JP2021528386A - Vmat2インヒビター化合物、上記化合物に関する組成物および方法 - Google Patents

Vmat2インヒビター化合物、上記化合物に関する組成物および方法 Download PDF

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Abstract

22q11.2欠失症候群に関する精神障害を処置するための、およびVMAT2インヒビターでの処置のための被験体を選択するための方法が、提供される。本明細書で提供される方法は、VMAT2インヒビターを必要性のある被験体に投与する工程を包含する。本発明は、例えば、VMAT2インヒビターでの処置のために被験体を選択するための方法であって、前記方法は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有するか否かを決定する工程;および前記被験体がCOMTハプロ不全を有することが決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程、を包含する、方法を提供する。

Description

本開示は一般に、VMAT2インヒビター化合物、上記化合物に関する組成物および方法に関する。
22q11.2欠失症候群(22q11.2 DS)はまた、口蓋心顔面症候群(「VCFS」)、ディジョージ症候群、CATCH 22としても公知であり、それほど頻繁ではないが、DiGeorge sequence、微小欠失22q11.2、モノソミー22q11、円錐動脈幹異常顔貌症候群、セドラコバ症候群(Sedlackova syndrome)、シュプリンツェン症候群(Shprintzen syndrome)、Takao症候群、またはCayler心臓顔症候群(Cayler cardiofacial syndrome)と呼ばれる。それは、バンドq11.2において第22染色体上の遺伝子の欠失から生じる常染色体優性遺伝子状態である。VCFSを有する個体のうちのおよそ90%は、VCFSと特異的に関連付けられる2つの遺伝子、COMTおよびTBX1の欠失を伴う、3Mb欠失を有する(図1を参照のこと)。個体のうちのわずか約10%が、より小さな1.5Mb欠失を有し、これはまた、代表的には、TBX1およびCOMTの欠失を含む。しかし、VCFSに関する全ての遺伝子が同定されているわけではない。
COMTは、カテコール化合物(ドパミン、エピネフリン、およびノルエピネフリンが挙げられる)を調節するための重要な酵素である。VCFSを有する個体は、正常被験体と比較して、およそ50%少ないCOMT mRNA、COMTタンパク質発現、および酵素活性を有する。VCFSの特徴的な行動上の症状発現は、COMTハプロ不全から生じるドパミン調節不全に関連し得るが、これは、低活性COMTアレルの存在によって複雑化し、VCFSを有する患者においてさらなる調節不全をもたらす。COMTは、酵素活性において変化をもたらす、共通する機能多型Val158Met(rs4680)を含む。1コピーのMetアレルを有するVCFSを有する個体は、顕著に低いCOMT活性を有する。COMT Valアレルを有するVCFS成人と比較すると、上記Metアレルを有する者は、精神病性障害、他の神経精神症候群の増大したリスクを有し、より重篤な認知障害を有する傾向にある。
表現型のバリエーションにもかかわらず、身体的および口蓋に関する特徴ならびに認知および神経精神医学的な特徴を含む、少数の顕著な特徴がVCFSを有する患者の大部分において見出される。上記症候群の精神医学的表現型は、十分に記録されており、罹患個体は、一般集団において見出される種々の精神障害に関して実質的により高い割合を有する。早期の研究は、統合失調症スペクトラム障害の平均より高い有病率を一貫して示した。統合失調症スペクトラム障害は、VCFSと最も頻度高く関連するが、患者のうちの約60%は、精神病性障害、ADHD、気分障害、不安、および自閉症スペクトラム障害を含む他の精神障害の診断基準を満たす。
VCFSにおける統合失調症に関する処置ガイドラインは、現在、特発性統合失調症に関するものと同じであり、精神医学の薬物療法は、VCFSを有する個体に対して一般に処方されている。しかし、VCFSを有する患者は、抗精神病薬療法に伴う神経学的副作用の増大した可能性を有する。さらに、COMT遺伝子のハプロ不全に関するドパミン調節不全は、向精神性薬物療法に対する臨床応答を低減し得る。患者はまた、彼らの高い心血管異常割合によって引き起こされる、有害事象(例えば、薬物誘導性心不整脈)をより受けやすい可能性がある。
この分野においてなされた進歩にもかかわらず、精神障害を処置するための、およびVMAT2インヒビターでの処置のための被験体を選択するための改善された方法が、当該分野で未だに必要である。本開示は、以下の開示を参照して明らかなように、これらのおよび他のニーズを満たす。
概要
VMAT2インヒビターでの処置のための被験体を選択するための方法であって、上記方法は、
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有することが決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含する方法が提供される。
VMAT2インヒビターでの処置のための被験体を選択するための方法であって、上記方法は、
上記被験体がCOMTハプロ不全を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体がCOMTハプロ不全を有することを決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含する方法がまた、提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含し、ここで上記被験体は、上記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、上記精神障害を発生させる素因がある方法がまた、提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含し、ここで上記被験体は、上記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、上記精神障害を発生させる素因がある方法がまた、提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
上記被験体がCOMTハプロ不全を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体がCOMTハプロ不全を有することを決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含する方法がまた、本明細書で提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有することが決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含する方法がまた、本明細書で提供される。
図1は、VCFSの遺伝的基礎および特に、VCFSにおいて一般的なそれらの欠失を図示する。 図2は、高薬物負荷バルベナジンカプセル剤(80mg)の生成のためのプロセスフロー図を示す。 図2は、高薬物負荷バルベナジンカプセル剤(80mg)の生成のためのプロセスフロー図を示す。
詳細な説明
本明細書で具体的に定義されない用語は、本開示および文脈に照らして、当業者によってそれらに与えられている意味が与えられるものとする。しかし、本明細書で使用される場合、反対に特定されない限り、用語は、示される意味を有する。
以下の説明において、ある特定の具体的詳細が、種々の実施形態の完全な理解を提供するために示される。しかし、当業者は、本発明の化合物が、これらの詳細なしに作製および使用され得ることを理解する。他の場合に、周知の構造は、実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、詳細に示されても記載されてもいない。文脈が別段要求しない限り、本明細書および続く特許請求の範囲の全体を通じて、語「含む(comprise)」およびこれらの変化形(例えば、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」)は、開放系の包括的な意味で、すなわち、「が挙げられるが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。さらに、用語「含む(comprising)」(および「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「有する」または「含む(including)」のような関連する用語)は、他のある特定の実施形態において、例えば、本明細書で記載される任意の組成物、組成、方法またはプロセスなどの実施形態が、記載される特徴「からなる」または「から本質的になる」場合もあることを排除することは意図していない。本明細書で提供される見出しは、便宜のために過ぎず、特許請求された実施形態の範囲または意味を解釈することにはならない。
本明細書全体を通じて、「1つの実施形態」または「一実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通じて種々の場所での句「1つの実施形態において」または「一実施形態において」の出現は、必ずしも全て同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたはそれより多くの実施形態において任意の適切な様式で組み合わされ得る。
また、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「前記(the)」は、文脈が明らかに別途指示しない限り、複数形を包含する。従って、例えば、「1つの非ヒト動物」への言及は、1つもしくはそれより多くの非ヒト動物、または複数のそのような動物に言及し得、「1つの細胞(a cell)」または「前記細胞(the cell)」への言及は、当業者に公知の、1つまたはそれより多くの細胞およびその等価物(例えば、複数の細胞)への言及を包含する、など。方法の工程が記載されるかまたは特許請求され、かつ前記工程が特定の順序で起こると記載される場合、第2の工程の「前に(prior to)」(すなわち、前に(before))起こる(または行われる)第1の工程の記載は、第2の工程が第1の工程「に続いて」起こる(または行われる)という状態に書き換えられた場合に同じ意味を有する。数字または数値範囲に言及する場合の用語「約」は、言及される数字または数値範囲が、実験による変動性の範囲内の(または統計的な実験誤差の範囲内の)近似値であり、従って、その数字または数値範囲が、述べられた数字または数値範囲の1%〜15%の間で変わり得ることを意味する。用語「または」は一般に、文脈が明らかに別途指示しない限り、「および/または」を含むその意味で使用されることも、注記されるべきである。用語「少なくとも1つ」は、例えば、少なくとも1つの化合物または少なくとも1つの組成物に言及する場合、用語「1つまたはそれより多く」と同じ意味および理解を有する。
本明細書で使用される場合、数字または数値範囲に言及する場合の用語「約」は、言及される数字または数値範囲が、実験による変動性の範囲内の(または統計的な実験誤差の範囲内の)近似値であり、従って、その数字または数値範囲が、述べられた数字または数値範囲の1%〜15%の間で変わり得ることを意味する。用語「または」は一般に、文脈が明らかに別途指示しない限り、「および/または」を含むその意味で使用されることも、注記されるべきである。用語「少なくとも1つ」は、例えば、少なくとも1つの化合物または少なくとも1つの組成物に言及する場合、用語「1つまたはそれより多く」と同じ意味および理解を有する。
本明細書で使用される場合、「VMAT2」とは、モノアミン、特に、神経伝達物質(例えば、ドパミン、ノルエピネフリン、セロトニン、およびヒスタミン)を細胞の細胞質からシナプス小胞へと輸送するように作用する内在性膜タンパク質である、ヒト小胞モノアミントランスポーターアイソフォーム2をいう。
本明細書で使用される場合、「VMAT2インヒビター」、「VMAT2を阻害する」、または「VMAT2の阻害」とは、本明細書で開示される化合物がVMAT2の機能を変える能力に言及する。VMAT2インヒビターは、該インヒビターとVMAT2との間に可逆的もしくは不可逆的な共有結合を形成することによって、または非共有結合した複合体の形成を通じて、VMAT2の活性を遮断または低減し得る。このような阻害は、特定の細胞タイプにおいてのみ明らかであり得るか、または特定の生物学的事象に随伴し得る。用語「VMAT2インヒビター」、「VMAT2を阻害する」または「VMAT2の阻害」はまた、VMAT2と天然の基質との間で複合体が形成される確率を減少させることによって、VMAT2の機能を変えることに言及する。本明細書中の実施例2は、VMAT2結合親和性(K)を決定するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、VMAT2に対して約1000nM未満のKを有する。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、VMAT2に対して約100nM未満のKを有する。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、VMAT2に対して約20nM未満のKを有する。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、VMAT2に対して約10nM未満のKを有する。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、VMAT2に対して
約1nM〜約1000nM、約1nM〜約100nM、または約1nM〜約10nMのKを有する。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、他のモノアミンレセプターよりもVMAT2活性を優先的に阻害する化合物である。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、VMAT1よりもVMAT2活性を優先的に阻害する化合物である。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、VMAT1よりもVMAT2に関して約10倍高く選択的である化合物である。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、結合親和性(K)を測定することによって計算されるように、VMAT1よりもVMAT2に関して約3倍、約5倍、約10倍、約15倍、または約20倍高く選択性である化合物である(例えば、実施例2を参照のこと)。
本明細書で記載される組成物および方法を必要とする被験体は、医療および精神医学分野における当業者が神経学的および/または精神的な疾患および障害を有すると診断した被験体を含む。処置されるべき被験体(または患者)は、哺乳動物(ヒトまたは非ヒト霊長類が挙げられる)であり得る。哺乳動物は、家畜化された動物(例えば、ネコまたはイヌ)であり得る。
医療分野の当業者によって理解されるように、用語「処置する」および「処置」とは、被験体(すなわち、患者)の疾患、障害、または状態の医療的管理をいう(例えば、Stedman’s Medical Dictionaryを参照のこと)。用語「処置」および「処置する」(“treating”)は、防止的(すなわち、予防的)または治療的(すなわち、治癒力のある、および/または緩和する)処置の両方を包含する。従って、用語「処置」および「処置する」(“treating”)は、上記状態を、特に、明白な形態で既に発生させている患者の治療的処置を含む。治療的処置は、その特定の適応症の症状を和らげるために対症的処置であってもよく、適応症の状態を逆転させるもしくは部分的に逆転させるか、または疾患の進行を停止させるもしくは減速するために原因処置であってもよい。従って、本明細書で記載される組成物および方法は、例えば、ある期間にわたって、および長期治療の間、治療的処置として使用され得る。さらに、用語「処置」および「処置する」(“treating”)は、予防的処置、すなわち、本明細書中上記で言及された状態を発生させるリスクがある患者の処置(従ってそのリスクを低減する)を含む。
治療的および/または予防的な利益は、例えば、改善された臨床上の転帰、治療的処置および予防的または防止的手段(ここで、目的は、望ましくない生理学的な変化もしくは障害を防止するか、減速するか、もしくは遅延させる(小さくする)こと、またはこのような障害の拡大もしくは重篤度を防止するか、減速するか、もしくは遅延させる(小さくする)ことである)の両方を含む。本明細書中の組成物の予防的投与は、ドパミンレセプター遮断薬(例えば、神経弛緩薬)での最初の処置の際に始まり得る。本明細書で考察されるように、被験体を処置することに由来する有益なまたは所望の臨床結果としては、処置されるべき疾患、状態、もしくは障害に起因するまたはこれらと関連する症状の減少、低減、または緩和;症状の発生の減少;クオリティー・オブ・ライフの改善;より長い無病状態(すなわち、疾患の診断が下されるときの根拠となる症状を被験体が、呈する可能性または傾向を減少させる);疾患の程度の縮小;疾患の安定化した(すなわち、増悪していない)状態;疾患の進行を遅延するまたは減速すること;疾患の状態の改善または緩和;ならびに検出可能であろうと検出不能であろうと、寛解(部分的であろうと完全であろうと);ならびに/あるいは全生存が挙げられるが、これらに限定されない。「処置」はまた、被験体が処置を受けていなかった場合に予測される生存と比較したときに、生存を延長することを意味し得る。処置を必要とする被験体としては、上記状態もしくは障害を既に有する被験体、および上記疾患、状態、もしくは障害を有する傾向のあるもしくはそれを発生させるリスクのある被験体、および上記疾患、状態、もしくは障害が防止される(すなわち、上記疾患、障害、もしくは状態の発生する可能性を減少させる)べきである被験体が挙げられる。本明細書で記載されるVMAT2インヒビターのうちのいずれか1つの治療上有効な量は、統計的に有意なまたは臨床上有意な治療的および/または予防的利益を、処置される被験体に提供するVMAT2インヒビターの量である。
本明細書で使用される場合、「統合失調症スペクトラム障害」とは、統合失調症、統合失調感情障害、妄想性障害、および緊張病から選択される神経精神障害に言及する。
統合失調症は、思考、知覚、感情、および行動における大きな障害によって特徴づけられる精神的障害(psychological disorder)である。統合失調症と診断されるためには、DSM−5によれば、人物は、1ヶ月間の大部分にわたって精神病性エピソードおよび2つのさらなる症状の両方を示さなければならず、それらの症状は、少なくとも6ヶ月間にわたって社会上のまたは職業上の機能に重大な影響を有しなければならない。「2つのさらなる症状」は、妄想、幻覚、解体した会話、あるいは陰性症状または重篤に解体した行動もしくは緊張性行動であり得る。妄想もしくは幻覚があれば、または重篤であれば、1つのみの症状でも診断には十分であり得る。
統合失調感情障害は、異常な思考プロセスおよび気分調節障害(dysregulated emotion)によって特徴づけられる。この障害を有する人物は、統合失調症および気分障害の両方の特徴(双極性障害または鬱病のいずれか)を有するが、いずれについても診断基準を厳密には満たさない。双極性サブタイプは、躁病、軽躁病、または混合エピソードの症状によって区別される;鬱病サブタイプは、鬱症状のみによって区別される。統合失調感情障害の共通症状としては、幻覚、誇大妄想(paranoid delusion)、ならびに解体した会話および思考が挙げられる。DSM−5は、精神病性の状態が、気分症状なしに(人物はこの時間中に軽度に抑うつ状態にあってもよいが)少なくとも連続して2週間持続しなければならないということをさらに要求することによって、統合失調感情障害を、精神病性の鬱病または精神病性の双極性障害から区別する。2つの精神病エピソード(DSM−IVにおける1つのエピソードから増大)は、上記人物がこの診断に適格であるために経験されていなければならない。
妄想性障害は、個体が妄想を呈するが、幻覚、思考障害、気分障害、または顕著な感情鈍麻(significant flattening of affect)は付随しない精神的状態である。妄想性障害には7つのサブタイプが存在する:恋愛妄想型(色情狂);誇大型;嫉妬型;被害型;身体型;混合型;および特定不能型。
本明細書で使用される場合、「不安障害」とは、過剰な不安感および不安感の持続(excessive and persistent sense of apprehension)によって特徴づけられる慢性的状態に言及し、発汗、動悸、およびストレスを感じる、のような身体的症状を含み得る。不安障害は、全般性不安障害、パニック障害、限局性恐怖症、広場恐怖症、社会不安障害および分離不安障害を含む。
本明細書で使用される場合、「気分障害」とは、重大な気分の変化を説明する病気のカテゴリーをいう。気分障害の下にある病気としては、以下が挙げられる:大鬱病性障害、双極性障害(躁病−多幸感、多動性、過剰に高慢な自我(over inflated ego)、非現実的楽観主義)、持続性鬱病性障害(長く持続する軽度の鬱病)、気分循環症(双極性障害の軽症型)、およびSAD(季節性情動障害)。
本明細書で使用される場合、「単剤療法」とは、単一の活性なまたは治療的な化合物を、それを必要とする被験体に投与することを意味する。いくつかの実施形態において、単剤療法は、治療上有効な量の本明細書で記載される化合物の投与を包含する。単剤療法は、併用療法と対比され得る(併用療法では、複数の活性化合物の組み合わせが投与され、例えば、該組み合わせの各構成要素は、治療上有効な量で存在する)。
本明細書で使用される場合、「維持療法」とは、患者が、例えば、寛解の状態に留まって、患者の健康状態を無病状態または疾患が制限された状態に維持することを可能にするために、該患者に与えられる処置を意味する。維持薬物療法は、代表的には、長期にわたって受ける。
本明細書で使用される場合、「補助療法」とは、主な処置とともに使用される処置を意味し、その目的は、主な処置を補助することである。補助療法は、併用して施される療法である。例えば、強迫性障害が処置されている場合、主な療法は、例えば、抗鬱剤であり得、本明細書で記載される化合物の共投与が、補助療法と見做される。
本明細書で使用される場合、「共投与する」および「共投与」ならびにこれらの変形は、少なくとも2つの薬物を、引き続いて、同時に(simultaneously)、または結果として時間的に互いに対して近い(例えば、同日内に、または1週間もしくは30日の期間内に、またはその少なくとも2つの薬物の各々が血漿中に同時に検出され得るように十分に近い)かのいずれかで患者に投与することを意味する。共投与される場合、2つまたはこれより多くの活性薬剤は、同じ組成物の一部として共投与され得るか、または別個の製剤として投与され得る。これはまた、「同時(concomitant)」投与またはその変形として本明細書で言及され得る。
本明細書で使用される場合、「投与を調節する(adjusting administration)」、「投与を変更する(altering administration)」、「投薬を調節する(adjusting dosing)」、または「投薬を変更する(altering dosing)とは、全て等しく、物質の用量を徐々に減らす、低減するもしくは増大させる、患者への物質の投与を中止する、または異なる活性薬剤を上記物質の代わりに使用する、を意味する。
本明細書で使用される場合、「患者に投与する」とは、組成物または剤形を、当該分野で認識されている導入手段を介して患者に導入するプロセスを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「障害」は、用語「疾患」、「症候群」および「状態」(医学的状態にあるとおり)と、全て、ヒトもしくは動物の、またはその正常な機能を損なっているパーツのうちの1つの異常な状態を反映し、徴候および症状を区別することによって代表的には明らかにされるという点において、上記用語と概して同義語であり、交換可能に使用される。
本明細書で使用される場合、「用量」は、患者によって一度に摂取される活性薬剤の測定された量を意味する。上記活性薬剤(すなわち、VMAT2インヒビター)が遊離塩基でも遊離酸でもないある特定の実施形態において、上記量は、上記遊離塩基または上記遊離酸の相当する量に対するモル当量である。例えば、しばしば、薬物は、薬学的に受容可能な塩形態(例えば、バルベナジンジトシル酸塩)においてパッケージされ、強度に関する投与量は、相当する遊離塩基であるバルベナジンのモル当量の質量を意味する。例として、73mgのバルベナジントシル酸塩は、40mgのバルベナジン遊離塩基のモル当量である。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、約5mg〜約160mgの1日用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、約5mgの1日用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、約20mgの1日用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、約40mgの1日用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、約60mgの1日用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、約80mgの1日用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、約100mgの1日用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、約120mgの1日用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、約140mgの1日用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、約160mgの1日用量で投与される。
本明細書で使用される場合、「投薬レジメン」とは、患者が最初に摂取する活性薬剤の用量および上記活性薬剤の任意のその後の用量が上記患者によって摂取される間隔(時間または徴候的)(例えば、1日1回、約20〜約160mg、例えば、1日1回、約20mg、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、または約160mg)を意味する。上記活性薬剤のさらなる用量は、最初に摂取される用量とは異なり得る。
本明細書で使用される場合、薬剤、化合物、薬物、組成物または組み合わせの「有効量」および「治療上有効な量」とは、被験体または患者(例えば、ヒト被験体または患者)に投与した際にいくらかの所望の治療効果を生じるために非毒性かつ有効である量である。被験体にとっての正確な治療上有効な量は、例えば、被験体のサイズおよび健康状態、上記状態の性質および程度、投与のために選択される治療剤または治療剤の組み合わせ、ならびに当業者に公知の他の変数に依存し得る。所定の状況に関する有効量は、慣用的な実験によって決定され、かつ臨床医の判断の範囲内である。
本明細書で使用される場合、「知らせる」とは、公開された資料に言及することもしくは提供すること、例えば、活性薬剤を公開された資料とともにユーザーに提供すること;あるいは例えば、セミナー、会議、もしくは他の教育的な発表での提示によって、医薬品販売員と医療従事者との間での会話によって、または医療従事者と患者との間の会話によって、情報を口頭で提示すること;あるいは理解する目的で意図した情報をユーザーに示すことを意味する。
本明細書で使用される場合、「表示する(labeling)」とは、薬学的製品もしくは剤形の表面にあるかまたはこのような薬学的製品もしくは剤形に付随する、全てのラベルまたは書面による、印刷物による、図式による、電子的な、言語的な、もしくは論証による伝達という他の手段を意味する。
