細胞傷害(ADCC)におけるその阻害性の役割に関して最も多く文献に記載されている。詳細には、標的細胞上に発現したCD47が骨髄細胞上のSIRPαに結合すると、貪食及びADCCを負に調節する阻害シグナルが生成される。CD47またはSIRPαのいずれかに結合してCD47:SIRPα相互作用に拮抗する薬剤は、とりわけ抗体オプソニン化細胞に対するマクロファージ貪食及び好中球ADCCを活性化するように作用する(Majeti et al.(2009)Cell.138(2):286−99、Chao et al.(2010)Cell.142(5):699−713、Zhang et al.(2016)PLoS ONE.11(4):e015355、及びWeiskopf et al.(2013)Science.341(6141):88−91)。それら薬剤としては、例えば、モノクローナル抗体、可溶性CD47、及びSIRPα受容体「デコイ」が挙げられるがこれらに限定されない。CD47はまた、SIRPγに対するリガンド、すなわち、機能が不確かなリンパ球上に発現する、SIRPαとは異なる遺伝子である。SIRPβ1及びSIRPβ2はまた、SIRPαとは異なる遺伝子であり、それらの配列及び構造がSIRPαに類似しているにもかかわらず、それらは通常、CD47と結合しない。しかしながら、変異により、CD47と結合するようにSIRPβ1及びSIRPβ2を作製することができる(Hatherley et al.(2008)Molecular Cell.31(2):266−77)。理論に束縛されるものではないが、SIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアントを含むデコイポリペプチドは、CD47:SIRPα相互作用に拮抗して骨髄細胞貪食またはADCCを増強し得る。SIRPα外部ドメインが個体間で極めて多型であることから、組換えSIRPα治療薬の投与は、患者に投与した場合に、免疫原性の可能性を高め得る。それに対し、SIRPγ、SIRPβ1、及びSIRPβ2の外部ドメインは、広く多型ではなく、それにより、投与後の患者において、免疫応答を誘導する可能性がより少なくなり得る、または免疫応答を誘導する可能性が非常に低くなり得る。
SIRPγバリアント
全長野生型ヒトSIRPγ(CD172gとしても周知)のアミノ酸配列は、SWISS−PROTデータベースにおいてQ9P1W8として入手可能である。SIRPγの387アミノ酸配列は、4つの潜在的なN−グリコシル化部位を有する細胞外ドメイン(ECD)、膜貫通ドメイン、及び細胞質配列を含む。SIRPγは、そのECD内に、J様配列を含む1つのV型Ig様ドメイン、及び2つのC1型Ig様ドメインを含む(Barclay et al.(2006)Nat.Rev.Immunol.6:457;van Beek et al.(2005)J.Immunol.175:7781)。1つの膜近傍C型Ig様ドメインを欠くアイソフォーム(アイソフォーム2、276aa)または2つの膜近傍C型Ig様ドメインを欠くアイソフォーム(アイソフォーム3、170aa)についての記載がこれまでにある(Piccio et al.(2005)Blood.105:2421)。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドはSIRPγバリアント(例えば、膜貫通ドメインを欠く可溶性SIRPγバリアント)を含み、このバリアントは、野生型SIRPγと比較して(例えば、野生型ヒトSIRPγの細胞外ドメイン(ECD)と比較して)少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、置換は、野生型SIRPγのCD47に対する親和性と比較して、SIRPγバリアントのCD47に対する親和性を向上させる。一部の実施形態では、少なくとも1つの置換は、SIRPγバリアントのd1ドメイン内にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの置換は、野生型SIRPγ(例えば、野生型ヒトSIRPγ)のd1ドメインを基準としている。一部の実施形態では、d1ドメインは、野生型SIRPγ、例えば、Uniprot受入番号Q9P1W8を有する野生型SIRPγのアミノ酸29〜147を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの置換は、EEELQMIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTVTSL LPVGPVLWFR GVGPGRELIY NQKEGHFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE NVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号1)に定める野生型SIRPγのd1ドメインを基準としている。
一部の実施形態では、可溶性SIRPγバリアントは、野生型SIRPγ d1ドメインの、例えば、EEELQMIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTVTSL LPVGPVLWFR GVGPGRELIY NQKEGHFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE NVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号1)に定める野生型SIRPγ d1ドメインのアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のうちのいずれか1つ分同一なアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、可溶性SIRPγバリアントは、配列番号1と少なくとも約90%同一なアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)は、配列番号1を基準とした1つまたは複数のアミノ酸置換、欠失、挿入、逆位、及び/または修飾を含む。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)は、1つまたは複数の非天然アミノ酸、1つまたは複数のD−アミノ酸、及び/または1つまたは複数の非タンパク質構成アミノ酸(すなわち、天然には遺伝的にコードされていないまたは遺伝子コードには存在していないアミノ酸)を含む。
一部の実施形態では、アミノ酸置換、欠失、挿入、逆位、及び/または修飾は、野生型SIRPγと比較して、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)のCD47への結合能を実質的に低下させない。例えば、CD47結合親和性を実質的に低下させない保存的置換を行ってもよい。
「保存的置換」の表題の下の表1に保存的置換を示す。表1の「例示的な置換」の見出しの下により重要な変異を記載し、アミノ酸側鎖の部類に関しては以下に更に記載する。
Figure 2021534769
非保存的置換は、これら部類のうちの1つのメンバーの別の部類への交換を伴う。
一部の実施形態では、アミノ酸置換、欠失、挿入、逆位、及び/または修飾は、野生型SIRPγと比較して、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)のCD47への結合能を増強させる(例えば、向上させる)。野生型SIRPγと比較して、CD47に結合するSIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)の親和性を向上させるアミノ酸置換、欠失、挿入、逆位、及び/または修飾は、周知の方法、例えば、部位特異的変異誘発、結晶化、核磁気共鳴、光親和性標識、またはアラニンスキャニング突然変異誘発などを用いて同定することができる(Cunningham et al.,Science,244:1081−1085(1989);Smith et al.,J.Mol.Biol.,224:899−904(1992);de Vos et al.,Science,255:306−312(1992))。SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)のCD47に対する親和性は、当該技術分野において周知の方法、例えば、ELISA、蛍光活性化細胞分離(FACS)解析、または放射性免疫沈降(RIA)などを用いて測定することができる。SIRPγバリアントのCD47への結合は、例えば、一般的には、結合活性を有さない類似構造の分子である対照分子の結合と比較した、分子の結合を求めることにより、測定することができる。例えば、特異的結合は、標的、例えば、過剰の非標識標的に類似した対照分子との競合により測定することができる。この例においては、標識標的のプローブへの結合が過剰な非標識標的によって競合的に阻害された場合に、特異的結合が示される。
一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、または少なくとも18のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、アミノ酸置換は、M6、V27、L30、L31、V33、V36、L37、V42、E47、Q52、K53、E54、H56、L66、T67、V92、S98、及びN101のうちの1つまたは複数にあり、アミノ酸位置は、配列番号1に定める野生型ヒトSIRPγ d1ドメイン配列を基準としている。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はM6に置換を含む。一部の実施形態では、M6における置換は、M6I、M6L、またはM6Fである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はV27に置換を含む。一部の実施形態では、V27における置換は、V27F、V27I、またはV27Lである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はL30に置換を含む。一部の実施形態では、L30における置換は、L30I、L30V、L30H、L30N、またはL30Dである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はL31に置換を含む。一部の実施形態では、L31における置換は、L31F、L31I、L31V、L31T、またはL31Sである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はV33に置換を含む。一部の実施形態では、V33における置換は、V33I、V33L、V33P、V33T、またはV33Aである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はV36に置換を含む。一部の実施形態では、V36における置換はV36Iである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はL37に置換を含む。一部の実施形態では、L37における置換はL37Qである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はV42に置換を含む。一部の実施形態では、置換はV42Aである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はE47に置換を含む。一部の実施形態では、E47における置換はE47Vである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はQ52に置換を含む。一部の実施形態では、Q52における置換は、Q52P、Q52L、Q52V、Q52A、またはQ52Eである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はK53に置換を含む。一部の実施形態では、K53における置換はK53Rである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はE54に置換を含む。一部の実施形態では、E54における置換は、E54D、E54K、E54N、E54Q、またはE54Hである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はH56に置換を含む。一部の実施形態では、H56における置換はH56PまたはH56Rである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はL66に置換を含む。一部の実施形態では、L66における置換は、L66I、L66V、L66P、L66T、L66A、L66R、L66S、またはL66Gである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はT67に置換を含む。一部の実施形態では、T67における置換は、T67I、T67N、T67F、T67S、T67Y、T67V、T67A、またはT67Dである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はV92に置換を含む。一部の実施形態では、V92における置換はV92Iである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はS98に置換を含む。一部の実施形態では、S98における置換は、S98R、S98N、S98K、S98T、S98I、またはS98Mである。一部の実施形態では、SIRPγバリアント(例えば、可溶性SIRPγバリアント)はN101に置換を含む。一部の実施形態では、N101における置換は、N101K、N101D、N101E、N101H、またはN101Qである。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、アミノ酸配列:EEELQXIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTXTSXPXGPXWFR GXGPGRXLIY NX101112GX13FPRV TTVSDX1415KRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CX16KFRKGX17PE X18VEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号2)を含むSIRPγバリアントを含み、式中、Xは、M、I、L、またはFであり、Xは、F、I、L、またはVであり、Xは、L、I、V、H、N、またはDであり、Xは、F、I、L、V、T、またはSであり、Xは、V、I、L、P、T、またはAであり、XはVまたはIであり、XはLまたはQであり、XはVまたはAであり、XはEまたはVであり、X10は、Q、P、L、V、A、またはEであり、X11はKまたはRであり、X12は、E、D、K、N、Q、またはHであり、X13は、H、P、またはRであり、X14は、L、I、V、P、T、A、R、S、またはGであり、X15は、T、I、N、F、S、Y、V、A、またはDであり、X16はVまたはIであり、X17は、S、R、N、K、T、I、またはMであり、X18は、N、K、D、E、H、またはQである。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、配列番号3〜24及び42のうちのいずれか1つに定めるアミノ酸配列を含むSIRPγバリアントを含む。
配列番号3〜24及び42のアミノ酸配列を、以下に記載する:
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPVLWFR GVGPGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSDTTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGSPE NVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号3)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号4)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号5)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号6)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号7)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSH FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号8)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号9)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPVLWFR GVGPGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSDTTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号10)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRELIY NAREGRFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号11)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSDTTKRN NMDFSIRIGN ITPADAGTYY CIKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号12)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQREGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号13)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGIPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号14)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGIPE DVEFKSGPGTXWH(配列番号15)(式中、Xは、A、R、N、D、C、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、またはVである)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号16)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL LPVGPIQWFR GVGPGRELIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号17)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTLTSL LPVGPILWFR GVGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGNPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号18)
EEELQLIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPPGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGIPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号19)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGIPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号20)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPIGPILWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRVT TVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号21)
EEELQMIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGIPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号22)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGIPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号23)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALXAKPS(配列番号24)
EEELQMIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTVTSL LPVGPVLWFR GVGPGRELIY NQKEGHFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE NVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号42)。
一部の実施形態では、SIRPγバリアントは、野生型SIRPγ(例えば、野生型ヒトSIRPγ)と比較して、タンパク質分解開裂に対する耐性をより示す。一部の実施形態では、SIRPγバリアントは、野生型SIRPγ(例えば、野生型ヒトSIRPγ)と比較して、より長い血中半減期を有する。一部の実施形態では、SIRPγバリアントは、野生型SIRPγ(例えば、野生型ヒトSIRPγ)と比較して、酸化に対する耐性をより示す。
SIRPβ1バリアント
ヒトSIRPβ1(シグナル調節タンパク質ベータ1、CD172b、及びSIRPベータ1アイソフォーム1としても周知)のアミノ酸配列は、SWISS−PROTデータベースにおいてO00241として入手可能である。SIRPβ1は、その細胞外領域における3つのIg様ドメイン、及び、SHP−2及びSHP−1を動員することができる細胞質配列モチーフを欠く短い細胞質尾部、を有する膜貫通タンパク質である。SIRPβ1は、CD47と結合せず、細胞質免疫受容体チロシンベース阻害モチーフ(ITIM)を欠いている。SIRPβ1の疎水性膜貫通ドメインは、シグナル伝達アダプタータンパク質DAP12との相互作用を促進させ得る単一の塩基性リジン残基を含有している。SIRPβ1の3種の異なるアイソフォームをコードする複数の転写バリアントが同定されている。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは可溶性SIRPβ1バリアント(すなわち、膜貫通ドメインを欠くSIRPβ1バリアント)を含み、バリアントは、野生型SIRPβ1と比較して(例えば、野生型ヒトSIRPβ1の細胞外ドメイン(ECD)と比較して)少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、置換は、野生型SIRPβ1のCD47に対する親和性と比較して、SIRPβ1バリアントのCD47に対する親和性を向上させる。一部の実施形態では、少なくとも1つの置換は、SIRPβ1バリアントのd1ドメイン内にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの置換は、野生型SIRPβ1(例えば、野生型ヒトSIRPβ1)のd1ドメインを基準としている。一部の実施形態では、d1ドメインは、野生型SIRPβ1、例えば、Uniprot受入番号O00241を有する野生型SIRPβ1のアミノ酸30〜148を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの置換は、EDELQVIQPE KSVSVAAGES ATLRCAMTSL IPVGPIMWFR GAGAGRELIY NQKEGHFPRV TTVSELTKRN NLDFSISISN ITPADAGTYY CVKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号25)に定める野生型SIRPβ1のd1ドメインを基準としている。
一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントは、EDELQVIQPE KSVSVAAGES ATLRCAMTSL IPVGPIMWFR GAGAGRELIY NQKEGHFPRV TTVSELTKRN NLDFSISISN ITPADAGTYY CVKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号25)に定める野生型SIRPβ1 d1ドメインのアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のうちのいずれか1つ分同一なアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントは、配列番号25と少なくとも約90%同一なアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントは、配列番号25を基準とした1つまたは複数のアミノ酸置換、欠失、挿入、逆位、及び/または修飾を含む。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントは、1つまたは複数の非天然アミノ酸、1つまたは複数のD−アミノ酸、及び/または1つまたは複数の非タンパク質構成アミノ酸(すなわち、天然には遺伝的にコードされていないまたは遺伝子コードには存在していないアミノ酸)を含む。「保存的置換」の表題の下の上記表1に保存的置換を示す。上記表1の「例示的な置換」の見出しの下により重要な変異を記載し、アミノ酸側鎖の部類に関しては以下に更に記載する。上述したとおり、非保存的置換は、これら部類のうちの1つのメンバーの別の部類への交換を伴う。
一部の実施形態では、アミノ酸置換、欠失、挿入、逆位、及び/または修飾は、野生型SIRPβ1と比較して、可溶性SIRPβ1バリアントのCD47との結合能を増強させる(例えば、向上させる)。野生型SIRPβ1と比較して、CD47と結合する可溶性SIRPβ1バリアントの親和性を向上させるアミノ酸置換、欠失、挿入、逆位、及び/または修飾は、周知の方法、例えば、本明細書の他の箇所に記載の方法を用いて同定することができる。可溶性SIRPβ1バリアントのCD47に対する親和性は、当該技術分野において周知の方法、例えば、本明細書の他の箇所に記載の方法を用いて測定することができる。
一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントは、V6、M27、I31、M37、E47、K53、E54、H56、L66、N80、またはV92のうちの1つまたは複数に、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、または少なくとも11のアミノ酸置換を含み、アミノ酸位置は、配列番号25に定める野生型ヒトSIRPβ1 d1ドメイン配列を基準としている。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントはV6にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、V6における置換はV6Iである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントはM27にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、M27における置換はM27Iである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントはI31にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、I31における置換はI31Fである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントはM37にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、M37における置換はM37Qである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントはE47にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、E47における置換はE47Vである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントはK53にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、K53における置換はK53Rである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントはE54にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、E54における置換はE54Qである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントはH56にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、H56における置換はH56Pである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントはL66にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、L66における置換はL66Tである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントはN80にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、N80における置換は、N80A、N80C、N80D、N80E、N80F、N80G、N80H、N80I、N80K、N80L、N80M、N80P、N80Q、N80R、N80S、N80T、N80V、N80W、またはN80Yである。一部の実施形態では、N80における置換(例えば、上記のいずれかなど)は、可溶性SIRPβ1バリアントの部分的なグリコシル化を最小化または阻害する。一部の実施形態では、N80における置換(例えば、上記のいずれかなど)は、可溶性SIRPβ1バリアントに関する均一性を向上させる機能的な効果を付与する。一部の実施形態では、N80における置換(例えば、上記のいずれかなど)は、可溶性SIRPβ1バリアント内のグリコシル化部位を除去することにより、製造後におけるより均一なタンパク質治療薬の生成を可能とする。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントはV92にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、V92における置換はV92Iである。
一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントは、アミノ酸配列EDELQXIQPE KSVSVAAGES ATLRCAXTSL XPVGPIXWFR GAGAGRXLIY NQXGXFPRV TTVSEXTKRN NLDFSISISX10 ITPADAGTYY CX11KFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号45)を含み、式中、XはVまたはIであり、XはMまたはIであり、XはIまたはFであり、XはMまたはQであり、XはEまたはVであり、X16はKまたはRであり、XはEまたはQであり、XはHまたはPであり、XはLまたはTであり、X10は任意のアミノ酸であり、X11はVまたはIである。一部の実施形態では、X10は、N以外の任意のアミノ酸である。一部の実施形態では、X10はAである。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、EDELQIIQPE KSVSVAAGES ATLRCAITSL FPVGPIQWFR GAGAGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSETTKRN NLDFSISISN ITPADAGTYY CIKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号26)に定めるアミノ酸配列を含むSIRPβ1バリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、EDELQIIQPE KSVSVAAGES ATLRCAITSL FPVGPIQWFR GAGAGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSETTKRN NLDFSISISA ITPADAGTYY CIKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号88)に定めるアミノ酸配列を含むSIRPβ1バリアントを含む。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントは、配列番号26または配列番号88に対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のうちのいずれか1つ分同一なアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントは、野生型SIRPβ1(例えば、野生型ヒトSIRPβ1)と比較して、タンパク質分解開裂に対する耐性をより示す。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントは、野生型SIRPβ1(例えば、野生型ヒトSIRPβ1)と比較して、より長い血中半減期を有する。一部の実施形態では、SIRPβ1バリアントは、野生型SIRPβ1(例えば、野生型ヒトSIRPβ1)と比較して、酸化に対する耐性をより示す。
SIRPβ2バリアント
SIRPβ2(シグナル調節タンパク質ベータ2、PTPN1L、及びSIRPベータ1アイソフォーム3としても周知)のアミノ酸配列は、SWISS−PROTデータベースにおいてQ5TFQ8として入手可能である。SIRPβ2のアミノ酸配列は、SIRPβ1のアミノ酸配列に対して極めて相同である。しかしながら、SIRPβ2は、DAP12との結合に必要な 、細胞質ITIMと膜貫通リジンの両方を欠いている。SIRPβ2の異なるアイソフォームをコードする選択的スプライシング転写バリアントが同定されている。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは可溶性SIRPβ2バリアント(すなわち、膜貫通ドメインを欠くSIRPβ2バリアント)を含み、バリアントは、野生型SIRPβ2と比較して(例えば、野生型ヒトSIRPβ2の細胞外ドメイン(ECD)と比較して)少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、置換は、野生型SIRPβ2のCD47に対する親和性と比較して、SIRPβ2バリアントのCD47に対する親和性を向上させる。一部の実施形態では、少なくとも1つの置換は、SIRPβ2バリアントのd1ドメイン内にある。一部の実施形態では、少なくとも1つの置換は、野生型SIRPβ2(例えば、野生型ヒトSIRPβ2)のd1ドメインを基準としている。一部の実施形態では、d1ドメインは、野生型SIRPβ2、例えば、Uniprot受入番号Q5TFQ8を有する野生型SIRPβ2のアミノ酸30〜148を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの置換は、EEELQVIQPD KSISVAAGES ATLHCTVTSL IPVGPIQWFR GAGPGRELIY NQKEGHFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISN ITPADAGTYY CVKFRKGSPD HVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号27)に定める野生型SIRPβ2のd1ドメインを基準としている。
