JP2021528479A - ヤヌスキナーゼ阻害剤としての新規アミノ−イミダゾピリミジン誘導体およびその製薬学的用途 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物に関する。さらに、本発明は、治療に用いるための該化合物、該化合物を含む医薬組成物、および自己免疫疾患の処置に用いるための該化合物に関する。

Description

本発明は、ヤヌスキナーゼの阻害剤である化合物およびその誘導体、治療に使用するための該化合物、ならびに該化合物を含む医薬組成物に関する。
本発明は、ヤヌスキナーゼ(JAK1、JAK2、JAK3およびTYK2)、特にヤヌスキナーゼ1(JAK1)のようなタンパク質チロシンキナーゼの阻害剤である新規化合物に関する。
プロテインチロシンキナーゼは、タンパク質基質中のチロシン残基へのアデノシン三リン酸の末端リン酸の転移を触媒する酵素のファミリーである。タンパク質基質上のチロシン残基のリン酸化によって、細胞増殖分化および活性化、代謝、造血、宿主防御、ならびに免疫調節などの多種多様のプロセスを調節する細胞内シグナルの伝達が生じる。免疫系の多くの炎症状態および他の障害(例えば自己免疫疾患)における分子メカニズムの解明により、これらの細胞内シグナル経路の重要な役割が明確になったので、プロテインチロシンキナーゼの活性の調節が炎症性疾患の管理への魅力的なルートであると思われる。インスリン受容体などの受容体型プロテインチロシンキナーゼ、または非受容体型プロテインチロシンキナーゼであり得る、多数のプロテインチロシンキナーゼが同定されている。
プロテインチロシンキナーゼJAK1、JAK2、JAK3およびTYK2は、種々のサイトカイン受容体鎖の細胞質ドメインと選択的に会合し、組織恒常性のサイトカイン依存性調節、自然免疫の開始、ならびに適応免疫応答および炎症過程の形成において極めて重要な役割を果たす。該プロテインチロシンキナーゼは、サイトカイン受容体の刺激によるチロシンリン酸化を介したそれらの活性化に応答するシグナル伝達において重要である。(1)非特許文献1;(2)非特許文献2;(3)非特許文献3;(4)非特許文献4;(5)非特許文献5;(6)非特許文献6。
JAK1、JAK2およびTYK2は遍在的に発現するが、JAK3は主に造血細胞で発現する。
JAK1は生物学的応答の媒介において重要な役割を果たし、JAK1は広く発現し、いくつかの主要なサイトカイン受容体ファミリーと会合する。それは、IL−2受容体γサブユニットファミリーのメンバー(IL−2、IL−4、IL−7R、IL−9R、IL−15RおよびIL−21R)、IL−4受容体ファミリーのメンバー(IL−4R、IL−13R)、gp130受容体ファミリーのメンバー、ならびにIL−10受容体ファミリーとI型およびII型IFN受容体ファミリーの両方とを含むII型サイトカイン受容体のメンバーによるシグナル伝達に関与している。
JAK2は、いくつかの単鎖受容体(Epo−R、GHR、PRL−Rを包含する)、IL−3受容体ファミリー、gp130受容体ファミリー、IL−12受容体ファミリー(IL−12およびIL−23)およびいくつかのII型受容体サイトカインファミリーによるシグナル伝達に関与している。したがって、JAK2は、Epo、IL−3、GM−CSF、IL−5およびIFNγのシグナル伝達において重要な役割を果たしている。JAK2ノックアウトマウスは胚性致死表現型を示す。
JAK3は、IL−2受容体ファミリーとしても知られているI型サイトカイン受容体ファミリー(例えば、IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15およびIL−21)の共通γ鎖を用いる受容体によるシグナル伝達に関与している。XSCID患者集団は、JAK3タンパク質のレベルが低下しているか、または共通γ鎖に遺伝子異常があると同定されており、このことは、免疫抑制がJAK3経路を介したシグナル伝達の遮断により生じるはずであるということを示唆している。動物実験により、JAK3がBリンパ球およびTリンパ球の成熟において重要な役割を果たすことだけではなく、JAK3がT細胞機能を維持するために構成的に必要であることも示唆されている。この新規メカニズムを介する免疫活性の調節は、免疫系疾患、特に自己免疫疾患などのT細胞増殖性障害の処置に有用であることを証明することができる。
TYK2は、I型インターフェロン、IL−6、IL−10、IL−12およびIL−23シグナル伝達に関与している。TYK2欠損症のヒト患者が報告されており、この患者は、ウイルス、細菌および真菌による多くの日和見感染を伴う高IgE様症候群と特徴付けられる原発性免疫不全障害を有していた。IL−23は多くの慢性炎症性状態において重要な役割を果たすことが判明しているので、TYK2阻害剤は、おそらく、IL−23の影響を受けている疾患の処置に非常に有効であり得る。
貧血および好中球減少症はそれぞれEPOおよびGM−CSFの阻害と関連している可能性がある。これは、これら2つのサイトカインによる生物学的効果が明らかにJAK2活性化のみに依存しているためである。同様に、IL−12およびIL−23はウイルス、細菌および真菌に対する自然免疫防御および適応免疫防御に関与している。これらのサイトカインはそれらのシグナル伝達カスケードにおいてJAK2およびTYK2を動員する受容体に結合するので、選択的JAK1阻害剤はそれらの生物学的活性に影響を与えず、したがって、JAK1、JAK2、JAK3およびTYK2を阻害する化合物と比較して、より安全なプロファイルを有すると考えられる。
JAKの活性化は、STAT分子の活性化を引き起こし、したがって、リン酸化事象によって高度に調節されているJAK/STATシグナル伝達経路の誘発を引き起こす。STAT分子の活性化はJAK活性の有効な薬力学的マーカーと考えられ、特定のJAK分子の活性は優先的に動員された活性STAT分子のレベルによって評価され得る。
特に、免疫細胞により発現するIL−4の受容体は、2つの異なる鎖、すなわちリガンド高親和性およびシグナルトランスデューサーIL−4Raと共通γ鎖とで構成されており、リガンド結合するとそれぞれJAK1およびJAK3を活性化させ、STAT6の動員および活性化を引き起こす。同様に、IL−6受容体は、IL−6高親和性受容体鎖(IL−6Ra)、およびJAK1が優先的に会合するシグナルトランスデューサー糖タンパク質130(gp130)鎖によって形成されるヘテロ二量体受容体である。gp130鎖は、リガンド結合するとJAK1およびSTAT3シグナル伝達経路を活性化する。したがって、JAK1の活性を調べるために、それぞれIL−4またはIL−6のいずれかで刺激した後の免疫細胞において活性なSTAT6またはSTAT3のレベルを評価することができる。
さらにまた、エリスロポエチンの受容体(EPOR)は2つの同一受容体鎖によって構成されるホモ二量体受容体である。したがって、EPOR鎖は、高親和性リガンド結合およびシグナルトランスデューサー両方の鎖であり、リガンド結合すると会合したJAK2分子のみを活性化し、STAT5の動員および活性化を引き起こす。GM−CSFの受容体は、JAK2が特異的に会合する、GM−CSF高親和性受容体鎖(GM−CSFRα)およびシグナルトランスデューサー鎖(GM−CSFRβ)によって構成されるヘテロ二量体受容体である。リガンド結合すると、α受容体鎖およびβ受容体鎖の会合により、JAK2およびSTAT5シグナル伝達経路の活性化が引き起こされる。したがって、JAK2の活性を調べるために、GM−CSFまたはエリスロポエチン(EPO)のいずれかで刺激した後の免疫細胞において活性なSTAT5のレベルを評価することができる。
ヤヌスキナーゼの阻害剤は、これらのキナーゼが関与する炎症性および非感染性の自己免疫疾患の処置において有用性を示すことが期待される。最近、汎JAK阻害剤(pan-JAK inhibitor)であるトファシチニブおよびルキソリチニブがそれぞれ関節リウマチおよび骨髄線維症の処置のために発売された。