本明細書で使用される場合、「医療従事者」とは、活性薬剤(その剤形を含む)に関する情報(安全性、有効性、投薬、投与、または薬物動態に関する情報を含む)を必要とし得るかまたは利用し得るヘルスケア分野で働く人物を意味する。医療従事者の例としては、医師、薬剤師、医師助手(physician’s assistant)、看護師、協力者(aide)、世話人(家族の人または後見人を含み得る)、救急医療従事者、および獣医師が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「患者」または「個体」または「被験体」とは、治療が望まれる、ヒトを含む哺乳動物を意味し、一般には、上記治療のレシピエントを意味する。
本明細書で使用される場合、「患者向け添付文書(patient package insert)」とは、FDA承認の表示の一部である、薬学的製品をどのように安全に使用するかに関する患者向けの情報を意味する。上記文書は、上記製品が分配される場合に、患者に配布され得る、一般向けの言葉で上記製品についての消費者向けの情報を提供する薬学的製品についての専門家向けの表示の延長である。例えば、上記文書は、利益、リスク、どのようにしてリスク、投薬量、または投与を認識するか、を記載し得る。
本明細書で使用される場合、「医薬品ガイド(Medication Guide)」とは、21 CFR 208に示される仕様書およびどのように安全に薬学的製品を使用するかに関する患者向け情報を含む他の適用可能な規則に準拠する、薬学的製品に関するFDA承認の患者向け表示を意味する。医薬品ガイドは、科学的に正確であり、21 CFR 201.57の下で薬学的製品に関する承認された専門家向けの表示に基づきかつこれに矛盾しないが、その言葉は、その相当する承認された表示の節に同一である必要はない。医薬品ガイドは、代表的には、特別なリスク管理情報とともに薬学的製品に関して入手可能である。
本明細書で使用される場合、「製品」または「薬学的製品」とは、活性薬剤の剤形に加えて、公開された資料、および必要に応じてパッケージングを意味する。
本明細書で使用される場合、「添付文書(product insert)」とは、薬学的製品に関する専門家向けの表示(処方情報)、上記薬学的製品に関する患者向け添付文書、または上記薬学的製品に関する医薬品ガイドを意味する。
本明細書で使用される場合、「専門家向けの表示(professional labeling)」または「処方情報(prescribing information)」とは、薬物の安全且つ有効な使用のために必要な必須の科学情報の概要(例えば、適応症および使用法;投与量および投与;摂取すべき対象(who should take it);有害事象(副作用);特別な集団(妊婦、小児、高齢者など)における使用の説明書;患者に関する安全性情報などのような)を含む、薬学的製品の市場売買を規制する規制当局(例えば、FDAまたはEMEA)によって承認された薬学的製品の公式の説明書を意味する。
本明細書で使用される場合、「公開された資料(published material)」とは、情報を提供する媒体(印刷物、音声、視覚的、または電子媒体(例えば、チラシ、広告、添付文書、印刷表示、インターネットウェブサイト、インターネットウェブページ、インターネットポップアップウインドウ、ラジオまたはテレビ放送、コンパクトディスク、DVD、録音、または他の記録媒体もしくは電子媒体が挙げられる)を意味する。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、少なくとも1個の二重結合を含み、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子を有する、直線状または分枝鎖状の炭化水素鎖ラジカル基であって、単結合によって分子の残りに結合される炭化水素鎖ラジカル基を意味する。代表的な直鎖および分枝鎖状のアルケニルとしては、エチレニル、プロピレニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニルなどが挙げられる;一方で、代表的な直鎖および分枝鎖状のアルキニルとしては、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1 ブチニルなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アルキル」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、不飽和を含まず、1〜12個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を有する、直線状または分枝鎖状の炭化水素鎖ラジカルであって、単結合によって分子の残りに結合される炭化水素鎖ラジカル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシルなどを意味する。
本明細書で使用される場合、「低級アルキル」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、飽和もしくは不飽和の、1〜8個の炭素原子(C1−8)、またはより具体的な実施形態において1〜6個の炭素原子(C1−6)、またはより具体的な実施形態において1〜4個の炭素原子(C1−4)を有する、直線状または分枝鎖状の炭化水素鎖ラジカルであって、単結合によって分子の残りに結合される炭化水素鎖ラジカルを意味する。完全飽和の低級アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。不飽和低級アルキルとしては、隣接する炭素原子の間に少なくとも1個の二重結合を含む、上に列挙した飽和低級アルキルのうちのいずれかが挙げられ、例えば、エテニル、プロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アリール」とは、水素、6〜18個の炭素原子および少なくとも1個の芳香族環を含む炭化水素環系ラジカルを意味する。アリールラジカルは、単環式、二環式、三環式または四環式の環系であって、縮合環系または架橋環系を含み得る環系であり得る。アリールラジカルとしては、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、およびトリフェニレンから得られるアリールラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、アリールは、フェニルまたはナフチルであり、別の実施形態ではフェニルである。
本明細書で使用される場合、「アラルキル」とは、式−Rbcのラジカルであって、ここでRは、本明細書で定義されるとおりのアルキレン鎖であり、Rは、本明細書で定義されるとおりの1個またはこれより多くのアリールラジカルであるラジカル、例えば、ベンジル、ジフェニルメチルなどを意味する。
本明細書で使用される場合、「カルボシクリル」とは、3〜18個の炭素原子からなる安定な3員または18員の芳香族または非芳香族の環ラジカルを意味する。本明細書で別途具体的に述べられなければ、カルボシクリルラジカルは、縮合環系または架橋環系を含み得る、単環式、二環式、三環式または四環式の環系であってもよく、部分飽和または完全飽和であってもよい。非芳香族カルボシクリルラジカルとしては、シクロアルキルが挙げられ、その一方で芳香族カルボシクリルラジカルとしては、アリールが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、縮合環系または架橋環系を含み得、3〜15個の炭素原子を有し、好ましくは3〜10個の炭素原子を有し、飽和または不飽和であり、単結合によって分子の残りに結合される安定な非芳香族の単環式または多環式の炭化水素ラジカルを意味する。単環式ラジカルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。多環式ラジカルとしては、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7−ジメチル−ビシクロ−[2.2.1]ヘプタニルなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「低級シクロアルキル」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、3〜8個の炭素原子、またはより具体的な実施形態において3〜6個の炭素原子(C3−6)、またはより具体的な実施形態において3〜4個の炭素原子(CまたはC)を有する非芳香族の単環式炭化水素ラジカルであって、飽和または不飽和であり、単結合によって分子の残りに結合される単環式炭化水素ラジカルを意味する。このようなラジカルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキルアルキル」とは、式−Rbcのラジカルであって、ここでRは本明細書で定義されるとおりのアルキレン鎖であり、Rは、本明細書で定義されるとおりの1個もしくはこれより多いシクロアルキルラジカルであるラジカルを意味する。
本明細書で使用される場合、「低級シクロアルキルアルキル」とは、上記で定義されるとおりの低級アルキルであって、ここで水素原子は本明細書で定義されるとおりの低級シクロアルキルラジカルで置き換えられる低級アルキルを意味する。このようなラジカルとしては、−CH−シクロプロピル、−CH−シクロブチル、−CH−シクロペンチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「低級アルコキシ」とは、ラジカル、−O(低級アルキル)であって、低級アルキルが上記で定義されるとおりであるラジカルを意味する。
本明細書で使用される場合、「シアノ」とは、−CNラジカルを意味する。
本明細書で使用される場合、「ハロ」とは、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを意味する。
本明細書で使用される場合、「ヘレロアリール」とは、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有し、上記窒素および硫黄ヘテロ原子は、必要に応じて酸化されていてもよく、少なくとも1個の炭素原子を含み、単環式および二環式の環系を含む、5員〜10員の芳香族複素環を意味する。代表的なヘテロアリールとしては、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、アザインドリル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、シンノリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられる(が、これらに限定されない)。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリールアルキル」とは、式−Rのラジカルであって、ここでRは、本明細書で定義されるとおりのアルキレン鎖であり、Rは、本明細書で定義されるとおりのヘテロアリールラジカルであるラジカルを意味する。
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」とは、2〜12個の炭素原子ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される1〜6個のヘテロ原子からなる、安定な3員〜18員の芳香族または非芳香族環ラジカルを意味する。本明細書で別途具体的に述べられなければ、ヘテロシクリルラジカルは、縮合環系または架橋環系を含み得る、単環式、二環式、三環式または四環式の環系であり得る;上記ヘテロシクリルラジカルにおける窒素原子、炭素原子または硫黄原子は、必要に応じて酸化されていてもよい;上記窒素原子は、必要に応じて四級化されていてもよい;上記ヘテロシクリルラジカルは、部分飽和であっても、完全飽和であってもよい。芳香族ヘテロシクリルラジカルの例は、ヘテロアリールの定義の中で以下に列挙される(すなわち、ヘテロアリールは、ヘテロシクリルの部分セットである)。非芳香族ヘテロシクリルラジカルの例としては、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾロピリミジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリオキサニル、トリチアニル、トリアジナニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、および1,1−ジオキソ−チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリルアルキル」とは、式−Rのラジカルであって、ここでRは、本明細書で定義されるとおりのアルキレン鎖であり、Rは、本明細書で定義されるとおりのヘテロシクリルラジカルであるラジカルを意味し、上記ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、上記ヘテロシクリルは、窒素原子においてアルキルラジカルに結合され得る。
立体異性体に関して、本明細書で記載される化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対配置に関して、(R)−または(S)−と定義され得る他の立体異性形態を生じる複数のキラル(または不斉)中心を有し得る。本明細書で記載される化合物が、オレフィン系二重結合または幾何学的非対称性の他の中心を含む場合に、別段特定されなければ、該化合物が、E幾何異性体およびZ幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)の両方を含むことが意図される。同様に、別段示されなければ、全ての可能な異性体、およびそれらのラセミ形態および光学的に純粋な形態、ならびに全ての互変異性形態もまた、含まれることが意図される。従って、種々の立体異性体およびそれらの混合物が「エナンチオマー」(これは、2つの立体異性体であって、その分子が互いに重ね合わせることのできない鏡像である2つの立体異性体をいう)を含むことが企図される。従って、化合物は、任意の異性形態(ラセミ体、ラセミ混合物を含む)で、および個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在し得る。
よって、本発明が、本明細書で開示される各化合物および一般式の各ジアステレオマー、各エナンチオマーおよびこれらの混合物を包含することは、それらが、各キラル炭素について具体的な立体化学的な指定とともに各々個別に開示される場合とまさに同様に、理解される。個々の異性体の分離(例えば、キラルHPLC、ジアステレオマー混合物の再結晶などによる)または個々の異性体の選択的合成(例えば、エナンチオマー選択的合成などによる)は、当業者に周知である種々の方法の適用によって達成される。
さらに、本発明の個々の化合物および化学的な属は、それらの全ての薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物を包含する。
句「薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物(pharmaceutically acceptable salts, solvates, and hydrates)」または句「薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、または水和物(pharmaceutically acceptable salt, solvate, or hydrate)」が、本明細書で記載される化合物に言及する場合に使用される場合、それが、該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物および/または水和物、該化合物の薬学的に受容可能な塩、ならびに該化合物の薬学的に受容可能な塩の薬学的に受容可能な溶媒和物および/または水和物を包含することが理解される。句「薬学的に受容可能な溶媒和物および水和物(pharmaceutically acceptable solvates and hydrates)」または句「薬学的に受容可能な溶媒和物または水和物(pharmaceutically acceptable solvate or hydrate)」が、本明細書で記載される塩に言及する場合に使用される場合、それがこのような塩の薬学的に受容可能な溶媒和物および/または水和物を包含することもまた理解される。
本明細書で記載される化合物は全般的に、遊離酸または遊離塩基として利用され得る。あるいは、化合物は、酸付加塩または塩基付加塩の形態で使用され得る。遊離アミノ基の酸付加塩は、当該分野で周知の方法によって調製され得、有機酸および無機酸から形成され得る。適切な有機酸としては、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、ケイ皮酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸、およびベンゼンスルホン酸が挙げられる。適切な無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、および硝酸が挙げられる。塩基付加塩は、カルボキシレートアニオンと形成される塩を含んだ。そして、塩基付加塩としては、有機カチオンおよび無機カチオン(例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウムおよびカルシウム)、ならびにアンモニウムイオンおよびその置換された誘導体(例えば、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウムなど)から選択されるもの)と形成される塩が挙げられる。従って、「薬学的に受容可能な塩」は、任意および全ての受容可能な塩形態(単塩および二塩の形態を含む)を包含することが意図される。
本明細書で記載される化合物は、完全にアモルファスから完全に結晶性までの範囲に及ぶ固体状態の連続体で存在し得る。さらに、本明細書で記載される化合物のうちのいくつかは、多形として存在し得る。
さらに、上記化合物のうちのいくつかはまた、水または他の有機溶媒と溶媒和物を形成し得る。用語「溶媒和物」は、本明細書で記載される化合物および1つまたはそれより多くの薬学的に受容可能な溶媒分子を含む分子複合体を記載するために、本明細書で使用される。溶媒分子が水である場合、分子複合体は、「水和物」と呼ばれる。このような水和物および溶媒和物は、本開示の範囲内に同様に含まれる。
本明細書で使用される場合、「同位体バリアント(isotopic variant)」(または、代わりに、「化合物の同位体(isotope of a compound)」または「化合物の同位体(isotopes of a compound)」)は、このような化合物を構成する原子の1つまたはこれより多くにおいて同位体の天然でない割合を含む化合物を意味する。ある特定の実施形態において、化合物の「同位体バリアント」は、1つまたはこれより多く同位体(水素(H)、重水素(H)、トリチウム(H)、炭素−11(11C)、炭素−12(12C)、炭素−13(13C)、炭素−14(14C)、窒素−13(13N)、窒素−14(14N)、窒素−15(15N)、酸素−14(14O)、酸素−15(15O)、酸素−16(16O)、酸素−17(17O)、酸素−18(18O)、フッ素−17(17F)、フッ素−18(18F)、リン−31(31P)、リン−32(32P)、リン−33(33P)、硫黄−32(32S)、硫黄−33(33S)、硫黄−34(34S)、硫黄−35(35S)、硫黄−36(36S)、塩素−35(35Cl)、塩素−36(36Cl)、塩素−37(37Cl)、臭素−79(79Br)、臭素−81(81Br)、ヨウ素−123(123I)、ヨウ素−125(125I)、ヨウ素−127(127I)、ヨウ素−129(129I)、およびヨウ素−131(131I)が挙げられるが、これらに限定されない)の天然でない割合を含む。ある特定の実施形態において、化合物の「同位体バリアント」は、安定な形態にある、すなわち、非放射性である。ある特定の実施形態において、化合物の「同位体バリアント」は、1つまたはこれより多く同位体(水素(H)、重水素(H)、炭素−12(12C)、炭素−13(13C)、窒素−14(14N)、窒素−15(15N)、酸素−16(16O)、酸素−17(17O)、および酸素−18(18O)が挙げられるが、これらに限定されない)の天然でない割合を含む。ある特定の実施形態において、化合物の「同位体バリアント」は、不安定な形態にある、すなわち、放射性である。ある特定の実施形態において、化合物の「同位体バリアント」は、1つまたはこれより多く同位体(トリチウム(H)、炭素−11(11C)、炭素−14(14C)、窒素−13(13N)、酸素−14(14O)、および酸素−15(15O)が挙げられるが、これらに限定されない)の天然でない割合を含む。本明細書で提供されるとおりの化合物において、当業者の判断に従って実現可能である場合には、任意の水素は、例として、Hであり得るか、または任意の炭素は、例として、13Cであり得るか、または任意の窒素は、例として、15Nであり得、任意の酸素は、例として、18Oであり得ることは、理解される。ある特定の実施形態において、化合物の「同位体バリアント」は、重水素の天然でない割合を含む。
本明細書で提供される化合物に関して、特定の原子位置が、重水素または「D」または「d」を有すると指定される場合、その位置における重水素の存在量が、重水素の天然の存在量(これは約0.015%である)より実質的に大きいことは、理解される。重水素を有すると指定される位置は、代表的には、ある特定の実施形態において、各指定された重水素位置において少なくとも1000(15% 重水素組み込み)、少なくとも2000(30% 重水素組み込み)、少なくとも3000(45% 重水素組み込み)、少なくとも3500(52.5% 重水素組み込み)、少なくとも4000(60% 重水素組み込み)、少なくとも4500(67.5% 重水素組み込み)、少なくとも5000(75% 重水素組み込み)、少なくとも5500(82.5% 重水素組み込み)、少なくとも6000(90% 重水素組み込み)、少なくとも6333.3(95% 重水素組み込み)、少なくとも6466.7(97% 重水素組み込み)、少なくとも6600(99% 重水素組み込み)、または少なくとも6633.3(99.5% 重水素組み込み)の最低同位体濃縮係数を有する。本明細書で提供される化合物の同位体富化は、当業者に公知の従来の分析方法(質量分析法、核磁気共鳴分光法、および結晶学が挙げられる)を使用して決定され得る。
本開示は、本発明の化合物、その中間体、塩、および結晶形態の中に存在する原子の全ての同位体を含む。同位体は、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子を含む。本発明の一局面は、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子で置き換えられた、本発明の化合物、その中間体、塩、および結晶形態の中の1つまたはそれより多くの原子のあらゆる組み合わせを含む。1つのこのような例は、一つの本発明の化合物、その中間体、塩、および結晶形態において見出される最も天然で豊富な同位体である原子(例えば、Hまたは12C)の、最も天然で豊富な同位体でない異なる原子(例えば、HもしくはH(Hを置き換える)または11C、13C、もしくは14C(12Cを置き換える))での置き換えである。よって、本発明の一局面は、重水素で置き換えられている、本発明の化合物、その中間体、塩、および結晶形態の中の1つまたはそれより多くの水素原子のあらゆる組み合わせを含む。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるVMAT2インヒビターは、1個、2個、3個、4個、5個、または6個の、水素原子(H)が重水素原子(H)で置き換えられている場合を含む。
本発明の別の局面は、本発明の化合物、その中間体、塩、および結晶形態のうちの1つまたはそれより多くを含む、組成物(例えば、合成、予備製剤化(preformulation)などの間に調製されるもの)および薬学的組成物(例えば、本明細書で記載される障害のうちの1つまたはそれより多くを処置するための哺乳動物における使用を意図して調製されるもの)であって、ここで、組成物中の同位体の天然に存在する分布に摂動が与えられるものを包含する。本発明の別の局面は、本明細書で記載されるとおりの化合物を含む組成物および薬学的組成物であって、ここで、化合物は、1つまたはそれより多くの位置において、最も天然に豊富な同位体以外の同位体が富化されているものを包含する。このような同位体の摂動または富化を測定するための方法(例えば、質量分析法)が容易に利用可能であり、放射性同位体である同位体に関しては、さらなる方法(例えば、HPLCまたはGCと接続して使用される放射線検出器)が利用可能である。
本発明のある特定の同位体標識化合物は、化合物および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。いくつかの実施形態において、放射性核種Hおよび/または14C同位体は、これらの研究において有用である。さらに、より重い同位体(例えば、重水素(すなわち、H))での置換は、より大きな代謝安定性から生じるある特定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期の延長または投与量要件の低減)を与えることが可能であり、したがって、状況によっては好ましいこともある。本発明の同位体標識化合物は一般に、同位体標識された試薬を同位体標識されていない試薬の代わりに使用することによって、実施例で開示される手順に類似の手順に従うことによって調製され得る。有用である他の合成法は、以下で考察される。さらに、本発明の化合物において表される原子の全てが、このような原子の最も一般に存在する同位体またはより希少な放射性同位体または非放射性である同位体のいずれかであり得ることは、理解されるべきである。
放射性同位体を有機化合物へと組み込むための合成法は、本発明の化合物に適用可能であり、当該分野で周知である。例えば、活性レベルのトリチウムを標的分子に組み込むこれらの合成法は、以下のとおりである。
A.トリチウムガスでの接触還元: この手順は通常、高い比放射能生成物を生じ、ハロゲン化もしくは不飽和前駆体を必要とする。
B.水素化ホウ素ナトリウム[H]での還元: この手順は、かなり安価であり、還元可能な官能基(例えば、アルデヒド、ケトン、ラクトン、エステルなど)を含む前駆体を必要とする。
C.水素化アルミニウムリチウム[H]での還元: この手順は、ほぼ理論上の比放射能の生成物を提供する。これもまた、還元可能な官能基(例えば、アルデヒド、ケトン、ラクトン、エステルなど)を含む前駆体を必要とする。
D.トリチウムガス曝露標識: この手順は、適切な触媒の存在下で、交換可能なプロトンを含む前駆体をトリチウムガスへと曝露する工程を包含する。
E.ヨウ化メチル[H]を使用するN−メチル化: この手順は通常、適切な前駆体を高い比放射能のヨウ化メチル(H)で処理することによって、O−メチルまたはN−メチル(H)生成物を調製するために使用される。この方法は概して、より高い比放射能(例えば、約70〜90Ci/mmol)を可能にする。
125Iの活性レベルを標的分子に組み込むための合成法としては、以下が挙げられる。
A.ザンドマイヤー反応および類似の反応: この手順は、アリールアミンまたはヘテロアリールアミンをジアゾニウム塩(例えば、ジアゾニウムテトラフルオロボレート塩)に変換し、その後、Na125Iを使用して125I標識化合物へと変換する。代表的手順は、Zhu, G−D.および共同研究者によってJ. Org. Chem., 2002, 67, 943−948において報告された。
B.フェノールのオルト125ヨウ素化: この手順は、Collier, T. L.および共同研究者によってJ. Labelled Compd. Radiopharm., 1999, 42, S264−S266で報告されたように、フェノールのオルト位に125Iを組み込むことを可能にする。