一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントは、EEELQVIQPD KSISVAAGES ATLHCTVTSL IPVGPIQWFR GAGPGRELIY NQKEGHFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISN ITPADAGTYY CVKFRKGSPD HVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号27)に定める野生型SIRPβ2 d1ドメインのアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のうちのいずれか1つ分同一なアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントは、配列番号27と少なくとも約90%同一なアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントは、配列番号27を基準とした1つまたは複数のアミノ酸置換、欠失、挿入、逆位、及び/または修飾を含む。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントは、1つまたは複数の非天然アミノ酸、1つまたは複数のD−アミノ酸、及び/または1つまたは複数の非タンパク質構成アミノ酸(すなわち、天然には遺伝的にコードされていないまたは遺伝子コードには存在していないアミノ酸)を含む。「保存的置換」の表題の下の上記表1に保存的置換を示す。上記表1の「例示的な置換」の見出しの下により重要な変異を記載し、アミノ酸側鎖の部類に関しては以下に更に記載する。上述したとおり、非保存的置換は、これら部類のうちの1つのメンバーの別の部類への交換を伴う。
一部の実施形態では、アミノ酸置換、欠失、挿入、逆位、及び/または修飾は、野生型SIRPβ2と比較して、可溶性SIRPβ2バリアントのCD47との結合能を増強させる。野生型SIRPβ2と比較して、CD47と結合する可溶性SIRPβ2バリアントの親和性を向上させるアミノ酸置換、欠失、挿入、逆位、及び/または修飾は、本明細書の他の箇所に記載のとおり、周知の方法を用いて同定することができる。SIRPβ2バリアントのCD47に対する親和性は、本明細書の他の箇所に記載のとおり、当該技術分野において周知の方法を用いて測定することができる。
一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントは、V6、V27、I31、E47、K53、E54、H56、L66、N80、V92、またはH101のうちの1つまたは複数に、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、または少なくとも11のアミノ酸置換を含み、アミノ酸位置は、配列番号27に定める野生型ヒトSIRPβ2 d1ドメイン配列を基準としている。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントはV6にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、V6における置換はV6Iである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントはV27にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、V27における置換はV27Iである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントはI31にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、I31における置換はI31Fである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントはE47にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、E47における置換はE47Vである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントはK53にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、K53における置換はK53Rである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントはE54にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、E54における置換はE54Qである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントはH56にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、H56における置換はH56Pである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントはL66にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、L66における置換はL66Tである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントはN80にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、N80における置換は、N80A、N80C、N80D、N80E、N80F、N80G、N80H、N80I、N80K、N80L、N80M、N80P、N80Q、N80R、N80S、N80T、N80V、N80W、またはN80Yである。一部の実施形態では、N80における置換(例えば、上記のいずれかなど)は、可溶性SIRPβ2バリアントの部分的なグリコシル化を最小化または阻害する。一部の実施形態では、N80における置換(例えば、上記のいずれかなど)は、可溶性SIRPβ2バリアントに関する均一性を向上させる機能的な効果を付与する。一部の実施形態では、N80における置換(例えば、上記のいずれかなど)は、可溶性SIRPβ2バリアント内のグリコシル化部位を除去することにより、製造後におけるより均一なタンパク質治療薬の生成を可能とする。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントはV92にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、V92における置換はV92Iである。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントはH101にアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、H101における置換はH101Dである。
一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントは、アミノ酸配列EEELQXIQPD KSISVAAGES ATLHCTXTSL XPVGPIQWFR GAGPGRXLIY NQXGXFPRV TTVSDXTKRN NMDFSIRISX10 ITPADAGTYY CXKFRKGSPD X11VEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号46)を含み、式中、XはVまたはIであり、XはVまたはIであり、XはIまたはFであり、XはEまたはVであり、XはKまたはRであり、XはEまたはQであり、XはHまたはPであり、XはLまたはTであり、XはVまたはIであり、X10は任意のアミノ酸であり、X11はHまたはDである。一部の実施形態では、X10は、N以外の任意のアミノ酸である。一部の実施形態では、X10はAである。
一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントは、アミノ酸配列EEELQIIQPD KSISVAAGES ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSDTTKRN NMDFSIRISN ITPADAGTYY CIKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号28)を含む。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントは、アミノ酸配列EEELQIIQPD KSISVAAGES ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSDTTKRN NMDFSIRISA ITPADAGTYY CIKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号89)を含む。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントは、配列番号28または配列番号89に対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のうちのいずれか1つ分同一なアミノ酸配列を含む。
SIRPγバリアント、SIRPβバリアント、及び/またはSIRPβ2バリアントの作製
様々な周知の方法を使用して、SIRPγバリアント、SIRPβ2バリアント、及び/またはSIRPβ2バリアントを作製してもよい。1つの非限定例として、変異誘発を実施して(野生型SIRPγポリペプチド(またはその細胞外ドメイン(ECD))、野生型SIRPβ1ポリペプチド(またはそのECD)、または野生型SIRPβ2ポリペプチド(またはそのECD)から始める)、SIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアントの集団を作製してもよい。変異誘発を向けて特定のアミノ酸に変異を生じさせてもよく、または、変異誘発はランダムであってもよい。別の非限定例では、遺伝子合成により、SIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、及び/またはSIRPβ2バリアントを作製してもよい。その後、当該技術分野において周知の方法を用いて作製したSIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアントを、CD47タンパク質とのその結合能でスクリーニングしてもよい。例えば、CD47タンパク質(またはCD47タンパク質のバリアント、例えば、膜貫通ドメインを欠くタイプ)を(例えば、放射性同位体、蛍光部分などの直接標識で、または、抗原、アフィニティータグ、ビオチンなどの間接標識で)標識してから、候補SIRPγバリアント、候補SIRPβ1バリアント、または候補SIRPβ2バリアントと接触させるのに用いてもよい(例えば、候補SIRPγバリアント、候補SIRPβ1バリアント、または候補SIRPβ2バリアントは固体表面に結合されていてもよく、または、細胞、例えば、酵母細胞の膜上に提示されていてもよい)。使用するCD47の濃度を変化させることにより、候補の中から、高親和性のSIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアントを同定することができる。
ヒトFcバリアント
抗体のFc領域は、その血清中半減期、ならびにエフェクター機能、例えば、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、及び抗体依存性細胞貪食(ADCP)などを媒介する。治療用モノクローナル抗体またはFc融合タンパク質のFc領域を操作することにより、それらに求められる薬理活性により適した分子の作製が可能となる。IgGの半減期は、胎児性受容体FcRnへのそのpH依存的結合によって決まる。内皮細胞の表面上に発現するFcRnは、pH依存的にIgGと結合して、IgGを分解から保護する。
「野生型Fc領域」は、とりわけ、FcγRI(CD64としても周知)受容体、FcγRIIA(CD32aとしても周知)受容体、FcγRIIB(CD32bとしても周知)受容体、FcγRIIC(CD32cとしても周知)受容体、FcγRIIIA(CD16aとしても周知)受容体、FcγRIIIB(CD16bとしても周知)受容体などのFc受容体のうちの1種または複数種と相互作用させるという本発明の目的のために、天然配列Fc領域のエフェクター機能を有しており、例えば、本明細書の定義において開示されている様々なアッセイを用いて評価することができる。「失活」Fcとは、例えば、FcRnとの相互作用による血清中半減期の延長に関する活性を保持しているが、上で列挙したヒトFcγRを含むがそれらに限定されない1種または複数種のその他Fc受容体(複数可)への結合性が低下するまたは存在しないように変異誘発を生じさせたFcのことである。
「天然配列Fc領域」は、天然に認められるFc領域のアミノ酸配列と同一なアミノ酸配列を含む。天然配列ヒトFc領域としては、天然配列ヒトIgG1 Fc領域(非Aアロタイプ及びAアロタイプ)、天然配列ヒトIgG2 Fc領域、天然配列ヒトIgG3 Fc領域、及び天然配列ヒトIgG4 Fc領域、ならびにその天然バリアント、が挙げられる。
一部の実施形態では、本明細書で提供するデコイポリペプチドは、バリアントFc領域または操作されたFc領域を含む。「バリアントFc領域」または「操作されたFc領域」とは、例えば、少なくとも1つのアミノ酸修飾、または、例えば、1つまたは複数のアミノ酸置換(複数可)によって、天然配列Fc領域のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を含むFc領域を指す。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、天然配列Fc領域または親ポリペプチドのFc領域と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換、例えば、天然配列Fc領域内または親ポリペプチドのFc領域内における約1〜約10のアミノ酸置換、及び好ましくは、約1〜約5のアミノ酸置換を有するバリアントFc領域を含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、例えば、天然配列Fc領域及び/または親ポリペプチドのFc領域との少なくとも約80%の相同性、それとの少なくとも約85%の相同性、それとの少なくとも約90%の相同性、それとの少なくとも約95%の相同性、それとの少なくとも約96%の相同性、それとの少なくとも約97%の相同性、それとの少なくとも約98%の相同性、またはそれとの少なくとも約96%の相同性(これらの値の間の任意の範囲を含む)を有するバリアントFc領域を含む。
本明細書において特に明記しない限り、Fc領域または定常領域内のアミノ酸残基のナンバリングは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載のEUインデックスとも呼ばれるEUナンバリングシステムに従う。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは失活Fcを含む。例えば、「失活Fc」用のバリアントFc配列は、CH2領域内のEUインデックス位置234、235、及び237に3つのアミノ酸置換を含ませることにより、FcγRI結合を低下させていてもよい(Duncan et al.,(1988)Nature 332:563を参照のこと)。補体C1q結合部位内のEUインデックス位置330及び331における2つのアミノ酸置換は、補体結合を抑制する(Tao et al.,J.Exp.Med.178:661(1993)及びCanfield and Morrison,J.Exp.Med.173:1483(1991)を参照のこと)。ヒトIgG1残基またはヒトIgG2残基の位置233〜236、ならびにヒトIgG4残基の位置327、330、及び331への置換は、ADCC及びCDCを大幅に抑制する(例えば、Armour KL.et al.,1999 Eur J Immunol.29(8):2613−24;及びShields R L.et al.,2001.J Biol Chem.276(9):6591−604を参照のこと)。別の非限定例では、FcγRまたはC1qへのIgG Fcの結合性は、ヒンジ領域内及びCH2ドメイン内に位置する残基によって決まる。CH2ドメインの2つの領域は、FcγR結合及びC1q結合にとって重要であり、IgG2内及びIgG4内の固有配列を有している。ヒトIgG1残基またはヒトIgG2残基のEU位置233〜236、ならびにヒトIgG4残基のEU位置327、330、及び331への置換が、ADCC及びCDCを大幅に抑制することが判明している。ヒトIgG1のCH2ドメイン内には多数の変異が生じている。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、L234A、L235A、及び/またはG237Aにアミノ酸置換を含むヒトFcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、L234A、L235A、及びG237Aにアミノ酸置換を含むヒトFcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。この変異の組み合わせは、FcγRエフェクター機能及び補体エフェクター機能を大幅に除去する(例えば、US20100266505を参照されたい)。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、発現宿主及び/またはアミノ酸置換の酵素処理を選択することによって修飾されて、天然タンパク質と比較してグリコシル化及びFcγRへの結合性を低下させたヒトFcバリアントを含む。FcγRへの結合性を低下させる変異としては、FcドメインのEU位置N297(最適なFcR相互作用に必要であることが知られている)におけるグリコシル化の修飾が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、周知のアミノ酸置換としては、例えば、N297A、N297Q、N297D、N297H、及びN297Gが挙げられるがこれらに限定されない。このような変異により、Fcドメイン上のグリコシル化部位の減少がもたらされる。酵素的に脱グリコシル化されたFcドメイン、グリコシル化阻害剤の存在下で組換え的に発現した抗体、及び細菌内におけるFcドメインの発現は、グリコシル化の低下及びその結果として生じるFcγRへの結合性の低下を同様に示す。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、FcγR結合を大幅に低下させる変異を含むヒトFcバリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、LALA変異、すなわち、L234A/L235Aを含むヒトFcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、E233P変異、L234V変異、L235A変異、delG236変異、A327G変異、A330S変異、及びP331S変異のうちの1つまたは複数を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、E233P変異、L234V変異、L235A変異、delG236変異、A327G変異、A330S変異、及びP331S変異を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。例えば、Armour et al.(1999)Eur J Immunol.29(8):2613−24を参照されたい。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、FcγR結合及びC1q結合をほぼ完全に無くすのに十分な、K322A変異、L234A変異、及びL235A変異を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、L234F置換、L235E置換、及びP331S置換を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。
限定するわけではないが、バリアントがジスルフィド結合を形成できないようにするアミノ酸置換(複数可)及び/または欠失(複数可)を含むヒトFcバリアント、N末端の残基(複数可)が欠失したヒトFcバリアント、及び更なるメチオニン残基(複数可)をN末端に含むヒトFcバリアント、を含む、他のヒトFcバリアントを含むデコイポリペプチドが企図される。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、天然糖鎖、天然形態と比較して多い糖鎖、または天然形態と比較して少ない糖鎖を含む、ヒトFcバリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、非グリコシル化のまたは脱グリコシル化されたヒトFcバリアントを含む。糖鎖の増加、減少、除去、またはその他の修飾は、当該技術分野における一般的な方法、例えば、化学的方法、酵素的方法などを用いて、または、遺伝子組換えで作製した細胞株内で糖鎖を発現させることにより、実施してもよい。このような細胞株としては、グリコシル化酵素を天然に発現する微生物、例えば、Pichia Pastoris、及び哺乳動物細胞株、例えば、CHO細胞を挙げることができる。更に、グリコシル化酵素を発現するように微生物または細胞を操作してもよく、または、グリコシル化酵素を発現できないようにしてもよい(例えば、Hamilton,et al.,Science,313:1441(2006)、Kanda,et al,J.Biotechnology,130:300(2007)、Kitagawa,et al.,J.Biol.Chem.,269(27):17872(1994)、Ujita−Lee et al.,J.Biol.Chem.,264(23):13848(1989);Imai−Nishiya,et al.,BMC Biotechnology 7:84(2007)、及びWO07/055916を参照のこと)。シアリル化活性が変化するように操作した細胞の一例として、α−2,6−シアリルトランスフェラーゼ1遺伝子をチャイニーズハムスター卵巣細胞及びsf9細胞に導入した。そのため、これらの操作細胞が発現するFcドメインを含む抗体または融合ポリペプチドは、外来遺伝子産物によってシアリル化される。複数の天然分子と比較して改変された量の糖残基を有するFc分子を得るための更なる方法としては、例えば、レクチンアフィニティークロマトグラフィーを使用して、上記複数の分子をグリコシル化画分及び非グリコシル化画分に分離することが挙げられる(例えば、WO07/117505を参照のこと)。特定のグリコシル化部分の存在により、Fcドメインを含む免疫グロブリン及び融合ポリペプチドのエフェクター機能が変化することが判明している。例えば、Fc分子から糖鎖を除去すると、第1の補体成分C1のC1q部分に対する結合親和性の大幅な低下、及び抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)または補体依存性細胞傷害(CDC)の抑制または消失がもたらされ、それにより、不必要な免疫応答がin vivoで誘導されないようになる。別の重要な修飾としてはシアリル化及びフコシル化が挙げられ、IgGにおけるシアル酸の存在が抗炎症活性と相関している一方で(例えば、Kaneko,et al.,Science 313:760(2006)を参照のこと)、IgGからフコースを除去することによりADCC活性の増強がもたらされる(例えば、Shoj−Hosaka,et al.,J.Biochem.,140:777(2006)を参照のこと)。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、(i)L234A置換、L235A置換、G237A置換、及びN297A置換を含むヒトIgG1 Fcバリアント(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、(ii)A330S置換、P331S置換、及びN297A置換を含むヒトIgG2 Fcバリアント(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、または(iii)S228P置換、E233P置換、F234V置換、L235A置換、delG236置換、及びN297A置換を含むヒトIgG4 Fcバリアント(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、からなる群から選択されるヒトFcバリアントを含む。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、L234A置換、L235A置換、G237A置換、またはN297A置換を含むヒトIgG1 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、L234A置換、L235A置換、G237A置換、またはN297A置換のうちの2つまたはそれ以上を含むヒトIgG1 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、L234A置換、L235A置換、G237A置換、及びN297A置換を含むヒトIgG1 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、D265置換を含むヒトIgG1 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、L234A置換、L235A置換、G237A置換、D265置換、及びN297A置換を含むヒトIgG1 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。
一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG1 Fcと比較して、Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG1 Fcと比較して、CD16a Fcγ受容体、CD32a Fcγ受容体、CD32b Fcγ受容体、CD32c Fcγ受容体、及びCD64 Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG1 Fcと比較して、C1qへの結合が除去されるか低下した結合性を示す。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、A330S置換、P331S置換、またはN297A置換を含むヒトIgG2 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、A330S置換、P331S置換、及びN297A置換のうちの2つまたはそれ以上を含むヒトIgG2 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、A330S置換、P331S置換、及びN297A置換を含むヒトIgG2 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG2 Fcと比較して、Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG2 Fcと比較して、CD16a Fcγ受容体、CD32a Fcγ受容体、CD32b Fcγ受容体、CD32c Fcγ受容体、及びCD64 Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG2 Fcと比較して、C1qへの結合が除去されるか低下した結合性を示す。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、S228P置換を含むヒトIgG4 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、S228P置換及びL235E置換を含むヒトIgG4 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、S228P変異、E233P変異、F234V変異、L235A変異、delG236変異、またはN297A変異を含むヒトIgG4 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、S228P変異、E233P変異、F234V変異、L235A変異、delG236変異、及びN297A変異のうちの2つまたはそれ以上を含むヒトIgG4 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、S228P変異、E233P変異、F234V変異、L235A変異、delG236変異、及びN297A変異を含むヒトIgG4 Fcバリアントを含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG4 Fcと比較して、Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG4 Fcと比較して、CD16a Fcγ受容体及びCD32b Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す。
一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、以下、配列番号48〜51、53〜56、93〜96、及び98〜101のうちのいずれか1つに定めるアミノ酸配列を含む。
DKTHTCPPCP APELLGGPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYNSTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPG(配列番号47)
DKTHTCPPCP APELLGGPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVAVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYNSTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPG(配列番号48)
DKTHTCPPCP APEAAGAPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYASTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPG(配列番号49)
DKTHTCPPCP APEAAGAPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYNSTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPG(配列番号50)
DKTHTCPPCP APELLGGPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHEDP EVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYASTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAKG QPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPG(配列番号51)
VECPPCPAPP VAGPSVFLFP PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVQ FNWYVDGVEV HNAKTKPREE QFNSTFRVVS VLTVVHQDWL NGKEYKCKVS NKGLPAPIEK TISKTKGQPR EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LTCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT PPMLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS PG(配列番号52)
VECPPCPAPP VAGPSVFLFP PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVQ FNWYVDGVEV HNAKTKPREE QFNSTFRVVS VLTVVHQDWL NGKEYKCKVS NKGLPSSIEK TISKTKGQPR EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LTCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT PPMLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS PG(配列番号53)
VECPPCPAPP VAGPSVFLFP PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVQ FNWYVDGVEV HNAKTKPREE QFASTFRVVS VLTVVHQDWL NGKEYKCKVS NKGLPAPIEK TISKTKGQPR EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LTCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT PPMLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS PG(配列番号54)
ESKYGPPCPP CPAPEFLGGP SVFLFPPKPK DTLMISRTPE VTCVVVDVSQ EDPEVQFNWY VDGVEVHNAK TKPREEQFNS TYRVVSVLTV LHQDWLNGKE YKCKVSNKGL PSSIEKTISK AKGQPREPQV YTLPPSQEEM TKNQVSLTCL VKGFYPSDIA VEWESNGQPE NNYKTTPPVL DSDGSFFLYS RLTVDKSRWQ EGNVFSCSVM HEALHNHYTQ KSLSLSLG(配列番号55)
ESKYGPPCPP CPAPEFEGGP SVFLFPPKPK DTLMISRTPE VTCVVVDVSQ EDPEVQFNWY VDGVEVHNAK TKPREEQFNS TYRVVSVLTV LHQDWLNGKE YKCKVSNKGL PSSIEKTISK AKGQPREPQV YTLPPSQEEM TKNQVSLTCL VKGFYPSDIA VEWESNGQPE NNYKTTPPVL DSDGSFFLYS RLTVDKSRWQ EGNVFSCSVM HEALHNHYTQ KSLSLSLG(配列番号56)
DKTHTCPPCP APELLGGPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYNSTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPGK(配列番号92)
DKTHTCPPCP APELLGGPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVAVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYNSTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPGK(配列番号93)
DKTHTCPPCP APEAAGAPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYASTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPGK(配列番号94)
DKTHTCPPCP APEAAGAPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYNSTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPGK(配列番号95)
DKTHTCPPCP APELLGGPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHEDP EVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYASTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAKG QPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPGK(配列番号96)
VECPPCPAPP VAGPSVFLFP PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVQ FNWYVDGVEV HNAKTKPREE QFNSTFRVVS VLTVVHQDWL NGKEYKCKVS NKGLPAPIEK TISKTKGQPR EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LTCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT PPMLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS PGK(配列番号97)
