JP2021526504A - ソリフェナシンの医薬固形経口剤形 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、イオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含む医薬固形経口剤形であって、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該イオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、以下に従った溶解プロファイルを示す医薬固形経口剤形に関する:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。本発明はまた、その調製方法、及び過活動膀胱症候群に関連する下部尿路症状の治療における医薬固形経口剤形の使用に関する。

Description

関連出願の相互参照
この出願は、2018年3月8日出願の欧州特許出願18382149.5号明細書及び2018年6月26日出願の欧州特許出願18382472.1号明細書の利益を主張するものである。
本発明は、ソリフェナシンの医薬固形経口剤形に関する。より詳細には、本発明は、ヒト対象による嚥下前に口腔(buccal cavity)内で崩壊する、ソリフェナシンの医薬固形経口剤形に関する。
ソリフェナシンは構造式(I)で表され、その化学名は(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル−(1S)−1−フェニル−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリンカルボキシレートである。
Figure 2021526504
ソリフェナシンはムスカリンM3受容体に対して優れた選択的拮抗作用を有するため、神経性頻尿、神経因性膀胱、過活動膀胱、夜尿症、不安定膀胱、膀胱収縮、慢性膀胱炎、及び良性前立腺肥大症(BPH)に関連する下部尿路症状(LUTS)などの尿路症状の予防及び治療に効果的な治療薬である。その一方で、ソリフェナシンは、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、鼻炎などの特定の呼吸器疾患の治療にも使用することができる。
口腔内崩壊錠(orodispersible tablet)は、嚥下困難に苦しむ患者のための代替剤形として機能する。そのような症状は、高齢者、脳卒中の犠牲者、又は嚥下拒否の精神障害に罹患した患者の間で特に重要である。さらに、口腔内崩壊錠は水を必要としないため、旅行などの患者が簡単に水を手に入れることができない状況で服用することができ、それにより治療のアドヒアランスの改善に貢献する。
しかし、すべての薬物が口腔内崩壊錠の設計に適しているわけではなく、特に、不快な官能的特性を有する薬物、又は口腔からの吸収が限定されるべき薬物は適していない。この点において、ソリフェナシン及びその塩は非常に強い苦味を有し、非常に収斂性であり、それらが口腔から吸収される場合、局所的なしびれを引き起こし得ることが知られている。したがって、ソリフェナシンの口腔内崩壊剤形の設計は、これらすべてのハードルを克服できなければならない。
特許文献1は、コアにソリフェナシン又はジフェンヒドラミンを含む粒子、不溶化剤及び不溶化物質を含む中間層、並びに水の浸透速度を制御するための外層を含む速崩壊錠(口腔内崩壊錠の別名)を開示している。しかしながら、特許文献1に開示されている口腔内崩壊錠は、薬物放出が抑制される時間(遅延時間)の正確な制御を必要とし、同時に、遅延時間が経過すると、薬物は迅速に放出されてしまう(特許文献1、段落[0006])。残念ながら、このような要件を工業的に適用することは困難であり、費用効果は高くないと思われる。さらに、該特許に開示されている錠剤は、口腔内のソリフェナシンの溶解を低減するが、その完全な抑制を保証するものではない。
その一方で、ソリフェナシンの医薬組成物の安定性は、先行技術において懸念事項であることが知られている。例えば、特許文献2は、一般的な製薬製造法の下で十分な安定性を有するソリフェナシンの製剤を得ることが困難であることを報告している。この文献は、時間の経過に伴うソリフェナシンの分解の主な原因は、製剤の製造工程中に生成されるアモルファスソリフェナシンであることを明らかにしており、したがって、分解生成物の形成を回避するために、特許文献2は、製剤の湿式造粒中に水分を調整することによってアモルファスソリフェナシンの形成を制限することを提案している(特許文献2、段落[0009]〜[0012])。
ソリフェナシンの主な分解生成物はソリフェナシンN−オキシドであることが報告されている(特許文献2、段落[0008]、及び非特許文献1)。ソリフェナシンN−オキシドの構造式は式(II)に示され、その化学名は1−オキシド−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イル−1−フェニル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシレートである。
Figure 2021526504
ソリフェナシンN−オキシドは、ソリフェナシンの主な非薬理活性代謝産物として同定されている。Krauwinkelらによる複数回投与の非盲検クロスオーバー研究(非特許文献2)では、ソリフェナシンのほぼ50%が、親化合物(8%〜13%)又は代謝産物(ソリフェナシンN−オキシド:19〜29%、その他の代謝産物:9.5%〜16.9%)のいずれかとして尿中に回収された。その結果、ソリフェナシンN−オキシドへの分解は、尿路症状の治療におけるソリフェナシン製品の効力を著しく低下させる可能性がある。
欧州特許公開第1787640A1号公報 欧州特許公開第1728791A1号公報
Rami Reddy B.V.、Development and Validation of a Specific Stability Indicating High Performance Liquid Chromatographic Methods for Related Compounds and Assay of Solifenacin Succinate、Journal of Chemistry、2013巻、Art.ID 412353、7頁 Krauwinkel W.J.J.、Effect of age on the pharmacokinetics of solifenacin in men and women、Int J Clin Pharmacol Ther.、2005年;43巻、227〜238頁
したがって、口腔内での有効成分の部分的な溶解に起因する問題(例えば、味の悪さ、局所のしびれなど)を克服し、同時に、ソリフェナシンの主な分解生成物の形成を防ぐ、既存の費用効果の高い製薬方法によって製造できるソリフェナシンの口腔内崩壊性固形剤形の開発は、未解決の課題として依然として残っている。さらに、創始者の製剤(Vesicare(登録商標)、フィルムコーティング錠)と生物学的に同等であるソリフェナシンの新しい製剤の要件により、新しい口腔内崩壊性固形剤形の開発はさらに困難な作業となっている。
本発明者らは、治療有効量のソリフェナシンとイオン交換樹脂ポリマーとがマトリックスを形成するため、剤形が、口腔pHにおいてソリフェナシンの溶解を実質的に妨げる溶解プロファイルを示し、これにより、味の悪さや局所のしびれなどの問題を回避することができるソリフェナシンの新しい固形経口剤形を設計することができた。
さらに、本発明者らはまた、驚くべきことに、本発明の組成物の単回投与(unique dose administration)後に示される総薬物曝露が、創始者の製品(Vesicare(登録商標)、フィルムコーティング錠)の単回投与(unique dose administration)後に得られる総薬物曝露と生物学的に同等であることを見出した。特に、本発明者らは、驚くべきことに、本発明の組成物が胃のpHにおいて創始者の製品(Vesicare(登録商標))よりも速い溶解プロファイルを示したとしても、本発明の組成物は参照の製品(Vesicare(登録商標))と生物学的に同等であることを見出した。そのことは、ソリフェナシンが本発明の組成物から吸収され、薬物作用の部位で利用可能になる速度及び程度が参照サンプルと同じであるため、本発明の組成物が同等のバイオアベイラビリティを有することを意味する。
本発明の剤形は、嚥下前3分以内、特に2分半以内、より詳細には2分以内、より詳細には1分以内の時間でヒト対象の口腔条件下で崩壊する能力を有し、これにより本発明の剤形は、欧州薬局方によって示された定義(Ph.Eur.6.0、750頁)に従った口腔内崩壊性剤形と見なされるべきである。さらに、本発明の剤形が崩壊する時間の間、口腔pHでそれらが示す溶解プロファイルのためにソリフェナシンは溶解せず、したがって、苦味、口内乾燥、又はソリフェナシンの局所吸収による局所性しびれなどの不快な感覚は回避される。したがって、本発明の剤形は、嚥下困難(嚥下障害)に苦しむ尿路症状に罹患した患者のための価値ある治療代替物を構成し、それらの患者の治療のアドヒアランスの改善を助けることができる。
本発明の目的のために、崩壊時間は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用して、pH=7を有するリン酸緩衝液中に剤形を置き、37℃及び毎分30サイクルにおいて測定された。
本発明者らはまた、アモルファスソリフェナシンがソリフェナシン分解生成物の形成の主な原因であることを開示している欧州特許公開第1728791A1号公報の教示にもかかわらず、ポリマーとソリフェナシンとがマトリックスを形成し、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77%超の含有量で含む剤形の実施形態では、ソリフェナシンN−オキシドなどの分解生成物の形成が回避されることを発見した。したがって、本発明はまた、アモルファスソリフェナシンの含有量が高い製剤を安定化し、経時的な分解生成物の形成を防止する新しい方法を提供する。
したがって、本発明の第1の態様は、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩を、1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体と共に含む医薬固形経口剤形であって、ソリフェナシンとポリマーとがマトリックスを形成し、以下のような溶解プロファイルを示す医薬固形経口剤形に関する:欧州薬局方装置II(パドル)を使用し、剤形を適切なpH条件下で900mL中に置き、37℃及び毎分50回転の撹拌において決定した場合、剤形が、(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10w/w%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解する。
本発明の第2の態様は、以下の工程を含む、本発明の第1の態様で定義された剤形の調製方法に関する:(a)水中でソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩とポリマーとの混合物を調製する工程、(b)1又は複数の希釈剤、及び任意選択で1又は複数の結合剤、崩壊剤、甘味料、香味料、又は他の賦形剤若しくは担体を混合する工程、(c)工程(b)の混合物を、工程(a)の液体混合物を添加することにより造粒して、湿潤顆粒を得る工程、(d)工程(c)で得られた湿潤顆粒を乾燥させ、乾燥顆粒を得る工程、(e)工程(d)で得られた乾燥顆粒を、1又は複数の滑沢剤、及び任意選択で1又は複数の希釈剤、結合剤、崩壊剤、甘味料及び香味料、又は他の賦形剤若しくは担体と混合する工程、(f)工程(e)で得られた混合物を圧縮して、固形経口剤形を形成する工程。
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様で定義された方法によって得られる医薬固形経口剤形であって、以下のような溶解プロファイルを示す医薬固形経口剤形に関する:欧州薬局方装置II(パドル)を使用して、剤形を適切なpH条件下で900mL中に置き、37℃及び毎分50回転の撹拌において決定した場合、剤形が、(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
