例示のためだけであり、普遍性を制限するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に記述される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本明細書に開示される教示は、他の実施形態が可能であり、種々の方法において実施又は実行することが可能である。また、本明細書において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、制限するものと見なされるべきではない。本明細書において「を含む」、「を備える」、「を有する」、「を含有する」、「を伴う」及びそれらの変形の用語の使用は、その対象として挙げられる項目と、その均等物及び追加の項目とを包含することを意味する。
上述したように、いくつかの場合、供給動作の生産性を増大させるために複数の独立した供給システムが用いられる場合がある。この解決策は、多くの場合高価であり、複数の機械、追加の製造スペース、及びいくつかの場合では複数の機械操作者が必要となる。通常の動作において、製造床面積は制限されるとともに高価である。したがって、製造現場における各製造システムの「フットプリント」を低減するとともに、操作及び維持する必要のある別個の機械の数を低減することが望ましい。
いくつかの用途では、複数の例の同じ回路パターンが共通の基板上に作成される。一般的な例は、携帯電話の回路パターンであり、ここでは4つ以上のパターンを単一の基板上に配置することができる。このような場合、複数の例の回路パターン間に、固定された均一のオフセットが存在することが多く、これらの回路パターンは、共通の基板に配置し、その完了後にミシン目に沿って互いに分離することができる。さらに、当業界では、複数の供給ユニット又はポンプを備える供給システムを使用して、スループットを増大させることができることが知られている。このようなシステムにおいて、複数の供給ポンプ間のオフセット距離は、複数の回路の距離間のオフセット距離と略同じになるように調整することができ、このオフセット調整の精度が、結果として得られる供給パターンの精度要件内である場合、複数の供給ポンプを単一のXYZ軸ガントリーによって同時に位置決めし、同時に動作させることができる。
供給システムに基板又は供給を受ける部材が提供されると、自動視覚システムを用いて、その部品及び/又は部品内の決定的な特徴の実際の位置を特定(locate)及び較正することが一般的である。この位置特定及び較正により、システムは、基板若しくは部材自体、又は供給ユニットの位置決めシステムの座標系に対して基板若しくは部材を固定する際の偏差を補償することが可能になる。
複数の供給ユニット又は供給ヘッドを並列的に使用して集合的な高スループットを達成する場合、例えば、2つの基板上に同時に供給を行う場合、複数の供給ユニットを、略同一の部材に略同じタスクを実行するようにプログラムすることが一般的である。しかし、部材自体、又は位置決めシステムに対する部材の固定における僅かな偏差があるために、複数の供給ユニットのそれぞれに独立して補正を適用する必要がある場合がある。これらの補正が複数の供給ユニットのそれぞれに対して固有のものであることから、供給ユニットのそれぞれは、基板に対して独立して位置決めされる必要がある。したがって、複数の供給ユニットを伴って構成されるディスペンサーは、正確な供給が重要とならない大まかな供給用途により向いている。
図1は、本開示の1つの実施形態による、全体として10で示される供給システムを概略的に示している。供給システム10は、プリント回路基板又は半導体ウェハー等の電子基板12上に、粘性材料(例えば、接着剤、封入材、エポキシ樹脂、はんだペースト、アンダーフィル材等)又は半粘性材料(例えば、はんだフラックス等)を供給するのに用いられる。供給システム10は、代替的に、自動車用ガスケット材料を塗布するため、又は、或る特定の医療分野に適用するため、又は、導電性インクを塗布するため等の、他の用途において用いることができる。本明細書において用いられる場合、粘性材料又は半粘性材料に対する参照は例示であり、非限定的なものであることが意図されることが理解されるべきである。供給システム10は、いくつかの供給ユニット、例えば、それぞれ全体として14及び16で示される第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットと、供給システムの動作を制御するコントローラー18とを備える。供給ユニットは、本明細書において、供給ポンプ及び/又は供給ヘッドと称されることもあることが理解されるべきである。2つの供給ユニットを示すが、供給ユニットを3つ以上利用することができることが理解されるべきである。
また、供給システム10は、電子基板12を支持するベース又は支持体22を有するフレーム20と、供給ユニット14、16を支持し、移動させるためにフレーム20に移動可能に結合された供給ユニットガントリー24と、例えば、較正手順の一部として、粘性材料の供給された量を計量し、重量データをコントローラー18に与える重量測定デバイス又は計量器26とを備えることができる。供給システムに対する電子基板の装着及び取外しを制御するために、供給システム10において、コンベヤシステム(図示せず)又は移動ビーム等の他の移送機構を使用してもよい。ガントリー24は、コントローラー18の制御下においてモーターを用いて移動し、供給ユニット14、16を電子基板の上方の所定の場所に位置決めすることができる。供給システム10は、操作者に種々の情報を表示するためにコントローラー18に接続されたディスプレイユニット28を備えることができる。供給ユニットを制御する任意選択の第2のコントローラーを設けてもよい。また、各供給ユニット14、16は、Z軸センサーを用いて、電子基板12の上方又は電子基板上に実装される機構の上方に供給ユニットが配置される高さを検出するように構成することができる。Z軸センサーは、コントローラー18に結合され、センサーによって取得された情報をコントローラーに中継する。