VECPPCPAPP VAGPSVFLFP PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVQ FNWYVDGVEV HNAKTKPREE QFNSTFRVVS VLTVVHQDWL NGKEYKCKVS NKGLPSSIEK TISKTKGQPR EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LTCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT PPMLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS PGK(配列番号98)
VECPPCPAPP VAGPSVFLFP PKPKDTLMIS RTPEVTCVVV DVSHEDPEVQ FNWYVDGVEV HNAKTKPREE QFASTFRVVS VLTVVHQDWL NGKEYKCKVS NKGLPAPIEK TISKTKGQPR EPQVYTLPPS REEMTKNQVS LTCLVKGFYP SDIAVEWESN GQPENNYKTT PPMLDSDGSF FLYSKLTVDK SRWQQGNVFS CSVMHEALHN HYTQKSLSLS PGK(配列番号99)
ESKYGPPCPP CPAPEFLGGP SVFLFPPKPK DTLMISRTPE VTCVVVDVSQ EDPEVQFNWY VDGVEVHNAK TKPREEQFNS TYRVVSVLTV LHQDWLNGKE YKCKVSNKGL PSSIEKTISK AKGQPREPQV YTLPPSQEEM TKNQVSLTCL VKGFYPSDIA VEWESNGQPE NNYKTTPPVL DSDGSFFLYS RLTVDKSRWQ EGNVFSCSVM HEALHNHYTQ KSLSLSLGK(配列番号100)
ESKYGPPCPP CPAPEFEGGP SVFLFPPKPK DTLMISRTPE VTCVVVDVSQ EDPEVQFNWY VDGVEVHNAK TKPREEQFNS TYRVVSVLTV LHQDWLNGKE YKCKVSNKGL PSSIEKTISK AKGQPREPQV YTLPPSQEEM TKNQVSLTCL VKGFYPSDIA VEWESNGQPE NNYKTTPPVL DSDGSFFLYS RLTVDKSRWQ EGNVFSCSVM HEALHNHYTQ KSLSLSLGK(配列番号101)
一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、配列番号47〜56のうちのいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のうちのいずれか1つ分同一なアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、ヒトFcバリアントは、約5×10−6M超のKでFcγ受容体に結合する。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、げっ歯類及び非ヒト霊長類において、例えば、デコイポリペプチドのげっ歯類または非ヒト霊長類への投与後に、急性貧血を引き起こさないヒトFcバリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、ヒトにおいて、例えば、デコイポリペプチドのヒトへの投与後に、急性貧血を引き起こさないヒトFcバリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドをin vivoで投与することにより、投与後第1週の間にヘモグロビンが50%未満低下する。一部の実施形態では、ポリペプチドをヒトに投与することにより、投与後第1週の間にヘモグロビンが50%未満低下する。
例示的なデコイポリペプチド
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、配列番号57〜77のうちのいずれか1つに定めるアミノ酸配列を含む。配列番号57〜77の配列を、以下及び実施例1の表2に記載する。
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPVLWFR GVGPGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSDTTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGSPE NVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号57)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号58)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号59)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号60)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号61)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSH FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号62)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPVLWFR GVGPGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSDTTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号63)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRELIY NAREGRFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号64)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQREGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号65)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL LPVGPIQWFR GVGPGRELIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号66)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTLTSL LPVGPILWFR GVGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGNPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS DKTHTCPPCP APEAAGAPSV FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYASTY RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPG(配列番号67)
EEELQLIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPPGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGIPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号68)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPIGPILWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号69)
EEELQMIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGIPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号70)
EEELQMIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTVTSL LPVGPVLWFR GVGPGRELIY NQKEGHFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE NVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号71)
EDELQIIQPE KSVSVAAGES ATLRCAITSL FPVGPIQWFR GAGAGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSETTKRN NLDFSISISN ITPADAGTYY CIKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号72)
EEELQIIQPD KSISVAAGES ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSDTTKRN NMDFSIRISN ITPADAGTYY CIKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号73)
EEELQMIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTVTSL LPVGPVLWFR GVGPGRELIY NQKEGHFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE NVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号74)
EDELQVIQPE KSVSVAAGES ATLRCAMTSL IPVGPIMWFR GAGAGRELIY NQKEGHFPRV TTVSELTKRN NLDFSISISN ITPADAGTYY CVKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号75)
EEELQVIQPD KSISVAAGES ATLHCTVTSL IPVGPIQWFR GAGPGRELIY NQKEGHFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISN ITPADAGTYY CVKFRKGSPD HVEFKSGAGT ELSVRAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号76)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRELIY NQREGPFPRV TTVSDTTKRN NMDFSIRIGA ITPADAGTYY CVKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号77)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号82)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSDTTKRN NMDFSIRIGN ITPADAGTYY CIKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号83)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGIPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号84)
EEELQIIQPD KSVLVAAGET ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGTPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号85)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLRCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CIKFRKGIPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号86)
EDELQIIQPE KSVSVAAGES ATLRCAITSL FPVGPIQWFR GAGAGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSETTKRN NLDFSISISA ITPADAGTYY CIKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号90)
EEELQIIQPD KSISVAAGES ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GAGPGRVLIY NQRQGPFPRV TTVSDTTKRN NMDFSIRISA ITPADAGTYY CIKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPSD KTHTCPPCPA PEAAGAPSVF LFPPKPKDTL MISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVKFNWYVDG VEVHNAKTKP REEQYASTYR VVSVLTVLHQ DWLNGKEYKC KVSNKALPAP IEKTISKAKG QPREPQVYTL PPSREEMTKN QVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNGQPENNY KTTPPVLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQQGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPG(配列番号91)
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、配列番号57〜77、82〜86、及び90〜91のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のうちのいずれか1つ分同一なアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、CD47(例えば、ヒトCD47)に対する約1×10−7M以下(例えば、約1×10−8M以下、1×10−9M以下、1×10−10M以下、1×10−11M以下、1×10−12M以下、1×10−13M以下、1×10−14M以下、1×10−15M以下、または1×10−16M以下のうちのいずれか1つ)のKの親和性を有する可溶性SIRPγバリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、1fM〜1μM(例えば、1fM〜800nM、10fM〜500nM、100fM〜100nM、500fM〜50nM、800fM〜50nM、1pM〜50nM、10pM〜50nM、50pM〜50nM、100pM〜50nM、500fM〜100nM、800fM〜100nM、1pM〜100nM、10pM〜100nM、50pM〜100nM、または100pM〜100nM)の範囲のCD47に対する親和性を有する可溶性SIRPγバリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、1μM以上(例えば、800nM以上、500nM以上、200nM以上、100nM以上、50nM以上、10nM以上、1nM以上、900pM以上、750pM以上、500pM以上、200pM以上、100pM以上、10pM以上、1pM以上など(親和性は値が減少するにつれて高くなる))の親和性でCD47に結合する可溶性SIRPγバリアントを含む。一部の実施形態では、可溶性SIRPγバリアントを含むデコイポリペプチドは、野生型SIRPγタンパク質のCD47に対する親和性と比較して、少なくとも約2倍より高い、またはそれ以上の倍数より高い(例えば、少なくとも約5、10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10、10、10、10、もしくは10倍より高い、またはそれ以上の倍数より高いなど(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ)、CD47に対する親和性を有する。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、野生型SIRPγのCD47に対する解離半減期と比較して、2倍より長い、またはそれ以上の倍数より長い(例えば、約5倍より長い、10倍より長い、100倍より長い、500倍より長い、1000倍より長い、5000倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、またはそれ以上の倍数より長いなど(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ)、CD47に対する解離半減期を有する、可溶性SIRPγバリアントを含む。例えば、一部の例では、野生型SIRPγポリペプチドが、1秒間未満のCD47に対する解離半減期を有する一方で、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、5秒間またはそれ以上(例えば、30秒間またはそれ以上、1分間またはそれ以上、5分間またはそれ以上、10分間またはそれ以上、20分間またはそれ以上、30分間またはそれ以上、40分間またはそれ以上など(これらの値の間の任意の範囲を含む))の解離半減期を有する、可溶性SIRPγバリアントを含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性SIRPγバリアント内のアミノ酸置換(複数可)/欠失(複数可)/挿入(複数可)は、少なくとも約10倍、20倍、50倍、100倍、500倍、750倍、1,000倍、2,000倍、3,000倍、4,000倍、5,000倍、6,000倍、7,000倍、8,000倍、9,000倍、10,000倍、またはそれ以上の倍数(間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ分オフレートを低下させることにより、CD47に結合するためのデコイポリペプチドの親和性(例えば、野生型SIRPγと比較した)を向上させる。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、CD47(例えば、ヒトCD47、カニクイザルなどの非ヒト霊長類のCD47、またはマウスCD47)に対して約1×10−7M以下(例えば、約1×10−8M以下、1×10−9M以下、1×10−10M以下、1×10−11M以下、1×10−12M以下、1×10−13M以下、1×10−14M以下、1×10−15M以下、または1×10−16M以下(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ)のKを有する可溶性SIRPβ1バリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、CD47(例えば、ヒトCD47、カニクイザルなどの非ヒト霊長類のCD47、またはマウスCD47)に対して約0.2〜0.3nM以下のKを有する可溶性SIRPβ1バリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、CD47に対して1fM〜1μM(例えば、1fM〜800nM、10fM〜500nM、100fM〜100nM、500fM〜50nM、800fM〜50nM、1pM〜50nM、10pM〜50nM、50pM〜50nM、100pM〜50nM、500fM〜100nM、800fM〜100nM、1pM〜100nM、10pM〜100nM、50pM〜100nM、または100pM〜100nM)の範囲の親和性を有する可溶性SIRPβ1バリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、1μM以上(例えば、800nM以上、500nM以上、200nM以上、100nM以上、50nM以上、10nM以上、1nM以上、900pM以上、750pM以上、500pM以上、200pM以上、100pM以上、10pM以上、1pM以上など(親和性は値が減少するにつれて高くなる))の親和性でCD47に結合する可溶性SIRPβ1バリアントを含む。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアントを含むデコイポリペプチドは、野生型SIRPβ1タンパク質のCD47に対する親和性と比較して、少なくとも約2倍より高い、またはそれ以上の倍数より高い(例えば、少なくとも約5、10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10、10、10、10、もしくは10倍より高い、またはそれ以上の倍数より高いなど(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ)、CD47に対する親和性を有する。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、野生型SIRPβ1のCD47に対する解離半減期と比較して、2倍より長い、またはそれ以上の倍数より長い(例えば、約5倍より長い、10倍より長い、100倍より長い、500倍より長い、1000倍より長い、5000倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、またはそれ以上の倍数より長いなど(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ)、CD47に対する解離半減期を有する、可溶性SIRPβ1バリアントを含む。例えば、一部の例では、野生型SIRPβ1ポリペプチドがCD47に結合しない一方で、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、5秒間またはそれ以上(例えば、30秒間またはそれ以上、1分間またはそれ以上、5分間またはそれ以上、10分間またはそれ以上、20分間またはそれ以上、30分間またはそれ以上、40分間またはそれ以上など(これらの値の間の任意の範囲を含む))の解離半減期を有する、可溶性SIRPβ1バリアントを含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性SIRPβ1バリアント内のアミノ酸置換(複数可)/欠失(複数可)/挿入(複数可)は、少なくとも約10倍、20倍、50倍、100倍、500倍、750倍、1,000倍、2,000倍、3,000倍、4,000倍、5,000倍、6,000倍、7,000倍、8,000倍、9,000倍、10,000倍(間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ分オフレートを低下させることにより、CD47に結合するためのデコイポリペプチドの親和性(例えば、野生型SIRPβ1と比較した)を向上させる。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、CD47(例えば、ヒトCD47、カニクイザルなどの非ヒト霊長類のCD47、またはマウスCD47)に対して約1×10−7M以下(例えば、約1×10−8M以下、1×10−9M以下、1×10−10M以下、1×10−11M以下、1×10−12M以下、1×10−13M以下、1×10−14M以下、1×10−15M以下、または1×10−16M以下(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ)のKを有する可溶性SIRPβ2バリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、CD47(例えば、ヒトCD47、カニクイザルなどの非ヒト霊長類のCD47、またはマウスCD47)に対して約0.2〜0.3nM以下のKを有する可溶性SIRPβ2バリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、1fM〜1μM(例えば、1fM〜800nM、10fM〜500nM、100fM〜100nM、500fM〜50nM、800fM〜50nM、1pM〜50nM、10pM〜50nM、50pM〜50nM、100pM〜50nM、500fM〜100nM、800fM〜100nM、1pM〜100nM、10pM〜100nM、50pM〜100nM、または100pM〜100nM)の範囲のCD47に対して親和性を有する可溶性SIRPβ2バリアントを含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、1μM以上(例えば、800nM以上、500nM以上、200nM以上、100nM以上、50nM以上、10nM以上、1nM以上、900pM以上、750pM以上、500pM以上、200pM以上、100pM以上、10pM以上、1pM以上など(親和性は値が減少するにつれて高くなる))の親和性でCD47に結合する可溶性SIRPβ2バリアントを含む。一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアントを含むデコイポリペプチドは、野生型SIRPβ2タンパク質のCD47に対する親和性と比較して、CD47に対して、少なくとも約2倍より高い、またはそれ以上の倍数より高い(例えば、少なくとも約5、10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10、10、10、10、もしくは10倍より高い、またはそれ以上の倍数より高いなど(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ)親和性を有する。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、野生型SIRPβ2のCD47に対する解離半減期と比較して、2倍より長い、またはそれ以上の倍数より長い(例えば、約5倍より長い、10倍より長い、100倍より長い、500倍より長い、1000倍より長い、5000倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、10倍より長い、またはそれ以上の倍数より長いなど(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ)、CD47に対する解離半減期を有する、可溶性SIRPβ2バリアントを含む。例えば、一部の例では、野生型SIRPβ2ポリペプチドがCD47に結合しない一方で、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、5秒間またはそれ以上(例えば、30秒間またはそれ以上、1分間またはそれ以上、5分間またはそれ以上、10分間またはそれ以上、20分間またはそれ以上、30分間またはそれ以上、40分間またはそれ以上など(これらの値の間の任意の範囲を含む))の解離半減期を有する、可溶性SIRPβ2バリアントを含む。例えば、一部の実施形態では、可溶性SIRPβ2バリアント内のアミノ酸置換(複数可)/欠失(複数可)/挿入(複数可)は、少なくとも約10倍、20倍、50倍、100倍、500倍、750倍、1,000倍、2,000倍、3,000倍、4,000倍、5,000倍、6,000倍、7,000倍、8,000倍、9,000倍、10,000倍、またはそれ以上の倍数(間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つ分オフレートを低下させることにより、デコイポリペプチドのCD47に結合する親和性(例えば、野生型SIRPβ2と比較した)を向上させる。
デコイポリペプチドを含むキメラ分子
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、別の異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列に融合した(例えば、組換え的に融合した)デコイポリペプチドを含むキメラ分子を形成するように修飾される。ある特定の実施形態では、キメラ分子は、例えば、ヒト免疫不全ウイルスTATタンパク質のタンパク質導入ドメインを用いて、様々な組織へと送達するために、または、例えば、血液脳関門を通過させるために、キメラ分子を標的とする第2の部分(例えば、タンパク質導入ドメインなど)とのデコイポリペプチドの融合物を含む(Schwarze et al.,1999,Science 285:1569−72)。ある特定の実施形態では、キメラ分子は、シグナル配列またはリーダー配列とのデコイポリペプチドの融合物を含み、その結果、デコイポリペプチドは、デコイポリペプチドを内部で発現する細胞によって分泌され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供するデコイポリペプチドを、多量体形態の二重特異性または多重特異性(異なる標的リガンド、または同一標的リガンド上の異なるエピトープに対する)として使用してもよい。例えば、二重特異性デコイポリペプチドは、第1の標的タンパク質またはエピトープに対する特異性を有する1つのサブユニット、及び第2の標的タンパク質またはエピトープに対する特異性を有する第2のサブユニットを含む。価数が増加することにより標的リガンドに結合する結合力が向上可能となる様々な構成で、デコイポリペプチドを連結させてもよい。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供するキメラ分子は、2つまたはそれ以上(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、または10超など)のデコイポリペプチドを含む。ある特定の実施形態では、単一デコイポリペプチドの2つまたはそれ以上の複製をコードするように核酸を操作してもよく、それら複製は、並行して転写及び翻訳されて、共有結合で連結した同一サブユニットの多量体を生成する。ある特定の実施形態では、2種またはそれ以上の異なる非天然CKPをコードするように核酸を操作してもよく、それら複製は、並行して転写及び翻訳されて、共有結合で連結した異なるサブユニットの多量体を生成する。
別の実施形態では、このようなキメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合可能なエピトープを提供するタグポリペプチドとのデコイポリペプチドの融合物を含む。エピトープタグは通常、デコイポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシル末端に配置される。このようなエピトープタグ付加形態のデコイポリペプチドは、タグポリペプチドに対する抗体を用いて検出することができる。また、エピトープタグを提供することにより、エピトープタグに結合する抗タグ抗体または別のタイプのアフィニティーマトリックスを使用したアフィニティー精製を用いて、デコイポリペプチドを容易に精製することが可能となる。様々なタグポリペプチド及びそれらの対応する抗体が当該技術分野において周知である。例としては、ポリ−ヒスチジン(ポリ−His)(例えば、HHHHHHHH(配列番号40))またはポリ−ヒスチジン−グリシン(ポリ−His−Gly)タグ、ビオチンアクセプターペプチドタグ(GLNDIFEAQKIEWHE(配列番号41))、インフルエンザHAタグポリペプチド及びその抗体12CA5(Field et al.(1988)Mol.Cell.Biol.8,2159−2165)、c−mycタグならびにその8F9、3C7、6E10、G4、B7、及び9E10抗体(Evan et al.(1985)Mol.Cell.Biol.5,3610−3616]、ならびに、単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及びその抗体(Paborsky et al.(1990)Protein Eng.,3,547−553)、が挙げられる。他のタグポリペプチドとしては、Flagペプチド(Hopp et al.(1988)BioTechnology,6,1204−1210)、KT3エピトープペプチド(Martin et al.(1992)Science,255,192−194]、α−チューブリンエピトープペプチド(Skinner et al.(1991)J.Biol.Chem.266,15163−15166)、及びT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ(Lutz−Freyermuth et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87,6393−6397]、が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、in vivo半減期または血清中半減期を向上または延長させる分子と融合している。ある特定の実施形態では、デコイポリペプチドは、血流内におけるその半減期及び/またはその組織浸透性を向上させる、ヒト血清アルブミン(HSA)などのアルブミン、ポリエチレングリコール(PEG)、多糖、補体、ヘモグロビン、結合ペプチド、リポタンパク質、またはその他の因子と融合している。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供するデコイポリペプチドは、エラープローンPCR、ランダムヌクレオチド挿入、または他の方法を用いたランダム変異誘発を組換え前に実施することによって改変されている。特定の標的に結合する足場をコードするポリヌクレオチドの1つまたは複数の部分を、1種または複数種の非相同分子の1つまたは複数の構成要素、モチーフ、セクション、部分、ドメイン、フラグメントなどと再結合させてもよい。
これらの融合物のうちのいずれも、標準的な技術を用いることにより、例えば、一般に利用可能な遺伝子配列を用いて構築した組換え融合遺伝子から融合タンパク質を発現させることにより、または、化学的なペプチド合成により、作製することができる。