したがって、JAK阻害剤は、さらにまた、例えば、乾癬、アトピー性皮膚炎、強皮症、酒さ、皮膚癌、皮膚炎、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、白斑、円形脱毛症、接触性皮膚炎、湿疹、乾皮症、魚鱗癬、じん麻疹および慢性特発性そう痒症などの皮膚疾患;喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、嚢胞性線維症、鼻炎、気管支炎、綿肺症、塵肺症、気管支拡張症、過敏性肺炎、肺癌、中皮腫およびサルコイドーシスなどの呼吸器疾患;炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、後腹膜線維症、セリアック病および癌などの胃腸疾患;重症筋無力症、シェーグレン症候群、結膜炎、強膜炎、ぶどう膜炎、ドライアイ症候群、角膜炎、虹彩炎などの眼疾患;ループス、多発性硬化症、関節リウマチ、I型糖尿病および糖尿病からの合併症、癌、強直性脊椎炎および乾癬性関節炎のなどの全身適応症;ならびに他の自己免疫疾患、および例えば臓器移植におけるような免疫抑制が望ましい適応症を含む、ヤヌスキナーゼの活性に関連する疾患の処置においても有用であり得る。
特許文献1には、三環式複素環化合物、組成物およびJAK阻害剤としてのその使用方法が開示されている。
特許文献2には、ヤヌスキナーゼの阻害剤としての使用のための縮合三環式化合物が開示されている。
特許文献3には、三環式複素環化合物、組成物およびその使用方法が開示されている。
特定のJAK酵素を効果的かつ選択的に阻害する新規化合物、特に全体的な抗炎症効力に影響を与えることなく有害作用を低減させるためにJAK1対JAK2を選択的に阻害する阻害剤が依然として必要とされている
国際公開第2013/007768号 国際公開第2013/007765号 国際公開第2011/086053号
Schindler C. et al. JAK-STAT signaling: from interferons to cytokines. J. Biol. Chem 2007; 282(28):20059 O'Shea J.J. Targeting the Jak/STAT pathway for immunosuppression; Ann. Rheum. Dis. 2004; 63 Suppl 2:ii67 Schindler C. Series introduction. JAK-STAT signaling in human disease; J. Clin. Invest. 2002; 109(9):1133) O'Shea et. Al. Cell, Vol. 109, S121-S131, 2002 Schwartz D.M. et al. Nat. Rev. Rheumatol., 2016; 12(1): 25-36 O'Shea et al. New. Eng. J. Med. 2013; 368(2): 161-170
本発明の化合物はヤヌスキナーゼに対して阻害活性を示す;特に本発明の化合物はJAK1に対して阻害活性を示す。したがって、本発明の化合物はJAKキナーゼ阻害選択性を示す;特に、該化合物はJAK1対JAK2の阻害選択性を示す。その結果として、本発明の化合物はSTAT6またはSTAT3対STAT5の阻害選択性を示し得る。
したがって、本発明は、式(I)
Figure 2021528479
[式中、
Aは、C6シクロアルキルを表し;
1は、C1アルキルを表し、ここで、該C1アルキルは、重水素からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
2は、C1アルキルを表し、ここで、該C1アルキルは、R5から選択される置換基で置換されており、また、ここで、該C1アルキルは、1個以上の重水素で置換されていてもよく;
3は、C2アルキルを表し、ここで、該C2アルキルは、R6から選択される置換基で置換されており、また、ここで、該C2アルキルは、1個以上の重水素で置換されていてもよく;
4は、水素または重水素を表し;
5は、シアノを表し;
6は、ヒドロキシルを表す]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物に関する。
別の態様では、本発明は、薬学的に許容されるビヒクルもしくは賦形剤または薬学的に許容される担体とともに、場合によっては1つ以上の他の治療活性化合物とともに、本明細書で定義される一般式(I)で示される化合物を含む医薬組成物に関する。
さらに別の態様では、本発明は、医薬としての使用のための本明細書で定義される一般式(I)で示される化合物に関する。
さらに別の態様では、本発明は、自己免疫疾患のような免疫系の疾患、または免疫系の調節解除に関する疾患の予防および/または処置における使用のための本明細書で定義される一般式(I)で示される化合物に関する。
発明の詳細な説明
定義
用語「(Ca〜Cb)アルキル」とは、分枝鎖状または直鎖状炭化水素から1個の水素原子を除去した場合に得られるラジカルを示すことを意図している。該アルキルは、1〜6個、好ましくは1〜4個、例えば1〜3個、例えば2〜3個、または例えば1〜2個の炭素原子を含む。該用語は、サブクラスであるノルマルアルキル(n−アルキル)、二級および三級アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシルおよびイソヘキシルを包含する。「アルキル」中の炭素原子の数は、接頭辞「(Ca〜Cb)」によって示される(ここで、aは炭化水素ラジカル中の炭素の最小数であり、bは最大数である)。したがって、例えば、(C1〜C4)アルキルとは、1〜4個の炭素原子を含むアルキルラジカルを示すことを意図している。C1アルキルとは、1個の炭素原子を含むアルキルラジカル、例えばメチルを示すことを意図している。C2アルキルとは、2個の炭素原子を含むアルキルラジカル、例えばエチルを示すことを意図している。
用語「シアノ」とは、炭素原子を介して親分子部分に結合している−CN基を示すことを意図している。
用語「(Ca〜Cb)シクロアルキル」とは、3〜8個の炭素原子、例えば5〜8個の炭素原子、例えば5〜7個の炭素原子、例えば5〜6個の炭素原子、例えば3〜6個の炭素原子、例えば3〜5個の炭素原子または例えば3〜4個の炭素原子、例えば6個の炭素原子を含む、二環式または三環式ラジカルなどの多環式ラジカルを包含する飽和シクロアルカン炭化水素ラジカルを示すことを意図しており、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチル、アダマンチル(adamantly)およびクバニル(cubanyl)である。「シクロアルキル」中の炭素原子の数は、接頭辞「(Ca〜Cb)」によって示される(ここで、aは炭化水素ラジカル中の炭素の最小数であり、bは最大数である)。したがって、例えば(C5〜C8)シクロアルキルとは、5〜8個の炭素原子を含むシクロアルキルラジカルを示すことを意図している。
用語「ハロゲン」とは、周期表の第7典型元素族(the 7th main group)からの置換基を示すことを意図しており、例えばフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードである。
用語「炭化水素ラジカル」とは、水素原子および炭素原子だけを含有するラジカルを示すことを意図しており、1つ以上の二重および/または三重炭素−炭素結合を含有し得、分枝鎖または直鎖部分と組み合わせた環状部分を含み得る。該炭化水素は、1〜10個の炭素原子を含み、好ましくは1〜4個、例えば1〜3個、例えば1〜2個の炭素原子を含む。該用語は、本明細書において示されるアルキル、シクロアルキルおよびアリールを包含する。
炭化水素ラジカル(例えば、アルキルおよびシクロアルキル)中の炭素原子の数は、接頭辞「(Ca〜Cb)」によって示される(ここで、aは炭化水素ラジカル中の炭素の最小数であり、bは最大数である)。したがって、例えば(C1〜C4)アルキルとは、1〜4個の炭素原子を含むアルキルラジカルを示すことを意図しており、(C5〜C8)シクロアルキルとは、5〜8個の炭素環原子を含むシクロアルキルラジカルを示すことを意図している。
用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」とは、−OH基を示すことを意図している。