上記のような、供給動作を実行する前に、電子基板、例えば、プリント回路基板は、供給システムの供給ユニットに対して整列、又は、別の方法で位置合わせしなければならない。供給システムは、視覚システム30を更に備え、1つの実施形態において、視覚システム30は、視覚システムガントリー32に結合され、視覚システムガントリー32は、視覚システムを支持するとともに移動させるために移動可能にフレーム20に結合される。別の実施形態では、視覚システム30は、供給ユニットガントリー24上に設けられていてもよい。上記のように、視覚システム30は、電子基板上の、基準部(fiducials)として知られるランドマーク又は構成要素の位置を照合するために利用される。位置特定されると、コントローラーは、電子基板上に材料を供給するように供給ユニット14、16のうちの1つ以上の動きを操作するようにプログラミングすることができる。
本開示のシステム及び方法は、電子基板、例えば、プリント回路基板上に材料を供給することに関する。本明細書において提供されるシステム及び方法の説明は、供給システム10の支持体22上に支持される例示的な電子基板12(例えば、プリント回路基板)を参照する。1つの実施形態では、供給動作は、コントローラー18によって制御され、コントローラー18は、材料供給ユニットを制御するように構成されたコンピューターシステムを含んでいてもよい。別の実施形態では、コントローラー18は操作者が操作するようにしてもよい。コントローラー18は、電子基板12の1つ以上の画像を取得するように視覚システムを移動させるために視覚システムガントリー32の動きを操作するように構成される。コントローラー18は、供給動作を実行するために、供給ユニット14、16を移動させるように供給ユニットガントリー24の動きを操作するように更に構成される。
本開示の実施形態は、同期モード又は非同期モードで、1つ以上の電子基板、又は単一電子基板に関連する2つ以上のパターンに、同時に正確に供給する、代替的な且つ競争力のある手段を提供する。具体的には、電子基板が、コントローラーによって決定されるように適切に位置合わせされていない場合、供給システムは、2つの電子基板又はパターンに供給される同期モードから、1つの電子基板又はパターンのみに供給される非同期モードに切り換わることができる。本明細書において開示される方法は、以下に限定されるものではないが、オーガー、ピストン及び噴射ポンプを含む種々のタイプの供給ポンプの使用を更にサポートする。
図2を参照すると、ガントリー24は、左側サイドレール34と、右側サイドレール36と、2つのサイドレール間に延在するビーム38とを備えるように構成することができる。ビーム38は、サイドレール34、36に沿ってY軸方向に移動し、供給ユニット14、16のY軸移動を達成するように構成されている。供給ユニット14、16のX軸移動は、ビーム38に取り付けられるキャリッジ装置40によって達成される。具体的には、キャリッジ装置40は、供給ユニット14、16を収容し、ビーム38の長さに沿ってX軸方向に移動して、ベース22上に位置決めされている基板12の所望の場所の上方に供給ユニットを移動させるように構成されている。或る特定の実施形態において、X−Y平面におけるガントリー24の移動(すなわち、ビーム38及びキャリッジ装置40の移動)は、当該技術分野においてよく知られているように、それぞれのモーターによって駆動されるボールねじ機構を使用することによって達成することができる。
上述したような供給ユニット14、16は、図2にそれぞれ42、44で示されている独立のZ軸駆動機構を用いてZ軸移動を達成することが可能である。Z軸移動量は、供給ユニット14及び/又は16のうちの一方のニードル/ノズル(図示せず)の先端と基板12との間の距離を測定することによって決定することができる。移動時、供給ユニット14、16のうちの一方又は双方は、基板12上方に公称クリアランス高さを置いて位置決めすることができる。1つの供給場所から別の供給場所への移動時、クリアランス高さは、基板12上方の比較的一貫した高さに維持することができる。所定の供給場所に到達すると、Z軸駆動機構42、44は、それぞれの供給ユニット14、16を基板へと下降させ、それにより、基板12上への材料の供給を達成することができる。
或る特定の実施形態において、供給ユニットの双方をともに移動させる共通のガントリーにより供給ユニットを制御してもよい。したがって、単一のZ軸駆動機構を設けてもよい。この構成は、粘性材料を基板上に流出し(stream)、噴出し又は発射する供給ユニットに特に適している。粘性材料を流出し、噴出し又は発射する供給ユニットは、Z軸移動が必要ではないが行うことができる、非接触供給ユニットと称することができる。
図2を更に参照すると、供給ユニット14、16は、供給ユニットのうちの一方又は両方により供給動作を実施するように、基板12の上方で移動する。しかしながら、供給する前に、正確な供給を行うことができるように、供給ユニット14、16に対する基板12の位置が求められる。具体的には、キャリッジ装置40は、基板12の画像を取得するように構成されている光学素子又はカメラ46を備える。カメラ46はキャリッジ装置40に取り付けられるように示されているが、ビーム38又は独立したガントリーに別個にカメラを取り付けることができることが理解されるべきである。カメラ46は、本明細書では「視覚システム」又は「撮像システム」と称することができる。基板12を供給ユニット14、16及びガントリー24と位置合わせするために、少なくとも2つの基準部(F1、F2)の画像がカメラ46によって取得される。基板12の位置が外れている場合、基板の実際の位置を考慮するようにガントリー24を操作することができる。1つの実施形態では、カメラ46は、より詳細に後述するように、供給ユニット14、16のそれぞれについてカメラ対ニードルオフセット距離を求めるように較正することができる。
図3は、誇張した傾斜位置にある基板12を示す。図示するように、基板12の底縁部48は、X軸に対して角度50をなしている。ガントリー24は、カメラ46を基板12の上方で第1の位置まで移動させ、第1の位置では、カメラは、図3に見られるように基板12の左下隅に位置決めされている第1の基準部F1の画像を取得する。第1の基準部F1の画像を取り込んだ後、ガントリー24は、カメラ46を基板12上方で第2の位置まで移動させ、第2の位置では、カメラは、基板の右上隅に位置決めされている第2の基準部F2の画像を取得する。第1の基準部F1及び第2の基準部F2の画像に基づき、コントローラー18は、ガントリー24を操作して、供給ユニットのうちのいずれか一方により正確な供給動作を実施することができる。図3に示すように、供給動作は、例えば、場所A1、B1及びC1において実施される。しかしながら、理解することができるように、供給ユニット14、16のうちの一方又は両方により、任意の数の供給動作を実施することができる。例えば、或る特定の場所で材料を供給する代わりに、基板12の上に材料の線を供給することができる。