本明細書に記載のデコイポリペプチドに融合させることができる例示的な異種ポリペプチドとしては、例えば、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、β−ガラクトシダーゼ、酵母2ハイブリッドGAL融合物、ポリ−Hisタグ、が挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、デコイポリペプチドに連結した異種ポリペプチドは、SIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアントのCD47との結合能を変化(例えば、向上または低下)させ得る。一部の実施形態では、デコイポリペプチドに融合した非相同ポリペプチドは、デコイポリペプチドのSIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアントが骨髄細胞活性に付与する活性(貪食及びADCCを含む)を変化させ得る。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、緑色蛍光タンパク質または赤色蛍光タンパク質に連結している。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、PD−1(PDCD1)、PD−L1(CD274)、PD−L2(PDCD1LG2)、CTLA4、TIM3(HAVCR2)、CEACAM1、LAG3、BTLA、TNFRSF14、TIGIT、PVR、LIGHT、IL2、IL12A、IL15、IL10、LILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4、LILRB5、LILRA1、LILRA2、LILRA3、LILRA4、LILRA5、LILRA6、CD40、CD40L、OX40、OX40L、CD137(4−1BB、TNFRSF9)、TNFSF9(4−1BBL)、B7−H4(VCTN1)、SIRPA、CD47、CD33、CD44、C5、C3、またはその他の免疫調節タンパク質の野生型サブユニットに連結している。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、その対応するリガンドへの親和性結合を高くするために操作された、PD−1(PDCD1)、PD−L1(CD274)、PD−L2(PDCD1LG2)、CTLA4、TIM3(HAVCR2)、CEACAM1、LAG3、BTLA、TNFRSF14、TIGIT、PVR、LIGHT、IL2、IL12A、IL15、IL10、LILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4、LILRB5、LILRA1、LILRA2、LILRA3、LILRA4、LILRA5、LILRA6、CD40、CD40L、OX40、OX40L、CD137(4−1BB、TNFRSF9)、TNFSF9(4−1BBL)、B7−H4(VCTN1)、SIRPA、CD47、CD33、CD44、C5、C3、またはその他の免疫調節タンパク質のバリアントを更に含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、その対応するリガンドへの親和性結合を低くするために操作された、PD−1(PDCD1)、PD−L1(CD274)、PD−L2(PDCD1LG2)、CTLA4、TIM3(HAVCR2)、CEACAM1、LAG3、BTLA、TNFRSF14、TIGIT、PVR、LIGHT、IL2、IL12A、IL15、IL10、LILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4、LILRB5、LILRA1、LILRA2、LILRA3、LILRA4、LILRA5、LILRA6、CD40、CD40L、OX40、OX40L、CD137(4−1BB、TNFRSF9)、TNFSF9(4−1BBL)、B7−H4(VCTN1)、SIRPA、CD47、CD33、CD44、C5、C3、またはその他の免疫調節タンパク質のバリアントを更に含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、その天然リガンド以外の別のリガンドに対する結合親和性を変化させるために操作された、PD−1(PDCD1)、PD−L1(CD274)、PD−L2(PDCD1LG2)、CTLA4、TIM3(HAVCR2)、CEACAM1、LAG3、BTLA、TNFRSF14、TIGIT、PVR、LIGHT、IL2、IL12A、IL15、IL10、LILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4、LILRB5、LILRA1、LILRA2、LILRA3、LILRA4、LILRA5、LILRA6、CD40、CD40L、OX40、OX40L、CD137(4−1BB、TNFRSF9)、TNFSF9(4−1BBL)、B7−H4(VCTN1)、SIRPA、CD47、CD33、CD44、C5、C3、またはその他の免疫調節タンパク質のバリアントを更に含む。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、モノクローナル抗体、例えば、抗CD20抗体、抗EGFR抗体、抗Her2/Neu(ERBB2)抗体、抗EPCAM抗体、抗GL2抗体、抗GD2、抗GD3、抗CD2、抗CD3、抗CD4、抗CD8、抗CD19、抗CD22、抗CD30、抗CD33、抗CD45、抗CD47、抗CD52、抗CD56、抗CD70、抗CD117、抗SIRPA抗体、抗CD47抗体、抗LILRB1抗体、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗PD−L2抗体、または、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞もしくは細菌感染細胞、免疫細胞、もしくは健康な正常細胞、もしくは任意の種類のサイトカイン、ケモカイン、もしくはホルモンに結合するように設計された任意の抗体に連結している。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子、またはサイトカインもしくは弱毒化サイトカインを含むポリペプチド配列を更に含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチド及び、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子、またはサイトカインもしくは弱毒化サイトカインを含むポリペプチド配列は、様々な長さ及び構成のGly−Serリンカーによって連結されている。一部の実施形態では、リンカー配列は、配列GGGGSGGGGS(配列番号29)を含む。N末端またはC末端におけるポリペプチド配列の順番はまた、様々であってもよい。免疫チェックポイント阻害剤(またはその一部)、共刺激分子(またはその一部)、またはサイトカインもしくは弱毒化サイトカイン(またはその一部)を含む例示的なデコイポリペプチドのアミノ酸配列を以下に記載する。
免疫チェックポイント阻害剤を含むデコイポリペプチド
a.PD−1/PD−L1アンタゴニスト
例:HAC−GV3(GV3に融合した高親和性PD−1デコイ)
DSPDRPWNPP TFSPALLVVT EGDNATFTCS FSNTSESFHV VWHRESPSGQ TDTLAFPEDR SQPGQDARFR VTQLPNGRDF HMSVVRARRN DSGTYVCGVI SLAPKIQIKE SLRAELRVTE RGGGGSGGGG SEEELQIIQP EKLLLVTVGK TATLHCTITS LFPVGPIQWF RGVGPGRVLI YNQKDGHFPR VTTVSDGTKR NNMDFSIRIS SITPADVGTY YCVKFRKGSP EDVEFKSGPG TEMALGAKPS(配列番号30)
例:HAC+SIRPγバリアント(配列番号5のSIRPγバリアントに融合した高親和性PD−1デコイ)
DSPDRPWNPP TFSPALLVVT EGDNATFTCS FSNTSESFHV VWHRESPSGQ TDTLAFPEDR SQPGQDARFR VTQLPNGRDF HMSVVRARRN DSGTYVCGVI SLAPKIQIKE SLRAELRVTE RGGGGSGGGG SEEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号102)
b.BTLA/CD160アンタゴニスト
例:GV3−BTLAデコイ
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSW NIHGKESCDV QLYIKRQSEH SILAGDPFEL ECPVKYCANR PHVTWCKLNG TTCVKLEDRQ TSWKEEKNIS FFILHFEPVL PNDNGSYRCS ANFQSNLIES HSTTLYVTDV K(配列番号31)
例:SIRPγバリアント−BTLAデコイ(配列番号5のSIRPγバリアントを含む)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSW NIHGKESCDV QLYIKRQSEH SILAGDPFEL ECPVKYCANR PHVTWCKLNG TTCVKLEDRQ TSWKEEKNIS FFILHFEPVL PNDNGSYRCS ANFQSNLIES HSTTLYVTDV K(配列番号103)
c.ホスファチジルセリンアンタゴニスト
例:GV3−MFGE8デコイ
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSE LNGCANPLGL KNNSIPDKQI TASSSYKTWG LHLFSWNPSY ARLDKQGNFN AWVAGSYGND QWLQVDLGSS KEVTGIITQG ARNFGSVQFV ASYKVAYSND SANWTEYQDP RTGSSKIFPG NWDNHSHKKN LFETPILARY VRILPVAWHN RIALRLELLG C(配列番号32)
例:SIRPγバリアント−MFGE8デコイ(配列番号5のSIRPγバリアントを含む)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSE LNGCANPLGL KNNSIPDKQI TASSSYKTWG LHLFSWNPSY ARLDKQGNFN AWVAGSYGND QWLQVDLGSS KEVTGIITQG ARNFGSVQFV ASYKVAYSND SANWTEYQDP RTGSSKIFPG NWDNHSHKKN LFETPILARY VRILPVAWHN RIALRLELLG C(配列番号104)
例:GV3−Tim1デコイ
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSV AGSVKVGGEA GPSVTLPCHY SGAVTSMCWN RGSCSLFTCQ NGIVWTNGTH VTYRKDTRYK LLGDLSRRDV SLTIENTAVS DSGVYCCRVE HRGWFNDMKI TVSLEIVPPK VTT(配列番号33)
例:SIRPγバリアント−Tim1デコイ(配列番号5のSIRPγバリアントを含む)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSV AGSVKVGGEA GPSVTLPCHY SGAVTSMCWN RGSCSLFTCQ NGIVWTNGTH VTYRKDTRYK LLGDLSRRDV SLTIENTAVS DSGVYCCRVE HRGWFNDMKI TVSLEIVPPK VTT(配列番号105)
例:GV3−Tim3デコイ
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSS EVEYRAEVGQ NAYLPCFYTP AAPGNLVPVC WGKGACPVFE CGNVVLRTDE RDVNYWTSRY WLNGDFRKGD VSLTIENVTL ADSGIYCCRI QIPGIMNDEK FNLKLVIKPA KVTPA(配列番号34)
例:SIRPγバリアント−Tim3デコイ(配列番号5のSIRPγバリアントを含む)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSS EVEYRAEVGQ NAYLPCFYTP AAPGNLVPVC WGKGACPVFE CGNVVLRTDE RDVNYWTSRY WLNGDFRKGD VSLTIENVTL ADSGIYCCRI QIPGIMNDEK FNLKLVIKPA KVTPA(配列番号106)
例:GV3−Tim4デコイ
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGST SETVVTEVLG HRVTLPCLYS SWSHNSNSMC WGKDQCPYSG CKEALIRTDG MRVTSRKSAK YRLQGTIPRG DVSLTILNPS ESDSGVYCCR IEVPGWFNDV KINVRLNLQR ASTTTDEKFN LKLVIKPAKV TPA(配列番号35)
例:SIRPγバリアント−Tim4デコイ(配列番号5のSIRPγバリアントを含む)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGST SETVVTEVLG HRVTLPCLYS SWSHNSNSMC WGKDQCPYSG CKEALIRTDG MRVTSRKSAK YRLQGTIPRG DVSLTILNPS ESDSGVYCCR IEVPGWFNDV KINVRLNLQR ASTTTDEKFN LKLVIKPAKV TPA(配列番号107)
共刺激分子を含むデコイポリペプチド
2)共刺激分子との融合物
a.CD40アゴニスト
例:GV3−CD40L
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSG DQNPQIAAHV ISEASSKTTS VLQWAEKGYY TMSNNLVTLE NGKQLTVKRQ GLYYIYAQVT FCSNREASSQ APFIASLCLK SPGRFERILL RAANTHSSAK PCGQQSIHLG GVFELQPGAS VFVNVTDPSQ VSHGTGFTSF GLLKL(配列番号36)
例:SIRPγバリアント−CD40L(配列番号5のSIRPγバリアントを含む)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSG DQNPQIAAHV ISEASSKTTS VLQWAEKGYY TMSNNLVTLE NGKQLTVKRQ GLYYIYAQVT FCSNREASSQ APFIASLCLK SPGRFERILL RAANTHSSAK PCGQQSIHLG GVFELQPGAS VFVNVTDPSQ VSHGTGFTSF GLLKL(配列番号108)
b.41BB(CD137)アゴニスト
例:GV3−41BBL
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSD PAGLLDLRQG MFAQLVAQNV LLIDGPLSWY SDPGLAGVSL TGGLSYKEDT KELVVAKAGV YYVFFQMELR RVVAGEGSGS VSLALHLMPL RSAAGAAALA LTVDLPPASS EARNSAFGFQ GRLLHLSAGQ RLGVHLHTEA RARHAWQLTQ GATVLGLFRV TPEIPA(配列番号37)
例:SIRPγバリアント−41BBL(配列番号5のSIRPγバリアントを含む)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSD PAGLLDLRQG MFAQLVAQNV LLIDGPLSWY SDPGLAGVSL TGGLSYKEDT KELVVAKAGV YYVFFQMELR RVVAGEGSGS VSLALHLMPL RSAAGAAALA LTVDLPPASS EARNSAFGFQ GRLLHLSAGQ RLGVHLHTEA RARHAWQLTQ GATVLGLFRV TPEIPA(配列番号109)
サイトカインまたは弱毒化サイトカインを含むデコイポリペプチド
3)サイトカイン及び弱毒化サイトカインとの融合物
例:GV3−IL2
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSA PTSSSTKKTQ LQLEHLLLDL QMILNGINNY KNPKLTRMLT FKFYMPKKAT ELKHLQCLEE ELKPLEEVLN LAQSKNFHLR PRDLISNINV IVLELKGSET TFMCEYADET ATIVEFLNRW ITFCQSIIST LT(配列番号38)
例:SIRPγバリアント−IL2(配列番号5のSIRPγバリアントを含む)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSA PTSSSTKKTQ LQLEHLLLDL QMILNGINNY KNPKLTRMLT FKFYMPKKAT ELKHLQCLEE ELKPLEEVLN LAQSKNFHLR PRDLISNINV IVLELKGSET TFMCEYADET ATIVEFLNRW ITFCQSIIST LT(配列番号110)
例:GV3−IL2(変異F42A/D20Tを有する「弱毒化」サイトカイン)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGHFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSA PTSSSTKKTQ LQLEHLLLTL QMILNGINNY KNPKLTRMLT AKFYMPKKAT ELKHLQCLEE ELKPLEEVLN LAQSKNFHLR PRDLISNINV IVLELKGSET TFMCEYADET ATIVEFLNRW ITFCQSIIST LT(配列番号39)
例:SIRPγバリアント−IL2(配列番号5のSIRPγバリアント、及び変異F42A/D20Tを有する「弱毒化」サイトカインを含む)
EEELQIIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTITSL FPVGPIQWFR GVGPGRVLIY NQKDGPFPRV TTVSDGTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE DVEFKSGPGT EMALGAKPSG GGGSGGGGSA PTSSSTKKTQ LQLEHLLLTL QMILNGINNY KNPKLTRMLT AKFYMPKKAT ELKHLQCLEE ELKPLEEVLN LAQSKNFHLR PRDLISNINV IVLELKGSET TFMCEYADET ATIVEFLNRW ITFCQSIIST LT(配列番号111)
デコイポリペプチドを含むコンジュゲート
本明細書では、細胞傷害剤、例えば、化学療法剤、毒素(例えば、細菌、真菌、植物、または動物由来の酵素的に活性な毒素、またはそのフラグメント)、または放射性同位体(すなわち、放射性コンジュゲート)などにコンジュゲートした本明細書に記載のデコイポリペプチドを含むコンジュゲートを提供する。一部の実施形態では、コンジュゲートは、本明細書に記載のSIRPγ、SIRPβ1、もしくはSIRPβ2バリアント、本明細書に記載のデコイポリペプチド、または、本明細書に記載のSIRPγ、SIRPβ1、もしくはSIRPβ2バリアント、もしくは本明細書に記載のデコイポリペプチドを含むキメラ分子を含む。
使用可能な酵素的に活性な毒素及びそのフラグメントとしては、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、エキソトキシンA鎖(Pseudomonas aeruginosa由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、αサルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンチンタンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、Momordica charantia阻害剤、クルシン、クロチン、Saponaria officinalis阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、及びトリコテセン類が挙げられる。他の毒素としては、マイタンシン及びメイタンシノイド、カリケアミシン、ならびに他の細胞傷害剤が挙げられる。様々な放射性核種が放射性コンジュゲートデコイポリペプチドの作製に利用可能である。例としては、212Bi、131I、131In、90Y、及び186Reが挙げられる。
本明細書に記載のデコイポリペプチドと、例えば、細胞傷害剤のコンジュゲートは、様々な二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(例えば、アジプイミド酸ジメチルHClなど)、活性エステル(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジルなど)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒドなど)、ビスアジド化合物(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビスジアゾニウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(例えば、トリエン 2,6−ジイソシアネートなど)、及びビス活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼンなど)などを用いて作製される。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta et al.,Science,238:1098(1987)に記載のとおりに調製することができる。炭素14で標識した1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミンペンタ酢酸(MX−DTPA)は、放射性核種をデコイポリペプチドにコンジュゲートするための例示的なキレート剤である。WO94/11026を参照されたい。
別の実施形態では、デコイポリペプチドを、眼球の「プレターゲティング」に利用するための「受容体」(例えば、ストレプトアビジンなど)にコンジュゲートしてもよく、その場合、非天然EETI−II足場タンパク質−受容体コンジュゲートを眼の患者に投与してから、除去剤を用いて循環血液から非結合コンジュゲートを除去し、次に、細胞傷害剤(例えば、放射性核種)または治療薬にコンジュゲートした「リガンド」(例えば、アビジン)を投与する。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供するデコイポリペプチドを、多量体形態の二重特異性または多重特異性(異なる標的リガンド、または同一標的リガンド上の異なるエピトープに対する)として使用してもよい。結合は共有結合または非共有結合であってもよい。例えば、二量体の二重特異性デコイポリペプチドは、第1の標的タンパク質またはエピトープに対する特異性を有する1つのサブユニット、及び第2の標的タンパク質またはエピトープに対する特異性を有する第2のサブユニットを有する。価数が増加することにより標的リガンドに結合するまたは複数の標的リガンドに結合する結合力が向上可能となる様々な構成で、例えば、コンジュゲートにより、デコイポリペプチドを連結させてもよい。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供するデコイポリペプチドは、コンジュゲート用の反応性基がもたらされるように操作される。ある特定の実施形態では、N末端及び/またはC末端はまた、コンジュゲート用の反応性基をもたらすように機能し得る。ある特定の実施形態では、N末端が1つの部分(限定するわけではないが例えば、PEG)にコンジュゲートされる一方で、C末端は別の部分(限定するわけではないが例えば、ビオチン)にコンジュゲートされ、逆の場合もまた同様である。
ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質、核酸分子、低分子、模倣薬、合成薬物、無機分子、及び有機分子を含むがこれらに限定されない1つまたは複数の部分にコンジュゲートした本明細書に記載のデコイポリペプチドを提供する。異種タンパク質またはポリペプチド(またはそのフラグメント、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも100アミノ酸のポリペプチド)に化学的にコンジュゲートした(共有結合コンジュゲートと非共有結合コンジュゲートの両方を含む)、記載のデコイポリペプチドもまた提供する。融合は必ずしも直接である必要はなく、本明細書に記載のリンカー配列を介して生じさせてもよい。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドまたはその類似体もしくは誘導体を、診断薬または検出可能薬にコンジュゲートしてもよい。このようなデコイポリペプチドコンジュゲートは、特定の治療薬の効果を測定することなどの臨床検査手法の一部として、疾患の進行または増悪をモニターまたは予測するのに有用となり得る。このような診断及び検出は、デコイポリペプチドを、様々な酵素、限定するわけではないが例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼなど、補欠分子族、限定するわけではないが例えば、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンなど、蛍光物質、限定するわけではないが例えば、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、またはフィコエリスリンなど、発光物質、限定するわけではないが例えば、ルミノールなど、生物発光物質、限定するわけではないが例えば、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリンなど、放射性物質、限定するわけではないが例えば、ヨウ素(131I、125I、124I、123I、121I)、炭素(11C、14C)、硫黄(35S)、三重水素(H)、インジウム(115In、113In、112In、111In,)、及びテクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、64Cu、65Zn、89Zr、85Sr、32P、33P、H、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Sn、117Tn、13N、15O、62Cu、76Br、及び82Rbなど、様々な陽電子放射断層撮影法に用いる陽電子放出金属、非放射性常磁性金属イオン、及び、特定の放射性同位体で放射能標識したまたは特定の放射性同位体にコンジュゲートされた分子、を含むがこれらに限定されない検出可能物質に連結させることによって達成することができる。一部の実施形態では、例えば、Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)405、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)555、AlexaFluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)647、Alexa Fluor(登録商標)680、Alexa Fluor(登録商標)750、BODIPY(登録商標)FL、クマリン、Cy(登録商標)3、Cy(登録商標)5、フルオレセイン(FITC)、Oregon Green(登録商標)、Pacific Blue(商標)、Pacific Green(商標)、Pacific Orange(商標)、テトラメチルローダミン(TRITC)、TexasRed(登録商標)、またはその他の蛍光標識に、デコイポリペプチドをコンジュゲートする。一部の実施形態では、サイクレン、サイクラム、DO2A、DOTP、DOTMA、TETA、DOTAM、CB−T2A、DOTA、またはNOTAなどのキレート基を含む検出可能標識に、デコイポリペプチドをコンジュゲートする。
治療薬部分にコンジュゲートしたデコイポリペプチドもまた提供する。ある特定の実施形態では、細胞毒、例えば、細胞増殖抑制剤もしくは細胞破壊剤、治療薬、または放射性金属イオン、例えば、α放出体などの治療薬部分に、デコイポリペプチドをコンジュゲートしてもよい。細胞毒または細胞傷害剤は、細胞に有害な任意の薬剤を含む。
ある特定の実施形態では、放射性金属イオン、例えば、α放出体、例えば、213Biなどの治療薬部分、または、131In、131Lu、131Y、131Ho、131Smを含むがこれらに限定されない放射性金属イオンをポリペプチドにコンジュゲートするのに有用な大環状キレート剤に、デコイポリペプチドをコンジュゲートする。ある特定の実施形態では、大環状キレート剤は、リンカー分子を介してデコイポリペプチドに結合させることができる1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)である。このようなリンカー分子は当該技術分野において一般的に知られており、例えば、Denardo et al.(1998)Clin Cancer Res.4,2483−90;Peterson et al.(1999)Bioconjug.Chem.10,553−557;及びZimmerman et al.(1999)Nucl.Med.Biol.26,943−50に記載されている。
治療薬部分を抗体にコンジュゲートするための技術はよく知られており、本明細書で開示するデコイポリペプチドに適用可能であるが、例えば、Amon et al.,“Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy,”in Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy,Reisfeld et al.(eds.),pp.243−56.(Alan R.Liss,Inc.1985)、Hellstrom et al.,“Antibodies For Drug Delivery”,in Controlled Drug Delivery(2nd Ed.),Robinson et al.(eds.),pp.623−53(Marcel Dekker,Inc.1987)、Thorpe,“Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review”,in Monoclonal Antibodies 84:Biological And Clinical Applications,Pinchera et al.(eds.),pp.475−506(1985)、“Analysis,Results,And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radio labeled Antibody In Cancer Therapy”,in Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy,Baldwin et al.(eds.),pp.303−16(Academic Press 1985)、及びThorpe et al.,1982,Immunol.Rev.62:119−58を参照されたい。類似した手法を本明細書で提供するデコイポリペプチドとの使用に適用してもよい。
デコイポリペプチドにコンジュゲートした治療薬部分または薬物は、対象における特定の障害のための所望の予防効果または治療効果(複数可)が得られるように選択する必要がある。臨床医またはその他の医療従事者は、どの治療薬部分または薬物を足場にコンジュゲートするかを決定する場合に、疾患の性質、疾患の重症度、及び対象の状態を考慮する必要がある。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドはまた固体支持体に結合させることができ、これは標的抗原のイムノアッセイまたは精製に特に有用である。このような固体支持体としては、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリプロピレン、が挙げられるがこれらに限定されない。
共有結合修飾
本明細書に記載のデコイポリペプチドの共有結合修飾についてもまた検討を行う。1つのタイプの共有結合修飾は、デコイポリペプチドの標的化アミノ酸残基を、デコイポリペプチドの選択側鎖またはN末端残基もしくはC末端残基と反応可能な有機誘導体化剤と反応させることを含む。二官能性剤を用いた誘導体化は、例えば、標的リガンドを精製するための方法に用いる非水溶性の支持マトリックスまたは表面にデコイポリペプチドを架橋結合させるのに有用であり、逆の場合もまた同様である。一般的に用いられる架橋剤としては、例えば、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば、4−アジドサリチル酸とのエステル、ホモ二官能性イミドエステル(3,3’−ジチオビス(スクシンイミジル−プロピオネート)などのジスクシンイミジルエステルを含む)、二官能性マレイミド、例えば、ビス−N−マレイミド−1,8−オクタンなど、及び、メチル−3−[(p−アジドフェニル)−ジチオ]プロピオイミデートなどの薬剤、が挙げられる。
その他の修飾としては、アセチル化、アシル化、ADPリボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋結合の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセス、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、トランスファーRNAが介在するタンパク質へのアミノ酸付加、例えば、アルギニル化など、ユビキチン化、グルタミニル残基及びアスパラギニル残基のそれぞれ対応するグルタミル残基及びアスパルチル残基への脱アミド化、プロリン及びリジンのヒドロキシル化、セリル残基またはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン側鎖、アルギニン側鎖、及びヒスチジン側鎖のαアミノ基のメチル化(T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp.79−86(1983))、N末端アミンのアセチル化、ならびに、任意のC末端カルボキシル基のアミド化、が挙げられるがこれらに限定されない。
例えば、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖、及びアミノ及び/またはカルボキシル末端を含む、SIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアント内の任意の場所に、共有結合修飾を行ってもよい。SIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアントに行ってもよい例示的なペプチド修飾としては、例えば、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のγカルボキシル化、ヒドロキシル化、共有結合修飾によるポリペプチド内のアミノ基もしくはカルボキシル基またはその両方の阻害、及びADPリボシル化、が挙げられるがこれらに限定されない。
デコイポリペプチドの別のタイプの共有結合修飾は、US4640835、US4496689、US4301144、US4670417、US4791192、またはUS4179337に記載の方法で、様々なの非タンパク質性ポリマーうちの1つ、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンにデコイポリペプチドを連結させることを含む。
「ポリエチレングリコール」または「PEG」という用語は、カップリング剤、カップリング部分、または活性化部分(例えば、チオール部分、トリフレート部分、レシレート部分、アジルジン部分、オキシラン部分、N−ヒドロキシスクシンイミド部分、またはマレイミド部分)を含むまたは含まないポリエチレングリコール化合物またはその誘導体を指す。「PEG」という用語は、500〜150,000Daの分子量のポリエチレングリコールを、その類似体を含めて示すことを意図しており、例えば、末端のOR基はメトキシ基で置換されている(mPEGと呼ばれる)。
ある特定の実施形態では、デコイポリペプチドはポリエチレングリコール(PEG)で誘導体化されている。PEGは、2つの末端ヒドロキシル基を有するエチレンオキシド反復単位からなる直鎖状の水溶性ポリマーである。PEGは、その分子量(通常は、約500ダルトン〜約40,000ダルトンの範囲で変動する)によって分類される。本明細書の好ましい実施形態では、採用するPEGは、5,000ダルトン〜約20,000ダルトンの範囲の分子量を有している。本明細書に記載のデコイポリペプチドに結合したPEGは、分枝鎖または非分枝鎖のいずれかであってもよい(例えば、Monfardini,C.et al.1995 Bioconjugate Chem 6:62−69)。PEGは、Nektar Inc.、Sigma Chemical Co.、及びその他の会社から市販されている。このようなPEGとしては、モノメトキシポリエチレングリコール(MePEG−OH)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシネート(MePEG−S)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシンイミジルスクシネート(MePEG−S−NHS)、モノメトキシポリエチレングリコール−アミン(MePEG−NH2)、モノメトキシポリエチレングリコール−トレシレート(MePEG−TRES)、及びモノメトキシポリエチレングリコール−イミダゾリル−カルボニル(MePEG−IM)、が挙げられるがこれらに限定されない。
ある特定の実施形態では、採用する親水性ポリマー、例えば、PEGは、メトキシ基またはエトキシ基などの非反応性基で一方の端を末端保護されている。その後、好適な活性化剤、例えば、ハロゲン化シアヌル(例えば、塩化シアヌル、臭化シアヌル、またはフッ化シアヌル)など、ジイマドゾル、無水物試薬(例えば、無水ジハロコハク酸、例えば、無水ジブロモコハク酸など)、アシルアジド、p−ジアゾニウムベンジルエーテル、3−(p−ジアゾニウムフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピルエーテル)などと反応させることにより、ポリマーのもう一方の末端を活性化させる。次に、活性化されたポリマーを本明細書のデコイポリペプチドと反応させて、ポリマーで誘導体化されたデコイポリペプチドを作製する。代替的に、本明細書で提供するデコイポリペプチド内の官能基をポリマーとの反応用に活性化させてもよく、または、周知のカップリング法を用いた協奏カップリング反応で2つの基を連結させてもよい。当業者に周知かつ当業者が使用する無数のその他の反応スキームを用いてデコイポリペプチドがPEGで誘導体化されるということが容易に理解されるであろう。
デコイポリペプチドを作製するための方法