用語「ヒドロキシ(Ca〜Cb)アルキル」とは、1個以上のヒドロキシで置換されている上記で定義した(Ca〜Cb)アルキル基を示すことを意図しており、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルである。
アリールアルキル、シクロアルキルアルキルなどのように上記で定義した用語の2つ以上が組み合わせて使用されている場合、最初に記載されているラジカルは後に記載されているラジカルの置換基であり、親分子部分への結合点は後者のラジカル上にあると解されるべきである。
基C(O)とは、カルボニル基(C=O)を表すことを意図している。
置換基が独立して群から選択されるように記載されている場合、各置換基は、お互いに独立して選択される。したがって、各置換基は、他の置換基と同一であっても異なっていてもよい。
用語「置換されていてもよい」とは、「非置換であるかまたは置換されている」ことを意味し、したがって、本明細書に記載の一般式は、明記された任意の置換基を含有する化合物および該任意の置換基を含有しない化合物を包含する。
用語「薬学的に許容される塩」とは、塩基性部分を含む式(I)で示される化合物を、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸(dichloroaetic)、アジピン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、ガラクタル酸、乳酸、マレイン酸、L−リンゴ酸、フタル酸、クエン酸、プロピオン酸、安息香酸、グルタル酸、グルコン酸、D−グルクロン酸、メタンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、マロン酸、酒石酸、ベンゼンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファミン酸またはフマル酸などの好適な無機酸または有機酸と反応させることによって調製される塩を示すことを意図している。薬学的に許容される塩のさらなる例は、Berge, S.M.; J. Pharm. Sci.; (1977), 66(1), 1-19(出典明示により本明細書の一部とする)に挙げられている。
用語「溶媒和物」とは、化合物、例えば式(I)で示される化合物と、溶媒、例えばアルコール、グリセロールまたは水との間の相互作用により形成される種を示すことを意図している。水が溶媒である場合、該種は水和物と称される。
本明細書で用いられる用語「処置」とは、疾患、障害または状態と戦うことを目的とした患者の管理およびケアを意味する。該用語は、疾患、障害もしくは状態の進行の遅延、症状および合併症の寛解、軽減もしくは緩和、ならびに/または疾患、障害もしくは状態の治癒もしくは消失を含むことを意図している。該用語は、状態の予防を含み、ここで、予防とは、疾患、状態または障害と戦うことを目的とした患者の管理およびケアであると解されるべきであり、症状または合併症の発症を予防するための活性化合物の投与を含む。それにもかかわらず、予防的(予防的)処置および治療的(根治的)処置は2つの異なる態様である。
特に明記しない限り、本明細書で提供されるすべての正確な値は、対応する近似値の代表であり、例えば、特定の測定値に関して提供される正確な例示的な値は、適切な場合には「約」によって修正された、対応する近似測定値も提供すると考えることができる。
本明細書において引用される刊行物、特許出願および特許を含む全ての参考文献は、本明細書の他の場所で行われた特定の文書の別個の提供された組み込みに関係なく、出典明示により、その全体として、各参考文献が個別に具体的に示されていた場合と同程度に、本明細書の一部とする。
本発明の実施態様
本発明の実施態様は、上記式(I):
Figure 2021528479
[式中、
Aは、C6シクロアルキルを表し;
1は、C1アルキルを表し、ここで、該C1アルキルは、重水素からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
2は、C1アルキルを表し、ここで、該C1アルキルは、R5から選択される置換基で置換されており;
3は、C2アルキルを表し、ここで、該C2アルキルは、R6から選択される置換基で置換されており;
4は、水素を表し;
5は、シアノを表し;
6は、ヒドロキシルを表す]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の実施態様は、下記式(Ia)
Figure 2021528479
[式中、
1は、C1アルキルを表し、ここで、該C1アルキルは、重水素からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
2は、C1アルキルを表し、ここで、該C1アルキルは、R5から選択される置換基で置換されており、また、ここで、該C1アルキルは、1個以上の重水素で置換されていてもよく;
4は、水素または重水素を表し;
5は、シアノを表し;
6は、ヒドロキシルを表し;
a、Rb、RcおよびRdは、各々独立して、水素または重水素から選択される]
で示される上記式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
実施態様では、本発明は、一般式(Ib)
Figure 2021528479
[式中、R1、R2、R4およびR6は、上記の定義と同じであり、また、Ra、Rb、RcおよびRdは、各々独立して、水素および重水素から選択される]
である一般式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
実施態様では、本発明は、一般式(Ic)
Figure 2021528479
[式中、R1、R2、R4およびR6は、上記の定義と同じであり、また、Ra、Rb、RcおよびRdは、各々独立して、水素および重水素から選択される]
である一般式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
実施態様では、本発明は、一般式(Id)
Figure 2021528479
[式中、R1、R2、R4およびR6は、上記の定義と同じであり、また、Ra、Rb、RcおよびRdは、各々独立して、水素および重水素から選択される]
である一般式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の実施態様は、
2−[トランス−4−[8−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(メチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル、
2−[トランス−4−[8−(1−ヒドロキシエチル)−2−(メチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル
から選択される式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の実施態様は、
2−[トランス−4−[8−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(メチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル、
2−[トランス−4−[8−(1−ヒドロキシエチル)−2−(メチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル、
2−[トランス−4−[8−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(トリジュウテリオメチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル
から選択される式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の実施態様は、