図4を参照すると、ディスペンサー10は、2つの基板12A、12Bに対して供給動作を実施するように構成することができ、それら2つの基板12A、12Bは、例えば、(上述した携帯電話構成のように)互いに接続することができ、又は、トレイ内でベース22の上に別個に位置決めすることができる。図4に示す基板12A、12Bの場合、それら基板はそれぞれ位置合わせされた又は既知の位置にある。したがって、供給ユニット14若しくは16のいずれか又は両方による第1の基板12A上の場所A1、B1及びC1における供給動作を開始することができる。第1の基板12Aに対する供給が終了すると、キャリッジ装置をX軸方向にビーム30に沿って移動させることができ、それにより、供給ユニット14若しくは16のいずれか又は両方により第2の基板12B上の場所A2、B2及びC2おいて供給動作を行うことができる。明らかに、上述したように、ビーム38をY軸方向に移動させ、キャリッジ装置40をX軸方向に移動させることにより、供給ユニット14、16の移動が達成される。
図5を参照すると、別の実施形態のディスペンサーが全体として100で示されている。図示のように、ディスペンサー100は、粘性材料(例えば、接着剤、封入材、エポキシ樹脂、はんだペースト、アンダーフィル材等)又は半粘性材料(例えば、はんだ付け用フラックス等)又は実質的に非粘性材料(例えばインク)を、プリント回路基板又は半導体ウェハー等の電子基板102a、102b上に供給するように構成されている。基板102a、102bは、供給を受けることが必要な任意のタイプの表面又は材料を体現することができる。ディスペンサー100は、全体として104で示されている第1の供給ユニット又は供給ヘッドと、全体として106で示されている第2の供給ユニット又は供給ヘッドとを備える。第1の供給ユニット又は供給ヘッド及び第2の供給ユニット又は供給ヘッドは、ディスペンサー10のガントリー24と同様のガントリー108に固定され、ディスペンサーの動作を制御するコントローラー18等のコントローラーの制御下で動作される。2つの供給ユニット104、106が示されているが、3つ以上の供給ユニットを設けてもよいことが理解されるべきである。
ガントリー108の構造は、ディスペンサー10のガントリー24の構造と略同様である。プリント回路基板製造の技術分野においてよく知られているように、ディスペンサー100には、ディスペンサーに対する基板の装填及び取出しを制御するコンベヤシステム(図示せず)を用いてもよい。ガントリー108は、コントローラーの制御下でモーターを用いてX軸及びY軸の方向に移動させ、供給ユニット104、106を基板102上方の所定の場所に位置決めすることができる。
ディスペンサー10のガントリー24と同様に、ガントリー108は、2つのサイドレール間に延在するビームを備えるように構成することができる。ビームは、サイドレールに沿ってY軸方向に移動し、供給ユニット104、106のY軸移動を達成するように構成される。供給ユニット104、106のX軸移動は、ビームに取り付けられるキャリッジ装置110によって達成される。具体的には、キャリッジ装置110は、供給ユニット104、106を支持し、ビームの幅に沿ってX軸方向に移動して、ディスペンサーのベース上に位置決めされている基板102の所望の場所の上方に供給ユニットを移動させるように構成されている。或る特定の実施形態において、X−Y平面におけるガントリー108の移動(すなわち、ビーム及びキャリッジ装置の移動)は、当該技術分野においてよく知られているように、それぞれのモーターによって駆動されるボールねじ機構又は他の直線運動駆動要素の使用によって達成することができる。
第1の供給ユニット104及び第2の供給ユニット106は、キャリッジ装置110に固定されているリニア軸受112によってキャリッジ装置110に結合される。1つの実施形態において、第1の供給ユニット104はリニア軸受112にしっかりと固定され、第2の供給ユニット106は、図5に全体として114で示されている自動調整機構によってリニア軸受に結合される。第2の供給ユニット106をリニア軸受112に固定してもよく、第1の供給ユニット104を自動調整機構114に結合してもよく、これらは本開示の範囲内に入ることが理解されるべきである。図示のように、第1の供給ユニット104及び第2の供給ユニット106は、互いに距離を置いてオフセットしており、自動調整機構114は、第2の供給ユニットをX軸及びY軸の方向に比較的僅かな距離だけ移動させることによって距離を調整するように構成されている。
図示の実施形態では、第1の供給ユニット104は、取付けブロック116を備える取付け組立体によってリニア軸受112に固定され、取付けブロック116は第1の供給ユニット及びリニア軸受に固定される。第1の供給ユニット104に結合される取付け組立体は、全体として118で示されているZ軸移動機構を更に備え、このZ軸移動機構は、第1の供給ユニットのZ軸移動を可能にする。Z軸移動機構118は、供給動作中に第1の供給ユニットを下降させる、例えばオーガー式供給ユニットに特に適している。
図6を更に参照すると、自動移動機構114は取付けブロック120を備え、取付けブロック120は、第2の供給ユニット106に固定され、リニア軸受112上を沿って動き(ride along)、X軸方向における移動をもたらすように構成されている。自動調整機構114は、全体として122で示されている第1のモーター組立体を更に備え、この第1のモーター組立体は、取付けブロック120及び第2の供給ユニット106をリニア軸受112に沿って移動させるように構成されている。1つの実施形態において、第1のモーター組立体122は、ボールねじ駆動によるリニアアクチュエーター124を備え、ボールねじ駆動によるリニアアクチュエーター124は、機械的に結合される回転サーボモーター126又は他の電気機械的なリニア駆動装置によって駆動される。したがって、自動調整機構114は、第1の供給ユニット104が静止したままである一方で、第2の供給ユニット106をX軸方向において調整することが可能である。或る特定の実施形態において、自動調整機構114は、第2の供給ユニット106の比較的少ないX軸移動量をもたらし、第1の供給ユニット104に対する第2の供給ユニットの細かい調整を提供することが可能である。