本明細書に記載のデコイポリペプチドをコードする単離核酸、このような核酸を含むベクター、及びこのようなベクターまたは核酸を含む宿主細胞もまた提供する。「単離」核酸分子は、少なくとも1種の夾雑物から識別及び分離した核酸分子である。一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、組換え技術を用いて作製される。例えば、デコイポリペプチドをコードする核酸(複数可)を、更なるクローニング(例えば、DNAの増幅)または発現のために、複製可能なベクターに挿入してもよい。従来の方法を用いて(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより)、デコイポリペプチドをコードするDNAを容易に単離及び配列決定することができる。多くのベクターが利用可能である。ベクター構成要素としては一般的に、シグナル配列、複製起点、1種または複数種のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列のうちの1つまたは複数が挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドを、異種ポリペプチドまたは同種ポリペプチドとの融合物として作製してもよい。異種ポリペプチドまたは同種ポリペプチドは、例えば、成熟タンパク質のN末端にシグナル配列及び/またはプロテアーゼ開裂部位などを含んでいてもよい。一部の実施形態では、宿主細胞が認識及び処理する(すなわち、シグナルペプチダーゼによって開裂する)異種シグナル配列を選択してもよい。真核細胞シグナル配列を認識及び処理しない原核細胞宿主細胞に対して、シグナル配列を原核細胞シグナル配列で置換する。
本明細書で提供する核酸をクローニングするまたは発現させるための好適な宿主細胞の例としては、例えば、原核細胞、細菌細胞(例えば、イースト菌など)、昆虫細胞、または真核細胞(例えば、哺乳動物細胞など)、が挙げられるがこれらに限定されない。有用な哺乳動物宿主細胞株の例は、例えば、SV40で形質転換したサル腎臓CV1株(COS−7、ATCC CRL 1651)、ヒト胎児腎臓株(懸濁培養液中で増殖させるためにサブクローニングした293または293細胞、Graham et al.,J.Gen Viral.36:59(1977))、仔ハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO、Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))、マウスセルトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod.23:243−251(1980))、サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL−1587)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳癌(MMT 060562、ATCC CCL51)、TRI細胞(Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44−68(1.982))、MRC 5細胞、FS4細胞、及びヒト肝細胞癌株(Hep G2)、である。デコイポリペプチド産生用の上記発現またはクローニングベクターで宿主細胞を形質転換してから、プロモーターを誘導するため、形質転換細胞を選択するため、または所望の配列をコードする遺伝子を増幅させるために必要に応じて調整した通常の栄養培地内で培養する。
当該技術分野において周知のクロマトグラフィー技術を用いて、宿主細胞が発現するデコイポリペプチドを精製してもよい。デコイポリペプチドを精製するのに使用可能な例示的な技術としては、例えば、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、陰イオン及び/または陽イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及びアフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA、プロテインL、及び/またはプロテインGクロマトグラフィーなど)、が挙げられる。プロテインAの親和性リガンドとしての適性は、デコイポリペプチド中に存在する免疫グロブリンFcドメインのアイソタイプによって決まる。ヒトγ1、γ2、またはγ4重鎖をベースとした抗体を精製するために、プロテインAを使用してもよい(Lindmark et al.,J.Immunol.Meth.62:1−13(1983))。ヒトIgG3用には通常、プロテインGが推奨される(Guss et al.,EMBO J.5:15671575(1986))。親和性リガンドを結合させるマトリックスはほとんどの場合アガロースであるが、他のマトリックスも利用可能である。物理的に安定したマトリックス、例えば、多孔質ガラスまたはポリ(スチレンジビニル)ベンゼンなどは、アガロースを用いて達成可能な流速及び処理時間と比較してより速い流速及びより短い処理時間を可能とする。デコイポリペプチドがCH3ドメインを含む場合、精製には、BakerbondABX(商標)樹脂(J.T.Baker,Phillipsburg,N.J.)が有用であり得る。タンパク質精製用の他の技術、例えば、イオン交換カラムを用いた分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカを用いたクロマトグラフィー、ヘパリンセファロース(商標)を用いたクロマトグラフィー、陰イオンまたは陽イオン交換樹脂を用いたクロマトグラフィー(例えば、ポリアスパラギン酸カラムなど)、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、及び硫酸アンモニウム沈殿などはまた周知であり、広く使用されている。
任意の予備精製工程(複数可)に続き、pH約2.5〜4.5の溶出バッファーを用いた低pH疎水性相互作用クロマトグラフィー(低い塩濃度(例えば、約0〜0.25Mの塩)で実施することが好ましい)に、デコイポリペプチド及び夾雑物を含む混合液を供してもよい。
検出、イメージング、及び可視化するための方法
本明細書ではまた、細胞の集団を、検出可能標識を含む本明細書に記載のデコイポリペプチドと接触させることを含む、CD47を発現する細胞を検出、イメージング、または可視化するための方法を提供する。一部の実施形態では、検出可能標識は、酵素標識、例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、またはグルコースオキシダーゼなどを含む。別の態様では、検出可能標識は、蛍光標識、例えば、Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)405、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)555、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)647、Alexa Fluor(登録商標)680、Alexa Fluor(登録商標)750、BODIPY(登録商標)FL、クマリン、Cy(登録商標)3、Cy(登録商標)5、フルオレセイン(FITC)、Oregon Green(登録商標)、Pacific Blue(商標)、Pacific Green(商標)、Pacific Orange(商標)、テトラメチルローダミン(TRITC)、TexasRed(登録商標)、またはその他の蛍光標識などを含む。更なる態様では、検出可能標識は、放射性同位体、例えば、32P、33P、H、14C、125I、またはその他の放射性同位体などを含む。
一部の実施形態では、方法は、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、細菌感染細胞、自己反応性T細胞、損傷赤血球、動脈プラーク、または線維性組織を検出、イメージング、または可視化することを含む。一部の実施形態では、細胞は、健康な正常細胞、例えば、造血幹細胞など、健康な骨髄系前駆細胞もしくはリンパ球系前駆細胞、または、健康な分化造血細胞型、例えば、T細胞、B細胞、形質細胞、またはNK細胞などである。一部の実施形態では、方法は、in vivo、ex vivo、またはin vitroで細胞を検出、イメージング、または可視化することを含む。一部の実施形態では、顕微鏡、蛍光顕微鏡、蛍光活性化細胞分離法、または陽電子放射断層撮影(PET)イメージングにより、細胞または組織をイメージングまたは可視化する。一部の実施形態では、方法は診断法である。
治療の方法
本明細書では、免疫系の刺激を必要とする対象においてそれを実施するための方法を提供し、方法は、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の例では、本明細書に記載のデコイポリペプチドの投与は、CD47を発現する細胞の貪食を誘導及び/または持続させる。その他の例では、本明細書に記載のデコイポリペプチドの投与は、CD47を発現しない細胞の貪食を誘導及び/または持続させる。一部の例では、細胞は、がん細胞、ウイルス感染細胞、細菌感染細胞、自己反応性T細胞もしくはB細胞、損傷赤血球、動脈プラーク、または線維性組織内の細胞である。
本明細書ではまた、本明細書に記載のデコイポリペプチドを対象に投与することを含む、対象におけるがんを治療するための方法を提供する。一部の実施形態では、対象は、がんを有している、及び/またはがんを有すると診断されている。一部の実施形態では、対象は、がんを有すると疑われている。一部の実施形態では、がんは、乳癌、肺癌、肺の腺癌、扁平上皮細胞肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌、脳腫瘍または脳癌、腹部癌、結腸癌、直腸癌、大腸癌、食道癌、傍咽頭癌、胃腸癌、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、消化管間質腫瘍癌、神経膠腫、肝臓癌、口腔癌、舌癌、神経芽細胞腫、骨肉腫、卵巣癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、膀胱癌(bladder cancer)、膀胱癌(urinary bladder cancer)、尿路癌、膵臓癌、網膜芽細胞腫、子宮頸癌、子宮癌、口咽頭癌、気管支癌、メルケル細胞癌、ウイルス誘発性がん、前立腺癌、ウィルムス腫瘍、多発性骨髄腫、皮膚癌(黒色腫及び非黒色腫皮膚癌を含む)、リンパ腫、白血病、血液がん、甲状腺癌、骨癌、腺様嚢胞腫瘍、軟骨肉腫、膵島細胞腫瘍、神経内分泌腫瘍、前立腺癌、卵巣癌、膠芽腫、子宮内膜癌腫、子宮内膜癌、平滑筋肉腫、胆嚢癌、肝細胞癌、血液がん、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia)(急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)としても周知)、急性/慢性リンパ芽球性白血病、毛様細胞性白血病、濾胞性リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、からなる群から選択される。一部の実施形態では、がんは血液がんである。一部の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、急性/慢性骨髄性白血病、急性/慢性リンパ芽球性白血病、毛様細胞性白血病、濾胞性リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。
一部の実施形態では、がんは、CD47の発現に関連しており、急性骨髄性白血病(AML)、急性白血球性白血病(ALL)、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンB細胞リンパ腫(NHBCL)、慢性白血球性白血病(B−CLL)、多発性骨髄腫(MM)、膵腺癌、膵臓神経内分泌腫瘍(PanNET)、神経膠腫、髄芽腫、星状細胞腫、前立腺癌、骨肉腫、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、黒色腫、扁平上皮頭頸部癌、前立腺癌腫、卵巣癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、及び膀胱癌、を含むがこれらに限定されない。一部の実施形態では、がんは固形腫瘍に関連している。ある特定の例では、固形腫瘍は進行性、例えば、ステージ3または4である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、CD47の発現に組織学的に関連している。
一部の実施形態では、「治療」または「治療すること」もしくは「治療される」とは治療処置のことを意味し、その目的は、望ましくない生理学的症状、障害、または疾患を遅延させる(軽減する)こと、または、有利または望ましい臨床結果を得ることである。一部の実施形態では、有利または望ましい臨床結果としては、検出可能もしくは検出不能、または、症状、障害、または疾患の亢進または改善を問わない、症候の緩和、症状、障害、または疾患の度合いの低下、症状、障害、または疾患の状態の安定化(すなわち、悪化させないこと)、発症の遅延、または、症状、障害、または疾患の進行を遅くすること、症状、障害、または疾患の状態の改善、及び寛解(部分または完全を問わない)、が挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、治療は、過剰レベルの副作用を伴うことなく臨床的に有意な効果を惹起することを含む。一部の実施形態では、治療は、治療を受けない場合に想定される生存と比較して、生存を延長することを含む。一部の実施形態では、「治療」または「治療すること」もしくは「治療される」とは予防措置のことを意味し、その目的は、例えば、疾患にかかりやすい対象(例えば、乳癌などの疾患の遺伝マーカーを有する対象)などにおける、望ましくない生理学的症状、障害、または疾患の発症を遅延させること、または、望ましくない生理学的症状、障害、または疾患の重症度を低下させることである。
本明細書に記載の治療の方法は、局所進行性、転移性、及び/または再発性のステージを含む様々なステージのがんの治療に用いられる。がんのステージ分類において、局所進行性は一般的に、局所領域から近傍の組織及び/またはリンパ節に転移したがんと定義される。ローマ数字のステージ分類システムにおいて、局所進行性は通常、ステージIIまたはIIIに分類される。転移性のがんは、がんが離れた組織及び器官へと全身に転移したステージ(ステージIV)である。再発性と呼ばれるがんは一般的に、通常は、ある期間の後、寛解の後、または腫瘍が視覚的に除去された後に、再発したがんと定義される。再発は、局所、すなわち、元と同じ場所に現れる、または、遠隔、すなわち、身体の異なる部位に現れるのいずれかであり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載の組み合わせ治療で治療可能ながんは、切除不能、すなわち、外科手術で除去することができないものである。
例示的な組み合わせ治療
一部の実施形態では、本明細書に記載の治療の方法は、対象に処方された任意のその他のがん治療薬への補助治療を提供する。一部の実施形態では、治療の方法は、例えば、メトトレキサート(リウマトレックス(登録商標)、アメトプテリン)、シクロホスファミド(サイトキサン(登録商標))、アビラテロン、アベマシクリブ、アルトレタミン、サリドマイド(THALIDOMID(登録商標))、アクリジンカルボキサミド、アクチミド(登録商標)、アクチノマイシン、アクチノマイシン−D、アファチニブ、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アレクチニブ、アルペリシブ、アミノプテリン、アムサクリン、アンロチニブ、アントラサイクリン、抗腫瘍剤、抗新生物剤、アパルチニブ、5−アザシチジン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、アラビノシルシトシン、アキシチニブ、アザシチジン、アザチオプリン、BL22、ベンダムスチン、ビニメチニブ、ビリコダル、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブリガチニブ、ブリオスタチン、ブスルファン、カボザンチニブ、カリクリン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セリチニブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、コビメチニブ、クリゾチニブ、シタラビン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダコミチニブ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デキサメタゾン、ジクロロ酢酸、ディスコデルモライド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エンコラフェニブ、エピルビシン、エヌトレクチニブ、エンザルタミド、エポチロン、エルダフィチニブ、エリブリン、エルロチニブ、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル(例えば、5−フルオロウラシルなど)、フォリン酸、ホスフェストロール、ホテムスチン、フルキンチニブ、ガンシクロビル、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ギルテリチニブ、ゴセレリン、ヘキサメチルメラミン、ヒドロキシカルバミド、ヒドロキシウレア、IT−101、イブルチニブ、イコチニブ、イダルビシン、イデラリシブ、イホスファミド、イマチニブ、イリノイミキモド、イリノテカン、イロフルベン、イボシデニブ、イクサベピロン、ラニキダル、ラパチニブ、ラロトレクチニブ、レナリドミド、レンバチニブ、ロルラチニブ、ロムスチン、ラルトテカン、マホスファミド、マソプロコール、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メチルプレドニゾロン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ネララビン、ネラチニブ、ニラパリブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、オブリメルセン、オラパリブ、オシメルチニブ、オキサリプラチン、ネダプラチン、フェナントリプラチン、ピコプラチン、PAC−I、パクリタキセル、パルボシクリブ、パゾパニブ、ペメトレキセド、ペグフィルグラスチム、ペントスタチン、ピポブロマン、ピキサントロン、プリカマイシン、プレドニゾン、ポナチニブ、プロカルバジン、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、ピロチニブ、ラルチトレキセド、レベッカマイシン、レブラミド(登録商標)、レゴラフェニブ、リボシクリブ、ルビテカン、ルカパリブ、ルキソリチニブ、SN−38、サリノスポラミドA、サトラプラチン、シロリムス、ソニデギブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、ストレプトゾトシン、スニチニブ、スワインソニン、タラゾパリブ、タリキダル、タキサン、テガフール−ウラシル、テムシロリムス、テニポシド、テモゾロミド、テストラクトン、チオテパ、チオグアニン、トポテカン、トラベクテジン、トラメチニブ、トレチノイン、トリフルリジン、トリプラチン四硝酸塩、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラシルマスタード、バルルビシン、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ベネトクラックス(ABT−199)、ナビトクラックス(ABT−263)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビスモデギブ、ボリノスタット、ジブアフリベルセプト(ザルトラップ(登録商標))、ゾスキダルなど、を含むがこれらに限定されない少なくとも1種の別の抗がん剤(例えば、少なくとも2種、少なくとも3種、または少なくとも4種の別の抗がん剤)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。
一部の実施形態では、治療の方法は、特定の部類の抗がん剤/化学療法剤と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。例えば、一部の実施形態では、治療の方法は、副腎抑制剤(本明細書に記載の副腎抑制剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。例えば、一部の実施形態では、治療の方法は、アントラサイクリン(本明細書に記載のアントラサイクリンを含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、アルキル化剤(本明細書に記載のアルキル化剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、アンドロゲン阻害剤(本明細書に記載のアンドロゲン阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、代謝拮抗薬、例えば、プリン類似体(本明細書に記載の代謝拮抗薬、例えば、プリン類似体を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、抗腫瘍性抗生物質(本明細書に記載の抗腫瘍抗生物質を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、BLC−2阻害剤(本明細書に記載のBLC−2阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、BTK阻害剤(本明細書に記載のBTK阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、CDK 4/6阻害剤(本明細書に記載のCDK 4/6阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、コロニー刺激因子(本明細書に記載のコロニー刺激因子を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、コルチコステロイド(本明細書に記載のコルチコステロイドを含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、EGFR阻害剤(本明細書に記載のEGFR阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト(本明細書に記載のGnRHアゴニストを含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、有糸分裂阻害剤/微小管阻害剤(本明細書に記載の有糸分裂阻害剤/微小管阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、mTORキナーゼ阻害剤(本明細書に記載のmTORキナーゼ阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、プロテアソーム阻害剤(本明細書に記載のプロテアソーム阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、シグナル伝達阻害剤、例えば、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害剤、PAK4阻害剤、PI3K阻害剤(本明細書に記載のシグナル伝達阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、トポイソメラーゼ阻害剤(本明細書に記載のトポイソメラーゼ阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、チロシンキナーゼ阻害剤(本明細書に記載のチロシンキナーゼ阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、VEGF阻害剤、例えば、VEGF1阻害剤、VEGF2阻害剤、及び/またはVEGF3阻害剤など(本明細書に記載のVEGF阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、例えば、Bcl−2、Mcl1、Bcl−lxなどの活性を調節することによりアポトーシスを調節する薬剤(例えば、Bcl−2、Mcl1、Bcl−lxなどの活性を調節することによりアポトーシスを調節する本明細書に記載の薬剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、白金系薬剤(本明細書に記載の白金系薬剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。一部の実施形態では、治療の方法は、NTRK1、NTRK2、及び/またはNTRK3の阻害剤、ALK阻害剤、ROS阻害剤、FLT3阻害剤、BRAF阻害剤、MEK1及び/またはMEK2の阻害剤、HER2、HER3、及び/またはHER4の阻害剤、RET/PTCの阻害剤、BCR−ABLの阻害剤、c−KIT阻害剤、PDGFRα及び/またはPDGFRβの阻害剤、FGFR1、FGFR2、FGFR3、及び/またはFGFR4の阻害剤、平滑化阻害剤、及び/または、PARP1、PARP2、及び/またはPARP3の阻害剤(本明細書に記載の阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて、本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む。
一部の実施形態において、本明細書に記載の治療の方法では、例えば、3F8、8H9、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アビツズマブ、アブリルマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アデカツムマブ、アデュカヌマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブペゴル、ALD518、アレムツズマブ、アリロクマブ、アルツモマブペンテテート、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトックス、アネツマブラブタンシン、アニフロルマブ、アンルキンズマブ(IMA−638)、アポリズマブ、アルシツモマブ、アスクリンバクマブ、アセリズマブ、アテゾリズマブ、アチヌマブ、アトリズマブ(トシリズマブ)、アトロリムマブ、アベルマブ、MSBバピネオズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベゲロマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビマグルマブ、ビメキズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ボコシズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、ブロルシズマブ、ブロンチクツズマブ、カビラリズマブ(FPA008)、カムレリズマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カンツズマブラブタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cBR96−ドキソルビシンイムノコンジュゲート、CC49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、Ch.14.18、シタツズマブボガトックス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コドリツズマブ、コルツキシマブラブタンシン、コナツムマブ、コンシズマブ、クレネズマブ、CR6261、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダピロリズマブペゴル、ダラツムマブ、デクトレクマブ、デムシズマブ、デニンツズマブマホドチン、デノスマブ、デルロツキシマブビオチン、デツモマブ、ジヌツキシマブ、ジリダブマブ、ドルリモマブアリトックス、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュピルマブ、デュルバルマブ、デュシギツマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エファングマブ、エルデルマブ、エルゲムツマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エマクツヅマブ(RG7155)、エミベツズマブ、エナバツズマブ、エンホルツマブベドチン、エンリモマブペゴル、エノブリツズマブ、エノキズマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブシツキセタン、エプラツズマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エビナクマブ、エボロクマブ、エクスビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、FBTA05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フィリブマブ、フランボツマブ、フレチクマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレンバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、グセルクマブ、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イダルシズマブ、イゴボマブ、IMAB362、イマルマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン、インデュサツマブベドチン、インフリキシマブ、インテツムマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、イラツムマブ、イサツキシマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、ランブロリズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レンジルマブ、レルデリムマブ、レクサツムマブ、リビビルマブ、リファスツズマブベドチン、リゲリズマブ、リロトマブサテトラキセタン、リンツズマブ、リリルマブ、ロデルシズマブ、ロキベトマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルリズマブペゴル、ルミリキシマブ、ルムレツズマブ、MSB0010718C(アベルマブ)、マパツムマブ、マルゲツキシマブ、マスリモマブ、マブリリムマブ、マツズマブ、MEDI6469、MEDI0680、MEDI6383、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブパスドトックス、ムロモナブ−CD3、ナコロマブタフェナトックス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトックス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネモリズマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメルペンタン、オビルトキサキシマブ、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オデュリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オンツキシズマブ、オピシヌマブ、オポルツズマブモナトックスオレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オトレルツズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パジバキシマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パンコマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パソツキシズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペンブロリズマブ、ペンツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピディリズマブ、ピナツズマブベドチン、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポラツズマブベドチン、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリトキサキシマブ、プリツムマブ、PRO 140、キリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラフィビルマブ、ラルパンシズマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レファネズマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リヌクマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレデュマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サシツズマブゴビテカン、サマリズマブ、SAR650984(イサツキシマブ)、サリルマブ、サツモマブペンデチド、セクキヌマブ、セリバンツマブ、セトキサキシマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、SGN−CD19A、SGN−CD33A、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シンチリマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソフィツズマブベドチン、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトックス、タレクスツマブ、テフィバズマブ、テリモマブアリトックス、テナツモマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、テシドルマブ、TGN1412、チシリムマブ(トレメリムマブ)、チルドラキズマブ、チガツズマブ、TNX−650、トシリズマブ(アトリズマブ)、トラリズマブ、トリパリマブ、トサトクスマブ、トシツモマブ、トベツマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、トラスツズマブ−エムタンシン、TRBS07、トレガリズマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウロクプルマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、ウトミルマブ(PF−05082566)、バンドルツズマブベドチン、バンチクツマブ、バヌシズマブ、バパリキシマブ、バルリルマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビシリズマブ、ボロシキシマブ、ボンレロリズマブ(RG7888)、ボルセツズマブマホドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、またはゾリモマブアリトックス(上記治療抗体のいずれかのバイオシミラーを含む)を含むがこれらに限定されない1種または複数種のモノクローナル抗体と組み合わせて、デコイポリペプチドを投与する。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、例えば、抗CD20抗体、抗EGFR抗体、抗Her2/Neu(ERBB2)抗体、抗EPCAM抗体、抗GL2抗体、抗GD2、抗GD3、抗CD2、抗CD3、抗CD4、抗CD8、抗CD19、抗CD22、抗CD30、抗CD33、抗CD39、抗CD45、抗CD47、抗CD52、抗CD56、抗CD70、抗CD73、抗CD117、抗SIRPA抗体、抗LILRB1、LILRB2、抗LILRB4抗体、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗PD−L2抗体、または、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞もしくは細菌感染細胞、免疫細胞、もしくは健康な正常細胞、もしくは任意の種類のサイトカイン、ケモカイン、もしくはホルモンに結合するように設計された任意の抗体、を含むがこれらに限定されない1種または複数種のモノクローナル抗体と組み合わせて投与される。