2−[トランス−4−[8−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(メチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル
から選択される式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
本明細書に記載の2つ以上の実施態様の組合せはいずれも本発明の範囲内であると考えられる。
式(I)で示される化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物は、有機溶媒からの濃縮により直接、または、有機溶媒または該溶媒と有機もしくは無機であり得る共溶媒(例えば、水)との混合物からの結晶化もしくは再結晶により、結晶形態で得ることができる。結晶は、本質的に無溶媒の形態で、または水和物などの溶媒和物として、単離することができる。本発明は、多形体および擬多形体などの全ての結晶形態、ならびにそれらの混合物も対象とする。
式(I)で示される化合物は、異性体形態、例えばエナンチオマーおよび場合によりジアステレオマーの存在を生じさせる不斉置換された(キラル)炭素原子を含んでもよいし、含まなくてもよい。本発明は、光学的に純粋な形態の、またはそれらの混合物(例えば、ラセミ混合物または部分的に精製された光学混合物)としてのそのような全ての異性体に関する。本発明の化合物および中間体の純粋な立体異性体形態は、当該技術分野で知られている手順の適用により得ることができる。選択的結晶化およびクロマトグラフィー技術、例えばキラル固定相を使用する高速液体クロマトグラフィーなどの物理的分離方法により、種々の異性体形態を分離することができる。エナンチオマーは、l−エフェドリンなどの光学活性アミン、または光学活性酸で形成することができるそれらのジアステレオマー塩の選択的結晶化によりお互いに分離することができる。次に、該精製されたジアステレオマー塩から、光学的に精製された化合物を遊離させることができる。エナンチオマーは、ジアステレオマー誘導体の形成により分割することもできる。別法として、エナンチオマーは、キラル固定相を使用してクロマトグラフィー技術により分離することができる。純粋な立体異性体形態は、適切な出発物質の対応する純粋な立体異性体形態から誘導することもできる。特性の立体異性体が望まれる場合、該化合物は、立体選択的または立体特異的な調製方法により、および/またはキラル純粋な出発物質を用いることにより、合成することができる。さらにまた、二重結合または完全もしくは部分飽和環系が分子内に存在する場合、幾何異性体が形成され得る。分離された幾何異性体、純粋なもしくは部分的に精製された幾何異性体またはそれらの混合物が本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
一般式(I)で示される化合物において、原子はそれらの天然の同位体存在量を示し得るか、または1個以上の原子は、同じ原子番号を有するが自然界に見られる原子量または質量数と異なる原子量または質量数を有する特定の同位体で人工的に濃縮され得る。本発明は、一般式(I)で示される化合物のすべての好適な同位体バリエーションを含むことを意味する。例えば、水素のさまざまな同位体形態としては1H、2Hおよび3Hが挙げられ、炭素のさまざまな同位体形態としては12C、13Cおよび14Cが挙げられ、窒素のさまざまな同位体形態としては14Nおよび15Nが挙げられる。重水素(2H)の濃縮は、例えば、生体内半減期を延長させるかもしくは投与計画を短縮させることができるか、または、生物学的サンプルの特性評価の標準として有用な化合物を提供することができる。一般式(I)内の同位体濃縮化合物は、当業者に周知の慣用技術によって、または適切な同位体濃縮試薬および/もしくは中間体を使用する本明細書の一般的手順および実施例に記載されるものと類似のプロセスによって調製することができる。
本発明の1つ以上の実施態様では、上記で定義した式Iで示される化合物は、治療に有用であり、特に、例えば、増殖性および炎症性皮膚障害、乾癬、アトピー性皮膚炎、強皮症、酒さ、皮膚癌、皮膚炎(dermatis)、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、白斑、円形脱毛症、接触性皮膚炎、湿疹、乾皮症、魚鱗癬、じん麻疹および慢性特発性そう痒症などの皮膚疾患;喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、嚢胞性線維症、鼻炎、気管支炎、綿肺症、塵肺症、気管支拡張症、過敏性肺炎、肺癌、中皮腫およびサルコイドーシスなどの呼吸器疾患;炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、後腹膜線維症、セリアック病および癌などの胃腸疾患;重症筋無力症、シェーグレン症候群、結膜炎、強膜炎、ぶどう膜炎、ドライアイ症候群、角膜炎、虹彩炎などの眼疾患;ループス、多発性硬化症、関節リウマチ、I型糖尿病および糖尿病からの合併症、癌、強直性脊椎炎および乾癬性関節炎などの全身適応症;ならびに、例えば臓器移植において免疫抑制が望ましい他の自己免疫疾患および適応症の処置に有用である。
実施態様では、本発明は、乾癬またはアトピー性皮膚炎の予防および/または処置に用いるための上記定義の式Iで示される化合物を提供する。
実施態様では、本発明は、自己免疫疾患などの免疫系の疾患を予防、処置または寛解する方法であって、該疾患の少なくとも1つに罹患しているヒトに、上記一般式Iで示される1種類以上の化合物の有効量を、場合によっては薬学的に許容される担体または1種類以上の賦形剤と一緒に、場合によっては他の治療活性化合物と組み合わせて、投与することを含む、方法を提供する。
実施態様では、本発明は、乾癬またはアトピー性皮膚炎を予防、処置または寛解する方法であって、該疾患の少なくとも1つに罹患しているヒトに、上記一般式Iで示される1種類以上の化合物の有効量を、場合によっては薬学的に許容される担体または1種類以上の賦形剤と一緒に、場合によっては他の治療活性化合物と組み合わせて、投与することを含む、方法を提供する。
実施態様では、本発明は、乾癬またはアトピー性皮膚炎などの自己免疫疾患などの免疫系の疾患の予防および/または処置のための医薬の製造に用いるための式Iで示される化合物を提供する。
本発明の1つ以上の実施態様では、上記定義の式Iで示される化合物は、JAK1、JAK2、JAK3またはTYK2プロテインチロシンキナーゼなどのプロテインチロシンキナーゼのJAKファミリーのプロテインチロシンキナーゼの活性を調節することができる抗炎症剤として有用である。
1つ以上の実施態様では、本発明は、JAK1キナーゼ活性の阻害に応答する疾患の処置において使用するための一般式(I)で示される化合物を提供する。
本発明の化合物は、ヒトの処置に有用であることに加えて、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌおよびネコなどの哺乳動物を包含する動物の獣医学的処置にも有用であり得る。
本発明の医薬組成物
治療における使用のために、本発明の化合物は、典型的には医薬組成物の形態である。したがって、本発明は、式(I)で示される化合物を、薬学的に許容される賦形剤、ビヒクルまたは担体と一緒に、場合によっては1種類以上の他の治療活性化合物と一緒に、含む医薬組成物に関する。賦形剤は、組成物の他の成分と互換性があり、そのレシピエントに有害ではないという意味で「許容できる」ものでなければならない。
好都合には、該活性成分は、製剤の0.0001〜99.9重量%含む。
投与単位(dosage unit)の形態において、化合物は、しかしながら、常に、しかしながら、患者の状態に応じて、そして医師によって作成された処方に従って、適切な間隔で1日1回以上投与され得る。好都合には、製剤の投与単位は、式(I)で示される化合物0.001mg〜1000mg、好ましくは0.01mg〜100mg、例えば0.1〜50mgを含む。