C.アリールおよびヘテロアリールブロミドを125Iと交換する: この方法は一般に、2工程プロセスである。第1の工程は、アリールまたはヘテロアリールブロミドを、例えば、トリアルキルスズハライドもしくはヘキサアルキルジスズ[例えば、(CHSnSn(CH]の存在下で、Pd触媒反応[すなわち、Pd(PhP)]を使用してまたはアリールもしくはヘテロアリールリチウムを経て、対応するトリアルキルスズ中間体に変換することである。代表的手順は、Le Bas, M.−D.および共同研究者によって、J. Labelled Compd. Radiopharm. 2001, 44, S280−S282において報告された。
本明細書で記載される化合物は全般的に、遊離酸または遊離塩基として利用され得る。あるいは、化合物は、酸付加塩または塩基付加塩の形態で使用され得る。遊離アミノ化合物の酸付加塩は、当該分野で周知の方法によって調製され得、有機酸および無機酸から形成され得る。適切な有機酸としては、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、ケイ皮酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸、およびベンゼンスルホン酸が挙げられる。適切な無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、および硝酸が挙げられる。塩基付加塩は、カルボキシレートアニオンと形成される塩を含んだ。そして、塩基付加塩としては、有機カチオンおよび無機カチオン(例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウムおよびカルシウム)、ならびにアンモニウムイオンおよびその置換された誘導体(例えば、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウムなど)から選択されるもの)と形成される塩が挙げられる。従って、「薬学的に受容可能な塩」は、任意および全ての受容可能な塩形態を包含することが意図される。
本明細書で記載される化合物は、完全にアモルファスから完全に結晶性までの範囲に及ぶ固体状態の連続体で存在し得る。さらに、上記化合物の結晶形態のうちのいくつかは、多形として存在し得る。
さらに、上記化合物のうちのいくつかはまた、水または他の有機溶媒と溶媒和物を形成し得る。用語「溶媒和物」は、本明細書で記載される化合物および1つまたはそれより多くの薬学的に受容可能な溶媒分子を含む分子複合体を記載するために、本明細書で使用される。溶媒分子が水である場合、分子複合体は、「水和物」と呼ばれる。このような水和物および溶媒和物は、本開示の範囲内に同様に含まれる。
当業者が認識するように、本明細書で記載される化合物のうちのいずれかは、同位体を組み込み得る。よって、1つまたはそれより多くの原子が、天然において通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている、本明細書で記載される化合物に同一の同位体標識した化合物の使用がまた、企図される。これら化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素および塩素の同位体(例えば、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、18F、および36Clが挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。ある特定の同位体標識された化合物、例えば、放射性同位体(例えば、Hおよび14C)が組み込まれたものもまた、薬物または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化水素(H)および炭素14(14C)同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性のため特に好ましい。より重い同位体(例えば、重水素(HまたはD))での置換は、より大きな代謝安定性から生じるある特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の延長または用量要件の低減を提供し得、したがって、状況によっては好ましいこともある。同位体標識化合物は一般に、当該分野で慣用的に実施される手順を行うことによって調製され得る。
VMAT2インヒビターでの処置のための被験体を選択するための方法であって、上記方法は、
上記被験体がCOMTハプロ不全を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体がCOMTハプロ不全を有することを決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含する方法が提供される。
VMAT2インヒビターでの処置のための被験体を選択するための方法であって、上記方法は、
上記被験体がCOMTハプロ不全を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体がCOMTハプロ不全を有することを決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程
を包含し、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもない方法がまた、提供される。
VMAT2インヒビターでの処置のための被験体を選択するための方法であって、上記方法は、
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有することが決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含する方法がまた、提供される。
VMAT2インヒビターでの処置のための被験体を選択するための方法であって、上記方法は、
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有することが決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含し、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもない方法がまた、提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含し、ここで上記被験体は、上記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、上記精神障害を発生させる素因がある方法がまた、提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含し、ここで上記被験体は、上記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、上記精神障害を発生させる素因があり、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもない方法がまた、提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含し、ここで上記被験体は、上記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、上記精神障害を発生させる素因がある方法がまた、提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含し、ここで上記被験体は、上記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、上記精神障害を発生させる素因があり、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもない方法がまた、提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
上記被験体がCOMTハプロ不全を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体がCOMTハプロ不全を有することを決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含する方法がまた、本明細書で提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
上記被験体がCOMTハプロ不全を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体がCOMTハプロ不全を有することを決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含し、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもない方法がまた、本明細書で提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有することが決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含する方法がまた、本明細書で提供される。
精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、上記方法は、
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有するか否かを決定する工程;および
上記被験体が22q11.2欠失症候群を有することが決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程、
を包含し、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもない方法がまた、本明細書で提供される。
いくつかの実施形態において、上記被験体は、非欠失アレル上にCOMT108met改変体を有する。
いくつかの実施形態において、上記被験体が22q11.2欠失症候群を有するか否かを決定する工程は、上記被験体に由来するサンプル中で、22q11.2において欠失の存在または非存在を検出するために遺伝子検査を行う工程を包含する。いくつかの実施形態において、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)は、上記欠失を同定するために使用される。いくつかの実施形態において、マイクロアレイ分析(例えば、染色体マイクロアレイ分析)は、上記欠失を同定するために使用される。いくつかの実施形態において、マルチライゲーション依存性プローブ増幅(multiple ligation−dependent probe amplification)は、上記欠失を同定するために使用される。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、上記VMAT2インヒビターの最初の投与前に、上記遺伝子検査の結果を得る工程をさらに包含する。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態において、上記被験体は、COMTハプロ不全を有すると予め同定されたことがある。本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態において、上記被験体は、22q11.2欠失症候群を有すると予め同定されたことがある。
いくつかの実施形態において、上記精神障害は、統合失調症スペクトラム障害、注意欠陥多動障害、不安障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、気分障害、神経性食欲不振、ナルコレプシー、ヘロイン嗜癖、または早期発症性アルコール依存症である。いくつかの実施形態において、上記精神障害は、統合失調症スペクトラム障害である。いくつかの実施形態において、上記精神障害は、気分障害(例えば、双極性障害)である。いくつかの実施形態において、上記精神障害は、自閉症スペクトラム障害である。
いくつかの実施形態において、上記患者は、心血管系の先天的欠陥を有する。いくつかの実施形態において、上記患者は、低カルシウム血症および/または副甲状腺機能低下症を有する。いくつかの実施形態において、上記患者は、甲状腺機能低下症または甲状腺機能亢進症を有する。いくつかの実施形態において、上記患者は、肥満である。いくつかの実施形態において、上記患者は、反復発作(recurrent seizure)を有する。
本明細書で記載される各々のおよびあらゆる方法、組成物、または使用は、必要に応じて、限定「ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもない」を含む。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンまたはレセルピンである。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、式(I):
Figure 2021528386
の化合物、ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物および/または同位体バリアントから選択され、ここで:
50は、−C(=O)−O−(CRまたは−C(=O)−(CR−NHであり、
およびRは、各存在において、独立して、H、C1−6アルキル、−NH−C(=NH)NH、−C(=O)OH、−C(=O)O−Me、−SH、−C(=O)NH、−NH、−SCH、フェニル、−OH、4−ヒドロキシ−フェニル、イミダゾリル、またはインドリルであり;
mは、1〜6であり;そして
nは、1〜6である。
いくつかの実施形態において、式(I)のVMAT2インヒビターは、表1に示される構造のうちのいずれか1つの化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物または水和物および/または同位体バリアントである。
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
いくつかの実施形態において、式(I)のVMAT2インヒビターは、
Figure 2021528386
である。
いくつかの実施形態において、式(I)のVMAT2インヒビターは、
Figure 2021528386
である。
いくつかの実施形態において、式(I)のVMAT2インヒビターは、
Figure 2021528386
である。
いくつかの実施形態において、式(I)の薬学的に受容可能な塩は、ジトシル酸塩(ditosylate salt)である。いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、以下の構造:
Figure 2021528386
のジトシル酸塩である。
いくつかの実施形態において、式(I)の同位体バリアントは、1個、2個、3個、4個、5個、または6個の水素が、重水素によって置き換えられている、式(I)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくは水和物である。
いくつかの実施形態において、式(I)の同位体バリアントは、式(Ia):
Figure 2021528386
の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物であり、ここで:
各Rは、水素(H)および重水素(H)から独立して選択され;
各Rxaは、水素(H)および重水素(H)から独立して選択され;
50は、−C(=O)−O−(CRまたは−C(=O)−(CR−NHであり、
およびRは、各存在において、独立して、H、C1−6アルキル、−NH−C(=NH)NH、−C(=O)OH、−C(=O)O−Me、−SH、−C(=O)NH、−NH、−SCH、フェニル、−OH、4−ヒドロキシ−フェニル、イミダゾリル、またはインドリルであり;
mは、1〜6であり;そして
nは、1〜6である。
式(Ia)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物のいくつかの実施形態において、各Rは、重水素である。
式(Ia)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物のいくつかの実施形態において、各Rxaは、重水素である。
式(Ia)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物のいくつかの実施形態において、各Rは、重水素であり;各Rxaは、重水素である。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、式(II):
Figure 2021528386
の化合物ならびにその薬学的に受容可能な水和物、溶媒和物、および塩、および/または同位体バリアントから選択され、ここで:
は、
a)水素;
b)−P(=O)(OR
c)−C(=O)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)アルキル;
d)−C(=O)ヘテロシクリルであって、ここでヘテロシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)ヘテロシクリル;
e)−C(=O)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)カルボシクリル;
f)−C(=O)N(R)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)アルキル;
g)−C(=O)N(R)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)カルボシクリル;
h)−C(=O)Oアルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)Oアルキル;または
i)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換されるアルキル;
であり、そしてここで
各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;
各R10は、独立して、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、トリメチルシラニル、−OR30、−SR30、−OC(=O)−R30、−N(R30、−C(=O)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)N(R30、−N(R30)C(=O)OR31、−N(R30)C(=O)R31、−N(R30)C(=NR31)N(R32、−N(R30)S(=O)31(ここでtは1〜2である)、−S(=O)OR30(ここでtは1〜2である)、−S(=O)30(ここでpは0〜2である)、−S(=O)N(R30(ここでtは1〜2である)、もしくは−OP(=O)(OR30であるか、または1個の原子が2個のR10基を有する場合、このような2個のR10基は、一緒になって、オキソを形成し得;
各R20は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであるか、または1個の原子が2個のR20基を有する場合、このような2個のR20基は、一緒になって、シクロアルキルを形成し得、ここで上記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10および/もしくはR22で必要に応じて置換され;
各R22は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであり、ここで上記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10で必要に応じて置換され;そして
各R30、R31、およびR32は、独立して、水素またはアルキルである。
いくつかの実施形態において、式(II)のVMAT2インヒビターは、
Figure 2021528386
である。
いくつかの実施形態において、式(II)のVMAT2インヒビターは、表2に示される構造のうちのいずれか1つの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒物、もしくは水和物および/もしくは同位体バリアントである。
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
いくつかの実施形態において、式(II)の同位体バリアントは、1個、2個、3個、4個、5個、または6個の水素が重水素によって置き換えられている式(II)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物である。
いくつかの実施形態において、式(II)の同位体バリアントは、式(IIa):
Figure 2021528386
の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物であり、ここで:
各Rは、水素(H)および重水素(H)から独立して選択され;
各Ryaは、水素(H)および重水素(H)から独立して選択され;
は、
a)水素;
b)−P(=O)(OR
c)−C(=O)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)アルキル;
d)−C(=O)ヘテロシクリルであって、ここでヘテロシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)ヘテロシクリル;
e)−C(=O)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)カルボシクリル;
f)−C(=O)N(R)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)アルキル;
g)−C(=O)N(R)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)カルボシクリル;
h)−C(=O)Oアルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)Oアルキル;または
i)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換されるアルキル;
であり、そしてここで
各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;
各R10は、独立して、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、トリメチルシラニル、−OR30、−SR30、−OC(=O)−R30、−N(R30、−C(=O)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)N(R30、−N(R30)C(=O)OR31、−N(R30)C(=O)R31、−N(R30)C(=NR31)N(R32、−N(R30)S(=O)31(ここでtは1〜2である)、−S(=O)OR30(ここでtは1〜2である)、−S(=O)30(ここでpは0〜2である)、−S(=O)N(R30(ここでtは1〜2である)、もしくは−OP(=O)(OR30であるか、または1個の原子が2個のR10基を有する場合、このような2個のR10基は、一緒になって、オキソを形成し得;
各R20は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであるか、または1個の原子が2個のR20基を有する場合、このような2個のR20基は、一緒になって、シクロアルキルを形成し得、ここで上記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10および/もしくはR22で必要に応じて置換され;
各R22は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであり、ここで上記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10で必要に応じて置換され;そして
各R30、R31、およびR32は、独立して、水素またはアルキルである。
式(IIa)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物のいくつかの実施形態において、各Rは、重水素である。
式(IIa)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物のいくつかの実施形態において、各Ryaは、重水素である。
式(IIa)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物のいくつかの実施形態において、各Rは、重水素であり;各Ryaは、重水素である。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、式(III):
Figure 2021528386
の化合物ならびにその薬学的に受容可能な水和物、溶媒和物、および塩、および/または同位体バリアントから選択され、ここで:
100およびR200は、独立して、低級アルキル、低級シクロアルキル、または低級シクロアルキルアルキルであり、ここで各低級アルキル、低級シクロアルキル、および低級シクロアルキルアルキルは、独立して、置換されていないか、または1個もしくはこれより多くのハロ、シアノ、もしくは低級アルコキシで置換され;
300は、低級アルキルであり;
400は、低級アルキルまたは低級シクロアルキルアルキルである。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、式(IV):
Figure 2021528386
の化合物ならびにその薬学的に受容可能な水和物、溶媒和物、および塩、および/または同位体バリアントから選択される。
いくつかの実施形態において、式(III)または式(IV)のVMAT2インヒビターは、表3に示される構造のうちのいずれか1つの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物、および/もしくは同位体バリアントである。
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
いくつかの実施形態において、式(III)または(IV)の同位体バリアントは、1個、2個。3個、4個、5個、または6個の水素が重水素によって置き換えられている、式(III)もしくは(IV)の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、もしくは水和物である。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、
Figure 2021528386
である。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、
Figure 2021528386
Figure 2021528386