上述したように、自動調整機構114は、後述する方法で、第2の供給ユニット106をY軸方向において調整することも可能である。具体的には、自動調整機構114は、取付けブロック120に固定される第1のブラケット128を更に備える。図示のように、第1のブラケット128は、Y軸方向における、リニア軸受112の方向に対して垂直な方向に延在する。自動調整機構114は第2のブラケット130を更に備え、第2のブラケット130は、第2の供給ユニット106に固定され、第1のブラケット128上を沿って動き、それにより、Y軸方向における第2の供給ユニットの少ない移動量をもたらすように構成されている。自動調整機構114は第2のモーター組立体132を更に備え、第2のモーター組立体132は、第1のブラケット128に沿って第2のブラケット130を移動させ、それにより第2の供給ユニット106を移動させるように構成されている。1つの実施形態において、第2のモーター組立体132は、ボールねじ駆動によるリニアアクチュエーター134を備え、ボールねじ駆動によるリニアアクチュエーター134は、機械的に結合される回転サーボモーター136又は他の電気機械的なリニア駆動装置によって駆動される。
第1の供給ユニット104と同様に、第2の供給ユニット106は、全体として138で示されているZ軸移動機構を備え、このZ軸移動機構は、第2の供給ユニットのZ軸移動を可能にする。Z軸移動機構138は、供給動作中に第1の供給ユニットを下降させる、例えばオーガー式供給ユニットに特に適している。
他の実施形態では、自動調整機構114は、第1の供給ユニット104をX軸方向及びY軸方向に移動させるように構成するか、又は、第1の供給ユニットをX軸方向及びY軸方向のうちの一方に移動させ、第2の供給ユニット106をY軸方向及びX軸方向の他方に移動させるように構成することができる。
ディスペンサー10に関して述べたように、ディスペンサー100は、ディスペンサー10のカメラ38等の視覚システムを備え、ガントリー108は、基板と供給ユニット104、106とを位置合わせするために基板の画像を捕捉するように、カメラを基板102a、102b上方に移動させることが可能である。カメラの助けにより、第2の供給ユニット106は、自動調整機構114によって自動的に調整することができる。
ディスペンサー100により、第2の供給ユニット106は、第1の供給ユニット104から所定距離DXだけオフセットすることができる。特に、上述したように、ガントリー108は、カメラ38を、基板、例えば基板102aの上方でカメラが第1の基準部F1の画像を取得する第1の位置まで移動させる。第1の基準部F1の画像を取り込んだ後、ガントリー108は、カメラ38を基板102aの上方でカメラが第2の基準部F2の画像を取得する第2の位置まで移動させる。第1の基準部F1及び第2の基準部F2の画像に基づき、コントローラー18は、ガントリー108を操作して、供給ユニット104又は106のうちのいずれか一方により正確な供給動作を実施することができる。
図5に示す基板102a、102bの場合、それら基板は、例えばこの場合は第1の供給ユニット104により、第1の基板102a上の場所A1、B1及びC1において供給動作を開始するように位置合わせされた又は既知の位置で示されている。第1の供給ユニット104により第1の基板102aに対する供給が終了すると、図2〜図4に示すディスペンサー10のようにキャリッジ装置110をビームに沿ってX軸方向に移動させる代わりに、キャリッジ装置110は、材料が必要な場所の間で第2の供給ユニット106を移動させる以外のいかなる移動も不要である。
具体的には、第2の供給ユニット106は、場所A2、B2及びC2において供給動作を実施するために、第2の基板102bの上方の好適な位置にある。図示するように、調整機構114は、所定距離DXで第2の供給ユニット106に結合されており、この所定距離DXは、第1の基板と第2の基板との間の距離LXに等価である長さを達成するように、操作することができる。この特定の例では、第2の基板102b上の場所A2、B2及びC2は、第1の基板102a上の場所A1、B1及びC1に対応する。この場合もまた、上述したように、キャリッジ装置110をX軸方向に移動させることにより、且つビームをY軸方向に移動させることにより、X−Y平面において供給ユニット104、106の移動が達成される。Z軸移動は、第1の供給ユニット104及び第2の供給ユニット106それぞれに関連する独立したZ軸駆動機構118、138によって達成される。
図7は、図5に示す基板102a、102bを示し、それら基板は、誇張された傾斜位置にある。図示するように、基板102a、102bそれぞれの底縁部は、X軸に対して角度をなしている。両基板102a、102bの場所又は位置を決定するために、ガントリーは、第1の基板102aの上方でカメラを、図7に見られるような第1の基板の左下隅に位置決めされている第1の基板102aの第1の基準部F1の画像を取得する第1の位置まで移動させる。第1の基準部F1の画像を取り込んだ後、ガントリーは、第1の基板102aの上方でカメラを、第1の基板の右上隅に位置決めされている第2の基準部F2の画像を取得する第2の位置まで移動させる。
第2の基板102bに対して、ガントリーは、第2の基板の上方でカメラを、第2の基板の左下隅に位置決めされている第3の基準部F3の画像を取得する第3の位置まで移動させる。第3の基準部F3の画像を取り込んだ後、ガントリーは、第2の基板102bの上方でカメラを、第2の基板の右上隅に位置決めされている第4の基準部F4の画像を取得する第4の位置まで移動させる。第1の基準部F1、第2の基準部F2、第3の基準部F3及び第4の基準部F4それぞれの画像に基づき、第1の供給ユニット104に対する第2の供給ユニット106の距離DX(図5)は、第1の基板102aと第2の基板102bとの間の距離LXに基づいて操作することができる。具体的には、調整機構114を操作して、第1の供給ユニット104から所定距離DXに第2の供給ユニット106を設定することができる。