本発明の第4の態様は、切迫性失禁、尿頻度の増加及び尿意切迫感の増加などの過活動膀胱症候群に関連する下部尿路症状の治療に使用するための、本発明の第1又は第3の態様で定義される剤形に関する。
特に、本発明の一態様は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、イオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含む口腔内崩壊性医薬固形剤形であって、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該イオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、該剤形が、以下に従った溶解プロファイルを示すことを特徴とする口腔内崩壊性医薬固形剤形に関する:欧州薬局方装置II(パドル)を使用し、剤形を適切なpH条件下で900mL中に置き、37℃及び毎分50回転の撹拌において決定した場合、(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10w/w%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解する。
乾燥したAPI−樹脂混合物のPXRDディフラクトグラムを示す。強度(I)は任意単位(a.u.)で表され、2シータ角(2θ)は度(°)で表される。 口腔pHにおける、Vesicare(登録商標)のフィルムコーティング錠(FCT)と対比した実施例1で定義された製剤3(Form3)の溶解プロファイルを示している。溶解率(D%)はw/w%で表され、時間(t)は分(min)で表される。 胃のpHにおける、Vesicare(登録商標)のフィルムコーティング錠(FCT)と対比した実施例1で定義された製剤4(Form4)の溶解プロファイルを示している。溶解率(D%)はw/w%で表され、時間(t)は分(min)で表される。 参照製品Vesicare(登録商標)10mg(Ref−R、円)及び試験製品(Test−T、四角)について、実施例8で計算されたソリフェナシンの平均血漿中濃度(MPC)対時間(t)曲線を示している。平均血漿中濃度(MPC)はng/mLで表され、時間(t)は時間(h)で表される。
発明の詳細な説明
本明細書で使用される「ソリフェナシン」という用語は、構造式(I)によって表される分子として定義されるが、それらの薬学的に許容される塩としても定義される。ソリフェナシンの薬学的に許容される塩は、広範な無機酸及び有機酸のいずれかを含む。そのような塩の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、又はリン酸などの鉱酸との酸付加塩、並びにギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、又はグルタミン酸などの有機酸との酸付加塩が含まれる。
本明細書で使用される「ポリマー」という用語は、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の溶解プロファイルを改変する、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と共にマトリックスを形成するのに適した任意の薬学的に許容されるポリマーとして定義される。本明細書で使用されるポリマーという用語は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの親水性ポリマー、エチルセルロースなどの疎水性ポリマー、及びとりわけ、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーを含むイオン交換樹脂などの水不溶性高分子電解質を含む。
本明細書で使用される「イオン交換樹脂」という用語は、それらの可動イオンを周囲の媒体中のイオンと交換することができる任意の薬学的に許容される水不溶性ポリマーとして定義される。本明細書で使用される用語は、とりわけ、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー又はメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーのナトリウム塩若しくはカリウム塩又は部分塩を含む。
本明細書で使用される「カチオン交換樹脂」という用語は、それらの可動カチオンを周囲の媒体中のカチオンと交換することができる任意の薬学的に許容される水不溶性ポリマーとして定義される。本明細書で使用される用語は、とりわけ、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー又はメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーのナトリウム塩若しくはカリウム塩又は部分的なナトリウム塩若しくはカリウム塩を含む。
本明細書で使用される「酸性カチオン交換樹脂」という用語は、それらの可動カチオンを周囲媒体中のカチオンと交換でき、スルホン酸基又はカルボン酸基などの酸性官能基を有する、任意の薬学的に許容される水不溶性ポリマーとして定義される。本明細書で使用される用語は、とりわけ、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー又はメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーのナトリウム塩若しくはカリウム塩又は部分的なナトリウム塩若しくはカリウム塩を含む。
本明細書で使用される「弱酸性カチオン交換樹脂」という用語は、それらの可動カチオンを周囲媒体中のカチオンと交換でき、カルボン酸基などの弱酸性官能基を有する、任意の薬学的に許容される水不溶性ポリマーとして定義される。本明細書で使用される用語は、とりわけ、メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーのナトリウム塩若しくはカリウム塩又は部分的なナトリウム塩若しくはカリウム塩を含む。
本明細書で使用される「ポラクリリンカリウム」という用語は、メタクリル酸のカルボン酸官能基から弱酸性塩が形成される、メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩として定義される。以下、「部分ポラクリリンカリウム」という用語は、とりわけ、Purolite(登録商標)C115KMR、Amberlite(登録商標)IRP88などのいくつかの商品名で商品化されている。
本明細書で使用される「マトリックス」という用語は、ポリマーとソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩との組み合わせとして定義され、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩は、とりわけ、静電相互作用、水素結合、及びファンデルワールス力(van der Waal forces)などの分子間力によってポリマーに結合される。特に、ポリマーがイオン交換樹脂である場合、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩は、主に静電相互作用によって結合される。より詳細には、ポリマーがカチオン交換樹脂である場合、ソリフェナシンは、主に静電相互作用によってカチオン交換樹脂の負に帯電した官能基に結合される。より詳細には、ポリマーが酸性カチオン交換樹脂である場合、ソリフェナシンは、主に静電相互作用によって、酸性カチオン交換樹脂の負に帯電した酸性官能基に結合される。さらにより詳細には、ポリマーがメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーである場合、ソリフェナシンは、主に静電相互作用により、メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーの負に帯電したカルボン酸基に結合される。
本明細書で使用される「口腔内崩壊錠」という用語は、欧州薬局方(Ph.Eur.6.0、750頁)に従って、口に入れると嚥下前に急速に分散することを意図した非コーティング錠剤として定義され、より正確には、口腔内崩壊錠は崩壊試験で3分以内に崩壊する。この定義によれば、口腔内崩壊錠という用語は、とりわけ、口腔内崩壊錠、口内崩壊錠、速崩壊錠、速溶解錠、及びチュアブル錠などの異なる名称の固形経口剤形を含む。
本明細書で使用される「口腔pH」という用語は、健康なヒト対象の唾液中に見られるpHとして定義される。そのようなpHは通常、約6.5〜約7.5まで変化する。
本明細書で使用される「胃のpH」という用語は、絶食状態の健康なヒト対象の胃で見られるpHとして定義される。そのようなpHは、典型的には約1〜約1.6まで変化する。
本明細書で使用される「崩壊する」という用語は、固形剤形が固形状態から完全な崩壊状態に移行する作用として定義される。
本明細書で使用される「完全な崩壊」という用語は、欧州薬局方(Ph.Eur.6.0、263頁)に従って定義され、不溶性の断片を除いて、試験装置のスクリーン上に残っている、又はディスクを使用する場合その下面に付着している剤形の残留物が柔らかな塊であり、はっきりとした固いコアがない状態として定義される。本明細書で定義されるように、崩壊は、剤形又はその医薬品有効成分の完全な溶解を意味するものではない。
本明細書で使用される「溶解プロファイル」という用語は、本発明の剤形からのソリフェナシンの経時的な溶解を指す。以下、溶解プロファイルは、剤形中のソリフェナシンの初期重量あたりの溶解したソリフェナシンの重量で測定され、重量パーセント(w/w%)で表される。特に明記しない限り、これ以降、溶解プロファイルは、欧州薬局方装置II(パドル)を使用して、剤形を適切なpH条件下で900mL中に置き、37℃及び毎分50回転の撹拌において決定される。
本明細書で使用される「ポラクリリンカリウム」という用語は、弱酸性塩がメタクリル酸のカルボン酸官能基から形成される、メタクリル酸とジビニルベンゼンとのコポリマーの部分カリウム塩として定義される。ポラクリリンカリウムは、とりわけ、Purolite(登録商標)C115KMR、Amberlite(登録商標)IRP88などのいくつかの商品名で商品化されている。
本明細書で使用される「アモルファス含有量」という用語は、アモルファス及び結晶性ソリフェナシン又はその塩の合計に対するアモルファスソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩の比率として定義される。以下、アモルファス含有量は、重量パーセント(w/w%)で示される。
本明細書で使用される「通常の貯蔵条件」という用語は、20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度の条件として定義される。
本明細書で使用される「粒内」という用語は、造粒する前の工程段階で添加される製剤の成分を指す。
本明細書で使用される「粒外」という用語は、造粒後の工程段階で添加される成分を指す。
本明細書で使用される「分解生成物」又は「分解不純物」という用語は、例えば、光、温度、大気中の酸素、水蒸気、又は賦形剤及び/又は容器閉鎖システムの影響により、新しい製剤の製造及び/又は貯蔵中にもたらされる原薬の化学変化から生じる不純物として定義される。
医薬品規制調和国際会議(The International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human use)(ICH)は、その新有効成分含有医薬品のうちの製剤の不純物に関するガイドライン(Guidelines for Impurities in New Drug Products)Q3B(R2)で、分解生成物の閾値を定めている。ソリフェナシンの分解生成物としてのソリフェナシンN−オキシドの場合、安全性確認の必要な閾値(qualification threshold)は剤形中のソリフェナシンの重量あたり0.5重量%のソリフェナシンN−オキシドであり、構造決定の必要な閾値(identification threshold)は0.2%であり、報告の必要な閾値(reporting threshold)は0.1%である。