である。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、バルベナジンまたはその薬学的に受容可能な塩である。バルベナジンはまた、(S)−2−アミノ−3−メチル−酪酸 (2R,3R,11bR)−3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イルエステルとも呼ばれる。バルベナジンは、米国特許第8,039,627号および同第8,357,697号、ならびに米国特許出願第15/388,960号(これらの各々の開示は、その全体において本明細書に参考として援用される)に従って調製され得る。ある特定の実施形態において、本明細書で提供される組成物および方法における使用のためのバルベナジンは、米国特許出願第15/338,214号(その開示は、その全体において本明細書に参考として援用される)に開示されるとおりの多形Iにある。統合失調症または統合失調感情障害を処置するためのバルベナジンの使用は、WO 2018/102673(これは、その全体において本明細書に参考として援用される)に記載される。多動性運動障害の処置のためのバルベナジンの使用は、US 2017/071932(これは、その全体において本明細書に参考として援用される)に記載される。バルベナジンを製剤化するための方法は、WO 2019/060322(これは、その全体において本明細書に参考として援用される)に見出される。双極性障害における躁病を処置するためのVMAT2インヒビターは、WO 2016/210180(これは、その全体において本明細書に参考として援用される)に記載される。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、[9,10−ジメトキシ−3−(2−メチルプロピル)−1H,2H,3H,4H,6H,7H,11bH−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]メタノール、もしくはその薬学的に受容可能な塩、または関連化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩である。[9,10−ジメトキシ−3−(2−メチルプロピル)−1H,2H,3H,4H,6H,7H,11bH−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]メタノールならびにこれに関連する化合物、組成物および方法は、WO 2016/127133(これは、その全体において本明細書に参考として援用される)に記載される。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、抗精神病薬とともに投与され得る。抗精神病薬およびVMAT2インヒビターを含む薬学的組成物、ならびにその使用は、US 2016/0339011(米国特許第8,782,398号)(これは、その全体において本明細書に参考として援用される)に記載される。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンまたはその薬学的に受容可能な塩である。テトラベナジンはまた、3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,l−a]イソキノリン−2−オンとも呼ばれる。テトラベナジンは、PCT公開WO 2010/018408、WO 2011/019956、およびWO 2014/047167(これらの各々の開示は、その全体において本明細書に参考として援用される)に開示される製剤を含め、種々の方法によって投与され得る。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、デュテトラベナジンまたはその薬学的に受容可能な塩である。デュテトラベナジンはまた、3−イソブチル−9,10−d−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オンとも呼ばれる。デュテトラベナジンは、米国特許第8,524,733号(これは、その全体において本明細書に参考として援用される)に開示される。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、ジヒドロテトラベナジン(DHTBZ)またはその薬学的に受容可能な塩である。ジヒドロテトラベナジンはまた、3−イソブチル−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−オールとも呼ばれる。ジヒドロテトラベナジンは、PCT公開WO2005077946、WO2018178233、およびWO2018178243(これらの各々の開示は、その全体において本明細書に参考として援用される)に記載される。
いくつかの実施形態において、上記VMAT2インヒビターは、ロベリン、またはその誘導体、またはその薬学的に受容可能な塩である。ロベリン誘導体は、ロベラン(lobelane)およびGZ−793Aを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で記載される化合物およびそれらの塩は、哺乳動物の身体の中で、ヒトモノアミントランスポーターアイソフォーム2を阻害し得る化合物へと加水分解され得る。よって、これらの化合物およびそれらの塩は、哺乳動物において代謝産物のインビボ特性(例えば、最大濃度または作用持続時間)を変化させるにあたってさらなる有用性を有し得る。
いくつかの実施形態において、1つまたはこれより多くのVMAT2インヒビターを含む薬学的組成物が開示される。投与目的で、本明細書で記載される化合物は、薬学的組成物として製剤化され得る。薬学的組成物は、本明細書で記載されるモノアミン再取り込みインヒビターおよび薬学的に受容可能な賦形剤、キャリア、および/または希釈剤を含む。VMAT2インヒビターは、特定の障害を処置するのに有効な量で−−すなわち、中枢神経系におけるモノアミンの供給を低減するのに十分な量で、そして好ましくは患者に受容可能な毒性で、前記組成物中に存在する。適切な濃度および投与量は、当業者によって容易に決定され得る。
本開示は、本明細書で記載される化合物のうちのいずれか1つおよび必要に応じて、1つまたはこれより多くの薬学的に受容可能なキャリアおよび/もしくは希釈剤を含む薬学的組成物をさらに提供する。
薬学的に受容可能なキャリアおよび/または希釈剤は、当業者が精通している。液体の液剤として製剤化される組成物に関しては、受容可能なキャリアおよび/または希釈剤として、食塩水および滅菌水が挙げられ、必要に応じて、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤および他の一般的な添加剤が挙げられ得る。組成物はまた、VMAT2インヒビターに加えて、希釈剤、分散剤および界面活性剤、結合剤、ならびに滑沢剤を含む、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、または錠剤としても製剤化され得る。当業者は、VMAT2インヒビターを適切な様式で、受容された実施(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Gennaro編, Mack Publishing Co., Easton, PA 1990に開示されるもの)に従ってさらに製剤化し得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、即時放出または改変された放出の剤形(遅延放出の、持続した放出の、パルス状の放出の、制御された放出の、標的化された放出の、およびプログラムされた放出の形態が挙げられる)として製剤化され得る。薬学的組成物はまた、移植されるデポーとしての投与のために、懸濁物、固体、半固体、またはチキソトロピック液体として製剤化され得る。
いくつかの実施形態において、中枢神経系または末梢神経系の障害を処置するための方法が、本明細書で提供される。このような方法は、本明細書で記載される化合物を、上記状態を処置するために十分な量で温血動物(例えば、ヒト)に投与する工程を包含する。この文脈において、「処置する」は、予防的投与を含む。このような方法は、本明細書で記載されるVMAT2インヒビターの全身投与(好ましくは上記で考察されるとおりの薬学的組成物の形態にある)を含む。本明細書で使用される場合、全身投与は、経口投与方法および非経口投与方法を含む。
本明細書で記載されるVMAT2インヒビター化合物のうちの少なくとも1つを含む本明細書で記載される薬学的組成物は、必要な被験体に、有効量の化合物を効果的に送達する幾つかの経路のうちのいずれか1つによって投与され得る。薬学的組成物は、単独で、あるいは1つもしくはこれより多くの他の本明細書で提供される化合物、または1つもしくはこれより多くの他の活性成分との組み合わせにおいて、投与され得る。このような投与経路としては、例えば、経口、非経口、経腸、直腸、鼻内、口内、舌下、筋肉内、および経皮が挙げられる。これらの投与経路などによって投与される組成物は、本明細書でより詳細に記載される。
その薬学的組成物はまた、改変された放出剤形(遅延された、長期間の(extended)、延長した(prolonged)、持続した(sustained)、拍動性の(pulsatile)、制御された(controlled)、加速された(accelerated)、および迅速な(fast)、標的化された、プログラムされた放出の、ならびに胃貯留(gastric retention)の剤形が挙げられる)として製剤化され得る。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法および技術に従って調製され得る(Remington: The Science and Practice of Pharmacy,前出; Modified−Release Drug Delivery Technology, Rathboneら, 編, Drugs and the Pharmaceutical Science, Marcel Dekker, Inc.: New York, NY, 2002; Vol. 126を参照のこと)。
薬学的組成物は、少なくとも1つの生理学的に(または薬学的に)受容可能なまたは適切な賦形剤をさらに含み得る。薬学的組成物において使用のための、当業者に公知の任意の生理学的にまたは薬学的に適切な賦形剤またはキャリア(すなわち、活性成分の活性に干渉しない非毒性物質)は、本明細書で記載される組成物において使用され得る。例示的な賦形剤としては、化合物の安定性および完全性を維持する希釈剤およびキャリアが挙げられる。
薬学的に受容可能な賦形剤は、薬学分野において周知であり、例えば、Roweら, Handbook of Pharmaceutical Excipients: A Comprehensive Guide to Uses, Properties, and Safety, 第5版, 2006、およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro, 第21版. Mack Pub. Co., Easton, PA (2005))に記載される。例示的な薬学的に受容可能な賦形剤としては、滅菌生理食塩水および生理学的pHにあるリン酸緩衝化生理食塩水が挙げられる。保存剤、安定化剤、色素、緩衝液などは、薬学的組成物において提供され得る。さらに、抗酸化剤および懸濁化剤もまた、使用され得る。
薬学的組成物は、液剤の形態にあり得る。液剤は、生理食塩水または滅菌水を含み得、必要に応じて抗酸化剤、緩衝化剤、静菌剤、および他の一般的な添加剤を含み得る。あるいは、それらは、固体(例えば、散剤、錠剤、丸剤など)の形態にあり得る。本明細書で記載される化合物のうちのいずれか1つを含む組成物は、デポー注射、持続放出または緩徐放出(時限放出(timed release)とも呼ばれる)のために製剤化され得る。このような組成物は一般に、周知の技術を使用して調製され得、所望の標的部位での例えば、経口、直腸もしくは皮下移植、筋肉内、または移植によって投与され得る。持続放出製剤は、キャリアマトリクス中に分散したおよび/または速度制御膜によって取り囲まれたレザバ内に含まれた化合物を含み得る。このような製剤内での使用のための賦形剤は、生体適合性であり、生分解性でもあり得る;好ましくは、その製剤は、比較的一定のVMAT2インヒビター化合物放出レベルを提供し得る。持続放出製剤内に含まれる化合物の量は、移植の部位、放出の速度および予測持続時間、ならびに処置または防止されるべき状態の性質に依存する。
経口投与
本明細書で提供される薬学的組成物は、経口投与のための固体、半固体、または液体の剤形で提供され得る。本明細書で使用される場合、経口投与としてはまた、口内、舌、および舌下投与が挙げられる。適切な経口剤形としては、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ、ロゼンジ、芳香錠(pastille)、カシェ剤、ペレット、薬用チューインガム(medicated chewing gum)、顆粒剤、バルク散剤、発泡性もしくは非発泡性の散剤もしくは顆粒剤、液剤、エマルジョン、懸濁物、液剤、ウェハ、散剤(sprinkle)、エリキシル剤、およびシロップ剤が挙げられるが、これらに限定されない。その活性成分に加えて、薬学的組成物は、1つまたはそれより多くの薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤(結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤(glidant)、着色剤、色素移動インヒビター(dye−migration inhibitor)、甘味剤、および矯味矯臭剤が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。
結合剤または造粒剤(granulator)は、錠剤に粘着性を付与して、錠剤が、圧縮後に無傷なままであることを担保する。適切な結合剤または造粒剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびα化デンプン(例えば、STARCH 1500));ゼラチン;糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、およびラクトース);天然および合成のガム(例えば、アカシア、アルギン酸、アルギネート、アイリッシュモス抽出物、パンワールガム(Panwar gum)、ガティーガム(ghatti gum)、インドオオバコ種皮の粘着物(mucilage of isabgol husk)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、Veegum、カラマツアラボガラクタン)(larch arabogalactan)、粉末化トラガカント、およびグアーガム);セルロース(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);微結晶性セルロース(例えば、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC Corp.、Marcus Hook, PA);ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末化セルロース、デキストレート(dextrate)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。その結合剤または充填剤は、本明細書で提供される薬学的組成物中に約50重量%〜約99重量%存在し得る。
適切な希釈剤としては、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、および粉糖が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の希釈剤(例えば、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、およびイノシトール)は、十分量で存在する場合、いくらかの圧縮した錠剤に、噛むことによって口中での崩壊を可能にする特性を付与し得る。このような圧縮された錠剤は、チュアブル錠として使用され得る。
適切な崩壊剤としては、アガー;ベントナイト;セルロース(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース);木質製品;天然のスポンジ;カチオン交換樹脂;アルギン酸;ガム(例えば、グアーガムおよびVee gum HV);柑橘類の髄(citrus pulp);架橋セルロース(例えば、クロスカルメロース);架橋ポリマー(例えば、クロスポビドン);架橋デンプン;炭酸カルシウム;微結晶性セルロース(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム);ポラクリリンカリウム;デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、およびα化デンプン);クレイ;アルギン(aligns);およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される薬学的組成物中の崩壊剤の量は、製剤のタイプに応じて変動し、当業者によって容易に認識できる。本明細書で提供される薬学的組成物は、約0.5〜約15重量%または約1〜約5重量%の崩壊剤を含み得る。
適切な滑沢剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油(light mineral oil);グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリコール(例えば、ベヘン酸グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG));ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;水素添加植物油(ラッカセイ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびダイズ油が挙げられる);ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;アガー;デンプン;ヒカゲノカズラ(lycopodium);シリカもしくはシリカゲル(例えば、AEROSIL(登録商標)200(W. R. Grace Co., Baltimore, MD)およびCAB−0−SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA));ならびにこれらの混合物。本明細書で提供される薬学的組成物は、約0.1〜約5重量%の滑沢剤を含み得る。
適切な流動促進剤としては、コロイド性二酸化ケイ素、CAB−0−SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA)、およびアスベスト非含有タルクが挙げられる。着色剤としては、承認された、認定された、水溶性のFD&C色素、および水酸化アルミニウムに懸濁された水に不溶性のFD&C色素、およびレーキ着色料(color lake)ならびにこれらの混合物のいずれかが挙げられる。レーキ着色料は、水溶性色素を重金属の含水酸化物に吸着させ、その色素の不溶性形態を生じることによる組み合わせである。矯味矯臭剤としては、植物(例えば、果実)から抽出された天然のフレーバー、および心地の良い味覚を生じる化合物の人工的なブレンド(例えば、ペパーミントおよびサリチル酸メチル)が挙げられる。甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、および人工甘味料(例えば、サッカリンおよびアスパルテーム)が挙げられる。適切な乳化剤としては、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、および界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標) 20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80(TWEEN(登録商標) 80)、およびトリエタノールアミンオレエートが挙げられる。懸濁化剤および分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、Veegum、アカシア、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。保存剤としては、グリセリン、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウムおよびアルコールが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート、およびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、およびシロップが挙げられる。エマルジョンにおいて利用される非水性液体の例としては、鉱油および綿実油が挙げられる。有機酸としては、クエン酸および酒石酸が挙げられる。二酸化炭素の供給源としては、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。
多くのキャリアおよび賦形剤は、同じ製剤内ですら、いくつかの機能を果たし得ることは、理解されるべきである。本明細書で提供される薬学的組成物は、圧縮錠剤、錠剤粉砕物(tablet triturate)、チュアブルロゼンジ、迅速に溶解する錠剤、多重圧縮錠剤(multiple compressed tablet)、または腸溶性コーティング錠剤、糖コーティングもしくはフィルムコーティング錠剤として提供され得る。腸溶性コーティングされた錠剤は、胃酸の作用に耐えるが、腸では溶解または崩壊し、従って、活性成分を胃の酸性環境から守る物質でコーティングされた圧縮錠剤である。腸溶性コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、フェニルサリチレート、ワックス、シェラック、アンモニア処理シェラック(ammoniated shellac)、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。糖コーティング錠剤は、糖コーティングによって囲まれた圧縮錠剤であり、これは、不愉快な味または臭いを包み隠し、その錠剤を酸化から守るにあたって有益であり得る。フィルムコーティング錠剤は、水溶性材料の薄い層またはフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。フィルムコーティングは、糖コーティングと同じ一般的特性を付与する。多重圧縮錠剤は、1回より多くの圧縮サイクルによって作製された圧縮錠剤(層化錠剤が挙げられる)、および圧縮コーティングされた(press−coated)錠剤または有核錠(dry−coated tablet)である。
その錠剤剤形は、粉末化された、結晶性の、または顆粒状の形態にある活性成分から、単独でまたは本明細書で記載される1つもしくはそれより多くのキャリアもしくは賦形剤(結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑沢剤、希釈剤、および/または着色剤が挙げられる)と組み合わせて、調製され得る。矯味矯臭剤および甘味剤は、チュアブル錠およびロゼンジの形成において特に有用である。
本明細書で提供される薬学的組成物は、軟質または硬質のカプセル剤として提供され得、これは、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、またはアルギン酸カルシウムから作製され得る。その硬質ゼラチンカプセル剤(乾式充填カプセル剤(DFC)としても公知)は、2つのセクションからなり、一方を他方に被せ、従って、活性成分を完全に封入する。その軟質弾性カプセル剤(soft elastic capsule)(SEC)は、軟らかい球状の殻(例えば、ゼラチン殻)であり、この殻は、グリセリン、ソルビトール、または類似のポリオールの添加によって可塑化されている。その軟質のゼラチン殻は、微生物の増殖を防止するために保存剤を含み得る。適切な保存剤は、本明細書で記載されるとおりのもの(メチルパラベンおよびプロピルパラベン、ならびにソルビン酸が挙げられる)である。本明細書で提供される液体、半固体、および固体の剤形は、カプセル剤中に被包され得る。適切な液体および半固体の剤形としては、プロピレンカーボネート、植物油、またはトリグリセリド中の液剤および懸濁物が挙げられる。このような液剤を含むカプセル剤は、米国特許第4,328,245号;同第4,409,239号;および同第4,410,545号に記載されるように調製され得る。そのカプセル剤はまた、その活性成分の溶解を改変または持続するために、当業者によって公知のようにコーティングされ得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、液体および半固体の剤形(エマルジョン、液剤、懸濁物、エリキシル剤、およびシロップ剤が挙げられる)において提供され得る。エマルジョンは、二相系であり、この系において一方の液体は、もう一方の液体全体の中に小さな球状物の形態で分散され、水中油型または油中水型であり得る。エマルジョンは、薬学的に受容可能な非水性の液体または溶媒、乳化剤、および保存剤を含み得る。懸濁物は、薬学的に受容可能な懸濁化剤および保存剤を含み得る。水性アルコール性液剤は、薬学的に受容可能なアセタール(例えば、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール(用語「低級」は、1〜6個の間の炭素原子を有するアルキルを意味する)(例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール));および1つまたはそれより多くのヒドロキシル基を有する水混和性溶媒(例えば、プロピレングリコールおよびエタノール)を含み得る。エリキシル剤は、透明な、甘味のある、含水アルコール液剤である。シロップ剤は、糖(例えば、スクロース)の濃縮水性溶液であり、保存剤も含み得る。液体剤形に関しては、例えば、ポリエチレングリコール中の液剤は、投与のために便利に測定されるのに十分な量の薬学的に受容可能な液体キャリア(例えば、水)で希釈され得る。
他の有用な液体および半固体の剤形としては、本明細書で提供される活性成分を含むもの、およびジアルキル化モノまたはポリアルキレングリコール(1,2−ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテルが挙げられ、ここで350、550、および750とは、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を意味する)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの製剤は、1つまたはそれより多くの抗酸化剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、ビスルファイト、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸およびそのエステル、ならびにジチオカルバメートをさらに含み得る。
経口投与のための本明細書で提供される薬学的組成物はまた、リポソーム、ミセル、マイクロスフェア、またはナノシステムの形態で提供され得る。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載されるように調製され得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、液体剤形へと再構成されるように、非発泡性または発泡性の、顆粒剤および散剤として提供され得る。非発泡性の顆粒剤または散剤において使用される薬学的に受容可能なキャリアおよび賦形剤は、希釈剤、甘味剤、および湿潤剤を含み得る。発泡性の顆粒剤または散剤において使用される薬学的に受容可能なキャリアおよび賦形剤は、有機酸および二酸化炭素の供給源を含み来る。
着色剤および矯味矯臭剤は、上記の剤形の全てにおいて使用され得る。本明細書で提供される薬学的組成物は、即時放出または改変された放出剤形(遅延された、持続した、拍動型の(pulsed)、制御された、標的化された、およびプログラムされた放出の形態が挙げられる)として製剤化され得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、望ましい治療作用を損なわない他の活性成分と、または望ましい作用を補う物質(例えば、制酸薬、プロトンポンプインヒビター、およびH2−レセプターアンタゴニスト)と、共製剤化され得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、局所または全身投与のために、注射、注入、または移植によって非経口投与され得る。非経口投与としては、本明細書で使用される場合、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、脳室内(intraventricular)投与、尿道内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与、滑液包内投与、および皮下投与が挙げられる。
非経口投与
本明細書で提供される薬学的組成物は、非経口投与に適した任意の剤形(液剤、懸濁物、エマルジョン、ミセル、リポソーム、マイクロスフェア、ナノシステム、および注射前に液体中の液剤もしくは懸濁物に適した固体形態が挙げられる)において製剤化され得る。このような剤形は、薬学の当業者に公知の従来の方法に従って調製され得る(Remington: The Science and Practice of Pharmacy,前出を参照のこと)。