図7に示すように、供給動作は、第1の供給ユニット104によって、場所A1、B1及びC1において実施され、供給動作は、第2の供給ユニット106によって、場所A2、B2及びC2において実施される。1つの実施形態では、最初に、第1の供給ユニット104を操作して場所A1、B1及びC1において材料を供給し、次いで、第2の供給ユニット106を操作して場所A2、B2及びC2において材料を供給することにより、供給を達成することができる。別の実施形態では、第1の供給ユニット104を操作して場所A1において材料を供給することができ、次いで、第2の供給ユニット106を操作して場所A2において材料を供給することができる。次に、第1の供給ユニット104を操作して場所B1において材料を供給することができ、次いで、第2の供給ユニット106を操作して場所B2において材料を供給することができる。最後に、第1の供給ユニット104を操作して場所C1において材料を供給することができ、次いで、第2の供給ユニット106を操作して場所C2において材料を供給することができる。第1の供給ユニット104及び第2の供給ユニット106の最適な移動に基づいて、他の何らかの供給シーケンスも実施することができ、これについては後述する。
このように、2つの供給ユニット104、106を有するディスペンサーの場合、第1の基準部F1、第2の基準部F2、第3の基準部F3及び第4の基準部F4それぞれの場所の決定に基づいてX軸に対する第1の基板102a及び第2の基板102bの角度を決定することができる。図7に示すように、正確な供給動作を行うことができるように、LX’及びLY’オフセット距離を決定することができる。したがって、複数の供給ユニットを備えるディスペンサーの場合、複数の供給ユニットのそれぞれの距離及び相対位置は、複数の基板又は部材のそれぞれの間の距離及び相対間隔と一致するように構成することができる。自動視覚位置合わせシステムからの位置合わせ情報を収集及び分析した後、複数の供給ユニットのうちの第1の供給ユニットは、第1の基板又は部材上の第1の供給場所の上方に位置決めされる。供給動作を実行した後、ガントリーは、必要とされるX−Y平面の位置調整を行うように操作することができる。この位置調整は、複数の供給ユニットのうちの第2の供給ユニットを、複数の基板又は部材のうちの第2の基板又は部材の対応する第1の供給場所の上方に位置合わせするのに必要な場合がある。複数の供給ユニットのそれぞれの間の距離及び相対位置は、複数の基板又は部材のそれぞれの間の距離及び相対位置と必ずしも同一ではないものの略同様であるため、ガントリーのこのような調整はいずれも非常に僅かであり、したがって迅速に実行される。残りの複数の供給ユニットのそれぞれは、残りの基板又は部材のそれぞれの対応する第1の供給場所に材料を供給するように同様に使用することができ、その後、X軸及びY軸の方向にガントリーの大きい移動が必要となる。しかし、基板又は部材の数が供給ユニットの数よりも多い場合、基板の全てに対する供給動作を完了するためにガントリーを再位置決めする必要がある場合がある。本方法は、第2の供給場所及び後続の供給場所のそれぞれに供給を行うように繰り返される。ステップは、スループット又はプロセスの向上によって要求され得るように入れ替えることができることが理解されるべきである。
上述したように、1つの実施形態において、供給ユニット104、106は別個のZ軸駆動機構に取り付けることができる。この構成により、適切な場合、限定はしないが供給、(例えば自動ニードル/ノズルクリーナーによるような)清掃、浄化、及び較正(X/Y軸位置又はZ軸位置)を含む独立の動作の実行が可能になる。しかし、各ディスペンサーは、供給ユニットのニードル/ノズルから材料を流出又は噴出する等の非接触供給に特に適することができることに留意するべきである。非接触供給向けに構成される場合、供給動作は、単一のZ軸駆動機構に取り付けられる2つ(又は3つ以上)の供給ユニットによって実行することができる。
この特定の構成により、2つの供給ユニットは双方とも、2つ(又は3つ以上)の基板上のそれぞれの場所の上方に位置決めされる。具体的には、第1の供給ユニット104を第1の基板102a上の所与の供給位置の上方に略正確に位置決めすると、第2の供給ユニット106が第2の基板102b上方のおおよそ正しい位置になる。次に、第1の供給ユニット104は、第1の基板102aに対して第1の供給動作を実行する。完了すると、第2の供給ユニット106は、第2の基板102b上方における場所を補正するように僅かな量だけ移動し、第2の基板に対して第2の供給動作を実行することが可能になっている。非接触供給にはZ軸方向の移動を必要としないことから、第1の供給ユニット104及び第2の供給ユニット106を共通のZ軸駆動機構に取り付けることは、供給ユニットのそれぞれから独立して供給を行うことを除外しない。
上述したように、複数の基板間又は単一の基板内の複数のパターン間のオフセット距離を求める場合、基準部等の既知の基準点の画像を取得するようにカメラを動作させることができ、これらの基準点を用いてオフセット距離が求められる。しかし、オフセット距離は、既知の構成に基づいてディスペンサーのセットアップ中にディスペンサーの操作者が決定してもよい。さらに、上述したように、正確なオフセット距離は必須ではない。より大まかな距離を適切としてもよい。具体的には、より精密なオフセット距離は、第2の供給ユニット(又は第2の供給ユニットが先に用いられた場合は第1の供給ユニット)に必要とされる補正移動を最小限にする役目を果たすが、不正確なオフセット距離によって、精密な第2の供給動作が妨げられるか、又は別様に悪影響を受けることはない。2つ以上の供給ユニット間の実際の相対距離を測定し、それにより、オフセット距離の設定の誤差を補正することができる。
或る特定の実施形態において、複数の基板又は単一の基板上に設けられる複数のパターン上に供給を行う場合、各基板又はパターンは、その基板又はパターン自体に対応する局所的な位置合わせ基準部の組を有することができる。代替的には、基板は、基板を同時に位置合わせするのに用いる1組の全体的な基準部を有してもよい。通常のプロセスプログラムにおいて、供給箇所のうちの複数の場所が既知であり、位置合わせの基準場所に対して全体的に規定されている。したがって、カメラを用いて基準部の実際の場所が測定されると、多くの供給場所の実際の位置を計算することができ、これらの供給場所は、複数の例の繰返しパターンに関連付けられる場所を含む。ガントリーに取り付けられる複数の供給ユニットのそれぞれは、上述したように別個に学習又は較正され得る固有のカメラ対ニードルオフセット距離を有するので、また、複数の供給ユニットのそれぞれは別々の時間に動作することができることから、各供給場所の全てに対する適切な位置補正を、複数の供給ユニットのそれぞれに対して別々に及び正確に適用することができる。