以下、本発明の剤形中に存在するソリフェナシンN−オキシドの量は、剤形中のソリフェナシンの初期重量当たりのソリフェナシンN−オキシドの重量で表され、この量は重量パーセント(w/w%)で示される。
本明細書で使用される「架橋崩壊剤」という用語は、医薬組成物において崩壊剤として使用される架橋ポリマーとして定義される。そのような架橋崩壊剤は、とりわけ、クロスカルメロース、クロスポビドン、及びデンプングリコール酸塩の群から選択される。
本明細書で使用される「摩損度」という用語は、取り扱い中に錠剤が欠けたり、砕けたり、壊れたりする傾向を指す。摩損度の試験は、欧州薬局方のガイドライン(Ph.Eur.6.0、278〜279頁)に従って行われる。1.0%以下の質量の最大損失は、ほとんどの製品で許容できると見なされる。
上記のように、本発明の一態様は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含む医薬固形経口剤形であって、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形が、以下に従った溶解プロファイルを示すことを特徴とし、口腔内崩壊性固形剤形であり、該ポリマーがイオン交換樹脂であることを特徴とする医薬固形経口剤形に関する:欧州薬局方装置II(パドル)を使用し、剤形を適切なpH条件下で900mL中に置き、37℃及び毎分50回転の撹拌において決定した場合、(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10w/w%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10w/w%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の5w/w%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の3w/w%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の2%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:
(a)pH6.5〜7.5において
(i)5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解し、
(ii)15分後に、ソリフェナシン含有量の20%未満が溶解し、
(iii)30分後に、ソリフェナシン含有量の45%未満が溶解する、及び
(b)pH1.0〜1.6において
(i)30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:
(a)pH6.5〜7.5において
(i)5分後に、ソリフェナシン含有量の5%未満が溶解し、
(ii)15分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解し、
(iii)30分後に、ソリフェナシン含有量の40%未満が溶解する、及び
(b)pH1.0〜1.6において
(i)30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:
(a)pH6.5〜7.5において
(i)5分後に、ソリフェナシン含有量の3%未満が溶解し、
(ii)15分後に、ソリフェナシン含有量の6%未満が溶解し、
(iii)30分後に、ソリフェナシン含有量の25%未満が溶解する、及び
(b)pH1.0〜1.6において
(i)30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:
(a)pH6.5〜7.5において
(i)5分後に、ソリフェナシン含有量の2%未満が溶解し、
(ii)15分後にソリフェナシン含有量の3%未満が溶解し、
(iii)30分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び
(b)pH1.0〜1.6において
(i)30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の85%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の5%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の85%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の3%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の85%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の2%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の85%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:
(a)pH6.5〜7.5において
(i)5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解し、
(ii)15分後に、ソリフェナシン含有量の20%未満が溶解し、
(iii)30分後に、ソリフェナシン含有量の45%未満が溶解する、及び
(b)pH1.0〜1.6において
(i)30分後に、ソリフェナシン含有量の85%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:
(a)pH6.5〜7.5において
(i)5分後に、ソリフェナシン含有量の5%未満が溶解し、
(ii)15分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解し、
(iii)30分後に、ソリフェナシン含有量の40%未満が溶解する、及び
(b)pH1.0〜1.6において
(i)30分後に、ソリフェナシン含有量の85%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:
(a)pH6.5〜7.5において
(i)5分後に、ソリフェナシン含有量の3%未満が溶解し、
(ii)15分後に、ソリフェナシン含有量の6%未満が溶解し、
(iii)30分後に、ソリフェナシン含有量の25%未満が溶解する、及び
(b)pH1.0〜1.6において
(i)30分後に、ソリフェナシン含有量の85%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:
(a)pH6.5〜7.5において
(i)5分後に、ソリフェナシン含有量の2%未満が溶解し、
(ii)15分後にソリフェナシン含有量の3%未満が溶解し、
(iii)30分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び
(b)pH1.0〜1.6において
(i)30分後に、ソリフェナシン含有量の85%超が溶解する。
一実施形態では、本発明のポリマーは、イオン交換樹脂、好ましくはカチオン交換樹脂、より好ましくは酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂である。別の実施形態では、本発明のポリマーは、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー及びメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーから選択される。別の実施形態において、本発明のポリマーは、メタクリル酸のカルボン酸官能基から弱酸性塩が形成される、メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩である。特定の実施形態では、ポリマーはポラクリリンカリウムである。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、イオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該イオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、イオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該イオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、イオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該イオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、イオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該イオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、イオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該イオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の5%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、イオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該イオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の5%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の固形経口剤形は、口腔pHで3分以内、好ましくは2分半(約150秒)以内、好ましくは2分以内、より好ましくは1分以内で崩壊する。
一実施形態では、本発明の固形経口剤形は錠剤である。別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、口腔内崩壊錠である。別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、チュアブル錠である。さらに別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、とりわけ、口腔内崩壊錠、口腔内崩壊顆粒、又は経口薄膜などの口腔内崩壊性固形剤形である。
一実施形態では、本発明の医薬固形経口剤形は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、イオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該イオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、該固形経口剤形は、口腔pHで3分以内、特に2分半以内、より詳細には2分以内、及びより詳細には1分以内で崩壊し、該剤形は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の錠剤は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、イオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該イオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、該錠剤は、口腔pHで3分以内、特に2分半以内、より詳細には2分以内、及びより詳細には1分以内で崩壊し、該錠剤は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の錠剤は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、カチオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該カチオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、該錠剤は、口腔pHで3分以内、特に2分半以内、より詳細には2分以内、及びより詳細には1分以内で崩壊し、該錠剤は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の錠剤は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、該錠剤は、口腔pHで3分以内、特に2分半以内、より詳細には2分以内、及びより詳細には1分以内で崩壊し、該錠剤は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の錠剤は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩とがマトリックスを形成し、該錠剤は、口腔pHで3分以内、特に2分半以内、より詳細には2分以内、及びより詳細には1分以内で崩壊し、該錠剤は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