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、例えば、CS1/SLAMF7、Trop−2、VWF、ビメンチン、VEGFR2、VEGFR−1、VEGF、VEGF−A、TYRP1(糖タンパク質75)、TWEAK受容体、MUC1の腫瘍特異的グリコシル化、腫瘍抗原CTAA16.88、TRAIL−R2、TRAIL−R1、TNF−α、TGF−β、TGFβ2、TGFβ1、TFPI、テネイシンC、TEM1、TAG−72、T細胞受容体、STEAP1、スフィンゴシン−1−リン酸、SOST、SLAMF7、BCL−2、セレクチンP、SDC1、スクレロスチン、RTN4、RON、リーサス因子、RHD、呼吸器合胞体ウイルス、RANKL、狂犬病ウイルス糖タンパク質、血小板由来増殖因子受容体β、ホスファチジルセリン、リン酸−ナトリウム共輸送体、PDGF−Rα、PDCD1、PD−1、PD−L1、PCSK9、oxLDL、OX−40、NRP1、Notch受容体4、Notch受容体3、Notch受容体2、Notch受容体1、NOGO−A、NGF、神経アポトーシス調節プロテイナーゼ1、NCA−90(顆粒球抗原)、NARP−1、N−グリコリルノイラミン酸、ミオスタチン、ミエリン関連糖タンパク質、ムチンCanAg、MUC1、MSLN、MS4A1、MIF、メソテリン、MCP−1、LTA、LOXL2、リポテイコ酸、LINGO−1、LFA−1(CD11a)、ルイスY抗原、L−セレクチン(CD62L)、KIR2D、ITGB2(CD18)、ITGA2、インターフェロンα/β受容体、インターフェロン受容体、インターフェロンγ誘導タンパク質、インテグリンαvβ3、インテグリンαIIβ3、インテグリンα7β7、インテグリンα5β1、インテグリンα4β7、インテグリンα4、インスリン様増殖因子I受容体、インフルエンザAヘマグルチニン、ILGF2、IL9、IL6、IL4、IL3IRA、IL23、ILI7A、IL−6受容体、IL−6、IL−S、IL−4、IL−23、IL−22、IL−I、IL−I7A、IL−I7、IL−13、IL−I2、IL−I、IL20、IGHE、IgG4、IGF−I、IGF−I受容体、IgE Fc領域、IFN−γ、IFN−α、ICAM−1(CD54)、ヒトTNF、ヒト散乱因子受容体キナーゼ、Hsp90、HNGF、HLA−DR、HIV−1、ヒストン複合体、HHGFR、HGF、HER3、HER2、HER2/neu、HER1、B型肝炎表面抗原、ヘマグルチニン、GUCY2C、GPNMB、GMCSF受容体α鎖、グリピカン3、GD3ガングリオシド、GD2、ガングリオシドGD2、フリズルド受容体、葉酸受容体1、葉酸加水分解酵素、フィブロネクチンエクストラドメイン−B、フィブリンII、β鎖、FAP、呼吸器合胞体ウイルスのFタンパク質、ERBB3、エピシアリン、EpCAM、エンドトキシン、EGFR、EGFL7、E.coli志賀毒素2型、E.coli志賀毒素I型、DRS、DPP4、DLL4、ダビガトラン、サイトメガロウイルス糖タンパク質B、CTLA−4、CSF2、CSF1R、クランピング因子A、CLDN18.2、ch4DS、CFD、CEA関連抗原、CEA、CD80、CD79B、CD74、CD73、CD70、CD6、CD56、CD52、CD51、CD5、CD44 v6、CD41、CD40リガンド、CD40、CD4、CD39、CD38、CD37、CD33、CD30(TNFRSF8)、CD123、CD138、CD3ε、CD3、CD28、CD274、CD27、CD2S(IL−2受容体のα鎖)、CD23(IgE受容体)、CD221、CD22、CD200、CD20、CD2、CD19、CD137、CD154、CD152、CD15、CD147(バシジン)、CD140a、CD125、CD11、CD−18、CCR5、CCR4、CCL11(エオタキシン−I)、心筋ミオシン、炭酸脱水酵素9(CA−IX)、Canis lupus familiaris IL31、CA−125、C5、C242抗原、C−X−Cケモカイン受容体4型、β−アミロイド、BAFF、B7−H3、Bリンパ腫細胞、AOC3(VAP−I)、炭疽毒素、防御抗原、アンジオポエチン3、アンジオポエチン2、α−フェトプロテイン、AGS−22M6、腺がん抗原、ACVR2B、アクチビン受容体様キナーゼI、5T4、5AC、4−IBB、または1−40−β−アミロイド、を標的とする1種または複数種のモノクローナル抗体と組み合わせて投与される。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、第2の抗体、例えば、がんが発現する抗原と結合する抗体と組み合わせて投与される(例えば、有効量の第2の抗体(一部の実施形態においては上記のとおり)は、本開示の抗SIRPα抗体を投与する状況において考慮され得る)。がんが発現する例示的な抗原は当該技術分野において周知であり、それらとしては、EphA4、BCMA、ムチン1、ムチン16、PTK7、PD−L1、STEAP1、エンドセリンB受容体、メソテリン、EGFRvIII、ENPP3、SLC44A4、GNMB、ネクチン4、NaPi2b、LIV−1A、グアニリルシクラーゼC、DLL3、EGFR、HER2、VEGF、VEGFR、インテグリンαVβ3、インテグリンα5β1、MET、IGF1R、TRAILR1、TRAILR2、RANKL、FAP、テネイシン、Ley、EpCAM、CEA、gpA33、PSMA、TAG72、ムチン、CAIX、EPHA3、葉酸受容体α、GD2、GD3、及び、NY−ESO−1/LAGE、SSX−2、MAGEファミリータンパク質、MAGE−A3、gp100/pmel17、Melan−A/MART1、gp75/TRP1、チロシナーゼ、TRP2、CEA、PSA、TAG−72、未成熟ラミニン受容体、MOK/RAGE−1、WT−1、SAP−1、BING−4、EpCAM、MUC1、PRAME、サバイビン、BRCA1、BRCA2、CDK4、CML66、MART−2、p53、Ras、β−カテニン、TGF−βRII、HPV E6、またはHPV E7、に由来するペプチド、を含む、MHC/ペプチド複合体、が挙げられるがこれらに限定されない。例えば、一部の実施形態では、本開示の抗体は、CD123(IL−3受容体αとしても周知)と結合するモノクローナル抗体、例えば、タラコツズマブ(CSL362及びJNJ−56022473としても周知)などと組み合わせて投与される。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、NK細胞が発現する抗原と結合する第2の抗体と組み合わせて投与される。NK細胞が発現する例示的な抗原としては、NKR−P1A(KLRB1)、CD94(NKG2A)、KLRG1、KIR2DL5A、KIR2DL5B、KIR2DL1、KIR2DL2、KIR2DL3、KIR2DS2、KIR2DS3、KIR2DS4、KIR2DS5、KIR3DS1、KIR2DS1、CD94(NKG2C/E)、NKG2D、CD160(BY55)、CD16(FcγRIIIA)、NKp46(NCR1)、NKp30(NCR3)、NKp44(NCR2)、DNAM1(CD226)、CRTAM、CD27、NTB−A(SLAMF6)、PSGL1、CD96(Tactile)、CD100(SEMA4D)、NKp80(KLRF1、CLEC5C)、SLAMF7(CRACC、CS1、CD319)、及びCD244(2B4、SLAMF4)、が挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、免疫療法剤と組み合わせて投与される。免疫療法剤とは、免疫系を標的とし免疫系の治療的なリダイレクトを促進する任意の治療薬、例えば、共刺激経路の調節薬、がんワクチン、組換え的に改変された免疫細胞などを指す。例示的かつ非限定的な免疫療法剤については、以下に記載する。理論に束縛されるものではないが、本開示のデコイポリペプチドは、例えば、マクロファージとその他の免疫細胞(例えば、Tエフェクター細胞など)の両方を活性化させて腫瘍細胞に向かわせるという相補的な作用機序により、免疫療法剤と共に用いるのに好適であると考えられる。一部の実施形態では、免疫療法剤は、抗体であるまたは抗体を含む。免疫療法抗体の例示的な抗原は当該技術分野において周知であり、それらとしては、BDCA2、BDCA4、ILT7、LILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4、LILRB5、Siglec−3、Siglec−7、Siglec−9、Siglec−10、Siglec−15、FGL−1、CD200、CD200R、CSF−1R、CD24、CD40、CD40L、CD163、CD206、DEC205、CD47、CD123、アルギナーゼ、IDO、TDO, AhR、EP2、COX−2、CCR2、CCR−7、CXCR1、CX3CR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR7、TGF−β RI、TGF−β RII、c−Kit、CD244、L−selectin/CD62L、CD11b、CD11c、CD68、41BB, CTLA4、PD1、PD−L1、PD−L2、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、HVEM、CCR4、CD25、CD103、KIrg1、Nrp1、CD278、Gpr83、TIGIT、CD154、CD160、TNFR2、PVRIG、DNAM、及びICOS、が挙げられるがこれらに限定されない。承認済みまたは後半段階の臨床試験中の免疫療法剤としては、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブなどが挙げられるがこれらに限定されない。ある特定の実施形態では、本開示のデコイポリペプチドは、PD−L1/PD−1経路の阻害剤、例えば、抗PD−L1抗体または抗PD−1抗体と組み合わせて投与される。本明細書で示すとおり、本開示のデコイポリペプチド及びPD−L1/PD−1経路の阻害剤の組み合わせ投与は、相乗的な抗腫瘍活性をもたらし得る。一部の実施形態では、免疫療法剤は、ワクチン、腫瘍崩壊ウイルス、養子細胞療法薬、サイトカイン、または低分子免疫療法剤である、または、ワクチン、腫瘍崩壊ウイルス、養子細胞療法薬、サイトカイン、または低分子免疫療法剤を含む。このような免疫療法剤の例は当該技術分野において周知である。例えば、養子細胞療法及び養子細胞療法薬としては、キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR−T)、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、TCR操作T細胞、TCR改変NK細胞、及びマクロファージ細胞製品を挙げることができるがこれらに限定されない。ワクチンとしては、ポリヌクレオチドワクチン、ポリペプチドワクチン、または細胞ベース(例えば、腫瘍細胞ベースまたは樹状細胞ベース)のワクチンを挙げることができるがこれらに限定されない。がんの治療に有用な様々なサイトカインは周知であり、それらとしては、IL−2、IL−15、IL−7、IL−10、IL−12、IL21、TNFa、IFN、GM−CSF、及び操作サイトカイン変異体が挙げられるがこれらに限定されない。低分子免疫療法剤としては、IDO/TDO阻害剤、AhR阻害剤、アルギナーゼ阻害剤、A2a R阻害剤、TLRアゴニスト、STINGアゴニスト、及びRig−1アゴニストを挙げることができるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、化学療法剤または低分子抗がん剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本開示のデコイポリペプチドは、免疫療法剤及び、化学療法剤または低分子抗がん剤と組み合わせて投与される。例えば、キナーゼ阻害剤またはシグナル伝達経路(例えば、PAK4、PI3K、mTORなど)のその他の阻害剤が、免疫系の調節と組み合わせて、がんの治療において有用であり得ると考えられる。それゆえ、本開示のデコイポリペプチドは、1種または複数種の化学療法剤及び/または低分子(例えば、キナーゼ阻害剤)と組み合わせて、がんの治療において有用であり得る。一部の実施形態では、標的化低分子阻害剤は、VEGFR及び/またはPDGFR阻害剤、EGFR阻害剤、ALK阻害剤、CDK4/6阻害剤、PARP阻害剤、mTOR阻害剤、KRAS阻害剤、TRK阻害剤、BCL2阻害剤、B−raf阻害剤、IDH阻害剤、PI3K阻害剤、DDR(DNA損傷応答)阻害剤、または低メチル化剤である。他の例では、標的化低分子は、CD47を発現する細胞の細胞シグナル伝達経路を調節し、例えば、IDO/TDO阻害剤、AhR阻害剤、アルギナーゼ阻害剤、A2a R阻害剤、TLRアゴニスト、STINGアゴニスト、またはRig−1アゴニストである。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、少なくとも2種の追加の薬剤(例えば、抗がん剤など)と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、少なくとも2種の追加の薬剤(例えば、抗がん剤)は、異なる部類に由来する、及び/または、異なる作用機序によりその抗がん作用を発揮する。例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、化学療法剤(本明細書に記載の化学療法剤を含むがこれらに限定されない)及び治療抗体(本明細書に記載の治療抗体、例えば、抗HER2抗体を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、化学療法剤(本明細書に記載の化学療法剤を含むがこれらに限定されない)及び低分子阻害剤(本明細書に記載の低分子阻害剤を含むがこれらに限定されない)と組み合わせて投与される。他の組み合わせにも企図される。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、第2の療法と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、第2の療法は、放射線療法(例えば、ガンマ線、X線、及び/または腫瘍細胞への放射性同位体の直接送達)、マイクロ波、UV照射、または遺伝子療法である。例えば、治療用遺伝子としては、細胞増殖誘導因子(がん遺伝子)のアンチセンス型、細胞増殖抑制因子(腫瘍抑制因子)、またはプログラム細胞死誘導因子(プロアポトーシス遺伝子)が挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に記載の組み合わせ治療は、外科手術(例えば、切除術)と組み合わせて実施される。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、限定するわけではないが、例えば、下痢止め薬、制吐薬、鎮痛剤、オピオイド、及び/または非ステロイド性抗炎症剤を含む1種または複数種の薬剤と組み合わせて投与される。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、シクロホスファミド、またはイミタニブ、またはダクリズマブ、及び/または他の抗がん剤を用いた治療を前もって受けたことがある対象に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、シクロホスファミド及び/またはその他の抗がん剤を用いた治療を前もって受けたことがない対象に投与される。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドを用いた治療は、がんを患う対象の寿命を延長する及び/または生存率を高める。一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドを用いた治療は、がんを患う対象(例えば、対象が本明細書に記載のデコイポリペプチドを用いた治療を受ける場合に、副作用を引き起こす低用量の抗がん剤を必要とする対象)の生活の質を向上させる。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドを用いた治療は、対象における貪食またはADCCを誘導及び/または持続させる。貪食は、専業的な貪食細胞(例えば、単球、マクロファージ、好中球、樹状細胞、または肥満細胞)による貪食、非専業的な貪食細胞(例えば、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞、または間葉系細胞)による貪食、またはその両方による貪食を含む。ADCCは、好中球、単球、及びナチュラルキラー細胞を含む骨髄細胞による抗体依存性細胞介在性細胞傷害を含む。貪食及びADCCの測定は、例えば、蛍光顕微鏡またはフローサイトメトリーを含む任意の周知の方法により実施される。一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドを用いた治療は、SIRPγバリアント、SIRPβ1バリアント、またはSIRPβ2バリアントを含むデコイポリペプチドを、M1プライムまたはCD38に対する抗体と組み合わせることにより、喘息またはアレルギーを有する対象における、IgE産生B細胞及びIgE産生形質細胞の抗体依存性細胞介在性貪食(ADCP)またはADCCを誘導及び/または増強する。
本明細書ではまた、ウイルス感染症、ウイルス障害、またはウイルス症状を有する対象に本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む、個体におけるウイルス感染症、ウイルス障害、またはウイルス症状を治療するための方法を提供する。一部の実施形態では、ウイルス感染症、ウイルス障害、またはウイルス症状は、慢性である。一部の実施形態では、ウイルス感染症、ウイルス障害、またはウイルス症状は、急性である。一部の実施形態では、ウイルス感染症、ウイルス障害、またはウイルス症状は、Adenoviridae、例えば、アデノウイルスなど、Herpesviridae、例えば、単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタインバーウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、またはヒトヘルペスウイルス8型など、Papillomaviridae(例えば、ヒトパピローマウイルスなど)、Polyomaviridae(例えば、BKウイルスまたはJCウイルスなど)、Poxviridae(例えば、天然痘など)、Hepadnaviridae(例えば、B型肝炎ウイルスなど)、Parvoviridae(例えば、ヒトボカウイルスまたはヒトパルボウイルスなど)、Astroviridae(例えば、ヒトアストロウイルスなど)、Caliciviridae(例えば、ノーウォークウイルスなど)、Picomaviridae(例えば、コクサッキーウイルス、A型肝炎ウイルス、ポリオウイルス、ライノウイルスなど)、Coronaviridae(例えば、重症急性呼吸器症候群ウイルスなど)、Flaviviridae(例えば、C型肝炎ウイルス、黄熱ウイルス、デング熱ウイルス、ウエストナイルウイルスなど)、Togaviridae(例えば、風疹ウイルスなど)、Hepeviridae(例えば、E型肝炎ウイルスなど)、Retroviridae(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)など)、Orthomyxoviridae(例えば、インフルエンザウイルスなど)、Arenaviridae(例えば、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、またはサビアウイルスなど)、Bunyaviridae(例えば、クリミアコンゴ出血熱ウイルスなど)、Filoviridae(例えば、エボラウイルスまたはマールブルグウイルスなど)、Paramyxoviridae(例えば、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、またはニパウイルスなど)、Rhabdoviridae(例えば、狂犬病ウイルスなど)、D型肝炎ウイルス、またはReoviridae(例えば、ロタウイルス、オルビウイルス、コルチウイルス、バンナウイルスなど)、である。特定の態様では、ウイルス感染症、ウイルス障害、またはウイルス症状は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトサイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、C型肝炎ウイルス、またはB型肝炎ウイルスである。
本明細書ではまた、細菌感染症、細菌障害、または細菌症状を有する対象に本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む、対象における細菌感染症、細菌障害、または細菌症状を治療するための方法を提供する。一部の実施形態では、細菌感染症、細菌障害、または細菌症状は、慢性である。一部の実施形態では、細菌感染症、細菌障害、または細菌症状は、急性である。一部の実施形態では、細菌感染症は、Bacillus、例えば、Bacillus anthracisまたはBacillus cereusなど、Bartonella、例えば、Bartonella henselaeまたはBartonella quintanaなど、Bordetella、例えば、Bordetella pertussisなど、Borrelia、例えば、Borrelia burgdorferi、Borrelia garinii、Borrelia afzelii、Borrelia recurrentisなど、Brucella、例えば、Brucella abortus、Brucella canis、Brucella melitensis、またはBrucella suisなど、Campylobacter、例えば、Campylobacter jejuniなど、ChlamydiaまたはChlamydophila、例えば、Chlamydia pneumoniae、Chlamydia trachomatis、Chlamydophila psittaciなど、Clostridium、例えば、Clostridium botulinum、Clostridium difficile、Clostridium perfringens、Clostridium tetaniなど、Corynebacterium、例えば、Corynebacterium diphtheriaeなど、Enterococcus、例えば、Enterococcus faecalisまたはEnterococcus faeciumなど、Escherichia、例えば、Escherichia coliなど、Francisella、例えば、Francisella tularensisなど、Haemophilus、例えば、Haemophilus influenzaeなど、Helicobacter、例えば、Helicobacter pyloriなど、Legionella、例えば、Legionella pneumophilaなど、Leptospira、例えば、Leptospira interrogans、Leptospira santarosai、Leptospira weilii、またはLeptospira noguchiiなど、Listeria、例えば、Listeria monocytogenesなど、Mycobacterium、例えば、Mycobacterium leprae、Mycobacterium tuberculosis、またはMycobacterium ulceransなど、Mycoplasma、例えば、Mycoplasma pneumoniaeなど、Neisseria、例えば、Neisseria gonorrhoeaeまたはNeisseria meningitidisなど、Pseudomonas、例えば、Pseudomonas aeruginosaなど、Rickettsia、例えば、Rickettsia rickettsiiなど、Salmonella、例えば、Salmonella typhiまたはSalmonella typhimuriumなど、Shigella、例えば、Shigella sonneiなど、Staphylococcus、例えば、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus saprophyticusなど、Streptococcus、例えば、Streptococcus agalactiae、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenesなど、Treponema、例えば、Treponema pallidumなど、Vibrio、例えば、Vibrio choleraeなど、Yersinia、例えば、Yersinia pestis、Yersinia enterocolitica、またはYersinia pseudotuberculosisなど、である。
本明細書ではまた、本明細書に記載のデコイポリペプチドを対象に投与することを含む、対象における貧血を治療するための方法を提供する。一部の実施形態では、貧血は、サラセミア、再生不良性貧血、溶血性貧血、鎌状赤血球貧血、悪性貧血、またはファンコニ貧血である。
本明細書ではまた、臓器移植を受ける対象に本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む、移植を受ける人物を治療するための方法を提供する。一部の実施形態では、移植臓器は、心臓、肺、心臓及び肺、腎臓、肝臓、膵臓、腸、胃、精巣、手、角膜、皮膚、ランゲルハンス島、骨髄、幹細胞、血液、血管、心臓弁、または骨である。
本明細書ではまた、自己免疫疾患を有する対象に本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与することを含む、自己免疫疾患または炎症性疾患を有する人物を治療するための方法を提供する。一部の実施形態では、自己免疫疾患は、抗体介在性の炎症性または自己免疫疾患、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全症、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索ニューロパチー及び神経細胞ニューロパチー、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)、チャーグストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、特発性混合型クリオグロブリン血症、脱髄性ニューロパチー、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エバンス症候群、線維筋痛症、線維性肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)(以前はウェゲナー肉芽腫症と呼ばれていた)、グレーヴス病、ギランバレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホシェーンライン紫斑病、妊娠ヘルペス、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節リポタンパク質、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(I型糖尿病)、若年性筋炎、川崎病、ランバートイートン症候群、血管炎、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA疾患(LAD)、狼瘡(SLE)、ライム病、慢性メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハハーベルマン病、多発性硬化症、移植片対宿主病、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(デビック)、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、PANDAS(連鎖球菌関連小児自己免疫性神経精神疾患)、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリーロンベルク症候群、パーソネージターナー症候群、扁平部炎(周辺部ぶどう膜炎)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲性脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、I型、II型、及びIII型の自己免疫性多腺性症候群、リウマチ性多発性筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、急性冠症候群、虚血性再灌流、重症筋無力症、喘息、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィ、ライター症候群、再発性多発軟骨炎、レストレスレッグス症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、脊椎関節症、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、急性冠症候群、シェーグレン症候群、進行性全身硬化症、精子自己免疫及び精巣自己免疫、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサハント症候群、横断性脊髄炎、I型糖尿病、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病(UCTD)、ぶどう膜炎、血管炎、小胞水疱性皮膚病、白斑症またはウェゲナー肉芽腫症(現在は多発血管炎性肉芽腫症(GPA)と呼ばれる)、である。上記の疾患はこのカテゴリーに分類され、自己反応性T細胞または自己反応性B細胞の枯渇は両方とも、列挙した自己免疫疾患を治療するためのレジメンの一部であり得る。
用量
本明細書に記載のデコイポリペプチドを必要とする対象に対するその用量は、対象の体重、体表面積、及び/または疾患状態を含むがこれらに限定されないいくつかの因子によって決まる。一部の実施形態では、デコイポリペプチドを投与する対象は、単一の生物である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは組み合わせて投与され、対象は、哺乳動物、例えば、霊長類などである。一部の実施形態では、対象は、非ヒト霊長類、例えば、アカゲザルまたはカニクイザルなどである。一部の実施形態では、対象はヒトである。一部の実施形態では、対象は、医療または治療を待望している患者、または、医療及び治療を受けている患者である。
一部の実施形態では、対象に投与されるデコイポリペプチドの用量は、対象の体重に正規化される。一部の実施形態では、対象は、単回投与または累積投与のいずれかで、約10μg/kg、約50μg/kg、約100μg/kg、約200μg/kg、約300μg/kg、約400μg/kg、約500μg/kg、約600μg/kg、約700μg/kg、約800μg/kg、約900μg/kg、約1,000μg/kg、約1,100μg/kg、1,200μg/kg、1,300μg/kg、1,400μg/kg、1,500μg/kg、1,600μg/kg、1,700μg/kg、1,800μg/kg、1,900μg/kg、約2,000μg/kg、約3000μg/kg、約4000μg/kg、約5000μg/kg、約6000μg/kg、約7000μg/kg、約8000μg/kg、約9000μg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kg、約40mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg、約70mg/kg、約80mg/kg約90mg/kg、約100mg/kg、約200mg/kg、約300mg/kg、約400mg/kg、約500mg/kg、約600mg/kg、約700mg/kg、約800mg/kg、約900mg/kg、または約1000mg/kgの用量の本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与される。一部の実施形態では、対象に与えられる用量は、週に約7000mg/kgのデコイポリペプチドである。一部の実施形態では、対象に与えられる用量は、週に約70mg/kgのデコイポリペプチドである。一部の実施形態では、対象に与えられる用量は、週に約7mg/kgのデコイポリペプチドである。一部の実施形態では、対象に与えられる用量は、週に約1,000μg、500μg、250μg、100μg、または50μgのデコイポリペプチドのうちのいずれか1つである。
一部の実施形態では、対象は、例えば、毎日複数回、毎日、隔日、1週間に1回、1週間おきに1回、2週間おきに1回、月に1回、または任意のその他の好適な投与レジメンで、本明細書に記載のデコイポリペプチドの用量を受ける。一部の実施形態では、対象は、持続注入で、デコイポリペプチドの用量を受ける。一部の実施形態では、定期的に投与することは、本明細書に記載のデコイポリペプチドの用量を、一定期間にわたり1週間に1回投与することを包含する。一部の実施形態では、投与レジメンは、デコイポリペプチド送達のその他の変更を任意選択的に含む。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、医師の裁量で、週に1回、2回、3回、4回、5回、6回、またはそれ以上の回数で投与される。一部の実施形態では、対象は、一定期間にわたり少なくとも5回の用量を与えられる。一部の実施形態では、対象は、5回超または5回未満の用量を与えられる。一部の実施形態では、対象は、約10mg/kgの用量のデコイポリペプチドを毎週与えられる。一部の実施形態では、対象は、週に2回5mg/kgの2回の用量、または5日間にわたり毎日2mg/kgの用量を与えられる。
これらの用量例は限定するものではなく、約10mg/kgの本明細書に記載のデコイポリペプチドを投与するための特定の投与レジメンを単に例示するために使用するものである。例えば、所与の状況における適切な用量が週に10mg/kgである場合、用量は、任意の変更、例えば、週に4回の2.5mg/kgの注射に任意選択的に分割される。このことはまた、特定の状況における適切な用量が10mg/kg超または10mg/kg未満である場合にもあてはまる。
一部の実施形態では、デコイポリペプチドを対象に投与する期間は、疾患のステージ、患者の病歴、及び主治医の裁量によって決められた任意の好適な期間である。このような好適な期間の例としては、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約7ヶ月間、少なくとも約8ヶ月間、少なくとも約9ヶ月間、少なくとも約10ヶ月間、少なくとも約11ヶ月間、少なくとも約12ヶ月間、少なくとも約13ヶ月間、少なくとも約14ヶ月間、少なくとも約15ヶ月間、少なくとも約16ヶ月間、少なくとも約17ヶ月間、少なくとも約18ヶ月間、少なくとも約19ヶ月間、少なくとも約20ヶ月間、少なくとも約21ヶ月間、少なくとも約22ヶ月間、少なくとも約23ヶ月間、もしくは少なくとも約24ヶ月間、またはそれ以上の期間、が挙げられるがこれらに限定されない。特定の態様では、治療期間は、必要に応じて24ヶ月間よりも長く、例えば、30ヶ月間、31ヶ月間、32ヶ月間、33ヶ月間、34ヶ月間、35ヶ月間、36ヶ月間、または36ヶ月間よりも長く続く。一部の実施形態では、期間は、6ヶ月間、1年間、または2年間である。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法のいずれかにおける投与の期間は、少なくとも約2週間、少なくとも約4週間、少なくとも約8週間、少なくとも約16週間、少なくとも約17週間、少なくとも約18週間、少なくとも約19週間、少なくとも約20週間、少なくとも約24週間、少なくとも約28週間、少なくとも約32週間、少なくとも約36週間、少なくとも約40週間、少なくとも約44週間、少なくとも約48週間、少なくとも約52週間、少なくとも約60週間、少なくとも約68週間、少なくとも約72週間、少なくとも約80週間、少なくとも約88週間、少なくとも約96週間、または少なくとも約104週間である。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは、治療の異なるフェーズにおいて投与される。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、治療フェーズと維持フェーズの両方において投与される。一部の実施形態では、治療フェーズが、毎週の用量の、デコイポリペプチド製剤の投与を含むが、維持フェーズは、より長い期間、例えば、約6週間毎、約7週間毎、約8週間毎、約9週間毎、約10週間毎、約11週間毎、約12週間毎、またはそれ以上の期間毎などである。一部の実施形態では、治療フェーズに与えられる用量は、維持フェーズに与えられる用量よりも多い。治療フェーズ及び維持フェーズは、治療フェーズと維持フェーズの間の期間及び用量が上の例から変化するように、個々の対象に対して設計される。一般的に、維持フェーズは、適切と思われる任意の時点で開始される。一部の実施形態では、治療フェーズは8週間であり、維持フェーズは対象の生涯にわたって続く。一部の実施形態では、治療フェーズのみまたは維持フェーズのみを実施する。