ディスペンサーは、互いに独立して動作する複数の供給ユニットによって供給動作を実行するように動作することができることが認められるべきである。カメラ対ニードルオフセット距離は、ディスペンサーによって較正するか、ディスペンサーの操作者が選択することができる。供給の前に、カメラ対ニードルオフセット距離を求めることができる。さらに、第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットの場所は、供給の前にそれぞれの場所を決定するために較正することができる。最後に、供給ユニットのそれぞれの間の相対的なオフセット距離を、複数の例の繰返し基板パターン間の相対的なピッチに一致するように、公称として(精密ではない)計算することができる。
したがって、2つの基板又は2つの基板パターンに対する例示的な供給動作は、第1の電子基板パターンを供給位置に送給するテップと、第2の電子基板パターンを供給位置に給送するステップと、第1の電子基板パターンと第1の供給ユニットとを位置合わせするステップと、第1の供給ユニットから所定の距離のところに第2の供給ユニットを位置決めするステップと、第1の供給ユニットから第1の電子基板パターン上の所望の場所に材料を供給するステップと、第2の供給ユニットから第2の電子基板パターン上の所望の場所に材料を供給するステップとからなることができる。或る特定の実施形態において、第1の供給ユニットから材料を供給するステップは、第1の供給ユニットを第1の電子基板パターンに向かって下降させることを含むことができる。同様に、第2の供給ユニットから材料を供給するステップは、第2の供給ユニットを第2の電子基板パターンに向かって下降させることを含むことができる。
別の例示的な供給動作は、第1の電子基板パターン及び第2の電子基板パターンをそれぞれの供給位置に給送するステップと、第1の電子基板パターン上方に第1の供給ユニットを位置決めするステップと、第1の供給ユニットから所定の距離のところに第2の供給ユニットを位置決めするステップと、第1の供給ユニットから第1の電子基板パターン上の所望の場所に材料を供給するステップであって、第1の供給ユニットを第1の電子基板パターンに向かって下降させることを含む、ステップと、第2の供給ユニットから第2の電子基板パターン上の所望の場所に材料を供給するステップであって、第2の供給ユニットを第2の電子基板パターンに向かって下降させることを含む、ステップとからなることができる。或る特定の実施形態において、所定の距離は、第1の電子基板パターンに関連付けられる第1の基準点及び第2の電子基板パターンに関連付けられる第2の基準点を特定することによって決定される。
2つの基板に対する更に別の例示的な供給動作は、(1)供給ユニットのそれぞれとカメラとの間の実際の距離を較正するステップと、(2)単数又は複数の基板上の基準場所の実際の位置を特定するステップと、(3)第1の供給ユニットを第1の基板上の第1の供給場所に移動させるステップと、(4)第1の基板上の第1の供給場所に供給を行うステップと、(5)第2の供給ユニットを第2の基板上の第1の供給場所に移動させるステップであって、この移動は僅かであり、したがって迅速に実行される移動である、ステップと、(6)第2の基板上の第1の供給場所に供給を行うステップと、(7)基板上の残りの供給場所のそれぞれに対してステップ(3)〜ステップ(6)を繰り返すステップとからなることができる。上述の動作は、基板上に複数のパターンを有する単一の基板上に供給を行う場合に実行することができる。
本開示の他の実施形態において、デュアルレーンコンベヤが、ワークをハンドリングするシステムに組み込まれる。このようなシステムにおいて、供給ユニットは、一方のコンベヤレーンに固定されている部品に供給を続ける一方で、部品が取り出されて、もう一方のコンベヤレーンに置かれる。
本開示の更に他の実施形態では、デュアルレーンコンベヤの態様が、複数のパレット装填固定具内に組み込まれている。こうしたシステムでは、供給ユニットは、1つのパレット上に固定された部品に供給を続ける一方で、部品が取り出されて、別のパレットに置かれる。
3つ以上の供給ユニットを使用する場合、1つおきの基板に対してこの同時の供給手法を採用することができることが更に企図される。例えば、3つの供給ユニットを使用する場合、第1の供給ユニット、第2の供給ユニット及び第3の供給ユニットによって、第1の基板、第3の基板及び第5の基板に対してそれぞれ同時に供給することができる。これらの基板に供給した後、供給が、第1の供給ユニット、第2の供給ユニット及び第3の供給ユニットによってそれぞれ、第2の基板、第4の基板及び第6の基板に対して行われるように、供給ユニットを移動させることができる。
例示的な実施形態では、材料を供給する方法は、少なくとも2つの同一パターンを有する電子基板を供給位置に給送し、少なくとも2つのパターンに関するデータを取得し、取得したデータに基づいて、その少なくとも2つのパターンに対して同時の供給動作を実施するために、その少なくとも2つのパターンが同時の供給に十分に適しているか否かを判断し、その2つのパターンが同時の供給に十分に適している場合、その少なくとも2つのパターンに対して同時の供給動作を実施することを含むことができる。
材料を供給することは、第1のパターンの第1の場所の上方に第1の供給ユニットを位置決し、第2のパターンの第1の場所の上方に第2の供給ユニットを位置決めすることを含むことができる。上述したように、第2の供給ユニットは、第1の供給ユニットから所定距離だけ間隔を空けて配置することができる。具体的には、第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットから、第1のパターン及び第2のパターンのそれぞれの第1の場所に材料を供給することができる。供給が行われると、第1の供給ユニットは、電子基板の第1のパターンの第2の場所の上方を移動し、第2の供給ユニットは、電子基板の第2のパターンの第2の場所の上方を同時に移動する。移動すると、第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットから、第1のパターン及び第2のパターンのそれぞれの第2の場所に材料を供給することができる。