一実施形態では、本発明の錠剤は、治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポラクリリンカリウム、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含み、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポラクリリンカリウムとがマトリックスを形成し、該錠剤は、口腔pHで3分以内、特に2分半以内、より詳細には2分以内、及びより詳細には1分以内で崩壊し、該錠剤は、以下に従った溶解プロファイルを示す:(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10%未満が溶解する、及び(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80%超が溶解する。
本発明者らはまた、剤形のいくつかの実施形態について、剤形が、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77%超の含有量で含むことも発見した。さらに、アモルファスソリフェナシンがソリフェナシン分解生成物の形成の主な原因であることを開示している欧州特許出願第1 728 791 A1号明細書の教示にもかかわらず、本発明者らは、ポリマーとソリフェナシンとがマトリックスを形成し、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77%超の含有量で含む剤形の実施形態では、ソリフェナシンN−オキシドなどの分解生成物の形成が回避されることを発見した。したがって、本発明はまた、アモルファスソリフェナシンの含有量が高い製剤を安定化し、経時的な分解生成物の形成を防止する新しい方法を提供する。
本発明によるソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩のアモルファス含有量を評価する方法は、一般に、組成物中のソリフェナシン又はその塩の結晶構造を同定する任意の方法であるが、例えば粉末X線回折(PXRD)法、示差走査熱量測定(DSC)法、固体核磁気共鳴(NMR)、及び近赤外(NIR)分光法が含まれる。特に、他の成分との混合組成物中の、比較的低濃度の薬物の結晶構造を測定するためには、固体NMR又はNIR分光法により結晶構造を測定することが好ましい。NIRによりコハク酸ソリフェナシンのアモルファス含有量を測定する方法は、欧州特許出願第1728791A1号明細書、段落[0029]に記載されている。固体NMRによりコハク酸ソリフェナシンのアモルファス含有量を測定する方法は、欧州特許出願第1728791A1号明細書、段落[0030]に記載されている。記載された方法は、ソリフェナシンの他の薬学的に許容される塩のアモルファス含有量を測定するために、当業者によって容易に適合させることができる。
一実施形態では、本発明の剤形は、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77%超、好ましくは80%超、より好ましくは90%超、さらにより好ましくは95%超の含有量で含む。特定の実施形態では、本発明の剤形は、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを99%超の含有量で含む。
興味深いことに、本発明者らは、ソリフェナシンと本発明のポリマーとがマトリックスを形成するとき、アモルファスソリフェナシンの含有量が時間的に安定なままであり、アモルファスソリフェナシンの結晶ソリフェナシンへの変換が回避されることも見出した。
一実施形態では、本発明の剤形は、通常の貯蔵条件下で3ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77%超、好ましくは80%超、より好ましくは90%超、さらにより好ましくは95%超の含有量で含む。特定の実施形態では、本発明の剤形は、通常の貯蔵条件下で3ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを99%超の含有量で含む。
一実施形態では、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77%超の含有量で含む本発明の固形経口剤形は、20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度において3ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシンN−オキシドを0.5%未満、好ましくは0.2%未満、及びより好ましくは0.1%未満含有する。
別の実施形態では、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77%超の含有量で含む本発明の固形経口剤形は、20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度において6ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシンN−オキシドを0.5%未満、好ましくは0.2%未満、及びより好ましくは0.1%未満含有する。
別の実施形態では、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77%超の含有量で含む本発明の固形経口剤形は、30〜40℃の温度及び55〜65%の相対湿度において3ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシンN−オキシドを0.5%未満、好ましくは0.2%未満、及びより好ましくは0.1%未満含有する。
別の実施形態では、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77%超の含有量で含む本発明の固形経口剤形は、30〜40℃の温度及び55〜65%の相対湿度において6ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシンN−オキシドを0.5%未満、好ましくは0.2%未満、及びより好ましくは0.1%未満含有する。
別の実施形態では、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77%超の含有量で含む本発明の固形経口剤形は、30〜40℃の温度及び65〜75%の相対湿度において3ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシンN−オキシドを0.5%未満、好ましくは0.2%未満、及びより好ましくは0.1%未満含有する。
別の実施形態では、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77%超の含有量で含む本発明の固形経口剤形は、30〜40℃の温度及び65〜75%の相対湿度において6ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシンN−オキシドを0.5%未満、好ましくは0.2%未満、及びさらに好ましくは0.1%未満含有する。
本発明のソリフェナシンの量は、治療有効量であれば特に限定されない。このような量は、好ましくは1〜20mg、より好ましくは1〜5mg又は5〜10mgであり、さらにより好ましくは、2.5、5又は10mgのコハク酸ソリフェナシン又は相当する量の他のその薬学的に許容される塩である。
以下、剤形中の特定の成分の量に関連するすべてのパーセンテージは、成分の重量と剤形の総重量との比として示され、「剤形中重量%の成分」という用語で表される。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、剤形中0.5〜50重量%のソリフェナシン、好ましくは1〜25%、より好ましくは1.5〜10%、さらにより好ましくは2〜5%の量でソリフェナシンを含む。
本発明のポリマーの量は、ソリフェナシンとポリマーとが上記で詳述した溶解プロファイルを有するマトリックスを形成する限り、特に限定されない。
ソリフェナシンとポリマーとの重量対重量比は、0.5:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:4、及びより好ましくは1:1.5〜1:3である。最も好ましい実施形態では、この比は1:2である。
別の実施形態では、ソリフェナシン対イオン又はカチオン交換樹脂の重量対重量比は、0.5:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:4、及びより好ましくは1:1.5〜1:3である。最も好ましい実施形態では、この比は1:2である。
別の実施形態では、ソリフェナシンと酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂との重量対重量比は、0.5:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:4、及びより好ましくは1:1.5〜1:3である。最も好ましい実施形態では、この比は1:2である。
別の実施形態では、ソリフェナシンとメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩との重量対重量比は、0.5:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:4、及びより好ましくは1:1.5〜1:3である。最も好ましい実施形態では、この比は1:2である。
別の実施態様において、ソリフェナシンとポラクリリンカリウムとの重量対重量比は、0.5:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:4、及びより好ましくは1:1.5〜1:3である。最も好ましい実施形態では、この比は1:2である。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、剤形中1.5重量%〜40重量%のポリマー、好ましくは3%〜15%、より好ましくは5%〜10%、及びさらにより好ましくは6%〜7%の量でポリマーを含む。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、剤形中1.5重量%〜40重量%のイオン又はカチオン交換樹脂、好ましくは3%〜15%、より好ましくは5%〜10%、及びさらにより好ましくは6%〜7%の量でイオン又はカチオン交換樹脂を含む。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、剤形中1.5重量%〜40重量%の酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂、好ましくは3%〜15%、より好ましくは5%〜10%、及びさらにより好ましくは6%〜7%の量で酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂を含む。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、剤形中1.5重量%〜40重量%のメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩、好ましくは3%〜15%、より好ましくは5%〜10%、及びさらにより好ましくは6%〜7%の量でメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩を含む。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、剤形中1.5重量%〜40重量%のポラクリリンカリウム、好ましくは3%〜15%、より好ましくは5%〜10%、及びさらにより好ましくは6%〜7%の量でポラクリリンカリウムを含む。