非経口投与が意図された薬学的組成物は、1つまたはそれより多くの薬学的に受容可能なキャリアおよび賦形剤(水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の増殖に対する抗微生物剤または保存剤、安定化剤、溶解増強剤、等張剤(isotonic agent)、緩衝化剤、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁化剤および分散剤、湿潤剤または乳化剤、錯化剤、封鎖剤またはキレート化剤、凍結保護物質(cryoprotectant)、凍結乾燥保護物質(lyoprotectant)、濃化剤、pH調節剤、および不活性ガスが挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。
適切な水性ビヒクルとしては、水、食塩水、生理食塩水またはリン酸緩衝化食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性デキストロース注射液、注射用滅菌水、デキストロースおよび乳酸添加リンゲル注射液が挙げられるが、これらに限定されない。非水性ビヒクルとしては、植物起源の不揮発性油、ヒマシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、ラッカセイ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、水素添加植物油、水素添加ダイズ油、およびココナツ油の中鎖トリグリセリド、およびパーム核油(palm seed oil)が挙げられるが、これらに限定されない。水混和性ビヒクルとしては、エタノール、1,3−ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300およびポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
適切な抗微生物剤または保存剤としては、フェノール、クレゾール、水銀含有物質(mercurial)、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸メチルおよびp−ヒドロキシ安息香酸プロピル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、ならびにソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。適切な等張剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、およびデキストロースが挙げられるが、これらに限定されない。適切な緩衝化剤としては、ホスフェートおよびシトレートが挙げられるが、これらに限定されない。適切な抗酸化剤は、本明細書で記載されるもの(ビスルファイトおよびメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる)である。適切な局所麻酔剤としては、塩酸プロカインが挙げられるが、これらに限定されない。適切な懸濁化剤および分散剤は、本明細書で記載されるもの(カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられる)である。適切な乳化剤としては、本明細書で記載されるもの(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80、およびトリエタノールアミンオレエートが挙げられる)が挙げられる。適切な封鎖剤またはキレート化剤としては、EDTAが挙げられるが、これらに限定されない。適切なpH調節剤としては、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、および乳酸が挙げられるが、これらに限定されない。適切な錯化剤としては、シクロデキストリン(α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル 7−β−シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標), CyDex, Lenexa, KS)が挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で提供される薬学的組成物は、単一投与量または複数投与量の投与のために製剤化され得る。その単一投与製剤は、アンプル、バイアル、またはシリンジにパッケージされる。その複数投与量の非経口製剤は、静菌性または静真菌性の濃度で抗微生物剤を含み得る。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、使用準備のできた滅菌液剤として提供される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、使用前にビヒクルで再構成されるように、滅菌乾燥可溶性製品(凍結乾燥散剤および皮下錠剤(hypodermic tablet)が挙げられる)として提供される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、使用準備のできた滅菌懸濁物として提供される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、使用前にビヒクルで再構成されるように、滅菌乾燥不溶性製品として提供される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、使用準備のできた滅菌エマルジョンとして提供される。
本明細書で提供される薬学的組成物は、即時放出または改変された放出剤形(遅延された、持続した、拍動型の、制御された、標的化された、およびプログラムされた放出の形態が挙げられる)として製剤化され得る。
薬学的組成物は、移植されるデポーとしての投与のために、懸濁物、固体、半固体、またはチキソトロピー液体として製剤化され得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される薬学的組成物は、固体内側マトリクス中に分散され、これは、体液に不溶性であるが、その薬学的組成物中の活性成分がそれを通って拡散することを可能にする外側ポリマー膜によって囲まれている。
適切な内側マトリクスとしては、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化もしくは非可塑化ポリビニルクロリド、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー(例えば、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、および架橋された部分加水分解ポリビニルアセテート)が挙げられる。
適切な外側ポリマー膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリビニルクロリド、ビニルアセテート、ビニリデンクロリド、エチレンおよびプロピレンとのビニルクロリドコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/ビニルアセテート/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーが挙げられる。
局所投与
本明細書で提供される薬学的組成物は、皮膚、開口部、または粘膜に局所投与され得る。その局所投与としては、本明細書で使用される場合、(皮内)経皮投与、結膜投与、角膜内投与、眼内投与、眼投与、耳投与、経皮投与、鼻投与、膣投与、尿道(uretheral)投与、呼吸器投与、および直腸投与が挙げられる。
本明細書で提供される薬学的組成物は、局所効果または全身効果のために、局所投与に適している任意の剤形(エマルジョン、液剤、懸濁物、クリーム剤、ゲル、ヒドロゲル、軟膏剤、散剤(dusting powder)、包帯剤、エリキシル剤、ローション剤、懸濁物、チンキ剤、パスタ剤、泡沫物、フィルム、エアロゾル、灌注(irrigation)、スプレー、坐剤、包帯、皮膚パッチが挙げられる)で製剤化され得る。本明細書で提供される薬学的組成物の局所製剤はまた、リポソーム、ミセル、マイクロスフェア、ナノシステム、およびこれらの混合物を含み得る。
本明細書で提供される局所製剤における使用に適した薬学的に受容可能なキャリアおよび賦形剤としては、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の増殖に対する抗微生物剤もしくは保存剤、安定化剤、溶解増強剤、等張剤、緩衝化剤、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁化剤および分散剤、湿潤剤もしくは乳化剤、錯化剤、封鎖剤もしくはキレート化剤、浸透増強剤、凍結保護物質、凍結乾燥保護物質、濃化剤、ならびに不活性ガスが挙げられるが、これらに限定されない。
薬学的組成物はまた、エレクトロポレーション、イオン導入、フォノフォレシス、ソノフォレシスおよびマイクロニードルまたは針なし注射(例えば、POWDERJECTTM(Chiron Corp.,Emeryville,CA)、ならびにBIOJECTTM(Bioject Medical Technologies Inc.,Tualatin,OR)によって局所投与され得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、軟膏剤、クリーム剤、およびゲルの形態で提供され得る。適切な軟膏ビヒクルとしては、油性または炭化水素基剤(例えば、ラード、安息香ラード(benzoinated lard)、オリーブ油、綿実油、および他の油、白色ワセリンが挙げられる);乳化可能もしくは吸収基剤(例えば、親水性ワセリン、ヒドロキシステアリンスルフェート(hydroxystearin sulfate)、および無水ラノリン);水分除去可能基剤(water−removable base)(例えば、親水性軟膏剤);水溶性軟膏基剤(種々の分子量のポリエチレングリコールが挙げられる);エマルジョン基剤、油中水(W/O)型エマルジョンまたは水中油(O/W)型エマルジョンのいずれか(セチルアルコール、グリセリルモノステアレート、ラノリン、およびステアリン酸を含む)が挙げられる(Remington: The Science and Practice of Pharmacy,前出を参照のこと)。これらのビヒクルは、皮膚を柔らかくするが、概して抗酸化剤および保存剤の添加を要する。
適切なクリーム基剤は、水中油型または油中水型であり得る。クリームビヒクルは、水で洗浄可能であり得、油相、乳化剤、および水相を含み得る。その油相はまた、「内部」相といわれ、この相は概して、ワセリンおよび脂肪アルコール(例えば、セチルアルコールまたはステアリルアルコール)から構成される。その水相は通常、必ずしもではないものの、容積においてその油相を上回り、概して保水剤を含む。クリーム製剤中の乳化剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、または両性の界面活性剤であり得る。
ゲルは、半固体の懸濁物タイプシステムである。単相ゲルは、液体キャリア全体に実質的に均一に分散した有機高分子を含む。適切なゲル化剤は、架橋アクリル酸ポリマー(例えば、カルボマー、カルボキシポリアルキレン、Carbopol(登録商標));親水性ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、およびポリビニルアルコール);セルロースポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびメチルセルロース);ガム(例えば、トラガカントおよびキサンタンガム);アルギン酸ナトリウム、およびゼラチンが挙げられる。均一なゲルを調製するために、分散剤(例えば、アルコールまたはグリセリン)が添加され得るか、またはそのゲル化剤は、研和、機械的混合、および/または撹拌によって分散され得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、直腸に、尿道に、膣に、または膣周辺に、坐剤、ペッサリー、ブジー、湿布またはパップ剤、パスタ剤、散剤、包帯剤、クリーム剤、硬膏、避妊薬、軟膏剤、液剤、エマルジョン、懸濁物、タンポン、ゲル、泡沫物、スプレー、または浣腸の形態で投与され得る。これらの剤形は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy,前出に記載されるような従来のプロセスを使用して製造され得る。
直腸、尿道、および膣の坐剤は、身体の開口部へと挿入するための固体本体であり、これは、通常の温度では固体であるが、体温で融解または軟らかくなって、活性成分をその開口部の内部へと放出する。直腸および膣坐剤において利用される薬学的に受容可能なキャリアとしては、硬化剤(stiffening agent)(これは、本明細書で提供される薬学的組成物とともに製剤化される場合に、体温付近では融点を生じる);および本明細書で記載されるとおりの抗酸化剤(ビスルファイトおよびメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる)のようなビヒクルが挙げられる。適切なビヒクルとしては、カカオ脂(cocoa butter)(カカオ脂(theobroma oil))、グリセリン−ゼラチン、カルボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨蝋、パラフィン、白色ワックス(white wax)および黄色ワックス(yellow wax)、ならびに脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドの適切な混合物、ヒドロゲル(例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸);グリセリンゼラチン(glycerinated gelatin)が挙げられるが、これらに限定されない。種々のビヒクルの組み合わせが使用され得る。直腸および膣坐剤は、圧縮法または成形によって調製され得る。直腸および膣坐剤の代表的重量は、約2〜3gである。
本明細書で提供される薬学的組成物は、液剤、懸濁物、軟膏剤、エマルジョン、ゲル形成液剤、液剤のための粉末、ゲル、眼内挿入物、ならびに移植物の形態で眼に投与され得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、気道へと鼻内にまたは吸入によって投与され得る。その薬学的組成物は、単独で、もしくは適切な噴霧体(例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)と組み合わせて、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(例えば、電気流体力学を使用して、微細なミストを生成するアトマイザー)、またはネブライザーを使用する送達のためのエロゾルまたは液剤の形態で提供され得る。その薬学的組成物はまた、単独でまたは不活性キャリア(例えば、ラクトースまたはリン脂質)との組み合わせで、吹送のための乾燥散剤;および点鼻剤として提供され得る。鼻内使用のために、その散剤は、生体接着剤(キトサンまたはシクロデキストリンが挙げられる)を含み得る。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーにおいて使用するための液剤または懸濁物は、本明細書で提供される活性成分を分散、可溶化またはその放出を長期化するためのエタノール、水性エタノール、もしくは適切な代替の薬剤、溶媒としての噴霧体;および/または界面活性剤、例えば、ソルビタントリオレエート、オレイン酸、またはオリゴ乳酸を含むように製剤化され得る。
本明細書で提供される薬学的組成物は、吸入による送達に適したサイズ(例えば、50マイクロメートル以下、または10マイクロメートル以下)へと微粒子化され得る。このようなサイズの粒子は、当業者に公知の粉砕法(例えば、スパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子を形成する超臨界流体プロセシング、高圧ホモジナイゼーション、または噴霧乾燥)を使用して調製され得る。
吸入器または注入器(insufflator)において使用するためのカプセル剤、ブリスターおよびカートリッジは、本明細書で提供される薬学的組成物;適切な散剤基剤(例えば、ラクトースまたはデンプン);および性能改変物質(performance modifier)(例えば、/−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウム)の散剤混合物を含むように製剤化され得る。そのラクトースは、無水であってもよいし、一水和物の形態にあってもよい。他の適切な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが挙げられる。吸入/鼻内投与のための本明細書で提供される薬学的組成物は、適切なフレーバー(例えば、メントールおよびレボメントール)、または甘味料(例えば、サッカリンまたはサッカリンナトリウム)をさらに含み得る。
局所投与のための本明細書で提供される薬学的組成物は、即時放出または改変された放出(遅延された、持続した、拍動型の、制御された、標的化された、およびプログラムされた放出が挙げられる)であるように製剤化され得る。
改変された放出
本明細書で提供される薬学的組成物は、改変された放出剤形として製剤化され得る。本明細書で使用される場合、用語「改変された放出」とは、その活性成分の放出の速度または場所が同じ経路によって投与される場合の即時剤形のものとは異なる剤形を意味する。改変された放出剤形としては、遅延された、長期間の、延長した、持続した、拍動性のもしくは拍動型の、制御された、加速された、および迅速な、標的化された、プログラムされた放出の、ならびに胃貯留の剤形が挙げられる。改変された放出剤形における薬学的組成物は、当業者に公知の種々の改変された放出デバイスおよび方法(マトリクス制御放出デバイス、浸透圧制御放出デバイス、多重微粒子制御放出デバイス(multiparticulate controlled release device)、イオン交換樹脂、腸溶性コーティング、多層化コーティング、マイクロスフェア、リポソーム、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)を使用して調製され得る。その活性成分の放出速度はまた、その活性成分の粒子サイズおよび多形を変動させることによって改変され得る。
改変された放出の例としては、米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;同第4,008,719号;同第5,674,533号;同第5,059,595号;同第5,591,767号;同第5,120,548号;同第5,073,543号;同第5,639,476号;同第5,354,556号;同第5,639,480号;同第5,733,566号;同第5,739,108号;同第5,891,474号;同第5,922,356号;同第5,972,891号;同第5,980,945号;同第5,993,855号;同第6,045,830号;同第6,087,324号;同第6,113,943号;同第6,197,350号;同第6,248,363号;同第6,264,970号;同第6,267,981号;同第6,376,461号;同第6,419,961号;同第6,589,548号;同第6,613,358号;および同第6,699,500号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
マトリクス制御放出デバイス
改変された放出剤形における本明細書で提供される薬学的組成物は、当業者に公知のマトリクス制御放出デバイスを使用して製作され得る(Takadaら in 「Encyclopedia of Controlled Drug Delivery」, Vol. 2, Mathiowitz編, Wiley, 1999を参照のこと)。
いくつかの実施形態において、改変された放出剤形における本明細書で提供される薬学的組成物は、侵食性マトリクスデバイス(これは、水で膨潤可能であるか、侵食性であるか、または可溶性のポリマーであり、合成ポリマー、ならびに天然に存在するポリマーおよび誘導体(例えば、ポリサッカリドおよびタンパク質)が挙げられる)を使用して製剤化され得る。
侵食性マトリクスを形成するにあたって有用な材料としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:キチン、キトサン、デキストラン、およびプルラン;ガム アガー(gum agar)、アラビアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、カラギーナン、ガティーガム(gum ghatti)、グアーガム、キサンタンガム、およびスクレログルカン;デンプン(例えば、デキストリンおよびマルトデキストリン);親水性コロイド(例えば、ペクチン);ホスファチド(例えば、レシチン);アルギネート;プロピレングリコールアルギネート;ゼラチン;コラーゲンおよびセルロース質(cellulosic)(例えば、エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、酢酸トリメリット酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAT)、およびエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC));ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリビニルアセテート;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸またはメタクリル酸のコポリマー(EUDRAGIT(登録商標)(Rohm America, Inc., Piscataway, NJ));ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート);ポリラクチド;L−グルタミン酸およびエチル−L−グルタメートのコポリマー;分解性乳酸グリコール酸コポリマー;ポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸;ならびに他のアクリル酸誘導体(例えば、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート、および(トリメチルアミノエチル)メタクリレートクロリドのホモポリマーおよびコポリマー)。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、非侵食性マトリクスデバイスで製剤化される。その活性成分は、不活性マトリクス中に溶解または分散され、一旦投与された後に、主にその不活性マトリクス全体への拡散によって放出される。非侵食性マトリクスデバイスとしての使用に適した材料としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:不溶性プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリビニルクロリド、メチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート、ビニリデンクロリド、エチレンおよびプロピレンとのビニルクロリドコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/ビニルアセテート/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、ポリビニルクロリド、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、ならびに親水性ポリマー(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、および架橋された部分加水分解ポリビニルアセテート);ならびに脂肪化合物(例えば、カルナウバ蝋、マイクロクリスタリンワックス、およびトリグリセリド)。
マトリクス制御放出システムでは、所望の放出動態は、例えば、使用されるポリマータイプ、ポリマー粘性、そのポリマーおよび/またはその活性成分の粒子サイズ、そのポリマーに対する活性成分の比、ならびにその組成物中の他の賦形剤を介して制御され得る。
改変された放出剤形における本明細書で提供される薬学的組成物は、当業者に公知の方法(直接圧縮、乾式造粒もしくは湿式造粒に続いて圧縮、溶融造粒に続いて圧縮が挙げられる)によって調製され得る。
浸透圧制御放出デバイス
改変された放出剤形における本明細書で提供される薬学的組成物は、浸透圧制御放出デバイス(1チャンバシステム、2チャンバシステム、非対称膜技術(asymmetric membrane technology)(AMT)、および押し出しコアシステム(extruding core system)(ECS)が挙げられる)を使用して製作され得る。一般に、このようなデバイスは、少なくとも2つの構成要素:(a)その活性成分を含むコア;および(b)少なくとも1つの送達ポートを有する半透膜(これは、そのコアを被包する)を有する。その半透膜は、その送達ポートを通じた押し出しによる薬物放出を引き起こすために、水性の使用環境からそのコアへの水の流入を制御する。
その活性成分に加えて、浸透デバイスのコアは、浸透圧作用物質(osmotic agent)(これは、その使用環境からそのデバイスのコアへの水の輸送の駆動力を作り出す)を必要に応じて含む。浸透圧作用物質の1つのクラスである水膨潤性親水性ポリマー(これはまた、「浸透ポリマー(osmopolymer)」および「ヒドロゲル」ともいわれる)としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:親水性ビニルおよびアクリルポリマー、ポリサッカリド(例えば、アルギン酸カルシウム)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマー、疎水性モノマー(例えば、メチルメタクリレートおよびビニルアセテート)とのPVA/PVPコポリマー、大きなPEOブロックを含む親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、ならびにデンプングリコール酸ナトリウム。
他のクラスの浸透圧作用物質は、オスモゲン(osmogen)であり、これは、水を吸収して、周りのコーティングの障壁を横断して浸透圧勾配に影響を及ぼし得る。適切なオスモゲンとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:無機塩(例えば、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、および硫酸ナトリウム);糖(例えば、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース、およびキシリトール);有機酸(例えば、アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸、および酒石酸);尿素;およびこれらの混合物。
異なる溶解速度の浸透圧作用物質は、どのようにして迅速にその活性成分をその剤形から最初に送達するかに影響を及ぼすために使用され得る。例えば、無定形糖(例えば、Mannogeme EZ(SPI Pharma, Lewes, DE))は、最初の2〜3時間の間のより迅速な送達を提供して、所望の治療効果を適切に生じ、そして徐々にかつ連続して残りの量を放出して、長期間にわたって所望のレベルの治療効果もしくは予防効果を維持するために使用され得る。この場合、その活性成分は、代謝されかつ排出された活性成分の量を置き換えるために、このような速度で放出される。
そのコアはまた、その剤形の性能を高めるか、または安定性もしくは加工処理を促進するために、本明細書で記載されるとおりの広く種々の他の賦形剤およびキャリアを含み得る。