別の例示的な実施形態では、材料を供給する方法は、(1)電子基板上の2つ以上の場所の位置を特定し、(2)特定された位置に基づいて、第1のパターンの供給場所及び第2のパターンの供給場所が、第1のパターン及び第2のパターン上に同時の供給動作を実施するために同時の供給に十分に適しているか否かを判断し、(3)第1の供給ユニットを第1のパターン上の供給場所に移動させるとともに、第2の供給ユニットを第2のパターン上の供給場所に移動させることであって、第1のパターンの供給場所は、第2のパターン上の供給場所に対応し、(4)第1の供給ユニットによって第1のパターン上の第1の供給場所に供給するとともに、第2の供給ユニットによって第2のパターン上の第1の供給場所に供給し、(5)電子基板の第1のパターン及び第2のパターン上の各残りの供給場所に対してステップ(3)及びステップ(4)を繰り返すことを含むことができる。上述したように、本方法を実施する前に、第1の供給ユニットとカメラとの間の距離及び第2の供給ユニットとカメラとの間の距離を較正することができる。
1つの実施形態において、ディスペンサーに提供される基板ごとに一回で静的な調整を行うには、視覚システム及びコントローラーは、基板の一部分から同じ基板の別の部分までの距離と、X/Y軸ガントリーに対する基板のあらゆる回転とを特定及び計算し、供給の前に第2の供給ユニットを同時に一回で調整する。別の実施形態において、自動調整機構を使用して、図8に示されているAuerボート142等のキャリアにおける、それぞれ140で示されている別個の部品/基板に供給を行いながら、動的な調整を行うことができる。これらの部品/基板は、互いに接続も正確な位置合わせもされていない。この場合、視覚システムは、キャリア142における各部品/基板140の位置を特定し、各部品/基板の相対的なオフセット及び回転を計算する。その後、ディスペンサーは、「マスター」基板パターンの供給を開始し、その間、マスターに対して他の供給ユニットを動的に調整しながら他の基板に同時に供給を行う。
したがって、2つのパターンが同時の供給に十分に適していない場合、すなわち2つの基板が同時の供給に十分に適していない例では、本方法は、第1の供給ユニットによる第1のパターン(又は基板)に対する第1の供給動作と、第2の供給ユニットによる第2のパターン(又は基板)に対する第2の供給動作とを同時に実行することを含む。このことは、第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットによる供給を続けながら、自動調整機構によって第2の供給ユニットを動的に位置決めすることにより達成することができる。
本発明の実施形態のディスペンサーは、異なるパターンを同時に供給することが可能である。このような方法において、供給ユニットを運ぶガントリーと、第2の供給ユニット(及び/又は第1の供給ユニット)に結合される自動調整機構とは、異なるパターンを同時に供給するように操作することができる。具体的には、動的な調整に向けて、図8に示されている2つの部品140はAuerボート142内でオフセットされる。右側の第1の供給ユニットは固定されているので、第1の供給ユニットの供給経路はメインガントリーの移動に従う。左側の第2の供給ユニットの供給経路は、視覚システムから計算され、自動調整機構によって制御される。この方法により、第1の供給ユニット及び第2の供給ユニットによって供給される線は同期して引くことができる。
1つの実施形態において、ディスペンサーの自動調整機構は、第2の供給ユニットを、X軸方向に50mmの距離及びY軸方向に12mmの距離だけ移動させることが可能である。別の実施形態において、ディスペンサーは、供給ユニットのうちの一方又は双方をセットアップ中に自動的に調節することが可能になるように構成することができる。
したがって、複数の供給ユニットを備えるディスペンサーの場合、複数の供給ユニットのそれぞれの距離及び相対位置は、複数の基板又は部材のそれぞれの間の距離及び相対間隔と一致するように構成することができる。自動視覚位置合わせシステムからの位置合わせ情報を収集及び分析した後、複数の供給ユニットのうちの第1の供給ユニットは、第1の基板又は部材上の第1の供給場所の上方に位置決めされる。供給動作を実行した後、ガントリーは、必要とされるX−Y平面の位置調整を行うように操作することができる。この位置調整は、複数の供給ユニットのうちの第2の供給ユニットを、複数の基板又は部材のうちの第2の基板又は部材の対応する第1の供給場所の上方に位置合わせするのに必要な場合がある。複数の供給ユニットのそれぞれの間の距離及び相対位置は、複数の基板又は部材のそれぞれの間の距離及び相対位置と必ずしも同一ではないものの略同様であるため、ガントリーのこのような調整はいずれも非常に僅かであり、したがって迅速に実行される。残りの複数の供給ユニットのそれぞれは、残りの基板又は部材のそれぞれの対応する第1の供給場所に材料を供給するように同様に使用することができ、その後、X軸及びY軸の方向にガントリーの大きい移動が必要となる。しかし、基板又は部材の数が供給ユニットの数よりも多い場合、基板の全てに対する供給動作を完了するためにガントリーを再位置決めする必要がある場合がある。本方法は、第2の供給場所及び後続の供給場所のそれぞれに供給を行うように繰り返される。ステップは、スループット又はプロセスの向上によって要求され得るように入れ替えることができることが理解されるべきである。
上述したように、1つの実施形態において、供給ユニットは別個のZ軸駆動機構に取り付けることができる。この構成により、適切な場合、限定はしないが供給、(例えば自動ニードル/ノズルクリーナーによるような)清掃、浄化、及び較正(X/Y軸位置又はZ軸位置)を含む独立の動作の実行が可能になる。しかし、ディスペンサーは、ニードル/ノズルから材料を流出又は噴出する等の非接触供給に特に適することができることに留意するべきである。非接触供給向けに構成される場合、供給動作は、単一のZ軸駆動機構に取り付けられる2つ(又は3つ以上)の供給ユニットによって実行することができる。
本開示の1つの実施形態は、同期モードと非同期モードとの間で供給する方法に関する。上述したように、視覚システムを使用して、単数若しくは複数の基板が同時の供給に十分に適しているか否か、又は、単数若しくは複数のパターンが同時の供給に十分に適しているか否かを判断する場合において、同時の供給に十分に適している場合、同期動作モードを採用することにより、供給ユニットによって、基板又はパターンに同時に供給することができる。しかしながら、同時の供給に十分に適していない場合、非同期動作モードを採用することにより、基板又はパターンに自動的に独立して非同期に供給することができる。