本発明の化合物の好適な投与量(dosage)は、とりわけ、患者の年齢および状態、処置される疾患の重症度、ならびに開業医に周知の他の要因に依存するであろう。該化合物は、経口、非経口、局所、経皮または経皮のいずれか、および異なる投与スケジュールに従って(例えば、毎日、毎週、または1か月間隔で)他の経路で、投与することができる。一般に、単一用量(single dose)は0.001〜400mg/kg体重の範囲である。該化合物は、ボーラスとして投与され得る(すなわち、一日量全体が一度に投与される)か、または1日2回以上の分割用量で投与され得る。
局所治療の文脈では、患者に投与することができ、容易に取り扱いおよび包装することができ、活性物質それ自体または固体、半固体もしくは液体の医薬希釈剤もしくは担体との混合物を含む物理的および化学的に安定な単位用量(unit dose)として残っている単一用量を意味する「使用単位(usage unit)」と称するのがより適切であり得る。
局所使用に関連する用語「使用単位」とは、治療面積1平方センチメートル当たり、問題の活性成分0.001μg〜1mg、好ましくは0.05μg〜0.5mgの塗布において患者に局所的に投与することができる単位(unitary)用量、すなわち単一用量を意味する。
また、特定の治療計画において、より長い間隔、例えば隔日、毎週、またはより長い間隔で投与することが有益であり得ることが予想される。
処置が他の治療活性化合物の投与を含む場合、該化合物の有用な投与量については、Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th Ed., J.G. Hardman and L.E. Limbird (Eds.), McGraw-Hill 1995を参考にすることが推奨される。
本発明の化合物と1種以上の他の活性化合物との投与は、同時または連続のいずれかであり得る。
該製剤としては、例えば、経口投与、直腸投与、非経口投与(皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与、関節内投与および静脈内投与を含む)、経皮投与、皮内投与、眼科投与、局所投与、経鼻投与、舌下投与または頬側投与に好適な形態のものが挙げられる。
該製剤は、慣用的には、投与単位形態で提供され得、例えばRemington, The Science and Practice of Pharmacy, 21ed ed., 2005に開示されているような、薬学の技術分野で周知の方法のいずれかによって調製することができるが、これらに限定されるものではない。すべての方法は、活性成分を、1つ以上の付属成分を構成する担体と関連させる工程を含む。一般に、該製剤は、活性成分を液体担体、半固体担体もしくは微粉固体担体、またはこれらの組み合わせと均一かつ親密に関連させ、次いで、必要に応じて、該生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。
経口投与および頬側投与に好適な本発明の製剤は、それぞれが所定量の活性成分を含有するカプセル剤、サシェ剤、錠剤、チューインガムまたはロゼンジ剤のような個別単位の形態であってもよく、粉末、顆粒またはペレットの形態であってもよく、水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液の形態であってもよく、またはゲル、ナノエマルション、マイクロエマルション、水中油型エマルション、油中水型エマルション、または他の分散系の形態であってもよい。水性懸濁液のための好適な分散剤または懸濁化剤としては、合成または天然の界面活性剤および粘度調整剤(viscosifying agent)が挙げられる。また、活性成分は、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤の形態で投与してもよい。
錠剤は、活性成分を、場合によっては1種類以上の付属成分と一緒に、圧縮、成形または凍結乾燥することにより製造することができる。圧縮錠剤は、結合剤および/または充填剤;滑沢剤;崩壊剤または分散剤と混合していてもよい、粉末または顆粒のような流動性のある形態の活性成分を好適な機械で圧縮することにより調製することができる。成形錠剤は、粉末状の活性成分と不活性液体希釈剤で湿らせた好適な担体との混合物を好適な機械で成形することにより製造することができる。凍結乾燥錠剤は、凍結乾燥機で原薬の溶液から形成することができる。好適な充填剤を含むことができる。
直腸投与用製剤は、本発明の化合物が低融点の水溶性または水不溶性の固体と混合されている坐剤の形態であり得る。
非経口投与に適した製剤は、好都合には、好ましくはレシピエントの血液、例えば等張性生理食塩水、等張性グルコース溶液または緩衝液と等張性である活性成分の滅菌油性または水性製剤を含む。さらにまた、該製剤は、共溶媒、可溶化剤および/または錯化剤を含んでいてもよい。該製剤は、好都合には、例えば細菌保持フィルターによる濾過、製剤への殺菌剤の添加、製剤の照射または製剤の加熱により、殺菌することができる。例えばEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, vol.9, 1994に開示されているようなリポソーム製剤もまた、非経口投与に適している。
別法として、式(I)で示される化合物は、使用直前に滅菌溶媒に容易に溶解する無菌の固体調製物、例えば凍結乾燥粉末として提示され得る。
経皮製剤は、硬膏剤、パッチ剤、マイクロニードル、リポソームまたはナノ粒子送達システム、または皮膚に適用される他の皮膚製剤の剤形であり得る。
眼科投与に適した製剤は、微結晶形態であり得る活性成分の無菌水性製剤の剤形、例えば水性微結晶懸濁液の剤形であり得る。例えばEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, vol.2, 1989に開示されているような、リポソーム製剤または生分解性ポリマーシステムもまた、眼科投与に適した活性成分を提供するために使用され得る。
皮膚投与、皮内投与または眼科投与などの局所投与に適した製剤としては、リニメント剤、ローション剤、ゲル剤、塗布剤、スプレー剤、フォーム剤、フィルム形成システム、マイクロニードル、マイクロエマルジョンもしくはナノエマルション、クリーム剤、軟膏剤もしくはペースト剤などの水中油型エマルションもしくは油中水型エマルションのような液体または半固形製剤;または滴剤のような液剤もしくは懸濁剤が挙げられる。
局所投与については、式(I)で示される化合物は、典型的には組成物の0.001〜20重量%、例えば0.01%〜約10重量%の量で存在し得るが、組成物の約100%までの量で存在してもよい。
経鼻投与または頬側投与に適した製剤としては、エアゾール剤およびアトマイザーなどの粉末製剤、自己噴射型(self-propelling)製剤およびスプレー製剤が挙げられる。そのような製剤は、例えば、Modern Pharmaceutics, 2nd ed., G.S. Banker and C.T. Rhodes (Eds.), page 427-432, Marcel Dekker, New York;Modern Pharmaceutics, 3th ed., G.S. Banker and C.T. Rhodes (Eds.), page 618-619 and 718-721, Marcel Dekker, New YorkおよびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, vol. 10, J. Swarbrick and J.C. Boylan (Eds), page 191-221, Marcel Dekker, New Yorkに、より詳細に開示されている。
式(I)で示される化合物の製剤は、上記成分に加えて、希釈剤、緩衝剤、矯味矯臭剤、着色剤、界面活性剤、増粘剤、浸透促進剤、溶解度向上剤、防腐剤、例えばヒドロキシ安息香酸メチル(抗酸化剤を含む)、乳化剤などの1種以上のさらなる成分を含んでもよい。
製造方法