半透膜を形成するにあたって有用な材料としては、種々のグレードのアクリル物質、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、および生理学的に関連するpHにおいて水透過性かつ水不溶性であるか、または化学変化(例えば、架橋)によって水不溶性にされやすいセルロース誘導体が挙げられる。コーティングを形成するにあたって有用な適切なポリマーの例としては、以下が挙げられる:可塑化、非可塑化、および強化された酢酸セルロース(CA)、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、CAプロピオネート、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAエチルカルバメート、CAP、CAメチルカルバメート、CAスクシネート、酢酸トリメリット酸セルロース(CAT)、CAジメチルアミノアセテート、CAエチルカーボネート、CAクロロアセテート、CAエチルオキサレート、CAメチルスルホネート、CAブチルスルホネート、CA p−トルエンスルホネート、アガーアセテート、三酢酸アミロース、βグルカンアセテート、βグルカントリアセテート、アセトアルデヒドジメチルアセテート、ローカストビーンガムのトリアセテート、ヒドロキシル化エチレン−ビニルアセテート、EC、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマー、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸およびエステルならびにポリ(メタクリル)酸およびエステルならびにそのコポリマー、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然ワックスおよび合成ワックス。
半透膜はまた、疎水性の微孔質膜であり得、ここでその孔は、ガスで実質的に充填され、水性媒体で湿らされないが、米国特許第5,798,119号に開示されるように水に透過性である。このような疎水性であるが、水透過性の膜は代表的には、疎水性ポリマー、例えば、ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然ワックス、および合成ワックスから構成される。
その半透膜上の送達ポートは、機械的またはレーザー穿孔によってコーティング後に形成され得る。送達ポートはまた、水溶性材料のプラグの浸食によって、またはコアにおける凹み(indentation)の上の膜の薄い部分を破ることによって、その場で形成され得る。さらに、送達ポートは、米国特許第5,612,059号および同第5,698,220号に開示されるタイプの非対称性膜コーティングの場合におけるように、コーティングプロセスの間に形成され得る。
放出される活性成分の総量および放出速度は、その半透膜の厚みおよび多孔度、そのコアの組成、ならびにその送達ポートの数、サイズ、および位置を介して実質的に調節され得る。
浸透圧制御放出剤形における薬学的組成物は、その製剤の性能または加工処理を促進するために、本明細書に記載されるとおりのさらなる従来の賦形剤をさらに含み得る。
浸透圧制御放出剤形は、当業者に公知の従来の方法および技術に従って調製され得る(Remington: The Science and Practice of Pharmacy,前出; Santus and Baker, J. Controlled Release 1995, 35, 1−21; Vermaら, Drug Development and Industrial Pharmacy 2000,26, 695−708; Vermaら, J. Controlled Release 2002, 79, 7−27を参照のこと)。
ある特定の実施形態において、本明細書で提供される薬学的組成物は、AMT制御放出剤形として製剤化され、これは、その活性成分および他の薬学的に受容可能な賦形剤を含むコアをコーティングする非対称浸透膜(asymmetric osmotic membrane)を含む。米国特許第5,612,059号およびWO 2002/17918を参照のこと。そのAMT制御放出剤形は、当業者に公知の従来の方法および技術(直接圧縮、乾式造粒、湿式造粒、および浸漬コーティング法が挙げられる)に従って調製され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される薬学的組成物は、ESC制御放出剤形として製剤化され、これは、その活性成分、ヒドロキシルエチルセルロース、および他の薬学的に受容可能な賦形剤を含むコアをコーティングする浸透膜を含む。
多重微粒子制御放出デバイス
改変された放出剤形における本明細書で提供される薬学的組成物は、多重微粒子制御放出デバイスとして製作され得、これは、直径が約10μm〜約3mm、約50μm〜約2.5mm、または約100μm〜1mmの範囲に及ぶ、多数の粒子、顆粒、またはペレットを含む。このような多重微粒子は、当業者に公知のプロセス(湿式および乾式造粒、押し出し/球形化、ローラー圧縮、融解−凝固が挙げられる)によって、およびシードコアをスプレーコーティングすることによって、作製され得る。例えば、Multiparticulate Oral Drug Delivery; Marcel Dekker: 1994;およびPharmaceutical Pelletization Technology; Marcel Dekker: 1989を参照のこと。
本明細書で記載されるとおりの他の賦形剤は、その多重微粒子を加工処理および形成することを補助するために、その薬学的組成物とブレンドされ得る。その得られた粒子は、それ自体、多重微粒子デバイスを構成し得るか、または種々のフィルム形成材料(例えば、腸溶性ポリマー、水膨潤可能なポリマー、および水溶性ポリマー)によってコーティングされ得る。その多重微粒子は、カプセル剤または錠剤としてさらに加工処理され得る。
標的化送達
本明細書で提供される薬学的組成物はまた、処置されるべき被験体の特定の組織、レセプター、または身体の他の領域に標的化されるように製剤化され得る(リポソームベースの、再シールされた(resealed)赤血球ベースの、および抗体ベースの送達システムが挙げられる)。例としては、米国特許第6,316,652号;同第6,274,552号;同第6,271,359号;同第6,253,872号;同第6,139,865号;同第6,131,570号;同第6,120,751号;同第6,071,495号;同第6,060,082号;同第6,048,736号;同第6,039,975号;同第6,004,534号;同第5,985,307号;同第5,972,366号;同第5,900,252号;同第5,840,674号;同第5,759,542号;および同第5,709,874号が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で提供される薬学的組成物は、単一投与量または複数投与量の投与のために製剤化され得る。その単一投与製剤は、アンプル、バイアル、またはシリンジにパッケージされる。
上記VMAT2インヒビターの1つまたはこれより多くの単位用量を含むキットがまた、提供される。このようなキットの非限定的な例は、ブリスターパックを含む。ある特定の実施形態において、キットは、例えば、本明細書で記載されるとおりのVMAT2インヒビターを送達または投与するための1つまたはこれより多くの送達システム、および上記キットの使用についての指導(例えば、被験体を処置するための指示)を含み得る。いくつかの実施形態において、上記キットは、本明細書で記載されるとおりのVMAT2インヒビターおよびその内容物がCOMTハプロ不全、例えば、22q11.2欠失症候群を有する被験体に投与されるべきであることを示す表示を含み得る。VMAT2インヒビターの化合物の実際の用量は、具体的な製剤に、および処置されるべき状態に依存する;適切な用量の選択は、十分に当業者の知識の範囲内である。
COMTハプロ不全を有する被験体における精神障害の処置の方法における使用のための本明細書で記載される化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含するVMAT2インヒビターがまた、提供される。
COMTハプロ不全を有する被験体における精神障害の処置の方法における使用のための本明細書で記載される化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含し、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもない、VMAT2インヒビターがまた、提供される。
COMTハプロ不全を有する被験体における精神障害の処置のための医薬の製造における本明細書で記載される化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含する使用がまた、提供される。
COMTハプロ不全を有する被験体における精神障害の処置のための医薬の製造における本明細書で記載される化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含し、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもない使用がまた、提供される。
22q11.2欠失症候群を有する被験体において精神障害を処置する方法における使用のための、本明細書で記載される化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含するVMAT2インヒビターがまた、提供される。
22q11.2欠失症候群を有する被験体において精神障害を処置する方法における使用のための、本明細書で記載される化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含し、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもないVMAT2インヒビターがまた、提供される。
22q11.2欠失症候群を有する被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における本明細書で記載される化合物 ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含する使用がまた、提供される。
22q11.2欠失症候群を有する被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における本明細書で記載される化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含し、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもない使用がまた、提供される。
被験体において精神障害を処置する方法における使用のための本明細書で記載される化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含するVMAT2インヒビターがまた、提供される。
被験体において精神障害を処置する方法における使用のための本明細書で記載される化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含し、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもないVMAT2インヒビターがまた、提供される。
被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における本明細書で記載される化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含する使用がまた、提供される。
被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における本明細書で記載される化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、上記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを上記被験体に投与する工程を包含し、ここで上記VMAT2インヒビターは、テトラベナジンでもレセルピンでもない使用がまた、提供される。
以下の実施例は、例証目的で提供されるのであって、限定のために提供されるのではない。
実施例1
Figure 2021528386
1−1の合成:
生成物1−1(8.0mg, 0.025mmol)をアセトン(0.5mL)に溶解し、CsCO(21.0mg, 0.063mmol, 2.5当量)を添加し、続いて、1−ブロモ−3−フルオロプロパン(5.4mg, 0.038mmol, 1.5当量)を添加した。反応混合物を、50℃へと1時間にわたって加熱した。粗製混合物を濾過し、MeOHで1mLに希釈し、分取用クロマトグラフィーのために(3R,11bS)−3−(2,2−ジメチルプロピル)−9−(3−フルオロプロポキシ)−10−メトキシ−2−メチル−1H,2H,3H,4H,6H,7H,11bH−ピペラジノ[2,1−a]イソキノリン 1−1を直接提出した。
以下の表4は、この実施例において記載される通りの手順に従って作製した1−1および他の代表的化合物に関して実測した(Obs)イオンm/z比を提供する。
Figure 2021528386
Figure 2021528386
Figure 2021528386
さらに、化合物1−2および1−3を、以下の一般的スキームに従って調製した。
Figure 2021528386
1bの合成:
2−(3,4−ジメトキシフェニル)エタン−1−アミン([40g,221mmol])をDCM([400mL])中に溶解させた。溶液を冷却し、(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4,4−ジメチルペンタン酸([59.6g,243mmol,1.1当量])を添加した。DMAP(7.3g,60mmol,0.27当量)を添加し、続いて、EDAC(74.1g,386mmol,1.75当量)を少しずつ添加し、不均一混合物を生成した。混合物を室温へと加温し、完了するまで撹拌した。完了後すぐに、反応をクエン酸でクエンチした。相を分離し、水相からDCMで再抽出した。プールした有機物をブラインで洗浄し、蒸留して、tert−ブチル(R)−(1−((3,4−ジメトキシフェネチル)アミノ)−4,4−ジメチル−1−オキソペンタン−2−イル)カルバメート 1aを得た。1a(90g,221mmol)をDCM(315mL)中に溶解させた。溶液を冷却し、その後、トリフルオロ酢酸(135mL)を添加した。反応物を室温へと加温し、完了するまで撹拌した。完了後すぐに、反応物を冷却し、水およびDCMで希釈し、その後、水酸化ナトリウムでクエンチした。相を分離し、水相からDCMで再抽出した。プールした有機物をブラインで洗浄し、THF中へと蒸留して、(R)−2−アミノ−N−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4,4−ジメチルペンタンアミド 1bを得た。
1cの合成:
1b(66g,214mmol)をTHF(528mL)中に溶解させた。酢酸(64.3g,1070mmol,5当量)および2,2−ジメトキシアセトアルデヒド(水中で60%)(39g,225mmol,1.05当量)を添加し、室温において1時間撹拌した。反応物を冷却し、その後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(26.9g,428mmol,2当量)を少しずつ添加した。完了後すぐに、反応物を水で希釈し、水酸化ナトリウムでクエンチした。THFを除去し、EtOAcで置き換えた。相を分離し、水相からEtOAcで再抽出した。プールした有機物をブラインで洗浄し、MeOH中へと蒸留して、(R)−2−((2,2−ジメトキシエチル)アミノ)−N−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4,4−ジメチルペンタンアミド 1cを得た。
1dの合成:
1c(84.9g,214mmol)をMeOH(1.25L)に溶解させた。パラホルムアルデヒド(38.6g,1285mmol,6当量)および酢酸(84.9g,1413mmol,6.6当量)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(33.6g,535mmol,2.5当量)を室温において少しずつ添加した。反応物をゆっくりと加熱して、発熱をコントロールした。完了後すぐに、反応物を水で希釈し、水酸化ナトリウムでクエンチした。MeOHを除去し、EtOAcで置き換えた。相を分離し、水相からEtOAcで再抽出した。プールした有機物をブラインで洗浄し、溶媒をDCMへと交換して、(R)−2−((2,2−ジメトキシエチル)(メチル)アミノ)−N−(3,4−ジメトキシフェネチル)−4,4−ジメチルペンタンアミド 1dを得た。
1eジアステレオマー混合物の合成:
濃硫酸(11.9g,122mmol,5当量)を、DCM(50mL)に溶解/懸濁させ、冷却した。1d(10g,24.4mmol)をDCM(25mL)に溶解させ、酸溶液に、激しく撹拌しながら迅速に添加した。完了後すぐに、反応物を水で希釈し、水酸化アンモニウムでクエンチした。相を分離し、水相からDCMで再抽出した。プールした有機物をブラインで洗浄し、溶媒をTHFへと交換して、(3R)−9,10−ジメトキシ−2−メチル−3−ネオペンチル−1,2,3,6,7,11b−ヘキサヒドロ−4H−ピラジノ[2,1−a]イソキノリン−4−オン 1eを得た。
1−2ジアステレオマー混合物の合成:
1e(8.45g,24.4mmol)を無水THF(101mL)中に溶解させ、冷却した。水素化アルミニウムリチウム(2M)(36.6mL,73.2mmol,3当量)を添加し、反応物を加熱した。完了後すぐに、LAHをFeiserの様式でクエンチした。沈殿したアルミニウム塩を濾過し、洗浄した。濾液からTHFを除去し、メチル−t−ブチルエーテルで置き換えた。相を分離し、水相からMTBEで再抽出した。プールした有機物をブラインで洗浄し、溶媒をMeOHへと交換して、(3R)−3−(2,2−ジメチルプロピル)−9,10−ジメトキシ−2−メチル−1H,2H,3H,4H,6H,7H,11bH−ピペラジノ[2,1−a]イソキノリン 1−2ジアステレオマー混合物を得た。
1−2ジホスフェートの合成:
1−2ジアステレオマー混合物(20g,60.2mmol)をMeOH(160mL)中に溶解させた。溶液を濾過し、50℃に加熱した。リン酸(7.25g,1.05当量)を添加した。溶液を60℃に加熱し、リン酸の第2の当量を1時間かけて添加し(7.25g,1.05当量)、60℃において10分間撹拌し、その後、4時間かけて20℃へと冷却した。懸濁物を濾過し、固体をMeOHで洗浄した。固体を真空オーブン中で3日間かけて50℃において乾燥させて、1−2である(3R,11bS)−9,10−ジメトキシ−2−メチル−3−ネオペンチル−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピラジノ[2,1−a]イソキノリン((3R,11bS)−3−(2,2−ジメチルプロピル)−9,10−ジメトキシ−2−メチル−1H,2H,3H,4H,6H,7H,11bH−ピペラジノ[2,1−a]イソキノリンとしても公知)を二リン酸塩として得た。
Figure 2021528386
1fの合成:
(R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−4,4−ジメチルペンタン酸(62g,252mmol,1.05当量)および5−(2−アミノエチル)−2−メトキシフェノール塩酸塩(40.2g,240mmol)をDMF(400mL)中に溶解させ、混合物を0℃へと冷却した。HATU(96g,252mmol,1.05当量)を添加し、続いて、DIEA(93.2g,721mmol,3.0当量)を10分間かけて添加した。混合物を0℃において60分間撹拌し、次いで、水(1000mL)およびEtOAc(1000mL)に添加した。混合物を分液漏斗に移し、分離し、水性層をEtOAcで抽出した。プールした有機物をブラインおよび水で洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、tert−ブチル(R)−(1−((3−ヒドロキシ−4−メトキシフェネチル)アミノ)−4,4−ジメチル−1−オキソペンタン−2−イル)カルバメート 1fを粘性油状物として得た。
1gの合成:
化合物1f(90g,228mmol)およびKCO(94.5g,684mmol,3.0当量)をアセトン(630mL)中に溶解させ、2,2,2−トリフルオロエチルトリフレート(79.4g,342mmol,1.5当量)をゆっくりと添加した。反応物を50℃へと加温し、5時間撹拌した。室温へと冷却した後、混合物を水(450mL)で希釈した。混合物を濃縮して、アセトンを除去し、EtOAc(450mL)を添加した。相を分離し、水層をEtOAcで抽出した。プールした有機物をブラインおよび水で洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、tert−ブチル (R)−(1−((4−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェネチル)アミノ)−4,4−ジメチル−1−オキソペンタン−2−イル)カルバメート 1gを粘性油状物として得た。
1hの合成:
化合物1g(96.5g,203mmol)をDCM(290mL)中に溶解させ、0℃へと冷却し、続いて、TFA(193mL)を添加した。混合物を10分間撹拌し、次いで、室温へと加温し、6時間撹拌した。次いで、反応物を0℃へと冷却し、水およびDCMで希釈した。50%w/w NaOH溶液を激しく撹拌しながらpHが13に達するまで添加した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、真空中で濃縮して、(R)−2−アミノ−N−(4−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェネチル)−4,4−ジメチルペンタンアミド 1hを粘性油状物として得た。
1iの合成:
化合物1h(5.0g,13.3mmol)をMTBE(35mL)中に溶解させ、反応混合物を窒素でパージし、0℃へと冷却した。酢酸(4.0g,66.4mmol,5.0当量)を0℃で添加し、0℃で維持した。2,2−ジメトキシアセトアルデヒド(水中で60%)(4.61g,26.6mmol,2.0当量)を添加し、反応混合物を窒素でパージした。反応物を90分間0℃で撹拌した。NaBH(1.0g,26.6mmol,2.0当量)を少しずつ10分間かけて添加し、次いで、反応混合物を0℃において60分間撹拌した。水(25mL)を添加した。KCOの4M溶液を、pHが11に達するまで添加した。層を分離した。有機層をブラインで洗浄し、真空中で濃縮して、(R)−2−((2,2−ジメトキシエチル)アミノ)−N−(4−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェネチル)−4,4−ジメチルペンタンアミド 1iを得た。
1jの合成:
化合物1i(6.2g,13.3mmol)を、MTBE(18mL)およびEtOH(9mL)中に溶解させ、窒素でパージし、0℃へと冷却した。酢酸(4.0g,66.4mmol,5.0当量)およびホルマリン(5.4g,66.4mmol,5.0当量)を添加し、90分間0℃において撹拌した。Na(AcO)BH(8.5g,40.0mmol,3.0当量)を少しずつ5分間かけて添加し、0℃において30分間撹拌した。0℃において、水(25mL)を添加し、続いて、KCOの4M溶液を、pHが11になるまで添加した。層を分離した。有機層をブラインで洗浄し、真空中で濃縮して、(R)−2−((2,2−ジメトキシエチル)(メチル)アミノ)−N−(4−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェネチル)−4,4−ジメチルペンタンアミド 1jを得た。
1kの合成:
化合物1j(22.9g,49.3mmol)をDCM(57mL)中に溶解させ、2分間かけてDCM(115mL)中のHSO(24.2g,247mmol,5.0当量)の−30℃溶液に添加した。反応混合物を、添加中に0℃へと加温し、次いで、30分間撹拌した。0℃において、水(69mL)を添加し、次いで、NHOHを、pHが10に達するまで激しく撹拌しながら添加した。相を分離し、有機層をブラインで洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、(3R)−10−メトキシ−2−メチル−3−ネオペンチル−9−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,2,3,6,7,11b−ヘキサヒドロ−4H−ピラジノ[2,1−a]イソキノリン−4−オン 1kを得た。
1−3ジアステレオマー混合物の合成:
化合物1k(12.5g,30.2mmol)を2−メチルテトラヒドロフラン(87.5mL)中に溶解させ、9−BBN(14.7g,2当量のダイマー固体)を少しずつ添加した。反応混合物を2時間50℃に加熱した。次いで、反応混合物を室温へと冷却し、ヘプタン(87.5mL)およびHCl(1N,62.5mL)を、pHが約2に達するように添加した。反応混合物を60分間撹拌し、相を分離した。有機相を37.5mLの1N HClで洗浄した。合わせた水相に、MTBE(62.5mL)および2M KCO(62.5mL)を、pHが9〜10に達するように入れた。混合物を30分間撹拌し、相を分離した。水層をMTBE(62.5mL)で洗浄した。プールした有機物をブラインで洗浄し、真空中で濃縮して、1−3およびそのジアステレオマーを混合物として得た。
1−3 L−DBTA塩の合成:
1−3(5.12g,12.8mmol)を含むジアステレオマー混合物をアセトニトリル(30mL)中に溶解させ、ジベンゾイル−L−酒石酸(L−DBTA,4.59g,1.0当量)を添加した。反応混合物を50℃に加熱した。水(12.5mL)を、温度を40〜50℃で維持して添加した。混合物を室温へと3時間かけて冷却した。混合物を濾過し、次いで、6:2.5 アセトニトリル:水で洗浄して、(3R,11bS)−10−メトキシ−2−メチル−3−ネオペンチル−9−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピラジノ[2,1−a]イソキノリンのL−DBTA塩である、1−3のL−DBTA塩を得た。
1−3および1−3ジ−HCl塩の合成:
(3R,11bS)−10−メトキシ−2−メチル−3−ネオペンチル−9−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピラジノ[2,1−a]イソキノリンのL−DBTA塩である1−3 L−DBTA塩(30.0g,39.5mmol)を、水(300mL)および酢酸イソプロピル(300mL)中に懸濁させた。NaOH(50%水溶液)を、pHが13になるまで添加した。相を分離し、有機層をブライン(90mL)で洗浄した。有機層を濃縮したところ、15.9gの1−3を遊離塩基として得、これを、酢酸エチル(80mL)中に溶解させた。溶液を濾過し、水を添加した(6.4mL)。溶液を35℃に加熱し、37%HCl(3.4mL,1.05当量)を5分間かけて添加した。HClの第2投入分(3.4mL,1.05当量)を5分間かけて添加した。混合物を30℃へと冷却し、種晶を入れた。スラリーを90分間撹拌し、その後、ゆっくりと室温へと冷却した。固体を濾過し、酢酸エチル(16mL)で洗浄した。湿ったケークを真空オーブン中、50℃で乾燥させて、(3R,11bS)−10−メトキシ−2−メチル−3−ネオペンチル−9−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピラジノ[2,1−a]イソキノリンをジヒドロクロリド塩として得た(1−3のジ−HCl塩)。
Figure 2021528386
1mの合成:
ドパミン塩酸塩(15g,79.1mmol)および2−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]メチルアミノ]−4,4−ジメチル−(2R)−ペンタン酸(21.5g,83.1mmol,1.05当量)を、DMF(150mL)中に溶解させ、0℃へと冷却した。HATU(31.6g,83.1mmol,1.05当量)を添加し、続いて、DIEA(30.7g,237mmol,3.0当量)を添加した。混合物を0℃において2時間撹拌し、次いで、水(300mL)およびEtOAc(300mL)に添加した。混合物を分液漏斗に移し、分離し、水性層をEtOAcで抽出した。プールした有機物をブラインおよび水で洗浄し、真空中で濃縮して、tert−ブチル(R)−(1−((3,4−ジヒドロキシフェネチル)アミノ)−4,4−ジメチル−1−オキソペンタン−2−イル)(メチル)カルバメート 1mを粘性油状物として得た。