一部の実施形態では、本明細書に記載のデコイポリペプチドは予防的に与えられる。一部の実施形態では、デコイポリペプチドの投与は、対象(例えば、がん、例えば、乳癌などを遺伝的に発症しやすい対象、細菌感染症またはウイルス感染症を発症しやすい対象、間もなく臓器移植を受ける対象、または、貧血または自己免疫疾患を発症しやすい対象)における疾患の発症を予防する。
対象が本明細書に記載のデコイポリペプチドを継続すべき時間の量は、主治医によって決定される。一部の実施形態では、対象の寿命の残りの間、デコイポリペプチドを投与することが有利である。一部の実施形態では、デコイポリペプチドは、身体の4つの四分円、例えば、リンパ節の近傍(例えば、それぞれの腋窩)、それぞれの臀部(例えば、皮下)などにおいて投与される。このような実施形態の一部では、デコイポリペプチドは、ポンプによって投与される。一部の実施形態では、ポンプ及び/または送達用デバイスは、長期にわたる投与が可能となるように対象に植え込まれる。植込み可能なポンプとしては、Alzet(登録商標)浸透圧ポンプが挙げられるがこれらに限定されない。
キット
本明細書では、本明細書に記載のデコイポリペプチドを含むキットを提供する。このようなキットは、デコイポリペプチドを含有する第1の薬物生成物バイアル、及び本明細書に記載の復元用の好適な滅菌液を含有する第2のバイアル、を含む。一部の実施形態では、キットは、第1のバイアル、すなわち、120%充填に相当する、300μgのデコイポリペプチドを含有する薬物生成物バイアルを含む。この余剰分は、特定用量の吸引及び投与を容易とすることを目的としたものである。一部の実施形態では、キットは、注射用の最大1mLの0.9%塩化ナトリウム溶液を含有する第2のバイアルを更に含む。注射用の0.6mLの塩化ナトリウム溶液(0.9%重量/体積)で薬物生成物を復元した後、薬物生成物バイアルは、250μgのデコイポリペプチドに相当する送達用の0.5mLを生じさせる。例えば、用量が合計でmgである場合、用量あたり4つのバイアルが必要となる。
本明細書において一部の実施形態を提示し記載したが、このような実施形態が単なる例として提供されていることは当業者に明らかである。本明細書に記載の実施形態を逸脱することのない多数の変形形態、変更、置換えが今や当業者の心に浮かぶであろう。本明細書に記載の実施形態に代わる様々な方法を採用して上記のデコイポリペプチドを作製及び使用することが可能であることを理解すべきである。以下の請求項が本発明の範囲を定め、それにより、これら請求項の範囲内の方法及び構成ならびにその等価物が対象として含まれるということを意図している。
実施例1:ヒトCD47への高い結合性を有するデコイポリペプチドの作製
以下の実施例では、(a)CD47に対する向上した親和性を有するSIRPγ d1ドメインバリアント、CD47に対する向上した親和性を有するSIRPβ1 d1ドメインバリアント、またはCD47に対する向上した親和性を有するSIRPβ2 d1ドメインバリアント、及び(b)低下されたエフェクター機能を有する、またはエフェクター機能が除去されたヒトFcバリアント、を含むデコイポリペプチドの設計及び構築について記載する。
材料及び方法
デコイポリペプチドの作製、発現、及び精製
特定の置換変異を含む、ヒトSIRPα v1(NP_542970.1、配列番号81)、ヒトSIRPγ(NP_061026.2、配列番号1)、ヒトSIRPβ1(SIRPベータ1アイソフォーム1としても周知、NP_006056.2、配列番号25)、及びヒトSIRPβ2(SIRPベータ1アイソフォーム3としても周知、Q5TFQ8、配列番号27)のD1ドメインバリアントをコードする核酸配列をGenewizで合成した。配列番号81、1、25、及び27のアミノ酸配列を、以下に記載する:
EEELQVIQPD KSVLVAAGET ATLRCTATSL IPVGPIQWFR GAGPGRELIY NQKEGHFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRIGN ITPADAGTYY CVKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号81)
EEELQMIQPE KLLLVTVGKT ATLHCTVTSL LPVGPVLWFR GVGPGRELIY NQKEGHFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPE NVEFKSGPGT EMALGAKPS(配列番号1)
EDELQVIQPE KSVSVAAGES ATLRCAMTSL IPVGPIMWFR GAGAGRELIY NQKEGHFPRV TTVSELTKRN NLDFSISISN ITPADAGTYY CVKFRKGSPD DVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号25)
EEELQVIQPD KSISVAAGES ATLHCTVTSL IPVGPIQWFR GAGPGRELIY NQKEGHFPRV TTVSDLTKRN NMDFSIRISN ITPADAGTYY CVKFRKGSPD HVEFKSGAGT ELSVRAKPS(配列番号27)。
次に、エフェクター機能を低下させたヒトIgG−Fcドメインをコードする核酸配列にそれらの核酸を融合させた。作製したデコイポリペプチドを表2に示す。次に、それぞれのデコイポリペプチドをコードするタンパク質発現構築物を作製した。
Figure 2021534769
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標準的な製造業者のプロトコルを用いて、それぞれのデコイポリペプチドをExpi293細胞(Invitrogen)内で発現させた。発現培養物を典型的には、8%CO、37℃で5日間増殖させた。遠心分離により細胞培養上清を回収してから、滅菌濾過した。MabSelect Sure LX樹脂(GE Healthcare)を利用してタンパク質をアフィニティー精製してから、1×PBS(リン酸緩衝食塩水、pH7.4)中で透析した。還元条件下または非還元条件下のいずれかのSDS−PAGEを用いて精製タンパク質を分離してから、クマシー染色を用いて検出を行った。
CD47に対するデコイポリペプチドの結合親和性(KD)の測定
ビオチン化プロテインAによる間接的な捕捉(NLCチップによる)を用いて、様々な種に由来するCD47(例えば、ヒトCD47、カニクイザルCD47、及びマウスCD47)に対するそれぞれのデコイポリペプチドの結合親和性を測定した。全ての実験は、表面プラズモン共鳴(SPR)をベースとしたProteOn XPR36バイオセンサー(BioRad,Inc.,Hercules,CA)を用いて25℃で実施した。泳動バッファーは、0.01%Tween−20を含むpH7.4のPBS(PBST+)であった。全ての検体を、A280吸光度で測定したその公称濃度で使用し、そのモル計算吸光係数を使用した。他に記載のとおりに、「ワンショット」キネティックモードでCD47検体を注入した(例えば、Bravman et al.,(2006)Anal.Biochem.358:281−288を参照のこと)。
第1のステップとして、NLCチップ上に15μg/mLのビオチン化プロテインA(Thermofisher)を30μL/分で120秒間注入して、約1000〜1200RUの固定化反応を得た。次に、デコイポリペプチド(約100〜160nM)を30μL/分で80秒間注入した。それに続き、100nM、33nM、11nM、3.7nM、1.2nM、及び0nMの公称濃度のCD47検体(ヒト、カニクイザル、及びマウスに由来する)を「ワンショット」キネティックモードで注入した。25μL/分で結合時間を60秒間モニターし、解離時間を500秒間モニターした。Pierce IgG溶出バッファー/4M NaClの2:1(体積/体積)混合液を用いて表面を再生させた。反応スポットデータ(固定タンパク質)からスポット間データ(固定タンパク質を含有しない)を差し引いてから、検体注入の反応からバッファー「ブランク」検体注入の反応を差し引くことにより、バイオセンサーデータを二重参照した。二重参照データを単純なラングミュアモデルに全体的にフィッティングして、見かけの動力学的速度定数の比率からK値を算出した(K=k/k)。
SIRPαのCD47への結合を遮断するデコイポリペプチドの同定
高親和性デコイポリペプチドがSIRPαのCD47への結合を遮断するかどうかを確認するために、SPRスクリーニングを実施した。上記のとおりに調製した表面固定プロテインAにデコイポリペプチドを捕捉した。野生型SIRPαがCD47に対する低μM結合親和性を有することから、野生型SIRPαの代わりに、高nM親和性でCD47と結合するように改変した高親和性SIRPα d1ドメインバリアント(配列番号78)をスクリーニングに使用した。(低μM結合親和性は、SPRアッセイにおけるサンドイッチ形成を評価するための安定した複合体相互作用を可能としない。)先ず、約100nMの精製デコイポリペプチドを30μl/分で80秒間注入して固定プロテインA上に捕捉してから、バッファーを100μL/分で1分間短く流した。次に、0、20、55、500、または1500nMの異なる濃度で高親和性SIRPαバリアントと予備混合した100nMのヒトCD47(QLLFNKTKSV EFTFSNDTVV IPCFVTNMEA QNTTEVYVKW KFKGRDIYTF DGALNKSTVP TDFSSAKIEV SQLLKGDASL KMDKSDAVSH TGNYTCEVTE LTREGETIIE LKYRVVS(配列番号80))を、10分間の解離時間をおいて、100μL/分で1分間、別々に注入した。
結果
デコイポリペプチドの発現及び精製
精製デコイポリペプチドの非還元SDS−PAGE解析により、SIRPβ1 D1ドメインバリアントを含むデコイポリペプチドP(配列番号72)(図1Aのレーン6を参照のこと)、及び、野生型SIRPβ1 D1ドメインを含むデコイポリペプチドS(配列番号75)(図1Bのレーン5を参照のこと)の良好な発現が明らかとなった。同様に、野生型SIRPβ2 D1ドメインを含むデコイポリペプチドT(配列番号76)(図1Bのレーン6を参照のこと)、及び、バリアントSIRPβ2 D1ドメインを含むデコイポリペプチドQ(配列番号73)(図1Bのレーン3を参照のこと)の良好な発現が認められた。
それに対し、野生型SIRPγ D1ドメインを含むデコイポリペプチドR(配列番号74)は、SDS−PAGE解析において明らかな過剰発現が認められないことから、低いレベルで発現した(図1Bのレーン4を参照のこと)。同様に、異なるSIRPγ D1ドメインバリアントをそれぞれが含むデコイポリペプチドA(配列番号57)、C(配列番号59)、及びJ(配列番号66)は、低いレベルで発現した(図1Aのレーン3〜5を参照のこと)。
デコイポリペプチドがジスルフィド結合により連結した二量体として存在するかどうかを確認するために、タンパク質内のジスルフィド結合を崩壊させる還元条件下でもSDS−PAGE解析を実施した。図1Aに示すとおり、デコイポリペプチドPの非還元SDS−PAGEの98kDaと148kDaの間に認められた高分子量バンド(図1Aのレーン6を参照のこと)は、還元SDS−PAGE解析では消失し、より低分子量のバンド(約50kDa)が現れた(図1Aのレーン12を参照のこと)。これらの結果は、デコイポリペプチドPが二量体として発現していることを示した。同様に、図1Bに示すとおり、デコイポリペプチドQ、R、S、及びTの非還元SDS−PAGEの98kDaと148kDaの間に認められた高分子量バンドは、還元SDS−PAGE解析では消失し、より低分子量のバンド(約50kDa)が現れており、デコイポリペプチドQ、R、S、及びTが同様に二量体として存在していることを示した。デコイポリペプチド二量体がおそらくはFcドメインを介してジスルフィド結合により連結していると考えられる。ヒトCD47に対するSIRPγバリアントの結合動態
SIRPγD1ドメインバリアントまたは野生型SIRPγD1ドメインを含むデコイポリペプチドのヒトCD47に対する親和性(K)をSPRを用いて測定した。表3に示すとおり、SIRPγD1ドメインバリアントを含むいくつかのデコイポリペプチドは、野生型SIRPγD1ドメインを含むデコイポリペプチドと比較して、hCD47に対する向上した親和性を有していた。それぞれが異なるSIRPγD1ドメインバリアントを含むデコイポリペプチドB(配列番号58)、C(配列番号59)、D(配列番号60)、F(配列番号62)、G(配列番号63)、H(配列番号64)、J(配列番号66)、及びL(配列番号68)は、デコイポリペプチドR(配列番号74)のヒトCD47に対する親和性と比較して545〜9012倍高い親和性で、ヒトCD47に結合した。(上の表2及び以下の表3に記載のとおり、デコイポリペプチドRは野生型SIRPγD1ドメインを含む。)
Figure 2021534769
Figure 2021534769
ヒトCD47に対するSIRPβバリアントの結合動態
SIRPβ1 d1ドメインバリアント、SIRPβ2 D1ドメインバリアント、野生型SIRPβ1 d1ドメイン、または野生型SIRPβ2 d1ドメインを含むデコイポリペプチドのヒトCD47に対する親和性(K)をSPRを用いて測定した。表4に示すとおり、野生型SIRPβ1 d1ドメインを含むデコイポリペプチドS(配列番号75)、及び野生型SIRPβ2 D1ドメインを含むデコイポリペプチドT(配列番号76)は、ヒトCD47に結合しなかった。驚くべきことに、SIRPβ1 d1ドメインバリアントを含むデコイポリペプチドP(配列番号72)、及びSIRPβ2 d1ドメインバリアントを含むデコイポリペプチドQ(配列番号73)は、0.21nM〜0.35nMの範囲のK値でヒトCD47に結合した。
Figure 2021534769
ヒトCD47、カニクイザルCD47、及びマウスCD47に対するSIRPγバリアント及びSIRPβバリアントの結合動態
次に、ヒトCD47、カニクイザルCD47、及びマウスCD47に対する、野生SIRPβ1 D1ドメイン、SIRPβ2 D1ドメイン、またはSIRPγ D1ドメインを含むデコイポリペプチドの親和性(K)を、SPRを用いて測定した。
表4に示すとおり、野生型ヒトSIRPγ D1ドメインを含むデコイポリペプチドR(配列番号74)は、マウスCD47に結合しなかった。それに対し、異なるSIRPγ D1ドメインバリアントをそれぞれが含むデコイポリペプチドC(配列番号59)及びJ(配列番号66)は、それぞれ0.9nM及び1.3nMのK値の高親和性で、マウスCD47に結合した(表4を参照のこと)。加えて、デコイポリペプチドC及びJはまた、それぞれ2.74E−10及び3.30E−10のK値の高親和性で、カニクイザルCD47に結合した。
野生型ヒトSIRPβ1 D1ドメインを含むデコイポリペプチドS(配列番号75)、及び野生型ヒトSIRPβ2 D1ドメインを含むデコイポリペプチドT(配列番号76)は、ヒトCD47、カニクイザルCD47、またはマウスCD47への結合を示さなかった。それに対し、SIRPβ1 D1ドメインバリアントを含むデコイポリペプチドP(配列番号72)、及びSIRPβ2 D1ドメインバリアントを含むデコイポリペプチドQ(配列番号73)は、マウスCD47へのある程度の結合性を示し、高親和性でカニクイザルCD47に結合した。表4の最後の列に示すとおり、デコイポリペプチドC、J、P、及びQはそれぞれ、CD47に対するSIRPαの結合を阻害した。
SIRPα d1ドメインバリアントを含むデコイポリペプチドU(配列番号77)を陽性対照として用いた。デコイポリペプチドUは、ヒトCD47(K=0.19nM)、カニクイザルCD47(K=0.22nM)、及びマウスCD47(K=7.8nM)に高親和性で結合した。
Figure 2021534769
実施例2:SIRPγ D1ドメインバリアント、SIRPα d1ドメインバリアント、SIRPβ1 D1ドメインバリアント、及びSIRPβ2 D1ドメインバリアントの配列解析
以下の実施例では、SIRPγ D1ドメインバリアント、SIRPα D1ドメインバリアント、SIRPβ1 D1ドメインバリアント、及びSIRPβ2 D1ドメインバリアントのアミノ酸配列を解析して、CD47に対する結合性の向上に重要な残基を同定した。
野生型ヒトSIRPβ1及び野生型ヒトSIRPβ2がヒトCD47と結合しない(例えば、表3〜4を参照のこと)一方で、野生型ヒトSIRPγは、低μM親和性でヒトCD47に結合する。野生型ヒトSIRPαは、野生型ヒトSIRPγと比較して10倍より高い親和性でヒトCD47に結合する。
上に記載したCD47に対する結合親和性の差異にもかかわらず、野生型SIRPα D1ドメイン(配列番号81)は、SIRPγ(配列番号1)の野生型D1ドメインと比較して、SIRPβ1(配列番号25)及びSIRPβ2(配列番号27)の野生型D1ドメインに対するより高い配列同一性を有している。図2に示すように、野生型SIRPα D1ドメイン(配列番号81)は、SIRPβ1(配列番号25)及びSIRPβ2(配列番号27)の野生型D1ドメインに対してそれぞれ90%及び94%の配列同一性を有していた。それに対し、野生型SIRPα D1ドメインは、野生型SIRPγ D1ドメイン(配列番号1)に対して81%の配列同一性を有していた。同様に、野生型SIRPα D1ドメインは、SIRPβ1及びSIRPβ2の野生型D1ドメインに対してそれぞれ95%及び97%の配列類似性を有する一方で、野生型SIRPγに対して92%の配列類似性を有していた。
図2に示すように、野生型と比較してCD47に対する向上した親和性(nM〜pM)を示す、SIRPγD1ドメインバリアント、SIRPβD1ドメインバリアント、SIRPβ2D1ドメインバリアント、またはSIRPα D1ドメインバリアントを含むデコイポリペプチドは、互いの間における様々なパーセンテージの配列同一性及び配列類似性を示した。配列類似性は、全てのギャップなし位置におけるそれぞれの配列ペア間の同一アミノ酸及び類似アミノ酸のパーセンテージとして定義した。配列同一性は、全てのギャップなし位置におけるそれぞれの配列ペア間の同一残基のパーセンテージとして定義した。
SIRPβ D1ドメインバリアント及びSIRPγ D1ドメインバリアントは、76%〜82%のアミノ酸配列同一性を共有していた。同様に、SIRPαドメインバリアント及びSIRPγ D1ドメインバリアントの配列は、約82%同一であった。SIRPα D1ドメインバリアントは、SIRPβ D1ドメインバリアントと92%のアミノ酸配列同一性、及びSIRPβ2 D1ドメインバリアントと88%のアミノ酸配列同一性を共有していた。
野生型SIRPβ1 D1ドメインと高親和性バリアントSIRPβ1 D1ドメインの間の配列差異の同定及び構造モデリング
図3Aに示すとおり、野生型SIRPβ1 D1ドメイン(配列番号25)及びSIRPβ1 D1ドメインバリアント(配列番号26)の配列アライメントにより、10のアミノ酸差異、すなわちV6I、M27I、I31F、M37Q、E47V、K53R、E54Q、H56P、L66T、及びV92Iが明らかとなった。野生型SIRPβ1 D1ドメインとSIRPβ1 D1ドメインバリアントの間で異なる10の残基について、図3Bに示す構造モデルにおいて球体として強調表示している。図3Bは、CD47に結合したSIRPα D1ドメインの結晶構造(PDB:2JJS)上に重ね合わせた、野生型ヒトSIRPβ1 D1ドメインのX線結晶構造(PDB:2JJU)を示している。
野生型SIRPβ2 D1ドメインと高親和性バリアントSIRPβ2 D1ドメインの間の配列差異の同定及び構造モデリング
図4Aに示すとおり、野生型SIRPβ2 D1ドメイン(配列番号27)及びSIRPβ2 D1ドメインバリアント(配列番号28)の配列アライメントによりまた、10のアミノ酸差異、すなわちV6I、V27I、I31F、E47V、K53R、E54Q、H56P、L66T、V92I、及びH101Dが明らかとなった。野生型SIRPβ2 D1ドメインと高親和性バリアントSIRPβ2 D1ドメインの間で異なる10の残基について、図4Bに示す構造モデルにおいて球体として強調表示している。図4Bは、CD47に結合したSIRPα D1ドメインの結晶構造(PDB:2JJS)上に重ね合わせた、野生型ヒトSIRPβ2 D1ドメインのX線結晶構造(PDB:2JJV)を示している。(残基K53及びE54は図4Bにおいて可視化されていない。)
野生型SIRPγ D1ドメインとバリアントSIRPγ D1ドメインの間の配列差異の同定及び構造モデリング
図5Aに示すとおり、実施例1に記載のSIRPγ D1ドメインバリアントの配列のアライメントにより、ヒトCD47に対する結合性の向上に明確なアミノ酸条件がないことが明らかとなった。図5Bに示すとおり、野生型SIRPγ D1ドメインと、CD47に対する最も高い親和性を示した表3の4つのバリアントSIRPγ D1ドメイン(配列番号4、5、11、17、0.2nM〜0.5nMの範囲の親和性)の配列比較により、これらのバリアントのそれぞれが5のアミノ酸位置、すなわちM6I、V27I、V36I、L37Q、及びN101Dに同一の置換を含むことが明らかとなった。配列番号78のSIRPα D1ドメインバリアントが、これらのアミノ酸位置のうちの2つ、すなわち、V6I及びA27Iに置換を含む一方で、位置36、37、及び101におけるアミノ酸は非置換である。配列番号78における非置換位置のアミノ酸は、I36、Q37、及びD101である。
CD47に結合したSIRPγ D1ドメインの結晶構造を図5Cに示す(PDB:2JJW)。図5Dでは、ヒトCD47に対する最も高い親和性を有する4つ全てのSIRPγ D1ドメインバリアントにおいて変異した5つのアミノ酸残基について、球体として強調表示している。
SIRPα D1ドメイン、SIRPβ1 D1ドメイン、SIRPβ2 D1ドメイン、及びSIRPγ D1ドメインのアライメント
野生型SIRPα D1ドメイン、SIRPβ1 D1ドメイン、SIRPβ2 D1ドメイン、及びSIRPγ D1ドメインの配列をアラインして、アミノ酸残基の差異を同定して、置換された場合にCD47に対する結合性が向上するアミノ酸位置を同定した。図6に示すとおり、野生型と比較してCD47に対する向上した結合性を示すSIRPα D1ドメインバリアント、SIRPβ1 D1ドメインバリアント、SIRPβ2 D1ドメインバリアント、及びSIRPγ D1ドメインバリアントにおいて変異した残基を太字で示してある。6つのアミノ酸残基(すなわち、位置6、27、31、53、56、及び66)が、バリアントのそれぞれにおいて変異していた(矢印で示す)。これら6つの残基のうち、位置27、31、53、56、及び66は、SIRPα上のCD47に対する結合部位であることがこれまでに特性決定された領域の内部または近傍にある(囲んだ領域)。
実施例3:バリアントSIRPα D1ドメイン、バリアントSIRPβ1 D1ドメイン、バリアントSIRPβ2 D1ドメイン、及びバリアントSIRPγ D1ドメインを含むデコイポリペプチドは、マクロファージによる腫瘍細胞の貪食を増強する。
以下の実施例は、ヒトCD47に高親和性で結合するデコイポリペプチド(実施例1を参照のこと)が、セツキシマブと組み合わせて、マクロファージによる腫瘍細胞のin vitro貪食を増強することを示す。
材料及び方法
in vitro貪食アッセイ
20mlのPBSで2回洗浄することによりDLD−1細胞を培養皿から剥離してから、10mlのTrypLE Select(Gibco)中、37℃で10分間培養した。細胞を遠心分離にかけ、PBSで洗浄してから、培地に再懸濁した。製造業者の取扱説明書に従いCelltrace CFSE Cell Proliferationキット(Thermo Fisher)を用いて細胞に標識を行ってから、IMDMに再懸濁した。20mlのPBSで2回洗浄することによりマクロファージを培養皿から剥離してから、10mlのTrypLE Select中、37℃で20分間培養した。セルスクレーパー(Corning)で細胞を剥離し、PBSで洗浄してから、IMDMに再懸濁した。
100,000のDLD−1細胞、50,000のマクロファージ、デコイポリペプチドの5倍系列希釈液(100nMから6.4pM、または1μMから64pM)、及び0.01μg/mlのセツキシマブまたは同一アイソタイプの対照抗体を含有する超低付着性U底96ウェルプレート(Corning)を用いて貪食アッセイを構築した。5パーセント二酸化炭素の加湿インキュベータ内で、プレートを37℃で2時間培養した。400×g、5分間の遠心分離により細胞をペレット化してから、250μlのFACSバッファーで洗浄した。10μlのヒトFcRブロッキング試薬(Miltenyi Biotec)、0.5μlの抗CD33 BV421(Biolegend)、及び0.5μlの抗CD206 APC−Cy7(Biolegend)を含有する50μlのFACSバッファー中、氷上で15分間マクロファージを染色した。先ず200μlのFACSバッファーで、次に、250μlのPBSで細胞を洗浄した。次に、PBSと1:1000で希釈した50μlのFixable Viability Dye eFluor 506(eBioscience)中、氷上で30分間細胞を染色した。250μlのFACSバッファーで細胞を2回洗浄してから、0.5%パラホルムアルデヒドで一晩固定した。FACS Canto II(BD Biosciences)上で細胞を解析してから、Flowjo 10.7(Treestar)を用いてデータ解析を行った。e506陰性集団をゲーティングすることにより死細胞を除外した。腫瘍細胞を貪食したマクロファージを、CD33、CD206、及びCFSEに対して陽性の細胞として同定した。
結果
図7Aに示すとおり、EGFR阻害剤であるセツキシマブ(CTX、10ng/ml)の存在下における、ヒト単球由来マクロファージによるCFSE標識DLD−1腫瘍細胞の貪食は、野生型SIRPβ1 D1ドメインを含むデコイポリペプチドS、または野生型SIRPβ2 D1ドメインを含むデコイポリペプチドTによっては、増強しなかった。それに対し、デコイポリペプチドP、Q、及びUはそれぞれ、セツキシマブと組み合わせて、マクロファージによるDLD−1腫瘍細胞の貪食を増強させた。
野生型SIRPγ D1ドメインを含むデコイポリペプチドRは、セツキシマブと組み合わせて、マクロファージによるDLD−1腫瘍細胞の貪食を不十分に増強させた(図7B)。それに対し、異なるSIRPγ D1ドメインバリアントをそれぞれが含むデコイポリペプチドC及びJは、セツキシマブと組み合わせて、マクロファージによるDLD−1腫瘍細胞の貪食を強力に増強させ、デコイポリペプチドUも同様であった。
総合的に、本実施例が提示する結果は、CD47に対する結合性が向上したバリアントSIRPα D1ドメイン、バリアントSIRPβ1 D1ドメイン、バリアントSIRPβ2 D1ドメイン、及びバリアントSIRPγ D1ドメインを含有するデコイポリペプチドが、セツキシマブなどの抗腫瘍抗原抗体と組み合わせた場合に、マクロファージによる腫瘍細胞の貪食を増強させることを示している。
実施例4:Fcバリアントを含むデコイポリペプチドの投与は血液学的パラメータに影響を及ぼさない
12頭の雌CD−1マウスの第1の群に、配列番号5のSIRPγ d1ドメインバリアント及び配列番号47の野生型ヒトIgG1 Fc領域を含む10mg/kgのデコイポリペプチドVを静脈内投与し、6頭の雌CD−1マウスの第2の群に、配列番号5のSIRPγ d1ドメインバリアント及び配列番号49のFc不活性hIgG1を含む10mg/kgのデコイポリペプチドCを静脈内投与した。表2を参照されたい。投与後最低1時間にわたり、またその後、最低1日1回、動物を観察し、何らかの臨床異常が認められた場合にはその回数を増やした。全血球計算(CBC)解析のために、デコイポリペプチドの投与の8時間前(すなわち、「−8」)、投与の3日後、及び投与の8日後に、尾静脈からK2EDTAマイクロキャピラリーチューブ(Heska)へと血液を採取した。HeskaView解析器を用いて血液学的パラメータを評価した。
デコイポリペプチドVを投与したマウスは、投与直後に、運動の突然の欠如を示すことによるストレスの臨床徴候を示したが、投与後30〜60分で回復した。図8A〜図8Dに示すとおり、Fcエフェクター機能を欠くデコイポリペプチドCの投与は、血液学的パラメータにほとんど影響を及ぼさなかった。10mg/kgのデコイポリペプチドCを投与されたマウスにおいて、投与後3日目及び8日目における血小板(PLT)(図8D)及び白血球(WBC:リンパ球、単球、及び顆粒球)(図8A)のレベルは、投与前のベースライン(すなわち、投与の8時間前、すなわち、「−8」)におけるレベルに類似していた。それに対し、デコイポリペプチドVの投与は、血液学的パラメータの低下をもたらした。10mg/kgのデコイポリペプチドVのマウスへの投与は、投与前のベースライン(すなわち、投与の8時間前、すなわち、「−8」)におけるレベルと比較して、30%の血小板の低下(図8D)、17%のWBCの低下(図8A)、17%のリンパ球の低下(図8B)、及び30%の単球の低下(図8C)を投与後3日間以内にもたらした(対応のないt検定、p<0.05及び**p<0.005)。デコイポリペプチドVを投与されたマウスにおいて、検査した全血液学的パラメータは、8日目までにベースラインにまで戻った。これらの結果は、SIRPαとCD47の相互作用を遮断可能なSIRPγバリアント及びエフェクター機能が低下したFcバリアントを含む例示的なデコイポリペプチド(表4を参照のこと)の投与が、正常血液細胞に悪影響をもたらさないということを示している。

Claims (140)

  1. (a)SIRPγバリアント、及び、
    (b)野生型ヒトFcと比較してエフェクター機能を低下させる少なくとも1つのアミノ酸置換を含むヒトFcバリアント、
    を含むデコイポリペプチドであって、
    前記SIRPγバリアントは、野生型SIRPγと比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、前記置換は、前記野生型SIRPγのCD47に対する親和性と比較して、前記SIRPγバリアントのCD47に対する親和性を向上させ、前記SIRPγバリアントは膜貫通ドメインを欠いている、
    前記デコイポリペプチド。
  2. 前記少なくとも1つのアミノ酸置換は、前記SIRPγバリアントのd1ドメイン内にある、請求項1に記載のデコイポリペプチド。
  3. 前記SIRPγバリアントの前記d1ドメインのアミノ酸配列は、
    EEELQMIQPEKLLLVTVGKTATLHCTVTSLLPVGPVLWFRGVGPGRELIYNQKEGHFPRVTTVSDLTKRN NMDFSIRISS ITPADVGTYY CVKFRKGSPENVEFKSGPGTEMALGAKPS(配列番号1)
    に定める野生型SIRPγ d1ドメインの配列に対して少なくとも90%同一である、請求項1または請求項2に記載のデコイポリペプチド。
  4. 前記SIRPγバリアントは、M6、V27、L30、L31、V33、V36、L37、V42、E47、Q52、K53、E54、H56、L66、T67、V92、S98、またはN101に、1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸位置は、配列番号1に定める野生型ヒトSIRPγ d1ドメイン配列を基準としている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  5. 前記SIRPγバリアントは前記M6置換を含み、前記置換は、M6I、M6L、またはM6Fである、請求項4に記載のデコイポリペプチド。
  6. 前記SIRPγバリアントは前記V27置換を含み、前記置換は、V27F、V27I、またはV27Lである、請求項4または請求項5に記載のデコイポリペプチド。
  7. 前記SIRPγバリアントは前記L30置換を含み、前記置換は、L30I、L30V、L30H、L30N、またはL30Dである、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  8. 前記SIRPγバリアントは前記L31置換を含み、前記置換は、L31F、L31I、L31V、L31T、またはL31Sである、請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  9. 前記SIRPγバリアントは前記V33置換を含み、前記置換は、V33I、V33L、V33P、V33T、またはV33Aである、請求項4から請求項8のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  10. 前記SIRPγバリアントは前記V36置換を含み、前記置換はV36Iである、請求項4から請求項9のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  11. 前記SIRPγバリアントは前記L37置換を含み、前記置換はL37Qである、請求項4から請求項10のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  12. 前記SIRPγバリアントは前記V42置換を含み、前記置換はV42Aである、請求項4から請求項11のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  13. 前記SIRPγバリアントは前記E47置換を含み、前記置換はE47Vである、請求項4から請求項12のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  14. 前記SIRPγバリアントは前記Q52置換を含み、前記置換は、Q52P、Q52L、Q52V、Q52A、またはQ52Eである、請求項4から請求項13のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  15. 前記SIRPγバリアントは前記K53置換を含み、前記置換はK53Rである、請求項4から請求項14のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  16. 前記SIRPγバリアントは前記E54置換を含み、前記置換は、E54D、E54K、E54N、E54Q、またはE54Hである、請求項4から請求項15のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  17. 前記SIRPγバリアントは前記H56置換を含み、前記置換はH56PまたはH56Rである、請求項4から請求項16のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  18. 前記SIRPγバリアントは前記L66置換を含み、前記置換は、L66I、L66V、L66P、L66T、L66A、L66R、L66S、またはL66Gである、請求項4から請求項17のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  19. 前記SIRPγバリアントは前記T67置換を含み、前記置換は、T67I、T67N、T67F、T67S、T67Y、T67V、T67A、またはT67Dである、請求項4から請求項18のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  20. 前記SIRPγバリアントは前記V92置換を含み、前記置換はV92Iである、請求項4から請求項19のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  21. 前記SIRPγバリアントは前記S98置換を含み、前記置換は、S98R、S98N、S98K、S98T、S98I、またはS98Mである、請求項4から請求項20のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  22. 前記SIRPγバリアントは前記N101置換を含み、前記置換は、N101K、N101D、N101E、N101H、またはN101Qである、請求項4から請求項21のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  23. 前記SIRPγバリアントは、
    EEELQXIQPEKLLLVTVGKTATLHCTXTSXPXGPXWFRGXGPGRXLIYNX101112GX13FPRVTTVSDX1415KRNNMDFSIRISSITPADVGTYYCX16KFRKGX17PEX18VEFKSGPGTEMALGAKPS(配列番号2)