本発明の固形経口剤形は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、流動促進剤、滑沢剤、並びに着色剤、香味料及び甘味料などの適切な薬学的に許容される賦形剤及びアジュバントをさらに含み得る。
本発明の固形経口剤形は、1又は複数の適切な希釈剤を含み得る。経口剤形に適した希釈剤は、例えば、とりわけ、マンニトール、ラクトース、好ましくはラクトース一水和物のような糖、デンプン及びその誘導体、並びにセルロース及びその誘導体、特に微結晶性セルロースである。
別の実施形態では、本発明の経口剤形は、剤形中1〜80重量%の希釈剤、好ましくは20〜75%、より好ましくは40〜70%、及びさらにより好ましくは50〜68%の希釈剤を含む。
別の実施形態では、本発明の経口剤形は、剤形中1〜80重量%、好ましくは20〜75%、より好ましくは40〜70%、及びさらにより好ましくは50〜68%のマンニトール又はラクトース又はそれらの混合物を含む。
本発明の固形経口剤形は、1又は複数の適切な結合剤をさらに含み得る。経口剤形に適した結合剤は、例えば、とりわけ、スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜及びラクトースなどの糖、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、カルボキシメチルセルロース(カルメロース)、メチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)などの天然及び合成ポリマーである。
別の実施形態では、本発明の経口剤形は、剤形中0.05〜30重量%、好ましくは1〜30%、より好ましくは2〜30%の結合剤を含有する。
別の好ましい実施形態では、本発明の経口剤形は、剤形中0.05〜30重量%、好ましくは1〜30%、より好ましくは2〜30%のヒプロメロース又はラクトース又はそれらの混合物を含有する。
本発明の固形経口剤形は、1または複数の滑沢剤をさらに含み得る。適切な滑沢剤は、例えば、とりわけ、ステアリン酸及びその誘導体、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム又はステアリン酸マグネシウムである。
別の実施形態では、滑沢剤は、剤形中0.01〜2重量%、好ましくは0.1〜1.8%、より好ましくは0.2〜1.6%の滑沢剤量で固形経口剤形中に存在する。
別の好ましい実施形態では、ステアリン酸マグネシウムは、剤形中0.01〜2重量%、好ましくは0.1〜1.8%、より好ましくは0.2〜1.6%のステアリン酸マグネシウム量で固形経口剤形中に存在する。
本発明の固形経口剤形は、1又は複数の崩壊剤をさらに含み得る。崩壊剤の量及び種類は、本発明の固形経口剤形が、嚥下前に口腔pHで3分以内、特に2分半以内、より詳細には2分以内、及びより詳細には1分以内に崩壊される限り、特に限定されない。
一実施形態では、崩壊剤は、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、ガム、及び架橋崩壊剤から選択することができる。好ましい実施形態において、崩壊剤は、とりわけ、架橋カルボキシメチルセルロース(クロスカルメロース)、架橋ポリビニルポリピロリドン(クロスポビドン)又はデンプングリコール酸塩などの架橋崩壊剤から選択される。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、剤形中1〜35重量%、好ましくは10〜30%、より好ましくは20〜28%の崩壊剤量で1又は複数の崩壊剤を含む。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、剤形中1〜35重量%、好ましくは10〜30%、より好ましくは20〜28%の架橋崩壊剤量で1又は複数の架橋崩壊剤を含む。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、剤形中1〜35重量%、好ましくは10〜30%、及びより好ましくは20〜28%のクロスポビドン又はクロスカルメロース又はそれらの混合物量で、1又は複数のクロスポビドン又はクロスカルメロース又はそれらの混合物を含む。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、剤形中1〜35重量%、好ましくは10〜30%、及びより好ましくは20〜28%のクロスカルメロース量で、クロスカルメロースを含む。
好ましい実施形態では、本発明の固形経口剤形は、1〜10mgのソリフェナシン、ソリフェナシンと樹脂との重量対重量比が1:1〜1:4であるイオン又はカチオン交換樹脂、40〜70重量%の希釈剤、1〜30重量%の結合剤、0.1〜2重量%の滑沢剤、及び10〜30重量%の架橋崩壊剤を含む。
別の好ましい実施形態では、本発明の固形経口剤形は、1〜10mgのソリフェナシン、ソリフェナシンとポラクリリンカリウムとの重量対重量比が1:1〜1:4であるポラクリリンカリウム、40〜70重量%の希釈剤、1〜30重量%の結合剤、0.1〜2重量%の滑沢剤、及び10〜30重量%の架橋崩壊剤を含む。
別の好ましい実施形態では、本発明の固形経口剤形は、1〜10mgのソリフェナシン、ソリフェナシンとポラクリリンカリウムとの重量対重量比が1:1〜1:4であるポラクリリンカリウム、40〜70重量%の希釈剤、1〜30重量%の結合剤、0.1〜2重量%の滑沢剤、及び10〜30重量%のクロスポビドン又はクロスカルメロース又はそれらの混合物を含む。
一実施形態では、本発明の固形経口剤形は、100mg未満のラクトース、好ましくは80mg未満、及びより好ましくは70mg未満のラクトースを含む。これに関して、本発明の参照製品であるVesicare(登録商標)は、5mg錠剤に対して107.5mgのラクトース一水和物、及び10mg錠剤に対して102.5mgのラクトース一水和物を含む。錠剤中のラクトースの量を減らすと、これらが壊れたり、欠けたり、砕けたりする傾向が高くなる。しかし、本発明者らは、Vesicare(登録商標)参照製品と比較して低含有量のラクトースを含むと同時に、許容可能な摩損度の値を維持するソリフェナシンの固形経口剤形をさらに製造することができた。
ラクトースは、固形経口剤形で最も一般的に使用される賦形剤の1つであり、通常、結合特性を持つ希釈剤として使用されることに留意すべきである。ある程度のラクトース不耐症はヨーロッパ人の約25%で発生することが報告されているが、医薬品に含まれる少量のラクトースは通常安全であると考えられている。しかし、一部の人は100〜200mgの低用量のラクトースで胃腸症状を発症することがある(Pawar S.、Issues in the formulation of drugs for oral use in children:Role of excipients、Paediatr.Drugs、2002年;4(6)巻、371〜379頁)。別の研究(Eadala P.、Quantifying the“hidden”lactose in drugs used for the treatment of gastrointestinal conditions、Aliment Pharmacol.Ther.、2009年、29巻、677〜687頁)では、著者は、患者は多くの場合複数の薬を服用しており、したがってラクトースへの累積暴露が発生する可能性があることを強調している。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、ソリフェナシンとラクトースとの重量対重量比が1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:8、より好ましくは1:1〜1:7、さらにより好ましくは1:2〜1:7でラクトースを含む。
本発明者らは、Vesicare(登録商標)(参照製品)と比較して低含有量のラクトースを含むと同時に、摩損度の許容値、すなわち1%未満、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.2%未満(欧州薬局方6.0、278〜279頁に開示されているような摩損度試験を使用して測定)を維持する剤形を製造することができた。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、ソリフェナシンとラクトースとの重量対重量比が1:1〜1:10でラクトースを含み、該固形経口剤形は、摩損度1%未満を示し、好ましくは1:1〜1:8及び摩損度1%未満、より好ましくは1:1〜1:7及び摩損度1%未満、さらにより好ましくは1:2〜1:7及び摩損度1%未満を示す。
一実施形態では、本発明の固形経口剤形は、70N以下、好ましくは60N以下、さらにより好ましくは50N以下の硬度を示す。
一実施形態では、本発明の固形経口剤形は、口腔pHで3分以内、好ましくは2分半以内(約150秒)、好ましくは2分以内、より好ましくは1分以内で崩壊し、70N以下、好ましくは60N以下、さらにより好ましくは50N以下の硬度を示す。
別の実施形態では、本発明の固形経口剤形は、剤形中1〜35重量%の崩壊剤、好ましくは10〜30%、より好ましくは20〜28%の量の上記で定義した1又は複数の崩壊剤を含み、70N以下、好ましくは60N以下、さらにより好ましくは50N以下の硬度を示す。
一実施形態では、本発明の固形経口剤形は、口腔pHで3分以内、好ましくは2分半以内(約150秒)、好ましくは2分以内、より好ましくは1分以内で崩壊し、70N以下、好ましくは60N以下、さらにより好ましくは50N以下の硬度を示し、及び剤形中1〜35重量%の崩壊剤、好ましくは10〜30%、より好ましくは20〜28%の量の上記で定義した1又は複数の崩壊剤を含む。
一実施形態では、経口単回投与後、本発明の組成物は、10〜20ng/mL、好ましくは12〜19ng/mL、より好ましくは14〜16ng/mLの最大血漿中濃度(Cmax)を示す。「Cmax」という用語は、本発明の組成物の経口単回投与後の血中のソリフェナシンの最大濃度を指す。
一実施形態では、経口単回投与後、本発明の組成物は、2〜24時間、好ましくは3〜11時間、より好ましくは6〜8時間の最大血漿中濃度までの時間(Tmax)を示し、さらにより好ましくはTmaxは7時間である。「Tmax」という用語は、本発明の組成物の経口単回投与後にCmaxに到達するまでの時間単位の時間を指す。
一実施形態では、経口単回投与後、本発明の組成物は、時間0から時間t時間までの時間/血漿中濃度曲線下面積(AUC0−t)が700〜1800ng・時/mL、好ましくは900〜1500ng・時/mL、より好ましくは1100〜1350ng・時/mL、さらにより好ましくは1150〜1290ng・時/mLを示す。
一実施形態では、経口単回投与後、本発明の組成物は、時間0から無限大までの時間/血漿中濃度曲線下面積(AUC0−∞)が700〜1900ng・時/mL、好ましくは1000〜1600ng・時/mL、より好ましくは1140〜1450ng・時/mL、さらにより好ましくは1200〜1360ng・時/mLを示す。
「AUC」という用語は、本発明の組成物の経口単回投与後の時間/血漿中濃度の曲線下面積を指す。AUC0−∞は、時間0から無限大までの血漿中濃度対時間の曲線下面積を示し、AUC0−tは、時間0から時間tまでの血漿中濃度対時間の曲線下面積を示す。