本明細書で用いる「同時の供給に十分に適している」とは、コントローラーによって、視覚システム又はカメラによって取得された1つ以上の画像に関連するデータを検査した後に決定されるように、2つ以上の基板又はパターンが既知の場所に位置しており、こうした既知の場所が所定許容範囲内にあり、他の取得されたデータのいずれもが、基板又はパターンの一方以上に供給しない理由を示さないことを意味する。
本明細書で用いる「取得されたデータ」は、視覚データ等、供給システムの内部で生成されたデータ、又は先行する処理に基づいて外部供給源から転送されたデータを意味する。
1つの実施形態では、動作モードは、基板又はパターンの一方以上が、以下の理由のうちの少なくとも1つでスキップするべきであると判断された場合に、同期モードから非同期モードに変更する。
1.基板又はパターンの一方以上が、所定許容範囲内にない。
2.視覚システムが、基板又はパターンの一方以上を認識せず、したがって、その基板又はパターンがスキップすべきとみなされる。
3.基板又はパターンの一方以上が、視覚に基づくバッドマークにより「バッドマークが付されている」。
4.基板又はパターンの一方以上が、基板又はパターンの先行する処理から取得されたデータにより「バッドマークが付されている」。
5.部分的に供給されたパターンの検査により、問題又は障害があると判断され、したがって、プロセスの残りがスキップされる。
本明細書で用いる「バッドマーク」は、特定の生産セル又は機器内で所与のプロセスをスキップするように部品又は部品の一部(パターン)をマークする手段を意味する。「視覚的バッドマーク」は、プロセス機器の視覚システムによって検査される製品上の物理マークであるバッドマークを意味し、見つかった(又は見つからなかった)場合、その部品が、バッドマークが付されているか又は処理するのに良好であるかを決定する。「電子バッドマーク」は、プロセス機器に提示されるデータによって決定されるバッドマークを意味し、いずれの製品の部品/部分が、バッドマークが付されているか又は処理するのに良好であるかを決定する。
例として、処理すべき8つの部分/部品を有する連続基板ABCDに対して、11100111というデータ/電子バッドマークが与えられ、部品4、5に「ゼロ」によりバッドマークが付されており、したがって部品4、5がスキップされるため、部品1、2、3、6、7、8のみが処理される。したがって、1つの実施形態では、処理するとき、ディスペンサーは、部品1、2、3に対して同期モードで、部品4、5に対して非同期モードで、部品6、7、8に対して同期モードに戻って動作するように構成することができる。別の実施形態では、バッドマークが付された部品4、5を認識すると、ディスペンサーは、非同期モードで部品1、2、3、6、7、8に供給するようにのみ動作するように構成することができる。スキップされた部品4、5は、後に解体するか若しくは再加工し、又は他の方法で処理することができる。
したがって、本開示の方法は、言及した理由に基づき、同期モード処理から非同期モード処理に変更して、部品又は部品の一部をスキップする方法に関する。同期供給を使用する場合、部品に対して、同期モードを用いることにより適切に供給を行い、又は非同期モードを用いることにより部品を必要に応じてスキップすることができる。同期動作モード及び非同期動作モードを設けることにより、所与の組における全ての部品に対して、それらの状態に基づいて供給がなされるか供給がなされず、スキップされないようにすることができる。こうした動作モードがなければ、処理が不要である部品に対して、材料及び時間が無駄になる。
1つの好ましい方法では、材料を供給する方法は、電子基板を供給位置に給送することを含む。電子基板は、少なくとも2つの同一パターンを有する。位置決めされると、本方法は、少なくとも2つのパターンに関するデータを取得し、少なくとも2つのパターンが同時の供給に十分に適しているか否かを判断することを含む。同時の供給に十分に適している場合、本方法は、同期動作モードで、取得されたデータに基づいて少なくとも2つのパターンに対して同時の供給動作を実施することを含む。同時の供給に十分に適していない場合、本方法は、非同期モードで、(1)少なくとも2つのパターンのうちの第1のパターンに対する第1の供給動作、及び少なくとも2つのパターンのうちの第2のパターンに対する第2の供給動作を実施することと、(2)第1のパターン及び第2のパターンのうちの一方に対する単一の供給動作と、(3)供給動作なしとのうちの1つを実施することを含む。
別の好ましい方法では、材料を供給する方法は、第1の電子基板を第1の供給位置に給送し、第2の電子基板を第2の供給位置に給送することを含む。位置決めされると、本方法は、第1の電子基板及び第2の電子基板に関するデータを取得し、第1の電子基板及び第2の電子基板が同時の供給に十分に適しているか否かを判断することを含む。同時の供給に十分に適している場合、本方法は、同期動作モードで、取得されたデータに基づいて第1の電子基板及び第2の電子基板に対して同時の供給動作を実施することを含む。同時の供給に十分に適していない場合、本方法は、非同期モードで、(1)第1の電子基板に対する第1の供給動作、及び第2の電子基板に対する第2の供給動作を実施することと、(2)第1の電子基板及び第2の電子基板のうちの一方に対する単一の供給動作と、(3)供給動作なしのうちの1つを実施することを含む。
両方の好ましい方法により、非同期モードは、(1)基板又はパターンの一方以上が所定許容範囲内にないと判断すること、(2)少なくとも2つのパターンの一方を認識しないこと、(3)少なくとも1つの画像を取り込む前に取得されたデータにバッドマークを割り当てること、(4)少なくとも2つのパターンを有する電子基板の先行する処理から取得されたデータにバッドマークを割り当てること、又は(5)部分的に供給されたパターンを検査し、欠陥を判定することにより、トリガーされる。
このように、本開示の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明してきたが、当業者には種々の改変、変更、及び改善が容易に思い浮かぶことが理解されるべきである。そのような改変、変更、及び改善は、本開示の一部であることを意図しており、本開示の趣旨及び範囲内にあることを意図している。したがって、これまでの説明及び図面は例にすぎない。