    に定めるアミノ酸配列を含み、式中、Xは、M、I、L、またはFであり、Xは、F、I、L、またはVであり、Xは、L、I、V、H、N、またはDであり、Xは、F、I、L、V、T、及びSであり、Xは、V、I、L、P、T、またはAであり、XはVまたはIであり、XはLまたはQであり、XはVまたはAであり、XはEまたはVであり、X10は、Q、P、L、V、A、またはEであり、X11はKまたはRであり、X12は、E、D、K、N、Q、またはHであり、X13は、H、P、またはRであり、X14は、L、I、V、P、T、A、R、S、またはGであり、X15は、T、I、N、F、S、Y、V、A、またはDであり、X16はVまたはIであり、X17は、S、R、N、K、T、I、またはMであり、X18は、N、K、D、E、H、またはQである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  24. 前記SIRPγバリアントは、配列番号3〜14、16〜24、及び42のうちのいずれか1つに定めるアミノ酸配列を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  25. 前記SIRPγバリアントは、
    EEELQIIQPDKSVLVAAGETATLRCTITSLFPVGPIQWFRGAGPGRVLIYNQRDGPFPRVTTVSDGTKRNNMDFSIRISSITPADVGTYYCIKFRKGIPEDVEFKSGPGTXWH(配列番号15)
    に定めるアミノ酸配列を含み、式中、Xは、A、R、N、D、C、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、またはVである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  26. 配列番号57〜71及び82〜86のうちのいずれか1つのアミノ酸配列、または、配列番号57〜71、74、及び82〜86のうちのいずれか1つに対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  27. (a)SIRPβ1バリアント、及び、
    (b)野生型ヒトFcと比較してエフェクター機能を低下させる少なくとも1つのアミノ酸置換を含むヒトFcバリアント、
    を含むデコイポリペプチドであって、
    前記SIRPβ1バリアントは、野生型SIRPβ1と比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、前記置換は、前記野生型SIRPβ1のCD47に対する親和性と比較して、前記SIRPβ1バリアントのCD47に対する親和性を向上させ、前記SIRPβ1バリアントは膜貫通ドメインを欠いている、
    前記デコイポリペプチド。
  28. 前記少なくとも1つのアミノ酸置換は、前記SIRPβ1バリアントのd1ドメイン内にある、請求項27に記載のデコイポリペプチド。
  29. 前記SIRPβ1バリアントの前記d1ドメインのアミノ酸配列は、
    EDELQVIQPEKSVSVAAGESATLRCAMTSLIPVGPIMWFRGAGAGRELIYNQKEGHFPRVTTVSELTKRNNLDFSISISNITPADAGTYYCVKFRKGSPDDVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号25)
    に定める野生型SIRPβ1 d1ドメインの配列に対して少なくとも90%同一である、請求項27または請求項28に記載のデコイポリペプチド。
  30. 前記SIRPβ1バリアントは、V6、M27、I31、M37、E47、K53、E54、H56、L66、N80、またはV92に、1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸位置は、配列番号25に定める野生型ヒトSIRPβ1 d1ドメイン配列を基準としている、請求項27から請求項29のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  31. 前記SIRPβ1バリアントは前記V6置換を含み、前記置換はV6Iである、請求項30に記載のデコイポリペプチド。
  32. 前記SIRPβ1バリアントは前記M27置換を含み、前記置換はM27Iである、請求項30または請求項31に記載のデコイポリペプチド。
  33. 前記SIRPβ1バリアントは前記I31置換を含み、前記置換はI31Fである、請求項30から請求項32のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  34. 前記SIRPβ1バリアントは前記M37置換を含み、前記置換はM37Qである、請求項30から請求項33のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  35. 前記SIRPβ1バリアントは前記E47置換を含み、前記置換はE47Vである、請求項30から請求項34のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  36. 前記SIRPβ1バリアントは前記K53置換を含み、前記置換はK53Rである、請求項30から請求項35のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  37. 前記SIRPβ1バリアントは前記E54置換を含み、前記置換はE54Qである、請求項30から請求項36のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  38. 前記SIRPβ1バリアントは前記H56置換を含み、前記置換はH56Pである、請求項30から請求項37のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  39. 前記SIRPβ1バリアントは前記L66置換を含み、前記置換はL66Tである、請求項30から請求項38のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  40. 前記SIRPβ1バリアントは前記N80置換を含み、前記置換は、N80A、N80C、N80D、N80E、N80F、N80G、N80H、N80I、N80K、N80L、N80M、N80P、N80Q、N80R、N80S、N80T、N80V、N80W、またはN80Yである、請求項30から請求項39のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  41. 前記SIRPβ1バリアントは前記V92置換を含み、前記置換はV92Iである、請求項30から請求項40のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  42. 前記SIRPβ1バリアントはアミノ酸配列
    EDELQIIQPEKSVSVAAGESATLRCAITSLFPVGPIQWFRGAGAGRVLIYNQRQGPFPRVTTVSETTKRNNLDFSISISNITPADAGTYYCIKFRKGSPDDVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号26)
    を含む、請求項27から請求項29のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  43. 配列番号72のアミノ酸配列、または、配列番号72に対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項27から請求項29のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  44. 前記SIRPβ1バリアントはアミノ酸配列
    EDELQIIQPEKSVSVAAGESATLRCAITSLFPVGPIQWFRGAGAGRVLIYNQRQGPFPRVTTVSETTKRNNLDFSISISAITPADAGTYYCIKFRKGSPDDVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号88)
    を含む、請求項27から請求項29のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  45. 配列番号90のアミノ酸配列、または、配列番号90に対して少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項27から請求項29のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  46. (a)SIRPβ2バリアント、及び、
    (b)野生型ヒトFcと比較してエフェクター機能を低下させる少なくとも1つのアミノ酸置換を含むヒトFcバリアント、
    を含むデコイポリペプチドであって、
    前記SIRPβ2バリアントは、野生型SIRPβ2と比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、前記置換は、前記野生型SIRPβ2のCD47に対する親和性と比較して、前記SIRPβ2バリアントのCD47に対する親和性を向上させ、前記SIRPβ2バリアントは膜貫通ドメインを欠いている、
    前記デコイポリペプチド。
  47. 前記少なくとも1つのアミノ酸置換は、前記SIRPβ2バリアントのd1ドメイン内にある、請求項46に記載のデコイポリペプチド。
  48. 前記SIRPβ2バリアントの前記d1ドメインの前記アミノ酸配列は、
    EEELQVIQPDKSISVAAGESATLHCTVTSLIPVGPIQWFRGAGPGRELIYNQKEGHFPRVTTVSDLTKRNNMDFSIRISNITPADAGTYYCVKFRKGSPDHVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号27)
    に定める野生型SIRPβ2 d1ドメインの配列に対して少なくとも90%同一である、請求項46または請求項47に記載のデコイポリペプチド。
  49. 前記SIRPβ2バリアントは、V6、V27、I31、E47、K53、E54、H56、L66、N80、V92、またはH101に、1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸位置は、配列番号27に定める野生型ヒトSIRPβ2 d1ドメイン配列を基準としている、請求項46から請求項48のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  50. 前記SIRPβ2バリアントは前記V6置換を含み、前記置換はV6Iである、請求項49に記載のデコイポリペプチド。
  51. 前記SIRPβ2バリアントは前記V27置換を含み、前記置換はV27Iである、請求項49または請求項50に記載のデコイポリペプチド。
  52. 前記SIRPβ2バリアントは前記I31置換を含み、前記置換はI31Fである、請求項49から請求項51のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  53. 前記SIRPβ2バリアントは前記E47置換を含み、前記置換はE47Vである、請求項49から請求項52のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  54. 前記SIRPβ2バリアントは前記K53置換を含み、前記置換はK53Rである、請求項49から請求項53のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  55. 前記SIRPβ2バリアントは前記E54置換を含み、前記置換はE54Qである、請求項49から請求項54のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  56. 前記SIRPβ2バリアントは前記H56置換を含み、前記置換はH56Pである、請求項49から請求項55のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  57. 前記SIRPβ2バリアントは前記L66置換を含み、前記置換はL66Tである、請求項49から請求項56のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  58. 前記SIRPβ2バリアントは前記N80置換を含み、前記置換は、N80A、N80C、N80D、N80E、N80F、N80G、N80H、N80I、N80K、N80L、N80M、N80P、N80Q、N80R、N80S、N80T、N80V、N80W、またはN80Yである、請求項49から請求項57のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  59. 前記SIRPβ2バリアントは前記V92置換を含み、前記置換はV92Iである、請求項49から請求項58のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  60. 前記SIRPβ2バリアントは前記H101置換を含み、前記置換はH101Dである、請求項49から請求項59のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  61. 前記SIRPβ2バリアントはアミノ酸配列
    EEELQIIQPDKSISVAAGESATLHCTITSLFPVGPIQWFRGAGPGRVLIYNQRQGPFPRVTTVSDTTKRNNMDFSIRISNITPADAGTYYCIKFRKGSPDDVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号28)
    を含む、請求項46から請求項48のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  62. 配列番号73のアミノ酸配列、または、配列番号73に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項46から請求項48のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  63. 前記SIRPβ2バリアントはアミノ酸配列
    EEELQIIQPDKSISVAAGESATLHCTITSLFPVGPIQWFRGAGPGRVLIYNQRQGPFPRVTTVSDTTKRNNMDFSIRISAITPADAGTYYCIKFRKGSPDDVEFKSGAGTELSVRAKPS(配列番号89)
    を含む、請求項46から請求項48のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  64. 配列番号91のアミノ酸配列、または、配列番号91に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項46から請求項48のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  65. 前記ヒトFcバリアントは、野生型ヒトFcと比較して前記ヒトFcバリアントのグリコシル化を低下させる修飾を含む、請求項1から請求項64のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  66. グリコシル化は、酵素的脱グリコシル化、細菌宿主内における発現、またはグリコシル化に必要なアミノ酸残基の修飾によって低下する、請求項65に記載のデコイポリペプチド。
  67. 前記ヒトFcバリアントのグリコシル化を低下させる前記修飾は、N297に置換を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項65または請求項66に記載のデコイポリペプチド。
  68. N297における前記置換は、N297A、N297Q、N297D、N297H、N297G、またはN297Cである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項67に記載のデコイポリペプチド。
  69. 前記ヒトFcバリアントは、L234、L235、またはG237に置換を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項1から請求項64のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  70. 前記ヒトFcバリアントは、L234、L235、及び/またはG237に置換を更に含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項65から請求項69のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  71. 前記ヒトFcバリアントはL234A置換及びL235A置換を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項69または請求項70に記載のデコイポリペプチド。
  72. 前記FcバリアントはK322A置換を更に含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項71に記載のデコイポリペプチド。
  73. 前記ヒトFcに対する前記修飾は、E233P変異、L234V変異、L235A変異、delG236変異、A327G変異、A330S変異、及びP331S変異を含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項1から請求項25、請求項27から請求項42、請求項44、請求項46から請求項61、及び請求項63のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  74. 前記ヒトFcバリアントは、(a)L234A置換、L235A置換、G237A置換、及びN297A置換を含むヒトIgG1 Fc(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、(b)A330S置換、P331S置換、及びN297A置換を含むヒトIgG2 Fc(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、及び(c)S228P変異、E233P変異、F234V変異、L235A変異、delG236変異、及びN297A変異を含むヒトIgG4 Fc(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、からなる群から選択される、請求項1から請求項64のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  75. 前記ヒトFcバリアントは、L234A置換、L235A置換、G237A置換、及びN297A置換を含むヒトIgG1 Fcである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項74に記載のデコイポリペプチド。
  76. 前記ヒトFcは、ヒトIgG1 Fcであり、かつD265A置換を更に含む(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項74に記載のデコイポリペプチド。
  77. 前記ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG1 Fcと比較して、Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す、請求項75または請求項76に記載のデコイポリペプチド。
  78. 前記ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG1 Fcと比較して、CD16a Fcγ受容体、CD32a Fcγ受容体、CD32b Fcγ受容体、CD32c Fcγ受容体、及びCD64 Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す、請求項75から請求項77のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  79. 前記ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG1 Fcと比較して、C1qへの結合が除去されるか低下した結合性を示す、請求項75から請求項78のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  80. 前記ヒトFcバリアントは、A330S置換、P331S置換、及びN297A置換を含むヒトIgG2 Fcである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項74に記載のデコイポリペプチド。
  81. 前記ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG2 Fcと比較して、Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す、請求項80に記載のデコイポリペプチド。
  82. 前記ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG2 Fcと比較して、CD16a Fcγ受容体、CD32a Fcγ受容体、CD32b Fcγ受容体、CD32c Fcγ受容体、及びCD64 Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す、請求項80または請求項81に記載のデコイポリペプチド。
  83. 前記ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG2 Fcと比較して、C1qへの結合が除去されるか低下した結合性を示す、請求項80から請求項82のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  84. 前記ヒトFcバリアントは、S228P変異、E233P変異、F234V変異、L235A変異、delG236変異、及びN297A変異を含むヒトIgG4 Fcである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項74に記載のデコイポリペプチド。
  85. 前記ヒトFcバリアントは、S228P置換を含むヒトIgG4 Fcである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項1から請求項25、請求項27から請求項42、請求項44、請求項46から請求項61、及び請求項63のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  86. 前記ヒトFcバリアントは、S228P置換及びL235E置換を含むヒトIgG4 Fcである(ナンバリングはKabatのEUインデックスに従う)、請求項1から請求項25、請求項27から請求項42、請求項44、請求項46から請求項61、及び請求項63のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  87. 前記ヒトFcバリアントは、野生型ヒトIgG4 Fcと比較して、Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す、請求項84から請求項86のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  88. 前記ヒトFcバリアントは、そのヒトIgG4 Fcの野生型と比較して、CD16a Fcγ受容体及びCD32b Fcγ受容体への結合が除去されるか低下した結合性を示す、請求項84から請求項87のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  89. 前記ヒトFcバリアントは、配列番号48〜51、53〜56、93〜96、及び98〜101のうちのいずれか1つに定めるアミノ酸配列を含む、請求項1から請求項64のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  90. 前記ヒトFcバリアントは、約5×10−6M超のKでFcγ受容体に結合する、請求項1から請求項89のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  91. げっ歯類及び非ヒト霊長類において、投与後に急性貧血を引き起こさない、請求項1から請求項90のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  92. ヒトにおいて、投与後に急性貧血を引き起こさない、請求項1から請求項91のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  93. リガンドへのCD47の結合を遮断する、請求項1から請求項92のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  94. 前記リガンドはSIRPαまたはSIRPγである、請求項93に記載のデコイポリペプチド。
  95. 細胞の表面上に発現したCD47に結合する、請求項1から請求項94のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  96. 前記細胞は、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、細菌感染細胞、損傷赤血球、動脈プラーク細胞、線維性組織細胞、健康な正常細胞、例えば、造血幹細胞などである、請求項95に記載のデコイポリペプチド。
  97. 前記細胞の表面上に発現したCD47への前記ポリペプチドの前記結合は、前記細胞の貪食またはADCCを誘導または増強する、請求項95または請求項96のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  98. 二量体である、請求項1から請求項97のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  99. 前記二量体はホモ二量体である、請求項98に記載のデコイポリペプチド。
  100. 検出可能標識を更に含む、請求項1から請求項99のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド。
  101. 請求項1から請求項100のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド、及び薬学的に許容される賦形剤、を含む組成物。
  102. 1種または複数種の追加の薬剤を更に含む、請求項101に記載の組成物。
  103. 前記1種または複数種の追加の薬剤は、化学療法剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤、ウイルスDNAポリメラーゼの阻害剤、ウイルスRNAポリメラーゼの阻害剤、または治療抗体である、請求項102に記載の組成物。
  104. 前記1種または複数種の追加の薬剤は治療抗体である、請求項103に記載の組成物。
  105. 前記治療抗体は、セツキシマブ、ネシツムマブ、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、ピディリズマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、ウレルマブ、ダラツムマブ、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、ペルツズマブ、エロツズマブ、リツキシマブ、オファツムマブ、オビヌツズマブ、パニツムマブ、ブレンツキシマブベドチン、MSB0010718C、ベリムマブ、ベバシズマブ、デノスマブ、ラムシルマブ、またはアテゾリズマブである、請求項104に記載の組成物。
  106. 前記治療抗体は、NY−ESO−1/LAGE1、SSX−2、MAGEタンパク質ファミリーのメンバー、gp100/pmel17、MelanA/MART1、gp75/TRP1、チロシナーゼ、TRP2、CEA、PSA、TAG−72、未成熟ラミニン受容体、MOK/RAGE−1、WT−1、Her2/neu、EphA3、SAP−1、BING−4、Ep−CAM、MUC1、PRAME、サバイビン、メソテリン、BRCA1、BRCA2、CDK4、CML66、MART−2、p53、Ras、β−カテニン、TGF−βRII、HPV E6、またはHPV E7、に由来するペプチド、を含む、HLA/ペプチド複合体またはMHC/ペプチド複合体を標的とする、請求項104に記載の組成物。
  107. 前記治療抗体は、がん細胞上、免疫細胞上、病原体感染細胞上、または造血幹細胞上の抗原と結合する、請求項104に記載の組成物。
  108. 前記治療抗体は、がん細胞上の抗原と結合し、前記抗原は、EGFR、Her2/neu、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD38、CD45、CD47、CD56、CD70、CD117、またはEpCAMである、請求項107に記載の組成物。
  109. 前記治療抗体は、免疫細胞上の抗原と結合し、前記抗原は、M1プライム、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD19、CD20、CD22、CD25、CD38、CD56、PD−1、PD−L1、CTLA4、BTLA、TIM3、LAG3、OX40、GITR、またはCD137(4−1BB)である、請求項108に記載の組成物。
  110. 前記治療抗体は、病原体感染細胞上の抗原と結合し、前記抗原は、CMVタンパク質、UL18、UL11、pp65、gB、pp150、HIVエンベロープタンパク質、Gp41、Gp120、V1V2グリカン、V3グリカン、及びインフルエンザヘマグルチニンである、請求項107に記載の組成物。
  111. 前記治療抗体は、造血幹細胞上の抗原に結合し、前記抗原は、CD11、CD45、CD117、またはSca1である、請求項107に記載の組成物。
  112. 請求項1から請求項99のいずれか1項に記載のデコイポリペプチドをコードする単離核酸。
  113. 請求項112に記載の核酸を含むベクター。
  114. 請求項112に記載の核酸または請求項113に記載のベクターを含む宿主細胞。
  115. デコイポリペプチドを作製するための方法であって、前記デコイポリペプチドが発現する条件下で請求項114に記載の宿主細胞を培養すること、及び前記デコイポリペプチドを回収すること、を含む、前記方法。
  116. CD47を発現する細胞の貪食またはADCCを調節するための方法であって、前記細胞を、請求項1から請求項99のいずれか1項に記載のデコイポリペプチドまたは請求項101から請求項111のいずれか1項に記載の組成物と接触させることを含む、前記方法。
  117. 疾患または障害を有する対象を治療するための方法であって、有効量の請求項1から請求項99のいずれか1項に記載のデコイポリペプチドまたは請求項101から請求項111のいずれか1項に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  118. 前記疾患または障害は、がん、貧血、ウイルス感染症、細菌感染症、自己免疫疾患もしくは炎症性疾患、喘息、アレルギー、移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、または線維症である、請求項117に記載の方法。
  119. 前記疾患または障害はがんであり、前記がんは、固形腫瘍、血液がん、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、膀胱癌、膵臓癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、肺癌、気管支癌、肝臓癌、卵巣癌、結腸癌及び直腸癌、胃癌(stomach cancer)、胃癌(gastric cancer)、胆嚢癌、消化管間質腫瘍癌、甲状腺癌、頭頸部癌、口咽頭癌、食道癌、黒色腫、非黒色腫皮膚癌、メルケル細胞癌、ウイルス誘発性がん、神経芽細胞腫、乳癌、前立腺癌、腎臓癌、腎細胞癌、腎盂癌、白血病、リンパ腫、肉腫、神経膠腫、脳腫瘍、及び癌腫である、請求項118に記載の方法。
  120. 前記疾患または障害は自己免疫疾患または炎症性疾患であり、前記自己免疫疾患または前記炎症性疾患は、多発性硬化症、関節リウマチ、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、抗体介在性の炎症性または自己免疫疾患、移植片対宿主病、敗血症、糖尿病、乾癬、アテローム性動脈硬化症、シェーグレン症候群、進行性全身硬化症、強皮症、急性冠症候群、虚血性再灌流、クローン病、子宮内膜症、糸球体腎炎、重症筋無力症、特発性肺線維症、喘息、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、血管炎、及び炎症性自己免疫性筋炎である、請求項118に記載の方法。
  121. がん、ウイルス感染症、細菌感染症、自己免疫疾患、喘息、アレルギー、移植拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、または線維症を治療するのに用いる、請求項1から請求項99のいずれか1項に記載のデコイポリペプチドまたは請求項101から請求項111のいずれか1項に記載の組成物。
  122. 造血幹細胞移植の前処置に用いる、請求項1から請求項99のいずれか1項に記載のデコイポリペプチドまたは請求項101から請求項111のいずれか1項に記載の組成物。
  123. 細胞の集団内のCD47細胞を検出するための方法であって、前記細胞の集団を請求項100に記載のデコイポリペプチドと接触させること、及び前記デコイポリペプチドのCD47細胞への結合を検出することを含み、前記結合の前記検出は、CD47細胞の存在を示す、前記方法。
  124. 前記CD47細胞は、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、細菌感染細胞、自己反応性T細胞もしくはB細胞、損傷赤血球、動脈プラーク細胞、または線維性組織細胞である、請求項123に記載の方法。
  125. 前記接触させることはin vivoである、請求項123または請求項124に記載の方法。
  126. 前記接触させることはin vitroである、請求項123または請求項124に記載の方法。
  127. 細胞の集団からCD47細胞を精製するための方法であって、前記細胞の集団を請求項1から請求項100のいずれか1項に記載のデコイポリペプチドと接触させること、及び前記デコイポリペプチドに結合した前記細胞を単離することを含む、前記方法。
  128. 請求項1から請求項99のいずれか1項に記載のデコイポリペプチド、及び、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子、サイトカイン、または弱毒化サイトカイン、を含むキメラ分子。
  129. 前記デコイポリペプチドは、リンカー配列を介して、前記免疫チェックポイント阻害剤、前記共刺激分子、前記サイトカイン、または前記弱毒化サイトカインに連結している、請求項128に記載のキメラ分子。
  130. 前記リンカー配列はGly及びSerを含む、請求項129に記載のキメラ分子。
  131. 前記リンカー配列はGGGGSGGGGS(配列番号29)を含む、請求項130に記載のキメラ分子。
  132. 前記デコイポリペプチドは、前記免疫チェックポイント阻害剤、前記共刺激分子、前記サイトカイン、または前記弱毒化サイトカインのN末端またはC末端に融合している、請求項128から請求項131のいずれか1項に記載のキメラ分子。
  133. 前記デコイポリペプチドは免疫チェックポイント阻害剤に融合しており、前記免疫チェックポイント阻害剤は、PD−1もしくはPD−L1アンタゴニスト、BTLAもしくはCD160アンタゴニスト、ホスファチジルセリンアンタゴニスト、MFGE8、TIM1、TIM3、またはTIM4の配列を含む、請求項128から請求項132のいずれか1項に記載のキメラ分子。
  134. 前記デコイポリペプチドは共刺激分子に融合しており、前記共刺激分子は、CD40アゴニスト、41BBL、またはCD137アゴニストの配列を含む、請求項128から請求項132のいずれか1項に記載のキメラ分子。
  135. 前記デコイポリペプチドはサイトカインに融合しており、前記サイトカインはIL2の配列を含む、請求項128から請求項132のいずれか1項に記載のキメラ分子。
  136. 前記IL2配列は変異D20T及び変異F42Aを含む、請求項135に記載のキメラ分子。
  137. 前記デコイポリペプチドはサイトカインポリペプチドに融合しており、前記サイトカインは弱毒化されている、請求項128から請求項132のいずれか1項に記載のキメラ分子。
  138. 配列番号30または配列番号102に定めるアミノ酸配列を含む、請求項128から請求項133のいずれか1項に記載のキメラ分子。
  139. 配列番号31または配列番号103に定めるアミノ酸配列を含む、請求項128から請求項133のいずれか1項に記載のキメラ分子。
  140. 配列番号32〜39、または104〜111のうちのいずれか1つに定めるアミノ酸配列を含む、請求項128から請求項133のいずれか1項に記載のキメラ分子。
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