一実施形態では、経口単回投与後、本発明の組成物は、44〜91時間、好ましくは55〜80時間、より好ましくは60〜73時間、さらにより好ましくは63〜69の半減期(T1/2)を示す。「半減期(T1/2)」という用語は、ソリフェナシンがその薬理活性の半分を失うのにかかる時間を指す。
したがって、本発明者らは、本発明の固形経口剤形が、欧州医薬品庁(EMA)の「生物学的同等性の調査に関するガイドライン」(EMA CPMP/EWP/QWP/1401/98Rev.1/Corr**)に記載の、ソリフェナシンのバイオアベイラビリティについての薬物動態パラメーター(例えば、Cmax、Tmax、AUC0−t、AUC0−∞、及びT1/2)が、参照の製品のソリフェナシのそれと同等のものを示すことを発見した。それにより、本発明の固形経口剤形は、欧州医薬品庁(EMA)のガイドラインに従って、Vesicare(登録商標)の単回投与と生物学的に同等であると見なすことができる。
一実施形態では、本発明の固形経口剤形の調製方法は、以下の工程を含む:
(a)水中でソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩とポリマーとの混合物を調製する工程、
(b)1又は複数の希釈剤、及び任意選択で1又は複数の結合剤、崩壊剤、甘味料、香味料、又は他の賦形剤若しくは担体を混合する工程、
(c)工程(b)の混合物を、工程(a)の液体混合物を添加することにより造粒して、湿潤顆粒を得る工程、
(d)工程(c)で得られた湿潤顆粒を乾燥させ、乾燥顆粒を得る工程、
(e)工程(d)で得られた乾燥顆粒を、1又は複数の滑沢剤、及び任意選択で1又は複数の希釈剤、結合剤、崩壊剤、甘味料及び香味料、又は他の賦形剤若しくは担体と混合する工程、
(f)工程(e)で得られた混合物を圧縮して、固形経口剤形を形成する工程。
本発明の固形経口剤形について上に開示されたすべての実施形態は、調製方法にも当てはまる。
好ましい実施形態では、工程(a)のポリマーは、イオン交換樹脂、好ましくはカチオン交換樹脂、より好ましくは酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂である。別の実施形態では、工程(a)のポリマーは、メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマー、好ましくはメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩、より好ましくはポラクリリンカリウムである。
好ましい実施形態では、工程(b)及び(e)の1又は複数の崩壊剤は、クロスポビドン、クロスカルメロース、デンプングリコール酸塩又はそれらの混合物から選択される架橋崩壊剤である。
本発明の方法の乾燥工程(d)は、湿式造粒法で顆粒を乾燥させるための最新技術において公知の任意の方法によって実施することができる。乾燥温度及び乾燥方法の継続時間は、有効成分の性質と、満足できる錠剤の製造を成功させるために必要な水分レベルとに依存する。一般的に、棚又はトレイ乾燥機と流動床乾燥機をこの目的に使用することができる。一実施形態では、本発明の方法の乾燥工程(d)は、真空条件下で、好ましくは50〜70℃、より好ましくは55〜65℃で行われる。一般に、「真空条件」という用語は、0.5mbar〜3mbarの圧力を指し、好ましくは1〜2mbarを含む。
上記で定義された方法により得られる医薬固形経口剤形もまた、本発明の一部である。本発明の目的のために、表現「得られる」、「得られた」及び同等の表現は交換可能に使用され、いずれの場合でも、表現「得られる」は表現「得られた」を包含する。本発明の方法の工程(a)〜(f)について上記で開示されたすべての実施形態は、この方法により得られる固形経口剤形にも当てはまる。
一実施形態では、上記で定義された医薬固形経口剤形は、湿式造粒医薬固形経口剤形である。湿式造粒法では、粉末粒子は結合剤と呼ばれる液相を使用して凝集される。上記で定義された本発明の医薬固形経口剤形を調製するための湿式造粒法において、凝集工程は、造粒混合物(結合剤)として工程(a)で得られたソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩とポリマーとの水中混合物の使用により行われる。それは、本発明の方法が、工程(a)で得られたソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩とポリマーとの混合物を乾燥させる工程を含まないことを意味する。
説明及び特許請求の範囲を通して、「含む」という単語及びその単語の変形は、他の技術的特徴、添加物、成分又は工程を除外することを意図するものではない。さらに、「含む」という言葉は、「からなる」という場合も包含する。本発明の追加の目的、利点及び特徴は、説明を検討することにより当業者に明らかになるか、又は本発明の実施により習得することができる。以下の実施例及び図面は例示のために提供されるものであり、本発明を限定することを意図するものではない。図面に関連し、特許請求の範囲の中で括弧内に配置された参照符号は、特許請求の範囲の明瞭度を高めるための試みであり、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、本発明は、本明細書に記載された特定の好ましい実施形態のすべての可能な組み合わせを網羅する。
実施例1:錠剤の製造方法
コハク酸ソリフェナシンを撹拌しながら水に溶解する。医薬品有効成分(API)全体が溶解し、透明な溶液が得られたら、樹脂を加え、得られたAPI−樹脂の混合物を2時間撹拌する。造粒方法は、造粒溶媒としてAPI−樹脂を使用して、TRI−CHOP MGR−5(Lleal S.A.、Spain)で実行した。次に、得られた顆粒を1mmを通して篩い分けした。得られた粉末を秤量し、必要量の粒外賦形剤を再計算するために収率を得る。滑沢剤を除くすべての粒外賦形剤をあらかじめ0.630mmを通して篩い分けし、20rpmで10分間混合する。ステアリルフマル酸ナトリウムを、前に0.630mmを通して篩い分けした最終工程で加え、20rpmで5分間混合する。次に、10mmパンチを使用して最終混合物を圧縮する。
表1の剤形は、前の段落で説明した製造方法に従って得た。
Figure 2021526504
実施例2:ソリフェナシン−樹脂複合体のPXRD特性評価。
コハク酸ソリフェナシンを水に溶解した。コハク酸ソリフェナシン全体が溶解したら、樹脂を加え、得られたAPI樹脂の混合物を少なくとも2時間撹拌する。API−樹脂混合物は、噴霧乾燥又は実験室用ストーブで乾燥させた。最後に、API−樹脂の乾燥混合物を粉末X線回折(PXRD)により分析した。
図1のハロPXRDパターンは、本発明の剤形のソリフェナシンがアモルファス形態で存在することを示している。
粉末状のサンプルを、PMMAサンプルホルダーのくぼみに配置し、スライドガラスで平らに平滑化した。過度の圧力を避けるために特別な注意を払った。サンプルを、一次モノクロメータ(λ=1.54066A)及びシンチレーション検出器でCu放射を使用して、Bruker D8 Advance回折計で測定した。使用した測定条件を表2に示す。
Figure 2021526504
実施例3:本発明の製剤の安定性
実施例1で得られた製剤を分析して、温度及び相対湿度(RH)が制御された条件下で一定時間貯蔵した後に存在するソリフェナシンN−オキシドの量を定量化した。結果を表3に示す。
Figure 2021526504
すべての場合において、ソリフェナシンN−オキシドの含有量は、ICHが新有効成分含有医薬品のうちの製剤の不純物に関するガイドラインQ3B(R2)で分解生成物について確立している安全性確認の必要な閾値(0.5%)をはるかに下回っていた。
実施例4:口腔pHにおける本発明の製剤の溶解プロファイル。
実施例1で得られた製剤3、及び市販のフィルムコーティング錠(FCT)であるVesicare(登録商標)の溶解プロファイルを、口腔pHで測定した。結果を表4及び図2に示す。
Figure 2021526504
Figure 2021526504
溶解プロファイルは、本発明の剤形が口腔pHにおいてソリフェナシンの放出が非常に低く、同じ条件下のVesicare(登録商標)よりはるかに低いことを示している。
実施例5:胃のpHにおける本発明の製剤の溶解プロファイル。
実施例1で得られた製剤4、及び市販のフィルムコーティング錠(FCT)であるVesicare(登録商標)の溶解プロファイルを胃のpHで測定した。結果を表6及び図3に示す。
Figure 2021526504
Figure 2021526504
実施例6:崩壊及び嗜好性試験
本発明の製剤を、苦味、口渇、及びしびれなどの嗜好性に影響を与える様々なパラメーターを評価するために、10人のテイスターのパネルによって評価した。
崩壊時間を、欧州薬局方の試験A(Ph.Eur.6.0、263頁)、pH=7、37℃、30サイクル/分に従って測定した。
欧州薬局方による口腔内崩壊錠の定義に従って、これらは嚥下前に3分以内で口の中で崩壊しなければならない。
Figure 2021526504
実施例7:低含有量のラクトースを含む錠剤の摩損度試験及び崩壊試験。
実施例1に記載の方法に従って、錠剤あたり100mgよりも低いラクトースの含有量を有する表9に記載の製剤5及び6、並びに表1に記載の製剤7及び8を得た。表9の製剤を、欧州薬局方のガイドライン(Ph.Eur.6.0、278〜279頁)に従って摩損度試験に供した。結果を表10に示す。
表9に記載の製剤5及び6、並びに表1に記載の製剤7及び8は、欧州薬局方の試験A(Ph.Eur.6.0、263頁)、pH=7のリン酸緩衝液、37℃、30サイクル/分に従って、崩壊時間について試験した。
Figure 2021526504
Figure 2021526504
表10に示すように、製剤5、6及び8のすべての錠剤は、欧州薬局方のガイドラインに従って、1%未満の摩損度を有するという要件を満たしていた。
実施例8:バイオアベイラビリティ試験
本発明の固形経口剤形のバイオアベイラビリティを研究した。
A.方法論
本研究は、スクリーニング期間が期間IのIMP投与前28日間である空腹状態の健康な成人ヒト被験者における、本発明のコハク酸ソリフェナシン10mgの口腔内崩壊錠、及びAstellas Pharma,S.A.のフィルムコーティング錠であるVesicare(登録商標)10mgの、非盲験、バランス化、無作為化、2投与法、2投与順序(sequence)、2期のクロスオーバー、バイオアベイラビリティであった。各研究期間中に、中止/離脱した被験者の欠落サンプルを除いて、投与前の血液サンプル1つを含む30の血液サンプルを各被験者から収集し、試験製品及び参照製品の薬物動態プロファイルを分析した。
Phoenix(登録商標)WinNonlin(登録商標)バージョン6.4(Certara L.P.)を使用した非コンパートメントモデルにより、ソリフェナシンについて血漿中濃度対時間のプロファイルから薬物動態パラメーターを計算した。SAS(登録商標)バージョン9.4(SAS Institute Inc.、USA)のPROC GLMを使用して、2つの製剤の薬物動態パラメーターの統計的比較を行い、試験製剤と参照製剤間のバイオアベイラビリティを評価した。
B.被験者数(計画及び分析済み):
Figure 2021526504
C.診断及び組み入れの主な基準:
研究手順を理解し、順守できる、書面によるインフォームドコンセントを提出した、肥満度指数(BMI)18.5〜30.0kg/m2(両方を含む)を有する18歳〜45歳(両方を含む)の非喫煙、健康状態正常の成人ヒトボランティアを、研究に参加させた。スクリーニング、病歴、臨床検査、検査室での評価、12誘導心電図及び胸部X線(後方−前方像)の記録中に、重要な疾患や臨床的に重要な異常所見はなかった。
D.サンプル
バイオアベイラビリティ試験で使用されるサンプルは次のとおりである。
a)試験サンプル:実施例1の表1の製剤8。
b)参照試験:Vesicare(登録商標)10mg、フィルムコーティング錠。
E.試験方法
試験サンプル:
少なくとも10時間の終夜の絶食後、投与直前に口を濡らすための周囲温度の20±02mLの飲料水と共に、試験製品を座位の被験者に単回経口投与(10mg)した。IMP投与は、無作為化スケジュールに従って、非盲験条件下により行った。被験者は、錠剤を口に含み、丸飲みをせず、完全に崩壊するまで錠剤を噛み砕いたり、かじったり、壊したりしないように求められた。
参照サンプル:
少なくとも10時間の終夜の絶食後、周囲温度の240±02mLの飲料水と共に、参照製品を座位の被験者に単回経口投与(10mg)した。IMP投与は、無作為化スケジュールに従って、非盲験条件下により行った。錠剤を噛んだり砕いたりせずに丸飲みした。
サンプリング:
初回及び投与後の各時点で採血した。
血液サンプルは、被験者の前腕静脈に留置された内在静脈内カニューレ(ベンフロン)を介して採取した。投与後24時間で血液サンプルを採取した後、カニューレを取り外した。投与後24時間の血液サンプルを、新しい静脈穿刺を通して採取した。各期間の外来サンプルのための血液サンプルを、新しい静脈穿刺を使用して収集した。採血直後に、採血管(バキュテナー)を数回穏やかに反転させて、チューブの内容物(すなわち、抗凝固剤)を確実に混合した。予防のために、バキュテナーは遠心分離されるまで氷冷水浴に保持されたラックに直立させた。
血液サンプルを10℃未満において3000rcfで5分間遠心分離して、血漿を分離した。予防のため、血液サンプルは遠心分離前及び分離中は氷冷水浴に保持した。分離された血漿を、2つのアリコートで事前にラベル付けされたポリプロピレンチューブに移した(最初のアリコートに約0.4mL、2番目のアリコートが残りの容量)。
すべてのサンプルは、−65±10℃の温度で冷凍庫に立てて貯蔵し、バイオ分析部門に移送するまで暫定貯蔵した。
F.薬物動態の結果
試験製品−T及び参照製品−Rに対するソリフェナシンの薬物動態学的パラメーターを、以下の表にまとめた:
Figure 2021526504
ソリフェナシンの試験製品−T及び参照製品−Rの相対的バイオアベイラビリティ分析(すなわち、幾何最小二乗平均、比率、90%信頼区間、被験者内CV及び検出力)を次の表にまとめる。
Figure 2021526504
表13の結果は、本発明の固形経口剤形(試験製品−T)がVesicare(登録商標)10mg(参照製品−R)と比較した場合、プロトコルで設定された基準に基づいて、空腹条件下のソリフェナシンのCmax及びAUC0−tに関するバイオアベイラビリティ基準を満たしていることを示している。次に、本発明の固形経口剤形は、参照製品(Vesicare(登録商標))と生物学的同等である。
図4は、本発明の固形経口剤形対参照製品Vesicare(登録商標)の平均血漿中濃度−時間曲線を示す。図4は、本発明の組成物の口腔及び胃のpHでの溶解プロファイルが参照製品と比較して大きく異なる(図2及び3)という事実にもかかわらず、本発明の剤形が参照製品と比較して非常に類似したバイオアベイラビリティプロファイルを示すことを強調している。
引用リスト
欧州薬局方6.0、750頁
欧州薬局方6.0、263頁
欧州薬局方6.0、278〜279頁
新有効成分含有医薬品のうちの製剤の不純物に関するガイドラインQ3B(R2)
欧州特許公開第1787640A1号公報
欧州特許公開第1728791A1号公報
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完全性の理由から、本発明の様々な態様は、以下の番号付けされた条項で示される。
第1項 治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、ポリマー、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含む医薬固形経口剤形であって、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとがマトリックスを形成し、該剤形が、以下に従った溶解プロファイルを示すことを特徴とする医薬固形経口剤形:
(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の10w/w%未満が溶解する、及び
(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解する、
(溶解プロファイルは、欧州薬局方装置II(パドル)を使用して、剤形を適切なpH条件下で900mL中に置き、37℃及び毎分50回転の撹拌において決定される)。
第2項 医薬固形経口剤形は、錠剤、好ましくは口腔内崩壊錠であることを特徴とする、第1項に記載の剤形。
第3項 前記ポリマーがイオン交換樹脂であることを特徴とする、第1項〜第2項に記載の剤形。
第4項 前記ポリマーがカチオン交換樹脂であることを特徴とする、第1項〜第3項に記載の剤形。
第5項 前記ポリマーが酸性又は弱酸性のカチオン交換樹脂であることを特徴とする、第1項〜第4項に記載の剤形。
第6項 前記ポリマーがメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーであることを特徴とする、第1項〜第5項に記載の剤形。
第7項 前記ポリマーが、メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩であることを特徴とする、第1項〜第6項に記載の剤形。
第8項 前記ポリマーがポラクリリンカリウムであることを特徴とする、第1項〜第7項に記載の剤形。
第9項 前記ポラクリリンカリウムがPurolite(登録商標)C115KMRであることを特徴とする、第8項に記載の剤形。
第10項 以下に従った溶解プロファイルを示すことを特徴とする、第1項〜第9項に記載の剤形:
(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の5w/w%未満が溶解する、及び
(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解する。
第11項 以下に従った溶解プロファイルを示すことを特徴とする、第1項〜第10項に記載の剤形:
(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の3w/w%未満が溶解する、及び
(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解する。
第12項 以下に従った溶解プロファイルを示すことを特徴とする、第1項〜第11項に記載の剤形:
(i)pH6.5〜7.5において5分後に、ソリフェナシン含有量の2w/w%未満が溶解する、及び
(ii)pH1.0〜1.6において30分後に、ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解する。
第13項 崩壊時間を、欧州薬局方の試験A、剤形を適切なpH条件下に置き、37℃、30サイクル/分によって決定した場合、pH6.5〜7.5において3分以内に崩壊することを特徴とする、第1項〜第12項に記載の剤形。
第14項 pH6.5〜7.5において2分以内に崩壊することを特徴とする、第13項に記載の剤形。
第15項 pH6.5〜7.5において1分以内に崩壊することを特徴とする、第13項〜第14項に記載の剤形。
第16項 ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77w/w%超の含有量で含むことを特徴とする、第1項〜第15項に記載の剤形。
第17項 ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを80w/w%超の含有量で含むことを特徴とする、第1項〜第15項に記載の剤形。
第18項 ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを90w/w%超の含有量で含むことを特徴とする、第1項〜第15項に記載の剤形。
第19項 20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度の条件下で3ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77w/w%超の含有量で含むことを特徴とする、第16項に記載の剤形。
第20項 20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度の条件下で3ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを80w/w%超の含有量で含むことを特徴とする、第17項に記載の剤形。
第21項 20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度の条件下で3ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを90w/w%超の含有量で含むことを特徴とする、第18項に記載の剤形。
第22項 20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度における3ヶ月の貯蔵後に、0.5w/w%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第21項に記載の剤形。
第23項 20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度における3ヶ月の貯蔵後に、0.2w/w%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第21項に記載の剤形。
第24項 20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度における3ヶ月の貯蔵後に、0.1w/w%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第21項に記載の剤形。
第25項 30〜40℃の温度及び65〜75%の相対湿度における3ヶ月の貯蔵後に、0.5%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第18項に記載の剤形。
第26項 30〜40℃の温度及び65〜75%の相対湿度における3ヶ月の貯蔵後に、0.2%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第18項に記載の剤形。
第27項 30〜40℃の温度及び65〜75%の相対湿度における3ヶ月の貯蔵後に、0.1%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第18項に記載の剤形。
第28項 20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度における6ヶ月の貯蔵後に、0.5w/w%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第21項に記載の剤形。
第29項 20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度における6ヶ月の貯蔵後に、0.2w/w%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第21項に記載の剤形。
第30項 20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度における6ヶ月の貯蔵後に、0.1w/w%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第21項に記載の剤形。
第31項 30〜40℃の温度及び65〜75%の相対湿度における6ヶ月の貯蔵後に、0.5%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第18項に記載の剤形。
第32項 30〜40℃の温度及び65〜75%の相対湿度における6ヶ月の貯蔵後に、0.2%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第18項に記載の剤形。