1nの合成:
化合物1m(31.2g,79.1mmol)をアセトン(218mL)中に溶解させた。KCO(32.8g,237mmol,3.0当量)を添加し、続いて、ヨードメタン−d(25.2g,174mmol,2.2当量)を添加した。反応物を50℃へと加温し、26時間撹拌した。室温へと冷却した後、混合物を水(220mL)で希釈した。混合物を濃縮して、アセトンを除去した。EtOAc(156mL)を添加した。相を分離し、水層をEtOAcで抽出した。プールした有機物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、tert−ブチル(R)−(1−((3,4−ビス(メトキシ−d)フェネチル)アミノ)−4,4−ジメチル−1−オキソペンタン−2−イル)(メチル)カルバメート 1nを粘性油状物として得た。
1oの合成:
化合物1n(17.0g,39.7mmol)をDCM(60mL)中に溶解させ、0℃へと冷却し、続いて、TFA(34mL)を添加した。混合物を10分間撹拌し、次いで、室温へと加温し、21時間撹拌した。次いで、反応物を0℃へと冷却し、水およびDCMで希釈した。50%w/w NaOH溶液を、pHが13に達するまで激しく撹拌しながら添加した。層を分離し、水層をDCMで抽出した。プールした有機物をブラインで洗浄し、真空中で濃縮して、(R)−N−(3,4−ビス(メトキシ−d)フェネチル)−4,4−ジメチル−2−(メチルアミノ)ペンタンアミド 1oを粘性油状物として得た。
1pの合成:
1o(13.0g,39.6mmol)をTHF(104mL)中に溶解させた。酢酸(11.4mL,200mmol,5当量)および2,2−ジメトキシアセトアルデヒド(水中で60%)(10.3g,59.4mmol,1.5当量)を添加し、室温において2時間撹拌した。反応物を冷却し、その後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(5.2g,83.4mmol,2当量)を少しずつ添加した。反応の完了には、2,2−ジメトキシアセトアルデヒドおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.4当量および0.3当量)を同時に2回さらに添加することが必要であった。完了後すぐに、反応物を0℃へと冷却し、水で希釈し、pH>10になるまで10%水酸化ナトリウムでクエンチした。THFを除去し、EtOAcで置き換えた。相を分離し、水相からEtOAcで再抽出した。プールした有機物をブラインで洗浄し、真空中で濃縮して、(R)−N−(3,4−ビス(メトキシ−d)フェネチル)−2−((2,2−ジメトキシエチル)(メチル)アミノ)−4,4−ジメチルペンタンアミド 1pを得た。
1qの合成:
濃硫酸(10.6mL,199mmol,5当量)をDCM(83mL)中に溶解/懸濁させ、−20℃へと冷却した。1p(16.5g,39.6mmol)をDCM(41mL)中に溶解させ、酸溶液へと、反応物を0℃より低く維持しつつ、激しく撹拌しながら迅速に添加した。完了後すぐに、反応物を水(50mL)で希釈し、水酸化アンモニウムでクエンチしてpH9にした。相を分離し、水相からDCMで再抽出した。プールした有機物をブラインで洗浄し、真空中で濃縮して、ジアステレオマーの混合物を得た。そのジアステレオマーの分離を、ヘキサンおよび酢酸エチルで溶離させる順相シリカカラムクロマトグラフィーで達成して、(3R,11bS)−9,10−ビス(メトキシ−d)−2−メチル−3−ネオペンチル−1,2,3,6,7,11b−ヘキサヒドロ−4H−ピラジノ[2,1−a]イソキノリン−4−オン 1qを得た。
1−15の合成:
1q(6.9g,19.6mmol)を無水THF(103mL)中に溶解させ、0℃へと冷却した。水素化アルミニウムリチウム(2.4M)(32.5mL,78mmol,4当量)をゆっくりと添加し、反応物を2時間にわたって40℃に加熱した。完了後すぐに、LAHを、Feiserの方法でクエンチした。沈殿したアルミニウム塩を濾過し、THFで洗浄した。濾液からTHFを除去し、メチル−t−ブチルエーテルで置き換えた。相を分離し、水相からMTBEで再抽出した。プールした有機物をブラインで洗浄し、真空中で濃縮して、(3R,11bS)−3−(2,2−ジメチルプロピル)−9,10−ビス(メトキシ−d)−2−メチル−1H,2H,3H,4H,6H,7H,11bH−ピペラジノ[2,1−a]イソキノリン((3R,11bS)−9,10−ビス(メトキシ−d)−2−メチル−3−ネオペンチル−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピラジノ[2,1−a]イソキノリン 1−15としても公知)を得た。
実施例2:
化合物のVMAT2阻害活性を決定するための方法
化合物がVMAT2を阻害する能力を決定するための技術の例は、以下で提供される。その手順を、以前に記載されたものから適合させる(例えば、Near, (1986), Mol. Pharmacol. 30: 252−57; Tengら, J. Neurochem. 71, 258−65, 1998を参照のこと)。ヒト血小板またはSprague−Dawleyラット前脳に由来するホモジネートを、ホモジナイズすることによって調製し、次いで、以前に記載されたように遠心分離することによって洗浄する(例えば、Hoareら, (2003) Peptides 24:1881−97を参照のこと)。低結合96ウェルプレート(Corning #3605)中で全容積0.2mLにおいて、12の濃度の試験化合物を、VMAT2結合緩衝液(ダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水、1mM EDTA、pH7.4)中のラット前脳ホモジネート(100μg膜タンパク質/ウェル)またはヒト血小板ホモジネート(50μg膜タンパク質/ウェル)上で、6nM H−ジヒドロテトラベナジン(dihydrotetrabenezine)(American Radiolabeled Chemicals,Kd 2.6nM)に対して競合させる。25℃において2時間インキュベートした後に、結合した放射性リガンドを、Unifilter−96 Harvester(PerkinElmer)を使用して、GF/Bガラスファイバーフィルタ上での迅速濾過によって集めた。フィルタプレートを、10分間0.1% ポリエチレンイミンで予備処理し、そのフィルタプレートを回収した後に、800μl VMAT2結合緩衝液で洗浄する。結合した放射性リガンドを、Topcount NXT(PerkinElmer)を使用してシンチレーション計数することによって定量する。
ヒトKを、以下で記載される僅かに改変した手順を使用して決定し得る。低結合96ウェルプレート(Corning #3605)中の全容積0.15mLにおいて、12の濃度の試験化合物を、VMAT2結合緩衝液(ダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水、1mM EDTA、pH7.4)中のラット前脳ホモジネート(100μg膜タンパク質/ウェル)またはヒト血小板ホモジネート(15μg膜タンパク質/ウェル)上で、10nM H−ジヒドロテトラベナジン(American Radiolabeled Chemicals,Kd 2.6nM)に対して競合させる。25℃において90分間インキュベートした後に、結合した放射性リガンドを、Unifilter−96 Harvester(PerkinElmer)を使用して、GF/Bガラスファイバーフィルタ上での迅速濾過によって集める。フィルタプレートを、0.1%ポリエチレンイミンで予備処理し、一晩乾燥させ、そのフィルタプレートを回収した後に、800μl VMAT2結合緩衝液で洗浄する。結合した放射性リガンドを、Topcount NXT(PerkinElmer)を使用してシンチレーション計数することによって定量する。
実施例3:
80mg バルベナジンを含むカプセル剤の調製
I.方法1
80mg バルベナジン(遊離塩基として測定)を含むカプセル剤を、以下に示される手順に従って調製し得、例示的錠剤の構成を、表5に列挙する。低剪断(転倒混和(tumble))ブレンド、篩い分け、ローラー圧縮および被包の単位操作を含むバルベナジンカプセル剤80mgの製造プロセスのフロー図を、図2に示す。
Figure 2021528386
バルベナジンジトシル酸塩、ケイ化微結晶セルロース(USP)、イソマルト(USNF)、部分α化コーンスターチ(USNF)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(USNF)およびステアリン酸マグネシウム(USNF)を、表5における量に従って秤量する。
壁紙貼り(wallpapering):
イソマルトを、813μmまたは同等の丸穴篩いを備えた篩い分けミル(screening mill)を経てブレンド用の運搬箱に移す。次いで、篩い分けしたイソマルト構成要素をブレンドする。
予備ブレンドおよび篩い分け:
以下の構成要素を、運搬箱へと約813μmまたは同等の丸穴篩いを備えた篩い分けミルを経て移す:
a.バルベナジンジトシル酸塩
b.ケイ化微結晶セルロース(「SMCC」)
次いで、上記構成要素をブレンドする。
塊の除去(delumping):
上記ブレンドを、約813μmまたは同等の丸穴篩いを備えたバッファータンクを経て真空移送する。
予備ブレンド#2:
上記篩い分けした構成要素を、再びブレンドする。
粒子内ブレンド(Intragranular Blending):
次いで、以下の構成要素を、運搬箱へと、約813μmまたは同等の丸穴篩いを備えた篩い分けミルを経て移す:
a.部分α化コーンスターチ
b.ヒドロキシプロピルメチルセルロース
次いで、上記構成要素をブレンドする。イソマルトおよびSMCC希釈剤中でのバルベナジンジトシル酸塩の不適切なデアグロメレーションおよびその後の分散は、投与量単位の含有量および均一性に潜在的に影響し得る。
滑沢剤ブレンド:
ステアリン酸マグネシウムを、ブレンドのために開いた運搬箱の中へと手動で篩い分けする(約1mmシーブ)(粒子内分量は、必要な場合に、事前に滑沢剤を添加した(pre−lubricated)ブレンド収量に基づいて調節 − 限界98%)。次いで、上記構成要素をブレンドする。この工程に関する所望の結果は、かさ密度およびタップ密度の増大および粒度分布の改善を伴う流動性の改善である。
ローラー圧縮:
次いで、上記ブレンドを、0.8〜1.0mmのミル篩いを伴うローラーコンパクターを通して重力供給する。そのブレンド特徴は、そのブレンドが被包化の間にどの程度十分に処理されるかを考慮するための重要な因子である。不適切なプロセスパラメーターは、被包化に影響する不十分な顆粒流動および圧縮性を生じ得る。APIおよび賦形剤の高い溶解度は、溶解に影響しないはずである。全てのローラー圧縮ブレンドは、最初の粒子内ブレンド特性を超える改善を示し、より良好なカプセル重量均一性を支える。
最終の滑沢剤ブレンド:
ステアリン酸マグネシウムを、ブレンドのために開いた運搬箱の中へと手動で篩い分けする(約1mmシーブ)(分量は、必要な場合に、事前に滑沢剤を添加したブレンド収量に基づいて調節 − 限界98%)。次いで、上記構成要素をブレンドする。この工程に関する所望の結果は、被包化のための均一かつ自由に流動する滑沢剤を添加した最終ブレンドである。不適切なブレンドは、投与量単位の含有量および均一性に潜在的に影響し得る。疎水性ステアリン酸マグネシウムとの過剰なブレンドは、溶解に影響し得る。ブレンドを、水分曝露を最小限にする制御された環境において行う。
被包化:
上記滑沢剤を添加したブレンドを自動被包機へと移し、サイズ1のカプセル剤へと被包化する。不適切な被包装置設定は、充填されたカプセル剤の殻の外観に影響し得る。カプセル剤充填重量は、含有量および用量の均一性に影響し得る。カプセル剤充填プラグ圧縮は、溶解および充填重量/含有量均一性に影響し得る。
被包化を、水分曝露を最小限にする制御された環境において行う。
被包化製品の除塵および金属検出を行い、上記製品の重量をチェックする。
II.方法2
80mg用量製剤化ストラテジーを、既知の40mgカプセル剤直接被包製剤化に従って進め得る。サイズ0カプセルに、40mg粉末ブレンドの量の2倍を充填して、表6に示されるように、80mg強度のカプセル剤を得る。
Figure 2021528386
バルベナジンジトシル酸塩、マンニトール(USP)、部分α化コーンスターチ(USNF)、ヒュームドシリカ(USNF)およびステアリン酸マグネシウム(USNF)を、表6における量に従って秤量する。上記マンニトールのうちの一部(1/4)を、約0.8mmまたは同等の丸穴篩いを備えた篩い分けミルを経てブレンド用の運搬箱へと移す。次いで、上記篩い分けしたマンニトール構成要素をブレンドする。
予備ブレンドおよび篩い分け:
以下の構成要素を、約0.8mmまたは同等の丸穴篩いを備えた篩い分けミルを経て運搬箱へと移す:
a.バルベナジンジトシル酸塩
b.ヒュームドシリカ
c.部分α化コーンスターチ
d.残りのマンニトール(3/4) − (DSアッセイを補償するためのマンニトール重量の調節を、この画分に対して行う)
上記構成要素をブレンドし、次いで、ポリエチレン(PE)バッグへと移す。上記予備ブレンドを、約0.8mmまたは同等の丸穴篩いを備えた篩い分けミルを経てブレンド用の運搬箱へと移す。
最終の滑沢剤ブレンド:
ステアリン酸マグネシウム(分量は、必要な場合に、事前に滑沢剤を添加したブレンド収量に基づいて調節 − 限界98%)を、ブレンドのために開いた運搬箱の中へと手動で篩い分けする(約1mmシーブ)。次いで、上記構成要素をブレンドする。
被包化:
サイズ0カプセル剤を充填する努力は、不成功に終わる可能性がある。なぜなら十分な散剤をサイズ0のカプセル殻に嵌まるコンパクトに圧縮することは可能でないかもしれないからである。
上記の種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するために組み合わされ得る。本出願はまた、2018年6月14日出願の、その全体において本明細書に参考として援用される米国仮特許出願第62/684,935号の利益を主張する。本明細書の中で言及される米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物は全て、それらの全体において本明細書に参考として援用される。実施形態の局面は、必要であれば、種々の特許、出願および刊行物の概念を使用して、なおさらなる実施形態を提供するために改変され得る。
これらおよび他の変更は、上で詳述された説明に鑑みて実施形態に対して行われ得る。概して、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、本明細書および特許請求の範囲で開示される具体的実施形態に限定すると解釈されるべきではなく、全ての可能な実施形態を、このような特許請求の範囲に権利が付与される均等物の全範囲とともに包含すると解釈されるべきである。よって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。

Claims (64)

  1. VMAT2インヒビターでの処置のために被験体を選択するための方法であって、前記方法は、
    前記被験体が、COMTハプロ不全を有するか否かを決定する工程;および
    前記被験体がCOMTハプロ不全を有することが決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記被験体は、非欠失アレル上にCOMT108met改変体を有する、請求項1に記載の方法。
  3. VMAT2インヒビターでの処置のための被験体を選択するための方法であって、前記方法は、
    前記被験体が22q11.2欠失症候群を有するか否かを決定する工程;および
    前記被験体が22q11.2欠失症候群を有することが決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程、
    を包含する、方法。
  4. 精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、前記方法は、
    治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程、
    を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、方法。
  5. 前記被験体は、非欠失アレル上にCOMT108met改変体を有する、請求項4に記載の方法。
  6. 精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、前記方法は、
    治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程、
    を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、方法。
  7. 精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、前記方法は、
    前記被験体がCOMTハプロ不全を有するか否かを決定する工程;および
    前記被験体がCOMTハプロ不全を有することを決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程、
    を包含する、方法。
  8. 前記被験体は、非欠失アレル上にCOMT108met改変体を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 精神障害の処置を必要とする被験体において精神障害を処置する方法であって、前記方法は、
    前記被験体が22q11.2欠失症候群を有するか否かを決定する工程;および
    前記被験体が22q11.2欠失症候群を有することが決定された場合に、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程、
    を包含する、方法。
  10. 前記精神障害は、統合失調症スペクトラム障害、注意欠陥多動障害、分離不安障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、気分障害、神経性食欲不振、ナルコレプシー、ヘロイン嗜癖、または早期発症性アルコール依存症である、請求項4〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記精神障害は、統合失調症スペクトラム障害である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記精神障害は、気分障害である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記精神障害は、自閉症スペクトラム障害である、請求項10に記載の方法。
  14. 前記VMAT2インヒビターは、式(I):
    Figure 2021528386
    の化合物、ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択され、ここで:
    50は、−C(=O)−O−(CRまたは−C(=O)−(CR−NHであり、
    およびRは、各存在において、独立して、H、C1−6アルキル、−NH−C(=NH)NH、−C(=O)OH、−C(=O)O−Me、−SH、−C(=O)NH、−NH、−SCH、フェニル、−OH、4−ヒドロキシ−フェニル、イミダゾリル、またはインドリルであり;
    mは、1〜6であり;そして
    nは、1〜6である、
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における式(I):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、ここで
    50は、−C(=O)−O−(CRまたは−C(=O)−(CR−NHであり、
    およびRは、各存在において、独立して、H、C1−6アルキル、−NH−C(=NH)NH、−C(=O)OH、−C(=O)O−Me、−SH、−C(=O)NH、−NH、−SCH、フェニル、−OH、4−ヒドロキシ−フェニル、イミダゾリル、またはインドリルであり;
    mは、1〜6であり;そして
    nは、1〜6であり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    使用。
  16. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における式(I):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、ここで:
    50は、−C(=O)−O−(CRまたは−C(=O)−(CR−NHであり、
    およびRは、各存在において、独立して、H、C1−6アルキル、−NH−C(=NH)NH、−C(=O)OH、−C(=O)O−Me、−SH、−C(=O)NH、−NH、−SCH、フェニル、−OH、4−ヒドロキシ−フェニル、イミダゾリル、またはインドリルであり;
    mは、1〜6であり;そして
    nは、1〜6であり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    使用。
  17. 被験体において精神障害を処置するための方法における使用のための式(I):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、ここで:
    50は、−C(=O)−O−(CRまたは−C(=O)−(CR−NHであり、
    およびRは、各存在において、独立して、H、C1−6アルキル、−NH−C(=NH)NH、−C(=O)OH、−C(=O)O−Me、−SH、−C(=O)NH、−NH、−SCH、フェニル、−OH、4−ヒドロキシ−フェニル、イミダゾリル、またはインドリルであり;
    mは、1〜6であり;そして
    nは、1〜6であり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    VMAT2インヒビター。
  18. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における式(I):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、ここで:
    50は、−C(=O)−O−(CRまたは−C(=O)−(CR−NHであり、
    およびRは、各存在において、独立して、H、C1−6アルキル、−NH−C(=NH)NH、−C(=O)OH、−C(=O)O−Me、−SH、−C(=O)NH、−NH、−SCH、フェニル、−OH、4−ヒドロキシ−フェニル、イミダゾリル、またはインドリルであり;
    mは、1〜6であり;そして
    nは、1〜6であり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    VMAT2インヒビター。
  19. 前記VMAT2インヒビターは、式(II):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択され、ここで:
    は、以下:
    a)水素;
    b)−P(=O)(OR
    c)−C(=O)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)アルキル;
    d)−C(=O)ヘテロシクリルであって、ここでヘテロシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)ヘテロシクリル;
    e)−C(=O)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)カルボシクリル;
    f)−C(=O)N(R)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)アルキル;
    g)−C(=O)N(R)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)カルボシクリル;
    h)−C(=O)Oアルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)Oアルキル;または
    i)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換されるアルキル;
    であり、そしてここで
    各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;
    各R10は、独立して、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、トリメチルシラニル、−OR30、−SR30、−OC(=O)−R30、−N(R30、−C(=O)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)N(R30、−N(R30)C(=O)OR31、−N(R30)C(=O)R31、−N(R30)C(=NR31)N(R32、−N(R30)S(=O)31(ここでtは1〜2である)、−S(=O)OR30(ここでtは1〜2である)、−S(=O)30(ここでpは0〜2である)、−S(=O)N(R30(ここでtは1〜2である),もしくは−OP(=O)(OR30であるか、または1個の原子が2個のR10基を有する場合、このような2個のR10基は、一緒になって、オキソを形成し得;
    各R20は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであるか、または1個の原子が2個のR20基を有する場合、このような2個のR20基は、一緒になって、シクロアルキルを形成し得、ここで前記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10および/もしくはR22で必要に応じて置換され;
    各R22は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであり、ここで前記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10で必要に応じて置換され;そして
    各R30、R31、およびR32は、独立して、水素またはアルキルである、
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  20. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における式(II):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、ここで:
    は、以下:
    a)水素;
    b)−P(=O)(OR
    c)−C(=O)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)アルキル;
    d)−C(=O)ヘテロシクリルであって、ここでヘテロシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)ヘテロシクリル;
    e)−C(=O)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)カルボシクリル;
    f)−C(=O)N(R)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)アルキル;
    g)−C(=O)N(R)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)カルボシクリル;
    h)−C(=O)Oアルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)Oアルキル;または