本発明の化合物は、合成技術分野の当業者に周知の多くの方法で製造することができる。式(I)で示される化合物は、例えば、有機合成化学の技術分野で既知の方法、または該技術分野の当業者に理解されるようなそのバリエーションとともに、以下に概説される反応および技術を用いて製造することができる。好ましい方法としては、以下に記載される方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。反応は、使用される試薬および物質に適切で、行われる変換に適した溶媒中で行われる。また、以下に記載される合成方法において、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験時間、および後処理手順を含むすべての提案された反応条件は、当業者によって容易に認識されるべきその反応のための標準的な条件であるように選択されると解されるべきである。所与のクラスに属するすべての化合物が、記載されている方法のいくつかで必要とされる反応条件のいくつかに適合するとは限らない。反応条件に適合する置換基へのこのような制限は、当業者には容易に明らかであり、代替的な方法を使用することができる。本発明の化合物または中間体は、必要に応じて、有機合成化学者に周知の標準的な方法、例えば、“Purification of Laboratory Chemicals”, 6th ed. 2009, W. Amarego and C. Chai, Butterworth-Heinemannに記載されている方法を用いて精製することができる。出発物質は、既知化合物もしくは市販の化合物であるか、または当業者に周知の慣用合成法によって製造されてもよい。
一般的な手順、製造例および実施例
出発物質は、市販のものであったか、または文献公知のものであった。試薬および溶媒は、市販のものであり、特記しない限り精製せずに使用された。
クロマトグラフィー精製は、予めパックされたREVELERIS(登録商標) Silica Flash Cartridgesを備えたGrace REVELERIS(登録商標)システム、もしくはTeledyne Isco CombiFlash(登録商標) Rfシステムを使用して、またはシリカゲル60を使用して手動で、行った。1H NMRスペクトルは、内部標準としてテトラメチルシラン(δ=0.00ppm)を用いて300、400または600MHzでBruker装置にて記録した。
全体を通して以下の略語が使用されている:
AcOH 酢酸
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HRMS 高分解能マススペクトル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
MS マススペクトロメトリーまたはマススペクトル
NMR 核磁気共鳴分光法
rt 室温、すなわち18〜30℃、典型的には20℃
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
R 保持時間
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
UV 紫外線
分析的LC−MS
方法A
UPLC−MS分析は、2.1×50mm Acquity UPLC(登録商標) HSS T3 1.8μmカラムを備えたWaters Acquity UPLCシステムと正イオン化エレクトロスプレーモードで操作されるAcquity SQ Detectorとを使用して行われた。バッファーAについては10mM酢酸アンモニウム水溶液中0.1%ギ酸、バッファーBについてはアセトニトリル中0.1%ギ酸で構成されていた。1.4分間の二成分勾配(A:B 95:5→5:95)を流速1.2mL/分で使用し、カラム温度は60℃であった。
方法B
高分解能マススペクトルを用いたUPLC−MS分析は、254nmでのUV検出を備えたWaters Acquity UPLCシステムと正イオン化エレクトロスプレーモードで操作されるWaters LCT Premier XE高分解能TOF質量分析計とを使用して行われた。方法Aと同じカラムならびに移動相AおよびBを使用したが、より遅い勾配(4.8分間にわたってA:B 99:1→1:99;0.7mL/分;カラム温度40℃)を使用した。
分析用キラル固定相HPLC
キラル固定相HPLC分析は、PDA検出器を備えたWaters Acquity UPLC装置と、Phenomenex Lux(登録商標) 3μm Cellulose−2(250×4.6mm)カラムを装着したWaters LCT Premier XE質量分析計とを使用して行われた。10mM重炭酸アンモニウム水溶液:MeCN 70:30からなる移動相および流速1mL/分を用いるアイソクラチック条件を使用した。カラムは室温で保持した。
中間体
中間体1
2−[トランス−4−[(5−アミノ−2−クロロ−ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル]アセトニトリル
Figure 2021528479
2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(5.0g、26mmol)のDMF(30mL)中溶液を氷浴で冷却し、トランス−4−(シアノメチル)シクロヘキシルアンモニウムトリフルオロアセテート(Li, Y.-L. et al. 米国特許出願公開第20140121198号)(6.5g、26mmol)およびDIPEA(5.5mL、31mmol)を添加した。該混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、rtで一夜撹拌した。揮発物を蒸発させ、残留物をEtOAc(200mL)とNaHCO3飽和水溶液(200mL)とに分配させた。各層を分取し、水層をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を酢酸(5mL)に溶解し、鉄粉(14g、 260mmol)を10分間かけて少しずつ添加した。該混合物をrtで2時間撹拌し、その後、濾過し、揮発物を蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(120gプレパックドシリカゲルカラムをDCM:MeOH 100:0〜50:50で勾配溶離した)によって精製して、次の工程で使用するのに十分に純粋な標記化合物(1.2g)を得た。
UPLC−MS(方法A):tR=0.53分、m/z=266.1(M+H+)。
実施例1
2−[トランス−4−[8−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(メチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル(化合物1)
Figure 2021528479
工程1
2−[トランス−4−[2−クロロ−8−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル
Figure 2021528479
アルゴン下のトリエチルオキソニウムテトラフルオロボラート(4.3g、23mmol)のTHF(20mL)中溶液に(R)−ラクトアミド(2.0g、23mmol)を添加した。得られた溶液をrtで2時間撹拌し、次いで、中間体1(1.2g、4.5mmol)の無水エタノール(40mL)中溶液に添加した。該混合物を80℃で一夜撹拌した。完全な変換を達成するために、アルゴン下で別のトリエチルオキソニウムテトラフルオロボラート(2.6g、14mmol)をTHF(15mL)に溶解し、(R)−ラクトアミド(1.2g、14mmol)を添加した。得られた溶液をrtで2時間撹拌し、上記の反応混合物に添加した。該混合物を再度80℃で一夜撹拌し、揮発物を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィー(80gプレパックドシリカゲルカラムをDCM:MeOH 100:0〜90:10で勾配溶離した)によって精製して、不純な生成物(1.9g)を得た。これをエーテルでトリチュレートして、茶色の固体として標記化合物(308mg、21%)を得た。