第33項 30〜40℃の温度及び65〜75%の相対湿度における6ヶ月の貯蔵後に、0.1%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、第16項〜第18項に記載の剤形。
第34項 前記ポリマーが、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとの重量対重量比0.5:1〜1:10で存在することを特徴とする、第1項〜第33項に記載の剤形。
第35項 前記ポリマーが、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとの重量対重量比1:1〜1:4で存在することを特徴とする、第1項〜第33項に記載の剤形。
第36項 前記ポリマーが、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該ポリマーとの重量対重量比1:1.5〜1:3で存在することを特徴とする、第1項〜第33項に記載の剤形。
第37項 前記ポリマーが、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と前記ポリマーとの重量対重量比1:2で存在することを特徴とする、第1項〜第33項に記載の剤形。
第38項 前記ポリマーがイオン交換樹脂であることを特徴とする、第34項〜第37項に記載の剤形。
第39項 前記ポリマーがカチオン交換樹脂であることを特徴とする、第34項〜第38項に記載の剤形。
第40項 前記ポリマーが酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂であることを特徴とする、第34項〜第39項に記載の剤形。
第41項 前記ポリマーがメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーであることを特徴とする、第34項〜第40項に記載の剤形。
第42項 前記ポリマーが、メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーのカリウム塩又は部分カリウム塩であることを特徴とする、第34項〜第41項に記載の剤形。
第43項 前記ポリマーがポラクリリンカリウムであることを特徴とする、第34項〜第42項に記載の剤形。
第44項 前記ポリマーがPurolite(登録商標)C115KMRであることを特徴とする、第34項〜第43項に記載の剤形。
第45項 前記薬学的に許容される賦形剤が、ポリビニルポリピロリドン(クロスポビドン)、架橋カルボキシメチルセルロース(クロスカルメロース)、デンプングリコール酸塩又はそれらの混合物から選択される粒外及び粒内崩壊剤を含むことを特徴とする、第1項〜第44項に記載の剤形。
第46項 粒外及び粒内崩壊剤の総量が、剤形中1〜35重量%の崩壊剤量で存在することを特徴とする、第45項に記載の剤形。
第47項 粒外及び粒内崩壊剤の総量が、剤形中10〜30重量%の崩壊剤量で存在することを特徴とする、第45項〜第46項に記載の剤形。
第48項 粒外及び粒内崩壊剤の総量が、剤形中20〜28重量%の崩壊剤量で存在することを特徴とする、第45項〜第47項に記載の剤形。
第49項 前記崩壊剤が、粒内崩壊剤対粒外崩壊剤の重量対重量比14:1〜1:14で存在することを特徴とする、第45項〜第48項に記載の剤形。
第50項 前記崩壊剤が、粒内崩壊剤対粒外崩壊剤の重量対重量比13:2〜2:13で存在することを特徴とする、第49項に記載の剤形。
第51項 前記崩壊剤が、粒内崩壊剤対粒外崩壊剤の重量対重量比13:2〜2:13で存在することを特徴とする、第49項〜第50項に記載の剤形。
第52項 前記崩壊剤が、粒内崩壊剤対粒外崩壊剤の重量対重量比2:1〜1:4で存在することを特徴とする、第49項〜第51項に記載の剤形。
第53項 以下の工程を含む、第1項〜第52項のいずれかに記載の固形経口剤形の調製方法:
(a)水中でソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩とポリマーとの混合物を調製する工程、
(b)1又は複数の希釈剤、及び任意選択で1又は複数の結合剤、崩壊剤、甘味料、香味料、又は他の賦形剤若しくは担体を混合する工程、
(c)工程(b)の混合物を、工程(a)の液体混合物を添加することにより造粒して、湿潤顆粒を得る工程、
(d)工程(c)で得られた湿潤顆粒を乾燥させ、乾燥顆粒を得る工程、
(e)工程(d)で得られた乾燥顆粒を、1又は複数の滑沢剤、及び任意選択で1又は複数の希釈剤、結合剤、崩壊剤、甘味料及び香味料、又は他の賦形剤若しくは担体と混合する工程、
(f)工程(e)で得られた混合物を圧縮して、錠剤を形成する工程。
第54項工程(a)のポリマーがイオン交換樹脂であることを特徴とする、第53項に記載の方法。
第55項 工程(a)のポリマーがカチオン交換樹脂であることを特徴とする、第53項〜第54項に記載の方法。
第56項 工程(a)のポリマーが酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂であることを特徴とする、第53項〜第55項に記載の方法。
第57項 工程(a)のポリマーが酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂であることを特徴とする、第53項〜第56項に記載の方法。
第58項 工程(a)のポリマーがメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーであることを特徴とする、第53項〜第57項に記載の方法。
第59項 工程(a)のポリマーが、メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーのカリウム塩又は部分カリウム塩であることを特徴とする、第53項〜第58項に記載の方法。
第60項 工程(a)のポリマーがポラクリリンカリウムであることを特徴とする、53項〜59項に記載の方法。
第61項 工程(b)及び(e)の1又は複数の崩壊剤が、ポリビニルポリピロリドン(クロスポビドン)、架橋カルボキシメチルセルロース(クロスカルメロース)、デンプングリコール酸塩、又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする、第53項〜第60項に記載の方法。
第62項 第53項〜第61項のいずれかに記載の方法によって入手可能な、第1項〜第52項のいずれかに記載の固形経口剤形。
第63項 過活動膀胱症候群に関連する下部尿路症状の治療に使用するための、第1項〜第52項及び第62項のいずれかに記載の固形経口剤形。
第64項 過活動膀胱症候群に関連する下部尿路症状が切迫性尿失禁、尿頻度の増加及び尿意切迫感の増加からなる群から選択されることを特徴とする、第63項に記載の使用のための固形経口剤形。

Claims (18)

  1. 治療有効量のソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩、イオン交換樹脂、及び1又は複数の薬学的に許容される賦形剤又は担体を含む口腔内崩壊性医薬固形剤形であって、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と前記イオン交換樹脂とがマトリックスを形成し、前記剤形が、以下に従った溶解プロファイルを示すことを特徴とする口腔内崩壊性医薬固形剤形であって:
    欧州薬局方装置II(パドル)を使用し、前記剤形を適切なpH条件下で900mL中に置き、37℃及び毎分50回転の撹拌において決定した場合、
    (i)pH6.5〜7.5において5分後に、前記ソリフェナシン含有量の10w/w%未満が溶解する、及び
    (ii)pH1.0〜1.6において30分後に、前記ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解する、
    口腔内崩壊性医薬固形剤形。
  2. 前記イオン交換樹脂がメタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の剤形。
  3. 前記イオン交換樹脂がポラクリリンカリウムであることを特徴とする、請求項1〜2に記載の剤形。
  4. 1又は複数の崩壊剤を1〜35w/w%の量で含むことを特徴とする、請求項1〜3に記載の剤形。
  5. 前記1又は複数の崩壊剤が架橋崩壊剤であることを特徴とする、請求項4に記載の剤形。
  6. 口腔内崩壊錠であることを特徴とする、請求項1〜5に記載の剤形。
  7. 70N以下、好ましくは60N以下、より好ましくは50N以下の硬度を示すことを特徴とする、請求項6に記載の剤形。
  8. 欧州薬局方崩壊装置Aを使用して、pH=7を有するリン酸緩衝液中に剤形を置き、37℃及び毎分30サイクルにおいて測定した場合、3分以内、特に2分半以内、より詳細には2分以内、より詳細には1分以内に崩壊することを特徴とする、請求項1〜7に記載の剤形。
  9. 以下に従った溶解プロファイル、
    (i)pH6.5〜7.5において5分後に、前記ソリフェナシン含有量の5w/w%未満が溶解すること、及び
    (ii)pH1.0〜1.6において30分後に、前記ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解すること、
    を示すことを特徴とする、請求項1〜8に記載の剤形。
  10. 以下に従った溶解プロファイル、
    (i)pH6.5〜7.5において5分後に、前記ソリフェナシン含有量の3w/w%未満が溶解すること、及び
    (ii)pH1.0〜1.6において30分後に、前記ソリフェナシン含有量の80w/w%超が溶解すること、
    を示すことを特徴とする、請求項1〜9に記載の剤形。
  11. ラクトースをソリフェナシン対ラクトースの重量対重量比1:1〜1:10で含み、1%未満の摩損度を示すことを特徴とする、請求項1〜10に記載の剤形。
  12. ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77w/w%超の含有量で含むことを特徴とする、請求項1〜11に記載の剤形。
  13. 20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度の条件下で3ヶ月の貯蔵後に、ソリフェナシン又は他のその薬学的に許容される塩のアモルファスを77w/w%超の含有量で含むことを特徴とする、請求項12に記載の剤形。
  14. 20〜30℃の温度及び55〜65%の相対湿度における3ヶ月の貯蔵後に、0.5w/w%未満のソリフェナシンN−オキシドを含有することを特徴とする、請求項12〜13に記載の剤形。
  15. 前記イオン交換樹脂が、ソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩と該イオン交換樹脂との重量対重量比1:2で存在することを特徴とする、請求項1〜14に記載の剤形。
  16. 以下の工程、
    (a)水中でソリフェナシン又はその薬学的に許容される塩とイオン交換樹脂との混合物を調製する工程、
    (b)1又は複数の希釈剤、及び任意選択で1又は複数の結合剤、崩壊剤、甘味料、香味料、又は他の賦形剤若しくは担体を混合する工程、
    (c)工程(b)の混合物を、工程(a)の液体混合物を添加することにより造粒して、湿潤顆粒を得る工程、
    (d)工程(c)で得られた湿潤顆粒を乾燥させ、乾燥顆粒を得る工程、
    (e)工程(d)で得られた乾燥顆粒を、1又は複数の滑沢剤、及び任意選択で1又は複数の希釈剤、結合剤、崩壊剤、甘味料及び香味料、又は他の賦形剤若しくは担体と混合する工程、
    (f)工程(e)で得られた混合物を圧縮して、固形経口剤形を形成する工程、
    を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の固形経口剤形の調製方法。
  17. 乾燥工程(d)が真空条件下で行われる、請求項16に記載の方法。
  18. 過活動膀胱症候群に関連する下部尿路症状の治療に使用するための、請求項1〜15のいずれかに記載の固形経口剤形。
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