    i)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換されるアルキル;
    であり、そしてここで
    各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;
    各R10は、独立して、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、トリメチルシラニル、−OR30、−SR30、−OC(=O)−R30、−N(R30、−C(=O)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)N(R30、−N(R30)C(=O)OR31、−N(R30)C(=O)R31、−N(R30)C(=NR31)N(R32、−N(R30)S(=O)31(ここでtは1〜2である)、−S(=O)OR30(ここでtは1〜2である)、−S(=O)30(ここでpは0〜2である)、−S(=O)N(R30(ここでtは1〜2である)、もしくは−OP(=O)(OR30であるか、または1個の原子が2個のR10基を有する場合、このような2個のR10基は、一緒になって、オキソを形成し得;
    各R20は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであるか、または1個の原子が2個のR20基を有する場合、このような2個のR20基は、一緒になって、シクロアルキルを形成し得、ここで前記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10および/もしくはR22で必要に応じて置換され;
    各R22は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであり、ここで前記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10で必要に応じて置換され;そして
    各R30、R31、およびR32は、独立して、水素またはアルキルであり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    使用。
  21. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における式(II):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、ここで:
    は、以下:
    a)水素;
    b)−P(=O)(OR
    c)−C(=O)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)アルキル;
    d)−C(=O)ヘテロシクリルであって、ここでヘテロシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)ヘテロシクリル;
    e)−C(=O)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)カルボシクリル;
    f)−C(=O)N(R)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)アルキル;
    g)−C(=O)N(R)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)カルボシクリル;
    h)−C(=O)Oアルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)Oアルキル;または
    i)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換されるアルキル;
    であり、そしてここで
    各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;
    各R10は、独立して、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、トリメチルシラニル、−OR30、−SR30、−OC(=O)−R30、−N(R30、−C(=O)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)N(R30、−N(R30)C(=O)OR31、−N(R30)C(=O)R31、−N(R30)C(=NR31)N(R32、−N(R30)S(=O)31(ここでtは1〜2である)、−S(=O)OR30(ここでtは1〜2である)、−S(=O)30(ここでpは0〜2である)、−S(=O)N(R30(ここでtは1〜2である)、もしくは−OP(=O)(OR30であるか、または1個の原子が2個のR10基を有する場合、このような2個のR10基は、一緒になって、オキソを形成し得;
    各R20は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであるか、または1個の原子が2個のR20基を有する場合、このような2個のR20基は、一緒になって、シクロアルキルを形成し得、ここで前記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10および/もしくはR22で必要に応じて置換され;
    各R22は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであり、ここで前記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10で必要に応じて置換され;そして
    各R30、R31、およびR32は、独立して、水素またはアルキルであり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    使用。
  22. 被験体において精神障害を処置する方法における使用のための式(II):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、ここで:
    は、以下:
    a)水素;
    b)−P(=O)(OR
    c)−C(=O)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)アルキル;
    d)−C(=O)ヘテロシクリルであって、ここでヘテロシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)ヘテロシクリル;
    e)−C(=O)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)カルボシクリル;
    f)−C(=O)N(R)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)アルキル;
    g)−C(=O)N(R)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)カルボシクリル;
    h)−C(=O)Oアルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)Oアルキル;または
    i)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換されるアルキル;
    であり、そしてここで
    各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;
    各R10は、独立して、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、トリメチルシラニル、−OR30、−SR30、−OC(=O)−R30、−N(R30、−C(=O)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)N(R30、−N(R30)C(=O)OR31、−N(R30)C(=O)R31、−N(R30)C(=NR31)N(R32、−N(R30)S(=O)31(ここでtは1〜2である)、−S(=O)OR30(ここでtは1〜2である)、−S(=O)30(ここでpは0〜2である)、−S(=O)N(R30(ここでtは1〜2である)、もしくは−OP(=O)(OR30であるか、または1個の原子が2個のR10基を有する場合、このような2個のR10基は、一緒になって、オキソを形成し得;
    各R20は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであるか、または1個の原子が2個のR20基を有する場合、このような2個のR20基は、一緒になって、シクロアルキルを形成し得、ここで前記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10および/もしくはR22で必要に応じて置換され;
    各R22は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであり、ここで前記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10で必要に応じて置換され;そして
    各R30、R31、およびR32は、独立して、水素またはアルキルであり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    VMAT2インヒビター。
  23. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における式(II):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、ここで
    は、以下:
    a)水素;
    b)−P(=O)(OR
    c)−C(=O)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)アルキル;
    d)−C(=O)ヘテロシクリルであって、ここでヘテロシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)ヘテロシクリル;
    e)−C(=O)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)カルボシクリル;
    f)−C(=O)N(R)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)アルキル;
    g)−C(=O)N(R)カルボシクリルであって、ここでカルボシクリルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)N(R)カルボシクリル;
    h)−C(=O)Oアルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換される−C(=O)Oアルキル;または
    i)アルキルであって、ここでアルキルは、R10および/もしくはR20で必要に応じて置換されるアルキル;
    であり、そしてここで、
    各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;
    各R10は、独立して、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、トリメチルシラニル、−OR30、−SR30、−OC(=O)−R30、−N(R30、−C(=O)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)N(R30、−N(R30)C(=O)OR31、−N(R30)C(=O)R31、−N(R30)C(=NR31)N(R32、−N(R30)S(=O)31(ここでtは1〜2である)、−S(=O)OR30(ここでtは1〜2である)、−S(=O)30(ここでpは0〜2である)、−S(=O)N(R30(ここでtは1〜2である)、もしくは−OP(=O)(OR30であるか、または1個の原子が2個のR10基を有する場合、このような2個のR10基は、一緒になって、オキソを形成し得;
    各R20は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであるか、または1個の原子が2個のR20基を有する場合、このような2個のR20基は、一緒になって、シクロアルキルを形成し得、ここで前記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10および/もしくはR22で必要に応じて置換され;
    各R22は、独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであり、ここで前記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の各々は、R10で必要に応じて置換され;そして
    各R30、R31、およびR32は、独立して、水素またはアルキルであり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    VMAT2インヒビター。
  24. 前記VMAT2インヒビターは、式(III):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択され、ここで:
    100およびR200は、独立して、低級アルキル、低級シクロアルキル、または低級シクロアルキルアルキルであり、ここで各低級アルキル、低級シクロアルキル、および低級シクロアルキルアルキルは、独立して、置換されていないか、または1個もしくはこれより多くのハロ、シアノ、もしくは低級アルコキシで置換され;
    300は、低級アルキルであり;そして
    400は、低級アルキルまたは低級シクロアルキルアルキルである、
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  25. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における式(III):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターに使用であって、ここで:
    100およびR200は、独立して、低級アルキル、低級シクロアルキル、または低級シクロアルキルアルキルであり、ここで各低級アルキル、低級シクロアルキル、および低級シクロアルキルアルキルは、独立して、置換されていないか、または1個もしくはこれより多くのハロ、シアノ、もしくは低級アルコキシで置換され;
    300は、低級アルキルであり;そして
    400は、低級アルキルまたは低級シクロアルキルアルキルであり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    使用。
  26. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における,式(III):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、ここで:
    100およびR200は、独立して、低級アルキル、低級シクロアルキル、または低級シクロアルキルアルキルであり、ここで各低級アルキル、低級シクロアルキル、および低級シクロアルキルアルキルは、独立して、置換されていないか、または1個もしくはこれより多くのハロ、シアノ、もしくは低級アルコキシで置換され;
    300は、低級アルキルであり;そして
    400は、低級アルキルまたは低級シクロアルキルアルキルであり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    使用。
  27. 被験体において精神障害を処置する方法における使用のための式(III):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、ここで:
    100およびR200は、独立して、低級アルキル、低級シクロアルキル、または低級シクロアルキルアルキルであり、ここで各低級アルキル、低級シクロアルキル、および低級シクロアルキルアルキルは、独立して、置換されていないか、または1個もしくはこれより多くのハロ、シアノ、もしくは低級アルコキシで置換され;
    300は、低級アルキルであり;そして
    400は、低級アルキルまたは低級シクロアルキルアルキルであり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    VMAT2インヒビター。
  28. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における式(III):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、ここで:
    100およびR200は、独立して、低級アルキル、低級シクロアルキル、または低級シクロアルキルアルキルであり、ここで各低級アルキル、低級シクロアルキル、および低級シクロアルキルアルキルは、独立して、置換されていないか、または1個もしくはこれより多くのハロ、シアノ、もしくは低級アルコキシで置換され;
    300は、低級アルキルであり;そして
    400は、低級アルキルまたは低級シクロアルキルアルキルであり、
    前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、
    ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、
    VMAT2インヒビター。
  29. 前記VMAT2インヒビターは、式(IV):
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択される、請求項24に記載の方法、請求項25もしくは26に記載の使用、または請求項27もしくは28に記載のVMAT2インヒビター。
  30. 前記VMAT2インヒビターは、表1の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  31. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における表1の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、使用。
  32. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における表1の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、使用。
  33. 被験体において精神障害を処置する方法における使用のための表1の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、VMAT2インヒビター。
  34. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における表1の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、VMAT2インヒビター。
  35. 前記VMAT2インヒビターは、表2の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  36. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における表2の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、使用。
  37. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における表2の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、使用。
  38. 被験体において精神障害を処置する方法における使用のための表2の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、VMAT2インヒビター。
  39. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における表2の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、VMAT2インヒビター。
  40. 前記VMAT2インヒビターは、表3の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  41. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における表3の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、使用。
  42. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における表3の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、使用。
  43. 被験体において精神障害を処置する方法における使用のための表3の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、VMAT2インヒビター。
  44. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における表3の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、VMAT2インヒビター。
  45. 前記VMAT2インヒビターは、以下:
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  46. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における以下:
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択される、VMAT2インヒビターの使用であって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、使用。
  47. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における以下:
    Figure 2021528386
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターの使用であって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、使用。
  48. 被験体において精神障害を処置する方法における使用のための以下:
    Figure 2021528386
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、COMTハプロ不全を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、VMAT2インヒビター。
  49. 被験体において精神障害を処置するための医薬の製造における以下:
    Figure 2021528386
    の化合物ならびにその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および水和物から選択されるVMAT2インヒビターであって、前記処置は、治療上有効な量のVMAT2インヒビターを前記被験体に投与する工程を包含し、ここで前記被験体は、前記被験体が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、前記精神障害を発生させる素因がある、VMAT2インヒビター。
  50. 前記VMAT2インヒビターの薬学的に受容可能な塩は、ジトシル酸塩である、請求項1〜14、19、24、29、30、35、40、もしくは45のいずれか1項に記載の方法、請求項15、16、20、21、25、26、29、31、32、36、37、41、42、46、もしくは47のいずれか1項に記載の使用、または請求項17、18、22、23、27、28、29、33、34、38、39、43、44、48、もしくは49のいずれか1項に記載のVMAT2インヒビター。
  51. 前記VMAT2インヒビターは、約5mg〜約160mgの1日用量で投与される、請求項1〜14、19、24、29、30、35、40、45、もしくは50のいずれか1項に記載の方法、請求項15、16、20、21、25、26、29、31、32、36、37、41、42、46、47、もしくは50のいずれか1項に記載の使用、または請求項17、18、22、23、27、28、29、33、34、38、39、43、44、48、49、もしくは50のいずれか1項に記載のVMAT2インヒビター。
  52. 前記VMAT2インヒビターは、約5mgの1日用量で投与される、請求項51に記載の方法、請求項51に記載の使用、または請求項51に記載のVMAT2インヒビター。
  53. 前記VMAT2インヒビターは、約20mgの1日用量で投与される、請求項51に記載の方法、請求項51に記載の使用、または請求項51に記載のVMAT2インヒビター。
  54. 前記VMAT2インヒビターは、約40mgの1日用量で投与される、請求項51に記載の方法、請求項51に記載の使用、または請求項51に記載のVMAT2インヒビター。
  55. 前記VMAT2インヒビターは、約60mgの1日用量で投与される、請求項51に記載の方法、請求項51に記載の使用、または請求項51に記載のVMAT2インヒビター。
  56. 前記VMAT2インヒビターは、約80mgの1日用量で投与される、請求項51に記載の方法、請求項51に記載の使用、または請求項51に記載のVMAT2インヒビター。
  57. 前記VMAT2インヒビターは、約100mgの1日用量で投与される、請求項51に記載の方法、請求項51に記載の使用、または請求項51に記載のVMAT2インヒビター。
  58. 前記VMAT2インヒビターは、約120mgの1日用量で投与される、請求項51に記載の方法、請求項51に記載の使用、または請求項51に記載のVMAT2インヒビター。
  59. 前記VMAT2インヒビターは、約140mgの1日用量で投与される、請求項51に記載の方法、請求項51に記載の使用、または請求項51に記載のVMAT2インヒビター。
  60. 前記VMAT2インヒビターは、約160mgの1日用量で投与される、請求項51に記載の方法、請求項51に記載の使用、または請求項51に記載のVMAT2インヒビター。
  61. 前記VMAT2インヒビターは、経口投与のために製剤化される、前述の請求項のうちのいずれか1項に記載の方法、使用、またはVMAT2インヒビター。
  62. 前記VMAT2インヒビターは、液剤、錠剤、またはカプセル剤として投与される、請求項61に記載の方法、使用、またはVMAT2インヒビター。
  63. 前記VMAT2インヒビターは、VMAT2に対して約1000nM未満の結合親和性(K)を有する、請求項1〜14、19、24、29、30、35、40、45、もしくは50のいずれか1項に記載の方法、請求項15、16、20、21、25、26、29、31、32、36、37、41、42、46、47、もしくは50のいずれか1項に記載の使用、または請求項17、18、22、23、27、28、29、33、34、38、39、43、44、48、49、もしくは50のいずれか1項に記載のVMAT2インヒビター。
  64. 前記VMAT2インヒビターは、VMAT2に対して約100nM未満の結合親和性(K)を有する、請求項1〜14、19、24、29、30、35、40、45、もしくは50のいずれか1項に記載の方法、請求項15、16、20、21、25、26、29、31、32、36、37、41、42、46、47、もしくは50のいずれか1項に記載の使用、または請求項17、18、22、23、27、28、29、33、34、38、39、43、44、48、49、もしくは50のいずれか1項に記載のVMAT2インヒビター。
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