UPLC−MS(方法A):tR=0.56分、m/z=320.2(M+H+)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 9.01 (s, 1H), 5.92 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 5.13 (p, J = 6.6 Hz, 1H), 4.66 (tt, J = 12.3, 3.7 Hz, 1H), 2.55 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 2.53 - 2.38 (m, 2H), 2.02 - 1.88 (m, 4H), 1.85 - 1.74 (m, 1H), 1.59 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.36 - 1.25 (m, 2H)。
工程2
2−[トランス−4−[8−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(メチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル
Figure 2021528479
スクリューキャップバイアルに工程1の生成物(300mg、0.94mmol)およびエタノール中33%メチルアミン(5mL)を充填し、該混合物を70℃で3時間振盪した。揮発物を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィー(24gプレパックドシリカゲルカラムをDCM:MeOH 100:0〜90:10で勾配溶離した)で精製して、標記化合物(200mg、68%)を得た。
UPLC−MS(方法B):tR=1.79分、m/z=315.1811(M+H+)。
分析用キラル固定相HPLC:tR=10.1分。他のピークは検出されなかった。(S)エナンチオマーは、tR=11.0分で予想される。実施例2を参照。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.52 (s, 1H), 6.83 (br s, 1H), 5.63 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.95 (p, J = 6.5 Hz, 1H), 4.48 (tt, J = 12.0, 4.0 Hz, 1H), 2.82 (d, J = 4.7 Hz, 3H), 2.69 - 2.56 (m, 2H), 2.54 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 1.95 - 1.80 (m, 4H), 1.76 - 1.67 (m, 1H), 1.53 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.32 - 1.21 (m, 2H)。
実施例2
2−[トランス−4−[8−(1−ヒドロキシエチル)−2−(メチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル(化合物2)
Figure 2021528479
ラセミラクトアミドから出発した以外は実施例1と同様に調製した。
UPLC−MS(方法B):tR=1.79分、m/z=315.1894(M+H+)。
分析用キラル固定相HPLC:(R)エナンチオマー tR=10.2分;(S)エナンチオマー tR=11.0分。エナンチオマー的に濃縮された(R)−ラクトアミドから製造された(R)エナンチオマーの試料(tR=10.1分)との比較によって、絶対配置を確立した。実施例1を参照。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.52 (s, 1H), 6.82 (br q, J = 4.0 Hz, 1H), 4.96 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.57 - 4.40 (m, 1H), 2.83 (d, J = 4.7 Hz, 3H), 2.74 - 2.56 (m, 2H), 2.54 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 1.99 - 1.79 (m, 4H), 1.78 - 1.64 (m, 1H), 1.53 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.36 - 1.17 (m, 2H)。
実施例3
2−[トランス−4−[8−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(トリジュウテリオメチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル(化合物3)
Figure 2021528479
2−[トランス−4−[2−クロロ−8−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル(10mg、31μmol)、メチル−3D−アミン塩酸塩(22mg、313μmol)、DIPEA(56μL、313μmol)およびイソプロパノール(0.2mL)を充填したスクリューキャップバイアルを120℃で一夜振盪した。酸分取HPLC精製後、凍結乾燥により、標記化合物を得た。
UPLC−MS(方法B):tR=1.79分、m/z=318.214(M+H+)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.52 (s, 1H), 6.80 (br s, 1H), 5.64 (br s, 1H), 4.99 - 4.92 (m, 1H), 4.48 (tt, J = 12.1, 4.1 Hz, 1H), 2.71 - 2.56 (m, 2H), 2.54 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 1.96 - 1.80 (m, 4H), 1.76 - 1.67 (m, 1H), 1.53 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.26 (qt, J = 4.3, 12.8 Hz, 2H)。
JAKキナーゼアッセイ
ヒトバキュロウイルス発現ヤヌスキナーゼ(JAK)1、2、3、およびチロシンキナーゼ(TYK)2をCarna Biosciences, Incから購入した(それぞれ、#08−144、−045、−046、−147)。4種全ての精製酵素は触媒ドメインのみを含む。JAK1(アミノ酸850−1154)およびTYK2(アミノ酸871−1187)はN末端融合GSTタグ付きで発現され、JAK2およびJAK3はN末端融合Hisタグ付きで発現される。合成ペプチドのリン酸化の阻害を、HTRFに基づくアッセイ(CisBio #62TK0PEC)で測定した。まず、Labcyte ECHO 550液体ハンドラーを用いて、試験化合物溶液(100%DMSO)75nLを白色浅型384ウェルプレート(NUNC #264706)に添加した。その後、化合物希釈緩衝液(50mM HEPES、0.05%ウシ血清アルブミン)1μLおよびTK溶液(キナーゼ緩衝液[HTRFKinEASE TKキットからの1×酵素緩衝液、1mM DTT]中のTK基質−ビオチン)2μLを添加した。次いで、該ウェルにキナーゼ−ATP混合物(キナーゼ緩衝液中で調製)5μLを添加し、該プレートを室温で20分間(JAK2、3、およびTYK2)〜40分間(JAK1)インキュベートした。4種全てのキナーゼについて、ATPのKmに対応する濃度のATPを用いた。緩衝液、基質、キナーゼ、およびATPの最終濃度は、JAK1:50mM Hepes緩衝液 pH7.0、0.01%BSA、10mM MgCl2、1mM DTT、7μM ATP、50nM SEB、1μM TK基質−ビオチンおよび5ng JAK1;JAK2:50mM Hepes緩衝液 pH7.0、0.01%BSA、5mM MgCl2、1mM DTT、4μM ATP、1μM TK基質−ビオチンおよび0.1ng JAK2;JAK3:50mM Hepes緩衝液 pH7.0、0.01%BSA、5mM MgCl2、1mM DTT、2μM ATP、1μM TK基質−ビオチンおよび0.3ng JAK3;TYK2:50mM Hepes緩衝液 pH7.0、0.01%BSA、5mM MgCl2、1mM DTT、13μM ATP、50nM SEB、1μM TK基質−ビオチンおよび0.8ng TYK2であった。その後、検出混合物(最終濃度:50mM Hepes緩衝液 pH7.0、0.01%BSA、0.8M KF、20mM EDTA、42nMストレプトアビジン−XL665および1:400 STK Ab Cryptate)4μLを添加することによってキナーゼ反応を停止させ、該プレートを暗所で一夜インキュベートした。PerkinElmer Envisionリーダーを使用して、以下のフィルターを用いてHTRFシグナルを定量した:320nm励起フィルター、665nm発光フィルター、および615nm第2発光フィルター。各ウェルについて比((665/615)×104)を算出した。
STAT6アッセイ
STAT6 bla−RA1(Invitrogen #K1243)細胞懸濁液25μLを、30〜40,000細胞/ウェルの密度で、透明底の384ウェルBlack Viewプレート(PerkinElmer #6007460)において、550ng/mLのCD40リガンド(Invitrogen #PHP0025)を含むアッセイ培地(Opti−MEM(Invitrogen #11058−021)+0.5%熱不活化ウシ胎仔血清(Invitrogen #10082−147)+1%非必須アミノ酸(Invitrogen #11140−050)+1%ピルビン酸ナトリウム(Invitrogen #11360−070)+1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen #15140−122))中に播種した。該細胞プレートを、加湿した37℃の空気/CO2(95%/5%)のインキュベーター中で一夜インキュベートした。翌日、Labcyte Echo 550液体ハンドラーを用いて、試験化合物および参照化合物の溶液125nLを細胞プレートに移した。次いで、該プレートを、加湿した37℃の空気/CO2(95%/5%)のインキュベーター中で1時間インキュベートした。その後、またLabcyte Echo 550を用いて、該プレートに組換えヒトインターロイキン4(Invitrogen #PHC0045)を10ng/mLの最終濃度となるように添加した。次いで、該細胞を、加湿した37℃の空気/CO2(95%/5%)のインキュベーター中で4.5〜5時間インキュベートした。次いで、該アッセイプレートにLiveBLAzer基質混合物(Invitrogen #K1095)8μLを添加し、これを室温で一夜インキュベートした。次いで、蛍光を測定した:励起:405nm;発光:460nm(緑色チャネル);発光:535nm(青色チャネル)。両発光チャネルにおいてバックグラウンドを差し引き、各ウェルについて460/535nmの比を算出した。
STAT5アッセイ
STAT5 irf1−bla TF1(Invitrogen #K1219)細胞懸濁液25μLを、約10,000細胞/ウェルの密度で、透明底の384ウェルBlack Viewプレート(PerkinElmer #6007460)において、アッセイ培地(Opti−MEM(Invitrogen #11058−021)+0.5%熱不活化ウシ胎仔血清(Invitrogen #10082−147)+1%非必須アミノ酸(Invitrogen #11140−050)+1%ピルビン酸ナトリウム(Invitrogen #11360−070)+1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen #15140−122))中に播種した。該細胞プレートを、加湿した37℃の空気/CO2(95%/5%)のインキュベーター中で一夜インキュベートした。翌日、Labcyte Echo 550液体ハンドラーを用いて、試験化合物および参照化合物の溶液125nLを細胞プレートに移した。次いで、該プレートを、加湿した37℃の空気/CO2(95%/5%)のインキュベーター中で1時間インキュベートした。その後、またLabcyte Echo 550を用いて、該プレートに組換えヒトエリスロポエチン(EPO)(Invitrogen #PHC9634)を10ng/mLの最終濃度となるように添加した。次いで、該細胞を、加湿した37℃の空気/CO2(95%/5%)のインキュベーター中で4.5〜5時間インキュベートした。次いで、該アッセイプレートにLiveBLAzer基質混合物(Invitrogen #K1095)8μLを添加し、次いで、室温で一夜インキュベートした。次いで、蛍光を測定した:励起:405nm;発光:460nm(緑色チャネル);発光:535nm(青色チャネル)。両発光チャネルにおいてバックグラウンドを差し引き、各ウェルについて460/535nmの比を算出した。
JAKキナーゼアッセイ、STAT5およびSTAT6アッセイにおいて本発明の化合物を試験した。結果を表1に開示する。
Figure 2021528479

Claims (9)

  1. 一般式(I):
    Figure 2021528479
    [式中、
    Aは、C6シクロアルキルを表し;
    1は、C1アルキルを表し、ここで、該C1アルキルは、重水素からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
    2は、C1アルキルを表し、ここで、該C1アルキルは、R5から選択される置換基で置換されており、ここで、該C1アルキルは、1個以上の重水素で置換されていてもよく;
    3は、C2アルキルを表し、ここで、該C2アルキルは、R6から選択される置換基で置換されており、ここで、該C2アルキルは、1個以上の重水素で置換されていてもよく;
    4は、水素または重水素を表し;
    5は、シアノを表し;
    6は、ヒドロキシルを表す]
    で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  2. 2−[トランス−4−[8−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(メチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル、
    2−[トランス−4−[8−(1−ヒドロキシエチル)−2−(メチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル、
    2−[トランス−4−[8−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−(トリジュウテリオメチルアミノ)プリン−9−イル]シクロヘキシル]アセトニトリル
    から選択される請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
  3. 医薬としての使用のための、請求項1〜2いずれか1項記載の化合物。
  4. 自己免疫疾患などの免疫系の疾患、または免疫系の調節解除に関連する疾患の予防および/または処置における使用のための、請求項1〜2いずれか1項記載の化合物。
  5. 乾癬およびアトピー性皮膚炎から選択される疾患の予防および/または処置における請求項4に記載の使用のための化合物。
  6. 薬学的に許容されるビヒクルもしくは賦形剤または薬学的に許容される担体と一緒に請求項1〜2いずれか1項記載の化合物を含む医薬組成物。
  7. 1種類以上の他の治療活性化合物と合わせた請求項6記載の医薬組成物。
  8. JAK1キナーゼ活性の阻害に応答する疾患の処置において使用するための、請求項1〜2いずれか1項記載の化合物。
  9. 自己免疫疾患などの免疫系の疾患を予防、処置または寛解する方法であって、該疾患の少なくとも1つに罹患しているヒトに、請求項1〜2いずれか1項記載の1種類以上の化合物の有効量を、場合によっては薬学的に許容される担体または1種類以上の賦形剤と一緒に、場合によっては他の治療活性化合物と組み合わせて、投与することを含む、方法。
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